説明

貫通コンデンサ及び貫通コンデンサの実装構造

【課題】直流電流の許容量を確保できると共に、高周波ノイズ成分が通電部に流れることを抑制できる貫通コンデンサ、及び貫通コンデンサの実装構造を提供する。
【解決手段】貫通コンデンサ1では、複数の通電用内部電極17を有する通電部7により直流電流の許容量を十分に確保できる。また、コンデンサ部6がコンデンサ素体2における実装面P側に形成されているので、高周波ノイズ成分が通電部7に到達する前にコンデンサ部6で高周波ノイズ成分を除去できる。さらに、通電部7に最も近接するコンデンサ部6の接地用内部電極16と通電部7の通電用内部電極17との間の間隔W1が、コンデンサ部6における信号用内部電極15と接地用内部電極16の間隔W2よりも大きくなっている。このため、コンデンサ部6と通電部7との間のインピーダンスが高くなり、高周波ノイズ成分が通電部7に流れることが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫通コンデンサ及び貫通コンデンサの実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の貫通コンデンサとして、例えば特許文献1に記載の貫通コンデンサがある。この貫通コンデンサは、素体内においてアース電極間に少なくとも3層の貫通電極(以下、「通電部」と称す)を配置している。これにより、貫通電極全体での抵抗値を小さくし、貫通コンデンサにおける直流電流の許容量を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−55335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の貫通コンデンサでは、直流電流の許容量を確保できるものの、高周波ノイズ成分が通電部側に流れ、ノイズ除去効果が十分に得られないおそれがある。
【0005】
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、直流電流の許容量を確保できると共に、高周波ノイズ成分が通電部に流れることを抑制できる貫通コンデンサ、及びこのような貫通コンデンサの実装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決のため、本発明に係る貫通コンデンサは、実装基板への実装面を有し、内部電極を配した誘電体層の積層によって形成されたコンデンサ素体と、コンデンサ素体の互いに対向する端面にそれぞれ配置された信号用端子電極と、コンデンサ素体の端面とは異なる方向で互いに対向する側面にそれぞれ配置された接地用端子電極と、コンデンサ素体内で実装面側に形成されたコンデンサ部、及びコンデンサ部に隣接して形成された通電部と、を備え、コンデンサ部は、信号用端子電極に接続される信号用内部電極と、誘電体層を介して信号用内部電極と対向すると共に接地用端子電極に接続される接地用内部電極とを有し、通電部は、信号用端子電極同士を連結する通電用内部電極を有し、通電部に最も近接するコンデンサ部の内部電極と通電部の通電用内部電極との間の間隔が、コンデンサ部における内部電極間の間隔よりも大きくなっていることを特徴としている。
【0007】
この貫通コンデンサでは、信号用端子電極同士を連結する通電用内部電極を有する通電部により、直流電流の許容量を確保できる。また、コンデンサ部がコンデンサ素体における実装面側に形成されているので、高周波ノイズ成分が通電部に到達する前にコンデンサ部で高周波ノイズ成分を除去できる。さらに、この貫通コンデンサでは、通電部に最も近接するコンデンサ部の内部電極と通電部の通電用内部電極との間の間隔が、コンデンサ部における内部電極間の間隔よりも大きくなっている。このため、コンデンサ部と通電部との間のインピーダンスが高くなり、高周波ノイズ成分をコンデンサ部の信号用内部電極から接地用内部電極に通し、接地用端子電極に向けてより確実に流すことが可能となる。
【0008】
また、通電部において、通電用内部電極が誘電体層を介して互いに対向するように複数配置されていることが好ましい。これにより、通電部の抵抗値が小さくなり、貫通コンデンサにおける直流電流の許容量を一層確保できる。
【0009】
また、通電部における通電用内部電極間の間隔は、コンデンサ部における内部電極間の間隔よりも小さくなっていることが好ましい。この場合、通電部における通電用内部電極の多層化が可能となり、貫通コンデンサにおける直流電流の許容量を一層確保できる。
【0010】
また、コンデンサ部において、通電部に最も近接する内部電極が接地用内部電極となっていることが好ましい。この場合、通電部の通電用内部電極とコンデンサ部の接地用内部電極との間で容量が形成されるので、貫通コンデンサの静電容量を向上できる。
【0011】
また、コンデンサ部において、通電部に最も近接する内部電極が信号用内部電極となっていることが好ましい。この場合、コンデンサ部の接地用内部電極と通電部の通電用内部電極との間の間隔が保たれるので、コンデンサ部での高周波ノイズ成分の除去が一層確実になされる。
【0012】
また、コンデンサ素体において、通電部を挟んだ反対側にコンデンサ部が更に形成されていることが好ましい。こうすると、貫通コンデンサの実装時の方向性がなくなり、実装時の作業性を向上させることができる。
【0013】
また、通電用内部電極同士は、ピンホールによって互いに接続されていることが好ましい。これにより、通電部の抵抗値が更に小さくなり、貫通コンデンサにおける直流電流の許容量を一層確保できる。
【0014】
また、信号用内部電極は、一方の信号用端子電極に接続された第1の部分と、他方の信号用端子電極に接続された第2の部分とに分離していることが好ましい。この場合、信号用内部電極に直流電流が流れて発熱することを防止できる。
【0015】
また、本発明に係る貫通コンデンサの実装構造は、上記貫通コンデンサを実装基板の電極に接合してなる貫通コンデンサの実装構造であって、コンデンサ素体の積層方向について、実装基板の電極から通電部の通電用内部電極までの間隔が、実装基板の電極から通電部に最も近接するコンデンサ部の内部電極までの間隔よりも大きくなっていることを特徴としている。
【0016】
この貫通コンデンサの実装構造では、実装基板からコンデンサ部までの距離よりも実装基板から通電部までの距離が大きくなっている。したがって、コンデンサ部と通電部との間のインピーダンスが高くなり、高周波ノイズ成分をコンデンサ部の信号用内部電極から接地用内部電極に通し、接地用端子電極に向けてより確実に流すことが可能となる。
【0017】
また、コンデンサ素体の幅をW、実装基板の電極から通電部に最も近接するコンデンサ部の信号用内部電極までの間隔をa、実装基板の電極からコンデンサ部に最も近接する通電部の通電用内部電極までの間隔をbとしたときに、W/(b−a)<35を満たすことが好ましい。このような条件を満たすことにより、高周波ノイズ成分を接地用端子電極に向けてより確実に流すことが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、直流電流の許容量を確保できると共に、高周波ノイズ成分が通電部に流れることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態に係る貫通コンデンサの斜視図である。
【図2】図1に示した貫通コンデンサを実装状態で示す断面図である。
【図3】コンデンサ部を構成する内部電極のパターンを示す図である。
【図4】通電部を構成する内部電極のパターンを示す図である。
【図5】図1に示した貫通コンデンサの作用効果を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る貫通コンデンサを実装状態で示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る貫通コンデンサを実装状態で示す断面図である。
【図8】変形例に係る貫通コンデンサの通電部を構成する内部電極のパターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る貫通コンデンサの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0021】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る貫通コンデンサの斜視図である。また、図2は、図1に示した貫通コンデンサを実装状態で示す断面図である。図1及び図2に示すように、貫通コンデンサ1は、コンデンサ素体2と、信号用端子電極3,3と、接地用端子電極4,4とを備えて構成されている。
【0022】
コンデンサ素体2は、図2に示すように、内部電極を配した複数の誘電体層5が積層されて形成され、略直方体形状をなしている。誘電体層5は、例えばBaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、(Ba,Ca)TiO系といった電歪特性を有する誘電体材料によって形成されている。コンデンサ素体2の上面2a及び底面2bは、それぞれ実装基板11に対する実装面Pとなっている。コンデンサ素体2内には、上下の実装面P側に形成されたコンデンサ部6,6と、コンデンサ部6,6で挟まれて中央側に形成された通電部7とが形成されている。
【0023】
信号用端子電極3は、コンデンサ素体2における長手方向の端面2c,2dを覆うようにそれぞれ形成され、互いに対向した状態となっている。信号用端子電極3は多層化されており、コンデンサ素体2に接する内側の層には、例えばCu、Ni、Ag−Pdなどが用いられ、外側の層には、例えばNiめっき、Snめっきなどが施されている。
【0024】
接地用端子電極4は、コンデンサ素体2において、端面2c,2dと直交する側面2e,2fの略中央部分にそれぞれ形成され、互いに対向した状態となっている。接地用端子電極4は、信号用端子電極3と同様の材料によって多層化されている。また、接地用端子電極4は、コンデンサ素体2の表面において、信号用端子電極3とは互いに電気的に絶縁されている。
【0025】
次に、コンデンサ素体2に形成されたコンデンサ部6及び通電部7について説明する。
【0026】
コンデンサ部6は、信号用端子電極3に接続される信号用内部電極15と、接地用端子電極4に接続される接地用内部電極16とを有し、信号用内部電極15と接地用内部電極16とが誘電体層5を介して交互に配置されることによって形成されている。
【0027】
信号用内部電極15は、図3(a)に示すように、誘電体層5の積層方向から見て略長方形のパターンをなしており、接地用内部電極16と対向する対向部分15aと、当該対向部分15aの両端から信号用端子電極3,3に向かってそれぞれ引き出される引出部分15b,15bとを有している。これにより、信号用内部電極15は、端面2c,2dに形成された信号用端子電極3,3を互いに電気的に接続している。
【0028】
接地用内部電極16は、図3(b)に示すように、誘電体層5の積層方向から見て略長方形のパターンをなしており、信号用内部電極15と対向する対向部分16aと、当該対向部分16aの略中央から接地用端子電極4,4に向かってそれぞれ引き出される引出部分16b,16bとを有している。これにより、接地用内部電極16は、側面2e,2fに形成された接地用端子電極4,4を互いに電気的に接続している。
【0029】
一方、通電部7は、信号用端子電極3,3同士を連結する通電用内部電極17を有し、複数の通電用内部電極17が誘電体層5を介して配置されることによって形成されている。通電用内部電極17は、図4に示すように、誘電体層5の積層方向から見て略長方形のパターンをなしており、隣り合う通電用内部電極17と対向する対向部分17aと、当該対向部分17aの両端から信号用端子電極3,3に向かってそれぞれ引き出される引出部分17b,17bとを有している。これにより、通電用内部電極17は、端面2c,2dに形成された信号用端子電極3,3を互いに電気的に接続している。
【0030】
なお、本実施形態では、コンデンサ部6において通電部7に最も近接した内部電極は接地用内部電極16となっており、この接地用内部電極16と通電用内部電極17とが対向することによって、コンデンサ部6と通電部7との間でも一定の容量が形成されるようになっている。
【0031】
上述したコンデンサ部6及び通電部7において、図2に示すように、通電部7に最も近接した接地用内部電極16と通電用内部電極17との間の間隔をW1、信号用内部電極15と接地用内部電極16との間の間隔をW2とすると、W1>W2となっており、コンデンサ部6と通電部7との間に介在する誘電体層5の厚さは、コンデンサ部6の内部電極間に介在する誘電体層5の厚さよりも大きくなっている。
【0032】
また、通電部7における通電用内部電極17,17間の間隔をW3とすると、W2>W3となっており、通電用内部電極17,17間に介在する誘電体層5は、コンデンサ部6の内部電極間に介在する誘電体層5の厚さよりも小さくなっている。
【0033】
このような層間の調整は、例えばコンデンサ素体2を形成する際に、内部電極パターンを形成したグリーンシート間に内部電極パターンを形成しないグリーンシートを介在させ、このグリーンシートの積層数によって行えばよい。
【0034】
また、図2に示すように、貫通コンデンサ1が実装基板11に実装された状態において、コンデンサ素体2の積層方向について、実装基板11の電極から通電部7に最も近接するコンデンサ部6の信号用内部電極15までの間隔をaとし、実装基板11の電極12からコンデンサ部6に最も近接する通電部7の通電用内部電極17までの間隔をbとした場合に、b>aとなっている。また、コンデンサ素体2の幅をW(図1参照)とした場合に、W/(b−a)<35を満たすようになっている。
【0035】
以上のような構成を有する貫通コンデンサ1では、信号用端子電極3,3同士を連結する複数の通電用内部電極17を有する通電部7により、直流電流の許容量を十分に確保できる。また、コンデンサ部6がコンデンサ素体2における実装面P側に形成され、通電部7が中央側に形成されているので、高周波ノイズ成分が通電部7に到達する前にコンデンサ部6で高周波ノイズ成分を除去できる。
【0036】
さらに、貫通コンデンサ1では、通電部7に最も近接するコンデンサ部6の接地用内部電極16と通電部7の通電用内部電極17との間の間隔W1が、コンデンサ部6における信号用内部電極15と接地用内部電極16の間隔W2よりも大きくなっている。このため、コンデンサ部6と通電部7との間のインピーダンスが高くなり、図5に示すように、高周波ノイズ成分が通電部7に流れることが抑制され、高周波ノイズ成分をコンデンサ部6の信号用内部電極15から接地用内部電極16に通し、接地用端子電極4に向けてより確実に流すことができる。
【0037】
また、この貫通コンデンサ1の実装構造では、実装基板11の電極から通電部7に最も近接するコンデンサ部6の信号用内部電極15までの間隔aよりも、実装基板11の電極12からコンデンサ部6に最も近接する通電部7の通電用内部電極17までの間隔bが大きくなっている。これにより、コンデンサ部6と通電部7との間のインピーダンスが高くなり、高周波ノイズ成分を接地用端子電極4に向けてより確実に流すことが可能となる。
【0038】
また、貫通コンデンサ1のコンデンサ素体2内には、通電部7を挟む上下にコンデンサ部6,6が形成されている。したがって、貫通コンデンサ1を実装基板11に実装するにあたって、貫通コンデンサ1実装時の方向性を打ち消すことができ、実装時の作業性を向上させることができる。
【0039】
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係る貫通コンデンサを実装状態で示す断面図である。同図に示すように、第2実施形態に係る貫通コンデンサ21は、コンデンサ部6における内部電極の配置が第1実施形態と異なっている。すなわち、貫通コンデンサ21では、コンデンサ部6において通電部7に最も近接した内部電極が信号用内部電極15となるように、信号用内部電極15と接地用内部電極16とが交互に配置されている。
【0040】
そして、通電部7に最も近接した信号用内部電極15と通電用内部電極17との間の間隔をW1、信号用内部電極15と接地用内部電極16との間の間隔をW2とすると、W1>W2となっており、コンデンサ部6と通電部7との間に介在する誘電体層5の厚さは、コンデンサ部6の内部電極間に介在する誘電体層5の厚さよりも大きくなっている。
【0041】
また、通電部7における通電用内部電極17,17間の間隔をW3とすると、W2>W3となっており、通電用内部電極17,17間に介在する誘電体層5は、コンデンサ部6の内部電極間に介在する誘電体層5の厚さよりも小さくなっている。
【0042】
このような貫通コンデンサ21においても、第1実施形態と同様に、高周波ノイズ成分が通電部7に流れることが抑制され、高周波成分をコンデンサ部6の信号用内部電極15から接地用内部電極16に通し、接地用端子電極4に向けてより確実に流すことができる。また、通電部7に最も近接した内部電極が信号用内部電極15となっているので、コンデンサ部6の接地用内部電極16と通電部7の通電用内部電極17との間の間隔が保たれ、コンデンサ部6での高周波ノイズ成分の除去が一層確実になされる。
【0043】
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態に係る貫通コンデンサを実装状態で示す断面図である。同図に示すように、第3実施形態に係る貫通コンデンサ31は、通電部7における内部電極の構成が第1実施形態と異なっている。すなわち、貫通コンデンサ31では、通電部7の通電用内部電極17,17同士が複数のピンホール32によって互いに接続されている。
【0044】
このような貫通コンデンサ31においても、第1実施形態と同様に、高周波ノイズ成分が通電部7に流れることが抑制され、高周波成分をコンデンサ部6の信号用内部電極15から接地用内部電極16に通し、接地用端子電極4に向けてより確実に流すことができる。また、ピンホール32で通電用内部電極17,17同士が接続されることによって通電部7の抵抗値が更に小さくなるので、貫通コンデンサ31における直流電流の許容量を一層確保できる。
【0045】
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態では、コンデンサ素体2内において、通電部7を挟む上下にコンデンサ部6,6がそれぞれ形成されているが、コンデンサ部6は必ずしも上下に形成する必要はなく、いずれか一方のみであってもよい。
【0046】
また、上述した実施形態では、コンデンサ部6の信号用内部電極15が、端面2c,2dに形成された信号用端子電極3,3を互いに電気的に接続するように略長方形のパターンをなしているが、このような信号用内部電極15に代えて、図8(a)に示すように、一方の信号用端子電極3に接続された第1の部分35aと、他方の信号用端子電極3に接続された第2の部分35bとに分離した信号用内部電極35を用いてもよい。この場合、信号用内部電極35に直流電流が流れて発熱することを防止できる。なお、接地用内部電極16については、図8(b)に示すように、図3(b)の場合と同様のパターンを用いればよい。
【符号の説明】
【0047】
1,21,31…貫通コンデンサ、2…コンデンサ素体、2c,2d…端面、2e,2f…側面、3…信号用端子電極、4…接地用端子電極、5…誘電体層、6…コンデンサ部、7…通電部、11…実装基板、12…電極、15…信号用内部電極、16…設置用内部電極、17…通電用内部電極、32…ピンホール、35…信号用内部電極、35a…第1の部分、35b…第2の部分、P…実装面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装基板への実装面を有し、内部電極を配した誘電体層の積層によって形成されたコンデンサ素体と、
前記コンデンサ素体の互いに対向する端面にそれぞれ配置された信号用端子電極と、
前記コンデンサ素体の前記端面とは異なる方向で互いに対向する側面にそれぞれ配置された接地用端子電極と、
前記コンデンサ素体内で前記実装面側に形成されたコンデンサ部、及び前記コンデンサ部に隣接して形成された通電部と、を備え、
前記コンデンサ部は、前記信号用端子電極に接続される信号用内部電極と、前記誘電体層を介して前記信号用内部電極と対向すると共に前記接地用端子電極に接続される接地用内部電極とを有し、
前記通電部は、前記信号用端子電極同士を連結する通電用内部電極を有し、
前記通電部に最も近接する前記コンデンサ部の内部電極と前記通電部の前記通電用内部電極との間の間隔が、前記コンデンサ部における内部電極間の間隔よりも大きくなっていることを特徴とする貫通コンデンサ。
【請求項2】
前記通電部において、前記通電用内部電極が前記誘電体層を介して互いに対向するように複数配置されていることを特徴とする請求項1記載の貫通コンデンサ。
【請求項3】
前記通電部における前記通電用内部電極間の間隔は、前記コンデンサ部における内部電極間の間隔よりも小さくなっていることを特徴とする請求項2記載の貫通コンデンサ。
【請求項4】
前記コンデンサ部において、前記通電部に最も近接する内部電極が前記接地用内部電極となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の貫通コンデンサ。
【請求項5】
前記コンデンサ部において、前記通電部に最も近接する内部電極が前記信号用内部電極となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の貫通コンデンサ。
【請求項6】
前記コンデンサ素体において、前記通電部を挟んだ反対側にコンデンサ部が更に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の貫通コンデンサ。
【請求項7】
前記通電用内部電極同士は、ピンホールによって互いに接続されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項記載の貫通コンデンサ。
【請求項8】
前記信号用内部電極は、一方の信号用端子電極に接続された第1の部分と、他方の信号用端子電極に接続された第2の部分とに分離していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の貫通コンデンサ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項記載の貫通コンデンサを実装基板の電極に接合してなる貫通コンデンサの実装構造であって、
前記コンデンサ素体の積層方向について、前記実装基板の前記電極から前記通電部の前記通電用内部電極までの間隔が、前記実装基板の前記電極から前記通電部に最も近接する前記コンデンサ部の内部電極までの間隔よりも大きくなっていることを特徴とする貫通コンデンサの実装構造。
【請求項10】
前記コンデンサ素体の幅をW、前記実装基板の前記電極から前記通電部に最も近接する前記コンデンサ部の信号用内部電極までの間隔をa、前記実装基板の前記電極から前記コンデンサ部に最も近接する前記通電部の前記通電用内部電極までの間隔をbとしたときに、W/(b−a)<35を満たすことを特徴とする請求項9記載の貫通コンデンサの実装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−104736(P2012−104736A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253683(P2010−253683)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】