説明

豆腐類製造装置の切断刃の移動機構

【課題】 洗浄や切断刃の交換が容易な豆腐類製造装置の切断刃の移動機構を提供する。
【解決手段】 豆腐類製造装置の切断刃の移動機構1は、基台Bと、基台Bの内側に設置されたコンベアCと、基台B上に配設された枠体2と、枠体2の上部2aによって吊り下げられ支持された第1の切断刃ユニット3からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベアにて搬送されるブロック状の豆腐類を搬送方向に沿って所定間隔で切断し間隔を開ける豆腐類製造装置の切断刃の移動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、豆腐の連続加工装置は上流側から順に、連続成型機、シート切断機構、切断分配機構、パック詰め機構が配置される。豆腐を油揚げ等の揚げ物とする場合には、切断分配機構の下流にフライヤーが配される。豆腐を凍り豆腐や冷凍豆腐とする場合には、切断分配機構の下流にフリーザーが配される。
連続成型機にて連続的に凝固成型されたシート状の豆腐(或いはベルト状の豆腐)は、コンベアにて搬送されながら、シート切断機構にて搬送方向と直交する方向に切断(横切り)されブロック状(帯状)の豆腐となる。次に、ブロック状の豆腐がコンベアにて搬送されながら、切断分配機構にて搬送方向に沿って所定間隔で切断され間隔を開けられて分配可能な状態となり、パック詰め機構(自動パック詰め装置)にてパック詰めされる。本明細書では、木綿豆腐や絹ごし豆腐、油揚げ生地、厚揚げ生地、生揚げ生地、凍り豆腐生地、これらの冷凍製品等の食品を豆腐類と称する。なお豆乳や豆腐類は本機構の前後工程は特に限定せず、例えば殺菌処理された豆乳や豆腐類でもよい。
【0003】
従来、上記シート状やブロック状の豆腐は、コンベアにて搬送されながら、水の無い状態で切断されるか、水中で切断される。水の無い状態で豆腐を切断する切断分配機構としては、例えば特許文献1から3が文献公知となっており、水中で豆腐を切断する切断分配機構としては、例えば特許文献4から7が文献公知となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−57672号公報
【特許文献2】特開平11−42592号公報
【特許文献3】特開平11−300692号公報
【特許文献4】特開平3−143369号公報
【特許文献5】特開平4−173067号公報
【特許文献6】特開平4−299953号公報
【特許文献7】特公平6−61234号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の切断分配機構は、コンベアにて搬送されるブロック状の豆腐を搬送方向に沿って所定間隔で切断する複数の切断刃と、これら切断刃同士の間隔を開ける分配機とを備え、コンベアの上方に配設される。生産工程では、ブロック状の豆腐を切断すると、糸状になった豆腐粕が切り屑として発生し、切断刃に付着することがある。この切断刃に付着した糸状の豆腐粕が後工程の自動パック詰め装置において、パック内に混入する場合がある。豆腐を油揚げ等の揚げ物とするときには、糸状の豆腐粕が、後工程のフライヤーの油中に混入して、焦げ粕となり、油揚げ製品に付着する場合がある。また糸状の豆腐粕が、油の劣化を促進する二次的悪影響もあった。これら豆腐粕の製品への付着は、衛生上の観点から問題視されており、外観上も好ましくない。
【0006】
また生産工程では、ブロック状の豆腐を切断し続けると、切断刃の磨耗や上記豆腐粕の切断刃への付着等に起因して、断面が傷んだり、切断刃が劣化することがある。また他品種の製品に対応するため複数の種類の異なる切断分配ユニットに交換することも難しかった。しかしながら、切断刃は、コンベアの上方に配されているため、切断刃の洗浄や交換が容易ではない。つまり、汚れた切断刃を洗浄したり、故障した切断刃を交換するためには、連続ラインを一旦停止して、切断分配機構自体を装置から取り外さなければならなかった。
【0007】
従来、ブロック状の豆腐を搬送するコンベアは、横幅(搬送方向と直交する方向の幅)が、1〜2m程度あり、コンベアの立設高さも1〜3m程度あるため、切断分配機構に手がゆき届かない。衛生面からは切断機構の定期的な洗浄が必須であるが、洗浄が困難な配置構成となっているため、生産終了後に豆腐の連続加工装置を停止させて、人が脚立に乗った状態で手洗いしていた。洗い落とされた糸状の豆腐粕は機械周辺に飛散し易く、洗浄がはかどらない。豆腐の連続生産が長時間に及ぶと、切断刃に汚れが蓄積し、衛生面上のみならず豆腐の切断状態も悪くなる。また、磨耗等により劣化した切断刃を交換しようとしても、切断分配機構に手がゆき届かないため、やむを得ず、切断分配機構自体を装置から取り外して、切断刃を交換しているのが実情である。
【0008】
特許文献1から7記載の豆腐の切断分配機構は、設置された位置が固定されているか、豆腐の切断位置を調整可能な程度に限定的に移動するものであり、洗浄を配慮した構造とはなっておらず、また、切断刃を交換し易い構造でもない。
【0009】
そこで本発明の目的は、切断刃や切断刃ユニットの洗浄や切断刃の交換を容易にする豆腐類製造装置の切断刃の移動機構を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の請求項1記載の発明は、基台と、基台の受入側に設置され供給される凝固剤入り豆乳を搬送しながらシート状の豆腐類に凝固成型するコンベアと、基台を介して組み立てられる枠体と、枠体の上部に支持された第1の切断刃ユニットとを備え、第1の切断刃ユニットにはコンベアにて搬送されるブロック状の豆腐類を搬送方向に沿って切断する複数の切断刃が所定間隔で配されており、前記枠体が前記コンベヤの搬送方向に沿うように配設されるか、又は、前記コンベヤの幅間隔を超えるように配設され、前記第1の切断刃ユニットが前記枠体に沿って移動することを特徴とする。
また、本願の請求項2記載の発明は、基台と、基台の受入側に設置され供給される凝固剤入り豆乳を搬送しながらシート状の豆腐類に凝固成型するコンベアと、基台を介して組み立てられる枠体と、枠体の上部に支持された第2の切断刃ユニットとを備え、第2の切断刃ユニットにはコンベアにて搬送されるブロック状の豆腐類を搬送方向に対して直交して横切りする切断刃が配されており、前記枠体が前記コンベヤの搬送方向に沿うように配設されるか、又は、前記コンベヤの幅間隔を超えるように配設され、前記第2の切断刃ユニットが前記枠体に沿って移動することを特徴とする。
前記第1又は第2の切断刃ユニットの移動装置は、手動装置でもよく、図示はしないが、エアーシリンダーによる駆動やベルトを介したモータ駆動や、近接スイッチや光電センサー等の位置センサー等を備える自動装置でもよく、特に限定しない。またコンベヤの幅方向(横方向)の移動又はコンベヤの搬送方向(縦方向)の前後の移動の先後に、上下移動、前後移動の移動動作を伴う移動でもよい。また、横方向の移動と縦方向の移動とを組み合わせたものでも良い。
【0011】
本発明によれば、作業員が切断刃等の洗浄や切断刃の交換等の作業を行なう場合は、例えば、前記第1又は第2の切断刃ユニットが前記枠体に沿って移動可能であるので(上流側から下流側やこれとは逆の前後方向や、コンベヤの幅方向の左右方向に移動可能であるので)、手の届く位置まで前記第1又は第2の切断刃ユニットを移動させて、切断刃等の洗浄作業や切断刃等の交換作業をすることができる。
【0012】
本発明としては、前記枠体の上部が前記基台横の空間に延設されており、前記第1又は第2の切断刃ユニットを前記基台横の空間に移動させることが好ましい。
【0013】
本発明によれば、切断刃や第1又は第2の切断刃ユニットの洗浄作業や切断刃等の交換作業をするときに、前記第1又は第2の切断刃ユニットを前記基台横の空間に移動させることにより、作業員がその空間に入って第1又は第2の切断刃ユニットに向かって洗浄ホースで水(或いは洗浄水)をかけたり、作業員が切断刃の状態を確認しながら交換作業を真下から行なうことができる。また、洗浄作業にて洗い落とされた糸状の豆腐粕が前記コンベアに飛散することもない。
【0014】
本発明としては、前記第1の切断刃ユニットが前記枠体に沿って移動しながら前記複数の切断刃同士の間隔を開けるか、又は、前記枠体に沿って所定位置に移動した後前記複数の切断刃同士の間隔を開けることが好ましい。ここで、前記切断刃同士の間隔は、ブロック状の豆腐類をその搬送方向に切断するときの最大幅よりも広く開けることが好ましい。
【0015】
本発明によれば、縦切り用の切断刃である前記第1の切断刃ユニットは、切断刃等の洗浄作業や、切断刃等の交換作業のときには、前記切断刃同士の間隔が十分に開いているので、切断刃等の洗浄作業や、切断刃等の交換作業が容易となる。
【0016】
本発明は、前記第1又は第2の切断刃ユニットをコンベアの搬送方向に対して前後に2基以上設けて稼動させることが好ましい。
【0017】
本発明によれば、2基のうちの一つは切断用に配置し、他の一つは洗浄や切断刃の交換に使用できるので、豆乳を搬送しながらブロック状に凝固成型する生産ラインを稼動させながらも、一時停止させずに、切断刃や第1又は第2の切断刃ユニット等の洗浄作業や切断刃や第1又は第2の切断刃ユニット等の交換作業が可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、前記第1又は第2の切断刃ユニットが前記枠体の内側を移動可能に前記枠体の上部から吊り下げられていることで、手の届く位置まで前記第1又は第2の切断刃ユニットを移動させて、切断刃等の洗浄作業や、切断刃等の交換作業が可能となる。本発明によれば、切断刃等の洗浄作業や、切断刃等の交換作業のときには、前記切断刃同士の間隔が開いているので、切断刃等の洗浄作業や切断刃等の交換作業が容易となる。
【0019】
本発明によれば、前記第1又は第2の切断刃ユニットを前記基台横の空間に移動させることにより、その空間位置では、前記切断刃の真下からコンベア等の遮蔽物をなくすことができ、切断刃等の洗浄作業や切断刃等の交換作業が容易となる。また、洗浄作業にて洗い落とされた糸状の豆腐粕が前記コンベアに飛散することもない。前記切断分配機構をコンベアの搬送方向に対して前後に2基以上設けて交互に洗浄する構成とすれば、生産ラインを稼動させながら切断刃等の洗浄作業や、切断刃等の交換作業が容易となる。そして、前記洗浄作業を自動洗浄槽で行えば洗浄作業が合理化できる。自動洗浄槽では、高圧水洗浄、温水洗浄、苛性ソーダ水洗浄、若しくは泡洗浄等が施される。
【0020】
本発明では前記第1の切断刃ユニットと同様に、前記枠体の上部に支持された、ブロック状の豆腐を搬送方向に対して直交して横切りする第2の切断刃ユニット(横切り刃のユニット)について同様な移動機構を設けることも好ましい形態である。
第2の切断刃ユニットの切断刃は、通常、前工程の連続凝固機から供給されるブロック状の豆腐類を一定間隔で、搬送方向に対して直交する方向で、横切りを繰り返すが、前記第1の切断刃ユニット同様に、長時間稼働させると、豆腐粕が付着して、不衛生な場合がある。従来は水のシャワーを散布して除去したりしていたが、十分ではなく、散水がベルト上に滞留して豆腐が滑る問題や、豆腐粕が下流に流れるなどの問題があった。
【0021】
したがって、本発明により、洗浄や切断刃の交換が容易な豆腐類製造装置の切断刃の移動機構が実現し、生産効率と衛生性を向上させるとともに、豆腐粕等の製品への混入を軽減し高品質な豆腐を高い歩留りにて製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を適用した第1の実施形態の豆腐類製造装置の切断刃の移動機構の使用状態を示す斜視図である。
【図2】上記実施形態の切断分配機構の洗浄状態を示す斜視図である。
【図3】上記実施形態の切断刃の配置を模式的に示す正面図である。
【図4】上記実施形態の切断刃の配置を模式的に示す正面図である。
【図5】本発明を適用した第2の実施形態の豆腐類製造装置の切断刃の移動機構の洗浄前の状態を示す斜視図である。
【図6】上記実施形態の切断分配機構の洗浄中の状態を示す斜視図である。
【図7】本発明を適用した第3の実施形態の豆腐類製造装置の切断刃の移動機構の洗浄時の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明を適用した豆腐類製造装置の切断刃の移動機構1の使用状態を例示する斜視図である。第1の実施形態の切断分配機構1aは、金属製の骨組みからなる基台Bと、基台Bの内側に設置されたコンベアCと、基台B上に配設された枠体2と、枠体2の上部2aに支持された第1の切断刃ユニット3からなる。枠体2は、金属製の骨組みからなり、4つの脚が基台B上に立設配置され、これら脚の上に四角い枠状のレール2aが固定される。第1の切断刃ユニット3は、レール2aの内側を移動可能に枠体2から吊り下げられている。第1の切断刃ユニット3の移動は、移動用モータまたは手動で移動することができる。第1の切断刃ユニット3には、切断刃4,4同士の間隔を間隔U1から間隔U2まで開ける分配機(図示せず)が備わっている(図3,4)。分配機は、例えばシリンダーやモータ等の駆動手段を適宜組み合わせて構成される。
【0024】
本実施形態の豆腐類製造装置の切断刃の移動機構1では、ブロック状の豆腐T1がコンベアCにて搬送されながら、第1の切断刃ユニット3にて搬送方向aに沿って所定間隔(例えばU1)で切断され間隔を開けられて分配可能な1丁サイズの豆腐T2となり、後工程の自動パック詰め装置にてパック詰めされる。なお、連続成型機にて連続的に凝固成型されたシート状の豆腐(或いはベルト状の豆腐)は、コンベアCにて搬送されながら、シート切断機構にて搬送方向と直交する方向に切断(横切り)されブロック状(帯状)の豆腐となる。
【0025】
本実施形態では、四角い枠状のレール2aが基台B横の空間Sに延設されている(図1,図2)。そして、第1の切断刃ユニット3がレール2aの内側を移動しながら、ないしは移動した後で、複数の切断刃4,4同士の間隔を間隔U1から間隔U2に開ける構成となっている。コンベヤCの幅間隔を超える部分(延設部分)は、コンベヤCの幅間隔よりも広く(長く)設定して、基台Bの横の空間Sにおいて、複数の切断刃4,4同士の間隔を十分に広く開けるようにしても良い。
【0026】
本実施形態によれば、切断刃4等の洗浄作業や、切断刃4等の交換作業のときには、切断刃4,4同士の間隔がU1からU2へと開いているので、切断刃4等の洗浄作業や、切断刃4等の交換作業が容易となる。本発明によれば、図2に示すように切断刃4の真下からコンベアC等の遮蔽物をなくすことができ、切断刃4等の洗浄作業や、切断刃4等の交換作業が容易となる。また、洗浄作業にて洗い落とされた糸状の豆腐粕が前記コンベアに飛散することもない。
【0027】
前記空間Sでは、切断刃等をホースで水をかけて洗浄する手洗いで行なうことも可能であるが、自動洗浄でも良い。自動洗浄の場合は、前記空間Sに洗浄槽が配され、高圧水洗浄、温水洗浄、苛性ソーダ水洗浄、若しくは泡洗浄等が施される。そして、本実施形態の切断分配機構1aをコンベアCの搬送方向aに対して前後に2基以上設けて稼動させることで、生産ラインを稼動させながら切断刃4等の洗浄作業や、切断刃4等の交換作業が容易となる。なお本実施形態では、枠体2のレール2aが、基台Bの左隣りに延設されているが、装置の配置構成によっては、空間Sが基台Bの右隣りに延設されていてもよい。
【0028】
(第2の実施の形態)
上記第1の実施形態では枠体2のレール2aが横長であるのに対して、第2の実施形態では枠体2のレール2aが縦長となっており、コンベアC上の後方側(搬送方向aの矢印の反対側)に向かっている(図5)。第2の実施形態では、コンベアCの後方側には、密閉も可能で、給水・排水装置を備え横長の四角形状を呈する洗浄槽Wが配され、洗浄槽Wの外周に沿って枠体2のレール2aが延設されている。そして、枠体2のレール2aが、第1の切断刃ユニット3を後方側に移動自在に支持している。よって、本実施形態の第1の切断刃ユニット3を洗浄する際には、コンベアC上の後方側に設定された空間Sに洗浄槽Wを配して、枠体2のレール2aに沿って第1の切断刃ユニット3を洗浄槽Wに移動させ、清水・温水や洗浄液のシャワー、高圧水で洗浄等させることとなる(図6)。なお本実施形態では、枠体2のレール2aが、コンベアC上の後方側に延設されているが、装置の配置構成によっては、コンベアC上の前方側に延設されていてもよい。また、第1の実施の形態と同様、第1の切断刃ユニット3が前記枠体の内側を移動しながら、ないしは移動してから前記切断刃4同士の間隔を開けることで、洗浄等を行い易くすることができる。ただし、コンベヤベルトCの幅間隔の方向の基台Bの横に移動させる場合とは異なり、本実施の形態では、その幅を十分に確保することはできないので、洗浄槽Wに収まる範囲内で前記切断刃4同士の間隔を開けることとなる。
【0029】
(第3の実施の形態)
図7は、本発明を適用した豆腐類製造装置の切断刃の移動機構11の洗浄状態を例示する斜視図である。第3の実施の形態は、ブロック状の豆腐類を搬送方向に対して直交する方向で、横切りを繰り返す第2の切断刃ユニット13が基台B上に配設された枠体2と、枠体の上部2aに支持されている。第2の切断刃ユニット13の切断刃14には、前記コンベヤCの幅間隔に亘るように可動する一枚の切断刃14であり、通常、前工程の連続凝固機から供給されるブロック状豆腐に一定間隔で、搬送方向に対して直交する方向で、横切りを繰り返す。この第2の切断刃ユニット13は、前記第1の切断刃ユニット3と同様に、前記コンベヤCの幅間隔を超えるように配設され、前記第2の切断刃ユニットが前記枠体2に沿って移動する。したがって、作業者は、手の届く位置まで前記第1又は第2の切断刃ユニットを移動させて、切断刃等の洗浄作業や切断刃等の交換作業をすることができる。横切り用の切断刃14は、長さの長い一枚の切断刃であるので、その交換や洗浄がし易くなる。なお、第2の切断刃ユニット13は、前記第1の切断刃ユニット3と同様に、前記枠体2がコンベヤCの搬送方向に沿うように配設され、枠体2に吊り下げられてコンベヤCの搬送方向に沿う方向でも、つまり、上流側から下流側やこれとは逆の前後方向に移動可能である。
【0030】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、切断刃ユニットを一旦、コンベアの上方側に持上げてから、右隣りや左隣り、前方側や後方側に退避させてもよい。また、第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせることも可能であり、例えば、これを図5で説明すると、この図5の装置に図1のコンベヤCの幅間隔を超える枠体2が配設された構成にすることも可能である。さらに、上記各枠体2が基台Bに沿って移動させること可能であり、これにより、枠体2をコンベヤCの搬送方向の前後に移動させてから(例えば枠体2の脚部にレールと連結させ、このレールを基台に沿って移動可能な構造にする等して)、基台Bの横の空間(開いて作業スペース)Sに移動させることも可能である。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0031】
1,11,1a,1b 豆腐類製造装置の切断刃の移動機構、
2 枠体、
2a 枠体の上部(レール)、
3 第1の切断刃ユニット、
13 第2の切断刃ユニット、
4 切断刃(縦切り用の切断刃)、
14 切断刃(横切り用の切断刃)
C コンベア


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、基台の受入側に設置され供給される凝固剤入り豆乳を搬送しながらシート状の豆腐類に凝固成型するコンベアと、基台を介して組み立てられる枠体と、枠体の上部に支持された第1の切断刃ユニットとを備え、第1の切断刃ユニットにはコンベアにて搬送されるブロック状の豆腐類を搬送方向に沿って切断する複数の切断刃が所定間隔で配されており、
前記枠体が前記コンベヤの搬送方向に沿うように配設されるか、又は、前記コンベヤの幅間隔を超えるように配設され、
前記第1の切断刃ユニットが前記枠体に沿って移動することを特徴とする豆腐類製造装置の切断刃の移動機構。
【請求項2】
基台と、基台の受入側に設置され供給される凝固剤入り豆乳を搬送しながらシート状の豆腐類に凝固成型するコンベアと、基台を介して組み立てられる枠体と、枠体の上部に支持された第2の切断刃ユニットとを備え、第2の切断刃ユニットにはコンベアにて搬送されるブロック状の豆腐類を搬送方向に対して直交して横切りする切断刃が配されており、
前記枠体が前記コンベヤの搬送方向に沿うように配設されるか、又は、前記コンベヤの幅間隔を超えるように配設され、
前記第2の切断刃ユニットが前記枠体に沿って移動することを特徴とする豆腐類製造装置の切断刃の移動機構。
【請求項3】
前記枠体が前記基台横の空間に延設されており、前記第1又は第2の切断刃ユニットを前記基台横の空間に移動させることを特徴とする請求項1又は2記載の豆腐類製造装置の切断刃の移動機構。
【請求項4】
前記第1の切断刃ユニットが前記枠体に沿って移動しながら前記複数の切断刃同士の間隔を開けるか、又は、前記枠体に沿って所定位置に移動した後前記複数の切断刃同士の間隔を開けることを特徴とする請求項1記載の豆腐類製造装置の切断刃の移動機構。
【請求項5】
前記第1又は第2の切断刃ユニットを前記コンベアの搬送方向に対して前後に2基以上設けて稼動させることを特徴とする請求項1又は2記載の豆腐類製造装置の切断刃の移動機構。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−260114(P2010−260114A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110789(P2009−110789)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(591162631)株式会社高井製作所 (32)
【Fターム(参考)】