貯槽の浮屋根の形成方法及び貯槽の浮屋根
【課題】 パンタイプ浮屋根からポンツーンタイプ浮屋根への改造による変形が防止された貯槽の浮屋根の形成方法及び貯槽の浮屋根を提供する。
【解決手段】 貯槽の浮屋根の形成方法であって、貯槽内にすでに形成されているパンタイプ浮屋根本体101の外周部にポンツーン6を形成してパンタイプ浮屋根本体101をポンツーンタイプ浮屋根本体1aに改造するとともに、前記ポンツーン6を形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方を形成する。
【解決手段】 貯槽の浮屋根の形成方法であって、貯槽内にすでに形成されているパンタイプ浮屋根本体101の外周部にポンツーン6を形成してパンタイプ浮屋根本体101をポンツーンタイプ浮屋根本体1aに改造するとともに、前記ポンツーン6を形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯槽の浮屋根の形成方法及び貯槽の浮屋根に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の貯槽の浮屋根には、パンデッキ形浮屋根、いわゆるパンタイプ浮屋根や、特許文献1に開示されているポンツーン付浮屋根、いわゆるポンツーンタイプ浮屋根等があるが、貯槽の浮屋根、特に固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根には、経済的な構造のパンタイプ浮屋根が採用されていた。
【0003】
【特許文献1】特開2005−153966
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、浮屋根が経済的構造のパンタイプでは震災時等の強度が不足してしまうおそれがあった。また、浮屋根のデッキに孔があいた場合や、異常沸騰や異常昇圧時等の異常時に浮屋根と貯槽の側板との間から貯蔵液が吹き上げた場合に、貯蔵液が浮屋根のデッキ上に溜まってしまうおそれがあり、その結果浮屋根が傾斜したり浮屋根の浮力が減少してしまう心配があった。本願発明者は、このようなおそれや心配を解消するために浮屋根をポンツーンタイプに改造することを検討した。しかし、特許文献1のように当初からポンツーンタイプとして浮屋根を形成する場合と異なり、浮屋根をパンタイプからポンツーンタイプに改造すると、ポンツーンを形成した外周部の重量がパンタイプの浮屋根の外周部に比べて増加し、図2に基づいて後に詳述するように、浮屋根全体形状が変形を生じるという新たな課題が浮上した。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パンタイプからポンツーンタイプへの改造による変形が防止された貯槽の浮屋根の形成方法及び貯槽の浮屋根を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る貯槽の浮屋根の形成方法は、貯槽の浮屋根の形成方法であって、貯槽内にすでに形成されているパンタイプ浮屋根本体の外周部にポンツーンを形成してパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造するとともに、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方を形成することを特徴とする。
【0007】
また、前記浮力増加構造は、前記ポンツーンの下方に浮き体を形成した浮き体構造と、前記ポンツーンの下部の内部空間容積を増やした容積増加構造とのうちの少なくとも一方を有する。
【0008】
また、少なくとも前記浮き体構造を形成する貯槽の浮屋根の形成方法において、前記浮き体構造を形成してからパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造する。
【0009】
また、本発明に係る貯槽の浮屋根は、貯槽の浮屋根であって、パンタイプ浮屋根本体を改造して外周部にポンツーンを形成したポンツーンタイプ内部浮屋根本体と、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
貯槽内にすでに形成されているパンタイプ浮屋根本体の外周部にポンツーンを形成してパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造することにより、外周部の重量が増加するため、この外周部は沈み、デッキの中央部(デッキ中央)は盛り上がる。このため、浮屋根本体は、断面略ヘの字状に変形する。浮力増加構造を形成すると、外周部の浮力が増加するため、この外周部(すなわちポンツーン)が下方に沈むことを防止できる。また、押さえ構造を形成すると、デッキ中央の盛り上がりを押さえることが出来る。このため、上記二つの構造のうちの少なくとも一方を形成する本発明に係る貯槽の浮屋根の形成方法は、ポンツーンタイプへの改造による変形が防止された貯槽の浮屋根の形成方法となる。
【0011】
前記浮力増加構造は、前記ポンツーンの下方に浮き体を形成した浮き体構造と、前記ポンツーンの下部の内部空間容積を増やした容積増加構造とのうちの少なくとも一方を有することにより、外周部の浮力を確実に増加させることが出来る。
【0012】
前記浮き体構造を形成してからパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造することにより、浮屋根に浮き体で剛性を付加してから浮屋根をポンツーンタイプに改造できるため、ポンツーンタイプへの改造が容易にできる。
【0013】
上記で説明したように、本発明に係る貯槽の浮屋根は、パンタイプ浮屋根本体を改造して外周部にポンツーンを形成したポンツーンタイプ浮屋根本体と、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方と、を有するので、ポンツーンタイプへの改造による変形が防止された浮屋根となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面において同様のものや対応するもの、総称できるものについては同じ符号を付して説明する。本発明は、下記の実施形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に変更を加えることが出来るのはもちろんである。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で実施形態の構成要素を省略出来るのはもちろんである。
【0015】
本実施形態に係る貯槽の浮屋根の形成方法は、貯槽内にすでに形成されているパンタイプ浮屋根本体の外周部にポンツーンを形成してパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造するとともに、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方を形成するものである。本発明において、ポンツーンタイプ浮屋根本体に改造するステップと、浮力増加構造又は押さえ構造のうちの少なくとも一方を形成するステップとを行う順序は適宜決定し、両ステップを並行して行っても良い。なお、本実施形態では、貯槽は固定屋根付浮屋根式貯槽であり、浮屋根はこの貯槽の内部浮屋根である場合について説明するが、本発明では、固定屋根付でない貯槽にも適用可能である。なお、浮屋根をポンツーンタイプに形成する場合、浮屋根をパンタイプからポンツーンタイプに改造することで、パンタイプの浮屋根を撤去してポンツーンタイプの浮屋根を形成する手間等を省け、経済性がよく、材料の搬入が容易である等の利点が生じる。特に、材料の搬入口等に制限がある固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の場合に、本発明は有効である。
【0016】
また、本実施形態に係る貯槽の浮屋根は、パンタイプ浮屋根本体を改造して外周部にポンツーンを形成したポンツーンタイプ浮屋根本体と、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方と、を有する。
【0017】
本実施形態の一例を図1乃至図7で詳しく説明する。なお、下記で説明する部材、構造等は基本的には鉄、鋼等の金属により形成される。
【0018】
図1乃至図3に示すように、本実施形態の一例に係る固定屋根付浮屋根式貯槽10は、図示しない基礎上に形成した底板12、この底板12上に形成した円筒状の側板11、この側板11の上端に形成した屋根13を有する。固定屋根付浮屋根式貯槽10は、貯蔵液20を貯蔵する。固定屋根付浮屋根式貯槽10は、貯蔵液20の液面21上に浮かべた内部浮屋根を有する。貯蔵液20は、水や液体燃料等である。
【0019】
図1の101は、パンタイプ内部浮屋根本体(パンデッキ形内部浮屋根)を示す。図1のように、パンタイプ内部浮屋根本体101は、円盤状のデッキ103と、このデッキ103の外周部にデッキ103の縁(外周)同心円上に立設させた外周リム板105とにより形成される。外周リム板105は、デッキ103の縁に沿って円環状に形成する。また、パンタイプ内部浮屋根本体101は、内周リム板を有する場合(図2の内周リム板4参照)、あるいは内周リム板(図2の内周リム板4参照)と外周リム板105を接続して仕切る仕切り板(バルクヘッド:図示省略)を形成する場合もある。内周リム板は、外周リム板105よりも内側かつ外周リム板105と所定の間隔をおいて円環状に形成する。
【0020】
なお、図1乃至図3において、液面21をシールするために内部浮屋根1(又は101)と、側板11との間に形成するシール材等は省略している。
【0021】
固定屋根付浮屋根式貯槽10内にすでに形成されている(すでに貯蔵液20に浮かべた)パンタイプ内部浮屋根本体101の外周部にポンツーン6を形成してパンタイプ内部浮屋根本体101をポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに改造する(すなわち、パンタイプ内部浮屋根をポンツーンタイプ内部浮屋根に改造する)には、例えば、図2のように、外周リム板5(外周リム板105に対応する。)よりも内側かつ外周リム板5と所定の間隔をおいて円環状の内周リム板4を外周リム板5と同心円状に形成し、上板7を外周リム板5及び内周リム板4に架け渡して覆うように形成する。また、内周リム板4が予め形成されている場合は、上板7を外周リム板5及び内周リム板4に架け渡すように形成するのみでよい。このように少なくとも外周リム板5(及び内周リム板4)を利用して、パンタイプ内部浮屋根本体101の外周部にポンツーン6を形成する。
ポンツーン6は、外周リム板5及び内周リム板4と、その外周リム板5上縁と内周リム板4上縁とを接続して覆う(架け渡す)上板7とで形成し、その外周リム板5と内周リム板4と上板7とで形成される円環状空間のポンツーン6は、内周リム板4と外周リム板5との間を径方向に接続して仕切る仕切り板(バルクヘッド:図示省略)で区画割りをして隔室(図示省略)化して形成する。このように、ポンツーン6は隔室化して形成されているため、隔室の一室に万一漏れが発生しても、他の隔室が保有する浮力によって安全に浮力維持される。
このような方法によれば、外周リム板5を利用してポンツーン6を容易に形成でき、容易にポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aを補強できる。ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aは、デッキ3と、このデッキ3の外周部に設けたポンツーン6と、を有する。
【0022】
外周部にポンツーン6を形成すると、このポンツーン6の重量(外周部の重量増加)によりポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの外周部は沈み、デッキ3の中央部は盛り上がるため、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aは断面略ヘの字状に変形する(図2参照)。このため、この改造とともに、ポンツーン6の重量によるポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの変形を防止する変形防止構造をポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに形成する(図3乃至図7参照)。変形防止構造により、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの変形を防止でき、(ポンツーンタイプ)内部浮屋根1の変形を防止できる。この変形防止構造は、ポンツーン6を形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ3中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方(図3は両者を示す)を有する。これら構造をポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに形成する。
【0023】
押さえ構造は、例えば、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに重り16、補強板・補強材等の押さえ部を形成した構造、具体的には、図3や図7に示すように、デッキ3の中央部に押さえ部(ここでは重り16)を設置(固定、戴置等を含む。)した構造である。デッキ3の中央部に押さえ部、特に重り16を設置することにより、容易にデッキ3中央の盛り上がりを押さえることが出来る。このため、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1a(内部浮屋根1)の変形を容易に防止できる。重り16は、鉄板、コンクリート、砂、残材・スクラップ等により構成される。なお、デッキ3を押さえることにより、この盛り上がりの下にベイパーガスが溜まる事も防げる。押さえ部の重量、大きさ、形状、位置等は、浮力増加構造を他に形成するか否かの検討や、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの形状、大きさ、重量、強度等を考慮し、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1a(内部浮屋根1)が変形しないように適宜決定する。押さえ構造のみを形成する時は、全ての工事作業がデッキ3上で行えるため、施工容易な方法となる。
【0024】
浮力増加構造は、例えば、ポンツーン6の下方に浮き体15を形成した浮き体構造(図3及び図4参照)と、ポンツーン6の下部の内部空間容積を増やした容積増加構造(図5及び図6参照)とのうちの少なくとも一方を有する。このように、浮力増加構造をポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに形成すると、ポンツーン6自体等の外周部の浮力が増加するため、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの外周部(すなわちポンツーン6)が下方に沈むことを防止できる。これにより、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1a(内部浮屋根1)の変形を防止できる。また、浮力増加構造により、内部浮屋根1全体の浮力増加が得られ、内部浮屋根1が破損しても沈降することを防ぐことができる。浮力増加構造を形成することにより、特に、この浮力増加構造をポンツーン6に沿って環状に又は上下左右等に対象に形成することにより、内部浮屋根1の浮力バランス、重量バランスが良くなる。
【0025】
浮き体構造は、例えば、ポンツーン6に同心円状かつポンツーン6に沿った形状の環状の浮き体15をポンツーン6の下面に設置(固定、当接含む)する構造である(図3及び図4参照)。浮き体15は、例えば、アルミニウム製、鋼製等の内部が空洞の浮力体である。ポンツーン6の下方に浮き体15を設けた構造は、例えば、浮き体15を環状ではなく複数の箱型の浮きとして、この浮きをポンツーン6の下方の所定位置に設置した構造であってもよい。浮き体15の重量、大きさ、形状、位置等は、他の浮力増加構造又は押さえ構造を他に形成するか否かの検討や、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの形状、大きさ、重量、強度等を考慮してポンツーンタイプ内部浮屋根本体1a(内部浮屋根1)が変形しないように適宜決定する。なお、この構造は、浮力バランスの調節が容易である、簡単に形成できる等の利点を有する。そして、デッキ3を改造せずに取付けて、外周部に所定の浮力を与えることが出来る。また、この浮き体15を形成してからパンタイプ内部浮屋根本体101をポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに改造すると、浮屋根に浮き体15で剛性を付加してから浮屋根をポンツーンタイプに改造できるため、ポンツーンタイプへの改造が容易にできる。
【0026】
容積増加構造は、例えば、ポンツーン6の下板(デッキ3の外周部)を斜めにして下方に移動させてバランスを保つ形状の空間17を形成した構造(図5参照)、又は、ポンツーン6の下板(デッキの外周部)を並行に下方に移動させ容積を確保する形状の空間18を形成した構造(図6参照)である。この構造により、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに空間17又は空間18が形成されてポンツーン6の液面より下の内部空間容積が増やされ、外周部の浮力が増加する。容積増加構造は、上記の両者の構造を有しても良い。上記の二つの構造のうちの少なくとも一方を有することにより、ポンツーンの浮力を確実に増加させることが出来る。空間17又は18は、例えば、ポンツーン6に沿った環状に形成する。空間17又は18は、例えば、ポンツーン6内に所々上下左右対称等にバランスよく複数形成した空間により構成される。空間17又は18の大きさ、形状、位置等は、他の浮力増加構造又は重りを形成した構造を他に形成するか否かの検討や、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの形状、大きさ、重量、強度等を考慮してポンツーンタイプ内部浮屋根本体1a(内部浮屋根1)が変形しないように適宜決定する。
【0027】
浮力増加構造をまず採用し、さらに調整用として押さえ構造を加える場合は、バランス性により優れた浮屋根とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
上記説明したように、本実施形態に係る貯槽の浮屋根の形成方法によれば、パンタイプからポンツーンタイプへの改造による変形が防止され強度と浮力を増加した貯槽の浮屋根の形成方法となるので産業上広く適用が可能となる。そして、本実施形態に係る本実施形態に係る貯槽の浮屋根は、パンタイプからポンツーンタイプへの改造による変形が防止され強度と浮力を増加した貯槽の浮屋根となるので産業上広範囲に適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の形成方法の一例を説明するための説明図であり、パンタイプ内部浮屋根が貯槽内にすでに形成されている固定屋根付浮屋根式貯槽の概略断面を示す図である。
【図2】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の形成方法の一例を説明するための説明図であり、パンタイプ内部浮屋根本体をポンツーンタイプ内部浮屋根本体に改造した際の変形が生じた状態を示す固定屋根付浮屋根式貯槽の概略断面を示す図である。
【図3】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の形成方法の一例を説明するための説明図であり、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体に変形防止構造を形成した後の固定屋根付浮屋根式貯槽の概略断面を示す図である。
【図4】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の一例を示す図である。
【図5】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の一例を示す図である。
【図6】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の一例を示す図である。
【図7】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 内部浮屋根
1a ポンツーンタイプ内部浮屋根本体
3 デッキ
4 内周リム板
5 外周リム板
6 ポンツーン
7 上板
10 固定屋根付浮屋根式貯槽
11 側板
12 底板
13 屋根
15 浮き体
16 重り
17 空間
18 空間
20 液体
21 液面
101 パンタイプ内部浮屋根本体
103 デッキ
105 外周リム板
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯槽の浮屋根の形成方法及び貯槽の浮屋根に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の貯槽の浮屋根には、パンデッキ形浮屋根、いわゆるパンタイプ浮屋根や、特許文献1に開示されているポンツーン付浮屋根、いわゆるポンツーンタイプ浮屋根等があるが、貯槽の浮屋根、特に固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根には、経済的な構造のパンタイプ浮屋根が採用されていた。
【0003】
【特許文献1】特開2005−153966
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、浮屋根が経済的構造のパンタイプでは震災時等の強度が不足してしまうおそれがあった。また、浮屋根のデッキに孔があいた場合や、異常沸騰や異常昇圧時等の異常時に浮屋根と貯槽の側板との間から貯蔵液が吹き上げた場合に、貯蔵液が浮屋根のデッキ上に溜まってしまうおそれがあり、その結果浮屋根が傾斜したり浮屋根の浮力が減少してしまう心配があった。本願発明者は、このようなおそれや心配を解消するために浮屋根をポンツーンタイプに改造することを検討した。しかし、特許文献1のように当初からポンツーンタイプとして浮屋根を形成する場合と異なり、浮屋根をパンタイプからポンツーンタイプに改造すると、ポンツーンを形成した外周部の重量がパンタイプの浮屋根の外周部に比べて増加し、図2に基づいて後に詳述するように、浮屋根全体形状が変形を生じるという新たな課題が浮上した。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パンタイプからポンツーンタイプへの改造による変形が防止された貯槽の浮屋根の形成方法及び貯槽の浮屋根を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る貯槽の浮屋根の形成方法は、貯槽の浮屋根の形成方法であって、貯槽内にすでに形成されているパンタイプ浮屋根本体の外周部にポンツーンを形成してパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造するとともに、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方を形成することを特徴とする。
【0007】
また、前記浮力増加構造は、前記ポンツーンの下方に浮き体を形成した浮き体構造と、前記ポンツーンの下部の内部空間容積を増やした容積増加構造とのうちの少なくとも一方を有する。
【0008】
また、少なくとも前記浮き体構造を形成する貯槽の浮屋根の形成方法において、前記浮き体構造を形成してからパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造する。
【0009】
また、本発明に係る貯槽の浮屋根は、貯槽の浮屋根であって、パンタイプ浮屋根本体を改造して外周部にポンツーンを形成したポンツーンタイプ内部浮屋根本体と、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
貯槽内にすでに形成されているパンタイプ浮屋根本体の外周部にポンツーンを形成してパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造することにより、外周部の重量が増加するため、この外周部は沈み、デッキの中央部(デッキ中央)は盛り上がる。このため、浮屋根本体は、断面略ヘの字状に変形する。浮力増加構造を形成すると、外周部の浮力が増加するため、この外周部(すなわちポンツーン)が下方に沈むことを防止できる。また、押さえ構造を形成すると、デッキ中央の盛り上がりを押さえることが出来る。このため、上記二つの構造のうちの少なくとも一方を形成する本発明に係る貯槽の浮屋根の形成方法は、ポンツーンタイプへの改造による変形が防止された貯槽の浮屋根の形成方法となる。
【0011】
前記浮力増加構造は、前記ポンツーンの下方に浮き体を形成した浮き体構造と、前記ポンツーンの下部の内部空間容積を増やした容積増加構造とのうちの少なくとも一方を有することにより、外周部の浮力を確実に増加させることが出来る。
【0012】
前記浮き体構造を形成してからパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造することにより、浮屋根に浮き体で剛性を付加してから浮屋根をポンツーンタイプに改造できるため、ポンツーンタイプへの改造が容易にできる。
【0013】
上記で説明したように、本発明に係る貯槽の浮屋根は、パンタイプ浮屋根本体を改造して外周部にポンツーンを形成したポンツーンタイプ浮屋根本体と、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方と、を有するので、ポンツーンタイプへの改造による変形が防止された浮屋根となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面において同様のものや対応するもの、総称できるものについては同じ符号を付して説明する。本発明は、下記の実施形態にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲で実施形態に変更を加えることが出来るのはもちろんである。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で実施形態の構成要素を省略出来るのはもちろんである。
【0015】
本実施形態に係る貯槽の浮屋根の形成方法は、貯槽内にすでに形成されているパンタイプ浮屋根本体の外周部にポンツーンを形成してパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造するとともに、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方を形成するものである。本発明において、ポンツーンタイプ浮屋根本体に改造するステップと、浮力増加構造又は押さえ構造のうちの少なくとも一方を形成するステップとを行う順序は適宜決定し、両ステップを並行して行っても良い。なお、本実施形態では、貯槽は固定屋根付浮屋根式貯槽であり、浮屋根はこの貯槽の内部浮屋根である場合について説明するが、本発明では、固定屋根付でない貯槽にも適用可能である。なお、浮屋根をポンツーンタイプに形成する場合、浮屋根をパンタイプからポンツーンタイプに改造することで、パンタイプの浮屋根を撤去してポンツーンタイプの浮屋根を形成する手間等を省け、経済性がよく、材料の搬入が容易である等の利点が生じる。特に、材料の搬入口等に制限がある固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の場合に、本発明は有効である。
【0016】
また、本実施形態に係る貯槽の浮屋根は、パンタイプ浮屋根本体を改造して外周部にポンツーンを形成したポンツーンタイプ浮屋根本体と、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方と、を有する。
【0017】
本実施形態の一例を図1乃至図7で詳しく説明する。なお、下記で説明する部材、構造等は基本的には鉄、鋼等の金属により形成される。
【0018】
図1乃至図3に示すように、本実施形態の一例に係る固定屋根付浮屋根式貯槽10は、図示しない基礎上に形成した底板12、この底板12上に形成した円筒状の側板11、この側板11の上端に形成した屋根13を有する。固定屋根付浮屋根式貯槽10は、貯蔵液20を貯蔵する。固定屋根付浮屋根式貯槽10は、貯蔵液20の液面21上に浮かべた内部浮屋根を有する。貯蔵液20は、水や液体燃料等である。
【0019】
図1の101は、パンタイプ内部浮屋根本体(パンデッキ形内部浮屋根)を示す。図1のように、パンタイプ内部浮屋根本体101は、円盤状のデッキ103と、このデッキ103の外周部にデッキ103の縁(外周)同心円上に立設させた外周リム板105とにより形成される。外周リム板105は、デッキ103の縁に沿って円環状に形成する。また、パンタイプ内部浮屋根本体101は、内周リム板を有する場合(図2の内周リム板4参照)、あるいは内周リム板(図2の内周リム板4参照)と外周リム板105を接続して仕切る仕切り板(バルクヘッド:図示省略)を形成する場合もある。内周リム板は、外周リム板105よりも内側かつ外周リム板105と所定の間隔をおいて円環状に形成する。
【0020】
なお、図1乃至図3において、液面21をシールするために内部浮屋根1(又は101)と、側板11との間に形成するシール材等は省略している。
【0021】
固定屋根付浮屋根式貯槽10内にすでに形成されている(すでに貯蔵液20に浮かべた)パンタイプ内部浮屋根本体101の外周部にポンツーン6を形成してパンタイプ内部浮屋根本体101をポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに改造する(すなわち、パンタイプ内部浮屋根をポンツーンタイプ内部浮屋根に改造する)には、例えば、図2のように、外周リム板5(外周リム板105に対応する。)よりも内側かつ外周リム板5と所定の間隔をおいて円環状の内周リム板4を外周リム板5と同心円状に形成し、上板7を外周リム板5及び内周リム板4に架け渡して覆うように形成する。また、内周リム板4が予め形成されている場合は、上板7を外周リム板5及び内周リム板4に架け渡すように形成するのみでよい。このように少なくとも外周リム板5(及び内周リム板4)を利用して、パンタイプ内部浮屋根本体101の外周部にポンツーン6を形成する。
ポンツーン6は、外周リム板5及び内周リム板4と、その外周リム板5上縁と内周リム板4上縁とを接続して覆う(架け渡す)上板7とで形成し、その外周リム板5と内周リム板4と上板7とで形成される円環状空間のポンツーン6は、内周リム板4と外周リム板5との間を径方向に接続して仕切る仕切り板(バルクヘッド:図示省略)で区画割りをして隔室(図示省略)化して形成する。このように、ポンツーン6は隔室化して形成されているため、隔室の一室に万一漏れが発生しても、他の隔室が保有する浮力によって安全に浮力維持される。
このような方法によれば、外周リム板5を利用してポンツーン6を容易に形成でき、容易にポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aを補強できる。ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aは、デッキ3と、このデッキ3の外周部に設けたポンツーン6と、を有する。
【0022】
外周部にポンツーン6を形成すると、このポンツーン6の重量(外周部の重量増加)によりポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの外周部は沈み、デッキ3の中央部は盛り上がるため、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aは断面略ヘの字状に変形する(図2参照)。このため、この改造とともに、ポンツーン6の重量によるポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの変形を防止する変形防止構造をポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに形成する(図3乃至図7参照)。変形防止構造により、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの変形を防止でき、(ポンツーンタイプ)内部浮屋根1の変形を防止できる。この変形防止構造は、ポンツーン6を形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ3中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方(図3は両者を示す)を有する。これら構造をポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに形成する。
【0023】
押さえ構造は、例えば、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに重り16、補強板・補強材等の押さえ部を形成した構造、具体的には、図3や図7に示すように、デッキ3の中央部に押さえ部(ここでは重り16)を設置(固定、戴置等を含む。)した構造である。デッキ3の中央部に押さえ部、特に重り16を設置することにより、容易にデッキ3中央の盛り上がりを押さえることが出来る。このため、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1a(内部浮屋根1)の変形を容易に防止できる。重り16は、鉄板、コンクリート、砂、残材・スクラップ等により構成される。なお、デッキ3を押さえることにより、この盛り上がりの下にベイパーガスが溜まる事も防げる。押さえ部の重量、大きさ、形状、位置等は、浮力増加構造を他に形成するか否かの検討や、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの形状、大きさ、重量、強度等を考慮し、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1a(内部浮屋根1)が変形しないように適宜決定する。押さえ構造のみを形成する時は、全ての工事作業がデッキ3上で行えるため、施工容易な方法となる。
【0024】
浮力増加構造は、例えば、ポンツーン6の下方に浮き体15を形成した浮き体構造(図3及び図4参照)と、ポンツーン6の下部の内部空間容積を増やした容積増加構造(図5及び図6参照)とのうちの少なくとも一方を有する。このように、浮力増加構造をポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに形成すると、ポンツーン6自体等の外周部の浮力が増加するため、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの外周部(すなわちポンツーン6)が下方に沈むことを防止できる。これにより、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1a(内部浮屋根1)の変形を防止できる。また、浮力増加構造により、内部浮屋根1全体の浮力増加が得られ、内部浮屋根1が破損しても沈降することを防ぐことができる。浮力増加構造を形成することにより、特に、この浮力増加構造をポンツーン6に沿って環状に又は上下左右等に対象に形成することにより、内部浮屋根1の浮力バランス、重量バランスが良くなる。
【0025】
浮き体構造は、例えば、ポンツーン6に同心円状かつポンツーン6に沿った形状の環状の浮き体15をポンツーン6の下面に設置(固定、当接含む)する構造である(図3及び図4参照)。浮き体15は、例えば、アルミニウム製、鋼製等の内部が空洞の浮力体である。ポンツーン6の下方に浮き体15を設けた構造は、例えば、浮き体15を環状ではなく複数の箱型の浮きとして、この浮きをポンツーン6の下方の所定位置に設置した構造であってもよい。浮き体15の重量、大きさ、形状、位置等は、他の浮力増加構造又は押さえ構造を他に形成するか否かの検討や、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの形状、大きさ、重量、強度等を考慮してポンツーンタイプ内部浮屋根本体1a(内部浮屋根1)が変形しないように適宜決定する。なお、この構造は、浮力バランスの調節が容易である、簡単に形成できる等の利点を有する。そして、デッキ3を改造せずに取付けて、外周部に所定の浮力を与えることが出来る。また、この浮き体15を形成してからパンタイプ内部浮屋根本体101をポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに改造すると、浮屋根に浮き体15で剛性を付加してから浮屋根をポンツーンタイプに改造できるため、ポンツーンタイプへの改造が容易にできる。
【0026】
容積増加構造は、例えば、ポンツーン6の下板(デッキ3の外周部)を斜めにして下方に移動させてバランスを保つ形状の空間17を形成した構造(図5参照)、又は、ポンツーン6の下板(デッキの外周部)を並行に下方に移動させ容積を確保する形状の空間18を形成した構造(図6参照)である。この構造により、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aに空間17又は空間18が形成されてポンツーン6の液面より下の内部空間容積が増やされ、外周部の浮力が増加する。容積増加構造は、上記の両者の構造を有しても良い。上記の二つの構造のうちの少なくとも一方を有することにより、ポンツーンの浮力を確実に増加させることが出来る。空間17又は18は、例えば、ポンツーン6に沿った環状に形成する。空間17又は18は、例えば、ポンツーン6内に所々上下左右対称等にバランスよく複数形成した空間により構成される。空間17又は18の大きさ、形状、位置等は、他の浮力増加構造又は重りを形成した構造を他に形成するか否かの検討や、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体1aの形状、大きさ、重量、強度等を考慮してポンツーンタイプ内部浮屋根本体1a(内部浮屋根1)が変形しないように適宜決定する。
【0027】
浮力増加構造をまず採用し、さらに調整用として押さえ構造を加える場合は、バランス性により優れた浮屋根とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
上記説明したように、本実施形態に係る貯槽の浮屋根の形成方法によれば、パンタイプからポンツーンタイプへの改造による変形が防止され強度と浮力を増加した貯槽の浮屋根の形成方法となるので産業上広く適用が可能となる。そして、本実施形態に係る本実施形態に係る貯槽の浮屋根は、パンタイプからポンツーンタイプへの改造による変形が防止され強度と浮力を増加した貯槽の浮屋根となるので産業上広範囲に適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の形成方法の一例を説明するための説明図であり、パンタイプ内部浮屋根が貯槽内にすでに形成されている固定屋根付浮屋根式貯槽の概略断面を示す図である。
【図2】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の形成方法の一例を説明するための説明図であり、パンタイプ内部浮屋根本体をポンツーンタイプ内部浮屋根本体に改造した際の変形が生じた状態を示す固定屋根付浮屋根式貯槽の概略断面を示す図である。
【図3】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の形成方法の一例を説明するための説明図であり、ポンツーンタイプ内部浮屋根本体に変形防止構造を形成した後の固定屋根付浮屋根式貯槽の概略断面を示す図である。
【図4】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の一例を示す図である。
【図5】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の一例を示す図である。
【図6】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の一例を示す図である。
【図7】固定屋根付浮屋根式貯槽の内部浮屋根の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0030】
1 内部浮屋根
1a ポンツーンタイプ内部浮屋根本体
3 デッキ
4 内周リム板
5 外周リム板
6 ポンツーン
7 上板
10 固定屋根付浮屋根式貯槽
11 側板
12 底板
13 屋根
15 浮き体
16 重り
17 空間
18 空間
20 液体
21 液面
101 パンタイプ内部浮屋根本体
103 デッキ
105 外周リム板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯槽の浮屋根の形成方法であって、貯槽内にすでに形成されているパンタイプ浮屋根本体の外周部にポンツーンを形成してパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造するとともに、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方を形成することを特徴とする貯槽の浮屋根の形成方法。
【請求項2】
請求項1記載の貯槽の浮屋根の形成方法において、前記浮力増加構造は、前記ポンツーンの下方に浮き体を形成した浮き体構造と、前記ポンツーンの下部の内部空間容積を増やした容積増加構造とのうちの少なくとも一方を有することを特徴とする貯槽の浮屋根の形成方法。
【請求項3】
少なくとも前記浮き体構造を形成する請求項2記載の貯槽の浮屋根の形成方法において、前記浮き体構造を形成してからパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造することを特徴とする貯槽の浮屋根の形成方法。
【請求項4】
貯槽の浮屋根であって、パンタイプ浮屋根本体を改造して外周部にポンツーンを形成したポンツーンタイプ浮屋根本体と、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方と、を有することを特徴とする貯槽の浮屋根。
【請求項1】
貯槽の浮屋根の形成方法であって、貯槽内にすでに形成されているパンタイプ浮屋根本体の外周部にポンツーンを形成してパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造するとともに、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方を形成することを特徴とする貯槽の浮屋根の形成方法。
【請求項2】
請求項1記載の貯槽の浮屋根の形成方法において、前記浮力増加構造は、前記ポンツーンの下方に浮き体を形成した浮き体構造と、前記ポンツーンの下部の内部空間容積を増やした容積増加構造とのうちの少なくとも一方を有することを特徴とする貯槽の浮屋根の形成方法。
【請求項3】
少なくとも前記浮き体構造を形成する請求項2記載の貯槽の浮屋根の形成方法において、前記浮き体構造を形成してからパンタイプ浮屋根本体をポンツーンタイプ浮屋根本体に改造することを特徴とする貯槽の浮屋根の形成方法。
【請求項4】
貯槽の浮屋根であって、パンタイプ浮屋根本体を改造して外周部にポンツーンを形成したポンツーンタイプ浮屋根本体と、前記ポンツーンを形成した外周部の浮力を増加させる浮力増加構造又は前記浮屋根本体のデッキ中央を押さえる押さえ構造のうちの少なくとも一方と、を有することを特徴とする貯槽の浮屋根。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公開番号】特開2009−78826(P2009−78826A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248340(P2007−248340)
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000147729)株式会社石井鐵工所 (67)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月26日(2007.9.26)
【出願人】(000147729)株式会社石井鐵工所 (67)
【Fターム(参考)】
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