説明

試験化合物の感作性のインビトロ評価のためのポリペプチド

本発明は、新規なポリペプチド、および試験化合物の感作性のin vitro評価のためのその使用、試験化合物の感作性のin vitro評価のための方法、感作性の低減に適した化合物を選択するためのin vitro法、ならびにそのような方法を実施するためのキットに関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は、新規なポリペプチド、および試験化合物の感作性のin vitro評価のためのその使用、試験化合物の感作性のin vitro評価のための方法、感作性を低減することのできる化合物を選択するためのin vitro評価法、ならびにそのような方法を実施するためのキットに関する。
【0002】
香水および化粧品製造業は、その使用に関連してヒトおよびそれらの環境のための安全基準を満たすという制約の中で、競争力および効率性を維持し、定期的に新製品を出し続けなければならない。しかしながら、接触アレルギーは香料または化粧品の使用に関連する重大なリスクの一つである。
【0003】
皮膚接触アレルギー(またはアトピー性皮膚炎)は、ヒトにおける公衆衛生上の重要な問題である。それは、重大な制約となる環境免疫毒性の発現を意味し、それらを引き起こす傾向がある製品を市場に出す際には、その影響を予想することが重要である。皮膚感作およびその結果として関連するアレルギーの発現は、第一にアレルゲン分子と表皮の特殊化した細胞である抗原提示細胞(ランゲルハンス細胞、樹状細胞)との相互作用、次いで第二に、これらの細胞とCD4およびCD8エフェクターTリンパ球によるその提示の結果である。アレルギー反応および炎症反応の根底にあるのは後者である。それにもかかわらず、アレルゲン、特に、香水または化粧品中に存在する可能性のあるアレルゲンは小分子であり、直接認識されないかもしれない。その認識には、予め自己タンパク質と会合する必要がある。それゆえに、皮膚においてヘテロ二量体複合体が新しく形成され、その後近接する神経節でT細胞に提示される。従って、化学分子(香水または化粧品成分から構成される)の、この香水の使用者のタンパク質と結合する能力は、結果として生じる病的反応を誘発するために不可欠な前駆体である。
【0004】
これまで、皮膚レベルでの感作分子の同定には動物が使用され、感作性物質との接触後に誘発される神経節リンパ球の増殖に基づくLLNA(局所リンパ節試験)が開発された。この試験は経済協力開発機構(OECD)による「テストガイドライン429」として採用されており、現在でもなお、感作性化学物質を決定するための参考試験とされている。
【0005】
現在、新しいヨーロッパの制約では、動物を用いない方法の使用を課しており、そのために、新規な香水組成物がその感作特性によりヒトに対し危険性を示す傾向があるかどうかを判定するための代替法の開発が必要である。
【発明の概要】
【0006】
驚くべきことに、発明者らは、皮膚に存在し、重要な相同配列を有するリポカリンファミリーの2つの酵素の配列が、アレルゲンとして振る舞う傾向のある化合物のin vitroでのスクリーニングを可能にすることを示した。これらの酵素は「好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン」(NGAL、リポカリン2とも呼ばれる)(SEO et al, Expression of neutrophil gelatinase-associated lipocalin in skin epidermis, J. Invest. Dermatol, 126, 510-412; 2006)、および「プロスタグランジンDシンターゼ」(L−PGDS)(TAKEDA et al, Lipocalin-type prostaglandin D synthase as a melanocyte marker regulated by MTIF, BBRC, 339, 1098-1106; 2006)である。
【0007】
NGALは、当初は92kDaの「好中球ゼラチナーゼ」(またはゼラチナーゼB,MMP−9)と共有結合的に結合している25kDaのタンパク質として同定された。結晶学的解析では、この酵素の天然リガンドは様々な細菌の鉄シデロフォアであり、従って、静菌性に作用する。腎臓では、この酵素はネフロンの細胞中に鉄を送達することにより同じ役割を果たす。NGALは培養物中のケラチノサイト内のカルシウムにより誘導され、in situハイブリダイゼーションにより、ヒトおよびマウス皮膚中の、特に表皮(ケラチノサイト中のみ)および毛嚢中にその存在が確認されている。
【0008】
L−PGDSの、初期に説明された役割は、プロスタグランジンH2をプロスタグランジンD2へと異性化することであり、また、細胞外間隙の親油性タンパク質としても機能し、その既知のリガンドはビリルビン、レチンアルデヒドおよびレチノイン酸である。最近の研究では、ラットにおいてL−PGDSはランゲルハンス細胞、メラノサイト、組織球およびマクロファージ中に存在することが示されている(しかしケラチノサイト中には存在しない)。
【0009】
次に発明者らは、アレルゲンとして振る舞う傾向のある化合物の感作性のin vitro評価のための方法を開発するために、これらリポカリンまたはその誘導体の特定の配列を同定した。
【0010】
従って、本発明は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列、ならびにこれらの誘導体から選択される配列を含んでなる単離されたポリペプチド、好ましくは、配列番号1、2、3および4の配列から選択される配列を含んでなる単離されたポリペプチド、さらにより優先的には、配列番号1の配列または配列番号3の配列を含んでなる単離されたポリペプチド、さらにより好ましくは、配列番号1の配列を含んでなる単離されたポリペプチドに関する。
【発明の具体的説明】
【0011】
前記配列を以下に記載する。
【化1】

ここで、X1、X2、X3およびX4はリシン、オルニチン、ジアミノブチレートまたはジアミノプロピオネートから独立に選択され、好ましくは、リシンである。
【0012】
有利には、X1、X2、X3およびX4のそれぞれの基は、リシンを表す。従って、有利には、配列番号1の配列において、X1、X2、X3およびX4はそれぞれリシン基を表し、従って以下の配列番号20の配列
KACAKDELKEK(配列番号20)
に相当する。
【0013】
優先的には、配列番号20の前記配列は、そのC末端にアミン基(NH2)を有する。
【0014】
有利には、配列番号2の配列において、X1、X2、X3およびX4はそれぞれリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号21:
KEKLEDKACAK(配列番号21)
の配列に相当する。
【0015】
有利には、配列番号3の配列において、X1、X2およびX3はそれぞれリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号22:
ECGKDELKEK(配列番号22)
の配列に相当する。
【0016】
有利には、配列番号4の配列において、X1、X2およびX3はそれぞれリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号23:
KEKLEDKGCE(配列番号23)
の配列に相当する。
【0017】
有利には、配列番号5の配列において、X1、X2およびX3はそれぞれリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号24:
LYGRTKELTSELKENFIRFSKSLGLPEN(配列番号24)
の配列に相当する。
【0018】
有利には、配列番号6の配列において、X1およびX2はそれぞれリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号25:
LYSRSQNPRAEVKEHFTTFAKSLGFTEE(配列番号25)
の配列に相当する。
【0019】
有利には、配列番号7の配列において、X1、X2、X3およびX4はそれぞれリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号26:
LYGRTKELSPELKERFTFAKSLGLK(配列番号26)
の配列に相当する。
【0020】
有利には、配列番号8の配列において、X1、X2、X3およびX4はそれぞれリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号27:
LYSRTQTLKDELKEKFTTFSKAQGLT(配列番号27)
の配列に相当する。
【0021】
有利には、配列番号9の配列において、X1はリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号28:
RQNQCETK(配列番号28)
の配列に相当する。
【0022】
有利には、配列番号10の配列において、X1はリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号29:
TLYGRTKEL(配列番号29)
の配列に相当する。
【0023】
有利には、配列番号11の配列において、X1、X2はそれぞれリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号30:
KERFTRFAK(配列番号30)
の配列に相当する。
【0024】
有利には、配列番号12の配列において、X1、X2およびX3はそれぞれリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号31:
KEKFTTFSK(配列番号31)
の配列に相当する。
【0025】
有利には、配列番号13の配列において、X1はリシン基を表し、従って該配列は以下の配列番号32:
LYGRTKELS(配列番号32)
の配列に相当する。
【0026】
有利には、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列は、そのN末端にアセチル基を有してよい。
【0027】
有利には、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列は、そのC末端にアミン基(NH2)またはアミド基(CONH2)を有してよい。好ましくは、配列番号1および配列番号3の配列は、そのC末端にアミンまたはアミド基を有する。
【0028】
本発明の前記の単離されたポリペプチドは、L型またはD型であってよい。
好ましくは、本発明のポリペプチドの長さは、100アミノ酸未満であり、好ましくは80未満、さらにより好ましくは50未満、さらにより好ましくは40未満、最も好ましくは30アミノ酸未満である。
【0029】
「誘導体」とは、前記ポリペプチドの活性を改変しない1以上の配列突然変異を有するポリペプチド、特に、1以上のいわゆる「保存された」突然変異を有し、かつ該突然変異はシステインおよび/またはリシン残基のチオールのpKa値に影響せず、ならびに/または配列番号1〜13の配列の完全配列と、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%の同一性パーセンテージを有するポリペプチドをさすと理解すべきである。
【0030】
「保存的突然変異」とは、塩基性アミノ酸残基の別の塩基性アミノ酸残基による置換、酸性アミノ酸残基の別の酸性アミノ酸残基による置換、中性アミノ酸残基の別の中性アミノ酸残基による置換、脂肪族アミノ酸残基の別の脂肪族もしくは芳香族アミノ酸残基による置換、芳香族アミノ酸残基の別の芳香族もしくは脂肪族アミノ酸残基による置換、アミドアミノ酸残基の別のアミドアミノ酸残基による置換、またはアルコールアミノ酸残基の別のアルコールアミノ酸残基による置換、から選択される突然変異をさすと理解すべきである。
【0031】
アミノ酸配列間の「同一性パーセンテージ」とは、比較される2つの配列の間の同一アミノ酸のパーセンテージをさし、前記配列の最良アライメントで得られ、このパーセンテージは純粋に統計学的なものであり、2つの配列間の相違はそのアミノ酸配列中にランダムに分布していることをさすと理解すべきである。「最良アライメント」とは、同一性パーセンテージが最も高いアライメントを意味する。2つのアミノ酸配列間の配列の比較は、一般に、最良アライメントに従って予め整列させたこれらの配列を比較することにより行われ、この比較は、領域の類似性を同定および比較するための比較セグメントにおいて行われる。配列の最良アライメントは、手動の他、SMITHおよびWATERMAN(Ad. App. Math., vol.2, p.482, 1981)により開発されたグローバル・ホモロジー・アルゴリズムの使用によるか、NEDDLEMANおよびWUNSCH(J. Mol. Biol., vol.48, p.443, 1970)により開発された局所ホモロジー・アルゴリズムの使用によるか、PEARSONおよびLIPMAN(Proc. Natl. Acd. Sci. USA, vol.85, p.2444, 1988)により開発されたものと類似の方法の使用によるか、このようなアルゴリズムを利用するソフトウエア(GAP, BESTFIT, BLAST P, BLAST N, FASTA, TFASTA, ”Wisconsin Genetics Software Package”, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WI USA)、MUSCLEマルチプル・アライメント・アルゴリズム(Edgar, Robert C., Nucleic Acids Research, vol. 32, p.1792, 2004)の使用によって行うことができる。最良の局所アライメントを得るには、好ましくはBLASTソフトウエアを、BLOSUM62マトリックスまたはPAM30マトリックスとともに使用することができる。2つのアミノ酸配列間の同一性パーセンテージは、最適に整列されたこれら2つの配列を比較することにより決定され、これらのアミノ酸配列は、これらの2配列間の最適アライメントを得る
ために、参照配列に対しての付加または欠失を含み得る。同一性パーセンテージは、これらの2配列間で同一である位置の数を求め、この数を比較した位置の総数で割り、この数に100をかけて計算される。
【0032】
好ましい実施形態によれば、前記の単離されたポリペプチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列、ならびにその誘導体から選択される配列、好ましくは、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4の配列、ならびにその誘導体から選択される配列、好ましくは、配列番号1および配列番号3の配列、さらにより好ましくは、配列番号1の配列から選択される配列からなる。
【0033】
配列番号1の配列、さらにより好ましくは、配列番号20の配列からなる単離されたポリペプチドは、その合成および精製が容易であり、優れた溶解性を有し、静電気発生がわずかであり、二量体化するのは極めてわずかであるために、取り扱いが容易で、このことは本発明の方法におけるその使用を容易にし、最終的には、単一反応段階で前記配列に固定されるアレルゲンの検出が可能になるために、特に好ましい。
【0034】
別の態様によれば、本発明は、上記で定義されたポリペプチドをコードする核酸配列を含んでなるヌクレオチド配列に関する。
【0035】
本発明のヌクレオチド配列は、RNAまたはDNAの形態、好ましくは、DNAの形態であり得る。
前記DNAは、二本鎖または一本鎖の形態であり得る。
【0036】
別の態様によれば、本発明は、
a)試験化合物と、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなる単離されたポリペプチドとを接触させる工程;
b)前記化合物と前記ポリペプチドとの結合(biding)を測定する工程
を含んでなる、試験化合物の感作性のin vitro評価のための方法に関する。
【0037】
当然のことながら、該評価方法はex vivoで行うこともできる。
【0038】
配列番号14の配列は、ヒトリポカリン2のポリペプチド配列を表す。
【化2】

【0039】
配列番号15の配列は、マウスリポカリン2のポリペプチド配列を表す。
【化3】

【0040】
配列番号16の配列は、ヒトプロスタグランジンDシンターゼのポリペプチド配列を表す。
【化4】

【0041】
配列番号17の配列は、マウスプロスタグランジンDシンターゼのポリペプチド配列を表す。
【化5】

【0042】
有利には、配列番号14、配列番号15、配列番号16および配列番号17の配列の1以上のリシン残基は、オルニチン、ジアミノ酪酸、またはジアミノプロピオン酸により置換することができる。
【0043】
好ましくは、単離されたポリペプチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなる。
【0044】
工程b)において得られる任意の結合の測定は、所望により、試験化合物不在下または非感作性であることが公知の化合物、例えば、クロロベンゼン(Cbz)もしくは乳酸(LA)などの存在下で行われた陰性対照、または前記ポリペプチドの公知のリガンドを用いて行われた陽性対照と比較することができる。
【0045】
従って、本発明の前記方法はまた、試験化合物の感作性を判定する工程c)を含み得る。結合のパーセンテージが高いほど、感作性は強い。
【0046】
前記結合は、例えば、共有結合、水素結合、塩類結合、静電気結合またはファンデルワールス結合、ラジカルアタックなどであってよい。前記結合は好ましくは、共有結合である。
【0047】
結合の測定は、当業者に周知のいずれの測定技術を用いて行われてもよい。例として、抗原、蛍光、酵素または放射能などの種類であり得る標識による結合測定、液体クロマトグラフィー(HPLC)による分離、表面プラズモン共鳴技術の利用などを挙げることができる。
【0048】
好ましい実施形態では、ポリペプチドは抗原マーカーに結合し、前記試験化合物と前記ポリペプチドの結合の測定は、前記抗原マーカーに向けられた検出可能な抗体により行う。
【0049】
この抗原マーカーは当業者に公知のいずれの種類のマーカーであってもよく、特に、ポリヒスチジンアミノ酸(ポリHis)の配列、cMycエレメント、Flag、またはもしくはヘマグルチニンもしくはV5タンパク質の単離された配列であってよい。ポリHis配列は、好ましくは、4〜6個のヒスチジン残基を含む。優先的には、抗原マーカーはポリヒスチジンアミノ酸(ポリHis)の配列である。
【0050】
この抗原マーカーを検出するために使用される抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであってよい。それらは、当業者に公知の従来の技術により製造されてよい。それらは、市販の抗体であってよい。これらには、ペンタ−His HRP抗体コンジュゲート(QIAGEN)、抗−6x His Aceam 9108ウサギ抗体、−6x His HRP標識ウサギ抗体(セイヨウワサビ(raifort)ペルオキシダーゼ)Abcam 1187、抗−5x His Qiagen 34698マウス抗体および抗−ポリ−His Sigma H−1029抗体を挙げることができる。
【0051】
抗体は、当業者に公知の検出可能なマーカー、例えば酵素(例えば、セイヨウワサビペルオキシダーゼ HRP)、放射性マーカー、蛍光剤、磁性粒子などと結合させることができる。優先的には、該抗体はHRP(セイヨウワサビペルオキシダーゼ)と結合させる。
【0052】
任意の好適な技術、例えば、ウエスタンブロット、ドットブロットなどを用いて、免疫検出を行うことができる。
【0053】
別の好ましい実施形態では、ポリペプチドは蛍光マーカーに結合し、前記試験化合物と前記ポリペプチドとの結合は、蛍光光度法により測定される。蛍光標識は直接または間接であってよく、蛍光団はポリペプチドに直接、または他のマーカーにより固定される。蛍光マーカーは、例えば、フルオレセイン、RPE(R−フィコエリトリン)、GFP(緑色蛍光タンパク質)、APC(アロフィコシアニン)、シアニン、またはユウロピウムであってよい。
【0054】
別の好ましい実施形態では、ポリペプチドは酵素マーカーに結合し、前記試験化合物と前記ポリペプチドとの結合の測定は、酵素反応時に用いられた基質によって、蛍光光度法、発光または比色定量法により行われる。
【0055】
前記試験化合物と前記ポリペプチドとの結合の測定は特に、発色基質(p−ニトロフェニルフォスフェートまたはpNPP)、蛍光基質(フルオレセインジフォスフェートまたはFDP)、または発光基質(Lumi−Phos(商標))により行うことができ、次に、相互作用の測定は、それぞれ405nmにおける分光光度法、蛍光定量法(励起光:485nm;蛍光:535nm)、または発光により行うことができる。
【0056】
ポリペプチドは、支持体に固定することができる。本発明の方法の実施のために優先的に使用される支持体は、プレート、ボール、またはチップである。
【0057】
本発明の方法で使用されるポリペプチドは、当業者に公知の任意の技術、特に、人工的な合成、より詳しくは、固相合成により調製することができる。
【0058】
試験化合物は、様々な特性、構造および起源の化合物、特に、生体化合物、化学化合物、合成化合物などであってよい。
【0059】
試験化合物は、単離された形態または他の生成物との混合物の形態の、任意の生成物であってよい。試験化合物は、構造および/または組成物の観点から、または機能レベルの観点から定義されてよい。試験化合物は、例えば、単離された構造的に明らかな生成物、構造が明らかにされていない単離された生成物、公知の特徴づけられている生成物の混合物、または1以上の生成物を含んでなる組成物であってよい。1以上の化合物は、混合物で、または別々に試験してよい。
【0060】
このような化合物は、例えば、化粧品または皮膚用生成物のサンプルであってよい。
試験化合物は、天然または合成起源であってよい。
【0061】
本発明は、特に、多数の化合物の同定に適している。この単純で効果的なスクリーニングは、非常に短時間で行うことができる。記載されている方法は、特に、部分的に自動化されており、従って混合物の形態または単離された形態のいずれにおいても、様々な多数の化合物の効果的な同時スクリーニングを可能にする。
【0062】
優先的には、本発明の方法は、HTS(ハイスループットスクリーニング)、またはMTS(ミディアムスループットスクリーニング)において行う。
【0063】
本発明の意味の範囲内において、「ポリペプチド」は、少なくとも2つのアミノ酸を含んでなる配列を意味し、「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という語は、差別せずに使用してよい。
【0064】
「感作性」とは、哺乳類、好ましくは、ヒトと接触した場合に免疫学的反応を引き起こす試験化合物のリスクをさすと理解すべきである。従って、感作性とは、試験化合物との接触においてアレルギーを発症するリスクであると考えてよい。
【0065】
好ましくは、前記試験化合物は皮膚に適用することができる。従って、感作性とは、皮膚アレルギーを発症するリスクに相当する。
【0066】
好ましくは、前記試験化合物は、皮膚用または化粧品用組成物の、組成の一部を形成することができる。
【0067】
好ましくは、本発明の方法は、試験化合物が接触アレルギーまたはアトピー性皮膚炎を引き起こす傾向があるかどうかを評価することを可能にする。
【0068】
好ましくは、本発明の方法は、pHが7.3〜9.3の間、さらにより好ましくは7.8〜8.8の間のバッファー溶液、特に好ましくはpH8.3のバッファー溶液中で行う。
【0069】
好ましくは、本発明の方法は20℃〜40℃の間、より好ましくは25℃〜35℃の間、さらにより好ましくは28℃〜32℃の間、最も好ましくは30℃の温度で行う。
【0070】
好ましくは、本発明の方法は暗所で行う。
【0071】
好ましくは、本発明の方法の実施のために用いるポリペプチドの濃度は、0.2〜1.5mMの間、さらにより好ましくは0.4〜1.2mMの間、さらにより好ましくは1mMである。
【0072】
好ましくは、本発明の方法の実施のための試験化合物の濃度は、1〜10mMの間、さらにより好ましくは3〜7mMの間、さらにより好ましくは4〜6mMの間、最も好ましくは5mMである。
【0073】
本発明の特定の実施形態では、試験化合物は異なる配列を有するいくつかの単離されたポリペプチドと接触してよい。
【0074】
特定の実施形態では、本発明の評価方法は競合試験であってよく、その際試験化合物は、感作性物質であると同定された化合物と競合する。感作性物質であると同定された前記化合物は、工程a)の前に、または工程a)と同時に、前記の単離されたポリペプチドと接触させてよい。このような実施形態は、試験化合物の感作性と、感作性物質であると同定された化合物との比較を可能にする。
【0075】
別の態様によれば、本発明は、
a)感作性物質であると同定された化合物を、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなる単離されたポリペプチド、および感作性を低減する候補化合物と接触させる工程;
b)感作性物質であると同定された化合物と前記ポリペプチドとの結合を測定する工程
を含んでなる、感作性を低減することができる化合物を選択するためのin vitro方法に関する。
【0076】
感作性を低減することができる化合物を選択するための前記方法は、試験化合物の感作性のin vitro評価のために従前に記載されたものと同じ条件下で行われてよい。
【0077】
「感作性を低減することができる化合物」とは、感作性物質であると同定された化合物の感作性を低減することができる化合物をさすと理解すべきである。言い換えれば、「感作性を低減することができる化合物」という表現は、感作性物質であると同定された化合物の存在下で免疫学的反応を引き起こすリスクを軽減する化合物をさすと理解すべきである。「脱感作化合物」という語もまた、「感作性を低減することができる化合物」を定義するために使用することができる。
【0078】
好ましくは、感作性物質であると同定された化合物の感作性を、前記脱感作化合物の不在下で観察された感作性に対して少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、好ましくは100%低減することができる場合に、化合物は感作性を低減することができるものとする。
【0079】
「感作性物質であると同定された化合物」とは、特に、本発明の方法により同定することができる化合物、すなわち、言い換えれば、アレルギー誘発性を有すると同定された化合物をさすと理解すべきである。
【0080】
本発明の方法により同定することのできる化合物は、様々な特性、構造および起源の化合物、特に、生体化合物、化学化合物、合成化合物などであってよい。
【0081】
好ましくは、感作性物質であると同定された化合物は、ジフェニルシクロプロぺノン(DPCP)、没食子酸ラウリル(LG)、3−3−ジメチルアミノプロピルアミン(3−DMAPA)、桂皮酸アルデヒド(CA)、シトラール(Cal)、1,4−ヒドロキノン(HQ)、グルタルアルデヒド(GA)、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(Ben)、フェニルアセトアルデヒド(PA)、およびリリアール(Li)、優先的にはジフェニルシクロプロぺノン、没食子酸ラウリル、1,4−ヒドロキノン、およびグルタルアルデヒド、特に好ましくはジフェニルシクロプロぺノンから選択される。
【0082】
ジフェニルシクロプロぺノンは、極めて強い感作性物質である;没食子酸ラウリル、1,4−ヒドロキノン、およびグルタルアルデヒドは、強い感作性物質である;3−3ジメチルアミノプロピルアミン、桂皮酸アルデヒド、シトラール、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、およびフェニルアセトアルデヒドは、中等度の感作性物質であり、リリアールは弱い感作性物質である。
【0083】
感作性を低減する候補化合物は、単離された形態または他の生成物との混合物の形態の、任意の生成物であってよい。感作性を低減する候補化合物は、構造および/または組成物の観点から、または機能レベルに関して定義されてよい。感作性を低減する候補化合物は、例えば、構造的に明らかな単離された生成物、構造が明らかにされていない単離された生成物、公知の特徴づけられている生成物の混合物、または1もしくは数個の生成物を含んでなる組成物であってよい。1または数個の化合物は、従って、混合物で、または別々に試験してよい。
【0084】
試験化合物は、天然または合成起源であってよい。
【0085】
候補化合物の結合を低減、または阻害する能力は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17の配列、ならびにその誘導体から選択される少なくともひとつの配列を含んでなるポリペプチドの、前記候補化合物の存在下での、感作性物質であると同定された化合物との結合能を、前記ポリペプチドの、前記候補化合物の不在下での、前記感作性物質であると同定された化合物との結合能と比較することにより評価することができる。
【0086】
従って、前記候補化合物の存在下で結合能の低下または阻害が観察された場合、このことより、前記候補化合物は感作性を低減することができる化合物であると結論づけることができる。
【0087】
好ましくは、前記候補化合物は皮膚に使用することができ、化粧品または皮膚用組成物に使用してよい。
【0088】
工程a)は、
i)感作性物質であると同定された化合物と従前に定義された単離されたポリペプチドを予め接触させ、次いで、所望により、感作性物質であると同定された化合物と前記の単離されたポリペプチドとの結合を第1に測定し、次に単離されたポリペプチドと結合した感作性物質であると同定された化合物の感作性を低減する候補化合物と接触させること;
ii)感作性物質であると同定された化合物と感作性を低減する候補化合物を予め接触させ、次に従前に定義された単離されたポリペプチドを、感作性物質であると同定された化合物および感作性を低減する候補化合物と接触させること;または
iii)感作性物質であると同定された化合物、感作性を低減する候補化合物、および従前に定義された単離されたポリペプチドを、同時に接触させること
により行われる。
【0089】
好ましくは、単離されたポリペプチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなる。
【0090】
本発明はまた、本発明の試験化合物の感作性のin vitro評価のための方法を実施するための、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17の配列、ならびにその誘導体から選択される少なくとも1つの単離されたポリペプチドを含んでなるキットに関する。
【0091】
好ましくは、前記の単離されたポリペプチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列、ならびにその誘導体、好ましくは配列番号1、2、3、4の配列、さらにより好ましくは配列番号1および配列番号3の配列から選択される配列を含んでなる。
【0092】
別の態様によれば、本発明はまた、感作性を低減することができる化合物を選択するために本発明の方法を実施するためのキットに関し、前記キットは配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなる少なくとも1つのポリペプチド、および感作性物質であると同定された少なくとも1つの化合物を含んでなる。
【0093】
好ましくは、感作性物質であると同定された化合物は、ジフェニルシクロプロぺノン、没食子酸ラウリル、3−3−ジメチルアミノプロピルアミン、桂皮酸アルデヒド、シトラール、1,4−ヒドロキノン、グルタルアルデヒド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、フェニルアセトアルデヒドおよびリリアールから、優先的にはジフェニルシクロプロぺノン、没食子酸ラウリル、1,4−ヒドロキノンおよびグルタルアルデヒドから、特に好ましくは、ジフェニルシクロプロペノンから選択される。
【0094】
好ましくは、前記の単離されたポリペプチドは、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列、ならびにその誘導体、優先的には配列番号1、2、3、4の配列、さらにより好ましくは配列番号1および配列番号3の配列から選択される配列を含んでなる。
【0095】
別の態様によれば、本発明は、試験化合物の感作性のin vitro評価のための、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなるポリペプチドの使用に関する。
【0096】
好ましくは、前記の単離されたポリペプチドは配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列、ならびにその誘導体、優先的には配列番号1、2、3、4の配列、さらにより優先的には配列番号1および配列番号3の配列から選択される配列を含んでなる。
【実施例】
【0097】
実施例1
0.5mMのポリペプチドおよび5mMの試験化合物の試験を以下の条件下で行う。
【0098】
40μlのペプチド溶液(100mM酢酸アンモニウムバッファー中1.25mM保存溶液、pH10.2、および配列番号18、配列番号7の配列のポリペプチド(ここで、X1、X2、X3およびX4はそれぞれリシンを表す)、または配列番号8の配列のポリペプチド(ここで、X1、X2、X3およびX4はそれぞれリシンを表す))、35μlの100mM酢酸アンモニウムバッファー溶液(pH10.2)、20μlのアセトニトリル、および5μlの試験溶液(アセトニトリルまたは50%アセトニトリル、50%DMSO混合物中100mM保存溶液)を含む反応混合物を調製した後、攪拌した。
【0099】
リポカリン誘導体ではない配列番号18の配列を陽性対照として使用した。この配列は、以下に示す配列に相当する。
Ac-RFAAKAA-NH2(配列番号18)
【0100】
次に、反応混合物を30℃にて4時間、暗所でインキュベートした。
【0101】
次に、HPLC分析を、バッファーB(アセトニトリル+0.08%トリフルオロ酢酸(TFA))の10%から45%の勾配で20分間行った(バッファーA:水+0.1%TFA)、速度1ml/分。検出は、230nmにてUV下で行った。
【0102】
アレルゲンを含まない対照は、40μlのバッファー溶液で構成された。
【0103】
合成試薬(Fmocアミノ酸、合成樹脂)は、IRIS BIOTECH(Germany)から入手し、有機溶媒はSDS/CARLO ERBA(France)から入手し、アセトニトリルはFISHER BIOBLOCK(France)から入手した。
【0104】
結果を表1に示す。
【表1】

【0105】
同様の結果が、配列番号7の配列および配列番号8の配列において、X1、X2、X3およびX4がリシン、オルニチン、ジアミノ酪酸、またはジアミノプロピオン酸から独立に選択され、少なくとも1つのX1、X2、X3およびX4はリシンではない場合に、観察された。
【0106】
試験した3つの配列に対して強い感作能を有する没食子酸ラウリルの高い固定パーセンテージ、配列番号7の配列に対して中等度の、ならびに配列番号8および配列番号18の配列に対して中等度の感作能を有する桂皮酸アルデヒドの高い固定パーセンテージが観察された。
【0107】
実施例2
0.5mMの配列番号29の配列のポリペプチドおよび5mMの試験化合物の試験を、実施例1に記載されたものと同じプロトコールに従って行った。
【0108】
リポカリン誘導体ではない配列番号19の配列を陽性対照として使用した。この配列は、以下に示す配列に相当する。
Ac-RFAACAA-NH2(配列番号19)
使用したバッファーは、100mMのTRIS−HCl、pH8.3であった。
【0109】
【表2】

【0110】
実施例3
2倍の0.5mMの配列番号19および配列番号8の配列のポリペプチド(ここで、X1、X2、X3およびX4はそれぞれリシンを表す)、および5mMの試験化合物の試験を、実施例1に記載されたものと同じプロトコールに従って行った。
使用したバッファーは、100mMのTRIS−HCl、pH8.3、pH9.2、およびpH8.8であった。
【0111】
結果を表3に示す。
【表3】

【0112】
「固定」という語は、固定はされているが定量できなかったことを示す。
n/a:同一の保持時間では固定が測定できない。
【0113】
pH8.3で、より良い結果が得られることが観察される。
【0114】
同様の結果が、配列番号8の配列において、X1、X2、X3およびX4がリシン、オルニチン、ジアミノ酪酸、またはジアミノプロピオネートから独立に選択され、少なくとも1つのX1、X2、X3およびX4はリシンではない場合に、観察された。
【0115】
実施例4
2倍の0.5mMの配列番号19および配列番号8の配列のポリペプチド(ここで、X1、X2、X3およびX4はそれぞれリシンを表す)、および5mMの試験化合物の試験を、実施例1に記載されたものと同じプロトコールに従って行った。
【0116】
使用したバッファーは、100mMのTRIS−HClであった。
【0117】
結果を表4に示す。
【表4】

【0118】
同様の結果が、配列番号8の配列において、X1、X2、X3およびX4がリシン、オルニチン、ジアミノ酪酸、またはジアミノプロピオネートから独立に選択され、少なくとも1つのX1、X2、X3およびX4はリシンではない場合に、観察された。
【0119】
実施例5
2倍の0.5mMの配列番号19および配列番号1(ここで、X1、X2、X3およびX4はそれぞれリシンを表し、そのC末端にNH2基を有する)および配列番号8(ここで、X1、X2、X3およびX4はそれぞれリシンを表す)の配列のポリペプチド、ならびに5mMの試験化合物の試験を、実施例1に記載されたものと同じプロトコールに従って行った。
【0120】
使用したバッファーは、100mMのTRIS−HClであった。
【0121】
結果を表5に示す。
【表5】

【0122】
同様の結果が、配列番号1の配列または配列番号8の配列において、X1、X2、X3およびX4がリシン、オルニチン、ジアミノ酪酸、またはジアミノプロピオネートから独立に選択され、少なくとも1つのX1、X2、X3およびX4はリシンではない場合に、観察された。
【0123】
注目すべきは、配列番号1の試験の場合、シグナルが乱れ、82〜83%固定を超える測定が妨げられたことである。これらの値は結果として最小値を表している。
【0124】
配列番号1の配列を用いて行われた一連の測定の間、没食子酸ラウリルおよびフェニルアセトアルデヒドは非常に著しく沈殿し、従ってこのことは得られた中間的な結果を説明している。
【0125】
ポリペプチドとアレルゲンである桂皮酸アルデヒドおよび1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンの共溶出が観察された。
【0126】
結果は、配列番号1の配列のポリペプチドが、配列番号19および配列番号8の2つの配列のポリペプチドの使用と同様の結果を得ることを可能にする一方で、以下に示す利点を有することを示している。
・11残基という短いペプチドで、合成および精製が容易。
・二量体化が弱い。
・優れた溶解性、取り扱いが容易である(静電気の発生はわずかである)。
・ユニークな試験および条件である。
・システインにより固定されたアレルゲンおよびリシンにより固定されたアレルゲンの両方を検出することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験化合物の感作性のin vitro評価のための方法であって
a)試験化合物と、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなる単離されたポリペプチドとを接触させる工程;
b)前記試験化合物と前記ポリペプチドとの結合を測定する工程
を含んでなる、方法。
【請求項2】
前記試験化合物が皮膚に適用することができるものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記試験化合物が皮膚用または化粧品用組成物の、組成の一部を形成することができる、請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
感作性を低減することができる化合物を選択するためのin vitro方法であって
a)感作性物質であると同定された化合物を、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなる単離されたポリペプチド、および感作性を低減する候補化合物と接触させる工程;
b)感作性物質であると同定された化合物と前記ポリペプチドとの結合を測定する工程
を含んでなる、方法。
【請求項5】
感作性物質であると同定された化合物が、ジフェニルシクロプロぺノン、没食子酸ラウリル、3−3−ジメチルアミノプロピルアミン、桂皮酸アルデヒド、シトラール、1,4−ヒドロキノン、グルタルアルデヒド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、フェニルアセトアルデヒド、およびリリアールから選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなる、単離されたポリペプチド。
【請求項7】
前記配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列が、そのN末端にアセチル基を有する、請求項6に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項8】
前記配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12および13の配列が、そのC末端にアミンまたはアミド基を有する請求項6または7に記載の単離されたポリペプチド。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする核酸の配列を含んでなる核酸。
【請求項10】
請求項6〜8のいずれか一項に記載の単離されたポリペプチドの、試験化合物の感作性のin vitro評価のための使用。
【請求項11】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の試験化合物の感作性のin vitro評価のための方法を実施するためのキットであって、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなる少なくとも1つの単離されたポリペプチドを含んでなる、キット。
【請求項12】
請求項4または5に記載の感作性を低減することができる化合物を選択するための方法を実施するためのキットであって、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16および17の配列、ならびにその誘導体から選択される配列を含んでなる少なくとも1つのポリペプチド、および感作性物質であると同定された少なくとも1つの化合物を含んでなる、キット。

【公表番号】特表2012−525131(P2012−525131A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507778(P2012−507778)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/EP2010/055895
【国際公開番号】WO2010/125176
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511262739)
【氏名又は名称原語表記】IMMUNOSEARCH
【Fターム(参考)】