誘電体フレーム構体及び燃料電池マニホルド
各々が第1の面及び前記第1の面と対向する第2の面と、第1の端部分及び第2の端部分とを有する複数のセグメントを利用する誘電体フレームを有する構体。第1の端部分及び第2の端部分の各々は、端面と、その端部分の端面からセグメントの長さに沿って、第1の面から第2の面まで延出する切欠きとを有する。フレームのセグメントは、セグメントの第1の面が整列され、前記セグメントの第2の面が整列され、且つ1つのセグメントの第1の端部分の端面が隣接するセグメントの第2の端部分の端面と当接するような当接関係で配列される。このように、当接したセグメントの第1の端部分及び第2の端部分の切欠きはキー溝を形成し、キー溝の中にキーが配置され、当接したセグメントを一体に保持する。本発明によれば、セグメントのうちいくつかのセグメントの第1の面に、切欠きに隣接して凹部が設けられる。凹部は、セグメントの厚み方向に傾斜し、溝穴の先端部、すなわち、セグメントの長さに沿って最も遠い位置にある溝穴の端部に隣接し、その端部で終わる傾斜面として形成されるのが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に関し、特に、燃料電池スタックにおいて使用するためのフレーム構体及びマニホルドに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、炭化水素燃料に蓄積された化学エネルギーを電気エネルギーに電気化学反応によって直接変換する装置である。一般に、燃料電池は、帯電イオンを伝導する働きをする電解質により互いに分離されたアノード及びカソードを具備する。有用な電力レベルを発生するために、多数の個別の燃料電池が直列に積み重ねられ、燃料電池スタックを形成する。
【0003】
燃料電池スタックは、内付けマニホルド形スタック又は外付けマニホルド形スタックであればよい。内付けマニホルド形スタックの場合、通常、燃料及びオキシダントを送り出すためのガス流路は、燃料電池プレートに内蔵される。外付けマニホルド形スタックにおいては、燃料電池プレートはその両端部で開放されており、ガスは燃料電池スタックのそれぞれの面に対して密封されたマニホルドを介して電池へ送り出される。いずれの型の燃料電池スタックにおいても、マニホルドは、燃料電池に燃料ガス及びオキシダントガスを送り出すための密封流路を形成し、それらのガスが周囲環境及び他のマニホルドへ漏れ出すのを阻止する。このようなマニホルドの機能は、燃料電池スタックの動作条件でスタックの寿命が継続する限り実行されなければならない。
【0004】
マニホルドの縁部と燃料電池スタック面との間に確立されるガスシールは、マニホルド性能の重要な一面である。燃料電池スタックは、通常、導電性であり、その長さに沿って縁部からマニホルドに至る電位勾配を有する。金属材料によるマニホルドは、この燃料電池スタックから電気的に絶縁されなければならない。マニホルドとスタックとを電気的に絶縁し、マニホルドとスタックとの間の短絡の発生を防止し、且つ起電力により促進されるスタックからマニホルドまでの電解質の移動を制御するために、金属製マニホルドと燃料電池スタックとの間で、誘電絶縁体が使用されていた。誘電絶縁体は、通常、もろいセラミック材料又はマイカ材料から製造されるため、燃料電池の動作中にマニホルドシステムに加わる熱応力及び機械応力又は化学反応の結果として損傷を受ける可能性がある。更に、電池の構成要素は、高温、高圧の条件下でクリープを発生し、緻密化するので、燃料電池スタックは、通常、時間が経過するにつれて収縮する。そのような収縮や、燃料電池スタック寸法の変化は、スタックの動作中に、マニホルドシステムに対して更に応力を加える。従って、マニホルド密封システムの誘電絶縁体の損傷を防止し、マニホルドとスタックとの間の電気的絶縁及び電解質移動抑止を有効に維持するように、熱応力及び機械応力を少なくとも部分的に吸収可能なマニホルドシステムが必要とされる。
【0005】
マニホルドシステムの構成要素の可撓性を改善し、熱によるスタックの膨張、収縮及びその結果として発生する誘電絶縁体に対する機械応力に更に適切に対応するために、構成要素の変更が行なわれてきた。マニホルドシステムにおいて現在使用されている従来の誘電絶縁体は、通常、スタックと共に絶縁体を膨張、収縮させることができる複数の互いに連動するセグメントを具備する。そのような誘電絶縁体構造の一例は、米国特許第4,414,294号公報に開示される。特に、’294号特許は、摺動自在のスプライン継手により互いに結合された複数のセグメントを有する矩形の絶縁体を開示する。それらのスプライン継手の各々は、絶縁体セグメントの隣接する端部分により形成されるキー溝に嵌合するスプラインキーを含む。’294号特許に示され且つ説明されるように、キー溝に嵌合するキーは、キー溝の形状に一致した形状を有し、十分なガス密封を実現するために、キー溝の厚さに沿って延出する。
【0006】
更に、マニホルドのガス密封能力を向上し、誘電絶縁体の損傷を減少するために、可撓性マニホルドも開発されている。本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願第10/264,866号は、そのような可撓性マニホルドシステムの一例を開示する。特に、'866号出願は、複合折れ目により結合された複数のパン部分を含むマニホルド本体と、マニホルド本体の複合折れ目に対応する位置に厚さの一部を切欠いて形成された複数の切溝を有する複数のレール部材を含むレール構体とを有するマニホルドシステムを開示する。'866号出願のマニホルドシステムの折れ目及び切溝は、マニホルド構体に可撓性を与え、マニホルドの縁部とスタック面との間で成立するガスシールを改善する。'866号出願におけるマニホルド本体及びレール構体は、誘電絶縁体によりスタックから電気的に絶縁され、誘電絶縁体は、レール部材から突出する丸形又は円筒形のステンレス鋼ピンを使用してレール構体に固着される。
【特許文献1】米国特許第4,414,294号明細書
【特許文献2】米国特許出願第10/264,866号号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の構造に関連する共通の問題点の1つは、誘電絶縁体の接合領域、すなわち、キー溝及びピン差込み穴の周囲の領域においてセラミック電解質移動防止剤及び電気絶縁体が破損したり亀裂を生じたりすることである。そのような亀裂又は破損は、スタックの膨張、収縮中にキー及びピンが誘電絶縁体に対して作用し、その結果、機械応力が発生し、力が加えられることによって発生する。
【0008】
共通する他の問題点は、絶縁体のキー溝領域及びキーの鋭く尖った縁部が原因となって、誘電絶縁体に当接するガスケットに引裂きや浸食が発生することである。そのような亀裂、破損及び浸食の結果、ガスシールは破断され、マニホルドシステムとスタックとの間の電気的絶縁は損なわれる。従って、誘電体の障害を減少し、スタックの動作中機械的な力を絶縁体から排除するためには、接合領域、特にキー溝領域及びピンの周囲の領域において誘電絶縁体に加わる応力を最小限にする手段が必要とされる。
【0009】
従って、本発明の目的は、上記の欠点を克服するように設計された連動セグメントを有する誘電体フレーム部材を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、当接するガスケットの引裂き及び浸食を防止するように適合された誘電体フレーム部材を提供することである。
【0011】
本発明の更に別の目的は、誘電体フレーム部材に対する機械応力を減少する改善されたピン構造を有する燃料電池スタックマニホルドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の原理に従えば、上記の目的及び他の目的は、各々が第1の面及びそれに対向する第2の面と、第1の端部分及び第2の端部分とを有する複数のセグメントを利用する誘電体フレームを有する構体において実現される。第1の端部分及び第2の端部分の各々は、端面と、端部分の端面からセグメントの長さに沿って、第1の面から第2の面まで延出する切欠きとを有する。フレームのセグメントは、セグメントの第1の面が整列され、前記セグメントの第2の面が整列され、且つ1つのセグメントの第1の端部分の端面が隣接するセグメントの第2の端部分の端面に当接するような当接関係で配列される。このように、当接したセグメントの第1の端部分及び第2の端部分の切欠きはキー溝を形成し、キー溝の中にキーが配置され、当接したセグメントを一体に保持し、ガスシールを形成する。
【0013】
本発明によれば、セグメントのうちいくつかのセグメントの第1の面に、切欠きに隣接して凹部が設けられる。凹部は、セグメントの厚み方向に傾斜する傾斜面であって、溝穴の先端部、すなわち、セグメントの長さに沿って最も遠い位置にある溝穴の端部に隣接し、その位置で終わるような傾斜面として形成されるのが好ましい。セグメントは、凹部を有するセグメントの各々の端部が、同様に凹部を有するセグメントの端部と当接し、その結果形成されるキー溝が、その両端部に凹部を有するように配列される。また、本発明によれば、そのようなキー溝に配置される各キーは傾斜した端部を有し、傾斜端部は、キーの厚み方向に傾斜し、キー溝の両端部で凹部に当接する。更に、凹部を有する各セグメントは、その第1の面の端部に、その凹部と当接する切欠きを有する端部分を含む端面に隣接して、セグメントの厚み方向に傾斜する部分を有する。更に、凹部を有するセグメントは、第1の面の縁部及び端部分の端面の縁部において面取りされる。
【0014】
このような構成により、フレームは、燃料電池スタックをマニホルドから絶縁するために使用された場合、従来より適切に力を処理できる。また、フレームは、フレームと燃料電池スタックとの間に配置されたガスケットの一体性を保持できる。
【0015】
以下に開示される本発明の実施形態においては、フレームの全ての垂直セグメントの第1の面に、それぞれのセグメントの第1の端部分及び第2の端部分にある切欠きの先端部に隣接して凹部が設けられる。これに対し、水平セグメントの場合には、垂直セグメントの第1の端部分と当接する第2の端部分にのみ第1の面に凹部が設けられる。本実施形態においては、更に、水平部材の第2の端部分は、T字形又はL字形のいずれかである。更に、開示される実施形態では、セグメントのうちいくつかのセグメントの第2の面にも、切欠きに隣接して凹部が設けられる。それらの凹部は、セグメントの厚み方向に延出し、それぞれ対応する切欠きの縁部全体に沿って延出する傾斜面により形成される。最後に、本実施形態においては、切欠きは長楕円形を半分に割った形状であるので、キー溝及びキーは長楕円形の形状である。
【0016】
本発明の別の面によれば、上記の目的及び他の目的は、周囲に沿って分散配置された複数のピンを有し、より適切に誘電体フレームと係合するマニホルド構体において実現される。特に、フレームの開口部に受入れられる各々のピンは、互いに対向する外面を含む端部分を有し、それらの外面は、ピンの本体の厚み方向に内側に向かって傾斜した後、ピンの軸と一線に並んで端部分の末端部まで広がる。本発明の好適な形態においては、ピンは、前述の端部分を有するように形成された円筒形の本体を有する。
【0017】
本発明の更に別の面においては、誘電体フレーム部材のピン受入れ穴に挿入される誘電体本体を有するインサートが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、外付けマニホルド形燃料電池スタック101と共に使用するための本発明の原理に従ったマニホルド102及び誘電体フレーム構体100を示す。図示されるように、マニホルド102は、誘電体フレーム構体100により端板(エンドプレート)101bから電気的に絶縁される。この場合、誘電体フレーム構体100は、誘電体フレーム部材104と複数の絶縁ガスケット106、108、110とを含む。マニホルド102は、マニホルド本体102aと、マニホルド本体102aに結合されたマニホルドレール構体102bとを有する。マニホルド本体102aは、本明細書中に参考として取り入れられている’866号出願に記載されているような可撓性構成を有するのが好ましい。図示されるように、また、'866号出願に更に詳細に説明されているように、マニホルド本体102aは、レール構体102bがマニホルド本体102aを取り囲むように、レール構体102bの中に嵌込まれる。マニホルド102は金属を素材としており、マニホルドを燃料電池スタック101から電気的に絶縁する誘電体フレーム構体100に隣接して配置される。図示されるように、誘電体フレーム部材104及び絶縁ガスケット106、108、110のスタック側平面に沿った形状及び寸法は、マニホルドレール構体102bの形状及び寸法にほぼ対応する。
【0019】
絶縁ガスケットは、第1のマニホルド側ガスケット106と、第2のマニホルド側ガスケット108と、圧縮自在のスタック側ガスケット110とを含む。第1のガスケット106は、マイカ又は他の適切な電気絶縁材料から製造可能である。第2のガスケット108は、ジルコニアフェルト、又はそれに類似する温度特性、誘電特性及びガスフローインピーダンス特性を有する他の任意の適切な材料から製造可能である。第1のマニホルド側ガスケット106は、マニホルドレール構体102bと第2のマニホルド側ガスケット108との間に当接関係で配置され、第2のマニホルド側ガスケット108は、誘電体フレーム部材104に当接する。第1のマニホルド側ガスケット106及び第2のマニホルド側ガスケット108は、誘電体及びマニホルドの面、特に、誘電体接合部及びマニホルドの面の凹凸に従った形状を有することにより、誘電体フレーム部材104とマニホルド102との間にシールを形成する。
【0020】
圧縮自在のスタック側ガスケット110は、ガスケット108と同様に、ジルコニアフェルト、又はそれに類似する温度特性、誘電特性及びガスフローインピーダンス特性を有する他の任意の適切な材料から製造可能である。圧縮自在のスタック側ガスケット110は、誘電体フレーム部材104のスタック側の面と燃料電池スタックの面101aとの間に当接関係で配置される。
【0021】
以下に更に詳細に説明されるように、マニホルド102のレール構体102bは、誘電体フレーム構体100と係合して誘電体フレーム構体100を保持する。特に、レール構体102bは、その周囲に分散配置された複数のピン(図1には図示せず)を含む。それらのピンは、第1のガスケット106及び第2のガスケット108の周囲にそれぞれ配置された複数の貫通開口106a、108aと、誘電体フレーム部材の周囲に分散配置された複数の開口105とに受入れられ、それらの開口と係合する。開口106a、108a、105の位置は、レール構体に形成されたピンと整列する。
【0022】
図1に示されるように、誘電体フレーム部材104の開口105は、誘電体フレーム部材104の厚みを一部貫通し、丸い形状の開口105aと、楕円形の形状の開口105bとを含んでもよい。組み立てられた状態にあるとき、ピンは、第1のガスケット106、第2のガスケット108及び誘電体フレーム部材104の開口106a、108a、105と係合する。ピンと開口との係合後、燃料電池スタックの膨張、収縮に伴ってガスケット106、108及び誘電体フレーム部材104がマニホルドと共に移動可能となり、その結果、マニホルド102に関するガスケット及びフレーム部材による側方運動が防止される。
【0023】
図1に概略的に示されるように、また、以下に更に詳細に示されるように、誘電体フレーム部材104は、端部で一体に接合された複数のセグメント112から形成される。特に、セグメント112の端部分(エンドポーション)112aは、当接する端部分が一体となってキー溝112bを規定するように構成され、そのキー溝112bにキー114が嵌合される。このように、誘電体フレーム部材104が燃料電池スタック101及びマニホルド構成要素と共に膨張、収縮できるように、セグメント112は一体に保持される。本発明によれば、以下に更に詳細に説明されるように、キー114及びキー溝112bは、セグメント112に当接するガスケットの滑り(スリップ)を促進し、当接するガスケットの引裂きや浸食を防止するように構成される。
【0024】
誘電体フレーム部材104の更に詳細な図が、図2A及び図2Bに示される。図2Aは、セグメント112の整列された第1の面(サーフェイス)112Aにより形成される誘電体フレーム部材104の第1の面104Aを示す。面104Aは、スタック側ガスケット110に当接する。図2Bは、セグメント112の整列された第2の面112Bにより形成される誘電体フレーム部材104の反対側の面104Bを示す。面104bは、第2のマニホルド側ガスケット108に当接する。各セグメント112は、第3の面112C及びその反対側の第4の面112Dを更に含み、それらの面は、面112A及び112Bの端部の両端に結合する。各フレームセグメント112は、セラミック材料又は他の適切な誘電体材料から製造可能である。
【0025】
図示されるように、セグメント112はいくつかの構成要素を有する。それらの構成要素は、端部分が「棒状」である垂直セグメントと、各々が細い「棒状」の端部分及び「T字形」の端部分を有する上部水平セグメントと、各々が細い「棒状」の端部分及び「L字形」の端部分を有する下部水平セグメントとを含む。図示される構造の場合、2つの上部水平セグメントがフレームの上部104Aを形成し、2つの下部水平セグメントがフレームの底部104Bを形成し、第1の組の垂直セグメントがフレームの一方の側104Cを形成し、垂直に配置された第2の組のセグメントがフレーム104の反対の側104Dを形成する。それらのセグメントは、それぞれのキー114と、セグメント112の当接する端部分112aにあるキー溝112とにより結合される。図示されるように、キー溝は、垂直セグメントの「棒状」端部分と、下部水平セグメントの「棒状」端部分及び「L字形」端部分と、上部水平セグメントの「棒状」端部分及び「T字形」端部分の下部の短い脚部とにおいて形成される。セグメントを一体に当接させた結果、誘電体フレーム部材104は矩形形状となる。
【0026】
フレーム部材と組み合わせて使用される構体の形状により指定される誘電体フレーム部材104の所望の形状に応じて、本発明のセグメント112は、図示される構成以外の構成を有してもよいことがわかる。従って、例えば、セグメントは全て棒状セグメントであってもよく、その場合には、端部分112aは、当接したセグメントが所望のキー溝を形成するように当接する適切な形状を有していなければならない。
【0027】
本発明の原理に従って、セグメント112の端部分112aは、形成されるキー溝112bが隣接するガスケットの滑りを促進し、引裂きなどによるガスケットの劣化を減少するように構成される。更に、キー114も、滑りを助け且つそのような劣化を減少するように構成される。
【0028】
図2C及び図2Dは、垂直セグメントの端部分112aの1つを両側の面112A及び112Bからそれぞれ見た図である。図示される構成の場合、セグメントの他方の端部分も同様の構造であり、その他の垂直セグメントの端部分も全て同一の構造である。更に、図示される構成の場合、下部水平部材の「L字形」端部分及び上部水平部材の「T字形」端部分の下部も同一の構造である。
【0029】
図2C及び図2Dからわかるように、端部分112aは、端部分の端面(エンドサーフェイス)112Eから本体の長さに沿って本体の中へ延出する切欠き113を含む。切欠き113は、セグメントの面112Aと面112Bとの間に延出し、セグメントの面112C及び112Dから離間している。図示されるように、切欠きは長楕円形を半分に割った形状であり、切欠きの先端部113aは丸い形である。本発明によれば、切欠き113の先端部113a、すなわち、セグメントの長さに沿って最も遠い位置にある端部において、第1の面112Aに凹部112Aaが設けられる。図示されるように、凹部は、セグメント112の本体の厚み方向に傾斜し且つ切欠き113の先端部113aの縁部(エッジ)で終わる傾斜面として形成される。面112Aの平坦な部分112Abは、凹部の端から延出し、凹部113が切欠きに突当たる場所に隣接する切欠きの縁部で終端する。更に図から明らかなように、面112Aは、端面112Eに隣接して、別の傾斜部分112Acを含む。
【0030】
従って、2つの隣接するセグメント112の図2C及び図2Dに示されるような端部分が当接するような位置関係で配置された場合、その結果形成されるキー溝は長楕円形の形状を有することがわかる。また、キー溝の境界は、セグメントの切欠き113の先端部113aにより規定されるキー溝の両端部において、傾斜する凹部の面(傾斜する凹部112Aaにより形成される)により規定される。キー溝は、セグメントの当接する端面112Eにより形成されるキー溝の側面に、別の傾斜面(面112Acにより形成される)を有する。それらの傾斜面が存在することにより、急な面接触が減少する。それにより、フレームセグメントと、セグメントに隣接する部材との間の滑り接触が促進され、その結果、部材間の相互作用及び引裂きが減少する。これは、特にフレームセグメントに隣接して配置されたガスケットに関して当てはまる。
【0031】
この滑り作用を更に促進し、急激な接触を少なくするために、上述のキー溝と共に使用される各々のキー114は、対応するキー溝の両端部にある傾斜した凹部に当接するのに適する傾斜面を有するように構成される。図3A及び図3Bは、そのように適合されたキー114を示す。キー114は、フレームセグメント112と同一又は同様の誘電体材料から形成される。
【0032】
図示されるように、キー114は、上面114A及び下面114Bと、中央部分114Cと、中央部分114Cの両側に隣接する2つの丸形の端部分114D、114Eとを含むほぼ長楕円形の円筒形状を有する。このほぼ長楕円形の形状は、キー溝113の長楕円形の形状に嵌合する。
【0033】
キー114の上面114Aの両端部114Aa及び114Abは、キーの厚み方向に傾斜している。上述のように、キー114がキー溝112bの中に配置されたとき、傾斜した端部114Aa及び114Abは、キー溝の隣接する端部と境を接する凹部112Aaと接触する。従って、キー114の傾斜した端部は、フレームセグメントに隣接して配置された部材との相互作用に際して、急激な接触の少ない傾斜面を形成する。これにより、滑りが促進され、隣接する部材の引裂き又は破損などによる損傷が少なくなる。
【0034】
フレーム104の損傷を更に防止するために、フレームセグメント112の選択された面とキー112Aの選択された面との間の縁部を面取りできる。従って、図2Cに示されるように、第1の面112Aと端面112Eとの間の縁部並びに第1の面112Aと側面112C及び112Dとの間の縁部が面取りされている。同様に、側面112C、112Dと端面112Eとの間の縁部も面取りされている。最後に、キー114の上面114aと中央部分及び端部分114C〜114Eとの間の縁部も同様に面取りされている。
【0035】
本発明の一実施形態においては、凹部112Aaの傾斜と、面112Acの傾斜と、キー端部114Aa及び114Abの傾斜とは同一に形成される。10〜30°の範囲の傾斜が使用可能である。また、面取りされる縁部に使用できる傾斜は、35〜60°である。
【0036】
開示される実施形態においては、図2Bに示されるように、凹部112Aaを有する各セグメント112の面112Bにも、凹部112Baが設けられている。この凹部は、切欠き113の縁部全体を取り囲み、同様にセグメントと隣接する部材との相互作用を緩和するために傾斜している。この傾斜に使用できる角度は10〜30°である。
【0037】
尚、切欠き113は長楕円形を半分に割った形状であり、その結果、キー溝は長楕円形であるように図示されているが、他の形状も使用可能である。従って、例えば、切欠きとして、部分楕円形又は部分矩形の形状も使用でき、その場合、キー溝は楕円形又は矩形となる。そのような場合、キー溝の形状に対応するために、キー114の形状が変更されることは言うまでもない。
【0038】
更に図1A及び図1Bからわかるように、図示される本発明の形態においては、フレーム104の上部水平セグメント及び下部水平セグメントの隣接する「棒状」端部分112aのキー溝は長楕円形の形状であるが、隣接した凹部を含まない。同様に、それらのキー溝において使用される長楕円形のキーは、傾斜した端部を含まない平坦な上面を有する。これは、フレーム104のセグメントのそれらの部分が、該当する領域において、垂直セグメントほど滑りの改善を必要としないためである。しかし、滑りの改善が望まれる場合には、垂直セグメントと同様に、端部分及びキーの傾斜した端部に凹部を形成できる。
【0039】
図2A及び図2Bに示される誘電体フレーム部材104の構成においては、水平セグメント及び垂直セグメントの幅は、レール構体102bの対応する水平部材及び垂直部材の幅に対応するように選択されている。更に、上部水平セグメント112の「T字形」端部分112aの上方脚部は、レール構体102bの水平部材の同様の上方脚部に適合する。
【0040】
図4A及び図4Bは、それぞれ、図1のマニホルド102を更に詳細に示す平面図及び側面図である。図示されるように、また、先に説明したように、マニホルド102は、マニホルド本体102aと、マニホルドレール構体102bとを具備する。マニホルド本体102aは、'866号特許出願に詳細に説明されているように、複合折れ目132により分離された複数のパン部分130を形成する可撓性構成を有する。複合折れ目132により、マニホルド102は燃料電池スタックの形状に適合できる。複数のレール部材134a〜dから形成されるレール構体102bは、マニホルド本体102aを取り囲む。
【0041】
垂直レール部材134a、134bは、マニホルド本体102aの長さに沿って延出し、レール構体102bの側方レールを形成する。一方、水平レール部材134c及び134dは、マニホルド本体102aの上部及び底部を囲み、それぞれ、構体102bの上部レール及び底部レールを形成する。図4Aに示されるように、レール構体102bの側方レール134a、134bは、構体102bの上部レール部材134cを越えて突出し、延長部分136を形成する。延長部分136は、燃料電池スタックの動作中にマニホルド102が膨張する余裕を与え、図1に示されるように、誘電体フレーム部材104及び絶縁ガスケット106、108、110の対応する部分と整列する。
【0042】
'866号特許出願に更に詳細に説明されるように、また、図4Bに示されるように、構体102bの水平レール部材134a、134bは、部材の厚みの一部を貫通する複数の切欠き又は切溝138を含む。切溝138の位置は、マニホルド本体102aの複合折れ目132と整列する。マニホルド本体102aの複合折れ目134と、レール部材134a、134bの切溝138とが、マニホルド102に可撓性を与えていることがわかる。
【0043】
図1に関して説明され且つ図4A及び図4Bに示されるように、マニホルド102は、スタック側の面の周囲に沿って分散配置された複数のピン140を含む。ピン140は、レール構体102bから延出し、図1に示される誘電体構体100に形成された溝穴又は開口と係合する。特に、ピン140は、誘電体フレーム部材104の個々のセグメント112を、スタック面101a及びマニホルド面により規定される平面の中で、マニホルドレール構体102bに対して拘束して位置決めする。特に、ピン140は、誘電体フレーム部材104と絶縁ガスケット106、108との平面内並進運動並びにピン140に関する部材104及びガスケット106、108の回転を抑止する。ピン140は、レール構体102bを形成する材料と同一であるか又はそれに類似する金属材料から製造可能である。
【0044】
図4A及び図4Bに示されるように、垂直レール134a、134bの各々は、切溝138の両側に形成された少なくとも1つのピン140を含み、更に、レールの端部の付近にピン140を含む。レールの端部付近のピンは、それぞれ対応するレールの延長部材136に形成され、スタックが動いている間に絶縁ガスケットを所定の場所により適切に維持するように、延長部分にある切欠き136aの中に摺動自在に装着される。各垂直レール134c、134dは、レールの中央付近に2つのピン140を含む。
【0045】
先に図1に関して説明したように、ピン140は、マニホルド側ガスケット106、108の開口106a、108a及び誘電体フレーム部材104の開口105に嵌合する。これにより、マニホルド102及び誘電体フレーム構体100は一体に保持され、マニホルド及びスタックに対する誘電体フレーム構体構成要素の側方への動きは最小限に抑えられる。
【0046】
図5A及び図5Bは、本発明によるピン140の各々の構成を更に詳細に示す斜視図及び側面図である。ピンがこのような構成であれば、特に開口105及びその周囲の領域において、マニホルドにより誘電体フレーム部材104に加えられる応力が減少される。更に、この構成は、ピン140が誘電体フレーム構体の溝穴と係合したとき、マニホルドを誘電体フレーム構体に対して回動させる。
【0047】
図5Aに示されるように、各々のピン140は、テーパされた形状の上端部146を含むほぼ円筒形の本体141を有する。特に、ピン140の上端部146の両側面146A及び146Bは、ピンの厚み方向にテーパ、すなわち、傾斜されて、傾斜セグメント146Aa及び146Baを形成する。それらのセグメントの後に、直上へ、すなわち、本体141の軸と平行に延出するセグメント146Ab及び146Bbが続く。その結果、ピンの端面147は長楕円形の形状になり、セグメント146Ab、146Bbの縁部に対向する直線状の縁部147A及び147Bが形成される。また、ピンの円筒形本体には、対向する丸形の縁部147C及び147Dが形成される。誘電体フレーム部材104に対する損傷を引き起こすおそれがある鋭く尖った縁部をなくすために、丸形の縁部147C及び147Dは面取りされる。
【0048】
セグメント146Aa及び146Baに使用可能な傾斜角度は、マニホルド及び誘電体フレーム構体の条件に応じて、10〜60°の範囲である。
【0049】
図6Aは、誘電体フレーム構体100と係合したマニホルド102のスタック側の面142から見た図である。図示されるように、誘電体フレーム部材104の水平セグメント112の幅の一部は、マニホルドレール構体102bの水平レール134c〜dの幅を越える。これにより、スタック(図示せず)とマニホルド102との間のガス密封及び電気絶縁が更に向上する。
【0050】
図6A〜図6Cを参照すると、圧縮自在のスタック側ガスケット110のマニホルド側の面110a1のあらかじめ選択された複数の領域に滑り面110が設けられ、更に、ガスケット110のスタック側の面110b1のあらかじめ選択された複数の領域に滑り面110bが設けられる。滑り面構造の詳細は、本出願と同一の譲受人に譲渡された同時係属米国特許出願公開第11/022,977号に説明されている。特に、マニホルド側の面110a1の滑り面110aは、ガスケットの垂直レール110cに形成され、スタック側の面110b1の滑り面110bは、ガスケット110の水平レール110dに沿って形成される。マニホルド側滑り面110aは、スタック面101aとマニホルドの誘電体フレーム部材104との相対運動を容易にし、一方、スタック側滑り面110bは、スタック端板101b、101cと圧縮自在のガスケット110との相対運動を容易にする。
【0051】
ピン140と誘電体フレーム構体100との係合及び滑り面110a、110bの構造が、図6B及び図6Cに詳細に示される。それらの図は、それぞれ、図6Aにおいて「B」及び「C」の文字を付した円により囲まれた領域において線6B‐6B及び線6C‐6Cに沿ったマニホルド102及び誘電体フレーム構体100を示す横断面図である。
【0052】
図6B及び図6Cに示されるように、レール構体102bのレール部材134aに形成されたピン140は、第1のマニホルド側ガスケット106及び第2のマニホルド側ガスケット108の対応する溝穴又は開口106a、108aにそれぞれ挿入されて、それらの絶縁ガスケットをマニホルド102aと係合させ、マニホルド102に関するガスケットの側方運動を阻止する。その後、ピン140は、誘電体フレーム部材104の対応する開口105に挿入されて、部材104をマニホルド102と係合させる。図からわかるように、開口105は、部材の厚みの一部を貫通し、開口の深さは、開口105の中へ延出するピン部分の長さを越えていてもよい。先に説明したようなピン140の構成により、特に、絶縁ガスケット106、108が誘電体フレーム部材104とマニホルド102との間で圧縮され、ピン140が更に開口の中へ押込まれたときに、開口105及びその周囲の領域において誘電体フレーム部材104に加わる応力が減少される。更に、ピンの構造は、誘電体フレーム部材104に対してマニホルド102が回動することによって部材104に対し加えられる応力を減少する。
【0053】
更に、圧縮自在のガスケット110の垂直レール部材110cに沿ったマニホルド側滑り面110aが図6Bに示され、水平レール部材、垂直レール部材110dに沿ったスタック側滑り面110bが図6Cに示される。図6Bに示されるように、また、先に説明したように、滑り面110aは、誘電体フレーム部材104に当接するように、ガスケットレール部材110cのマニホルド側の面110a1にある。これに対し、滑り面110bは、レール部材110dのスタック側の面110b1にあり、燃料電池スタックの端板101b、101cに当接する。前述のように、各滑り面の詳細は、先に挙げた同時係属出願の中で説明されている。
【0054】
尚、ピン140は、円筒形以外の形状を有するピンを含んでもよい。特に、レール部材のいくつかの位置で長楕円形のピンを使用でき、それらのピンは、誘電体フレーム部材104の対応する長楕円形の穴105(図1を参照)と係合する。長楕円形のピンは、完全に円筒形のテーパなしの本体を有してもよい。
【0055】
本発明の更に別の面においては、誘電体フレーム部材の穴105にインサート11を設けることができる。インサート11は穴105に挿入され、ピン140の本体部分を受入れ且つ本体部分の少なくとも一部を取り囲む誘電体本体を有する。それらのインサートは、誘電体フレーム104をピン140から更に電気的に絶縁し、その結果、誘電体フレーム104をレール構体102b及びマニホルド102から電気的に絶縁する。更に、インサートは、ピンによりフレームの穴の面に加えられるヘルツ接触応力を軽減する。
【0056】
図7A〜図7D、図8A〜図8D、図9A〜図9D及び図10A〜図10Dは、インサート11の種々の形態を示す。各インサート11は、一端部12Aに開口12Bを有する細長いシェル12として形成された誘電体本体を有する。対応するピンを受入れるために、インサート11が対応する穴105に装着されたとき、開口12Bは穴から顔を出す。シェル12は、開口12Bから反対側の端部12Dに向かって延出する細長い溝穴12Cを有する。溝穴12Cは、端部12Dに向かって広がる。図示されている構造の場合、溝穴は、シェルのある長さに沿って一定の幅を有するが、それに続いて、漏斗形状に幅が広がる。溝穴12Cが形成されているために、対応するピン本体を過剰に取り囲むこと又はピン本体と重なり合うことが防止され、熱の影響によるピンの成長が可能になる。
【0057】
図7A〜図7D及び図8A〜図8Dのシェル12は円筒形であり、同様に円筒形の形状を有する穴105及びピンと共に使用されるためのものである。図9A〜図9D及び図10A〜図10Dのシェルは長楕円形であり、同様に長楕円形の形状を有する穴105及びピン140と共に使用されるためのものである。
【0058】
更に、図7A〜図7D及び図9A〜図9Dのシェルは、底面が平坦である穴105と共に使用される。従って、それらのシェルは、端部12Dに開口12Eを有する。これに対し、図8A〜図8D及び図10A〜図10Dのシェルは、底面が丸形で閉鎖されている穴105に対して使用され、そのため、それらのシェルの端部12Dは、閉鎖された丸形の部分又はクラウン12Fを有する。更に、丸形部分又はクラウン12Fの両側は、開口12F1及び12F2によって拡張されており、一方の開口12F1は溝穴12Cと連通する。クラウン12Fは、インサートが穴に組付けられたときに、シェル12が穴105の丸形の底面で隆起するのを阻止する。
【0059】
誘電体本体12は、例えば、マイカなどの誘電抵抗率が高い誘電体から製造可能である。また、約0.006インチの厚さを有するシェルを使用可能である。用途に応じて、それより厚いシェル又は薄いシェルも使用できることは言うまでもない。
【0060】
尚、任意の数の絶縁ガスケット及び誘電体フレーム部材を含む誘電体フレーム構体に本発明の原理が適用される。更に、本発明に従った誘電体フレーム構体及びマニホルド構造は、それぞれのスタック面の全て又は一部にマニホルドが外付けされた燃料電池スタック並びに任意の数の面及びマニホルドを有するスタックと組合わせて使用されてよい。
【0061】
いずれの場合においても、以上説明した構造は、単に、本発明の適用を表現する数多くの可能な特定の実施形態を例示しているにすぎない。本発明の趣旨の範囲から逸脱せずに、本発明の原理に従って数多くの多様な他の構造を容易に考案できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
本発明の上記の特徴及び面並びに他の特徴及び面は、添付の図面と関連させて以下の詳細な説明を読むことにより、更に明らかになるであろう。
【図1】図1は、本発明の原理に従ったマニホルド及び誘電体フレーム構体を有する外付けマニホルド形燃料電池スタックを示す斜視図である。
【図2A】図2Aは、スタック側及びマニホルド側から見た図1の構体の誘電体フレーム部材を示す図である。
【図2B】図2Bは、スタック側及びマニホルド側から見た図1の構体の誘電体フレーム部材を示す図である。
【図2C】図2Cは、図2A及び図2Bの誘電体フレーム部材の1つのセグメントの端部分の両側面から示す斜視図である。
【図2D】図2Dは、図2A及び図2Bの誘電体フレーム部材の1つのセグメントの端部分の両側面から示す斜視図である。
【図3A】図3Aは、図2A及び図2Bの誘電体フレーム部材において使用されるキーを示す斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示されるキーを示す側面図である。
【図4A】図4Aは、本発明によるマニホルド本体及びレール構体を示す平面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのマニホルド本体及びレール構体を示す側面図である。
【図5A】図5Aは、図4A及び図4Bのマニホルド及びレール構体のピン構成を示す斜視図である。
【図5B】図5Bは、図5Aのピンを示す側面図である。
【図6A】図6Aは、誘電体フレームに装着された図1のマニホルド及び誘電体フレーム構体を示す平面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aにおいて円「B」で囲まれた図6Aの構体の部分の線6B‐6Bに沿った詳細横断面図である。
【図6C】図6Cは、図6Aにおいて円「C」で囲まれた図6Aの構体の部分の線6C‐6Cに沿った詳細横断面図である。
【図7A】、
【図7B】、
【図7C】、
【図7D】、
【図8A】、
【図8B】、
【図8C】、
【図8D】、
【図9A】、
【図9B】、
【図9C】、
【図9D】、
【図10A】、
【図10B】、
【図10C】、
【図10D】図7A〜図7D、図8A〜図8D、図9A〜図9D及び図10A〜図10Dは、図1の構体の誘電体フレーム部材の穴においてインサートとして使用されるインサートの種々の形態を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に関し、特に、燃料電池スタックにおいて使用するためのフレーム構体及びマニホルドに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、炭化水素燃料に蓄積された化学エネルギーを電気エネルギーに電気化学反応によって直接変換する装置である。一般に、燃料電池は、帯電イオンを伝導する働きをする電解質により互いに分離されたアノード及びカソードを具備する。有用な電力レベルを発生するために、多数の個別の燃料電池が直列に積み重ねられ、燃料電池スタックを形成する。
【0003】
燃料電池スタックは、内付けマニホルド形スタック又は外付けマニホルド形スタックであればよい。内付けマニホルド形スタックの場合、通常、燃料及びオキシダントを送り出すためのガス流路は、燃料電池プレートに内蔵される。外付けマニホルド形スタックにおいては、燃料電池プレートはその両端部で開放されており、ガスは燃料電池スタックのそれぞれの面に対して密封されたマニホルドを介して電池へ送り出される。いずれの型の燃料電池スタックにおいても、マニホルドは、燃料電池に燃料ガス及びオキシダントガスを送り出すための密封流路を形成し、それらのガスが周囲環境及び他のマニホルドへ漏れ出すのを阻止する。このようなマニホルドの機能は、燃料電池スタックの動作条件でスタックの寿命が継続する限り実行されなければならない。
【0004】
マニホルドの縁部と燃料電池スタック面との間に確立されるガスシールは、マニホルド性能の重要な一面である。燃料電池スタックは、通常、導電性であり、その長さに沿って縁部からマニホルドに至る電位勾配を有する。金属材料によるマニホルドは、この燃料電池スタックから電気的に絶縁されなければならない。マニホルドとスタックとを電気的に絶縁し、マニホルドとスタックとの間の短絡の発生を防止し、且つ起電力により促進されるスタックからマニホルドまでの電解質の移動を制御するために、金属製マニホルドと燃料電池スタックとの間で、誘電絶縁体が使用されていた。誘電絶縁体は、通常、もろいセラミック材料又はマイカ材料から製造されるため、燃料電池の動作中にマニホルドシステムに加わる熱応力及び機械応力又は化学反応の結果として損傷を受ける可能性がある。更に、電池の構成要素は、高温、高圧の条件下でクリープを発生し、緻密化するので、燃料電池スタックは、通常、時間が経過するにつれて収縮する。そのような収縮や、燃料電池スタック寸法の変化は、スタックの動作中に、マニホルドシステムに対して更に応力を加える。従って、マニホルド密封システムの誘電絶縁体の損傷を防止し、マニホルドとスタックとの間の電気的絶縁及び電解質移動抑止を有効に維持するように、熱応力及び機械応力を少なくとも部分的に吸収可能なマニホルドシステムが必要とされる。
【0005】
マニホルドシステムの構成要素の可撓性を改善し、熱によるスタックの膨張、収縮及びその結果として発生する誘電絶縁体に対する機械応力に更に適切に対応するために、構成要素の変更が行なわれてきた。マニホルドシステムにおいて現在使用されている従来の誘電絶縁体は、通常、スタックと共に絶縁体を膨張、収縮させることができる複数の互いに連動するセグメントを具備する。そのような誘電絶縁体構造の一例は、米国特許第4,414,294号公報に開示される。特に、’294号特許は、摺動自在のスプライン継手により互いに結合された複数のセグメントを有する矩形の絶縁体を開示する。それらのスプライン継手の各々は、絶縁体セグメントの隣接する端部分により形成されるキー溝に嵌合するスプラインキーを含む。’294号特許に示され且つ説明されるように、キー溝に嵌合するキーは、キー溝の形状に一致した形状を有し、十分なガス密封を実現するために、キー溝の厚さに沿って延出する。
【0006】
更に、マニホルドのガス密封能力を向上し、誘電絶縁体の損傷を減少するために、可撓性マニホルドも開発されている。本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許出願第10/264,866号は、そのような可撓性マニホルドシステムの一例を開示する。特に、'866号出願は、複合折れ目により結合された複数のパン部分を含むマニホルド本体と、マニホルド本体の複合折れ目に対応する位置に厚さの一部を切欠いて形成された複数の切溝を有する複数のレール部材を含むレール構体とを有するマニホルドシステムを開示する。'866号出願のマニホルドシステムの折れ目及び切溝は、マニホルド構体に可撓性を与え、マニホルドの縁部とスタック面との間で成立するガスシールを改善する。'866号出願におけるマニホルド本体及びレール構体は、誘電絶縁体によりスタックから電気的に絶縁され、誘電絶縁体は、レール部材から突出する丸形又は円筒形のステンレス鋼ピンを使用してレール構体に固着される。
【特許文献1】米国特許第4,414,294号明細書
【特許文献2】米国特許出願第10/264,866号号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の構造に関連する共通の問題点の1つは、誘電絶縁体の接合領域、すなわち、キー溝及びピン差込み穴の周囲の領域においてセラミック電解質移動防止剤及び電気絶縁体が破損したり亀裂を生じたりすることである。そのような亀裂又は破損は、スタックの膨張、収縮中にキー及びピンが誘電絶縁体に対して作用し、その結果、機械応力が発生し、力が加えられることによって発生する。
【0008】
共通する他の問題点は、絶縁体のキー溝領域及びキーの鋭く尖った縁部が原因となって、誘電絶縁体に当接するガスケットに引裂きや浸食が発生することである。そのような亀裂、破損及び浸食の結果、ガスシールは破断され、マニホルドシステムとスタックとの間の電気的絶縁は損なわれる。従って、誘電体の障害を減少し、スタックの動作中機械的な力を絶縁体から排除するためには、接合領域、特にキー溝領域及びピンの周囲の領域において誘電絶縁体に加わる応力を最小限にする手段が必要とされる。
【0009】
従って、本発明の目的は、上記の欠点を克服するように設計された連動セグメントを有する誘電体フレーム部材を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、当接するガスケットの引裂き及び浸食を防止するように適合された誘電体フレーム部材を提供することである。
【0011】
本発明の更に別の目的は、誘電体フレーム部材に対する機械応力を減少する改善されたピン構造を有する燃料電池スタックマニホルドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の原理に従えば、上記の目的及び他の目的は、各々が第1の面及びそれに対向する第2の面と、第1の端部分及び第2の端部分とを有する複数のセグメントを利用する誘電体フレームを有する構体において実現される。第1の端部分及び第2の端部分の各々は、端面と、端部分の端面からセグメントの長さに沿って、第1の面から第2の面まで延出する切欠きとを有する。フレームのセグメントは、セグメントの第1の面が整列され、前記セグメントの第2の面が整列され、且つ1つのセグメントの第1の端部分の端面が隣接するセグメントの第2の端部分の端面に当接するような当接関係で配列される。このように、当接したセグメントの第1の端部分及び第2の端部分の切欠きはキー溝を形成し、キー溝の中にキーが配置され、当接したセグメントを一体に保持し、ガスシールを形成する。
【0013】
本発明によれば、セグメントのうちいくつかのセグメントの第1の面に、切欠きに隣接して凹部が設けられる。凹部は、セグメントの厚み方向に傾斜する傾斜面であって、溝穴の先端部、すなわち、セグメントの長さに沿って最も遠い位置にある溝穴の端部に隣接し、その位置で終わるような傾斜面として形成されるのが好ましい。セグメントは、凹部を有するセグメントの各々の端部が、同様に凹部を有するセグメントの端部と当接し、その結果形成されるキー溝が、その両端部に凹部を有するように配列される。また、本発明によれば、そのようなキー溝に配置される各キーは傾斜した端部を有し、傾斜端部は、キーの厚み方向に傾斜し、キー溝の両端部で凹部に当接する。更に、凹部を有する各セグメントは、その第1の面の端部に、その凹部と当接する切欠きを有する端部分を含む端面に隣接して、セグメントの厚み方向に傾斜する部分を有する。更に、凹部を有するセグメントは、第1の面の縁部及び端部分の端面の縁部において面取りされる。
【0014】
このような構成により、フレームは、燃料電池スタックをマニホルドから絶縁するために使用された場合、従来より適切に力を処理できる。また、フレームは、フレームと燃料電池スタックとの間に配置されたガスケットの一体性を保持できる。
【0015】
以下に開示される本発明の実施形態においては、フレームの全ての垂直セグメントの第1の面に、それぞれのセグメントの第1の端部分及び第2の端部分にある切欠きの先端部に隣接して凹部が設けられる。これに対し、水平セグメントの場合には、垂直セグメントの第1の端部分と当接する第2の端部分にのみ第1の面に凹部が設けられる。本実施形態においては、更に、水平部材の第2の端部分は、T字形又はL字形のいずれかである。更に、開示される実施形態では、セグメントのうちいくつかのセグメントの第2の面にも、切欠きに隣接して凹部が設けられる。それらの凹部は、セグメントの厚み方向に延出し、それぞれ対応する切欠きの縁部全体に沿って延出する傾斜面により形成される。最後に、本実施形態においては、切欠きは長楕円形を半分に割った形状であるので、キー溝及びキーは長楕円形の形状である。
【0016】
本発明の別の面によれば、上記の目的及び他の目的は、周囲に沿って分散配置された複数のピンを有し、より適切に誘電体フレームと係合するマニホルド構体において実現される。特に、フレームの開口部に受入れられる各々のピンは、互いに対向する外面を含む端部分を有し、それらの外面は、ピンの本体の厚み方向に内側に向かって傾斜した後、ピンの軸と一線に並んで端部分の末端部まで広がる。本発明の好適な形態においては、ピンは、前述の端部分を有するように形成された円筒形の本体を有する。
【0017】
本発明の更に別の面においては、誘電体フレーム部材のピン受入れ穴に挿入される誘電体本体を有するインサートが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、外付けマニホルド形燃料電池スタック101と共に使用するための本発明の原理に従ったマニホルド102及び誘電体フレーム構体100を示す。図示されるように、マニホルド102は、誘電体フレーム構体100により端板(エンドプレート)101bから電気的に絶縁される。この場合、誘電体フレーム構体100は、誘電体フレーム部材104と複数の絶縁ガスケット106、108、110とを含む。マニホルド102は、マニホルド本体102aと、マニホルド本体102aに結合されたマニホルドレール構体102bとを有する。マニホルド本体102aは、本明細書中に参考として取り入れられている’866号出願に記載されているような可撓性構成を有するのが好ましい。図示されるように、また、'866号出願に更に詳細に説明されているように、マニホルド本体102aは、レール構体102bがマニホルド本体102aを取り囲むように、レール構体102bの中に嵌込まれる。マニホルド102は金属を素材としており、マニホルドを燃料電池スタック101から電気的に絶縁する誘電体フレーム構体100に隣接して配置される。図示されるように、誘電体フレーム部材104及び絶縁ガスケット106、108、110のスタック側平面に沿った形状及び寸法は、マニホルドレール構体102bの形状及び寸法にほぼ対応する。
【0019】
絶縁ガスケットは、第1のマニホルド側ガスケット106と、第2のマニホルド側ガスケット108と、圧縮自在のスタック側ガスケット110とを含む。第1のガスケット106は、マイカ又は他の適切な電気絶縁材料から製造可能である。第2のガスケット108は、ジルコニアフェルト、又はそれに類似する温度特性、誘電特性及びガスフローインピーダンス特性を有する他の任意の適切な材料から製造可能である。第1のマニホルド側ガスケット106は、マニホルドレール構体102bと第2のマニホルド側ガスケット108との間に当接関係で配置され、第2のマニホルド側ガスケット108は、誘電体フレーム部材104に当接する。第1のマニホルド側ガスケット106及び第2のマニホルド側ガスケット108は、誘電体及びマニホルドの面、特に、誘電体接合部及びマニホルドの面の凹凸に従った形状を有することにより、誘電体フレーム部材104とマニホルド102との間にシールを形成する。
【0020】
圧縮自在のスタック側ガスケット110は、ガスケット108と同様に、ジルコニアフェルト、又はそれに類似する温度特性、誘電特性及びガスフローインピーダンス特性を有する他の任意の適切な材料から製造可能である。圧縮自在のスタック側ガスケット110は、誘電体フレーム部材104のスタック側の面と燃料電池スタックの面101aとの間に当接関係で配置される。
【0021】
以下に更に詳細に説明されるように、マニホルド102のレール構体102bは、誘電体フレーム構体100と係合して誘電体フレーム構体100を保持する。特に、レール構体102bは、その周囲に分散配置された複数のピン(図1には図示せず)を含む。それらのピンは、第1のガスケット106及び第2のガスケット108の周囲にそれぞれ配置された複数の貫通開口106a、108aと、誘電体フレーム部材の周囲に分散配置された複数の開口105とに受入れられ、それらの開口と係合する。開口106a、108a、105の位置は、レール構体に形成されたピンと整列する。
【0022】
図1に示されるように、誘電体フレーム部材104の開口105は、誘電体フレーム部材104の厚みを一部貫通し、丸い形状の開口105aと、楕円形の形状の開口105bとを含んでもよい。組み立てられた状態にあるとき、ピンは、第1のガスケット106、第2のガスケット108及び誘電体フレーム部材104の開口106a、108a、105と係合する。ピンと開口との係合後、燃料電池スタックの膨張、収縮に伴ってガスケット106、108及び誘電体フレーム部材104がマニホルドと共に移動可能となり、その結果、マニホルド102に関するガスケット及びフレーム部材による側方運動が防止される。
【0023】
図1に概略的に示されるように、また、以下に更に詳細に示されるように、誘電体フレーム部材104は、端部で一体に接合された複数のセグメント112から形成される。特に、セグメント112の端部分(エンドポーション)112aは、当接する端部分が一体となってキー溝112bを規定するように構成され、そのキー溝112bにキー114が嵌合される。このように、誘電体フレーム部材104が燃料電池スタック101及びマニホルド構成要素と共に膨張、収縮できるように、セグメント112は一体に保持される。本発明によれば、以下に更に詳細に説明されるように、キー114及びキー溝112bは、セグメント112に当接するガスケットの滑り(スリップ)を促進し、当接するガスケットの引裂きや浸食を防止するように構成される。
【0024】
誘電体フレーム部材104の更に詳細な図が、図2A及び図2Bに示される。図2Aは、セグメント112の整列された第1の面(サーフェイス)112Aにより形成される誘電体フレーム部材104の第1の面104Aを示す。面104Aは、スタック側ガスケット110に当接する。図2Bは、セグメント112の整列された第2の面112Bにより形成される誘電体フレーム部材104の反対側の面104Bを示す。面104bは、第2のマニホルド側ガスケット108に当接する。各セグメント112は、第3の面112C及びその反対側の第4の面112Dを更に含み、それらの面は、面112A及び112Bの端部の両端に結合する。各フレームセグメント112は、セラミック材料又は他の適切な誘電体材料から製造可能である。
【0025】
図示されるように、セグメント112はいくつかの構成要素を有する。それらの構成要素は、端部分が「棒状」である垂直セグメントと、各々が細い「棒状」の端部分及び「T字形」の端部分を有する上部水平セグメントと、各々が細い「棒状」の端部分及び「L字形」の端部分を有する下部水平セグメントとを含む。図示される構造の場合、2つの上部水平セグメントがフレームの上部104Aを形成し、2つの下部水平セグメントがフレームの底部104Bを形成し、第1の組の垂直セグメントがフレームの一方の側104Cを形成し、垂直に配置された第2の組のセグメントがフレーム104の反対の側104Dを形成する。それらのセグメントは、それぞれのキー114と、セグメント112の当接する端部分112aにあるキー溝112とにより結合される。図示されるように、キー溝は、垂直セグメントの「棒状」端部分と、下部水平セグメントの「棒状」端部分及び「L字形」端部分と、上部水平セグメントの「棒状」端部分及び「T字形」端部分の下部の短い脚部とにおいて形成される。セグメントを一体に当接させた結果、誘電体フレーム部材104は矩形形状となる。
【0026】
フレーム部材と組み合わせて使用される構体の形状により指定される誘電体フレーム部材104の所望の形状に応じて、本発明のセグメント112は、図示される構成以外の構成を有してもよいことがわかる。従って、例えば、セグメントは全て棒状セグメントであってもよく、その場合には、端部分112aは、当接したセグメントが所望のキー溝を形成するように当接する適切な形状を有していなければならない。
【0027】
本発明の原理に従って、セグメント112の端部分112aは、形成されるキー溝112bが隣接するガスケットの滑りを促進し、引裂きなどによるガスケットの劣化を減少するように構成される。更に、キー114も、滑りを助け且つそのような劣化を減少するように構成される。
【0028】
図2C及び図2Dは、垂直セグメントの端部分112aの1つを両側の面112A及び112Bからそれぞれ見た図である。図示される構成の場合、セグメントの他方の端部分も同様の構造であり、その他の垂直セグメントの端部分も全て同一の構造である。更に、図示される構成の場合、下部水平部材の「L字形」端部分及び上部水平部材の「T字形」端部分の下部も同一の構造である。
【0029】
図2C及び図2Dからわかるように、端部分112aは、端部分の端面(エンドサーフェイス)112Eから本体の長さに沿って本体の中へ延出する切欠き113を含む。切欠き113は、セグメントの面112Aと面112Bとの間に延出し、セグメントの面112C及び112Dから離間している。図示されるように、切欠きは長楕円形を半分に割った形状であり、切欠きの先端部113aは丸い形である。本発明によれば、切欠き113の先端部113a、すなわち、セグメントの長さに沿って最も遠い位置にある端部において、第1の面112Aに凹部112Aaが設けられる。図示されるように、凹部は、セグメント112の本体の厚み方向に傾斜し且つ切欠き113の先端部113aの縁部(エッジ)で終わる傾斜面として形成される。面112Aの平坦な部分112Abは、凹部の端から延出し、凹部113が切欠きに突当たる場所に隣接する切欠きの縁部で終端する。更に図から明らかなように、面112Aは、端面112Eに隣接して、別の傾斜部分112Acを含む。
【0030】
従って、2つの隣接するセグメント112の図2C及び図2Dに示されるような端部分が当接するような位置関係で配置された場合、その結果形成されるキー溝は長楕円形の形状を有することがわかる。また、キー溝の境界は、セグメントの切欠き113の先端部113aにより規定されるキー溝の両端部において、傾斜する凹部の面(傾斜する凹部112Aaにより形成される)により規定される。キー溝は、セグメントの当接する端面112Eにより形成されるキー溝の側面に、別の傾斜面(面112Acにより形成される)を有する。それらの傾斜面が存在することにより、急な面接触が減少する。それにより、フレームセグメントと、セグメントに隣接する部材との間の滑り接触が促進され、その結果、部材間の相互作用及び引裂きが減少する。これは、特にフレームセグメントに隣接して配置されたガスケットに関して当てはまる。
【0031】
この滑り作用を更に促進し、急激な接触を少なくするために、上述のキー溝と共に使用される各々のキー114は、対応するキー溝の両端部にある傾斜した凹部に当接するのに適する傾斜面を有するように構成される。図3A及び図3Bは、そのように適合されたキー114を示す。キー114は、フレームセグメント112と同一又は同様の誘電体材料から形成される。
【0032】
図示されるように、キー114は、上面114A及び下面114Bと、中央部分114Cと、中央部分114Cの両側に隣接する2つの丸形の端部分114D、114Eとを含むほぼ長楕円形の円筒形状を有する。このほぼ長楕円形の形状は、キー溝113の長楕円形の形状に嵌合する。
【0033】
キー114の上面114Aの両端部114Aa及び114Abは、キーの厚み方向に傾斜している。上述のように、キー114がキー溝112bの中に配置されたとき、傾斜した端部114Aa及び114Abは、キー溝の隣接する端部と境を接する凹部112Aaと接触する。従って、キー114の傾斜した端部は、フレームセグメントに隣接して配置された部材との相互作用に際して、急激な接触の少ない傾斜面を形成する。これにより、滑りが促進され、隣接する部材の引裂き又は破損などによる損傷が少なくなる。
【0034】
フレーム104の損傷を更に防止するために、フレームセグメント112の選択された面とキー112Aの選択された面との間の縁部を面取りできる。従って、図2Cに示されるように、第1の面112Aと端面112Eとの間の縁部並びに第1の面112Aと側面112C及び112Dとの間の縁部が面取りされている。同様に、側面112C、112Dと端面112Eとの間の縁部も面取りされている。最後に、キー114の上面114aと中央部分及び端部分114C〜114Eとの間の縁部も同様に面取りされている。
【0035】
本発明の一実施形態においては、凹部112Aaの傾斜と、面112Acの傾斜と、キー端部114Aa及び114Abの傾斜とは同一に形成される。10〜30°の範囲の傾斜が使用可能である。また、面取りされる縁部に使用できる傾斜は、35〜60°である。
【0036】
開示される実施形態においては、図2Bに示されるように、凹部112Aaを有する各セグメント112の面112Bにも、凹部112Baが設けられている。この凹部は、切欠き113の縁部全体を取り囲み、同様にセグメントと隣接する部材との相互作用を緩和するために傾斜している。この傾斜に使用できる角度は10〜30°である。
【0037】
尚、切欠き113は長楕円形を半分に割った形状であり、その結果、キー溝は長楕円形であるように図示されているが、他の形状も使用可能である。従って、例えば、切欠きとして、部分楕円形又は部分矩形の形状も使用でき、その場合、キー溝は楕円形又は矩形となる。そのような場合、キー溝の形状に対応するために、キー114の形状が変更されることは言うまでもない。
【0038】
更に図1A及び図1Bからわかるように、図示される本発明の形態においては、フレーム104の上部水平セグメント及び下部水平セグメントの隣接する「棒状」端部分112aのキー溝は長楕円形の形状であるが、隣接した凹部を含まない。同様に、それらのキー溝において使用される長楕円形のキーは、傾斜した端部を含まない平坦な上面を有する。これは、フレーム104のセグメントのそれらの部分が、該当する領域において、垂直セグメントほど滑りの改善を必要としないためである。しかし、滑りの改善が望まれる場合には、垂直セグメントと同様に、端部分及びキーの傾斜した端部に凹部を形成できる。
【0039】
図2A及び図2Bに示される誘電体フレーム部材104の構成においては、水平セグメント及び垂直セグメントの幅は、レール構体102bの対応する水平部材及び垂直部材の幅に対応するように選択されている。更に、上部水平セグメント112の「T字形」端部分112aの上方脚部は、レール構体102bの水平部材の同様の上方脚部に適合する。
【0040】
図4A及び図4Bは、それぞれ、図1のマニホルド102を更に詳細に示す平面図及び側面図である。図示されるように、また、先に説明したように、マニホルド102は、マニホルド本体102aと、マニホルドレール構体102bとを具備する。マニホルド本体102aは、'866号特許出願に詳細に説明されているように、複合折れ目132により分離された複数のパン部分130を形成する可撓性構成を有する。複合折れ目132により、マニホルド102は燃料電池スタックの形状に適合できる。複数のレール部材134a〜dから形成されるレール構体102bは、マニホルド本体102aを取り囲む。
【0041】
垂直レール部材134a、134bは、マニホルド本体102aの長さに沿って延出し、レール構体102bの側方レールを形成する。一方、水平レール部材134c及び134dは、マニホルド本体102aの上部及び底部を囲み、それぞれ、構体102bの上部レール及び底部レールを形成する。図4Aに示されるように、レール構体102bの側方レール134a、134bは、構体102bの上部レール部材134cを越えて突出し、延長部分136を形成する。延長部分136は、燃料電池スタックの動作中にマニホルド102が膨張する余裕を与え、図1に示されるように、誘電体フレーム部材104及び絶縁ガスケット106、108、110の対応する部分と整列する。
【0042】
'866号特許出願に更に詳細に説明されるように、また、図4Bに示されるように、構体102bの水平レール部材134a、134bは、部材の厚みの一部を貫通する複数の切欠き又は切溝138を含む。切溝138の位置は、マニホルド本体102aの複合折れ目132と整列する。マニホルド本体102aの複合折れ目134と、レール部材134a、134bの切溝138とが、マニホルド102に可撓性を与えていることがわかる。
【0043】
図1に関して説明され且つ図4A及び図4Bに示されるように、マニホルド102は、スタック側の面の周囲に沿って分散配置された複数のピン140を含む。ピン140は、レール構体102bから延出し、図1に示される誘電体構体100に形成された溝穴又は開口と係合する。特に、ピン140は、誘電体フレーム部材104の個々のセグメント112を、スタック面101a及びマニホルド面により規定される平面の中で、マニホルドレール構体102bに対して拘束して位置決めする。特に、ピン140は、誘電体フレーム部材104と絶縁ガスケット106、108との平面内並進運動並びにピン140に関する部材104及びガスケット106、108の回転を抑止する。ピン140は、レール構体102bを形成する材料と同一であるか又はそれに類似する金属材料から製造可能である。
【0044】
図4A及び図4Bに示されるように、垂直レール134a、134bの各々は、切溝138の両側に形成された少なくとも1つのピン140を含み、更に、レールの端部の付近にピン140を含む。レールの端部付近のピンは、それぞれ対応するレールの延長部材136に形成され、スタックが動いている間に絶縁ガスケットを所定の場所により適切に維持するように、延長部分にある切欠き136aの中に摺動自在に装着される。各垂直レール134c、134dは、レールの中央付近に2つのピン140を含む。
【0045】
先に図1に関して説明したように、ピン140は、マニホルド側ガスケット106、108の開口106a、108a及び誘電体フレーム部材104の開口105に嵌合する。これにより、マニホルド102及び誘電体フレーム構体100は一体に保持され、マニホルド及びスタックに対する誘電体フレーム構体構成要素の側方への動きは最小限に抑えられる。
【0046】
図5A及び図5Bは、本発明によるピン140の各々の構成を更に詳細に示す斜視図及び側面図である。ピンがこのような構成であれば、特に開口105及びその周囲の領域において、マニホルドにより誘電体フレーム部材104に加えられる応力が減少される。更に、この構成は、ピン140が誘電体フレーム構体の溝穴と係合したとき、マニホルドを誘電体フレーム構体に対して回動させる。
【0047】
図5Aに示されるように、各々のピン140は、テーパされた形状の上端部146を含むほぼ円筒形の本体141を有する。特に、ピン140の上端部146の両側面146A及び146Bは、ピンの厚み方向にテーパ、すなわち、傾斜されて、傾斜セグメント146Aa及び146Baを形成する。それらのセグメントの後に、直上へ、すなわち、本体141の軸と平行に延出するセグメント146Ab及び146Bbが続く。その結果、ピンの端面147は長楕円形の形状になり、セグメント146Ab、146Bbの縁部に対向する直線状の縁部147A及び147Bが形成される。また、ピンの円筒形本体には、対向する丸形の縁部147C及び147Dが形成される。誘電体フレーム部材104に対する損傷を引き起こすおそれがある鋭く尖った縁部をなくすために、丸形の縁部147C及び147Dは面取りされる。
【0048】
セグメント146Aa及び146Baに使用可能な傾斜角度は、マニホルド及び誘電体フレーム構体の条件に応じて、10〜60°の範囲である。
【0049】
図6Aは、誘電体フレーム構体100と係合したマニホルド102のスタック側の面142から見た図である。図示されるように、誘電体フレーム部材104の水平セグメント112の幅の一部は、マニホルドレール構体102bの水平レール134c〜dの幅を越える。これにより、スタック(図示せず)とマニホルド102との間のガス密封及び電気絶縁が更に向上する。
【0050】
図6A〜図6Cを参照すると、圧縮自在のスタック側ガスケット110のマニホルド側の面110a1のあらかじめ選択された複数の領域に滑り面110が設けられ、更に、ガスケット110のスタック側の面110b1のあらかじめ選択された複数の領域に滑り面110bが設けられる。滑り面構造の詳細は、本出願と同一の譲受人に譲渡された同時係属米国特許出願公開第11/022,977号に説明されている。特に、マニホルド側の面110a1の滑り面110aは、ガスケットの垂直レール110cに形成され、スタック側の面110b1の滑り面110bは、ガスケット110の水平レール110dに沿って形成される。マニホルド側滑り面110aは、スタック面101aとマニホルドの誘電体フレーム部材104との相対運動を容易にし、一方、スタック側滑り面110bは、スタック端板101b、101cと圧縮自在のガスケット110との相対運動を容易にする。
【0051】
ピン140と誘電体フレーム構体100との係合及び滑り面110a、110bの構造が、図6B及び図6Cに詳細に示される。それらの図は、それぞれ、図6Aにおいて「B」及び「C」の文字を付した円により囲まれた領域において線6B‐6B及び線6C‐6Cに沿ったマニホルド102及び誘電体フレーム構体100を示す横断面図である。
【0052】
図6B及び図6Cに示されるように、レール構体102bのレール部材134aに形成されたピン140は、第1のマニホルド側ガスケット106及び第2のマニホルド側ガスケット108の対応する溝穴又は開口106a、108aにそれぞれ挿入されて、それらの絶縁ガスケットをマニホルド102aと係合させ、マニホルド102に関するガスケットの側方運動を阻止する。その後、ピン140は、誘電体フレーム部材104の対応する開口105に挿入されて、部材104をマニホルド102と係合させる。図からわかるように、開口105は、部材の厚みの一部を貫通し、開口の深さは、開口105の中へ延出するピン部分の長さを越えていてもよい。先に説明したようなピン140の構成により、特に、絶縁ガスケット106、108が誘電体フレーム部材104とマニホルド102との間で圧縮され、ピン140が更に開口の中へ押込まれたときに、開口105及びその周囲の領域において誘電体フレーム部材104に加わる応力が減少される。更に、ピンの構造は、誘電体フレーム部材104に対してマニホルド102が回動することによって部材104に対し加えられる応力を減少する。
【0053】
更に、圧縮自在のガスケット110の垂直レール部材110cに沿ったマニホルド側滑り面110aが図6Bに示され、水平レール部材、垂直レール部材110dに沿ったスタック側滑り面110bが図6Cに示される。図6Bに示されるように、また、先に説明したように、滑り面110aは、誘電体フレーム部材104に当接するように、ガスケットレール部材110cのマニホルド側の面110a1にある。これに対し、滑り面110bは、レール部材110dのスタック側の面110b1にあり、燃料電池スタックの端板101b、101cに当接する。前述のように、各滑り面の詳細は、先に挙げた同時係属出願の中で説明されている。
【0054】
尚、ピン140は、円筒形以外の形状を有するピンを含んでもよい。特に、レール部材のいくつかの位置で長楕円形のピンを使用でき、それらのピンは、誘電体フレーム部材104の対応する長楕円形の穴105(図1を参照)と係合する。長楕円形のピンは、完全に円筒形のテーパなしの本体を有してもよい。
【0055】
本発明の更に別の面においては、誘電体フレーム部材の穴105にインサート11を設けることができる。インサート11は穴105に挿入され、ピン140の本体部分を受入れ且つ本体部分の少なくとも一部を取り囲む誘電体本体を有する。それらのインサートは、誘電体フレーム104をピン140から更に電気的に絶縁し、その結果、誘電体フレーム104をレール構体102b及びマニホルド102から電気的に絶縁する。更に、インサートは、ピンによりフレームの穴の面に加えられるヘルツ接触応力を軽減する。
【0056】
図7A〜図7D、図8A〜図8D、図9A〜図9D及び図10A〜図10Dは、インサート11の種々の形態を示す。各インサート11は、一端部12Aに開口12Bを有する細長いシェル12として形成された誘電体本体を有する。対応するピンを受入れるために、インサート11が対応する穴105に装着されたとき、開口12Bは穴から顔を出す。シェル12は、開口12Bから反対側の端部12Dに向かって延出する細長い溝穴12Cを有する。溝穴12Cは、端部12Dに向かって広がる。図示されている構造の場合、溝穴は、シェルのある長さに沿って一定の幅を有するが、それに続いて、漏斗形状に幅が広がる。溝穴12Cが形成されているために、対応するピン本体を過剰に取り囲むこと又はピン本体と重なり合うことが防止され、熱の影響によるピンの成長が可能になる。
【0057】
図7A〜図7D及び図8A〜図8Dのシェル12は円筒形であり、同様に円筒形の形状を有する穴105及びピンと共に使用されるためのものである。図9A〜図9D及び図10A〜図10Dのシェルは長楕円形であり、同様に長楕円形の形状を有する穴105及びピン140と共に使用されるためのものである。
【0058】
更に、図7A〜図7D及び図9A〜図9Dのシェルは、底面が平坦である穴105と共に使用される。従って、それらのシェルは、端部12Dに開口12Eを有する。これに対し、図8A〜図8D及び図10A〜図10Dのシェルは、底面が丸形で閉鎖されている穴105に対して使用され、そのため、それらのシェルの端部12Dは、閉鎖された丸形の部分又はクラウン12Fを有する。更に、丸形部分又はクラウン12Fの両側は、開口12F1及び12F2によって拡張されており、一方の開口12F1は溝穴12Cと連通する。クラウン12Fは、インサートが穴に組付けられたときに、シェル12が穴105の丸形の底面で隆起するのを阻止する。
【0059】
誘電体本体12は、例えば、マイカなどの誘電抵抗率が高い誘電体から製造可能である。また、約0.006インチの厚さを有するシェルを使用可能である。用途に応じて、それより厚いシェル又は薄いシェルも使用できることは言うまでもない。
【0060】
尚、任意の数の絶縁ガスケット及び誘電体フレーム部材を含む誘電体フレーム構体に本発明の原理が適用される。更に、本発明に従った誘電体フレーム構体及びマニホルド構造は、それぞれのスタック面の全て又は一部にマニホルドが外付けされた燃料電池スタック並びに任意の数の面及びマニホルドを有するスタックと組合わせて使用されてよい。
【0061】
いずれの場合においても、以上説明した構造は、単に、本発明の適用を表現する数多くの可能な特定の実施形態を例示しているにすぎない。本発明の趣旨の範囲から逸脱せずに、本発明の原理に従って数多くの多様な他の構造を容易に考案できる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
本発明の上記の特徴及び面並びに他の特徴及び面は、添付の図面と関連させて以下の詳細な説明を読むことにより、更に明らかになるであろう。
【図1】図1は、本発明の原理に従ったマニホルド及び誘電体フレーム構体を有する外付けマニホルド形燃料電池スタックを示す斜視図である。
【図2A】図2Aは、スタック側及びマニホルド側から見た図1の構体の誘電体フレーム部材を示す図である。
【図2B】図2Bは、スタック側及びマニホルド側から見た図1の構体の誘電体フレーム部材を示す図である。
【図2C】図2Cは、図2A及び図2Bの誘電体フレーム部材の1つのセグメントの端部分の両側面から示す斜視図である。
【図2D】図2Dは、図2A及び図2Bの誘電体フレーム部材の1つのセグメントの端部分の両側面から示す斜視図である。
【図3A】図3Aは、図2A及び図2Bの誘電体フレーム部材において使用されるキーを示す斜視図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示されるキーを示す側面図である。
【図4A】図4Aは、本発明によるマニホルド本体及びレール構体を示す平面図である。
【図4B】図4Bは、図4Aのマニホルド本体及びレール構体を示す側面図である。
【図5A】図5Aは、図4A及び図4Bのマニホルド及びレール構体のピン構成を示す斜視図である。
【図5B】図5Bは、図5Aのピンを示す側面図である。
【図6A】図6Aは、誘電体フレームに装着された図1のマニホルド及び誘電体フレーム構体を示す平面図である。
【図6B】図6Bは、図6Aにおいて円「B」で囲まれた図6Aの構体の部分の線6B‐6Bに沿った詳細横断面図である。
【図6C】図6Cは、図6Aにおいて円「C」で囲まれた図6Aの構体の部分の線6C‐6Cに沿った詳細横断面図である。
【図7A】、
【図7B】、
【図7C】、
【図7D】、
【図8A】、
【図8B】、
【図8C】、
【図8D】、
【図9A】、
【図9B】、
【図9C】、
【図9D】、
【図10A】、
【図10B】、
【図10C】、
【図10D】図7A〜図7D、図8A〜図8D、図9A〜図9D及び図10A〜図10Dは、図1の構体の誘電体フレーム部材の穴においてインサートとして使用されるインサートの種々の形態を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体フレームを具備し、前記誘電体フレームは、
複数のセグメントであって、各セグメントは、第1の面及び前記第1の面に対向する第2の面と、第1の端部分及び第2の端部分とを有し、前記第1の端部分及び前記第2の端部分の各々は、端面と、前記端部分の前記端面から前記セグメントの長さに沿って、前記第1の面から前記第2の面まで延出する切欠きとを有し、
前記複数のセグメントは、それぞれの前記第1の面が整列されるとともに前記第2の面も整列されており、1つのセグメントの第1の端部分の端面は隣接したセグメントの第2の端部分の端面に当接しており、且つ該当接したセグメントの該第1の端部の切欠きと該第2の端部分の切欠きとがキー溝を形成するような当接関係で配列されたセグメントと、
前記当接したセグメントを一体に保持するように前記キー溝の中にそれぞれ配置された複数のキーと
を含み、
前記セグメントのうちいくつかは、該セグメントの第1の面において、該セグメントの第1の端部分及び第2の端部分のうち1つ以上に、前記切欠きに隣接して凹部を有する構体。
【請求項2】
前記凹部のぞれぞれは、それぞれ対応するセグメントの厚み方向に傾斜した面を具備する請求項1記載の構体。
【請求項3】
前記凹部のそれぞれは、それぞれ対応する切欠きの先端部に隣接し、前記先端部は、前記切欠きを有する前記セグメントの前記端部分の前記端面から最も遠い位置にある請求項2記載の構体。
【請求項4】
前記凹部のそれぞれの後に、平坦であり、隣接した前記切欠きの部分で終わる面が続いている請求項3記載の構体。
【請求項5】
前記切欠きのそれぞれは、一部長楕円形の形状を有し、長楕円形形状の湾曲部分は前記切欠きの前記先端部である請求項3記載の構体。
【請求項6】
前記切欠きが隣接した凹部を有する前記セグメントの各端部分は、同様に前記切欠きが隣接した凹部を有するセグメントの端部分と当接している請求項3記載の構体。
【請求項7】
前記凹部を有する各セグメントの第1の面は、前記切欠きが凹部に隣接している端部分の端面に隣接したセグメントの厚み方向に傾斜している請求項3記載の構体。
【請求項8】
前記セグメントの凹部の傾斜角度は、前記セグメントの端面に隣接した前記セグメントの第1の面の傾斜角度と等しい請求項6記載の構体。
【請求項9】
前記凹部のそれぞれの前記傾斜角度は同一である請求項8記載の構体。
【請求項10】
前記凹部のそれぞれの前記傾斜角度は10〜30°の範囲である請求項9記載の構体。
【請求項11】
前記キーの各々は、第1の面及び前記第1の面に対向する第2の面を有し、各キーの前記第1の面は、そのキーにより一体に保持される前記当接しているセグメントの前記第1の面と整列され、隣接した凹部を有する前記切欠きにより規定されたキー溝の中の各キーの前記第1の面の両端部は、そのキーの厚み方向に傾斜している請求項7記載の構体。
【請求項12】
1つのセグメントの各凹部の傾斜角度と、切欠きがその凹部に隣接しているセグメントの端部分の端面に隣接したセグメントの第1の面の傾斜角度と、その凹部に隣接したキーの端部の傾斜角度とは互いに等しい請求項11記載の構体。
【請求項13】
各凹部の傾斜角度は10〜30°の範囲である請求項12記載の構体。
【請求項14】
各セグメントは、前記第1の面と前記第2の面とを接合する第3の面及び前記第3の面に対向する第4の面を有し、各セグメントの切欠きは、そのセグメントの第3の面及び第4の面から離間して配置され、セグメントの第3の面及び第4の面に接合する前記第1の面の縁部は面取りされ、セグメントの第1の端部分及び第2の端部分の各端面に接合する第1の面の縁部は面取りされ、セグメントの第1の端部分及び第2の端部分のうち1つ以上の端部分の端面に接合する第3の面及び第4の面の縁部は面取りされている請求項12記載の構体。
【請求項15】
前記凹部のそれぞれの傾斜角度は10〜30°の範囲であり、各面取りの角度は35〜60°の範囲である請求項14記載の構体。
【請求項16】
前記凹部を有する各セグメントの前記第2の面は、前記切欠きの周囲に沿って、前記凹部に隣接して別の凹部を有し、前記別の凹部は傾斜面を具備する請求項11記載の構体。
【請求項17】
前記凹部及び前記別の凹部の各々の面の傾斜は10〜30°の範囲である請求項16記載の構体。
【請求項18】
前記複数のセグメントは、水平に配置された第1の組のセグメントと、前記水平に配置された第1の組のセグメントから垂直方向に離間して配置された水平に配置された第2の組のセグメントと、垂直に配置された第1の組のセグメントと、前記垂直に配置された第1の組のセグメントから水平方向に離間して配置された垂直に配置された第2の組のセグメントとを含み、
前記水平に配置された第1の組のセグメントのうち第1の端セグメントは、前記垂直に配置された第1の組のセグメントのうち第1の端セグメントと当接し、
前記水平に配置された第1の組のセグメントのうち第2の端セグメントは、前記水平に配置された第2の組のセグメントのうち第1の端セグメントと当接し、
前記水平に配置された第2の組のセグメントのうち第1の端セグメントは、前記垂直に配置された第1の組のセグメントのうち第2の端セグメントと当接し、
前記水平に配置された第2の組のセグメントのうち第2の端セグメントは、前記垂直に配置された第2の組のセグメントのうち第2の端セグメントと当接している請求項11記載の構体。
【請求項19】
前記水平に配置された第1の組のセグメントのうち前記第1の端セグメント及び前記第2の端セグメントの各々と、前記水平に配置された第2の組のセグメントのうち前記第1の端セグメント及び前記第2の端セグメントの各々とは、垂直に延出して、それぞれ対応する垂直に配置されたセグメントと当接する端部分の第1の部分を有し、前記水平に配置された第1の組のセグメントのうち前記第1の端セグメント及び前記第2の端セグメントの各々は、前記第1の部分を有する前記端部分において前記第1の部分とは反対の側へ垂直方向に延出する延長部分を有する請求項18記載の構体。
【請求項20】
各切欠きは一部長楕円形の形状を有し、前記キーの各々は長楕円形の形状である請求項11記載の構体。
【請求項21】
前記キーの各々は、第1の面及び前記第1の面に対向する第2の面を有し、各キーの前記第1の面は、そのキーにより一体に保持された前記当接したセグメントの前記第1の面と整列され、隣接した凹部を有する切欠きにより規定されるキー溝の中の各キーの前記第1の面の両端部は、そのキーの厚み方向に傾斜している請求項1記載の構体。
【請求項22】
スタック面を有する燃料電池スタックと、前記スタック面に当接したマニホルドとを更に具備し、前記誘電体フレームは、前記マニホルドと前記スタック面との間に配置される請求項21記載の構体。
【請求項23】
前記フレームと前記スタックの前記面との間に配置されたガスケットと、前記フレームと前記マニホルドとの間に配置された少なくとも1つの別のガスケットとを更に具備する請求項22記載の構体。
【請求項24】
前記マニホルドは、前記マニホルドの周囲に沿って分散配置された複数のピンを含み、前記別のガスケットは、前記ピンと整列され前記ピンが貫通する複数の貫通開口部を含み、前記セグメントは、前記ピンと整列され前記ピンを受入れる複数の開口部を含む請求項23記載の構体。
【請求項25】
前記ピンの各々は、そのピンの上端部に、該ピンの本体の厚み方向に傾斜し、その後、該ピンの端面までまっすぐ上へ延出する互いに対向した面を有する請求項24記載の構体。
【請求項26】
前記ピンの長さは、前記ピンを受入れる前記セグメントの開口部の長さより短い請求項25記載の構体。
【請求項27】
前記ピンの各々は円筒形の本体を有し、前記端面は長楕円形である請求項25記載の構体。
【請求項28】
周囲に沿って分散配置された1つ以上のピンを含むマニホルドを具備し、前記ピンの各々は、そのピンの上端部に、前記ピンの本体の厚み方向に傾斜し、その後、該ピンの端面までまっすぐ上へ延出する互いに対向する面を有する構体。
【請求項29】
前記ピンの各々は円筒形の本体を有し、前記端面は長楕円形である請求項28記載の構体。
【請求項30】
前記長楕円形の端面の丸形の縁部は面取りされる請求項29記載の構体。
【請求項31】
前記マニホルドは、マニホルド本体と、前記本体の周囲に装着され、前記ピンが延出するレール構体とを更に含む請求項28記載の構体。
【請求項32】
前記レール構体は、第1の側面及び前記第1の側面とは反対の側にある第2の側面と、第3の側面及び前記第3の側面とは反対の側にある第4の側面とを含み、前記第1の側面及び前記第2の側面は、前記第3の側面及び前記第4の側面と接続してフレームを形成し、前記第1の側面及び前記第2の側面は、前記第4の側面を越えて延出して延長部分を形成する請求項31記載の構体。
【請求項33】
前記延長部分の各々はピンを摺動自在に支持する請求項32記載の構体。
【請求項34】
前記延長部分の各々は、前記ピンが摺動自在に保持される切欠きを含む請求項33記載の構体。
【請求項35】
前記本体は、複合折れ目により互いに離間された複数のパン部分を有し、前記レール構体は、前記複合折れ目と一線に整列された複数の切溝を有する請求項34記載の構体。
【請求項36】
前記傾斜角度は10〜30°の範囲である請求項28記載の構体。
【請求項37】
前記マニホルドは、前記マニホルドの周囲に沿って配置された長楕円形の形状をした1つ以上の別のピンを含む請求項28記載の構体。
【請求項38】
前記別のピンの各々は、テーパ形状を含まない完全円筒形の本体を有する請求項37記載の構体。
【請求項39】
周囲に沿って分散配置された複数の開口部を有する誘電体フレームと、
前記開口部のうち1つ以上の中に配置されるインサートとを具備し、前記インサートの各々は、対応する開口部に挿入される部材を受入れ且つ部分的に取り囲むように構成された誘電体本体を具備する構体。
【請求項40】
前記誘電体本体は、対応する開口部の外側に面する第1の端部に開口を有する細長いシェルを具備する請求項39記載の構体。
【請求項41】
前記細長いシェルは、該細長いシェルの長さに沿って、該細長いシェルの前記第1の端部に設けられた前記開口から前記第1の端部とは反対の側にある前記細長いシェルの第2の端部に向かって走る溝穴を有する請求項40記載の構体。
【請求項42】
前記溝穴は、第1の距離に沿って一定の幅を有し、それに続いて拡張して漏斗形状を呈する請求項41記載の構体。
【請求項43】
前記細長いシェルは、前記第1の端部とは反対の側にある前記細長いシェルの第2の端部に開口を有する請求項41記載の構体。
【請求項44】
前記細長いシェルは、円筒形及び長楕円形のうち一方の形状を有する請求項43記載の構体。
【請求項45】
前記細長いシェルは、前記第1の端部の反対側に、閉鎖された丸形の第2の端部を有する請求項41記載の構体。
【請求項46】
前記細長いシェルは、前記閉鎖された丸形の第2の端部の両側壁部分に、別の互いに対向する開口を有する請求項45記載の構体。
【請求項47】
前記別の開口のうち一方は前記溝穴と連通する請求項46記載の構体。
【請求項48】
前記細長いシェルは、円筒形及び長楕円形のうち一方の形状を有する請求項47記載の構体。
【請求項49】
前記誘電体本体はマイカから形成される請求項39記載の構体。
【請求項50】
ピンであって、該ピンの本体の厚み方向に傾斜し、その後、該ピンの端面までまっすぐ上へ延出する互いに対向した面を上端部に有するピン。
【請求項51】
第1の端部にある開口と、前記第1の端部の反対の側にあり、開放状態及び閉鎖状態のうち一方である、丸い形状をした第2の端部とを有する細長いシェルとして形成された誘電体本体を具備するインサート。
【請求項52】
前記細長いシェルは、該細長いシェルの長さに沿って、該細長いシェルの前記第1の端部に設けられた前記開口から前記第1の端部とは反対の側にある前記細長いシェルの第2の端部まで走る溝穴を有する請求項51記載のインサート。
【請求項53】
前記溝穴は、第1の距離に沿って一定の幅を有し、それに続いて拡張して漏斗形状を呈する請求項52記載のインサート。
【請求項54】
前記細長いシェルは、円筒形及び長楕円形のうち一方の形状を有する請求項52記載のインサート。
【請求項55】
前記細長いシェルは、閉鎖された丸形の第2の端部と、前記閉鎖された丸形の第2の端部の両側壁部分にある別の互いに対向した開口とを有する請求項52記載のインサート。
【請求項56】
前記別の開口のうち一方は前記溝穴と連通する請求項55記載の構体。
【請求項57】
前記誘電体本体はマイカから形成される請求項51記載の構体。
【請求項1】
誘電体フレームを具備し、前記誘電体フレームは、
複数のセグメントであって、各セグメントは、第1の面及び前記第1の面に対向する第2の面と、第1の端部分及び第2の端部分とを有し、前記第1の端部分及び前記第2の端部分の各々は、端面と、前記端部分の前記端面から前記セグメントの長さに沿って、前記第1の面から前記第2の面まで延出する切欠きとを有し、
前記複数のセグメントは、それぞれの前記第1の面が整列されるとともに前記第2の面も整列されており、1つのセグメントの第1の端部分の端面は隣接したセグメントの第2の端部分の端面に当接しており、且つ該当接したセグメントの該第1の端部の切欠きと該第2の端部分の切欠きとがキー溝を形成するような当接関係で配列されたセグメントと、
前記当接したセグメントを一体に保持するように前記キー溝の中にそれぞれ配置された複数のキーと
を含み、
前記セグメントのうちいくつかは、該セグメントの第1の面において、該セグメントの第1の端部分及び第2の端部分のうち1つ以上に、前記切欠きに隣接して凹部を有する構体。
【請求項2】
前記凹部のぞれぞれは、それぞれ対応するセグメントの厚み方向に傾斜した面を具備する請求項1記載の構体。
【請求項3】
前記凹部のそれぞれは、それぞれ対応する切欠きの先端部に隣接し、前記先端部は、前記切欠きを有する前記セグメントの前記端部分の前記端面から最も遠い位置にある請求項2記載の構体。
【請求項4】
前記凹部のそれぞれの後に、平坦であり、隣接した前記切欠きの部分で終わる面が続いている請求項3記載の構体。
【請求項5】
前記切欠きのそれぞれは、一部長楕円形の形状を有し、長楕円形形状の湾曲部分は前記切欠きの前記先端部である請求項3記載の構体。
【請求項6】
前記切欠きが隣接した凹部を有する前記セグメントの各端部分は、同様に前記切欠きが隣接した凹部を有するセグメントの端部分と当接している請求項3記載の構体。
【請求項7】
前記凹部を有する各セグメントの第1の面は、前記切欠きが凹部に隣接している端部分の端面に隣接したセグメントの厚み方向に傾斜している請求項3記載の構体。
【請求項8】
前記セグメントの凹部の傾斜角度は、前記セグメントの端面に隣接した前記セグメントの第1の面の傾斜角度と等しい請求項6記載の構体。
【請求項9】
前記凹部のそれぞれの前記傾斜角度は同一である請求項8記載の構体。
【請求項10】
前記凹部のそれぞれの前記傾斜角度は10〜30°の範囲である請求項9記載の構体。
【請求項11】
前記キーの各々は、第1の面及び前記第1の面に対向する第2の面を有し、各キーの前記第1の面は、そのキーにより一体に保持される前記当接しているセグメントの前記第1の面と整列され、隣接した凹部を有する前記切欠きにより規定されたキー溝の中の各キーの前記第1の面の両端部は、そのキーの厚み方向に傾斜している請求項7記載の構体。
【請求項12】
1つのセグメントの各凹部の傾斜角度と、切欠きがその凹部に隣接しているセグメントの端部分の端面に隣接したセグメントの第1の面の傾斜角度と、その凹部に隣接したキーの端部の傾斜角度とは互いに等しい請求項11記載の構体。
【請求項13】
各凹部の傾斜角度は10〜30°の範囲である請求項12記載の構体。
【請求項14】
各セグメントは、前記第1の面と前記第2の面とを接合する第3の面及び前記第3の面に対向する第4の面を有し、各セグメントの切欠きは、そのセグメントの第3の面及び第4の面から離間して配置され、セグメントの第3の面及び第4の面に接合する前記第1の面の縁部は面取りされ、セグメントの第1の端部分及び第2の端部分の各端面に接合する第1の面の縁部は面取りされ、セグメントの第1の端部分及び第2の端部分のうち1つ以上の端部分の端面に接合する第3の面及び第4の面の縁部は面取りされている請求項12記載の構体。
【請求項15】
前記凹部のそれぞれの傾斜角度は10〜30°の範囲であり、各面取りの角度は35〜60°の範囲である請求項14記載の構体。
【請求項16】
前記凹部を有する各セグメントの前記第2の面は、前記切欠きの周囲に沿って、前記凹部に隣接して別の凹部を有し、前記別の凹部は傾斜面を具備する請求項11記載の構体。
【請求項17】
前記凹部及び前記別の凹部の各々の面の傾斜は10〜30°の範囲である請求項16記載の構体。
【請求項18】
前記複数のセグメントは、水平に配置された第1の組のセグメントと、前記水平に配置された第1の組のセグメントから垂直方向に離間して配置された水平に配置された第2の組のセグメントと、垂直に配置された第1の組のセグメントと、前記垂直に配置された第1の組のセグメントから水平方向に離間して配置された垂直に配置された第2の組のセグメントとを含み、
前記水平に配置された第1の組のセグメントのうち第1の端セグメントは、前記垂直に配置された第1の組のセグメントのうち第1の端セグメントと当接し、
前記水平に配置された第1の組のセグメントのうち第2の端セグメントは、前記水平に配置された第2の組のセグメントのうち第1の端セグメントと当接し、
前記水平に配置された第2の組のセグメントのうち第1の端セグメントは、前記垂直に配置された第1の組のセグメントのうち第2の端セグメントと当接し、
前記水平に配置された第2の組のセグメントのうち第2の端セグメントは、前記垂直に配置された第2の組のセグメントのうち第2の端セグメントと当接している請求項11記載の構体。
【請求項19】
前記水平に配置された第1の組のセグメントのうち前記第1の端セグメント及び前記第2の端セグメントの各々と、前記水平に配置された第2の組のセグメントのうち前記第1の端セグメント及び前記第2の端セグメントの各々とは、垂直に延出して、それぞれ対応する垂直に配置されたセグメントと当接する端部分の第1の部分を有し、前記水平に配置された第1の組のセグメントのうち前記第1の端セグメント及び前記第2の端セグメントの各々は、前記第1の部分を有する前記端部分において前記第1の部分とは反対の側へ垂直方向に延出する延長部分を有する請求項18記載の構体。
【請求項20】
各切欠きは一部長楕円形の形状を有し、前記キーの各々は長楕円形の形状である請求項11記載の構体。
【請求項21】
前記キーの各々は、第1の面及び前記第1の面に対向する第2の面を有し、各キーの前記第1の面は、そのキーにより一体に保持された前記当接したセグメントの前記第1の面と整列され、隣接した凹部を有する切欠きにより規定されるキー溝の中の各キーの前記第1の面の両端部は、そのキーの厚み方向に傾斜している請求項1記載の構体。
【請求項22】
スタック面を有する燃料電池スタックと、前記スタック面に当接したマニホルドとを更に具備し、前記誘電体フレームは、前記マニホルドと前記スタック面との間に配置される請求項21記載の構体。
【請求項23】
前記フレームと前記スタックの前記面との間に配置されたガスケットと、前記フレームと前記マニホルドとの間に配置された少なくとも1つの別のガスケットとを更に具備する請求項22記載の構体。
【請求項24】
前記マニホルドは、前記マニホルドの周囲に沿って分散配置された複数のピンを含み、前記別のガスケットは、前記ピンと整列され前記ピンが貫通する複数の貫通開口部を含み、前記セグメントは、前記ピンと整列され前記ピンを受入れる複数の開口部を含む請求項23記載の構体。
【請求項25】
前記ピンの各々は、そのピンの上端部に、該ピンの本体の厚み方向に傾斜し、その後、該ピンの端面までまっすぐ上へ延出する互いに対向した面を有する請求項24記載の構体。
【請求項26】
前記ピンの長さは、前記ピンを受入れる前記セグメントの開口部の長さより短い請求項25記載の構体。
【請求項27】
前記ピンの各々は円筒形の本体を有し、前記端面は長楕円形である請求項25記載の構体。
【請求項28】
周囲に沿って分散配置された1つ以上のピンを含むマニホルドを具備し、前記ピンの各々は、そのピンの上端部に、前記ピンの本体の厚み方向に傾斜し、その後、該ピンの端面までまっすぐ上へ延出する互いに対向する面を有する構体。
【請求項29】
前記ピンの各々は円筒形の本体を有し、前記端面は長楕円形である請求項28記載の構体。
【請求項30】
前記長楕円形の端面の丸形の縁部は面取りされる請求項29記載の構体。
【請求項31】
前記マニホルドは、マニホルド本体と、前記本体の周囲に装着され、前記ピンが延出するレール構体とを更に含む請求項28記載の構体。
【請求項32】
前記レール構体は、第1の側面及び前記第1の側面とは反対の側にある第2の側面と、第3の側面及び前記第3の側面とは反対の側にある第4の側面とを含み、前記第1の側面及び前記第2の側面は、前記第3の側面及び前記第4の側面と接続してフレームを形成し、前記第1の側面及び前記第2の側面は、前記第4の側面を越えて延出して延長部分を形成する請求項31記載の構体。
【請求項33】
前記延長部分の各々はピンを摺動自在に支持する請求項32記載の構体。
【請求項34】
前記延長部分の各々は、前記ピンが摺動自在に保持される切欠きを含む請求項33記載の構体。
【請求項35】
前記本体は、複合折れ目により互いに離間された複数のパン部分を有し、前記レール構体は、前記複合折れ目と一線に整列された複数の切溝を有する請求項34記載の構体。
【請求項36】
前記傾斜角度は10〜30°の範囲である請求項28記載の構体。
【請求項37】
前記マニホルドは、前記マニホルドの周囲に沿って配置された長楕円形の形状をした1つ以上の別のピンを含む請求項28記載の構体。
【請求項38】
前記別のピンの各々は、テーパ形状を含まない完全円筒形の本体を有する請求項37記載の構体。
【請求項39】
周囲に沿って分散配置された複数の開口部を有する誘電体フレームと、
前記開口部のうち1つ以上の中に配置されるインサートとを具備し、前記インサートの各々は、対応する開口部に挿入される部材を受入れ且つ部分的に取り囲むように構成された誘電体本体を具備する構体。
【請求項40】
前記誘電体本体は、対応する開口部の外側に面する第1の端部に開口を有する細長いシェルを具備する請求項39記載の構体。
【請求項41】
前記細長いシェルは、該細長いシェルの長さに沿って、該細長いシェルの前記第1の端部に設けられた前記開口から前記第1の端部とは反対の側にある前記細長いシェルの第2の端部に向かって走る溝穴を有する請求項40記載の構体。
【請求項42】
前記溝穴は、第1の距離に沿って一定の幅を有し、それに続いて拡張して漏斗形状を呈する請求項41記載の構体。
【請求項43】
前記細長いシェルは、前記第1の端部とは反対の側にある前記細長いシェルの第2の端部に開口を有する請求項41記載の構体。
【請求項44】
前記細長いシェルは、円筒形及び長楕円形のうち一方の形状を有する請求項43記載の構体。
【請求項45】
前記細長いシェルは、前記第1の端部の反対側に、閉鎖された丸形の第2の端部を有する請求項41記載の構体。
【請求項46】
前記細長いシェルは、前記閉鎖された丸形の第2の端部の両側壁部分に、別の互いに対向する開口を有する請求項45記載の構体。
【請求項47】
前記別の開口のうち一方は前記溝穴と連通する請求項46記載の構体。
【請求項48】
前記細長いシェルは、円筒形及び長楕円形のうち一方の形状を有する請求項47記載の構体。
【請求項49】
前記誘電体本体はマイカから形成される請求項39記載の構体。
【請求項50】
ピンであって、該ピンの本体の厚み方向に傾斜し、その後、該ピンの端面までまっすぐ上へ延出する互いに対向した面を上端部に有するピン。
【請求項51】
第1の端部にある開口と、前記第1の端部の反対の側にあり、開放状態及び閉鎖状態のうち一方である、丸い形状をした第2の端部とを有する細長いシェルとして形成された誘電体本体を具備するインサート。
【請求項52】
前記細長いシェルは、該細長いシェルの長さに沿って、該細長いシェルの前記第1の端部に設けられた前記開口から前記第1の端部とは反対の側にある前記細長いシェルの第2の端部まで走る溝穴を有する請求項51記載のインサート。
【請求項53】
前記溝穴は、第1の距離に沿って一定の幅を有し、それに続いて拡張して漏斗形状を呈する請求項52記載のインサート。
【請求項54】
前記細長いシェルは、円筒形及び長楕円形のうち一方の形状を有する請求項52記載のインサート。
【請求項55】
前記細長いシェルは、閉鎖された丸形の第2の端部と、前記閉鎖された丸形の第2の端部の両側壁部分にある別の互いに対向した開口とを有する請求項52記載のインサート。
【請求項56】
前記別の開口のうち一方は前記溝穴と連通する請求項55記載の構体。
【請求項57】
前記誘電体本体はマイカから形成される請求項51記載の構体。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図10D】
【公表番号】特表2008−530723(P2008−530723A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548210(P2007−548210)
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/039422
【国際公開番号】WO2006/071349
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(502197161)フュエルセル エナジー, インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】FUELCELL ENERGY, INC.
【住所又は居所原語表記】3 Great Pasture Road, Danbury, CT 06813, U.S.A.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2005/039422
【国際公開番号】WO2006/071349
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(502197161)フュエルセル エナジー, インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】FUELCELL ENERGY, INC.
【住所又は居所原語表記】3 Great Pasture Road, Danbury, CT 06813, U.S.A.
【Fターム(参考)】
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