説明

貨物自動車用燃料タンクシステム、貨物自動車及び貨物自動車用メイン燃料タンク

【課題】フロートを支持する支持機構が破損しにくい貨物自動車用燃料タンクシステムを提供する。
【解決手段】燃料を貯留するタンク室を有するメイン燃料タンク200、燃料を貯留するタンク室を有するとともにメイン燃料タンク200よりも上方に配設されるサブ燃料タンク300、及び上記メイン燃料タンクのタンク室とサブ燃料タンクのタンク室とを連通する供給管路400を備える貨物自動車の燃料タンクシステムであって、上記メイン燃料タンクのタンク室内に配設されタンク室内の燃料の量に応じて上下動するフロート、上記フロートの上下動の軌跡が一定となるようフロートを支持する支持機構、上記フロートの移動を規制する移動規制手段、及び上記フロートの高さに応じて上記供給管路を介した燃料の注入の開始停止を制御する開閉弁を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貨物自動車用燃料タンクシステム、貨物自動車及び貨物自動車用メイン燃料タンクに関し、本発明は、例えばトラック等の大型貨物自動車、特にトレーラ式車両を牽引する牽引自動車に適した発明である。
【背景技術】
【0002】
この種、貨物自動車用燃料タンクシテスム(以下単に燃料タンクシステムということがある)としては、貨物自動車のエンジンに燃料を供給するメイン燃料タンク、このメイン燃料タンクよりも上方に配設されるサブ燃料タンク、及び上記メイン燃料タンクとサブ燃料タンクとを連通する供給管路を備えるものが提案されている(実公平6−14066号公報参照)。
【0003】
この公報所載の燃料タンクシステムは、メイン燃料タンクの燃料の量を検出するフロート式油量検出器を有している。このフロート式油量検出器は、メイン燃料タンクの燃料の量に応じて上下動するフロートと、上下動するフロートを支持するためにフロートに連結されるとともに揺動可能に設けられた支持機構とを有している。さらに、供給管路に電磁バルブを有しており、フロート式油量検出器の検出信号によってこの電磁バルブが開閉すされるよう構成されている。
【0004】
しかしながら、上記公報所載の燃料タンクシテスムにあっては、走行中のメイン燃料タンクの燃料の液面の波打ち等によって支持機構が破損するおそれがある。つまり、メイン燃料タンクの燃料の液面が貨物自動車の走行によって波打ち、この波打ちによって上記フロートが上下動し、また波打つ燃料からフロートに水平方向にも力が作用するため、フロートに作用するこれらの力によって支持機構が破損するおそれがある。このため、上記公報所載の燃料タンクシステムは現実に採用されるに至っていない。
【0005】
また、現実の貨物自動車ではタンクの設置スペースの問題があり、上記公報所載の燃料タンクシステムのサブ燃料タンクを設置するスペースが問題となる。特に、上記公報所載のサブ燃料タンクは、メイン燃料タンクと同様の前後方向に長いタンク形状であるので、上記設置スペースの問題は尚更である。しかも、トレーラ式車両を牽引する牽引自動車にあってはトレーラ式車両の回動領域には物を設置できず、上記公報所載のような前後方向に長いサブ燃料タンクの設置場所を確保することは極めて困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平6−14066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の第一の課題は、フロートを支持する支持機構が破損しにくい貨物自動車用燃料タンクシステム、貨物自動車及び貨物自動車用メイン燃料タンクを提供することにある。また、本発明の第二の課題は、容易且つ確実にサブ燃料タンクを設置することができる貨物自動車用燃料タンクシステム及び貨物自動車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記第一の課題を解決すべくなされたものであり、
本発明に係る貨物自動車用燃料タンクシステムは、
燃料を貯留するタンク室を有するメイン燃料タンク、
燃料を貯留するタンク室を有し、上記メイン燃料タンクよりも上方に配設されるサブ燃料タンク、及び
上記メイン燃料タンクのタンク室とサブ燃料タンクのタンク室とを連通する供給管路
を備える貨物自動車の燃料タンクシステムであって、
上記メイン燃料タンクのタンク室内に配設されタンク室内の燃料の量に応じて上下動するフロート、
上記フロートの上下動の軌跡が一定となるようフロートを支持する支持機構、
上記フロートの移動を規制する移動規制手段、及び
上記フロートの高さに応じて上記供給管路を介した燃料の注入の開始停止を制御する開閉弁
を備えることを特徴とする。
【0009】
当該貨物自動車用燃料タンクシステムにあっては、メイン燃料タンクのタンク室の燃料が減るとフロートが下方に移動し、フロートが所定高さよりも低くなると開閉弁が開放され、サブ燃料タンクのタンク室の燃料が供給管路を介してメイン燃料タンクのタンク室に供給される。また、メイン燃料タンクのタンク室に燃料が供給され、フロートが所定高さよりも高くなると開閉弁が閉塞されて、サブ燃料タンクのタンク室からの燃料の供給が停止されることになる。そして、当該貨物自動車用燃料タンクシステムにあっては、走行中に燃料の液面が波立ってフロートに燃料から力が作用しても、フロートの移動を規制する移動規制手段を有するので、フロートから支持機構に作用する力を軽減することができ、支持機構が破損することを的確に防止することができる。
【0010】
当該貨物自動車用燃料タンクシステムは、移動規制手段が、一定以上下方へ移動した際に上記フロートに当接するよう構成されていることが好ましい。該構成を採用することにより、サブ燃料タンクのタンク室が空になる等によってサブ燃料タンクのタンク室からの燃料供給がされず、メイン燃料タンクのタンク室内の燃料が減少した際に、移動規制手段がフロートに当接し、これによりフロートが一定以上下方に移動しない。このため、メイン燃料タンクのタンク室内の燃料が少なくなった状態でフロートが燃料の液面の波打ちに影響を受け難く、支持機構の破損をより的確に防止できる。
【0011】
当該貨物自動車用燃料タンクシステムは、移動規制手段が、上記フロートの水平方向の移動を規制するよう構成されていることが好ましい。該構成を採用することにより、走行中に燃料の液面が波立ってフロートに燃料から水平方向の力が作用しても、移動規制手段によってフロートの水平方向の移動が規制され、フロートから支持機構に作用する力を軽減でき、支持機構の破損をより的確に防止できる。
【0012】
当該貨物自動車用燃料タンクシテスムは、フロートの底部に溝部が形成され、移動規制手段が、溝部に介在される規制部材から構成されていることが好ましい。これにより、サブ燃料タンクのタンク室が空になる等によってサブ燃料タンクのタンク室からの燃料供給がされず、メイン燃料タンクのタンク室の燃料が減少した際に、規制部材がフロートの溝部の上面に当接し、フロートが一定以上下方に移動しないので、メイン燃料タンクのタンク室内の燃料が少なくなった状態でフロートが燃料の液面の波打ちに影響を受け難い。また、走行中に燃料の液面が波立ってフロートに燃料から水平方向の力が作用しても、溝部に介在される移動規制手段によってフロートの水平方向の移動が規制され、フロートから支持機構に作用する力を軽減できる。このため、この規制部材によって、支持機構の破損をより的確に防止できる。
【0013】
上記のように規制部材を有する場合には、規制部材が、上記フロートの溝部の上面に当接可能な当接部位及びこの当接部位から下方に延出した延出部位を有する構成を採用することが好ましい。これにより、当接部位によってフロートの上下動を規制できるとともに、さらに上記延出部位によってフロートの回動をも規制することができ、このため支持機構の破損をさらに的確に防止できる。
【0014】
当該貨物自動車用燃料タンクシステムにおいて、開閉弁を電気的に開閉するよう構成することも可能であるが、燃料周りに電気的機器を付設することは慎重を期すため、開閉弁を物理的に開閉するよう設けることが好ましい。具体的には、支持機構が、フロートの上下動によって開閉弁を開閉するように開閉弁と連結されている構成を採用することが好ましい。これにより、燃料周りに電気的設備を付設せずに、開閉弁の開閉を行うことができる。
【0015】
また、上記のように物理的に開閉弁を開閉する構成を採用した場合において、開閉弁を供給管路に配設することも可能であるが、フロートの上下動を開閉弁まで伝達する機構が複雑となるおそれがあるため、メイン燃料タンクにおいて開閉弁が開閉を行うよう設けることが好ましい。具体的には、メイン燃料タンクが、供給管路に接続されタンク室内に燃料を注入するための注入管路を有し、開閉弁が、この注入管路の流路を開閉するよう構成され、支持機構が、フロートの上下動により揺動するとともに揺動によって開閉弁を開閉する揺動リンクを有している構成を採用することが好ましい。これにより、フロートの上下動によって揺動リンクが揺動し、この揺動によって開閉弁が開閉される。
【0016】
当該貨物自動車用燃料タンクシステムは、メイン燃料タンクの天面部が、上方に移動したフロートの上部を係止する係止部を有する構成を採用することが好ましい。これにより、メイン燃料タンクのタンク室が満タンにされる等、フロートがメイン燃料タンクの天面部に当接する程度に燃料がメイン燃料タンクのタンク室に充填された際に、天面部の係止部によってフロートが係止されるので、フロートの水平方向の移動が規制されることになり、走行中においてフロートから支持機構に作用する力を軽減でき、支持機構の破損をより的確に防止できる。
【0017】
上記のように天面部が係止部を有する場合には、メイン燃料タンクが、上部開放部を有するタンク本体と、このタンク本体の上部開放部を閉塞するとともに上記係止部が形成された蓋部とを有する構成を採用することが好ましい。これにより、蓋体を離脱することで、タンク本体の上部開放部からフロートが表出するので、フロートの修理等が簡便に行い得る。
【0018】
当該貨物自動車用燃料タンクシステムは、支持機構が、上記フロートに先端が螺着される棒状リンクを有し、棒状リンクが、軸部と、この軸部の下方に延出される錘部とを有する構成を採用することが好ましい。これにより、フロートを螺着によって容易に取付けることができるとともに、棒状リンクは錘部を有するので棒状リンクの不用意な回転によるフロートの離脱を的確に防止できる。つまり、錘部を有さない場合には、長年の使用により棒状リンクが徐々に回転して、フロートの螺着部分から棒状リンクが螺脱されてしまう可能性があり、このため上記のように錘部を設けることで、この錘部の自重によって棒状リンクの同一方向の継続的な回転を防止することができる。
【0019】
また、当該貨物自動車用燃料タンクシステムは、上記第二の課題を解決すべく、
サブ燃料タンクが、幅方向長さ及び上下高さが前後方向長さよりも長い縦型に形成され、その前面が貨物自動車のキャビンの背面と対面するよう配設されている
構成を採用することができる。
【0020】
この構成を採用することにより、前後方向に省スペースでありながら十分な量の燃料をサブ燃料タンクに貯留することができ、このため種々の貨物自動車に採用可能となる。なお、「幅方向」とは貨物自動車の幅方向を意味し、「上下」とは車両の車高方向を意味し、「前後方向」とは貨物自動車の前後方向(進行後退方向)を意味する。
【0021】
上記構成を採用した場合には、サブ燃料タンクが、前後方向に並べられた複数の縦型小タンクから構成されていることが好ましい。これにより、複数の縦型小タンクに燃料を貯留することが可能となる。
【0022】
上記のように複数の縦型小タンクを有する場合には、縦型小タンクの間に配設された断熱層をさらに備えていることが好ましい。これにより、一方の縦型小タンクの熱が他方の縦型小タンクに伝達することを防ぐことができる。このため、例えば仮に進行方向側の縦型小タンクが高熱化しても、その後方に位置する縦型小タンクが高熱となってしまうことを防止できる。
【0023】
また、本発明に係る貨物自動車は、既述の構成からなる貨物自動車用燃料タンクシステムを備えることを特徴とする。
【0024】
当該貨物自動車にあっては、メイン燃料タンクのみならずサブ燃料タンクによっても燃料を貯留することができ、またフロートが所定高さよりも低くなると開閉弁が開放され、サブ燃料タンクのタンク室の燃料を供給管路を介してメイン燃料タンクのタンク室に供給することができ、さらに走行中に燃料の液面が波立ってフロートに燃料から力が作用しても、フロートの移動を規制する移動規制手段を有するので、フロートから支持機構に作用する力を軽減することができ、支持機構が破損することを的確に防止することができる。
【0025】
また、本発明に係る貨物自動車用メイン燃料タンクは、第一の課題を解決するために、
燃料が貯留されるタンク室を有する貨物自動車用燃料タンクであって、
上記タンク室に燃料を注入するための注入管路、
上記メイン燃料タンクのタンク室内に配設されタンク室内の燃料の量に応じて上下動するフロート、
上記フロートの上下動の軌跡が一定となるようフロートを支持する支持機構、
上記フロートの移動を規制する移動規制手段、及び
上記フロートの高さに応じて上記注入管路を開閉する開閉弁
を備える構成からなる。
【0026】
当該貨物自動車用メイン燃料タンクにあっては、タンク室の燃料が減るとフロートが下方に移動し、フロートが所定高さよりも低くなると開閉弁が開放され、注入管路からタンク室に燃料供給が可能となる。また、タンク室に燃料が供給され、フロートが所定高さよりも高くなると開閉弁が閉塞されて、注入管路からの燃料供給が停止される。そして、当該貨物自動車用メイン燃料タンクあっては、走行中に燃料の液面が波立ってフロートに燃料から力が作用しても、フロートの移動を規制する移動規制手段を有するので、フロートから支持機構に作用する力を軽減することができ、支持機構が破損することを的確に防止することができる。なお、当該貨物自動車用メイン燃料タンクにあっては、フロート、支持機構、移動規制手段等の構成を既述の構成を採用することが可能である。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、当該発明にあっては、タンク室内のフロートを支持する支持機構の破損を的確に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る一実施形態の牽引自動車の概略的側面図である。
【図2】図1の牽引自動車の燃料タンクシステムの概略的斜視図である。
【図3】図1の牽引自動車のメイン燃料タンクの概略的断面側面図である。
【図4】図1のA−A線端面図であって、フロート及び移動規制手段のみを図示した端面図である。
【図5】図1の牽引自動車のメイン燃料タンクの説明図であって、揺動リンクを拡大した概略的端面図である。
【図6】本発明に係る他の実施形態の牽引自動車のメイン燃料タンクの概略的断面側面図である。
【図7】図6の牽引自動車のメイン燃料タンクの概略的断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<第一実施形態>
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述するが、まず、本発明の貨物自動車の一実施形態として、図1に示すトレーラ式車両Tを牽引する牽引自動車1を例にとり説明する。
【0030】
<牽引自動車1>
本実施形態の牽引自動車1は、運転席が形成されるキャビン10と、このキャビン10から後方側に延設されトレーラ式車両Tを連結するための連結部20とを有している。この連結部20には、当該貨物自動車用燃料タンクシステム100(以下、単に燃料タンクシステムということがある)が搭載されている。
【0031】
<燃料タンクシステム100>
当該燃料タンクシステム100は、燃料を貯留するタンク室を有するメイン燃料タンク200(以下、単にメインタンクということがある)、燃料を貯留するタンク室を有するサブ燃料タンク300(以下、単にサブタンクということがある)、及び上記メインタンク200のタンク室とサブタンク300のタンク室とを連通する供給管路400を備えている。なお、供給管路400は、種々のものが採用できるが、可撓性を有するチューブが好適に用いられる。
【0032】
<サブタンク300>
上記サブタンク300は、連結部20の上部に載置固定されており、前面が上記キャビン10の背面と対面するよう配置されている。
【0033】
このサブタンク300は、内部のタンク室が接続管路310を介して連通された複数(図示例では二つ)の縦型小タンク320から構成されている。この縦型小タンク320は、幅方向長さ及び上下高さが前後方向長さよりも長い縦型に形成され、複数の縦型小タンク320は前後方向に並べて配置され、この縦型小タンク320の間には断熱層330が配設されている。ここで、断熱層330としては、熱を断熱する効果を有する種々のものが採用でき、例えば石綿等から構成することができる。なお、上記縦型小タンク320には、給油口(図示省略)が設けられており、この給油口にはキャップ(図示省略)が着脱可能に取付けられている。
【0034】
本実施形態において、前方側の縦型小タンク320よりも後方側の縦型小タンク320の方が、容量が大きく設けられており、具体的には、前方側の縦型小タンク320が200リットルの燃料を貯留可能であり、後方側の縦型小タンク320が300リットルの燃料を貯留可能に設けられている。
【0035】
また、サブタンク300は、幅方向長さ及び上下高さが前後方向長さよりも長い縦型に形成されている。このサブタンク300の幅方向長さは、車両の幅方向長さと同一又は若干短い程度に設けられている。具体的には、サブタンク300の幅方向長さは車両の幅方向長さに対して2/3以上1/1以下であることが好ましく、より好ましくは3/4以上6/7以下、さらに好ましくは4/5以上5/6以下である。また、サブタンク300の上下高さは、車高に対して1/6以上2/3以下であることが好ましく、より好ましくは1/5以上1/2以下、さらに好ましくは1/4以上1/3以下である。さらに、サブタンク300の前後方向長さは、上記連結部20の前後方向長さに対して1/20以上1/4以下であることが好ましく、より好ましくは1/10以上1/5以下、さらに好ましくは1/8以上1/6以下である。
【0036】
さらに、サブタンク300の容量は、特に限定されるものではないが、100リットル以上800リットル以下であることが好ましく、200リットル以上600リットル以下であることがより好ましく、300リットル以上500リットル以下であることがさらに好ましい。
【0037】
<メインタンク200>
本実施形態のメインタンク200は、図1に示すように、上記連結部20に固定用フレーム(図示省略)によって固定されており、上記サブタンク300よりも下方に配設されている。
【0038】
当該メインタンク200は、図2に示すように、タンク室を構成するとともに上部開放部を有するタンク本体201と、このタンク本体201の上部開放部を閉塞する蓋部203とを有している。なお、メインタンク200には、給油口が設けられており、この給油口にはキャップ205が着脱可能に取付けられている。
【0039】
また、メインタンク200は、タンク室に燃料を注入するための注入管路210、タンク室内に配設されタンク室内の燃料の量に応じて上下動するフロート230、フロート230の上下動の軌跡が一定となるようフロート230を支持する支持機構250、フロート230の移動を規制する移動規制手段270、及びフロート230の高さに応じて注入管路210を開閉する開閉弁290を備えている。
【0040】
(注入管路210)
上記注入管路210は、上記供給管路400に接続されており、図3に示すように、一端がタンク室内に突設され、他端がタンク室外に突設されている。この注入管路210の他端には外周に雄螺子が形成されており、この雄螺子によって供給管路400の一端が注入管路210に接続されている。なお、供給管路400の他端はサブタンク300の下方に設けられた注出口(図示省略)に接続されている。なお、注入管路210の材質等は特に限定されるものではないが、鉄やステンレス等の金属製のものが好適に用いられる。
【0041】
(フロート230)
上記フロート230は、タンク室内の燃料に浮かぶものであれば種々のものが採用可能であるが、例えば合成樹脂製の中空の成型品から構成することができる。
【0042】
このフロート230は、支持機構250を付設するための雌螺子部(図示省略)と、底部に形成された溝部231とを有している。ここで、本実施形態のフロート230は、全体形状が丸みを帯びた直方体状に形成されており、この側面に上記雌螺子部が形成されている。また、上記溝部231は、雌螺子部の孔形成方向に沿って形成されている。つまり、この溝部231は、後述する支持機構250(の揺動リンク251)の揺動方向に略平行な方向に沿って形成されている。この溝部231は、一側面から他側面に至るまで形成されている。また、溝部231は、開放側(下側)にかけて幅広となるよう形成されている。また、フロート230の上部は、中央部につれて上方側に盛り上った形状に形成されている。
【0043】
(支持機構250)
上記支持機構250は、フロート230に一端が螺着される棒状の揺動リンク251(棒状リンク)と、この揺動リンク251の他端に回動可能に連結されるとともに上記注入管路210に固定される固定リンク253と、上記揺動リンク251の中途部に回動可能に連結されるとともに上記開閉弁290を開閉させる作動リンク255とを有している。つまり、この支持機構250は、揺動リンク251が揺動する平面に沿ってフロート230の上下動がなされるよう設けられている。上記作動リンク255は、一端が上記のように揺動リンク251に連結され、他端が上記開閉弁290に連結されており、これにより揺動リンク251は上記作動リンク255を介して開閉弁290に連結されている。つまり、フロート230の上下動によって揺動リンク251が揺動し、この揺動に伴って作動リンク255が上下動することにより、開閉弁290が開閉し、供給管路400を介したタンク室内への燃料の注入の開始停止が制御されることになる。より具体的に説明すると、フロート230が一定の高さ以上の場合には、上記作動リンク255は開閉弁290を閉塞し、タンク室内への燃料の注入を行わず、フロート230が一定の高さ未満となった場合には、上記作動リンク255は開閉弁290を開放し、タンク室内への燃料の注入が行われるよう制御している。
【0044】
なお、支持機構250を構成する各部材の材質等は特に限定されるものではないが、鉄やステンレス等の金属製のものが好適に用いられる。また、フロート230に螺着される上記揺動リンク251は、図5等に示すように、軸部251aと、この軸部251aの下方に延出される錘部251bとを有している。この揺動リンク251は、軸部251aよりも錘部251bの方が比重の重い材質から構成されていることが好ましい。
【0045】
(移動規制手段270)
上記移動規制手段270は、一定以上下方へ移動した際にフロート230に当接するよう構成され、且つフロート230の水平方向(揺動リンク251が揺動する平面に交差する方向)の移動を規制するよう構成され、しかもフロート230の回転を規制するよう構成されている。具体的には、移動規制手段270は、フロート230の溝部231に介在される規制部材から構成されている。この規制部材270は、図3に示すように略L字状の部材から構成され、L字状の短辺の一端が注入管路210に固定され、長辺部分が上記溝部231に介在されている。
【0046】
この規制部材270は、フロート230の溝部231の上面に当接可能な当接部位271と、この当接部位271から下方に延出した延出部位273とを有している。具体的には、上記規制部材270の長辺部分が、図4に示すように、断面形状円形の当接部位271と、この当接部位271よりも幅狭の板状の延出部位273とから構成されている。このように延出部位273が設けられているので、この規制部材270によってフロート230の回転を防止することができる。なお、規制部材270の材質等は特に限定されるものではないが、鉄やステンレス等の金属製のものが好適に用いられる。
【0047】
(係止部207)
また、メインタンク200の天面部は、上方に移動したフロート230の上部を係止する係止部207を有している。具体的には、天面部には、フロート230の上部の形状と略同一形状の凹部(係止部207)が、上記フロート230が上方に移動する箇所に形成されており、上方に移動したフロート230の上部が上記凹部207に嵌まり込むよう形成されている。この凹部207は、上記タンク本体201の上部開放部を閉塞する蓋部203に形成されている(図3参照)。
【0048】
<作用効果>
上記構成からなる本実施形態の牽引自動車1にあっては、メインタンク200のタンク室の燃料が減るとフロート230が下方に移動し、フロート230が所定高さよりも低くなると開閉弁290が開放され、サブタンク300のタンク室の燃料が供給管路400を介してメインタンク200のタンク室に供給される。また、メインタンク200のタンク室に燃料が供給され、フロート230が所定高さよりも高くなると開閉弁290が閉塞されて、サブタンク300のタンク室からの燃料の供給が停止されることになる。
【0049】
そして、当該牽引自動車1にあっては、走行中に燃料の液面が波立ってフロート230に燃料から力が作用しても、フロート230の移動を規制する移動規制手段270を有するので、フロート230から支持機構250に作用する力を軽減することができ、支持機構250が破損することを的確に防止することができる。
【0050】
つまり、走行中に燃料の液面が波立ってフロート230に燃料から水平方向(揺動リンク251が揺動する平面に交差する方向)の力が作用しても、溝部231に介在される規制部材270によってフロート230の水平方向の移動が規制され、フロート230から支持機構250に作用する力を軽減でき、このため支持機構250の破損をより的確に防止できる。
【0051】
特に、サブタンク300のタンク室が空になり、さらにメインタンク200のタンク室の燃料が減少した際に、規制部材270がフロート230の溝部231の上面に当接し、フロート230が一定以上下方に移動しないので、メインタンク200のタンク室内の燃料が少なくなった状態でフロート230が燃料の液面の波打ちに影響を受けない、或いは受け難い。しかも、この規制部材270の当接部位271は、断面形状が円形に形成されているので、この当接部位271に当接するフロート230に傷付き難いという利点を有する。
【0052】
さらに、規制部材270が当接部位271から下方に延出した延出部位273を有するので、この当接部位271によってフロート230の回動をも規制することができ、このためフロート230が揺動リンク251から不用意に離脱することを防止でき、またフロート230の回動による支持機構250の破損を防止できる。
【0053】
また、メインタンク200の天面部が、上方に移動したフロート230の上部を係止する係止部207を有するので、メインタンク200のタンク室が満タンにされ、フロート230がメインタンク200の天面部に当接する程度に燃料がメインタンク200のタンク室に充填された際に、天面部の係止部207(凹部)によってフロート230が係止され、このためフロート230の水平方向の移動が規制されることになり、走行中においてフロート230から支持機構250に作用する力を軽減でき、支持機構250の破損をより的確に防止できる。
【0054】
さらに、この係止部207が形成された蓋部203を離脱することで、タンク本体201の上部開放部からフロート230が表出するので、フロート230や支持機構250等の修理や交換が簡便に行い得る。
【0055】
また、当該牽引自動車1は、支持機構250が、フロート230の上下動によって開閉弁290を開閉するように開閉弁290と連結されているので、燃料周りに電磁制御弁等の電気的機器を付設することを要しない。また、メインタンク200が供給管路400に接続されタンク室内に燃料を注入するための注入管路210を有し、この注入管路210の流路を開閉弁290が開閉するものであるので、簡易な構造によって開閉弁290の開閉の制御を行うことができる。
【0056】
さらに、支持機構250の揺動リンク251(棒状リンク)は、軸部251aの下方に延出される錘部251bを有するので、フロート230の取付構造を螺着による容易且つ簡便な構造としても、揺動リンク251が錘部251bによって不用意な回転が防止でき、このためフロート230の離脱を的確に防止できる。つまり、錘部251bを有さない場合には、長年の使用により揺動リンク251が徐々に回転して、フロート230の雌螺子部から揺動リンク251が螺脱されてしまう可能性があり、このため上記のように錘部251bを設けることで、揺動リンク251の同一方向の継続的な回転を上記錘部251bの自重によって防止することができ、フロート230の離脱を的確に防止できる。
【0057】
また、当該牽引自動車1は、縦型に形成されたサブタンク300の前面が貨物自動車のキャビン10の背面と対面するよう配設されているので、前後方向に省スペースでありながら十分な量の燃料をサブタンク300に貯留することができる。特に本実施形態のような牽引自動車1にあっても、トレーラ式車両Tの回動領域外に上記サブタンク300を搭載できる。さらに、上記サブタンク300が前後方向に並べられた複数の縦型小タンク320から構成されているので、複数の縦型小タンク320に燃料を貯留することが可能となる。また、縦型小タンク320の間に配設された断熱層330を備えているので、一方の縦型小タンク320の熱が他方の縦型小タンク320に伝達することを防ぐことができる。つまり、キャビン10と対面する進行方向側の縦型小タンク320がエンジン等の熱によって高熱化しても、その後方に位置する縦型小タンク320が高熱となってしまうことを防止できる。
【0058】
<その他の実施形態>
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更可能である。
【0059】
つまり、上記実施形態においては、サブタンク300が複数の縦型小タンク320を有するものについて説明したが、本発明の燃料タンクシステム100はこれに限定されるものではなく、一つのタンクのみからなるサブタンク300であっても本発明の意図する範囲内である。また、サブタンク300を複数の縦型小タンク320から構成する場合にあっても、図示例のような二つのものに限定されるものではなく、例えば三つの縦型小タンク320とすることも可能である。なお、この場合には、縦型小タンク320の間それぞれに断熱層330を介在させることが好ましい。
【0060】
また、複数の縦型小タンク320を有する場合にあっても、上記実施形態のように縦型小タンク320同士が接続管路310で接続されていることに限定されるものではなく、例えば各縦型小タンク320が上記供給管路400に接続されたものとすることも可能である。
【0061】
さらに、上記実施形態においては、供給管路400やサブタンク300に手動弁等を設けることについては言及していないが、供給管路400やサブタンク300に手動弁等の弁体を設けることも適宜設計変更可能な事項である。また、上述のように複数の縦型小タンク320を有する場合には、各縦型小タンク320に手動弁等の弁体を設けることも可能である。これにより、前方側の縦型小タンク320の弁体のみを開放し、後方側の縦型小タンク320の弁体を閉塞しておくことで、先に前方側の縦型小タンク320の燃料をメインタンク200に供給して、前方側の縦型小タンク320を先に空とすることも可能である。
【0062】
また、上記実施形態においては、サブタンク300の前面の形状について具体的に説明していないが、この前面形状を平板状にする他、例えば波形状に形成し、放熱効果を得ることも可能である。また、この前面に上記実施形態のような断熱層を配設することも適宜設計変更可能な事項である。
【0063】
さらに、サブタンク300の載置固定方法について具体的に説明していないが、このサブタンク300(縦型小タンク320)を離脱可能に載置固定することも可能であり、例えば所望に応じた個数の縦型小タンク320を搭載して用いることも可能である。
【0064】
また、上記実施形態においては移動規制手段270としてフロート230の溝部231に介在される規制部材から構成するものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。つまり、移動規制手段270は、燃料の波打ちに基づくフロート230の移動を規制することができるものであれば、種々のものが採用可能である。なお、上記実施形態においては、移動規制手段270が、一定以上下方へ移動した際にフロート230に当接し、且つフロート230の水平方向(フロート230が上下動する軌跡の平面に交差(直交)する方向)の移動を規制するよう構成されているものについて説明したが、例えば前者(フロート230に当接)のみであっても良く、また後者(水平方向の移動規制)のみであっても良い。
【0065】
具体的に説明すると、例えばフロート230が一定以上下方に移動した際にフロート230の底部と当接する網目状部材(移動規制手段)をタンク室に設けることも可能である。また、一対のガイド(移動規制手段)を上下方向に沿って配設し、この一対のガイドをフロート230の側面に略当接状態にして、フロート230の水平方向の移動が規制されるよう構成することも可能である。
【0066】
また、支持機構250の具体的構成も上記実施形態のものに限定されず、フロート230の上下動の軌跡を一定とするための種々の機構を採用することが可能である。また、支持機構250がフロート230の上下動によって開閉弁290を開閉するよう構成したものについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。但し、本発明において、上記実施形態のように支持機構250がフロート230の上下動によって開閉弁290を開閉するよう構成することが好ましく、これによりフロート230の上下動を検出する電気信号等を用いる必要がなくなる。
【0067】
当該貨物自動車用燃料タンクシステムにあっては、図6及び図7に示す構成を採用することも可能である。この図6及び図7に示すメインタンク500は、タンク室内に配設されタンク室内の燃料の量に応じて上下動するフロート530、フロート530の上下動の軌跡が一定となるようフロート530を支持する支持機構、フロート530の移動を規制する移動規制手段、及びフロート530の高さに応じて注入管路210を介した燃料の注入の開始停止を制御する開閉弁290を有している。なお、以下、図6及び図7のメインタンク500について説明するが、第一実施形態と略同様の構成・機能を有するものについては同一符号を用い、その説明を省略することがある。
【0068】
この図6及び図7に示すメインタンク500にあっては、上下方向に沿って空洞部が形成された筒体510を有している。この筒体510の空洞部に上記フロート530が上下動可能に配設されている。この筒体510によって上記支持機構及び移動規制手段が構成されている。
【0069】
また、筒体510には、空洞部の下方に当接部511が配設されており、この当接部511は、棒状部材から構成されており、上記空洞部と空洞部下方との間で燃料を流通可能とすべく空洞部を閉塞しないよう付設されている。この当接部511によって一定以上下方へ移動した際に上記フロート530に当接する移動規制手段が構成されている。なお、このような移動規制手段は上記棒状部材から構成したものに限定されるものではなく、例えば筒体から内側に延設された延設部位から構成することも適宜設計変更可能な事項である。
【0070】
また、図6及び図7に示す筒体510には穿孔513が形成され、この穿孔513によって空洞部と空洞部外部(前方及び後方)との間で燃料が流通するよう構成されている。このため、穿孔513を介して空洞部内に燃料が流れ込みやすく、燃料の増減による燃料の液面の変化と空洞部内の燃料の液面の変化とが一致し易く、この空洞部内の燃料の液面変化に従ってフロート530が上下動することになる。また、筒体510は略四角筒状に形成されており、上記穿孔513は、正面及び背面(走行方向前後の壁面)に形成され、筒体510の両側面(走行方向横方向の壁面)に形成されていない。走行中におけるメインタンク500の燃料の液面の波打ちは前後方向よりも横方向の方が強いと考えられるため、上記のように穿孔513を配置することで、この波打ちによる力がフロート530に作用し難くなるとともに燃料の増減による液面の変化に従ってフロート530が上下動し易いという利点を有する。
【0071】
上記筒体510は、図示例では注入管路210に固着されているが、筒体510の固定方法は特に限定されるものではなく、タンク本体201に固定することも適宜設計変更可能な事項である。
【0072】
また、図6及び図7に示すフロート530は、空洞部の内径よりも若干外径が小さく設けられ、上述のように空洞部内に上下動可能に配設されている。ここで、フロート530は、内部に空気室を有し、硬質合成樹脂からなる略四角の箱型に形成されている。また、フロート530は、側壁が底壁よりも下方に延出した延出部530aを有している。
【0073】
さらに、図6及び図7に示すフロート530は、フロート530の上下動によって上記開閉弁290を開放閉塞させるためのリンク機構540が付設されている。このリンク機構540は、一端がフロート530の上部に連結される第一リンク541と、この第一リンク541の他端に回動可能に一端が連結されるとともに他端が上記開閉弁290に傾動可能に連結される第二リンク543とを備えている。具体的に説明すると、上記第二リンク543は屈曲された略L字状部材から構成され、フロート530の上下動により第一リンク541が上下動すると、第二リンク543は開閉弁290に連結される他端を中心として正面視傾動し、この第二リンク543の傾動によって開閉弁290が開閉するよう構成されている。なお、第一リンク541とフロート530との連結に関して、フロート530に第一リンク541が挿入可能な孔部を設け、この孔部に第一リンク541の一端を挿入し、第一リンク541の所望箇所でフロート530と固定できるよう構成することも可能であり、このように構成することにより、開閉弁290が開閉する液面位置を第一リンク541の固定箇所によって調整可能となる。
【0074】
また、図6及び図7においてはフロート530が筒体510に内在されているものについて説明したが、例えばフロート530に上方から下方にかけて空気室と区画される孔部を設け、この孔部にタンク本体に相対的に固定される棒状部材を挿入して、この棒状部材によってフロート530の水平方向の移動を規制するよう設けることも可能である。しかしながら、このような棒状部材のみ設け、筒体510を設けない場合には、燃料の液面の波打ちによりフロート530に作用する力によって棒状部材自体が破損するおそれがある。このため、かかる棒状部材を設ける場合にあっても上記図6及び図7に示すような筒体510を設けることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明は、牽引自動車や大型トラック等の貨物自動車における燃料タンクシステムとして有効に利用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1 牽引自動車
10 キャビン
20 連結部
100 貨物自動車用燃料タンクシステム
200 メインタンク
201 タンク本体
203 蓋部
205 キャップ
205 係止部(凹部)
210 注入管路
230 フロート
231 溝部
250 支持機構
251 棒状リンク
251a 軸部
251b錘部
253 固定リンク
255 作動リンク
270 移動規制手段(規制部材)
271 当接部位
273 延出部位
290 開閉弁
300 サブタンク
310 接続管路
320 縦型小タンク
330 断熱層
400 供給管路
500 メインタンク
510 筒体
511 当接部
513 穿孔
530 フロート
530a 延出部
540 リンク機構
541 第一リンク
543 第二リンク
T トレーラ式車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を貯留するタンク室を有するメイン燃料タンク、
燃料を貯留するタンク室を有し、上記メイン燃料タンクよりも上方に配設されるサブ燃料タンク、及び
上記メイン燃料タンクのタンク室とサブ燃料タンクのタンク室とを連通する供給管路
を備える貨物自動車の燃料タンクシステムであって、
上記メイン燃料タンクのタンク室内に配設されタンク室内の燃料の量に応じて上下動するフロート、
上記フロートの上下動の軌跡が一定となるようフロートを支持する支持機構、
上記フロートの移動を規制する移動規制手段、及び
上記フロートの高さに応じて上記供給管路を介した燃料の注入の開始停止を制御する開閉弁
を備えることを特徴とする貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項2】
上記移動規制手段が、一定以上下方へ移動した際に上記フロートに当接するよう構成されている請求項1に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項3】
上記移動規制手段が、上記フロートの水平方向の移動を規制するよう構成されている請求項1又は請求項2に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項4】
上記フロートの底部に溝部が形成され、
上記移動規制手段が、上記溝部に介在される規制部材から構成されている請求項1に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項5】
上記規制部材が、上記フロートの溝部の上面に当接可能な当接部位及びこの当接部位から下方に延出した延出部位を有する請求項4に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項6】
上記支持機構が、上記フロートの上下動によって上記開閉弁を開閉するように開閉弁と連結されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項7】
上記メイン燃料タンクが、上記供給管路に接続されタンク室内に燃料を注入するための注入管路を有し、
上記開閉弁が、この注入管路の流路を開閉するよう構成され、
上記支持機構が、上記フロートの上下動によって揺動するとともにこの揺動によって上記開閉弁を開閉する揺動リンクを有している請求項6に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項8】
上記メイン燃料タンクの天面部が、上方に移動したフロートの上部を係止する係止部を有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項9】
上記メイン燃料タンクが、上部開放部を有するタンク本体と、このタンク本体の上部開放部を閉塞するとともに上記係止部が形成された蓋部とを有する請求項8に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項10】
上記支持機構が、上記フロートに先端が螺着される棒状リンクを有し、
上記棒状リンクが、軸部と、この軸部の下方に延出される錘部とを有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項11】
上記サブ燃料タンクが、幅方向長さ及び上下高さが前後方向長さよりも長い縦型に形成され、その前面が貨物自動車のキャビンの背面と対面するよう配設されている請求項1から請求項10の何れか1項に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項12】
上記サブ燃料タンクが、前後方向に並べられた複数の縦型小タンクから構成されている請求項11に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項13】
上記縦型小タンクの間に配設された断熱層をさらに備えている請求項12に記載の貨物自動車用燃料タンクシステム。
【請求項14】
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の貨物自動車用燃料タンクシステムを備える貨物自動車。
【請求項15】
燃料が貯留されるタンク室を有する貨物自動車用メイン燃料タンクであって、
上記タンク室に燃料を注入するための注入管路、
上記メイン燃料タンクのタンク室内に配設されタンク室内の燃料の量に応じて上下動するフロート、
上記フロートの上下動の軌跡が一定となるようフロートを支持する支持機構、
上記フロートの移動を規制する移動規制手段、及び
上記フロートの高さに応じて上記注入管路を開閉する開閉弁
を備えることを特徴とする貨物自動車用メイン燃料タンク。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate