説明

調理器具用殺菌装置

【課題】使い勝手の良い調理器具用殺菌装置を提供する。
【解決手段】本発明の調理器具用殺菌装置は、設置部と上面カバーとともに、調理器具を収容する収容部を画定する中空状のハウジング部と、前記収容部を開閉可能にカバーする紫外線を透過しない透明板とを有する。二つの殺菌ランプ装置は収容部内に左右方向に離隔して配置され、調理器具はこれらの殺菌ランプ装置の間にさらされる。殺菌ランプ装置は紫外線を調理器具に対して照射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は殺菌装置に係り、特に調理器具用の殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
まな板やナイフ、スプーンやグラス、コップなど、台所で通常使用される調理器具を収容する調理器具ホルダーが市場で入手可能である。このような調理器具ホルダーには調理器具を殺菌するための紫外線ランプを設けることが可能である。
【0003】
図10を参照して、従来の調理器具ホルダーについて説明する。従来の調理器具ホルダー1は、ナイフを挿入して収容するための複数の溝110を頂面に有するブロック部11を備え、またこのブロック部11の底部に複数のボルト13で固定されるシート部12を備えている。シート部12内部には図示しない紫外線ランプが設けられ、ナイフの表面に紫外線を照射して殺菌を行う。ブロック部11の内部を清掃しようとするときや、紫外線ランプを交換しようとするときは、ボルト13を外す必要があり、この分解作業に手間がかかっていた。その上、溝110の幅は比較的狭く、溝110を清掃するには特別な工具を使用する必要があるため、ブロック部11の内部は清掃しづらいという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾実用新案登録第M154831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の調理器具用殺菌装置には、上述したような清掃や部材交換の際に使い勝手が悪いという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、使い勝手の良い調理器具用殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ハウジング機構として、設置面上に設置するための設置部と、前記設置部の上面に設けられる中空状のハウジング部と、前記ハウジング部の上端に設けられ、前記ハウジング部と前記設置部とともに前方に開口部を有する収容部を画定する上面カバーであって、調理器具を前記収容部に挿入するための少なくとも一つの貫通した調理器具受容口を有する上面カバーと、前記ハウジング部に着脱可能に設けられ、前記収容部の前面を開閉可能にカバーする透明板であって、前記透明板は前記ハウジング部から上方に向けて取り外すことが可能であり、紫外線を通さない材質で製造された透明板と、前記上面カバーに着脱可能に接続し、前記透明版が前記ハウジング部の上方へ外れることを防ぐため、前記透明板の上端部に当接する位置決めカバーであって、前記位置決めカバーは前記調理器具の一つを前記収容部に挿入するため、前記上面カバーの前記調理器具受容口と対応した位置に貫通して設けられた器具受容口を有する位置決めカバーとを有するハウジング機構と、前記収容部の相対する内側面部にそれぞれ設けられる二つの殺菌ランプ装置であって、当該殺菌ランプ装置からの紫外線が前記調理器具に照射されるために、前記調理器具が当該殺菌ランプ装置の間にさらされるよう、左右方向に離隔して配された二つの殺菌ランプ装置と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記上面カバーと前記位置決めカバーが複数の調理器具を前記収容部に挿入するため、それぞれ複数の器具受容口を有していることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記上面カバー及び前記位置決めカバーにそれぞれ設けられた器具受容口が階段形状に設けられ、互いに接続しながら左右方向にそれぞれ延びる複数の長孔であって、これらの複数の長孔のうち隣接する二つの長孔は互いに部分的にずれて左右方向に設けられている複数の長孔を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記ハウジング部が、左右方向に離隔して配された二つの直立した側壁を有し、前記二つの側壁がそれぞれ、前記透明板の両側面をそれぞれ移動可能に受容するため垂直方向に並行して設けられたスロットを備え、この二本のスロットが前記ハウジング部から前記透明板を上方向へ抜き取り可能とするために上部に開放端を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記側壁がU字型の断面を有し、前記側壁によって定められる空間が互いに向かい合うように前記二つの側壁が配され、当該空間に前記殺菌ランプ装置が設けられ、前記殺菌ランプ装置が、上下に配置された二つの電極ユニットと、前記二つの電極ユニットに電気的に接続され、紫外線を生成する蛍光管と、前記蛍光管に近接して、前記蛍光管ともう一つの前記殺菌ランプ装置との間に設けられる環状の支持部と、前記支持部の前記蛍光管から離れた側の面に取り外し可能に設けられる防護ネットを有し、前記各殺菌ランプ装置の環状の支持部が、当該殺菌ランプ装置に対応する蛍光管を取り付け可能な大きさに設けられた中央開口部を有し、当該中央開口部が対応する殺菌ランプ装置の前記防護ネットにより覆われることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記支持部が縦方向に並んだ複数の保持孔を少なくとも一列有し、前記防護ネットが前記支持部の前記複数の保持孔のそれぞれに対応して縦に並んだ位置決めフックを少なくとも一列有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記防護ネットの前記各位置決めフックがL字型をしており、対応する保持孔を通じて前記支持部内に延びる水平フック部分と、前記水平フック部分の端部から下方に延び、前記支持部の対応する前記保持孔への挿抜を可能とするよう前記支持部の対応する前記保持孔の縦の長さよりも短い垂直フック部分とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、更に、制御装置であって前記ハウジング部から外部に向けて設けられた表示装置と、前記ハウジング部内に設けられ、前記表示装置と前記電極ユニットに電気的に接続されたコントローラーと、前記ハウジング部から外部に向けて設けられ、前記コントローラーと電気的に接続された複数の制御キーとを有する制御装置を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記設置部が前記設置面と当接する底面を有し、前記制御装置が更に、前記設置部に設けられた前記底面から下方に突出したリレー装置を有し、前記ハウジング部が倒れて前記リレー装置が前記設置面と離れた場合に、前記リレー装置が前記コントローラーを活性化して前記殺菌ランプ装置の電源を切断させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、ハウジング機構として、設置部と、前記設置部の上面に設けられる中空状のハウジング部と、前記ハウジング部の上端に固定され、前記設置部と前記ハウジング部とともに収容部を画定する位置決めカバーであって、当該位置決めカバーを貫通して前記収容部とつながる孔を有する位置決めカバーと、前記位置決めカバー上に回転可能かつ前記位置決めカバーの上方へと取り外し可能に設けられ、前記位置決めカバー上にあるときは前記位置決めカバーの前記孔をカバーするように設けられる上面カバーと、前記ハウジング部に回動可能に設けられ、前記収容部の前面を開閉可能にカバーする少なくとも一つの透明板とを有するハウジング機構と、前記収容部内に設けられ、縦方向に延び、その上端が前記上面カバーに接続されるシャフトと、前記シャフトに接続され、それぞれ調理器具をぶら下げるための複数のハンガーを備えたハンガー部と、前記収容部の相対する内側面部にそれぞれ設けられる二つの殺菌ランプ装置であって、当該殺菌ランプ装置からの紫外線が前記調理器具に照射されるために、前記調理器具が当該殺菌ランプ装置の間にさらされるよう、左右方向に離隔して配された二つの殺菌ランプ装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、使い勝手の良い調理器具用殺菌装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる調理器具用殺菌装置の第一の実施形態を示す概略図である。
【図2】第一の実施形態の調理器具用殺菌装置において複数のナイフが位置決めカバーの器具受容口に挿入された状態を示す前面図である。
【図3】第一の実施形態の調理器具用殺菌装置の部分分解図である。
【図4】第一の実施形態の調理器具用殺菌装置の部分分解斜視図である。
【図5】第一の実施形態の調理器具用殺菌装置の部分分解図である。
【図6】第一の実施形態の調理器具用殺菌装置の部分底面斜視図である。
【図7】本発明にかかる調理器具用殺菌装置の第二の実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明にかかる調理器具用殺菌装置の第三の実施形態を示す前面図である。
【図9】第三の実施形態の調理器具用殺菌装置の変形透明板の開き方を示す上面図である。
【図10】従来のブロック部を有する調理器具ホルダーを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、各図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、同一構成及び機能を有する構成要素については、同一番号を付してその説明を省略する。図1及び図2に本発明の第一の実施形態の調理器具用殺菌装置を示す。本実施形態の調理器具用殺菌装置は複数のナイフ200を収納することができる。さらに、図3から図6を参照して、本実施形態の調理器具用殺菌装置について以下の通り説明する。
【0020】
この調理器具用殺菌装置は、ハウジング機構4、二つの殺菌ランプ装置5、ハウジング機構4の中に設けられ殺菌ランプ装置5に電気的に接続した制御装置6を有している。
ハウジング機構4は、設置面A上に設置するために左右方向(以下、図1中のB方向を指す)に延び、設置面Aと当接する底面を有する細長い設置部41と、この設置部の上面に設けられる中空状のハウジング部42と、ハウジング部42の上端に固定される上面カバー43と、ハウジング部42上で設置部41と上面カバー43との間に着脱可能に設けられる透明板44と、上面カバー43に取り外し可能に設けられ、透明板44のハウジング部42に対するずれを抑制する位置決めカバー46とを有する。
【0021】
設置部41の上面には左右方向に延びた細長い水受け溝411を備え、この水受け溝411とつながった排水口412が設けられて、水が設置部41から排出されるようになっている。
【0022】
ハウジング部42は、左右方向に離隔して配された二つの側壁421を有し、設置部41の上面に固定され、直立した後壁422がこれら二つの側壁421の後側をつないでいる。側壁421は、それぞれ水受け溝411の左右両側に設けられ、その断面はU字型で、図3中の空間421’を画定している。この二つの側壁421がそれぞれ画定している空間421’は、互いに向き合っており、殺菌ランプ装置5をそれぞれの中に収容することができる。側壁421の前面にはそれぞれ、透明板44の両側面をそれぞれ移動可能に受容するため垂直方向に並行して設けられたスロット423(図4にはこのうちの片方が示されている)を備え、この二本のスロット423はハウジング部42から透明板44を上方向へ抜き取り可能とするために上部に開放端を有している。
【0023】
上面カバー43はハウジング部42と設置部41とともに前方に開口部を有する収容部430を画定する。透明板44は収容部430の前面に設けられ、収容部430をカバーするようになっており、殺菌ランプ装置5はそれぞれこの収容部430の左右に配置されている。また、二つの調理器具受容口431が上面カバー43を貫通して設けられている。この調理器具受容口431はそれぞれ、複数の長孔432が接続された形をしている。隣接する二つの長孔432は左右方向に互いに部分的にずれて設けられている。上から見た場合、階段状の形状を有している。
【0024】
透明板44は、紫外線を透過しない材質で製造されている。透明板44を用いることで、ナイフ200や殺菌ランプ装置5の動作状況を透明板44の外から視認することができる。本実施形態において、透明板44の材質はガラスである。
【0025】
図5に示すように、ハウジング部42に上面カバー43を組み合わせるため、上面カバー43の前側及び後側のすぐ下にそれぞれ、水平に前スライドスロット部40Fと後スライドスロット部40Rが形成されている。
【0026】
図1、図3、図5を参照して、位置決めカバー46について以下の通り説明する。位置決めカバー46は上面カバー43の上面に当接する上面部46Aと、この上面部46Aの前側および後側からそれぞれ下方へと延びて上面カバー43の側面に当接する二つの側壁46Bと、側壁46Bの下端からそれぞれ延び、上述した前スライドスロット部40Fと後スライドスロット部40Rにそれぞれ嵌入する一組の前スライド板と後スライド板46Cを有している。前スライド板46Cは、透明板44の上端に当接して、透明板44がハウジング部42の上方へ外れることを防いでいる。上面部46Aは、上面カバー43に設けられた器具受容口431に対応して同様に二つの器具受容口461を有している。すなわち、器具受容口461はそれぞれ複数の長孔462を有している。なお、位置決めカバー46は上面カバー43に対して、いかなる道具を使用することもなく容易に着脱が可能であり、使い勝手が良いということに留意すべきである。図5に示すように、上面カバー43の前端は透明板44の後ろ側にあるため、位置決めカバー46が上面カバー43から外されたとき、透明板44はハウジング部42から垂直方向に上へと抜き取ることが可能となっている。
【0027】
殺菌ランプ装置5は、紫外線を発生させてナイフ200の表面に照射するために用いられる。ナイフ200は殺菌ランプ装置5の間に配置されるため、ナイフ200に対しては、比較的、均一強度の紫外線照射を行うことができる。
【0028】
殺菌ランプ装置5はそれぞれ、側壁421に上下に配置された二つの電極ユニット51と、この二つの電極ユニット51の間に電気的に、取り外し可能に接続され、制御装置6により紫外線を発生するように駆動される蛍光管52と、この蛍光管52に近接して、この蛍光管52ともう一つの殺菌ランプ装置5との間に設けられる環状の支持部53と、この支持部53の蛍光管52から離れた側の面に取り外し可能に設けられる防護ネット54を有している。この支持部53は、蛍光管52を取り付け可能な大きさに設けられた中央開口部530を有し、この中央開口部530は防護ネット54により覆われている。支持部53は縦方向に並んだ保持孔532を二列有している。防護ネット54は縦方向に二列に並んだ位置決めフック541を有し、これらはそれぞれ支持部53に設けられた保持孔532に掛けられるようになっている。これにより、ナイフ200と蛍光管52の接触を防ぐことができる。図4に示すように、本実施形態においては、位置決めフック541はそれぞれL字型をしており、対応する保持孔532を通じて延びる水平フック部分541Aと、水平フック部分541Aの端部から下方に延び、対応する保持孔532への挿抜を可能とするように対応する保持孔532の縦の長さよりも短い垂直フック部分541Bとを有する。このようにすると、防護ネット54を支持部53に対して簡単に着脱することができて便利である。
【0029】
図1、図2、図6を参照して、制御装置6について以下の通り説明する。制御装置6は、上面カバー43の上面端部に設けられた表示装置61と、設置部41内に設けられ表示装置61と殺菌ランプ装置5の電極ユニット51と電気的に接続するコントローラー62と、上面カバー43の表示装置61付近の表面に設けられ、コントローラー62と電気的に接続する複数の制御キー63と、設置部41に設けられ、設置部41の底面から下方に突出したリレー装置64を有している。
【0030】
制御キー63の操作によってコントローラー62に殺菌ランプ装置5の電源のオン・オフを制御させることができ、また、殺菌ランプ装置5の消灯までの時間(例えば、30分、1時間、2時間など)を設定することができる。表示装置61とコントローラー62とが電気的に接続されていることにより、表示装置61は例えば殺菌ランプ装置5がオン状態にあるのかオフ状態にあるのか、また殺菌ランプ装置5の消灯までの時間に関する情報などを提供することができる。
【0031】
リレー装置64はスイッチの役割を果たす。例えば、設置面Aによってリレー装置64が押されたとき、リレー装置64は対応する信号をコントローラー62に発して、コントローラー62の制御の下、殺菌ランプ装置5の電源を入れるようにする。ハウジング機構4が倒れて、リレー装置が設置面Aから離れた場合、リレー装置64は対応する信号をコントローラー62に発して、コントローラー62の制御の下、殺菌ランプ装置5の電源を切るようにする。このようにして、収容部430内に残った水と殺菌ランプ装置5との接触を防ぐことができ、この殺菌装置の使用中の安全性が向上する。
【0032】
ナイフ200は長孔432、462に挿入される。これらの長孔432、462は互いに接続しながら延びる複数の長孔からなる器具受容口431、461のそれぞれ一部である。これらの長孔432、462のうち隣接するものが互いに部分的にずれて設けられているため、各ナイフ200のいずれの部位も、少なくとも一つの殺菌ランプ装置5からの紫外線照射の対象となり、殺菌効率が大幅に向上する。
【0033】
ハウジング機構4の内部を清掃したいときや、蛍光管52を交換したいときも、まず位置決めカバー46を上面カバー43から取り外す。そして透明板44をハウジング部42から上方向へ抜き取り、清掃や交換を行えるようにする。このように、収容部430を開放するために特別な工具を使う必要がない。交換を行う際、防護ネット54は、上に持ち上げた後、支持部53から離れる方向に水平に動かすことで取り外すことができる。一旦、防護ネット54を収容部430から取り外せば、蛍光管52の交換も簡単に行うことができる。
【0034】
さらに、透明板44を用いているため、ナイフ200を視認することができる。これにより、ユーザは所望のナイフ200をハウジング機構4からすばやく取り出すことができる。
【0035】
本実施形態において、設置部41を設けたため、殺菌装置をテーブルの上に置くこともできる。このほかに、設置部41を後壁422に設けられる吊り下げ用具(図示せず)と置き換えて、殺菌装置を壁面に吊り下げるようにすることも可能である。この場合、リレー装置64は役にたたないため、省略することができる。
【0036】
図7を参照して本発明にかかる調理器具用殺菌装置の第二の実施形態を以下の通り説明する。この第二の実施形態は、第一の実施形態とは、上面カバー43と位置決めカバー46の器具受容口431、461の形状や数が異なっている。
【0037】
本実施形態において、上面カバー43と位置決めカバー46はそれぞれ三本の直線状の器具受容口431、461を並行させており、三枚のまな板300(図7には一枚だけ示す)をそれぞれ器具受容口431、461に挿入することができる。
【0038】
図8および図9を参照して本発明にかかる調理器具用殺菌装置の第三の実施形態を以下の通り説明する。この第三の実施形態は、第一の実施形態とは、ハウジング機構4が異なり、またさらにハンガー部7を有している。
【0039】
第一の実施形態と異なり、本実施形態においてはハウジング機構4の各側壁421は垂直方向のスロットを有していない。一方で本実施形態は二枚の変形透明板44’を有しており、これらはそれぞれ側壁421の前面部に回動可能に設けられ、協働して収容部430の前面を開閉可能にカバーする。この変形透明板44’はそれぞれ回動して収容部430の前面を開放することができ、収容部430に物を出し入れすることができる。
【0040】
位置決めカバー46は楕円形の断面を有する環形の部材である。本実施形態において、位置決めカバー46はハウジング部42の上端に固定されており、ハウジング部42や設置部41とともに収容部430を画定する。この位置決めカバー46の中央部を貫通するように、収容部430へと通じる円形孔461が設けられている。位置決めカバー46上の円形孔461を覆うように上面カバー43が回転可能に設けられており、この上面カバー43は位置決めカバー46の上方へと取り外しが可能である。
【0041】
ハンガー部7は、収容部430内に設けられ、縦方向に延び、その上端が上面カバー43に接続されるシャフト71と、このシャフト71に接続され、それぞれ調理器具をぶら下げるための複数のハンガー72を備えている。また、上面カバー43はシャフト71やハンガー72とともに回転可能である。制御装置6の表示装置61と制御キー62は位置決めカバー46の上面に設けられている。
【0042】
殺菌ランプ装置(図示せず)の維持・補修の際に、上面カバー43を位置決めカバー46から分離して、ハンガー部7を収容部430から取り外すことや、変形透明板44’を互いに回動して開放させることができる。また、いずれかの調理器具を収容部430から取り出したいときは、変形透明板44’を開くだけでよい。
【0043】
以上述べてきたように、本発明の実施形態には以下のような特徴があり、使い勝手が良い。
【0044】
第一に、透明板44や変形透明板44’を何の道具も使わずに開くことができ、ハウジング機構4の内部を清掃したり、殺菌ランプ装置5の蛍光管52の取替えが容易である。第二に、調理器具は二つの殺菌ランプ装置5の間に配置されるため、比較的、均一強度の紫外線照射を行うことができる。第三に、調理器具が収容部430内で互いにずれて左右方向に配置されるため、いずれの調理器具の表面にも満遍なく紫外線を照射することができる。第四に、紫外線が収容部430から漏れることを透明板44または変形透明板44’によって防ぐことができる。第五に、防護ネット54によって、調理器具と蛍光管52との接触を防ぐことができる。
【0045】
本発明について以上の通り説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、すべての修正や同様の形態を包含するように、最も広い解釈の精神と範囲内の様々な形態を含んでいると理解すべきものである。
【符号の説明】
【0046】
4 ハウジング機構
40F 前スライドスロット部
40R 後スライドスロット部
41 設置部
411 水受け溝
412 排水口
42 ハウジング部
421 側壁
421’空間
422 後壁
423 スロット
43 上面カバー
430 収容部
431、461 調理器具受容口
432、462 長孔
44 透明板
44’変形透明板
46 位置決めカバー
46A 上面部
46B 側壁
46C 前スライド板および後ろスライド板
5 殺菌ランプ装置
51 電極ユニット
52 蛍光管
53 支持部
530 中央開口部
532 保持孔
54 防護ネット
541 フック
541A 水平フック部分
541B 垂直フック部分
6 制御装置
61 表示装置
62 コントローラー
63 制御キー
64 リレー装置
7 ハンガー部
71 シャフト
72 ハンガー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング機構として、
設置面上に設置するための設置部と、
前記設置部の上面に設けられる中空状のハウジング部と、
前記ハウジング部の上端に設けられ、前記ハウジング部と前記設置部とともに前方に開口部を有する収容部を画定する上面カバーであって、調理器具を前記収容部に挿入するための少なくとも一つの貫通した調理器具受容口を有する上面カバーと、
前記ハウジング部に着脱可能に設けられ、前記収容部の前面を開閉可能にカバーする透明板であって、前記透明板は前記ハウジング部から上方に向けて取り外すことが可能であり、紫外線を通さない材質で製造された透明板と、
前記上面カバーに着脱可能に接続し、前記透明版が前記ハウジング部の上方へ外れることを防ぐため、前記透明板の上端部に当接する位置決めカバーであって、前記位置決めカバーは前記調理器具の一つを前記収容部に挿入するため、前記上面カバーの前記調理器具受容口と対応した位置に貫通して設けられた器具受容口を有する位置決めカバーとを有するハウジング機構と、
前記収容部の相対する内側面部にそれぞれ設けられる二つの殺菌ランプ装置であって、当該殺菌ランプ装置からの紫外線が前記調理器具に照射されるために、前記調理器具が当該殺菌ランプ装置の間にさらされるよう、左右方向に離隔して配された二つの殺菌ランプ装置と、
を備えたことを特徴とする調理器具用殺菌装置。
【請求項2】
前記上面カバーと前記位置決めカバーは複数の調理器具を前記収容部に挿入するため、それぞれ複数の器具受容口を有していることを特徴とする請求項1記載の調理器具用殺菌装置。
【請求項3】
前記上面カバー及び前記位置決めカバーにそれぞれ設けられた器具受容口は階段形状に設けられ、互いに接続しながら左右方向にそれぞれ延びる複数の長孔であって、これらの複数の長孔のうち隣接する二つの長孔は互いに部分的にずれて左右方向に設けられている複数の長孔を有することを特徴とする請求項1記載の調理器具用殺菌装置。
【請求項4】
前記ハウジング部は、左右方向に離隔して配された二つの直立した側壁を有し、前記二つの側壁はそれぞれ、前記透明板の両側面をそれぞれ移動可能に受容するため垂直方向に並行して設けられたスロットを備え、前記二本のスロットは前記ハウジング部から前記透明板を上方向へ抜き取り可能とするために上部に開放端を有することを特徴とする請求項1記載の調理器具用殺菌装置。
【請求項5】
前記側壁はU字型の断面を有し、前記側壁によって定められる空間が互いに向かい合うように前記二つの側壁が配され、当該空間に前記殺菌ランプ装置が設けられ、前記殺菌ランプ装置は、
上下に配置された二つの電極ユニットと、
前記二つの電極ユニットに電気的に接続され、紫外線を生成する蛍光管と、
前記蛍光管に近接して、前記蛍光管ともう一つの前記殺菌ランプ装置との間に設けられる環状の支持部と、
前記支持部の前記蛍光管から離れた側の面に取り外し可能に設けられる防護ネットを有し、
前記各殺菌ランプ装置の環状の支持部は、当該殺菌ランプ装置に対応する蛍光管を取り付け可能な大きさに設けられた中央開口部を有し、当該中央開口部は対応する殺菌ランプ装置の前記防護ネットにより覆われることを特徴とする請求項4記載の調理器具用殺菌装置。
【請求項6】
前記支持部は縦方向に並んだ複数の保持孔を少なくとも一列有し、前記防護ネットは前記支持部の前記複数の保持孔のそれぞれに対応して縦に並んだ位置決めフックを少なくとも一列有することを特徴とする請求項5記載の調理器具用殺菌装置。
【請求項7】
前記防護ネットの前記各位置決めフックはL字型をしており、対応する保持孔を通じて前記支持部内に延びる水平フック部分と、前記水平フック部分の端部から下方に伸び、前記支持部の対応する前記保持孔への挿抜を可能とするよう前記支持部の対応する前記保持孔の縦の長さよりも短い垂直フック部分とを備えたことを特徴とする請求項6記載の調理器具用殺菌装置。
【請求項8】
前記調理器具用殺菌装置は更に、
制御装置であって、
前記ハウジング部から外部に向けて設けられた表示装置と、
前記ハウジング部内に設けられ、前記表示装置と前記電極ユニットに電気的に接続されたコントローラーと、
前記ハウジング部から外部に向けて設けられ、前記コントローラーと電気的に接続された複数の制御キーとを有する制御装置を備えたことを特徴とする請求項5記載の調理器具用殺菌装置。
【請求項9】
前記設置部は前記設置面と当接する底面を有し、前記制御装置は更に、前記設置部に設けられた前記底面から下方に突出したリレー装置を有し、前記ハウジング部が倒れて前記リレー装置が前記設置面と離れた場合に、前記リレー装置は前記コントローラーを活性化して前記殺菌ランプ装置の電源を切断させることを特徴とする請求項8記載の調理器具用殺菌装置。
【請求項10】
ハウジング機構として、
設置部と、
前記設置部の上面に設けられる中空状のハウジング部と、
前記ハウジング部の上端に固定され、前記設置部と前記ハウジング部とともに収容部を画定する位置決めカバーであって、当該位置決めカバーを貫通して前記収容部とつながる孔を有する位置決めカバーと、
前記位置決めカバー上に回転可能かつ前記位置決めカバーの上方へと取り外し可能に設けられ、前記位置決めカバー上にあるときは前記位置決めカバーの前記孔をカバーするように設けられる上面カバーと、
前記ハウジング部に回動可能に設けられ、前記収容部の前面を開閉可能にカバーする少なくとも一つの透明板とを有するハウジング機構と、
前記収容部内に設けられ、縦方向に延び、その上端が前記上面カバーに接続されるシャフトと、前記シャフトに接続され、それぞれ調理器具をぶら下げるための複数のハンガーを備えたハンガー部と、
前記収容部の相対する内側面部にそれぞれ設けられる二つの殺菌ランプ装置であって、当該殺菌ランプ装置からの紫外線が前記調理器具に照射されるために、前記調理器具が当該殺菌ランプ装置の間にさらされるよう、左右方向に離隔して配された二つの殺菌ランプ装置と、
を備えたことを特徴とする調理器具用殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−136159(P2011−136159A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−269199(P2010−269199)
【出願日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(510318561)
【Fターム(参考)】