説明

誘電率異方性が負である液晶組成物、及び該液晶組成物を用いた液晶表示素子

【課題】Δn及びΔεの絶対値が大きな誘電率異方性が負である液晶組成物、及び該液晶組成物を用いた液晶表示素子を提供する。
【解決手段】少なくとも一種類の一般式(I)で表される化合物、及び少なくとも一種類の一般式(II)で表される化合物を含有する、誘電率異方性が負である液晶組成物(式中、R11、R12、R21及びR22は炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、A11及びA12は特定の2価の6員環を表し、a11は0又は1を表し、X21〜X26は互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)
[化1]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学的液晶表示材料として有用な誘電率異方性(Δε)が負である液晶組成物、及び該液晶組成物を用いた液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
負の誘電率異方性(負のΔε)を有する液晶組成物を使用した垂直配向型のVA−LCDは、漆黒な黒を表現することができるため表示品位に優れ、高コントラストな液晶表示装置として、液晶テレビを中心とした市場に広く浸透している。また、最近では液晶テレビなどに代表されるアクティブマトリックス駆動方式の他、車載や家電用途の表示器として使用されているパッシブマトリックス駆動方式でもVA−LCDの採用が増えている。液晶テレビ用途では、滑らかな動画表示性能を実現するためにガラス基板間のギャップが狭くなる傾向にあり、液晶材料の複屈折率(Δn)は大きくなる傾向にある。一方、車載用表示器においては、表示容量の大きな高時分割駆動でも良好なコントラストを得るために、負のΔεを有する液晶組成物としては従来にない大きなΔnが求められるとともに、低電圧化にも対応するためΔεの絶対値も大きなものが要求されるようになってきた。
【0003】
VA−LCD用の液晶材料として多くの液晶化合物および液晶組成物が提案されている。ここで、Δnを増大させるためには、液晶組成物中におけるΔnの大きな液晶化合物の含有量を上昇させる必要があり、Δεの絶対値を増大させるためには、液晶組成物中におけるΔεの絶対値の大きな液晶化合物の含有量を上昇させる必要がある。しかし、これらの化合物の含有量を上昇させた場合には、粘性(η)が悪化し、応答速度が悪化してしまう。
【0004】
これまでにも、Δεが負の値を示し、かつΔnの値が大きな液晶組成物が開示されている(例えば、特許文献1〜6参照。)。また、Δεは正の比較的大きな値であり、かつηの低い液晶組成物も開示されている(例えば、特許文献7参照。)
しかしながら、これらの液晶組成物は未だ改良の余地があり、十分な表示品位を備える液晶表示素子を製造するためには、Δεの絶対値とΔnの大きさがより大きな液晶組成物が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−096058号公報
【特許文献2】特開2001−354967号公報
【特許文献3】特開平11−140447号公報
【特許文献4】特開平11−228966号公報
【特許文献5】特開平8−104869号公報
【特許文献6】特開2002−069449号公報
【特許文献7】特開平6−501517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、Δn及びΔεの絶対値が大きな誘電率異方性が負である液晶組成物、及び該液晶組成物を用いた液晶表示素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、少なくとも2種類の特定の構造を有する化合物を含有する液晶組成物であれば、上記の課題を解決できることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、第一成分として一般式(I)で表される化合物
【化1】

(式中、R11及びR12は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、a11は0又は1を表し、A11及びA12は互いに独立して
【化2】

のいずれかを表す。A11が1,4−フェニレン基である場合、ベンゼン環上に存在する1個又は2個以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。A12が1,4−フェニレン基である場合、ベンゼン環上に存在する1個又は2個以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有し、
第二成分として一般式(II)で表される化合物
【化3】

(式中、R21及びR22は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、X21〜X26は互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有することを特徴とする、誘電率異方性が負である液晶組成物を提供する。
さらに本発明は、前記液晶組成物を用いたことを特徴とする液晶表示素子を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の液晶組成物は、Δnが大きく、かつΔεが負であってその絶対値が大きいという特徴を有する。つまり、本発明の液晶組成物は、液晶性に優れた液晶相を示す。
このため、本発明の液晶組成物を用いることにより、表示品位に優れた液晶表示素子を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の誘電率異方性が負である液晶組成物(以下、本発明の液晶組成物)は、第一成分として下記一般式(I)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有し、第二成分として下記一般式(II)で表される化合物で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有することを特徴とする。
以下、まず成分ごとに説明する。
【0011】
<一般式(I)で表される化合物>
本発明の液晶組成物は、下記一般式(I)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有する。本発明の液晶組成物は、一般式(I)で表される化合物を1種類のみ含有していてもよいが、2種類以上を含有していることが好ましい。
【0012】
【化4】

【0013】
一般式(I)中、R11及びR12は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表す。本発明においては、R11及びR12は互いに独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、互いに独立して炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基がより好ましい。また、R11及びR12は、それぞれ分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよいが、直鎖状の基であることが好ましい。
【0014】
一般式(I)中、a11は0又は1を表す。本発明の液晶組成物においては、応答速度をより速めることを重視する場合には、a11は0が好ましい。一方で、Tniをより高めることを重視する場合には、a11は1が好ましい。また、Δnを大きくすることを重視する場合にも、a11は1が好ましい。
【0015】
一般式(I)中、A11及びA12は互いに独立して、下記の4種の6員環を有する2価の基のいずれかを表す。なお、以下、これらの4種の6員環を有する2価の基をまとめて「2価の環状炭化水素基群A」ということがある。A11が1,4−フェニレン基である場合、ベンゼン環上に存在する1個又は2個以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。A12が1,4−フェニレン基である場合、ベンゼン環上に存在する1個又は2個以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。本発明の液晶組成物においては、A11及びA12は互いに独立して、1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基が好ましく、1,4−フェニレン基は1個又は2個以上のフッ素原子により置換されていてもよい。本発明の液晶組成物においては、粘性をより低下させることを重視する場合には、一般式(I)中、a11が1であり、かつA11が1,4−シクロヘキシレン基であることがより好ましい。また、屈折率異方性(Δn)をより大きくすることを重視する場合には、A12は1,4−フェニレン基がより好ましい。
【0016】
【化5】

【0017】
一般式(I)で表される化合物としては、R11及びR12が互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であり、a11が0であり、A12が無置換の1,4−フェニレン基、1個又は2個以上のフッ素原子が置換されている1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基である化合物、R11及びR12が互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であり、a11が1であり、A11及びA12が互いに独立してA12が無置換の1,4−フェニレン基、1個又は2個以上のフッ素原子が置換されている1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基である化合物であることが好ましい。中でも、R11及びR12が互いに独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基であり、a11が0であり、A12が無置換の1,4−フェニレン基、1個又は2個以上のフッ素原子が置換されている1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基である化合物、R11及びR12が互いに独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基であり、a11が1であり、A11及びA12が互いに独立してA12が無置換の1,4−フェニレン基、1個又は2個以上のフッ素原子が置換されている1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基である化合物であることがより好ましい。
【0018】
一般式(I)で表される化合物は、より具体的には、下記の一般式(I−1)〜(I−3)で表される化合物が好ましい。一般式(I−1)〜(I−3)中、R11は一般式(I)におけるR11と同じ意味を表し、R12は一般式(I)におけるR12と同じ意味を表す。本発明の液晶組成物は、第一成分として、一般式(I−1)〜(I−3)で表される化合物を少なくとも1種類含有していることが好ましく、一般式(I−1)〜(I−3)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有していることがより好ましい。
【0019】
【化6】

【0020】
一般式(I−1)〜(I−3)で表される化合物としては、R11及びR12が互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基である化合物が好ましい。中でも、R11が炭素原子数1〜8のアルキル基であり、R12が炭素原子数1〜8のアルコキシ基である化合物がより好ましい。
【0021】
本発明の液晶組成物中の第一成分の含有量(すなわち、一般式(I)で表される1種類又は2種類以上の化合物の総含有量)は、2質量%以上であることが好ましく、2〜50質量%がより好ましく、2〜40質量%がさらに好ましく、5〜30質量%がよりさらに好ましい。
【0022】
<一般式(II)で表される化合物>
本発明の液晶組成物は、下記一般式(II)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有する。本発明の液晶組成物は、一般式(II)で表される化合物を1種類のみ含有していてもよいが、2種類以上を含有していることが好ましい。
【0023】
【化7】

【0024】
一般式(II)中、R21及びR22は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表す。本発明においては、R21及びR22は互いに独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、R21及びR22のうちの一方が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基であり、他方が炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基であることがより好ましい。また、R21及びR22は、それぞれ分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよいが、直鎖状の基であることが好ましい。
【0025】
一般式(II)中、X21〜X26は互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表す。本発明の液晶組成物においては、X21〜X26は互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又はメチル基であることが好ましい。中でも、X21及びX22の少なくとも一方が水素原子であり、X23及びX24の少なくとも一方が水素原子であり、X25及びX26の少なくとも一方が水素原子であり、かつ残る3つが互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又はメチル基である化合物が好ましく、X21〜X26のうちの1つがフッ素原子、塩素原子、又はメチル基であり、残る5つが水素原子である化合物がより好ましい。
【0026】
一般式(II)で表される化合物としては、R21及びR22が互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であり、X21〜X26は互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又はメチル基である化合物が好ましい。
【0027】
一般式(II)で表される化合物は、より具体的には、下記一般式(II−1)〜(II−10)で表される化合物が好ましい。一般式(II−1)〜(II−10)中、R21は一般式(II)におけるR21と同じ意味を表し、R22は一般式(II)におけるR22と同じ意味を表す。本発明の液晶組成物は、第二成分として、一般式(II−1)〜(II−10)で表される化合物を少なくとも1種類含有していることが好ましく、一般式(II−1)〜(II−10)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有していることがより好ましい。
【0028】
【化8】

【0029】
一般式(II−1)〜(II−10)で表される化合物としては、R21及びR22は互いに独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、R21及びR22のうちの一方が炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数1〜5のアルコキシ基であり、他方が炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基であることがより好ましい。
【0030】
本発明の液晶組成物中の第二成分の含有量(すなわち、一般式(II)で表される1種類又は2種類以上の化合物の総含有量)は、5質量%以上であることが好ましく、5〜70質量%がより好ましく、5〜50質量%がさらに好ましく、5〜30質量%がよりさらに好ましい。
【0031】
本発明の液晶組成物中の第一成分の含有量及び第二成分の含有量の総量は、10質量%以上であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることがさらに好ましく、20〜40質量%であることがよりさらに好ましい。
【0032】
<一般式(III)で表される化合物>
本発明の液晶組成物は、下記一般式(III)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有する。本発明の液晶組成物は、一般式(III)で表される化合物を1種類のみ含有していてもよく、2種類以上を含有していてもよい。
【0033】
【化9】

【0034】
一般式(III)中、R31及びR32は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表す。本発明においては、R31及びR32は互いに独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましい。また、R31及びR32は、それぞれ分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよいが、直鎖状の基であることが好ましい。
【0035】
一般式(III)で表される化合物を含有する場合、本発明の液晶組成物中に含まれている少なくとも1種類の一般式(III)で表される化合物において、R31及びR32のうちの少なくとも一方は、アルケニル基又はアルケニルオキシ基であることが好ましい。
【0036】
一般式(III)中、A31、A32及びA33は互いに独立して下記の17種の環状構造を有する2価の基のいずれかを表す。なお、以下、これら17種の環状構造を有する2価の基をまとめて「2価の環構造含有基群A’」ということがある。本発明においては、A31、A32及びA33は互いに独立して、2価の環構造含有基群A’中の無置換の1,4−フェニレン基、1個又は2個以上のフッ素原子が置換されている1,4−フェニレン基、1個のメチル基が置換されている1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基が好ましく、無置換の1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基がより好ましい。
【0037】
【化10】

【0038】
一般式(III)中、Z31及びZ32は互いに独立して、単結合、−CHCH−、−C≡C−、−C=N−N=C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−COO−又は−OCO−を表す。本発明においては、Z31及びZ32は互いに独立して、単結合、−CHCH−、−C≡C−、−COO−又は−OCO−が好ましく、単結合又は−C≡C−がより好ましい。
【0039】
一般式(III)中、a31は0、1又は2を表す。本発明においては、a31は0又は1が好ましい。a31が2であり、A32が複数存在する場合は、それらは同一でもよく異なっていてもよい。同様に、Z32が複数存在する場合は、それらは同一でもよく異なっていてもよい。
【0040】
但し、一般式(III)で表される化合物には、前記一般式(II)で表される化合物は含まれない。すなわち、a31が1であり、Z31及びZ32が単結合である場合には、A31、A32及びA33は互いに独立して下記の12種の環状構造を有する2価の基のいずれかを表す。
【0041】
【化11】

【0042】
一般式(III)で表される化合物としては、R31及びR32は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であり、A31、A32及びA33が互いに独立して2価の環構造含有基群A’中の無置換の1,4−フェニレン基、1個又は2個以上のフッ素原子が置換されている1,4−フェニレン基、1個のメチル基が置換されている1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基であり、Z31及びZ32が互いに独立して単結合又は−C≡C−であり、a31が0又は1である化合物が好ましい。より具体的には、下記の一般式(III−1)〜(III−12)で表される化合物が好ましい。一般式(III−1)〜(III−12)中、R31は一般式(III)におけるR31と同じ意味を表し、R32は一般式(III)におけるR32と同じ意味を表す。
【0043】
【化12】

【0044】
一般式(III)で表される化合物を含有する場合には、本発明の液晶組成物は、一般式(III)で表される化合物を1〜10種類含有することが好ましく、2〜8種類含有することがより好ましい。また、一般式(III−1)〜(III−12)で表される化合物を少なくとも1種類含有していることが好ましい。本発明の液晶組成物中の一般式(III)で表される化合物の含有量は、10質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましい。また、該化合物の含有量は、80質量%以下が好ましく、70質量%以下が更に好ましく、60質量%以下が更に好ましい。
【0045】
<一般式(IV)で表される化合物>
本発明の液晶組成物は、下記一般式(IV)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種類の化合物を含有する。本発明の液晶組成物は、一般式(IV)で表される化合物を1種類のみ含有していてもよく、2種類以上を含有していてもよい。
【0046】
【化13】

【0047】
一般式(IV)中、R41及びR42は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表す。本発明においては、R41及びR42は互いに独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましい。また、R41及びR42は、それぞれ分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよいが、直鎖状の基であることが好ましい。
【0048】
一般式(IV)中、Z41及びZ42は互いに独立して、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−又は−OCO−を表す。Z41が複数ある場合には、それらは同一であっても、異なっていてもよい。本発明の液晶組成物においては、Z41及びZ42は互いに独立して、単結合、−CHCH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−又は−OCO−が好ましく、単結合、−CHCH−、−CHO−又は−OCH−がより好ましい。
【0049】
一般式(IV)中、A41及びA42は互いに独立して前記2価の環状炭化水素基群A中のいずれかの基を表す。A41が1,4−フェニレン基である場合、ベンゼン環上に存在する1個又は2個以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。A42が1,4−フェニレン基である場合、ベンゼン環上に存在する1個又は2個以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。また、A41が複数存在する場合には、それらは同一であっても、異なっていてもよい。本発明においては、A41及びA42は互いに独立して、無置換の1,4−フェニレン基、1個又は2個以上のフッ素原子が置換されている1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基が好ましく、無置換の1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基がより好ましい。本発明の液晶組成物において、粘性をより低下させることを重視する場合には、一般式(IV)中、A41は1,4−シクロヘキシレン基がより好ましい。
【0050】
一般式(IV)中、a41は1、2又は3を表し、a42は0又は1を表す。
【0051】
一般式(IV)で表される化合物としては、R41及びR42が互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であり、Z41及びZ42が互いに独立して単結合、−CHCH−、−CHO−又は−OCH−であり、A41及びA42が互いに独立して無置換の1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基であり、a41が1又は2であり、a42が0又は1である化合物が好ましい。
【0052】
一般式(IV)で表される化合物は、より具体的には、下記の一般式(IV−1)〜(IV−12)で表される化合物が好ましい。一般式(IV−1)〜(IV−12)中、R41は一般式(IV)におけるR41と同じ意味を表し、R42は一般式(IV)におけるR42と同じ意味を表し、A41は一般式(IV)におけるA41と同じ意味を表し、A42は一般式(IV)におけるA42と同じ意味を表す。本発明の液晶組成物は、第四成分として、一般式(IV−1)〜(IV−12)で表される化合物を少なくとも1種類含有していることが好ましく、一般式(IV−1)〜(IV−12)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有していることがより好ましい。
【0053】
【化14】

【0054】
一般式(IV−1)〜(IV−12)で表される化合物としては、A41及びA42が互いに独立して、無置換の1,4−フェニレン基、1個又は2個以上のフッ素原子が置換されている1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基が好ましく、無置換の1,4−フェニレン基又は1,4−シクロヘキシレン基がより好ましい。
【0055】
一般式(IV−1)〜(IV−12)で表される化合物としては、R41及びR42が互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基である化合物が好ましく、R41が炭素原子数1〜8のアルキル基であり、R42が炭素原子数1〜8のアルコキシ基である化合物がより好ましい。
【0056】
一般式(IV−1)〜(IV−12)で表される化合物としては、特に、下記一般式(IV−101)〜(IV−152)で表される化合物が好ましい。一般式(IV−101)〜(IV−152)中、R41は一般式(IV)におけるR41と同じ意味を表し、R42は一般式(IV)におけるR42と同じ意味を表す。
【0057】
【化15】

【0058】
【化16】

【0059】
【化17】

【0060】
【化18】

【0061】
【化19】

【0062】
本発明の液晶組成物中の第四成分の含有量(すなわち、一般式(IV)で表される1種類又は2種類以上の化合物の総含有量)は、3質量%以上であることが好ましく、3〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%がさらに好ましく、20〜60質量%がよりさらに好ましい。
【0063】
本発明の液晶組成物は、本願発明の効果が損われない限度において、上述の化合物以外に、通常のネマティック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶、酸化防止剤、紫外線吸収剤、重合性モノマー等を含有することができる。但し、本発明の液晶組成物は、−O−O−、−O−S−及び−S−S−等のヘテロ原子同士が直接結合する部分構造を有する液晶化合物は含有しないことが好ましい。
【0064】
本発明の液晶組成物が含有し得る重合性モノマーは、光重合性モノマーが好ましい。光重合性モノマーを含有している場合、本発明の液晶組成物の光重合性モノマーの含有量は、500〜5000ppmが好ましい。該光重合性モノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の重合性不飽和二重結合を有するモノマー等が挙げられる。
【0065】
本発明の液晶組成物をアクティブマトリックス駆動液晶表示素子に用いる場合は、本発明の液晶組成物のTniは60〜120℃であることが好ましく、下限値としては65℃がより好ましく、70℃が特に好ましい。上限値としては90℃がより好ましく、80℃が特に好ましい。25℃におけるΔεが−2.0〜−6.0であることが好ましく、−2.5〜−5.0であることがより好ましく、−2.5〜−3.5であることが特に好ましい。25℃におけるΔnは、0.08〜0.13であることが好ましく、0.09〜0.12であることがより好ましい。更に詳述すると、25℃におけるΔnは、薄いセルギャップに対応する場合は0.10〜0.12であることが好ましく、厚いセルギャップに対応する場合は0.08〜0.10であることが好ましい。20℃における粘度(η)は、10〜30mPa・sであることが好ましく、10〜25mPa・sであることがより好ましく、10〜20mPa・sであることが特に好ましい。
【0066】
本発明の液晶組成物をパッシブマトリクス駆動液晶表示素子に用いる場合は、本発明の液晶組成物のTniは、民生用途では60〜120℃であることが好ましく、下限値としては65℃がより好ましく、70℃が特に好ましい。上限値としては90℃がより好ましく、80℃が特に好ましい。車載用途などでは、下限値としては90℃がより好ましく、100℃が特に好ましい。上限値としては115℃がより好ましく、105℃が特に好ましい。25℃におけるΔnは、低duty駆動用では0.08〜0.13であることが好ましく、0.08〜0.11であることが特に好ましい。また、高duty駆動用では0.13〜0.20であることが好ましく、0.15〜0.18であることが特に好ましい。25℃におけるΔεは、低duty駆動では−2.0〜−7.0であることが好ましく、−2.5〜−5.5であることが特に好ましい。20℃におけるηは、10〜40 mPa・sであることが好ましく、10〜30 mPa・sであることがより好ましく、10〜25 mPa・sであることが特に好ましい。
【0067】
本発明の液晶組成物のTni、Δε、及びΔnは、それぞれ、第一成分及び第二成分をはじめとする各種化合物の組成比を調整することにより、該液晶組成物の使用用途等に適した範囲に適宜調整することができる。本発明の液晶組成物としては、Tniが70℃〜120℃であり、25℃、589nmにおけるΔεが−1.5〜−8.0であり、25℃、1kHzにおけるΔnが0.080〜0.250であることが好ましい。Tni、Δε、及びΔnがこれらの範囲内にあることにより、様々な用途に好適に用いることができる。
【0068】
また、本発明の液晶組成物を用いることにより、垂直配向能を有する液晶表示素子を製造することができる。例えば、本発明の液晶組成物を用いることにより、プレチルト角が80°ないし90°である液晶表示素子を製造することができる。
【実施例】
【0069】
以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
【0070】
実施例中の用語を以下に説明する。
ni : ネマティック−アイソトロピック転移温度[℃]
→N : 固体又はスメクチック−ネマティック転移温度[℃]
Δn : 屈折率異方性(589nm, 25℃)
: 常光屈折率(589nm, 25℃)
Δε : 誘電率異方性(1kHz, 25℃)
ε : 分子軸に対して垂直方向の誘電率(1kHz, 25℃)
η : バルクフロー粘度[mPa・s](20℃)
応答速度 : 液晶組成物をギャップ3.5μm、プレチルト角89°の垂直配向セルに注入し、5V、100Hz矩形波にて測定
【0071】
実施例中の化合物記載に下記略号を使用する。
側鎖略号を以下に示す。
-n(数字) : -CnH2n+1(アルキル側鎖は数字、代表するときはRとする。)
-On : -OCnH2n+1
-ndm : -(CnH2n+1-C=C-(CH2)m-1)
ndm- : CnH2n+1-C=C-(CH2)m-1-
-nOm : -(CH2)nOCmH2m+1
nOm- : CnH2n+1O(CH2)m-
-Od(m)n:-O(CnH2n+1-C=C-(CH2)m-2)
d(m)nO- : CnH2n+1-C=C-(CH2)m-2O-
【0072】
連結基略号を以下に示す。
-T- : -C≡C-
-2- : -CH2CH2-
-1O- : -CH2-O-
-O1- : -O-CH2-
環略号を以下に示す。
【0073】
【化20】

【0074】
(実施例1〜2及び比較例1〜2)
表1に記載の組成からなる液晶組成物を製造し、該液晶組成物のTni、T→N、Δε、ε、Δn、n、及びηを測定した。測定結果を表1に示す。
【0075】
【表1】

【0076】
比較例1は、一般式(III)で表される化合物及び一般式(IV)で表される化合物を含有する液晶組成物であり、比較例2は、一般式(I)で表される化合物、一般式(III)で表される化合物及び一般式(IV)で表される化合物を含有する液晶組成物である。より詳細には、比較例2は、比較例1の液晶組成物中の一般式(III)で表される化合物のうち、一般式(I)中の2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基が1,4−フェニレン基に置換された無極性化合物を、一般式(I)で表わされる化合物に置き換えたものである。比較例2の液晶組成物と比較例1の液晶組成物を比較すると、両者は同等のΔn及びηを有していたが、Δεの絶対値は、比較例2の液晶組成物のほうが比較例1よりも大きかった。
【0077】
実施例1の液晶組成物は、比較例2の液晶組成物中の一般式(III)で表される化合物の一部を、一般式(II)で表される化合物に置き換えたものである。実施例1の液晶組成物は、Δεは比較例2の液晶組成物と同等であったが、Δnは比較例2の液晶組成物よりも大きかった。また、Tni及びηは、実施例1の液晶組成物と比較例2の液晶組成物でほぼ同等であった。つまり、一般式(I)で表される化合物を含有する液晶組成物に、一般式(II)で表される化合物をさらに含有させることにより、Δεの絶対値をはじめとするその他の物性値のバランスを大きく損なうことなく、液晶組成物のΔnを大きくすることができた。
【0078】
実施例2の液晶化合物は、Δεを比較例1の液晶化合物と同程度に維持しつつ、比較例1の液晶化合物中の一般式(III)で表される化合物のうち、一般式(I)中の2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基が1,4−フェニレン基に置換された無極性化合物を、一般式(I)で表わされる化合物に置き換え、さらに一般式(II)で表される化合物を含有させたものである。実施例2の液晶組成物は、Δε、Tni及びηは比較例1の液晶組成物とほぼ同等であったが、Δnは比較例2の液晶組成物よりも大きかった。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明の液晶組成物は、液晶表示素子に有用であり、アクティブマトリクス駆動用液晶表示素子及びパッシブマトリクス駆動用液晶表示素子に有用であり、特にパッシブマトリクス駆動用液晶表示素子に有用である。またVAモード、PSVAモード、IPSモード又はECBモード用液晶表示素子に用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一成分として一般式(I)で表される化合物
【化1】

(式中、R11及びR12は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、a11は0又は1を表し、A11及びA12は互いに独立して
【化2】

のいずれかを表す。A11が1,4−フェニレン基である場合、ベンゼン環上に存在する1個又は2個以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。A12が1,4−フェニレン基である場合、ベンゼン環上に存在する1個又は2個以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有し、
第二成分として一般式(II)で表される化合物
【化3】

(式中、R21及びR22は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、X21〜X26は互いに独立して、水素原子、フッ素原子、塩素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基を表す。)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有することを特徴とする、誘電率異方性が負である液晶組成物。
【請求項2】
第三成分として、一般式(III)で表される化合物
【化4】

(式中、R31及びR32は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、A31、A32及びA33は互いに独立して
【化5】

のいずれかを表し、Z31及びZ32は互いに独立して、単結合、−CHCH−、−C≡C−、−C=N−N=C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CFO−、−OCF−、−COO−又は−OCO−を表し、a31は0、1又は2を表し、A32が複数存在する場合は、それらは同一でもよく異なっていてもよく、Z32が複数存在する場合は、それらは同一でもよく異なっていてもよい。但し、前記一般式(II)で表される化合物は除く。)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有する請求項1に記載の誘電率異方性が負である液晶組成物。
【請求項3】
前記第一成分の含有量が2質量%から80質量%である請求項1又は2に記載の誘電率異方性が負である液晶組成物。
【請求項4】
前記第一成分として、前記一般式(I)で表される化合物から選ばれる2種類以上の化合物を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘電率異方性が負である液晶組成物。
【請求項5】
前記第二成分として、前記一般式(II)で表される化合物から選ばれる2種類以上の化合物を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘電率異方性が負である液晶組成物。
【請求項6】
前記第一成分及び前記第二成分の総量が10質量%から80質量%である請求項1〜5のいずれか1項に記載の誘電率異方性が負である液晶組成物。
【請求項7】
第四成分として、一般式(IV)で表される化合物
【化6】

(式中、R41及びR42は互いに独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基を表し、Z41及びZ42は互いに独立して、単結合、−CHCH−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−COO−又は−OCO−を表し、A41及びA42は互いに独立して、
【化7】

のいずれかを表し、a41は1、2又は3を表し、a42は0又は1を表す。A41が複数存在する場合には、それらは同一であっても、異なっていてもよく、Z41が複数存在する場合には、それらは同一であっても、異なっていてもよい。A41が1,4−フェニレン基である場合、ベンゼン環上に存在する1個又は2個以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。A42が1,4−フェニレン基である場合、ベンゼン環上に存在する1個又は2個以上の水素原子はハロゲンで置換されていてもよい。)から選ばれる少なくとも一種類の化合物を含有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の誘電率異方性が負である液晶組成物。
【請求項8】
ネマティック−アイソトロピック転移温度が70℃〜120℃、誘電率異方性が−1.5〜−8.0、複屈折率が0.080〜0.250である請求項1〜7のいずれか1項に記載の誘電率異方性が負である液晶組成物。
【請求項9】
光重合性モノマーを500〜5000ppm含有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の誘電率異方性が負である液晶組成物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の誘電率異方性が負である液晶組成物を用いたことを特徴とする液晶表示素子。
【請求項11】
プレチルト角が80°ないし90°である請求項10に記載の液晶表示素子。
【請求項12】
アクティブマトリクス駆動型である請求項10又は11に記載の液晶表示素子。
【請求項13】
パッシブマトリクス駆動型である請求項10又は11に記載の液晶表示素子。

【公開番号】特開2013−6978(P2013−6978A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141116(P2011−141116)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】