説明

販売生産計画作成装置、販売生産計画作成方法、及びコンピュータプログラム

【課題】 販売計画の達成に所要の生産量と、工場の生産能力との整合性の確認を迅速に行う。
【解決手段】 需要家別販売計画量1001と、各需要家からの注文の各工場に対する配分割合を示す工場配分モデル1002とに基づいて、工場別需要家別販売計画量1003を算出する。次に、各需要家からの注文における各品種の構成割合の予測値を示す品種構成モデル1004と、工場別需要家別販売計画量1003とに基づいて、工場別品種別販売計画量1005を算出する。次に、各品種における各工程の通過割合の予測値を示す品種別工程発生率モデル1006と、工場別品種別販売計画量1005とに基づいて、工場別工程負荷1007を算出する。そして、工場別工程負荷1007と工程稼働計画1008とをディスプレイに表示する。その後、修正対象となる情報が入力されると、当該情報に基づいて工場別工程負荷1007を再度算出してディスプレイに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、販売生産計画作成装置、販売生産計画作成方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、需要家からの注文に含まれる、複数の品種を有する製品を、複数の生産拠点で複数の工程を経て生産し販売するための計画を作成するために用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
製造業の分野では、製品の販売計画及び生産計画(以下の説明では、必要に応じて「販売生産計画」と称する)を所定の期間(例えば、半年、3ヶ月、月)毎に作成することが行われる。販売生産計画を作成するときには、所要の生産量が、工場の製造能力を上回らないように、それら所要の生産量と工場の生産能力との整合性を計画作成期間毎に確認し、必要に応じて、受注数量の調整や製造工場の調整や製造タイミングの調整を行う。このように、販売生産計画では、計画作成期間単位で、所要の生産量と工場の能力との整合性をとることが求められる。
例えば、鉄鋼業における厚鋼板は、需要家での用途に応じた製品1枚単位での注文が多くその注文仕様は、厚鋼板の属性(強度、サイズ、特定検査要否、特殊加工要否等)によって細かく分類される。厚鋼板のように多品種の製品では、受注前に注文単位の需要予測が得られないことが多い。このため、全製造工程における生産計画を一貫して予測することが難しい。よって、全製造工程での所要の生産量と能力との調整を短時間で行うことが難しい。
このことに関連し、製品の生産を複数の生産拠点に割り振るための技術として特許文献1に記載の技術がある。特許文献1では、販売計画に含まれる製品の生産を、各生産拠点に均等に配分した後、生産負荷の平準化や生産コストの最小化がなされるように、製品の生産拠点を変更し、製品の生産の配分を調整するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−178920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、コスト等の評価指標に従って、製品の生産を複数の生産拠点に振り分けることを目的としており、ある前提で製品の生産を複数の生産拠点に振り分けた場合に、所要の生産量と生産能力との整合性がどのようになるのかを確認することを目的としていない。よって、販売生産計画が一律に決められてしまい、販売生産計画を柔軟に調整することが困難であるという問題点があった。
【0005】
また、特許文献1に記載の技術では、販売生産計画を作成する際に、需要家別品種別の販売計画量を入力する必要がある。中長期の販売生産計画を作成する場合には、品種別の販売計画量を正確に予測することが困難であることが多い。特に、前述した厚鋼板のように多種多様な品種を有する製品については、その傾向が強い。よって、このような場合、特許文献1に記載の技術では、販売生産計画を正確に且つ迅速に作成することが困難になるという問題点があった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、それぞれ複数の生産拠点の複数の工程を経て生産される複数の品種を、複数の需要家に対して生産、販売するための販売生産計画を作成する際に、販売計画に品種等の詳細な情報が含まれていなくても、生産量と生産拠点の生産能力との整合性の確認を、正確に且つ迅速に行えるようにすることを第1の目的とする。また、以上のような生産量と生産拠点の生産能力との整合性の確認をした後に、販売生産計画の修正を、正確に且つ迅速に行えるようにすることを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の販売生産計画作成装置は、それぞれ複数の生産拠点の複数の工程を経て生産される複数の品種を、複数の需要家に対して生産、販売するための販売生産計画を作成する販売生産計画作成装置であって、需要家別の所定の期間単位の販売計画量を示す需要家別販売計画量の情報を取得する需要家別販売計画量取得手段と、前記需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文の各生産拠点に対する望ましい配分割合を示す生産拠点配分モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、需要家別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別需要家別販売計画量の情報を算出する生産拠点別需要家別販売計画量算出手段と、前記生産拠点別需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文における各品種の構成割合の予測値を生産拠点毎に示す品種構成モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、品種別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別品種別販売計画量の情報を算出する生産拠点別品種別販売計画量算出手段と、前記生産拠点別品種別販売計画量の情報と、各品種における各工程の通過割合の予測値を生産拠点毎に示す品種別工程発生率モデルの情報とに基づいて、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の生産計画量である生産拠点別工程負荷の情報を算出する生産拠点別工程負荷算出手段と、前記生産拠点別工程負荷の情報と、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の処理能力を示す工程稼働計画の情報とを表示装置に表示する表示手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明の販売生産計画作成方法は、それぞれ複数の生産拠点の複数の工程を経て生産される複数の品種を、複数の需要家に対して生産、販売するための販売生産計画を作成する販売生産計画作成方法であって、需要家別の所定の期間単位の販売計画量を示す需要家別販売計画量の情報を取得する需要家別販売計画量取得工程と、前記需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文の各生産拠点に対する望ましい配分割合を示す生産拠点配分モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、需要家別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別需要家別販売計画量の情報を算出する生産拠点別需要家別販売計画量算出工程と、前記生産拠点別需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文における各品種の構成割合の予測値を生産拠点毎に示す品種構成モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、品種別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別品種別販売計画量の情報を算出する生産拠点別品種別販売計画量算出工程と、前記生産拠点別品種別販売計画量の情報と、各品種における各工程の通過割合の予測値を生産拠点毎に示す品種別工程発生率モデルの情報とに基づいて、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の生産計画量である生産拠点別工程負荷の情報を算出する生産拠点別工程負荷算出工程と、前記生産拠点別工程負荷の情報と、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の処理能力を示す工程稼働計画の情報とを表示装置に表示する表示工程と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明のコンピュータプログラムは、それぞれ複数の生産拠点の複数の工程を経て生産される複数の品種を、複数の需要家に対して生産、販売するための販売生産計画を作成することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、需要家別の所定の期間単位の販売計画量を示す需要家別販売計画量の情報を取得する需要家別販売計画量取得工程と、前記需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文の各生産拠点に対する望ましい配分割合を示す生産拠点配分モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、需要家別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別需要家別販売計画量の情報を算出する生産拠点別需要家別販売計画量算出工程と、前記生産拠点別需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文における各品種の構成割合の予測値を生産拠点毎に示す品種構成モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、品種別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別品種別販売計画量の情報を算出する生産拠点別品種別販売計画量算出工程と、前記生産拠点別品種別販売計画量の情報と、各品種における各工程の通過割合の予測値を生産拠点毎に示す品種別工程発生率モデルの情報とに基づいて、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の生産計画量である生産拠点別工程負荷の情報を算出する生産拠点別工程負荷算出工程と、前記生産拠点別工程負荷の情報と、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の処理能力を示す工程稼働計画の情報とを表示装置に表示する表示工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、需要家別の所定の期間単位の販売計画量を入力して、生産拠点別、工程別の所定の期間単位の生産量である生産拠点別工程負荷を算出し、それと処理能力との比較をユーザが行えるようにするための表示を行う。したがって、販売計画に品種等の詳細な情報が含まれていなくても、販売計画における生産量と、生産拠点の生産能力との整合性の確認を正確に且つ迅速に行うことができる。
また、ユーザからの修正情報の入力があると、その修正情報に従って生産拠点別工程負荷を再度算出して表示する。したがって、生産量と生産拠点の生産能力との整合性の確認をした後に、販売生産計画の修正を、正確に且つ迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態を示し、販売生産計画作成システムの機能的な構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示し、販売生産計画生成部で行われる処理の概要の一例を概念的に示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示し、需要家別販売計画量の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態を示し、工場配分モデルの一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示し、工場別需要家別販売計画量の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態を示し、品種構成モデルの一例を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態を示し、工場別品種別販売計画量の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態を示し、品種別工程発生率モデルの一例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態を示し、工場別工程負荷の一例を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態を示し、工程稼働計画の一例を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態を示し、工場別工程別所要対能力比較表の一例を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施形態を示し、工場別需要家別販売計画修正量の一例を示す図である。
【図13】本発明の第1の実施形態を示し、工場別需要家別販売計画修正量に基づいて変更された工場別品種別販売計画量を示す図である。
【図14】本発明の第1の実施形態を示し、変更後の工場別品種別販売計画量に基づいて変更された工場別工程負荷を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施形態を示し、変更後の工場別工程負荷に基づいて変更された工場別工程別所要対能力比較表を示す図である。
【図16】本発明の第1の実施形態を示し、販売生産計画生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【図17】本発明の第1の実施形態を示し、工場配分モデル生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【図18】本発明の第1の実施形態を示し、品種構成モデル生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【図19】本発明の第1の実施形態を示し、工程発生率モデル生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【図20】本発明の第2の実施形態を示し、販売生産計画作成システムの機能的な構成の一例を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施形態を示し、販売生産計画生成部で行われる処理の概要の一例を概念的に示す図である。
【図22】本発明の第2の実施形態を示し、工場別プロジェクト別販売計画量の一例を示す図である。
【図23】本発明の第2の実施形態を示し、プロジェクト別工程発生率モデルの一例を示す図である。
【図24】本発明の第2の実施形態を示し、プロジェクト用工場別工程負荷の一例を示す図である。
【図25】本発明の第2の実施形態を示し、工場別工程負荷の一例を示す図である。
【図26】本発明の第2の実施形態を示し、工場別工程別所要対能力比較表の一例を示す図である。
【図27】本発明の第2の実施形態を示し、販売生産計画生成処理の一例を説明するフローチャートである。
【図28】本発明の第2の実施形態を示し、図27に続くフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。尚、以下の各実施形態では、対象となる製品が厚鋼板である場合を例に挙げて説明する。また、以下の各実施形態では、厚鋼板は、圧延機で圧延された後、そのまま、又は切断、矯正、及び塗装の少なくとも何れか1つの工程で処理が施された後に倉庫に入庫されるものとして説明を行う。更に、以下の各実施形態では、月単位(1ヶ月単位)の販売生産計画を作成する場合を例に挙げて説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、販売生産計画作成システムの機能的な構成の一例を示す図である。
図1において、販売生産計画作成システムは、販売生産計画作成装置100と、受注管理システム200と、製造管理システム300とを有している。販売生産計画作成装置100、受注管理システム200、及び製造管理システム300は、それぞれ、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、各種インターフェース、及びディスプレイを備えた情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)を用いることにより実現できる。また、販売生産計画作成装置100、受注管理システム200、及び製造管理システム300は、インターネット等のネットワークを介して相互に通信することが可能になっている。
【0013】
<販売生産計画作成装置100>
販売生産計画作成装置100は、販売生産計画生成部110と、工場配分モデル生成部120と、品種構成モデル生成部130と、工程発生率モデル生成部140と、を有している。以下に、これら各部の詳細の一例を説明する。
[販売生産計画生成部110]
図2は、販売生産計画生成部110で行われる処理の概要の一例を概念的に示す図である。
〔需要家別販売計画量取得部110a〕
需要家別販売計画量取得部110aは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、需要家別販売計画量1001を取得してHDD等に記憶する。
図3は、需要家別販売計画量1001の一例を示す図である。図3に示すように、ここでは需要家の数が3(需要家A〜C)である場合を例に挙げて説明を行う。
図3において、需要家別販売計画量1001は、需要家A〜C別の月単位の厚鋼板の販売計画量[ton]を示すものである。図3においては、例えば、需要家Aに対する4月の販売計画量が100[ton]であることを示している。
需要家別販売計画量取得部110aは、例えば、CPUが、ユーザインターフェースの操作内容を識別し、識別した内容に基づいて需要家別販売計画量1001を作成してHDD等に記憶することにより実現できる。
【0014】
〔工場配分モデル取得部110b〕
工場配分モデル取得部110bは、後述する工場配分モデル記憶部120dに記憶されている工場配分モデル1002を取得する(読み出す)。
図4は、工場配分モデル1002の一例を示す図である。図4に示すように、ここでは、厚鋼板を生産する工場の数が3(工場1〜3)である場合を例に挙げて説明を行う。
図4において、工場配分モデル1002は、各需要家A〜Cからの注文の各工場1〜3に対する望ましい配分割合を示すもの(需要家A〜Cからの注文をどの工場でどの位の割合で生産するかを需要家A〜C毎に示すもの)であり、後述するように受注実績データに基づいて作成される。例えば、図4においては、需要家Bからの注文のうち、50[%]を工場2で生産し、残りの50[%]を工場3で生産することを示している。
工場配分モデル取得部110bは、例えば、CPUが、HDD等に記憶されている工場配分モデル1002を読み出すことにより実現できる。
【0015】
〔工場別需要家別販売計画量算出部110c〕
工場別需要家別販売計画量算出部110cは、需要家別販売計画量取得部110aで取得された需要家別販売計画量1001と、工場配分モデル取得部110bで取得された工場配分モデル1002とに基づいて、工場別需要家別販売計画量1003a〜1003cを算出してHDD等に記憶する(図2を参照)。
図5は、工場別需要家別販売計画量1003a〜1003cの一例を示す図である。
図5において、工場別需要家別販売計画量1003a〜1003cは、工場1〜3別、需要家A〜C別の月単位の販売計画量[ton]である。例えば、図5(a)において、需要家Aの工場1における4月の販売計画量は、需要家Aの4月の販売計画量である100[ton]に(図3を参照)、需要家Aの注文を工場1で生産する割合である1.0(図4を参照)を乗算することにより得られ、100[ton]となる。
工場別需要家別販売計画量算出部110cは、例えば、CPUが、HDD等に記憶されている「需要家別販売計画量1001及び工場配分モデル1002」を読み出して前述した計算を行い、その結果をHDD等に記憶することにより実現できる。
【0016】
〔品種構成モデル取得部110d〕
品種構成モデル取得部110dは、後述する品種構成モデル記憶部130dに記憶されている品種構成モデル1004a〜1004cを取得する(読み出す)。
図6は、品種構成モデル1004a〜1004cの一例を示す図である。
図6において、品種構成モデル1004a〜1004cは、各需要家A〜Cの注文における各品種11〜15、21〜25、31〜35の構成割合の予測値を工場1〜3毎に示すものであり、後述するように受注実績データに基づいて作成される。例えば、図6(a)においては、工場1に割り当てられた需要家Aの注文には、品種11が20[%]、品種12が10[%]、品種13が50[%]、品種14が0[%]、品種15が20[%]含まれていることを示している。尚、品種11〜15は、例えば、製品である厚鋼板の複数の属性(規格、板厚、強度等)に応じて予め決められているものであり、当該属性が同じである複数の厚鋼板をグループ化するためのものである。尚、図6に示す例では、工場1〜3毎に、異なる品種11〜15、21〜25、31〜35が付けられている。これらのうち、品種11、21、31は、工場1〜3によって呼び方を変えているだけであり、実体は同じであるものとする。品種12〜15、22〜25、32〜35も同様である。ただし、必ずしもこのようにする必要はなく、品種11〜15、21〜25、31〜35のそれぞれの実体が異なるものであってもよい。
品種構成モデル取得部110dは、例えば、CPUが、HDD等に記憶されている品種構成モデル1004a〜1004cを読み出すことにより実現できる。
【0017】
〔工場別品種別販売計画量算出部110e〕
工場別品種別販売計画量算出部110eは、工場別需要家別販売計画量算出部110cで算出された工場別需要家別販売計画量1003a〜1003cと、品種構成モデル取得部110dで取得された品種構成モデル1004a〜1004cとに基づいて、工場別品種別販売計画量1005a〜1005cを算出してHDD等に記憶する(図2を参照)。
図7は、工場別品種別販売計画量1005a〜1005cの一例を示す図である。
図7において、工場別品種別販売計画量1005a〜1005cは、工場1〜3別、品種11〜15、21〜25、31〜35別の月単位の販売計画量[ton]を示すものである。例えば、図7(a)において、工場1における4月の品種11の販売計画量は、需要家A〜Cに対する工場1における4月の販売計画量である100、0、15(図5(a)を参照)に、それぞれ、工場1に割り当てられた需要家A〜Cの注文における品種11の構成割合の予測値である0.2、0.6、0(図6(a)を参照)を乗算したものを加算することにより得られ、20[ton](=100×0.2+0×0.6×15×0)となる。
工場別品種別販売計画量算出部110eは、例えば、CPUが、HDD等に記憶されている「工場別需要家別販売計画量1003a〜1003c及び品種構成モデル1004a〜1004c」を読み出して前述した計算を行い、その結果をHDD等に記憶することにより実現できる。
【0018】
〔工程発生率モデル取得部110f〕
工程発生率モデル取得部110fは、後述する工程発生率モデル記憶部140dに記憶されている品種別工程発生率モデル1006a〜1006cを取得する(読み出す)。
図8は、品種別工程発生率モデル1006a〜1006cの一例を示す図である。
図8において、品種別工程発生率モデル1006a〜1006cは、各品種11〜15、21〜25、31〜35における各工程の通過割合の予測値を工場1〜3毎に示すものであり、後述するように製造実績データに基づいて作成される。例えば、図8(a)においては、品種11の厚鋼板のうち30[%]が工場1において切断を行うことを示している。
工程発生率モデル取得部110fは、例えば、CPUが、HDD等に記憶されている品種別工程発生率モデル1006a〜1006cを読み出すことにより実現できる。
【0019】
〔工場別工程負荷算出部110g〕
工場別工程負荷算出部110gは、工場別品種別販売計画量算出部110eで算出された工場別品種別販売計画量1005a〜1005cと、工程発生率モデル取得部110fで取得された品種別工程発生率モデル1006a〜1006cとに基づいて、工場別工程負荷1007a〜1007cを算出してHDD等に記憶する(図2を参照)。
図9は、工場別工程負荷1007a〜1007cの一例を示す図である。
図9において、工場別工程負荷1007a〜1007cは、工場1〜3別、工程別の月単位の製造計画量(各工場1〜3における、月単位の各工程の通過量(販売計画量の厚鋼板を生産するために各月に各工場の各工程で処理する必要がある量))[ton]を示すものである。例えば、図9(a)において、4月の販売計画量の厚鋼板を生産するために工場1で切断を行う必要がある量は、工場1に割り振られた4月における各品種11〜15の販売計画量である20、10、50、10.5、24.5(図7(a)を参照)に、それぞれ、各品種11〜15における切断工程の通過割合の予測値である0.3、0.2、1、0.2、0.1(図8(a)を参照)を乗算したものを加算することにより得られ、62.55[ton](=20×0.3+10×0.2+50×1+10.5×0.2+24.5×0.1)となる。
工場別工程負荷算出部110gは、例えば、CPUが、HDD等に記憶されている「工場別品種別販売計画量1005a〜1005c及び品種別工程発生率モデル1006a〜1006c」を読み出して前述した計算を行い、その結果をHDD等に記憶することにより実現できる。
【0020】
〔稼働計画取得部110h、稼働計画記憶部110i〕
稼働計画取得部110hは、稼働計画記憶部110iに記憶されている工程稼働計画1008a〜1008cを取得する(読み出す)。
図10は、工程稼働計画1008a〜1008cの一例を示す図である。
図10において、工程稼働計画1008a〜1008cは、工場1〜3別、工程別の月単位の処理計画量(処理能力)[ton]を示すものである。例えば、図10(a)においては、工場1では、4月に80[ton]の切断を行えることを示す。工程稼働計画1008a〜1008cは、工場1〜3における設備や人員等の制約を受ける。ここでは、工程稼働計画1008a〜1008cは、ユーザによるユーザインターフェースの操作等に基づいて予め稼働計画記憶部110iに記憶されているものとする。ただし、必ずしもこのようにする必要はなく、製造管理システム300等から工程稼働計画1008a〜1008cを取得してもよい。
稼働計画記憶部110iは、例えば、HDD等の記憶媒体を用いることにより実現され、稼働計画取得部110hは、例えば、CPUが、HDD等に記憶されている工程稼働計画1008a〜1008cを読み出すことにより実現できる。
【0021】
〔所要対能力算出・表示部110j〕
所要対能力算出・表示部110jは、工場別工程負荷算出部110gで算出された工場別工程負荷1007a〜1007cと、稼働計画取得部110hで取得された工程稼働計画1008a〜1008とに基づいて、工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cを作成してディスプレイに表示する(図2を参照)。また、所要対能力算出・表示部110jは、工場別工程負荷1007a〜1007cを変更するための情報として、修正対象となる「工場別需要家別販売計画量1003a〜1003c、工場別品種別販売計画量1005a〜1005b、及び工程稼働計画1008a〜1008c」の情報もディスプレイに表示する。
図11は、工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cの一例を示す図である。
図11において、工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cは、各工場1〜3の各工程における月単位での「所要[ton]、能力[ton]、余力[ton]」を示すものである。ここで、所要とは、販売計画量の厚鋼板を生産するために各工場の各工程で処理する必要がある量であり、図9に示した工場別工程負荷1007a〜1007cの値となる。また、能力とは、各工場の各工程で処理することが可能な量であり、図10に示した工程稼働計画1008a〜1008cの値となる。余力とは、能力から所要を減算した量である。図11(a)において、4月の販売計画量の厚鋼板を生産するために工場1で切断を行う必要がある量は、図9(a)に示したように62.55[ton]であり、工場1の4月における切断の処理能力は、図10(a)に示したように80[ton]である。したがって、工場1の4月における切断の余力は、17.45[ton](=80−62.55)である。
所要対能力算出・表示部110jは、例えば、CPUが、HDD等に記憶されている「工場別工程負荷1007a〜1007c及び工程稼働計画1008a〜1008」を読み出して前述したような計算を行い、その結果に基づいて工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cを作成してディスプレイに表示するための処理を行うことにより実現できる。
【0022】
〔計画良否取得部110k〕
ユーザは、所要対能力算出・表示部110jにより表示された工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cを見て、その内容で良いか否かに係る操作を、ユーザインターフェースを用いて行う。例えば、全ての欄で余力が正の値になっていれば、計画作成期間において、生産能力を上回る量が各工程に入ることはないので、ユーザは、工場別工程負荷1007a〜1007cを修正する必要はないと判断し、その結果を、計画良否取得部110kに対して、ユーザインターフェースを操作して入力する。そして、計画良否取得部110kは、工場別工程負荷1007a〜1007cの修正が不要であるとの情報を取得する。
一方、図11(a)では、工場1の6月における余力が全ての工程で2桁の負の値となっている。この場合、ユーザは、工場別工程負荷1007a〜1007cを修正する必要があると判断し、修正する必要があることを、計画良否取得部110kに対して、ユーザインターフェースを操作して入力する。
計画良否取得部110kは、例えば、CPUが、ユーザインターフェースの操作内容を識別することにより実現できる。
【0023】
〔修正内容取得部110l〕
修正内容取得部110lは、計画良否取得部110kが工場別工程負荷1007a〜1007cの修正の必要があるとの情報を取得した場合、修正すべき内容を、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて取得し、工場別需要家別販売計画量算出部110c、工場別品種別販売計画量算出部110e、稼働計画取得部110hのうち、該当するものに修正箇所と修正量の情報を渡す。
図12は、工場別需要家別販売計画修正量1010a〜1010cの一例を示す図である。
工場別需要家別販売計画修正量1010a〜1010cは、図5に示した工場別需要家別販売計画量1003a〜1003cに対する修正量を示すものである。図12では、需要家Aの工場1における6月の販売計画量を80[ton]減らし、需要家Aの工場2における6月の販売計画量を80[ton]増やすことを示している(図12(a)、図12(b)参照)。この修正量は、図11(a)に示したように、工場1の6月における余力が全ての工程で2桁の負の値となっていることに起因するものである。
修正内容取得部110lは、例えば、CPUが、ユーザインターフェースの操作内容を識別することにより実現できる。
【0024】
図2に示す処理のフローから理解されるように、工場別需要家別販売計画量1003が修正されると、工場別品種別販売計画量1005が変更され、これにより、工場別工程負荷1007が変更され、最終的に工場別工程別所要対能力比較表1009が変更される。
図13は、工場別需要家別販売計画修正量1010a〜1010cに基づいて変更された工場別品種別販売計画量1011a〜1011cを示す図である。また、図14は、変更後の工場別品種別販売計画量1011a〜1011cに基づいて変更された工場別工程負荷1012a〜1012cを示す図である。また、図15は、変更後の工場別工程負荷1012a〜1012cに基づいて変更された工場別工程別所要対能力比較表1013a〜1010cを示す図である。
図11(a)では、工場1の6月における余力が全ての工程で2桁の負の値となっていたが、工場別需要家別販売計画量1003を図12に示す修正量で変更することにより、図15(a)に示すように、工場1の6月における余力が全て正の値となり、且つ他の工場2、3の6月における余力も全て正の値となり、販売生産計画が改善されている。
【0025】
尚、本実施形態では、工場側で調整することができるもの(需要家に影響を与えないもの)を修正対象とし、工場別需要家別販売計画量、工場別品種別販売計画量、及び工程稼働計画を修正対象としたが、修正対象はこれらに限定されるものではない。例えば、これらに加えて、又はこれらに代えて、需要家別販売計画量、工場配分モデル、品種構成モデル、及び工程発生率モデルの何れか1つを修正対象としてもよい。
【0026】
〔販売生産計画決定部110m〕
販売生産計画決定部110mは、計画良否取得部110kが工場別工程負荷1007a〜1007cの修正が不要であるとの情報を取得した場合、例えば、次の情報を取得して販売生産計画を決定する。すなわち、販売生産計画決定部110mは、工場別需要家別販売計画量算出部110cで算出された最新の工場別需要家別販売計画量を取得する。また、販売生産計画決定部110mは、工場別品種別販売計画量算出部110eで算出された最新の工場別品種別販売計画量を取得する。また、販売生産計画決定部110mは、所要対能力算出・表示部110jで作成された最新の工場別工程別所要対能力比較表を取得する。そして、販売生産計画決定部110mは、取得した情報に基づいて販売生産計画を作成し、販売生産計画記憶部110nに記憶する。
販売生産計画記憶部110nは、例えば、HDD等の記憶媒体を用いることにより実現できる。また、販売生産計画決定部110mは、例えば、HDD等に記憶されている「最新の工場別需要家別販売計画量、最新の工場別品種別販売計画量、最新の工場別工程別所要対能力比較表」を取得して、それらを販売生産計画として纏め、HDD等に記憶することにより実現される。尚、販売生産計画の内容は、需要家からの注文に含まれる、複数の品種11〜15、21〜25、31〜35を有する厚鋼板を、複数の工場1〜3で複数の工程を経て製造し販売するための計画であれば、前述したものに限定されるものではない。
【0027】
[工場配分モデル生成部120]
前述したように、工場配分モデル1002は、各需要家からの注文をどの工場でどの位の割合で生産するかを需要家A〜C毎に示すものである(図4を参照)。以下に、工場配分モデル1002の作成方法の一例を説明する。
〔受注実績データ取得部120a〕
受注実績データ取得部120aは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、受注管理システム200から受注実績データを取得(受信)する。受注管理システム200は、厚鋼板の受注を管理する情報処理装置であり、営業部門が所有するものとする。受注管理システム200は、需要家、生産工場、生産量、及び品種を属性に含む製品単位の受注実績データを記憶している。尚、ここでは、受注実績データの属性に品種が含まれるようにしたが、ここで取得する受注実績データの属性には、必ずしも品種が含まれている必要はない。後述するように工場配分モデル1002を作成するのに品種の情報は使われないからである。
受注実績データ取得部120aは、例えば、ユーザインターフェースの操作内容が受注実績データの取得に係るものであった場合、CPUが、受注管理システム200に対する受注実績データの取得指示を出し、通信インターフェースがその取得指示に従って、受注管理システム200と通信を行って受注実績データを受信することにより実現できる。
【0028】
〔工場配分モデル作成部120b、工場配分モデル表示部120c、工場配分モデル記憶部120d〕
工場配分モデル作成部120bは、受注実績データ取得部120aで取得された受注実績データに基づいて、工場配分モデル1002を作成して工場配分モデル記憶部120dに記憶する。
工場配分モデル1002を作成するために、工場配分モデル作成部120bは、まず、需要家及び生産工場毎に受注実績データを分類する。すなわち、工場配分モデル作成部120bは、需要家及び生産工場の双方が同じである受注実績データを纏める。
次に、工場配分モデル作成部120bは、分類区分毎に、生産量を集計する。すなわち、工場配分モデル作成部120bは、需要家及び生産工場の双方が同じである厚鋼板の生産量の合計値を算出する。
次に、工場配分モデル作成部120bは、集計した生産量を需要家毎に規格化する。これにより工場配分モデル1002が得られ、工場配分モデル作成部120bは、工場配分モデル1002を工場配分モデル記憶部120dに記憶する。工場配分モデル作成部120bは、例えば、需要家及び生産工場の双方が同じである厚鋼板の生産量の合計値で、当該需要家が同じである厚鋼板の生産量の合計値を除算することにより規格化を行う。具体的に説明すると、例えば、需要家Bから受注した厚鋼板のうち、工場2で生産されたものが100[ton]であり、需要家Bから受注した厚鋼板の総量が200[ton]であった場合、工場配分モデル1002において、工場2と需要家Bとにより特定される領域には、0.5(=100÷200)が入力される。
【0029】
工場配分モデル表示部120cは、工場配分モデル記憶部120dに記憶されている工場配分モデル1002をディスプレイに表示する。尚、工場配分モデル表示部120cは、工場配分モデル作成部120bにより新たに生成された工場配分モデル1002が工場配分モデル記憶部120dに記憶されたタイミングで工場配分モデル1002をディスプレイに表示してもよいし、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、そのときに工場配分モデル記憶部120dに記憶されている工場配分モデル1002をディスプレイに表示してもよい。
工場配分モデル作成部120bは、ディスプレイに表示された工場配分モデル1002に対する修正がユーザから指示された場合には、修正値を取得して、工場配分モデル1002の内容を書き換えて工場配分モデル記憶部120dに記憶されている工場配分モデル1002を更新する。そして、工場配分モデル表示部120cは、更新後の工場配分モデル1002をディスプレイに表示する。ディスプレイに表示された工場配分モデル1002で内容を確定することがユーザから指示された場合には、工場配分モデル生成部120は処理を終了する。
工場配分モデル記憶部120dは、例えば、HDD等の記憶媒体を用いることにより実現できる。また、工場配分モデル作成部120bは、例えば、通信インターフェースで受信された受注実績データに基づいて前述した計算を行い、その結果である工場配分モデルをHDD等に記憶したり、ユーザインターフェースの操作内容を識別し、その操作内容に基づいて工場配分モデルを変更したりすることにより実現できる。また、工場配分モデル表示部120cは、例えば、CPUが、ユーザインターフェースの操作内容を識別して、HDD等から工場配分モデル1002を読み出し、その情報をディスプレイに表示するための処理を行うことにより実現できる。
【0030】
[品種構成モデル生成部130]
前述したように、品種構成モデル1004は、各需要家A〜Cの注文における各品種11〜15、21〜25、31〜35の構成割合の予測値を工場1〜3毎に示すものである(図6を参照)。以下に、品種構成モデル1004の作成方法の一例を説明する。
〔受注実績データ取得部130a〕
受注実績データ取得部130aは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、受注管理システム200から受注実績データを取得(受信)する。ここで取得する受注実績データの属性には、品種が含まれている必要がある。後述するように品種構成モデル1004を作成するのに品種の情報が使われるからである。
受注実績データ取得部130aは、例えば、ユーザインターフェースの操作内容が受注実績データの取得に係るものであった場合、CPUが、受注管理システム200に対する受注実績データの取得指示を出し、通信インターフェースがその取得指示に従って、受注管理システム200と通信を行って受注実績データを受信することにより実現できる。
【0031】
〔品種構成モデル作成部130b、品種構成モデル表示部130c、品種構成モデル記憶部130d〕
品種構成モデル作成部130bは、受注実績データ取得部130aで取得された受注実績データに基づいて、品種構成モデル1004を作成して品種構成モデル記憶部130dに記憶する。
品種構成モデル1004を作成するために、品種構成モデル作成部130bは、まず、生産工場、需要家及び品種毎に受注実績データを分類する。すなわち、品種構成モデル作成部130bは、生産工場、需要家及び品種の全てが同じである受注実績データを纏める。
次に、品種構成モデル作成部130bは、分類区分毎に、生産量を集計する。すなわち、工場配分モデル作成部120bは、生産工場、需要家及び品種の全てが同じである厚鋼板の生産量の合計値を算出する。
次に、品種構成モデル作成部130bは、集計した生産量を需要家毎に規格化する。これにより品種構成モデル1004が得られ、品種構成モデル作成部130bは、品種構成モデル1004を品種構成モデル記憶部130dに記憶する。品種構成モデル作成部130bは、例えば、生産工場、需要家及び品種の全てが同じである厚鋼板の生産量の合計値で、当該需要家及び当該生産工場の双方が同じである厚鋼板の生産量の合計値を除算することにより規格化を行う。具体的に説明すると、例えば、需要家Aの注文のうち、工場1に割り当てられた注文における「品種11の厚鋼板の生産量」が20[ton]であり、需要家Aの注文のうち、工場1に割り当てられた注文における「全品種11〜15の厚鋼板の生産量」が100[ton]であった場合、品種構成モデル1004aにおいて、品種11と需要家Aとにより特定される領域には、0.2(=20÷100)が入力される。
【0032】
品種構成モデル表示部130cは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて品種構成モデル記憶部130dに記憶されている品種構成モデル1004をディスプレイに表示する。尚、品種構成モデル表示部130cは、品種構成モデル作成部130bにより新たに生成された品種構成モデル1004が品種構成モデル記憶部130dに記憶されたタイミングで品種構成モデル1004をディスプレイに表示してもよいし、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、そのときに品種構成モデル記憶部130dに記憶されている品種構成モデル1004をディスプレイに表示してもよい。
品種構成モデル作成部130bは、ディスプレイに表示された品種構成モデル1004に対する修正がユーザから指示された場合には、修正値を取得して、品種構成モデル1004の内容を書き換えて品種構成モデル記憶部130dに記憶されている品種構成モデル1004を更新する。そして、品種構成モデル表示部130cは、更新後の品種構成モデル1004をディスプレイに表示する。ディスプレイに表示された品種構成モデル1004で内容を確定することがユーザから指示された場合には、品種構成モデル生成部130は処理を終了する。
品種構成モデル記憶部130dは、例えば、HDD等の記憶媒体を用いることにより実現できる。また、品種構成モデル作成部130bは、例えば、通信インターフェースで受信された受注実績データに基づいて前述した計算を行い、その結果である品種構成モデルをHDD等に記憶したり、ユーザインターフェースの操作内容を識別し、その操作内容に基づいて品種構成モデルを変更したりすることにより実現できる。品種構成モデル表示部130cは、例えば、CPUが、ユーザインターフェースの操作内容を識別して、HDD等から品種構成モデル1004を読み出し、その情報をディスプレイに表示するための処理を行うことにより実現できる。
【0033】
[工程発生率モデル生成部140]
前述したように、品種別工程発生率モデル1006は、各品種11〜15、21〜25、31〜35における各工程の通過割合の予測値を工場1〜3毎に示すものである(図8を参照)。以下に、品種別工程発生率モデル1006の作成方法の一例を説明する。
〔製造実績データ取得部140a〕
製造実績データ取得部140aは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、製造管理システム300から製造実績データを取得(受信)する。製造管理システム300は、厚鋼板の製造を管理する情報処理装置であり、工場が所有しているものとする。製造管理システム300は、生産工場、品種、通過工程、及び生産量を属性に含む製品単位の製造実績データを記憶している。
製造実績データ取得部140aは、例えば、ユーザインターフェースの操作内容が製造実績データの取得に係るものであった場合、CPUが、製造管理システム300に対する製造実績データの取得指示を出し、通信インターフェースがその取得指示に従って、製造管理システム300と通信を行って製造実績データを受信することにより実現できる。
【0034】
〔工程発生率モデル作成部140b、工程発生率モデル表示部140c、工程発生率モデル記憶部140d〕
工程発生率モデル作成部140bは、製造実績データ取得部140aで取得された製造実績データに基づいて、品種別工程発生率モデル1006を作成して工程発生率モデル記憶部140dに記憶する。
品種別工程発生率モデル1006を作成するために、工程発生率モデル作成部140bは、まず、生産工場、品種及び通過工程毎に製造実績データを分類する。すなわち、工程発生率モデル作成部140bは、生産工場、品種及び通過工程の全てが同じである製造実績データを纏める。
次に、工程発生率モデル作成部140bは、分類区分毎に、生産量を集計する。すなわち、工程発生率モデル作成部140bは、生産工場、品種及び通過工程の全てが同じである厚鋼板の生産量の合計値を算出する。
次に、工程発生率モデル作成部140bは、集計した生産量を品種毎に規格化する。これにより品種別工程発生率モデル1006が得られ、工程発生率モデル作成部140bは、工程発生率モデル品種別工程発生率モデル1006を工程負荷モデル記憶部140dに記憶する。工程負荷モデル作成部140bは、例えば、生産工場と品種が同じである厚鋼板の生産量の合計値で、当該生産工場での当該品種の圧鋼板の所期の通過工程での処理量を除算することにより規格化を行う。具体的に説明すると、例えば、工場1で切断した品種11の厚鋼板の量が300[ton]であり、工場1で生産した品種11の厚鋼板の総量が1000[ton]であった場合、図8(a)に示したように、品種別工程発生率モデル1006aにおいて、切断と品種11とにより特定される領域には、0.3(=300÷1000)が入力される。
【0035】
工程発生率モデル表示部140cは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて工程発生率モデル記憶部140dに記憶されている品種別工程発生率モデル1006をディスプレイに表示する。尚、工程発生率モデル表示部140cは、工程発生率モデル作成部140bにより新たに生成された品種別工程発生率モデル1006が工程発生率モデル記憶部140dに記憶されたタイミングで品種別工程発生率モデル1006をディスプレイに表示してもよいし、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、そのときに工程発生率モデル記憶部140dに記憶されている品種別工程発生率モデル1006をディスプレイに表示してもよい。
工程発生率モデル作成部140bは、ディスプレイに表示された品種別工程発生率モデル1006に対する修正がユーザから指示された場合には、修正値を取得して、品種別工程発生率モデル1006の内容を書き換えて工程発生率モデル記憶部140dに記憶されている品種別工程発生率モデル1006を更新する。そして、工程発生率モデル表示部140cは、更新後の品種別工程発生率モデル1006をディスプレイに表示する。ディスプレイに表示された品種別工程発生率モデル1006で内容を確定することがユーザから指示された場合には、工程発生率モデル生成部140は処理を終了する。
【0036】
工程発生率モデル記憶部140dは、例えば、HDD等の記憶媒体を用いることにより実現できる。また、工程発生率モデル作成部140bは、例えば、通信インターフェースで受信された製造実績データに基づいて前述した計算を行い、その結果である工程発生率モデルをHDD等に記憶したり、ユーザインターフェースの操作内容を識別し、その操作内容に基づいて工程発生率モデルを変更したりすることにより実現できる。工程発生率モデル表示部140cは、例えば、CPUが、ユーザインターフェースの操作内容を識別して、HDD等から品種別工程発生率モデル1006を読み出し、その情報をディスプレイに表示するための処理を行うことにより実現できる。
【0037】
次に、図16〜図19のフローチャートを参照しながら、販売生産計画作成装置100の処理の一例を説明する。
最初に、図16のフローチャートを参照しながら、販売生産計画生成部110により行われる販売生産計画生成処理の一例を説明する。
まず、ステップS1において、需要家別販売計画量取得部110aは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、需要家別販売計画量1001を取得してHDD等に記憶する(図3を参照)。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS1の処理を行うことにより需要家別販売計画量取得手段の一例が実現される。
次に、ステップS2において、工場配分モデル取得部110bは、工場配分モデル記憶部120dに記憶されている工場配分モデル1002を読み出す(図4を参照)。
次に、ステップS3において、工場別需要家別販売計画量算出部110cは、ステップS1で取得された需要家別販売計画量1001と、ステップS2で読み出された工場配分モデル1002とに基づいて、工場別需要家別販売計画量1003a〜1003cを算出してHDD等に記憶する(図5を参照)。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS3の処理を行うことにより生産拠点別需要家別販売計画量算出手段の一例が実現される。
【0038】
次に、ステップS4において、品種構成モデル取得部110dは、品種構成モデル記憶部130dに記憶されている品種構成モデル1004a〜1004cを読み出す(図6を参照)。
次に、ステップS5において、工場別品種別販売計画量算出部110eは、ステップS3で算出された工場別需要家別販売計画量1003a〜1003cと、ステップS4で読み出された品種構成モデル1004a〜1004cとに基づいて、工場別品種別販売計画量1005a〜1005cを算出してHDD等に記憶する(図7を参照)。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS5の処理を行うことにより生産拠点別品種別販売計画量算出手段の一例が実現される。
次に、ステップS6において、工程発生率モデル取得部110fは、工程発生率モデル記憶部140dに記憶されている品種別工程発生率モデル1006a〜1006cを読み出す(図8を参照)。
次に、ステップS7において、工場別工程負荷算出部110gは、ステップS5で算出された工場別品種別販売計画量1005a〜1005cと、ステップS6で読み出された品種別工程発生率モデル1006a〜1006cとに基づいて、工場別工程負荷1007a〜1007cを算出してHDD等に記憶する(図9を参照)。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS7の処理を行うことにより生産拠点別工程負荷算出手段の一例が実現される。
【0039】
次に、ステップS8において、稼働計画取得部110hは、稼働計画記憶部110iに記憶されている工程稼働計画1008a〜1008cを読み出す(図10を参照)。
次に、ステップS9において、所要対能力算出・表示部110jは、ステップS7で算出された工場別工程負荷1007a〜1007cと、ステップS8で取得された工程稼働計画1008a〜1008とに基づいて、工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cを作成してディスプレイに表示する(図11を参照)。また、所要対能力算出・表示部110jは、工場別工程負荷1007a〜1007cを変更するための情報として、修正対象となる「工場別需要家別販売計画量1003a〜1003c、工場別品種別販売計画量1005a〜1005b、及び工程稼働計画1008a〜1008c」の情報もディスプレイに表示する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS9の処理を行うことにより表示手段の一例が実現される。
【0040】
次に、ステップS10において、計画良否取得部110kは、ステップS9で表示された工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cに対して修正が必要であるとの情報と、当該修正が不要であるとの情報との何れを取得したかに基づいて、工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cに対して修正が必要であるか否かを判定する。この判定の結果、修正が必要でないと判定された場合には、ステップS11に進む。
ステップS11に進むと、販売生産計画決定部110mは、ステップS3で算出された最新の工場別需要家別販売計画量と、ステップS5で算出された最新の工場別品種別販売計画量と、ステップS9で作成された最新の工場別工程別所要対能力比較表とを取得し、取得した情報に基づいて販売生産計画を生成して、販売生産計画記憶部110nに記憶する。そして、図16のフローチャートによる処理を終了する。
【0041】
一方、ステップS10において、修正が必要であると判定された場合には、ステップS12に進む。ステップS12に進むと、修正内容取得部110lは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、修正すべき内容を取得する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS10の処理を行うことにより修正情報取得手段の一例が実現される。
次に、ステップS13において、修正内容取得部110lは、ステップS12で取得した情報に基づいて、工程稼働計画1008を修正するか否かを判定する。この判定の結果、工程稼働計画1008を修正する場合、修正内容取得部110lは、工程稼働計画取得部110hに、修正箇所と修正量の情報を渡して、ステップS14に進む。ステップS14に進むと、工程稼働計画取得部110hは、修正内容取得部110lからの情報に基づいて、稼働計画記憶部110iに記憶されている工程稼働計画1008を更新する。そして、前述したステップS9に戻り、更新した工程稼働計画1008に基づく工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cが再度作成される。
【0042】
一方、ステップS13において、工程稼働計画1008を修正しないと判定された場合には、ステップS15に進む。ステップS15に進むと、修正内容取得部110lは、ステップS12で取得した情報に基づいて、工場別品種別販売計画量1005を修正するか否かを判定する。この判定の結果、工場別品種別販売計画量1005を修正する場合、修正内容取得部110lは、工場別品種別販売計画量算出部110eに、修正箇所と修正量の情報を渡して、ステップS5に戻る。そして、工場別品種別販売計画量算出部110eは、修正内容取得部110lからの情報に基づいて、工場別品種別販売計画量1005を更新する。そして、更新した工場別品種別販売計画量1005に基づく工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cが再度作成される。
一方、ステップS15において、工場別品種別販売計画量1005を修正しないと判定された場合には、工場別需要家別販売計画量1003を修正するので、修正内容取得部110lは、工場別需要家別販売計画量算出部110cに、修正箇所と修正量の情報を渡して、ステップS3に戻る。そして、工場別需要家別販売計画量算出部110cは、修正内容取得部110lからの情報に基づいて、工場別需要家別販売計画量1003を更新する。そして、更新した工場別需要家別販売計画量1003に基づく工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cが再度作成される。
【0043】
次に、図17のフローチャートを参照しながら、工場配分モデル生成部120により行われる工場配分モデル生成処理の一例を説明する。
まず、ステップS21において、受注実績データ取得部120aは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、受注管理システム200から受注実績データを取得(受信)する。受注実績データには、需要家、生産工場、生産量、及び品種の情報が含まれている。
次に、ステップS22において、工場配分モデル作成部120bは、需要家及び生産工場毎に受注実績データを分類する。
次に、ステップS23において、工場配分モデル作成部120bは、分類区分毎に、生産量を集計する。
【0044】
次に、ステップS24において、工場配分モデル作成部120bは、集計した生産量を需要家毎に規格化して工場配分モデル1002を作成し、工場配分モデル記憶部120dに記憶する。
以上のように本実施形態では、例えば、受注実績データが第1の実績データの一例であり、ステップS21〜S24の処理を行うことにより生産拠点配分モデル生成手段の一例が実現される。
次に、ステップS25において、工場配分モデル表示部120cは、工場配分モデル記憶部120dに記憶されている工場配分モデル1002をディスプレイに表示する。
次に、ステップS26において、工場配分モデル作成部120bは、ステップS25で表示された工場配分モデル1002に対して修正が必要であるか否かを、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて判定する。この判定の結果、修正が必要であると判定された場合には、ステップS27に進む。
【0045】
ステップS27に進むと、工場配分モデル作成部120bは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、工場配分モデル1002に対する修正値を取得し、その修正値に基づき工場配分モデル1002の内容を書き換えて工場配分モデル記憶部120dに記憶されている工場配分モデル1002を更新する。そして、ステップS25に戻り、工場配分モデル表示部120cは、更新後の工場配分モデル1002をディスプレイに表示する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS27の処理を行うことにより変更手段の一例が実現される。
一方、ステップS26において、修正が必要でないと判定されると、図17のフローチャートによる処理を終了する。
尚、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、ステップS25〜S27の処理を独立して行うようにすることもできる。
【0046】
次に、図18のフローチャートを参照しながら、品種構成モデル生成部130により行われる品種構成モデル生成処理の一例を説明する。
まず、ステップS31において、受注実績データ取得部130aは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、受注管理システム200から受注実績データを取得(受信)する。受注実績データには、需要家、生産工場、生産量、及び品種の情報が含まれている。
次に、ステップS32において、品種構成モデル作成部130bは、生産工場、需要家及び品種毎に受注実績データを分類する。
次に、ステップS33において、品種構成モデル作成部130bは、分類区分毎に、生産量を集計する。
【0047】
次に、ステップS34において、品種構成モデル作成部130bは、集計した生産量を需要家毎に規格化して品種構成モデル1004を作成し、品種構成モデル記憶部130dに記憶する。
以上のように本実施形態では、例えば、受注実績データが第2の実績データの一例であり、ステップS31〜S34の処理を行うことにより品種構成モデル生成手段の一例が実現される。
次に、ステップS35において、品種構成モデル表示部130cは、品種構成モデル記憶部130dに記憶されている品種構成モデル1004をディスプレイに表示する。
次に、ステップS36において、品種構成モデル作成部130bは、ステップS35で表示された品種構成モデル1004に対して修正が必要であるか否かを、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて判定する。この判定の結果、修正が必要であると判定された場合には、ステップS37に進む。
【0048】
ステップS37に進むと、品種構成モデル作成部130bは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、品種構成モデル1004に対する修正値を取得し、その修正値に基づき品種構成モデル1004の内容を書き換えて品種構成モデル記憶部130dに記憶されている品種構成モデル1004を更新する。そして、ステップS35に戻り、品種構成モデル表示部130cは、更新後の品種構成モデル1004をディスプレイに表示する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS37の処理を行うことにより変更手段の一例が実現される。
一方、ステップS36において、修正が必要でないと判定されると、図18のフローチャートによる処理を終了する。
尚、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、ステップS35〜S37の処理を独立して行うようにすることもできる。
【0049】
次に、図19のフローチャートを参照しながら、工程発生率モデル生成部140により行われる工程発生率モデル生成処理の一例を説明する。
まず、ステップS41において、受注実績データ取得部140aは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、製造管理システム300から製造実績データを取得(受信)する。製造実績データには、生産工場、品種、通過工程、及び生産量の情報が含まれている。
次に、ステップS42において、工程発生率モデル作成部140bは、生産工場、品種及び通過工程毎に製造実績データを分類する。
次に、ステップS43において、工程発生率モデル作成部140bは、分類区分毎に、生産量を集計する。
【0050】
次に、ステップS44において、工程発生率モデル作成部140bは、集計した生産量を品種毎に規格化して品種別工程発生率モデル1006を作成し、工程発生率モデル記憶部140dに記憶する。
以上のように本実施形態では、例えば、製造実績データが第3の実績データの一例であり、ステップS41〜S44の処理を行うことにより品種別工程発生率モデル生成手段の一例が実現される。
次に、ステップS45において、工程発生率モデル表示部140cは、工程発生率モデル記憶部140dに記憶されている品種別工程発生率モデル1006をディスプレイに表示する。
次に、ステップS46において、工程発生率モデル作成部140bは、ステップS45で表示された品種別工程発生率モデル1006に対して修正が必要であるか否かを、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて判定する。この判定の結果、修正が必要であると判定された場合には、ステップS47に進む。
【0051】
ステップS47に進むと、工程発生率モデル作成部140bは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、工程発生率モデル1006に対する修正値を取得し、その修正値に基づき品種別工程発生率モデル1006の内容を書き換えて工程発生率モデル記憶部140dに記憶されている品種別工程発生率モデル1006を更新する。そして、ステップS45に戻り、工程発生率モデル表示部140cは、更新後の品種別工程発生率モデル1006をディスプレイに表示する。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS47の処理を行うことにより変更手段の一例が実現される。
一方、ステップS46において、修正が必要でないと判定されると、図19のフローチャートによる処理を終了する。
尚、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、ステップS45〜S47の処理を独立して行うようにすることもできる。
【0052】
以上のように本実施形態では、各需要家A〜C別の月単位の販売計画量である需要家別販売計画量1001と、各需要家A〜Cからの注文の各工場1〜3に対する望ましい配分割合を示す工場配分モデル1002とに基づいて、工場1〜3別、需要家A〜C別の月単位の販売計画量である工場別需要家別販売計画量1003を算出する。次に、各需要家A〜Cの注文における各品種11〜15、21〜25、31〜35の構成割合の予測値を工場1〜3毎に示す品種構成モデル1004と、工場別需要家別販売計画量1003とに基づいて、工場1〜3別、品種11〜15、21〜25、31〜35別の販売計画量である工場別品種別販売計画量1005を算出する。次に、各品種11〜15、21〜25、31〜35における各工程の通過割合の予測値を工場1〜3毎に示す品種別工程発生率モデル1006と、工場別品種別販売計画量1005とに基づいて、工場1〜3別、工程別の月単位の生産量である工場別工程負荷1007を算出する。そして、工場別工程負荷1007と、工場1〜3別、工程別の月単位の処理能力を示す工程稼働計画1008とをディスプレイに表示する。その後、工場別工程負荷1007を算出するために使用した情報のうち、修正対象となる情報(工場別需要家別販売計画量1003、工場別品種別販売計画量1005、又は工程稼働計画1008の情報)がユーザにより入力されると、当該情報に基づいて工場別工程負荷1007を再度算出してディスプレイに表示する。
【0053】
したがって、製品(厚鋼板)単位の個別の注文情報や、品種別の販売計画量が得られなくても、注文構成を考慮して、各工程一貫で、「販売計画における生産量」と「工場の生産能力」との整合性の確認・調整を正確に且つ迅速に行える。したがって、工期や販売機会の損失が可及的に無い販売生産計画を作成することができる。
また、本実施形態では、工場配分モデル1002、品種構成モデル1004、及び品種別工程発生率モデル1006を過去の実績データ(受注実績データ、製造実績データ)に基づいて自動的に生成するようにしたので、これらを人手により生成したり、複雑なロジックを考慮して生成したりする必要がなくなり、これらを容易に且つ迅速に生成することができる。また、生成したモデルを人手で修正することができるので、過去の実績だけでなく、将来の予測も考慮したモデルを生成することができる。
【0054】
尚、本実施形態では、工場1〜3毎に異なる品種11〜15、21〜25、31〜35を用いるようにする場合を例に挙げて説明したが、実体が同じものについては、全ての工場1〜3で共通の品種として扱うようにしてもよい。このようにすれば、例えば、工場別工程負荷1007を変更するために、品種を含む情報(例えば工場別品種別販売計画量1005)を修正する際に、どの情報をどの位修正すればよいのかを営業部門が容易に把握できる。また、取り扱う品種の数が少なくなることにより、営業部門が注文構成(品種)を意識した営業活動を行い易くなる。例えば、工程能力との対比により、特定の品種を特定の月に工程能力以上に販売する計画となっていることを営業部門が容易に把握できればこれらを意識した受注活動を行うことが可能となる。
また、前述したように、工場配分モデル1002、品種構成モデル1004、及び品種別工程発生率モデル1006を過去の実績データに基づいて自動的に生成するのが好ましいが、これらを人手で生成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、生産拠点の一例として工場を例に挙げて説明したが、生産拠点は工場に限定されない。例えば、1つの工場に複数の生産拠点が設定されるようにしてもよい。
また、需要家、品種、工程の数や内容は、製品等に応じて適宜決定することができる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
実際の市場では、特定大型構造物の建設プロジェクトに使用される製品を受注する等、過去の受注実績情報とは異なる品種や工程負荷を持つ注文を受注する場合がある。本実施形態では、このようなプロジェクトに対応した販売生産計画を作成する。このように本実施形態と前述した第1の実施形態では、販売生産計画生成部110による販売生産計画生成処理の一部が異なる。よって、本実施形態の説明において、前述した図1〜図19に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
【0056】
図20は、販売生産計画作成システムの機能的な構成の一例を示す図である。また、図21は、販売生産計画生成部110で行われる処理の概要の一例を概念的に示す図である。
〔プロジェクト有無判定部110o〕
プロジェクト有無判定部110oは、工場別工程負荷算出部110gで工場別工程負荷1007a〜1007cが得られると、計画作成期間にプロジェクトがあるか否かを判定する。この判定を具体的に説明すると、例えば、工場別プロジェクト別販売計画量記憶部110pに、計画作成期間における工場別プロジェクト別販売計画量2001が記憶されており、且つプロジェクト別工程モデル記憶部110qに、当該工場別プロジェクト別販売計画量2001に対応するプロジェクト別工程発生率モデル2002が記憶されている場合には、計画作成期間にプロジェクトがあると判定し、そうでない場合には、計画作成期間にプロジェクトがないと判定する。工場別プロジェクト別販売計画量2001及びプロジェクト別工程発生率モデル2002については後述する。
プロジェクト有無判定部110oは、例えば、CPUが、HDD等の記憶媒体の記憶内容を確認することにより実現できる。
【0057】
〔工場別プロジェクト別販売計画量取得部110r〕
工場別プロジェクト別販売計画量取得部110rは、工場別プロジェクト別販売計画量記憶部110pに記憶されている工場別プロジェクト別販売計画量2001a〜2001cを取得する(読み出す)。
図22は、工場別プロジェクト別販売計画量2001a〜2001cの一例を示す図である。
図22において、工場別プロジェクト別販売計画量2001a〜2001cは、工場1〜3別、各プロジェクトa1、a2、b1、b2、c1、c2別の月単位の販売計画量[ton]を示すものである。工場別プロジェクト別販売計画量2001a〜2001cは、ユーザによるユーザインターフェースの操作に基づいて、予め工場別プロジェクト別販売計画量記憶部110pに記憶されている。例えば、図22(a)においては、プロジェクトa1では、5月に50[ton]の厚鋼板を工場1で生産する必要があることを示している。
工場別プロジェクト別販売計画量記憶部110pは、HDD等の記憶媒体を用いることにより実現できる。また、工場別プロジェクト別販売計画量取得部110rは、HDD等に記憶されている工場別プロジェクト別販売計画量2001a〜2001cを読み出すことにより実現できる。
【0058】
〔プロジェクト別工程モデル取得部110s〕
プロジェクト別工程モデル取得部110sは、プロジェクト別工程発生率モデル記憶部110qに記憶されているプロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002cを取得する(読み出す)。
図23は、プロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002cの一例を示す図である。
図23において、プロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002cは、各プロジェクトa1、a2、b1、b2、c1、c2における各工程の通過割合の予測値を工場1〜3毎に示すものである。例えば、図23(a)においては、プロジェクトa1で所要の厚鋼板のうち10[%]が工場1において切断を行うことを示している。
プロジェクトで必要な厚鋼板の生産量は、将来一時的に行われるものであるので、本実施形態では、品種別工程発生率モデル1006のようにプロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002cを過去の実績に基づいて自動的に生成せず、ユーザがユーザインターフェースを操作してプロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002cの情報を直接入力するようにする。ただし、例えば、類似のプロジェクトの過去の実績データを用いて、プロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002cを自動的に生成するようにしてもよい。
プロジェクト別工程発生率モデル記憶部110qは、HDD等の記憶媒体を用いることにより実現できる。また、プロジェクト別工程モデル取得部110sは、HDD等に記憶されているプロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002cを読み出すことにより実現できる。
【0059】
〔プロジェクト用工場別工程負荷算出部110t〕
プロジェクト用工場別工程負荷算出部110tは、工場別プロジェクト別販売計画量取得部110rで取得された工場別プロジェクト別販売計画量2001a〜2001cと、プロジェクト別工程モデル取得部110sで取得されたプロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002cとに基づいて、プロジェクト用工場別工程負荷2003a〜2003cを算出してHDD等に記憶する(図21を参照)。
図24は、プロジェクト用工場別工程負荷2003a〜2003cの一例を示す図である。
図24において、プロジェクト用工場別工程負荷2003a〜2003cは、工場1〜3別、工程別の月単位の製造計画量(各工場1〜3における、月単位の各工程の通過量(プロジェクトで所要の厚鋼板を生産するために各月に各工場の各工程で処理する必要がある量))[ton]を示すものである。例えば、図24(a)において、「プロジェクトa1、a2で所要の厚鋼板のうち、5月に工場1で切断する必要がある量」は、「プロジェクトa1、a2における厚鋼板の販売計画量のうち、工場1に割り振られた5月における販売計画量である50、0(図22(a)を参照)」に、それぞれ、「工場1に割り振られた各プロジェクトa1、a2で所要の厚鋼板のうち、切断する厚鋼板の構成割合の予測値である0.1、0.3(図23(a)を参照)」を乗算したものを加算することにより得られ、5[ton](50×0.1+0×0.3)となる。
プロジェクト用工場別工程負荷算出部110tは、HDD等に記憶されている「工場別プロジェクト別販売計画量2001a〜2001c及びプロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002c」を読み出して前述した計算を行い、その結果をHDD等に記憶することにより実現できる。
【0060】
〔工場別工程負荷合算部110u〕
工場別工程負荷合算部110uは、工場別工程負荷算出部110gにより算出された工場別工程負荷1007a〜1007cと、プロジェクト用工場別工程負荷算出部110tにより算出されたプロジェクト用工場別工程負荷2003a〜2003cとを合算して、新たな工場別工程負荷2004a〜2004bを算出してHDD等に記憶する。
図25は、工場別工程負荷2004a〜2004bの一例を示す図である。例えば、図25(a)において、5月の販売計画量の厚鋼板を生産するために工場1で切断を行う必要がある量は、工場別工程負荷1007a〜1007cの5月の切断における値である60.85[ton]と(図9(a)を参照)、プロジェクト用工場別工程負荷2003a〜2003cの5月の切断における値である5[ton](図24(a)を参照)とを加算することにより得られ、65.85[ton]となる。
工場別工程負荷合算部110uは、HDD等に記憶されている「工場別工程負荷1007a〜1007c及びプロジェクト用工場別工程負荷2003a〜2003c」を読み出して前述した計算を行い、その結果をHDD等に記憶することにより実現できる。
【0061】
所要対能力算出・表示部110jは、工場別工程負荷合算部110uで工場別工程負荷2004a〜2004cが算出された場合には、当該工場別工程負荷2004a〜2004と、稼働計画取得部110hで取得された工程稼働計画1008a〜1008とに基づいて、工場別工程別所要対能力比較表2005a〜2005cを作成してディスプレイに表示する(図21を参照)。図26は、工場別工程別所要対能力比較表2005a〜2005cの一例を示す図である。また、所要対能力算出・表示部110jは、工場別工程負荷2004a〜2004を変更するための情報として、修正対象となる「工場別需要家別販売計画量1003a〜1003c、工場別品種別販売計画量1005a〜1005b、工場別プロジェクト別販売計画量2001a〜2001c、及び工程稼働計画1008a〜1008c」の情報もディスプレイに表示する。
【0062】
次に、図27、図28のフローチャートを参照しながら、販売生産計画生成部110により行われる販売生産計画生成処理の一例を説明する。
図27のステップS101〜S107は、それぞれ図16のステップS1〜S7と同じである。
ステップS107において、工場別工程負荷1007a〜1007cが算出されると、ステップS201に進む。ステップS201に進むと、プロジェクト有無判定部110oは、計画作成期間にプロジェクトがあるか否かを判定する。この判定の結果、計画作成期間にプロジェクトがない場合には、ステップS202〜S205を省略してステップS108に進む。この場合には、第1の実施形態と同じ処理となる。
【0063】
一方、計画作成期間にプロジェクトがある場合には、ステップS202に進む。ステップS202に進むと、工場別プロジェクト別販売計画量取得部110rは、工場別プロジェクト別販売計画量記憶部110pに記憶されている工場別プロジェクト別販売計画量2001a〜2001cを読み出す(図22を参照)。
次に、ステップS203において、プロジェクト別工程モデル取得部110sは、プロジェクト別工程発生率モデル記憶部110qに記憶されているプロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002cを読み出す(図23を参照)。
次に、ステップS204において、プロジェクト用工場別工程負荷算出部110tは、ステップS202で読み出された工場別プロジェクト別販売計画量2001a〜2001cと、ステップS203で読み出されたプロジェクト別工程発生率モデル2002a〜2002cとに基づいて、プロジェクト用工場別工程負荷2003a〜2003cを算出してHDD等に記憶する(図24を参照)。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS204の処理を行うことにより第2の生産拠点別工程負荷算出手段の一例が実現される。
【0064】
次に、ステップS205において、工場別工程負荷合算部110uは、ステップS107で算出された工場別工程負荷1007a〜1007cと、ステップS204で算出されたプロジェクト用工場別工程負荷2003a〜2003cとを合算して、新たな工場別工程負荷2004a〜2004bを算出してHDD等に記憶する(図25を参照)。
以上のように本実施形態では、例えば、ステップS205の処理を行うことにより合算手段の一例が実現される。
その後、図16のステップS8と同様に、ステップS108において、稼働計画取得部110hは、工程稼働計画1008a〜1008cを読み出す(図10を参照)。
そして、ステップS109において、所要対能力算出・表示部110jは、工場別工程負荷2004a〜2004cが算出された場合には、工場別工程負荷2004a〜2004cと、ステップS108で取得された工程稼働計画1008a〜1008とに基づいて、工場別工程別所要対能力比較表2005a〜2005cを作成してディスプレイに表示する(図26を参照)。一方、工場別工程負荷2004a〜2004cが算出されていない場合には、所要対能力算出・表示部110jは、工場別工程負荷1007a〜1007cと、ステップS108で取得された工程稼働計画1008a〜1008とに基づいて、工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009cを作成してディスプレイに表示する(図11を参照)。また、所要対能力算出・表示部110jは、工場別工程負荷1007a〜1007c又は2004a〜2004cを変更するために必要となる情報(修正対象の情報)もディスプレイに表示する。
【0065】
そして、図28のステップS110に進む。図28のステップS110〜S115は、それぞれ図16のステップS10〜S15と同じである。ステップS115において、工場別品種別販売計画量1005を修正しないと判定されると、ステップS206に進む。ステップS206に進むと、修正内容取得部110lは、ステップS112で取得した情報に基づいて、工場別需要家別販売計画量1003を修正するか否かを判定する。この判定の結果、工場別需要家別販売計画量1003を修正する場合、修正内容取得部110lは、工場別需要家別販売計画量算出部110cに、修正箇所と修正量の情報を渡して、ステップS103に戻る。そして、工場別需要家別販売計画量算出部110cは、修正内容取得部110lからの情報に基づいて、工場別需要家別販売計画量1003を更新する。そして、更新した工場別需要家別販売計画量1003に基づいて工場別工程別所要対能力比較表1009a〜1009c又は2005a〜2005cが再度作成される。
【0066】
一方、ステップS206において、工場別需要家別販売計画量1003を修正しないと判定された場合には、工場別プロジェクト別販売計画量2001を修正するので、修正内容取得部110lは、工場別プロジェクト別販売計画量算出部110rに、修正箇所と修正量の情報を渡して、ステップS202に戻る。そして、工場別プロジェクト別販売計画量取得部110rは、修正内容取得部110lからの情報に基づいて、工場別プロジェクト別販売計画量2001を更新する。そして、更新した工場別プロジェクト別販売計画量2001に基づいて工場別工程別所要対能力比較表2005a〜2005cが再度作成される。
【0067】
以上のように本実施形態では、計画作成期間にプロジェクトがある場合には、工場別工程負荷1007a〜1007cと、プロジェクト用工場別工程負荷2003a〜2003cとを合算したものを新たな工場別工程負荷2004a〜2004bとするようにした。したがって、第1の実施形態で説明した効果に加え、特定大型構造物の建設プロジェクトに使用される製品を受注する等、過去の受注実績情報とは異なる品種や工程負荷を持つ注文を受注する場合でも、販売計画における生産量と、工場の生産能力との整合性の確認と調整を迅速に且つ正確に行えるという効果が得られる。
尚、本実施形態においても、前述した第1の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。
【0068】
尚、以上説明した本発明の各実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、プログラムをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムを記録したCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体、又はかかるプログラムを伝送する伝送媒体も本発明の実施の形態として適用することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体などのプログラムプロダクトも本発明の実施の形態として適用することができる。前記のプログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、伝送媒体及びプログラムプロダクトは、本発明の範疇に含まれる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0069】
100 販売生産計画作成装置
110 販売生産計画生成部
120 工場配分モデル生成部
130 品種構成モデル生成部
140 工程発生率モデル生成部
200 受注管理システム
300 製造管理システム
1001 需要家別販売計画量
1002 工場配分モデル
1003 工場別需要家別販売計画量
1004 品種構成モデル
1005 工場別品種別販売計画量
1006 品種別工程発生率モデル
1007 工場別工程負荷
1008 工程稼働計画
1009 工場別工程別所要対能力比較表
2001 工場別プロジェクト別販売計画量
2002 プロジェクト別工程負荷
2003 プロジェクト用工場別工程負荷
2004 工場別工程負荷
2005 工場別工程別所要対能力比較表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ複数の生産拠点の複数の工程を経て生産される複数の品種を、複数の需要家に対して生産、販売するための販売生産計画を作成する販売生産計画作成装置であって、
需要家別の所定の期間単位の販売計画量を示す需要家別販売計画量の情報を取得する需要家別販売計画量取得手段と、
前記需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文の各生産拠点に対する望ましい配分割合を示す生産拠点配分モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、需要家別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別需要家別販売計画量の情報を算出する生産拠点別需要家別販売計画量算出手段と、
前記生産拠点別需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文における各品種の構成割合の予測値を生産拠点毎に示す品種構成モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、品種別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別品種別販売計画量の情報を算出する生産拠点別品種別販売計画量算出手段と、
前記生産拠点別品種別販売計画量の情報と、各品種における各工程の通過割合の予測値を生産拠点毎に示す品種別工程発生率モデルの情報とに基づいて、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の生産計画量である生産拠点別工程負荷の情報を算出する生産拠点別工程負荷算出手段と、
前記生産拠点別工程負荷の情報と、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の処理能力を示す工程稼働計画の情報とを表示装置に表示する表示手段と、を有することを特徴とする販売生産計画作成装置。
【請求項2】
前記生産拠点別工程負荷の情報を算出する際に使用された、前記生産拠点別需要家別販売計画量の情報、前記生産拠点別品種別販売計画量の情報、及び前記工程稼動計画の情報の少なくとも何れか1つの修正内容を示す修正情報をユーザによる入力操作に基づいて取得する修正情報取得手段を更に有し、
前記修正情報が取得されると、当該修正情報に基づいて、前記生産拠点別工程負荷の情報が再度算出され、表示装置に表示されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の販売生産計画作成装置。
【請求項3】
前記需要家と、前記生産拠点と、前記製品の生産量と、が少なくとも属性として含まれる第1の実績データに基づいて、前記生産拠点配分モデルの情報を生成する生産拠点配分モデル生成手段と、
前記需要家と、前記生産拠点と、前記製品の品種と、前記製品の生産量と、が少なくとも属性として含まれる第2の実績データに基づいて、前記品種構成モデルの情報を生成する品種構成モデル生成手段と、
前記生産拠点と、前記製品の品種と、前記製品の生産の際に通過した工程である通過工程と、前記製品の生産量と、が少なくとも属性として含まれる第3の実績データに基づいて、前記品種別工程発生率モデルを生成する品種別工程発生率モデル生成手段と、を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の販売生産計画作成装置。
【請求項4】
前記生産拠点配分モデル、前記品種構成モデル、及び前記品種別工程発生率モデルの少なくとも何れか1つを、ユーザによる操作に基づいて変更する変更手段を更に有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の販売生産計画作成装置。
【請求項5】
生産拠点別、プロジェクト別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別プロジェクト別販売計画量の情報と、各プロジェクトで所要の製品における各工程の通過割合の予測値を生産拠点毎に示すプロジェクト別工程発生率モデルの情報とに基づいて、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の生産計画量である第2の生産拠点別工程負荷の情報を算出する第2の生産拠点別工程負荷算出手段と、
前記生産拠点別工程負荷の情報と、前記第2の生産拠点別工程負荷の情報とを合算する合算手段と、を更に有し、
前記表示手段は、前記合算手段により前記生産拠点別工程負荷の情報と、前記第2の生産拠点別工程負荷の情報とが合算された場合には、合算された情報を前記生産拠点別工程負荷の情報の代わりに表示装置に表示することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の販売生産計画作成装置。
【請求項6】
前記複数の品種は、前記生産拠点で共通のものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の販売生産計画作成装置。
【請求項7】
それぞれ複数の生産拠点の複数の工程を経て生産される複数の品種を、複数の需要家に対して生産、販売するための販売生産計画を作成する販売生産計画作成方法であって、
需要家別の所定の期間単位の販売計画量を示す需要家別販売計画量の情報を取得する需要家別販売計画量取得工程と、
前記需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文の各生産拠点に対する望ましい配分割合を示す生産拠点配分モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、需要家別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別需要家別販売計画量の情報を算出する生産拠点別需要家別販売計画量算出工程と、
前記生産拠点別需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文における各品種の構成割合の予測値を生産拠点毎に示す品種構成モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、品種別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別品種別販売計画量の情報を算出する生産拠点別品種別販売計画量算出工程と、
前記生産拠点別品種別販売計画量の情報と、各品種における各工程の通過割合の予測値を生産拠点毎に示す品種別工程発生率モデルの情報とに基づいて、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の生産計画量である生産拠点別工程負荷の情報を算出する生産拠点別工程負荷算出工程と、
前記生産拠点別工程負荷の情報と、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の処理能力を示す工程稼働計画の情報とを表示装置に表示する表示工程と、を有することを特徴とする販売生産計画作成方法。
【請求項8】
前記生産拠点別工程負荷の情報を算出する際に使用された、前記生産拠点別需要家別販売計画量の情報、前記生産拠点別品種別販売計画量の情報、及び前記工程稼動計画の情報の少なくとも何れか1つの修正内容を示す修正情報をユーザによる入力操作に基づいて取得する修正情報取得工程を更に有し、
前記修正情報が取得されると、当該修正情報に基づいて、前記生産拠点別工程負荷の情報が再度算出され、表示装置に表示されるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の販売生産計画作成方法。
【請求項9】
前記需要家と、前記生産拠点と、前記製品の生産量と、が少なくとも属性として含まれる第1の実績データに基づいて、前記生産拠点配分モデルの情報を生成する生産拠点配分モデル生成工程と、
前記需要家と、前記生産拠点と、前記製品の品種と、前記製品の生産量と、が少なくとも属性として含まれる第2の実績データに基づいて、前記品種構成モデルの情報を生成する品種構成モデル生成工程と、
前記生産拠点と、前記製品の品種と、前記製品の生産の際に通過した工程である通過工程と、前記製品の生産量と、が少なくとも属性として含まれる第3の実績データに基づいて、前記品種別工程発生率モデルを生成する品種別工程発生率モデル生成工程と、を更に有することを特徴とする請求項7又は8に記載の販売生産計画作成方法。
【請求項10】
前記生産拠点配分モデル、前記品種構成モデル、及び前記品種別工程発生率モデルの少なくとも何れか1つを、ユーザによる操作に基づいて変更する変更工程を更に有することを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の販売生産計画作成方法。
【請求項11】
生産拠点別、プロジェクト別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別プロジェクト別販売計画量の情報と、各プロジェクトで所要の製品における各工程の通過割合を生産拠点毎に示すプロジェクト別工程発生率モデルの情報とに基づいて、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の生産計画量である第2の生産拠点別工程負荷の情報を算出する第2の生産拠点別工程負荷算出工程と、
前記生産拠点別工程負荷の情報と、前記第2の生産拠点別工程負荷の情報とを合算する合算工程と、を更に有し、
前記表示工程は、前記合算工程により前記生産拠点別工程負荷の情報と、前記第2の生産拠点別工程負荷の情報とが合算された場合には、合算された情報を前記生産拠点別工程負荷の情報の代わりに表示装置に表示することを特徴とする請求項7〜10の何れか1項に記載の販売生産計画作成方法。
【請求項12】
前記複数の品種は、前記生産拠点で共通のものであることを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の販売生産計画作成方法。
【請求項13】
それぞれ複数の生産拠点の複数の工程を経て生産される複数の品種を、複数の需要家に対して生産、販売するための販売生産計画を作成することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
需要家別の所定の期間単位の販売計画量を示す需要家別販売計画量の情報を取得する需要家別販売計画量取得工程と、
前記需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文の各生産拠点に対する望ましい配分割合を示す生産拠点配分モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、需要家別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別需要家別販売計画量の情報を算出する生産拠点別需要家別販売計画量算出工程と、
前記生産拠点別需要家別販売計画量の情報と、各需要家からの注文における各品種の構成割合の予測値を生産拠点毎に示す品種構成モデルの情報と、に基づいて、生産拠点別、品種別の前記所定の期間単位の販売計画量を示す生産拠点別品種別販売計画量の情報を算出する生産拠点別品種別販売計画量算出工程と、
前記生産拠点別品種別販売計画量の情報と、各品種における各工程の通過割合の予測値を生産拠点毎に示す品種別工程発生率モデルの情報とに基づいて、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の生産計画量である生産拠点別工程負荷の情報を算出する生産拠点別工程負荷算出工程と、
前記生産拠点別工程負荷の情報と、生産拠点別、工程別の前記所定の期間単位の処理能力を示す工程稼働計画の情報とを表示装置に表示する表示工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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