説明

試験具セットおよび手術用キット

【課題】椎弓または棘突起を切断して開くことによって形成された間隙にスペーサを挿入して、脊柱管を拡大する手術を行なう際の操作性に優れた試験具セットおよび手術用キットを提供すること。
【解決手段】試験具セット20は、椎弓を切断して開くことによって形成された間隙に挿入して、脊柱管を拡大するのに用いられるスペーサに先行して、間隙に挿入して当該間隙の大きさを確認するのに用いられる試験具1a〜1cを備えるものである。試験具1a〜1cは、それぞれ、前記間隙に挿入され、スペーサの脊柱管を拡大する方向の長さに対応した長さを有するヘッド部2と、長尺状をなし、その先端部がヘッド部2に連結された把持部3とを備え、ヘッド部2から把持部3にわたって全体が着色されたものである。試験具1a〜1cは、それぞれ、ヘッド部2の前記長さが異なり、かつ、色彩も異なっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験具セット、および、それを備える手術用キットに関する。
【背景技術】
【0002】
頚椎脊椎症性脊髄症や、後縦靭帯骨化症、黄色靭帯骨化症等に対する治療として、片側侵入片開き式脊柱管拡大術が行われている。片側侵入片開き式脊柱管拡大術では、椎弓の一方側(片側)を切断し、他方側をヒンジのようにして椎弓を開くことにより、脊柱管を拡大する。この際、椎弓を開くことにより形成された間隙に挿入する骨補填材として、椎弓スペーサが用いられている(例えば、特許文献1参照)。そして、この椎弓スペーサを前記間隙に挿入することにより、拡大した椎弓を形成することができる。
【0003】
このような片側侵入片開き式脊柱管拡大術では、椎弓の開きの程度によって前記間隙の大きさが異なる。このため、椎弓スペーサも、間隙の大きさに適合するように、その大きさが異なるものが複数用意されており、それらの中から選択して用いられる。
【0004】
例えば片側侵入片開き式脊柱管拡大術を行なう際、前記間隙に椎弓スペーサを挿入する前に、当該間隙の大きさを目視で確認する。そして、当該間隙に好適に挿入することができるであろう、すなわち、当該間隙に挿入するのに丁度よい大きさであろう椎弓スペーサを選択して、この椎弓スペーサを当該間隙に挿入する。このとき、この椎弓スペーサが当該間隙に好適に挿入することができるものであれば、そのまま椎弓スペーサを椎弓に固定することができる。
【0005】
しかしながら、当該間隙に挿入した椎弓スペーサが当該間隙に対して大き過ぎたり小さ過ぎたりする場合には、椎弓スペーサが当該間隙に好適に挿入することができるものが見つかるまで、椎弓スペーサを選択し直さなければならない。このような作業を行なっていると、迅速な手術を行なうのが阻害されるおそれがあるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−79648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、椎弓または棘突起を切断して開くことによって形成された間隙にスペーサを挿入して、脊柱管を拡大する手術を行なう、または、骨が欠損することによって形成された欠損部にスペーサ挿入して、正常な骨の形状を再建する手術を行なう際の操作性に優れた試験具セットおよび手術用キットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) 椎弓または棘突起を切断して開くことによって形成された間隙に挿入して、脊柱管を拡大するのに用いられるスペーサに先行して、前記間隙に挿入して該間隙の大きさを確認するのに用いられる試験具を複数備える試験具セットであって、
前記各試験具は、それぞれ、前記間隙に挿入され、前記スペーサの前記脊柱管を拡大する方向の長さに対応した長さを有するヘッド部と、長尺状をなし、その先端部が前記ヘッド部に連結され、当該試験具を用いる際に把持される把持部とを備え、前記試験具の少なくとも一部には、着色された着色部が設けられており、
前記各試験具は、それぞれ、前記ヘッド部の前記長さが異なり、かつ、前記着色部の色彩も異なることを特徴とする試験具セット。
【0009】
これにより、椎弓または棘突起を切断して開くことによって形成された間隙にスペーサを挿入して、脊柱管を拡大する手術を行なう際の操作性に優れる。
【0010】
(2) 前記スペーサは、ブロック状をなすものであり、
前記ヘッド部は、前記スペーサを模したブロック状をなし、その前記長さが前記スペーサの前記脊柱管を拡大する方向の長さに対応していることの他に、その幅および厚さも前記スペーサの幅および厚さに対応している上記(1)に記載の試験具セット。
【0011】
これにより、ヘッド部をスペーサと同様の用い方をすることができる、すなわち、椎弓の間隙へ容易に挿入することができ、よって、手術時の操作性により優れる。
【0012】
(3) 前記着色部は、それが設けられる部分が金属材料で構成され、前記部分に陽極酸化処理を施してなるものである上記(1)または(2)に記載の試験具セット。
【0013】
これにより、着色部が陽極酸化被膜で構成されることとなり、よって、着色部の剥離が防止される。
【0014】
(4) 前記着色部は、前記ヘッド部および前記把持部の全体にわたって設けられている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の試験具セット。
これにより、各試験具の識別が容易となる。
【0015】
(5) 前記把持部は、その基端部に幅が拡大した平板状をなす平板状部を有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の試験具セット。
【0016】
これにより、例えば、平板状部は、試験具を載置台から持ち上げるときに指先で摘まれる摘み部として機能する。
【0017】
(6) 前記各試験具は、それぞれ、載置台に載置される際に前記平板状部が前記載置台に対し起立した状態となるように載置可能である上記(5)に記載の試験具セット。
【0018】
これにより、試験具を載置台から持ち上げる際に、平板状部を指先で容易に摘むことができ、よって、試験具を載置台から迅速に持ち上げることができる。
【0019】
(7) 前記把持部は、その前記ヘッド部側近傍の部分に屈曲または湾曲した屈曲部を有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の試験具セット。
【0020】
これにより、把持部を把持してヘッド部を椎弓の間隙に挿入する操作を容易に行なうことができる。
【0021】
(8) 前記各試験具は、それぞれ、載置台に載置される際に前記ヘッド部が前記載置台に非接触となるように載置可能である上記(7)に記載の試験具セット。
【0022】
これにより、ヘッド部が載置台に不本意に触れるのを防止することができ、よって、ヘッド部を清潔な状態に保つことができる。
【0023】
(9) 骨が欠損することによって形成された欠損部に挿入して、正常な骨の形状を再建するのに用いられるスペーサに先行して、前記欠損部に挿入して該欠損部の大きさを確認するのに用いられる試験具を複数備える試験具セットであって、
前記各試験具は、それぞれ、前記欠損部に挿入され、前記スペーサの長さ、幅および厚さの少なくとも一つに対応した寸法を有するヘッド部と、長尺状をなし、その先端部が前記ヘッド部に連結され、当該試験具を用いる際に把持される把持部とを備え、前記試験具の少なくとも一部には、着色された着色部が設けられており、
前記各試験具は、それぞれ、前記ヘッド部の前記寸法が異なり、かつ、前記着色部の色彩も異なることを特徴とする試験具セット。
【0024】
これにより、骨欠損部にスペーサを挿入して、正常な骨の形状を再建する手術を行なう際の操作性に優れる。
【0025】
(10) 上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の試験具セットと、
前記各試験具にそれぞれ対応した前記スペーサと、該各スペーサをそれぞれ包装する包材とを有し、前記各スペーサのうちの1つが選択して用いられるスペーサ包装体セットとを備え、
前記各包材は、それぞれ、該包材が包装する前記スペーサに対応する前記試験具の前記着色部と同色の色彩が施された部分を有することを特徴とする手術用キット。
【0026】
これにより、椎弓または棘突起を切断して開くことによって形成された骨欠損部(間隙)にスペーサを挿入して、脊柱管を拡大する手術あるいは骨の再建手術を行なう際の操作性に優れる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、椎弓または棘突起を切断して開くことによって形成された間隙にスペーサを挿入して、脊柱管を拡大する手術を行なう際、大きさが異なる複数のスペーサの中から、椎弓の間隙に好適に挿入することができるものが見つかるまで、当該間隙に対する各スペーサの着脱を試みるような煩雑さを省略することができる。骨欠損部を正常な骨の形状と同じに再建する手術を行なう際にも、同様に煩雑さを省略することができる。これにより、これらの手術を行なう際の操作性に優れ、迅速な手術を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の手術用キットが備える試験具セット(第1実施形態)を示す斜視図である。
【図2】本発明の手術用キットが備えるスペーサ包装体セットを示す斜視図である。
【図3】図1に示す試験具のヘッド部とスペーサとをそれぞれ示す平面図である。
【図4】図3中の矢印A方向から見た図である。
【図5】図1に示す試験具を載置台に載置した状態を示す図である。
【図6】図1に示す試験具を載置台に載置した状態を示す図である。
【図7】図1および図2に示す手術用キットを用いた片側侵入片開き式脊柱管拡大術を順を追って説明するための模式図である。
【図8】図1および図2に示す手術用キットを用いた片側侵入片開き式脊柱管拡大術を順を追って説明するための模式図である。
【図9】図1および図2に示す手術用キットを用いた片側侵入片開き式脊柱管拡大術を順を追って説明するための模式図である。
【図10】図1および図2に示す手術用キットを用いた片側侵入片開き式脊柱管拡大術を順を追って説明するための模式図である。
【図11】図1および図2に示す手術用キットを用いた片側侵入片開き式脊柱管拡大術を順を追って説明するための模式図である。
【図12】図1および図2に示す手術用キットを用いた片側侵入片開き式脊柱管拡大術を順を追って説明するための模式図である。
【図13】本発明の手術用キットが備える試験具セット(第2実施形態)中の1本の試験具を示す斜視図である。
【図14】図13に示す手術用キットを用いた正中縦割式拡大椎弓形成術を順を追って説明するための模式図である。
【図15】図13に示す手術用キットを用いた正中縦割式拡大椎弓形成術を順を追って説明するための模式図である。
【図16】図13に示す手術用キットを用いた正中縦割式拡大椎弓形成術を順を追って説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の試験具セットおよび手術用キットを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の試験具セットを片側侵入片開き式脊柱管拡大術または正中縦割式拡大椎弓形成術に適用する場合を例に挙げて説明するが、本発明の試験具セットが適用される術式は特に限定されるものではない。また、本発明の試験具セットは、椎弓用のスペーサを模したものに限定されるものではなく、例えば、高位脛骨骨切術用スペーサ、腸骨スペーサ、椎間スペーサなどを模したものであってよく、その形状は円柱形状や楔形状などであってもよい。
【0030】
<第1実施形態>
図1は、本発明の手術用キットが備える試験具セット(第1実施形態)を示す斜視図、図2は、本発明の手術用キットが備えるスペーサ包装体セットを示す斜視図、図3は、図1に示す試験具のヘッド部とスペーサとをそれぞれ示す平面図、図4は、図3中の矢印A方向から見た図、図5および図6は、それぞれ、図1に示す試験具を載置台に載置した状態を示す図、図7〜図12は、それぞれ、図1および図2に示す手術用キットを用いた片側侵入片開き式脊柱管拡大術を順を追って説明するための模式図である。なお、以下では、説明の都合上、図1および図5中の試験具のヘッド部側を「先端」、その反対側を「基端」と言い、図1、図2、図5および図6中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図7〜図12中の上側が背側、下側が腹側である。
【0031】
図1および図2に示す手術用キット10は、片側侵入片開き式脊柱管拡大術において用いられるものである。この手術用キット10は、試験具(トライアル)1a、1b、1cを有する試験具セット20と、スペーサ包装体40a、40b、40cを有するスペーサ包装体セット30とを備えている。スペーサ包装体40aにはスペーサ9aが収納され、スペーサ包装体40bにはスペーサ9bが収納され、スペーサ包装体40cにはスペーサ9cが収納されている。スペーサ9a〜9cの大きさは、それぞれ、異なっている。
【0032】
まず、片側侵入片開き式脊柱管拡大術について、図7〜図12を参照しつつ説明する。
[1] 図7に示すように、頚椎の椎骨100は、椎体110と、椎体110の後方(図7中の上側)に延び、脊柱管140(椎孔)を囲む椎弓120と、椎弓120の中央部から後方に突出する棘突起130とを有している。
【0033】
この椎体110における棘突起130を、項靭帯、棘上・棘間靭帯および筋群(図示せず)等が付着したままの状態で、椎弓120から切断線131にて切離(切断)する。
【0034】
[2] 図8に示すように、椎弓120の外側の部位の一方側(図8中では左側)を例えばエアドリル等を用いて切断する。
【0035】
また、椎弓120の外側の部位の他方側(図8中では右側)には、例えばエアドリル等を用いて溝121を形成する。この溝121の深さとしては、外板のみ削り、内板を削らない程度とする。この溝121を形成した部位は、ヒンジ部(蝶番)122となる。
【0036】
[3] 図9に示すように、ヒンジ部122にて折り曲げるようにして、椎弓120を外側に開く(回動させる)。これにより、椎弓120の開いた部位123と、椎骨側に残存した部位124との間には、間隙(骨欠損部)150が形成される。
【0037】
なお、椎弓120の椎骨側に残存した部位124の切断部(切断面)125と、開いた部位123の切断部(切断面)126とを、必要に応じ、整形する。
【0038】
[4] 次いで、スペーサ9a〜9bのうちの1つを選択し、図12に示すように、その選択されたスペーサ(図12ではスペーサ9b)を間隙150に挿入するが、その前に、間隙150の大きさを確認する(把握する)必要がある。これは、間隙150の大きさを確認することができれば、当該間隙150に好適に挿入され得る丁度よい大きさのスペーサを確実に選択することができるからである。この片側侵入片開き式脊柱管拡大術では、間隙150の大きさの確認を行なうのに、試験具セット20が用いられる(図10、図11参照)。試験具セット20についての説明は、後述する。
【0039】
[5] そして、スペーサ9bを間隙150に挿入することにより、当該スペーサ9bと、患者の椎弓120とで、拡大された椎弓160が形成される。前記操作[1]において切離された棘突起130は、中央(正中)に戻し、拡大された椎弓160(開いた部位123)に骨癒合するのを図る。
【0040】
次に、スペーサ包装体セット30について説明する。
図2に示すように、スペーサ包装体セット30は、スペーサ包装体40a〜40cを備えている。スペーサ包装体40aは、スペーサ9aと、スペーサ9aを包装する包材50aとを有している。スペーサ包装体40bは、スペーサ9bと、スペーサ9bを包装する包材50bとを有している。スペーサ包装体40cは、スペーサ9cと、スペーサ9cを包装する包材50cとを有している。なお、スペーサ9aは、試験具1aに対応するものであり、スペーサ9bは、試験具1bに対応するものであり、スペーサ9cは、試験具1cに対応するものである。
【0041】
スペーサ9a〜9cは、互いに大きさが異なる、すなわち、脊柱管140を拡大する方向(長手方向)の長さLと幅wと厚さtとの各寸法が異なること以外は同様の構成であるため、以下スペーサ9aについて代表的に説明する。なお、長さLは、特に限定されないが、例えば、8〜22mmであるのが好ましく、10〜19mmであるのがより好ましい。幅wは、特に限定されないが、例えば、6〜8mmであるのが好ましい。厚さtは、特に限定されないが、例えば、6〜8mmであるのが好ましい。
【0042】
スペーサ9aは、椎弓120を切断して開くことによって形成された間隙150に挿入して、脊柱管140を拡大するのに用いられる。図3、図4に示すように、スペーサ9aは、ブロック状をなし、その平面視で緩やかに円弧状に湾曲したものである。スペーサ9aは、間隙150に挿入された状態で、内周面91が、前記拡大された椎弓160の内側(脊柱管140)に臨む面となる。また、スペーサ9aの外周面92は、前記拡大された椎弓160の外側に臨む面である。内周面91と外周面92との曲率は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0043】
図3に示すように、スペーサ9aの両端には、それぞれ、溝(欠損部)93が形成されている。各溝93は、それぞれ、スペーサ9aの図4中の上面94から下面95にわたって、すなわち、厚さ方向に形成されている。また、各溝93は、それぞれ、その幅(図3中の上下方向の長さ)がスペーサ9aの長手方向の中央部に向かって漸減している。スペーサ9aが間隙150に挿入された状態では、各溝93のうちの一方の溝93に、椎弓120の椎骨側に残存した部位124の切断部125が挿入される。また、他方の溝93には、椎弓120の開いた部位123の切断部126が挿入される。これにより、一方の溝93と切断部125とが係合し、他方の溝93と切断部126とが係合し、よって、スペーサ9aの位置ズレを確実に防止することができる。
【0044】
また、スペーサ9aには、上面94から下面95を貫通する2つの貫通孔96が形成されている。各貫通孔96は、それぞれ、スペーサ9aが間隙150に挿入された状態で、当該スペーサ9aを椎弓120に固定するための糸(図示せず)が挿通する部分である。
【0045】
このようなスペーサ9aは、セラミックス材料を構成材料としてなることが好ましい。セラミックス材料は加工性に優れているため、旋盤、ドリル等を用いた切削加工によりその形状、大きさ等を調整することが容易である。
【0046】
セラミックス材料としては、各種のセラミックス材料が挙げられるが、特にアルミナ、ジルコニア、リン酸カルシウム系化合物等のバイオセラミックスが好ましい。なかでもリン酸カルシウム系化合物は、優れた生体親和性を備えているため、スペーサ9aの構成材料として特に好ましい。
【0047】
リン酸カルシウム系化合物としては、例えばハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト、炭酸アパタイト等のアパタイト類、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸四カルシウム、リン酸八カルシウム等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いることができる。また、これらのリン酸カルシウム系化合物のなかでもCa/P比が1.0〜2.0のものが好ましく用いられる。
【0048】
このようなリン酸カルシウム系化合物のうち、ハイドロキシアパタイトがより好ましい。ハイドロキシアパタイトは、骨の無機質主成分と同様の構造であるため、優れた生体適合性を有している。また、スペーサ9aを製造する際、原料のハイドロキシアパタイト粒子は、500〜1000℃で仮焼成されたものがより好ましい。かかる温度で仮焼成されたハイドロキシアパタイト粒子は、ある程度活性が抑えられるため、焼結が急激に進行すること等による焼結ムラが抑制され、強度にムラのない焼結体を得ることができる。
【0049】
セラミックスの気孔率は、0〜70%であることが好ましく、30〜50%がより好ましい。気孔率をこの範囲とすることにより、強度を維持しつつ、良好な生体親和性を発揮し、骨伝導による骨新生を促進することができる。
【0050】
スペーサ9aの構成材料としては、上記セラミックス材料の他、該セラミックス材料とチタン等の生体為害性の小さい金属材料との複合材料等を用いることも可能である。
【0051】
以上のような構成のスペーサ9aは、滅菌状態が維持されたまま包材50aに包装されており、これと同様に、スペーサ9bは、滅菌状態が維持されたまま包材50bに包装されており、スペーサ9cは、滅菌状態が維持されたまま包材50cに包装されている。
【0052】
包材50a〜50cは、後述する着色部(包材側着色部)502の色彩が異なること以外は同様の構成であるため、以下包材50aについて代表的に説明する。
【0053】
包材50aは、箱状をなす部材である。この包材50aの上面には、スペーサ9aを視認可能な窓部501が設けられている。窓部501は、包材50aの一部を開口して形成された開口部であってもよいし、当該開口部を透明なフィルムでさらに覆ったものであってもよい。
【0054】
次に、試験具セット20について説明する。
図1に示すように、試験具セット20は、試験具1a〜1cを備えている。試験具1a〜1cは、スペーサ9a〜9cのいずれかに先行して、椎弓120の間隙150に挿入して当該間隙150の大きさを確認するのに用いられるものである。
【0055】
試験具1a〜1cは、それぞれ、ヘッド部2と把持部3とを有している。試験具1a〜1cの各ヘッド部2は、互いに大きさが異なっている。換言すれば、試験具1aのヘッド部2は、スペーサ9aの長さL、幅w、厚さtにそれぞれ対応する(等しい)長さL、幅w、厚さtを有し、試験具1bのヘッド部2は、スペーサ9bの長さL、幅w、厚さtにそれぞれ対応する長さL、幅w、厚さtを有し、試験具1cのヘッド部2は、スペーサ9cの長さL、幅w、厚さtにそれぞれ対応する長さL、幅w、厚さtを有している。なお、本実施形態では、各ヘッド部2の大きさは、長さ、幅、厚さの全ての条件が異なっていてもよいが、少なくとも長さが異なっていればよい。
【0056】
試験具1a〜1cは、ヘッド部2の大きさが異なること以外は同様の構成であるため、以下試験具1aについて代表的に説明する。
【0057】
図3、図4に示すように、ヘッド部2は、スペーサ9aを模したブロック状をなし、スペーサ9aのように椎弓120の間隙150に挿入される部分である。
【0058】
ヘッド部2は、その平面視でスペーサ9aと同様に緩やかに円弧状に湾曲している。そして、ヘッド部2は、間隙150に挿入された状態で、内周面21が、前記拡大された椎弓160の内側(脊柱管140)に臨む面となる(図10、図11参照)。また、ヘッド部2の外周面22は、前記拡大された椎弓160の外側に臨む面である。
【0059】
図3に示すように、ヘッド部2の両端には、それぞれ、溝(欠損部)23が形成されている。各溝23は、それぞれ、ヘッド部2の図4中の上面24から下面25にわたって、すなわち、厚さ方向に形成されている。また、各溝23は、それぞれ、その幅(図3中の上下方向の長さ)がヘッド部2の長手方向の中央部に向かって漸減している。ヘッド部2が間隙150に丁度よく挿入される、すなわち、間隙150に対して大き過ぎたり小さ過ぎたりしないものであれば(図11参照)、間隙150に挿入された状態では、各溝23のうちの一方の溝23に、椎弓120の椎骨側に残存した部位124の切断部125が挿入される。また、他方の溝23には、椎弓120の開いた部位123の切断部126が挿入される。これにより、ヘッド部2が間隙150に丁度よく挿入されるものであることを確認することができる。そして、スペーサ9a〜9cのうちのどのスペーサを選択すべきなのか、すなわち、図6〜図12に示す片側侵入片開き式脊柱管拡大術の場合、このヘッド部2を有する試験具1bに対応するスペーサ9bを選択すべきであることが確認される。
【0060】
把持部3は、試験具1aを用いる際に把持される部分である。図1に示すように、把持部3は、長尺状をなし、その先端部31がヘッド部2の外周面22に連結されている。
【0061】
また、把持部3の基端部には、その幅が拡大した平板状をなす平板状部32が形成されている。図5に示すように、水平面301を有する載置台300に試験具1aを載置した際には、試験具1aの姿勢によっては、すなわち、ヘッド部2の下面25を水平面301に当接させると、平板状部32は、水平面301(載置台300)に対し起立した状態となる。そして、平板状部32は、試験具1aを載置台300から持ち上げるときに指先400で摘まれる摘み部として機能する。これにより、試験具1aを容易かつ確実に持ち上げることができ、よって、片側侵入片開き式脊柱管拡大術を迅速に行なうことができる。
【0062】
把持部3の長手方向の途中、特に、ヘッド部2側近傍の部分には、当該部分が屈曲した(または湾曲した)屈曲部33が形成されている。これにより、把持部3を把持してヘッド部2を椎弓120の間隙150に挿入する(宛がう)操作を容易に行なうことができる。なお、屈曲部33の屈曲方向と平板状部32の面方向とは、互いに直交している。
【0063】
また、図6に示すように、試験具1aを載置台300に載置した際には、試験具1aの姿勢によっては、すなわち、平板状部32を水平面301に対し傾倒した状態とすると、ヘッド部2が水平面301から離間した非接触状態となる。これにより、ヘッド部2を清潔な状態で保つことができる。また、平板状部32が水平面301に対し傾倒した状態となっているため、試験具1a全体が倒れてヘッド部2が水平面301に不本意に触れるのを防止することができる。これにより、ヘッド部2の非接触状態を確実に維持することができる。
【0064】
屈曲部33の屈曲角度は、特に限定されず、例えば、5〜90度であるのが好ましく、30〜60度であるのがより好ましい。
【0065】
また、試験具1aでは、ヘッド部2と把持部3とは、一方に設けた雄螺子と他方に設けた雌螺子によって連結されたものであってもよいが、一体的に形成されているのが好ましい。これにより、試験具1aを製造する際に金型を用いて、ヘッド部2と把持部3とを一括して成形することができる。
【0066】
試験具1aの構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、アルミニウム等の各種金属、またはこれらを含む合金が挙げられ、特に、ステンレス鋼、チタンが好ましい。ステンレス鋼、チタンは、それぞれ、後述する陽極酸化処理を施すことができるので好ましい。
【0067】
さて、図1に示すように、試験具1a〜1cは、それぞれ、色彩が異なっており、本実施形態では、試験具1aは、その表面全体(ヘッド部2および把持部3の全体にわたって)が青色を帯びており、試験具1bは、その表面全体が赤色を帯びており、試験具1cは、その表面全体が紫色を帯びている。このように、試験具1a〜1cでは、それぞれ、その表面全体が、着色された着色部となっている。これにより、試験具1a〜1cを識別する際に、ヘッド部2の大きさの他に、色彩でもその識別を行なうことができる。ここで、「着色」には、試験具1a〜1cに色をつける(施す)ことと、試験具1a〜1c自体が色を出すこと(発色)とが含まれる。
【0068】
試験具1a〜1cを着色するには、陽極酸化処理を用いることができる。陽極酸化処理では、電解質溶液中に着色前の試験具1a〜1cを浸し、試験具1a〜1cを陽極(正極)として交流電圧を印加する(通電する)と、試験具1a〜1cの表面に陽極酸化により酸化物としての陽極酸化被膜が形成される。この陽極酸化被膜が色彩を帯びて着色部となる。着色部の色彩の変化(相違)は、交流の周波数や交流電圧の印加時間を適宜設定することによりなされる。
【0069】
このように着色方法として陽極酸化処理を用いることにより、色彩が異なる陽極酸化被膜が形成される。これにより、例えば、試験具1aを使用中に当該試験具1aから着色部(陽極酸化被膜)が不本意に剥離するのが防止され、よって、着色部が剥離した場合に生じる生体への影響を確実に防止することができる。また、試験具1a〜1cは、それぞれ、使用後には強アルカリの洗浄液または強酸の洗浄液で洗浄されるが、このような洗浄液に触れても、着色部が不本意に剥離するのが防止される。
【0070】
一方、スペーサ包装体セット30では、包材50a〜50cの側面にそれぞれ着色部502が設けられている。包材50aの着色部502は、当該包材50aが包装するスペーサ9aに対応する試験具1aと同色の色彩、すなわち、青色を帯びている。包材50bの着色部502は、当該包材50bが包装するスペーサ9bに対応する試験具1bと同色の色彩、すなわち、赤色を帯びている。包材50cの着色部502は、当該包材50cが包装するスペーサ9cに対応する試験具1cと同色の色彩、すなわち、紫色を帯びている。
【0071】
なお、各着色部502としては、それぞれ、例えば、印刷されたもの、シート状体を貼付したもので構成されるのが好ましい。
【0072】
前述したように、片側侵入片開き式脊柱管拡大術では、スペーサ9a〜9bのうちの1つのスペーサを間隙150に挿入する前に、間隙150の大きさを確認する必要がある。この確認に、試験具セット20の試験具1a〜1cを用いることができる。ここでは、試験具1a〜1cの使用方法の一例について説明する。
【0073】
片側侵入片開き式脊柱管拡大術の前記操作[3]の後に、手術の効果が得られると考える所望の拡幅長である椎弓120の間隙150の大きさを目視で確認する。そして、この間隙150に丁度合うであろうヘッド部2を有する試験具を試験具1a〜1cの中から選択する。例えば図10に示すように、試験具1aを選択して当該試験具1aのヘッド部2を間隙150に挿入した場合、このヘッド部2は、所望の拡幅が得られる間隙150に対して若干小さいことが分かる。そこで、試験具1aのヘッド部2よりも大きいヘッド部2を有する試験具1bを選択する。そして、図11に示すように、試験具1bのヘッド部2を間隙150に挿入すると、このヘッド部2は、所望の拡幅が得られる間隙150に好適に挿入される。これにより、間隙150に挿入されるべきスペーサは、試験具1bのヘッド部2と同じ大きさのスペーサ9bであることが分かる。その後、試験具1bを椎骨100から外す。
【0074】
そして、スペーサ包装体40a〜40cの中から、試験具1bと同色の着色部502を有するスペーサ包装体40bを容易かつ確実に選択ことができる。
【0075】
次に、スペーサ包装体40bからスペーサ9bを取り出し、このスペーサ9bを例えば鉗子等を用いて間隙150に挿入し、固定する。これにより、拡大された椎弓160が形成される(図12参照)。
【0076】
従って、手術用キット10では、スペーサ9a〜9cの中から、間隙150に好適に挿入することができるものが見つかるまで、間隙150に対するスペーサ9a〜9cの着脱を試みるような煩雑さを省略することができる。これにより、片側侵入片開き式脊柱管拡大術を行なう際の操作性に優れ、迅速な手術を行なうことができる。また、前述したようにスペーサ包装体40a〜40cの中から、試験具1bと同色の着色部502を有するスペーサ包装体40bを容易かつ確実に選択することができる。これにより、手術をさらに迅速に行なうことができる。
【0077】
<第2実施形態>
図13は、本発明の手術用キットが備える試験具セット(第2実施形態)中の1本の試験具を示す斜視図、図14〜図16は、それぞれ、図13に示す手術用キットを用いた正中縦割式拡大椎弓形成術を順を追って説明するための模式図である。
【0078】
以下、これらの図を参照して本発明の試験具セットおよび手術用キットの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0079】
本実施形態は、試験具のヘッド部および把持部の形状が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0080】
図13に示す試験具1dは、正中縦割式拡大椎弓形成術おいて用いられるものである。
まず、正中縦割式拡大椎弓形成術について、図14〜図16を参照しつつ説明する。
【0081】
[1] まず、図7に示すように、椎骨100における棘突起130を、項靭帯、棘上・棘間靭帯および筋群(図示せず)等が付着したままの状態で、椎弓120から切断線131において切離(切断)する。
【0082】
[2] 次に、図14に示すように、椎弓120の中央部(正中部)を、例えばエアドリル等を用いて切断する。これにより、椎弓120の中央部には、間隙150が形成される。
【0083】
また、正中面200を境にして椎弓120の根元部の外側に、例えばエアドリル等を用いて溝121をそれぞれ形成する。
【0084】
この各溝121の深さは、外板のみ削り、内板を削らない程度とする。この溝121を形成した部位は、ヒンジ部(蝶番)122となる。
【0085】
[3] 次に、図15に示すように、各ヒンジ部122を中心に椎弓120を回動させ、間隙150を広げる。
【0086】
なお、必要に応じて、椎弓120の間隙150に臨む切断部125、126を整形する。
【0087】
[4] 次いで、脊柱管140を拡大するスペーサ(図示せず)を間隙150に挿入するが、その前に、間隙150の大きさを確認する必要がある。この確認に試験具1dを用いることができる(図16参照)。そして、確認後、間隙150に挿入するのに丁度よい大きさのスペーサを用いて、拡大された椎弓160を形成することができる。前記操作[1]において切離された棘突起130は、中央(正中)に戻し、拡大された椎弓160(開いた部位123)に骨癒合するのを図る。
【0088】
次に、試験具1dについて説明する。
図13に示すように、試験具1dのヘッド部2は、その平面視で台形状をなすものである。そして、図16に示すように、このヘッド部2は、間隙150に挿入された状態で、先端面26が前記拡大された椎弓160の内側に臨む面となり、基端面27が前記拡大された椎弓160の外側に臨む面となる。
【0089】
本実施形態では、試験具1dの他に、ヘッド部2の長さL、幅w、厚さtが異なるものが複数用意されており、これらを選択して用いることができる。これにより、前記第1実施形態と同様に、迅速な手術を行なうことができる。また、本実施形態でも、前記第1実施形態と同様に、各スペーサ包装体の中から、各試験具と同色の着色部を有するスペーサ包装体を容易かつ確実に選択することができる。これにより、手術をさらに迅速に行なうことができる。
【0090】
なお、正中縦割式拡大椎弓形成術では、試験具1dの把持部3は、その全体が直線状をなすのが好ましい。
【0091】
以上、本発明の試験具セットおよび手術用キットを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、試験具セットおよび手術用キットを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0092】
また、本発明の試験具セットおよび手術用キットは、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0093】
また、試験具セットは、図1に示す構成ではヘッド部の大きさが異なる3本の試験具を有するものであるが、これに限定されず、例えば、2本、4本以上の試験具を有するものであってもよい。これと同様に、スペーサ包装体セットも、図2に示す構成ではスペーサの大きさが異なる3つのスペーサ包装体を有するものであるが、これに限定されず、例えば、2つ、4つ以上のスペーサ包装体を有するものであってもよい。
【0094】
また、椎弓スペーサを模した各ヘッド部の大きさは、図1に示す構成では長さ、幅、厚さの全ての条件が異なっていたが、これに限定されず、これらの条件のうちの少なくとも長さが異なっていればよい。
【0095】
また、高位脛骨骨切術用スペーサ、腸骨スペーサ、椎間スペーサなどを模した各ヘッド部においては、長さ、幅、厚さの全ての条件が異なっていてもよいが、少なくともいずれか1つの条件が異なっていればよい。
【0096】
また、各試験具では、それぞれ、その表面全体が着色部となっていてもよいが、ヘッド部または把持部の一部が着色部となっていてもよい。
【0097】
また、各試験具は、それぞれ、その全体、すなわち、ヘッド部および把持部が金属材料で構成されていてもよいが、ヘッド部および把持部のうちの少なくとも一方が金属材料で構成されていてもよい。あるいは、ヘッド部および把持部がそれぞれ樹脂材料で構成されていてもよいが、ヘッド部および把持部のうち少なくとも一方が樹脂材料で構成されていてもよい。金属材料で構成することによって、着色部を陽極酸化によって形成することができ、樹脂材料で構成することによって、着色部に顔料を練りこむことによって形成することができる。その結果、着色部の剥離が防止される。
【0098】
また、各試験具の着色部は、顔料を塗布して形成されたもの、試験具に顔料を混練して形成されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0099】
10 手術用キット
20 試験具セット
30 スペーサ包装体セット
1a、1b、1c、1d 試験具(トライアル)
2 ヘッド部
21 内周面
22 外周面
23 溝(欠損部)
24 上面
25 下面
26 先端面
27 基端面
3 把持部
31 先端部
32 平板状部
33 屈曲部
9a、9b、9c スペーサ
91 内周面
92 外周面
93 溝(欠損部)
94 上面
95 下面
96 貫通孔
40a、40b、40c スペーサ包装体
50a、50b、50c 包材
501 窓部
502 着色部(包材側着色部)
300 載置台
301 水平面
400 指先
100 椎骨
110 椎体
120 椎弓
121 溝
122 ヒンジ部
123 開いた部位
124 椎骨側に残存した部位
125、126 切断部
130 棘突起
131 切断線
140 脊柱管
150 間隙
160 拡大された椎弓
200 正中面
、L 長さ
、t 厚さ
、w

【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎弓または棘突起を切断して開くことによって形成された間隙に挿入して、脊柱管を拡大するのに用いられるスペーサに先行して、前記間隙に挿入して該間隙の大きさを確認するのに用いられる試験具を複数備える試験具セットであって、
前記各試験具は、それぞれ、前記間隙に挿入され、前記スペーサの前記脊柱管を拡大する方向の長さに対応した長さを有するヘッド部と、長尺状をなし、その先端部が前記ヘッド部に連結され、当該試験具を用いる際に把持される把持部とを備え、前記試験具の少なくとも一部には、着色された着色部が設けられており、
前記各試験具は、それぞれ、前記ヘッド部の前記長さが異なり、かつ、前記着色部の色彩も異なることを特徴とする試験具セット。
【請求項2】
前記スペーサは、ブロック状をなすものであり、
前記ヘッド部は、前記スペーサを模したブロック状をなし、その前記長さが前記スペーサの前記脊柱管を拡大する方向の長さに対応していることの他に、その幅および厚さも前記スペーサの幅および厚さに対応している請求項1に記載の試験具セット。
【請求項3】
前記着色部は、それが設けられる部分が金属材料で構成され、前記部分に陽極酸化処理を施してなるものである請求項1または2に記載の試験具セット。
【請求項4】
前記着色部は、前記ヘッド部および前記把持部の全体にわたって設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の試験具セット。
【請求項5】
前記把持部は、その基端部に幅が拡大した平板状をなす平板状部を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の試験具セット。
【請求項6】
前記各試験具は、それぞれ、載置台に載置される際に前記平板状部が前記載置台に対し起立した状態となるように載置可能である請求項5に記載の試験具セット。
【請求項7】
前記把持部は、その前記ヘッド部側近傍の部分に屈曲または湾曲した屈曲部を有する請求項1ないし6のいずれかに記載の試験具セット。
【請求項8】
前記各試験具は、それぞれ、載置台に載置される際に前記ヘッド部が前記載置台に非接触となるように載置可能である請求項7に記載の試験具セット。
【請求項9】
骨が欠損することによって形成された欠損部に挿入して、正常な骨の形状を再建するのに用いられるスペーサに先行して、前記欠損部に挿入して該欠損部の大きさを確認するのに用いられる試験具を複数備える試験具セットであって、
前記各試験具は、それぞれ、前記欠損部に挿入され、前記スペーサの長さ、幅および厚さの少なくとも一つに対応した寸法を有するヘッド部と、長尺状をなし、その先端部が前記ヘッド部に連結され、当該試験具を用いる際に把持される把持部とを備え、前記試験具の少なくとも一部には、着色された着色部が設けられており、
前記各試験具は、それぞれ、前記ヘッド部の前記寸法が異なり、かつ、前記着色部の色彩も異なることを特徴とする試験具セット。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載の試験具セットと、
前記各試験具にそれぞれ対応した前記スペーサと、該各スペーサをそれぞれ包装する包材とを有し、前記各スペーサのうちの1つが選択して用いられるスペーサ包装体セットとを備え、
前記各包材は、それぞれ、該包材が包装する前記スペーサに対応する前記試験具の前記着色部と同色の色彩が施された部分を有することを特徴とする手術用キット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate