販売処理装置
【課題】会計レシートとの区別が視覚的に容易に可能であり、不正使用を安全性高く防止できる印字パターンレイアウトを持つ保留レシートを発行可能な販売処理装置を提供すること。
【解決手段】この販売処理装置では、利用者が売上保留やクレジット保留を行いたい場合に発行する保留レシート１００について、ヘッダ領域に持たせた追加項目領域１００ａに会計レシートでない旨を含む所定のメッセージを追加項目として印字し、しかも係るメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子としての★印をその前後に印字しているため、会計レシートでないことを視覚的に容易に判断できて区別が容易になる他、印字パターンレイアウトが周知の場合とは異なるため、例えば最下段のフッタ領域に印字された保留番号を鋏等で切り取って不正使用しようとしても、会計レシートとは異なるメッセージ部分が残って使えなくなる。
【解決手段】この販売処理装置では、利用者が売上保留やクレジット保留を行いたい場合に発行する保留レシート１００について、ヘッダ領域に持たせた追加項目領域１００ａに会計レシートでない旨を含む所定のメッセージを追加項目として印字し、しかも係るメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子としての★印をその前後に印字しているため、会計レシートでないことを視覚的に容易に判断できて区別が容易になる他、印字パターンレイアウトが周知の場合とは異なるため、例えば最下段のフッタ領域に印字された保留番号を鋏等で切り取って不正使用しようとしても、会計レシートとは異なるメッセージ部分が残って使えなくなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主として飲食産業等の店側に設置されるＰＯＳ（Ｐｏｉｎｔ ｏｆ ｓａｌｅｓ）システムに接続された印字機能を持つ端末装置であって、詳しくは利用者が売上保留やクレジット保留を行った際、保留レシートとして所定のメッセージを追加項目として印字するための追加項目領域を持たせたものを発行する販売処理装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、飲食産業等のサービス産業では、売上保留やクレジット保留を行った場合にはＰＯＳシステムに接続された印字機能を持つ端末装置（販売処理装置）から明細を含む保留レシートを発行するようにしている。尚、ここでの売上保留とは、会計が終了する前の売上データ（注文データ）を保存しておく機能であり、クレジット保留とは、特にクレジットカードによる会計が終了する前の売上データ（注文データ）を記憶しておく機能である。
【０００３】
図３は、従来の販売処理装置により発行される保留レシート２００における印字パターンレイアウトを例示した模式図（文献公知に係る発明でないが、サービス産業で導入されている周知なもの）である。
【０００４】
この保留レシート２００は、全ての印字に供される文字及び記号（画面表示部の画面上で確認できる）を横書きとすると共に、縦方向で改行して印字される縦長仕様のものであり、最上段のヘッダ領域には発行元の店名、店舗名並びにその所在地及び連絡先情報（店舗の識別番号を含む）が印字され、中段領域には伝票番号、その明細（図３に示されるものでは飲食の明細及びその会計内容となっている）が印字され、最下段のフッタ領域には保留番号が印字されている。
【０００５】
このうち、フッタ領域には他の印字箇所との対比で視覚的に区別を容易化すべく、識別子を印字するための識別領域が含まれており、ここでは保留番号の前後に識別子としての＊印を所定数並べて印字している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上述した周知の販売処理装置の場合、発行する保留レシートにおける保留番号及びその識別子である＊印を印字した最下段のフッタ領域以外の領域が会計レシートと同様な印字パターンレイアウトとなっており、しかも「保留」という文字が印字されていても、実際にこれが会計レシートではないという直接的且つ明瞭なメッセージが付記されていないため、利用者が一目で瞬間的に会計レシートではないという区別判断を適確に行うことが困難なものとなっていることにより、使用上の不便さが解消され得ないという問題がある他、例えばフッタ領域の保留番号を鋏等で切り取ると会計レシートと全く同様な印字パターンレイアウトとなって双方を区別できなくなって不正使用が可能となり、これを防止するための対策が何等施されていないことにより、基本的に安全性の信頼性が得られないという問題もある。
【０００７】
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、会計レシートとの区別が視覚的に容易に可能であって、不正使用を安全性高く防止できる印字パターンレイアウトを持つ保留レシートを発行可能な販売処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明によれば、売上保留又はクレジット保留を行った際に保留レシートを発行する販売処理装置であって、保留レシートとして、ヘッダ領域に会計レシートでない旨を含む所定のメッセージが追加項目として印字された追加項目領域を有するものを発行する販売処理装置が得られる。
【０００９】
又、本発明によれば、上記販売処理装置において、保留レシートにあっての所定のメッセージは、会計レシートでない旨の前に印字されると共に、利用者向けへの挨拶及び明細を記入している旨が含まれるものとする販売処理装置が得られる。
【００１０】
更に、本発明によれば、上記販売処理装置において、保留レシートにあっての所定のメッセージは、会計レシートでない旨の後に印字されると共に、利用者の支払いによる代金との引き換えでレシートを受け取るべく旨が含まれるものとする販売処理装置が得られる。
【００１１】
加えて、本発明によれば、上記何れか一つの販売処理装置において、保留レシートにあっての追加項目領域には、所定のメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子が印字された識別領域が含まれるものとする販売処理装置が得られる。
【００１２】
一方、本発明によれば、上記販売処理装置において、保留レシートにあっての識別子は、所定のメッセージの前後に印字されると共に、所定数のものが並べられた同じ記号であるとする販売処理装置が得られる。
【００１３】
他方、本発明によれば、上記何れか一つの販売処理装置において、保留レシートにあっての全ての印字に供される文字及び記号を横書きとすると共に、保留レシートを縦方向で改行して印字される縦長仕様であって、最下段のフッタ領域には保留番号が印字されたものであるとする販売処理装置が得られる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明の販売処理装置の場合、保留レシートの発行に際してそのヘッダ領域に持たせた追加項目領域に会計レシートでない旨を含む所定のメッセージを追加項目として印字するようにしている（或いは必要に応じて所定のメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子を印字している）ため、利用者が会計レシートでないことを視覚的に容易に判断できて区別が容易になる他、印字パターンレイアウトが周知の場合とは異なるユニークなものであるため、例えば最下段のフッタ領域に印字された保留番号を鋏等で切り取って不正使用しようとしても、会計レシートとは異なるメッセージ部分が残って使えなくなることにより、従来のような不正使用が安全性高く防止されて信頼性が高められるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
本発明の最良の形態に係る販売処理装置は、店側に設置されて売上保留又はクレジット保留を行った際に保留レシートを発行するものであって、保留レシートとして、ヘッダ領域に会計レシートでない旨を含む所定のメッセージが追加項目として印字された追加項目領域を有するものを発行するものである。
【００１６】
但し、ここでの保留レシートにあっての所定のメッセージは、会計レシートでない旨の前に印字されると共に、利用者向けへの挨拶及び明細を記入している旨と、会計レシートでない旨の後に印字されると共に、利用者の支払いによる代金との引き換えでレシートを受け取るべき旨とを含むものとすることが好ましい。又、このような何れの販売処理装置においても、保留レシートにあっての追加項目領域には、所定のメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子が印字された識別領域が含まれるものとすることが好ましく、更に保留レシートにあっての識別子については、所定のメッセージの前後に印字されると共に、所定数のものが並べられた同じ記号であるとすることが好ましい。加えて、このような何れの販売処理装置においても、保留レシートにあっての全ての印字に供される文字及び記号を横書きとすると共に、保留レシートを縦方向で改行して印字される縦長仕様であって、最下段のフッタ領域には保留番号が印字されたものとすることが好ましい。
【００１７】
以下は、本発明に係る販売処理装置について、実施例を挙げ、図面を参照して具体的に説明する。
【実施例】
【００１８】
図１は、本発明の実施例に係る販売処理装置１０の基本構成を示した機能ブロック図である。
【００１９】
この販売処理装置１０は、操作入力部１１、プリンタ１２、画像表示部１３、ＣＰＵ（プロセッサ）１５、プログラムメモリ１６、画像データメモリ１７、及び注文データメモリ１８を備えて構成される。
【００２０】
このうち、操作入力部１１は、店側の従業員が操作するもので、例えばキーボード、マウス、液晶タッチパネル等が適用されるものである。プリンタ１２は、ＣＰＵ１５の制御により受けた所定の形式、例えばレシート形式のデータをレポートとして印字出力する。画面表示装部１３は、例えば液晶タッチパネルで構成することが好ましいものであり、ＣＰＵ１５の制御により受けた文字データや画像データを画面表示する。
【００２１】
ＣＰＵ１５は、他の各部と接続されると共に、プログラムメモリ１６に予め登録されたプログラムを駆使して各部を制御して販売処理機能を発揮するものである。画像データメモリ１７には、画面表示装部１３に画面表示される所定の画像データが予め登録されており、ＣＰＵ１５により読み出される。注文データメモリ１８には、例えば従業員が顧客から受けた注文をハンディターミナル等の携帯端末装置から注文データとして無線通信で受け、その注文データがＣＰＵ１５の制御により収集記憶されたり、或いは編集記憶される。
【００２２】
即ち、このような構成の販売処理装置では、例えば従業員がハンディターミナルを用いて顧客から受けた注文を注文データとして無線通信し、この注文データをＣＰＵ１５が受けて注文データメモリ１８に記憶するようにする。
【００２３】
こうした状態にあって、顧客から会計要求があると、従業員が操作入力部１１を操作して卓番号等により注文データの中から該当する顧客における注文を抽出して合算することにより、売上保留する。
【００２４】
このとき、売上保留した該当する顧客における注文データを印字した保留レシートをプリンタ１２から印字発行し、該当する顧客へ提示する。そこで、該当する顧客が現金等で会計し、会計が終了するとプリンタ１２から別途に会計レシートを印字発行する。
【００２５】
図２は、上述した販売処理装置により発行される保留レシート１００における印字パターンレイアウトを例示した模式図である。
【００２６】
この保留レシート１００の場合、図２に示した従来の保留レシート２００と比べ、利用者が売上保留やクレジット保留を行いたい場合、ＰＯＳシステムに接続された印字機能を持つ端末装置である販売処理装置における操作入力部１１に備えられた保留ボタンを押下することにより、店側から会計レシートの明細を含むように発行されるものである点と、全ての印字に供される文字及び記号（画面表示部１３の画面上で確認できる）を横書きとすると共に、縦方向で改行して印字される点とは共通するものである。
【００２７】
但し、この保留レシート１００の場合、保留レシート２００よりも一層縦長仕様のものとなっている他、最上段のヘッダ領域には発行元の店名、店舗名並びにその所在地及び連絡先情報（店舗の識別番号を含む）が印字される以外、会計レシートでない旨を含む所定のメッセージを追加項目として印字した追加項目領域１００ａを有している。
【００２８】
この追加項目領域１００ａに追加項目として印字される所定のメッセージは、会計レシートでない旨の前に印字されると共に、利用者向けへの挨拶及び明細を記入している旨と、会計レシートでない旨の後に印字されると共に、利用者の支払いによる代金との引き換えでレシートを受け取るべく旨とを含むもので、具体的には「本日の御来店誠に有難う御座います。御客様の飲食明細は、以下の通りです。こちらは会計レシートではありません。代金と引き換えにレシートをお受け取りくださいませ。」となっている。又、この追加項目領域には、係るメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子としての★印の所定数のもの（後述するフッタ領域に使用するものとは別なもの）を並べて印字した識別領域が含まれており、係るメッセージの前後に印字されている。
【００２９】
因みに、その他の中段領域、最下段のフッタ領域の印字内容は保留レシート２００の場合と同様であり、中段領域には伝票番号、その明細（図２に示されるものでは飲食の明細及びその会計内容となっている）が印字され、最下段のフッタ領域には保留番号が印字されている。
【００３０】
ここでも、フッタ領域には他の印字箇所との対比で視覚的に区別を容易化すべく、識別子を印字するための識別領域が含まれており、ここでは保留番号の前後に識別子としての＊印を所定数並べて印字している。
【００３１】
このような印字パターンレイアウトを持つ保留レシート１００の場合、ヘッダ領域に持たせた追加項目領域１００ａに会計レシートでない旨を含む所定のメッセージが追加項目として印字され、しかも係るメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子としての★印がその前後に印字されているため、会計レシートでないことを視覚的に容易に判断できて区別が容易になる他、印字パターンレイアウトが周知の場合とは異なるため、例えば最下段のフッタ領域に印字された保留番号を鋏等で切り取って不正使用しようとしても、会計レシートとは異なるメッセージ部分が残って使えなくなる。従って、この保留レシート１００の場合には、従来の保留レシート２００では対策できなかった不正使用が安全性高く防止され、信頼性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】本発明の実施例に係る販売処理装置の基本構成を示した機能ブロック図である。
【図２】図１に示す販売処理装置により発行される保留レシートにおける印字パターンレイアウトを例示した模式図である。
【図３】従来の販売処理装置により発行される保留レシートにおける印字パターンレイアウトを例示した模式図である。
【符号の説明】
【００３３】
１０ 販売処理装置
１１ 操作入力部
１２ プリンタ
１３ 画像表示部
１５ ＣＰＵ
１６ プログラムメモリ
１７ 画像データメモリ
１８ 注文データメモリ
１００，２００ 保留レシート
１００ａ 追加項目領域
【技術分野】
【０００１】
本発明は、主として飲食産業等の店側に設置されるＰＯＳ（Ｐｏｉｎｔ ｏｆ ｓａｌｅｓ）システムに接続された印字機能を持つ端末装置であって、詳しくは利用者が売上保留やクレジット保留を行った際、保留レシートとして所定のメッセージを追加項目として印字するための追加項目領域を持たせたものを発行する販売処理装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
近年、飲食産業等のサービス産業では、売上保留やクレジット保留を行った場合にはＰＯＳシステムに接続された印字機能を持つ端末装置（販売処理装置）から明細を含む保留レシートを発行するようにしている。尚、ここでの売上保留とは、会計が終了する前の売上データ（注文データ）を保存しておく機能であり、クレジット保留とは、特にクレジットカードによる会計が終了する前の売上データ（注文データ）を記憶しておく機能である。
【０００３】
図３は、従来の販売処理装置により発行される保留レシート２００における印字パターンレイアウトを例示した模式図（文献公知に係る発明でないが、サービス産業で導入されている周知なもの）である。
【０００４】
この保留レシート２００は、全ての印字に供される文字及び記号（画面表示部の画面上で確認できる）を横書きとすると共に、縦方向で改行して印字される縦長仕様のものであり、最上段のヘッダ領域には発行元の店名、店舗名並びにその所在地及び連絡先情報（店舗の識別番号を含む）が印字され、中段領域には伝票番号、その明細（図３に示されるものでは飲食の明細及びその会計内容となっている）が印字され、最下段のフッタ領域には保留番号が印字されている。
【０００５】
このうち、フッタ領域には他の印字箇所との対比で視覚的に区別を容易化すべく、識別子を印字するための識別領域が含まれており、ここでは保留番号の前後に識別子としての＊印を所定数並べて印字している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
上述した周知の販売処理装置の場合、発行する保留レシートにおける保留番号及びその識別子である＊印を印字した最下段のフッタ領域以外の領域が会計レシートと同様な印字パターンレイアウトとなっており、しかも「保留」という文字が印字されていても、実際にこれが会計レシートではないという直接的且つ明瞭なメッセージが付記されていないため、利用者が一目で瞬間的に会計レシートではないという区別判断を適確に行うことが困難なものとなっていることにより、使用上の不便さが解消され得ないという問題がある他、例えばフッタ領域の保留番号を鋏等で切り取ると会計レシートと全く同様な印字パターンレイアウトとなって双方を区別できなくなって不正使用が可能となり、これを防止するための対策が何等施されていないことにより、基本的に安全性の信頼性が得られないという問題もある。
【０００７】
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、会計レシートとの区別が視覚的に容易に可能であって、不正使用を安全性高く防止できる印字パターンレイアウトを持つ保留レシートを発行可能な販売処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明によれば、売上保留又はクレジット保留を行った際に保留レシートを発行する販売処理装置であって、保留レシートとして、ヘッダ領域に会計レシートでない旨を含む所定のメッセージが追加項目として印字された追加項目領域を有するものを発行する販売処理装置が得られる。
【０００９】
又、本発明によれば、上記販売処理装置において、保留レシートにあっての所定のメッセージは、会計レシートでない旨の前に印字されると共に、利用者向けへの挨拶及び明細を記入している旨が含まれるものとする販売処理装置が得られる。
【００１０】
更に、本発明によれば、上記販売処理装置において、保留レシートにあっての所定のメッセージは、会計レシートでない旨の後に印字されると共に、利用者の支払いによる代金との引き換えでレシートを受け取るべく旨が含まれるものとする販売処理装置が得られる。
【００１１】
加えて、本発明によれば、上記何れか一つの販売処理装置において、保留レシートにあっての追加項目領域には、所定のメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子が印字された識別領域が含まれるものとする販売処理装置が得られる。
【００１２】
一方、本発明によれば、上記販売処理装置において、保留レシートにあっての識別子は、所定のメッセージの前後に印字されると共に、所定数のものが並べられた同じ記号であるとする販売処理装置が得られる。
【００１３】
他方、本発明によれば、上記何れか一つの販売処理装置において、保留レシートにあっての全ての印字に供される文字及び記号を横書きとすると共に、保留レシートを縦方向で改行して印字される縦長仕様であって、最下段のフッタ領域には保留番号が印字されたものであるとする販売処理装置が得られる。
【発明の効果】
【００１４】
本発明の販売処理装置の場合、保留レシートの発行に際してそのヘッダ領域に持たせた追加項目領域に会計レシートでない旨を含む所定のメッセージを追加項目として印字するようにしている（或いは必要に応じて所定のメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子を印字している）ため、利用者が会計レシートでないことを視覚的に容易に判断できて区別が容易になる他、印字パターンレイアウトが周知の場合とは異なるユニークなものであるため、例えば最下段のフッタ領域に印字された保留番号を鋏等で切り取って不正使用しようとしても、会計レシートとは異なるメッセージ部分が残って使えなくなることにより、従来のような不正使用が安全性高く防止されて信頼性が高められるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１５】
本発明の最良の形態に係る販売処理装置は、店側に設置されて売上保留又はクレジット保留を行った際に保留レシートを発行するものであって、保留レシートとして、ヘッダ領域に会計レシートでない旨を含む所定のメッセージが追加項目として印字された追加項目領域を有するものを発行するものである。
【００１６】
但し、ここでの保留レシートにあっての所定のメッセージは、会計レシートでない旨の前に印字されると共に、利用者向けへの挨拶及び明細を記入している旨と、会計レシートでない旨の後に印字されると共に、利用者の支払いによる代金との引き換えでレシートを受け取るべき旨とを含むものとすることが好ましい。又、このような何れの販売処理装置においても、保留レシートにあっての追加項目領域には、所定のメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子が印字された識別領域が含まれるものとすることが好ましく、更に保留レシートにあっての識別子については、所定のメッセージの前後に印字されると共に、所定数のものが並べられた同じ記号であるとすることが好ましい。加えて、このような何れの販売処理装置においても、保留レシートにあっての全ての印字に供される文字及び記号を横書きとすると共に、保留レシートを縦方向で改行して印字される縦長仕様であって、最下段のフッタ領域には保留番号が印字されたものとすることが好ましい。
【００１７】
以下は、本発明に係る販売処理装置について、実施例を挙げ、図面を参照して具体的に説明する。
【実施例】
【００１８】
図１は、本発明の実施例に係る販売処理装置１０の基本構成を示した機能ブロック図である。
【００１９】
この販売処理装置１０は、操作入力部１１、プリンタ１２、画像表示部１３、ＣＰＵ（プロセッサ）１５、プログラムメモリ１６、画像データメモリ１７、及び注文データメモリ１８を備えて構成される。
【００２０】
このうち、操作入力部１１は、店側の従業員が操作するもので、例えばキーボード、マウス、液晶タッチパネル等が適用されるものである。プリンタ１２は、ＣＰＵ１５の制御により受けた所定の形式、例えばレシート形式のデータをレポートとして印字出力する。画面表示装部１３は、例えば液晶タッチパネルで構成することが好ましいものであり、ＣＰＵ１５の制御により受けた文字データや画像データを画面表示する。
【００２１】
ＣＰＵ１５は、他の各部と接続されると共に、プログラムメモリ１６に予め登録されたプログラムを駆使して各部を制御して販売処理機能を発揮するものである。画像データメモリ１７には、画面表示装部１３に画面表示される所定の画像データが予め登録されており、ＣＰＵ１５により読み出される。注文データメモリ１８には、例えば従業員が顧客から受けた注文をハンディターミナル等の携帯端末装置から注文データとして無線通信で受け、その注文データがＣＰＵ１５の制御により収集記憶されたり、或いは編集記憶される。
【００２２】
即ち、このような構成の販売処理装置では、例えば従業員がハンディターミナルを用いて顧客から受けた注文を注文データとして無線通信し、この注文データをＣＰＵ１５が受けて注文データメモリ１８に記憶するようにする。
【００２３】
こうした状態にあって、顧客から会計要求があると、従業員が操作入力部１１を操作して卓番号等により注文データの中から該当する顧客における注文を抽出して合算することにより、売上保留する。
【００２４】
このとき、売上保留した該当する顧客における注文データを印字した保留レシートをプリンタ１２から印字発行し、該当する顧客へ提示する。そこで、該当する顧客が現金等で会計し、会計が終了するとプリンタ１２から別途に会計レシートを印字発行する。
【００２５】
図２は、上述した販売処理装置により発行される保留レシート１００における印字パターンレイアウトを例示した模式図である。
【００２６】
この保留レシート１００の場合、図２に示した従来の保留レシート２００と比べ、利用者が売上保留やクレジット保留を行いたい場合、ＰＯＳシステムに接続された印字機能を持つ端末装置である販売処理装置における操作入力部１１に備えられた保留ボタンを押下することにより、店側から会計レシートの明細を含むように発行されるものである点と、全ての印字に供される文字及び記号（画面表示部１３の画面上で確認できる）を横書きとすると共に、縦方向で改行して印字される点とは共通するものである。
【００２７】
但し、この保留レシート１００の場合、保留レシート２００よりも一層縦長仕様のものとなっている他、最上段のヘッダ領域には発行元の店名、店舗名並びにその所在地及び連絡先情報（店舗の識別番号を含む）が印字される以外、会計レシートでない旨を含む所定のメッセージを追加項目として印字した追加項目領域１００ａを有している。
【００２８】
この追加項目領域１００ａに追加項目として印字される所定のメッセージは、会計レシートでない旨の前に印字されると共に、利用者向けへの挨拶及び明細を記入している旨と、会計レシートでない旨の後に印字されると共に、利用者の支払いによる代金との引き換えでレシートを受け取るべく旨とを含むもので、具体的には「本日の御来店誠に有難う御座います。御客様の飲食明細は、以下の通りです。こちらは会計レシートではありません。代金と引き換えにレシートをお受け取りくださいませ。」となっている。又、この追加項目領域には、係るメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子としての★印の所定数のもの（後述するフッタ領域に使用するものとは別なもの）を並べて印字した識別領域が含まれており、係るメッセージの前後に印字されている。
【００２９】
因みに、その他の中段領域、最下段のフッタ領域の印字内容は保留レシート２００の場合と同様であり、中段領域には伝票番号、その明細（図２に示されるものでは飲食の明細及びその会計内容となっている）が印字され、最下段のフッタ領域には保留番号が印字されている。
【００３０】
ここでも、フッタ領域には他の印字箇所との対比で視覚的に区別を容易化すべく、識別子を印字するための識別領域が含まれており、ここでは保留番号の前後に識別子としての＊印を所定数並べて印字している。
【００３１】
このような印字パターンレイアウトを持つ保留レシート１００の場合、ヘッダ領域に持たせた追加項目領域１００ａに会計レシートでない旨を含む所定のメッセージが追加項目として印字され、しかも係るメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子としての★印がその前後に印字されているため、会計レシートでないことを視覚的に容易に判断できて区別が容易になる他、印字パターンレイアウトが周知の場合とは異なるため、例えば最下段のフッタ領域に印字された保留番号を鋏等で切り取って不正使用しようとしても、会計レシートとは異なるメッセージ部分が残って使えなくなる。従って、この保留レシート１００の場合には、従来の保留レシート２００では対策できなかった不正使用が安全性高く防止され、信頼性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【００３２】
【図１】本発明の実施例に係る販売処理装置の基本構成を示した機能ブロック図である。
【図２】図１に示す販売処理装置により発行される保留レシートにおける印字パターンレイアウトを例示した模式図である。
【図３】従来の販売処理装置により発行される保留レシートにおける印字パターンレイアウトを例示した模式図である。
【符号の説明】
【００３３】
１０ 販売処理装置
１１ 操作入力部
１２ プリンタ
１３ 画像表示部
１５ ＣＰＵ
１６ プログラムメモリ
１７ 画像データメモリ
１８ 注文データメモリ
１００，２００ 保留レシート
１００ａ 追加項目領域
【特許請求の範囲】
【請求項１】
売上保留又はクレジット保留を行った際に保留レシートを発行する販売処理装置であって、前記保留レシートとして、ヘッダ領域に会計レシートでない旨を含む所定のメッセージが追加項目として印字された追加項目領域を有するものを発行することを特徴とする販売処理装置。
【請求項２】
請求項１記載の販売処理装置において、前記保留レシートにあっての前記所定のメッセージは、前記会計レシートでない旨の前に印字されると共に、利用者向けへの挨拶及び明細を記入している旨が含まれるものとすることを特徴とする販売処理装置。
【請求項３】
請求項１又は２記載の販売処理装置において、前記保留レシートにあっての前記所定のメッセージは、前記会計レシートでない旨の後に印字されると共に、利用者の支払いによる代金との引き換えでレシートを受け取るべく旨が含まれるものとすることを特徴とする販売処理装置。
【請求項４】
請求項１〜３の何れか一つに記載の販売処理装置において、前記保留レシートにあっての前記追加項目領域には、前記所定のメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子が印字された識別領域が含まれるものとすることを特徴とする販売処理装置。
【請求項５】
請求項４記載の販売処理装置において、前記保留レシートにあっての前記識別子は、前記所定のメッセージの前後に印字されると共に、所定数のものが並べられた同じ記号であるとすることを特徴とする販売処理装置。
【請求項６】
請求項１〜５の何れか一つに記載の販売処理装置において、前記保留レシートにあっての全ての印字に供される文字及び記号を横書きとすると共に、該保留レシートを縦方向で改行して印字される縦長仕様であって、最下段のフッタ領域には保留番号が印字されたものとすることを特徴とする販売処理装置。
【請求項１】
売上保留又はクレジット保留を行った際に保留レシートを発行する販売処理装置であって、前記保留レシートとして、ヘッダ領域に会計レシートでない旨を含む所定のメッセージが追加項目として印字された追加項目領域を有するものを発行することを特徴とする販売処理装置。
【請求項２】
請求項１記載の販売処理装置において、前記保留レシートにあっての前記所定のメッセージは、前記会計レシートでない旨の前に印字されると共に、利用者向けへの挨拶及び明細を記入している旨が含まれるものとすることを特徴とする販売処理装置。
【請求項３】
請求項１又は２記載の販売処理装置において、前記保留レシートにあっての前記所定のメッセージは、前記会計レシートでない旨の後に印字されると共に、利用者の支払いによる代金との引き換えでレシートを受け取るべく旨が含まれるものとすることを特徴とする販売処理装置。
【請求項４】
請求項１〜３の何れか一つに記載の販売処理装置において、前記保留レシートにあっての前記追加項目領域には、前記所定のメッセージを他の印字箇所との対比で視覚的に区別するための識別子が印字された識別領域が含まれるものとすることを特徴とする販売処理装置。
【請求項５】
請求項４記載の販売処理装置において、前記保留レシートにあっての前記識別子は、前記所定のメッセージの前後に印字されると共に、所定数のものが並べられた同じ記号であるとすることを特徴とする販売処理装置。
【請求項６】
請求項１〜５の何れか一つに記載の販売処理装置において、前記保留レシートにあっての全ての印字に供される文字及び記号を横書きとすると共に、該保留レシートを縦方向で改行して印字される縦長仕様であって、最下段のフッタ領域には保留番号が印字されたものとすることを特徴とする販売処理装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００７−１８３８６１（Ｐ２００７−１８３８６１Ａ）
【公開日】平成１９年７月１９日（２００７．７．１９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２３０４（Ｐ２００６−２３０４）
【出願日】平成１８年１月１０日（２００６．１．１０）
【出願人】（０００２２７２０５）ＮＥＣインフロンティア株式会社 (1,047)
【出願人】（３９７０１２１８５）株式会社モンテローザ (8)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年７月１９日（２００７．７．１９）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１月１０日（２００６．１．１０）
【出願人】（０００２２７２０５）ＮＥＣインフロンティア株式会社 (1,047)
【出願人】（３９７０１２１８５）株式会社モンテローザ (8)
【Ｆターム（参考）】
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