説明

貯湯式給湯器

【課題】風呂追い焚き用に再加熱した高温のお湯を給湯にしようしないようにすることで、不必要に高価な昼間電力を使用しないようにし、省電力化を図る。
【解決手段】お湯を蓄えるタンク3内の湯を加熱するヒーター1と、タンク3の上部に配置された追い焚き熱交換器4と、タンク内のお湯を給湯する第1の給湯配管8と、タンク3内上部に配置された第2の給湯配管と、第1、第2の給湯配管を切り替えて給湯する給湯切替弁15とを備えて、その給湯切替弁15は給湯切替温度センサー16が所定温度以下を検出したときには、給湯切替弁15を第2の給湯配管に切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に深夜電力を使用し電気ヒーターやヒートポンプでお湯を沸かし、タンクに貯湯したお湯で給湯や風呂の追い焚きを行う貯湯式給湯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の貯湯式給湯器は深夜電力を使用し、夜間に沸き上げたタンクのお湯を使って、給湯すると共に風呂追い焚き時はタンク上部に設けた熱交換器に浴槽のお湯を循環させて追い焚きをしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図5は、特許文献1に記載された貯湯式給湯器を示すものである。図5に示すように、上部ヒーター1と、下部ヒーター2と、上部ヒーター1、下部ヒーター2で沸き上げたお湯を貯湯するタンク(貯湯槽)3と、タンク3の上部に設置された追い焚き熱交換器4と、浴槽5と追い焚き熱交換器4とを接続したふろ循環配管(循環用配管)6と、ふろ循環配管6に介在し浴槽5のお湯を追い焚き熱交換器4に循環させタンク3内の高温のお湯で風呂追い焚きを行う追い焚き循環ポンプ(循環用ポンプ)7と、タンク3のお湯をカラン等に給湯する給湯配管(出湯管)8から構成されている。
【0004】
また、このような構成の貯湯式給湯器では風呂追い焚きを行ってタンク3内の湯温が風呂追い焚きできない温度に下がったら、上部ヒーター1に通電してタンク上部のお湯を加熱し、風呂追い焚きを可能とする機能を搭載するのが一般的である。
【特許文献1】特開2003−269787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の構成では風呂追い焚きでタンク内の湯温が低下して風呂追い焚きができなくなったとき、上部ヒーターに通電してタンク上部のお湯を再加熱し風呂追い焚きできるようしても、カラン等への給湯が発生すると給湯配管がタンク上部に接続されているため、再加熱した高温のお湯から使用されるため、給湯で使用された分を風呂追い焚きのために再度沸上る必要があった。
【0006】
また、風呂追い焚き時にはタンク内のお湯が上部から下部まで対流を起こしながら均等に温度低下し、給湯には使用できる湯温50℃〜60℃で風呂追い焚き不可となるため、結果としてタンク内に中途半端な温度のお湯が多く残って、安価な深夜電力で沸かす量が少なくなっていた。
【0007】
このように従来の貯湯式給湯器では風呂追い焚きで低下したお湯を再加熱し、その高温のお湯を給湯にも使ってしまうので、高価な昼間電力を使用する割合が増加し、給湯にしか使用できない中途半端な温度のお湯が多く残ってしまうため、安価な深夜電力で沸上る割合が減少し、トータル的にランニングコストが高くなってしまうという課題を有していた。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、風呂追い焚き用に再加熱した高温のお湯を給湯に使用しないようにすることで不必要に高価な昼間電力を使用しないようにすると共に、給湯には風呂追い焚きで温度が低下したお湯を優先的に使用することで、深夜電力で沸かしたお湯を効果的に使い切り、次の沸上時も安価な深夜電力をフルに使ってトータルのランニングコストを低減した追い焚き付き貯湯式給湯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従来の課題を解決するために、本発明の貯湯式給湯器は、給湯配管を追い焚き熱交換器の位置より低いタンクの位置に接続したとしたものである。
【0010】
これによって、給湯時は追い焚き熱交換器の位置より低い位置から給湯されるので、風呂追い焚きのために再加熱された高温のお湯が給湯に使用されることが無く、無駄な再加熱を防止することができる。
【0011】
また、風呂追い焚きにより温度低下した50〜60℃のお湯を優先的に給湯に使用するので安価な深夜電力で沸かしたお湯を効率的に使い切ることができ、ランニングコストを低減することができる。
【0012】
また、本発明の貯湯式給湯器は、給湯配管を追い焚き熱交換器の位置より低いタンクの位置に接続した第1の給湯配管を備えたものである。
【0013】
これによって、最終的にタンク上部のお湯も給湯で使い切ることができるようになり、さらにランニングコスト低減をはかれるようになる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の貯湯式給湯器は、風呂追い焚きにより湯温が低下した際の最沸上をより効率的におこない、風呂追い焚きに使用できなくなった温度(50〜60℃)のお湯を給湯に優先的に使用することで深夜電力で沸かしたお湯を効果的に使い切ることができ、トータルとしてランニングコストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の発明は、お湯を蓄えるタンク内の湯を加熱する加熱手段と、前記加熱手段より低い位置または同じ高さに配置された追い焚き熱交換器と、前記タンク内のお湯を給湯する第1の給湯配管とを備え、前記第1の給湯配管を前記追い焚き熱交換器の位置より低いタンクの位置に接続するもので風呂追い焚きにより湯温が低下し再沸上しても、給湯には再沸上したお湯が使用されないので無駄に再沸上をすることがない。
【0016】
第2の発明は、第1の発明の貯湯式給湯器において、タンクの上部に設けた前記タンク内のお湯を給湯する第2の給湯配管と、前記第1、第2の給湯配管を切り替えて給湯する給湯切替弁とを備えたもので、タンク上部に残ったお湯も給湯用に使い切ることができることとなり、さらにランニングコスト低減をはかることができる。
【0017】
第3の発明は、特に第2の発明において、第1の給湯配管の近傍直下にタンク内の湯温を検出する給湯切替温度センサーを備え、前記給湯切替温度センサーが所定温度より高温を検出したときには第1の給湯配管で給湯を行い、前記給湯切替温度センサーが所定温度以下を検出したときには、前記給湯切替弁を切り替えて第2の給湯配管で給湯を行うようにしたものであり、給湯には安価な深夜電力で沸かした低温(50〜60℃)のお湯が優先的に使用されるので、中途半端な温度のお湯が多く残ってしまうことがない。
【0018】
このように、高価な昼間電力の使用量を必要最小限に抑え、安価な深夜電力を最大限に使用することで、ランニングコストを大幅に低減することができる。
【0019】
第4の発明は、特に、第3の発明において、加熱手段は、タンク上部の追い焚き熱交換器の位置より低い位置または同じ高さの位置に設置したヒーターと、前記タンクの上部と下部を接続した沸上循環配管と、前記沸上循環配管の途中に介在し前記タンク下部の水を上部に循環させる沸上げ循環ポンプと、前記タンク上部の温度を検出する沸上げ温度センサーとからなり、沸上げ時には前記ヒーターへ通電し、前記沸上げ温度センサーが所定温度を超えたら前記沸上げ循環ポンプを制御して、前記タンク上部の温度を所定温度に保つようにし、前記タンク上部温度が所定温度より上昇したら沸上を終了するようにしたものであり、深夜電力で沸かす湯量についても積層でタンク上部から順次沸上るので、使用量の少ない夏場は沸上を途中で止めて必要量だけ沸上ることができ、さらにランニングコストの低減をはかることができる。
【0020】
第5の発明は、第3の発明において、加熱手段は、タンク上部と下部を接続した沸上げ循環配管と、前記沸上げ循環配管の途中に介在しタンク下部の水をタンク上部に循環させる沸上げ循環ポンプと、循環水を加熱する熱源ユニットとからなり、沸上げ時には前記熱源ユニットと前記沸上げ循環ポンプを起動し、循環水を所定温度に沸上るように前記沸上げ循環ポンプと前記熱源ユニットを制御するようにしたものであり、熱源ユニットとして電気ヒーターだけでなくヒートポンプ熱源等も選択することができるようになり、ランニングコストの安い給湯器を幅広く供給することができる。
【0021】
特に、熱源ユニットとしてヒートポンプ熱源を使った場合は、タンク内に50〜60℃という中途半端な温度のお湯が残ることが少なくなるため、つぎの沸上時に熱源ユニットの効率を向上することができるという効果もある。
【0022】
第6の発明は、第3の発明において、加熱手段は、タンク上部に設けた上部ヒーターと、前記タンク下部に設けた下部ヒーターとからなり、前記タンクの全量を沸き上げる場合は、前記下部ヒーターまたは前記上部ヒーターのうち少なくとも一方に通電して沸上げ、前記タンク上部のみを沸上る場合は前記上部ヒーターのみに通電するようにしたものであり、簡単な構成でランニングコストの安価な電気温水器を提供することができる。
【0023】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0024】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における貯湯式給湯器の構成図である。
【0025】
図1において、タンク3の下部に給水配管9が接続され、タンク3上部にはヒーター1が内蔵されている。タンク3下部とタンク3上部に接続された沸上循環配管10と沸上循環配管10の途中に沸上循環ポンプ11が介在し、タンク3の上部外壁に取り付けられた沸上温度センサー12と合わせて積層加熱手段を構成している。
【0026】
タンク3上部のヒーター1より高い位置に追い焚き熱交換器4が内蔵され、追い焚き熱交換器4は浴槽5とふろ循環配管6で接続されている。また、ふろ循環配管6の途中には追い焚き循環ポンプ7が介在している。
【0027】
タンク3の側面外壁の追い焚き熱交換器4より低い位置に追い焚き熱源センサー13が取り付けられている。
【0028】
さらに、タンク3の追い焚き熱交換器4より低い位置に給湯配管8が接続されている。
【0029】
以上のように構成された貯湯式給湯器について、以下その動作、作用を説明する。
【0030】
タンク3は給水配管9から給水された水を蓄え、深夜時間帯になるとヒーター1と沸上循環配管10と沸上循環ポンプ11より構成される積層加熱手段は、深夜電力を使ってタンク3内の水を沸き上げる。
【0031】
沸上時は、まずヒーター1に通電されタンク3上部を沸き上げる。沸上温度センサー12の温度が90℃になったら沸上循環ポンプ11を起動し、タンク3下部の水をタンク3上部に供給し、タンク3上部の温度が89℃になったら沸上循環ポンプ11を停止する。
【0032】
この動作を繰り返すことで約90℃のお湯がタンク3上部から積層状態で蓄積されていく。タンク3下部までお湯が達すると、沸上循環ポンプ11を駆動しても沸上温度センサー12で検出する温度が低下しなくなる。沸上循環ポンプ11を駆動して沸上温度センサー12で92℃を検出したら沸上完了として、ヒーター1への通電を停止するとともに、沸上循環ポンプ11の駆動を停止する。
【0033】
風呂追い焚きを行う場合は追い焚き循環ポンプ7を駆動し、浴槽5内のお湯をふろ循環配管6を介して追い焚き熱交換器4に循環させてタンク3内の高温のお湯で加熱し風呂追い焚きを行う。この時、タンク3内のお湯は熱を奪われ温度が低下するが、タンク3上部のお湯の温度が低下するため対流を起こし、タンク3内のお湯全体が均等に温度低下していく。
【0034】
風呂追い焚きによりタンク3内の湯温が低下したら追い焚き能力が低下するため、追い焚き熱源センサー13の温度が60℃になって風呂追い焚きが起動されたら、風呂追い焚きを行っている間ヒーター1に通電しタンク3上部のお湯を加熱し、追い焚き能力を確保し、風呂追い焚きを可能にする。このとき沸上循環ポンプ11は駆動せず、ヒーター1で沸き上げた熱量が無駄なく追い焚き熱交換器4に伝わるようにする。
【0035】
また、風呂追い焚き中に追い焚き熱源センサー13で90℃を検出したらヒーター1への通電を停止する。
【0036】
カラン等が開かれ給湯を行うときは、追い焚き熱交換器4より下に接続された給湯配管8から給湯される。
【0037】
以上のように、本実施の形態においては、給湯配管8を追い焚き熱交換器4より低い位置に接続することにより、給湯時に風呂追い焚きのために再加熱した高温のお湯を使用することが無いので、高価な昼間電力は風呂追い焚きのためだけに使われることになり、無駄を省くことができ、ランニングコストを低減することができる。
【0038】
また、本実施の形態では給湯にしか使用できない60℃のお湯を給湯に優先的に使用するので、深夜時間帯になって次の沸上の際に中途半端な温度のお湯が多量に残り、安価な深夜電力で沸かす量が少なくなり、トータルとしてランニングコストが高くなるという不具合も防止することができる。
【0039】
なお、図1ではわかりやすくするためにタンク上部の追い焚き熱交換器4、ヒーター1が取り付けられているスペースがタンクの上部1/3程度を占めているが。追い焚き沸き増しの効率アップ、最後の残り湯を少なくするため、実際はできる限りコンパクトに実装する。
【0040】
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態の貯湯式給湯器の構成図である。
【0041】
図2において、1及び3〜13の構成要素は第1の実施の形態と同じである。さらに第1の給湯配管8に対し、タンク3の上部に第2の給湯配管14を設け、第1の給湯配管8と第2の給湯配管14は給湯切替弁15の2つの入り口に接続され、給湯切替弁15の出口はカラン等へつながる配管へ接続されている。
【0042】
また、第1の給湯配管8の接続位置の直下のタンク3の側面には給湯切替温度センサー16が取り付けられている。
【0043】
以上のように構成された貯湯式給湯器について、以下その動作、作用を説明する。
【0044】
沸上時の動作、風呂追い焚き時の動作、追い焚き沸き増し時の動作については第1の実施の形態と同じである。
【0045】
給湯時は給湯切替弁15は給湯配管8側になっていて、第1の実施の形態と同じように追い焚き熱交換器4の下部から給湯することで、風呂追い焚き用に再加熱された高温のお湯を無駄に使用しないようにしている。
【0046】
給湯切替温度センサー16で45℃を検出したら、給湯切替弁15を第2の給湯配管14側に切り替えるようになっている。なお、給湯切替温度センサー16が45℃より高温を検出しているときは、第1の給湯配管8により給湯を行っている。
【0047】
以上のように、本実施の形態においては、通常時は第1の実施の形態と同様に風呂追い焚き用の高温のお湯を使うことで高価な昼間電力を無駄に使うことを防止できるうえに、給湯にしか使えなくなった60℃のお湯がなくなったら、給湯切替弁15を切り替えてタンク3上部に残ったお湯も使い切ることができるので、さらに無駄を省きランニングコスト低減をはかることができる。
【0048】
なお、ここでは給湯切替弁を切り替えるために給湯切替温度センサー16を用いたが、一般的に給湯温度を検出するために給湯配管に設けられる給湯温度センサー等他の方法でも給湯切替弁15を切り替えるタイミングを検出することが可能である。
【0049】
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態の貯湯式給湯器の構成図である。
【0050】
図3において、3〜13の構成要素は第1の実施の形態と同じである。ただし、熱源ユニット17が沸上循環配管10に介在し、沸上温度センサー12はタンク上部ではなく熱源ユニット17の出口側沸上循環配管10に取り付けられている。また、熱源ユニット17の入口側沸上循環配管10には入水温度センサー18が取り付けられている。
【0051】
熱源ユニット17とは、例えばヒートポンプサイクルにより構成されたものである。
【0052】
以上のように構成された追い焚き付き貯湯式給湯器について、タンク内の水を沸上る時は熱源ユニット17を起動すると共に、沸上温度センサー12が90℃になるように沸上循環ポンプ11を制御する。
【0053】
沸きあがった90℃のお湯はタンク3上部より積層上に蓄積されていく。タンク3が90℃のお湯で満たされ、入水温度センサー18で50℃以上を検出したら沸上を完了する。
【0054】
また、風呂追い焚きでタンク3内の温度が低下し、追い焚き熱源センサーで60℃以下を検出したら、沸上時と同様に熱源ユニット17を起動し、沸上温度センサー12が90℃になるように沸上循環ポンプ11を制御する。追い焚き熱源センサー13で80℃以上を検出したら、熱源ユニット17と沸上循環ポンプ11を停止し、追い焚き沸き増しを終了する。
【0055】
風呂追い焚き時の動作、給湯時の動作については第1の実施の形態と同じである。
【0056】
以上のように、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様、風呂追い焚きのために再沸上した高温のお湯を給湯に使うことがないので、ランニングコストを低減できる上、熱源ユニットとしてヒートポンプ熱源、外部電気ヒーターユニット等いろいろな構成に応用できランニングコストを低減した追い焚き機能付き貯湯式給湯器をはば広く提供できる。
【0057】
なお、第3の実施の形態において、第2の実施の形態で述べた第2の給湯配管14、給湯切替弁15、給湯切替温度センサー16を適用してもよい。
【0058】
また、熱源ユニットにヒートポンプ熱源機を使用した場合、風呂追い焚きに使用した60℃のお湯を給湯に優先的に使用するので、次回沸上時入水に中途半端な温度のお湯が入ってくることが少なく、低効率で沸き上げたり、入水温度が高すぎて高圧異常で熱源ユニットが停止したりすることを防止することができる。
【0059】
(実施の形態4)
図4は、本発明の第3の実施の形態の貯湯式給湯器の構成図である。
【0060】
図4において、3〜9、12、13の構成要素は第1の実施の形態と同じである。ただし、沸上温度センサー12はタンク3の下部に取り付けられている。また、上部のヒーター1は追い焚き熱交換器4の高さ以下の位置のタンク3上部、下部ヒーター2はタンク3下部の沸上温度センサー12より下の位置に取り付けられている。
【0061】
以上のように構成された貯湯式給湯器について、以下その動作、作用を説明する。
【0062】
まず、沸上時は、まず上部のヒーター1に通電してタンク3上部の沸上を行う。追い焚き熱源センサー13で90℃を検出したら、上部のヒーター1への通電を停止し、下部ヒーター2に通電し、タンク3全体の沸上を行う。沸上温度センサー12で90℃を検出したら下部ヒーター2への通電を停止し、沸上を完了する。
【0063】
また、追い焚き熱源センサー13でタンク3内の湯温が60℃以下に低下したことを検出したら、風呂追い焚きを行っている間、上部ヒーター1に通電しタンク3上部のお湯を加熱し、風呂追い焚きに必要な熱量を確保する。
【0064】
当然のことながら追い焚き沸き増し中に追い焚き熱源センサーで90℃を検出したら、上部ヒーター1への通電は停止する。
【0065】
風呂追い焚き時の動作、給湯時の動作については第1から第3の実施の形態と同じである。
【0066】
以上のように、本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様のランニングコストを低減をはかった給湯方式を、最も簡単な積層沸上方式を採用した貯湯式給湯器にも適応できるので、本発明のメリットをより多くの形態の給湯器として幅広く提供できる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明にかかる貯湯式給湯器は、風呂追い焚きにより温度低下した湯温の再沸上を無駄なく行い、風呂追い焚きには使用できなくなった温度低下したお湯を給湯に優先的に使うことで、安価な深夜電力で沸かしたお湯を無駄なく使い切ることができるため、いろいろな沸上方式の貯湯式給湯器に応用が可能となるので、電気温水器だけでなく、熱源としてヒートポンプを使用した貯湯式給湯器等にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1における貯湯式給湯器の構成図
【図2】本発明の実施の形態2における貯湯式給湯器の構成図
【図3】本発明の実施の形態3における貯湯式給湯器の構成図
【図4】本発明の実施の形態4における貯湯式給湯器の構成図
【図5】従来の貯湯式給湯器の構成図
【符号の説明】
【0069】
1 ヒーター
3 タンク
4 追い焚き熱交換器
5 浴槽
6 ふろ循環配管
7 追い焚き循環ポンプ
8 給湯配管
9 給水配管
10 沸上げ循環配管
11 沸上げ循環ポンプ
12 沸上げ温度センサー
13 追い焚き熱源センサー
14 第2の給湯配管
15 給湯切替弁
16 給湯切替温度センサー
17 熱源ユニット
18 入水温度センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
お湯を蓄えるタンク内の湯を加熱する加熱手段と、前記タンクの上部に配置された追い焚き熱交換器と、前記タンク内のお湯を給湯する第1の給湯配管とを備え、前記第1の給湯配管を前記追い焚き熱交換器の位置より低いタンクの位置に接続した貯湯式給湯器。
【請求項2】
タンクの上部に設けた前記タンク内のお湯を給湯する第2の給湯配管と、前記第1、第2の給湯配管を切り替えて給湯する給湯切替弁とを備えた請求項1記載の貯湯式給湯器。
【請求項3】
第1の給湯配管の近傍直下にタンク内の湯温を検出する給湯切替温度センサーを備え、前記給湯切替温度センサーが所定温度より高温を検出したときには第1の給湯配管で給湯を行い、前記給湯切替温度センサーが所定温度以下を検出したときには、前記給湯切替弁を切り替えて第2の給湯配管で給湯を行う請求項2記載の貯湯式給湯器。
【請求項4】
前記加熱手段は、タンク上部の追い焚き熱交換器の位置より低い位置または同じ高さの位置に設置したヒーターと、前記タンクの上部と下部を接続した沸上循環配管と、前記沸上循環配管の途中に介在し前記タンク下部の水を上部に循環させる沸上げ循環ポンプと、前記タンク上部の温度を検出する沸上げ温度センサーとからなり、沸上げ時には前記ヒーターへ通電し、前記沸上げ温度センサーが所定温度を超えたら前記沸上げ循環ポンプを制御して、前記タンク上部の温度を所定温度に保つようにし、前記タンク上部温度が所定温度より上昇したら沸上を終了する請求項1から3に記載の貯湯式給湯器。
【請求項5】
前記加熱手段は、タンク上部と下部を接続した沸上げ循環配管と、前記沸上げ循環配管の途中に介在しタンク下部の水をタンク上部に循環させる沸上げ循環ポンプと、循環水を加熱する熱源ユニットとからなり、沸上げ時には前記熱源ユニットと前記沸上げ循環ポンプを起動し、循環水を所定温度に沸上るように前記沸上げ循環ポンプと前記熱源ユニットを制御する請求項1から3に記載の貯湯式給湯器。
【請求項6】
前記加熱手段は、タンク上部に設けた上部ヒーターと、前記タンク下部に設けた下部ヒーターとからなり、前記タンクの全量を沸き上げる場合は、前記下部ヒーターまたは前記上部ヒーターのうち少なくとも一方に通電して沸上げ、前記タンク上部のみを沸上る場合は前記上部ヒーターのみに通電するようにした請求項1から3に記載の貯湯式給湯器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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