説明

負荷制御装置

【課題】長時間継続されるインパルスノイズが発生した場合でも、適切に制御信号に発生するエラーを補正することのできる負荷制御装置を提供する。
【解決手段】電源線L1に重畳する送信データの1ビットに対して複数回のデータサンプリングを行い、送信データを検出し、且つ、インパルスノイズ検出部11により電源線L1に重畳するノイズを検出する。そして、送信データの1ビットに対する複数回のデータサンプリング時間全体で、継続してインパルスノイズが検出された場合には、この1ビットのデータをチェックサムビットに基づいて補正する。このため、長時間継続するインパルスノイズが発生して電源線L1に重畳した場合であっても、送信される制御信号を正しく復調することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ASK方式を用いて電源線に制御信号を重畳し、各種の負荷を制御する負荷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両に搭載される各種のモータ、ランプ等の負荷は、ワイヤハーネスにてECU(Electronic Control Unit)と接続され、該ECUより電力が供給されて駆動、停止が制御される。また、車両に搭載される複数のECUどうしの間で電力の伝送、及び制御信号の送信を行うために、各ECUどうしを接続する電源線に制御信号を重畳することにより、少ない本数のハーネスで電力、及び制御信号の双方の送信が可能なPLC(Power Line Communication)通信方式が提案され、実用に供されている。
【0003】
PLC通信方式は、制御信号をASK(Amplitude Shift Keying)変調することにより「0」,「1」に相当する高周波信号に変換し、この信号を電力送信用の電源線に重畳して、電力及び制御信号を送信する。そして、受信側のECUに設けられるPLC回路及び制御部にて、電源線に重畳している制御信号を復調及びサンプリングし、このサンプリング結果に基づいて、負荷の駆動を制御する。
【0004】
しかしながら、例えば、負荷が直流モータである場合には、モータの回転に伴って周期的なインパルスノイズが発生し、このインパルスノイズが電源線に重畳することがある。そして、このインパルスノイズにより、「0」,「1」からなる制御信号にエラーが発生することがあり、受信側のECUでは、例えば本来「0」であった信号が「1」であるものと誤検出するという問題が発生する。そこで、上記の問題を解決するために、例えば、特開2006−270416号公報(特許文献1)に開示された技術が提案されている。
【0005】
該特許文献1では、電源線に重畳される制御信号の1ビットに対し、受信側のECUで複数回(例えば、4回)サンプリングし、且つ、インパルスノイズが発生したことをノイズ検出器で検出し、インパルスノイズの検出時には、このインパルスノイズ検出期間でのサンプリングデータを無効とし、インパルスノイズが発生していないときのサンプリングデータに基づいて、制御信号を補正する処理を行っている。例えば、1ビットの制御信号に対する4回のサンプリングデータのうち、3回のサンプリングデータがインパルスノイズの影響を受けている場合には、残りの1回のサンプリングデータ(インパルスノイズの影響を受けていないサンプリングデータ)に基づいて、この1ビットの制御信号を補正することにより、インパルスノイズによる影響を回避する手法が採用されている。
【特許文献1】特開2006−270416号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来例では、インパルスノイズの継続時間が、制御信号の1ビットの時間よりも短いことを前提としており、1ビットの時間よりも長く継続されるインパルスノイズが発生した場合には、制御信号を補正することができない。即ち、受信側のECUでは、電源線に重畳して送信される1ビットの制御信号に対して、4回のデータサンプリングを行っており、この4回のデータサンプリング期間に継続してインパルスノイズが発生した場合には、この1ビットの制御信号を補正することができない。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、長時間継続されるインパルスノイズが発生した場合でも、適切に制御信号に発生するエラーを補正することのできる負荷制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、電源線を介して電力が供給され、且つ、該電源線にASK方式を用いて重畳される、「0」,「1」からなり且つチェックサムビットを有する制御信号を受信して負荷を制御する負荷制御装置において、前記電源線に重畳する制御信号の1ビットに対して複数回のデータサンプリングを行い、前記制御信号を検出する制御信号検出手段と、前記電源線に重畳するノイズを検出するノイズ検出手段と、前記制御信号の1ビットに対する前記複数回のデータサンプリング時間全体で、継続して前記ノイズ検出手段によりノイズが検出された場合には、この1ビットのデータを前記チェックサムビットに基づいて補正するビットデータ補正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記ビットデータ補正手段は、前記制御信号の1ビットに対する前記複数回のデータサンプリングが開始された後に、前記ノイズ検出手段によりノイズが検出された場合には、この1ビット間の、ノイズが検出される前にサンプリングしたデータを、この1ビットのデータであるものとし、前記制御信号の1ビットに対する前記複数回のデータサンプリングが終了する前まで、前記ノイズ検出手段によりノイズが検出された場合には、この1ビット間の、ノイズの検出が終了した後にサンプリングしたデータを、この1ビットのデータであるものとすることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、前記負荷は、車両に搭載される負荷であり、前記電源線を介して供給される電力は、車両に搭載されるバッテリより供給されるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、電源線に重畳して送信された制御信号(送信データ)を受信する際に、この制御信号の1ビットに対して複数回(例えば、4回)のサンプリングを行い、送信データの1ビットに対して行われる複数回のサンプリング時間の全体に亘って継続してインパルスノイズが発生した場合には、チェックサムビットを用いることにより、送信エラーを補正する。従って、継続したインパルスノイズが発生した場合であっても、高精度なPLC通信を行うことができる。
【0012】
請求項2の発明では、複数回実行されるサンプリングの途中からインパルスノイズの発生が検出された場合には、その直前のサンプリング時のデータをそのビットの受信データとし、且つ、複数回実行されるサンプリングの途中でインパルスノイズの検出が終了した場合には、その直後のデータをそのビットの受信データとする。従って、インパルスノイズの継続時間が、制御信号の1ビットよりも短い場合、長い場合の双方において、高精度なPLC通信を行うことができる。
【0013】
請求項3の発明では、車両に搭載されるモータ、ランプ、ホーンなどの負荷を制御するので、車両に搭載される各種の計装機器を高精度に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、複数のECU(負荷制御装置)が車両内に配置されている構成を示す説明図である。図1に示すように、車両100内には4個のECU10a〜10d、及びバッテリ21が設けられており、各ECU10a〜10dとバッテリ21は電源線L1を介して接続されている。従って、各ECU10a〜10dは、バッテリ21より電源線L1を介して供給される電力により駆動する。
【0015】
また、各ECU10a〜10d間では、PLC(Power Line Communication)通信方式により制御信号(以下、「送信データ」という)の送受信が行われる。即ち、送信側となるECU(例えば、ECU10a)では、送信データをASK方式により「0」、「1」で示される信号に変調して電源線L1に重畳し、受信側となるECU(例えば、ECU10b)では、電源線L1を介して送信される信号から電力及び送信データを取り出して、バックミラー駆動用モータやパワーウインド駆動用モータの駆動、停止、或いは照明の点灯、消灯、ホーンの鳴動等を制御する。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態に係る負荷制御装置であるECUの構成を示すブロック図である。なお、図2では、ECUの一例としてECU10bの構成を示す。ECU10bは、例えば、マイコン等で構成される。他のECU10a,10c,10dも同様の構成である。
【0017】
図2に示すように、ECU10bは電源線L1に生じるインパルスノイズを検出するインパルスノイズ検出部(ノイズ検出手段)11と、PLC回路12と、電源線L1に重畳された送信データのPLC信号レベルの減衰防止及び回路電源側へのPLC信号除去のためのインピーダンス素子13と、電源線L1を介して送信された直流電力から所望レベルの直流電圧を生成するための回路電源部14と、制御部15と、を備えている。
【0018】
PLC回路12は、所望帯域の周波数の信号を取り出すフィルタ部121と、受信部122、及び送信部123を備え、データ受信時には、電源線L1を介して送信された「0」、「1」からなる送信データをASK復調する。また、データ送信時には、送信データをASK方式を用いて「0」、「1」に相当する高周波信号に変調し、変調した送信データを電源線L1に重畳する処理を実行する。
【0019】
制御部15は、インパルスノイズ検出部11で検出されるインパルスノイズの発生タイミングに基づいて、PLC回路12で受信された送信データを処理する。具体的には、送信データの1ビットに対して複数回(例えば、4回)のサンプリングを行い、この複数回のサンプリングの途中からインパルスノイズの発生が検出された場合には、このインパルスノイズの発生が検出される直前にサンプリングしたデータをこのビットの受信データとし、複数回のサンプリングの途中でインパルスノイズの検出が終了した場合には、その直後にサンプリングしたデータをそのビットの受信データとし、更に、送信データの1ビットに対して行われる複数回のサンプリング時間の全体に亘って継続してインパルスノイズが発生した場合には、チェックサムビットを用いることにより、送信データを補正して確定する処理を行う。そして、復調した送信データに基づいて、モータ、ランプ等の各種の負荷を制御する。
【0020】
即ち、制御部15は、電源線L1に重畳する送信データの1ビットに対して複数回のデータサンプリングを行い、送信データを検出する制御信号検出手段としての機能を備え、更に、送信データの1ビットに対する複数回のデータサンプリング時間全体で、継続してインパルスノイズが検出された場合には、この1ビットのデータをチェックサムビットに基づいて補正するビットデータ補正手段としての機能を備える。
【0021】
図3は、本実施形態に係る負荷制御装置であるECU10bの処理手順を示すフローチャート、図4は、送信データの1ビット期間よりも長いインパルスノイズが発生したときの各波形を示すタイミングチャート、図5は、送信データの1ビット期間よりも短いインパルスノイズが発生したときの各波形を示すタイミングチャートであり、以下、図3〜図5を参照して、ECU10bの処理動作について説明する。
【0022】
電源線L1を介してECU10bに電力が供給されると、PLC回路12のフィルタ部121により電源線L1に重畳されている送信データが取り出され、受信部122にて受信される。ここで、送信データは、図4(a)に示すように「0」、「1」により示される信号である。また、PLC回路12の受信部122で受信されるPLC波形は、図4(b)に示すように、送信データが「0」のとき振幅が発生し、送信データが「1」のとき振幅が発生しない波形となる。また、インパルスノイズが発生した場合には、図4(c)に示すように電源線L1にインパルスノイズ重畳される。その結果、PLC回路12では、図4(d)に示すように、PLC波形及びインパルスノイズの双方が受信されることとなる。
【0023】
制御部15は、受信部122で受信された受信信号の1ビットに対して複数回(この例では、4回)のサンプリングを行う(図3のステップS11)。即ち、図4(e)に示すように、送信データの1ビットに対して、4回のサンプリングが行われる。従って、インパルスノイズが重畳していない場合で、送信データの1ビットが「0」である場合には、4回のサンプリングが全て「0」となり、送信データの1ビットが「1」である場合には、4回のサンプリングが全て「1」となる。
【0024】
次いで、制御部15は、インパルスノイズ検出部11による検出結果に基づいて、インパルスノイズの発生タイミング、及び持続時間を認識する(ステップS12、図4(f)参照)。そして、インパルスノイズが検出されているか否かを判定する(ステップS13)。
【0025】
制御部15は、インパルスノイズが発生していないと判定した場合には(ステップS13でNO)、受信データの指示に基づいて各種の負荷を制御する(ステップS21)。他方、制御部15は、インパルスノイズが発生していると判定した場合には(ステップS13でYES)、このインパルスノイズが、送信データの1ビットの途中から発生しているか否かを判定する(ステップS14)。即ち、送信データの1ビットに対して4回実行されるサンプリングのうち、2回目移行のサンプリング時からインパルスノイズが発生しているか、或いは1回目のサンプリング時からインパルスノイズが発生しているかを判定する。
【0026】
そして、インパルスノイズが、送信データの1ビットの途中から発生していると判定した場合には(ステップS14でYES)、制御部15は、インパルスノイズの検出前のサンプリングデータを、この1ビットのデータであるものとする(ステップS15)。即ち、図4(f)に示す時刻t1でインパルスノイズの発生が検出された場合には、図4(a)の符号「A」に示すビットに対して行われる4回のサンプリングのうち、2回目以降のサンプリング時からインパルスノイズが発生しているので、インパルスノイズ検出前のサンプリングデータ、即ち、1回目のサンプリングデータを、このビット「A」のデータとして採用する。つまり、送信データ「1」を正しく受信することができる。
【0027】
他方、インパルスノイズが、送信データの1ビットの途中から発生していると判定しない場合には(ステップS14でNO)、制御部15は、インパルスノイズが、送信データの1ビットの途中まで発生していたか否かを判定する(ステップS16)。即ち、送信データの1ビットに対して4回実行されるサンプリングのうち、4回目のサンプリングが行われる前にインパルスノイズの発生が終了したか、或いは4回目のサンプリング時までインパルスノイズの発生が継続されているかを判定する。
【0028】
そして、インパルスノイズが送信データの1ビットの途中まで発生していたと判定した場合には(ステップS16でYES)、制御部15は、インパルスノイズ検出後のサンプリングデータを、この1ビットのデータであるものとする(ステップS17)。即ち、図4(f)に示す時刻t2でインパルスノイズの検出が終了した場合には、図4(a)の符号「C」に示すビットに対して行われる4回のサンプリングのうち、4回目のサンプリングが行われる前の時点でインパルスノイズの検出が終了しているので、インパルスノイズ検出後のサンプリングデータ、即ち、4回目のサンプリングデータを、このビット「C」のデータとして採用する。つまり、送信データ「1」を正しく受信することができる。
【0029】
また、インパルスノイズが送信データの1ビットの途中まで発生していたと判定しない場合には(ステップS16でNO)、送信データの1ビットの全体でインパルスノイズが検出されているか否かを判定し(ステップS18)、送信データの1ビットの全体でインパルスノイズが検出されていると判定された場合には(ステップS18でYES)、データビットとチェックサムビットとを比較する処理を行う(ステップS19)。以下、図6を参照してチェックサムビットについて説明する。
【0030】
ASK方式を用いて送信するデータは、図6に示すように、1フレームが、先頭ビット、データビットA、データビットB、チェックサムビット、及び終了ビットで構成される。
【0031】
データビットAは送信元及び送信先を示すID情報を含むデータであり、例えば「0010」の4ビットのデータである。
【0032】
データビットBは、制御情報を含むデータであり、例えば「01001110」の8ビットのデータである。
【0033】
チェックサムビットは、データビットAとデータビットBとを加算したデータを反転したデータとして設定される。即ち、データビットAの「0010」とデータビットBの「01001110」を加算すると、「01010000」(これを「データa」とする)となり、更にこれを反転すると、「10101111」となる。この「10101111」がチェックサムビットとなる。従って、チェックサムビットと上記のデータaを加算すると「11111111」(これを「データb」とする)となり、この加算結果とならない場合には、いずれかのビットにエラーが発生していることとなる。
【0034】
図3のステップS19の処理では、上記のデータbを監視することにより、受信データにエラーが発生しているか否かを判定し、エラーが発生している場合には、受信データを補正する(ステップS20)。即ち、送信データの1ビットに対して行われる4回のサンプリングに対して全てインパルスノイズが重畳している場合には、チェックサムビットを用いて、受信データを補正する。
【0035】
例えば、図4(a)に示す送信データの「B」に示すビットの全期間に亘ってインパルスノイズが発生している場合には、本来送信データが「1」であるにも関わらず、図4(e)に示すように、4回のサンプリングで受信されるデータは全て「0」となってしまう。そこで、上記のチェックサムビットを用いることにより、正しい受信データ「1」を得ることができる。
【0036】
こうして、図4(h)に示すように、送信データの1ビットよりも長いインパルスノイズが発生した場合でも、図4(a)に示す送信データを正確に受信することができるようになる。
【0037】
また、図5に示すように、インパルスノイズの発生時間が、送信データの1ビットの受信時間よりも短い場合には、1ビットに対して行われる4回のサンプリングが全てインパルスノイズの影響を受けることがない。即ち、図5(c)に示す如くのインパルスノイズが発生した場合には、送信データの符号「D」に示すビットので実行される4回のサンプリングのうち、2〜4回目のサンプリングデータがインパルスノイズの影響を受けることになり、1回目のサンプリングデータは、正しいデータとなる。従って、送信データの1ビットの受信時間よりも短いインパルスノイズが発生した場合においても、図3に示したステップS15,S17の処理により、インパルスノイズの影響を受けることのない正確な受信データを得ることができる。
【0038】
このようにして、本実施形態に係る負荷制御装置では、電源線L1に重畳して送信された制御信号(送信データ)を受信する際に、この送信データの1ビットに対して複数回(例えば、4回)のサンプリングを行い、この複数回のサンプリングの途中からインパルスノイズの発生が検出された場合には、その直前のサンプリング時のデータをそのビットの受信データとする。また、複数回のサンプリングの途中でインパルスノイズの検出が終了した場合には、その直後のデータをそのビットの受信データとし、更に、送信データの1ビットに対して行われる複数回のサンプリング時間の全体に亘って継続してインパルスノイズが発生した場合には、チェックサムビットを用いることにより、送信エラーを補正する。
【0039】
従って、送信データの1ビットの受信時間よりも長い時間継続されるインパルスノイズが発生して電源線L1に重畳した場合であっても、該電源線L1に重畳して送信される送信データに生じるエラーを補正することができるので、他のECU10aより送信される送信データを正確に受信することができる。
【0040】
このため、PLC通信の信頼性を向上させることができ、車両内の通信適用部位を増加することができ、部品点数の削減を図ることができ、ひいては車両の軽量化、小型化、省スペース化を図ることができる。このため、燃費の向上、省エネルギー、省資源化に寄与する
以上、本発明の負荷制御装置を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【0041】
例えば、上記した実施形態では、車両に搭載される負荷を制御する例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その他のPLC通信方式を用いて負荷を制御する構成を備える回路に適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
PLC方式を用いて制御信号を送受信する際に、インパルスノイズによる影響を回避する上で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る負荷制御装置(ECU)の接続状態を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る負荷制御装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る負荷制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態に係る負荷制御装置において、送信データの1ビット期間よりも長いインパルスノイズが発生したときの各波形を示すタイミングチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る負荷制御装置において、送信データの1ビット期間よりも短いインパルスノイズが発生したときの各波形を示すタイミングチャートである。
【図6】本発明の一実施形態に係る負荷制御装置において用いるチェックサムビットの説明図である。
【符号の説明】
【0044】
10a〜10d ECU(負荷制御装置)
11 インパルスノイズ検出部(ノイズ検出手段)
12 PLC回路
13 インピーダンス素子
14 回路電源部
15 制御部
121 フィルタ部
122 受信部
123 送信部
L1 電源線
21 バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源線を介して電力が供給され、且つ、該電源線にASK方式を用いて重畳される、「0」,「1」からなり且つチェックサムビットを有する制御信号を受信して負荷を制御する負荷制御装置において、
前記電源線に重畳する制御信号の1ビットに対して複数回のデータサンプリングを行い、前記制御信号を検出する制御信号検出手段と、
前記電源線に重畳するノイズを検出するノイズ検出手段と、
前記制御信号の1ビットに対する前記複数回のデータサンプリング時間全体で、継続して前記ノイズ検出手段によりノイズが検出された場合には、この1ビットのデータを前記チェックサムビットに基づいて補正するビットデータ補正手段と、
を備えたことを特徴とする負荷制御装置。
【請求項2】
前記ビットデータ補正手段は、前記制御信号の1ビットに対する前記複数回のデータサンプリングが開始された後に、前記ノイズ検出手段によりノイズが検出された場合には、この1ビット間の、ノイズが検出される前にサンプリングしたデータを、この1ビットのデータであるものとし、
前記制御信号の1ビットに対する前記複数回のデータサンプリングが終了する前まで、前記ノイズ検出手段によりノイズが検出された場合には、この1ビット間の、ノイズの検出が終了した後にサンプリングしたデータを、この1ビットのデータであるものとすることを特徴とする請求項1に記載の負荷制御装置。
【請求項3】
前記負荷は、車両に搭載される負荷であり、前記電源線を介して供給される電力は、車両に搭載されるバッテリより供給されるものであることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の負荷制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−164998(P2009−164998A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−2007(P2008−2007)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】