説明

誘導灯装置

【課題】光源としてLEDを使用し、通行人にパニックを感じさせず、且つ単純な回路構成で、蓄電池の電圧を正確に測定できるよう構成した誘導灯装置を提供する。
【解決手段】信号処理回路14は、充電回路12をオフする。次に、信号処理回路14は、トランジスタQ3をオンしてトランジスタQ2をオンする。さらに、信号処理回路14は、CPU18に指示して、トランジスタQ4をオフさせるとともに、トランジスタQ5をオンさせる。このとき、抵抗R1の抵抗値の方が抵抗R2より高いため、LED16、17に供給される一定の駆動電流の電流値が、非常時にLED16、17に供給するパルス状の駆動電流のピーク値より減少する。これにより、LED16、17は薄暗く連続点灯する。この段階で、信号処理回路14は、蓄電池Eの電圧をCPU18に測定させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、火災などの災害発生時に建物内から人を出口に安全に誘導するために用いられる誘導灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、非常口の場所や避難経路等を表示する誘導灯装置が広く一般に普及している。このような誘導灯装置では、常時において、商用電源からAC電源を得るとともに、そのAC電源により蓄電池を充電している。そして、AC電源からの電力供給が受けられない非常時(災害発生時)には、その蓄電池からDC電源をランプに供給している。
【0003】
図5は、従来の誘導灯装置の構成を示す図である。従来の誘導灯装置102は、キセノンガスが封入されたキセノンランプ116と、蓄電池Eと、商用電源104のAC100V電源電圧を降圧してから3〜6V程度のDC電源電圧を生成するAC/DCコンバータ111と、AC/DCコンバータ111から出力されたDC電源電圧によって蓄電池Eをトリクル充電する充電回路112と、蓄電池EのDC電源電圧を24Vに昇圧する昇圧回路113と、このDC24V電源電圧をさらに昇圧し、昇圧したDC電源電圧によってキセノンランプ116を点滅駆動する点滅回路部115と、点滅回路部115を制御するCPU117と、トランジスタQ12をオンオフしてトランジスタQ11のオンオフを切替えることにより、キセノンランプ116にDC電源を供給するかどうか切替える信号処理回路114と、点検員等による操作を受付ける操作部120と、を備えている。
【0004】
この構成により、誘導灯装置102では、商用電源104からの電力供給が可能な常時において、充電回路112によって蓄電池Eをトリクル充電する。また、装置本体の外部から非常信号を受信した非常時において、蓄電池Eからキセノンランプ116にDC電源を供給してキセノンランプ116を点滅させる。
また、誘導灯装置102を点検する点検員は、常時において操作部120に設けられたスイッチを押下して信号処理回路114へ非常信号を入力することにより、キセノンランプ116を点滅させる。これにより、点検員は、キセノンランプ116の点滅が規定時間以上継続するかどうかを点検する。
なお、特許文献1においても、蛍光灯を光源として使用した誘導灯装置が示されている。
【特許文献1】特開平2−148506
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、キセノンランプ116を光源として使用した従来の誘導灯装置には、下記のような欠点があった。
まず、キセノンランプ116を点滅させると、蓄電池Eから放出される電流量の変動が大きくなるので、蓄電池Eの電圧値もそれに併せて大きく変動してしまう。そのため、誘導灯装置102は、蓄電池Eの電圧を正確に測定することができないので、自動点検することができなかった。
次に、誘導灯装置102を点検する際、キセノンランプ116を点滅させて誘導灯装置102を点検しなければならない。そのため、人の少ない夜間に点検したとしても、通行人にパニックを感じさせるおそれがあった。
【0006】
さらに、キセノンランプ116の放電を開始するために、誘導灯装置102は数キロVの電圧をキセノンランプ116に印加する必要がある。また、キセノンランプ116の発光を維持するために、誘導灯装置102はキセノンランプ116に200V以上の電圧を印加する必要がある。このように、高電圧を用いる必要があるため、キセノンランプ116のカバーが破損した場合などには非常に危険が伴っていた。また、キセノンランプ116を点滅させるために、蓄電池Eは、容量の高いものが必要であった。さらに、キセノンランプ116の放電開始およびキセノンランプ116の発光維持のために、複雑な回路構成が必要であった。具体的には、高電圧に昇圧させるためのトランスT1と、容量の大きい電界コンデンサC1と、電界コンデンサC1への過電圧を防止するための専用の保護回路と、等が必要となる。これは、その複雑な回路構成のための材料を用意したり、その複雑な回路構成のための工程を組まなければならないことを意味し、製造コスト高や製造工程の複雑化の一因ともなっていた。
【0007】
この発明の目的は、光源としてLEDを使用し、通行人にパニックを感じさせず、且つ単純な回路構成で、蓄電池の電圧を正確に測定する自動点検機能を有する誘導灯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の誘導灯装置は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0009】
(1)商用電源により蓄電池を充電する充電回路と、
非常時に非常信号を受けると、前記充電回路による前記蓄電池への充電を停止し、前記蓄電池から発光体に、Duty制御したパルス状の駆動電流を供給して前記発光体を点滅発光させる制御回路と、を備える誘導灯装置において、
前記発光体をLEDで構成し、
前記制御回路は、
前記蓄電池の電圧を自動点検するための特定の操作が行われると、前記充電回路による前記蓄電池への充電を停止し、前記蓄電池から前記LEDに、一定の駆動電流を供給して前記LEDを連続点灯させ、
前記LEDを連続点灯させるときに、前記LEDに供給する前記一定の駆動電流の電流値を、非常時に前記LEDに供給する前記パルス状の駆動電流のピーク値より減少させる自動点検切替回路を有し、
前記特定の操作が行われた後、前記蓄電池の電圧を測定する電圧測定手段を備えた。
【0010】
この構成では、常時において、充電回路によって蓄電池を充電する。一方、非常時において、制御回路は、蓄電池からLEDにDC電源を供給してLEDを点滅発光させる。これにより、誘導灯装置は、火災などの災害発生時に建物内から人を出口に安全に誘導する。
【0011】
また、この構成では、点検員が点検時に特定の操作を行うと、蓄電池への充電が停止し、LEDには、一定の駆動電流が供給される。このとき、制御回路に含まれる自動点検切替回路が、LEDに供給する一定の駆動電流の電流値を、非常時にLEDに供給するパルス状の駆動電流のピーク値より減少させる。これにより、LEDが薄暗く連続点灯する。そして、この段階で電圧測定手段が蓄電池の電圧を自動的に測定する。
このとき、LEDが連続点灯するが、蓄電池から放出される電流量の変動が無いので、蓄電池の電圧値が変動しない。そのため、電圧測定手段が、蓄電池の電圧を正確に測定することができる。
また、誘導灯装置を点検する際、減光した状態でLEDを連続点灯させて誘導灯装置を点検している。そのため、人の少ない夜間に点検したとしても、通行人にパニックを感じさせるおそれがない。
また、LEDを点滅させるために、蓄電池は、キセノンランプのような容量の高いものが不要である。さらに、LEDは、キセノンランプのように高電圧を用いる必要がないため、危険はない。さらに、LEDを発光させるために、キセノンランプのような複雑な回路構成が不要である。従って、製造コストの低下や製造工程の単純化も図ることができる。さらに、LEDは、キセノンランプと異なり、LEDに供給する電流量を調節するだけで点滅周期や発光輝度を容易に変更することができる。そのため、キセノンランプより、避難誘導に一層適した点滅に設定できる。
以上より、光源としてLEDを使用することで、通行人にパニックを感じさせず、且つ単純な回路構成で、蓄電池の電圧を正確に測定できる。
【0012】
(2)前記自動点検切替回路は、
第1の抵抗と前記第1の抵抗より抵抗値の低い第2の抵抗とが並列に接続された並列抵抗回路であって前記LEDに直列に接続された並列抵抗回路と、
前記非常時に、前記第1の抵抗側に供給される電流をオフするとともに前記第2の抵抗側に供給される電流をオンし、前記特定の操作が行われた時、前記第1の抵抗側に供給される電流をオンするとともに前記第2の抵抗側に供給される電流をオフするスイッチング回路と、を有する。
【0013】
この構成において、スイッチング回路は、例えば複数のスイッチング素子で構成される。スイッチング素子は、例えばトランジスタである。そして、並列抵抗回路はLEDに供給される一定の駆動電流の電流値を調整している。
この構成では、第1の抵抗の抵抗値の方が第2の抵抗より高いため、特定の操作が行われた時(即ち点検時)の抵抗値が、非常時の抵抗値より高くなる。そのため、LEDに供給される一定の駆動電流の電流値が、非常時にLEDに供給するパルス状の駆動電流のピーク値より減少する。
【0014】
(3)前記電圧測定手段が電圧測定した測定結果を報知する報知手段を備える。
【0015】
この構成により、蓄電池電圧の測定結果を点検員に知らせることができる。
【0016】
(4)前記自動点検切替回路は、前記特定の操作が行われた時、前記第1の抵抗側に供給される電流に対し、Duty比100%のDuty制御を行う。
【0017】
この構成では、蓄電池から放出される電流量の変動が無いので、蓄電池電圧の変動が無い。従って、電圧測定手段が正確な値を測定できる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれは、光源としてLEDを使用することで、通行人にパニックを感じさせず、且つ単純な回路構成で、蓄電池の電圧を正確に測定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態である誘導灯装置について説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施形態である誘導灯装置が避難口に設置されたときの様子を示す図である。誘導灯装置100は、建物内の各避難口に複数設置され、避難口を人に知らせるピクトグラム1と、後述のLED16、17が内蔵された発光部2と、誘導灯装置100の付近で発生した煙を感知する煙感知器3と、を備える。この構成により、誘導灯装置100は、火災などの災害発生時に建物内から人を出口に安全に誘導する。
【0021】
図2は、本発明の実施形態である誘導灯装置の主要な構成を示す図である。誘導灯装置100は、蓄電池Eと、商用電源4のAC100V電源電圧を降圧してから3〜6V程度のDC電源電圧を生成するAC/DCコンバータ11と、AC/DCコンバータ11から出力されたDC電源電圧によって蓄電池Eをトリクル充電する充電回路12と、蓄電池EのDC電源電圧を24Vに昇圧する昇圧回路13と、昇圧回路13から出力された蓄電池Eの駆動電流により発光する発光ダイオード(以下、LEDと称する)16、17と、トランジスタQ4のオンオフをDuty制御で切替えることによってLED16、17を点滅駆動する点滅回路15と、トランジスタQ3をオンオフしてトランジスタQ2のオンオフを切替えることによりLED16、17に蓄電池Eの駆動電流を供給するかどうか切替える信号処理回路14と、点検員等による操作を受付ける操作部20と、を備えている。
さらに、誘導灯装置100は、煙を感知する煙感知器3を備えている。また、誘導灯装置100の発光部2は、非常時に非常信号を送信するセンタ6と接続されている。
【0022】
なお、AC/DCコンバータ11及び充電回路12が、本発明の「充電回路」に相当する。点滅回路15および信号処理回路14が、本発明の「制御回路」に相当する。そして、点滅回路15が、本発明の「自動点検切替回路」に相当する。また、トランジスタQ4及びQ5が、本発明の「スイッチング回路」に相当し、抵抗R1及びR2が、本発明の「並列抵抗回路」に相当する。ここで、点滅回路15は、自動点検切替回路の一例であり、その他の回路構成を採用しても構わない。
【0023】
また、操作部20には、蓄電池Eの電圧の点検を開始するための点検開始キーなどの複数のキーが設けられている。操作部20のいずれかのキーが押下されると、押下されたキーに応じた制御信号が、信号処理回路14に伝送される。ここで、点検開始キーの詳細については、後述する。
なお、実施の際は、操作部20をセンタ6に設けても構わない。この場合、点検員はセンタ6から、建物内の各誘導灯装置(誘導灯装置100を含む)に、蓄電池Eの電圧の点検開始を指示する。
【0024】
また、信号処理回路14とCPU18とは、制御線で結ばれており、CPU18は、信号処理回路14の指示に従って、電流制御と蓄電池Eの電圧測定とを行う。さらに、CPU18は、時間を計測するタイマー回路(不図示)を内蔵する。
【0025】
昇圧回路13は蓄電池Eを24Vに安定化して出力する昇圧コンバータである。スイッチング素子のトランジスタQ1がオン時にインダクタLを励磁し、トランジスタQ1がオフ時にインダクタLに蓄えたエネルギーをダイオードD2で電池電圧Eに重畳し、アルミ電解コンデンサCにて安定化する。昇圧制御IC19は、アルミ電解コンデンサCの両端電圧が24Vになるようにオンオフ制御するよう予め設定されている。
【0026】
点滅回路15は、抵抗R1と抵抗R2とが並列に接続された並列抵抗回路であってLED16、17に直列に接続された並列抵抗回路と、トランジスタQ4と、トランジスタQ5と、トランジスタQ4、Q5のオンオフを制御するCPU18と、で構成される。このトランジスタQ4は、非常時に、抵抗R2側に供給される電流をオンし、点検時に、抵抗R2側に供給される電流をオフするトランジスタである。また、このトランジスタQ5は、非常時に、抵抗R1側に供給される電流をオフし、点検時に、抵抗R1側に供給される電流をオンするトランジスタである。
なお、LED16、17は、煙の充満した環境でも視認性の高い波長のLEDを用いることが望ましい。これにより、煙の充満している遠くからでも非常口が発見され易くなる。
【0027】
上記の構成により、誘導灯装置2では、商用電源4からの電力供給が可能な常時において、充電回路12によって蓄電池Eをトリクル充電する。この常時においては、昇圧回路13及びトランジスタQ2はオフされている。また、センタ6から非常信号を受信した非常時において、信号処理回路14は、トランジスタQ2をオンし、蓄電池EからLED16、17にDC電源を供給してLED16、17を点滅させる。ここで、トランジスタQ2がオンされることにより、24Vの電圧が煙感知器3に印加される。そして、煙感知器3が煙を感知した場合、即ち誘導灯装置2の付近で煙が発生している場合、人をこの付近に誘導してはいけないので、煙感知器3は停止信号をCPU18に送信する。停止信号を受信すると、CPU18は、トランジスタQ4をオフし、LED16、17を消灯させる。このとき、CPU18は、停止信号が受信されなくなっても、トランジスタQ4をオフしたままラッチする。ここで、このラッチを解除するためには、センタ6から非常信号をリセットする。
【0028】
一方、煙感知器3が煙を感知しない場合、即ち停止信号を受信しない場合、CPU18は、LED16、17の点滅を維持する。この点滅は、CPU18がトランジスタQ5をオフするとともにトランジスタQ4を(例えばDuty比30%で)オンオフすることにより達成する(図3(A)参照)。この点滅により、誘導灯装置2は、火災などの災害発生時に建物内から人を出口に安全に誘導する。
【0029】
図4は、本発明の実施形態である誘導灯装置の信号処理回路が点検時に行う動作を示すフローチャートである。この動作は、点検員が点検開始キーを押下して、蓄電池Eの電圧値が正常な値(スレッシュレベル)以上を示すかどうか、LED16、17が正常に発光するかどうかを点検する場面を想定している。
【0030】
点検開始キーが押下されると、信号処理回路14は、充電回路12をオフする(S1)。これにより、充電回路12による蓄電池Eへの充電が停止する。
【0031】
次に、信号処理回路14は、トランジスタQ3をオンしてトランジスタQ2をオンする(S2)。これにより、蓄電池EからLED16、17にDC電源を供給してLED16、17を連続点灯させる。
【0032】
さらに、信号処理回路14は、CPU18に指示して、トランジスタQ4をオフさせるとともに(S3)、トランジスタQ5をオンさせる(S4)。ここで、CPU18は、Duty信号(Duty比100%)を出力し、トランジスタQ5をオンさせる。これにより、蓄電池EからLED16、17に、図3(B)に示すような一定の駆動電流が供給される。このとき、抵抗R1の抵抗値の方が抵抗R2より高いため、点検時の抵抗値が、非常時の抵抗値より高くなる。そのため、LED16、17に供給される一定の駆動電流の電流値が、非常時にLED16、17に供給するパルス状の駆動電流のピーク値より減少する(図3(B)参照)。これにより、LED16、17が薄暗く連続点灯する。
【0033】
最後に、信号処理回路14は、蓄電池Eの電圧をCPU18に測定させる(S5)。信号処理回路14は、蓄電池Eの電圧値が正常な値(スレッシュレベル)以上であるかどうか調べることにより蓄電池Eの使用の可否を判定する(S6)。そして、蓄電池Eの電圧値が正常な値(スレッシュレベル)未満を示す場合、信号処理回路14は、蓄電池Eの電圧値の異常を報知するため、発光ダイオード18AをCPU18に発光させる(S7)。これにより、点検員は、蓄電池Eの電圧の測定結果を容易に知ることができる。
【0034】
このとき、LED16、17を連続点灯させても、蓄電池Eから放出される電流量の変動が無いので、蓄電池Eの電圧値が変動しない。そのため、CPU18が、蓄電池Eの電圧を正確に測定することができる。
また、誘導灯装置100を点検する際、減光した状態でLED16、17を連続点灯させて誘導灯装置100を点検している。そのため、人の少ない夜間に点検したとしても、通行人にパニックを感じさせるおそれがない。
【0035】
また、この実施形態では、非常時において、LED16、17に対する供給電流は平均で150ms/500ms×800mA=240mAとなり(図3(A)参照)、LED16、17に対する印加電圧は24Vになるので、消費電力は、5.76Wとなる。蓄電池Eが3.6Vであって、昇圧回路13の効率が90%である場合、蓄電池Eからの放電電流は、5.76W/3.6V/0.9=1.78Aとなる。よって、25分間点滅させた場合、蓄電池Eからの放電容量は、1.78A×25分/60分=約742mAhとなる。これに対し、現行の仕様で用いられているキセノンランプでは、蓄電池Eからの放電容量は、3.4A×25分/60分=約1420mAhとなっている。従って、LED16、17を点滅させるために、蓄電池Eは、キセノンランプのような容量の高いものが不要である。
【0036】
さらに、LED16、17は、キセノンランプのように高電圧を用いる必要がないため、危険はない。さらに、LED16、17を発光させるために、キセノンランプのような複雑な回路構成が不要である。従って、製造コストの低下や製造工程の単純化も図ることができる。さらに、LED16、17は、キセノンランプと異なり、LED16、17に供給する電流量を調節するだけで点滅周期や発光輝度を容易に変更することができる。そのため、キセノンランプより、避難誘導に一層適した点滅に設定できる。
【0037】
以上より、光源としてLED16、17を使用することで、通行人にパニックを感じさせず、且つ単純な回路構成で、蓄電池Eの電圧を正確に測定できる。
【0038】
なお、もし、図4の動作中に非常信号が入力された場合、つまり、押下された点検開始キーに応じた制御信号と非常信号との両方が入力された場合、信号処理回路14は、非常信号を優先した動作を行う。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態である誘導灯装置が避難口に設置されたときの様子を示す図
【図2】本発明の実施形態である誘導灯装置の主要な構成を示す図
【図3】LEDに供給される電流波形の一例を示す図
【図4】本発明の実施形態である誘導灯装置の信号処理回路が点検時に行う動作を示すフローチャート
【図5】従来の誘導灯装置の主要な構成を示す図
【符号の説明】
【0040】
1−ピクトグラム
2−発光部
3−煙感知器
4−商用電源
5−電圧測定器
6−センタ
11−AC/DCコンバータ
12−充電回路
13−昇圧回路
14−信号処理回路
15−点滅回路
18−CPU
19−昇圧IC
20−操作部
100−誘導灯装置
102−誘導灯装置
104−商用電源
111−AC/DCコンバータ
112−充電回路
113−昇圧回路
114−信号処理回路
115−点滅回路部
116−キセノンランプ
117−CPU
120−操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商用電源により蓄電池を充電する充電回路と、
非常時に非常信号を受けると、前記充電回路による前記蓄電池への充電を停止し、前記蓄電池から発光体に、Duty制御したパルス状の駆動電流を供給して前記発光体を点滅発光させる制御回路と、を備える誘導灯装置において、
前記発光体をLEDで構成し、
前記制御回路は、
前記蓄電池の電圧を自動点検するための特定の操作が行われると、前記充電回路による前記蓄電池への充電を停止し、前記蓄電池から前記LEDに、一定の駆動電流を供給して前記LEDを連続点灯させ、
前記LEDを連続点灯させるときに、前記LEDに供給する前記一定の駆動電流の電流値を、非常時に前記LEDに供給する前記パルス状の駆動電流のピーク値より減少させる自動点検切替回路を有し、
前記特定の操作が行われた後、前記蓄電池の電圧を測定する電圧測定手段を備えた誘導灯装置。
【請求項2】
前記自動点検切替回路は、
第1の抵抗と前記第1の抵抗より抵抗値の低い第2の抵抗とが並列に接続された並列抵抗回路であって前記LEDに直列に接続された並列抵抗回路と、
前記非常時に、前記第1の抵抗側に供給される電流をオフするとともに前記第2の抵抗側に供給される電流をオンし、前記特定の操作が行われた時、前記第1の抵抗側に供給される電流をオンするとともに前記第2の抵抗側に供給される電流をオフするスイッチング回路と、を有する請求項1に記載の誘導灯装置。
【請求項3】
前記電圧測定手段が電圧測定した測定結果を報知する報知手段を備える請求項1又は2に記載の誘導灯装置。
【請求項4】
前記自動点検切替回路は、前記特定の操作が行われた時、前記第1の抵抗側に供給される電流に対し、Duty比100%のDuty制御を行う請求項2又は3に記載の誘導灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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