説明

調味料の製造方法

【課題】魚節類の風味を高力価に有し、保存安定性および分散性に優れた調味料粉末を提供する。
【解決手段】魚節類を抽出し、固液分離することなく湿式粉砕した後に均質化処理し、粉末化基材を添加して炭酸ガスを溶解させて加圧ノズル型噴霧機を用いて噴霧乾燥することにより、魚節類の風味が豊かであり口当たりがなめらかで水への分散性がよく、また粉立ちが少なく作業性に優れた魚節類エキス粉末が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の調味料に比べ、保存安定性に優れ、風味豊かな魚節類エキス粉末の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
魚節類に抽出処理を施し、だしを得る手法は古くから行われている。従来、だしの製造方法は、魚節類を薄く削るか、粉砕処理を施したものを抽出し、その風味や旨味成分を分離しているが、この方法ではその残渣に上記魚節頽の旨味成分が非常に多く残っており、資源として有効利用がなされていない。またそのほとんどが産業廃棄物として処理されている。
【0003】
風味力価を強化する目的で鰹節の微粉砕物を添加し、風味力価を向上させているものも見受けられるが、魚節を削った後長時間を経ていることに由来する酸化劣化臭が発現してしまう。また例えば特許文献1、2において、魚節類を液体調味料に添加して風味品質を向上させる技術が公開されているが、魚節類を液体に添加して長期間保存すると、酸化などによる劣化や沈殿などの問題が生じる。
【0004】
特許文献3では魚節を1mm以下に粉砕した後、40〜60℃で1〜8時間の酵素処理を施した後、熱水中で30〜120分の抽出処理を施し、処理後の液中の遊離アミノ酸とペプチド態アミノ酸の比率を1:1.3〜1.7としたスラリー液を乾燥する魚節粉末を提言しているが、抽出前に1mm以下に魚節を粉砕すると、粉砕時の熱による劣化や風味の散逸があり風味上好ましくない。
【0005】
また特許文献4では魚節原料を脱脂することで保存安定性を高めているが、脱脂工程時に魚節の持つ本来の旨味も取り除いてしまっており、魚節の持つ風味を十分に引き出しているとは言い難く、また固液分離しない液体状態では保存安定性が悪く、一般に流通させることは困難である。
【0006】
一般的な調味料類を噴霧乾燥すると、得られる乾燥物は平均粒子径がおよそ50μm前後の微粉末となるため、水に溶かすとき「ままこ」になって溶解しにくい。また、粉立ちがひどく作業性が悪いという問題点がある。従来、このような問題を解決するために、押出造粒や流動層造粒が行われている。しかしながら、このような造粒方法では造粒後の乾燥工程での加熱により、魚節原料本来の風味が減少するとともに、酸化されて品質が劣化し、香気も減少するという問題点を有している。
【0007】
また、特許文献5において噴霧乾燥する液に炭酸ガスを溶存させて加圧ノズル型噴霧機で噴霧乾燥することにより、優れた風味と流動性、混合性、溶解性、耐ケーキング性を有する粉末が得られることが開示されている。しかしながら、従来からある乾式粉砕した魚節粉末のように粒度が均一でない固形物が含まれる場合には、加圧ノズル型噴霧機で噴霧乾燥し、優れた風味と流動性、混合性、溶解性、耐ケーキング性を有する粉末を得ることは困難であった。
【特許文献1】特開2006−340724号公報
【特許文献2】特開平08−308526号公報
【特許文献3】特許第3855718号
【特許文献4】特開2001−197868号公報
【特許文献5】特公平05−10063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明では魚節類の風味を高力価に有し、保存安定性および分散性に優れた調味料粉末を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、抽出した魚節類を固液分離することなく湿式粉砕し、得られた固液懸濁液を噴霧乾燥することにより豊かな風味を有する魚節類エキス粉末が得られることを見出した。また、湿式粉砕後に均質化処理し、炭酸ガスを溶解させて加圧ノズル型噴霧機を用いて噴霧乾燥することにより、口当たりがなめらかで、水への分散性がよく、また粉立ちが少なく作業性に優れた魚節類エキス粉末が得られることを見出した。また粉末化基材を添加して噴霧乾燥することにより保存安定性に優れた魚節類エキス粉末が得られることを見出した。
【発明の効果】
【0010】
本発明品を使用すれば、豊かな風味を有する魚節類エキス粉末を提供することができる。また魚節類エキス粉末を製造する際に、抽出残渣がほとんど出ないため、産業廃棄物を大幅に削減することができ環境負荷を軽減することができる。またこの粉末を利用すれば出し殻も出ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明にて使用する魚節類は魚種について特に制限はなく、鰹節をはじめとし、宗田鰹節、鯖節、鰯節、鰺節、鮪節、これらの製造工程で出る副産物や抽出残渣、またはそれらの混合物が挙げられる。また、煮干しに代表されるような魚類の乾燥物でもよい。抽出に使用する節の形状は抽出装置に適した形に適宜加工すればよい。
【0013】
魚節類の抽出方法はバッチ式抽出、ニーダー抽出、加圧抽出などの一般的な抽出方法を用いることができる。また、各工程において必要に応じて酵素処理を行うことも可能である。使用する酵素には特に制限はなく、プロテアーゼ、リパーゼなどが利用可能であるが、中でもプロテアーゼが好適に利用される。抽出温度や時間は適宜選定することができる。
【0014】
魚節類の抽出に使用する溶媒については特に制限はないが、水性溶媒としては水道水、脱イオン水、蒸留水、脱酸素水等を用いることができる。またアルコールや酢酸などの有機溶媒を使用することが可能であり、またこれらを組み合わせて使用することもできる。必要に応じてpH調整を行うことや、抗酸化剤を添加することも可能である。
【0015】
抽出終了後の抽出液中の魚節類(従来抽出残渣として分離されていた部分)の粉砕方法については湿式粉砕が可能であれば特に制限はなく、マスコロイダー、回転円筒式ミル、振動ミル、遊星ミルなどが利用できる。また、粉砕しながら抽出することも可能である。
【0016】
均質化方法としては、高圧高速型の高圧ホモゲナイザー、高速回転型のコロイドミル、キャビテーション型の超音波ホモゲナイザーなどが利用できる。中でも高圧ホモゲナイザーが好適に利用され、処理圧力は5MPa以上が好ましい。5MPa未満では均質化が十分でないため口当たりのざらつきが十分には解消しない。また加圧ノズル型噴霧機を用いて噴霧乾燥する場合には、霧化状態が悪く安定生産が困難である。
【0017】
抽出液の乾燥方法は乾燥中の香気成分の損失が少ない噴霧乾燥法が好ましい。噴霧乾燥条件は、均質化処理を行った液に炭酸ガスを0.05w/w%以上2.5w/w%以下、好ましくは0.25w/w%以上2.5w/w%以下の範囲で溶解させ、加圧ノズル型噴霧機で噴霧乾燥すれば、水への分散性がよく、粉立ちが少なく作業性に優れた粉末を得ることができる。0.05w/w%未満では水への分散性が悪く、粉立ちがあり作業性の改善が十分ではなく、2.5w/w%より多いと噴霧乾燥時に粒子に割れが生じ、水への分散性が悪くなり、粉立ちがあり作業性が悪くなる。必要に応じて噴霧乾燥前に、公知の方法で濃縮や殺菌を行うことができる。
【0018】
噴霧乾燥時には粉末化基材は必要に応じて使用することができる。粉末化基材の種類は従来から使用されているものであれば特に制限はなく、例として、オリゴ糖、でんぷん、デキストリン、サイクロデキストリン、難消化性デキストリン、食物繊維、増粘多糖類、糖アルコールおよびそれらの分解物や化学修飾物などが挙げられる。また、これらの糖質とゼラチンなどを併用してもよい。
【0019】
粉末化基材の添加量については、魚節類由来固形分100部に対し、5部以上1000部以下が望ましい。5部未満では得られた粉末の保存安定性がよくない。1000部より多いと得られた粉末の風味が弱い。より好ましくは10部以上200部以下であり、風味力価が強く、保存安定性がよい。
【実施例】
【0020】
以下、試験例およびそれに基づく実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の試験例および実施例の内容により技術的範囲が限定されるものではない。
【試験例1】
【0021】
鰹節1000gに85℃の熱水3000gを加え、80℃で60分間抽出を行った。固液分離を行わず、マスコロイダー(品名:スーパーマスコロイダーMKZA10−15、増幸産業株式会社製)を用いて湿式粉砕を行い、固形分22.5%の湿式粉砕液4000gを得た。得られた固液懸濁液にデキストリン(商品名:サンデック#100、三和澱粉工業株式会社製)900gを添加して回転円盤型の噴霧機を用いて噴霧乾燥し、魚節エキス粉末を得た。
【試験例2】
【0022】
鰹節1000gに85℃の熱水3000gを加え、80℃で60分間抽出を行った。固液分離を行い、固形分5.7%の抽出液2600gを得た。得られた抽出液にデキストリン(商品名:サンデック#100、三和澱粉工業株式会社製)900gを添加して回転円盤型の噴霧機を用いて噴霧乾燥し、魚節エキス粉末を得た。
【0023】
試験例1、2で得られた粉末について、各々1gを100mlの温湯にて希釈し、その風味を10名のパネラーによって表1に示す評価基準に基づいて官能評価を行った。評価人数の多かった点数を評価点数とした。なお、評価人数が同数の場合は、その評価の中間点を評価点数として採用した。その結果を表2に示す。
【0024】
【表1】

【0025】
【表2】

【0026】
表2に示した通り、試験例1は固液分離を行っている試験例2と比較して魚節風味豊かな粉末であった。また、魚節原料を有効に使用しており、産業廃棄物がほとんど出なかった。
【試験例3】
【0027】
鰹節1000gに85℃の熱水3000gを加え、80℃で60分間抽出を行った。固液分離を行わず、マスコロイダー(品名:スーパーマスコロイダーMKZA10−15、増幸産業株式会社製)を用いて湿式粉砕した後、高圧ホモゲナイザー(品名:ホモジナイザーH31DH、三丸機械工業株式会社製)を用い、0、3、5、20、50、100MPaで均質化処理を行い、均質化処理液4000gを得た。得られた均質化処理液にデキストリン(サンデック#100、三和澱粉工業株式会社製)を900g添加して、加圧ノズル型噴霧機を用いて噴霧乾燥し、魚節エキス粉末を得た。
【0028】
試験例3における均質化処理時の処理圧力の違いによる加圧ノズル型噴霧機からの霧化状態を表3に示す。
【0029】
【表3】

【0030】
試験例3で得られた粉末について、各々1gを100mlの温湯にて希釈し、その風味を10名のパネラーによって前述の方法に従って評価した。また、口当たりのなめらかさを表4に示す評価基準に基づいて判定した。評価人数の多かった点数を評価点数とした。なお、評価人数が同数の場合は、その評価の中間点を評価点数として採用した。その結果を表5に示す。
【0031】
【表4】

【0032】
【表5】

【0033】
表3および5に示した通り、5MPa以上の圧力で均質化処理を行うことにより、噴霧乾燥時の霧化状態が良好であり、また口当たりがなめらかな粉末を得ることができた。処理圧力が3MPa未満では鰹節が十分に均質化されていないため、霧化状態が悪く、粉末回収率が悪かった。また口当たりのざらつきも残っていた。
【試験例4】
【0034】
鰹節1000gに85℃の熱水3000gを加え、80℃で60分間抽出を行った。固液分離を行わず、マスコロイダー(品名:スーパーマスコロイダーMKZA10−15、増幸産業株式会社製)を用いて湿式粉砕した後、高圧ホモゲナイザー(品名:ホモジナイザーH31DH、三丸機械工業株式会社製)を用い、20MPaで均質化処理を行い、4000gの均質化処理液を得た。得られた均質化処理液にデキストリン(商品名:サンデック#100、三和澱粉工業株式会社製)を900g添加した。この液に、炭酸ガスを0、0.05、0.1、0.2、0.25、0.5、1、2、2.5、3、5w/w%溶解して加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、魚節エキス粉末A〜Kを得た。
【試験例5】
【0035】
試験例4で炭酸ガスを溶解させずに得られた粉末Aを用い、押出造粒により造粒し魚節エキス粉末Lを得た。
【試験例6】
【0036】
試験例4で炭酸ガスを溶解させずに得られた粉末Aを用い、流動層造粒により造粒し魚節エキス粉末Mを得た。
【0037】
試験例4〜6で得られた粉末について、平均粒子径をロボットシフターRPS−85(株式会社セイシン企業製)を用いて測定した。
【0038】
試験例4〜6で得られた粉末各々1gを、撹拌子の回転数が200rpmで回転している5℃の冷水100mlに加え、完全に分散するまでの時間を測定して表6に示す評価基準に基づいて評価した。また、得られた粉末の粉立ちおよび作業性について、表7に示す評価基準に基づいて評価した。
【0039】
試験例4〜6で得られた粉末について、各々1gを100mlの温湯にて希釈し、その風味を10名のパネラーによって前述の方法に従って評価した。試験例4〜6で得られた粉末の平均粒子径、冷水への分散性、粉立ちおよび作業性、官能評価を表8に示す。
【0040】
【表6】

【0041】
【表7】

【0042】
【表8】

【0043】
表8に示した通り、加圧ノズル型噴霧機を用いて炭酸ガスを0.05w/w%以上2.5%以下、好ましくは0.25w/w%以上2.5w/w%以下で溶存させて噴霧乾燥したものは、鰹節の好ましい風味の粉末であり、冷水への分散性がよく、粉立ちが少なく作業性に優れた粉末であった。炭酸ガスを溶存させないと風味は良好であるものの、平均粒子径が小さく、冷水への分散性が悪く、粉立ちが多く作業性がよくなかった。2.5w/w%より多いと粒子に割れが生じ、冷水への分散性が悪く、粉立ちがあり作業性がよくなかった。押出造粒、流動層造粒を行った魚節エキス粉末LおよびMでは、魚節エキス粉末Aと比較して冷水への分散性、作業性は向上したものの、造粒工程での風味品質の劣化があり、よくなかった。
【試験例5】
【0044】
鰹節1000gに85℃の熱水3000gを加え、80℃で60分間抽出を行った。固液分離を行わず、マスコロイダー(品名:スーパーマスコロイダーMKZA10−15、増幸産業株式会社製)を用いて湿式粉砕した後、高圧ホモゲナイザー(品名:ホモジナイザーH31DH、三丸機械工業株式会社製)を用い、20MPaで均質化処理を行い、4000gの均質化処理液を得た。得られた均質化処理液にデキストリン(商品名:サンデック#100、三和澱粉工業株式会社製)を添加し、加圧ノズル型噴霧機を用いて噴霧乾燥し、魚節エキス粉末を得た。デキストリンの添加量は、均質化処理液の固形分100部に対し、0、1、2、5、10、50、100、200、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300部とした。
【0045】
試験例5で得られた粉末について、各々1gを100mlの温湯にて希釈し、その風味を10名のパネラーによって前述の方法に従って評価した。
【0046】
試験例5で得られた粉末をアルミラミネート袋(品名:ラミジップAL−F、株式会社生産日本社製)に入れ密封し、冷凍および40℃で2ヶ月間保存した。保存した粉末各々1gを100mlの温湯にて希釈し、冷凍品を基準とした40℃保存品の変化を10名のパネラーによって表9に示す評価基準に基づいて官能評価を行った。評価人数の多かった点数を評価点数とした。なお、評価人数が同数の場合は、その評価の中間点を評価点数として採用した。官能検査および保存テストの結果を表10に示す。
【0047】
【表9】

【0048】
【表10】

【0049】
表10に示した通り、均質化処理液固形分100部に対するデキストリン量は5部以上1000部以下がよかった。好ましくは均質化処理液固形分100部に対しデキストリン10部以上200部以下であり、風味力価が強く、保存安定性もよかった。デキストリン量が5部未満では香りの力価は強いものの、保存安定性面で劣っており、また、デキストリン量が1000部より多いと粉末中の魚節エキスおよび魚節微粉末量が少なく、香りの力価が弱い。
【実施例1】
【0050】
鰹節1000gに20w/w%のアルコール水3000gを加え常温で60分間抽出した。固液分離を行わず、マスコロイダー(品名:スーパーマスコロイダーMKZA10−15、増幸産業株式会社製)を用いて湿式粉砕した後、高圧ホモゲナイザー(ホモジナイザーH31DH、三丸機械工業株式会社製)を用い、50MPaで均質化処理を行った。デキストリン(商品名:サンデック#100、三和澱粉工業株式会社製)を900g添加し、炭酸ガスを1w/w%溶存させて加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、平均粒子径213μmの鰹節エキス粉末を得た。得られた粉末は良好な風味であり、保存安定性に優れていた。
【実施例2】
【0051】
鯖節1000gに50℃の熱水3000gを加え、プロテアーゼ(商品名:プロテアーゼN(アマノ)G、天野エンザイム株式会社製)を用いて60分間抽出した。酵素失活後、固液分離を行わず、マスコロイダー(品名:スーパーマスコロイダーMKZA10−15、増幸産業株式会社製)を用いて湿式粉砕した後、高圧ホモゲナイザー(品名:ホモジナイザーH31DH、三丸機械工業株式会社製)を用い、50MPaで均質化処理を行った。デキストリン(商品名:サンデック#100、三和澱粉工業株式会社製)を900g添加し、炭酸ガスを1w/w%溶存させて加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、平均粒子径256μmの鯖節エキス粉末を得た。得られた粉末は良好な風味であり、保存安定性に優れていた。
【実施例3】
【0052】
煮干し1000gに80℃の熱水3000gを加え60分間抽出した。抽出後、固液分離を行わず、マスコロイダー(品名:スーパーマスコロイダーMKZA10−15、増幸産業株式会社製)を用いて湿式粉砕した後、高圧ホモゲナイザー(品名:ホモジナイザーH31DH、三丸機械工業株式会社製)を用い、50MPaで均質化処理を行った。デキストリン(商品名:サンデック#100、三和澱粉工業株式会社製)を900g添加し、炭酸ガスを1w/w%溶存させて加圧ノズル型噴霧機を用い噴霧乾燥を行い、平均粒子径243μmの煮干しエキス粉末を得た。得られた粉末は良好な風味であり、保存安定性に優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚節類を抽出した後、固液分離することなく湿式粉砕した懸濁液を噴霧乾燥することを特徴とする魚節類エキス粉末の製造方法
【請求項2】
請求項1に記載の湿式粉砕後に均質化処理を行うことを特徴とする魚節類エキス粉末の製造方法
【請求項3】
請求項2に記載の均質化方法が処理圧力が5MPa以上での高圧ホモゲナイザー処理とし、得られた均質化処理液に炭酸ガスを0.05w/w%以上2.5w/w%以下、好ましくは0.25w/w%以上2.5w/w%以下の範囲で溶解した液を加圧ノズル型の噴霧乾燥機を用いて噴霧乾燥して得られる魚節類エキス粉末の製造方法
【請求項4】
請求項1に記載の噴霧乾燥時に添加される粉末化基材が魚節類由来固形分100部に対し、5部以上1000部以下であることを特徴とする魚節類エキス粉末の製造方法
【請求項5】
請求項1〜4に記載の製造方法で製造される魚節類エキス粉末