説明

詰替式容器

【課題】 外ケースに対する内容器の詰替作業が容易に行える詰替式容器を提供する。
【解決手段】 液体が充填される内容器11と、内容器11を収納し得る開閉可能な外ケース2で構成され、内容器11は、軟質の本体袋部12から、外周に雄ネジを形成した硬質の首部14が立設されているとともに、首部14の付け根付近の外周には係合溝13が形成されてなり、一方の外ケース2は縦割りされた第1部材3と第2部材4がヒンジで連結され、第1部材3および第2部材4の上端側は、略錐形状に形成されて、上端にはそれぞれ内容器11の係合溝13に係合し得る嵌合リング部3c,4cが形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が充填される内容器を詰替できる詰替式容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、詰替式容器として、例えば特許文献1に開示されているような構造のものがある。
【特許文献1】特許第3055120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の詰替式容器は、外容器の上部を開閉させて、上方より内容器を挿入させる形式のものであるため、外容器内に内容器を上方側から収納させる際に、内容器が引っ掛かり易く、内容器を外容器内に収納させる作業が困難を伴い、また外容器から内容器を取り出す際にも、内容器を上方側へ引き上げる際に引っ掛かりが生じ易く、詰替作業が困難を伴うという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、極めて容易に詰替することができる詰替式容器を提供することを目的とし、その請求項1は、液体が充填される内容器と、該内容器を収納し得る開閉可能な硬質の外ケースで構成され、前記内容器は、軟質の本体袋部から外周に雄ネジを形成した硬質の首部が立設されているとともに、該首部の付け根付近の外周には係合溝が形成されてなり、一方の前記外ケースは、縦割りされた第1部材と第2部材がヒンジ部で連結され、前記第1部材および第2部材の上端側は、略錐形状に形成されて、上端にはそれぞれ前記内容器の係合溝に嵌合し得る嵌合リング部が形成されていることである。
【0005】
また請求項2は、前記外ケースを構成する第1部材と第2部材には、それぞれ握手部が一体形成されていることである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の詰替式容器は、液体が充填される内容器と、内容器を収納し得る開閉可能な硬質の外ケースで構成され、内容器は、軟質の本体袋部から外周に雄ネジを形成した硬質の首部が立設されているとともに、首部の付け根付近の外周には係合溝が形成されてなり、一方の前記外ケースは、縦割りされた第1部材と第2部材がヒンジ部で連結され、第1部材および第2部材の上端側は略錐形状に形成されて、上端にはそれぞれ内容器の係合溝に嵌合し得る嵌合リング部が形成されていることにより、ヒンジ部を介して第1部材と第2部材を左右に開けて水平な台上等に置き、その状態で第1部材または第2部材に、液体が充填された内容器を容易に収納させ、収納時に外ケースの嵌合リング部に内容器の係合溝を整合させて、その状態で外ケースを閉じることで、内容器の嵌合溝内に外ケースの嵌合リング部が嵌まり込んで、外ケース内に内容器を良好に固定させて収納させることができる。
【0007】
また、外ケースを構成する第1部材と第2部材には、それぞれ握手部が一体形成されていることにより、外ケースの握手部を持って、外ケースを容易に移動させることができ、また握手部を持って良好に外ケースを傾けて、液体を外部に流出させることができるものとなる。
【実施例】
【0008】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、内部に内容器を収納して閉じた状態の外ケースの外観斜視図であり、また図2は、図1の正面構成図であり、また図3は、図1の側面構成図である。
詰替式容器1は、外ケース2と内容器11で構成されており、外ケース2は図4の展開斜視図で示すような構造となっている。
外ケース2は、第1部材3と第2部材4に分割されており、第1部材3と第2部材4はヒンジ部5で連結されて、このヒンジ部5を介して第1部材3と第2部材4を開閉させることができるように構成されている。
【0009】
第1部材3は、底部3aの左右両端から一体状に立ち上げて左右の側面部3b,3bが形成されており、左側の側面部3bには、内側に開口6を形成させて外側へ湾曲した握手部7が一体化されている。
また、この握手部7の内端面には凹み状に複数の係止孔9,9,9が形成されている。
第1部材3の左右の側面部3b,3bの上端側は湾曲した錐形状となっており、その上端には半円状の嵌合リング部3cが形成されている。
また、側面部3bからこの嵌合リング部3cに至る錐形部の内端面には、突条3d,3dが形成されている。
【0010】
一方、第2部材4も第1部材3とほぼ同型に形成されており、底部4aの左右両端から側面部4b,4bが上方に向かって一体形成されており、左右の側面部4b,4bの上端は錐形状を成して、その上端には半円状の嵌合リング部4cが一体形成されている。
また、この錐形状の部位には、前記第1部材3の突条3dが嵌まり込む係入溝4dが形成されている。また、右側の側面部4bには、開口6を形成させて、外側へ突出して握手部7が一体形成されており、この握手部7には前記第1部材3の係止孔9内に嵌まり込む複数の突起8,8,8が一体形成されている。
また、この第2部材4の背面および第1部材3の背面には、それぞれ縦方向に直線または傾斜状のスリット窓10,10が貫通形成されている。
【0011】
図5には、内容器11の概略図を示しており、内容器11は袋状に軟質シート材で形成された本体袋部12を有し、この本体袋部12の上端には硬質の雄ネジ首部14が一体状に立設されており、雄ネジ首部14の外周には、キャップ15を螺合させるための雄ネジが形成されている。この外周の雄ネジの下端、即ち雄ネジ首部14の本体袋部12に対する付根付近には、その外周に係合溝13が凹み状に形成されており、この係合溝13は、雄ネジ首部14と同じ硬質の樹脂で形成されている。
【0012】
図4のように、外ケース2の第1部材3と第2部材4を開けて、テーブルの上等の水平部に開けた状態に置き、この状態で、例えば第1部材3内に上方より飲料水を充填した内容器11を水平にして内部に収納させ、この時に内容器11の係合溝13を嵌合リング3cに嵌め合わせておく。
この状態で第1部材3に対し第2部材4を閉じて、係止孔9,9,9内に突起8,8,8を嵌合させて、第1部材3に対し第2部材4を固定することができ、この時に第2部材4の嵌合リング部4cが内容器11の係合溝13に嵌合されることとなる。
【0013】
即ち、図6に示すように、内容器の嵌合溝13には、嵌合リング部3c,4cが嵌合状態となる。
外ケース2の第1部材3と第2部材4を閉じた状態では、図1〜図3に示すような状態となり、握手部7,7が整合されて、この握手部7,7の内側の開口6内に指を入れて、良好に握手部7を手で握り、外ケース2を持ち上げて良好に移動させることができるものとなる。
また、キャップ15を外して外ケース2を傾けることにより、内容器11内に充填されている飲料水を首部14から外側へ流出させて、コップ等に良好に注ぐことができるものとなる。
【0014】
なお、外ケース2を立設状態で冷蔵庫等に入れておく時にも、嵌合リング部3c,4cが内容器11の係合溝13に嵌合されているため、内容器11の首部14は、外ケースの上端から上方へ立設された状態に維持され、外側からこの首部14に対しキャップ15を良好に着脱させることができるものとなる。
【0015】
なお、図4の外ケースは、第1部材3と第2部材4が、ほぼ中心で縦割りされて完全に2分割された形状となっているが、図1,図2,図3に示すように、例えば一方の第1部材3の底部3aを第2部材4側へ延長させて一体形成し、第2部材4側は底部が存在しないような形状にしておくこともできるものである。
なお、スリット窓10,10は、外ケース2内に収納される内容器11内の飲料水の水量を外側から視認できるように設けたものであり、しかもその幅をかなり幅広に開口させることで、冷蔵庫内に入れた際に冷気が良好に内部の内容器11に伝わるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】内容器を内部に収納させた外ケースの外観斜視図である。
【図2】図1の正面構成図である。
【図3】図1の側面構成図である。
【図4】形状を変更した外ケースを開けた状態の展開斜視図である。
【図5】内容器の概略断面構成図である。
【図6】内容器の係合溝に外ケースの嵌合リング部を嵌合させた状態の要部拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0017】
1 詰替式容器
2 外ケース
3 第1部材
3a 底部
3b 側面部
3c 嵌合リング部
3d 突条
4 第2部材
4a 底部
4b 側面部
4c 嵌合リング部
4d 係入溝
5 ヒンジ部
6 開口
7 握手部
8 突起
9 係止孔
10 スリット窓
11 内容器
12 本体袋部
13 係合溝
14 雄ネジ首部
15 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填される内容器と、該内容器を収納し得る開閉可能な硬質の外ケースで構成され、前記内容器は、軟質の本体袋部から外周に雄ネジを形成した硬質の首部が立設されているとともに、該首部の付け根付近の外周には係合溝が形成されてなり、一方の前記外ケースは、縦割りされた第1部材と第2部材がヒンジ部で連結され、前記第1部材および第2部材の上端側は略錐形状に形成されて、上端にはそれぞれ前記内容器の係合溝に嵌合し得る嵌合リング部が形成されていることを特徴とする詰替式容器。
【請求項2】
前記外ケースを構成する第1部材と第2部材には、それぞれ握手部が一体形成されていることを特徴とする請求項1に記載の詰替式容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−76586(P2006−76586A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260223(P2004−260223)
【出願日】平成16年9月7日(2004.9.7)
【出願人】(597097331)本草製薬株式会社 (2)
【Fターム(参考)】