豆腐製造用の澱粉分散液及びその製造方法(Starchsuspensionsformanufacturingbeancurdandmethodthereof)
【課題】豆腐の製造工程中、豆乳と澱粉を撹拌する段階で、澱粉が豆乳で均一に分散できる撹拌方法を提供する。
【解決手段】豆腐の製造工程で、豆乳と希釈水及び澱粉を攪拌する段階において、希釈水及び澱粉を攪拌して澱粉分散液を製造する1次攪拌段階;及び、澱粉分散液を、豆乳が入った攪拌タンクに投入して攪拌する2次攪拌段階を経て行う。
【解決手段】豆腐の製造工程で、豆乳と希釈水及び澱粉を攪拌する段階において、希釈水及び澱粉を攪拌して澱粉分散液を製造する1次攪拌段階;及び、澱粉分散液を、豆乳が入った攪拌タンクに投入して攪拌する2次攪拌段階を経て行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は豆腐の製造工程中、豆乳と澱粉を撹拌する段階で、澱粉を澱粉分散液の形態に製造して使用することにより、澱粉が豆乳で均一に分散できる撹拌方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
豆腐はカルシウム及び無機質と蛋白質の豊富な食品で、淡泊な風味と軟らかい食感のため、様々な料理に頻繁に献立から選ばれる食品である。しかし、豆腐は水分と栄養素が豊富であるため腐敗が起きやすいだけでなく、組織の強度が低いので保管及び流通が難しいという難点がある。それゆえ、豆腐の貯蔵性と携帯性を同時に解決するための方法として、豆腐を乾燥することが提案された。
【0003】
豆腐を乾燥する方法に関する技術で、大韓民国公開特許第2000-53766号の乾燥豆腐及びその製造方法では、真空乾燥器内に豆腐を入れて減圧した後、60℃の温度で18〜20時間豆腐を乾燥する方法が提案された。大韓民国登録特許第10-0891445号の豆腐を乾燥する方法では、豆腐を冷凍庫に入れて冷凍される直前まで、即ち豆腐の表面に凍結霜が発生する時まで、約1時間予備冷却する段階を経た後、冷却された豆腐を真空凍結乾燥器に入れて減圧し豆腐の温度が40℃まで達するようにして、またその後真空凍結を行う工程を経るようになっていた。従って、その段階が繁雑及び複雑なだけでなく、長時間を要するため、相当な蛋白質の変性を誘発し、豆腐の本来の風味と香りが変わり、豆腐が復元された時に生豆腐の風味が完璧に戻らなくなることと、凍結過程で組織が破壊されるので豆腐の食感を復元できなくなる限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は予備凍結の過程なしでおぼろ豆腐を真空凍結し、豆腐内の蛋白質の変性を最小化する乾燥方法を提供して、乾燥前の状態の風味と質感をほぼそのまま復元できるおぼろ豆腐の乾燥方法を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明はおぼろ豆腐の製造において、豆乳に澱粉を添加する段階及び澱粉を糊化させる加熱段階を有するおぼろ豆腐の製造方法を提供し、豆腐の硬度等の物性において既存のおぼろ豆腐より硬度が高くて弾性を有する高品質のおぼろ豆腐及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は豆腐の製造工程中、豆乳と澱粉を撹拌する段階の時、澱粉を澱粉分散液の形態にして用いることにより、澱粉が豆乳で均一に分散できる撹拌方法を提供することを目的とする。
【0007】
更に、本発明は豆腐の製造において、澱粉を添加して糊化させ、乾燥おぼろ豆腐の製造に適した乾燥用おぼろ豆腐の製造方法及び、その乾燥用おぼろ豆腐を真空凍結乾燥させて乾燥おぼろ豆腐を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例で、おぼろ豆腐の製造方法において豆乳に澱粉を添加する段階及び澱粉を糊化させる加熱段階を有するおぼろ豆腐の製造方法が提供される。
【0009】
本発明のある実施例では、おぼろ豆腐に添加された澱粉が豆腐製造過程の中で糊化反応を経ることにより豆腐の硬度(Hardness)等の物性において既存のおぼろ豆腐より強度が高く、弾性を有する、高品質のおぼろ豆腐が提供される。
【0010】
本発明のある実施例では、豆腐の製造工程の中で、豆乳と澱粉を撹拌する方法において澱粉を澱粉分散液の形態で用いることにより、澱粉が豆乳で均一に分散できる撹拌方法が提供される。
【0011】
本発明のある実施例では、おぼろ豆腐を乾燥する方法において、予備凍結過程なしで豆腐を真空凍結乾燥させる方法を提供して、乾燥前の状態の風味と質感をそのまま復元できるおぼろ豆腐の乾燥方法が提供される。
【0012】
下記の具体例は本願発明の例示に過ぎないもので、本発明の内容が下記の具体例で限定される意味として解釈されてはいけない。
【0013】
具体的に、本願発明は、乾燥おぼろ豆腐が復元された後、原物と類似の食感を持たせるために、既存の方法とは異なった乾燥用おぼろ豆腐の製造方法とその乾燥方法に関するものである。
【0014】
本願発明は豆乳の製造工程、豆乳に希釈水・変性澱粉・抗酸化剤及び凝固剤を添加した後、これを攪拌して豆乳混合液を製造する工程、豆乳混合液をおぼろ豆腐パウチで包装する工程、包装されたおぼろ豆腐を加熱する工程、凝固されたおぼろ豆腐を冷却する工程、冷却されたおぼろ豆腐の切断工程、切断されたおぼろ豆腐の真空凍結工程及び真空凍結させたおぼろ豆腐の凍結乾燥工程を含むことができる。
【0015】
本願発明は豆腐の硬度(Hardness)等の物性において、より高品質を有するおぼろ豆腐に関するものである。これは乾燥おぼろ豆腐の製造のために乾燥用のおぼろ豆腐として使用するにも優れた特性を有し、乾燥おぼろ豆腐用として製造しなくてもそれ自体が食感が優れたおぼろ豆腐を提供する。そのため、豆腐製造工程中、豆乳に澱粉を添加して糊化させる段階が含まれるようにする。前記の澱粉は、好ましくは変性澱粉、例えばタピオカ変性澱粉、米変性澱粉、サツマイモ変性澱粉、ジャガイモ変性澱粉、トウモロコシ変性澱粉などの変性澱粉であり、より好ましくはタピオカ変性澱粉を用いた方が良い。前記の澱粉は豆乳混合液の総重量を基準として、好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは1重量%になるように添加した方が良い。
【0016】
前記の澱粉を豆乳に混合する時には澱粉を豆乳で均一に分散させるため、まず前記の澱粉と希釈水を公知のホモミキサー(Homomixer)を利用して1次撹拌して澱粉分散液の形態に製造した後、豆乳が入った撹拌タンクに投入し、2次撹拌段階に進行させた方が好ましい。 前記の1次撹拌段階では更に抗酸化剤を添加して撹拌することもできる。
前記2次撹拌された豆乳混合液に投入する凝固剤は、澱粉の官能基を分解して澱粉の作用を妨げるグルトノデルタラクトン(GDL)は使用しない方が好ましく、より好ましくはGDLが含まれてない混合凝固剤、塩化マグネシウム、または、調製した苦汁を凝固剤で使用した方が良く、最も好ましくは硫酸カルシウムを凝固剤として用いた方が良い。
【0017】
前記の2次撹拌された豆乳混合液を加熱することにおいては、豆乳に添加された澱粉の糊化温度以上の温度で加熱して澱粉の糊化反応を誘導することが好ましい。本願明細書の一つの具体例で、豆乳に添加された澱粉がタピオカ変性澱粉の場合には、その糊化温度が70〜75℃であることを考慮し、豆腐の品温が約80〜100℃以上、好ましくは83℃ 以上になるようにして、加熱槽の温度を約80〜100℃、好ましく86℃ 以上で40分以上、より好ましく1時間以上加熱して澱粉が糊化される。 前記の加熱工程は熱湯処理の方が好ましい。
【0018】
前記の方法で製造されるおぼろ豆腐の組成は好ましくは9〜12brixの豆乳、より好ましく10.5brixの豆乳に、澱粉を豆乳の総重量を基準として好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは1重量%含むことができる。凝固剤は、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましく0.3重量%を含むことができる。また、抗酸化剤を0.01〜1重量%、より好ましくは0.15重量%を更に含むことができる。
【0019】
前記の方法で製造されたおぼろ豆腐は既存の一般おぼろ豆腐に比べて、豆腐の硬度、ガム性 (Gumminess)、咀嚼性(Chewiness)等の豆腐の物性において、より硬度が高く、より歯ごたえの優れたおぼろ豆腐を提供する。
【0020】
具体的に、本願明細書のある具体例(比較試験例2-1、3-2)で示したように、前記の製造方法により製造されたおぼろ豆腐を下記のような条件下で物性分析器(Texture Analyzer-モデル名:TA-XT Plus,‘MHK商社'製品)を利用しておぼろ豆腐の物性を測定することができる。
プローブ(probe):直径が2cmの円筒形の形態
前記のプローブがサンプルまで下がってくる速度(pre-test speed):1.00mm/sec;
前記のプローブが前記のサンプル表面についた後、前記のサンプルに浸透していく速度(test speed):5.00mm/sec;
前記のプローブが前記サンプルを浸透した後、元の位置に戻る速度(post-test speed):5.00mm/sec;
前記のプローブのターゲット モード(target mode): 距離(distance);
前記のプローブが前記のサンプルの表面を認識して、前記のサンプルを突き抜けて入る 距離(distance):5.000mm;
前記のプローブが前記のサンプルを認識するための条件(trigger type):力(force);及び前記のプローブが前記のサンプルの存在を認識するための最小限の力(trigger force):5.0g
【0021】
おぼろ豆腐の物性を測定した結果、硬度が120〜160gの分布を示していて、30〜100gの分布を示した対照群(澱粉無添加、又は、澱粉は添加されたが糊化反応が起きなかった豆腐)と比較した時、より硬くて弾性のある物性を示したことが確認された(表 2、3参照)。
【0022】
本願発明で下記の乾燥おぼろ豆腐の製造方法で用いるおぼろ豆腐は特に限定されてなく、公知の豆腐を用いても構わない。即ち、市販されている公知のおぼろ豆腐を用いて本願発明の乾燥おぼろ豆腐製造方法で乾燥する場合、既存の乾燥おぼろ豆腐の製造方法に比べて品質の優れた乾燥おぼろ豆腐を得ることができる。ただし、最上の品質で、復元後ほぼ原物の食感に近いおぼろ豆腐を得るために、より好ましくは、前記の方法で製造されたおぼろ豆腐を乾燥用おぼろ豆腐として用いた方が良い。
【0023】
本願発明の乾燥おぼろ豆腐製造方法は、準備したおぼろ豆腐を予備凍結をしなく冷却だけを行った状態で、凍結及び乾燥に使用する装置に投入する。前記のおぼろ豆腐の凍結工程は減圧下で行われる真空凍結工程であって、本願明細書の一つの具体例で、真空度が4torrから2.5torr(絶対圧)まで下降する時の経過時間が、好ましくは30分以内、より好ましくは15分以内になるように調節して急速真空凍結させる。これで前記のおぼろ豆腐の品温が0から-5℃まで下降する際の経過時間が、好ましくは30分以内、より好ましくは15分以内で豆腐内の蛋白質変性を最小化して、高品質のおぼろ豆腐を得ることができる。即ち、真空凍結方式の場合、既存の冷凍庫(-18℃〜-70℃)で保管する冷凍方式に比べて、氷の成長速度(ice growth rate)が著しく早いので、相対的に豆腐内の蛋白質の変性を最小化することができるようになる。
【0024】
前記の真空凍結工程後、前記のおぼろ豆腐の凍結乾燥工程では、本願明細書の一つの具体例で、好ましくは真空度2.5torrないし0.5torr(絶対圧)、より好ましくは真空度1.5torrないし0.5torrの範囲で乾燥を進行させる。前記の凍結乾燥で用いる装置内の熱板の温度は好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜75℃で調節し、おぼろ豆腐の品温が好ましくは40℃、より好ましくは35℃を越えないようにしておぼろ豆腐内の蛋白質の変性を最小化する。
【0025】
前記の乾燥工程まで終わったおぼろ豆腐は品質保存のために、真空包装して流通させた方が好ましい。
【0026】
前記の乾燥工程により製造された乾燥おぼろ豆腐は既存の乾燥おぼろ豆腐に比べて、復元後の豆腐の硬度、ガム性(Gumminess)、咀嚼性(Chewiness)等の豆腐の物性において乾燥前の原物の食感により近く、より硬く、より歯ごたえがあり、食感が優れたおぼろ豆腐を提供する。具体的に、本願明細書のある具体例(比較試験例3-2)のように、前記の製造方法により製造された乾燥おぼろ豆腐を復元させた後、前記の本願発明のおぼろ豆腐製造方法によって製造されたおぼろ豆腐の物性を測定したことと同じ条件下で、乾燥後復元させたおぼろ豆腐の物性を測定した結果、硬度が50〜90gの分布を示し、30〜50gの分布を示した対照群(澱粉無添加、又は、澱粉が添加されたが糊化反応が起きなかった豆腐)と比較した時、より硬くて弾性のある物性を示したことが確認された(表3参照)。
【発明の効果】
【0027】
本発明は予備凍結過程なしでおぼろ豆腐を真空凍結乾燥させる方法を提供して、乾燥前の状態の風味と質感をそのまま復元できるおぼろ豆腐の乾燥方法を提供するという利点がある。
【0028】
本発明はおぼろ豆腐を製造することにおいて、豆乳に澱粉を添加する段階及び澱粉を糊化させる加熱段階を含むおぼろ豆腐の製造方法を提供して、豆腐の硬度(Hardness)などの物性において、より高品質を有するおぼろ豆腐及びその製造方法を提供する利点がある。
【0029】
本発明は豆腐の製造工程中、豆乳と澱粉を撹拌する段階を行う時、澱粉を澱粉分散液の状態にして用いることにより、澱粉が豆乳で均一に分散できる撹拌方法を提供する利点がある。
【0030】
本発明は豆腐の製造において、澱粉を添加してこれを糊化させ乾燥おぼろ豆腐にすることに適合した乾燥用おぼろ豆腐を製造する方法及びこのような乾燥用おぼろ豆腐を真空凍結乾燥させ乾燥おぼろ豆腐を製造する方法を提供する利点がある。
【0031】
具体的に、本願発明は豆腐の硬度等の物性において、より高品質を有するおぼろ豆腐に関するもので、これを乾燥おぼろ豆腐の製造のための乾燥用おぼろ豆腐として使うのに優れていることはもちろん、乾燥おぼろ豆腐として製造しなくてもそれ自体の食感が優れているおぼろ豆腐を提供するため、豆腐製造工程の中で、豆乳に澱粉を添加してこれを糊化させる段階が含まれるようにする。澱粉を添加して糊化反応を誘導する温度条件で豆乳を加熱することによって、おぼろ豆腐の保水力を高めるので、より歯ごたえのある食感が優れたおぼろ豆腐を提供し、これを利用して乾燥おぼろ豆腐を製造することにおいて、乾燥後歯ごたえのなくなった食感は生かし、乾燥後発生するスポンジ性の食感がない、復元後物性が優れた乾燥おぼろ豆腐を提供する。
【0032】
前記の工程で添加される澱粉は好ましくは変性澱粉を使用し、より好ましくはタピオカ変性澱粉を用いて澱粉の効果を最大化する。また、前記の澱粉は豆乳混合液の総重量を基準として好ましく0.1〜3重量%、より好ましくは1重量%になるべく添加して乾燥おぼろ豆腐の製造の際、真空凍結乾燥工程によるおぼろ豆腐のひびと割れの現象を防止することができる。
【0033】
前記の澱粉を豆乳に混合する際には、澱粉が豆乳に均一に分散させるために、前記の澱粉と希釈水をまず公知のホモミキサー(Homomixer)を利用し1次撹拌して澱粉分散液の状態にした後、これを豆乳の入った撹拌タンクに投入して2次撹拌段階を進行させることが好ましい。前記の1次撹拌段階では、好ましくは抗酸化剤、例えばビタミンE・ビタミンC・トコフェロール・緑茶抽出物・ローズマリー抽出物などを追加で添加して撹拌することができる。また、抗酸化剤を追加で添加して撹拌する場合、豆腐内の脂肪の酸敗を防止して、豆腐の賞味期限を比較的長く延長させる効果がある。澱粉を豆乳に直接投入する場合、澱粉が豆乳に非均一に分散して、澱粉粒子の大きさが大きくなってしまし、撹拌時間の延長及び豆腐の物性に良くない影響を与えて、豆腐品質にバラツキがあることに対して、前記のように1次撹拌いた澱粉分散液を用いると、豆乳と澱粉分散液との撹拌時間が短縮されることはもちろん、均一な物性の豆腐を得ることができる利点がある。
【0034】
前記の2次撹拌された豆乳混合液に入れる凝固剤において、グルコノデルタラクトン(GDL)は澱粉の官能基を分解して澱粉の作用を妨げるため用いない方が好ましく、より好ましくは硫酸カルシウムを凝固剤として用いた方が良い。
【0035】
前記の方法で製造されたおぼろ豆腐は既存の一般おぼろ豆腐に比べて豆腐の硬度、ガム性(Gumminess)、咀嚼性(Chewiness)等の豆腐の物性においてより硬くて、より歯ごたえがあり、食感が優れたおぼろ豆腐を提供する。
【0036】
乾燥おぼろ豆腐を製造する製造方法において、好ましくは前記の方法で製造されたおぼろ豆腐を乾燥用おぼろ豆腐として用いる。本願発明は乾燥おぼろ豆腐を製造する際、既存の予備凍結段階を経ないようにして、予備凍結によって誘発された豆腐内の蛋白質の変性を防止し、粉っぽくてさくい食感を防止する乾燥おぼろ豆腐製造方法を提供する利点がある。また、前記のおぼろ豆腐の凍結工程は減圧下で行われる真空凍結工程であって、本願明細書の一つの具体例で、真空度が4torrから2.5torr(絶対圧)まで下降する時の経過時間が、好ましくは30分以内、より好ましくは15分以内になるように調節して急速真空凍結させることによって、前記のおぼろ豆腐の品温が0から-5℃まで下がる 時の経過時間が好ましくは30分以内、より好ましくは15分以内にして、豆腐内の蛋白質変性を最小化して高品質のおぼろ豆腐を得ることができる方法を提供する。即ち、真空凍結方式の場合、既存の冷凍庫(-18℃〜-70℃)で保管する冷凍方式に比べて氷の成長速度(ice growth rate)が著しく早いので、相対的に豆腐内の蛋白質の変性を最小化することができるようになる。
【0037】
更に、本願発明は前記の真空凍結工程後、前記のおぼろ豆腐の凍結乾燥工程において、本願明細書の一つの具体例で、好ましくは真空度1.5torrないし0.5torr(絶対圧)の範囲で乾燥を行い、前記の凍結乾燥で用いる装置内の熱板の温度を好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜75℃にして調節しながらおぼろ豆腐の品温が好ましくは40℃、より好ましくは35℃を越えないようにして、おぼろ豆腐内の蛋白質の変性を最小化する利点がある。
【0038】
前記の乾燥工程によって製造された乾燥おぼろ豆腐は既存の一般乾燥おぼろ豆腐に比べて復元後の豆腐の硬度、ガム性(Gumminess)、咀嚼性(Chewiness)等の豆腐の物性において乾燥前の原物の食感により近くて、より硬くて、より歯ごたえの食感が優れたおぼろ豆腐を提供する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1はタピオカ変性澱粉が添加されたおぼろ豆腐を、前記のタピオカ変性澱粉の糊化温度以上の温度で加熱させた時発生するおぼろ豆腐の表面及び中心部の温度変化を測定したグラフである。
【図2】図2はおぼろ豆腐製造方法において、おぼろ豆腐の加熱段階で澱粉の糊化過程を経なかった既存の一般おぼろ豆腐の熱湯処理時のおぼろ豆腐の表面及び中心部の温度変化を測定したグラフである。
【図3】図3は澱粉を添加したおぼろ豆腐の製造方法において、おぼろ豆腐の熱湯処理時のおぼろ豆腐の中心部の温度によるおぼろ豆腐の物性の差を示す写真である。
【図4】図4は図3と共に、澱粉を添加したおぼろ豆腐の製造方法において、おぼろ豆腐の熱湯処理時のおぼろ豆腐の中心部の温度によるおぼろ豆腐の物性の差を示す写真である。
【図5】図5は澱粉が添加されたおぼろ豆腐に用いられる凝固剤の種類によるおぼろ豆腐の物性の差を示す写真である。
【図6】図6は真空凍結した豆腐と冷凍庫に入れて既存の方式で冷凍した豆腐の冷凍品質の差を示す写真である。
【図7】図7はタピオカ変性澱粉を添加して製造されたおぼろ豆腐と、他の澱粉類、ガム類、糖類及び酵素類を各々添加して製造された乾燥おぼろ豆腐の復元後の物性の差を示すグラフである。
【図8】図8はタピオカ変性澱粉を添加して製造されたおぼろ豆腐と、他の澱粉類、ガム類、糖類及び酵素類を各々添加して製造された乾燥おぼろ豆腐の復元後の物性の差を示すグラフである。
【図9】図9は澱粉が添加されたおぼろ豆腐に用いた凝固剤の種類による乾燥おぼろ豆腐の物性の差を示す写真である。
【図10】図10は豆乳に澱粉を添加する工程において、澱粉分散液の状態で添加して撹拌した場合、及び澱粉を直接添加して撹拌した時の差を示す写真である。
【図11】図11は豆乳に澱粉を添加する工程において、澱粉分散液の状態で添加して撹拌した豆乳及び澱粉を直接添加して撹拌した豆乳のバックスキャタリング(Backscattering)の程度の差を示すグラフである。
【図12】図12は豆乳に澱粉を添加する工程において、澱粉分散液の状態で添加して撹拌した豆乳及び澱粉を直接添加して撹拌した豆乳のバックスキャタリング(Backscattering)の程度の差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、下記の実施例、試験例及び比較試験例を記述して本願発明を説明する。ただし、下記の実施例、試験例及び比較試験例は本願発明の一つの例示に過ぎなく、本願発明の内容がこれに限定されるものではない。
【0041】
(実施例)
実施例1
澱粉の糊化反応を経るおぼろ豆腐の製造方法(乾燥用おぼろ豆腐の製造方法)
【0042】
(1) 1段階:豆乳の製造工程
取り入れた大豆を洗浄して異質物を除去した後、前記の洗浄した大豆に蒸溜水を加えて常温で12時間浸漬した。前記の浸漬が完了された大豆にまた蒸溜水を加えて豆乳の濃度(brix)が11brixになるように濃度を合わせてブレンダーで粉砕した。
前記の粉砕した大豆を濾過器に通して濾過させてオカラと豆乳に分離した後、前記の分離された豆乳を100℃から105℃まで温度を徐々に高めならが20分間加熱及び殺菌した。前記の熱処理された最終豆乳を10.5brixに合わせて、前記の豆乳を10℃以下まで冷却させた。
【0043】
(2) 2段階:豆乳に希釈水、変性澱粉、抗酸化剤及び凝固剤を添加した後、これを撹拌する工程
【0044】
前記の冷却された豆乳476kgを内気泡が発生しないように撹拌タンクの下部から満ちるように投入した。蒸溜水24kgにタピオカ変性澱粉(HT2X、‘アベベ'社製品) 5kgを溶いて、抗酸化剤(SD-20、トコフェロールMIXk、イヨン化学社製品) 1kgをホモミキサー(homomixer)で10分間十分に均質化させて澱粉分散液を製造した。
【0045】
前記の澱粉分散液を前記の10.5brix豆乳476kgが入った撹拌タンクに入れて10分間十分に撹拌した。凝固剤として硫酸カルシウム1.45kgを蒸溜水7.25kgによく溶いて前記の撹拌タンクに入れて前記の豆乳混合液と撹拌した。
【0046】
(3) 3段階:豆乳混合液をおぼろ豆腐パウチに包装する工程
前記の凝固剤が添加された豆乳混合液508.7kgを撹拌しつづけながら、1kgのおぼろ豆腐パウチに分けて 充填して包装した。
【0047】
(4) 4段階:包装されたおぼろ豆腐を加熱する工程
前記の包装されたおぼろ豆腐を86℃で設定した熱湯槽で1時間熱湯処理して凝固させながらおぼろ豆腐の中心部の温度が83℃ 以上になるようにした。
【0048】
(5) 5段階:凝固したおぼろ豆腐を冷却する工程
前記の凝固したおぼろ豆腐を5℃の冷水で豆腐の中心温度が10℃ 以下になるべく1時間冷却させた後、冷蔵保管した。
前記の方法で製造されたおぼろ豆腐は下記の試験例2の物性を示すことが確認された。
【0049】
試験例1
豆乳に添加された澱粉の糊化温度以上の温度で加熱させたおぼろ豆腐の表面及び中心部の温度変化
【0050】
タピオカ変性澱粉(HT2X、‘アベベ'社製品)を添加したおぼろ豆腐を、前記の変性澱粉の糊化温度が70〜75℃であることを勘案して、豆腐の中心部まで糊化過程が十分に起きるようにするため、前記のおぼろ豆腐の中心部の温度(品温)が80℃ 以上になるように、86℃の熱湯槽で60分間熱湯処理した。この時のおぼろ豆腐の表面及び中心部の温度変化を図1で示した。
【0051】
図1のグラフで、タピオカ変性澱粉の糊化温度以上の温度で加熱させたおぼろ豆腐の場合、澱粉の糊化過程を伴うため、加熱時には中心部の温度が比較的緩やかに上がって、加熱後には中心部の温度が急激に下がることが確認できた。熱湯槽の温度を86℃として30分程度加熱した時は、中心部の温度が60℃程度までにも上がらなかったため、タピオカ変性澱粉の糊化が充分でなく、1時間程度加熱した時に中心温度が80℃を越えるようになり澱粉の糊化反応ができるようになった。
【0052】
比較試験例1
澱粉が添加されなかった既存の一般おぼろ豆腐の表面及び中心部の温度
【0053】
変化澱粉が添加されなかった既存の一般おぼろ豆腐(韓国のマルグンコンおぼろ豆腐、マルグンムレ社製品)を入手して、前記のおぼろ豆腐の熱湯処理の時のおぼろ豆腐の表面及び中心部の温度変化を測定した。
【0054】
測定結果を示した図2を見ると、図1に比べて加熱時にはおぼろ豆腐の中心部の温度が相対的に急激に上昇して、加熱後には中心部の温度が緩やかに下降するということが確認できた。
【0055】
試験例
実施例2により製造したおぼろ豆腐の物性測定
【0056】
前記の実施例1の製造方法によりおぼろ豆腐を製造した後、物性分析器(Texture Analyzer-モデル名:TA-XT Plus、‘MHK商社'製品)を利用して、前記のおぼろ豆腐の物性を測定した。 物性測定は下記の条件下で行われた。
プローブ(probe):直径が2cmの円筒形の形態;
前記のプローブがサンプルまで降りてくる速度(pre-test speed):1.00mm/sec;
前記のプローブが前記のサンプル表面についた後、前記のサンプルに浸透していく速度(test speed):5.00mm/sec;
前記のプローブが前記サンプルを浸透した後、元の位置に戻る速度(post-test speed):5.00mm/sec;
前記のプローブのターゲット モード(target mode): 距離(distance);
前記のプローブが前記のサンプルの表面を認識して、前記のサンプルを突き抜けて入る 距離(distance):5.000mm;
前記のプローブが前記のサンプルを認識するための条件(trigger type):力(force);及び前記のプローブが前記のサンプルの存在を認識するための最小限の力(trigger force):5.0gとして設定する条件
【0057】
前記の条件下で前記の実施例1の製造方法によって製造されたおぼろ豆腐の物性分は下記の表1の通りである。
【表1】
【0058】
前記の表1で、硬度はサンプルがある水準の変形まで到達するに必要な力、粘着性はプローブがサンプルを突き抜けて入った後また分離するために必要な力を示し、これが凝集性より大きい場合、プローブにサンプルの一部がにくっつくようになる。凝集性は物体がそのままの形態を維持しようとする力で、粘着性より大きい場合、プローブにサンプルがくっつかないようになる。ガム性は半固体状態のサンプルを飲み込めない状態にする性質を示し、硬度と凝集性の掛け算で計算される。咀嚼性は固体状態のサンプルを飲み込める状態にする性質を示すものである。
【0059】
比較試験例2-1
澱粉の糊化反応を経なかったおぼろ豆腐の物性測定
【0060】
おぼろ豆腐の組成は実施例1と同じようにして、前記の実施例1の4段階で澱粉の糊化反応が行わなかったおぼろ豆腐の物性を調べるために、前記の実施例1の4段階でおぼろ豆腐の中心部の異なった6ヶ所の温度で順にサンプリングして、前記の試験例2と同様の条件下で各サンプルの物性を測定した。この測定値を前記の試験例2のデータと一緒に下記の表2で示す。
【表2】
【0061】
おぼろ豆腐に添加された澱粉のタピオカ 澱粉の糊化温度が70〜75℃であることを勘案して、おぼろ豆腐の中心部の温度が約80℃以上にならないと澱粉の十分な糊化反応が起こらないので、前記の比較試験例2ではおぼろ豆腐の中心部の温度が83.22℃である6次サンプルだけが澱粉の糊化反応を経たおぼろ豆腐と認められる。
【0062】
前記の表2を見ると、製造されたおぼろ豆腐の物性は澱粉の糊化と相当な相関関係が確認できて、特におぼろ豆腐の硬度、凝集性、ガム性及び咀嚼性が高い相関関係を示した。
【0063】
また、離水量は豆腐製造後これを均一な大きさで切断して、決まった時間で豆腐から出る水の量を測定して、最初の重さで割り算して百分比で表示した数値で、大抵中心部の糊化程度に比例して離水の程度が減少することが確認された。これは澱粉が糊化されることにより、豆腐内に存在する水分を捉えている役割をして、 離水量を減少させる結果になったと判断される。
【0064】
即ち、おぼろ豆腐に添加された澱粉が糊化反応を起こすことによって、糊化反応を経ないで製造されたおぼろ豆腐に比べてより硬く、弾性を有するようになり、形態の維持性が強いため、運送及び保管に有利でありながら、より歯ごたえがあり食感が良くなった、高品質のおぼろ豆腐が製造されることが確認できた。
【0065】
1次ないし6次サンプルの物性を測定した時及び測定した後の各写真は図3及び図4で示した。
【0066】
比較試験例2-2澱粉が添加されたおぼろ豆腐に用いる凝固剤の種類によるおぼろ豆腐の物性比較
【0067】
前記の実施例1と同様の製造方法で製造するが、これに用いる凝固剤の種類を変えておぼろ豆腐を製造し、各物性を比較した。具体的に、タピオカ変性澱粉(HT2X、‘アベベ'社製品) 5kgを添加した豆乳に各々凝固剤として硫酸カルシウム1kgを用いて製造したおぼろ豆腐と、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム及びGDLを順に8:2:4の割合で混合した混合凝固剤1kgを用いて製造したおぼろ豆腐の物性を比較した。この試験結果は図5で示した。
【0068】
試験の結果、凝固剤として硫酸カルシウムを用いたおぼろ豆腐は前記の試験例2の物性を有するおぼろ豆腐が製造されたが、前記の複合凝固剤を用いたおぼろ豆腐は澱粉を添加しなかったか、あるいは澱粉を添加したとしても実施例1の4段階で澱粉の糊化温度以上の温度で加熱しなかったおぼろ豆腐のように、澱粉の特性がなくなった既存の一般おぼろ豆腐と似たような物性のおぼろ豆腐が製造された。より具体的には、硫酸カルシウムを用いたおぼろ豆腐の方が断然離水が少なく、見た目から豆腐の弾力性が見えて、強度が既存のおぼろ豆腐に比べて強くて、食感はよりやわらかい高品質のおぼろ豆腐の物性を示した。これに反して、複合凝固剤を用いたおぼろ豆腐は薄い黄色の離水が多く出て、澱粉を用いなかった一般おぼろ豆腐と似たような感じで歯ごたえのない食感と低い強度を表わした。
【0069】
複合凝固剤を用いたおぼろ豆腐がこのような物性を表わすのは複合凝固剤に含まれたGDLが、pHを下げることによって豆乳に添加された澱粉の官能基を分解させて澱粉の効果を阻害することによる結果であると判断された。
【0070】
実施例2
真空凍結乾燥方法によるおぼろ豆腐の乾燥方法
前記の実施例1の製造方法により製造されたおぼろ豆腐を用いて、おぼろ豆腐の乾燥工程を行った。
【0071】
(1) 1段階:おぼろ豆腐の切断工程
前記の実施例1で冷蔵保管されたおぼろ豆腐をパウチから離して、切断機を通して1次、2次及び3次切断を行い、おぼろ豆腐の横、縦、高さが各々約5cm以下の不定形になるべく前処理を行った。
【0072】
(2) 2段階:切断されたおぼろ豆腐の真空凍結工程
おぼろ豆腐を切断した後4kgずつ分けて乾燥パンに入れて、豆腐が重ならないようによく広げた。その後、前記のおぼろ豆腐の品温を10℃ 以下に維持した状態で凍結乾燥管体に投入した。真空凍結を行うために真空ポンプを作動して真空度が4torrから2torrまで下がる経過時間を15分以内になるようにして、これによっておぼろ豆腐の品温が0℃から-5℃まで下がる時間をできるだけ短くする急速凍結を行った。
【0073】
(3) 3段階:真空凍結させたおぼろ豆腐の凍結乾燥工程
前記の凍結が終了する-15℃を基準として熱板の温度を10〜75℃に調節しながら真空度を2torr〜0.5torrの範囲で凍結乾燥を行った。30時間後乾燥が終了し、パンから出して包装した。
【0074】
比較試験例3-1
真空凍結させた豆腐と冷凍庫に入れて既存の方式で冷凍させた豆腐の冷凍品質の比較
【0075】
前記の実施例2の2段階の真空凍結方式によって凍結させた豆腐と、冷凍庫に入れて既存の方式で冷凍させた豆腐の冷凍品質を比較する試験を行った。
冷凍品質の比較は図6に示した。
【0076】
真空凍結させた豆腐の場合、ところどころ黄色いむらを帯び蛋白質が多少変性されたが、これは-70℃の冷凍庫で冷凍させた豆腐が全般的に薄く黄色い色に変色したことと、-18℃ 冷凍庫で冷凍させた豆腐が非常に黄色く変色したことを比較すると、かなり局所的な部分だけで少量の蛋白質変性が発生したと判断され、これは復元後の食感において原物と大きい差がないくらいの変性であると判断された。原物豆腐の食感の点数を5点満点とし、各冷凍豆腐の品質を相対的に比較してみると、真空凍結させた豆腐を解凍後に官能評価した食感点数は5点で、原物とほとんど差がなく、-70℃ 冷凍庫で冷凍させた豆腐は2.5点、-18℃ 冷凍庫で冷凍させた豆腐は1点程度の冷凍品質で評価された。
【0077】
このような結果は、真空凍結方式による場合、水が気化しながら豆腐内の水分から熱を瞬間的に奪っていくので、既存の冷凍庫に保管する冷凍方式に比べて氷の成長速度(ice growth rate)が著しく早くて相対的に豆腐内の蛋白質の変性が少ないためであると判断される。
【0078】
比較試験例3-2
澱粉の糊化反応を経たおぼろ豆腐と糊化反応を経なかったおぼろ豆腐の乾燥前、後の物性測定
【0079】
おぼろ豆腐を前記の実施例1の製造方法によって製造するが、前記の比較試験例2-1のように前記の実施例1の4段階でおぼろ豆腐の中心部の温度を異なった6ヶ所で順にサンプリングして、前記の試験例2と同様の条件下で各サンプルの物性を測定して、前記の六つのサンプルを前記の実施例2の方法によって乾燥おぼろ豆腐を製造した後、ここに水を入れて復元したおぼろ豆腐も各々の物性も前記の試験例2と同様の条件下で測定した。この測定値は下記の表の3の通りである。
【表3】
【0080】
前記の表3で示したように、澱粉は添加したが豆腐の中心部の温度を澱粉の糊化温度以上の温度まで加熱処理しなかったおぼろ豆腐の場合(特に、5次サンプルの場合)、乾燥前後において全て対照群(control)で試験した澱粉無添加のおぼろ豆腐と類似の物性を示したことが確認された。
【0081】
澱粉の糊化温度以上の温度で加熱した6次サンプルの場合、乾燥前はもちろん、乾燥後復元させたおぼろ豆腐であっても最も硬く(硬度)、最も歯ごたえがあること(ガム性、咀嚼性)が確認され、より高品質の物性を有したおぼろ豆腐として製造されたことが確認された。
【0082】
比較試験例3-3
タピオカ変性澱粉を添加して製造されたおぼろ豆腐と、他の澱粉類、ガム類、糖類及び酵素類を各々添加して製造された乾燥おぼろ豆腐の復元後の物性比較
【0083】
タピオカ変性澱粉を添加して前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造したおぼろ豆腐と、他の澱粉類、ガム類、糖類及び酵素類を各々添加して製造されたおぼろ豆腐の物性を比較した。他の澱粉類として長芋粉末を用い、ガム類としてカードランとセルロースガム、糖類としてはトレハロース、ソルビトール、マルトデキストリン、ポリデキストロース(Poly dextrose)を、酵素類としてはTransglutaminase(TG)を用いた。その他に食品添加剤として使用されるヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用し、豆乳SD粉末、ヒアルロン酸を用いて、前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって乾燥おぼろ豆腐を製造した。前記の製造された各々の乾燥おぼろ豆腐に対し復元後の豆腐の食感及びひび割れの物性を5点満点を基準として評価した。
【0084】
前記の物性の比較、評価は表4、図7及び図8で示した。
【表4】
【0085】
各おぼろ豆腐の物性を比較して見ると、タピオカ変性澱粉を用いて製造したおぼろ豆腐の場合、豆腐食感がほぼ5点に近い最も高い点数として評価された。豆腐のひびに対しては、カードランを用いて製造されたおぼろ豆腐が最も高い点数を受けたが、カードランを用いる場合、豆腐の食感がだいぶ落ちる問題があって、これをおぼろ豆腐に使用するのは適合しないと評価された。
【0086】
外観と食感の嗜好度を総合して比較した結果、タピオカ変性澱粉を用いた豆腐が最も優秀であると評価された。
【0087】
比較試験例3-4
澱粉が添加されたおぼろ豆腐に用いる凝固剤の種類による乾燥おぼろ豆腐の物性比較
【0088】
前記の実施例1及び実施例2と同様の製造方法で製造するが、用いる凝固剤の種類を異にして乾燥おぼろ豆腐を製造して各物性を比較した。具体的に、前記の実施例1の製造方法によりタピオカ変性澱粉(HT2X、‘アベベ'社製品) 5kgを添加した豆乳に各々凝固剤で硫酸カルシウム1kgを用いて製造したおぼろ豆腐と、GDL 1kgを用いて製造したおぼろ豆腐を前記の実施例2の方法により乾燥させて、乾燥おぼろ豆腐の物性を比較した後、これに水を注いで復元させたおぼろ豆腐の物性を再び比較した。比較結果は図9で示した。
【0089】
前記の比較においておぼろ豆腐の大きさを横、縦、高さが1cmであるものと、3cm、5cmであるものを準備しておぼろ豆腐の大きさによる物性差はないかも同時に比較した。
図9で示されたように、凝固剤でGDLを用いると、まずGDL自体からの酸味によって豆腐が多少酸味を帯びるようになり官能的に良くなく、pHが低くなって澱粉の官能基が分解された結果、澱粉の糊化効果が相殺されるので、復元後押しつぶされるような食感と、内部のひび割れが多く発生することが確認されることがわかった。
【0090】
官能比較試験
既存の乾燥おぼろ豆腐と実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐の官能比較
【0091】
市販されている乾燥おぼろ豆腐(ドンニムフードチョダンおぼろ豆腐製品)を入手して本願明細書の前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐の復元後の官能を比較する試験を実施した。
【0092】
ドンニムフードチョダンおぼろ豆腐製品は既存の方式で製造された、即ち澱粉の糊化反応を誘導する段階を含まない製造方法によって製造され、既存の方式で乾燥された、即ち予備凍結(ないし凍結直前の状態まで冷却)を経たおぼろ豆腐を凍結乾燥させる方法によって凍結乾燥された乾燥おぼろ豆腐である。
【0093】
官能試験は満25〜49才主婦50人を対象に、乾燥おぼろ豆腐の完成品の形態の即席カップおぼろ豆腐チゲをその場で製造して試食する方法で実施した。前記のドンニムフードチョダンおぼろ豆腐の場合、乾燥豆腐、具スープ及び液状スープで構成され市販されていて、これにお湯を注いで官能試験を実施し、本願明細書の前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐の場合、乾燥豆腐におぼろ豆腐チゲ薬味(ダダム社製品)を入れてこれにお湯を注いで官能試験を実施した。
【0094】
前記の官能試験結果は下記の表5の通りである。 点数は5点満点を基準として評価した。
【表5】
【0095】
官能試験の結果、本願明細書の前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐の評価が、全ての項目でより高く評価された。特に豆腐食感の嗜好度及び豆腐の柔らかさの嗜好度で本願明細書の前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐が飛び切り高い官能評価を受けた。このことから本願明細書の前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐を製造する場合、既存の方法に比べて乾燥前の原物の食感により近い、優れた食感を有した製品を製造できることが確認された。
【0096】
実施例3
澱粉分散液の製造方法
【0097】
豆腐製造の時、豆乳に澱粉及び抗酸化剤を添加するということにおいて、澱粉が豆乳により均一に分散させるために澱粉分散液として製造した。
【0098】
24kgの蒸溜水にタピオカ変性澱粉(HT2X、‘アベベ'社製品) 5kgを溶いて、抗酸化剤(SD-20,‘イヨン化学'社製品) 1kgをホモミキサー(homomixer)で10分間十分に均質化して澱粉分散液として製造した。
【0099】
前記の澱粉分散液を豆乳に投入して撹拌すると、撹拌時間の短縮はもちろん、澱粉が豆乳に均一に分散するので、均一な物性の豆腐が得られることが確認された。
【0100】
比較試験例4
豆乳に澱粉を直接投入して撹拌する場合、及び澱粉分散液を用いて撹拌する場合の分散程度の比較
【0101】
豆乳に澱粉を添加して撹拌する工程において、澱粉を直接投入して撹拌する場合と澱粉分散液を用いて撹拌する場合の豆乳内の澱粉の分散程度を比較するために下記の実験条件下で比較試験を実施した。
【0102】
市販されている10brix豆乳470gを各々二つのビーカーに入れた後、一つのビーカーには実施例3と同様の方法で澱粉分散液30g(タピオカ変性澱粉5g + 希釈水25g)を添加して、最終的に豆乳混合液500gを9.5 brix、澱粉1重量%に合わせた。他の一つのビーカーにはタピオカ変性澱粉5g及び希釈水25gを豆乳に直接添加して同じように最終豆乳混合液500gを9.5 brix、澱粉を1重量%に合わせた後、それぞれを撹拌装置を利用して100rpmの回転速度で10分間撹拌させる方式で実施した。
【0103】
各々の場合の豆乳内の澱粉分散程度の比較は、Turbiscan LAB(‘リーノンテック、Leanontech’社製品)機器を用いて両ビーカーに光を照射した時、その光が透過する程度と反射される程度(Backscattering)を測定して液状内の不溶性粒子の位置、大きさ及び程度を測定する方式で実施した。 反射される光と透過する光の測定は、総60分間、2分の間隔でスキューニングして実施した。
【0104】
豆乳に澱粉分散液を添加した写真と、澱粉を直接添加した写真の比較は図10で示した。
Turbiscan LAB機器を用いて測定したBackscattering結果は図11で示した。 図11を拡大して比較した結果は図12で示した。
【0105】
図10で示したように、澱粉分散液を添加した豆乳の場合、ビーカーの下段部のほぼ底面(ビーカー底から約2mmの高さ)に澱粉沈殿層が形成され、澱粉を直接添加した豆乳の場合、ビーカーの底からで約8mmの高さで澱粉沈殿層が形成されたのが確認できた。これは澱粉を直接添加した場合、豆乳内の澱粉粒子の大きさがはるかに大きく形成されていることを意味するのである。
【0106】
Turbiscan LAB機器を用いて測定したBackscattering結果を見ると、図11で見られるように、澱粉分散液を添加した豆乳の場合(図11、上のグラフ)、ビーカー底から約2mmの高さの地点で、澱粉を直接添加した豆乳の場合(図11、の下グラフ)はビーカー底から約8mmの高さの地点で、Backscatteringが高い数値を示し、各々この付近で澱粉沈殿層が形成されたことが分かる。これは前述したように、澱粉を直接添加した場合は豆乳内で澱粉が均一に分散することができなく、澱粉粒子どうしで固まっていて、より粒度のサイズが大きく形成されたことを意味するのである。
【0107】
前記の図11を拡大して比較した図12を見ると、澱粉分散液を添加した場合(図12、上のグラフ)にはTurbiscan LAB機器を利用してスキャニングしてから約18分が経過した以後からBackscattering値段が著しくビーカー下段部でピークを形成し異なった測定値を示し始めたが、澱粉を直接添加した場合(図12、下のグラフ)にはスキャニングして約10分目にピークを形成し始めた。これは澱粉を直接添加した場合、豆乳内澱粉の分散が均一ではなく澱粉粒子が大きい状態のままに留まっていて、澱粉分散液を添加した場合より澱粉粒子の沈殿速度が速いことを意味する。
【0108】
したがって前記の結果を総合してみると、豆乳に澱粉分散液を添加して撹拌した方が、澱粉を直接添加するより、澱粉の粒子が小さい状態で豆乳内に均一に分散することが確認できた。
【技術分野】
【0001】
本発明は豆腐の製造工程中、豆乳と澱粉を撹拌する段階で、澱粉を澱粉分散液の形態に製造して使用することにより、澱粉が豆乳で均一に分散できる撹拌方法を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
豆腐はカルシウム及び無機質と蛋白質の豊富な食品で、淡泊な風味と軟らかい食感のため、様々な料理に頻繁に献立から選ばれる食品である。しかし、豆腐は水分と栄養素が豊富であるため腐敗が起きやすいだけでなく、組織の強度が低いので保管及び流通が難しいという難点がある。それゆえ、豆腐の貯蔵性と携帯性を同時に解決するための方法として、豆腐を乾燥することが提案された。
【0003】
豆腐を乾燥する方法に関する技術で、大韓民国公開特許第2000-53766号の乾燥豆腐及びその製造方法では、真空乾燥器内に豆腐を入れて減圧した後、60℃の温度で18〜20時間豆腐を乾燥する方法が提案された。大韓民国登録特許第10-0891445号の豆腐を乾燥する方法では、豆腐を冷凍庫に入れて冷凍される直前まで、即ち豆腐の表面に凍結霜が発生する時まで、約1時間予備冷却する段階を経た後、冷却された豆腐を真空凍結乾燥器に入れて減圧し豆腐の温度が40℃まで達するようにして、またその後真空凍結を行う工程を経るようになっていた。従って、その段階が繁雑及び複雑なだけでなく、長時間を要するため、相当な蛋白質の変性を誘発し、豆腐の本来の風味と香りが変わり、豆腐が復元された時に生豆腐の風味が完璧に戻らなくなることと、凍結過程で組織が破壊されるので豆腐の食感を復元できなくなる限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は予備凍結の過程なしでおぼろ豆腐を真空凍結し、豆腐内の蛋白質の変性を最小化する乾燥方法を提供して、乾燥前の状態の風味と質感をほぼそのまま復元できるおぼろ豆腐の乾燥方法を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明はおぼろ豆腐の製造において、豆乳に澱粉を添加する段階及び澱粉を糊化させる加熱段階を有するおぼろ豆腐の製造方法を提供し、豆腐の硬度等の物性において既存のおぼろ豆腐より硬度が高くて弾性を有する高品質のおぼろ豆腐及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は豆腐の製造工程中、豆乳と澱粉を撹拌する段階の時、澱粉を澱粉分散液の形態にして用いることにより、澱粉が豆乳で均一に分散できる撹拌方法を提供することを目的とする。
【0007】
更に、本発明は豆腐の製造において、澱粉を添加して糊化させ、乾燥おぼろ豆腐の製造に適した乾燥用おぼろ豆腐の製造方法及び、その乾燥用おぼろ豆腐を真空凍結乾燥させて乾燥おぼろ豆腐を製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施例で、おぼろ豆腐の製造方法において豆乳に澱粉を添加する段階及び澱粉を糊化させる加熱段階を有するおぼろ豆腐の製造方法が提供される。
【0009】
本発明のある実施例では、おぼろ豆腐に添加された澱粉が豆腐製造過程の中で糊化反応を経ることにより豆腐の硬度(Hardness)等の物性において既存のおぼろ豆腐より強度が高く、弾性を有する、高品質のおぼろ豆腐が提供される。
【0010】
本発明のある実施例では、豆腐の製造工程の中で、豆乳と澱粉を撹拌する方法において澱粉を澱粉分散液の形態で用いることにより、澱粉が豆乳で均一に分散できる撹拌方法が提供される。
【0011】
本発明のある実施例では、おぼろ豆腐を乾燥する方法において、予備凍結過程なしで豆腐を真空凍結乾燥させる方法を提供して、乾燥前の状態の風味と質感をそのまま復元できるおぼろ豆腐の乾燥方法が提供される。
【0012】
下記の具体例は本願発明の例示に過ぎないもので、本発明の内容が下記の具体例で限定される意味として解釈されてはいけない。
【0013】
具体的に、本願発明は、乾燥おぼろ豆腐が復元された後、原物と類似の食感を持たせるために、既存の方法とは異なった乾燥用おぼろ豆腐の製造方法とその乾燥方法に関するものである。
【0014】
本願発明は豆乳の製造工程、豆乳に希釈水・変性澱粉・抗酸化剤及び凝固剤を添加した後、これを攪拌して豆乳混合液を製造する工程、豆乳混合液をおぼろ豆腐パウチで包装する工程、包装されたおぼろ豆腐を加熱する工程、凝固されたおぼろ豆腐を冷却する工程、冷却されたおぼろ豆腐の切断工程、切断されたおぼろ豆腐の真空凍結工程及び真空凍結させたおぼろ豆腐の凍結乾燥工程を含むことができる。
【0015】
本願発明は豆腐の硬度(Hardness)等の物性において、より高品質を有するおぼろ豆腐に関するものである。これは乾燥おぼろ豆腐の製造のために乾燥用のおぼろ豆腐として使用するにも優れた特性を有し、乾燥おぼろ豆腐用として製造しなくてもそれ自体が食感が優れたおぼろ豆腐を提供する。そのため、豆腐製造工程中、豆乳に澱粉を添加して糊化させる段階が含まれるようにする。前記の澱粉は、好ましくは変性澱粉、例えばタピオカ変性澱粉、米変性澱粉、サツマイモ変性澱粉、ジャガイモ変性澱粉、トウモロコシ変性澱粉などの変性澱粉であり、より好ましくはタピオカ変性澱粉を用いた方が良い。前記の澱粉は豆乳混合液の総重量を基準として、好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは1重量%になるように添加した方が良い。
【0016】
前記の澱粉を豆乳に混合する時には澱粉を豆乳で均一に分散させるため、まず前記の澱粉と希釈水を公知のホモミキサー(Homomixer)を利用して1次撹拌して澱粉分散液の形態に製造した後、豆乳が入った撹拌タンクに投入し、2次撹拌段階に進行させた方が好ましい。 前記の1次撹拌段階では更に抗酸化剤を添加して撹拌することもできる。
前記2次撹拌された豆乳混合液に投入する凝固剤は、澱粉の官能基を分解して澱粉の作用を妨げるグルトノデルタラクトン(GDL)は使用しない方が好ましく、より好ましくはGDLが含まれてない混合凝固剤、塩化マグネシウム、または、調製した苦汁を凝固剤で使用した方が良く、最も好ましくは硫酸カルシウムを凝固剤として用いた方が良い。
【0017】
前記の2次撹拌された豆乳混合液を加熱することにおいては、豆乳に添加された澱粉の糊化温度以上の温度で加熱して澱粉の糊化反応を誘導することが好ましい。本願明細書の一つの具体例で、豆乳に添加された澱粉がタピオカ変性澱粉の場合には、その糊化温度が70〜75℃であることを考慮し、豆腐の品温が約80〜100℃以上、好ましくは83℃ 以上になるようにして、加熱槽の温度を約80〜100℃、好ましく86℃ 以上で40分以上、より好ましく1時間以上加熱して澱粉が糊化される。 前記の加熱工程は熱湯処理の方が好ましい。
【0018】
前記の方法で製造されるおぼろ豆腐の組成は好ましくは9〜12brixの豆乳、より好ましく10.5brixの豆乳に、澱粉を豆乳の総重量を基準として好ましくは0.1〜3重量%、より好ましくは1重量%含むことができる。凝固剤は、好ましくは0.1〜1重量%、より好ましく0.3重量%を含むことができる。また、抗酸化剤を0.01〜1重量%、より好ましくは0.15重量%を更に含むことができる。
【0019】
前記の方法で製造されたおぼろ豆腐は既存の一般おぼろ豆腐に比べて、豆腐の硬度、ガム性 (Gumminess)、咀嚼性(Chewiness)等の豆腐の物性において、より硬度が高く、より歯ごたえの優れたおぼろ豆腐を提供する。
【0020】
具体的に、本願明細書のある具体例(比較試験例2-1、3-2)で示したように、前記の製造方法により製造されたおぼろ豆腐を下記のような条件下で物性分析器(Texture Analyzer-モデル名:TA-XT Plus,‘MHK商社'製品)を利用しておぼろ豆腐の物性を測定することができる。
プローブ(probe):直径が2cmの円筒形の形態
前記のプローブがサンプルまで下がってくる速度(pre-test speed):1.00mm/sec;
前記のプローブが前記のサンプル表面についた後、前記のサンプルに浸透していく速度(test speed):5.00mm/sec;
前記のプローブが前記サンプルを浸透した後、元の位置に戻る速度(post-test speed):5.00mm/sec;
前記のプローブのターゲット モード(target mode): 距離(distance);
前記のプローブが前記のサンプルの表面を認識して、前記のサンプルを突き抜けて入る 距離(distance):5.000mm;
前記のプローブが前記のサンプルを認識するための条件(trigger type):力(force);及び前記のプローブが前記のサンプルの存在を認識するための最小限の力(trigger force):5.0g
【0021】
おぼろ豆腐の物性を測定した結果、硬度が120〜160gの分布を示していて、30〜100gの分布を示した対照群(澱粉無添加、又は、澱粉は添加されたが糊化反応が起きなかった豆腐)と比較した時、より硬くて弾性のある物性を示したことが確認された(表 2、3参照)。
【0022】
本願発明で下記の乾燥おぼろ豆腐の製造方法で用いるおぼろ豆腐は特に限定されてなく、公知の豆腐を用いても構わない。即ち、市販されている公知のおぼろ豆腐を用いて本願発明の乾燥おぼろ豆腐製造方法で乾燥する場合、既存の乾燥おぼろ豆腐の製造方法に比べて品質の優れた乾燥おぼろ豆腐を得ることができる。ただし、最上の品質で、復元後ほぼ原物の食感に近いおぼろ豆腐を得るために、より好ましくは、前記の方法で製造されたおぼろ豆腐を乾燥用おぼろ豆腐として用いた方が良い。
【0023】
本願発明の乾燥おぼろ豆腐製造方法は、準備したおぼろ豆腐を予備凍結をしなく冷却だけを行った状態で、凍結及び乾燥に使用する装置に投入する。前記のおぼろ豆腐の凍結工程は減圧下で行われる真空凍結工程であって、本願明細書の一つの具体例で、真空度が4torrから2.5torr(絶対圧)まで下降する時の経過時間が、好ましくは30分以内、より好ましくは15分以内になるように調節して急速真空凍結させる。これで前記のおぼろ豆腐の品温が0から-5℃まで下降する際の経過時間が、好ましくは30分以内、より好ましくは15分以内で豆腐内の蛋白質変性を最小化して、高品質のおぼろ豆腐を得ることができる。即ち、真空凍結方式の場合、既存の冷凍庫(-18℃〜-70℃)で保管する冷凍方式に比べて、氷の成長速度(ice growth rate)が著しく早いので、相対的に豆腐内の蛋白質の変性を最小化することができるようになる。
【0024】
前記の真空凍結工程後、前記のおぼろ豆腐の凍結乾燥工程では、本願明細書の一つの具体例で、好ましくは真空度2.5torrないし0.5torr(絶対圧)、より好ましくは真空度1.5torrないし0.5torrの範囲で乾燥を進行させる。前記の凍結乾燥で用いる装置内の熱板の温度は好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜75℃で調節し、おぼろ豆腐の品温が好ましくは40℃、より好ましくは35℃を越えないようにしておぼろ豆腐内の蛋白質の変性を最小化する。
【0025】
前記の乾燥工程まで終わったおぼろ豆腐は品質保存のために、真空包装して流通させた方が好ましい。
【0026】
前記の乾燥工程により製造された乾燥おぼろ豆腐は既存の乾燥おぼろ豆腐に比べて、復元後の豆腐の硬度、ガム性(Gumminess)、咀嚼性(Chewiness)等の豆腐の物性において乾燥前の原物の食感により近く、より硬く、より歯ごたえがあり、食感が優れたおぼろ豆腐を提供する。具体的に、本願明細書のある具体例(比較試験例3-2)のように、前記の製造方法により製造された乾燥おぼろ豆腐を復元させた後、前記の本願発明のおぼろ豆腐製造方法によって製造されたおぼろ豆腐の物性を測定したことと同じ条件下で、乾燥後復元させたおぼろ豆腐の物性を測定した結果、硬度が50〜90gの分布を示し、30〜50gの分布を示した対照群(澱粉無添加、又は、澱粉が添加されたが糊化反応が起きなかった豆腐)と比較した時、より硬くて弾性のある物性を示したことが確認された(表3参照)。
【発明の効果】
【0027】
本発明は予備凍結過程なしでおぼろ豆腐を真空凍結乾燥させる方法を提供して、乾燥前の状態の風味と質感をそのまま復元できるおぼろ豆腐の乾燥方法を提供するという利点がある。
【0028】
本発明はおぼろ豆腐を製造することにおいて、豆乳に澱粉を添加する段階及び澱粉を糊化させる加熱段階を含むおぼろ豆腐の製造方法を提供して、豆腐の硬度(Hardness)などの物性において、より高品質を有するおぼろ豆腐及びその製造方法を提供する利点がある。
【0029】
本発明は豆腐の製造工程中、豆乳と澱粉を撹拌する段階を行う時、澱粉を澱粉分散液の状態にして用いることにより、澱粉が豆乳で均一に分散できる撹拌方法を提供する利点がある。
【0030】
本発明は豆腐の製造において、澱粉を添加してこれを糊化させ乾燥おぼろ豆腐にすることに適合した乾燥用おぼろ豆腐を製造する方法及びこのような乾燥用おぼろ豆腐を真空凍結乾燥させ乾燥おぼろ豆腐を製造する方法を提供する利点がある。
【0031】
具体的に、本願発明は豆腐の硬度等の物性において、より高品質を有するおぼろ豆腐に関するもので、これを乾燥おぼろ豆腐の製造のための乾燥用おぼろ豆腐として使うのに優れていることはもちろん、乾燥おぼろ豆腐として製造しなくてもそれ自体の食感が優れているおぼろ豆腐を提供するため、豆腐製造工程の中で、豆乳に澱粉を添加してこれを糊化させる段階が含まれるようにする。澱粉を添加して糊化反応を誘導する温度条件で豆乳を加熱することによって、おぼろ豆腐の保水力を高めるので、より歯ごたえのある食感が優れたおぼろ豆腐を提供し、これを利用して乾燥おぼろ豆腐を製造することにおいて、乾燥後歯ごたえのなくなった食感は生かし、乾燥後発生するスポンジ性の食感がない、復元後物性が優れた乾燥おぼろ豆腐を提供する。
【0032】
前記の工程で添加される澱粉は好ましくは変性澱粉を使用し、より好ましくはタピオカ変性澱粉を用いて澱粉の効果を最大化する。また、前記の澱粉は豆乳混合液の総重量を基準として好ましく0.1〜3重量%、より好ましくは1重量%になるべく添加して乾燥おぼろ豆腐の製造の際、真空凍結乾燥工程によるおぼろ豆腐のひびと割れの現象を防止することができる。
【0033】
前記の澱粉を豆乳に混合する際には、澱粉が豆乳に均一に分散させるために、前記の澱粉と希釈水をまず公知のホモミキサー(Homomixer)を利用し1次撹拌して澱粉分散液の状態にした後、これを豆乳の入った撹拌タンクに投入して2次撹拌段階を進行させることが好ましい。前記の1次撹拌段階では、好ましくは抗酸化剤、例えばビタミンE・ビタミンC・トコフェロール・緑茶抽出物・ローズマリー抽出物などを追加で添加して撹拌することができる。また、抗酸化剤を追加で添加して撹拌する場合、豆腐内の脂肪の酸敗を防止して、豆腐の賞味期限を比較的長く延長させる効果がある。澱粉を豆乳に直接投入する場合、澱粉が豆乳に非均一に分散して、澱粉粒子の大きさが大きくなってしまし、撹拌時間の延長及び豆腐の物性に良くない影響を与えて、豆腐品質にバラツキがあることに対して、前記のように1次撹拌いた澱粉分散液を用いると、豆乳と澱粉分散液との撹拌時間が短縮されることはもちろん、均一な物性の豆腐を得ることができる利点がある。
【0034】
前記の2次撹拌された豆乳混合液に入れる凝固剤において、グルコノデルタラクトン(GDL)は澱粉の官能基を分解して澱粉の作用を妨げるため用いない方が好ましく、より好ましくは硫酸カルシウムを凝固剤として用いた方が良い。
【0035】
前記の方法で製造されたおぼろ豆腐は既存の一般おぼろ豆腐に比べて豆腐の硬度、ガム性(Gumminess)、咀嚼性(Chewiness)等の豆腐の物性においてより硬くて、より歯ごたえがあり、食感が優れたおぼろ豆腐を提供する。
【0036】
乾燥おぼろ豆腐を製造する製造方法において、好ましくは前記の方法で製造されたおぼろ豆腐を乾燥用おぼろ豆腐として用いる。本願発明は乾燥おぼろ豆腐を製造する際、既存の予備凍結段階を経ないようにして、予備凍結によって誘発された豆腐内の蛋白質の変性を防止し、粉っぽくてさくい食感を防止する乾燥おぼろ豆腐製造方法を提供する利点がある。また、前記のおぼろ豆腐の凍結工程は減圧下で行われる真空凍結工程であって、本願明細書の一つの具体例で、真空度が4torrから2.5torr(絶対圧)まで下降する時の経過時間が、好ましくは30分以内、より好ましくは15分以内になるように調節して急速真空凍結させることによって、前記のおぼろ豆腐の品温が0から-5℃まで下がる 時の経過時間が好ましくは30分以内、より好ましくは15分以内にして、豆腐内の蛋白質変性を最小化して高品質のおぼろ豆腐を得ることができる方法を提供する。即ち、真空凍結方式の場合、既存の冷凍庫(-18℃〜-70℃)で保管する冷凍方式に比べて氷の成長速度(ice growth rate)が著しく早いので、相対的に豆腐内の蛋白質の変性を最小化することができるようになる。
【0037】
更に、本願発明は前記の真空凍結工程後、前記のおぼろ豆腐の凍結乾燥工程において、本願明細書の一つの具体例で、好ましくは真空度1.5torrないし0.5torr(絶対圧)の範囲で乾燥を行い、前記の凍結乾燥で用いる装置内の熱板の温度を好ましくは10〜80℃、より好ましくは20〜75℃にして調節しながらおぼろ豆腐の品温が好ましくは40℃、より好ましくは35℃を越えないようにして、おぼろ豆腐内の蛋白質の変性を最小化する利点がある。
【0038】
前記の乾燥工程によって製造された乾燥おぼろ豆腐は既存の一般乾燥おぼろ豆腐に比べて復元後の豆腐の硬度、ガム性(Gumminess)、咀嚼性(Chewiness)等の豆腐の物性において乾燥前の原物の食感により近くて、より硬くて、より歯ごたえの食感が優れたおぼろ豆腐を提供する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】図1はタピオカ変性澱粉が添加されたおぼろ豆腐を、前記のタピオカ変性澱粉の糊化温度以上の温度で加熱させた時発生するおぼろ豆腐の表面及び中心部の温度変化を測定したグラフである。
【図2】図2はおぼろ豆腐製造方法において、おぼろ豆腐の加熱段階で澱粉の糊化過程を経なかった既存の一般おぼろ豆腐の熱湯処理時のおぼろ豆腐の表面及び中心部の温度変化を測定したグラフである。
【図3】図3は澱粉を添加したおぼろ豆腐の製造方法において、おぼろ豆腐の熱湯処理時のおぼろ豆腐の中心部の温度によるおぼろ豆腐の物性の差を示す写真である。
【図4】図4は図3と共に、澱粉を添加したおぼろ豆腐の製造方法において、おぼろ豆腐の熱湯処理時のおぼろ豆腐の中心部の温度によるおぼろ豆腐の物性の差を示す写真である。
【図5】図5は澱粉が添加されたおぼろ豆腐に用いられる凝固剤の種類によるおぼろ豆腐の物性の差を示す写真である。
【図6】図6は真空凍結した豆腐と冷凍庫に入れて既存の方式で冷凍した豆腐の冷凍品質の差を示す写真である。
【図7】図7はタピオカ変性澱粉を添加して製造されたおぼろ豆腐と、他の澱粉類、ガム類、糖類及び酵素類を各々添加して製造された乾燥おぼろ豆腐の復元後の物性の差を示すグラフである。
【図8】図8はタピオカ変性澱粉を添加して製造されたおぼろ豆腐と、他の澱粉類、ガム類、糖類及び酵素類を各々添加して製造された乾燥おぼろ豆腐の復元後の物性の差を示すグラフである。
【図9】図9は澱粉が添加されたおぼろ豆腐に用いた凝固剤の種類による乾燥おぼろ豆腐の物性の差を示す写真である。
【図10】図10は豆乳に澱粉を添加する工程において、澱粉分散液の状態で添加して撹拌した場合、及び澱粉を直接添加して撹拌した時の差を示す写真である。
【図11】図11は豆乳に澱粉を添加する工程において、澱粉分散液の状態で添加して撹拌した豆乳及び澱粉を直接添加して撹拌した豆乳のバックスキャタリング(Backscattering)の程度の差を示すグラフである。
【図12】図12は豆乳に澱粉を添加する工程において、澱粉分散液の状態で添加して撹拌した豆乳及び澱粉を直接添加して撹拌した豆乳のバックスキャタリング(Backscattering)の程度の差を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、下記の実施例、試験例及び比較試験例を記述して本願発明を説明する。ただし、下記の実施例、試験例及び比較試験例は本願発明の一つの例示に過ぎなく、本願発明の内容がこれに限定されるものではない。
【0041】
(実施例)
実施例1
澱粉の糊化反応を経るおぼろ豆腐の製造方法(乾燥用おぼろ豆腐の製造方法)
【0042】
(1) 1段階:豆乳の製造工程
取り入れた大豆を洗浄して異質物を除去した後、前記の洗浄した大豆に蒸溜水を加えて常温で12時間浸漬した。前記の浸漬が完了された大豆にまた蒸溜水を加えて豆乳の濃度(brix)が11brixになるように濃度を合わせてブレンダーで粉砕した。
前記の粉砕した大豆を濾過器に通して濾過させてオカラと豆乳に分離した後、前記の分離された豆乳を100℃から105℃まで温度を徐々に高めならが20分間加熱及び殺菌した。前記の熱処理された最終豆乳を10.5brixに合わせて、前記の豆乳を10℃以下まで冷却させた。
【0043】
(2) 2段階:豆乳に希釈水、変性澱粉、抗酸化剤及び凝固剤を添加した後、これを撹拌する工程
【0044】
前記の冷却された豆乳476kgを内気泡が発生しないように撹拌タンクの下部から満ちるように投入した。蒸溜水24kgにタピオカ変性澱粉(HT2X、‘アベベ'社製品) 5kgを溶いて、抗酸化剤(SD-20、トコフェロールMIXk、イヨン化学社製品) 1kgをホモミキサー(homomixer)で10分間十分に均質化させて澱粉分散液を製造した。
【0045】
前記の澱粉分散液を前記の10.5brix豆乳476kgが入った撹拌タンクに入れて10分間十分に撹拌した。凝固剤として硫酸カルシウム1.45kgを蒸溜水7.25kgによく溶いて前記の撹拌タンクに入れて前記の豆乳混合液と撹拌した。
【0046】
(3) 3段階:豆乳混合液をおぼろ豆腐パウチに包装する工程
前記の凝固剤が添加された豆乳混合液508.7kgを撹拌しつづけながら、1kgのおぼろ豆腐パウチに分けて 充填して包装した。
【0047】
(4) 4段階:包装されたおぼろ豆腐を加熱する工程
前記の包装されたおぼろ豆腐を86℃で設定した熱湯槽で1時間熱湯処理して凝固させながらおぼろ豆腐の中心部の温度が83℃ 以上になるようにした。
【0048】
(5) 5段階:凝固したおぼろ豆腐を冷却する工程
前記の凝固したおぼろ豆腐を5℃の冷水で豆腐の中心温度が10℃ 以下になるべく1時間冷却させた後、冷蔵保管した。
前記の方法で製造されたおぼろ豆腐は下記の試験例2の物性を示すことが確認された。
【0049】
試験例1
豆乳に添加された澱粉の糊化温度以上の温度で加熱させたおぼろ豆腐の表面及び中心部の温度変化
【0050】
タピオカ変性澱粉(HT2X、‘アベベ'社製品)を添加したおぼろ豆腐を、前記の変性澱粉の糊化温度が70〜75℃であることを勘案して、豆腐の中心部まで糊化過程が十分に起きるようにするため、前記のおぼろ豆腐の中心部の温度(品温)が80℃ 以上になるように、86℃の熱湯槽で60分間熱湯処理した。この時のおぼろ豆腐の表面及び中心部の温度変化を図1で示した。
【0051】
図1のグラフで、タピオカ変性澱粉の糊化温度以上の温度で加熱させたおぼろ豆腐の場合、澱粉の糊化過程を伴うため、加熱時には中心部の温度が比較的緩やかに上がって、加熱後には中心部の温度が急激に下がることが確認できた。熱湯槽の温度を86℃として30分程度加熱した時は、中心部の温度が60℃程度までにも上がらなかったため、タピオカ変性澱粉の糊化が充分でなく、1時間程度加熱した時に中心温度が80℃を越えるようになり澱粉の糊化反応ができるようになった。
【0052】
比較試験例1
澱粉が添加されなかった既存の一般おぼろ豆腐の表面及び中心部の温度
【0053】
変化澱粉が添加されなかった既存の一般おぼろ豆腐(韓国のマルグンコンおぼろ豆腐、マルグンムレ社製品)を入手して、前記のおぼろ豆腐の熱湯処理の時のおぼろ豆腐の表面及び中心部の温度変化を測定した。
【0054】
測定結果を示した図2を見ると、図1に比べて加熱時にはおぼろ豆腐の中心部の温度が相対的に急激に上昇して、加熱後には中心部の温度が緩やかに下降するということが確認できた。
【0055】
試験例
実施例2により製造したおぼろ豆腐の物性測定
【0056】
前記の実施例1の製造方法によりおぼろ豆腐を製造した後、物性分析器(Texture Analyzer-モデル名:TA-XT Plus、‘MHK商社'製品)を利用して、前記のおぼろ豆腐の物性を測定した。 物性測定は下記の条件下で行われた。
プローブ(probe):直径が2cmの円筒形の形態;
前記のプローブがサンプルまで降りてくる速度(pre-test speed):1.00mm/sec;
前記のプローブが前記のサンプル表面についた後、前記のサンプルに浸透していく速度(test speed):5.00mm/sec;
前記のプローブが前記サンプルを浸透した後、元の位置に戻る速度(post-test speed):5.00mm/sec;
前記のプローブのターゲット モード(target mode): 距離(distance);
前記のプローブが前記のサンプルの表面を認識して、前記のサンプルを突き抜けて入る 距離(distance):5.000mm;
前記のプローブが前記のサンプルを認識するための条件(trigger type):力(force);及び前記のプローブが前記のサンプルの存在を認識するための最小限の力(trigger force):5.0gとして設定する条件
【0057】
前記の条件下で前記の実施例1の製造方法によって製造されたおぼろ豆腐の物性分は下記の表1の通りである。
【表1】
【0058】
前記の表1で、硬度はサンプルがある水準の変形まで到達するに必要な力、粘着性はプローブがサンプルを突き抜けて入った後また分離するために必要な力を示し、これが凝集性より大きい場合、プローブにサンプルの一部がにくっつくようになる。凝集性は物体がそのままの形態を維持しようとする力で、粘着性より大きい場合、プローブにサンプルがくっつかないようになる。ガム性は半固体状態のサンプルを飲み込めない状態にする性質を示し、硬度と凝集性の掛け算で計算される。咀嚼性は固体状態のサンプルを飲み込める状態にする性質を示すものである。
【0059】
比較試験例2-1
澱粉の糊化反応を経なかったおぼろ豆腐の物性測定
【0060】
おぼろ豆腐の組成は実施例1と同じようにして、前記の実施例1の4段階で澱粉の糊化反応が行わなかったおぼろ豆腐の物性を調べるために、前記の実施例1の4段階でおぼろ豆腐の中心部の異なった6ヶ所の温度で順にサンプリングして、前記の試験例2と同様の条件下で各サンプルの物性を測定した。この測定値を前記の試験例2のデータと一緒に下記の表2で示す。
【表2】
【0061】
おぼろ豆腐に添加された澱粉のタピオカ 澱粉の糊化温度が70〜75℃であることを勘案して、おぼろ豆腐の中心部の温度が約80℃以上にならないと澱粉の十分な糊化反応が起こらないので、前記の比較試験例2ではおぼろ豆腐の中心部の温度が83.22℃である6次サンプルだけが澱粉の糊化反応を経たおぼろ豆腐と認められる。
【0062】
前記の表2を見ると、製造されたおぼろ豆腐の物性は澱粉の糊化と相当な相関関係が確認できて、特におぼろ豆腐の硬度、凝集性、ガム性及び咀嚼性が高い相関関係を示した。
【0063】
また、離水量は豆腐製造後これを均一な大きさで切断して、決まった時間で豆腐から出る水の量を測定して、最初の重さで割り算して百分比で表示した数値で、大抵中心部の糊化程度に比例して離水の程度が減少することが確認された。これは澱粉が糊化されることにより、豆腐内に存在する水分を捉えている役割をして、 離水量を減少させる結果になったと判断される。
【0064】
即ち、おぼろ豆腐に添加された澱粉が糊化反応を起こすことによって、糊化反応を経ないで製造されたおぼろ豆腐に比べてより硬く、弾性を有するようになり、形態の維持性が強いため、運送及び保管に有利でありながら、より歯ごたえがあり食感が良くなった、高品質のおぼろ豆腐が製造されることが確認できた。
【0065】
1次ないし6次サンプルの物性を測定した時及び測定した後の各写真は図3及び図4で示した。
【0066】
比較試験例2-2澱粉が添加されたおぼろ豆腐に用いる凝固剤の種類によるおぼろ豆腐の物性比較
【0067】
前記の実施例1と同様の製造方法で製造するが、これに用いる凝固剤の種類を変えておぼろ豆腐を製造し、各物性を比較した。具体的に、タピオカ変性澱粉(HT2X、‘アベベ'社製品) 5kgを添加した豆乳に各々凝固剤として硫酸カルシウム1kgを用いて製造したおぼろ豆腐と、硫酸カルシウム、塩化マグネシウム及びGDLを順に8:2:4の割合で混合した混合凝固剤1kgを用いて製造したおぼろ豆腐の物性を比較した。この試験結果は図5で示した。
【0068】
試験の結果、凝固剤として硫酸カルシウムを用いたおぼろ豆腐は前記の試験例2の物性を有するおぼろ豆腐が製造されたが、前記の複合凝固剤を用いたおぼろ豆腐は澱粉を添加しなかったか、あるいは澱粉を添加したとしても実施例1の4段階で澱粉の糊化温度以上の温度で加熱しなかったおぼろ豆腐のように、澱粉の特性がなくなった既存の一般おぼろ豆腐と似たような物性のおぼろ豆腐が製造された。より具体的には、硫酸カルシウムを用いたおぼろ豆腐の方が断然離水が少なく、見た目から豆腐の弾力性が見えて、強度が既存のおぼろ豆腐に比べて強くて、食感はよりやわらかい高品質のおぼろ豆腐の物性を示した。これに反して、複合凝固剤を用いたおぼろ豆腐は薄い黄色の離水が多く出て、澱粉を用いなかった一般おぼろ豆腐と似たような感じで歯ごたえのない食感と低い強度を表わした。
【0069】
複合凝固剤を用いたおぼろ豆腐がこのような物性を表わすのは複合凝固剤に含まれたGDLが、pHを下げることによって豆乳に添加された澱粉の官能基を分解させて澱粉の効果を阻害することによる結果であると判断された。
【0070】
実施例2
真空凍結乾燥方法によるおぼろ豆腐の乾燥方法
前記の実施例1の製造方法により製造されたおぼろ豆腐を用いて、おぼろ豆腐の乾燥工程を行った。
【0071】
(1) 1段階:おぼろ豆腐の切断工程
前記の実施例1で冷蔵保管されたおぼろ豆腐をパウチから離して、切断機を通して1次、2次及び3次切断を行い、おぼろ豆腐の横、縦、高さが各々約5cm以下の不定形になるべく前処理を行った。
【0072】
(2) 2段階:切断されたおぼろ豆腐の真空凍結工程
おぼろ豆腐を切断した後4kgずつ分けて乾燥パンに入れて、豆腐が重ならないようによく広げた。その後、前記のおぼろ豆腐の品温を10℃ 以下に維持した状態で凍結乾燥管体に投入した。真空凍結を行うために真空ポンプを作動して真空度が4torrから2torrまで下がる経過時間を15分以内になるようにして、これによっておぼろ豆腐の品温が0℃から-5℃まで下がる時間をできるだけ短くする急速凍結を行った。
【0073】
(3) 3段階:真空凍結させたおぼろ豆腐の凍結乾燥工程
前記の凍結が終了する-15℃を基準として熱板の温度を10〜75℃に調節しながら真空度を2torr〜0.5torrの範囲で凍結乾燥を行った。30時間後乾燥が終了し、パンから出して包装した。
【0074】
比較試験例3-1
真空凍結させた豆腐と冷凍庫に入れて既存の方式で冷凍させた豆腐の冷凍品質の比較
【0075】
前記の実施例2の2段階の真空凍結方式によって凍結させた豆腐と、冷凍庫に入れて既存の方式で冷凍させた豆腐の冷凍品質を比較する試験を行った。
冷凍品質の比較は図6に示した。
【0076】
真空凍結させた豆腐の場合、ところどころ黄色いむらを帯び蛋白質が多少変性されたが、これは-70℃の冷凍庫で冷凍させた豆腐が全般的に薄く黄色い色に変色したことと、-18℃ 冷凍庫で冷凍させた豆腐が非常に黄色く変色したことを比較すると、かなり局所的な部分だけで少量の蛋白質変性が発生したと判断され、これは復元後の食感において原物と大きい差がないくらいの変性であると判断された。原物豆腐の食感の点数を5点満点とし、各冷凍豆腐の品質を相対的に比較してみると、真空凍結させた豆腐を解凍後に官能評価した食感点数は5点で、原物とほとんど差がなく、-70℃ 冷凍庫で冷凍させた豆腐は2.5点、-18℃ 冷凍庫で冷凍させた豆腐は1点程度の冷凍品質で評価された。
【0077】
このような結果は、真空凍結方式による場合、水が気化しながら豆腐内の水分から熱を瞬間的に奪っていくので、既存の冷凍庫に保管する冷凍方式に比べて氷の成長速度(ice growth rate)が著しく早くて相対的に豆腐内の蛋白質の変性が少ないためであると判断される。
【0078】
比較試験例3-2
澱粉の糊化反応を経たおぼろ豆腐と糊化反応を経なかったおぼろ豆腐の乾燥前、後の物性測定
【0079】
おぼろ豆腐を前記の実施例1の製造方法によって製造するが、前記の比較試験例2-1のように前記の実施例1の4段階でおぼろ豆腐の中心部の温度を異なった6ヶ所で順にサンプリングして、前記の試験例2と同様の条件下で各サンプルの物性を測定して、前記の六つのサンプルを前記の実施例2の方法によって乾燥おぼろ豆腐を製造した後、ここに水を入れて復元したおぼろ豆腐も各々の物性も前記の試験例2と同様の条件下で測定した。この測定値は下記の表の3の通りである。
【表3】
【0080】
前記の表3で示したように、澱粉は添加したが豆腐の中心部の温度を澱粉の糊化温度以上の温度まで加熱処理しなかったおぼろ豆腐の場合(特に、5次サンプルの場合)、乾燥前後において全て対照群(control)で試験した澱粉無添加のおぼろ豆腐と類似の物性を示したことが確認された。
【0081】
澱粉の糊化温度以上の温度で加熱した6次サンプルの場合、乾燥前はもちろん、乾燥後復元させたおぼろ豆腐であっても最も硬く(硬度)、最も歯ごたえがあること(ガム性、咀嚼性)が確認され、より高品質の物性を有したおぼろ豆腐として製造されたことが確認された。
【0082】
比較試験例3-3
タピオカ変性澱粉を添加して製造されたおぼろ豆腐と、他の澱粉類、ガム類、糖類及び酵素類を各々添加して製造された乾燥おぼろ豆腐の復元後の物性比較
【0083】
タピオカ変性澱粉を添加して前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造したおぼろ豆腐と、他の澱粉類、ガム類、糖類及び酵素類を各々添加して製造されたおぼろ豆腐の物性を比較した。他の澱粉類として長芋粉末を用い、ガム類としてカードランとセルロースガム、糖類としてはトレハロース、ソルビトール、マルトデキストリン、ポリデキストロース(Poly dextrose)を、酵素類としてはTransglutaminase(TG)を用いた。その他に食品添加剤として使用されるヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用し、豆乳SD粉末、ヒアルロン酸を用いて、前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって乾燥おぼろ豆腐を製造した。前記の製造された各々の乾燥おぼろ豆腐に対し復元後の豆腐の食感及びひび割れの物性を5点満点を基準として評価した。
【0084】
前記の物性の比較、評価は表4、図7及び図8で示した。
【表4】
【0085】
各おぼろ豆腐の物性を比較して見ると、タピオカ変性澱粉を用いて製造したおぼろ豆腐の場合、豆腐食感がほぼ5点に近い最も高い点数として評価された。豆腐のひびに対しては、カードランを用いて製造されたおぼろ豆腐が最も高い点数を受けたが、カードランを用いる場合、豆腐の食感がだいぶ落ちる問題があって、これをおぼろ豆腐に使用するのは適合しないと評価された。
【0086】
外観と食感の嗜好度を総合して比較した結果、タピオカ変性澱粉を用いた豆腐が最も優秀であると評価された。
【0087】
比較試験例3-4
澱粉が添加されたおぼろ豆腐に用いる凝固剤の種類による乾燥おぼろ豆腐の物性比較
【0088】
前記の実施例1及び実施例2と同様の製造方法で製造するが、用いる凝固剤の種類を異にして乾燥おぼろ豆腐を製造して各物性を比較した。具体的に、前記の実施例1の製造方法によりタピオカ変性澱粉(HT2X、‘アベベ'社製品) 5kgを添加した豆乳に各々凝固剤で硫酸カルシウム1kgを用いて製造したおぼろ豆腐と、GDL 1kgを用いて製造したおぼろ豆腐を前記の実施例2の方法により乾燥させて、乾燥おぼろ豆腐の物性を比較した後、これに水を注いで復元させたおぼろ豆腐の物性を再び比較した。比較結果は図9で示した。
【0089】
前記の比較においておぼろ豆腐の大きさを横、縦、高さが1cmであるものと、3cm、5cmであるものを準備しておぼろ豆腐の大きさによる物性差はないかも同時に比較した。
図9で示されたように、凝固剤でGDLを用いると、まずGDL自体からの酸味によって豆腐が多少酸味を帯びるようになり官能的に良くなく、pHが低くなって澱粉の官能基が分解された結果、澱粉の糊化効果が相殺されるので、復元後押しつぶされるような食感と、内部のひび割れが多く発生することが確認されることがわかった。
【0090】
官能比較試験
既存の乾燥おぼろ豆腐と実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐の官能比較
【0091】
市販されている乾燥おぼろ豆腐(ドンニムフードチョダンおぼろ豆腐製品)を入手して本願明細書の前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐の復元後の官能を比較する試験を実施した。
【0092】
ドンニムフードチョダンおぼろ豆腐製品は既存の方式で製造された、即ち澱粉の糊化反応を誘導する段階を含まない製造方法によって製造され、既存の方式で乾燥された、即ち予備凍結(ないし凍結直前の状態まで冷却)を経たおぼろ豆腐を凍結乾燥させる方法によって凍結乾燥された乾燥おぼろ豆腐である。
【0093】
官能試験は満25〜49才主婦50人を対象に、乾燥おぼろ豆腐の完成品の形態の即席カップおぼろ豆腐チゲをその場で製造して試食する方法で実施した。前記のドンニムフードチョダンおぼろ豆腐の場合、乾燥豆腐、具スープ及び液状スープで構成され市販されていて、これにお湯を注いで官能試験を実施し、本願明細書の前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐の場合、乾燥豆腐におぼろ豆腐チゲ薬味(ダダム社製品)を入れてこれにお湯を注いで官能試験を実施した。
【0094】
前記の官能試験結果は下記の表5の通りである。 点数は5点満点を基準として評価した。
【表5】
【0095】
官能試験の結果、本願明細書の前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐の評価が、全ての項目でより高く評価された。特に豆腐食感の嗜好度及び豆腐の柔らかさの嗜好度で本願明細書の前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐が飛び切り高い官能評価を受けた。このことから本願明細書の前記の実施例1及び実施例2の製造方法によって製造された乾燥おぼろ豆腐を製造する場合、既存の方法に比べて乾燥前の原物の食感により近い、優れた食感を有した製品を製造できることが確認された。
【0096】
実施例3
澱粉分散液の製造方法
【0097】
豆腐製造の時、豆乳に澱粉及び抗酸化剤を添加するということにおいて、澱粉が豆乳により均一に分散させるために澱粉分散液として製造した。
【0098】
24kgの蒸溜水にタピオカ変性澱粉(HT2X、‘アベベ'社製品) 5kgを溶いて、抗酸化剤(SD-20,‘イヨン化学'社製品) 1kgをホモミキサー(homomixer)で10分間十分に均質化して澱粉分散液として製造した。
【0099】
前記の澱粉分散液を豆乳に投入して撹拌すると、撹拌時間の短縮はもちろん、澱粉が豆乳に均一に分散するので、均一な物性の豆腐が得られることが確認された。
【0100】
比較試験例4
豆乳に澱粉を直接投入して撹拌する場合、及び澱粉分散液を用いて撹拌する場合の分散程度の比較
【0101】
豆乳に澱粉を添加して撹拌する工程において、澱粉を直接投入して撹拌する場合と澱粉分散液を用いて撹拌する場合の豆乳内の澱粉の分散程度を比較するために下記の実験条件下で比較試験を実施した。
【0102】
市販されている10brix豆乳470gを各々二つのビーカーに入れた後、一つのビーカーには実施例3と同様の方法で澱粉分散液30g(タピオカ変性澱粉5g + 希釈水25g)を添加して、最終的に豆乳混合液500gを9.5 brix、澱粉1重量%に合わせた。他の一つのビーカーにはタピオカ変性澱粉5g及び希釈水25gを豆乳に直接添加して同じように最終豆乳混合液500gを9.5 brix、澱粉を1重量%に合わせた後、それぞれを撹拌装置を利用して100rpmの回転速度で10分間撹拌させる方式で実施した。
【0103】
各々の場合の豆乳内の澱粉分散程度の比較は、Turbiscan LAB(‘リーノンテック、Leanontech’社製品)機器を用いて両ビーカーに光を照射した時、その光が透過する程度と反射される程度(Backscattering)を測定して液状内の不溶性粒子の位置、大きさ及び程度を測定する方式で実施した。 反射される光と透過する光の測定は、総60分間、2分の間隔でスキューニングして実施した。
【0104】
豆乳に澱粉分散液を添加した写真と、澱粉を直接添加した写真の比較は図10で示した。
Turbiscan LAB機器を用いて測定したBackscattering結果は図11で示した。 図11を拡大して比較した結果は図12で示した。
【0105】
図10で示したように、澱粉分散液を添加した豆乳の場合、ビーカーの下段部のほぼ底面(ビーカー底から約2mmの高さ)に澱粉沈殿層が形成され、澱粉を直接添加した豆乳の場合、ビーカーの底からで約8mmの高さで澱粉沈殿層が形成されたのが確認できた。これは澱粉を直接添加した場合、豆乳内の澱粉粒子の大きさがはるかに大きく形成されていることを意味するのである。
【0106】
Turbiscan LAB機器を用いて測定したBackscattering結果を見ると、図11で見られるように、澱粉分散液を添加した豆乳の場合(図11、上のグラフ)、ビーカー底から約2mmの高さの地点で、澱粉を直接添加した豆乳の場合(図11、の下グラフ)はビーカー底から約8mmの高さの地点で、Backscatteringが高い数値を示し、各々この付近で澱粉沈殿層が形成されたことが分かる。これは前述したように、澱粉を直接添加した場合は豆乳内で澱粉が均一に分散することができなく、澱粉粒子どうしで固まっていて、より粒度のサイズが大きく形成されたことを意味するのである。
【0107】
前記の図11を拡大して比較した図12を見ると、澱粉分散液を添加した場合(図12、上のグラフ)にはTurbiscan LAB機器を利用してスキャニングしてから約18分が経過した以後からBackscattering値段が著しくビーカー下段部でピークを形成し異なった測定値を示し始めたが、澱粉を直接添加した場合(図12、下のグラフ)にはスキャニングして約10分目にピークを形成し始めた。これは澱粉を直接添加した場合、豆乳内澱粉の分散が均一ではなく澱粉粒子が大きい状態のままに留まっていて、澱粉分散液を添加した場合より澱粉粒子の沈殿速度が速いことを意味する。
【0108】
したがって前記の結果を総合してみると、豆乳に澱粉分散液を添加して撹拌した方が、澱粉を直接添加するより、澱粉の粒子が小さい状態で豆乳内に均一に分散することが確認できた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆腐の製造工程で、豆乳と希釈水及び澱粉を攪拌する段階において、
前記の希釈水及び澱粉を攪拌して澱粉分散液を製造する1次攪拌段階;及び、
前記の 澱粉分散液を、豆乳が入った攪拌タンクに投入して攪拌する2次攪拌段階
を含むことを特徴とする豆乳と希釈水及び澱粉の攪拌方法。
【請求項2】
前記の澱粉は変性澱粉であることを特徴とする請求項1に記載の豆乳と希釈水及び澱粉の攪拌方法。
【請求項3】
前記の変性澱粉はタピオカ変性澱粉であることを特徴とする 請求項2に記載の豆乳と希釈水及び澱粉の攪拌方法。
【請求項4】
前記の1次攪拌段階で更に抗酸化剤を添加して攪拌することを特徴とする請求項1に記載の豆乳と希釈水及び澱粉の攪拌方法。
【請求項5】
前記の1次攪拌段階で、前記の澱粉の含量が前記の2次攪拌段階を経た豆乳混合液の総重量を基準として0.1〜3重量%になることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の豆乳と希釈水及び澱粉の攪拌方法。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の1次攪拌段階によって製造することを特徴とする豆腐製造用の澱粉分散液。
【請求項7】
請求項5に記載の1次攪拌段階によって製造することを特徴とする豆腐製造用の澱粉分散液。
【請求項1】
豆腐の製造工程で、豆乳と希釈水及び澱粉を攪拌する段階において、
前記の希釈水及び澱粉を攪拌して澱粉分散液を製造する1次攪拌段階;及び、
前記の 澱粉分散液を、豆乳が入った攪拌タンクに投入して攪拌する2次攪拌段階
を含むことを特徴とする豆乳と希釈水及び澱粉の攪拌方法。
【請求項2】
前記の澱粉は変性澱粉であることを特徴とする請求項1に記載の豆乳と希釈水及び澱粉の攪拌方法。
【請求項3】
前記の変性澱粉はタピオカ変性澱粉であることを特徴とする 請求項2に記載の豆乳と希釈水及び澱粉の攪拌方法。
【請求項4】
前記の1次攪拌段階で更に抗酸化剤を添加して攪拌することを特徴とする請求項1に記載の豆乳と希釈水及び澱粉の攪拌方法。
【請求項5】
前記の1次攪拌段階で、前記の澱粉の含量が前記の2次攪拌段階を経た豆乳混合液の総重量を基準として0.1〜3重量%になることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の豆乳と希釈水及び澱粉の攪拌方法。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の1次攪拌段階によって製造することを特徴とする豆腐製造用の澱粉分散液。
【請求項7】
請求項5に記載の1次攪拌段階によって製造することを特徴とする豆腐製造用の澱粉分散液。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−231779(P2012−231779A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122114(P2011−122114)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(508064724)シージェイ チェイルジェダン コーポレイション (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(508064724)シージェイ チェイルジェダン コーポレイション (32)
【Fターム(参考)】
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