販売支援装置、販売支援システム、商品カートおよび販売支援方法
【課題】店員が商品を収集する小売形態にて、商品販売を効率的に支援すること。
【解決手段】受信部1bは、管理装置2から取引開始指示を受信すると、管理装置から収集対象商品を示す商品入力情報の受信を開始し、受信した商品入力情報を収集商品情報記憶部1aに格納する。店員識別情報受付部1cは、受信部1bが取引開始指示を受信すると、店員識別情報の受け付けを待受ける。商品登録処理部1dは、店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、収集対象の商品リストを表示装置3に表示させ、収集商品情報記憶部1aに記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける。送信部1eは、店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、商品の登録開始通知を管理装置2に送信し、全商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置2に送信する。
【解決手段】受信部1bは、管理装置2から取引開始指示を受信すると、管理装置から収集対象商品を示す商品入力情報の受信を開始し、受信した商品入力情報を収集商品情報記憶部1aに格納する。店員識別情報受付部1cは、受信部1bが取引開始指示を受信すると、店員識別情報の受け付けを待受ける。商品登録処理部1dは、店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、収集対象の商品リストを表示装置3に表示させ、収集商品情報記憶部1aに記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける。送信部1eは、店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、商品の登録開始通知を管理装置2に送信し、全商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置2に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は商品の販売を支援する販売支援装置、販売支援システム、商品カートおよび販売支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売業者による商品の販売形態として、店舗に商品を陳列しておき、顧客が所望する商品を自身で選択して買物カート等に投入して店員の待機するカウンタへ持ち込み、会計を行う方法がある。
【0003】
このような販売形態を採る店舗では、POS(Point Of Sales)システムを用いて商品の売上実績を管理する。例えば、店員の待機するカウンタにはPOSレジスタと呼ばれる端末装置が設置される。POSレジスタは、顧客が持ち込んだ商品の情報(例えば、バーコード情報)を読み取って、店舗内の複数のPOSレジスタの情報を管理するPOS管理サーバに登録する。POS管理サーバは、複数のPOSレジスタから登録された情報を集約して店舗内の商品の売上実績を取得する。
【0004】
しかし、顧客に商品を選択させる場合、会計レジで会計待ちの顧客の待ち行列が発生する、商品を未清算のまま店外に持ち出される、という問題がある。これに対し、顧客が商品を買物カート等に投入する際に販売情報の登録を可能として、会計時の所要時間の短縮化および取り出し商品の管理を行うことで、待ち行列の改善および商品の未清算持ち出しの防止を図る方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、顧客が商品をカウンタまで持ち運ぶ動作を解消するために、顧客の選択した商品を自動集配装置により自動的に集配する方法が考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−097382号公報
【特許文献2】特開平08−166992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、現状の店舗では、多数の顧客が商品の陳列エリアを移動して商品の選択を行う。このため、怪我、病気および障害などで体が不自由であるために陳列エリアの移動が困難な顧客にとっては、買物に多大な労力を要するという問題がある。これに対し、体の不自由な顧客に対しても現状の店舗において効率的に商品の販売を可能とする環境が望まれている。
【0008】
このために、例えば顧客の代わりに店員が顧客の所望する商品の収集を行って、顧客に引き渡し可能とすることが考えられる。その場合、例えば店員が顧客の所望する商品を適正に把握して、それらの商品の収集を効率的に行えることが望ましい。また、例えば商品の収集を待機する顧客に対して待ちによるストレスを与えないように、その収集状況を的確に把握可能とすることが望ましい。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、店員が商品を収集する小売形態にて、商品販売を効率的に支援することができる販売支援装置、販売支援システム、商品カートおよび販売支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では上記課題を解決するために、販売支援装置が提供される。この販売支援装置は、受信部、店員識別情報受付部、商品登録処理部および送信部を有する。受信部は、管理装置から取引開始指示を受信すると、管理装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報の受信を開始し、順次受信した商品入力情報を管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する。店員識別情報受付部は、受信部が取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける。商品登録処理部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に基づいて、収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける。送信部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を管理装置に送信し、商品登録処理部が収集商品情報記憶部に記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置に送信する。
【0011】
また、上記課題を解決するために、販売支援システムが提供される。この販売支援システムは、管理装置と販売支援装置とを有する。管理装置は、第1の受信部、資源運用管理部および第1の送信部を備える。第1の受信部は、顧客端末装置収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報を受信すると、受信した商品入力情報を取引の内容を識別するための所定の取引識別情報に対応付けて取引管理情報記憶部に格納する。資源運用管理部は、複数の取引識別情報それぞれにつき取引の対応を行うための店員と収集対象の商品を投入するための収納物との割当を行う。第1の送信部は、資源運用管理部による割当結果に基づいて、割当てられた店員が所持する店員端末装置と収納物に設置された販売支援装置とに取引開始指示を送信し、取引管理情報記憶部に記憶された商品入力情報を販売支援装置に順次送信する。販売支援装置は、第2の受信部、店員識別情報受付部、商品登録処理部および第2の送信部を備える。第2の受信部は、管理装置から取引開始指示を受信すると、管理装置から商品入力情報の受信を開始し、順次受信した商品入力情報を管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する。店員識別情報受付部は、受信部が取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける。商品登録処理部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に基づいて、収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける。第2の送信部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を管理装置に送信し、商品登録処理部が収集商品情報記憶部に記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置に送信する。
【0012】
また、上記課題を解決するために、商品を収納する商品カートが提供される。この商品カートは、受信部、店員識別情報受付部、商品登録処理部および送信部を有する。受信部は、管理装置から取引開始指示を受信すると、管理装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報の受信を開始し、順次受信した商品入力情報を管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する。店員識別情報受付部は、受信部が取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける。商品登録処理部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に基づいて、収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける。送信部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を管理装置に送信し、商品登録処理部が収集商品情報記憶部に記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置に送信する。
【0013】
また、上記課題を解決するために、上記販売支援装置と同様の処理を行う販売支援方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
上記販売支援装置、販売支援システム、商品カートおよび販売支援方法によれば、店員が商品を収集する小売形態にて、商品販売を効率的に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係る販売支援装置を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に係る販売支援システムを示す図である。
【図3】顧客端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】カート端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【図5】顧客端末装置に機能構成を示す図である。
【図6】管理サーバの機能構成を示す図である。
【図7】カート端末装置の機能構成を示す図である。
【図8】商品マスタのデータ構造例を示す図である。
【図9】商品入力管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図10】取引管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図11】カート端末装置管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図12】店員管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図13】収集対象商品管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図14】取引テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図15】店員用商品登録画面の構成例を示す図である。
【図16】各装置で実行する処理の関係を示す図である。
【図17】顧客端末装置の商品入力処理を示すフローチャートである。
【図18】管理サーバの資源割当処理を示すフローチャートである。
【図19】管理サーバの商品情報受付処理を示すフローチャートである。
【図20】カート端末装置の収集商品情報受信処理を示すフローチャートである。
【図21】カート端末装置の商品登録処理を示すフローチャートである。
【図22】管理サーバのカート管理処理を示すフローチャートである。
【図23】管理サーバの取引情報復元処理を示すフローチャートである。
【図24】顧客端末装置の会計処理を示すフローチャートである。
【図25】取引処理の流れの第1の具体例を示すシーケンス図である。
【図26】取引処理の流れの第1の具体例を示すシーケンス図である。
【図27】取引処理の流れの第2の具体例を示すシーケンス図である。
【図28】取引処理の流れの第2の具体例を示すシーケンス図である。
【図29】商品選択用操作画面の表示例を示す図である。
【図30】店員用商品登録画面の第1の表示例を示す図である。
【図31】設置場所入力ウィンドウの表示例を示す図である。
【図32】店員用商品登録画面の第2の表示例を示す図である。
【図33】店員用商品登録画面の第3の表示例を示す図である。
【図34】店員用商品登録画面の第4の表示例を示す図である。
【図35】店員用商品登録画面の第5の表示例を示す図である。
【図36】店員用商品登録画面の第6の表示例を示す図である。
【図37】店員用商品登録画面の第7の表示例を示す図である。
【図38】店員用商品登録画面の第8の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る販売支援装置を示す図である。販売支援装置1は、管理装置2とネットワークを介して接続される。また、販売支援装置1は表示装置3と接続される。
【0017】
販売支援装置1は、収集商品情報記憶部1a、受信部1b、店員識別情報受付部1c、商品登録処理部1dおよび送信部1eを有する。
収集商品情報記憶部1aは、収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報を記憶する。
【0018】
商品入力情報は、管理装置2から送信される。管理装置2は、例えば顧客が商品の選択操作を行うための顧客端末装置から顧客が購入を所望する商品の選択入力を受け付け、商品入力情報を生成する。そして、管理装置2は、商品入力情報を管理装置2が備える記憶部に格納して管理すると共に、販売支援装置1に送信する。
【0019】
受信部1bは、管理装置2から取引開始指示を受信すると、管理装置2から商品入力情報の受信を開始する。受信部1bは、順次受信した商品入力情報を管理装置2から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部1aに格納する。
【0020】
入力完了通知は、顧客が商品の選択入力を完了した旨を通知するための情報である。管理装置2は、例えば顧客端末装置から入力完了の操作入力を受け付けると、入力完了通知を生成して販売支援装置1に送信する。
【0021】
店員識別情報受付部1cは、受信部1bが取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける。
店員識別情報は、店舗の店員に予め付与される。店員識別情報受付部1cは、例えば店員が所有する識別カードに付されたバーコードやIC(Integrated Circuit)タグを読み取ることで店員識別情報を受け付けることが考えられる。また、店員が入力装置から入力した店員識別情報を受け付けることが考えられる。
【0022】
商品登録処理部1dは、店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、収集商品情報記憶部1aに記憶された商品入力情報に基づいて、収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、収集商品情報記憶部1aに記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける。
【0023】
送信部1eは、店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を管理装置2に送信する。また、送信部1eは、商品登録処理部1dが収集商品情報記憶部1aに記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置2に送信する。
【0024】
販売支援装置1によれば、受信部1bにより、管理装置2から取引開始指示が受信されると、管理装置2からの商品入力情報の受信が開始される。受信部1bにより、順次受信した商品入力情報が、管理装置2から入力完了通知が受信されるまで、収集商品情報記憶部1aに格納される。受信部1bが取引開始指示を受信すると、店員識別情報受付部1cにより、店員識別情報の受け付けが待受けられる。店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、商品登録処理部1dにより、収集商品情報記憶部1aに記憶された商品入力情報に基づいて商品リストが表示装置に表示され、収集商品情報記憶部1aに記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けが待受けられる。また、店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、送信部1eにより、収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知が管理装置2に送信される。また、商品登録処理部1dが収集商品情報記憶部1aに記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、送信部1eにより、商品登録の完了が検知されると、登録完了通知が管理装置2に送信される。
【0025】
これにより、店員が商品を収集する小売形態にて、商品販売を効率的に支援することができる。具体的には、販売支援装置1は受信した商品入力情報に基づいて、収集対象の商品リストを表示装置3に表示させる。このため、店員は表示装置3に表示された商品リストを目視することでどの商品を収集すべきかを確認することができる。また、販売支援装置1は、入力完了通知の受信後、収集商品情報記憶部1aに記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置2に送信する。このため、管理装置2では販売支援装置1を用いた店員による商品の収集作業が完了したか否かを的確に判断することができる。その結果、管理装置2は、例えば店員の収集作業の状況を待機中の顧客に通知する等の対応を行うことができる。
【0026】
以下の実施の形態では、販売支援装置1を小売業者の店舗において使用する場合を例に採り、より具体的に説明する。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態に係る販売支援システムを示す図である。この販売支援システムは、小売業者の店舗に設けられる。この販売支援システムは、顧客端末装置100,100a、管理サーバ200、カート端末装置300,300a,300bおよび店員端末装置400,400aを有する。
【0027】
顧客端末装置100,100aは、顧客50が購入対象とする商品を選択するための端末装置である。
管理サーバ200は、店舗内の売上実績や顧客50が顧客端末装置100,100aで選択した商品の内訳情報などを管理するサーバ装置である。
【0028】
顧客端末装置100,100aおよび管理サーバ200は、ネットワーク10を介して接続される。
カート端末装置300,300a,300bは、カート30,30a,30bに設けられる。カート30,30a,30bは、店員40,40aが商品を買物カゴに投入して運搬するための収納物である。カート30cは、顧客50が選択した全ての商品を収集済みのカートを示している。カート30cにもカート30,30a,30bと同様にカート端末装置が設けられている。
【0029】
例えば、店員40はカート30に設けた買物カゴにカート端末装置300が指示する商品を投入して運搬する。
また、例えば店員40aは全ての商品の投入が完了したカート30cを顧客50の待機する顧客端末装置100へ届け、顧客50への商品の受渡を行う。そして、顧客50は顧客端末装置100を用いて、店員40aから受け取った商品の会計を行う。
【0030】
また、例えば商品の収集の依頼がない場合には、カート30a,30bは所定の設置場所に配置されるか、あるいは、店員40,40aにより陳列エリア60内を巡回するようにする。設置場所では、カート端末装置300a,300b用のバッテリの充電を行う。
【0031】
ここで、カート端末装置300,300a,300bは、第1の実施の形態の販売支援装置1の一例である。
店員端末装置400,400aは、店員40,40aが所持する携帯端末装置である。店員端末装置400,400aは、管理サーバ200から商品集配の作業指示を受信すると、その旨を店員40,40aに通知する。通知の方法は、例えば店員端末装置400,400aが備える表示画面への文字列の表示、音声の出力および装置筐体の振動、あるいはこれらの組み合わせによって行うことが考えられる。通知される情報には、例えば店員40,40aが操作すべきカートを通知するための情報が含まれる。
【0032】
また、カート端末装置300,300a,300bは、顧客端末装置100,100aおよび管理サーバ200とネットワーク10および無線通信装置20,20a,20bを介して接続される。また、店員端末装置400,400aは、顧客端末装置100,100aおよび管理サーバ200とネットワーク10および無線通信装置20,20a,20bを介して接続される。
【0033】
ここで、無線通信装置20,20a,20bはネットワーク10に接続された無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントである。ただし、無線通信装置20a,20bとネットワーク10との関連線は図示を省略している。
【0034】
無線通信装置20,20a,20bは、店舗内の商品を陳列する領域である陳列エリア60内の全域を通信可能領域としてカバーするよう配置されている。すなわち、カート端末装置300,300a,300bおよび店員端末装置400,400aは、陳列エリア60の全域で無線通信装置20,20a,20bを介してネットワーク10に接続可能である。
【0035】
なお、カートおよびカート端末装置は、図示した以外にも更に複数存在するものとする。また、店員および店員端末装置は、図示した以外にも更に複数存在するものとする。また、顧客端末装置は、図示した以外にも更に複数存在するものとする。
【0036】
図3は、顧客端末装置のハードウェア構成を示す図である。顧客端末装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、NVRAM(Non Volatile RAM)103、表示処理部104、ディスプレイ104a、入出力処理部105、タッチパネル105a、重量計測部105b、ICカード読取部105c、伝票発行/読取部105dおよび通信処理部106を有する。
【0037】
CPU101は、顧客端末装置100全体を制御する。
RAM102は、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションという)のプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM102は、CPU101による処理に必要な各種データを記憶する。
【0038】
NVRAM103は、CPU101が実行するプログラムや処理に用いるデータを記憶する不揮発性のメモリである。このような記憶部として、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などを用いることができる。
【0039】
表示処理部104は、ディスプレイ104aと接続される。表示処理部104は、CPU101からの命令にしたがって画像をディスプレイ104aに表示させる。
ディスプレイ104aは、各種画像を表示する。ディスプレイ104aは、タッチパネル105aの下層に位置している。ディスプレイ104aの表示する画像は、タッチパネル105aを透過して、タッチパネル105aの上から視認可能である。顧客は、ディスプレイ104aによって表示された画像を見ながら、タッチパネル105aに対するタッチ操作を行える。
【0040】
入出力処理部105は、タッチパネル105a、重量計測部105b、ICカード読取部105cおよび伝票発行/読取部105dに接続される。入出力処理部105は、タッチパネル105aに対するタッチ操作があると、現在のタッチ位置の座標を示す信号をCPU101に出力する。また、入出力処理部105は、重量計測部105bが備える秤に商品が載置されると、その商品の重量の計測結果をCPU101に出力する。また、入出力処理部105は、ICカード読取部105cが備えるカード挿入口に顧客50が所有するICカードが挿入されると、ICカードに記憶された顧客の識別情報(顧客識別情報)をCPU101に出力する。また、入出力処理部105は、CPU101からの指示にしたがって、伝票発行/読取部105dにより顧客50に対して取引の内容を示す所定の伝票を発行させる。また、入出力処理部105は、伝票発行/読取部105dが備える挿入口に顧客50が所有する伝票が挿入されると、伝票に記憶された取引の識別情報(取引識別情報)をCPU101に出力する。
【0041】
タッチパネル105aは、顧客50のタッチ操作を受け付ける。
重量計測部105bは、商品を載置するための秤を備えており、載置された商品の重量を計測する。秤には、例えば顧客50が商品の持ち帰り用の買物袋に商品を袋詰めする際に、袋詰めされた商品が載置される。
【0042】
ICカード読取部105cは、顧客50の所有するICカードを挿入するための挿入口を備えており、挿入されたICカードに記憶された顧客識別情報を読み取る。
伝票発行/読取部105dは、伝票の発行を行う。伝票発行/読取部105dは、伝票の排出および顧客50の所有する発行済の伝票を挿入するための挿入口を備えている。伝票発行/読取部105dは、挿入口に伝票が挿入されると伝票に記憶された取引識別情報を読み取る。
【0043】
通信処理部106は、ネットワーク10と接続される。通信処理部106は、ネットワーク10を介して、管理サーバ200との間でデータ通信を行う。
なお、他の顧客端末装置についても顧客端末装置100と同様のハードウェア構成により実現できる。
【0044】
また、管理サーバ200についても顧客端末装置100と同様のハードウェア構成により実現できる。ただし、重量計測部105b、ICカード読取部105cおよび伝票発行/読取部105dなど、不要な機能がある場合にはそれらの機能を省略することが考えられる。
【0045】
図4は、カート端末装置のハードウェア構成を示す図である。カート端末装置300は、CPU301、RAM302、NVRAM303、表示処理部304、ディスプレイ304a、入力処理部305、タッチパネル305a、バーコード読取部305bおよび無線通信部306を有する。
【0046】
CPU301、RAM302、NVRAM303、表示処理部304、ディスプレイ304aおよびタッチパネル305aは、図3で説明した顧客端末装置100におけるCPU101、RAM102、NVRAM103、表示処理部104、ディスプレイ104aおよびタッチパネル105aに対応する。
【0047】
入力処理部305は、タッチパネル305aおよびバーコード読取部305bと接続される。入力処理部305は、タッチパネル305aに対するタッチ操作があると、現在のタッチ位置の座標を示す信号をCPU301に出力する。また、入力処理部305は、バーコード読取部305bがバーコードの読取を行うと、読取結果をCPU310に出力する。
【0048】
バーコード読取部305bは、商品に付されたバーコードを読み取り、商品の識別情報を含む各種情報を取得する。なお、商品に付された無線タグの読み取りを行えるように、無線タグ読取部を更に備えていても良い。
【0049】
無線通信部306は、無線通信装置20を介して管理サーバ200との間でデータ通信を行う。
また、カート端末装置300には、カート端末装置300の各部を動作させるための電力を供給するバッテリ70が接続されている。バッテリ70は充電可能な電池である。CPU301は、バッテリ70に蓄えられている電力容量を監視する。
【0050】
なお、他のカート端末装置についてもカート端末装置300と同様のハードウェア構成により実現できる。
更に、店員端末装置についてもカート端末装置300と同様のハードウェア構成により実現することができる。
【0051】
図5は、顧客端末装置に機能構成を示す図である。顧客端末装置100は、商品入力操作受付部110、商品明細復元受付部120、会計処理部130および重量チェック処理部140を有する。これらの機能は、CPU101が所定のプログラムを実行することで実現される。また、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0052】
商品入力操作受付部110は、顧客50による商品入力の開始(取引開始)の操作を受け付ける。例えば、ディスプレイ104aには顧客50による取引開始の操作を受け付ける取引開始ボタンが表示される。そして、商品入力操作受付部110は、タッチパネル105aにより顧客50の取引開始ボタンを選択するタッチ操作が検出された場合に、取引開始の操作を受け付ける。このとき、商品入力操作受付部110は、ICカード読取部105cが顧客50の所有するICカードから顧客識別情報を読み取ると取引開始と共に顧客識別情報を受け付ける。また、商品入力操作受付部110はキー入力により顧客識別情報を受け付けることもできる。
【0053】
商品入力操作受付部110は、取引開始の操作を受け付けると、取引開始通知を管理サーバ200に通知する。商品入力操作受付部110は、顧客識別情報を取得している場合、取引開始通知に顧客識別情報を含める。
【0054】
商品入力操作受付部110は、取引開始の操作受付後、顧客50による商品の入力を受け付ける。商品入力操作受付部110は、例えば顧客50に商品の検索画面を提供する。商品の検索画面に表示する情報は管理サーバ200から取得することができる。商品入力操作受付部110は、入力された商品の情報を管理サーバ200に送信する。
【0055】
商品明細復元受付部120は、入力済の取引の内容を顧客端末装置100上に復元する。商品明細復元受付部120の機能は、例えば顧客50がオーダー完了後に退席する場合、その後の商品受取の際にオーダーの内容を復元して適切に会計処理を行うために用いることができる。例えば、ディスプレイ104aには顧客50による商品受取の操作を受け付ける商品受取ボタンが表示される。商品明細復元受付部120は、タッチパネル105aにより顧客50の商品受取ボタンを選択するタッチ操作を検出し、ICカード読取部105cが顧客50のICカードを読み取った際に、受付済の取引が存在した場合に、顧客識別情報を含む明細復元依頼を管理サーバ200に送信する。あるいは、商品明細復元受付部120は、例えば顧客50に対してオーダー受付後に発行した伝票を伝票発行/読取部105dが読み取って取引識別情報を取得した場合に、取引識別情報を含む明細復元依頼を管理サーバ200に送信する。
【0056】
会計処理部130は、商品入力操作受付部110が受け付けた商品の会計処理を行う。会計処理部130は、入力された商品の金額等、会計に必要な情報は管理サーバ200から取得することができる。会計処理部130は、商品の売上実績を管理サーバ200に送信する。
【0057】
重量チェック処理部140は、顧客50が買い上げた商品の重量計測部105bによる重量計測の結果を取得する。そして、重量チェック処理部140は、その重量が該当の商品について予め登録された重量と一定の誤差の範囲内で等しいか否かを判定する(重量チェック)。なお、商品ごとの重量は管理サーバ200に予め登録される。重量チェック処理部140は、オーダーに含まれる商品の重量を管理サーバ200から取得することができる。重量チェック処理部140は、オーダーに含まれる商品が複数ある場合には、複数の商品の合計について重量を計測し、登録された複数の商品の合計の重量と比較して重量チェックを行う。重量チェックにより、オーダーのあった商品とは異なる商品が未会計のまま持ち帰られることを防止できる。
【0058】
なお、他の顧客端末装置についても顧客端末装置100と同様の機能構成により実現できる。
図6は、管理サーバの機能構成を示す図である。管理サーバ200は、商品マスタ記憶部210、取引管理情報記憶部220、運用管理情報記憶部230、販売情報記憶部240、顧客端末側処理部250およびカート端末側処理部260を有する。これらの機能は、管理サーバ200が備えるCPUが所定のプログラムを実行することで実現される。また、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0059】
商品マスタ記憶部210は、商品マスタを記憶する。商品マスタには、商品の識別情報に対応付けて、商品に関する各種情報が予め登録される。
取引管理情報記憶部220は、顧客50がオーダーした取引の内容を示す取引管理情報が記憶される。取引管理情報には、オーダーを受け付けた顧客端末装置100の識別情報や、オーダーを受けた商品の収集を行うために割当てられたカートの識別情報および店員の識別情報(店員識別情報)が含まれる。また、取引管理情報記憶部220には、顧客50による選択を受け付けた商品入力情報が登録される。
【0060】
運用管理情報記憶部230は、カートや店員等の店舗の運用資源を管理するための運用管理情報を記憶する。運用管理情報には、店舗に存在するカートおよびカートに対応付けられたカート端末装置を管理するためのカート端末装置管理情報が含まれる。また、運用管理情報には、店舗に存在する店員を管理するための店員管理情報が含まれる。
【0061】
販売情報記憶部240は、店舗における売上実績を示す販売情報を記憶する。
顧客端末側処理部250は、顧客端末装置100,100aとの間でデータを送受信する。顧客端末側処理部250は、商品情報送信部251、商品入力情報受信部252、明細復元受付部253および販売情報受信部254を有する。
【0062】
商品情報送信部251は、顧客端末装置100から商品検索の依頼を受け付けると、その依頼と共に受け付けた検索キーワードや商品の分類情報などに応じて商品マスタから該当する商品を抽出する。商品情報送信部251は、抽出した商品に関する情報を顧客端末装置100に応答する。顧客端末装置100では、商品情報送信部251から受信した商品の情報に基づいて、顧客50へ商品の画像、価格および特売品であるか等の情報を提供する。顧客50は、その情報を閲覧して所望の商品を選択できる。
【0063】
商品入力情報受信部252は、顧客端末装置100から取引開始通知を受信すると新たに取引管理用のレコード(取引管理レコード)を生成して取引管理情報記憶部220に格納する。商品入力情報受信部252は、取引の内容を一意に識別するための取引識別情報を取引管理レコードに含める。また、商品入力情報受信部252は、取引開始通知に顧客識別情報が含まれている場合には、顧客識別情報を取引管理レコードに含める。
【0064】
また、商品入力情報受信部252は、顧客端末装置100から顧客50が選択した商品を示す商品入力情報を受信すると、取引識別情報に対応付けて商品入力レコードを生成し、取引管理情報記憶部220に格納する。
【0065】
明細復元受付部253は、顧客端末装置100から明細復元依頼を受信すると、取引管理情報記憶部220を参照して、明細復元依頼に含まれる顧客識別情報または取引識別情報に対応する取引情報を抽出する。明細復元受付部253は、抽出した取引情報を顧客端末装置100に送信する。
【0066】
販売情報受信部254は、顧客端末装置100から顧客50に対する売上の実績を示す販売情報を受信する。販売情報受信部254は、受信した販売情報を販売情報記憶部240に格納する。
【0067】
カート端末側処理部260は、カート端末装置300,300a,300bとの間でデータを送受信する。カート端末側処理部260は、取引情報送信部261、登録作業通知受信部262、資源運用管理部263および保留カート呼出部264を有する。
【0068】
取引情報送信部261は、商品入力情報受信部252が取引開始通知を受信すると、商品入力情報受信部252が生成した取引管理レコードと共に、取引開始通知をカート端末装置300に送信する。そして、取引情報送信部261は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理情報を参照して、同記憶部に記憶された商品入力情報をカート端末装置300に送信する。その際、取引情報送信部261は、該当の商品に対応する商品単価の情報等を商品マスタ記憶部210に記憶された商品マスタから抽出して、商品入力情報と共にカート端末装置300に送信する。
【0069】
また、取引情報送信部261は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理情報を参照して、顧客50が商品の選択入力を完了したことを検知すると、入力完了通知をカート端末装置300に送信する。
【0070】
登録作業通知受信部262は、カート端末装置300からオーダーのあった商品の収集が開始された旨を示す登録開始通知あるいは完了した旨を示す登録完了通知を受信し、その旨を資源運用管理部263に通知する。
【0071】
資源運用管理部263は、カートの利用状況および店員の作業状況を管理する。資源運用管理部263は、カート端末装置300,300a,300bおよび店員端末装置400,400aから受信するステータス変化の通知に基づいて、運用管理情報記憶部230に記憶された運用管理情報を更新する。また、資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された運用管理情報に基づいて、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理レコードにつき商品の収集を行うためのカートと店員との割当を行う。資源運用管理部263は、その取引管理レコードに対して割当てたカート識別情報と店員識別情報との登録を行う。
【0072】
保留カート呼出部264は、顧客50が商品の入力完了後に退席し、その後、商品の受取に戻った際に、商品の収集が完了して保留状態となっている保留カートの呼出を行う。保留カート呼出部264は、明細復元受付部253が顧客端末装置100から受信した顧客識別情報または取引識別情報に基づき、運用管理情報記憶部230に記憶された運用管理情報を参照して、顧客50から受け付けたオーダーに対応する保留カートを特定することができる。
【0073】
図7は、カート端末装置の機能構成を示す図である。カート端末装置300は、収集商品情報記憶部310、取引情報記憶部320、取引情報受信部330、店員識別情報受付部340、商品登録処理部350、登録完了操作受付部360、設置操作受付部370、操作情報送信部380および電源情報送信部390を有する。これらの機能は、CPU301が所定のプログラムを実行することで実現される。また、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0074】
収集商品情報記憶部310は、カート30を用いて収集すべき商品を示す商品入力情報とその商品についての価格等の情報とを記憶する。なお、以下では、商品入力情報と対応する商品についての価格等の情報とを含めて収集商品情報と呼ぶこととする。
【0075】
取引情報記憶部320は、カート30に関する取引管理情報を記憶する。
取引情報受信部330は、管理サーバ200から取引開始通知を受け付ける。取引情報受信部330は、取引開始通知に含まれる取引管理情報を取引情報記憶部320に格納する。また、取引情報受信部330は、管理サーバ200から収集商品情報を受信すると、受信した収集商品情報を収集商品情報記憶部310に格納する。
【0076】
店員識別情報受付部340は、取引情報受信部330が取引開始通知を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける。店員識別情報は、例えば、店員端末装置400に付されたバーコードや無線タグに予め登録される。また、店員識別情報は、例えば、店員が所有するID(IDentifier)カードに付されたバーコードや無線タグに予め登録される。店員識別情報受付部340は、店員端末装置400や店員40のIDカードを読み取ることで店員識別情報を受け付ける。なお、店員識別情報受付部340は、店員のタッチパネル305aに対するキー入力操作によって店員識別情報を受け付けることもできる。
【0077】
店員識別情報受付部340は、受け付けた店員識別情報を商品登録処理部350に出力する。
商品登録処理部350は、店員識別情報受付部340から店員識別情報を取得すると、取引情報記憶部320に記憶された取引情報を参照して、自カートに割当てられた店員識別情報であるか否かを判定する。自カートに割当てられた店員識別情報である場合、商品の登録処理を開始する。商品登録処理部350は、商品識別情報受付部351および商品リスト表示制御部352を有する。
【0078】
商品識別情報受付部351は、商品識別情報の受け付けを待受ける。商品識別情報受付部351は、商品に付されたバーコードをバーコード読取部305bが読み取ると、そのバーコードに含まれる商品識別情報を受け付ける。また、商品に付された無線タグを読み取って商品識別情報を受け付けることとしてもよい。また、バーコード等が付されていない商品については、店員のタッチパネル305aに対するキー入力操作によって、商品識別情報を受け付けることもできる。
【0079】
商品識別情報受付部351は、商品識別情報を受け付けると収集商品情報記憶部310に記憶された収集商品情報を参照して、その商品が収集対象の商品であるか否かを判定する。そして、収集対象の商品である場合、収集商品情報に収集した旨を登録する。収集対象の商品でない場合、収集対象の商品でない旨を店員に通知する。
【0080】
商品リスト表示制御部352は、収集商品情報記憶部310に記憶された収集商品情報を参照して、ディスプレイ304aに収集対象の商品リストを表示させる。また、商品リスト表示制御部352は、取引情報記憶部320に記憶された取引情報を参照して、顧客の状態や自カートの状態等の情報をディスプレイ304aに表示させる。また、商品リスト表示制御部352は、店員の操作入力を受け付けるための操作用のインタフェースをディスプレイ304aに表示させる。店員が可能な操作としては、例えば、商品収集作業の開始、完了、商品の登録および商品の検索等が考えられる。
【0081】
登録完了操作受付部360は、店員のタッチパネル305aに対する商品登録の完了のキー入力操作を受け付けると、登録完了通知を生成して操作情報送信部380に出力する。
【0082】
設置操作受付部370は、店員のタッチパネル305aに対するカート30の設置場所情報のキー入力操作を受け付けると、受け付けた設置場所情報を操作情報送信部380に出力する。
【0083】
操作情報送信部380は、登録完了操作受付部360から取得した登録完了通知を管理サーバ200に送信する。また、操作情報送信部380は、設置操作受付部370から取得した設置場所情報を管理サーバ200に送信する。
【0084】
電源情報送信部390は、カート端末装置300に設置されたバッテリ70の電源容量を示す電源容量情報を定期的に取得する。電源情報送信部390は、取得した電源容量情報を商品リスト表示制御部352に通知すると共に、管理サーバ200に送信する。
【0085】
なお、他のカート端末装置についてもカート端末装置300と同様の機能構成により実現できる。
図8は、商品マスタのデータ構造例を示す図である。商品マスタ211は、商品マスタ記憶部210に予め記憶される。商品マスタ211には、商品IDを示す項目、商品名を示す項目、単価を示す項目、売場区分を示す項目、重量を示す項目およびNBC(Non Bar Code)フラグを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの商品に関する情報を示す。
【0086】
商品IDを示す項目には、商品識別情報である商品IDが設定される。商品名を示す項目には、商品の名称が設定される。単価を示す項目には、商品の単価が設定される。陳列エリアを示す項目には、商品の陳列されている場所を示す情報が設定される。重量を示す項目には、商品の重量が設定される。NBCフラグを示す項目には、該当の商品がバーコードの付されていない商品であるNBC商品であるか否かを示すフラグが設定される。NBCフラグを示す項目には、該当の商品がNBC商品である場合、1が設定される。また、該当の商品がNBC商品でない場合、0が設定される。
【0087】
商品マスタ211には、例えば、商品IDが“P0001”、商品名が“みかん”、単価が“200”、陳列エリアが“A003”、重量が“300g”、NBCフラグが“0”という情報が設定される。
【0088】
これは、商品ID“P0001”の商品名“みかん”が陳列エリア“A003”で示される場所に陳列されており、その商品単価が“200”円、商品単位当たりの重量が“300g”、バーコードの付された商品であることを示している。
【0089】
また、商品マスタ211には、例えば、商品IDが“P0011”、商品名が“さんま”、単価が“100”、陳列エリアが“A005”、重量が“100g”、NBCフラグが“1”という情報が設定される。
【0090】
これは、商品ID“P0011”の商品名“さんま”が陳列エリア“A005”で示される場所に陳列されており、その商品単価が“100”円、商品単位当たりの重量が“100g”、バーコードの付されていない商品であることを示している。
【0091】
なお、商品マスタ211には、該当の商品についての他の情報(例えば、商品の画像、商品の説明および特売品であるかを示す情報等)が更に登録されていてもよい。
図9は、商品入力管理テーブルのデータ構造例を示す図である。商品入力管理テーブル221は、取引管理情報記憶部220に格納される。商品入力管理テーブル221は、商品入力情報受信部252によって更新される。商品入力管理テーブル221には、取引IDを示す項目、商品IDを示す項目および個数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの商品について受け付けた商品入力レコードを示す。
【0092】
取引IDを示す項目には、取引識別情報である取引IDが設定される。商品IDを示す項目には、商品IDが設定される。個数を示す項目には、選択入力された個数が設定される。
【0093】
商品入力管理テーブル221には、例えば、取引IDが“T0001”、商品IDが“P0001”、個数が“1”という情報が設定される。
これは、取引ID“T0001”で示される取引について、商品IDが“P0001”で示される商品“1”個のオーダーを受け付けたことを示している。
【0094】
図10は、取引管理テーブルのデータ構造例を示す図である。取引管理テーブル222は、取引管理情報記憶部220に格納される。取引管理テーブル222は、商品入力情報受信部252および資源運用管理部263によって更新される。取引管理テーブル222には、取引IDを示す項目、顧客IDを示す項目、顧客状態を示す項目、長期退席を示す項目、店員端末IDを示す項目、カート端末IDを示す項目および受付レジIDを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの受け付けオーダーを管理するための取引管理レコードを示す。
【0095】
取引IDを示す項目には、取引IDが設定される。顧客IDを示す項目には、顧客識別情報である顧客IDが設定される。顧客状態を示す項目には、顧客の現在の状態を示す情報が設定される。長期退席を示す項目には、該当の顧客が長期間退席しているか否かを示すフラグ(長期退席時は1、長期退席に該当しない場合0とする)が設定される。店員端末IDを示す項目には、店員端末に付与された店員識別情報である店員端末IDが設定される。カート端末IDを示す項目には、カート端末装置を識別するためのカート識別情報であるカート端末IDが設定される。受付レジIDを示す項目には、商品のオーダーを受け付けた顧客端末装置を識別するための受付レジIDが設定される。
【0096】
取引管理テーブル222には、例えば、取引IDが“T0001”、顧客IDが“C0121”、顧客状態が“Busy”、長期退席が“0”、店員端末IDが“S0002”、カート端末IDが“K0002”、受付レジIDが“R0001”という情報が設定される。
【0097】
これは、取引ID“T0001”で示される取引について、顧客ID“C0121”で示される顧客からオーダーを受け付けており、その顧客の現在の状態が“Busy”、長期退席には該当していない(フラグ“0”)ことを示している。また、該当の取引に割当てた店員の店員端末装置は店員端末ID“S0002”で示される端末であり、割当てたカートのカート端末装置はカート端末ID“K0002”で示される端末であることを示している。更に、オーダーを受け付けた顧客端末装置は受付レジID“R0001”で示される端末であることを示している。
【0098】
ここで、顧客状態に設定する情報によって、以下のような顧客の状態を管理することができる。
(1)“Busy”:顧客端末装置にて顧客が商品入力中の状態である。
【0099】
(2)“Wait”:顧客端末装置での顧客による商品の入力が完了し、顧客がカートの到着を待機している状態である。
(3)“Suspend”:顧客端末装置での顧客による商品の入力が完了し、顧客が退席している状態である。
【0100】
(4)“Restore”:退席していた顧客が商品受取のために戻り、カートの到着を待機している状態である。
(5)“Pay”:顧客端末装置で顧客が商品の会計を行っている状態である。
【0101】
このような状態を管理することで、資源運用管理部263は顧客の状態に応じて、カートおよび店員の状態の管理が可能となる。
なお、取引管理情報記憶部220には、店員端末ID、カート端末IDおよび受付レジIDを、例えば各端末装置のIP(Internet Protocol)アドレスに対応付けたホスト管理情報が予め格納されている。取引情報送信部261等は、この取引管理テーブル222とホスト管理情報とを参照することで、店舗内のLANによる宛先を特定したデータ通信が可能となる。
【0102】
図11は、カート端末装置管理テーブルのデータ構造例を示す図である。カート端末装置管理テーブル231は、運用管理情報記憶部230に格納される。カート端末装置管理テーブル231は、資源運用管理部263によって更新される。カート端末装置管理テーブル231には、カート端末IDを示す項目、電源状態を示す項目、電池残量を示す項目、カート状態を示す項目、設置場所を示す項目および巡回位置を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのカートおよびカート端末装置の情報を示す。
【0103】
カート端末IDを示す項目には、カート端末IDが設定される。電源状態を示す項目には、該当のカート端末装置の電源がONであるかOFFであるかを示す情報が設定される。電池残量を示す項目には、該当のカート端末装置に電力を供給する電池の残容量を示す情報が設定される。カート状態を示す項目には、カートの現在の状態を示す情報が設定される。設置エリアを示す項目には、カート(カートに設置されたカート端末装置)の設置場所を示す情報が設定される。巡回エリアを示す項目には、店舗内を巡回中のカートにつき、現在の巡回場所を示す情報が設定される。
【0104】
カート端末装置管理テーブル231には、例えば、カート端末IDが“K0001”、電源状態が“ON”、電池残量が“100%”、カート状態が“Free”、設置エリアが“A001”、巡回エリアが“−”(設定なし)という情報が設定される。
【0105】
これは、カート端末ID“K0001”で示されるカート端末装置が電源“ON”の状態であり、電池残量が“100%”、そのカート端末装置が設置されたカートの状態が“Free”、そのカートの設置エリアが“A001”で示される場所であることを示している。
【0106】
ここで、カート状態に設定する情報によって、以下のようなカートの状態を管理することができる。
(1)“Free”:何れの取引にも割当てられていない空きの状態である。
【0107】
(2)“Ready”:管理サーバ200から取引開始指示を受信し、店員の操作開始(店員識別情報の受付)を待機している状態である。
(3)“Busy”:店員識別情報を受け付け、店員による商品の登録操作が行われている状態である。
【0108】
(4)“Suspend”:割当てられた取引について、商品の登録が完了したが、顧客が退席中であるため該当のカートを一時設置場所に退避させておく保留の状態である。
(5)“Restore”:退席していた顧客が戻り、カートを顧客の元へ運搬している状態である。
【0109】
(6)“Return”:顧客への商品の受渡が完了し、カートの設置場所へカートを運搬している状態である。
(7)“OFF”:電源がOFFになっており、カート未使用の状態である。
【0110】
このような状態を管理することで、資源運用管理部263は各カートの状態に応じて各取引へのカートの割当を効率的に行うことができる。
また、巡回エリアを示す項目には、資源運用管理部263が定期的に取得する各カート端末装置の所属するエリアを示す情報が設定される。資源運用管理部263は、例えば無線通信装置20,20a,20bを用いたTDOA(Time Difference Of Arrival)方式による位置測定を行うことで、各端末装置の店舗内の位置を取得することができる。また、これにより取得した位置が、店舗内の何れのエリアに所属するかを対応付けた店舗内エリア情報が運用管理情報記憶部230に予め格納されている。資源運用管理部263は、これらの情報によって、各カート端末装置の所属するエリアを特定できる。なお、店舗内の位置を測定する方法として、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator)方式を用いることも考えられる。
【0111】
図12は、店員管理テーブルのデータ構造例を示す図である。店員管理テーブル232は、運用管理情報記憶部230に格納される。店員管理テーブル232は、資源運用管理部263によって更新される。店員管理テーブル232には、店員端末IDを示す項目、電源状態を示す項目、店員状態を示す項目、現在位置を示す項目、出動回数を示す項目およびタイムアウト回数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの店員端末装置および店員端末装置を所有する店員の情報を示す。
【0112】
店員端末IDを示す項目には、店員端末IDが設定される。電源状態を示す項目には、該当の店員端末装置の電源がONであるかOFFであるかを示す情報が設定される。店員状態を示す項目には、店員の現在の状態を示す情報が設定される。現在位置を示す項目には、店員(店員が所持する店員端末装置)が現在存在する場所が設定される。出動回数を示す項目には、所定期間の間に割当てられた商品収集作業の数の合計が設定される。タイムアウト回数を示す項目には、商品収集作業を依頼したが、その依頼が受け付けられなかった回数が設定される。商品収集作業を依頼したが、その依頼が受け付けられない場合としては、管理サーバ200と店員端末装置400との間の通信環境における障害等が考えられる。
【0113】
店員管理テーブル232には、例えば、店員端末IDが“S0001”、電源状態が“ON”、店員状態が“Free”、現在位置が“A005”、出動回数が“5”、タイムアウト回数が“0”という情報が設定される。
【0114】
これは、店員端末ID“S0001”で示される店員端末装置が電源“ON”の状態であり、その端末装置を所持する店員の状態が“Free”、現在その店員の存在する位置が“A005”で示される場所であることを示している。また、その店員に商品収集作業を依頼した回数が、所定期間(例えば、当日の営業時間中)で合計“5”回で、依頼をしたにも関わらず、その依頼が受け付けられなかった回数が“0”回であることを示している。
【0115】
ここで、店員状態に設定する状態によって、以下のような店員の状態を管理することができる。
(1)“Free”:何れの取引にも割当てられていない空きの状態である。
【0116】
(2)“Ready”:管理サーバ200から取引開始指示を受信し、操作すべきカートへ移動中の状態である。
(3)“Busy”:カートを操作してオーダーを受けた商品を登録している状態である。
【0117】
(4)“Return”:顧客に対する商品の受渡を完了して、カートの設置場所へカートを運搬している状態である。
(5)“Rest”:休憩中の状態である。
【0118】
(6)“OFF”:店員端末装置の電源がOFFにされ、その店員が管理対象外となった状態である。
このような状態を管理することで、資源運用管理部263は各店員の状態に応じて各取引への店員の割当を効率的に行うことができる。
【0119】
また、現在位置を示す項目には、店舗内の現在の各店員端末装置の存在するエリアを示す情報が設定される。この情報は、資源運用管理部263によって、カート端末装置の位置を取得する方法と同様にして定期的に取得することができる。ただし、店員状態が“Busy”の場合には、カート端末装置の巡回エリアの情報と重複するため“−”(設定なし)としている。ただし、この場合にもエリア情報が設定されてもよい。
【0120】
図13は、収集対象商品管理テーブルのデータ構造例を示す図である。収集対象商品管理テーブル311は、収集商品情報記憶部310に格納される。収集対象商品管理テーブル311は、取引情報受信部330および商品識別情報受付部351によって更新される。収集対象商品管理テーブル311には、取引IDを示す項目、商品IDを示す項目、商品名を示す項目、数量を示す項目、登録済数を示す項目、単価を示す項目および状態を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの収集対象商品に関する情報を示す。
【0121】
取引IDを示す項目には、取引IDが設定される。商品IDを示す項目には、商品IDが設定される。商品名を示す項目には、商品名が設定される。数量を示す項目には、収集すべき商品の数量が設定される。登録済数を示す項目には、既に登録済の商品の数量が設定される。単価を示す項目には、その商品の単価が設定される。状態を示す項目には、その商品を収集済であるか未収集であるかを示す情報が設定される。状態を示す項目には、数量を示す項目と登録済数を示す項目とのそれぞれの値が等しい場合、収集済を示す旨が設定される。また、数量を示す項目よりも登録済数を示す項目の値の方が小さい場合に未収集を示す旨が設定される。
【0122】
収集対象商品管理テーブル311には、例えば、取引IDが“T0001”、商品IDが“P0001”、商品名が“みかん”、数量が“2”、単価が“200”、状態が“済”という情報が設定される。
【0123】
これは、取引ID“T0001”で示される取引について、商品ID“P0001”で示される商品名“みかん”“2”個のオーダーを受け付けていることを示している。また、商品“みかん”の単価は“200”円であり、既に“みかん”“2”個分をカートに“収集済”であることを示している。
【0124】
図14は、取引テーブルのデータ構造例を示す図である。取引テーブル321は、取引情報記憶部320に格納される。取引テーブル321は、取引情報受信部330によって更新される。取引テーブル321には、取引IDを示す項目、顧客IDを示す項目、顧客状態を示す項目、店員端末IDを示す項目、カート端末IDを示す項目、受付レジIDおよび入力完了フラグを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、カート端末装置で受け付けた1つの取引に関する情報を示す。
【0125】
取引IDを示す項目には、取引IDが設定される。顧客IDを示す項目には、顧客IDが設定される。顧客状態を示す項目には、該当の顧客の状態を示す情報が設定される。店員端末IDを示す項目には、そのカートに割当てられた店員が所持する店員端末装置の店員端末IDが設定される。カート端末IDを示す項目には、その取引IDに割当てられたカート端末ID、すなわち、自装置のカート端末IDが設定される。受付レジIDを示す項目には、その取引を受け付けた受付レジIDが設定される。入力完了フラグを示す項目には、該当の取引に対して顧客による商品の選択入力が完了しているか否かを示すフラグが設定される。選択入力が完了している場合、1が設定され、未完了の場合、0が設定される。
【0126】
取引テーブル321には、例えば、取引IDが“T0001”、顧客IDが“C0121”、顧客状態が“Busy”、店員端末IDが“S0002”、カート端末IDが“K0002”、受付レジIDが“R0001”という情報が設定される。
【0127】
これは、取引ID“T0001”で示される取引が割当てられており、取引相手の顧客の顧客IDが“C0121”、その顧客の現在の状態が“Busy”であることを示している。また、そのカート端末装置を操作すべき店員の店員端末IDが“S0002”、そのカート端末装置のカート端末IDが“K0002”、取引を受け付けた受付レジの受付レジIDが“R0001”であることを示している。
【0128】
図15は、店員用商品登録画面の構成例を示す図である。店員用商品登録画面500は、商品リスト表示制御部352によって生成され、ディスプレイ304aに表示される。店員用商品登録画面500には、情報表示領域510および操作受付領域520が設けられている。
【0129】
情報表示領域510には、そのカート端末装置のカート端末IDや、カートの現在の状態、電池残量が表示される。また、オーダーが入力された顧客端末装置の受付レジID、管理サーバ200から受け付けた取引の取引ID、顧客ID、顧客状態および商品登録作業のために経過した時間が表示される。また、未収集の商品が残り何種類あるかを示す未収集残数が表示される。
【0130】
商品リスト表示制御部352は、これらの情報を取引情報記憶部320に記憶された取引テーブル321を参照して取得できる。また、商品リスト表示制御部352は、電源情報送信部390からバッテリ70の電池残量の情報を取得することができる。
【0131】
操作受付領域520には、取引IDで示される取引にて受け付けている収集対象の商品を示す商品リストや店員による各種操作を受け付けるための操作部が表示される。操作受付領域520は、リスト表示部521、スタートボタン522、検索ボタン523および完了ボタン524を有する。
【0132】
リスト表示部521には、商品リストが表示される。リスト表示部521には、例えばスクロールボタンが設けられる。店員は、スクロールボタンをタッチ操作して、リストを上下にスクロールさせることで1画面に納まらないリスト全体を参照することができる。
【0133】
リスト表示部521には、例えば、商品リストの項目として、項目No.、商品名、収集の必要な数量、登録済数、単価、必要数を全て登録したか否かの状態を示す情報が表示される。必要数を全て登録した商品については、状態に“済”が表示され、該当行が状態“未”の行よりも目立たなくなるよう暗転して表示される。例えば、リスト表示部521の例では、商品名“みかん”、“りんご”、“牛乳”の行が“済”に該当し、暗転表示された例を示している。なお、“未”の行を非表示としてもよい。あるいは、そのような表示方法を店員によって選択可能としてもよい。
【0134】
スタートボタン522は、店員による操作開始を受け付けるための操作部である。カート端末装置300は、店員によるスタートボタン522のタッチ操作を受け付けることで商品の登録操作を開始することができる。その際、店員は、自身に割当てられた店員端末IDを入力する。なお、店員による操作開始の受け付けは、店員が所持するIDカードや店員端末装置から店員端末IDを受け付けて行うこともできる。カート端末装置300は、例えば、受け付けた店員端末IDが自装置に管理サーバ200から割当てられた店員端末IDと一致するか否かを検出する。そして、一致する場合に商品の登録操作を開始することが考えられる。一方、一致しない場合には、店員にその旨を通知して商品の登録操作を行わないようにすることが考えられる。
【0135】
これにより、管理サーバ200が割当てた店員に対して確実に作業を割り振ることができる。また、店員以外の者がカート端末装置を操作することを防止できる。
検索ボタン523は、商品情報の検索や未登録商品についてのソート処理等を開始するためのボタンである。カート端末装置は、検索ボタン523に対するタッチ操作を受け付けると商品検索メニューを表示する。商品検索メニューでは、店員が入力した商品の情報に基づいて、その商品の写真や陳列エリア等の商品の収集を支援する情報を店員に提供する。例えば、管理サーバ200の商品マスタ記憶部210に記憶された商品マスタ211に設定された情報をそのような情報として用いることができる。
【0136】
完了ボタン524は、店員による商品登録やカートの設置場所への設置が完了したことを受け付けるための操作部である。カート端末装置300は、完了ボタン524に対するタッチ操作を受け付けたタイミングにおける顧客状態やカート状態に応じて異なる操作を店員に要求することができる。例えば、完了ボタン524に対するタッチ操作によりカートの設置場所への設置が完了した旨を受け付ける場合、更に設置場所を示す情報の入力を店員に促すことができる。
【0137】
次に、以上のような構成によって実現される販売支援システムの処理について説明する。なお、以下の説明では、顧客50が顧客端末装置100によって商品のオーダーを行う場合を説明する。また、カート端末装置300、店員端末装置400を所持する店員40が作業の割当対象となる場合を説明する。ただし、他の端末装置や店員に対して作業を割当てる場合にも同様の処理となる。
【0138】
図16は、各装置で実行する処理の関係を示す図である。顧客端末装置100のディスプレイ104aに表示された取引開始ボタンに対する顧客50のタッチ操作を受け付ける。更に、顧客端末装置100は、顧客がICカード読取部105cに挿入したICカードに記録された顧客IDを読み取る。これによって、取引処理が開始される。
【0139】
顧客端末装置100は、取引開始の受付時に取得した顧客IDを管理サーバ200に送信する。また、顧客端末装置100は、顧客50が所望する商品の選択入力を受け付け、当入力内容を示す商品入力情報を管理サーバ200に送信する(ステップST1)。
【0140】
管理サーバ200は、顧客端末装置100から受信した顧客IDに基づいて、取引管理レコードを生成し、その取引に対する資源の割当処理を実行する。ここで、割当処理の結果、店員40とカート端末装置300が割当てられるとする。管理サーバ200は、カート端末装置300および店員40の所持する店員端末装置400に取引開始指示を送信する(ステップST2)。
【0141】
カート端末装置300は、管理サーバ200から取引開始指示を受信すると、取引開始指示に含まれる取引管理情報を取引情報記憶部320に格納する。カート端末装置300は、取引管理情報に含まれる店員端末装置400の店員端末IDの受付を待受ける。なお、カート端末装置300は、取引開始指示を受け付けた旨を管理サーバ200に応答する。そして、その店員端末IDを受け付けると、商品入力情報を含む収集商品情報の受信を待受ける(ステップST3)。
【0142】
店員端末装置400は、管理サーバ200から取引開始指示を受信すると、取引開始指示に含まれる取引管理情報を参照して、店員40にカート端末装置300の操作を指示する。例えば、店員端末装置400は、店員端末装置400が備えるディスプレイにカート端末装置300のカート端末IDを表示して操作の指示を行う(ステップST4)。これによって、店員40は、自身に商品の収集作業が割当てられたこと、収集作業のためにカート30の使用が指示されていること、を認識することができる。なお、店員端末装置400は、管理サーバ200から取引開始指示を受け付けた旨を管理サーバ200に応答する。
【0143】
管理サーバ200は、顧客端末装置100から商品入力情報を受け付けると、取引管理情報記憶部220に登録する。また、受け付けた商品入力情報を含む収集商品情報をカート端末装置300に送信する(ステップST5)。以後、管理サーバ200は、顧客端末装置100における顧客50の商品の選択入力を受け付けるたびに、収集商品情報をカート端末装置300に送信する。
【0144】
カート端末装置300は、管理サーバ200から順次受信した収集商品情報を収集商品情報記憶部310に格納する(ステップST6)。
カート端末装置300は、店員40がカート30に到着すると店員端末装置400に付されたバーコードを読み取って店員端末装置400の店員端末IDを取得する。カート端末装置300は、取引情報記憶部320に記憶された取引管理情報を参照し、取得した店員端末IDが取引管理情報に設定された店員端末IDと一致する場合、商品の登録処理を開始する。一致しない場合、操作すべきカートを誤っている旨等を通知する。そして、カート端末装置300は、店員40による収集対象の商品の登録を受け付ける。更に、カート端末装置300は、店員40により商品の登録が完了した旨の操作入力を受け付けると、登録完了通知を管理サーバ200に送信する(ステップST7)。
【0145】
なお、カート端末装置300は、店員40が顧客50に商品を受け渡したタイミング、あるいは、店員40がカート30を保留するために設置場所に退避したタイミングに、店員40による登録完了の操作入力を受け付ける。カート端末装置300は、取引管理情報に設定された顧客状態を参照することで、何れのタイミングで登録完了通知の操作がなされたかを検知することができる。すなわち、登録完了の操作入力を受けた時点で顧客状態が“Wait”であれば、顧客に商品を受け渡したタイミングと検知できる。また、登録完了の操作入力を受けた時点で顧客状態が“Suspend”であればカート30を退避したタイミングと検知できる。カート端末装置300は、カート30を退避したタイミングである場合には、カート30の設置場所を示す情報の入力を店員40に促すことができる。また、登録完了通知にカート30の状況を含めて管理サーバ200に通知することができる。
【0146】
管理サーバ200は、カート端末装置300から登録完了通知を受け付けると登録完了通知に基づいて、カート30の状況を判別し、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理情報を更新する。管理サーバ200は、店員40が顧客50に商品の受渡を行ったことを検知した場合、顧客50が顧客端末装置100で会計中である旨を取引管理情報に設定する。また、管理サーバ200は、店員40がカート30を保留状態にしたと検知した場合には、その設置場所と保留状態である旨を取引管理情報に設定する。また、管理サーバ200は、カート端末装置300から、カート30が顧客への商品の受渡を終えて所定の設置場所に設置された旨の通知を受け付けた場合、その旨および設置場所を示す情報を取引管理情報に設定する(ステップST8)。
【0147】
なお、管理サーバ200は、顧客端末装置100から保留中のカート30を復元して顧客50へ商品の受渡を依頼する復元依頼を受け付けた(ステップST9)場合、保留中のカート30を復元するよう指示する復元指示をカート端末装置300および店員端末装置400に送信する。
【0148】
店員端末装置400は、管理サーバ200から復元指示を受信すると、復元指示に含まれるカート端末IDに基づいて、カート30の復元指示を受けたことを店員40に通知する(ステップST10)。
【0149】
カート端末装置300は、店員40がカート30に到着して、店員端末装置400の店員端末IDを取得する。そして、カート端末装置300は、店員端末IDのチェックを行った後に、復元開始通知を管理サーバ200に送信する。また、カート端末装置300は、店員40が顧客50に商品を受け渡したタイミングで店員40による受渡完了の操作入力を受け付ける。すると、カート端末装置300は、受渡完了通知を管理サーバ200に送信する(ステップST11)。そして、顧客端末装置100は、顧客50による商品の会計操作を受け付ける。顧客端末装置100は、顧客50に対して商品代金を精算して代金を受け付け、商品の販売情報を管理サーバ200に送信する(ステップST12)。そして、取引が完了する。
【0150】
次に、上記各ステップにおける処理を詳細に説明する。
まず、ステップST1の商品入力処理を説明する。
図17は、顧客端末装置の商品入力処理を示すフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0151】
[ステップS11]商品入力操作受付部110は、ディスプレイ104aに表示された取引開始ボタンに対する顧客50のタッチ操作を受け付ける。これにより、取引開始を受け付ける。そして、商品入力操作受付部110は、取引開始通知を生成して管理サーバ200に送信する。なお、商品入力操作受付部110は、取引開始ボタンに対する操作の受付前後に、顧客がICカード読取部105cに挿入したICカードに記録された顧客IDを読み取る場合、読み取った顧客IDを取引開始通知に含める。管理サーバ200は、この取引開始通知を受信すると資源割当処理(図16のステップST2)を実行する。商品入力操作受付部110は、当取引に対して付与された取引IDを管理サーバ200から受信する。
【0152】
[ステップS12]商品入力操作受付部110は、ディスプレイ104aに商品選択用画面を表示させる。商品選択用画面には、顧客50が商品の検索のための操作入力が行えるよう所定のインタフェースが設けられる。例えば、顧客50は、このインタフェースにしたがって、購入したい商品に関連付けられるキーワードや商品の分類等の情報から所望の商品を選択することができる。商品入力操作受付部110は、入力された検索情報を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、検索情報に基づいて検索を実行し、検索結果を示す情報を顧客端末装置100に応答する。商品入力操作受付部110は、管理サーバ200から受信した検索結果をディスプレイ104aに表示させる。
【0153】
[ステップS13]商品入力操作受付部110は、顧客50による購入希望商品の選択入力の操作を受け付けたか否かを判定する。商品入力操作受付部110は、例えば、ディスプレイ104aに表示させた商品選択用画面に応じたタッチパネル105aに対するタッチ操作を検知することで、商品の選択入力の操作を受け付ける。選択入力の操作を受け付けた場合、処理をステップS14に進める。選択入力の操作を受け付けない場合、処理をステップS15に進める。
【0154】
なお、商品の選択入力の際に、顧客50は、その商品について購入を希望する数量を入力することもできる。これによって、複数個オーダーしたい商品を複数回選択する手間を軽減できる。
【0155】
[ステップS14]商品入力操作受付部110は、選択入力を受け付けた商品を示す商品入力情報を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、商品入力情報を受信すると商品入力情報受付処理(図16のステップST5)を実行する。
【0156】
[ステップS15]商品入力操作受付部110は、商品入力の完了操作を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、商品の入力完了通知を生成して、処理をステップS16に進める。受け付けていない場合、処理をステップS12に進める。
【0157】
[ステップS16]商品入力操作受付部110は、顧客50により退席する旨の操作入力を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理をステップS17に進める。受け付けない場合、処理をステップS20に進める。商品入力操作受付部110は、例えば、商品入力の完了操作の受付後、顧客50に対して、その後退席するか、店員がオーダーした商品を受渡に来るまでその場に待機するかの選択を促す画面をディスプレイ104aに表示させる。その画面に対する操作入力に応じて、商品入力操作受付部110は顧客50が退席するか否かを検知することができる。
【0158】
[ステップS17]商品入力操作受付部110は、顧客退席の旨を示す情報(顧客状態通知)を含む入力完了通知を管理サーバ200に送信する。
[ステップS18]商品入力操作受付部110は、商品登録の完了予定時刻を管理サーバ200から受信する。ここで、商品登録の完了予定時刻とは、店員による商品の収集が完了すると予想される時刻である。商品入力操作受付部110は、受信した完了予定時刻をディスプレイ104aに表示させる。また、商品入力操作受付部110は、顧客50との取引に割当てられた取引IDと完了予定時刻とを店舗内の電光掲示板等に表示してもよい。
【0159】
[ステップS19]商品入力操作受付部110は、受け付けた取引の取引IDおよびオーダーを受け付けた商品の明細を表記した伝票を伝票発行/読取部105dにより顧客50に対して発行させる。ここで、この伝票には、伝票発行/読取部105dが読取可能な記録媒体が設けられる。そして、その記録媒体には、取引IDが記録される。例えば、伝票には磁気ストライプが設けられており、商品入力操作受付部110は、伝票発行/読取部105dにより磁気ストライプに取引IDを記録させる。また、例えば、伝票に無線タグが設けられており、タグの有する記憶部に取引IDを記録させてもよい。あるいは、伝票に取引IDを印字して、顧客50が商品を受け取る際にその取引IDを入力可能としてもよい。
【0160】
[ステップS20]商品入力操作受付部110は、商品の入力完了通知を管理サーバ200に送信する。
このようにして、顧客端末装置100は、顧客50の商品の選択入力を受け付ける。
【0161】
このとき、商品入力操作受付部110は、入力完了後に顧客50からその後退席するか否かの選択入力を受け付ける。その選択入力の結果を管理サーバ200に送信することで、管理サーバ200およびカート端末装置300,300a,300bで顧客50の予定等に応じたカート30,30a,30bの運用を行うことができる。また、顧客50は商品の収集を待機する時間を他の用事にあてることができ、時間を有効活用できる。
【0162】
なお、上記ステップS17で示した顧客状態通知は、入力完了通知に含めてもよいし、入力完了通知とは別個に送信してもよい。
また、ステップS19では、IDカードを所持していない顧客に対してのみ伝票を発行するようにしてもよい。その場合、例えばIDカードが備える記憶部に取引IDを記録しておいてもよい。
【0163】
次に、図16におけるステップST2の資源割当処理を説明する。
図18は、管理サーバの資源割当処理を示すフローチャートである。以下、図18に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0164】
[ステップS21]商品入力情報受信部252は、顧客端末装置100から取引開始通知を受信する。商品入力情報受信部252は、受信した取引開始通知に基づいて取引管理レコードを生成し、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理テーブル222に登録する。このとき、商品入力情報受信部252は、生成した取引管理レコードに新たな取引IDを付与する。また、商品入力情報受信部252は、取引開始通知に顧客IDが含まれる場合、取引管理レコードに顧客IDを含める。また、商品入力情報受信部252は、新たに付与した取引IDを顧客端末装置100に通知する。
【0165】
[ステップS22]資源運用管理部263は、商品入力情報受信部252が新たな取引管理レコードを生成すると、運用管理情報記憶部230に記憶されたカート端末装置管理テーブル231を参照して、カート状態が“Free”のカートを検索する。
【0166】
[ステップS23]資源運用管理部263は、検索の結果、カート状態が“Free”のカートを抽出できたか否かを判定する。抽出できた場合、処理をステップS24に進める。抽出できない場合、処理をステップS22に進める。
【0167】
[ステップS24]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231を参照して、ステップS23で抽出したカートのうち、電池残量が最も大きいカートを特定する。ここでは、カート30が特定されるものとする。
【0168】
[ステップS25]資源運用管理部263は、特定したカート30に設けられたカート端末装置300に対して取引開始指示を送信する。
[ステップS26]資源運用管理部263は、カート端末装置300から取引開始指示に対する応答を受け付けると、取引管理テーブル222の該当の取引IDに対応するカート端末IDに、カート端末装置300のカート端末IDを設定する。また、資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Ready”に設定する。
【0169】
[ステップS27]資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232を参照して、店員状態が“Free”の店員を検索する。
[ステップS28]資源運用管理部263は、検索の結果、店員状態が“Free”の店員を抽出できたか否かを判定する。抽出できた場合、処理をステップS29に進める。抽出できない場合、処理をステップS27に進める。
【0170】
[ステップS29]資源運用管理部263は、店員管理テーブル232を参照して、ステップS28で検出した店員のうち、出動回数が最も少ない店員を特定する。ここでは、店員40が特定されるものとする。
【0171】
[ステップS30]資源運用管理部263は、店員40の所持する店員端末装置400を特定し、その店員端末装置400に対して、取引開始指示を送信する。取引開始指示には、カート端末装置300のカート端末IDやカート端末装置300の設置位置を示す情報を含むことができる。
【0172】
[ステップS31]資源運用管理部263は、店員端末装置400から取引開始指示に対する応答を受け付けると、取引管理テーブル222の該当の取引IDに対応する店員端末IDに、店員端末装置400の店員端末IDを設定する。また、資源運用管理部263は、店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Ready”に設定する。
【0173】
このようにして、管理サーバ200は、受け付けた取引に対してカートおよび店員の割当を行う。
ここで、資源運用管理部263は、カートに設けられたカート端末装置の電池容量に応じた優先度に基づいてカートの割当を行う。これにより、商品の収集途中でのバッテリ切れを防止することができる。
【0174】
また、資源運用管理部263は、各店員の出動回数に応じた優先度に基づいて店員の割当を行う。これにより、店員に対する負荷の均一化を図りながら作業を割当てることができる。
【0175】
また、資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232を参照して、タイムアウト数が多い店員(過去に作業割当に失敗した回数の多い店員)に優先して作業を割当てるようにすることもできる。なお、タイムアウト数が少ない店員(より確実に作業を割当てることができる店員)に優先して作業を割当てるようにすることもできる。
【0176】
また、資源運用管理部263は、各店員端末装置に取引開始指示を送信した後、各カート端末装置からの商品の登録開始通知を受け付けるまでの平均時間を店員端末装置ごとに算出して、店員管理テーブル232に記録しておくことが考えられる。そして、資源運用管理部263は、その平均時間の短い店員に優先して作業を割当てるようにすることが考えられる。このように、作業効率の高い店員を優先的に割当てることで顧客に対するサービスの品質を更に高めることができる。
【0177】
また、資源運用管理部263は、ステップS23において“Free”状態のカート端末装置を抽出できなかった場合に、“Restore”状態や電源OFFとなっているカート端末装置を更に検索し、抽出したカート端末装置に作業を割当てることも考えられる。ここで、電源OFFとなっているカート端末装置を起動させるためには、例えば、いわゆるWake On Lan機能を利用することができる。
【0178】
また、資源運用管理部263は、ステップS28において、“Free”状態の店員を抽出できなかった場合に、“Restore”状態となっている店員を更に検索し、抽出した店員に作業を割当てることも考えられる。
【0179】
更に、資源運用管理部263は、選択したカートに最も近い位置に存在する店員を割当てるようにしてもよい。具体的には、資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶されたカート端末装置管理テーブル231に設定されたカートの設置エリアおよび店員管理テーブル232に設定された現在位置の情報から、ステップS24で特定したカートと最も近い位置に存在する店員を特定することができる。あるエリアと他のエリアとの距離(例えば、エリアの中心同士の距離)は、各エリアの配置を二次元座標で定義したエリア配置情報に基づいて取得することができる。
【0180】
これにより、店舗内における店員のカートまでの移動距離を低減でき、また、迅速に商品の収集作業を開始することができる。これにより、収集作業の迅速化を図ることができ、顧客の待ち時間を軽減できる。また、オーダーを受け付けた商品の陳列エリアに対する距離を考慮して、カートや店員の割当を行うようにすることも考えられる。
【0181】
次に、図16におけるステップST5の商品入力情報受付処理を説明する。なお、以下では、図18の資源割当処理によって、カート端末装置300および店員端末装置400が新たな取引に割当てられたものとする。
【0182】
図19は、管理サーバの商品情報受付処理を示すフローチャートである。以下、図19に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS41]商品入力情報受信部252は、顧客端末装置100から商品入力情報の受信を開始する。商品入力情報受信部252は、受信した商品入力情報と取引IDとを対応付けた商品入力レコードを生成し、取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力管理テーブル221に登録する。
【0183】
[ステップS42]取引情報送信部261は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理テーブル222を参照し、新たに登録された商品入力レコードの取引IDに対してカート端末IDが設定済み、すなわち、商品の収集作業に用いるカートが割当済であるか否かを判定する。割当済である場合、処理をステップS43に進める。未割当である場合、処理をステップS42に進める(割当てられるまで待機する)。
【0184】
[ステップS43]取引情報送信部261は、新たに登録された商品入力レコードの取引IDに対して割当てられたカート端末IDを特定する。そして、そのカート端末IDに対応するカート端末装置300に商品入力情報を含む収集商品情報の送信を開始する。以後、取引情報送信部261は、商品入力管理テーブル221に該当の取引IDの商品入力レコードが登録されるたびに、その商品入力レコードに基づく収集商品情報を、特定したカート端末装置300に送信する。
【0185】
[ステップS44]商品入力情報受信部252は、顧客端末装置100から商品の選択入力を完了した旨を示す入力完了通知を受信する。商品入力情報受信部252は、受信した入力完了通知を資源運用管理部263に出力する。
【0186】
[ステップS45]資源運用管理部263は、入力完了通知に基づいて、顧客50が退席予定であるか否かを判定する。退席予定である場合、処理をステップS46に進める。退席予定でない場合、処理をステップS47に進める。
【0187】
[ステップS46]資源運用管理部263は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理テーブル222の顧客状態を“Suspend”に設定する。そして、処理をステップS48に進める。
【0188】
[ステップS47]資源運用管理部263は、取引管理テーブル222の顧客状態を“Wait”に設定する。
[ステップS48]資源運用管理部263は、商品の入力完了通知を受信すると、該当の取引IDに対して受け付けた商品の数に基づいて、店員による商品収集の所要時間を算出する。例えば、資源運用管理部263は、店員が商品1つを陳列エリア60から探し出してカートに投入するために要する平均の時間と商品の数とを乗算することでその所要時間を求めることができる。そして、資源運用管理部263は、算出した所要時間と現在時刻とに基づいて、店員による商品収集(登録)が完了する予定時刻(登録完了予定時刻)を算出する。
【0189】
[ステップS49]資源運用管理部263は、算出した登録完了予定時刻を商品情報送信部251に出力する。商品情報送信部251は、取得した登録完了予定時刻を顧客端末装置100に送信する。また、商品情報送信部251は、登録完了予定時刻をカート端末装置300に送信する。
【0190】
[ステップS50]取引情報送信部261は、商品入力情報受信部252が顧客端末装置100から受け付けた入力完了通知をカート端末装置300に送信する。
このようにして、管理サーバ200は、カート端末装置300に対する収集商品情報の送信を行う。
【0191】
なお、資源運用管理部263は、顧客状態が変更するとその旨をカート端末装置300に送信する。すなわち、上記ステップS46,S47において、顧客の状態を更新すると、その旨を顧客状態通知としてカート端末装置300に送信する。また、入力完了通知に顧客状態通知の内容を含めてカート端末装置300に送信してもよい。
【0192】
また、上記ステップS46において、資源運用管理部263は、“Suspend”となった顧客50の退席時間のカウントを開始する。そして、顧客50の“Suspend”状態が所定の時間(例えば、6時間や12時間等)以上経過する場合には、資源運用管理部263は、取引管理テーブル222の長期退席の項目に“1”を設定する。このようにして長期退席の顧客を管理可能とすることで、例えば、該当の顧客が商品を受取に来ていない旨を店員に報知する、該当の顧客に対して予め登録された電子メールアドレスに商品の受取を促すメールを送信する、等の措置を行うことができる。
【0193】
次に、図16におけるステップST6の収集商品情報受信処理を説明する。
図20は、カート端末装置の収集商品情報受信処理を示すフローチャートである。以下、図20に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0194】
[ステップS51]取引情報受信部330は、管理サーバ200から図16におけるステップST3で示した取引開始指示を受信すると、以後、管理サーバ200から収集商品情報を順次受信する。取引情報受信部330は、受信した収集商品情報を収集商品情報記憶部310に記憶された収集対象商品管理テーブル311に登録する。
【0195】
[ステップS52]取引情報受信部330は、管理サーバ200から入力完了通知を受信したか否かを判定する。入力完了通知を受信した場合、それ以降、現在受け付けている取引に対して収集商品情報の受信が行われないことを検知して、処理をステップS53に進める。入力完了通知を受信しない場合、処理をステップS52に進める(入力完了通知を受信するまで、収集商品情報を順次受信し続ける)。
【0196】
[ステップS53]取引情報受信部330は、顧客による商品の入力が完了した旨を取引情報記憶部320に記憶された取引テーブル321の入力完了フラグを示す項目に設定する。
【0197】
このようにして、カート端末装置300は、管理サーバ200から収集商品情報を順次受信し、収集商品情報記憶部310に格納していく。
次に、図16におけるステップST7の収集商品登録処理を説明する。
【0198】
図21は、カート端末装置の商品登録処理を示すフローチャートである。以下、図21に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS61]店員識別情報受付部340は、店員40がカート30に到着すると店員端末装置400に付されたバーコードを読み取って店員端末装置400の店員端末IDを取得する。そして、図16のステップST7で説明したように店員端末IDのチェックを行って、操作者が店員40であることを検知すると、管理サーバ200に商品の登録開始通知を送信する。
【0199】
[ステップS62]商品識別情報受付部351は、商品IDの待受けを開始する。このとき、商品リスト表示制御部352は、店員用商品登録画面500をディスプレイ304aに表示させた状態とする。商品IDは、例えば商品に付されたバーコードをバーコード読取部305bにより読み取った情報に含まれている。商品識別情報受付部351は、店員40がバーコード読取部305bに商品に付されたバーコードをかざすと商品IDを受け付ける。あるいは、バーコードの付されていない商品の場合、店員40によるタッチパネル305aに対するキー入力で商品IDを受け付けることもできる。具体的には、店員40は、リスト表示部521の該当の商品をタッチして、収集した商品の商品IDをカート端末装置300に入力することが考えられる。
【0200】
[ステップS63]商品識別情報受付部351は、収集商品情報記憶部310に記憶された収集対象商品管理テーブル311を参照して、受け付けた商品IDが収集対象の商品のものであるか否かを判定する。収集対象商品の商品IDである場合、処理をステップS64に進める。収集対象商品の商品IDでない場合、処理をステップS65に進める。
【0201】
[ステップS64]商品識別情報受付部351は、収集対象商品管理テーブル311を参照して、受け付けた商品IDに対応する商品に未収集分があるか否かを判定する。未収集分がある場合、処理をステップS66に進める。該当商品を全て収集済である場合、処理をステップS65に進める。
【0202】
[ステップS65]商品リスト表示制御部352は、受け付けた商品IDに対応する商品が収集対象の商品でない旨、あるいは、既に全数量を収集済である旨をディスプレイ304aに表示させる。そして、処理をステップS62に進める。
【0203】
[ステップS66]商品識別情報受付部351は、収集対象商品管理テーブル311の該当の商品の登録済数に1を加算する。なお、同じ商品を同時に複数個入力可能とするために、数量を入力するための操作部を操作受付領域520に設けてもよい。
【0204】
[ステップS67]商品識別情報受付部351は、収集対象商品管理テーブル311を参照して、収集対象の全商品を収集済であるか否かを判定する。全商品を収集済である場合、処理をステップS68に進める。未収集の商品がある場合、処理をステップS62に進める。なお、全商品を収集済であるか否かの判定は、管理サーバ200より入力完了通知を受け付けている場合に実行できる。なぜなら、入力完了通知を受け付けていない場合には、未だ顧客の商品の選択入力が完了しておらず、取引に対してオーダーのあった全商品が確定していないためである。このため、入力完了通知を受け付けていない場合には、未収集の商品があるとして、処理をステップS62に進める。
【0205】
[ステップS68]商品識別情報受付部351は、取引情報記憶部320に記憶された取引テーブル321を参照して、顧客が退席しているか否か、すなわち顧客状態が“Suspend”であるか否かを判定する。退席している(“Suspend”である)場合、処理をステップS69に進める。退席していない(“Wait”である)場合、処理をステップS71に進める。
【0206】
[ステップS69]商品リスト表示制御部352は、カート30を保留とする旨の指示をディスプレイ304aに表示させる。
[ステップS70]登録完了操作受付部360は、完了ボタン524に対する店員40のタッチ操作を受け付ける。商品リスト表示制御部352は、設置場所の入力用画面をディスプレイ304aに表示させる。設置操作受付部370は、その画面から入力されたエリア情報を操作情報送信部380に出力する。そして、処理をステップS73に進める。
【0207】
[ステップS71]商品リスト表示制御部352は、商品の選択入力を受け付けた(顧客の待機している)顧客端末装置100へカート30を移動させる旨の指示をディスプレイ304aに表示させる。
【0208】
[ステップS72]登録完了操作受付部360は、完了ボタン524に対する店員40のタッチ操作を受け付ける。
[ステップS73]操作情報送信部380は、管理サーバ200へ登録完了通知を送信する。なお、操作情報送信部380は、カート30を保留とした場合、登録完了通知にカート30の設置場所を示すエリア情報を含める。また、登録完了通知に保留とした旨の情報を含めてもよい。
【0209】
このようにして、カート端末装置300は、収集した商品の登録処理を行う。そして、登録処理の完了を受け付けると、顧客の状態に応じてカート30の保留あるいは顧客端末装置100への移動を店員40に指示する。
【0210】
次に、図16におけるステップST8のカート管理処理を説明する。
図22は、管理サーバのカート管理処理を示すフローチャートである。以下、図22に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0211】
[ステップS81]登録作業通知受信部262は、カート端末装置300から商品の登録開始通知を受信すると、受信した登録開始通知を資源運用管理部263に出力する。
[ステップS82]資源運用管理部263は、登録開始通知を取得すると、運用管理情報記憶部230に記憶されたカート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Busy”に設定する。また、資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Busy”に設定する。
【0212】
[ステップS83]登録作業通知受信部262は、カート端末装置300から商品の登録完了通知を受信すると、受信した登録完了通知を資源運用管理部263に出力する。
[ステップS84]資源運用管理部263は、カート30が保留となっているか否かを判定する。保留となっている場合、処理をステップS85に進める。保留となっていない場合、処理をステップS89に進める。資源運用管理部263は、例えば、登録完了通知に保留の旨あるいは設置場所を示すエリア情報が含まれていれば保留となっていると判定できる。
【0213】
[ステップS85]資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶されたカート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応する設置エリアに、登録完了通知に含まれるエリア情報を設定する。
【0214】
[ステップS86]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Suspend”に設定する。
[ステップS87]資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Free”に設定する。
【0215】
[ステップS88]資源運用管理部263は、その後、何れかの顧客端末装置から、当取引の復元依頼を受け付ける(図16のステップST10の処理)と、その取引の情報を復元する取引情報復元処理を実行する。取引情報復元処理の詳細は図23で説明する。取引情報復元処理の結果、資源運用管理部263からカート30を顧客に受け渡した旨を示す受渡完了通知を受信する。なお、取引情報復元処理では、復元作業を割当てる店員を決定する作業が行われるが、以下の説明ではこの処理において店員40が再び割当てられたものとする。
【0216】
[ステップS89]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート30に対応するカート状態を“Return”に設定する。
[ステップS90]資源運用管理部263は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理テーブル222の顧客50に対応する顧客状態を“Pay”に設定する。顧客端末装置100は、会計処理(図16のステップST16)を行う。
【0217】
[ステップS91]資源運用管理部263は、カート端末装置300からカート30を所定の場所に設置した旨および設置場所を示すエリア情報を含むカート設置通知を受信する。
【0218】
[ステップS92]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート30に対応する設置エリアに、カート設置通知に含まれるエリア情報を設定する。
[ステップS93]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Free”に設定する。また、資源運用管理部263は、店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Free”に設定する。
【0219】
このようにして、管理サーバ200は、カート30および店員40の状態を管理する。これにより、何れの店員の手が空いているか、何れのカートが利用可能かを、顧客の退席の有無を含めて適正に管理することが可能となる。その結果、店舗資源の効率的な運用を図ることができる。
【0220】
次に、ステップS88で示した取引情報復元処理の詳細を説明する。なお、以下では、退席していた顧客50が戻り、顧客端末装置100にて復元依頼および会計操作を行う場合を想定する。顧客50は、例えば、顧客端末装置100のディスプレイ104aに表示された商品受取ボタンにタッチ操作し、商品入力を完了した際に受け取った伝票を顧客端末装置100の伝票発行/読取部105dに挿入することで復元依頼の操作を行うことができる。あるいは、顧客50は、ICカード読取部105cに自身が所持するICカードを挿入することでも復元依頼の操作を行える。
【0221】
図23は、管理サーバの取引情報復元処理を示すフローチャートである。以下、図23に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]明細復元受付部253は、顧客端末装置100から復元依頼を受信する。復元依頼には、復元すべき取引を示す取引IDが含まれている。
【0222】
[ステップS102]明細復元受付部253は、取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力管理テーブル221を参照して、該当の取引IDで選択された商品の商品IDや数量を顧客端末装置100に送信する。また、明細復元受付部253は、商品マスタ記憶部210に記憶された商品マスタ211を参照して、各商品の価格や重量等の情報を顧客端末装置100に送信する。
【0223】
[ステップS103]資源運用管理部263は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理テーブル222を参照して、該当の取引IDに割当てられ、保留中となっているカート30のカート端末IDを特定する。資源運用管理部263は、取引管理情報記憶部220に記憶されたカート端末装置管理テーブル231を参照して、カート30の設置場所を特定する。また、取引情報送信部261は、特定したカート30に設けられたカート端末装置300に復元指示を送信する。
【0224】
[ステップS104]資源運用管理部263は、カート端末装置300から復元指示に対する応答を受信すると、カート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Ready”に設定する。
【0225】
[ステップS105]資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232を参照して、店員状態が“Free”の店員を検索する。
[ステップS106]資源運用管理部263は、検索の結果、店員状態が“Free”の店員を抽出できたか否かを判定する。抽出できた場合、処理をステップS107に進める。抽出できない場合、処理をステップS105に進める。
【0226】
[ステップS107]資源運用管理部263は、店員管理テーブル232を参照して、ステップS106で検出した店員のうち、出動回数が最も少ない店員を特定する。ここでは、店員40が特定されるものとする。
【0227】
[ステップS108]資源運用管理部263は、店員40の所持する店員端末装置400を特定する。資源運用管理部263は、店員端末装置400に対して復元指示を送信する。復元指示には、カート端末装置300のカート端末IDやカート端末装置300の設置場所を示す情報を含むことができる。
【0228】
[ステップS109]資源運用管理部263は、店員端末装置400から取引開始指示に対する応答を受け付けると、取引管理テーブル222の該当の取引IDに対応する店員端末IDに、店員端末装置400の店員端末IDを設定する。また、資源運用管理部263は、店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Ready”に設定する。
【0229】
[ステップS110]資源運用管理部263は、カート端末装置300から復元開始通知を受信する。なお、図16のステップST11で説明したように、カート端末装置300は、店員40がカート30に到着して、店員端末装置400の店員端末IDを取得すると、復元開始通知を管理サーバ200に送信する(ステップST11aとして示した処理)。
【0230】
[ステップS111]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Busy”に設定する。また、資源運用管理部263は、店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Busy”に設定する。
【0231】
[ステップS112]資源運用管理部263は、カート端末装置300から商品を顧客50へ受け渡した旨を示す受渡完了通知を受信する。なお、図16のステップST11で説明したように、カート端末装置300は、店員40が顧客50に商品を受け渡したタイミングで店員40による受渡完了の操作入力を受け付ける。すると、カート端末装置300は、受渡完了通知を管理サーバ200に送信する(ステップST11bとして示した処理)。
【0232】
このようにして、管理サーバ200は退席していた顧客に対する商品の受渡を管理することができる。
次に、図16におけるステップST12の会計処理を説明する。
【0233】
図24は、顧客端末装置の会計処理を示すフローチャートである。以下、図24に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS121]会計処理部130は、ディスプレイ104aに顧客50がオーダーした商品の一覧および合計金額を表示させる。なお、顧客50に対しては、例えば重量計測部105bが備える秤の上に買物袋を載置して商品を投入するよう促す指示がディスプレイ104aに表示される。
【0234】
[ステップS122]重量チェック処理部140は、重量計測部105bが測定した商品の測定総重量を取得する。また、重量チェック処理部140は、管理サーバ200から取得した取引対象の商品ごとの重量の総和に基づいて予測総重量を算出する。
【0235】
[ステップS123]重量チェック処理部140は、測定総重量と予測総重量とが所定の誤差の範囲で一致するか否かを判定する。一致する場合、処理をステップS124に進める。一致しない場合、顧客50に買物袋に投入した商品の確認を行うよう促す旨をディスプレイ104aに表示する等のエラー処理を行って、処理をステップS122に進める(重量再確認)。
【0236】
[ステップS124]会計処理部130は、顧客50から顧客端末装置100に投入した貨幣の種類や枚数等から投入金額を取得し、商品の合計金額との差分に応じて釣銭を返却する。
【0237】
[ステップS125]会計処理部130は、売り上げた商品の内容や支払われた金額、釣銭などの情報を含む販売情報を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200では、店舗内の顧客端末装置から受信した販売情報を販売情報記憶部240に格納し、売上実績の管理を行う。
【0238】
このようにして、顧客端末装置100は、顧客50との間で商品の代金の精算を行う。その際、重量が商品マスタ211上の重量と所定の誤差の範囲で一致していない場合に、顧客に警告を発する。これにより、商品が未清算のまま持ち帰られてしまうことを防止することができる。
【0239】
次に、各装置が実行する処理の流れの具体例を説明する。
まず、顧客50が商品の選択入力の操作を完了した後に退席しない場合を説明する。
なお、以下の説明では、顧客50に対しては顧客IDとして“C0121”が与えられているものとする。顧客端末装置100には、受付レジIDとして“R0001”が与えられているものとする。カート端末装置300にはカート端末IDとして“K0002”が与えられているものとする。店員端末装置400には店員端末IDとして“S0002”が与えられているものとする。
【0240】
図25,26は、取引処理の流れの第1の具体例を示すシーケンス図である。以下、図25,26に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS201]顧客端末装置100は、顧客50の取引開始操作を受け付けると、取引開始通知を管理サーバ200に送信する。なお、取引開始通知には顧客50の顧客ID“C0121”が含まれる。管理サーバ200は、顧客端末装置100から取引開始通知を受信する。管理サーバ200は、取引管理レコード(ここでは、取引ID“0001”が付与されるものとする)を生成して取引管理テーブル222に登録する。この取引管理レコードには、顧客ID“C0121”および顧客端末装置100の受付レジID“R0001”が設定される。そして、管理サーバ200は、取引ID資源割当処理を実行する。ここで、管理サーバ200は、資源割当処理の結果、カート端末装置300と店員端末装置400を割当てるとする。これによって、カート端末装置300のカート端末ID“K0002”および店員端末装置400の店員端末ID“S0002”が取引管理レコードの取引ID“T0001”に対応付けて設定される。また、顧客50は退席の状態ではないので、長期退席には“0”が設定される。また、顧客50の顧客状態は“Busy”に設定される。
【0241】
[ステップS202]顧客端末装置100は、顧客50による商品の選択入力を受け付けるたびに商品入力情報を管理サーバ200に送信する。商品入力情報には、商品IDや数量の情報が含まれる。管理サーバ200は、顧客端末装置100から商品入力情報を順次受信する。管理サーバ200は、受信した商品入力情報を取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力管理テーブル221に取引ID“T0001”に対応付けて格納する。
【0242】
[ステップS203]管理サーバ200は、カート端末装置300に取引開始指示を送信する。カート端末装置300は、管理サーバ200から取引開始指示を受信する。取引開始指示には、取引ID、顧客ID、顧客状態およびカート端末ID等の情報が含まれる。カート端末装置300は、取引開始指示に基づいて、取引テーブル321を生成して取引情報記憶部320に格納する。
【0243】
[ステップS204]カート端末装置300は、取引開始指示に対する受付応答を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から取引開始指示に対する受付応答を受信する。管理サーバ200は、運用管理情報記憶部230に記憶されたカート端末装置管理テーブル231のカート端末ID“K0002”に対するカート状態(以下、単に「カート端末装置300の状態」と表記する)を“Ready”に設定する。
【0244】
[ステップS205]管理サーバ200は、店員端末装置400に取引開始指示を送信する。店員端末装置400は、管理サーバ200から取引開始指示を受信する。
[ステップS206]店員端末装置400は、取引開始指示に対する受付応答を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から取引開始指示に対する受付応答を受信する。管理サーバ200は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232の店員端末ID“S0002”に対する店員状態(以下、単に「店員端末装置400の状態」と表記する)を“Ready”に設定する。
【0245】
[ステップS207]管理サーバ200は、取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力情報のうち取引IDが“T0001”であり、未送信のもの(カートの割当が未実行の状態で受け付けた商品入力情報)に基づいて収集商品情報を生成し、カート端末装置300に送信する。なお、本ステップによる収集商品情報の送信は、カート端末装置300が“Ready”となったタイミング(すなわち、ステップS204の直後)に実行してもよい。
【0246】
[ステップS208]顧客端末装置100は、顧客50による商品の選択入力を受け付け、管理サーバ200に商品入力情報を送信する。管理サーバ200は、受信した商品入力情報を商品入力管理テーブル221に取引ID“T0001”に対応付けて格納する。
【0247】
[ステップS209]管理サーバ200は、新たに受信した商品入力情報に基づいて収集商品情報を生成し、カート端末装置300に送信する。
[ステップS210]カート端末装置300は、店員端末装置400に付されたバーコード等から店員端末ID“S0002”を取得する。
【0248】
[ステップS211]カート端末装置300は、店員端末ID“S0002”を取得すると、商品登録開始通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から商品登録開始通知を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300の状態および店員端末装置400の状態を“Busy”に設定する。
【0249】
[ステップS212]カート端末装置300は、店員40による商品の登録を順次受け付ける。
[ステップS213]顧客端末装置100は、顧客50による商品入力完了の操作入力(退席なし)を受け付けると、入力完了通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、顧客端末装置100から入力完了通知を受信する。なお、本ステップにおける入力完了通知には顧客50がその後退席する旨の情報は含まれない。よって、管理サーバ200は、顧客50の顧客状態を“Wait”に設定する。
【0250】
[ステップS214]管理サーバ200は、カート端末装置300に入力完了通知を送信する。カート端末装置300は、管理サーバ200から入力完了通知を受信する。カート端末装置300は、受信した入力完了通知に基づいて、顧客が現在“Wait”状態であることを検知できる。
【0251】
[ステップS215]カート端末装置300は、商品の登録が完了し、店員40がカート30を顧客50の元へ移動させると、店員40による登録完了の操作入力を受け付ける。すると、カート端末装置300は、管理サーバ200に登録完了通知を送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から登録完了通知を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300および店員端末装置400の状態を“Return”に設定し、顧客50の顧客状態を“Pay”に設定する。
【0252】
[ステップS216]管理サーバ200は、顧客端末装置100に会計開始指示を行う。顧客端末装置100は、管理サーバ200からの会計開始指示により商品の会計処理を開始する。
【0253】
[ステップS217]管理サーバ200は、顧客が買物袋に投入した商品の重量チェックを行うための商品重量情報を顧客端末装置100に送信する。顧客端末装置100は、商品重量情報に基づいて、重量チェックを実行する。
【0254】
[ステップS218]顧客端末装置100は、商品の会計処理が完了すると売り上げた商品の販売情報を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、顧客端末装置100から販売情報を受信し、販売情報記憶部240に格納する。
【0255】
[ステップS219]カート端末装置300は、店員40がカート30を設置場所に移動させると、店員40によるカートの設置場所(エリア情報)の入力を受け付ける。カート端末装置300は、このエリア情報を含むカート設置通知を管理サーバ200に送信する。そして、カート端末装置300は、収集商品情報記憶部310および取引情報記憶部320に記憶されている情報をクリアする。管理サーバ200は、カート端末装置300からカート設置通知を受信する。管理サーバ200は、カート設置通知に含まれるエリア情報に基づいて、カート30の設置場所を設定する。また、カート端末装置300の状態および店員端末装置400の状態を“Free”に設定する。
【0256】
[ステップS220]店員端末装置400は、店員40による休憩入力の操作を受け付ける。すると、店員端末装置400は、店員40が休憩状態となる旨を示す休憩通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、店員端末装置400から休憩通知を受信する。管理サーバ200は、店員端末装置400の状態を“Rest”に設定する。管理サーバ200は、店員端末装置400から休憩解除の通知を受けると、店員端末装置400の状態を“Rest”から“Free”に変更する。
【0257】
このように、顧客50が退席しない場合には、店員40は商品の収集が完了すると顧客50の操作する顧客端末装置100の場所にカート30を移動させる。そして、店員40は、顧客50との商品の受渡が完了すると、カート30を所定の設置場所に設置する。カート端末装置300は、このような店員40の動作の各チェックポイントにおいて、店員40によるカート端末装置300に対する操作入力を受け付ける。そして、カート端末装置300は、操作入力を受け付けた旨を管理サーバ200に送信する。
【0258】
次に、顧客50が商品の選択入力の操作を完了した後に退席する場合を説明する。
なお、各装置に付されたIDや取引ID等の具体的な設定は図25,26で示した処理と同様とする。
【0259】
図27,28は、取引処理の流れの第2の具体例を示すシーケンス図である。以下、図27,28に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS221]顧客端末装置100は、顧客50の取引開始操作を受け付けると、取引開始通知を管理サーバ200に送信する。なお、取引開始通知には顧客50の顧客ID“C0121”が含まれる。管理サーバ200は、顧客端末装置100から取引開始通知を受信する。管理サーバ200は、取引管理レコード(取引ID“0001”が付与される)を生成して取引管理テーブル222に登録する。この取引管理レコードには、顧客ID“C0121”および顧客端末装置100の受付レジID“R0001”が設定される。そして、管理サーバ200は、取引ID資源割当処理を実行する。ここで、管理サーバ200は、資源割当処理の結果、カート端末装置300と店員端末装置400を割当てるとする。これによって、カート端末装置300のカート端末ID“K0002”および店員端末装置400の店員端末ID“S0002”が取引管理レコードの取引ID“T0001”に対応付けて設定される。また、顧客50は退席の状態ではないので、長期退席には“0”が設定される。また、顧客50の顧客状態は“Busy”に設定される。
【0260】
[ステップS222]顧客端末装置100は、顧客50による商品の選択入力を受け付けるたびに商品入力情報を管理サーバ200に送信する。商品入力情報には、商品IDや数量の情報が含まれる。管理サーバ200は、顧客端末装置100から商品入力情報を順次受信する。管理サーバ200は、受信した商品入力情報を取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力管理テーブル221に取引ID“T0001”に対応付けて格納する。
【0261】
[ステップS223]管理サーバ200は、カート端末装置300に取引開始指示を送信する。カート端末装置300は、管理サーバ200から取引開始指示を受信する。取引開始指示には、取引ID、顧客ID、顧客状態およびカート端末ID等の情報が含まれる。カート端末装置300は、取引開始指示に基づいて、取引テーブル321を生成して取引情報記憶部320に格納する。
【0262】
[ステップS224]カート端末装置300は、取引開始指示に対する受付応答を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から取引開始指示に対する受付応答を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300の状態を“Ready”に設定する。
【0263】
[ステップS225]管理サーバ200は、店員端末装置400に取引開始指示を送信する。店員端末装置400は、管理サーバ200から取引開始指示を受信する。
[ステップS226]店員端末装置400は、取引開始指示に対する受付応答を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から取引開始指示に対する受付応答を受信する。管理サーバ200は、店員端末装置400の状態を“Ready”に設定する。
【0264】
[ステップS227]管理サーバ200は、取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力情報のうち取引IDが“T0001”であり、未送信のもの(カートの割当が未実行の状態で受け付けた商品入力情報)に基づいて収集商品情報を生成し、カート端末装置300に送信する。なお、本ステップによる収集商品情報の送信は、カート端末装置300が“Ready”となったタイミング(すなわち、ステップS244の直後)に実行してもよい。以後、管理サーバ200は、顧客端末装置100から商品入力情報を受信するたびに、商品入力管理テーブル221に登録すると共に、商品入力情報に基づく収集商品情報をカート端末装置300に送信する。
【0265】
[ステップS228]カート端末装置300は、店員端末装置400に付されたバーコード等から店員端末ID“S0002”を取得する。
[ステップS229]カート端末装置300は、店員端末ID“S0002”を取得すると、商品登録開始通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から商品登録開始通知を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300の状態および店員端末装置400の状態を“Busy”に設定する。
【0266】
[ステップS230]カート端末装置300は、店員40による商品の登録を順次受け付ける。
[ステップS231]顧客端末装置100は、顧客50による商品入力完了の操作入力(退席あり)を受け付けると、入力完了通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、顧客端末装置100から入力完了通知を受信する。管理サーバ200は、顧客50の顧客状態を“Suspend”に設定する。
【0267】
[ステップS232]管理サーバ200は、カート端末装置300に入力完了通知を送信する。カート端末装置300は、管理サーバ200から入力完了通知を受信する。カート端末装置300は、受信した入力完了通知に基づいて、顧客が現在“Suspend”状態であることを検知できる。
【0268】
[ステップS233]管理サーバ200は、顧客端末装置100に店員40による商品の収集(登録)作業が完了する予定時刻を顧客端末装置100に通知する。顧客端末装置100は、通知された予定時刻をディスプレイ104aに表示する、店舗内の電光掲示板に表示する、等により顧客50に提示する。
【0269】
[ステップS234]カート端末装置300は、商品の登録が完了し、店員40がカート30を保留のため所定の設置位置へ移動させると、店員40による登録完了および設置位置を示すエリア情報の入力を受け付ける。すると、カート端末装置300は、管理サーバ200にエリア情報を含む登録完了通知を送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から登録完了通知を受信する。そして、管理サーバ200は、カート端末装置300の状態を“Suspend”、店員端末装置400の状態を“Free”に設定し、顧客50の顧客状態を“Suspend”に設定する。
【0270】
[ステップS235]顧客端末装置100は、顧客50による復元依頼の操作入力を受け付けると、管理サーバ200に復元依頼を送信する。管理サーバ200は、顧客端末装置100から復元依頼を受信すると、復元依頼に含まれる取引IDに基づいて、対応する顧客50およびカート30を特定する。そして、管理サーバ200は、顧客50の状態を“Restore”に設定する。
【0271】
[ステップS236]管理サーバ200は、カート端末装置300に復元指示を送信する。カート端末装置300は、管理サーバ200から復元指示を受信する。
[ステップS237]カート端末装置300は、管理サーバ200に復元指示の受付応答を送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から復元指示の受付応答を受信する。そして、管理サーバ200は、カート端末装置300の状態を“Restore”に設定する。
【0272】
[ステップS238]管理サーバ200は、復元作業に割当てる店員を決定する。ここでは、店員40が割当てられるものとする。そして、管理サーバ200は、店員端末装置400に復元指示を送信する。店員端末装置400は、管理サーバ200から復元指示を受信する。
【0273】
[ステップS239]店員端末装置400は、管理サーバ200に復元指示の受付応答を送信する。管理サーバ200は、店員端末装置400から復元指示の受付応答を受信する。そして、管理サーバ200は、店員端末装置400の状態を“Ready”に設定する。
【0274】
[ステップS240]カート端末装置300は、店員端末装置400に付されたバーコード等から店員端末ID“S0002”を取得する。
[ステップS241]カート端末装置300は、店員端末ID“S0002”を取得すると、復元開始通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から復元開始通知を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300の状態および店員端末装置400の状態を“Busy”に設定する。
【0275】
[ステップS242]カート端末装置300は、店員40がカート30を顧客50の元へ移動させると、店員40による受渡完了の操作入力を受け付ける。すると、カート端末装置300は、管理サーバ200に受渡完了通知を送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から受渡完了通知を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300および店員端末装置400の状態を“Return”に設定し、顧客50の顧客状態を“Pay”に設定する。
【0276】
[ステップS243]管理サーバ200は、顧客端末装置100に会計開始指示を行う。顧客端末装置100は、管理サーバ200からの会計開始指示により商品の会計処理を開始する。
【0277】
[ステップS244]管理サーバ200は、顧客が買物袋に投入した商品の重量チェックを行うための商品重量情報を顧客端末装置100に送信する。顧客端末装置100は、商品重量情報に基づいて、重量チェックを実行する。
【0278】
[ステップS245]顧客端末装置100は、商品の会計処理が完了すると売り上げた商品の販売情報を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、顧客端末装置100から販売情報を受信し、販売情報記憶部240に格納する。
【0279】
[ステップS246]カート端末装置300は、店員40がカート30を設置場所に移動させると、店員40によるカートの設置場所(エリア情報)の入力を受け付ける。カート端末装置300は、このエリア情報を含むカート設置通知を管理サーバ200に送信する。そして、カート端末装置300は、収集商品情報記憶部310および取引情報記憶部320に記憶されている情報をクリアする。管理サーバ200は、カート端末装置300からカート設置通知を受信する。管理サーバ200は、カート設置通知に含まれるエリア情報に基づいて、カート30の設置場所を設定する。また、管理サーバ200はカート端末装置300の状態および店員端末装置400の状態を“Free”に設定する。
【0280】
このように、顧客50が商品の選択入力後に退席する場合、店員40は商品の収集が完了するとカート30を保留とするために所定の設置場所にカート30を移動させる。そして、店員40により設置場所を示すエリア情報の入力を受け付けて、管理サーバ200に通知する。管理サーバ200は、顧客50による復元依頼を受け付けると、保留したカート30の設置場所を含む復元指示を、店員端末装置400に送信する。そして、店員端末装置400は、復元対象のカート30のカート端末IDや設置場所の情報を店員40に通知する。
【0281】
これにより、管理サーバ200は、カートや店員の作業状態を適切に管理することができる。特に、顧客50がその後退席するか否かに応じたカートおよび店員の運用を効率的に行うことができる。また、顧客50にとっても、自ら商品を収集する手間が省け、そのための時間を他の用事にあてることができるため、時間を有効活用することができる。
【0282】
なお、管理サーバ200は、カートや店員の作業状態を、それらの状態に変更が発生するたびに、あるいは、定期的にカート端末装置に通知する。これによって、カート端末装置でも顧客の状態に応じた作業を店員に指示することができる。
【0283】
以下では、顧客端末装置100およびカート端末装置300が提供する操作画面の表示例を説明する。
まず、顧客端末装置100が顧客50に対して提供する商品選択用の操作画面を説明する。
【0284】
図29は、商品選択用操作画面の表示例を示す図である。商品選択用操作画面600は、ディスプレイ104aに表示される。商品選択用操作画面600には、検索入力用領域610、商品明細表示用領域620、合計金額表示領域630、入力完了ボタン640、選択取消ボタン650および数量変更ボタン660が設けられている。
【0285】
検索入力用領域610は、顧客50による商品の選択入力の操作を受け付けるための領域である。検索入力用領域610には、例えば、商品の分類を選択するための複数の分類選択キーが設けられる。各キーには、商品の分類を示す文字列(例えば、青果、水産、肉類等)が表示される。検索入力用領域610には、顧客50による何れかの分類のキーに対するタッチ操作を受け付けると、その分類に属する商品の一覧に表示内容が切り替わる。商品の一覧には、例えば各商品の価格、写真、説明および特売品であるか否か等を示す情報が表示される。顧客50は、その商品の一覧から所望する商品を更にタッチ操作して、購入対象の商品の選択を行うことができる。このとき、その商品の数量も同時に入力することができる。なお、商品入力操作受付部110は、商品の選択を受け付けるたびに選択された商品についての商品入力情報を管理サーバ200に送信する。
【0286】
商品明細表示用領域620は、顧客50により検索入力用領域610で選択された商品の一覧を表示する領域である。顧客50は、商品明細表示用領域620を閲覧することで自身が選択した商品を確認できる。なお、商品明細表示用領域620は、顧客50によるタッチ操作を受け付けることもできる。例えば、商品の一覧に対するタッチ操作を受け付け、受け付けた箇所(行)に対応する商品の選択を検出することができる。
【0287】
合計金額表示領域630は、商品明細表示用領域620に表示された商品の一覧の合計金額を表示する領域である。
入力完了ボタン640は、顧客50による商品の選択入力操作の完了を受け付けるためのボタンである。商品入力操作受付部110は、入力完了ボタン640に対する顧客50のタッチ操作を受け付けると、管理サーバ200に入力完了通知を送信する。
【0288】
選択取消ボタン650は、商品明細表示用領域620で選択された商品に対する選択の取り消し操作を受け付けるためのボタンである。
数量変更ボタン660は、商品明細表示用領域620で選択された商品の購入数量の変更操作を受け付けるためのボタンである。商品入力操作受付部110は、数量変更ボタン660に対するタッチ操作を受け付けると、例えば、該当の商品の数量を変更するための所定の操作画面を商品選択用操作画面600に表示する。
【0289】
なお、商品入力操作受付部110は、選択された商品に対する変更内容を受け付けると、その内容を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、変更の内容をカート端末装置300に送信して、店員40に変更内容を通知することができる。
【0290】
次に、カート端末装置300が各タイミングにおいてディスプレイ304aに表示する画面の表示例を説明する。各画面の表示内容は、商品リスト表示制御部352によって制御される。
【0291】
図30は、店員用商品登録画面の第1の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500a,500bは、商品の収集作業が割当てられていない場合を示している。店員用商品登録画面500aは、設置場所に設置されている際の表示例である。
【0292】
店員用商品登録画面500aには、表示領域521aが設けられている。表示領域521aには、現在カート30が作業の割当を待機している状態を示す“待機中”の文字列が表示される。また、この状態ではタッチ操作を受け付けない検索ボタン523aおよび完了ボタン524aは、暗転して表示される。スタートボタン522は、例えば、店員40がカート30を押しながら陳列エリア60内の巡回(作業の割当を待ちつつ陳列エリア60内を移動すること)を開始するためのタッチ操作を受け付けることができる。
【0293】
店員用商品登録画面500bには、表示領域521bが設けられている。表示領域521bには、現在カート30が巡回の状態であることを示す“巡回中”の文字列が表示される。また、タッチ操作を受け付けないスタートボタン522aおよび検索ボタン523aは、暗転して表示される。完了ボタン524は、例えば、店員40がカート30を所定の設置場所に設置して、巡回状態を解除するためのタッチ操作を受け付けることができる。カート端末装置300は巡回状態を解除する際に、カート30の設置場所の入力を受け付けるための設置場所入力ウィンドウをディスプレイ304aに表示する。
【0294】
図31は、設置場所入力ウィンドウの表示例を示す図である。設置場所入力ウィンドウ525は、例えば、店員用商品登録画面500aに重畳表示される。設置場所入力ウィンドウ525には、0〜9の数値やアルファベット等、エリア情報を入力するために必要なキーが表示される。店員40は、各キーをタッチ操作することで、エリア情報を入力することができる。
【0295】
設置場所入力ウィンドウ525には、入力したキーが確認できるよう、入力内容を表示するテキストボックスが設けられている。また、入力した情報が誤っている場合に再度入力を行うために入力内容をリセットするためのクリアキーが設けられている。また、テキストボックスに表示されたエリア情報の入力を確定するための完了キーが設けられている。
【0296】
なお、管理サーバ200は、各カート端末装置の位置を上述したTDOA方式等によって、自動的に取得できる場合には、それによって取得した位置情報を各カート端末装置のエリア情報として登録してもよい。
【0297】
図32は、店員用商品登録画面の第2の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500cは、顧客50が顧客端末装置100にて商品の選択入力を実行中で、かつ、店員40による操作待ちの場合の表示例である。店員用商品登録画面500cには、表示領域521cが設けられている。表示領域521cには、現在カート30が店員40の操作待ち(店員端末IDの受付待ち)の状態を示す“店員操作待ち”の文字列が表示される。また、操作すべき店員40が所持する店員端末装置400の店員端末IDを示す“No.S0002”の文字列が表示される。このとき、タッチ操作を受け付けない検索ボタン523aおよび完了ボタン524aは暗転表示される。また、スタートボタン522は、店員40がカート30の操作を開始するためのタッチ操作を受け付けることができる。例えば、店員40は、自身の所持する店員端末装置400のバーコード等をカート端末装置300に読み取らせ、スタートボタン522を押下することで、商品の登録作業を開始することができる。
【0298】
店員用商品登録画面500dは、顧客50が顧客端末装置100にて商品の選択入力を実行中で、かつ、店員40がカート端末装置300で商品の登録作業を開始した場合の表示例である。店員用商品登録画面500dには、リスト表示部521が表示される。店員40は、リスト表示部521に表示された商品リストを参照して、収集すべき商品を確認することができる。このとき、タッチ操作を受け付けないスタートボタン522aおよび完了ボタン524aは暗転表示される。また、検索ボタン523は、店員40が商品の画像や陳列エリア等の検索を開始するためのタッチ操作を受け付けることができる。カート端末装置300は、検索ボタン523に対するタッチ操作を受け付けると、検索受付用のインタフェースをディスプレイ304aに表示する。そして、カート端末装置300は、受け付けたキーワード等を管理サーバ200に送信して、管理サーバ200から検索結果のデータを取得し、ディスプレイ304aに表示する。
【0299】
図33は、店員用商品登録画面の第3の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500eは、顧客50が顧客端末装置100にて商品の選択入力を実行中で、かつ、店員40が店員用商品登録画面500dで商品“牛乳”、“2”個分を登録した後の状態を示す表示例である。商品識別情報受付部351は、商品“牛乳”の識別情報を受け付けると、リスト表示部521の商品名“牛乳”に対応する行の読取数の表示が“0”から“1”に変更される。なお、識別情報を入力する代わりに、該当行をタッチしてもよい。そして、商品“牛乳”の識別情報を再度受け付けると、当読取数の表示が“1”から“2”に変更される。すると、該当行の数量“2”と読取数“2”とが等しくなるので、状態の表示が“未”から“済”に変更される。更に、該当行に対するタッチ操作を受け付けなくなったことを示すために、該当行が暗転表示される。なお、商品“牛乳”の識別情報の受け付け後に登録した数量を更に受け付けることもできる。その場合、例えば、商品リスト表示制御部352は数量を入力するためのウィンドウを店員用商品登録画面500eに重畳表示させて、店員40の操作を待受けることが考えられる。
【0300】
なお、読取数の変更と共に、未収集残数の表示も変更される。
店員用商品登録画面500fは、顧客50が顧客端末装置100にて商品の選択入力を実行中で、かつ、店員40が店員用商品登録画面500eでリスト表示部521に表示されていない商品を登録しようとした場合の表示例である。この場合、店員40に対してその旨を示すメッセージを表示するための通知ウィンドウ526がディスプレイ304aに表示される。通知ウィンドウ526には、例えば“商品登録エラー”の文字列やエラーの内容を示すメッセージが表示される。また、通知ウィンドウ526には例えば通知ウィンドウ526を消して登録作業に戻るためのOKキーが表示される。
【0301】
図34は、店員用商品登録画面の第4の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500gは、顧客50が顧客端末装置100において商品の選択入力を完了し、かつ、店員40が店員用商品登録画面500eから更に商品“みかん”、“りんご”の登録を完了した状態を示す表示例である。この場合、情報表示領域510の顧客状態には、例えば、“商品入力完了(レジ待ち)”の文字列が表示される。店員40は、この表示を確認して顧客50が商品の収集をレジで待機していることを認識することができる。なお、情報表示領域510の時間の表示は、顧客状態が“商品入力完了(レジ待ち)”となったタイミングで“00:00”(0分0秒)からカウントアップが開始される。店員40は、この時間の表示により顧客50を待たせている時間を確認することができる。また、このようにすることで店員40に心理的な圧迫が与えられ、店員40による収集作業の迅速化を促すことができる。その結果、サービス品質の向上を図ることができる。
【0302】
店員用商品登録画面500hは、店員用商品登録画面500gから店員40が残りの商品の登録を完了した状態を示す表示例である。この状態では、全ての商品の行が暗転表示される。そして、情報表示領域510の状態の表示に、例えば、“商品登録完了”の文字列が表示される。
【0303】
更に、商品リスト表示制御部352は、カートの状態“商品登録完了”および顧客状態“商品入力完了(レジ待ち)”の状態を検知すると、店員40に受付レジID“R0001”に対応する顧客端末装置100へカート30を移動させるよう指示するメッセージをディスプレイ304aに表示させる。これにより、店員40は次に行うべき作業を容易に確認することができる。なお、そのようなメッセージは、カート端末装置300が備える音声出力部から音声で通知することも考えられる。
【0304】
また、店員用商品登録画面500hには、店員40がカート30を顧客端末装置100に移動させた後に店員40の完了操作の入力を受け付けるため、完了ボタン524がアクティブな状態となる。カート端末装置300は、完了ボタン524に対するタッチを受け付けると、管理サーバ200にその旨を通知する。そして、顧客端末装置100にて会計処理が実行される。
【0305】
図35は、店員用商品登録画面の第5の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500iは、顧客50が顧客端末装置100において商品の選択入力を完了して退席を選択し、かつ、店員40が店員用商品登録画面500eから更に商品“みかん”、“りんご”の登録を完了した状態を示す表示例である。この場合、情報表示領域510の顧客状態には、例えば、“商品入力完了(退席中)”の文字列が表示される。店員40は、この表示を確認して顧客50が退席していることを認識することができる。なお、情報表示領域510の時間の表示は、顧客状態が“商品入力完了(退席中)”となったタイミングで、顧客50に対して管理サーバ200が通知した完了予定時刻に達するまでの時間がカウントダウンされる。カート端末装置300は、管理サーバ200から、この完了予定時刻を取得することができる。
【0306】
例えば、管理サーバ200が現時刻よりも20分後の時刻を顧客端末装置100を介して顧客50に通知している場合、時間の表示は“20:00”(20分20秒)からカウントダウンされる。店員40は、この時間の表示により自身が行うべき収集作業の期限を認識することができる。また、このようにすることで店員40に対して心理的な圧迫が与えられ、店員40による収集作業の迅速化を促すことができる。その結果、サービス品質の向上を図ることができる。
【0307】
更に、商品リスト表示制御部352は、カートの状態“商品登録完了”および顧客状態“商品入力完了(退席中)”の状態を検知すると、店員40にカート30を保留のために設置場所へ移動させるよう指示するメッセージをディスプレイ304aに表示させる。これにより、店員40は、次に行うべき作業を容易に確認することができる。なお、そのようなメッセージは、カート端末装置300が備える音声出力部から音声で通知することも考えられる。
【0308】
また、店員用商品登録画面500jには、店員40がカート30を保留のために設置場所へ移動させた後に店員40の完了操作の入力を受け付けるため、完了ボタン524がアクティブな状態となる。商品リスト表示制御部352は、完了ボタン524に対するタッチを受け付けると、設置場所のエリア情報の入力を受け付けるためのウィンドウをディスプレイ304aに表示させる。
【0309】
図36は、店員用商品登録画面の第6の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500kは、店員用商品登録画面500jにて店員40の完了ボタン524に対するタッチを受け付けた際の表示例を示している。店員用商品登録画面500kには、保留場所入力ウィンドウ527が重畳表示させる。保留場所入力ウィンドウ527の表示内容は、設置場所入力ウィンドウ525の表示内容と同様である。ただし、例えば、現在の状況を明確にするために取引を保留する旨のメッセージを表示させることが考えられる。保留場所入力ウィンドウ527によりエリア情報の入力を受け付け、完了キーへのタッチを受け付けると、カート端末装置300は、受け付けたエリア情報を管理サーバ200に通知する。すると、保留場所入力ウィンドウ527は閉じられる。
【0310】
店員用商品登録画面500lは、保留場所入力ウィンドウ527が閉じられた後の状態を示す表示例である。店員用商品登録画面500lには、表示領域528が設けられている。表示領域528には、例えば、“保留中”の文字列が表示される。店員40は、この表示を確認してカート30が保留中の状態であることを認識することができる。このとき、タッチ操作を受け付けないスタートボタン522aおよび完了ボタン524aは暗転表示される。また、検索ボタン523は、店員40が商品の画像や陳列エリア等の検索を開始するためのタッチ操作を受け付けることができる。
【0311】
図37は、店員用商品登録画面の第7の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500mは、店員用商品登録画面500lの状態において、顧客50の復元依頼を受け付けた場合の表示例である。この場合、情報表示領域510には、例えば、カートの状態の表示が“店員復元待ち”、顧客状態の表示が“商品到着待ち”と表示される。なお、情報表示領域510の時間の表示は、管理サーバ200から復元指示を受け付けたタイミングで“00:00”(0分0秒)からカウントアップが開始される。
【0312】
店員用商品登録画面500lには、表示領域529が設けられている。表示領域529には、現在カート30が店員40の操作待ち(店員端末IDの受付待ち)の状態を示す“店員復元待ち”の文字列が表示される。また、操作すべき店員40が所持する店員端末装置400の店員端末IDを示す“No.S0002”の文字列が表示される。このとき、タッチ操作を受け付けない検索ボタン523aおよび完了ボタン524aは暗転表示される。また、スタートボタン522は、店員40がカート30の操作を開始するためのタッチ操作を受け付けることができる。例えば、店員40は、自身の所持する店員端末装置400のバーコード等をカート端末装置300に読み取らせ、スタートボタン522を押下することで、復元作業を開始することができる。なお、商品リスト表示制御部352は、復元作業を開始する際に、店員40に対してカート30を顧客端末装置100へ移動させるべき旨を示すメッセージをディスプレイ304aに表示させてもよい。
【0313】
店員用商品登録画面500nは、店員用商品登録画面500mにおいて、店員40に対応する店員端末IDを受け付けて復元作業が開始された状態の表示例である。この場合、情報表示領域510のカートの状態の表示に、例えば、“お届け中”と表示される。
【0314】
また、店員用商品登録画面500nには、店員40がカート30を顧客端末装置100に移動させた後に店員40の完了操作の入力を受け付けるため、完了ボタン524がアクティブな状態となる。カート端末装置300は、完了ボタン524に対するタッチを受け付けると、管理サーバ200にその旨を通知する。そして、顧客端末装置100にて会計処理が実行される。
【0315】
図38は、店員用商品登録画面の第8の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500oは、店員40がレジで待機していた顧客50に商品を受け渡して、完了ボタン524にタッチした後の表示例である。具体的には、店員用商品登録画面500h,500nで完了ボタン524がタッチされた後の状態を示している。このとき、カートの状態の表示には、例えば、“収納中”と表示される。
【0316】
店員用商品登録画面500oには、表示領域530が設けられている。表示領域530には、例えば、店員40にカート30の設置場所への移動を指示するメッセージが表示される。なお、そのようなメッセージは、カート端末装置300が備える音声出力部から音声で通知することも考えられる。
【0317】
また、店員用商品登録画面500oには、店員40がカート30を設置場所へ移動させた後に店員40の完了操作の入力を受け付けるため、完了ボタン524がアクティブな状態となる。商品リスト表示制御部352は、完了ボタン524に対するタッチを受け付けると、設置場所のエリア情報の入力を受け付けるためのウィンドウをディスプレイ304aに表示させる。
【0318】
店員用商品登録画面500pは、店員用商品登録画面500oにて店員40の完了ボタン524に対するタッチを受け付けた際の表示例を示している。店員用商品登録画面500pには、設置場所入力ウィンドウ531が重畳表示させる。設置場所入力ウィンドウ531の表示内容は、設置場所入力ウィンドウ525の表示内容と同様である。ただし、例えば、現在の状況を明確にするためにカート30を待機状態に変更する旨のメッセージを表示させることが考えられる。設置場所入力ウィンドウ531によりエリア情報の入力を受け付け、完了キーへのタッチを受け付けると、カート端末装置300は、受け付けたエリア情報を管理サーバ200に通知する。すると、設置場所入力ウィンドウ531は閉じられる。そして、商品リスト表示制御部352は、ディスプレイ304aに店員用商品登録画面500aを表示させる。
【0319】
また、設置場所入力ウィンドウ531には、カート30を待機状態とせずに、引き続きカート30を用いて陳列エリア60内の巡回を開始する場合、その旨の入力を受け付ける巡回開始キーが設けられる。巡回開始キーへのタッチを受け付けると、カート端末装置300は、その旨を管理サーバ200に通知する。すると、設置場所入力ウィンドウ531は閉じられる。そして、商品リスト表示制御部352は、ディスプレイ304aに店員用商品登録画面500bを表示させる。
【0320】
ここで、カート端末装置300は、待機状態または保留状態にある場合には、バッテリ70の充電が行われる。また、バッテリ70の電池容量が充分ある場合には、カート端末装置300を省電力状態としておくことが考えられる。
【0321】
このように、カート端末装置300は、現在の顧客の状態やカートの状態等を表示した店員用商品登録画面500をディスプレイ304aに表示する。カート端末装置300は、顧客の状態やカートの状態が更新された場合、あるいは、定期的に管理サーバ200から取得することができる。店員40は、店員用商品登録画面500に表示された内容を確認することで、現在の顧客の状態や自身が行うべき作業を的確に把握することができる。
【0322】
これにより、店員による商品の収集およびカートの操作が迅速に行われることとなり、商品販売を効率的に支援することができる。
このようにして商品を販売する方法は、例えば、体の不自由な顧客に対しても商品の販売を行う場合に有用である。体の不自由な顧客にとっては、店舗内を移動しなくても商品を購入できるため利便性がよい。また、商品を選択する時間を他の用事にあてたい顧客にとっても、自身で店舗内を移動して商品を選択する手間が省けるため利便性がよい。
【0323】
また、管理サーバ200は、店舗で販売する商品を例えばインターネットを介して配信し、顧客がコンピュータや携帯電話機のブラウザから選択した商品を受け付けることも考えられる。このようにすると、顧客が店舗に足を運ぶ前に店員が商品の収集を開始できるので、顧客にとっての利便性が一層向上する。
【0324】
以上、本発明の販売支援装置、販売支援システム、商品カートおよび販売支援方法を図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。更に、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0325】
1 販売支援装置
1a 収集商品情報記憶部
1b 受信部
1c 店員識別情報受付部
1d 商品登録処理部
1e 送信部
2 管理装置
3 表示装置
【技術分野】
【0001】
本発明は商品の販売を支援する販売支援装置、販売支援システム、商品カートおよび販売支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小売業者による商品の販売形態として、店舗に商品を陳列しておき、顧客が所望する商品を自身で選択して買物カート等に投入して店員の待機するカウンタへ持ち込み、会計を行う方法がある。
【0003】
このような販売形態を採る店舗では、POS(Point Of Sales)システムを用いて商品の売上実績を管理する。例えば、店員の待機するカウンタにはPOSレジスタと呼ばれる端末装置が設置される。POSレジスタは、顧客が持ち込んだ商品の情報(例えば、バーコード情報)を読み取って、店舗内の複数のPOSレジスタの情報を管理するPOS管理サーバに登録する。POS管理サーバは、複数のPOSレジスタから登録された情報を集約して店舗内の商品の売上実績を取得する。
【0004】
しかし、顧客に商品を選択させる場合、会計レジで会計待ちの顧客の待ち行列が発生する、商品を未清算のまま店外に持ち出される、という問題がある。これに対し、顧客が商品を買物カート等に投入する際に販売情報の登録を可能として、会計時の所要時間の短縮化および取り出し商品の管理を行うことで、待ち行列の改善および商品の未清算持ち出しの防止を図る方法が考えられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、顧客が商品をカウンタまで持ち運ぶ動作を解消するために、顧客の選択した商品を自動集配装置により自動的に集配する方法が考えられている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−097382号公報
【特許文献2】特開平08−166992号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、現状の店舗では、多数の顧客が商品の陳列エリアを移動して商品の選択を行う。このため、怪我、病気および障害などで体が不自由であるために陳列エリアの移動が困難な顧客にとっては、買物に多大な労力を要するという問題がある。これに対し、体の不自由な顧客に対しても現状の店舗において効率的に商品の販売を可能とする環境が望まれている。
【0008】
このために、例えば顧客の代わりに店員が顧客の所望する商品の収集を行って、顧客に引き渡し可能とすることが考えられる。その場合、例えば店員が顧客の所望する商品を適正に把握して、それらの商品の収集を効率的に行えることが望ましい。また、例えば商品の収集を待機する顧客に対して待ちによるストレスを与えないように、その収集状況を的確に把握可能とすることが望ましい。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、店員が商品を収集する小売形態にて、商品販売を効率的に支援することができる販売支援装置、販売支援システム、商品カートおよび販売支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では上記課題を解決するために、販売支援装置が提供される。この販売支援装置は、受信部、店員識別情報受付部、商品登録処理部および送信部を有する。受信部は、管理装置から取引開始指示を受信すると、管理装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報の受信を開始し、順次受信した商品入力情報を管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する。店員識別情報受付部は、受信部が取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける。商品登録処理部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に基づいて、収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける。送信部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を管理装置に送信し、商品登録処理部が収集商品情報記憶部に記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置に送信する。
【0011】
また、上記課題を解決するために、販売支援システムが提供される。この販売支援システムは、管理装置と販売支援装置とを有する。管理装置は、第1の受信部、資源運用管理部および第1の送信部を備える。第1の受信部は、顧客端末装置収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報を受信すると、受信した商品入力情報を取引の内容を識別するための所定の取引識別情報に対応付けて取引管理情報記憶部に格納する。資源運用管理部は、複数の取引識別情報それぞれにつき取引の対応を行うための店員と収集対象の商品を投入するための収納物との割当を行う。第1の送信部は、資源運用管理部による割当結果に基づいて、割当てられた店員が所持する店員端末装置と収納物に設置された販売支援装置とに取引開始指示を送信し、取引管理情報記憶部に記憶された商品入力情報を販売支援装置に順次送信する。販売支援装置は、第2の受信部、店員識別情報受付部、商品登録処理部および第2の送信部を備える。第2の受信部は、管理装置から取引開始指示を受信すると、管理装置から商品入力情報の受信を開始し、順次受信した商品入力情報を管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する。店員識別情報受付部は、受信部が取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける。商品登録処理部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に基づいて、収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける。第2の送信部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を管理装置に送信し、商品登録処理部が収集商品情報記憶部に記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置に送信する。
【0012】
また、上記課題を解決するために、商品を収納する商品カートが提供される。この商品カートは、受信部、店員識別情報受付部、商品登録処理部および送信部を有する。受信部は、管理装置から取引開始指示を受信すると、管理装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報の受信を開始し、順次受信した商品入力情報を管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する。店員識別情報受付部は、受信部が取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける。商品登録処理部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に基づいて、収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、収集商品情報記憶部に記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける。送信部は、店員識別情報受付部が店員識別情報を受け付けると、収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を管理装置に送信し、商品登録処理部が収集商品情報記憶部に記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置に送信する。
【0013】
また、上記課題を解決するために、上記販売支援装置と同様の処理を行う販売支援方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
上記販売支援装置、販売支援システム、商品カートおよび販売支援方法によれば、店員が商品を収集する小売形態にて、商品販売を効率的に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の実施の形態に係る販売支援装置を示す図である。
【図2】第2の実施の形態に係る販売支援システムを示す図である。
【図3】顧客端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【図4】カート端末装置のハードウェア構成を示す図である。
【図5】顧客端末装置に機能構成を示す図である。
【図6】管理サーバの機能構成を示す図である。
【図7】カート端末装置の機能構成を示す図である。
【図8】商品マスタのデータ構造例を示す図である。
【図9】商品入力管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図10】取引管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図11】カート端末装置管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図12】店員管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図13】収集対象商品管理テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図14】取引テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図15】店員用商品登録画面の構成例を示す図である。
【図16】各装置で実行する処理の関係を示す図である。
【図17】顧客端末装置の商品入力処理を示すフローチャートである。
【図18】管理サーバの資源割当処理を示すフローチャートである。
【図19】管理サーバの商品情報受付処理を示すフローチャートである。
【図20】カート端末装置の収集商品情報受信処理を示すフローチャートである。
【図21】カート端末装置の商品登録処理を示すフローチャートである。
【図22】管理サーバのカート管理処理を示すフローチャートである。
【図23】管理サーバの取引情報復元処理を示すフローチャートである。
【図24】顧客端末装置の会計処理を示すフローチャートである。
【図25】取引処理の流れの第1の具体例を示すシーケンス図である。
【図26】取引処理の流れの第1の具体例を示すシーケンス図である。
【図27】取引処理の流れの第2の具体例を示すシーケンス図である。
【図28】取引処理の流れの第2の具体例を示すシーケンス図である。
【図29】商品選択用操作画面の表示例を示す図である。
【図30】店員用商品登録画面の第1の表示例を示す図である。
【図31】設置場所入力ウィンドウの表示例を示す図である。
【図32】店員用商品登録画面の第2の表示例を示す図である。
【図33】店員用商品登録画面の第3の表示例を示す図である。
【図34】店員用商品登録画面の第4の表示例を示す図である。
【図35】店員用商品登録画面の第5の表示例を示す図である。
【図36】店員用商品登録画面の第6の表示例を示す図である。
【図37】店員用商品登録画面の第7の表示例を示す図である。
【図38】店員用商品登録画面の第8の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る販売支援装置を示す図である。販売支援装置1は、管理装置2とネットワークを介して接続される。また、販売支援装置1は表示装置3と接続される。
【0017】
販売支援装置1は、収集商品情報記憶部1a、受信部1b、店員識別情報受付部1c、商品登録処理部1dおよび送信部1eを有する。
収集商品情報記憶部1aは、収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報を記憶する。
【0018】
商品入力情報は、管理装置2から送信される。管理装置2は、例えば顧客が商品の選択操作を行うための顧客端末装置から顧客が購入を所望する商品の選択入力を受け付け、商品入力情報を生成する。そして、管理装置2は、商品入力情報を管理装置2が備える記憶部に格納して管理すると共に、販売支援装置1に送信する。
【0019】
受信部1bは、管理装置2から取引開始指示を受信すると、管理装置2から商品入力情報の受信を開始する。受信部1bは、順次受信した商品入力情報を管理装置2から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部1aに格納する。
【0020】
入力完了通知は、顧客が商品の選択入力を完了した旨を通知するための情報である。管理装置2は、例えば顧客端末装置から入力完了の操作入力を受け付けると、入力完了通知を生成して販売支援装置1に送信する。
【0021】
店員識別情報受付部1cは、受信部1bが取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける。
店員識別情報は、店舗の店員に予め付与される。店員識別情報受付部1cは、例えば店員が所有する識別カードに付されたバーコードやIC(Integrated Circuit)タグを読み取ることで店員識別情報を受け付けることが考えられる。また、店員が入力装置から入力した店員識別情報を受け付けることが考えられる。
【0022】
商品登録処理部1dは、店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、収集商品情報記憶部1aに記憶された商品入力情報に基づいて、収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、収集商品情報記憶部1aに記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける。
【0023】
送信部1eは、店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を管理装置2に送信する。また、送信部1eは、商品登録処理部1dが収集商品情報記憶部1aに記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置2に送信する。
【0024】
販売支援装置1によれば、受信部1bにより、管理装置2から取引開始指示が受信されると、管理装置2からの商品入力情報の受信が開始される。受信部1bにより、順次受信した商品入力情報が、管理装置2から入力完了通知が受信されるまで、収集商品情報記憶部1aに格納される。受信部1bが取引開始指示を受信すると、店員識別情報受付部1cにより、店員識別情報の受け付けが待受けられる。店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、商品登録処理部1dにより、収集商品情報記憶部1aに記憶された商品入力情報に基づいて商品リストが表示装置に表示され、収集商品情報記憶部1aに記憶された商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けが待受けられる。また、店員識別情報受付部1cが店員識別情報を受け付けると、送信部1eにより、収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知が管理装置2に送信される。また、商品登録処理部1dが収集商品情報記憶部1aに記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、送信部1eにより、商品登録の完了が検知されると、登録完了通知が管理装置2に送信される。
【0025】
これにより、店員が商品を収集する小売形態にて、商品販売を効率的に支援することができる。具体的には、販売支援装置1は受信した商品入力情報に基づいて、収集対象の商品リストを表示装置3に表示させる。このため、店員は表示装置3に表示された商品リストを目視することでどの商品を収集すべきかを確認することができる。また、販売支援装置1は、入力完了通知の受信後、収集商品情報記憶部1aに記憶された全ての商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を管理装置2に送信する。このため、管理装置2では販売支援装置1を用いた店員による商品の収集作業が完了したか否かを的確に判断することができる。その結果、管理装置2は、例えば店員の収集作業の状況を待機中の顧客に通知する等の対応を行うことができる。
【0026】
以下の実施の形態では、販売支援装置1を小売業者の店舗において使用する場合を例に採り、より具体的に説明する。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態に係る販売支援システムを示す図である。この販売支援システムは、小売業者の店舗に設けられる。この販売支援システムは、顧客端末装置100,100a、管理サーバ200、カート端末装置300,300a,300bおよび店員端末装置400,400aを有する。
【0027】
顧客端末装置100,100aは、顧客50が購入対象とする商品を選択するための端末装置である。
管理サーバ200は、店舗内の売上実績や顧客50が顧客端末装置100,100aで選択した商品の内訳情報などを管理するサーバ装置である。
【0028】
顧客端末装置100,100aおよび管理サーバ200は、ネットワーク10を介して接続される。
カート端末装置300,300a,300bは、カート30,30a,30bに設けられる。カート30,30a,30bは、店員40,40aが商品を買物カゴに投入して運搬するための収納物である。カート30cは、顧客50が選択した全ての商品を収集済みのカートを示している。カート30cにもカート30,30a,30bと同様にカート端末装置が設けられている。
【0029】
例えば、店員40はカート30に設けた買物カゴにカート端末装置300が指示する商品を投入して運搬する。
また、例えば店員40aは全ての商品の投入が完了したカート30cを顧客50の待機する顧客端末装置100へ届け、顧客50への商品の受渡を行う。そして、顧客50は顧客端末装置100を用いて、店員40aから受け取った商品の会計を行う。
【0030】
また、例えば商品の収集の依頼がない場合には、カート30a,30bは所定の設置場所に配置されるか、あるいは、店員40,40aにより陳列エリア60内を巡回するようにする。設置場所では、カート端末装置300a,300b用のバッテリの充電を行う。
【0031】
ここで、カート端末装置300,300a,300bは、第1の実施の形態の販売支援装置1の一例である。
店員端末装置400,400aは、店員40,40aが所持する携帯端末装置である。店員端末装置400,400aは、管理サーバ200から商品集配の作業指示を受信すると、その旨を店員40,40aに通知する。通知の方法は、例えば店員端末装置400,400aが備える表示画面への文字列の表示、音声の出力および装置筐体の振動、あるいはこれらの組み合わせによって行うことが考えられる。通知される情報には、例えば店員40,40aが操作すべきカートを通知するための情報が含まれる。
【0032】
また、カート端末装置300,300a,300bは、顧客端末装置100,100aおよび管理サーバ200とネットワーク10および無線通信装置20,20a,20bを介して接続される。また、店員端末装置400,400aは、顧客端末装置100,100aおよび管理サーバ200とネットワーク10および無線通信装置20,20a,20bを介して接続される。
【0033】
ここで、無線通信装置20,20a,20bはネットワーク10に接続された無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントである。ただし、無線通信装置20a,20bとネットワーク10との関連線は図示を省略している。
【0034】
無線通信装置20,20a,20bは、店舗内の商品を陳列する領域である陳列エリア60内の全域を通信可能領域としてカバーするよう配置されている。すなわち、カート端末装置300,300a,300bおよび店員端末装置400,400aは、陳列エリア60の全域で無線通信装置20,20a,20bを介してネットワーク10に接続可能である。
【0035】
なお、カートおよびカート端末装置は、図示した以外にも更に複数存在するものとする。また、店員および店員端末装置は、図示した以外にも更に複数存在するものとする。また、顧客端末装置は、図示した以外にも更に複数存在するものとする。
【0036】
図3は、顧客端末装置のハードウェア構成を示す図である。顧客端末装置100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、NVRAM(Non Volatile RAM)103、表示処理部104、ディスプレイ104a、入出力処理部105、タッチパネル105a、重量計測部105b、ICカード読取部105c、伝票発行/読取部105dおよび通信処理部106を有する。
【0037】
CPU101は、顧客端末装置100全体を制御する。
RAM102は、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションソフトウェア(以下、アプリケーションという)のプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM102は、CPU101による処理に必要な各種データを記憶する。
【0038】
NVRAM103は、CPU101が実行するプログラムや処理に用いるデータを記憶する不揮発性のメモリである。このような記憶部として、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などを用いることができる。
【0039】
表示処理部104は、ディスプレイ104aと接続される。表示処理部104は、CPU101からの命令にしたがって画像をディスプレイ104aに表示させる。
ディスプレイ104aは、各種画像を表示する。ディスプレイ104aは、タッチパネル105aの下層に位置している。ディスプレイ104aの表示する画像は、タッチパネル105aを透過して、タッチパネル105aの上から視認可能である。顧客は、ディスプレイ104aによって表示された画像を見ながら、タッチパネル105aに対するタッチ操作を行える。
【0040】
入出力処理部105は、タッチパネル105a、重量計測部105b、ICカード読取部105cおよび伝票発行/読取部105dに接続される。入出力処理部105は、タッチパネル105aに対するタッチ操作があると、現在のタッチ位置の座標を示す信号をCPU101に出力する。また、入出力処理部105は、重量計測部105bが備える秤に商品が載置されると、その商品の重量の計測結果をCPU101に出力する。また、入出力処理部105は、ICカード読取部105cが備えるカード挿入口に顧客50が所有するICカードが挿入されると、ICカードに記憶された顧客の識別情報(顧客識別情報)をCPU101に出力する。また、入出力処理部105は、CPU101からの指示にしたがって、伝票発行/読取部105dにより顧客50に対して取引の内容を示す所定の伝票を発行させる。また、入出力処理部105は、伝票発行/読取部105dが備える挿入口に顧客50が所有する伝票が挿入されると、伝票に記憶された取引の識別情報(取引識別情報)をCPU101に出力する。
【0041】
タッチパネル105aは、顧客50のタッチ操作を受け付ける。
重量計測部105bは、商品を載置するための秤を備えており、載置された商品の重量を計測する。秤には、例えば顧客50が商品の持ち帰り用の買物袋に商品を袋詰めする際に、袋詰めされた商品が載置される。
【0042】
ICカード読取部105cは、顧客50の所有するICカードを挿入するための挿入口を備えており、挿入されたICカードに記憶された顧客識別情報を読み取る。
伝票発行/読取部105dは、伝票の発行を行う。伝票発行/読取部105dは、伝票の排出および顧客50の所有する発行済の伝票を挿入するための挿入口を備えている。伝票発行/読取部105dは、挿入口に伝票が挿入されると伝票に記憶された取引識別情報を読み取る。
【0043】
通信処理部106は、ネットワーク10と接続される。通信処理部106は、ネットワーク10を介して、管理サーバ200との間でデータ通信を行う。
なお、他の顧客端末装置についても顧客端末装置100と同様のハードウェア構成により実現できる。
【0044】
また、管理サーバ200についても顧客端末装置100と同様のハードウェア構成により実現できる。ただし、重量計測部105b、ICカード読取部105cおよび伝票発行/読取部105dなど、不要な機能がある場合にはそれらの機能を省略することが考えられる。
【0045】
図4は、カート端末装置のハードウェア構成を示す図である。カート端末装置300は、CPU301、RAM302、NVRAM303、表示処理部304、ディスプレイ304a、入力処理部305、タッチパネル305a、バーコード読取部305bおよび無線通信部306を有する。
【0046】
CPU301、RAM302、NVRAM303、表示処理部304、ディスプレイ304aおよびタッチパネル305aは、図3で説明した顧客端末装置100におけるCPU101、RAM102、NVRAM103、表示処理部104、ディスプレイ104aおよびタッチパネル105aに対応する。
【0047】
入力処理部305は、タッチパネル305aおよびバーコード読取部305bと接続される。入力処理部305は、タッチパネル305aに対するタッチ操作があると、現在のタッチ位置の座標を示す信号をCPU301に出力する。また、入力処理部305は、バーコード読取部305bがバーコードの読取を行うと、読取結果をCPU310に出力する。
【0048】
バーコード読取部305bは、商品に付されたバーコードを読み取り、商品の識別情報を含む各種情報を取得する。なお、商品に付された無線タグの読み取りを行えるように、無線タグ読取部を更に備えていても良い。
【0049】
無線通信部306は、無線通信装置20を介して管理サーバ200との間でデータ通信を行う。
また、カート端末装置300には、カート端末装置300の各部を動作させるための電力を供給するバッテリ70が接続されている。バッテリ70は充電可能な電池である。CPU301は、バッテリ70に蓄えられている電力容量を監視する。
【0050】
なお、他のカート端末装置についてもカート端末装置300と同様のハードウェア構成により実現できる。
更に、店員端末装置についてもカート端末装置300と同様のハードウェア構成により実現することができる。
【0051】
図5は、顧客端末装置に機能構成を示す図である。顧客端末装置100は、商品入力操作受付部110、商品明細復元受付部120、会計処理部130および重量チェック処理部140を有する。これらの機能は、CPU101が所定のプログラムを実行することで実現される。また、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0052】
商品入力操作受付部110は、顧客50による商品入力の開始(取引開始)の操作を受け付ける。例えば、ディスプレイ104aには顧客50による取引開始の操作を受け付ける取引開始ボタンが表示される。そして、商品入力操作受付部110は、タッチパネル105aにより顧客50の取引開始ボタンを選択するタッチ操作が検出された場合に、取引開始の操作を受け付ける。このとき、商品入力操作受付部110は、ICカード読取部105cが顧客50の所有するICカードから顧客識別情報を読み取ると取引開始と共に顧客識別情報を受け付ける。また、商品入力操作受付部110はキー入力により顧客識別情報を受け付けることもできる。
【0053】
商品入力操作受付部110は、取引開始の操作を受け付けると、取引開始通知を管理サーバ200に通知する。商品入力操作受付部110は、顧客識別情報を取得している場合、取引開始通知に顧客識別情報を含める。
【0054】
商品入力操作受付部110は、取引開始の操作受付後、顧客50による商品の入力を受け付ける。商品入力操作受付部110は、例えば顧客50に商品の検索画面を提供する。商品の検索画面に表示する情報は管理サーバ200から取得することができる。商品入力操作受付部110は、入力された商品の情報を管理サーバ200に送信する。
【0055】
商品明細復元受付部120は、入力済の取引の内容を顧客端末装置100上に復元する。商品明細復元受付部120の機能は、例えば顧客50がオーダー完了後に退席する場合、その後の商品受取の際にオーダーの内容を復元して適切に会計処理を行うために用いることができる。例えば、ディスプレイ104aには顧客50による商品受取の操作を受け付ける商品受取ボタンが表示される。商品明細復元受付部120は、タッチパネル105aにより顧客50の商品受取ボタンを選択するタッチ操作を検出し、ICカード読取部105cが顧客50のICカードを読み取った際に、受付済の取引が存在した場合に、顧客識別情報を含む明細復元依頼を管理サーバ200に送信する。あるいは、商品明細復元受付部120は、例えば顧客50に対してオーダー受付後に発行した伝票を伝票発行/読取部105dが読み取って取引識別情報を取得した場合に、取引識別情報を含む明細復元依頼を管理サーバ200に送信する。
【0056】
会計処理部130は、商品入力操作受付部110が受け付けた商品の会計処理を行う。会計処理部130は、入力された商品の金額等、会計に必要な情報は管理サーバ200から取得することができる。会計処理部130は、商品の売上実績を管理サーバ200に送信する。
【0057】
重量チェック処理部140は、顧客50が買い上げた商品の重量計測部105bによる重量計測の結果を取得する。そして、重量チェック処理部140は、その重量が該当の商品について予め登録された重量と一定の誤差の範囲内で等しいか否かを判定する(重量チェック)。なお、商品ごとの重量は管理サーバ200に予め登録される。重量チェック処理部140は、オーダーに含まれる商品の重量を管理サーバ200から取得することができる。重量チェック処理部140は、オーダーに含まれる商品が複数ある場合には、複数の商品の合計について重量を計測し、登録された複数の商品の合計の重量と比較して重量チェックを行う。重量チェックにより、オーダーのあった商品とは異なる商品が未会計のまま持ち帰られることを防止できる。
【0058】
なお、他の顧客端末装置についても顧客端末装置100と同様の機能構成により実現できる。
図6は、管理サーバの機能構成を示す図である。管理サーバ200は、商品マスタ記憶部210、取引管理情報記憶部220、運用管理情報記憶部230、販売情報記憶部240、顧客端末側処理部250およびカート端末側処理部260を有する。これらの機能は、管理サーバ200が備えるCPUが所定のプログラムを実行することで実現される。また、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0059】
商品マスタ記憶部210は、商品マスタを記憶する。商品マスタには、商品の識別情報に対応付けて、商品に関する各種情報が予め登録される。
取引管理情報記憶部220は、顧客50がオーダーした取引の内容を示す取引管理情報が記憶される。取引管理情報には、オーダーを受け付けた顧客端末装置100の識別情報や、オーダーを受けた商品の収集を行うために割当てられたカートの識別情報および店員の識別情報(店員識別情報)が含まれる。また、取引管理情報記憶部220には、顧客50による選択を受け付けた商品入力情報が登録される。
【0060】
運用管理情報記憶部230は、カートや店員等の店舗の運用資源を管理するための運用管理情報を記憶する。運用管理情報には、店舗に存在するカートおよびカートに対応付けられたカート端末装置を管理するためのカート端末装置管理情報が含まれる。また、運用管理情報には、店舗に存在する店員を管理するための店員管理情報が含まれる。
【0061】
販売情報記憶部240は、店舗における売上実績を示す販売情報を記憶する。
顧客端末側処理部250は、顧客端末装置100,100aとの間でデータを送受信する。顧客端末側処理部250は、商品情報送信部251、商品入力情報受信部252、明細復元受付部253および販売情報受信部254を有する。
【0062】
商品情報送信部251は、顧客端末装置100から商品検索の依頼を受け付けると、その依頼と共に受け付けた検索キーワードや商品の分類情報などに応じて商品マスタから該当する商品を抽出する。商品情報送信部251は、抽出した商品に関する情報を顧客端末装置100に応答する。顧客端末装置100では、商品情報送信部251から受信した商品の情報に基づいて、顧客50へ商品の画像、価格および特売品であるか等の情報を提供する。顧客50は、その情報を閲覧して所望の商品を選択できる。
【0063】
商品入力情報受信部252は、顧客端末装置100から取引開始通知を受信すると新たに取引管理用のレコード(取引管理レコード)を生成して取引管理情報記憶部220に格納する。商品入力情報受信部252は、取引の内容を一意に識別するための取引識別情報を取引管理レコードに含める。また、商品入力情報受信部252は、取引開始通知に顧客識別情報が含まれている場合には、顧客識別情報を取引管理レコードに含める。
【0064】
また、商品入力情報受信部252は、顧客端末装置100から顧客50が選択した商品を示す商品入力情報を受信すると、取引識別情報に対応付けて商品入力レコードを生成し、取引管理情報記憶部220に格納する。
【0065】
明細復元受付部253は、顧客端末装置100から明細復元依頼を受信すると、取引管理情報記憶部220を参照して、明細復元依頼に含まれる顧客識別情報または取引識別情報に対応する取引情報を抽出する。明細復元受付部253は、抽出した取引情報を顧客端末装置100に送信する。
【0066】
販売情報受信部254は、顧客端末装置100から顧客50に対する売上の実績を示す販売情報を受信する。販売情報受信部254は、受信した販売情報を販売情報記憶部240に格納する。
【0067】
カート端末側処理部260は、カート端末装置300,300a,300bとの間でデータを送受信する。カート端末側処理部260は、取引情報送信部261、登録作業通知受信部262、資源運用管理部263および保留カート呼出部264を有する。
【0068】
取引情報送信部261は、商品入力情報受信部252が取引開始通知を受信すると、商品入力情報受信部252が生成した取引管理レコードと共に、取引開始通知をカート端末装置300に送信する。そして、取引情報送信部261は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理情報を参照して、同記憶部に記憶された商品入力情報をカート端末装置300に送信する。その際、取引情報送信部261は、該当の商品に対応する商品単価の情報等を商品マスタ記憶部210に記憶された商品マスタから抽出して、商品入力情報と共にカート端末装置300に送信する。
【0069】
また、取引情報送信部261は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理情報を参照して、顧客50が商品の選択入力を完了したことを検知すると、入力完了通知をカート端末装置300に送信する。
【0070】
登録作業通知受信部262は、カート端末装置300からオーダーのあった商品の収集が開始された旨を示す登録開始通知あるいは完了した旨を示す登録完了通知を受信し、その旨を資源運用管理部263に通知する。
【0071】
資源運用管理部263は、カートの利用状況および店員の作業状況を管理する。資源運用管理部263は、カート端末装置300,300a,300bおよび店員端末装置400,400aから受信するステータス変化の通知に基づいて、運用管理情報記憶部230に記憶された運用管理情報を更新する。また、資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された運用管理情報に基づいて、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理レコードにつき商品の収集を行うためのカートと店員との割当を行う。資源運用管理部263は、その取引管理レコードに対して割当てたカート識別情報と店員識別情報との登録を行う。
【0072】
保留カート呼出部264は、顧客50が商品の入力完了後に退席し、その後、商品の受取に戻った際に、商品の収集が完了して保留状態となっている保留カートの呼出を行う。保留カート呼出部264は、明細復元受付部253が顧客端末装置100から受信した顧客識別情報または取引識別情報に基づき、運用管理情報記憶部230に記憶された運用管理情報を参照して、顧客50から受け付けたオーダーに対応する保留カートを特定することができる。
【0073】
図7は、カート端末装置の機能構成を示す図である。カート端末装置300は、収集商品情報記憶部310、取引情報記憶部320、取引情報受信部330、店員識別情報受付部340、商品登録処理部350、登録完了操作受付部360、設置操作受付部370、操作情報送信部380および電源情報送信部390を有する。これらの機能は、CPU301が所定のプログラムを実行することで実現される。また、これらの機能の一部または全部を専用のハードウェアによって実現してもよい。
【0074】
収集商品情報記憶部310は、カート30を用いて収集すべき商品を示す商品入力情報とその商品についての価格等の情報とを記憶する。なお、以下では、商品入力情報と対応する商品についての価格等の情報とを含めて収集商品情報と呼ぶこととする。
【0075】
取引情報記憶部320は、カート30に関する取引管理情報を記憶する。
取引情報受信部330は、管理サーバ200から取引開始通知を受け付ける。取引情報受信部330は、取引開始通知に含まれる取引管理情報を取引情報記憶部320に格納する。また、取引情報受信部330は、管理サーバ200から収集商品情報を受信すると、受信した収集商品情報を収集商品情報記憶部310に格納する。
【0076】
店員識別情報受付部340は、取引情報受信部330が取引開始通知を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける。店員識別情報は、例えば、店員端末装置400に付されたバーコードや無線タグに予め登録される。また、店員識別情報は、例えば、店員が所有するID(IDentifier)カードに付されたバーコードや無線タグに予め登録される。店員識別情報受付部340は、店員端末装置400や店員40のIDカードを読み取ることで店員識別情報を受け付ける。なお、店員識別情報受付部340は、店員のタッチパネル305aに対するキー入力操作によって店員識別情報を受け付けることもできる。
【0077】
店員識別情報受付部340は、受け付けた店員識別情報を商品登録処理部350に出力する。
商品登録処理部350は、店員識別情報受付部340から店員識別情報を取得すると、取引情報記憶部320に記憶された取引情報を参照して、自カートに割当てられた店員識別情報であるか否かを判定する。自カートに割当てられた店員識別情報である場合、商品の登録処理を開始する。商品登録処理部350は、商品識別情報受付部351および商品リスト表示制御部352を有する。
【0078】
商品識別情報受付部351は、商品識別情報の受け付けを待受ける。商品識別情報受付部351は、商品に付されたバーコードをバーコード読取部305bが読み取ると、そのバーコードに含まれる商品識別情報を受け付ける。また、商品に付された無線タグを読み取って商品識別情報を受け付けることとしてもよい。また、バーコード等が付されていない商品については、店員のタッチパネル305aに対するキー入力操作によって、商品識別情報を受け付けることもできる。
【0079】
商品識別情報受付部351は、商品識別情報を受け付けると収集商品情報記憶部310に記憶された収集商品情報を参照して、その商品が収集対象の商品であるか否かを判定する。そして、収集対象の商品である場合、収集商品情報に収集した旨を登録する。収集対象の商品でない場合、収集対象の商品でない旨を店員に通知する。
【0080】
商品リスト表示制御部352は、収集商品情報記憶部310に記憶された収集商品情報を参照して、ディスプレイ304aに収集対象の商品リストを表示させる。また、商品リスト表示制御部352は、取引情報記憶部320に記憶された取引情報を参照して、顧客の状態や自カートの状態等の情報をディスプレイ304aに表示させる。また、商品リスト表示制御部352は、店員の操作入力を受け付けるための操作用のインタフェースをディスプレイ304aに表示させる。店員が可能な操作としては、例えば、商品収集作業の開始、完了、商品の登録および商品の検索等が考えられる。
【0081】
登録完了操作受付部360は、店員のタッチパネル305aに対する商品登録の完了のキー入力操作を受け付けると、登録完了通知を生成して操作情報送信部380に出力する。
【0082】
設置操作受付部370は、店員のタッチパネル305aに対するカート30の設置場所情報のキー入力操作を受け付けると、受け付けた設置場所情報を操作情報送信部380に出力する。
【0083】
操作情報送信部380は、登録完了操作受付部360から取得した登録完了通知を管理サーバ200に送信する。また、操作情報送信部380は、設置操作受付部370から取得した設置場所情報を管理サーバ200に送信する。
【0084】
電源情報送信部390は、カート端末装置300に設置されたバッテリ70の電源容量を示す電源容量情報を定期的に取得する。電源情報送信部390は、取得した電源容量情報を商品リスト表示制御部352に通知すると共に、管理サーバ200に送信する。
【0085】
なお、他のカート端末装置についてもカート端末装置300と同様の機能構成により実現できる。
図8は、商品マスタのデータ構造例を示す図である。商品マスタ211は、商品マスタ記憶部210に予め記憶される。商品マスタ211には、商品IDを示す項目、商品名を示す項目、単価を示す項目、売場区分を示す項目、重量を示す項目およびNBC(Non Bar Code)フラグを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの商品に関する情報を示す。
【0086】
商品IDを示す項目には、商品識別情報である商品IDが設定される。商品名を示す項目には、商品の名称が設定される。単価を示す項目には、商品の単価が設定される。陳列エリアを示す項目には、商品の陳列されている場所を示す情報が設定される。重量を示す項目には、商品の重量が設定される。NBCフラグを示す項目には、該当の商品がバーコードの付されていない商品であるNBC商品であるか否かを示すフラグが設定される。NBCフラグを示す項目には、該当の商品がNBC商品である場合、1が設定される。また、該当の商品がNBC商品でない場合、0が設定される。
【0087】
商品マスタ211には、例えば、商品IDが“P0001”、商品名が“みかん”、単価が“200”、陳列エリアが“A003”、重量が“300g”、NBCフラグが“0”という情報が設定される。
【0088】
これは、商品ID“P0001”の商品名“みかん”が陳列エリア“A003”で示される場所に陳列されており、その商品単価が“200”円、商品単位当たりの重量が“300g”、バーコードの付された商品であることを示している。
【0089】
また、商品マスタ211には、例えば、商品IDが“P0011”、商品名が“さんま”、単価が“100”、陳列エリアが“A005”、重量が“100g”、NBCフラグが“1”という情報が設定される。
【0090】
これは、商品ID“P0011”の商品名“さんま”が陳列エリア“A005”で示される場所に陳列されており、その商品単価が“100”円、商品単位当たりの重量が“100g”、バーコードの付されていない商品であることを示している。
【0091】
なお、商品マスタ211には、該当の商品についての他の情報(例えば、商品の画像、商品の説明および特売品であるかを示す情報等)が更に登録されていてもよい。
図9は、商品入力管理テーブルのデータ構造例を示す図である。商品入力管理テーブル221は、取引管理情報記憶部220に格納される。商品入力管理テーブル221は、商品入力情報受信部252によって更新される。商品入力管理テーブル221には、取引IDを示す項目、商品IDを示す項目および個数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの商品について受け付けた商品入力レコードを示す。
【0092】
取引IDを示す項目には、取引識別情報である取引IDが設定される。商品IDを示す項目には、商品IDが設定される。個数を示す項目には、選択入力された個数が設定される。
【0093】
商品入力管理テーブル221には、例えば、取引IDが“T0001”、商品IDが“P0001”、個数が“1”という情報が設定される。
これは、取引ID“T0001”で示される取引について、商品IDが“P0001”で示される商品“1”個のオーダーを受け付けたことを示している。
【0094】
図10は、取引管理テーブルのデータ構造例を示す図である。取引管理テーブル222は、取引管理情報記憶部220に格納される。取引管理テーブル222は、商品入力情報受信部252および資源運用管理部263によって更新される。取引管理テーブル222には、取引IDを示す項目、顧客IDを示す項目、顧客状態を示す項目、長期退席を示す項目、店員端末IDを示す項目、カート端末IDを示す項目および受付レジIDを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの受け付けオーダーを管理するための取引管理レコードを示す。
【0095】
取引IDを示す項目には、取引IDが設定される。顧客IDを示す項目には、顧客識別情報である顧客IDが設定される。顧客状態を示す項目には、顧客の現在の状態を示す情報が設定される。長期退席を示す項目には、該当の顧客が長期間退席しているか否かを示すフラグ(長期退席時は1、長期退席に該当しない場合0とする)が設定される。店員端末IDを示す項目には、店員端末に付与された店員識別情報である店員端末IDが設定される。カート端末IDを示す項目には、カート端末装置を識別するためのカート識別情報であるカート端末IDが設定される。受付レジIDを示す項目には、商品のオーダーを受け付けた顧客端末装置を識別するための受付レジIDが設定される。
【0096】
取引管理テーブル222には、例えば、取引IDが“T0001”、顧客IDが“C0121”、顧客状態が“Busy”、長期退席が“0”、店員端末IDが“S0002”、カート端末IDが“K0002”、受付レジIDが“R0001”という情報が設定される。
【0097】
これは、取引ID“T0001”で示される取引について、顧客ID“C0121”で示される顧客からオーダーを受け付けており、その顧客の現在の状態が“Busy”、長期退席には該当していない(フラグ“0”)ことを示している。また、該当の取引に割当てた店員の店員端末装置は店員端末ID“S0002”で示される端末であり、割当てたカートのカート端末装置はカート端末ID“K0002”で示される端末であることを示している。更に、オーダーを受け付けた顧客端末装置は受付レジID“R0001”で示される端末であることを示している。
【0098】
ここで、顧客状態に設定する情報によって、以下のような顧客の状態を管理することができる。
(1)“Busy”:顧客端末装置にて顧客が商品入力中の状態である。
【0099】
(2)“Wait”:顧客端末装置での顧客による商品の入力が完了し、顧客がカートの到着を待機している状態である。
(3)“Suspend”:顧客端末装置での顧客による商品の入力が完了し、顧客が退席している状態である。
【0100】
(4)“Restore”:退席していた顧客が商品受取のために戻り、カートの到着を待機している状態である。
(5)“Pay”:顧客端末装置で顧客が商品の会計を行っている状態である。
【0101】
このような状態を管理することで、資源運用管理部263は顧客の状態に応じて、カートおよび店員の状態の管理が可能となる。
なお、取引管理情報記憶部220には、店員端末ID、カート端末IDおよび受付レジIDを、例えば各端末装置のIP(Internet Protocol)アドレスに対応付けたホスト管理情報が予め格納されている。取引情報送信部261等は、この取引管理テーブル222とホスト管理情報とを参照することで、店舗内のLANによる宛先を特定したデータ通信が可能となる。
【0102】
図11は、カート端末装置管理テーブルのデータ構造例を示す図である。カート端末装置管理テーブル231は、運用管理情報記憶部230に格納される。カート端末装置管理テーブル231は、資源運用管理部263によって更新される。カート端末装置管理テーブル231には、カート端末IDを示す項目、電源状態を示す項目、電池残量を示す項目、カート状態を示す項目、設置場所を示す項目および巡回位置を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つのカートおよびカート端末装置の情報を示す。
【0103】
カート端末IDを示す項目には、カート端末IDが設定される。電源状態を示す項目には、該当のカート端末装置の電源がONであるかOFFであるかを示す情報が設定される。電池残量を示す項目には、該当のカート端末装置に電力を供給する電池の残容量を示す情報が設定される。カート状態を示す項目には、カートの現在の状態を示す情報が設定される。設置エリアを示す項目には、カート(カートに設置されたカート端末装置)の設置場所を示す情報が設定される。巡回エリアを示す項目には、店舗内を巡回中のカートにつき、現在の巡回場所を示す情報が設定される。
【0104】
カート端末装置管理テーブル231には、例えば、カート端末IDが“K0001”、電源状態が“ON”、電池残量が“100%”、カート状態が“Free”、設置エリアが“A001”、巡回エリアが“−”(設定なし)という情報が設定される。
【0105】
これは、カート端末ID“K0001”で示されるカート端末装置が電源“ON”の状態であり、電池残量が“100%”、そのカート端末装置が設置されたカートの状態が“Free”、そのカートの設置エリアが“A001”で示される場所であることを示している。
【0106】
ここで、カート状態に設定する情報によって、以下のようなカートの状態を管理することができる。
(1)“Free”:何れの取引にも割当てられていない空きの状態である。
【0107】
(2)“Ready”:管理サーバ200から取引開始指示を受信し、店員の操作開始(店員識別情報の受付)を待機している状態である。
(3)“Busy”:店員識別情報を受け付け、店員による商品の登録操作が行われている状態である。
【0108】
(4)“Suspend”:割当てられた取引について、商品の登録が完了したが、顧客が退席中であるため該当のカートを一時設置場所に退避させておく保留の状態である。
(5)“Restore”:退席していた顧客が戻り、カートを顧客の元へ運搬している状態である。
【0109】
(6)“Return”:顧客への商品の受渡が完了し、カートの設置場所へカートを運搬している状態である。
(7)“OFF”:電源がOFFになっており、カート未使用の状態である。
【0110】
このような状態を管理することで、資源運用管理部263は各カートの状態に応じて各取引へのカートの割当を効率的に行うことができる。
また、巡回エリアを示す項目には、資源運用管理部263が定期的に取得する各カート端末装置の所属するエリアを示す情報が設定される。資源運用管理部263は、例えば無線通信装置20,20a,20bを用いたTDOA(Time Difference Of Arrival)方式による位置測定を行うことで、各端末装置の店舗内の位置を取得することができる。また、これにより取得した位置が、店舗内の何れのエリアに所属するかを対応付けた店舗内エリア情報が運用管理情報記憶部230に予め格納されている。資源運用管理部263は、これらの情報によって、各カート端末装置の所属するエリアを特定できる。なお、店舗内の位置を測定する方法として、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator)方式を用いることも考えられる。
【0111】
図12は、店員管理テーブルのデータ構造例を示す図である。店員管理テーブル232は、運用管理情報記憶部230に格納される。店員管理テーブル232は、資源運用管理部263によって更新される。店員管理テーブル232には、店員端末IDを示す項目、電源状態を示す項目、店員状態を示す項目、現在位置を示す項目、出動回数を示す項目およびタイムアウト回数を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの店員端末装置および店員端末装置を所有する店員の情報を示す。
【0112】
店員端末IDを示す項目には、店員端末IDが設定される。電源状態を示す項目には、該当の店員端末装置の電源がONであるかOFFであるかを示す情報が設定される。店員状態を示す項目には、店員の現在の状態を示す情報が設定される。現在位置を示す項目には、店員(店員が所持する店員端末装置)が現在存在する場所が設定される。出動回数を示す項目には、所定期間の間に割当てられた商品収集作業の数の合計が設定される。タイムアウト回数を示す項目には、商品収集作業を依頼したが、その依頼が受け付けられなかった回数が設定される。商品収集作業を依頼したが、その依頼が受け付けられない場合としては、管理サーバ200と店員端末装置400との間の通信環境における障害等が考えられる。
【0113】
店員管理テーブル232には、例えば、店員端末IDが“S0001”、電源状態が“ON”、店員状態が“Free”、現在位置が“A005”、出動回数が“5”、タイムアウト回数が“0”という情報が設定される。
【0114】
これは、店員端末ID“S0001”で示される店員端末装置が電源“ON”の状態であり、その端末装置を所持する店員の状態が“Free”、現在その店員の存在する位置が“A005”で示される場所であることを示している。また、その店員に商品収集作業を依頼した回数が、所定期間(例えば、当日の営業時間中)で合計“5”回で、依頼をしたにも関わらず、その依頼が受け付けられなかった回数が“0”回であることを示している。
【0115】
ここで、店員状態に設定する状態によって、以下のような店員の状態を管理することができる。
(1)“Free”:何れの取引にも割当てられていない空きの状態である。
【0116】
(2)“Ready”:管理サーバ200から取引開始指示を受信し、操作すべきカートへ移動中の状態である。
(3)“Busy”:カートを操作してオーダーを受けた商品を登録している状態である。
【0117】
(4)“Return”:顧客に対する商品の受渡を完了して、カートの設置場所へカートを運搬している状態である。
(5)“Rest”:休憩中の状態である。
【0118】
(6)“OFF”:店員端末装置の電源がOFFにされ、その店員が管理対象外となった状態である。
このような状態を管理することで、資源運用管理部263は各店員の状態に応じて各取引への店員の割当を効率的に行うことができる。
【0119】
また、現在位置を示す項目には、店舗内の現在の各店員端末装置の存在するエリアを示す情報が設定される。この情報は、資源運用管理部263によって、カート端末装置の位置を取得する方法と同様にして定期的に取得することができる。ただし、店員状態が“Busy”の場合には、カート端末装置の巡回エリアの情報と重複するため“−”(設定なし)としている。ただし、この場合にもエリア情報が設定されてもよい。
【0120】
図13は、収集対象商品管理テーブルのデータ構造例を示す図である。収集対象商品管理テーブル311は、収集商品情報記憶部310に格納される。収集対象商品管理テーブル311は、取引情報受信部330および商品識別情報受付部351によって更新される。収集対象商品管理テーブル311には、取引IDを示す項目、商品IDを示す項目、商品名を示す項目、数量を示す項目、登録済数を示す項目、単価を示す項目および状態を示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、1つの収集対象商品に関する情報を示す。
【0121】
取引IDを示す項目には、取引IDが設定される。商品IDを示す項目には、商品IDが設定される。商品名を示す項目には、商品名が設定される。数量を示す項目には、収集すべき商品の数量が設定される。登録済数を示す項目には、既に登録済の商品の数量が設定される。単価を示す項目には、その商品の単価が設定される。状態を示す項目には、その商品を収集済であるか未収集であるかを示す情報が設定される。状態を示す項目には、数量を示す項目と登録済数を示す項目とのそれぞれの値が等しい場合、収集済を示す旨が設定される。また、数量を示す項目よりも登録済数を示す項目の値の方が小さい場合に未収集を示す旨が設定される。
【0122】
収集対象商品管理テーブル311には、例えば、取引IDが“T0001”、商品IDが“P0001”、商品名が“みかん”、数量が“2”、単価が“200”、状態が“済”という情報が設定される。
【0123】
これは、取引ID“T0001”で示される取引について、商品ID“P0001”で示される商品名“みかん”“2”個のオーダーを受け付けていることを示している。また、商品“みかん”の単価は“200”円であり、既に“みかん”“2”個分をカートに“収集済”であることを示している。
【0124】
図14は、取引テーブルのデータ構造例を示す図である。取引テーブル321は、取引情報記憶部320に格納される。取引テーブル321は、取引情報受信部330によって更新される。取引テーブル321には、取引IDを示す項目、顧客IDを示す項目、顧客状態を示す項目、店員端末IDを示す項目、カート端末IDを示す項目、受付レジIDおよび入力完了フラグを示す項目が設けられている。各項目の横方向に並べられた情報同士が互いに関連付けられて、カート端末装置で受け付けた1つの取引に関する情報を示す。
【0125】
取引IDを示す項目には、取引IDが設定される。顧客IDを示す項目には、顧客IDが設定される。顧客状態を示す項目には、該当の顧客の状態を示す情報が設定される。店員端末IDを示す項目には、そのカートに割当てられた店員が所持する店員端末装置の店員端末IDが設定される。カート端末IDを示す項目には、その取引IDに割当てられたカート端末ID、すなわち、自装置のカート端末IDが設定される。受付レジIDを示す項目には、その取引を受け付けた受付レジIDが設定される。入力完了フラグを示す項目には、該当の取引に対して顧客による商品の選択入力が完了しているか否かを示すフラグが設定される。選択入力が完了している場合、1が設定され、未完了の場合、0が設定される。
【0126】
取引テーブル321には、例えば、取引IDが“T0001”、顧客IDが“C0121”、顧客状態が“Busy”、店員端末IDが“S0002”、カート端末IDが“K0002”、受付レジIDが“R0001”という情報が設定される。
【0127】
これは、取引ID“T0001”で示される取引が割当てられており、取引相手の顧客の顧客IDが“C0121”、その顧客の現在の状態が“Busy”であることを示している。また、そのカート端末装置を操作すべき店員の店員端末IDが“S0002”、そのカート端末装置のカート端末IDが“K0002”、取引を受け付けた受付レジの受付レジIDが“R0001”であることを示している。
【0128】
図15は、店員用商品登録画面の構成例を示す図である。店員用商品登録画面500は、商品リスト表示制御部352によって生成され、ディスプレイ304aに表示される。店員用商品登録画面500には、情報表示領域510および操作受付領域520が設けられている。
【0129】
情報表示領域510には、そのカート端末装置のカート端末IDや、カートの現在の状態、電池残量が表示される。また、オーダーが入力された顧客端末装置の受付レジID、管理サーバ200から受け付けた取引の取引ID、顧客ID、顧客状態および商品登録作業のために経過した時間が表示される。また、未収集の商品が残り何種類あるかを示す未収集残数が表示される。
【0130】
商品リスト表示制御部352は、これらの情報を取引情報記憶部320に記憶された取引テーブル321を参照して取得できる。また、商品リスト表示制御部352は、電源情報送信部390からバッテリ70の電池残量の情報を取得することができる。
【0131】
操作受付領域520には、取引IDで示される取引にて受け付けている収集対象の商品を示す商品リストや店員による各種操作を受け付けるための操作部が表示される。操作受付領域520は、リスト表示部521、スタートボタン522、検索ボタン523および完了ボタン524を有する。
【0132】
リスト表示部521には、商品リストが表示される。リスト表示部521には、例えばスクロールボタンが設けられる。店員は、スクロールボタンをタッチ操作して、リストを上下にスクロールさせることで1画面に納まらないリスト全体を参照することができる。
【0133】
リスト表示部521には、例えば、商品リストの項目として、項目No.、商品名、収集の必要な数量、登録済数、単価、必要数を全て登録したか否かの状態を示す情報が表示される。必要数を全て登録した商品については、状態に“済”が表示され、該当行が状態“未”の行よりも目立たなくなるよう暗転して表示される。例えば、リスト表示部521の例では、商品名“みかん”、“りんご”、“牛乳”の行が“済”に該当し、暗転表示された例を示している。なお、“未”の行を非表示としてもよい。あるいは、そのような表示方法を店員によって選択可能としてもよい。
【0134】
スタートボタン522は、店員による操作開始を受け付けるための操作部である。カート端末装置300は、店員によるスタートボタン522のタッチ操作を受け付けることで商品の登録操作を開始することができる。その際、店員は、自身に割当てられた店員端末IDを入力する。なお、店員による操作開始の受け付けは、店員が所持するIDカードや店員端末装置から店員端末IDを受け付けて行うこともできる。カート端末装置300は、例えば、受け付けた店員端末IDが自装置に管理サーバ200から割当てられた店員端末IDと一致するか否かを検出する。そして、一致する場合に商品の登録操作を開始することが考えられる。一方、一致しない場合には、店員にその旨を通知して商品の登録操作を行わないようにすることが考えられる。
【0135】
これにより、管理サーバ200が割当てた店員に対して確実に作業を割り振ることができる。また、店員以外の者がカート端末装置を操作することを防止できる。
検索ボタン523は、商品情報の検索や未登録商品についてのソート処理等を開始するためのボタンである。カート端末装置は、検索ボタン523に対するタッチ操作を受け付けると商品検索メニューを表示する。商品検索メニューでは、店員が入力した商品の情報に基づいて、その商品の写真や陳列エリア等の商品の収集を支援する情報を店員に提供する。例えば、管理サーバ200の商品マスタ記憶部210に記憶された商品マスタ211に設定された情報をそのような情報として用いることができる。
【0136】
完了ボタン524は、店員による商品登録やカートの設置場所への設置が完了したことを受け付けるための操作部である。カート端末装置300は、完了ボタン524に対するタッチ操作を受け付けたタイミングにおける顧客状態やカート状態に応じて異なる操作を店員に要求することができる。例えば、完了ボタン524に対するタッチ操作によりカートの設置場所への設置が完了した旨を受け付ける場合、更に設置場所を示す情報の入力を店員に促すことができる。
【0137】
次に、以上のような構成によって実現される販売支援システムの処理について説明する。なお、以下の説明では、顧客50が顧客端末装置100によって商品のオーダーを行う場合を説明する。また、カート端末装置300、店員端末装置400を所持する店員40が作業の割当対象となる場合を説明する。ただし、他の端末装置や店員に対して作業を割当てる場合にも同様の処理となる。
【0138】
図16は、各装置で実行する処理の関係を示す図である。顧客端末装置100のディスプレイ104aに表示された取引開始ボタンに対する顧客50のタッチ操作を受け付ける。更に、顧客端末装置100は、顧客がICカード読取部105cに挿入したICカードに記録された顧客IDを読み取る。これによって、取引処理が開始される。
【0139】
顧客端末装置100は、取引開始の受付時に取得した顧客IDを管理サーバ200に送信する。また、顧客端末装置100は、顧客50が所望する商品の選択入力を受け付け、当入力内容を示す商品入力情報を管理サーバ200に送信する(ステップST1)。
【0140】
管理サーバ200は、顧客端末装置100から受信した顧客IDに基づいて、取引管理レコードを生成し、その取引に対する資源の割当処理を実行する。ここで、割当処理の結果、店員40とカート端末装置300が割当てられるとする。管理サーバ200は、カート端末装置300および店員40の所持する店員端末装置400に取引開始指示を送信する(ステップST2)。
【0141】
カート端末装置300は、管理サーバ200から取引開始指示を受信すると、取引開始指示に含まれる取引管理情報を取引情報記憶部320に格納する。カート端末装置300は、取引管理情報に含まれる店員端末装置400の店員端末IDの受付を待受ける。なお、カート端末装置300は、取引開始指示を受け付けた旨を管理サーバ200に応答する。そして、その店員端末IDを受け付けると、商品入力情報を含む収集商品情報の受信を待受ける(ステップST3)。
【0142】
店員端末装置400は、管理サーバ200から取引開始指示を受信すると、取引開始指示に含まれる取引管理情報を参照して、店員40にカート端末装置300の操作を指示する。例えば、店員端末装置400は、店員端末装置400が備えるディスプレイにカート端末装置300のカート端末IDを表示して操作の指示を行う(ステップST4)。これによって、店員40は、自身に商品の収集作業が割当てられたこと、収集作業のためにカート30の使用が指示されていること、を認識することができる。なお、店員端末装置400は、管理サーバ200から取引開始指示を受け付けた旨を管理サーバ200に応答する。
【0143】
管理サーバ200は、顧客端末装置100から商品入力情報を受け付けると、取引管理情報記憶部220に登録する。また、受け付けた商品入力情報を含む収集商品情報をカート端末装置300に送信する(ステップST5)。以後、管理サーバ200は、顧客端末装置100における顧客50の商品の選択入力を受け付けるたびに、収集商品情報をカート端末装置300に送信する。
【0144】
カート端末装置300は、管理サーバ200から順次受信した収集商品情報を収集商品情報記憶部310に格納する(ステップST6)。
カート端末装置300は、店員40がカート30に到着すると店員端末装置400に付されたバーコードを読み取って店員端末装置400の店員端末IDを取得する。カート端末装置300は、取引情報記憶部320に記憶された取引管理情報を参照し、取得した店員端末IDが取引管理情報に設定された店員端末IDと一致する場合、商品の登録処理を開始する。一致しない場合、操作すべきカートを誤っている旨等を通知する。そして、カート端末装置300は、店員40による収集対象の商品の登録を受け付ける。更に、カート端末装置300は、店員40により商品の登録が完了した旨の操作入力を受け付けると、登録完了通知を管理サーバ200に送信する(ステップST7)。
【0145】
なお、カート端末装置300は、店員40が顧客50に商品を受け渡したタイミング、あるいは、店員40がカート30を保留するために設置場所に退避したタイミングに、店員40による登録完了の操作入力を受け付ける。カート端末装置300は、取引管理情報に設定された顧客状態を参照することで、何れのタイミングで登録完了通知の操作がなされたかを検知することができる。すなわち、登録完了の操作入力を受けた時点で顧客状態が“Wait”であれば、顧客に商品を受け渡したタイミングと検知できる。また、登録完了の操作入力を受けた時点で顧客状態が“Suspend”であればカート30を退避したタイミングと検知できる。カート端末装置300は、カート30を退避したタイミングである場合には、カート30の設置場所を示す情報の入力を店員40に促すことができる。また、登録完了通知にカート30の状況を含めて管理サーバ200に通知することができる。
【0146】
管理サーバ200は、カート端末装置300から登録完了通知を受け付けると登録完了通知に基づいて、カート30の状況を判別し、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理情報を更新する。管理サーバ200は、店員40が顧客50に商品の受渡を行ったことを検知した場合、顧客50が顧客端末装置100で会計中である旨を取引管理情報に設定する。また、管理サーバ200は、店員40がカート30を保留状態にしたと検知した場合には、その設置場所と保留状態である旨を取引管理情報に設定する。また、管理サーバ200は、カート端末装置300から、カート30が顧客への商品の受渡を終えて所定の設置場所に設置された旨の通知を受け付けた場合、その旨および設置場所を示す情報を取引管理情報に設定する(ステップST8)。
【0147】
なお、管理サーバ200は、顧客端末装置100から保留中のカート30を復元して顧客50へ商品の受渡を依頼する復元依頼を受け付けた(ステップST9)場合、保留中のカート30を復元するよう指示する復元指示をカート端末装置300および店員端末装置400に送信する。
【0148】
店員端末装置400は、管理サーバ200から復元指示を受信すると、復元指示に含まれるカート端末IDに基づいて、カート30の復元指示を受けたことを店員40に通知する(ステップST10)。
【0149】
カート端末装置300は、店員40がカート30に到着して、店員端末装置400の店員端末IDを取得する。そして、カート端末装置300は、店員端末IDのチェックを行った後に、復元開始通知を管理サーバ200に送信する。また、カート端末装置300は、店員40が顧客50に商品を受け渡したタイミングで店員40による受渡完了の操作入力を受け付ける。すると、カート端末装置300は、受渡完了通知を管理サーバ200に送信する(ステップST11)。そして、顧客端末装置100は、顧客50による商品の会計操作を受け付ける。顧客端末装置100は、顧客50に対して商品代金を精算して代金を受け付け、商品の販売情報を管理サーバ200に送信する(ステップST12)。そして、取引が完了する。
【0150】
次に、上記各ステップにおける処理を詳細に説明する。
まず、ステップST1の商品入力処理を説明する。
図17は、顧客端末装置の商品入力処理を示すフローチャートである。以下、図17に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0151】
[ステップS11]商品入力操作受付部110は、ディスプレイ104aに表示された取引開始ボタンに対する顧客50のタッチ操作を受け付ける。これにより、取引開始を受け付ける。そして、商品入力操作受付部110は、取引開始通知を生成して管理サーバ200に送信する。なお、商品入力操作受付部110は、取引開始ボタンに対する操作の受付前後に、顧客がICカード読取部105cに挿入したICカードに記録された顧客IDを読み取る場合、読み取った顧客IDを取引開始通知に含める。管理サーバ200は、この取引開始通知を受信すると資源割当処理(図16のステップST2)を実行する。商品入力操作受付部110は、当取引に対して付与された取引IDを管理サーバ200から受信する。
【0152】
[ステップS12]商品入力操作受付部110は、ディスプレイ104aに商品選択用画面を表示させる。商品選択用画面には、顧客50が商品の検索のための操作入力が行えるよう所定のインタフェースが設けられる。例えば、顧客50は、このインタフェースにしたがって、購入したい商品に関連付けられるキーワードや商品の分類等の情報から所望の商品を選択することができる。商品入力操作受付部110は、入力された検索情報を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、検索情報に基づいて検索を実行し、検索結果を示す情報を顧客端末装置100に応答する。商品入力操作受付部110は、管理サーバ200から受信した検索結果をディスプレイ104aに表示させる。
【0153】
[ステップS13]商品入力操作受付部110は、顧客50による購入希望商品の選択入力の操作を受け付けたか否かを判定する。商品入力操作受付部110は、例えば、ディスプレイ104aに表示させた商品選択用画面に応じたタッチパネル105aに対するタッチ操作を検知することで、商品の選択入力の操作を受け付ける。選択入力の操作を受け付けた場合、処理をステップS14に進める。選択入力の操作を受け付けない場合、処理をステップS15に進める。
【0154】
なお、商品の選択入力の際に、顧客50は、その商品について購入を希望する数量を入力することもできる。これによって、複数個オーダーしたい商品を複数回選択する手間を軽減できる。
【0155】
[ステップS14]商品入力操作受付部110は、選択入力を受け付けた商品を示す商品入力情報を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、商品入力情報を受信すると商品入力情報受付処理(図16のステップST5)を実行する。
【0156】
[ステップS15]商品入力操作受付部110は、商品入力の完了操作を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、商品の入力完了通知を生成して、処理をステップS16に進める。受け付けていない場合、処理をステップS12に進める。
【0157】
[ステップS16]商品入力操作受付部110は、顧客50により退席する旨の操作入力を受け付けたか否かを判定する。受け付けた場合、処理をステップS17に進める。受け付けない場合、処理をステップS20に進める。商品入力操作受付部110は、例えば、商品入力の完了操作の受付後、顧客50に対して、その後退席するか、店員がオーダーした商品を受渡に来るまでその場に待機するかの選択を促す画面をディスプレイ104aに表示させる。その画面に対する操作入力に応じて、商品入力操作受付部110は顧客50が退席するか否かを検知することができる。
【0158】
[ステップS17]商品入力操作受付部110は、顧客退席の旨を示す情報(顧客状態通知)を含む入力完了通知を管理サーバ200に送信する。
[ステップS18]商品入力操作受付部110は、商品登録の完了予定時刻を管理サーバ200から受信する。ここで、商品登録の完了予定時刻とは、店員による商品の収集が完了すると予想される時刻である。商品入力操作受付部110は、受信した完了予定時刻をディスプレイ104aに表示させる。また、商品入力操作受付部110は、顧客50との取引に割当てられた取引IDと完了予定時刻とを店舗内の電光掲示板等に表示してもよい。
【0159】
[ステップS19]商品入力操作受付部110は、受け付けた取引の取引IDおよびオーダーを受け付けた商品の明細を表記した伝票を伝票発行/読取部105dにより顧客50に対して発行させる。ここで、この伝票には、伝票発行/読取部105dが読取可能な記録媒体が設けられる。そして、その記録媒体には、取引IDが記録される。例えば、伝票には磁気ストライプが設けられており、商品入力操作受付部110は、伝票発行/読取部105dにより磁気ストライプに取引IDを記録させる。また、例えば、伝票に無線タグが設けられており、タグの有する記憶部に取引IDを記録させてもよい。あるいは、伝票に取引IDを印字して、顧客50が商品を受け取る際にその取引IDを入力可能としてもよい。
【0160】
[ステップS20]商品入力操作受付部110は、商品の入力完了通知を管理サーバ200に送信する。
このようにして、顧客端末装置100は、顧客50の商品の選択入力を受け付ける。
【0161】
このとき、商品入力操作受付部110は、入力完了後に顧客50からその後退席するか否かの選択入力を受け付ける。その選択入力の結果を管理サーバ200に送信することで、管理サーバ200およびカート端末装置300,300a,300bで顧客50の予定等に応じたカート30,30a,30bの運用を行うことができる。また、顧客50は商品の収集を待機する時間を他の用事にあてることができ、時間を有効活用できる。
【0162】
なお、上記ステップS17で示した顧客状態通知は、入力完了通知に含めてもよいし、入力完了通知とは別個に送信してもよい。
また、ステップS19では、IDカードを所持していない顧客に対してのみ伝票を発行するようにしてもよい。その場合、例えばIDカードが備える記憶部に取引IDを記録しておいてもよい。
【0163】
次に、図16におけるステップST2の資源割当処理を説明する。
図18は、管理サーバの資源割当処理を示すフローチャートである。以下、図18に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0164】
[ステップS21]商品入力情報受信部252は、顧客端末装置100から取引開始通知を受信する。商品入力情報受信部252は、受信した取引開始通知に基づいて取引管理レコードを生成し、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理テーブル222に登録する。このとき、商品入力情報受信部252は、生成した取引管理レコードに新たな取引IDを付与する。また、商品入力情報受信部252は、取引開始通知に顧客IDが含まれる場合、取引管理レコードに顧客IDを含める。また、商品入力情報受信部252は、新たに付与した取引IDを顧客端末装置100に通知する。
【0165】
[ステップS22]資源運用管理部263は、商品入力情報受信部252が新たな取引管理レコードを生成すると、運用管理情報記憶部230に記憶されたカート端末装置管理テーブル231を参照して、カート状態が“Free”のカートを検索する。
【0166】
[ステップS23]資源運用管理部263は、検索の結果、カート状態が“Free”のカートを抽出できたか否かを判定する。抽出できた場合、処理をステップS24に進める。抽出できない場合、処理をステップS22に進める。
【0167】
[ステップS24]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231を参照して、ステップS23で抽出したカートのうち、電池残量が最も大きいカートを特定する。ここでは、カート30が特定されるものとする。
【0168】
[ステップS25]資源運用管理部263は、特定したカート30に設けられたカート端末装置300に対して取引開始指示を送信する。
[ステップS26]資源運用管理部263は、カート端末装置300から取引開始指示に対する応答を受け付けると、取引管理テーブル222の該当の取引IDに対応するカート端末IDに、カート端末装置300のカート端末IDを設定する。また、資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Ready”に設定する。
【0169】
[ステップS27]資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232を参照して、店員状態が“Free”の店員を検索する。
[ステップS28]資源運用管理部263は、検索の結果、店員状態が“Free”の店員を抽出できたか否かを判定する。抽出できた場合、処理をステップS29に進める。抽出できない場合、処理をステップS27に進める。
【0170】
[ステップS29]資源運用管理部263は、店員管理テーブル232を参照して、ステップS28で検出した店員のうち、出動回数が最も少ない店員を特定する。ここでは、店員40が特定されるものとする。
【0171】
[ステップS30]資源運用管理部263は、店員40の所持する店員端末装置400を特定し、その店員端末装置400に対して、取引開始指示を送信する。取引開始指示には、カート端末装置300のカート端末IDやカート端末装置300の設置位置を示す情報を含むことができる。
【0172】
[ステップS31]資源運用管理部263は、店員端末装置400から取引開始指示に対する応答を受け付けると、取引管理テーブル222の該当の取引IDに対応する店員端末IDに、店員端末装置400の店員端末IDを設定する。また、資源運用管理部263は、店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Ready”に設定する。
【0173】
このようにして、管理サーバ200は、受け付けた取引に対してカートおよび店員の割当を行う。
ここで、資源運用管理部263は、カートに設けられたカート端末装置の電池容量に応じた優先度に基づいてカートの割当を行う。これにより、商品の収集途中でのバッテリ切れを防止することができる。
【0174】
また、資源運用管理部263は、各店員の出動回数に応じた優先度に基づいて店員の割当を行う。これにより、店員に対する負荷の均一化を図りながら作業を割当てることができる。
【0175】
また、資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232を参照して、タイムアウト数が多い店員(過去に作業割当に失敗した回数の多い店員)に優先して作業を割当てるようにすることもできる。なお、タイムアウト数が少ない店員(より確実に作業を割当てることができる店員)に優先して作業を割当てるようにすることもできる。
【0176】
また、資源運用管理部263は、各店員端末装置に取引開始指示を送信した後、各カート端末装置からの商品の登録開始通知を受け付けるまでの平均時間を店員端末装置ごとに算出して、店員管理テーブル232に記録しておくことが考えられる。そして、資源運用管理部263は、その平均時間の短い店員に優先して作業を割当てるようにすることが考えられる。このように、作業効率の高い店員を優先的に割当てることで顧客に対するサービスの品質を更に高めることができる。
【0177】
また、資源運用管理部263は、ステップS23において“Free”状態のカート端末装置を抽出できなかった場合に、“Restore”状態や電源OFFとなっているカート端末装置を更に検索し、抽出したカート端末装置に作業を割当てることも考えられる。ここで、電源OFFとなっているカート端末装置を起動させるためには、例えば、いわゆるWake On Lan機能を利用することができる。
【0178】
また、資源運用管理部263は、ステップS28において、“Free”状態の店員を抽出できなかった場合に、“Restore”状態となっている店員を更に検索し、抽出した店員に作業を割当てることも考えられる。
【0179】
更に、資源運用管理部263は、選択したカートに最も近い位置に存在する店員を割当てるようにしてもよい。具体的には、資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶されたカート端末装置管理テーブル231に設定されたカートの設置エリアおよび店員管理テーブル232に設定された現在位置の情報から、ステップS24で特定したカートと最も近い位置に存在する店員を特定することができる。あるエリアと他のエリアとの距離(例えば、エリアの中心同士の距離)は、各エリアの配置を二次元座標で定義したエリア配置情報に基づいて取得することができる。
【0180】
これにより、店舗内における店員のカートまでの移動距離を低減でき、また、迅速に商品の収集作業を開始することができる。これにより、収集作業の迅速化を図ることができ、顧客の待ち時間を軽減できる。また、オーダーを受け付けた商品の陳列エリアに対する距離を考慮して、カートや店員の割当を行うようにすることも考えられる。
【0181】
次に、図16におけるステップST5の商品入力情報受付処理を説明する。なお、以下では、図18の資源割当処理によって、カート端末装置300および店員端末装置400が新たな取引に割当てられたものとする。
【0182】
図19は、管理サーバの商品情報受付処理を示すフローチャートである。以下、図19に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS41]商品入力情報受信部252は、顧客端末装置100から商品入力情報の受信を開始する。商品入力情報受信部252は、受信した商品入力情報と取引IDとを対応付けた商品入力レコードを生成し、取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力管理テーブル221に登録する。
【0183】
[ステップS42]取引情報送信部261は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理テーブル222を参照し、新たに登録された商品入力レコードの取引IDに対してカート端末IDが設定済み、すなわち、商品の収集作業に用いるカートが割当済であるか否かを判定する。割当済である場合、処理をステップS43に進める。未割当である場合、処理をステップS42に進める(割当てられるまで待機する)。
【0184】
[ステップS43]取引情報送信部261は、新たに登録された商品入力レコードの取引IDに対して割当てられたカート端末IDを特定する。そして、そのカート端末IDに対応するカート端末装置300に商品入力情報を含む収集商品情報の送信を開始する。以後、取引情報送信部261は、商品入力管理テーブル221に該当の取引IDの商品入力レコードが登録されるたびに、その商品入力レコードに基づく収集商品情報を、特定したカート端末装置300に送信する。
【0185】
[ステップS44]商品入力情報受信部252は、顧客端末装置100から商品の選択入力を完了した旨を示す入力完了通知を受信する。商品入力情報受信部252は、受信した入力完了通知を資源運用管理部263に出力する。
【0186】
[ステップS45]資源運用管理部263は、入力完了通知に基づいて、顧客50が退席予定であるか否かを判定する。退席予定である場合、処理をステップS46に進める。退席予定でない場合、処理をステップS47に進める。
【0187】
[ステップS46]資源運用管理部263は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理テーブル222の顧客状態を“Suspend”に設定する。そして、処理をステップS48に進める。
【0188】
[ステップS47]資源運用管理部263は、取引管理テーブル222の顧客状態を“Wait”に設定する。
[ステップS48]資源運用管理部263は、商品の入力完了通知を受信すると、該当の取引IDに対して受け付けた商品の数に基づいて、店員による商品収集の所要時間を算出する。例えば、資源運用管理部263は、店員が商品1つを陳列エリア60から探し出してカートに投入するために要する平均の時間と商品の数とを乗算することでその所要時間を求めることができる。そして、資源運用管理部263は、算出した所要時間と現在時刻とに基づいて、店員による商品収集(登録)が完了する予定時刻(登録完了予定時刻)を算出する。
【0189】
[ステップS49]資源運用管理部263は、算出した登録完了予定時刻を商品情報送信部251に出力する。商品情報送信部251は、取得した登録完了予定時刻を顧客端末装置100に送信する。また、商品情報送信部251は、登録完了予定時刻をカート端末装置300に送信する。
【0190】
[ステップS50]取引情報送信部261は、商品入力情報受信部252が顧客端末装置100から受け付けた入力完了通知をカート端末装置300に送信する。
このようにして、管理サーバ200は、カート端末装置300に対する収集商品情報の送信を行う。
【0191】
なお、資源運用管理部263は、顧客状態が変更するとその旨をカート端末装置300に送信する。すなわち、上記ステップS46,S47において、顧客の状態を更新すると、その旨を顧客状態通知としてカート端末装置300に送信する。また、入力完了通知に顧客状態通知の内容を含めてカート端末装置300に送信してもよい。
【0192】
また、上記ステップS46において、資源運用管理部263は、“Suspend”となった顧客50の退席時間のカウントを開始する。そして、顧客50の“Suspend”状態が所定の時間(例えば、6時間や12時間等)以上経過する場合には、資源運用管理部263は、取引管理テーブル222の長期退席の項目に“1”を設定する。このようにして長期退席の顧客を管理可能とすることで、例えば、該当の顧客が商品を受取に来ていない旨を店員に報知する、該当の顧客に対して予め登録された電子メールアドレスに商品の受取を促すメールを送信する、等の措置を行うことができる。
【0193】
次に、図16におけるステップST6の収集商品情報受信処理を説明する。
図20は、カート端末装置の収集商品情報受信処理を示すフローチャートである。以下、図20に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0194】
[ステップS51]取引情報受信部330は、管理サーバ200から図16におけるステップST3で示した取引開始指示を受信すると、以後、管理サーバ200から収集商品情報を順次受信する。取引情報受信部330は、受信した収集商品情報を収集商品情報記憶部310に記憶された収集対象商品管理テーブル311に登録する。
【0195】
[ステップS52]取引情報受信部330は、管理サーバ200から入力完了通知を受信したか否かを判定する。入力完了通知を受信した場合、それ以降、現在受け付けている取引に対して収集商品情報の受信が行われないことを検知して、処理をステップS53に進める。入力完了通知を受信しない場合、処理をステップS52に進める(入力完了通知を受信するまで、収集商品情報を順次受信し続ける)。
【0196】
[ステップS53]取引情報受信部330は、顧客による商品の入力が完了した旨を取引情報記憶部320に記憶された取引テーブル321の入力完了フラグを示す項目に設定する。
【0197】
このようにして、カート端末装置300は、管理サーバ200から収集商品情報を順次受信し、収集商品情報記憶部310に格納していく。
次に、図16におけるステップST7の収集商品登録処理を説明する。
【0198】
図21は、カート端末装置の商品登録処理を示すフローチャートである。以下、図21に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS61]店員識別情報受付部340は、店員40がカート30に到着すると店員端末装置400に付されたバーコードを読み取って店員端末装置400の店員端末IDを取得する。そして、図16のステップST7で説明したように店員端末IDのチェックを行って、操作者が店員40であることを検知すると、管理サーバ200に商品の登録開始通知を送信する。
【0199】
[ステップS62]商品識別情報受付部351は、商品IDの待受けを開始する。このとき、商品リスト表示制御部352は、店員用商品登録画面500をディスプレイ304aに表示させた状態とする。商品IDは、例えば商品に付されたバーコードをバーコード読取部305bにより読み取った情報に含まれている。商品識別情報受付部351は、店員40がバーコード読取部305bに商品に付されたバーコードをかざすと商品IDを受け付ける。あるいは、バーコードの付されていない商品の場合、店員40によるタッチパネル305aに対するキー入力で商品IDを受け付けることもできる。具体的には、店員40は、リスト表示部521の該当の商品をタッチして、収集した商品の商品IDをカート端末装置300に入力することが考えられる。
【0200】
[ステップS63]商品識別情報受付部351は、収集商品情報記憶部310に記憶された収集対象商品管理テーブル311を参照して、受け付けた商品IDが収集対象の商品のものであるか否かを判定する。収集対象商品の商品IDである場合、処理をステップS64に進める。収集対象商品の商品IDでない場合、処理をステップS65に進める。
【0201】
[ステップS64]商品識別情報受付部351は、収集対象商品管理テーブル311を参照して、受け付けた商品IDに対応する商品に未収集分があるか否かを判定する。未収集分がある場合、処理をステップS66に進める。該当商品を全て収集済である場合、処理をステップS65に進める。
【0202】
[ステップS65]商品リスト表示制御部352は、受け付けた商品IDに対応する商品が収集対象の商品でない旨、あるいは、既に全数量を収集済である旨をディスプレイ304aに表示させる。そして、処理をステップS62に進める。
【0203】
[ステップS66]商品識別情報受付部351は、収集対象商品管理テーブル311の該当の商品の登録済数に1を加算する。なお、同じ商品を同時に複数個入力可能とするために、数量を入力するための操作部を操作受付領域520に設けてもよい。
【0204】
[ステップS67]商品識別情報受付部351は、収集対象商品管理テーブル311を参照して、収集対象の全商品を収集済であるか否かを判定する。全商品を収集済である場合、処理をステップS68に進める。未収集の商品がある場合、処理をステップS62に進める。なお、全商品を収集済であるか否かの判定は、管理サーバ200より入力完了通知を受け付けている場合に実行できる。なぜなら、入力完了通知を受け付けていない場合には、未だ顧客の商品の選択入力が完了しておらず、取引に対してオーダーのあった全商品が確定していないためである。このため、入力完了通知を受け付けていない場合には、未収集の商品があるとして、処理をステップS62に進める。
【0205】
[ステップS68]商品識別情報受付部351は、取引情報記憶部320に記憶された取引テーブル321を参照して、顧客が退席しているか否か、すなわち顧客状態が“Suspend”であるか否かを判定する。退席している(“Suspend”である)場合、処理をステップS69に進める。退席していない(“Wait”である)場合、処理をステップS71に進める。
【0206】
[ステップS69]商品リスト表示制御部352は、カート30を保留とする旨の指示をディスプレイ304aに表示させる。
[ステップS70]登録完了操作受付部360は、完了ボタン524に対する店員40のタッチ操作を受け付ける。商品リスト表示制御部352は、設置場所の入力用画面をディスプレイ304aに表示させる。設置操作受付部370は、その画面から入力されたエリア情報を操作情報送信部380に出力する。そして、処理をステップS73に進める。
【0207】
[ステップS71]商品リスト表示制御部352は、商品の選択入力を受け付けた(顧客の待機している)顧客端末装置100へカート30を移動させる旨の指示をディスプレイ304aに表示させる。
【0208】
[ステップS72]登録完了操作受付部360は、完了ボタン524に対する店員40のタッチ操作を受け付ける。
[ステップS73]操作情報送信部380は、管理サーバ200へ登録完了通知を送信する。なお、操作情報送信部380は、カート30を保留とした場合、登録完了通知にカート30の設置場所を示すエリア情報を含める。また、登録完了通知に保留とした旨の情報を含めてもよい。
【0209】
このようにして、カート端末装置300は、収集した商品の登録処理を行う。そして、登録処理の完了を受け付けると、顧客の状態に応じてカート30の保留あるいは顧客端末装置100への移動を店員40に指示する。
【0210】
次に、図16におけるステップST8のカート管理処理を説明する。
図22は、管理サーバのカート管理処理を示すフローチャートである。以下、図22に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0211】
[ステップS81]登録作業通知受信部262は、カート端末装置300から商品の登録開始通知を受信すると、受信した登録開始通知を資源運用管理部263に出力する。
[ステップS82]資源運用管理部263は、登録開始通知を取得すると、運用管理情報記憶部230に記憶されたカート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Busy”に設定する。また、資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Busy”に設定する。
【0212】
[ステップS83]登録作業通知受信部262は、カート端末装置300から商品の登録完了通知を受信すると、受信した登録完了通知を資源運用管理部263に出力する。
[ステップS84]資源運用管理部263は、カート30が保留となっているか否かを判定する。保留となっている場合、処理をステップS85に進める。保留となっていない場合、処理をステップS89に進める。資源運用管理部263は、例えば、登録完了通知に保留の旨あるいは設置場所を示すエリア情報が含まれていれば保留となっていると判定できる。
【0213】
[ステップS85]資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶されたカート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応する設置エリアに、登録完了通知に含まれるエリア情報を設定する。
【0214】
[ステップS86]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Suspend”に設定する。
[ステップS87]資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Free”に設定する。
【0215】
[ステップS88]資源運用管理部263は、その後、何れかの顧客端末装置から、当取引の復元依頼を受け付ける(図16のステップST10の処理)と、その取引の情報を復元する取引情報復元処理を実行する。取引情報復元処理の詳細は図23で説明する。取引情報復元処理の結果、資源運用管理部263からカート30を顧客に受け渡した旨を示す受渡完了通知を受信する。なお、取引情報復元処理では、復元作業を割当てる店員を決定する作業が行われるが、以下の説明ではこの処理において店員40が再び割当てられたものとする。
【0216】
[ステップS89]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート30に対応するカート状態を“Return”に設定する。
[ステップS90]資源運用管理部263は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理テーブル222の顧客50に対応する顧客状態を“Pay”に設定する。顧客端末装置100は、会計処理(図16のステップST16)を行う。
【0217】
[ステップS91]資源運用管理部263は、カート端末装置300からカート30を所定の場所に設置した旨および設置場所を示すエリア情報を含むカート設置通知を受信する。
【0218】
[ステップS92]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート30に対応する設置エリアに、カート設置通知に含まれるエリア情報を設定する。
[ステップS93]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Free”に設定する。また、資源運用管理部263は、店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Free”に設定する。
【0219】
このようにして、管理サーバ200は、カート30および店員40の状態を管理する。これにより、何れの店員の手が空いているか、何れのカートが利用可能かを、顧客の退席の有無を含めて適正に管理することが可能となる。その結果、店舗資源の効率的な運用を図ることができる。
【0220】
次に、ステップS88で示した取引情報復元処理の詳細を説明する。なお、以下では、退席していた顧客50が戻り、顧客端末装置100にて復元依頼および会計操作を行う場合を想定する。顧客50は、例えば、顧客端末装置100のディスプレイ104aに表示された商品受取ボタンにタッチ操作し、商品入力を完了した際に受け取った伝票を顧客端末装置100の伝票発行/読取部105dに挿入することで復元依頼の操作を行うことができる。あるいは、顧客50は、ICカード読取部105cに自身が所持するICカードを挿入することでも復元依頼の操作を行える。
【0221】
図23は、管理サーバの取引情報復元処理を示すフローチャートである。以下、図23に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS101]明細復元受付部253は、顧客端末装置100から復元依頼を受信する。復元依頼には、復元すべき取引を示す取引IDが含まれている。
【0222】
[ステップS102]明細復元受付部253は、取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力管理テーブル221を参照して、該当の取引IDで選択された商品の商品IDや数量を顧客端末装置100に送信する。また、明細復元受付部253は、商品マスタ記憶部210に記憶された商品マスタ211を参照して、各商品の価格や重量等の情報を顧客端末装置100に送信する。
【0223】
[ステップS103]資源運用管理部263は、取引管理情報記憶部220に記憶された取引管理テーブル222を参照して、該当の取引IDに割当てられ、保留中となっているカート30のカート端末IDを特定する。資源運用管理部263は、取引管理情報記憶部220に記憶されたカート端末装置管理テーブル231を参照して、カート30の設置場所を特定する。また、取引情報送信部261は、特定したカート30に設けられたカート端末装置300に復元指示を送信する。
【0224】
[ステップS104]資源運用管理部263は、カート端末装置300から復元指示に対する応答を受信すると、カート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Ready”に設定する。
【0225】
[ステップS105]資源運用管理部263は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232を参照して、店員状態が“Free”の店員を検索する。
[ステップS106]資源運用管理部263は、検索の結果、店員状態が“Free”の店員を抽出できたか否かを判定する。抽出できた場合、処理をステップS107に進める。抽出できない場合、処理をステップS105に進める。
【0226】
[ステップS107]資源運用管理部263は、店員管理テーブル232を参照して、ステップS106で検出した店員のうち、出動回数が最も少ない店員を特定する。ここでは、店員40が特定されるものとする。
【0227】
[ステップS108]資源運用管理部263は、店員40の所持する店員端末装置400を特定する。資源運用管理部263は、店員端末装置400に対して復元指示を送信する。復元指示には、カート端末装置300のカート端末IDやカート端末装置300の設置場所を示す情報を含むことができる。
【0228】
[ステップS109]資源運用管理部263は、店員端末装置400から取引開始指示に対する応答を受け付けると、取引管理テーブル222の該当の取引IDに対応する店員端末IDに、店員端末装置400の店員端末IDを設定する。また、資源運用管理部263は、店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Ready”に設定する。
【0229】
[ステップS110]資源運用管理部263は、カート端末装置300から復元開始通知を受信する。なお、図16のステップST11で説明したように、カート端末装置300は、店員40がカート30に到着して、店員端末装置400の店員端末IDを取得すると、復元開始通知を管理サーバ200に送信する(ステップST11aとして示した処理)。
【0230】
[ステップS111]資源運用管理部263は、カート端末装置管理テーブル231のカート端末装置300に対応するカート状態を“Busy”に設定する。また、資源運用管理部263は、店員管理テーブル232の店員端末装置400に対応する店員状態を“Busy”に設定する。
【0231】
[ステップS112]資源運用管理部263は、カート端末装置300から商品を顧客50へ受け渡した旨を示す受渡完了通知を受信する。なお、図16のステップST11で説明したように、カート端末装置300は、店員40が顧客50に商品を受け渡したタイミングで店員40による受渡完了の操作入力を受け付ける。すると、カート端末装置300は、受渡完了通知を管理サーバ200に送信する(ステップST11bとして示した処理)。
【0232】
このようにして、管理サーバ200は退席していた顧客に対する商品の受渡を管理することができる。
次に、図16におけるステップST12の会計処理を説明する。
【0233】
図24は、顧客端末装置の会計処理を示すフローチャートである。以下、図24に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS121]会計処理部130は、ディスプレイ104aに顧客50がオーダーした商品の一覧および合計金額を表示させる。なお、顧客50に対しては、例えば重量計測部105bが備える秤の上に買物袋を載置して商品を投入するよう促す指示がディスプレイ104aに表示される。
【0234】
[ステップS122]重量チェック処理部140は、重量計測部105bが測定した商品の測定総重量を取得する。また、重量チェック処理部140は、管理サーバ200から取得した取引対象の商品ごとの重量の総和に基づいて予測総重量を算出する。
【0235】
[ステップS123]重量チェック処理部140は、測定総重量と予測総重量とが所定の誤差の範囲で一致するか否かを判定する。一致する場合、処理をステップS124に進める。一致しない場合、顧客50に買物袋に投入した商品の確認を行うよう促す旨をディスプレイ104aに表示する等のエラー処理を行って、処理をステップS122に進める(重量再確認)。
【0236】
[ステップS124]会計処理部130は、顧客50から顧客端末装置100に投入した貨幣の種類や枚数等から投入金額を取得し、商品の合計金額との差分に応じて釣銭を返却する。
【0237】
[ステップS125]会計処理部130は、売り上げた商品の内容や支払われた金額、釣銭などの情報を含む販売情報を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200では、店舗内の顧客端末装置から受信した販売情報を販売情報記憶部240に格納し、売上実績の管理を行う。
【0238】
このようにして、顧客端末装置100は、顧客50との間で商品の代金の精算を行う。その際、重量が商品マスタ211上の重量と所定の誤差の範囲で一致していない場合に、顧客に警告を発する。これにより、商品が未清算のまま持ち帰られてしまうことを防止することができる。
【0239】
次に、各装置が実行する処理の流れの具体例を説明する。
まず、顧客50が商品の選択入力の操作を完了した後に退席しない場合を説明する。
なお、以下の説明では、顧客50に対しては顧客IDとして“C0121”が与えられているものとする。顧客端末装置100には、受付レジIDとして“R0001”が与えられているものとする。カート端末装置300にはカート端末IDとして“K0002”が与えられているものとする。店員端末装置400には店員端末IDとして“S0002”が与えられているものとする。
【0240】
図25,26は、取引処理の流れの第1の具体例を示すシーケンス図である。以下、図25,26に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS201]顧客端末装置100は、顧客50の取引開始操作を受け付けると、取引開始通知を管理サーバ200に送信する。なお、取引開始通知には顧客50の顧客ID“C0121”が含まれる。管理サーバ200は、顧客端末装置100から取引開始通知を受信する。管理サーバ200は、取引管理レコード(ここでは、取引ID“0001”が付与されるものとする)を生成して取引管理テーブル222に登録する。この取引管理レコードには、顧客ID“C0121”および顧客端末装置100の受付レジID“R0001”が設定される。そして、管理サーバ200は、取引ID資源割当処理を実行する。ここで、管理サーバ200は、資源割当処理の結果、カート端末装置300と店員端末装置400を割当てるとする。これによって、カート端末装置300のカート端末ID“K0002”および店員端末装置400の店員端末ID“S0002”が取引管理レコードの取引ID“T0001”に対応付けて設定される。また、顧客50は退席の状態ではないので、長期退席には“0”が設定される。また、顧客50の顧客状態は“Busy”に設定される。
【0241】
[ステップS202]顧客端末装置100は、顧客50による商品の選択入力を受け付けるたびに商品入力情報を管理サーバ200に送信する。商品入力情報には、商品IDや数量の情報が含まれる。管理サーバ200は、顧客端末装置100から商品入力情報を順次受信する。管理サーバ200は、受信した商品入力情報を取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力管理テーブル221に取引ID“T0001”に対応付けて格納する。
【0242】
[ステップS203]管理サーバ200は、カート端末装置300に取引開始指示を送信する。カート端末装置300は、管理サーバ200から取引開始指示を受信する。取引開始指示には、取引ID、顧客ID、顧客状態およびカート端末ID等の情報が含まれる。カート端末装置300は、取引開始指示に基づいて、取引テーブル321を生成して取引情報記憶部320に格納する。
【0243】
[ステップS204]カート端末装置300は、取引開始指示に対する受付応答を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から取引開始指示に対する受付応答を受信する。管理サーバ200は、運用管理情報記憶部230に記憶されたカート端末装置管理テーブル231のカート端末ID“K0002”に対するカート状態(以下、単に「カート端末装置300の状態」と表記する)を“Ready”に設定する。
【0244】
[ステップS205]管理サーバ200は、店員端末装置400に取引開始指示を送信する。店員端末装置400は、管理サーバ200から取引開始指示を受信する。
[ステップS206]店員端末装置400は、取引開始指示に対する受付応答を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から取引開始指示に対する受付応答を受信する。管理サーバ200は、運用管理情報記憶部230に記憶された店員管理テーブル232の店員端末ID“S0002”に対する店員状態(以下、単に「店員端末装置400の状態」と表記する)を“Ready”に設定する。
【0245】
[ステップS207]管理サーバ200は、取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力情報のうち取引IDが“T0001”であり、未送信のもの(カートの割当が未実行の状態で受け付けた商品入力情報)に基づいて収集商品情報を生成し、カート端末装置300に送信する。なお、本ステップによる収集商品情報の送信は、カート端末装置300が“Ready”となったタイミング(すなわち、ステップS204の直後)に実行してもよい。
【0246】
[ステップS208]顧客端末装置100は、顧客50による商品の選択入力を受け付け、管理サーバ200に商品入力情報を送信する。管理サーバ200は、受信した商品入力情報を商品入力管理テーブル221に取引ID“T0001”に対応付けて格納する。
【0247】
[ステップS209]管理サーバ200は、新たに受信した商品入力情報に基づいて収集商品情報を生成し、カート端末装置300に送信する。
[ステップS210]カート端末装置300は、店員端末装置400に付されたバーコード等から店員端末ID“S0002”を取得する。
【0248】
[ステップS211]カート端末装置300は、店員端末ID“S0002”を取得すると、商品登録開始通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から商品登録開始通知を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300の状態および店員端末装置400の状態を“Busy”に設定する。
【0249】
[ステップS212]カート端末装置300は、店員40による商品の登録を順次受け付ける。
[ステップS213]顧客端末装置100は、顧客50による商品入力完了の操作入力(退席なし)を受け付けると、入力完了通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、顧客端末装置100から入力完了通知を受信する。なお、本ステップにおける入力完了通知には顧客50がその後退席する旨の情報は含まれない。よって、管理サーバ200は、顧客50の顧客状態を“Wait”に設定する。
【0250】
[ステップS214]管理サーバ200は、カート端末装置300に入力完了通知を送信する。カート端末装置300は、管理サーバ200から入力完了通知を受信する。カート端末装置300は、受信した入力完了通知に基づいて、顧客が現在“Wait”状態であることを検知できる。
【0251】
[ステップS215]カート端末装置300は、商品の登録が完了し、店員40がカート30を顧客50の元へ移動させると、店員40による登録完了の操作入力を受け付ける。すると、カート端末装置300は、管理サーバ200に登録完了通知を送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から登録完了通知を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300および店員端末装置400の状態を“Return”に設定し、顧客50の顧客状態を“Pay”に設定する。
【0252】
[ステップS216]管理サーバ200は、顧客端末装置100に会計開始指示を行う。顧客端末装置100は、管理サーバ200からの会計開始指示により商品の会計処理を開始する。
【0253】
[ステップS217]管理サーバ200は、顧客が買物袋に投入した商品の重量チェックを行うための商品重量情報を顧客端末装置100に送信する。顧客端末装置100は、商品重量情報に基づいて、重量チェックを実行する。
【0254】
[ステップS218]顧客端末装置100は、商品の会計処理が完了すると売り上げた商品の販売情報を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、顧客端末装置100から販売情報を受信し、販売情報記憶部240に格納する。
【0255】
[ステップS219]カート端末装置300は、店員40がカート30を設置場所に移動させると、店員40によるカートの設置場所(エリア情報)の入力を受け付ける。カート端末装置300は、このエリア情報を含むカート設置通知を管理サーバ200に送信する。そして、カート端末装置300は、収集商品情報記憶部310および取引情報記憶部320に記憶されている情報をクリアする。管理サーバ200は、カート端末装置300からカート設置通知を受信する。管理サーバ200は、カート設置通知に含まれるエリア情報に基づいて、カート30の設置場所を設定する。また、カート端末装置300の状態および店員端末装置400の状態を“Free”に設定する。
【0256】
[ステップS220]店員端末装置400は、店員40による休憩入力の操作を受け付ける。すると、店員端末装置400は、店員40が休憩状態となる旨を示す休憩通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、店員端末装置400から休憩通知を受信する。管理サーバ200は、店員端末装置400の状態を“Rest”に設定する。管理サーバ200は、店員端末装置400から休憩解除の通知を受けると、店員端末装置400の状態を“Rest”から“Free”に変更する。
【0257】
このように、顧客50が退席しない場合には、店員40は商品の収集が完了すると顧客50の操作する顧客端末装置100の場所にカート30を移動させる。そして、店員40は、顧客50との商品の受渡が完了すると、カート30を所定の設置場所に設置する。カート端末装置300は、このような店員40の動作の各チェックポイントにおいて、店員40によるカート端末装置300に対する操作入力を受け付ける。そして、カート端末装置300は、操作入力を受け付けた旨を管理サーバ200に送信する。
【0258】
次に、顧客50が商品の選択入力の操作を完了した後に退席する場合を説明する。
なお、各装置に付されたIDや取引ID等の具体的な設定は図25,26で示した処理と同様とする。
【0259】
図27,28は、取引処理の流れの第2の具体例を示すシーケンス図である。以下、図27,28に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
[ステップS221]顧客端末装置100は、顧客50の取引開始操作を受け付けると、取引開始通知を管理サーバ200に送信する。なお、取引開始通知には顧客50の顧客ID“C0121”が含まれる。管理サーバ200は、顧客端末装置100から取引開始通知を受信する。管理サーバ200は、取引管理レコード(取引ID“0001”が付与される)を生成して取引管理テーブル222に登録する。この取引管理レコードには、顧客ID“C0121”および顧客端末装置100の受付レジID“R0001”が設定される。そして、管理サーバ200は、取引ID資源割当処理を実行する。ここで、管理サーバ200は、資源割当処理の結果、カート端末装置300と店員端末装置400を割当てるとする。これによって、カート端末装置300のカート端末ID“K0002”および店員端末装置400の店員端末ID“S0002”が取引管理レコードの取引ID“T0001”に対応付けて設定される。また、顧客50は退席の状態ではないので、長期退席には“0”が設定される。また、顧客50の顧客状態は“Busy”に設定される。
【0260】
[ステップS222]顧客端末装置100は、顧客50による商品の選択入力を受け付けるたびに商品入力情報を管理サーバ200に送信する。商品入力情報には、商品IDや数量の情報が含まれる。管理サーバ200は、顧客端末装置100から商品入力情報を順次受信する。管理サーバ200は、受信した商品入力情報を取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力管理テーブル221に取引ID“T0001”に対応付けて格納する。
【0261】
[ステップS223]管理サーバ200は、カート端末装置300に取引開始指示を送信する。カート端末装置300は、管理サーバ200から取引開始指示を受信する。取引開始指示には、取引ID、顧客ID、顧客状態およびカート端末ID等の情報が含まれる。カート端末装置300は、取引開始指示に基づいて、取引テーブル321を生成して取引情報記憶部320に格納する。
【0262】
[ステップS224]カート端末装置300は、取引開始指示に対する受付応答を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から取引開始指示に対する受付応答を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300の状態を“Ready”に設定する。
【0263】
[ステップS225]管理サーバ200は、店員端末装置400に取引開始指示を送信する。店員端末装置400は、管理サーバ200から取引開始指示を受信する。
[ステップS226]店員端末装置400は、取引開始指示に対する受付応答を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から取引開始指示に対する受付応答を受信する。管理サーバ200は、店員端末装置400の状態を“Ready”に設定する。
【0264】
[ステップS227]管理サーバ200は、取引管理情報記憶部220に記憶された商品入力情報のうち取引IDが“T0001”であり、未送信のもの(カートの割当が未実行の状態で受け付けた商品入力情報)に基づいて収集商品情報を生成し、カート端末装置300に送信する。なお、本ステップによる収集商品情報の送信は、カート端末装置300が“Ready”となったタイミング(すなわち、ステップS244の直後)に実行してもよい。以後、管理サーバ200は、顧客端末装置100から商品入力情報を受信するたびに、商品入力管理テーブル221に登録すると共に、商品入力情報に基づく収集商品情報をカート端末装置300に送信する。
【0265】
[ステップS228]カート端末装置300は、店員端末装置400に付されたバーコード等から店員端末ID“S0002”を取得する。
[ステップS229]カート端末装置300は、店員端末ID“S0002”を取得すると、商品登録開始通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から商品登録開始通知を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300の状態および店員端末装置400の状態を“Busy”に設定する。
【0266】
[ステップS230]カート端末装置300は、店員40による商品の登録を順次受け付ける。
[ステップS231]顧客端末装置100は、顧客50による商品入力完了の操作入力(退席あり)を受け付けると、入力完了通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、顧客端末装置100から入力完了通知を受信する。管理サーバ200は、顧客50の顧客状態を“Suspend”に設定する。
【0267】
[ステップS232]管理サーバ200は、カート端末装置300に入力完了通知を送信する。カート端末装置300は、管理サーバ200から入力完了通知を受信する。カート端末装置300は、受信した入力完了通知に基づいて、顧客が現在“Suspend”状態であることを検知できる。
【0268】
[ステップS233]管理サーバ200は、顧客端末装置100に店員40による商品の収集(登録)作業が完了する予定時刻を顧客端末装置100に通知する。顧客端末装置100は、通知された予定時刻をディスプレイ104aに表示する、店舗内の電光掲示板に表示する、等により顧客50に提示する。
【0269】
[ステップS234]カート端末装置300は、商品の登録が完了し、店員40がカート30を保留のため所定の設置位置へ移動させると、店員40による登録完了および設置位置を示すエリア情報の入力を受け付ける。すると、カート端末装置300は、管理サーバ200にエリア情報を含む登録完了通知を送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から登録完了通知を受信する。そして、管理サーバ200は、カート端末装置300の状態を“Suspend”、店員端末装置400の状態を“Free”に設定し、顧客50の顧客状態を“Suspend”に設定する。
【0270】
[ステップS235]顧客端末装置100は、顧客50による復元依頼の操作入力を受け付けると、管理サーバ200に復元依頼を送信する。管理サーバ200は、顧客端末装置100から復元依頼を受信すると、復元依頼に含まれる取引IDに基づいて、対応する顧客50およびカート30を特定する。そして、管理サーバ200は、顧客50の状態を“Restore”に設定する。
【0271】
[ステップS236]管理サーバ200は、カート端末装置300に復元指示を送信する。カート端末装置300は、管理サーバ200から復元指示を受信する。
[ステップS237]カート端末装置300は、管理サーバ200に復元指示の受付応答を送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から復元指示の受付応答を受信する。そして、管理サーバ200は、カート端末装置300の状態を“Restore”に設定する。
【0272】
[ステップS238]管理サーバ200は、復元作業に割当てる店員を決定する。ここでは、店員40が割当てられるものとする。そして、管理サーバ200は、店員端末装置400に復元指示を送信する。店員端末装置400は、管理サーバ200から復元指示を受信する。
【0273】
[ステップS239]店員端末装置400は、管理サーバ200に復元指示の受付応答を送信する。管理サーバ200は、店員端末装置400から復元指示の受付応答を受信する。そして、管理サーバ200は、店員端末装置400の状態を“Ready”に設定する。
【0274】
[ステップS240]カート端末装置300は、店員端末装置400に付されたバーコード等から店員端末ID“S0002”を取得する。
[ステップS241]カート端末装置300は、店員端末ID“S0002”を取得すると、復元開始通知を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から復元開始通知を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300の状態および店員端末装置400の状態を“Busy”に設定する。
【0275】
[ステップS242]カート端末装置300は、店員40がカート30を顧客50の元へ移動させると、店員40による受渡完了の操作入力を受け付ける。すると、カート端末装置300は、管理サーバ200に受渡完了通知を送信する。管理サーバ200は、カート端末装置300から受渡完了通知を受信する。管理サーバ200は、カート端末装置300および店員端末装置400の状態を“Return”に設定し、顧客50の顧客状態を“Pay”に設定する。
【0276】
[ステップS243]管理サーバ200は、顧客端末装置100に会計開始指示を行う。顧客端末装置100は、管理サーバ200からの会計開始指示により商品の会計処理を開始する。
【0277】
[ステップS244]管理サーバ200は、顧客が買物袋に投入した商品の重量チェックを行うための商品重量情報を顧客端末装置100に送信する。顧客端末装置100は、商品重量情報に基づいて、重量チェックを実行する。
【0278】
[ステップS245]顧客端末装置100は、商品の会計処理が完了すると売り上げた商品の販売情報を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、顧客端末装置100から販売情報を受信し、販売情報記憶部240に格納する。
【0279】
[ステップS246]カート端末装置300は、店員40がカート30を設置場所に移動させると、店員40によるカートの設置場所(エリア情報)の入力を受け付ける。カート端末装置300は、このエリア情報を含むカート設置通知を管理サーバ200に送信する。そして、カート端末装置300は、収集商品情報記憶部310および取引情報記憶部320に記憶されている情報をクリアする。管理サーバ200は、カート端末装置300からカート設置通知を受信する。管理サーバ200は、カート設置通知に含まれるエリア情報に基づいて、カート30の設置場所を設定する。また、管理サーバ200はカート端末装置300の状態および店員端末装置400の状態を“Free”に設定する。
【0280】
このように、顧客50が商品の選択入力後に退席する場合、店員40は商品の収集が完了するとカート30を保留とするために所定の設置場所にカート30を移動させる。そして、店員40により設置場所を示すエリア情報の入力を受け付けて、管理サーバ200に通知する。管理サーバ200は、顧客50による復元依頼を受け付けると、保留したカート30の設置場所を含む復元指示を、店員端末装置400に送信する。そして、店員端末装置400は、復元対象のカート30のカート端末IDや設置場所の情報を店員40に通知する。
【0281】
これにより、管理サーバ200は、カートや店員の作業状態を適切に管理することができる。特に、顧客50がその後退席するか否かに応じたカートおよび店員の運用を効率的に行うことができる。また、顧客50にとっても、自ら商品を収集する手間が省け、そのための時間を他の用事にあてることができるため、時間を有効活用することができる。
【0282】
なお、管理サーバ200は、カートや店員の作業状態を、それらの状態に変更が発生するたびに、あるいは、定期的にカート端末装置に通知する。これによって、カート端末装置でも顧客の状態に応じた作業を店員に指示することができる。
【0283】
以下では、顧客端末装置100およびカート端末装置300が提供する操作画面の表示例を説明する。
まず、顧客端末装置100が顧客50に対して提供する商品選択用の操作画面を説明する。
【0284】
図29は、商品選択用操作画面の表示例を示す図である。商品選択用操作画面600は、ディスプレイ104aに表示される。商品選択用操作画面600には、検索入力用領域610、商品明細表示用領域620、合計金額表示領域630、入力完了ボタン640、選択取消ボタン650および数量変更ボタン660が設けられている。
【0285】
検索入力用領域610は、顧客50による商品の選択入力の操作を受け付けるための領域である。検索入力用領域610には、例えば、商品の分類を選択するための複数の分類選択キーが設けられる。各キーには、商品の分類を示す文字列(例えば、青果、水産、肉類等)が表示される。検索入力用領域610には、顧客50による何れかの分類のキーに対するタッチ操作を受け付けると、その分類に属する商品の一覧に表示内容が切り替わる。商品の一覧には、例えば各商品の価格、写真、説明および特売品であるか否か等を示す情報が表示される。顧客50は、その商品の一覧から所望する商品を更にタッチ操作して、購入対象の商品の選択を行うことができる。このとき、その商品の数量も同時に入力することができる。なお、商品入力操作受付部110は、商品の選択を受け付けるたびに選択された商品についての商品入力情報を管理サーバ200に送信する。
【0286】
商品明細表示用領域620は、顧客50により検索入力用領域610で選択された商品の一覧を表示する領域である。顧客50は、商品明細表示用領域620を閲覧することで自身が選択した商品を確認できる。なお、商品明細表示用領域620は、顧客50によるタッチ操作を受け付けることもできる。例えば、商品の一覧に対するタッチ操作を受け付け、受け付けた箇所(行)に対応する商品の選択を検出することができる。
【0287】
合計金額表示領域630は、商品明細表示用領域620に表示された商品の一覧の合計金額を表示する領域である。
入力完了ボタン640は、顧客50による商品の選択入力操作の完了を受け付けるためのボタンである。商品入力操作受付部110は、入力完了ボタン640に対する顧客50のタッチ操作を受け付けると、管理サーバ200に入力完了通知を送信する。
【0288】
選択取消ボタン650は、商品明細表示用領域620で選択された商品に対する選択の取り消し操作を受け付けるためのボタンである。
数量変更ボタン660は、商品明細表示用領域620で選択された商品の購入数量の変更操作を受け付けるためのボタンである。商品入力操作受付部110は、数量変更ボタン660に対するタッチ操作を受け付けると、例えば、該当の商品の数量を変更するための所定の操作画面を商品選択用操作画面600に表示する。
【0289】
なお、商品入力操作受付部110は、選択された商品に対する変更内容を受け付けると、その内容を管理サーバ200に送信する。管理サーバ200は、変更の内容をカート端末装置300に送信して、店員40に変更内容を通知することができる。
【0290】
次に、カート端末装置300が各タイミングにおいてディスプレイ304aに表示する画面の表示例を説明する。各画面の表示内容は、商品リスト表示制御部352によって制御される。
【0291】
図30は、店員用商品登録画面の第1の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500a,500bは、商品の収集作業が割当てられていない場合を示している。店員用商品登録画面500aは、設置場所に設置されている際の表示例である。
【0292】
店員用商品登録画面500aには、表示領域521aが設けられている。表示領域521aには、現在カート30が作業の割当を待機している状態を示す“待機中”の文字列が表示される。また、この状態ではタッチ操作を受け付けない検索ボタン523aおよび完了ボタン524aは、暗転して表示される。スタートボタン522は、例えば、店員40がカート30を押しながら陳列エリア60内の巡回(作業の割当を待ちつつ陳列エリア60内を移動すること)を開始するためのタッチ操作を受け付けることができる。
【0293】
店員用商品登録画面500bには、表示領域521bが設けられている。表示領域521bには、現在カート30が巡回の状態であることを示す“巡回中”の文字列が表示される。また、タッチ操作を受け付けないスタートボタン522aおよび検索ボタン523aは、暗転して表示される。完了ボタン524は、例えば、店員40がカート30を所定の設置場所に設置して、巡回状態を解除するためのタッチ操作を受け付けることができる。カート端末装置300は巡回状態を解除する際に、カート30の設置場所の入力を受け付けるための設置場所入力ウィンドウをディスプレイ304aに表示する。
【0294】
図31は、設置場所入力ウィンドウの表示例を示す図である。設置場所入力ウィンドウ525は、例えば、店員用商品登録画面500aに重畳表示される。設置場所入力ウィンドウ525には、0〜9の数値やアルファベット等、エリア情報を入力するために必要なキーが表示される。店員40は、各キーをタッチ操作することで、エリア情報を入力することができる。
【0295】
設置場所入力ウィンドウ525には、入力したキーが確認できるよう、入力内容を表示するテキストボックスが設けられている。また、入力した情報が誤っている場合に再度入力を行うために入力内容をリセットするためのクリアキーが設けられている。また、テキストボックスに表示されたエリア情報の入力を確定するための完了キーが設けられている。
【0296】
なお、管理サーバ200は、各カート端末装置の位置を上述したTDOA方式等によって、自動的に取得できる場合には、それによって取得した位置情報を各カート端末装置のエリア情報として登録してもよい。
【0297】
図32は、店員用商品登録画面の第2の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500cは、顧客50が顧客端末装置100にて商品の選択入力を実行中で、かつ、店員40による操作待ちの場合の表示例である。店員用商品登録画面500cには、表示領域521cが設けられている。表示領域521cには、現在カート30が店員40の操作待ち(店員端末IDの受付待ち)の状態を示す“店員操作待ち”の文字列が表示される。また、操作すべき店員40が所持する店員端末装置400の店員端末IDを示す“No.S0002”の文字列が表示される。このとき、タッチ操作を受け付けない検索ボタン523aおよび完了ボタン524aは暗転表示される。また、スタートボタン522は、店員40がカート30の操作を開始するためのタッチ操作を受け付けることができる。例えば、店員40は、自身の所持する店員端末装置400のバーコード等をカート端末装置300に読み取らせ、スタートボタン522を押下することで、商品の登録作業を開始することができる。
【0298】
店員用商品登録画面500dは、顧客50が顧客端末装置100にて商品の選択入力を実行中で、かつ、店員40がカート端末装置300で商品の登録作業を開始した場合の表示例である。店員用商品登録画面500dには、リスト表示部521が表示される。店員40は、リスト表示部521に表示された商品リストを参照して、収集すべき商品を確認することができる。このとき、タッチ操作を受け付けないスタートボタン522aおよび完了ボタン524aは暗転表示される。また、検索ボタン523は、店員40が商品の画像や陳列エリア等の検索を開始するためのタッチ操作を受け付けることができる。カート端末装置300は、検索ボタン523に対するタッチ操作を受け付けると、検索受付用のインタフェースをディスプレイ304aに表示する。そして、カート端末装置300は、受け付けたキーワード等を管理サーバ200に送信して、管理サーバ200から検索結果のデータを取得し、ディスプレイ304aに表示する。
【0299】
図33は、店員用商品登録画面の第3の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500eは、顧客50が顧客端末装置100にて商品の選択入力を実行中で、かつ、店員40が店員用商品登録画面500dで商品“牛乳”、“2”個分を登録した後の状態を示す表示例である。商品識別情報受付部351は、商品“牛乳”の識別情報を受け付けると、リスト表示部521の商品名“牛乳”に対応する行の読取数の表示が“0”から“1”に変更される。なお、識別情報を入力する代わりに、該当行をタッチしてもよい。そして、商品“牛乳”の識別情報を再度受け付けると、当読取数の表示が“1”から“2”に変更される。すると、該当行の数量“2”と読取数“2”とが等しくなるので、状態の表示が“未”から“済”に変更される。更に、該当行に対するタッチ操作を受け付けなくなったことを示すために、該当行が暗転表示される。なお、商品“牛乳”の識別情報の受け付け後に登録した数量を更に受け付けることもできる。その場合、例えば、商品リスト表示制御部352は数量を入力するためのウィンドウを店員用商品登録画面500eに重畳表示させて、店員40の操作を待受けることが考えられる。
【0300】
なお、読取数の変更と共に、未収集残数の表示も変更される。
店員用商品登録画面500fは、顧客50が顧客端末装置100にて商品の選択入力を実行中で、かつ、店員40が店員用商品登録画面500eでリスト表示部521に表示されていない商品を登録しようとした場合の表示例である。この場合、店員40に対してその旨を示すメッセージを表示するための通知ウィンドウ526がディスプレイ304aに表示される。通知ウィンドウ526には、例えば“商品登録エラー”の文字列やエラーの内容を示すメッセージが表示される。また、通知ウィンドウ526には例えば通知ウィンドウ526を消して登録作業に戻るためのOKキーが表示される。
【0301】
図34は、店員用商品登録画面の第4の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500gは、顧客50が顧客端末装置100において商品の選択入力を完了し、かつ、店員40が店員用商品登録画面500eから更に商品“みかん”、“りんご”の登録を完了した状態を示す表示例である。この場合、情報表示領域510の顧客状態には、例えば、“商品入力完了(レジ待ち)”の文字列が表示される。店員40は、この表示を確認して顧客50が商品の収集をレジで待機していることを認識することができる。なお、情報表示領域510の時間の表示は、顧客状態が“商品入力完了(レジ待ち)”となったタイミングで“00:00”(0分0秒)からカウントアップが開始される。店員40は、この時間の表示により顧客50を待たせている時間を確認することができる。また、このようにすることで店員40に心理的な圧迫が与えられ、店員40による収集作業の迅速化を促すことができる。その結果、サービス品質の向上を図ることができる。
【0302】
店員用商品登録画面500hは、店員用商品登録画面500gから店員40が残りの商品の登録を完了した状態を示す表示例である。この状態では、全ての商品の行が暗転表示される。そして、情報表示領域510の状態の表示に、例えば、“商品登録完了”の文字列が表示される。
【0303】
更に、商品リスト表示制御部352は、カートの状態“商品登録完了”および顧客状態“商品入力完了(レジ待ち)”の状態を検知すると、店員40に受付レジID“R0001”に対応する顧客端末装置100へカート30を移動させるよう指示するメッセージをディスプレイ304aに表示させる。これにより、店員40は次に行うべき作業を容易に確認することができる。なお、そのようなメッセージは、カート端末装置300が備える音声出力部から音声で通知することも考えられる。
【0304】
また、店員用商品登録画面500hには、店員40がカート30を顧客端末装置100に移動させた後に店員40の完了操作の入力を受け付けるため、完了ボタン524がアクティブな状態となる。カート端末装置300は、完了ボタン524に対するタッチを受け付けると、管理サーバ200にその旨を通知する。そして、顧客端末装置100にて会計処理が実行される。
【0305】
図35は、店員用商品登録画面の第5の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500iは、顧客50が顧客端末装置100において商品の選択入力を完了して退席を選択し、かつ、店員40が店員用商品登録画面500eから更に商品“みかん”、“りんご”の登録を完了した状態を示す表示例である。この場合、情報表示領域510の顧客状態には、例えば、“商品入力完了(退席中)”の文字列が表示される。店員40は、この表示を確認して顧客50が退席していることを認識することができる。なお、情報表示領域510の時間の表示は、顧客状態が“商品入力完了(退席中)”となったタイミングで、顧客50に対して管理サーバ200が通知した完了予定時刻に達するまでの時間がカウントダウンされる。カート端末装置300は、管理サーバ200から、この完了予定時刻を取得することができる。
【0306】
例えば、管理サーバ200が現時刻よりも20分後の時刻を顧客端末装置100を介して顧客50に通知している場合、時間の表示は“20:00”(20分20秒)からカウントダウンされる。店員40は、この時間の表示により自身が行うべき収集作業の期限を認識することができる。また、このようにすることで店員40に対して心理的な圧迫が与えられ、店員40による収集作業の迅速化を促すことができる。その結果、サービス品質の向上を図ることができる。
【0307】
更に、商品リスト表示制御部352は、カートの状態“商品登録完了”および顧客状態“商品入力完了(退席中)”の状態を検知すると、店員40にカート30を保留のために設置場所へ移動させるよう指示するメッセージをディスプレイ304aに表示させる。これにより、店員40は、次に行うべき作業を容易に確認することができる。なお、そのようなメッセージは、カート端末装置300が備える音声出力部から音声で通知することも考えられる。
【0308】
また、店員用商品登録画面500jには、店員40がカート30を保留のために設置場所へ移動させた後に店員40の完了操作の入力を受け付けるため、完了ボタン524がアクティブな状態となる。商品リスト表示制御部352は、完了ボタン524に対するタッチを受け付けると、設置場所のエリア情報の入力を受け付けるためのウィンドウをディスプレイ304aに表示させる。
【0309】
図36は、店員用商品登録画面の第6の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500kは、店員用商品登録画面500jにて店員40の完了ボタン524に対するタッチを受け付けた際の表示例を示している。店員用商品登録画面500kには、保留場所入力ウィンドウ527が重畳表示させる。保留場所入力ウィンドウ527の表示内容は、設置場所入力ウィンドウ525の表示内容と同様である。ただし、例えば、現在の状況を明確にするために取引を保留する旨のメッセージを表示させることが考えられる。保留場所入力ウィンドウ527によりエリア情報の入力を受け付け、完了キーへのタッチを受け付けると、カート端末装置300は、受け付けたエリア情報を管理サーバ200に通知する。すると、保留場所入力ウィンドウ527は閉じられる。
【0310】
店員用商品登録画面500lは、保留場所入力ウィンドウ527が閉じられた後の状態を示す表示例である。店員用商品登録画面500lには、表示領域528が設けられている。表示領域528には、例えば、“保留中”の文字列が表示される。店員40は、この表示を確認してカート30が保留中の状態であることを認識することができる。このとき、タッチ操作を受け付けないスタートボタン522aおよび完了ボタン524aは暗転表示される。また、検索ボタン523は、店員40が商品の画像や陳列エリア等の検索を開始するためのタッチ操作を受け付けることができる。
【0311】
図37は、店員用商品登録画面の第7の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500mは、店員用商品登録画面500lの状態において、顧客50の復元依頼を受け付けた場合の表示例である。この場合、情報表示領域510には、例えば、カートの状態の表示が“店員復元待ち”、顧客状態の表示が“商品到着待ち”と表示される。なお、情報表示領域510の時間の表示は、管理サーバ200から復元指示を受け付けたタイミングで“00:00”(0分0秒)からカウントアップが開始される。
【0312】
店員用商品登録画面500lには、表示領域529が設けられている。表示領域529には、現在カート30が店員40の操作待ち(店員端末IDの受付待ち)の状態を示す“店員復元待ち”の文字列が表示される。また、操作すべき店員40が所持する店員端末装置400の店員端末IDを示す“No.S0002”の文字列が表示される。このとき、タッチ操作を受け付けない検索ボタン523aおよび完了ボタン524aは暗転表示される。また、スタートボタン522は、店員40がカート30の操作を開始するためのタッチ操作を受け付けることができる。例えば、店員40は、自身の所持する店員端末装置400のバーコード等をカート端末装置300に読み取らせ、スタートボタン522を押下することで、復元作業を開始することができる。なお、商品リスト表示制御部352は、復元作業を開始する際に、店員40に対してカート30を顧客端末装置100へ移動させるべき旨を示すメッセージをディスプレイ304aに表示させてもよい。
【0313】
店員用商品登録画面500nは、店員用商品登録画面500mにおいて、店員40に対応する店員端末IDを受け付けて復元作業が開始された状態の表示例である。この場合、情報表示領域510のカートの状態の表示に、例えば、“お届け中”と表示される。
【0314】
また、店員用商品登録画面500nには、店員40がカート30を顧客端末装置100に移動させた後に店員40の完了操作の入力を受け付けるため、完了ボタン524がアクティブな状態となる。カート端末装置300は、完了ボタン524に対するタッチを受け付けると、管理サーバ200にその旨を通知する。そして、顧客端末装置100にて会計処理が実行される。
【0315】
図38は、店員用商品登録画面の第8の表示例を示す図である。店員用商品登録画面500oは、店員40がレジで待機していた顧客50に商品を受け渡して、完了ボタン524にタッチした後の表示例である。具体的には、店員用商品登録画面500h,500nで完了ボタン524がタッチされた後の状態を示している。このとき、カートの状態の表示には、例えば、“収納中”と表示される。
【0316】
店員用商品登録画面500oには、表示領域530が設けられている。表示領域530には、例えば、店員40にカート30の設置場所への移動を指示するメッセージが表示される。なお、そのようなメッセージは、カート端末装置300が備える音声出力部から音声で通知することも考えられる。
【0317】
また、店員用商品登録画面500oには、店員40がカート30を設置場所へ移動させた後に店員40の完了操作の入力を受け付けるため、完了ボタン524がアクティブな状態となる。商品リスト表示制御部352は、完了ボタン524に対するタッチを受け付けると、設置場所のエリア情報の入力を受け付けるためのウィンドウをディスプレイ304aに表示させる。
【0318】
店員用商品登録画面500pは、店員用商品登録画面500oにて店員40の完了ボタン524に対するタッチを受け付けた際の表示例を示している。店員用商品登録画面500pには、設置場所入力ウィンドウ531が重畳表示させる。設置場所入力ウィンドウ531の表示内容は、設置場所入力ウィンドウ525の表示内容と同様である。ただし、例えば、現在の状況を明確にするためにカート30を待機状態に変更する旨のメッセージを表示させることが考えられる。設置場所入力ウィンドウ531によりエリア情報の入力を受け付け、完了キーへのタッチを受け付けると、カート端末装置300は、受け付けたエリア情報を管理サーバ200に通知する。すると、設置場所入力ウィンドウ531は閉じられる。そして、商品リスト表示制御部352は、ディスプレイ304aに店員用商品登録画面500aを表示させる。
【0319】
また、設置場所入力ウィンドウ531には、カート30を待機状態とせずに、引き続きカート30を用いて陳列エリア60内の巡回を開始する場合、その旨の入力を受け付ける巡回開始キーが設けられる。巡回開始キーへのタッチを受け付けると、カート端末装置300は、その旨を管理サーバ200に通知する。すると、設置場所入力ウィンドウ531は閉じられる。そして、商品リスト表示制御部352は、ディスプレイ304aに店員用商品登録画面500bを表示させる。
【0320】
ここで、カート端末装置300は、待機状態または保留状態にある場合には、バッテリ70の充電が行われる。また、バッテリ70の電池容量が充分ある場合には、カート端末装置300を省電力状態としておくことが考えられる。
【0321】
このように、カート端末装置300は、現在の顧客の状態やカートの状態等を表示した店員用商品登録画面500をディスプレイ304aに表示する。カート端末装置300は、顧客の状態やカートの状態が更新された場合、あるいは、定期的に管理サーバ200から取得することができる。店員40は、店員用商品登録画面500に表示された内容を確認することで、現在の顧客の状態や自身が行うべき作業を的確に把握することができる。
【0322】
これにより、店員による商品の収集およびカートの操作が迅速に行われることとなり、商品販売を効率的に支援することができる。
このようにして商品を販売する方法は、例えば、体の不自由な顧客に対しても商品の販売を行う場合に有用である。体の不自由な顧客にとっては、店舗内を移動しなくても商品を購入できるため利便性がよい。また、商品を選択する時間を他の用事にあてたい顧客にとっても、自身で店舗内を移動して商品を選択する手間が省けるため利便性がよい。
【0323】
また、管理サーバ200は、店舗で販売する商品を例えばインターネットを介して配信し、顧客がコンピュータや携帯電話機のブラウザから選択した商品を受け付けることも考えられる。このようにすると、顧客が店舗に足を運ぶ前に店員が商品の収集を開始できるので、顧客にとっての利便性が一層向上する。
【0324】
以上、本発明の販売支援装置、販売支援システム、商品カートおよび販売支援方法を図示の実施の形態に基づいて説明したが、これらに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、他の任意の構成物や工程が付加されてもよい。更に、前述した実施の形態のうちの任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0325】
1 販売支援装置
1a 収集商品情報記憶部
1b 受信部
1c 店員識別情報受付部
1d 商品登録処理部
1e 送信部
2 管理装置
3 表示装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理装置から取引開始指示を受信すると、前記管理装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報の受信を開始し、順次受信した前記商品入力情報を前記管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する受信部と、
前記受信部が前記取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける店員識別情報受付部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に基づいて、前記収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける商品登録処理部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を前記管理装置に送信し、前記商品登録処理部が前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を前記管理装置に送信する送信部と、
を有することを特徴とする販売支援装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記収集対象の商品の入力を行った顧客が商品の選択入力を継続しているか、および、商品の選択入力を完了して退席中か否かを示す情報を含む顧客状態通知を前記管理装置から受信し、
前記商品登録処理部は、前記受信部が受信した前記顧客状態通知に基づいて、前記顧客の状態を前記表示装置に表示させる、
ことを特徴とする請求項1記載の販売支援装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記取引開始指示に含まれる前記収集対象の商品の前記顧客による入力を受け付けた顧客端末装置の識別情報を取引情報記憶部に格納し、
前記商品登録処理部は、前記顧客が前記退席中である場合、前記受信部が前記入力完了通知を受信した後、前記商品登録処理部が前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けると前記収集対象の商品を投入した所定の収納物を所定の設置場所に移動させる旨の指示を報知し、前記顧客が前記退席中でない場合に、前記受信部が前記入力完了通知を受信した後、前記商品登録処理部が前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けると、前記取引情報記憶部を参照して前記収集対象の商品を投入した所定の収納物を前記顧客端末装置の設置された場所へ移動させる旨の指示を報知する、
ことを特徴とする請求項2記載の販売支援装置。
【請求項4】
前記商品登録処理部は、前記顧客が前記退席中であることを検知すると、前記管理装置が前記収集対象の商品の収集に要する時間として前記顧客に対して報知した所要時間を前記管理装置から取得して、当該所要時間の残り時間を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項3記載の販売支援装置。
【請求項5】
前記商品登録処理部は、前記顧客が前記退席中でないことを検知すると、当該検知時点からの経過時間を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項3または4の何れか一項に記載の販売支援装置。
【請求項6】
前記送信部は、入力装置が所定の操作入力を受け付けると、前記商品登録の完了を検知し、当該操作入力を受け付けた際に、前記顧客が前記退席中である場合、前記登録完了通知に前記設置場所を示すエリア情報を含めることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の販売支援装置。
【請求項7】
前記商品登録処理部は、前記送信部が前記エリア情報を含む前記登録完了通知を送信すると、自装置を所定の保留状態に遷移させることを特徴とする請求項6記載の販売支援装置。
【請求項8】
前記店員識別情報受付部は、前記保留状態となった後、前記受信部が前記管理装置から前記収集対象の商品の前記顧客に対する受渡を指示する所定の復元指示を受信すると、店員識別情報の受け付けを待受け、
前記商品登録処理部は、前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収納物を前記顧客端末装置の設置された場所へ移動させる旨の指示を報知する、
ことを特徴とする請求項7記載の販売支援装置。
【請求項9】
前記店員識別情報受付部は、前記復元指示に含まれる店員識別情報の受け付けを待受けることを特徴とする請求項8記載の販売支援装置。
【請求項10】
前記店員識別情報受付部は、前記取引開始指示に含まれる店員識別情報の受け付けを待受けることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の販売支援装置。
【請求項11】
顧客端末装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報を受信すると、受信した前記商品入力情報を取引の内容を識別するための所定の取引識別情報に対応付けて取引管理情報記憶部に格納する第1の受信部と、
複数の前記取引識別情報それぞれにつき前記取引の対応を行うための店員と前記収集対象の商品を投入するための収納物との割当を行う資源運用管理部と、
前記資源運用管理部による割当結果に基づいて、割当てられた前記店員が所持する店員端末装置と前記収納物に設置された販売支援装置とに取引開始指示を送信し、前記取引管理情報記憶部に記憶された前記商品入力情報を前記販売支援装置に順次送信する第1の送信部と、
を備える管理装置と、
前記管理装置から前記取引開始指示を受信すると、前記管理装置から前記商品入力情報の受信を開始し、順次受信した前記商品入力情報を前記管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する第2の受信部と、
前記受信部が前記取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける店員識別情報受付部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に基づいて、前記収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける商品登録処理部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を前記管理装置に送信し、前記商品登録処理部が前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を前記管理装置に送信する第2の送信部と、
を備える販売支援装置と、
を有することを特徴とする販売支援システム。
【請求項12】
前記第1の受信部は、前記顧客端末装置から前記収集対象の商品の入力が完了したことを示す前記入力完了通知と、前記顧客端末装置を用いて前記収集対象の商品の入力を行っていた顧客が退席するか否かを示す顧客状態通知とを受信し、
前記第1の送信部は、前記入力完了通知と前記顧客状態通知とを、前記資源運用管理部が割当てた前記販売支援装置に送信する、
ことを特徴とする請求項11記載の販売支援システム。
【請求項13】
前記第1の受信部が前記入力完了通知と前記顧客が退席する旨の前記顧客状態通知とを受信すると、前記取引識別情報記憶部に記憶された前記取引識別情報に基づいて、当該取引識別情報に含まれる商品の収集が完了する所要時間を前記顧客端末装置と前記販売支援装置に送信することを特徴とする請求項12記載の販売支援システム。
【請求項14】
前記資源運用管理部は、各店員の現在の作業状況と前記各店員の現時点までの出動回数とを含む店員管理情報を記憶する運用管理情報記憶部に記憶された前記店員管理情報に基づいて、前記店員の前記割当を行うことを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載の販売支援システム。
【請求項15】
前記運用管理情報記憶部は、更に、各収納物の現在の利用状況と前記各収納物の電池残量とを含む収納物管理情報を記憶しており、
前記資源運用管理部は、前記運用管理情報記憶部に記憶された前記収納物管理情報に基づいて、前記収納物の前記割当を行うことを特徴とする請求項14記載の販売支援システム。
【請求項16】
前記資源運用管理部は、前記販売支援装置から前記登録開始通知を受信すると、前記運用管理情報記憶部に記憶された前記収納物管理情報に含まれる前記販売支援装置に対応する前記収納物の前記利用状況を使用中に設定し、他の取引に対する前記割当の対象から除外することを特徴とする請求項15記載の販売支援システム。
【請求項17】
前記運用管理情報記憶部は、更に、前記店員管理情報および前記収納物管理情報には、前記各店員および前記各収納物の所在する位置を示すエリア情報を記憶しており、
前記資源運用管理部は、前記各エリア情報に基づいて前記割当を行うことを特徴とする請求項16記載の販売支援システム。
【請求項18】
前記資源運用管理部は、前記第1の受信部が前記顧客端末装置から前記取引識別情報を含む所定の復元依頼を受信すると、前記運用管理情報記憶部に記憶された前記収納物管理情報を参照して、前記各収納物のうち、前記取引に対して前記収集対象の商品を収集済みで所定の保留状態とされた前記収納物を特定し、前記運用管理情報記憶部に記憶された前記店員管理情報に基づいて前記店員の前記割当を実行し、
前記第1の送信部は、前記資源運用管理部が特定した前記収納物に設置された前記販売支援装置と前記資源運用管理部が割当てた前記店員が所持する前記店員端末装置とに対して前記収集対象の商品の前記顧客に対する受渡を指示する所定の復元指示を送信する、
ことを特徴とする請求項15乃至17の何れか一項に記載の販売支援システム。
【請求項19】
商品を収納する商品カートであって、
管理装置から取引開始指示を受信すると、前記管理装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報の受信を開始し、順次受信した前記商品入力情報を前記管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する受信部と、
前記受信部が前記取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける店員識別情報受付部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に基づいて、前記収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける商品登録処理部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を前記管理装置に送信し、前記商品登録処理部が前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を前記管理装置に送信する送信部と、
を有することを特徴とする商品カート。
【請求項20】
商品の販売を支援する販売支援装置の販売支援方法であって、
受信部が、管理装置から取引開始指示を受信すると、前記管理装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報の受信を開始し、順次受信した前記商品入力情報を前記管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納し、
店員識別情報受付部が、前記受信部により前記取引開始指示が受信されると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受け、
商品登録処理部が、前記店員識別情報受付部により前記店員識別情報が受け付けられると、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に基づいて、前記収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受け、
送信部が、前記店員識別情報受付部により前記店員識別情報が受け付けられると、前記収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を前記管理装置に送信し、前記商品登録処理部により前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報が受け付けられた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を前記管理装置に送信する、
ことを特徴とする販売支援方法。
【請求項1】
管理装置から取引開始指示を受信すると、前記管理装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報の受信を開始し、順次受信した前記商品入力情報を前記管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する受信部と、
前記受信部が前記取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける店員識別情報受付部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に基づいて、前記収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける商品登録処理部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を前記管理装置に送信し、前記商品登録処理部が前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を前記管理装置に送信する送信部と、
を有することを特徴とする販売支援装置。
【請求項2】
前記受信部は、前記収集対象の商品の入力を行った顧客が商品の選択入力を継続しているか、および、商品の選択入力を完了して退席中か否かを示す情報を含む顧客状態通知を前記管理装置から受信し、
前記商品登録処理部は、前記受信部が受信した前記顧客状態通知に基づいて、前記顧客の状態を前記表示装置に表示させる、
ことを特徴とする請求項1記載の販売支援装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記取引開始指示に含まれる前記収集対象の商品の前記顧客による入力を受け付けた顧客端末装置の識別情報を取引情報記憶部に格納し、
前記商品登録処理部は、前記顧客が前記退席中である場合、前記受信部が前記入力完了通知を受信した後、前記商品登録処理部が前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けると前記収集対象の商品を投入した所定の収納物を所定の設置場所に移動させる旨の指示を報知し、前記顧客が前記退席中でない場合に、前記受信部が前記入力完了通知を受信した後、前記商品登録処理部が前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けると、前記取引情報記憶部を参照して前記収集対象の商品を投入した所定の収納物を前記顧客端末装置の設置された場所へ移動させる旨の指示を報知する、
ことを特徴とする請求項2記載の販売支援装置。
【請求項4】
前記商品登録処理部は、前記顧客が前記退席中であることを検知すると、前記管理装置が前記収集対象の商品の収集に要する時間として前記顧客に対して報知した所要時間を前記管理装置から取得して、当該所要時間の残り時間を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項3記載の販売支援装置。
【請求項5】
前記商品登録処理部は、前記顧客が前記退席中でないことを検知すると、当該検知時点からの経過時間を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項3または4の何れか一項に記載の販売支援装置。
【請求項6】
前記送信部は、入力装置が所定の操作入力を受け付けると、前記商品登録の完了を検知し、当該操作入力を受け付けた際に、前記顧客が前記退席中である場合、前記登録完了通知に前記設置場所を示すエリア情報を含めることを特徴とする請求項3乃至5の何れか一項に記載の販売支援装置。
【請求項7】
前記商品登録処理部は、前記送信部が前記エリア情報を含む前記登録完了通知を送信すると、自装置を所定の保留状態に遷移させることを特徴とする請求項6記載の販売支援装置。
【請求項8】
前記店員識別情報受付部は、前記保留状態となった後、前記受信部が前記管理装置から前記収集対象の商品の前記顧客に対する受渡を指示する所定の復元指示を受信すると、店員識別情報の受け付けを待受け、
前記商品登録処理部は、前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収納物を前記顧客端末装置の設置された場所へ移動させる旨の指示を報知する、
ことを特徴とする請求項7記載の販売支援装置。
【請求項9】
前記店員識別情報受付部は、前記復元指示に含まれる店員識別情報の受け付けを待受けることを特徴とする請求項8記載の販売支援装置。
【請求項10】
前記店員識別情報受付部は、前記取引開始指示に含まれる店員識別情報の受け付けを待受けることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の販売支援装置。
【請求項11】
顧客端末装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報を受信すると、受信した前記商品入力情報を取引の内容を識別するための所定の取引識別情報に対応付けて取引管理情報記憶部に格納する第1の受信部と、
複数の前記取引識別情報それぞれにつき前記取引の対応を行うための店員と前記収集対象の商品を投入するための収納物との割当を行う資源運用管理部と、
前記資源運用管理部による割当結果に基づいて、割当てられた前記店員が所持する店員端末装置と前記収納物に設置された販売支援装置とに取引開始指示を送信し、前記取引管理情報記憶部に記憶された前記商品入力情報を前記販売支援装置に順次送信する第1の送信部と、
を備える管理装置と、
前記管理装置から前記取引開始指示を受信すると、前記管理装置から前記商品入力情報の受信を開始し、順次受信した前記商品入力情報を前記管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する第2の受信部と、
前記受信部が前記取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける店員識別情報受付部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に基づいて、前記収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける商品登録処理部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を前記管理装置に送信し、前記商品登録処理部が前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を前記管理装置に送信する第2の送信部と、
を備える販売支援装置と、
を有することを特徴とする販売支援システム。
【請求項12】
前記第1の受信部は、前記顧客端末装置から前記収集対象の商品の入力が完了したことを示す前記入力完了通知と、前記顧客端末装置を用いて前記収集対象の商品の入力を行っていた顧客が退席するか否かを示す顧客状態通知とを受信し、
前記第1の送信部は、前記入力完了通知と前記顧客状態通知とを、前記資源運用管理部が割当てた前記販売支援装置に送信する、
ことを特徴とする請求項11記載の販売支援システム。
【請求項13】
前記第1の受信部が前記入力完了通知と前記顧客が退席する旨の前記顧客状態通知とを受信すると、前記取引識別情報記憶部に記憶された前記取引識別情報に基づいて、当該取引識別情報に含まれる商品の収集が完了する所要時間を前記顧客端末装置と前記販売支援装置に送信することを特徴とする請求項12記載の販売支援システム。
【請求項14】
前記資源運用管理部は、各店員の現在の作業状況と前記各店員の現時点までの出動回数とを含む店員管理情報を記憶する運用管理情報記憶部に記憶された前記店員管理情報に基づいて、前記店員の前記割当を行うことを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載の販売支援システム。
【請求項15】
前記運用管理情報記憶部は、更に、各収納物の現在の利用状況と前記各収納物の電池残量とを含む収納物管理情報を記憶しており、
前記資源運用管理部は、前記運用管理情報記憶部に記憶された前記収納物管理情報に基づいて、前記収納物の前記割当を行うことを特徴とする請求項14記載の販売支援システム。
【請求項16】
前記資源運用管理部は、前記販売支援装置から前記登録開始通知を受信すると、前記運用管理情報記憶部に記憶された前記収納物管理情報に含まれる前記販売支援装置に対応する前記収納物の前記利用状況を使用中に設定し、他の取引に対する前記割当の対象から除外することを特徴とする請求項15記載の販売支援システム。
【請求項17】
前記運用管理情報記憶部は、更に、前記店員管理情報および前記収納物管理情報には、前記各店員および前記各収納物の所在する位置を示すエリア情報を記憶しており、
前記資源運用管理部は、前記各エリア情報に基づいて前記割当を行うことを特徴とする請求項16記載の販売支援システム。
【請求項18】
前記資源運用管理部は、前記第1の受信部が前記顧客端末装置から前記取引識別情報を含む所定の復元依頼を受信すると、前記運用管理情報記憶部に記憶された前記収納物管理情報を参照して、前記各収納物のうち、前記取引に対して前記収集対象の商品を収集済みで所定の保留状態とされた前記収納物を特定し、前記運用管理情報記憶部に記憶された前記店員管理情報に基づいて前記店員の前記割当を実行し、
前記第1の送信部は、前記資源運用管理部が特定した前記収納物に設置された前記販売支援装置と前記資源運用管理部が割当てた前記店員が所持する前記店員端末装置とに対して前記収集対象の商品の前記顧客に対する受渡を指示する所定の復元指示を送信する、
ことを特徴とする請求項15乃至17の何れか一項に記載の販売支援システム。
【請求項19】
商品を収納する商品カートであって、
管理装置から取引開始指示を受信すると、前記管理装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報の受信を開始し、順次受信した前記商品入力情報を前記管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納する受信部と、
前記受信部が前記取引開始指示を受信すると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受ける店員識別情報受付部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に基づいて、前記収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受ける商品登録処理部と、
前記店員識別情報受付部が前記店員識別情報を受け付けると、前記収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を前記管理装置に送信し、前記商品登録処理部が前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報を受け付けた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を前記管理装置に送信する送信部と、
を有することを特徴とする商品カート。
【請求項20】
商品の販売を支援する販売支援装置の販売支援方法であって、
受信部が、管理装置から取引開始指示を受信すると、前記管理装置から収集対象の1以上の商品を示す1以上の商品入力情報の受信を開始し、順次受信した前記商品入力情報を前記管理装置から入力完了通知を受信するまで収集商品情報記憶部に格納し、
店員識別情報受付部が、前記受信部により前記取引開始指示が受信されると、店員を識別するための店員識別情報の受け付けを待受け、
商品登録処理部が、前記店員識別情報受付部により前記店員識別情報が受け付けられると、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に基づいて、前記収集対象の商品のリストである商品リストを表示装置に表示させ、前記収集商品情報記憶部に記憶された前記商品入力情報に対応する商品の識別情報の受け付けを待受け、
送信部が、前記店員識別情報受付部により前記店員識別情報が受け付けられると、前記収集対象の商品の収集を開始した旨を示す登録開始通知を前記管理装置に送信し、前記商品登録処理部により前記収集商品情報記憶部に記憶された全ての前記商品入力情報に対応する商品の識別情報が受け付けられた後、商品登録の完了を検知すると、登録完了通知を前記管理装置に送信する、
ことを特徴とする販売支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2011−108010(P2011−108010A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−262718(P2009−262718)
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月18日(2009.11.18)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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