説明

警告状態解除システムおよび警告状態解除方法

【課題】デビット端末機による警告状態に対する点検/修理結果を、解除連絡として効率良く伝達できるうえ、対象となるデビット端末機による警告状態の解錠を正確且つ迅速に実行できる警告状態解除システムおよび警告状態解除方法を提供する。
【解決手段】情報処理センタ600は、警告状態のデビット端末機300による点検/修理を保守会社Aの保守員に対して依頼する報知連絡時に、情報処理センタ600から保守員に送信された点検/修理依頼通知に含まれる特定情報と、保守員から解除連絡時に返信された点検/修理依頼通知に含まれる特定情報とが一致した場合、対象となるデビット端末機300の警告状態を自動的に解除する警告状態報知/解除装置500を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、デビット決済システムにおける警告状態の解除システムに関し、特にデビット端末機で発生した警告状態を保守会社が点検/修理した後に、解除処理を効率良く且つ、正確に実行することができるデビット決済システムにおける警告状態解除システムおよび警告状態解除方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、遊技店内にデビット決済用のデビット端末機を設置し、デビットカード(銀行や郵便貯金のキャッシュカード)を用いる決済により、このデビット端末機に並設されたカード発行機を使用して遊技客の希望金額分のプリペイドカードを購入することができるデビット決済による遊技媒体貸出システムが実用化されている。
【0003】
この種の遊技媒体貸出システムによると、デビット端末機でデビット決済を利用した遊技客の口座から、購入したプリペイドカードの有価価値分の引き落としをおこない、このデビット決済により購入したプリペイドカードを使用して遊技媒体(パチンコ玉やメダルなど)を借り受けて遊技をおこなうことができる(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ここで、このようなデビット決済による遊技媒体貸出システム(デビットカードシステム)においては、デビット端末機300(図3)の利用時にキャッシュカードを取り扱うため、暗証番号をキー入力する入力部に覗き見防止板を設けたり、暗証番号を入力する操作入力部360と、キャッシュカードの識別IDを読み取るデビットカード処理部390(図4)と、デビット端末機300全体の制御をおこなうデビット制御部340(図4)とを筺体の内部に一体化(ブラックボックス)とするセキュリティ対策が施されている(以下、本明細書中では、このように一体化されたデビットカード処理部390とデビット制御部340とを含めて制御ユニット310と称する)。
【0005】
また、デビット端末機300に取り付けられている制御ユニット310(図4)が取り外されたことが検知された場合には(制御ユニット310の着脱検知)、デビット端末機300がエラーダウンとなり、このデビット端末機300のエラーダウンに気付いた遊技店が、情報処理センタ600に対して、異常を知らせるようにしており、さらに情報処理センタ600は、デビット端末機300の保守や修理を実施する保守会社に対して、該当するデビット端末機300の状況確認や修理の依頼を電話連絡などにより報知するようにしている。
【0006】
また、保守会社は情報処理センタ600からデビット端末機300の状況確認や修理を依頼された場合には、保守員が状況確認の対象となるデビット端末機300を備えた遊技ホールに赴き、点検や修理をおこなうものとなる。以下、保守員から直接、情報処理センタ600に電話やFAXなどにより状況確認や修理の完了報告がおこなわれ、情報処理センタ600では、保守会社から状況確認や修理の完了報告を受けたときに、該当するデビット端末機300による警告状態の解除をおこなうようにしている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−16497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、上述した従来のデビット決済における警告状態の解除システムの場合、以下に示すような問題がある。すなわち、前述したように、従来の警告状態の解除システムにおいては、遊技店が、デビット端末機300の異常を発見した場合、情報処理センタ600に対して、デビット端末機300の異常(エラーダウン)を電話連絡などで知らせるようにしており、さらに情報処理センタ600は、保守会社に対して、デビット端末機300の状況確認や修理依頼を電話連絡などにより報知するようにしているため、デビット端末機300の異常状態が解消した後でも、復旧指示が煩雑なものとなるという問題がある。
【0009】
また、デビット端末機300の点検/修理を実施した保守員から直接、情報処理センタ600に対して、電話連絡やFAXなどによる点検/修理の完了報告がおこなわれているが、この保守員からの完了連絡が正確におこなわれない場合には、デビット端末装置300の点検/修理が完了した状態であっても、警告状態の解除が遅れるという問題がある。
【0010】
具体的に説明すると、情報処理センタ600では、警告状態の解除がおこなわれたデビット端末装置300の端末ID(機番)や遊技店コード(遊技店の名称)などの情報を、保守会社Aの保守員から正確に取得する必要があるが、上述したように、保守員からの完了報告は、電話連絡やFAXによりおこなわれるため、これら遊技店コードやデビット端末機300の端末IDを確認するのに手間がかかるうえ、保守員から正確な情報が伝達されない場合、警告状態を解除できなくなるという問題がある。
【0011】
さらに、情報処理センタ600では、保守員からの完了連絡を受けて対応するために、多くの人員を長時間(例えば、24時間)にわたり待機させておく必要があり、この結果、人件費などが嵩む原因となるという問題がある。
【0012】
そこで、この発明は、上述した従来技術による問題点を解決するためになされたものであり、情報処理センタから保守会社に対して依頼されるデビット端末機の点検/修理を実施した際に、このデビット端末機による警告状態の解除を正確、且つ効率良く実行することができるデビット決済システムにおける警告状態解除システムおよび警告状態解除方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、デビットカードによるデビット処理をおこなうデビット端末機と、デビット決済をおこなうとともに、前記デビット端末機による警告状態の発生時に、当該警告状態に対する警告解除指示通知を外部の報知先に対して依頼する情報処理センタとを備えるデビット決済システムにおける警告状態解除システムにおいて、前記情報処理センタは、前記外部の報知先に対して、前記警告解除指示通知に個別の特定情報を含ませて報知する送信手段と、前記警告解除指示通知が、前記外部の連絡先から返信された場合に、当該警告解除指示通知を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された特定情報の識別をおこなう特定情報識別手段と、前記送信手段により送信された警告解除指示通知に含まれる特定情報と、前記受信手段により受信された警告解除指示通知に含まれる特定情報との照合をおこなう特定情報照合手段と、前記特定情報照合手段による特定情報の照合結果に基づいて、前記デビット端末機に対する警告状態の解除をおこなう警告状態解除部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記点検/修理機関は、前記情報処理センタに対して、前記解除依頼通知により通知されたデビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を解除連絡結果として、前記解除依頼通知に含ませて返信する返信手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記情報処理センタは、前記点検/修理機関により返信される解除依頼通知に含まれる解除連絡結果を読み取るとともに、前記デビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を判定する返信情報判定手段をさらに備え、前記警告状態解除手段は、前記返信情報判定手段による点検/修理完了の判定時に、前記デビット端末機による警告状態の解除をおこなうことを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1、2または3に記載の発明において、前記特定情報は、ファクシミリ装置から出力されるとともに、ファクシミリ用紙に印字される整理番号であって、前記特定情報識別部は、前記整理番号を読み取るための光学式読取機能を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記整理番号(特定情報)は、バーコードであって、前記特定情報識別部は、前記バーコードによる識別データを読み取るためのバーコード読取機能を備えることを特徴とする。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1、2または3に記載の発明において、前記特定情報は、電話連絡に使用する暗証番号であって、前記特定情報識別部は、前記暗証番号を識別するための暗証番号識別機能を備えることを特徴とする。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1、2または3に記載の発明において、前記特定情報は、電子メール送信に使用する報知用の識別情報であって、前記特定情報識別部は、前記識別情報を読み取るための識別情報読取機能を備えることを特徴とする。
【0020】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一つに記載の発明において、前記情報処理センタは、前記点検/修理の対象となるデビット端末機の端末番号に対応した、デビット端末機による警告状態の発生日時と、情報処理センタから外部の報知先に対する報知連絡時の送信手段と、警告状態の解除日時と、前記外部の連絡先から情報処理センタに対する解除連絡時の返信手段とのいずれかを記憶する警告状態データベースを備えることを特徴とする。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、デビットカードによるデビット処理をおこなうデビット端末機と、デビット決済をおこなうとともに、前記デビット端末機による警告状態の発生時に、当該警告状態を解除する依頼を解除依頼通知として、外部の報知先(保守修理機関)に送信する情報処理センタとを備えるデビット決済システムにおける警告状態解除方法において、前記情報処理センタは、前記外部の報知先に対して、前記解除依頼通知に個別の特定情報を含ませて送信する送信工程と、前記解除依頼通知が、前記外部の連絡先から返信された場合に、当該解除依頼通知を受信する受信工程と、前記受信工程により受信された解除指示通知に含まれる特定情報の識別をおこなう特定情報識別工程と、前記送信工程により送信された解除依頼通知に含まれる特定情報と、前記受信工程により受信された解除依頼通知に含まれる特定情報との照合をおこなう特定情報判定工程と、前記特定情報判定工程による特定情報の判定結果に基づいて、前記デビット端末機に対する警告状態の解除をおこなう警告状態解除工程とを含むことを特徴とする。
【0022】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、前記外部の報知先は、前記情報処理センタに対して、前記解除依頼通知により通知されたデビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を解除連絡結果として、前記解除依頼通知に含ませて返信する返信工程を備えることを特徴とする。
【0023】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、前記情報処理センタは、前記外部の報知先により返信される解除依頼通知に含まれる解除連絡結果を読み取るとともに、前記デビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を判定する返信情報判定手段をさらに備え、前記警告状態解除工程は、前記返信情報判定工程による点検/修理完了の判定時に、前記デビット端末機による警告状態の解除をおこなうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載の発明によれば、デビットカードによるデビット処理をおこなうデビット端末機と、デビット決済をおこなうとともに、前記デビット端末機による警告状態の発生時に、当該警告状態に対する警告解除指示通知を外部の報知先(点検/修理機関)に対して依頼する情報処理センタとを備えるデビット決済システムにおける警告状態解除システムにおいて、前記情報処理センタは、前記外部の報知先に対して、前記警告解除指示通知に個別の特定情報を含ませて報知する送信手段と、前記警告解除指示通知が、前記外部の連絡先(点検/修理機関)から返信された場合に、当該警告解除指示通知を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された特定情報の識別をおこなう特定情報識別手段と、前記送信手段により送信された警告解除指示通知に含まれる特定情報と、前記受信手段により受信された警告解除指示通知に含まれる特定情報との照合をおこなう特定情報照合手段と、前記特定情報照合手段による特定情報の照合結果に基づいて、前記デビット端末機に対する警告状態の解除をおこなう警告状態解除手段とを備えるので、情報処理センタでは、保守会社A(保守員)に対して点検/修理を依頼したデビット端末機の状況確認や修復完了連絡を、煩雑な確認作業おこなうことなく正確且つ迅速におこなうことができるという効果を奏する。これによって、デビット端末機の警告状態の解除を迅速におこなえるため、このデビット端末機によるエラーダウン時間の短縮化を図ることができるという効果を奏する。また、情報処理センタでは、保守員からの解除連絡を待機して待つ係員や遊技店コードやデビット端末機の端末IDなどの確認作業が不要となるため、人件費の面でコストダウンを図ることができるうえ、効率的なシステムを実現できるという効果を奏する。
【0025】
請求項2に記載の発明によれば、前記外部の報知先(点検/修理機関)は、前記情報処理センタに対して、前記解除依頼通知により通知されたデビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を解除連絡結果として、前記解除依頼通知に含ませて返信する返信手段を備えるので、警告状態となったデビット端末機を対象として、警告状態の解除を正確且つ容易におこなうことができるという効果を奏する。
【0026】
請求項3に記載の発明によれば、前記情報処理センタは、前記外部の報知先(点検/修理機関)により返信される解除依頼通知に含まれる解除連絡結果を読み取るとともに、前記デビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を判定する返信情報判定手段をさらに備え、前記警告状態解除手段は、前記返信情報判定手段による点検/修理完了の判定時に、前記デビット端末機による警告状態の解除をおこなうので、点検/修理が確実に完了したデビット端末機を対象として、警告状態の解除を正確且つ容易におこなうことができるという効果を奏する。
【0027】
また、保守員から情報処理センタに対しておこなう連絡(状況確認や修理)が完了したデビット端末機の端末IDなどの確認を手作業でおこなうことなく、迅速に対象となるデビット端末機の警告状態の解除をおこなうことができ、デビット端末機300の警告状態の解除を遅れることなく迅速且つ正確におこなうことができるという効果を奏する。
【0028】
また、請求項4に記載の発明によれば、前記特定情報は、ファクシミリ装置から出力されるとともに、ファクシミリ用紙に印字される整理番号であって、前記特定情報識別部は、前記整理番号を読み取るための光学式読取機能を備えるので、情報処理センタから保守会社A(保守員)に対する報知連絡時に送信されたFAX用紙と、保守会社A(保守員)から情報処理センタに対して、解除連絡時に返信されたFAX用紙との同一性(照合)を確実に判定することができ、これによって、点検/修理の対象(警告状態である)となっているデビット端末機に対する点検/修理結果情報(点検/修理完了或いは未完了)を正確に取得することができるという効果を奏する。
【0029】
また、請求項5に記載の発明によれば、前記特定情報は、バーコードであって、前記特定情報識別部は、前記バーコードによる識別データを読み取るためのバーコード読取機能を備えるので、情報処理センタから保守会社A(保守員)に対する報知連絡時に送信されたFAX用紙と、保守会社A(保守員)から情報処理センタに対して、解除連絡時に返信されたFAX用紙との同一性(照合)を確実に判定することができ、これによって、点検/修理の対象(警告状態である)となっているデビット端末機に対する点検/修理結果情報(点検/修理完了或いは未完了)を正確に取得することができるという効果を奏する。
【0030】
また、請求項6に記載の発明によれば、前記特定情報は、電話連絡に使用する暗証番号であって、前記特定情報識別部は、前記暗証番号を識別するための暗証番号識別機能を備えるので、情報処理センタから保守員に対して報知連絡時に送信されたFAX用紙に記載された解除依頼情報に対する報知連絡と、保守員から情報処理センタに対して、解除連絡時に電話により連絡される解除情報との同一性(照合)を確実に判定することができ、これによって、点検/修理の対象となる(警告状態である)、デビット端末機に対する点検/修理結果情報(点検/修理完了或いは未完了)を正確に取得することができるという効果を奏する。
【0031】
また、請求項7に記載の発明によれば、前記特定情報は、電子メール送信に使用する報知用の識別情報であって、前記特定情報識別部は、前記識別情報を読み取るための識別情報読取機能を備えるので、情報処理センタから保守員に対する報知連絡時に送信されたメールと、保守員から情報処理センタに対して、解除連絡時に返信されたメールとの同一性を確実に判定することができ、これによって、点検/修理の対象となる(警告状態である)、デビット端末機に対する点検/修理結果情報(点検/修理完了或いは未完了)を正確に取得することができるという効果を奏する。
【0032】
また、請求項8に記載の発明によれば、前記情報処理センタは、前記点検/修理の対象となるデビット端末機(を特定する)の端末番号に対応した、デビット端末機による警告状態の発生日時と、情報処理センタから外部の報知先に対する報知連絡時の送信手段と、警告状態の解除日時と、前記外部の連絡先から情報処理センタに対する解除連絡時の返信手段とのいずれかを記憶する警告状態データベースを備えるので、この警告状態データベースにより、個別の各デビット端末機に対応付けて、報知連絡および解除連絡についての情報を正確に管理することができるという効果を奏する。
【0033】
また、請求項9に記載の発明によれば、デビットカードによるデビット処理をおこなうデビット端末機と、デビット決済をおこなうとともに、前記デビット端末機による警告状態の発生時に、当該警告状態を解除する依頼を解除依頼通知として、外部の報知先(保守修理機関)に送信する情報処理センタとを備えるデビット決済システムにおける警告状態解除方法において、前記情報処理センタは、前記外部の報知先(保守修理機関)に対して、前記解除依頼通知に(点検/修理の対象となるデビット端末機を特定する)個別の特定情報を含ませて送信する送信工程と、前記解除依頼通知が、前記外部の連絡先から返信された場合に、当該解除依頼通知を受信する受信工程と、前記受信工程により受信された解除指示通知に含まれる特定情報の識別をおこなう特定情報識別工程と、前記送信工程により送信された解除依頼通知に含まれる特定情報と、前記受信工程により受信された解除依頼通知に含まれる特定情報との照合をおこなう特定情報判定工程と、前記特定情報判定工程による特定情報の判定結果に基づいて、前記デビット端末機に対する警告状態の解除をおこなう警告状態解除工程とを含むので、請求項1に記載の発明と同様の効果がある。
【0034】
請求項10に記載の発明によれば、前記外部の報知先(保守修理機関)は、前記情報処理センタに対して、前記解除依頼通知により通知されたデビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を解除連絡結果として、前記解除依頼通知に含ませて返信する返信工程を備えるので、請求項2に記載の発明と同様の効果がある。
【0035】
請求項11に記載の発明によれば、前記情報処理センタは、前記外部の報知先(点検/修理機関)により返信される解除依頼通知に含まれる解除連絡結果を読み取るとともに、前記デビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を判定する返信情報判定手段をさらに備え、前記警告状態解除工程は、前記返信情報判定工程による点検/修理完了の判定時に、前記デビット端末機による警告状態の解除をおこなうので、請求項3に記載の発明と同様の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下に、添付図面を参照して、本実施例に係るデビット決済における警告状態解除システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、警告状態解除システムの概要および特徴を説明した後に、警告状態解除システムの全体構成の詳細を説明し、次いで、警告状態解除システムによる警告状態の解除手順を説明する。そして、最後に、他の実施例として種々の変形例を説明することとする。なお、以下に示す実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0037】
(警告状態解除システムの概要および特徴)
まず最初に、図1を参照して、本実施例に係るデビット決済システムにおける警告状態解除システムの概要および特徴を説明する。図1は、本実施例に係る警告状態報知/解除装置500を含む警告状態解除システムの全体構成を示すシステム構成図である。また、図2は、本実施例に係る警告状態解除システムが適用される遊技媒体貸出システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
【0038】
図1に示すように、本実施例に係る警告状態解除システムは、パチンコ遊技やスロット遊技などの遊技を提供する遊技店100に備えたデビット端末機300とデビット決済処理をおこなうデビット決済センタである情報処理センタ600とで構築されるデビット決済における遊技媒体貸出システムに適用される警告状態解除システムである。
【0039】
ここで、先ず、図2を参照して、この警告状態解除システムが適用される遊技媒体貸出システムについて簡単に説明する。すなわち、図2に示すように、この遊技媒体貸出システムは、ターミナルコントローラ400(T/C)の制御下にある島コントローラ255に接続されるパチンコ機100およびカード処理機150と、カード発行機200と、カード精算機210とからなるプリペイドカードシステムと、公衆回線網450を通じて通信接続されたデビット端末機300と情報処理センタ600とCAFISネットワーク700(クリアリングセンタ710を含む)と、デビットカード発行銀行800と、加盟店銀行900と、△△銀行950(遊技店の口座)とを介して接続されている。このCAFISネットワーク700を核とし、更に、情報処理センタ600の遊技店100内に設置されたデビット端末機300へと継がるシステム部分は、デビット決済をおこなうデビットカードシステムと称されている。なお、このデビットカードシステムの詳細については、公知技術であるため詳細は省略する。
【0040】
また、ターミナルコントローラ400は、遊技店100外のカード会社センタ470の中央管理コンピュータと公衆回線網460により接続されており、この中央管理コンピュータを用いてターミナルコントローラ400内のデータを管理できるようになっている。
【0041】
また、遊技店100内において、デビット端末機300とカード発行機200と管理装置であるターミナルコントローラ400(T/C)とが通信接続され、このうちデビット端末機300は、前述したように、遊技店100の店外において、公衆回線網460を介してデビット決済処理をおこなう情報処理センタ600に接続されている。また、本例では、情報処理センタ600と保守会社Aおよび保守会社Aから派遣される保守員の携帯電話とは、公衆回線451(図1)およびインターネット452(図1)により通信接続されている。
【0042】
以下、再度、図1を参照して、警告状態解除システムの概要を説明する。すなわち、図1に示すように、警告状態解除システムは、デビット端末機300を備えた遊技店100と、デビット決済処理をおこなう情報処理センタ600と、このデビット端末機300のメンテナンス(保守)や修理をおこなう保守会社A(本社、営業所)とがそれぞれ情報処理センタ600に通信接続されたシステム構成となる。また、情報処理センタ600は、本発明の特徴部分である警告状態解除システムを構成する警告状態報知/解除装置500を備えている。この警告状態報知/解除装置500の詳細については、後述する。
【0043】
また、保守会社Aは、遊技店100に据置されたデビット端末機300のメンテナンス(保守点検)や修理を実施する機関であって、さらに、情報処理センタ600からの報知連絡(デビット端末機300に対する点検/修理依頼通知)に基づいて、この点検/修理が依頼された遊技店100に保守員を派遣し、点検/修理の対象となるデビット端末機300の状況確認(点検)や修理を実施する機能を備えている。
【0044】
具体的には、情報処理センタ600からの報知連絡により、点検/修理依頼通知を受信した保守会社A(本社および営業所)は、該当する遊技店100に保守員を派遣し修理をおこなうこととなる。また、情報処理センタ600から直接、電話連絡或いはメールにより修理依頼を受信した現地の保守員は、該当する遊技店100を訪問し、対象となるデビット端末機300の状況確認(修理)をおこなうこととなる。ここで、点検/修理依頼通知とは、点検/修理の対象となるデビット端末機300が据置された遊技ホールの名称、デビット端末機300の端末ID(識別符号)が記入(印字)されたFAX用紙およびメールのことを示している。なお、この点検/修理依頼通知の詳細については、後述する。
【0045】
次に、この警告状態解除システムの構成を具体的に説明する。すなわち、図1に示すように、遊技店100内に据置されたデビット端末機300は、ISDNなどの公衆回線450を介して情報処理センタ600と通信接続され、情報処理センタ600と保守会社A(本社、営業所)とは、公衆回線451を介して通信接続されている。また、情報処理センタ600と保守員の携帯電話とは、インターネット452を介して通信連絡自在となっている。
【0046】
ここで、この情報処理センタ600に備えた警告報知/解除装置500は、FAX送信機能およびメール送信機能を備えており、デビット端末機300よる警告状態の認識時(判定時)に、保守会社A(本社、営業所)に対しては、所定の特定情報(PASS/バーコード、暗証番号)を印字(付加)したFAX用紙(点検/修理依頼通知)を自動的に送信する機能を備えている。また、保守会社Aに所属する現地保守員の携帯電話に対しては、インターネット452を介して所定の特定情報(報知用の識別ID)を記録(付加)したメール(点検/修理依頼通知)を自動的に送信する機能を備えている。さらに、この警告通知/解除装置500は、FAX受信機能およびメール受信機能を備えており、保守会社Aから返信される所定の特定情報(PASS/バーコード)を印字(記録)したFAX用紙(点検/修理依頼通知)を自動的に受信する構成となっている。また、保守員の携帯電話から返信された所定の特定情報(報知用の識別ID)と、デビット端末機300の端末IDを記載したメール(点検/修理依頼通知)を自動的に受信する機能を備えている。
【0047】
このため、警告状態報知/解除装置500は、FAX用紙に印刷されたバーコード(特定情報)或は、PASS(文字の羅列情報)を読み取るためのバーコードリーダ或はOCR(光学式文字認識装置)を備えている。また、保守員の携帯電話からテンキー入力される暗証番号を識別する識別機能を備えている。
【0048】
(警告状態解除システムの特徴)
次いで、この警告状態解除システムの特徴を説明する。すなわち、この警告状態解除システムは、デビット端末機300から送信される「異常状態検知情報」を受信した際に、保守会社A(保守員)に対して、特定情報(バーコード、暗証番号、識別ID番号)を印刷/記録した点検/修理依頼通知(点検/修理依頼書)をFAX用紙による送信或いは、メールによるメール送信により送信し、点検/修理を実施した保守会社Aから返信されるFAX用紙による返信或いは、メールによるメール返信に基づいて、警告状態の解除をおこなうことに特徴がある
【0049】
すなわち、図1に示すように、本発明の警告状態解除システムによる警告状態を解除する際に、保守会社A(保守員)に対して実行される警告状態の報知/解除方法には、(1)FAX用紙の送信による報知連絡/FAX用紙の返信による警告状態の解除連絡と、(2)FAX用紙の送信による報知連絡/電話連絡による警告状態の解除連絡と、(3)メール送信による報知連絡/メール返信による警告状態の解除連絡との3種類の警告状態の報知連絡/解除連絡方法がある。以下、これら3種類の警告状態の報知方法/解除方法の詳細を説明する。
【0050】
(FAX用紙の送信による報知連絡とFAX用紙の返信による警告状態の解除連絡)
図1に示すように、FAX用紙を使用した警告状態の送信(報知連絡)と、このFAX用紙を使用した警告状態の返信(解除連絡)は、FAX用紙の所定位置に予め印刷された所定の特定情報であるバーコード或いは、PASS(文字の羅列情報)の照合に基づいておこなわれる。具体的に説明すると、FAX用紙の所定位置(図6参照)には、バーコードが印字されており、情報処理センタ600は、このバーコードが印刷されたFAX用紙を点検/修理依頼書として、保守会社A(保守員)に送信する(特定情報を、バーコードとした場合)。一方、保守会社Aの保守員は、点検/修理の対象となるデビット端末機300に対する点検/修理をおこなった後、この点検/修理の結果報告(状況確認/修理結果記入)とともに(図8−2参照)、このFAX用紙を情報処理センタ600に送信するものとなる。
【0051】
以下、情報処理センタ600では、返信されたFAX用紙のバーコードをバーコードリーダにより読み取り、この読み取ったバーコードと、報知連絡時に保守会社A(保守員)に送信したFAX用紙に予め印刷(登録)されている特定情報(バーコード)とを照合し、両者のバーコードが一致した場合に、警告状態を解除する。なお、後述するように、実際には、点検/修理が依頼されたデビット端末機300に対する点検/修理の完了(或いは、異常無しの通知)を条件として、警告状態の解除がおこなわれる。
【0052】
(FAX用紙の送信による報知通知と電話による警告状態の解除連絡)
図1に示すように、FAX用紙を使用した警告状態の送信(報知連絡)と電話による警告状態の返信(解除連絡)は、FAX用紙の所定位置に予め印刷された暗証番号に基づいておこなわれる。具体的に説明すると、FAX用紙の所定位置(図6のバーコードの位置)には、暗証番号が印字されており、情報処理センタ600は、この暗証番号が印字されたFAX用紙(点検/修理依頼書)を保守会社A(保守員)に対して送信する。一方、保守員は、この情報処理センタ600から送信されたFAX用紙に印字された暗証番号を確認し、点検/修理の対象となるデビット端末機300に対する点検/修理をおこなった後、この点検/修理の結果報告とともに、情報処理センタ600に対する電話による解除連絡をおこなう場合、この暗証番号を使用するものとなる。
【0053】
具体的に説明すると、例えば、保守会社Aの保守員が情報処理センタ600から点検/修理を依頼されたデビット端末機300による完了報告(解除連絡)をおこなう際には、以下の手順でおこなうことができる。すなわち、保守員が携帯電話で、情報処理センタ600宛の電話番号を入力(03−○△11−○△33)すると、この情報処理センタ600からは暗証番号の入力(テンキー入力)を指示するアナウンスが流れる(例えば、「こちら、情報処理センタの解除番号受け付け係りです。この後、ピッと鳴ったら、点検/修理依頼書の暗証番号を入力して下さい」)。これにより、保守員がFAX用紙に記録されていた暗証番号を入力することとなる。なお、入力された暗証番号が正しい場合には、例えば、「修理完了報告を受理しました」などのアナウンスが電話を通じて保守員にアナウンスされるものとなる。
【0054】
以上のように、情報処理センタ600では、保守会社A(保守員)に対する報知連絡時にFAX用紙に印字した暗証番号と、保守員が携帯電話で入力した暗証番号(テンキー入力数字)との照合をおこない、番号が一致した場合、対象となるデビット端末機300による警告状態を自動的に解除する。この場合、暗証番号の照合だけでなく、デビット端末機300の端末IDの入力をアナウンスし、登録されたデビット端末機300の端末IDと、保守員が携帯電話で入力した端末ID(テンキー入力数字)番号とが一致する条件で警告状態の解除をおこなうようにしてもよい。なお、本例の場合も、点検/修理が依頼されたデビット端末機300に対する点検/修理の完了を条件として、警告状態の解除がおこなわれる。
【0055】
(メールの送信による報知連絡とメールの返信による警告状態の解除連絡)
図1に示すように、メールによるメール送信を使用した警告状態の送信(報知連絡)と、このメール送信に対するメール返信を使用した警告状態の返信(解除連絡)は、送信するメールに予め報知用の識別IDと、デビット端末機300の端末ID(機番)を記載し、この報知用の識別IDと端末ID(機番)とが記載されたメールの返信に基づいておこなわれる。具体的に説明すると、保守員の携帯電話に対して送信されるメールには、所定の報知用の識別IDと端末ID(機番)とが記載されており、情報処理センタ600では、保守員の携帯電話から返信されたメールに所定の報知用の識別IDと端末ID(機番)とが記載されていることを条件として、警告状態を解除する。なお、本例の場合も、点検/修理が依頼されたデビット端末機300に対する点検/修理の完了を条件として、警告状態の解除がおこなわれる。
【0056】
(デビット端末機300の構成および機能)
次に、図3および図4を参照して、遊技店100に備えているデビット端末機300の構成および機能の詳細について説明する。図3は、デビット端末機300の外観を示した正面図、図4は、このデビット端末機300の内部構成を示す機能ブロック図である。以下、これら図3、4を参照しながら、デビット端末機300の詳細について説明する。
【0057】
図3に示すように、デビット端末機300は、縦型の筐体により構成されており、上から順番に、表示部350、操作入力部360、デビットカード挿入/返却口370、レシート発行口380とを備えている。
【0058】
表示部350は、デビット決済による取引金額(プリペイドカードの購入金額)や遊技客による入力操作のガイダンスをおこなう各種情報を表示する機能を有しており、例えば液晶表示器によって構成してある。
【0059】
操作入力部360(外部操作入力部)は、確認スイッチや取消スイッチ等の各種機能スイッチ、さらにはデビットカード(キャッシュカード)の暗証番号を入力するためのテンキースイッチを備えて構成したものであり、暗証番号などを入力する機能を有している。
【0060】
デビットカード挿入/返却口370は、キャッシュカード(デビットカード)を受け入れて、取り込んだデビットカードをデビットカード処理部390(図4)において所望の処理を施した後、再度、このデビットカードを返却するための開口である。
【0061】
レシート発行口380は、印字部385(図4)において印字処理されたレシートを、遊技客用の利用控えとして排出するための開口である。このレシート発行口380からはデビット決済による結果(OKかNG)が印字されたレシートを発行することもできる。
【0062】
次に、図4を参照してデビット端末機300の内部構成の詳細について説明する。すなわち、図4に示すように、デビット端末機300の内部は、表示部350と、デビット制御部340と、エラー状態判定部345と、外部操作入力部360(操作入力部)と、デビットカード挿入/返却口370と、レシート発行口380と、印字部385と、デビットカード処理部390と、通信I/F部330、330aとを備えている。
【0063】
ここで、図4に示すように、デビット端末機300の特徴は、デビット端末機300本体に組みつけられた制御ユニット310の取り外しを検知する制御ユニット取り外し検知センサ320(以下、単に「取り外し検知センサ320」と称する)と、デビット端末機300による異常状態をエラーとして判定するエラー状態判定部345とを備えたことにある。なお、前述したように、デビット制御部340と、操作入力部360と、デビットカード処理部390とは、ブラックボックスとして一体化されており、総称して制御ユニット310としている。
【0064】
制御ユニット取り外し検知センサ320は、制御ユニット310の取り外しを検知する機能を備えている。なお、実際には、取り外し検知センサ320により、制御ユニット310が取り外されたことが検知されて記憶されるので、その後に当該制御ユニット310がデビット端末機300に取り付けられた場合であっても、デビット端末機300の本体電源が投入(ON)された場合に、情報処理センタ600に「異常状態検知情報」が送信されることとなる。
【0065】
通信I/F部330は、公衆回線網450を通じて情報処理センタ600との間で通信をおこなう機能を備えており、この通信I/F部330を通じて、決済希望金額に関わる決済依頼通知と、デビット端末機300になんらかの異常が発生した場合の「異常状態検知情報」が情報処理センタ600に送信されることとなる。また、通信I/F部330aは、カード発行機200(図2)の通信I/F部(図示せず)と通信自在となっており、これらデビット端末機300とカード発行機200との間で、各種情報(プリペイドカードの所有する残金情報など)の送受信がおこなわれる。
【0066】
デビット制御部340は、デビット端末機300における各処理を一括してコントロールする制御機能を備えており、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部である。また、特に本発明に密接に関連するものとしては、機能概念的に、エラー状態判定部345を備えてる。このエラー状態判定部345は、遊技店のデビット端末機300によるエラー内容が、制御ユニット310の取り外しによる物理的エラーか、このような物理的エラー以外の論理エラーかの判定をおこなう機能を備えている。
【0067】
印字部385は、デビット制御部340から通知された情報を、レシート発行口380から発行されるレシートに印字するための機能を有している。具体的には、この印字部385により、レシートに対してデビット処理に係る金額情報などが印字される。
【0068】
デビットカード処理部390は、デビットカード挿入/返却口370から取り込んだデビットカード(キャッシュカード)に磁気記録されているカード情報を読み取り、その読み取り結果をデビット制御部340に通知する機能を備えている。
【0069】
(警告状態解除システムの全体構成)
次に、図5を参照して、本発明の警告状態解除システムに係る警告情報報知/解除装置500の詳細について説明する。図5は、情報処理センタ600に備えてる警告状態報知/解除装置500の全体構成を示す機能ブロック図を示している。
【0070】
すなわち、図5に示すように、警告状態報知/解除装置500は、異常状態判定部510と、警告状態送信部520と、警告送信選択部530と、第1FAX送信部531と、第2FAX送信部532と、メール送信部533と、返信情報識別部540と、返信情報判定部550と、特定情報識別部555と、特定情報判定部560と、警告状態解除部565と、通信制御I/F部570と、警告状態データベース580とを備えている。
【0071】
異常状態判定部510は、遊技店100のデビット端末機300から送信される制御ユニット310(図3)の取り外しや、その他何らかのデビット端末機300の自己チェックによる論理エラーにともなうエラー状況(異常状態)を異常状態として判定する機能を備えている。
【0072】
警告状態報知/解除装置500は、デビット端末機300による異常状態を異常状態判定部510により判定した際には、該当するデビット端末機300を警告状態として、認識するとともに、このデビット端末機300の端末ID(機番)を警告状態データベース580に記憶/格納する。なお、前述したように、制御ユニット310の取り外しは、取り外し検知センサ320(図4)によりおこなわれる。
【0073】
警告状態送信部520は、異常状態判定部510によりデビット端末機300が警告状態であると判定された場合に、保守会社A(保守員)に対して点検/修理依頼通知を自動的に送信する機能を備えている。この点検/修理依頼通知は、前述したように特定情報であるバーコード、暗証番号を印字したFAX送信用紙或いは報知IDを添付したメールを示している。
【0074】
警告状態送信選択部530は、保守会社A(保守員)に対して送信する点検/修理依頼通知に印字(バーコード/PASS、暗証番号、報知用の識別ID)または含ませる特定情報を自動的に選択する機能を備えている。本例の場合、3種類の特定情報であるPASS/バーコードと、暗証番号と、報知IDの中から、いずれか1つの特定情報を選択し、保守会社A(保守員)に対する報知連絡をおこなうことができる。
【0075】
第1FAX送信部531は、デビット端末機300による警告状態の認識時、点検/修理依頼通知(送信用のFAX用紙)に特定情報(バーコード/PASS)を印字し、このバーコード/PASSを印字したFAX用紙を自動的に保守会社A(保守員)に送信する機能を備えている。
【0076】
ここで、図6を参照して、FAX用紙による点検/修理依頼通知の概要について説明する。図6は、警告情報報知/解除装置500から保守会社A(保守員)に対して報知連絡として送信されるFAX用紙(点検/修理依頼書)の一例を示している。すなわち、図6に示すように、FAX用紙の所定位置(本例では、上部右端)には、予め特定情報としてのバーコードが印刷されている。また、このFAX用紙のほぼ中央位置には、点検/修理の対象となるデビット端末機300が設置されている遊技店のホール名と、デビット端末機300の端末ID(機番)とを記入する入力フィールドと、保守員による状況確認/修理結果を記入する3項目からなるチェックボックスとが設けられている。
【0077】
状況確認/修理結果欄は、デビット端末機300の異常がないことを示す「異常なし」と、修理が完了したことを示す「修理完了」と、修理が完了していないことを示す「未修理」とから構成されており、保守員は、これら3項目の状況確認/修理結果のうち、何れかを状況結果に応じてマーキング(チェックの記入)することで、情報処理センタ600に対する点検/修理状況結果の報告(解除連絡)をおこなうことができる。ここで、図6のFAX用紙は、特定情報がバーコードの例であるが、この特定情報がPASS(文字の羅列情報)および暗証番号の場合も、これらPASS(文字の羅列情報)および暗証番号の印刷位置は、バーコードとほぼ同様の位置となる。
【0078】
以下、再度、図5に戻り、警告状態報知/解除装置500を構成する各構成要素の機能について説明する。第2FAX送信部532は、点検/修理依頼通知(送信用のFAX用紙)に特定情報として所定の位置に暗証番号を印字するとともに、この暗証番号を印字したFAX用紙を自動的に保守会社A(保守員)に送信する機能を備えている。
【0079】
メール送信部533は、報知連絡時に点検/修理依頼通知(送信用のメール)に特定情報として報知用の識別IDと、点検/修理の対象となるデビット端末機300の端末ID(機番)とを記載して、このメールを自動的に保守会社A(保守員)に送信する機能を備えている。
【0080】
返信情報識別部540は、保守会社A(保守員)から返信された返信通知(FAX用紙の返信、メール返信)に基づいて、情報処理センタ600からの報知連絡時に点検/修理の対象となっていたデビット端末機300による点検/修理結果を取得/識別する機能を備えている。この返信情報識別部540による点検/修理結果の取得/識別は、FAX用紙の状況確認/修理結果欄に記入されたチェックボックスをOCR装置などによリ読み取ることによりおこなわれる。
【0081】
返信情報判定部545は、返信情報取得部540により取得された返信結果(異常なし、修理完了、未完了)に基づいて、保守会社A(保守員)から返信されたFAX用紙の返信或いはメール返信に記録されている状況確認/修理結果(チェックマーク)を判定する機能を備えている。具体的には、3項目からなる状況確認/修理結果のうち「異常なし」或いは、「修理完了」のチェクボックスがマーキング(チェック)されている場合に、該当するデビット端末機300の警告状態を解除対象とすることができる。
【0082】
特定情報識別部550は、保守会社A(保守員)から返信された返信通知に印刷或いは、記録されている特定情報(PASS/バーコード、暗証番号、報知用の識別ID)を読み取って、正規の特定情報であるかを識別する機能を備えている。前述したように、FAX用紙に印刷されたバーコード(特定情報)の読み取り(識別)は、バーコードリーダにより、PASS(文字の羅列情報)の読み取りはOCR(光学式文字認識装置)によりおこなわれる。
【0083】
特定情報判定部555は、特定情報識別部550により識別された特定情報を判定する機能を備えている。
【0084】
警告状態解除部560は、特定情報判定部555により判定された特定情報の判定結果に基づいて、警告状態の解除対象となるデビット端末機300の警告状態を自動的に解除する機能を備えている。具体的には、情報処理センタ600から保守会社A(保守員)に対する報知連絡時に送信されたFAX用紙に記録されているデビット端末機300に対する警告状態を解除するものとなる。
【0085】
通信制御I/F部570は、公衆回線網450を通じて情報処理センタ600との間で通信(報知連絡/解除連絡)をおこなう機能およびインターネット452を介して、保守員の携帯電話との間で無線通信(報知連絡/解除連絡)をおこなう機能を備えている。また、この通信制御I/F部570を通じて、デビット端末機300から決済希望金額に関わる決済依頼通知およびデビット端末機300になんらかの異常が発生した場合の「異常状態検知情報」が情報処理センタ600に送信される。
【0086】
警告状態データベース580は、警告状態が検知されたデビット端末機300の端末ID(機番)に対応付けて、情報処理センタ600から保守会社A(保守員)に送信された報知連絡情報と保守会社A(保守員)から情報処理センタ600に返信された解除連絡情報(状況確認/修理結果)とが記憶/格納されているデータベースである。
【0087】
以下、警告状態データベース580の詳細について説明する。図7は、警告状態データベース580の構成内容を示している。すなわち、同図に示すように、警告状態データベース580には、異常状態が検知されたデビット端末機300の端末ID(機番)に対応付けて、異常状態が警告状態として情報処理センタ600に送信された日時(警告状態日時)と、保守会社A(保守員)に対する報知連絡方法(FAX送信、メール送信)と、保守会社A(保守員)の点検/修理により該当するデビット端末機300の警告状態が解除された日時と、保守会社A(保守員)から情報処理センタ600に対して使用された解除連絡方法とが登録/格納されている。
【0088】
具体的に説明すると、端末ID「000134」のデビット端末機300の場合、3月14日の12時13分に異常状態検知情報が情報処理センタ600に送信され、メール送信連絡により点検/修理依頼通知が保守会社Aに対して送信され(報知連絡)、3月14日の13時15分に、保守会社A(保守員)による点検/修理などにより該当するデビット端末機300の警告状態が解除されたことを示している。また、この場合の警告状態の解除連絡方法は、メール送信により実行されたことを表している。
【0089】
また、同様に、端末ID「000264」のデビット端末機300の場合、3月14日の18時11分に異常状態検知情報が情報処理センタ600に送信され、FAX送信連絡により点検/修理依頼通知が保守会社A(保守員)に対して送信され(報知連絡)、次いで、3月15日の13時15分に保守員による点検/修理などにより該当するデビット端末機300の警告状態が解除されたことを表している。また、この場合の警告状態の解除方法は、FAX送信により実行されたことを表している。なお、端末ID「000734」のデビット端末機300は、現時点では警告状態が解除されていないことを示している(未解除)。
【0090】
次に、図8−1および図8−2を参照して、報知連絡時および解除連絡時のFAX用紙の記入例の概要ついて説明する。図8−1は、情報処理センタ600から保守会社A(保守員)に対して報知連絡として送信されるFAX用紙の記入例を、図8−2は、保守会社A(保守員)から情報処理センタ600に解除連絡として返信されるFAX送信用紙の記入例をそれぞれ示している。すなわち、図8−1に示すように、FAX用紙の所定位置には、点検/修理の対象となるデビット端末機300の点検/修理を依頼する遊技店のホール名欄が設けられているため、ここに、遊技ホール名称を記入することができる。また、同様に、デビット端末機300の端末ID欄に対して、点検/修理を依頼するデビット端末機300の端末ID(機番)を記入することができる。
【0091】
具体的に説明すると、図8−1に示すFAX用紙による記入例では、デビット端末機300の点検/修理を依頼する遊技店の名称は、○△ホールであり、この○△ホールに設置された点検/修理の対象となるデビット端末機300の端末ID(機番)は、「000134」であることを示している。なお、このFAX用紙に記入される遊技ホール名および端末IDの印字(記録)は、情報処理センタ600の係員による端末操作により自動的におこなうことができる。
【0092】
また、図8−2に示すように、保守会社A(保守員)から返信されたFAX用紙による記入例では、状況確認/修理結果欄における3項目の「異常なし」、「修理完了」、「未修理」のうち、「修理完了」のチェックボックスにチェックマークが記入(マーキング)されているため、○△ホールのデビット端末機300(端末ID「000134」)は、修理完了済みとして情報処理センタ600に返信(解除連絡)されることを示している。
【0093】
以下、本例の場合、点検/修理依頼されたデビット端末機300の修理は完了しているため、この情報処理センタ600に返信されるFAX用紙の特定情報(バーコード)と、報知連絡時に送信されたFAX用紙のバーコードデータとを照合し、一致した場合に、警告状態が解除されるものとなる。
【0094】
(警告状態解除システムによる基本制御手順)
図9は、本実施例に係る警告状態解除システムの基本制御手順を示すフローチャートである。すなわち、本発明の警告状態解除システムは、大別して(1)異常状態判定工程(ステップSA110)と、(2)警告送信手段選択工程(ステップSA120)と、(3)警告状態送信工程(ステップSA130)と、(4)返信情報判定工程(ステップSA140)と、(5)特定情報識別工程(ステップSA150)と、(6)特定情報判定工程(ステップSA160)と、(7)警告状態解除工程(ステップSA170)とによる7つの処理工程により構成されている。以下、(1)〜(7)による各制御工程の詳細について説明する。
【0095】
(1)異常状態判定工程は、遊技店100のデビット端末機300から送信される制御ユニット310(図3)の取り外しや、その他、何らかのデビット端末機300の自己チェックによる論理エラーにともなうエラー状況(異常状態)を異常状態として判定する処理工程である。この異常状態判定工程により、デビット端末機300による異常状態を異常状態判定部510により判定した際には、該当するデビット端末機300を警告状態として、認識するとともに、このデビット端末機300の端末ID(機番)を警告状態データベース580に記憶/格納する。
【0096】
(2)警告送信手段選択工程は、保守会社A(保守員)に対して特定情報(PASS/バーコード、暗証番号、報知用の識別ID)を付加した点検/修理依頼通知に印字(バーコード/PASS、暗証番号)または添付する特定情報(報知用の識別ID)を自動的に選択する機能を備えている。本例の場合、3種類の特定情報であるPASS/バーコードと、暗証番号と、報知用の識別IDの中から、いずれか1つの特定情報を選択することができる。また、この場合、複数の送信手段であるFAX送信、電子メール送信のうちからいずれかを適宜、選択することもできる。
【0097】
(3)警告状態送信工程は、異常状態判定工程によりデビット端末機300が異常状態であると判定された場合に、保守会社A(保守員)に対して点検/修理依頼通知(FAX用紙/メール)を自動的に送信する処理工程である。この点検/修理依頼通知は、前述したように特定情報であるPASS/バーコード、暗証番号を印字したFAX用紙或いは報知用の識別ID/端末IDを添付したメールが送信されることとなる。
【0098】
(4)返信情報判定工程は、返信情報取得部540により取得された返信結果に基づいて、点検/修理依頼通知に記載されたデビット端末機300の修理完了或いは未完了を判定する機能を備えている。具体的には、保守会社A(保守員)から返信されたFAX用紙の返信或いはメール返信に記載されている点検状況/修理結果(チェックマーク)を読み取り、警告状態の解除対象となるデビット端末機300の完了結果を取得(認識)する機能を備えている。
【0099】
(5)特定情報識別工程は、保守会社A(保守員)から情報処理センタ600に対して、返信された点検/修理依頼通知の特定情報(PASS/バーコード、暗証番号、報知用の識別ID)をバーコードリーダ或いはOCR装置などにより読み取り、識別する処理工程である。
【0100】
(6)特定情報判定工程は、特定情報識別工程により識別された特定情報を自動的に判定する処理工程である。具体的には、情報処理センタ600から保守会社A(保守員)に対して、報知連絡として送信された点検/修理依頼通知の特定情報と、保守会社A(保守員)から情報処理センタ600に対して、解除連絡として返信された点検/修理依頼通知の特定情報との同一性(照合)を判定する処理工程である。
【0101】
(7)警告状態解除工程は、特定情報判定工程により判定された判定結果に基づいて、対象となるデビット端末機300の警告状態を自動的に解除する処理工程である。具体的には、特定情報判定工程により報知連絡時の特定情報と解除連絡時の特定情報とが一致した場合に、該当するデビット端末機300の警告状態を解除する処理工程である。実際には、状況確認/修理結果のうち「異常なし」、「修理完了」のチェクボックスがチェックされている場合に、該当するデビット端末機300の警告状態が解除対象となる。
【0102】
(警告状態解除システムにおける警告情報の報知/解除処理手順)
次に、図10のフローチャートを参照して、本実施例における警告状態解除システムにおける警告情報の報知/解除処理手順を説明する。この図10に示すフローチャートは、遊技店100に据置されたデビット端末機300と、情報処理センタ600に備えた警告状態報知/解除装置500間において、実行される警告情報の報知/解除処理手順を示している。ここで、以下のフローチャートでは、デビット端末機300に組み付けられている制御ユニット310の取り外しが、取り外し検知センサ320(図4)により検知され、これにより、「異常状態検知情報」が情報処理センタ600に送信されたことを想定して説明する。また、情報処理センタ600から保守会社A(保守員)に報知連絡として送信される点検/修理依頼通知としては、「FAX送信」を例として説明する。
【0103】
すなわち、図10のフローチャートに示すように、先ず、デビット端末機300は、異常状態が発生したか否かの判定をおこなう(ステップS110)。具体的には、デビット端末機300から制御ユニット310(図3)の取り外しがあり、これにより、取り外し検知センサ320が作動(ON/OFF)したかの判定をおこなう。そして、このステップS110の判定により、制御ユニット310の取り外しがあったと判定された場合(ステップS110肯定)、デビット端末機300は、エラー状態判定部345(図4)により異常状態が発生したことを判定する(ステップS120)。以下、このデビット端末機300は情報処理センタ600に対して、異常状態が発生した旨を示す「異常状態検知情報」を警告状態として送信する(ステップS130)。なお、この場合、使用不能なデビット端末機300は、保守員によって異常が解除され、或いは、異常がない事が確認され、その旨の情報が情報処理センタ600に通知され、警告状態が解除されたときに使用不能となる。
【0104】
一方、情報処理センタ600では、デビット端末機300から送信された「異常状態検知情報」を受信すると(ステップS140)、デビット端末機300が「異常状態」であると判断するとともに、デビット端末機300が警告状態であると認識する(ステップS150)。
【0105】
以下、情報処理センタ600は、異常状態が検知されたデビット端末機300に対する状況確認(点検)や修理を保守会社A(保守員)に対して依頼(報知連絡)する警告状態送信処理に移行する(ステップS160)。前述したように、この警告状態送信処理とは、情報処理センタ600がデビット端末機300から送信される「異常状態検知情報」を受信した際に、保守会社A(保守員)に対して、点検/修理依頼通知を報知連絡として送信し、該当するデビット端末機300に対する状況確認および異常状態の修復処理を依頼する制御手順である。具体的には、次のステップS170により点検/修理依頼通知を警告状態を保守会社A(保守員)に対して送信する(ステップS170)。
【0106】
一方、保守会社Aでは、「点検/修理依頼通知」を受信したかの判定をおこない(ステップS175)、具体的には、情報処理センタ600から送信された点検/修理依頼通知(FAX用紙)を受信すると(ステップS175肯定)、保守会社Aの保守員は、点検/修理が依頼された遊技ホールの名称と、デビット端末機300の端末IDとを確認し(ステップS176)、次いで、このFAX用紙により確認した遊技ホールに赴き点検/修理の対象となるデビット端末機300の修理を実施する(ステップS177)。以下、前記ステップS175により受信したFAX用紙に対して、状況確認/修理結果を記入し(ステップS178)、記入後のFAX用紙を情報処理センタ600に対して送信する(ステップS179)。ここで、本例では、保守員により対象となるデビット端末機300の修理が完全に完了し、FAX用紙の状況確認/修理結果欄の「修理完了」のチェックボックスにチェックマークが記入されているものとして(図8−2参照)、以下、説明する。
【0107】
一方、情報処理センタ600は、保守会社Aから点検/修理依頼通知(FAX用紙)が返信されたかの判定をおこない(ステップS180)、このステップS180の判定によりFAX用紙が返信されたと判定された場合には(ステップS180肯定)、次いで、FAX用紙に記入された返信情報の取得をおこなう(ステップS190)。前述したように、この返信情報の取得処理とは、FAX用紙の状況確認/修理結果を取得する処理であり、具体的には、状況確認/修理結果欄に記入されたチェックマークをOCRなどにより読み取る処理である。次いで、返信情報取得処理により取得された返信情報の判定をおこなう返信情報判定処理に移行する(ステップS240)。具体的には、FAX用紙の状況確認/修理結果欄に記入されているチェックマークを読み取る。ここで、本例の場合、状況確認/修理結果欄には、デビット端末機300の修理が完了したことを示す「修理完了」のチェックマークが記入されているため、対象となるデビット端末機300の修理が完了したことを取得することができる。
【0108】
このステップS210の判定により、情報処理センタ600から点検/修理を依頼されたデビット端末機300の修理が完了したこと、或いは、異常がないことが確認されると(ステップS210肯定)、次いで、FAX用紙に印刷された特定情報の取得処理に移行する(ステップS220)。本例では、この特定情報の取得処理は、FAX用紙に記録されているバーコードを読み取る処理である。以下、特定情報(バーコード)の判定処理に移行する(ステップS230)。この特定情報(バーコード)の判定処理は、ステップS170おいて、保守会社A(保守員)に送信したFAX用紙に記録されているバーコードと、ステップS180において、保守員から返信されたFAX用紙に印字されているバーコードとを比較して、同一のバーコードであるかを判定する処理である。
【0109】
すなわち、次のステップS240により、情報処理センタ600から保守会社A(保守員)に対する報知連絡時に送信されたFAX用紙に印字された特定情報(バーコード)と、保守会社A(保守員)から情報処理センタ600に対する修理完了連絡時に返信されたFAX用紙に印字された特定情報(バーコード)とが同一であるかの判定をおこなう(ステップS240)。具体的には、ステップS180により受信されたFAX用紙のバーコードデータをバーコードリーダで読み取り、このバーコードデータと、ステップS170により送信されたFAX用紙に印刷されているバーコードデータとを比較し、一致している場合には(ステップS240肯定)、次の警告状態の解除処理に移行する(ステップS250)。
【0110】
この警告状態の解除処理は、情報処理センタ600から保守会社A(保守員)に対して、報知連絡により点検/修理が依頼されたデビット端末機300に対する警告状態を解除する処理である(ステップS260)。ここで、本例の場合、状況確認/修理結果欄には、デビット端末機300の修理が完了したことを示す「修理完了」のチェックマークが記入されているため、対象となる○△ホールに据置されたのデビット端末機300の警告状態が解除されるものとなる。一方、ステップS210の判定により、デビット端末機300の点検/修理が完了していないと判定された場合(ステップS210否定)およびステップS240の判定により特定情報(バーコード)が同一でないと判定された場合は(ステップS240否定)、当該デビット端末機300の警告状態が解除されることなく、そのまま処理が終了となる(エンド)。
【0111】
以上説明したように、本発明に係る警告状態解除システムは、情報処理センタ600がデビット端末機300から送信される「異常状態検知情報」を受信した場合、このデビット端末機300による警告状態に対する点検/修理依頼通知(FAX用紙/メールによる点検/修理依頼書)を保守会社A(保守員)に送信する際に、この点検/修理依頼通知に所定の特定情報(バーコード/PASS、暗証番号、報知用の識別ID)を含ませて送信をおこなうとともに、保守会社A(保守員)から返信された点検/修理依頼通知の特定情報を判定することにより、該当するデビット端末機300に対する警告状態の解除を自動的におこなうので、状況確認(点検)や修理が完了したデビット端末機300の端末IDなどの確認を迅速におこなうことができるうえ、対象となるデビット端末機300における警告状態の解除を遅延することなく正確におこなうことができる。
【0112】
(他の実施例)
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において、種々の異なる実施例にて実施することもできる。以下では、本発明に関する種々の変形例を順に説明する。
【0113】
すなわち、上述した実施例では、保守員による点検/修理完了報告が正規に返信された場合に、該当するデビット端末機300の警告状態を解除するようにしているが、情報処理センタ600から複数(例えば、保守会社Aの本社、営業所、保守員の3箇所)の報知先に対して、報知連絡(点検/修理依頼通知の送信)がおこなわれた場合などでは、3箇所全部の報知先から正規の点検/修理結果が正規に返信された場合を、警告状態を解除する条件としたり、2箇所以上の報知先から正規の点検/修理結果が返信された場合に、警告状態を解除する条件とすることもできる。この場合には、対象となるデビット端末機300に対する信頼性の高い確実な修復情報として警告状態の解除をおこなうことができる。
【0114】
また、上述した実施例では、特定情報判定部560(図5)の判定により、報知連絡時に情報処理センタ600から保守会社A(保守員)に送信された点検/修理依頼通知の特定情報と、解除連絡時に返信された点検/修理依頼通知の特定情報とが一致した場合、対象となるデビット端末機300の警告状態を自動的に解除するようにしているが、さらに、警告状態解除部565(図5)により対象となるデビット端末機300の警告状態が自動的に解除された場合、この解除時点で警告状態データベース580に記憶された解除の方法(FAX送信解除、メール送信解除)や解除日時を別の連絡先(保守会社の本社、営業所、保守員)に連絡するようにしてもよい。
【0115】
また、上述した実施例では、警告状態解除システムによる警告状態を解除する際に、情報処理センタ600が保守会社A(保守員)に対して送信する警告状態の報知連絡(FAX送信/メール送信)と、保守会社A(保守員)から情報処理センタ600に対して返信する解除連絡(FAX返信/メール返信)との組み合わせには、(1)点検/修理依頼が記載されたFAX用紙の送信による報知連絡/FAX用紙の返信による警告状態の解除連絡、(2)FAX用紙の送信による報知連絡/電話連絡による警告状態の解除連絡、(3)メール送信による報知連絡/メール返信による警告状態の解除連絡との3種類の警告状態の報知連絡/解除連絡方法があるが、特に、これら3種類の警告状態の報知連絡/解除連絡との組み合わせに限定することなく、こらら複数の報知連絡/解除連絡をそれぞれ組み合わせて、他の報知連絡/解除連絡を自由に設定することができる。
【0116】
例えば、情報処理センタ600から送信されたメール送信による点検/修理依頼に対する返信をメール返信による解除連絡ではなく、FAX用紙を使用した返信により警告状態の解除連絡としてもよい。この場合、情報処理センタ600から保守員に対して送信されたメール送信内容を直接、プリントし、このメール内容をプリントしたプリント用紙をFAX用紙として情報処理センタ600に返信することとなる。
【0117】
また、例えば、情報処理センタ600から送信されたメール送信による点検/修理依頼に対する返信をメール返信による解除連絡ではなく、電話連絡による返信により警告状態の解除連絡としてもよい。この場合、保守員は情報処理センタ600からメールにより送信された送信メールに記載されている報知用の識別IDおよび端末IDを確認し、この識別IDを暗証番号と同様に、デビット端末機300の解除連絡時に電話連絡する際、ガイダンスに応じて入力するものとなる。
【0118】
また、上述した実施例では、異常状態が検知され警告状態となったデビット端末機300に対する点検/修理を保守会社A(保守員)に依頼するようにしているが、この場合、デビット端末機300の点検/修理を保守会社A(保守員)に依頼するのではなく、単純に警告状態をアラームとして報知するだけでもよい。また、この場合、異常状態が発生したデビット端末機300によるデビット決済を一旦中止する制御を実施するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上のように、本発明に係るデビット決済における警告状態解除システムおよび警告状態解除方法は、デビット端末機により発生した警告状態を正確且つ効率良く解除することができるデビット決済システムにおける警告状態解除システムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本実施例に係る警告状態解除システムの全体構成を示すシステム構成図である。
【図2】警告状態解除システムが適用される遊技媒体貸出システムの全体構成を示す機能ブロック図である。
【図3】図2に示したデビット端末機の外観を示す正面図である。
【図4】実施例に係るデビット端末機の内部構成を示す全体機能ブロック図である。
【図5】警告状態報知/解除装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
【図6】情報処理センタから保守会社A(保守員)に送信されるFAX用紙の一例を示す説明図である。
【図7】警告状態データベースの構成を示す説明図である。
【図8−1】情報処理センタから保守会社A(保守員)に対して送信されるFAX用紙の記入例を示す説明図である。
【図8−2】保守会社A(保守員)から情報処理センタに対して返信されるFAX用紙の記入例を示す説明図である。
【図9】警告状態解除システムの基本手順の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施例に係る警告状態解除システムにおける警告状態の報知/解除手順の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0121】
100 遊技店
110 パチンコ機
150 カード処理機
200 カード発行機
210 カード精算機
255 島コントローラ
300 デビット端末機
310 制御ユニット
320 制御ユニット取り外しセンサ
330、330a 通信I/F部
340 デビット制御部
345 エラー状態判定部
350 表示部
370 デビットカード挿入/返却口
380 レシート排出口
385 印字部
390 デビットカード処理部
400 ターミナルコントローラ(T/C)
450、451、460 公衆回線網
452 インターネット
470 カード会社センタ
500 警告状態報知/解除装置
510 異常状態判定部
520 警告状態送信部
530 警告送信選択部
531 第1FAX送信部
532 第2FAX送信部
533 メール送信部
540 返信情報識別部
550 返信情報判定部
555 特定情報識別部
560 特定情報判定部
565 警告状態解除部
570 通信制御I/F部
580 警告状態データベース
600 情報処理センタ
700 CAFISネットワーク
710 クリアリングセンタ
800 デビットカード発行銀行
900 加盟店銀行
950 △△銀行

【特許請求の範囲】
【請求項1】
デビットカードによるデビット処理をおこなうデビット端末機と、デビット決済をおこなうとともに、前記デビット端末機による警告状態の発生時に、当該警告状態を解除する依頼を解除依頼通知として、外部の報知先に送信する情報処理センタとを備えるデビット決済システムにおける警告状態解除システムにおいて、
前記情報処理センタは、
前記外部の報知先に対して、前記解除依頼通知に個別の特定情報を含ませて送信する送信手段と、
前記解除依頼通知が、前記外部の連絡先から返信された場合に、当該解除依頼通知を受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された解除依頼通知に含まれる特定情報の識別をおこなう特定情報識別手段と、
前記送信手段により送信された解除依頼通知に含まれる特定情報と、前記受信手段により受信された解除依頼通知に含まれる特定情報との照合をおこなう特定情報判定手段と、
前記特定情報判定手段による特定情報の判定結果に基づいて、前記デビット端末機に対する警告状態の解除をおこなう警告状態解除手段と、
を備えたことを特徴とする警告状態解除システム。
【請求項2】
前記外部の報知先は、前記情報処理センタに対して、前記解除依頼通知により通知されたデビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を解除連絡結果として、前記解除依頼通知に含ませて返信する返信手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の警告状態解除システム。
【請求項3】
前記情報処理センタは、前記外部の報知先により返信される解除依頼通知に含まれる解除連絡結果を読み取るとともに、前記デビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を判定する返信情報判定手段をさらに備え、前記警告状態解除手段は、前記返信情報判定手段による点検/修理完了の判定時に、前記デビット端末機による警告状態の解除をおこなうことを特徴とする請求項2に記載の警告状態解除システム。
【請求項4】
前記特定情報は、ファクシミリ装置から出力されるとともに、ファクシミリ用紙に印字される整理番号であって、前記特定情報識別部は、前記整理番号を読み取るための光学式読取機能を備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載の警告状態解除システム。
【請求項5】
前記整理番号は、バーコードであって、前記特定情報識別部は、前記バーコードによる識別データを読み取るためのバーコード読取機能を備えることを特徴とする請求項4に記載の警告状態解除システム。
【請求項6】
前記特定情報は、電話連絡に使用する暗証番号であって、前記特定情報識別部は、前記暗証番号を識別するための暗証番号識別機能を備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載の警告状態解除システム。
【請求項7】
前記特定情報は、電子メール送信に使用する報知用の識別情報であって、前記特定情報識別部は、前記識別情報を読み取るための識別情報読取機能を備えることを特徴とする請求項1、2または3に記載の警告状態解除システム。
【請求項8】
前記情報処理センタは、前記点検/修理の対象となるデビット端末機の端末番号に対応した、デビット端末機による警告状態の発生日時と、情報処理センタから外部の報知先に対する報知連絡時の送信手段と、警告状態の解除日時と、前記外部の連絡先から情報処理センタに対する解除連絡時の返信手段とのうち、いずれかを記憶する警告状態データベースを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の警告状態解除システム。
【請求項9】
デビットカードによるデビット処理をおこなうデビット端末機と、デビット決済をおこなうとともに、前記デビット端末機による警告状態の発生時に、当該警告状態を解除する依頼を解除依頼通知として、外部の報知先に送信する情報処理センタとを備えるデビット決済システムにおける警告状態解除方法において、
前記情報処理センタは、
前記外部の報知先に対して、前記解除依頼通知に個別の特定情報を含ませて送信する送信工程と、
前記解除依頼通知が、前記外部の連絡先から返信された場合に、当該解除依頼通知を受信する受信工程と、
前記受信工程により受信された解除依頼通知に含まれる特定情報の識別をおこなう特定情報識別工程と、
前記送信工程により送信された解除依頼通知に含まれる特定情報と、前記受信工程により受信された解除依頼通知に含まれる特定情報との照合をおこなう特定情報判定工程と、
前記特定情報判定工程による特定情報の判定結果に基づいて、前記デビット端末機に対する警告状態の解除をおこなう警告状態解除工程と、
を含むことを特徴とする警告状態解除方法。
【請求項10】
前記外部の報知先は、前記情報処理センタに対して、前記解除依頼通知により通知されたデビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を解除連絡結果として、前記解除依頼通知に含ませて返信する返信工程を備えることを特徴とする請求項9に記載の警告状態解除方法。
【請求項11】
前記情報処理センタは、前記外部の報知先により返信される解除依頼通知に含まれる解除連絡結果を読み取るとともに、前記デビット端末機に対する点検/修理結果の完了或いは未完了を判定する返信情報判定手段をさらに備え、前記警告状態解除工程は、前記返信情報判定工程による点検/修理完了の判定時に、前記デビット端末機による警告状態の解除をおこなうことを特徴とする請求項10に記載の警告状態解除方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−39653(P2006−39653A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−214500(P2004−214500)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(000001432)グローリー工業株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】