説明

警告装置、警告装置の制御方法およびプログラム

【課題】レジカウンター周辺での店員の挙動から、会計処理における当該店員の不正行為を検出することができる警告装置、警告装置の制御方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】レジカウンター7周りにおいて、店員が不正行為を行ったと見なされる店員の挙動を示す不正挙動パターンを記憶する不正挙動パターン記憶部Tと、レジカウンター7周りにおける店員の挙動を検出する挙動検出部3(4)と、挙動検出部3(4)の検出結果から、店員の挙動が不正挙動パターン記憶部Tに記憶されている不正挙動パターンに該当すると判定された場合、警告を行う警告部98と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売店やスーパーマーケット等の店舗において、当該店舗の店員の不正行為を検出することができる警告装置、警告装置の制御方法およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、小売店やスーパーマーケット等の店舗において、POSターミナルによる会計処理時の店員の不正行為の検出を目的としたシステムが知られている。このシステムは、POSターミナルと、POSターミナル(およびその周辺)を撮像するカメラと、フォトジャーナルレコーダーと、検索端末と、により構成されている。フォトジャーナルレコーダーとは、ジャーナルデータ(取引履歴データ)、カメラにより撮像されたPOSターミナル(周辺)の画像データおよび店員によるPOSターミナルの操作履歴(操作履歴データ)を関連付けて記録するものである。そして、管理者(オペレーター)が検索端末を用いて、時間やPOSターミナルの操作情報等の所定の検索条件を指定することにより、検索条件に一致するジャーナルデータおよび当該ジャーナルデータに関連付けられた画像データを併せてディスプレイに表示する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−115504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のシステムでは、管理者が指定した検索条件に一致する会計処理の内容(取引履歴)およびその時の撮像画像を一覧表示するのみであり、会計処理において不正行為が行われたか否かを検出するためには、逐一、管理者が画像を確認しなければならない。つまり、管理者が能動的に(自発的に)検索処理を実行し、その検索結果である画像を確認しなければ不正行為が行われたか否かを判断できないため、不正行為の検出に膨大な時間と労力が掛かるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑み、レジカウンター周辺での店員の挙動から、会計処理における当該店員の不正行為を検出することができる警告装置、警告装置の制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の警告装置は、レジカウンター周りにおいて、店員が不正行為を行ったと見なされる店員の挙動を示す不正挙動パターンを記憶する不正挙動パターン記憶部と、レジカウンター周りにおける店員の挙動を検出する挙動検出部と、挙動検出部の検出結果から、店員の挙動が前記不正挙動パターン記憶部に記憶されている不正挙動パターンに該当すると判定された場合、警告を行う警告部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の警告装置の制御方法は、レジカウンター周りにおいて、店員が不正行為を行ったと見なされる店員の挙動を示す不正挙動パターンを記憶する不正挙動パターン記憶部を有し、当該不正挙動パターンに基づいて、店員の不正行為を判別する警告装置の制御方法であって、コンピューターが、レジカウンター周りにおける店員の挙動を検出する挙動検出ステップと、挙動検出ステップの検出結果から、店員の挙動が不正挙動パターン記憶部に記憶されている不正挙動パターンに該当すると判定された場合、警告を行う警告ステップと、を実行することを特徴とする。
【0008】
これらの構成によれば、レジカウンター周りにおける店員の挙動の監視結果から、店員の挙動が不自然であると判別した場合、当該店員により不正行為が行われた(不正が行われた疑いがある)と判断して警告を行うことができる。これにより、従来のように管理者が能動的に不正行為の検出を行うこと無く、簡単に不正行為の検出を行うことができるため、店員による不正行為の検出・確認に掛かる時間および労力を軽減することができる。
【0009】
本発明の警告装置において、レジカウンターに設けられた会計処理部の会計処理結果である会計情報を取得する会計情報取得部をさらに備え、警告部は、会計情報に、会計処理の例外処理を示す所定の情報が含まれ、且つ挙動検出部の検出結果から、例外処理時における店員の挙動が不正挙動パターンに該当すると判定された場合、警告を行うことが好ましい。
【0010】
また、本発明の警告装置の制御方法において、レジカウンターに設けられた会計処理部の会計処理結果である会計情報を取得する会計情報取得ステップをさらに備え、警告ステップでは、会計情報に、会計処理の例外処理を示す所定の情報が含まれ、且つ挙動検出ステップの検出結果から、例外処理時における店員の挙動が不正挙動パターンに該当すると判定された場合、警告を行うことが好ましい。
【0011】
これらの構成によれば、特に、例外処理時の店員の挙動(当該例外処理前後におけるレジカウンター周りの店員の挙動)を監視し、この監視結果から、店員の挙動が不自然であると判別した場合、当該店員により不正行為が行われたと判断する。例外処理のように、不正行為の手口として悪用される可能性が高い処理を対象とすることで、不正行為の検出を効率良く行うことができる。
【0012】
本発明の警告装置において、例外処理は、会計処理中において入力データをキャンセルするための「中止処理」、会計処理後に当該会計処理の取り消し行うための「取消し処理」、商品の返品を行うための「返品処理」、商品の値引きを行うための「値引処理」、商品の割引きを行うための「割引処理」、金銭の両替を行うための「両替処理」、出金の記録や返金を行うための「出金/返金処理」、およびレシートを再発行するための「再発行処理」の内、少なくとも1つの処理を含むことが好ましい。
【0013】
また、本発明の警告装置の制御方法において、例外処理は、会計処理中において入力データをキャンセルするための「中止処理」、会計処理後に当該会計処理の取り消し行うための「取消し処理」、商品の返品を行うための「返品処理」、商品の値引きを行うための「値引処理」、商品の割引きを行うための「割引処理」、金銭の両替を行うための「両替処理」、出金の記録や返金を行うための「出金/返金処理」、およびレシートを再発行するための「再発行処理」の内、少なくとも1つの処理を含むことが好ましい。
【0014】
これらの構成によれば、一般的に、不正行為の手口として悪用される可能性が高い例外処理を警告対象とすることで(不正行為を行い易いとされる例外処理を警告対象とすることで)、不正行為の検出を効率良く行うことができる。
【0015】
本発明の警告装置において、警告部は、例外処理における取引金額が、予め定められた所定額以上であるか否かを考慮して、警告を行うことが好ましい。
【0016】
また、本発明の警告装置の制御方法において、警告ステップでは、例外処理における取引金額が、予め定められた所定額以上であるか否かを考慮して、警告を行うことが好ましい。
【0017】
これらの構成によれば、取引金額が所定額以上か否かを1つのパラメータとして不正行為の判定を行い、警告を行うか否かを判断することできるため、きめ細かく不正行為の検出を行うことができる。例えば、取引金額が小額(所定額以下)である例外処理は対象外とし、取引金額が高額(所定額以上)である例外処理のみを対象とすることで、取引金額に拘らず全ての例外処理を対象として不正行為の検出を行う場合に比べ、効率的に不正行為を検出することができる。
【0018】
本発明の警告装置において、挙動検出部は、レジカウンター周りの店員を撮像した撮像画像により、店員の挙動を検出することが好ましい。
【0019】
また、本発明の警告装置の制御方法において、挙動検出ステップでは、レジカウンター周りの店員を撮像した撮像画像により、店員の挙動を検出することが好ましい。
【0020】
これらの構成によれば、挙動検出に店員の撮像画像を利用することで、店員の細かな動きを検出することができるため、不自然な挙動の検出精度を上げることができる。例えば、撮像画像により単位時間当たりの店員の頭部の位置変化を検出し、頭部の位置変化が激しい場合(周囲を見回すような動きの場合)は落ち着きが無い、つまり不正行為を行った可能性が高いと判断することができる。
【0021】
本発明の警告装置において、店員は、当該店員を特定するためのIDが割当てられたICカードを所持しており、挙動検出部は、ICカードの読取結果に基づいて、店員の挙動を検出することが好ましい。
【0022】
また、本発明の警告装置の制御方法において、店員は、当該店員を特定するためのIDが割当てられたICカードを所持しており、挙動検出ステップでは、ICカードの読取結果に基づいて、店員の挙動を検出することが好ましい。
【0023】
これらの構成によれば、ICカードの読取結果に基づいて、店員の位置を把握することで、例えば、レジカウンター周辺を行ったり来たりするような(レジの出入りを繰り返すような)、不自然な挙動を簡単に検出することができる。
【0024】
本発明のプログラムは、コンピューターに、上記に記載の警告装置の制御方法における各ステップを実行させることを特徴とする。
【0025】
これを用いることにより、会計処理時(例外処理時)における店員の挙動から、不正行為が行われたことを検出し、その旨を警告することが可能なプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態に係る店舗監視システムのシステム構成図である。
【図2】第1実施形態に係る店舗監視システムの制御ブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る店舗監視システムの機能ブロック図である。
【図4】第1実施形態の不正パターンテーブルを示す図である。
【図5】第1実施形態の店舗監視システムにおいて、店員の挙動から不正行為を検出する手順について説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る店舗監視システムのシステム構成図である。
【図7】第2実施形態に係る店舗監視システムの制御ブロック図である。
【図8】第2実施形態に係る店舗監視システムの機能ブロック図である。
【図9】第2実施形態に係る不正パターンテーブルを示す図である。
【図10】第2実施形態の店舗監視システムにおいて、店員が更衣室に入室したことをトリガーとして、不正行為を検出する手順について説明するフローチャートである。
【図11】第2実施形態の店舗監視システムにおいて、店員が高額商品棚に立ち寄ったことをトリガーとして、不正行為を検出する手順について説明するフローチャートである。
【図12】第2実施形態の店舗監視システムにおいて、店員がレジカウンターに立ち入ったことをトリガーとして、不正行為を検出する手順について説明するフローチャートである。
【図13】本発明の第3実施形態に係る店舗監視システムのシステム構成図である。
【図14】第3実施形態に係る店舗監視システムの制御ブロック図である。
【図15】第3実施形態に係る店舗監視システムの機能ブロック図である。
【図16】第3実施形態に係る不正パターンテーブルを示す図である。
【図17】第3実施形態の店舗監視システムにおいて、返品申請者と購買顧客とが同一人物かを識別することにより不正行為を検出する手順について説明するフローチャートである。
【図18】第3実施形態の店舗監視システムにおいて、返品申請で用いられるレシートの真贋を判定することにより、不正行為を検出する手順について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[第1実施形態]
以下、添付の図面に基づいて、本発明の一実施形態に係る店舗監視システムについて説明する。第1実施形態では、小売店やスーパーマーケット等の店舗において、店員の挙動(行動)を監視することで、当該店舗における店員による不正行為を検出することができる店舗監視システムについて説明する。
【0028】
図1は、本発明の第1実施形態に係る店舗監視システムSY1のシステム構成図である。同図に示すように、店舗監視システムSY1は、会計処理を行うPOS端末1と、レシートRを発行するレシートプリンター2と、店員を撮像する店員監視カメラ3(挙動検出部)と、各店員が所持する店員カードC(ICカード)を読み取るカード読取装置4(挙動検出部)と、店員の不正行為を検出する店舗管理サーバー5と、により構成されている。POS端末1とレシートプリンター2とは、シリアルインターフェイス(例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス等)により通信可能に接続される。また、各構成要素は、店舗内LAN6(有線または無線)により通信可能に接続される。なお、請求項に係る「警告装置」とは、レシートプリンター2、店員監視カメラ3、カード読取装置4および店舗管理サーバー5を、その主要な構成要素とするものである。
【0029】
また、第1実施形態では、POS端末1が1台の場合を例示しているが、複数台のPOS端末1が存在する構成であっても良い。この場合、各POS端末1のそれぞれに対応したレシートプリンター2、店員監視カメラ3およびカード読取装置4が設置される。
【0030】
POS端末1は、レジカウンター7に設置されたレジスターであり、店員(オペレーター)により入力された商品に関する情報に基づいて会計処理(例外処理を含む)を実行するものである。そして、会計処理の結果である会計情報(例外処理および例外処理以外の通常会計処理のレシートデータやカスタマディスプレイ表示用データ等。以下、それぞれ「例外処理情報」および「通常会計情報」と称す。)を、レシートプリンター2に送信する。
【0031】
店員監視カメラ3は、レジカウンター7の上方(あるいは側方)に設置されており、レジカウンター7でレジ操作を行っている店員(店員の周辺を含む)を撮像する。この店員監視カメラ3により撮像した店員画像データ(撮像日時を含む)は、店員監視カメラ3自身を特定するカメラIDと関連付けられて(以下、「店員画像情報」と称す。)、レシートプリンター2を介して店舗管理サーバー5へ送信される。なお、上述では、店員監視カメラ3の設置位置をレジカウンター7の上方(あるいは側方)としたがこれに限るものではない。例えば、店員監視カメラ3をPOS端末1付近に設置しても良い。
【0032】
店員カードCは、RFIDタグ付きのカードであり、店員を一意に特定するための店員IDが付与されている。カード読取装置4は、所謂RFIDリーダーライタであり、レジカウンター7(POS端末1の近傍)に配置されている。このカード読取装置4は、店員が所持する店員カードCを非接触で読み取る。そして、当該店員カードCに記憶されている店員IDを取得することで、店員の位置を検出する。取得した店員IDは、当該店員IDの取得日時およびカード読取装置4自身を特定する装置IDと関連付けられ(以下、「店員位置情報」と称す。)、レシートプリンター2を介して店舗管理サーバー5へ送信される。
【0033】
レシートプリンター2は、POS端末1から受信した会計情報に基づくレシートRの発行(印刷)を行うものである。また、レシートプリンター2は、レシートRの発行以外にも、POS端末1から受信した会計情報を店舗管理サーバー5へ送信する機能や、店員監視カメラ3から受信した店員画像情報およびカード読取装置4から受信した店員位置情報を店舗管理サーバー5へ送信する機能(中継する機能)を有している。このように、各種情報をフィルタリングして必要な情報のみをレシートプリンター2を介して店舗管理サーバー5に送信することで、POS基幹ネットワークのトラフィックに影響を与えることがない。また、POS基幹ネットワーク自体の変更が不要となる。
【0034】
店舗管理サーバー5は、店員による不正行為を検出するものであり、特に、例外処理が発生した場合、当該例外処理発生時(例外処理発生前後)のレジカウンター7周辺における店員の挙動(行動)から、当該店員が不正行為を行ったか否か(不正行為の疑いがあるか否か)を検出し、不正行為が検出された場合、その旨の警告を通知する。この店員の挙動の検出は、上述の店員監視カメラ3で撮像した店員画像データの解析結果、およびカード読取装置4による店員カードCの読取結果に基づいて行われる。
【0035】
このように、店員の挙動検出に、撮像画像(店員画像データ)を利用することで、店員の細かな動きを検出することができるため、不自然な挙動の検出精度を上げることができる。また、店員の挙動検出に、店員カードCの読取結果を利用することで、店員の位置を容易に把握することができるため、不自然な挙動を簡単に検出することができる。
【0036】
なお、第1実施形態では、不正行為を検出するための要素となる例外処理として、会計処理中において入力データをキャンセルするための「中止処理」、会計処理後に当該会計処理の取り消し行うための「取消処理」、商品の返品を行うための「返品処理」、商品の値引きを行うための「値引処理」、商品の割引きを行うための「割引処理」、および金銭の両替を行うための「両替処理」、出金の記録や返金を行うための「出金/返金処理」、およびレシートを再発行するための「再発行処理」を想定する。このように、一般的に、不正行為の手口として悪用される可能性が高い例外処理を対象とすることで(不正行為を行い易いとされる例外処理を対象とすることで)、不正行為の検出を効率良く行うことができる。
【0037】
次に、図2の店舗監視システムSY1の制御ブロック図を参照して、店舗監視システムSY1の各要素の制御構成ついて説明する。
【0038】
POS端末1は、記憶部12、計時部13、通信部14、インターフェイス15、およびこれら各部と接続されPOS端末1を制御する制御部11を備え、インターフェイス15を介してPOS周辺機器が接続されている。POS周辺機器としては、キーボード16およびオペレータ用ディスプレイ17等が接続されている。また、インターフェイス15を介してレシートプリンター2とも接続されている。
【0039】
制御部11は、中央処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが各種処理を実行するための制御プログラムや制御データを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)を含み、POS端末1を統括制御する。また、ROMには、POS端末1に付与された固有の識別子(POS端末番号)が記憶されている。
【0040】
記憶部12は、POSアプリケーション12aを記憶する。POSアプリケーション12aは、会計処理を行うプログラムであり、キーボード16やオペレータ用ディスプレイ17等を制御するための周辺機器制御プログラムを含んでいる。計時部13は、現在日時をカウントする。第1実施形態では、会計処理が実行された日時を取得する際に用いられる。通信部14は、店舗内LAN6を経由してPOSサーバー(図示省略)等との間で通信を行う。
【0041】
制御部11は、キーボード16による入力情報、または後述のバーコードスキャナー25によるバーコードの読み取り情報によって、POSサーバーから購入商品の商品情報を取得する。そして、制御部11は、POSアプリケーション12aと連係して取得した商品情報を元に会計情報を生成し、当該会計情報をレシートプリンター2に送信する。
【0042】
レシートプリンター2は、通信部22、印刷部23、インターフェイス24、およびこれら各部と接続されレシートプリンター2を制御する制御部21を備え、インターフェイス24を介して、バーコードスキャナー25やカスタマディスプレイ26、およびキャッシュドロア27等のPOS周辺機器が接続されている。また、インターフェイス24を介してPOS端末1とも接続されている。
【0043】
制御部21は、中央処理装置であるCPU、CPUが各種処理を実行するための制御プログラム(バーコードスキャナー25、カスタマディスプレイ26およびキャッシュドロア27を制御する周辺機器制御プログラムを含む)や制御データを記憶するROM、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとして用いられるRAMを含み、レシートプリンター2を統括制御する。
【0044】
通信部22は、店舗内LAN6により接続された店員監視カメラ3、カード読取装置4、および店舗管理サーバー5との間で通信を行うものである。制御部21は、インターフェイス24を介してPOS端末1から受信した会計情報を、通信部22を制御して店舗管理サーバー5へ送信する。また、店員監視カメラ3から店員画像情報を受信し、当該店員画像情報を店舗管理サーバー5へ送信する。さらに、カード読取装置4から店員位置情報を受信し、当該店員位置情報を店舗管理サーバー5へ送信する。印刷部23は、会計情報に基づいて生成された印刷情報をレシート用紙に印刷する。
【0045】
店員監視カメラ3は、画像撮影部32、計時部33、記憶部34、通信部35、およびこれら各部と接続され店員監視カメラ3を制御する制御部31を備えている。
【0046】
画像撮影部32は、レジカウンター7に居る店員(店員の周囲も含む)を撮像する。計時部33は、現在日時をカウントする。第1実施形態では、店員画像データの撮像日時を取得する際に用いられる。記憶部34は、自身を特定するためのカメラIDを記憶する。通信部35は、店舗内LAN6で接続されたレシートプリンター2との間で通信する。制御部31は、撮像した店員画像データ(撮像日時を含む)、およびカメラIDから成る店員画像情報を、通信部35を制御してレシートプリンター2に送信する。
【0047】
店員カードCは、RFID通信部42、RFIDアンテナ43、記憶部44、電力発生部45、およびこれら各部と接続され店員カードCを制御する制御部41を備えている。RFID通信部42は、RFIDアンテナ43を介して、カード読取装置4と無線通信(近距離無線通信)を行う。このRFID通信部42では、カード読取装置4との信号(データ)の送受信の際、信号の変調/復調等の処理が実行される。
【0048】
記憶部44は、自身を特定するための店員IDを記憶する。電力発生部45は、各部を駆動するための電力を発生させるものであり、RFIDアンテナ43を介してカード読取装置4から受信する電力供給用の信号(搬送波)を利用することにより起電力を発生させる。これら各部が制御部41により制御されることにより、店員カードCは、カード読取装置4と通信を行い、結果として店員IDがカード読取装置4により読み取られる。
【0049】
カード読取装置4は、RFID通信部52、RFIDアンテナ53、無線LAN通信部54、無線LANアンテナ55、記憶部56、計時部57およびこれら各部と接続されカード読取装置4を制御する制御部51を備えている。
【0050】
RFID通信部52は、RFIDアンテナ53を介して、店員カードCと無線通信(近距離無線通信)を行う。このRFID通信部52では、店員カードCとの信号(データ)の送受信の際、信号の変調/復調等の処理が実行される。計時部57は、現在日時をカウントする。第1実施形態では、店員IDの取得日時を取得する際に用いられる。記憶部56は、自身を特定するための装置IDを記憶する。
【0051】
無線LAN通信部54は、無線LANアンテナ55を介して、店舗内LAN6に接続されたレシートプリンター2との間で通信を行う(詳しくは、図示しない無線LANルータ等を経由して店舗内LAN6に接続されたレシートプリンター2と通信を行う)。制御部51は、RFID通信部52を制御して、店員カードCから店員IDを取得し、取得した店員ID、店員IDの取得日時および装置IDから成る店員位置情報を、無線LAN通信部54を制御してレシートプリンター2に送信する。
【0052】
店舗管理サーバー5は、制御部61、HDD(Hard Disk Drive)62、通信部63の他、一般的なパーソナルコンピューターに搭載されるハードウェア構成を有している。制御部61は、中央処理装置であるCPU、CPUが各種処理を実行するための制御プログラムや制御データを記憶するROM、CPUが各種処理を実行する際のワークエリアとして用いられるRAMを含み、店舗管理サーバー5を統括制御する。
【0053】
通信部63は、店舗内LAN6で接続されたレシートプリンター2との間で通信を行う。制御部61は、通信部63を制御して、レシートプリンター2から会計情報(通常会計情報および例外処理情報)、店員画像情報および店員位置情報を受信する。
【0054】
HDD62は、画像処理プログラム65、会計情報データベース66、店員画像データベース67、店員位置データベース68、不正パターンテーブルT(不正挙動パターン記憶部)を有している。画像処理プログラム65は、店員画像データを解析することにより、店員の行動(挙動)を分析する。
【0055】
会計情報データベース66は、レシートプリンター2から受信した会計情報を記録するものである。この会計情報は、会計処理番号、POS端末番号、会計処理日時、会計処理種別、店員IDおよび取引情報等の複数の項目についての情報を含んでいる。会計処理番号は、1つの取引単位毎に採番される番号である。POS端末番号は、会計処理を実行したPOS端末1を特定するための情報である。会計処理日時は、会計処理が行われた日付、時刻を示す情報である。会計処理種別は、実行された会計処理の種別(「通常会計処理(例外処理以外の処理)」、「中止処理」、「取消処理」、「返品処理」、「値引処理」、「割引処理」、「両替処理」、「出金/返金処理」、「再発行処理」等)を示す情報である。店員IDは、会計処理を実行した(レジ操作を行った)店員を識別する情報である。この店員IDは、店員がPOS端末1を操作する際に入力する。取引情報は、販売した商品コード、商品の個数、商品毎の金額、販売商品の合計金額等の情報が含まれる。
【0056】
店員画像データベース67は、店員画像情報(カメラIDおよび店員画像データ(撮像時刻))を記憶する。店員位置データベース68は、店員位置情報(店員ID、店員IDの取得時刻および装置ID)を記憶する。不正パターンテーブルTは、例外処理発生時において不正が疑われる店員の挙動(行動)、顧客の状態、店舗内の状況および商品の取引状況等、不正行為が行われたか否かを判定するための様々な要素を組み合わせた複数の不正パターンを登録する(詳細は後述する)。
【0057】
以上の構成により、制御部61は、例外処理が発生した場合、店員画像データベース67に記憶された当該例外処理発生前後の店員画像データを画像解析した解析結果、および店員位置データベース68に記憶された位置情報の分析結果に基づいて、例外処理発生前後の店員の挙動を検出する。そして、検出した店員の挙動、顧客の状態、店舗内の状況および商品の取引状況等が、不正パターンテーブルTに登録されている不正パターンに該当する場合に、店員による不正行為が行われたと判定する。そして、制御部61は、店員の不正行為を検出した場合、不正行為が発生した旨(不正行為が疑われる旨)の警告を通知する。
【0058】
続いて、図3の機能ブロック図を参照して、店舗監視システムSY1の各構成要素の機能について説明する。
【0059】
POS端末1は、会計処理手段71および会計情報送信手段72を有している。会計処理手段71は、店員により入力された商品に関する情報に基づいて会計処理を行い、その処理結果として会計情報を生成する。会計情報送信手段72は、会計処理手段71により生成した会計情報を、レシートプリンター2に対して送信する。
【0060】
店員監視カメラ3は、店員画像撮像手段73および店員画像情報送信手段74を有している。店員画像撮像手段73は、レジカウンター7における店員を撮像する。店員画像情報送信手段74は、店員画像撮像手段73により撮像した店員画像データ(撮像時刻)および自身のカメラIDを店員画像情報として、レシートプリンター2に送信する。
【0061】
カード読取装置4は、店員ID取得手段75および店員位置情報送信手段76を有している。店員ID取得手段75は、店員カードCを読み取り店員IDを取得する。店員位置情報送信手段76は、店員ID取得手段75により取得した店員ID、店員IDを取得した取得日時、および装置IDを店員位置情報として、レシートプリンター2に送信する。
【0062】
レシートプリンター2は、会計情報取得手段81、例外処理検出手段82、通常会計情報送信手段83、例外処理情報送信手段84、店員画像情報送受信手段85、および店員位置情報送受信手段86を有している。
【0063】
会計情報取得手段81は、会計情報送信手段72から会計情報を取得(受信)する。例外処理検出手段82は、会計情報取得手段81により取得した会計情報から例外処理を示す情報を検出する。通常会計情報送信手段83は、例外処理検出手段82により例外処理を示す情報が検出されなかった会計情報、つまり通常の会計処理により生成された会計情報(通常会計情報)を店舗管理サーバー5に送信する。例外処理情報送信手段84は、例外処理検出手段82により例外処理を示す情報が検出された会計情報(例外処理情報)を店舗管理サーバー5に送信する。なお、通常会計情報送信手段83および例外処理情報送信手段84を1つの手段として実現するようにしても良い。
【0064】
店員画像情報送受信手段85は、店員画像情報送信手段74から店員画像情報を受信し、これを店舗管理サーバー5へ送信する。店員位置情報送受信手段86は、店員位置情報送信手段76から店員位置情報を受信し、これを店舗管理サーバー5へ送信する。
【0065】
店舗管理サーバー5は、通常会計情報受信手段91(会計情報取得部)、例外処理情報受信手段92(会計情報取得部)、店員画像情報取得手段93、店員位置情報取得手段94、店員画像解析手段95、店員位置分析手段96、不正行為判定手段97および警告手段98(警告部)を有している。
【0066】
通常会計情報受信手段91は、通常会計情報送信手段83から通常会計情報を受信し、会計情報データベース66に登録する。例外処理情報受信手段92は、例外処理情報送信手段84から例外処理情報を受信し、会計情報データベース66に登録する。なお、通常会計情報受信手段91および例外処理情報受信手段92を1つの手段として実現するようにしても良い。店員画像情報取得手段93は、店員画像情報送受信手段85から店員画像情報を受信し、店員画像データベース67に登録する。店員位置情報取得手段94は、店員位置情報送受信手段86から店員位置情報を受信し、店員位置データベース68に登録する。
【0067】
店員画像解析手段95は、店員画像データベース67から解析対象となる店員画像データを取得し、取得した店員画像データを解析することで店員の行動(挙動)を検出する。具体的には、ある時点(例えば、例外処理の発生時点)を基準として、その前後所定時間内の店員画像データを取得し、取得した店員画像データについて単位時間でのフレーム間の差分を取ることで動領域を検出し、その動領域に対して顔検出(顔特徴量に相当する部分がないか確認)を実施する。これにより、顔検出ができた部分を人と判別する。その後、前記の内容を繰り返し、人の動線把握や頭部の位置変化を把握する。これにより、店員の動きを検出することができ、例えば、頭部の位置変化が激しい場合(周囲を見回すような動きの場合)は落ち着きが無い、つまり不正行為を行った可能性が高いと判断することができる。
【0068】
店員位置分析手段96は、店員位置データベース68を参照し、ある時点(例えば、例外処理の発生時点)を基準として、その前後所定時間内に対象となる店員IDが何回検出されているのかを取得することで、店員の行動(挙動)を検出する。これにより、例えば、レジカウンター7周辺を行ったり来たりするような、不自然な挙動を簡単に検出することができる。
【0069】
不正行為判定手段97は、例外処理情報受信手段92により取得した例外処理情報(例外処理の種別)、店員画像解析手段95による当該例外処理発生前後における店員画像データの解析結果、および店員位置分析手段96による当該例外処理前後における店員位置の分析結果と、不正パターンテーブルTとを比較することで、不正行為が行われたか否かを判定する。比較の結果、不正パターンテーブルTに登録されている不正パターンに該当する場合、不正行為が行われたと判定する。
【0070】
警告手段98は、不正行為判定手段97により不正行為が行われたと判定された場合に警告を通知する。警告の通知方法としては、管理者(店長等)が所持する携帯端末にメールを送信したり、あるいは、店舗管理サーバー5のディスプレイ(図示省略)に警告内容を表示する。前者の場合、管理者の居場所に拘らず、確実に不正行為の発生を通知することができるため、管理者は不正行為に対する対応を迅速に行うことができる。また、前者の場合、警告手段は、制御部61および通信部63により、その主要部が構成される。
【0071】
ここで、図4を参照して、不正パターンテーブルTの構成について説明する。なお、ここでは、不正パターンテーブルTに、取消処理時の不正行為を検出するための不正パターン1および2が登録されている例を挙げて説明する。図4に示すように、不正パターンテーブルTは、不正行為が行われたか否かを判定するための様々な要素から構成されている。「事象」は、不正行為を検出するために確認が必要な事象を示す情報である。「判定内容」は、各事象の判定内容を示す情報である。「判定基準」は、不正行為であると判定する基準を示す情報である。「事象の順序」は、各事象が発生する順番を示す情報である。「各事象との間隔」は、事象の発生を判定するための制限時間を示す情報である。
【0072】
例えば、不正パターン1は、「取消処理」が発生する前10秒以内に、レジカウンター7周辺(POS端末1周辺)で、店員が1秒間に3回以上、顔を左右に振ったことを検出し、さらに取消処理の取引金額が5,000円以上の場合、不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定するパターンである。また、不正パターン2は、「取消処理」が発生する前3分以内に、店員が、レジカウンター7(POS端末1付近)に、5回以上出入りしたこと検出し、さらに取消処理の取引金額が5,000円以上の場合、不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定するパターンである。これら不正パターン1および2により、例えば、店員が、顧客が受け取らなかったレシートRを使い、レジカウンター7周辺(POS端末1周辺)に誰も居ないことを確認した後、取消処理を行い、取消金額(売上金額)に相当する現金を着服するような不正行為を検出することができる。
【0073】
なお、同図に示す不正パターン1および2はあくまでも一例であり、これに限るものではない。例えば、上記以外の店員の挙動(手の動きや身体の上下動等)を考慮して不正パターンを作成しても良いし、例外処理発生時における顧客の状態(レジカウンター7前における顧客の有無や顧客の行動)や店舗内の状況、あるいは会計処理装置の状態(POS端末1やPOS周辺機器の状態(例えば、バーコードスキャナー25での読取状態やキャッシュドロア27の開閉状態等))を考慮して不正パターンを作成することも可能である。
【0074】
続いて、図5のフローチャートを参照して、店舗管理サーバー5により不正行為を検出する手順について説明する。なお、ここでは、例外処理として取消処理が実行された場合に、店員の挙動から不正行為を検出する手順を例に挙げて説明する。まず、店舗管理サーバー5(制御部61)は、取消処理が発生したことを検知すると(S01)、当該取消処理発生時点を基準として、予め定められた時間分(例えば、取消処理発生の前10秒間)の店員画像データを店員画像データベース67から抽出する(S02)。続いて、店舗管理サーバー5は、抽出した店員画像データを画像解析する(S03)。
【0075】
画像解析の結果、店員の顔(頭部)が左右に振れる動きを、予め定められた規定回数/秒以上(例えば、3回/秒以上)検出した場合(S04;Yes)、取消処理における取消金額が、予め定められた基準金額以上(例えば、5,000円以上)か否かを判定する。
【0076】
判定の結果、取消金額が基準金額以上の場合(取消金額≧基準金額,S05;Yes)、店舗管理サーバー5は、店員により不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し(図4の不正パターン1に該当すると判定)、管理者に対して警告(例えば、「不正な取消処理の疑いあり」)を通知する(S06)。一方、判定の結果、取消金額が基準金額未満の場合(取消金額<基準金額,S05;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0077】
一方、S03の画像解析の結果、店員の顔(頭部)が左右に振れる動きを、規定回数/秒以上検出しなかった場合(S04;No)、店舗管理サーバー5は、取消処理発生時点を基準として、予め定められた時間分(例えば、取消処理発生の前3分間)の店員位置情報を分析する(S07)。
【0078】
分析の結果、取消処理を実行した店員の店員IDが、予め定められた規定回数以上(例えば、5回以上)検出されなかった場合(S08;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0079】
一方、分析の結果、取消処理を実行した店員の店員IDが、規定数以上検出された場合(S08;Yes)、店舗管理サーバー5は、取消処理における取消金額が予め定められた基準金額以上か否かを判定する。判定の結果、取消金額が所基準金額以上の場合(取消金額≧基準金額,S05;Yes)、店舗管理サーバー5は、店員により不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し(図4の不正パターン2に該当)、管理者に対して警告(例えば、「不正な取消処理の疑いあり」)を通知する(S06)。一方、判定の結果、取消金額が基準金額未満の場合(取消金額<基準金額,S05;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0080】
なお、上記では、取引金額により警告を行うか否かを判定しているが、これに限らず、例えば、各判定工程において、不正値(不正の度合いを示す情報)を加算していき、その合計が予め定められた規定値以上の場合に警告を行うようにしても良い。また、不正値を合計した値によって、警告内容や警告方法を変えるようにしても良い。
【0081】
以上のように、第1実施形態によれば、レジカウンター7周りにおける店員の挙動の監視結果から、店員の挙動が不自然であると判別した場合、当該店員により不正行為が行われた(不正が行われた疑いがある)と判断して警告を行うことができる。これにより、従来のように管理者が能動的に不正行為の検出を行うこと無く、簡単に不正行為の検出を行うことができるため、店員による不正行為の検出・確認に掛かる時間および労力を軽減することができる。
【0082】
特に、例外処理のように、不正行為の手口として悪用される可能性が高い処理を対象として店員の挙動(当該例外処理前後におけるレジカウンター7周りの店員の挙動)を監視し、この監視結果から、当該店員により不正行為が行われた(不正が行われた疑いがある)か否かを判断することで、不正行為の検出を効率良く行うことができる。
【0083】
また、例外処理における取引金額が、基準金額(所定額)以上か否かを1つのパラメータとして不正行為の判定を行い、警告を行うか否かを判断することできるため、きめ細かく不正行為の検出を行うことができる。本実施例のように、取引金額が小額(基準金額以下)である例外処理は対象外とし、取引金額が高額(基準金額以上)である例外処理のみを対象とすることで、取引金額に拘らず全ての例外処理を対象として不正行為の検出を行う場合に比べ、効率的に不正行為を検出することができる。
【0084】
なお、第1実施形態では、不正パターンテーブルTに不正パターンを登録し、これに該当する場合に不正行為が行われたと判定しているが、これに限るものではない。例えば、不正パターンテーブルTに、正常パターンを登録しておき、これに該当しない場合に不正行為が行われたと判定しても良い。
【0085】
また、第1実施形態では、レシートプリンター2にバーコードスキャナー25、カスタマディスプレイ26およびキャッシュドロア27を接続しているが、これに限らず、POS端末1に接続する構成とすることも可能である。
【0086】
また、POS端末1が店舗内LAN6を経由してPOSサーバー(図示省略)と通信を行うようにしているが、POS基幹ネットワークとは独立した店舗内LAN6を敷設し、POS端末1を店舗内LAN6に接続しない構成にすることも可能である。
【0087】
また、店員監視カメラ3からの店員画像情報およびカード読取装置4からの店員位置情報を、レシートプリンター2を介して店舗管理サーバー5に送信するようにしているが、これに限らず、店員監視カメラ3およびカード読取装置4から、直接、店舗管理サーバー5へ各情報を送信する構成にすることも可能である。
【0088】
また、レシートプリンター2により実現される各手段(会計情報取得手段81、例外処理検出手段82、通常会計情報送信手段83、例外処理情報送信手段84、店員画像情報送受信手段85、および店員位置情報送受信手段86)を、POS端末1で実現することも可能である。
【0089】
また、店舗管理サーバー5により実現される各手段(店員画像解析手段95、店員位置分析手段96および不正行為判定手段97等)を、レシートプリンター2で実現することも可能である。また、店舗管理サーバー5により実現される各手段を、POSシステムやWWWサーバーで実現することも可能である。
【0090】
また、例外処理時に関わらず、通常処理時や非会計処理時においても、店員の挙動が不正パターンに該当すると判定された場合、警告を行うようにしても良い。
【0091】
[第2実施形態]
次に図6ないし図12を参照し、本発明の第2実施形態の店舗監視システムSY2について説明する。第2実施形態の店舗監視システムSY2は、小売店やスーパーマーケット等の店舗における店員の行動(特に、所定エリアへの進入や滞在)をトリガーとして不正行為を検出するものである。
【0092】
図6は、第2実施形態の店舗監視システムSY2のシステム構成図である。また、図7は、第2実施形態の店舗監視システムSY2の制御ブロック図である。図6および図7に示すように、第2実施形態の店舗監視システムSY2は、複数のカード読取装置4(図6および図7では、3台のカード読取装置4a、4b、4cを例示)が存在する点、および店員監視カメラ3がない点、店舗管理サーバー5に画像処理プログラム65および店員画像データベース67がないという点において、第1実施形態と異なっている。それ以外の点については、第1実施形態と同様である。
【0093】
なお、図6および図7において、第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明した図1および図2と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第1実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。以下、異なる点を中心に説明する。
【0094】
カード読取装置4は、レジカウンター7(POS端末1の近傍)、更衣室8および高額商品が陳列されている棚(高額商品棚9)のそれぞれに配置されている。各カード読取装置4(4a〜4c)で店員カードCを読み取ることによって、店員が該当エリアに進入したこと、あるいはその場に留まって居たこと(滞在)を検出することができる。なお、第2実施形態では、カード読取装置4を3箇所に設置しているが、あくまでも一例であり、これに限るものではない。
【0095】
店舗管理サーバー5は、店員による不正行為を検出するものであり、店員の行動(更衣室8への入室、高額商品棚9への立ち寄り、およびレジカウンター7への立ち入り等)をトリガーとして、その前後に実行された会計処理(特に例外処理)の内容から、当該店員が不正行為(不正取引)を行ったか否か(不正行為の疑いがあるか否か)を検出し、不正行為が検出された場合、その旨の警告を通知する。
【0096】
この店員の行動の検出は、上述のカード読取装置4による店員カードC(店員ID)の読取結果に基づいて行われる。つまり、店舗管理サーバー5は、カード読取装置4から店員位置情報を受信することで、店員がどこに居るのかを検出する。そして、これらのいずれかをトリガーとして、店員の行動(どこに居るのか/どこに居たのか)、その前後に実行された商品の取引状況(会計処理内容)、顧客の状態および店舗内の状況等が、不正パターンテーブルTに登録されている不正パターンに該当する場合に、店員による不正行為が行われたと判定する。そして、不正行為が発生した旨(不正行為が疑われる旨)の警告を通知する。このように、店員の所定の行動を、不正行為を行う時あるいは不正行為を行った後に、店員が立ち入るであろうと想定されるエリア(更衣室8、高額商品棚9およびレジカウンター7等)への侵入または滞在(滞留)とすることで、効率良く不正行為の検出を行うことができる。
【0097】
続いて、図8の機能ブロック図を参照して、店舗監視システムSY2の各構成要素の機能について説明する。
【0098】
カード読取装置4は、店員ID取得手段101および店員位置情報送信手段102を有している。店員ID取得手段101は、3台のカード読取装置4a、4bおよび4cによって実現され、各装置のそれぞれで、更衣室8、高額商品棚9およびレジカウンター7の各エリアに進入した(または滞在している)店員の店員カードCを読み取って店員IDを取得する。店員位置情報送信手段102は、店員ID取得手段101により、各カード読取装置4a、4bおよび4cのそれぞれで取得した店員ID、当該店員IDを取得した取得日時、および装置IDを店員位置情報として、レシートプリンター2に送信する。
【0099】
レシートプリンター2は、会計情報取得手段81、例外処理検出手段82、通常会計情報送信手段83、例外処理情報送信手段84、および店員位置情報送受信手段103を有している。店員位置情報送受信手段103は、店員位置情報送信手段102から、各エリア(更衣室8、高額商品棚9およびレジカウンター7)で取得した店員位置情報を受信し、これを店舗管理サーバー5へ送信する。
【0100】
店舗管理サーバー5は、通常会計情報受信手段91、例外処理情報受信手段92、店員位置情報取得手段104、不正行為判定手段105および警告手段98を有している。店員位置情報取得手段104は、店員位置情報送受信手段103から、各エリア(更衣室8、高額商品棚9およびレジカウンター7)で取得した店員位置情報を受信し、これら受信した店員位置情報を店員位置データベース68に登録する。
【0101】
不正行為判定手段105は、会計情報データベース66に登録されている会計情報(通常会計情報および例外処理情報(例外処理の種別))、および店員位置データベース68に登録されている店員位置情報(各エリアで検出した店員位置情報)に基づいて、不正パターンテーブルTとの比較を行い、不正行為が行われたか否かを判定する。比較の結果、不正パターンテーブルTに登録されている不正パターンに該当する場合、不正行為が行われたと判定する。
【0102】
続いて、図9を参照して、不正パターンテーブルTの構成について説明する。図9は、不正パターンテーブルTに登録されている不正パターンの一例として、店員の行動パターンから例外処理時の不正行為を検出するための不正パターンを示す図である。なお、ここでは、一例として不正パターン3(店員が更衣室8に入室した場合を想定した不正パターンの一例)、不正パターン4(店員が高額商品棚9に立ち寄って居た場合を想定した不正パターン)および不正パターン5(店員がレジカウンター7に立ち入った場合を想定した不正パターン)について説明する。
【0103】
不正パターン3は、店員が取消処理を行った後、5分以内に更衣室8に入室した場合、不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定するパターンである。また、不正パターン4は、店員が高額商品棚9に立ち寄り一定時間滞在後、10分以内に高額商品の返品処理が実行された場合、不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定するパターンである。また、不正パターン5は、店員がレジカウンター7に入ってから3分以内に行った最初の取引が、返金処理である場合、不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定するパターンである。これら不正パターン(図9の不正パターン3ないし5)により、例えば、店員が、例外取引にて着服した現金を、更衣室8内の自分の鞄や財布に隠すような不正行為や、店員が高額商品を持ち出し、その商品を使って返品処理を行い、レジ内の現金を着服するような不正行為、あるいはレジ周辺に誰もいないタイミングを見計らって返金処理を行い、レジ内の現金を着服するような不正行為を検出することができる。
【0104】
なお、同図に示す不正パターン3ないし5はあくまでも一例であり、これに限るものではない。例えば、上記以外に、店員の挙動(手や頭の動きや身体の上下動等)を考慮して不正パターンを作成しても良いし、例外処理発生時における顧客の状態(レジカウンター7前における顧客の有無や顧客の行動)や店舗内の状況、あるいはPOS端末1やPOS周辺機器の状態(例えば、バーコードスキャナー25での読取状態やキャッシュドロア27の開閉状態等)を考慮して不正パターンを作成することも可能である。
【0105】
続いて、図10ないし図12のフローチャートを参照して、店舗管理サーバー5により不正行為を検出する手順について説明する。なお、図10ないし図12のフローチャートでは、店員の所定の行動を検出した場合、その前後で例外処理が実行されたか否かの判別により不正行為を検出する一例を説明しているが、これに限らず、店員の所定の行動を検出した場合、その前後で会計処理(通常会計処理)が行われたか否かの判別により不正行為を検出することも可能である。
【0106】
図10は、店員が更衣室8に入室したことをトリガーとして、不正行為を検出するフローチャートである。以下、対象となる店員を「店員A」とし、当該店員Aが所持する店員カードCの店員IDを「店員ID(A)」とする。まず、店員Aが更衣室8に入室すると(あるいは、更衣室8付近に近づくと)、カード読取装置4aは、当該店員Aが所持する店員カードCを検出し(S11)、これを読み取ることで当該店員カードCから店員ID(A)を取得する(S12)。次に、カード読取装置4aは、取得した店員ID(A)、当該店員ID(A)の取得時刻(現在時刻)および自身を特定するための装置IDを関連付けた店員位置情報を店舗管理サーバー5へ送信する(S13)。
【0107】
店員位置情報を受信した店舗管理サーバー5は(S14)、会計情報データベース66を参照し、店員ID(A)の取得時刻前の所定時間の間に(例えば、前5分間。つまり、店員Aが更衣室8に入室する前5分間に)、店員Aにより実行された例外処理(会計処理)が存在するか否かを判定する(S15)。これは、会計情報に含まれている会計処理を実行した店員を示す店員IDと、受信した店員ID(A)とを照合することで判定される。該当する例外処理がある場合(S16;Yes)、店舗管理サーバー5は、検出した当該例外処理の種別により以下に示すS17からS30の処理を実行する。
【0108】
まず、例外処理が返品処理である場合(S17)、店舗管理サーバー5は、この返品処理前の所定時間の間に(例えば、返品処理前10分以内に)、当該店員Aが高額商品棚9に立ち寄り一定時間以上滞在したか否かを判定する。この判定は、高額商品棚9に設置したカード読取装置4bにより、店員Aの店員ID(A)を検出した時間で判定する。
【0109】
店員Aが高額商品棚9で一定時間以上滞在していない場合(S18;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。一方、店員Aが高額商品棚9で一定時間以上滞在していた場合(S18;Yes)、店舗管理サーバー5は、当該返品処理における取引金額が、予め定められた基準金額以上(例えば、5,000円以上)か否かを判定する。
【0110】
判定の結果、取消金額が基準金額以上の場合(取消金額≧基準金額,S19;Yes)、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し、管理者に対して警告(例えば、「不正な返品処理の疑いあり」)を通知する(S20)。一方、判定の結果、取消金額が基準金額未満の場合(取消金額<基準金額,S19;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0111】
次に、S16の例外処理が取消処理である場合について説明する(S21)。この場合、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し(図9の不正パターン3に該当すると判定)、管理者に対して警告(例えば、「不正な取消処理の疑いあり」)を通知する(S22)。
【0112】
次に、S16の例外処理が中止処理である場合について説明する(S23)。この場合、店舗管理サーバー5は、会計情報データベース66を参照し、中止処理における取引の商品構成と、中止処理直後に行われた取引の商品構成の比較を行う。両者の商品構成の一致度が、予め定められた所定割合未満(例えば、80%未満)である場合(S24;No)、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し、管理者に対して警告(例えば、「不正な中止処理の疑いあり」)を通知する(S25)。一方、両者の商品構成の一致度が、予め定められた所定割合以上(例えば、80%以上)である場合(S24;Yes)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0113】
次に、S16の例外処理が返金処理である場合について説明する(S26)。この場合、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し、管理者に対して警告(例えば、「不正な返金処理の疑いあり」)を通知する(S27)。
【0114】
次に、S16の例外処理が割引処理(または値引処理)である場合について説明する(S28)。この場合、店舗管理サーバー5は、割引率(値引率)が、予め定められた基準割引率(基準値引率。例えば、30%)を超えたか否かを判定する。割引率(値引率)が、基準割引率(基準値引率)を越えた場合(S29;Yes,割引率(値引率)>基準割引率(基準値引率))、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し、管理者に対して警告(例えば、「不正割引(不正値引)の疑いあり」)を通知する(S30)。一方、基準割引率(基準値引率)以下である場合(S29;No,割引率(値引率)≦基準割引率(基準値引率))、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0115】
一方、S16において、該当する例外処理がない場合(S16;No)、店舗管理サーバー5は、更衣室8への入室前の所定時間の間に(例えば、更衣室8入室の前5分以内に)、当該店員Aが高額商品棚9に立ち寄っているか否かを判定する。判定の結果、店員Aが高額商品棚9に立ち寄っている場合(S31;Yes)、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し、管理者に対して警告(例えば、「盗難の可能性あり」)を通知する(S32)。一方、店員Aが高額商品棚9に立ち寄ってない場合(S31;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0116】
続いて、図11について説明する。図11は、店員が高額商品棚9に立ち寄ったことをトリガーとして、不正行為を検出するフローチャートである。まず、店員Aが高額商品棚9に立ち寄ると、カード読取装置4bは、当該店員Aが所持する店員カードCを検出し(S41)、これを読み取ることで当該店員カードCから店員ID(A)を取得する(S42)。次に、カード読取装置4bは、取得した店員ID(A)を一定時間以上検出し滞在したと判断した場合、当該店員ID(A)、当該店員ID(A)の取得時刻(現在時刻)および自身を特定するための装置IDを関連付けた店員位置情報を店舗管理サーバー5へ送信する(S43)。
【0117】
店員位置情報を受信した店舗管理サーバー5は(S44)、会計情報データベース66を参照し、店員ID(A)の取得時刻から所定時間以内に(例えば、10分以内に)、店員Aにより高額商品の返品処理が実行されたか否かを判定する。所定時間内に返品処理が実行されている場合(S45;Yes)、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し(図9の不正パターン4に該当すると判定)、管理者に対して警告(例えば、「不正な返品処理の疑いあり」)を通知する(S46)。一方、所定時間内に返品処理が実行されていない場合(S45;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0118】
次に、図12について説明する。図12は、店員がレジカウンター7に立ち入ったことをトリガーとして、不正行為を検出するフローチャートである。まず、店員Aがレジカウンター7に立ち入ると、カード読取装置4cは、当該店員Aが所持する店員カードCを検出し(S51)、これを読み取ることで当該店員カードCから店員ID(A)を取得する(S52)。次に、カード読取装置4cは、取得した店員ID(A)、当該店員ID(A)の取得時刻(現在時刻)および自身を特定するための装置IDを関連付けた店員位置情報を店舗管理サーバー5へ送信する(S53)。
【0119】
店員位置情報を受信した店舗管理サーバー5は(S54)、会計情報データベース66を参照し、店員ID(A)の取得時刻から所定時間以内に(例えば、3分以内に)、店員Aにより実行された会計処理(レジ操作)が存在するか否かを判定する(S55)。会計処理が存在しない場合(S56;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0120】
一方、会計処理が存在する場合(S56;Yes)、店舗管理サーバー5は、当該会計処理が例外処理か否かを判定する。当該会計処理が、例外処理でない場合(S57;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。一方、当該会計処理が例外処理である場合(S57;Yes)、店舗管理サーバー5は、検出した当該例外処理の種別により以下に示すS58からS71の処理を実行する。
【0121】
まず、例外処理が返品処理である場合(S58)、店舗管理サーバー5は、この返品処理前の所定時間の間に(例えば、返品処理前10分以内に)、当該店員Aが高額商品棚9に立ち寄り一定時間以上滞在していたか否かを判定する。
【0122】
店員Aが高額商品棚9で一定時間以上滞在していない場合(S59;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。一方、店員Aが高額商品棚9で一定時間以上滞在していた場合(S59;Yes)、店舗管理サーバー5は、当該返品処理における取引金額が、予め定められた基準金額以上(例えば、5,000円以上)か否かを判定する。
【0123】
判定の結果、取消金額が基準金額以上の場合(取消金額≧基準金額,S60;Yes)、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し、管理者に対して警告(例えば、「不正な返品処理の疑いあり」)を通知する(S61)。一方、判定の結果、取消金額が基準金額未満の場合(取消金額<基準金額,S60;No)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0124】
次に、S57の例外処理が取消処理である場合について説明する(S62)。この場合、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し、管理者に対して警告(例えば、「不正な取消処理の疑いあり」)を通知する(S63)。
【0125】
次に、S57の例外処理が中止処理である場合について説明する(S64)。この場合、店舗管理サーバー5は、会計情報データベース66を参照し、中止処理における取引の商品構成と、中止処理直後に行われた取引の商品構成の比較を行う。両者の商品構成の一致度が、予め定められた所定割合未満(例えば、80%未満)である場合(S65;No)、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し、管理者に対して警告(例えば、「不正な中止処理の疑いあり」)を通知する(S66)。一方、両者の商品構成の一致度が、予め定められた所定割合以上(例えば、80%以上)である場合(S65;Yes)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0126】
次に、S57の例外処理が返金処理である場合について説明する(S67)。この場合、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し(図9の不正パターン5に該当すると判定)、管理者に対して警告(例えば、「不正な返金処理の疑いあり」)を通知する(S68)。
【0127】
次に、S57の例外処理が割引処理(または値引処理)である場合について説明する(S69)。この場合、店舗管理サーバー5は、割引率(値引率)が、予め定められた基準割引率(基準値引率。例えば、30%)を越えたか否かを判定する。割引率(値引率)が、基準割引率(基準値引率)を越えた場合(S70;Yes,割引率(値引率)>基準割引率(基準値引率))、店舗管理サーバー5は、店員Aにより不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し、管理者に対して警告(例えば、「不正割引(不正値引)の疑いあり」)を通知する(S71)。一方、基準割引率(基準値引率)以下である場合(S70;No,割引率(値引率)≦基準割引率(基準値引率))、店舗管理サーバー5は、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0128】
以上のように、第2実施形態によれば、会計処理時(会計処理発生の前後)の店員の行動が、予め設定された所定の行動であった場合、当該会計処理において店員による不正が行われた疑いがある(店員による不正行為が行われた)と判断し、警告を行うことができる。
【0129】
特に、不正行為の手口として悪用される可能性が高い例外処理時(例外処理発生の前後)の店員の行動をトリガーとすることで、不正行為の検出を効率良く行うことができる。また、店員の行動と例外処理の発生と、の時間的な関係を考慮して不正行為の検出を行うことで、より精度良く不正行為の検出を行うことができる。
【0130】
なお、レシートプリンター2で実現される各機能(会計情報取得手段81、例外処理検出手段82、通常会計情報送信手段83、例外処理情報送信手段84、および店員位置情報送受信手段103)をPOS端末1で実現することも可能である。
【0131】
[第3実施形態]
次に図13ないし図18を参照し、本発明の第3実施形態の店舗監視システムSY3について説明する。第3実施形態の店舗監視システムSY3は、顧客による不正行為を検出するものである。
【0132】
図13は、第3実施形態の店舗監視システムSY3のシステム構成図である。また、図14は、第3実施形態の店舗監視システムSY3の制御ブロック図である。図13および図14に示すように、第3実施形態の店舗監視システムSY3は、カード読取装置4および店員カードCがない点、店員監視カメラ3の代わりに顧客を撮像する顧客監視カメラ111がある点、レシートプリンター2にレシート読取部121および報知部122がある点、店舗管理サーバー5に、店員位置データベース68がない点、店員画像データベース67の代わりに顧客画像データベース141がある点、顧客情報データベース142があるという点において、第1実施形態と異なっている。それ以外の点については、第1実施形態と同様である。
【0133】
なお、図13および図14において、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成部分については、先に説明した図1および図2、並びに図6および図7と同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、第1実施形態および第2実施形態と同様の構成部分について適用される変形例は、本実施形態についても同様に適用される。以下、異なる点を中心に説明する。
【0134】
顧客監視カメラ111は、レジカウンター7の上方(あるいは側方)に設置されており、会計処理時の顧客を撮像する。この顧客監視カメラ111により撮像した顧客画像データ(撮像日時を含む)は、顧客監視カメラ111自身を特定するカメラIDと関連付けられて(以下、「顧客画像情報」と称す。)、レシートプリンター2を介して店舗管理サーバー5へ送信される。なお、上述では、顧客監視カメラ111の設置位置をレジカウンター7の上方(あるいは側方)としたがこれに限るものではない。例えば、顧客監視カメラ111をカスタマディスプレイ26付近に設置しても良い。
【0135】
レシートプリンター2は、レシートRの印刷に際し、会計情報と共に、当該レシートRの真贋を判定するために用いる情報(以下、「真贋判定情報」と称す。)を印刷する。また、レシートプリンター2は、発行済みのレシートRの印字面を読み取る(スキャンする)機能を有している。なお、真贋判定情報としては、隠し文字(あるいは特殊な印刷パターン)を不可視インクで印刷することが考えられる。
【0136】
店舗管理サーバー5は、顧客による不正行為を検出するものであり、特に、例外処理(例えば、返品処理等)が発生した場合、当該例外処理時における顧客と、例外処理の対象となる商品の購入時における顧客(購買顧客)との照合結果、および例外処理時に用いられるレシートRの真贋判定結果から、当該顧客が不正行為を行ったか否か(不正行為の疑いがあるか否か)を検出し、不正行為が検出された場合、その旨の警告を通知する。
【0137】
次に、図14の店舗監視システムSY3の制御ブロック図を参照して、店舗監視システムSY3の各要素の制御構成ついて説明する。
【0138】
レシートプリンター2は、通信部22、印刷部23、インターフェイス24、レシート読取部121、報知部122およびこれら各部と接続されレシートプリンター2を制御する制御部21を備えている。印刷部23は、会計情報および真贋判定情報に基づいて生成される印刷情報をレシート用紙に印刷する。この真贋判定情報は、レシート印刷処理の処理過程において制御部21により生成される。また、真贋判定情報は、レシートR毎に異なる情報が生成される。レシート読取部121は、発行済みのレシートRの印字面を読み取る。
【0139】
通信部22は、店舗内LAN6により接続された顧客監視カメラ111および店舗管理サーバー5との間で通信を行う。制御部21は、通信部22を制御し、顧客監視カメラ111から受信した顧客画像情報を店舗管理サーバー5へ送信する。また、制御部21は、レシートRに割当てられる固有番号(レシート番号)と、当該レシートRに印刷する真贋判定情報とを関連付けて(以下、これらを併せて「レシート情報」と称す。)、店舗管理サーバー5へ送信する。さらに、制御部21は、レシート読取部121によるレシートRの読取結果から、当該レシートRのレシート情報を抽出し、これを店舗管理サーバー5へ送信する。
【0140】
報知部122は、レシート読取部121で読み取ったレシートRが正規のレシートか、不正に作成された偽造レシートかを報知するものであり、例えば、LEDランプやブザーにより構成される。前者の場合、例えば、読み取ったレシートRが、正規レシートであれば緑色のLEDランプを点灯させ、偽造レシートであれば赤色のLEDランプを点灯させることで報知する。また、後者の場合、正規レシートの場合と偽造レシートの場合のブザー音を異なる音色で鳴らすことにより報知する。
【0141】
顧客監視カメラ111は、画像撮影部132、計時部133、記憶部134、通信部135、およびこれら各部と接続され顧客監視カメラ111を制御する制御部131を備えている。この顧客監視カメラ111は、顧客画像情報を扱うという点でのみ、第1実施形態の店員監視カメラ3と異なる。従って、顧客監視カメラ111を構成する各部(制御部131、画像撮影部132、計時部133、記憶部134および通信部135)は、第1実施形態の店員監視カメラ3の各部(制御部31、画像撮影部32、計時部33、記憶部34および通信部35)と同様であるため、説明を省略する。
【0142】
店舗管理サーバー5は、制御部61、HDD62、通信部63の他、一般的なパーソナルコンピューターに搭載されるハードウェア構成を有している。通信部63は、店舗内LAN6で接続されたレシートプリンター2との間で通信を行う。制御部61は、通信部63を制御して、レシートプリンター2から会計情報(通常会計情報および例外処理情報)、顧客画像情報およびレシート情報を受信する。
【0143】
HDD62は、画像処理プログラム65、会計情報データベース66、顧客画像データベース141、顧客情報データベース142、不正パターンテーブルTを有している。画像処理プログラム65は、顧客画像データを解析することにより、顧客の服装(衣服)の色特徴量、および顧客の顔の顔特徴量を抽出する(以下、これらを併せて「顧客特徴量」と称す)。
【0144】
顧客画像データベース141は、顧客画像情報(カメラIDおよび顧客画像データ(撮像時刻))を記憶する。顧客情報データベース142は、商品購入時における顧客の顧客特徴量(色特徴量および顔特徴量)と、当該商品購入時に発行されたレシートRのレシート情報(レシート番号および真贋判別情報)とを関連付けて記憶する。
【0145】
以上の構成により、制御部61は、例外処理が発生した場合、当該例外処理時における顧客の顧客特徴量と、顧客情報データベース142に記憶した顧客特徴量との照合結果、例外処理時に用いられるレシートRの真贋判定結果、店員の行動、店舗内の状況および商品の取引状況等が、不正パターンテーブルTに登録されている不正パターンに該当する場合に、顧客による不正行為が行われたと判定する。そして、制御部61は、顧客の不正行為を検出した場合、不正行為が発生した旨(不正行為が疑われる旨)の警告を通知する。
【0146】
続いて、図15の機能ブロック図を参照して、店舗監視システムSY3の各構成要素の機能について説明する。
【0147】
顧客監視カメラ111は、顧客画像撮像手段151および顧客画像情報送信手段152を有している。顧客画像撮像手段151は、レジカウンター7における顧客を撮像する。顧客画像情報送信手段152は、顧客画像撮像手段151により撮像した顧客画像データ(撮像時刻)および自身のカメラIDを顧客画像情報として、レシートプリンター2に送信する。
【0148】
レシートプリンター2は、会計情報取得手段81、例外処理検出手段82、通常会計情報送信手段83、例外処理情報送信手段84、顧客画像情報送受信手段161、真贋判定情報生成手段162、レシート番号抽出手段163、レシート情報送信手段164、印刷手段165、レシート読取手段166、レシート読取結果解析手段167、プリンター側真贋判定手段168、プリンター側判定結果送信手段169、サーバー側判定結果受信手段170および報知手段171を有している。
【0149】
顧客画像情報送受信手段161は、顧客画像情報送信手段152から顧客画像情報を受信し、これを店舗管理サーバー5へ送信する。真贋判定情報生成手段162は、レシートRに印刷するための真贋判定情報を生成する。レシート番号抽出手段163は、レシートRに印刷する印刷情報から、当該レシートRに割当てられたレシート番号を抽出する。レシート情報送信手段164は、抽出したレシート番号、および当該レシート番号のレシートRに印刷される真贋判定情報をレシート情報として、店舗管理サーバー5へ送信する。
【0150】
印刷手段165は、会計情報および真贋判定情報に基づいて生成された印刷情報をレシート用紙に印刷し、レシートRを発行する。レシート読取手段166は、発行済みのレシートRの印字面を読み取る。レシート読取結果解析手段167、レシート読取手段166により読み取ったレシートRの読取内容を解析し、レシート情報を抽出する。
【0151】
プリンター側真贋判定手段168は、レシート読取結果解析手段167により抽出したレシート情報に、真贋判定情報が存在するか否かを判定する。プリンター側判定結果送信手段169は、プリンター側真贋判定手段168による判定の結果、レシート情報に真贋判定情報が存在する場合に、当該レシート情報(真贋判定情報およびレシート番号)を店舗管理サーバー5へ送信する。また、判定の結果、レシート情報に真贋判定情報が存在しない場合、偽造レシートである旨を示す情報(以下、「偽造レシート検出情報」と称す。)を店舗管理サーバー5へ送信する。
【0152】
サーバー側判定結果受信手段170は、後述の店舗管理サーバー5のサーバー側判定結果送信手段190により送信される判定結果(真贋結果情報)を受信する。報知手段171は、プリンター側真贋判定手段168により真贋判定情報が存在しないと判定された場合に偽造レシートの検出を報知する。また、サーバー側判定結果受信手段170により受信した真贋結果情報の内容に基づいて、正規レシートまたは偽造レシートの検出を報知する。
【0153】
店舗管理サーバー5は、通常会計情報受信手段91、例外処理情報受信手段92、顧客画像情報取得手段181、レシート情報受信手段182、色特徴量抽出手段183、顔特徴量抽出手段184、顧客情報登録手段185、色特徴量照合手段186、顔特徴量照合手段187、プリンター側判定結果受信手段188、サーバー側真贋判定手段189、サーバー側判定結果送信手段190、不正行為判定手段191および警告手段98を有している。
【0154】
顧客画像情報取得手段181は、顧客画像情報送受信手段161から顧客画像情報を受信し、顧客画像データベース141に登録する。レシート情報受信手段182は、レシートプリンター2のレシート情報送信手段164にからレシート情報を受信する。
【0155】
色特徴量抽出手段183は、取得した顧客画像データ(顧客画像情報)を解析し、当該顧客の服装の色特徴量を抽出する。具体的には、顧客画像データからフレーム間差分および背景差分を抽出し、動きのある領域(動領域)を検出する。次に、動領域の中から顧客の頭部の位置を検出し、この頭部位置を基準として特定される衣類部分(服装)の色特徴量を抽出する。
【0156】
顔特徴量抽出手段184は、取得した顧客画像データ(顧客画像情報)を解析し、当該顧客の顔特徴量を抽出する。具体的には、顧客画像データからフレーム間差分および背景差分を抽出し、動きのある領域(動領域)を検出する。次に、動領域の中から顧客の顔部を検出し、その画像(顔部分)を正規化する。そして、正規化された画像を元に顔特徴量を抽出する。
【0157】
顧客情報登録手段185は、商品購入時点における顧客の顧客特徴量(色特徴量抽出手段183および顔特徴量抽出手段184により抽出)と、当該商品購入時におけるレシート情報(レシート情報受信手段182により受信)を関連付けて、顧客情報データベース142に登録する。
【0158】
色特徴量照合手段186は、例外処理発生時の顧客の服装の色特徴量と、顧客情報データベース142に登録されている色特徴量とを比較(照合)することで、例外処理発生時の顧客と同一の顧客が、顧客情報データベース142に登録されているか否か(同一顧客の有無)を判定する。顔特徴量照合手段187は、例外処理発生時の顧客の顔特徴量と、顧客情報データベース142に登録されている顔特徴量とを比較(照合)することで、例外処理発生時の顧客と同一の顧客が、顧客情報データベース142に登録されているか否か(同一顧客の有無)を判定する。
【0159】
プリンター側判定結果受信手段188は、プリンター側判定結果送信手段169により送信されたレシート情報または偽造レシート検出情報を受信する。サーバー側真贋判定手段189は、プリンター側判定結果受信手段188によりレシート情報を受信した場合、当該レシート情報に一致するレシート情報が顧客情報データベース142に登録されているか否かを判定する。顧客情報データベース142に一致するレシート情報が記憶されている場合は、レシートプリンター2で読み取られたレシートRは正規レシートであると判定され、記憶されていない場合は偽造レシートであると判定される。サーバー側判定結果送信手段190は、サーバー側真贋判定手段189による判定結果(真贋結果情報)を、レシートプリンター2に送信する。
【0160】
不正行為判定手段191は、例外処理情報受信手段92により取得した例外処理情報(例外処理の種別)、顧客特徴量(色特徴量および顔特徴量)に基づく顧客の照合結果、およびレシートプリンター2で読み取ったレシートRの真贋判定結果と、不正パターンテーブルTとを比較することで、不正行為が行われたか否かを判定する。比較の結果、不正パターンテーブルTに登録されている不正パターンに該当する場合、不正行為が行われたと判定する。
【0161】
ここで、図16を参照して、不正パターンテーブルTの構成について説明する。なお、ここでは、不正パターンテーブルTに、返品処理時の不正行為を検出するための不正パターン6ないし8が登録されている例を挙げて説明する。
【0162】
例えば、不正パターン6は、「返品処理」の発生時に、商品の返品を申請している顧客(返品申請者)とその商品の購買顧客とが異なる場合、不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定するパターンである。また、不正パターン7は、「返品処理」の発生時に、返品申請の証拠であるレシートRの真贋を判定し、その結果、当該レシートRが偽造レシートであると判定された場合、不正行為が行われたと判定するパターンである。また、不正パターン8は、「返品処理」の発生時に、返品申請の証拠であるレシートRの真贋を判定し、その結果、当該レシートRが正規レシートであると判定されたが、返品申請者と購買顧客とが異なる場合に不正行為が行われた(不正行為の疑いがある)と判定するパターンである。
【0163】
なお、同図に示す不正パターン6ないし8はあくまでも一例であり、これに限るものではない。例えば、上記以外に店員の挙動を考慮して不正パターンを作成しても良いし、例外処理発生時における顧客の行動(挙動)や店舗内の状況、あるいはPOS端末1やPOS周辺機器の状態(例えば、バーコードスキャナー25での読取状態やキャッシュドロア27の開閉状態等)を考慮して不正パターンを作成することも可能である。これにより、例えば返品時の顧客と購入時の顧客とが異なり、且つ返品時の店員が不審な行動をとった場合に、不正行為が行われたと判定するなどの処理が可能である。また、取引金額を考慮して不正パターンを作成することで、例えば返品時の顧客と購入時の顧客とが異なり、且つ取引金額が所定金額以上の場合に、不正行為が行われたと判定するなどの処理も可能である。
【0164】
続いて、図17のフローチャートを参照して、店舗管理サーバー5により不正行為を検出する手順について説明する。なお、ここでは、例外処理として返品処理が実行された場合に、返品申請者と購買顧客とが同一人物かを識別することにより不正行為を検出する手順(不正パターン6を判定するための手順)を例に挙げて説明する。
【0165】
まず、店舗管理サーバー5(制御部61)は、返品処理が発生したことを検知すると(S81)、返品を依頼した顧客(返品申請者)の顧客画像データを取得する(S82)。次に、店舗管理サーバー5は、取得した顧客画像データを解析し、顧客の衣類部分の色特徴量を抽出する(S83)。そして、店舗管理サーバー5は、抽出した色特徴量と、顧客情報データベース142に登録されている色特徴量との照合を行う(S84)。照合の結果、一致する色特徴量がない場合(S85;No)、店舗管理サーバー5は、返品申請者と購買顧客とは同一顧客でないと判定し、つまり、顧客(返品申請者)により不正な返品(不正行為)が行われた(不正な返品の疑いがある)と判定し(図16の不正パターン6に該当)、管理者に対して警告(例えば、「不正な返品処理の疑いあり」)を通知する(S86)。
【0166】
一方、照合の結果、一致する色特徴量がある場合(S85;Yes)、店舗管理サーバー5は、S82で取得した顧客画像データを解析し、顧客の顔特徴量を抽出する(S87)。続いて、店舗管理サーバー5は、S84の照合において色特徴量が一致したデータを対象として、当該色特徴量に関連付けられた顔特徴量と、抽出した顔特徴量との照合を行う(S88)。
【0167】
照合の結果、一致する顔特徴量がない場合(S89;No)、店舗管理サーバー5は、返品申請者と購買顧客とは同一顧客でないと判定し、つまり、顧客により不正な返品が行われた(不正な返品の疑いがある)と判定し(図16の不正パターン6に該当)、管理者に対して警告(例えば、「不正な返品処理の疑いあり」)を通知する(S86)。一方、照合の結果、一致する顔特徴量がある場合(S89;Yes)、店舗管理サーバー5は、返品申請者と購買顧客とは同一顧客である、つまり、正常な返品処理であり、警告の必要がないと判定し、処理を終了する。
【0168】
このように、顧客の顔特徴量に基づいて照合を行うことで、精度良く顧客個人を特定することができる。また、顧客の顔特徴量による照合の前に、色特徴量に基づいて照合を行うことで、照合対象が大量に記憶されている場合、その対象を絞り込むことができ、効率良くの照合を行うことができる。なお、照合は、顔特徴量のみで照合を行っても良いし、色特徴量のみで照合を行っても良い。また、先に顔特徴量を照合してNGの場合に色特徴量を照合し、色特徴量がOKの場合は、警告の必要なしと判定しても良い。
【0169】
続いて、図18のフローチャートを参照して、例外処理として返品処理が実行された場合に、返品申請で用いられるレシートRの真贋を判定することにより、不正行為を検出する手順(不正パターン7または8を判定するための手順)を例に挙げて説明する。
【0170】
まず、店員により返品処理が実行され、返品申請で用いられるレシートRの読み取り操作が行われると、レシートプリンター2(制御部21)は、当該レシートRを読み取る(S91)。そして、レシートプリンター2は、読み取ったレシートRの内容を解析し、レシート情報を抽出する(S92)。次に、レシートプリンター2は、抽出したレシート情報に、真贋判別情報が存在するか否かを判定する(S93)。抽出したレシート情報に真贋判別情報がない場合(S94;No)、レシートプリンター2は、読み取ったレシートRは偽造レシートであると判定し、店舗管理サーバー5へ「偽造レシート検出情報」を送信する(S95)。なお、この場合、レシートプリンター2は、自身の報知部122により偽造レシートである旨を報知する(例えば、赤色のLEDランプを点灯する)。
【0171】
「偽造レシート検出情報」を受信した店舗管理サーバー5は(S96)、顧客(返品申請者)により、偽造レシートを用いた不正な返品(不正行為)が行われたと判定し(図16の不正パターン7に該当)、管理者に対して警告(例えば、「返品処理の不正あり」)を通知する(S97)。
【0172】
一方、抽出したレシート情報に真贋判別情報がある場合(S94;Yes)、レシートプリンター2は、S92で抽出したレシート情報を店舗管理サーバー5に送信する(S98)。レシート情報を受信した店舗管理サーバー5は(S99)、顧客情報データベース142を参照し、当該レシート情報と一致するレシート情報が登録されているか否かを判定する。つまり、レシートRの真贋判定を行う(S100)。
【0173】
一致するレシート情報がない場合(S101;No)、店舗管理サーバー5は、レシートプリンター2で読み取られたレシートRが偽造レシートであると判定する。これにより、顧客(返品申請者)により、偽造レシートを用いた不正な返品(不正行為)が行われたと判定し(図16の不正パターン7に該当)、管理者に対して警告(例えば、「返品処理の不正あり」)を通知する(S97)。
【0174】
一方、一致するレシート情報がある場合(101;Yes)、店舗管理サーバー5は、レシートプリンター2で読み取られたレシートRが正規レシートであると判定する。そして、返品申請者と商品購買顧客と、が同一顧客か否かを判定する(S102)。この場合、返品申請者の顧客特徴量と、当該レシート情報(レシート番号)に関連付けられている顧客特徴量とを照合することにより、同一顧客か否かを判定する。
【0175】
返品申請者と商品購買顧客が同一顧客である場合(S103;Yes)、店舗管理サーバー5は、警告の必要がない(正常な返品処理である)と判定し、処理を終了する。一方、返品申請者と商品購買顧客が同一顧客でない場合(S103;No)、店舗管理サーバー5は、顧客(返品申請者)により、不正な返品が行われた(不正行為の疑いがある)と判定し(図16の不正パターン8に該当)、管理者に対して警告(例えば、「不正な返品処理の疑いあり」)を通知する(S97)。これにより、偽造レシートを用いて、他店(特に、自店舗より値段の安い店舗)で購入した商品を返品するような不正行為を検出することができる。さらに、例えば、不正に入手した正規レシートを使った返品などの例外処理についても、防止することができる。
【0176】
なお、S100の真贋判定の結果(真贋結果情報)は、店舗管理サーバー5からレシートプリンター2に送信され、レシートプリンター2は、受信した真贋結果情報に基づいて、読み取ったレシートRが正規レシート、あるいは偽造レシートである旨を報知する。また、S102における顧客特徴量を利用した照合は、顔特徴量のみで照合を行っても良いし、色特徴量のみで照合を行っても良い。あるいは、両方を組み合わせて照合を行っても良い。
【0177】
以上のように、第3実施形態によれば、例外処理時における顧客と、例外処理の対象となる商品の購入時における顧客と、が同一人物でないと判定された場合、警告を行う。これにより、例外処理が正しい購買者(自店舗で該当商品を購入した顧客)により発生したものか否かを、容易に判別することができる。例えば、顧客により、盗難品や他店で安価に購入した商品を不正に返品する等の不正行為が発生した場合、これを検出することができるため、顧客の不正行為による店舗側の損害を抑えることができる。
【0178】
また、第3実施形態によれば、レシートRの発行時に、当該レシートRに対して真贋判定情報を印刷しておき、例外処理時(返品処理時)におけるレシートRの真贋判定において、当該真贋判定情報に基づいて(真贋判定情報の有無や真贋判定情報の内容の照合など)、正規のレシートか偽造のレシートかを判定することで、より確実にレシートRの偽造を検出することができる。
【0179】
以上、第1実施形態ないし第3実施形態によれば、店舗内で発生する事象(例えば、会計処理の実行等(例外処理を含む))の発生状況を監視し、この監視結果から当該事象において不正行為が行われたか否かを自動的に判定し、不正行為が行われていたと判定した場合、警告することができる。
【0180】
特に、事象の発生状況を把握(監視)するために、店員の行動や振舞い(店員の状態)、顧客の状態、会計処理を行う装置の状態(例えば、POS端末1およびその周辺機器の状態)、レシートRや返却対象となる商品の真贋等の監視要素を、事象毎に(事象の特性に合わせて)組み合わせて監視することで、精度良く不正行為を検出することができる。また、事象の発生状況を把握(監視)するために、店員の行動や振舞いに関わらず、顧客の状態だけで不正を判定しても良いし、会計処理装置の状態だけで不正を判定しても良い。
【0181】
また、各実施形態に係る店舗監視システムSY1ないしSY3の制御方法(上記各実施形態で示したフローチャート)の各ステップをプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを記憶媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。記録媒体としては、CD−ROM、フラッシュROM、メモリカード(コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、メモリースティック等)、コンパクトディスク、光磁気ディスク、デジタルバーサタイルディスクおよびフレキシブルディスク等を利用することができる。
【0182】
また、上述した実施例によらず、店舗監視システムSY1ないしSY3の装置構成や処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更も可能である。
【符号の説明】
【0183】
1…POS端末 2…レシートプリンター 3…店員監視カメラ 4…カード読取装置 5…店舗管理サーバー 7…レジカウンター 91…通常会計情報受信手段 92…例外処理情報受信手段 98…警告手段 SY1…店舗監視システム C…会員カード T…不正パターンテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジカウンター周りにおいて、店員が不正行為を行ったと見なされる前記店員の挙動を示す不正挙動パターンを記憶する不正挙動パターン記憶部と、
前記レジカウンター周りにおける前記店員の挙動を検出する挙動検出部と、
前記挙動検出部の検出結果から、前記店員の挙動が前記不正挙動パターン記憶部に記憶されている不正挙動パターンに該当すると判定された場合、警告を行う警告部と、を備えたことを特徴とする警告装置。
【請求項2】
前記レジカウンターに設けられた会計処理部の会計処理結果である会計情報を取得する会計情報取得部をさらに備え、
前記警告部は、
前記会計情報に、会計処理の例外処理を示す所定の情報が含まれ、且つ前記挙動検出部の検出結果から、前記例外処理時における前記店員の挙動が前記不正挙動パターンに該当すると判定された場合、警告を行うことを特徴とする請求項1に記載の警告装置。
【請求項3】
前記例外処理は、
前記会計処理中において入力データをキャンセルするための「中止処理」、前記会計処理後に当該会計処理の取り消し行うための「取消し処理」、前記商品の返品を行うための「返品処理」、前記商品の値引きを行うための「値引処理」、前記商品の割引きを行うための「割引処理」、金銭の両替を行うための「両替処理」、出金の記録や返金を行うための「出金/返金処理」、およびレシートを再発行するための「再発行処理」の内、少なくとも1つの処理を含むことを特徴とする請求項2に記載の警告装置。
【請求項4】
前記警告部は、
前記例外処理における取引金額が、予め定められた所定額以上であるか否かを考慮して、前記警告を行うことを特徴とする請求項2または3に記載の警告装置。
【請求項5】
前記挙動検出部は、
前記レジカウンター周りの店員を撮像した撮像画像により、前記店員の挙動を検出することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の警告装置。
【請求項6】
前記店員は、当該店員を特定するためのIDが割当てられたICカードを所持しており、
前記挙動検出部は、
前記ICカードの読取結果に基づいて、前記店員の挙動を検出することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の警告装置。
【請求項7】
レジカウンター周りにおいて、店員が不正行為を行ったと見なされる前記店員の挙動を示す不正挙動パターンを記憶する不正挙動パターン記憶部を有し、当該不正挙動パターンに基づいて、前記店員の不正行為を判別する警告装置の制御方法であって、
コンピューターが、
前記レジカウンター周りにおける前記店員の挙動を検出する挙動検出ステップと、
前記挙動検出ステップの検出結果から、前記店員の挙動が前記不正挙動パターン記憶部に記憶されている不正挙動パターンに該当すると判定された場合、警告を行う警告ステップと、を実行することを特徴とする警告装置の制御方法。
【請求項8】
前記レジカウンターに設けられた会計処理部の会計処理結果である会計情報を取得する会計情報取得ステップをさらに備え、
前記警告ステップでは、
前記会計情報に、会計処理の例外処理を示す所定の情報が含まれ、且つ前記挙動検出ステップの検出結果から、前記例外処理時における前記店員の挙動が前記不正挙動パターンに該当すると判定された場合、警告を行うことを特徴とする請求項7に記載の警告装置の制御方法。
【請求項9】
前記例外処理は、
前記会計処理中において入力データをキャンセルするための「中止処理」、前記会計処理後に当該会計処理の取り消し行うための「取消し処理」、前記商品の返品を行うための「返品処理」、前記商品の値引きを行うための「値引処理」、前記商品の割引きを行うための「割引処理」、金銭の両替を行うための「両替処理」、出金の記録や返金を行うための「出金/返金処理」、およびレシートを再発行するための「再発行処理」の内、少なくとも1つの処理を含むことを特徴とする請求項8に記載の警告装置の制御方法。
【請求項10】
前記警告ステップでは、
前記例外処理における取引金額が、予め定められた所定額以上であるか否かを考慮して、前記警告を行うことを特徴とする請求項8または9に記載の警告装置の制御方法。
【請求項11】
前記挙動検出ステップでは、
前記レジカウンター周りの店員を撮像した撮像画像により、前記店員の挙動を検出することを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載の警告装置の制御方法。
【請求項12】
前記店員は、当該店員を特定するためのIDが割当てられたICカードを所持しており、
前記挙動検出ステップでは、
前記ICカードの読取結果に基づいて、前記店員の挙動を検出することを特徴とする請求項7ないし11のいずれか1項に記載の警告装置の制御方法。
【請求項13】
コンピューターに、請求項7ないし12のいずれか1項に記載の警告装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−65327(P2011−65327A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214238(P2009−214238)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】