説明

貯湯式給湯装置

【課題】ミストノズル64への給湯圧力がミスト化可能な所定圧力を下回ることのない貯湯式給湯装置を提供する。
【解決手段】給湯経路21、24の途中に流量カウンタ22、32と流量調整弁65、66とを設けるとともに、制御部42は、流量カウンタ22、32で検出される流量の合計が所定値を上回らないように流量調整弁65、66にて流量調整するようにしている。
これによれば、流量カウンタ22と湯張り用流量カウンタ32から総流量を検出し、所定値(例えば、15L/min)を上回らないようにそれぞれの給湯側流量調整弁65、風呂側流量調整弁66を駆動して流量調整するものである。これにより、ミスト用給湯経路61側の給湯圧力(流量)を所定値以上に保つことができてミスト機能に悪影響を与えることがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置によって加熱された給湯用の温水を貯える貯湯タンクと、この貯湯タンクから供給される温水と給水経路から供給される冷水とを混合して温水を供給する給湯経路と、この給湯経路から分岐されたミスト用給湯経路と、ミスト給湯経路の終端に設けられて温水を噴霧するミスト発生手段と、これらの作動を制御する制御手段とを備えた貯湯式給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1、2に開示されたように、温水配管の下流端にノズルを設け、このノズルで温水を浴室内などに噴霧し、ミストを発生させるミスト発生器が知られている。
【特許文献1】特開平10−185223号公報
【特許文献2】特開2005−265311号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来装置に使用するミストノズルは、所定の圧力以上(例えば、120kPa以上)で湯を供給しないとミスト化できないという特性がある。このため、上記特許文献1、2に記載されたミスト発生器を、例えば、図5に図示されたようなシャワーや水栓などの給湯端末や風呂100に接続された風呂用給湯配管24などに、ヒートポンプユニット10aで加熱された湯を貯湯する貯湯タンク11から出湯経路21を介して出湯する給湯装置に適用しようとする場合、配管の施工状態や各出湯端末の使用状態によっては温水配管内の圧力が低下し、ミストノズル64において浴水をミスト化するために充分な圧力を得ることができないといった問題点が生じる可能性がある。
【0004】
例えば、台所、風呂、洗面所などへの給湯配管の配管径が大きく、配管長が短いほど浴水配管を通過する流量が多くなるため、圧力低下が大きくなる。また、ユーザーからの要求に基づき、シャワーの使用や浴槽への給湯が同時に行われると、給湯側圧力が低下してしまうといった問題点を有している。給湯側圧力が低下すると、浴水のミスト化ができないとともに、ミストノズルより湯が滴下してしまい、ミスト機能が果たせないばかりか、フィーリング上でもユーザーに不快感を与えるという問題点がある。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、ミストノズルへの給湯圧力がミスト化可能な所定圧力を下回ることのない貯湯式給湯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために、請求項1ないし請求項6に記載の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、加熱装置(10a)によって加熱された給湯用の温水を貯える貯湯タンク(11)と、貯湯タンク(11)の上部に接続され、給湯用の温水を取り出す高温取り出し管(14)と、貯湯タンク(11)の下部に接続され、冷水を供給する給水管(19)と、給水管(19)から分岐し、貯湯タンク(11)をバイパスし、高温取り出し管(14)に接続される給水配管(19a、19b)と、高温取り出し管(14)から供給される温水と給水配管(19a、19b)から供給される冷水とを混合して温水を供給する給湯経路(21、24)と、給湯経路(21、24)に接続され、給湯経路(21、24)を通過する温水を出湯する出湯端末と、給湯経路(21)から分岐したミスト用給湯経路(61)と、ミスト用給湯経路(61)の終端に設けられて温水を噴霧するミスト発生手段(64)と、給湯経路(21、24)およびミスト用給湯経路(61)を通過する温水の流量の合計値を検出する流量検出手段(22、32)と、流量検出手段(22、32)によって検出される温水の流量が所定量以下となるように調整する流量調整手段(65〜67)とを有することを特徴としている。
【0007】
これは、例えばシャワーの使用と浴槽への湯張りなど、複数の給湯経路(21、24)で同時に給湯されるなどで貯湯タンク(11)内の圧力が低下すると、ミスト用給湯経路(61)に流れる温水の流量も比例的に低下する。ミスト発生手段(64)は、所定値を下回る低流量になるとミスト化が充分にできなくなる。
【0008】
そこで、この請求項1に記載の発明によれば、流量検出手段(22、32)から総流量を検出し、所定値を上回らないようにそれぞれの流量調整手段(65〜67)を駆動して流量調整するものである。これにより、ミスト用給湯経路(61)側の給湯圧力(流量)を所定値以上に保つことができてミスト機能に悪影響を与えることがない。
【0009】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1記載の貯湯式給湯装置において、流量調整手段(67)は給水管(19)のうち給水配管(19a、19b)の上流側端部よりも上流側となる部位に設けられていることを特徴としている。請求項1に記載の発明では、流量調整手段(65〜67)を有することを特徴としたが、この請求項2に記載の発明によれば、給水管(19)のうち給水配管(19a、19b)の上流側端部よりも上流側となる部位に流量調整手段(67)を1つだけ設置したものである。
【0010】
この構成において、流量検出手段(22、32)から総流量を検出し、所定値を上回らないように流量調整手段(67)を駆動して流量調整するものである。これによっても、ミスト用給湯経路(61)側の給湯圧力(流量)を所定値以上に保つことができてミスト機能に悪影響を与えることがない。また、給湯経路(21、24)が複数有っても流量調整手段(67)が一つで済むことよりコストを抑えることができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の貯湯式給湯装置において、流量調整手段(65)は、給湯経路(21)のうちミスト用給湯経路(61)の上流側端部よりも上流側に設けられていることを特徴としている。請求項1に記載の発明では、流量調整手段(65〜67)を有することを特徴としたが、この請求項3に記載の発明によれば、給湯経路(21)のうちミスト用給湯経路(61)の上流側端部よりも上流側となる部位に流量調整手段(65)を設置したものである。
【0012】
この構成において、流量検出手段(22、32)から総流量を検出し、所定値を上回らないように流量調整手段(65、66)を駆動して流量調整するものである。これによっても、ミスト用給湯経路(61)側の給湯圧力(流量)を所定値以上に保つことができてミスト機能に悪影響を与えることがない。
【0013】
また、請求項4に記載の発明では、請求項3記載の貯湯式給湯装置において、給湯経路(21、24)は、給湯端末に接続され、ミスト用給湯経路(61)が接続される給湯配管(21)と、浴槽(100)に接続される風呂用給湯配管(24)とを有しており、給湯配管(21)には、給湯配管(21)を通過する温水の流量を調整する第1の流量調整手段(65)が設けられており、風呂用給湯配管(24)には、風呂用給湯配管(24)を通過する温水の流量を調整する第2の流量調整手段(66)が設けられており、流量検出手段(22、32)によって検出される温水の流量が所定量以下となるように第2の流量調整手段(66)を優先的に調整することを特徴としている。
【0014】
この請求項4に記載の発明によれば、ユーザーが、端末からの出湯量低下を感じにくい風呂への給湯流量を優先的に低下させることで、流量低下によるユーザーへの不快感を低減することができる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明では、加熱装置(10a)によって加熱された給湯用の温水を貯える貯湯タンク(11)と、貯湯タンク(11)の上部に接続され、給湯用の温水を取り出す高温取り出し管(14)と、貯湯タンク(11)の下部に接続され、冷水を供給する給水管(19)と、給水管(19)から分岐し、貯湯タンク(11)をバイパスし、高温取り出し管(14)に接続される給水配管(19a、19b)と、高温取り出し管(14)から供給される温水と給水配管(19a、19b)から供給される冷水とを混合して温水を供給する給湯経路(21、24)と、給湯経路(21、24)に接続され、給湯経路(21、24)を通過する温水を出湯する出湯端末と、給湯経路(21)から分岐したミスト用給湯経路(61)と、ミスト用給湯経路(61)の終端に設けられて温水を噴霧するミスト発生手段(64)と、貯湯タンク(11)内に設けられ、貯湯槽内の給湯用水の圧力を検出する圧力検出手段(56)と、圧力検出手段(56)によって検出される圧力が所定値を下回らないように温水の流量を調整する流量調整手段(65〜67)とを有することを特徴としている。
【0016】
請求項1ないし請求項4に記載の発明では、流量検出手段(22、32)の検出値にて流量の出しすぎ(=圧力低下)を監視する構成となっていたが、この請求項5に記載の発明によれば、貯湯タンク(11)に圧力検出手段(56)を直接設置して、圧力が所定値を下回らないように流量調整手段(65〜67)を調整するようにしたものである。この構成によっても、ミスト用給湯経路(61)側の給湯圧力(流量)を所定値以上に保つことができてミスト機能に悪影響を与えることがない。
【0017】
また、請求項6に記載の発明では、浴室内に温水のミストを噴霧するミスト発生ユニット(10c)に温水を供給する貯湯式給湯装置であり、加熱装置(10a)によって内部の水を加熱するとともに貯えるタンクユニット(10b)と、タンクユニット(10b)内に給湯用水を供給する給水管(19)と、給水管(19)に設けられて供給される給湯用水の圧力を所望圧力に設定する第1減圧手段(12)と、加熱装置(10a)からタンクユニット(10b)へ戻る戻り管(13b)から分岐されて延設された高温側供給経路(25)と、給水管(19)の第1減圧手段(12)の上流側から分岐されて延設された低温側供給経路(26)と、低温側供給経路(26)に設けられて供給される給湯用水の圧力を所望圧力に設定する第2減圧手段(68)と、高温側供給経路(25)から供給される高温水と第2減圧手段(68)を経て供給される給湯用水とを混合させてミスト発生ユニット(10c)に供給する温水の温度調整を行うミスト用湯水混合手段(69)とを備えた貯湯式給湯装置において、
第2減圧手段(68)で設定する圧力を第1減圧手段(12)で設定する圧力よりも小さく設定したことを特徴としている。
【0018】
請求項1ないし請求項5に記載の発明では、給湯経路(21)からミスト用給湯経路(61)が分岐される構成であったが、本請求項に記載の発明ではミスト専用の湯水混合ユニット(10d)を設けたものである。この請求項6に記載の発明によれば、タンクユニット(10b)の上部から延設した高温側供給経路(25)から供給される高温水と、給水管(19)から延設された低温側供給経路(26)から供給される給湯用水とをミスト用湯水混合手段(69)で混合し、適度な温度に調整してミスト発生ユニット(10c)に供給する。
【0019】
ここで、ミスト用湯水混合手段(69)にて混合する際、高温水側と給湯用水側の圧力差があると安定して混合ができないが、圧力差を最小限とするために、第2減圧手段(68)を低温側供給経路(26)側に設置してある。そして、第2減圧手段(68)で設定する圧力を第1減圧手段(12)で設定する圧力よりも小さく設定することにより、給湯や湯張りによって貯湯タンク(11)の中の湯が使われたときの圧力低下の影響を最小限に抑えることができる。
【0020】
なお、ミスト用湯水混合手段(69)は、給湯用混合弁(20)と同様に、混合後に温度検出手段としてのサーミスタ(57)を設けて温度検出をし、電気的に弁開度を調整して給湯温度を調整しても良いし、サーモワックスのような設定温度固定式であっても良い。また、請求項1ないし請求項5に記載する発明の流量調整手段(65〜67)での流量調整と組み合せて用いても良い。なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。本実施形態の貯湯式給湯装置は、一般家庭用として使用されるものであり、貯湯タンク11内に貯えられた給湯用の湯を用いて、台所、浴室、洗面所などへの給湯機能の他に、図示しない浴室内に設置された温水のミストを噴霧するミスト発生ユニット10cに温水を供給する機能を備えている。
【0022】
貯湯式給湯装置は、図1に示すように、大別するとヒートポンプサイクルからなる加熱装置としてのヒートポンプユニット10aと、タンクユニット10bとからなる。そして、タンクユニット10bは、貯湯タンク11を備えるとともに、貯湯タンク11内の給湯水を台所や洗面所などへ給湯する給湯経路としての給湯配管21と、貯湯タンク11内の給湯用水を風呂100へ給湯する別の給湯経路としての風呂用給湯配管24とから構成されている。
【0023】
まず、給湯機能として、貯湯タンク11、ヒートポンプユニット10a、およびタンクユニット10bの各経路のうち、貯湯タンク11の下部から吸い込んだ給湯用水を、ヒートポンプユニット10aに循環させて貯湯タンク11の上部に送る水回路を形成する流体加熱用流路である往き管13a、戻り管13b、タンクユニット10b内に水道水を給水する給水経路としての給水配管19、貯湯タンク11内の給湯水を出湯する出湯経路である高温取り出し管14、中温取り出し管16、給湯経路である給湯配管21、風呂用給湯配管24から構成している。
【0024】
貯湯タンク11は、例えばステンレス製などの耐食性に優れた金属製のタンクであり、外周部に図示しない断熱材が配置されており、高温の給湯水を長時間にわたって保温することができる。また、貯湯タンク11は縦長形状であり、その底面には導入口11aが設けられ、この導入口11aに給水配管19の一端部が接続されている。
【0025】
なお、給水配管19は、導入口11aに接続するために分岐した後にも分岐が設けられており、その分岐した給水配管19は、後述する給湯用混合弁20と風呂用混合弁23とのそれぞれの一方の入口側に繋がれている。また、それらの分岐の上流側には、供給される給湯用水の圧力を所望圧力に設定する減圧弁(減圧手段)12が設けられている。
【0026】
さらに、給水配管19には給水サーミスタ51が設けられており、この給水配管19内の温度情報を給湯制御部42に出力するようになっている。一方、貯湯タンク11の最上部には導出口11dが設けられ、この導出口11dには貯湯タンク11内に貯えられた給湯用水のうち、高温の給湯水を導出するための高温取り出し管14が接続されている。
【0027】
そして、この高温取り出し管14の経路途中には、逃がし弁15が設けられた排出配管を接続しており、貯湯タンク11内の圧力が所定圧以上に上昇した場合には、貯湯タンク11内の給湯水を外部に排出して、貯湯タンク11などにダメージを与えないようになっている。
【0028】
また、図中に示す16は、貯湯タンク11内に貯えられた給湯用水のうち、高温の給湯水よりも湯温の低い中温の給湯水を取り出すための中温取り出し管であり、貯湯タンク11縦方向の略中央部に形成された導出口11eから中温の湯を取り出すようにしている。
【0029】
そして、高温取り出し管14と中温取り出し管16との下流側合流部位に、流量調整弁である高中温混合弁17が設けられている。この高中温混合弁17は、その下流側に設けられた給湯用混合弁20と風呂用混合弁23とに流通させる給湯用の湯温を調整する温度調整弁であり、それぞれの開口面積比を調整することで、高温取り出し管14から取り出した高温の湯と中温取り出し管16から取り出した中温の湯との混合比を調整するようにしている。
【0030】
そして、高中温混合弁17は、給湯制御部42に電気的に接続されており、後述する貯湯サーミスタ55a、55c、湯温サーミスタ52より検出される温度情報に基づいて制御される。ちなみに、湯温サーミスタ52で検出された温度情報が設定温度より高い所定温度となるように、中温取り出し管16から取り出した中温の湯を積極的に混合させるようにして所定温度に温度調整されるようにしている。
【0031】
なお、湯温サーミスタ52は、高中温混合弁17の出口側に設けられ、高中温混合弁17で混合された給湯水の湯温を検出している。また、湯温サーミスタ52の下流側で、給湯経路である給湯配管21と、別の給湯経路である風呂用給湯配管24とが分岐されている。
【0032】
給湯配管21は、下流端の図示しない給湯水栓やシャワー水栓などへ設定温度に温度調整された給湯用の湯を導く給湯用配管であって、その流路の中途に湯水混合弁である給湯用混合弁20、給湯サーミスタ53および流量検出手段としての流量カウンタ22が設けられている。流量カウンタ22の下流側、かつ後述するミスト用給湯配管61の上流側端部が接続される部分よりも上流側となる部位には、流量調整弁65(請求項における第1の流量調整手段)が設けられている。
【0033】
給湯用混合弁20は、給湯配管21の末端で出湯する給湯水の湯温を調整する温度調整弁であり、それぞれの開口面積比(高中温混合弁17で温度調整された給湯水側の開度と給水配管19に連通する水側の開度の比率)を調整することで出湯する湯温を設定温度に調整する。
【0034】
また、給湯用混合弁20は、給湯制御部42に電気的に接続されており、給水サーミスタ51、湯温サーミスタ52、給湯サーミスタ53より検出される温度情報に基づいて制御される。給湯サーミスタ53は給湯配管21内の温度情報を、流量カウンタ22は給湯配管21内の流量情報を給湯制御部42に出力する。
【0035】
なお、高中温混合弁17、給湯用混合弁20は、それぞれの出口側に設けられた湯温サーミスタ52、給湯サーミスタ53で検出される給湯水の湯温に基づいてフィードバック制御を行うようにしている。また、流量カウンタ22が給湯配管21内の水の流れを検出したときは、給湯配管21の末端の給湯水栓やシャワー水栓が開弁されて給湯水を出湯している状態である。
【0036】
風呂用給湯配管24は、下流端の風呂(浴槽)100へ設定温度に温度調整された湯張り用の湯を導く給湯用配管であって、その流路の中途に湯水混合弁である風呂用混合弁23、風呂サーミスタ54、湯張り用開閉弁31、流量検出手段としての湯張り用流量カウンタ32および逆止弁33が設けられている。湯張り用流量カウンタ32および逆止弁33の下流側には、流量調整弁66(請求項における第2の流量調整手段)が設けられている。
【0037】
風呂用混合弁23は、風呂用給湯配管24の末端で出湯する給湯水の湯温を調整する温度調整弁であり、それぞれの開口面積比(高中温混合弁17で温度調整された給湯水側の開度と給水配管19に連通する水側の開度の比率)を調整することで出湯する湯温を設定温度に調整する。
【0038】
また、風呂用混合弁23は、給湯制御部42に電気的に接続されており、給水サーミスタ51、湯温サーミスタ52、風呂サーミスタ54より検出される温度情報に基づいて制御される。風呂サーミスタ54は風呂用給湯配管24内の温度情報を給湯制御部42に出力する。
【0039】
湯張り用開閉弁31は、給湯制御部42により制御され、風呂用給湯配管24に流れる混合湯を開閉する電磁弁である。湯張り用流量カウンタ32は風呂用給湯配管24内に流れる混合湯流量を検出するものであり、この流量カウンタ32により検出された流量情報を給湯制御部42に出力するようにしている。そして、逆止弁33は浴水を風呂用給湯配管24内に逆流させないための弁である。なお、湯張り制御についての説明は省略する。
【0040】
このように、高中温混合弁17、給湯用混合弁20、風呂用混合弁23は、それぞれの出口側に設けられた湯温サーミスタ52、給湯サーミスタ53、風呂サーミスタ54で検出される給湯水の湯温に基づいてフィードバック制御を行うようにしている。また、流量カウンタ22、32が給湯配管21や風呂用給湯配管24内の水の流れを検出したときは、それぞれの末端の給湯水栓、シャワー水栓や湯張り用開閉弁31が開弁されて給湯用水を出湯している状態である。
【0041】
そして、貯湯タンク11の外壁面には、貯湯量および貯湯温度を検出するための複数(本例では5つ)の貯湯サーミスタ55a〜55eが縦方向(貯湯タンク11の高さ方向)にほぼ等間隔に配置され、貯湯タンク11内に満たされた湯もしくは水の各水位レベルでの温度情報を給湯制御部42に出力するようになっている。
【0042】
つまり、給湯制御部42は、貯湯サーミスタ55a〜55eからの温度情報に基づいて、貯湯タンク11内上方の沸き上げられた湯と、貯湯タンク11内下方の沸き上げられる前の水との境界位置を検出できるとともに、これにより貯湯量が検出できるようになっている。
【0043】
また、これらサーミスタ55a〜55eうち、貯湯サーミスタ55aは、貯湯タンク11の最上部外壁面に設けられており、高温取り出し管14に吸入される高温の湯の温度である貯湯タンク11内最上部の湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。また、貯湯サーミスタ55cは、前述の中温取り出し管16とほぼ同一の高さに配置されている。これにより、中温取り出し管16から導出される湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。
【0044】
貯湯タンク11の下部には、貯湯タンク11内の下部の水を吸入するための吸入口11bが設けられ、貯湯タンク11の上方には、貯湯タンク11内の上部に湯を吐出する吐出口11cが設けられている。そして、吸入口11bと吐出口11cとは流体加熱経路である往き管13aと戻り管13bとが接続されており、この往き管13a、戻り管13bの中途、つまり、流体加熱経路の一部がヒートポンプユニット10a内に配置されている。
【0045】
流体加熱経路には、図示しない循環ポンプと水冷媒熱交換器とが設けられている。循環ポンプは、貯湯タンク11の下部に設けられた吸入口11bから水を吸い込んで水冷媒熱交換器に通水させて貯湯タンク11の上部に設けられた吐出口11cに戻すように水流を発生させるポンプである。
【0046】
循環ポンプは、内蔵するモータの回転数に応じて流量を調整することができ、熱源制御部41によって制御される。一方の水冷媒熱交換器は、吸入口11bから吸入した貯湯タンク11内の水を高温冷媒との熱交換により加熱して、吐出口11cから貯湯タンク11内に戻すことにより貯湯タンク11内の水を高温の湯に沸き上げることができる。
【0047】
ヒートポンプサイクルは、図示しない冷媒圧縮機、水冷媒熱交換器、減圧手段、冷媒蒸発器などからなり、水冷媒熱交換器で高温(本実施形態では、約85〜90℃)の給湯水を生成する超臨界ヒートポンプサイクルである。この超臨界ヒートポンプサイクルとは、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となるヒートポンプサイクルを称しており、例えば、二酸化炭素、エチレン、エタン、酸化窒素などを冷媒とするヒートポンプサイクルである。また、ヒートポンプユニット10aは、熱源制御部41からの制御信号により作動するとともに、作動状態を熱源制御部41に出力するようになっている。
【0048】
次に、本発明に係るミストノズル64に温水を供給するミスト用給湯経路としてのミスト用給湯配管61について説明する。ミスト用給湯配管61は、前述した給湯配管21がタンクユニット10bから出た先で給湯配管21から分岐されている。そして、そのミスト用給湯配管61には、温水断続手段としてのミスト用給湯開閉弁62と、その先に温水のミストを噴出するミストノズル64とが設けられて図示しない浴室内に配置されている。ミスト用給湯開閉弁62は、制御手段としてのミスト制御部43によって制御され、ミスト用給湯配管61に流れる混合湯を開閉する電磁弁である。
【0049】
ヒートポンプユニット10aおよびタンクユニット10bは浴室外の屋外に配置されており、ミスト用給湯配管61は、浴室内に引き込まれた給湯配管21から分岐させてミストノズル64に接続され、温度調整された温水をミストノズル64まで供給するようになっている。そしてミスト制御部43は、図示しないミストサウナ操作パネルからの操作情報によってミスト用給湯開閉弁62のアクチュエータを制御する。
【0050】
また、熱源制御部41および給湯制御部42は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵の図示しないROMには、予め設定された制御プログラムが設けられており、図示しない給湯、風呂用操作パネルからの操作情報、各種センサー類からの温度情報、流量情報、圧力情報、ヒートポンプユニット10aからの信号などを受信する。
【0051】
そして、これらの信号に基づいて、熱源制御部41はヒートポンプユニット10a内のアクチュエータ類を制御し、給湯制御部42は混合弁17、20、23、開閉弁31のアクチュエータ類を制御するように構成されている。なお、熱源制御部41と給湯制御部42とは一体に構成されていても良い。給湯、風呂用操作パネルは台所や浴室内などの湯を使用する場所の壁面に設置さている。また、ミストサウナ操作パネルは、浴室内や脱衣所などの壁面に設置さている。または、給湯、風呂用操作パネルと一体化して構成されていても良い。
【0052】
次に、本発明に係る本実施形態での特徴構成について説明する。本実施形態では、各給湯経路である給湯配管21および風呂給湯配管24の途中に流量検出手段としての給湯側流量調整弁22と風呂側流量調整弁32とを設けている。これは、給湯配管21の流量カウンタ22と風呂給湯配管24の湯張り用流量カウンタ32との検出値から給湯制御部42で総流量を算出し、所定値(例えば、15L/min)を上回らないようにそれぞれの流量調整弁65、66を駆動して流量調整するものである。
【0053】
以上の構成による貯湯式給湯装置の概略作動について説明する。まず、貯湯タンク11に貯えられた高温の給湯用水を給湯する場合は、給湯配管21の末端に設けられた図示しない給湯水栓が開かれると、貯湯タンク11内に貯えられた給湯用水が高中温混合弁17、給湯用混合弁20を介して所望する設定温度に温度調整されて給湯水栓より給湯される。
【0054】
また、給湯、風呂用操作パネルから風呂100の湯張りを指示した場合は、風呂給湯配管24の途中に設けられた湯張り用開閉弁31が開かれ、貯湯タンク11内に貯えられた給湯用水が高中温混合弁17、風呂用混合弁23を介して所望する設定温度に温度調整されて風呂100内に湯張りされる。
【0055】
これらのときに、水道水が貯湯タンク11の下方から給水されて水道水と給湯用水との境界位置が上方に移動することになる。そして、貯湯サーミスタ55a〜55eの検出信号により、貯湯タンク11内の貯湯量が所定量以下となったときに、ヒートポンプユニット10aを作動させて貯湯タンク11内の水を沸き上げる沸き上げ運転が行われる。
【0056】
また、図示しないミストサウナ操作パネルの操作信号により、浴室内に温水のミストを発生させるときは、ミスト制御部43によってミスト用給湯開閉弁62を開く。これにより、ミスト用給湯開閉弁62の下流に温度調整された温水が流れてミストノズル64に温度調整された温水が供給され、ミストノズル64から浴室内に温水のミストが噴出される。
【0057】
このように給湯を行っている間、給湯制御部42は給湯配管21の流量カウンタ22と風呂給湯配管24の湯張り用流量カウンタ32との検出値から総流量を算出し、その総流量が所定値を上回りそうな場合、流量調整弁65、66を駆動して総流量が所定値を上回らないように流量調整が成される。
【0058】
この際、2つの流量調整弁65、66のうち、出湯が行われる出湯端末が接続された配管に設けられた流量調整弁によって温水の流量調整が行われる。なお、風呂100への湯張り、および給湯配管21に接続された給湯端末からの出湯が同時に行われる場合、流量調整弁66を優先的に作動させ、給湯配管21および風呂給湯配管24を通過する温水の総流量を低下させる。
【0059】
流量調整弁66の作動のみでは、ミスト用給湯経路61側の給湯圧力(流量)を、ミスト化を行うことができる圧力以上とすることができない場合、流量調整弁65を作動させ、給湯配管21および風呂給湯配管24を通過する温水の総流量をさらに低下させる。
【0060】
次に、本実施形態での特徴と、その効果について述べる。本実施形態では、ヒートポンプユニット10aによって加熱された給湯用の温水を貯える貯湯タンク11と、貯湯タンク11の上部に接続され、給湯用の温水を取り出す高温取り出し管14と、貯湯タンク11の下部に接続され、冷水を供給する給水管19と、給水管19から分岐し、貯湯タンク11をバイパスし、高温取り出し管14に接続される給水配管19a、19bと、高温取り出し管14から供給される温水と給水配管19a、19bから供給される冷水とを混合して温水を供給する給湯経路21、24とを有する。
【0061】
そして、給湯経路21、24に接続され、給湯経路21、24を通過する温水を出湯する出湯端末と、給湯配管21から分岐したミスト用給湯配管61と、ミスト用給湯配管61の終端に設けられて温水を噴霧するミストノズル64と、給湯経路21、24およびミスト用給湯配管61を通過する温水の流量の合計値を検出する流量カウンタ22、32と、流量カウンタ22、32によって検出される温水の流量が所定量以下となるように調整する流量調整弁65〜67とを有している。
【0062】
これは、例えばシャワーの使用と浴槽への湯張りなど、複数の給湯経路21、24で同時に給湯されるなどで貯湯タンク11内の圧力が低下すると、ミスト用給湯配管61に流れる温水の流量も比例的に低下する。ミストノズル64は、所定値を下回る低流量になるとミスト化が充分にできなくなる。
【0063】
そこで、これによれば、流量カウンタ22、32から総流量を検出し、所定値を上回らないようにそれぞれの流量調整弁65〜67を駆動して流量調整するものである。これにより、ミスト用給湯配管61側の給湯圧力(流量)を所定値以上に保つことができてミスト機能に悪影響を与えることがない。
【0064】
特に、貯湯タンク11内に貯湯された湯を、各出湯端末およびミスト用給湯経路61から出湯させる給湯装置の場合、給水管19には減圧弁12によってミスト化に必要な所定の圧力(120kPa)に近い圧力(170kPa)まで減圧されるため、出湯端末の使用状況や施工条件による影響を大きく受ける。しかしながら、上述した実施の形態を適用することによって、貯湯タンク11を介して各出湯端末に出湯される給湯装置であっても出湯端末の使用状況や施工条件にかかわらず、充分なミスト機能を有することができる。
【0065】
また、流量調整弁65は、給湯配管21のうちミスト用給湯配管61の上流側端部よりも上流側に設けられている。上記の発明では、流量調整弁65〜67を有することを特徴としたが、これによれば、給湯配管21のうちミスト用給湯配管61の上流側端部よりも上流側となる部位に流量調整弁65を設置したものである。
【0066】
この構成において、流量カウンタ22、32から総流量を検出し、所定値を上回らないように流量調整弁65、66を駆動して流量調整するものである。これによっても、ミスト用給湯配管61側の給湯圧力(流量)を所定値以上に保つことができてミスト機能に悪影響を与えることがない。
【0067】
また、給湯経路21、24は、給湯端末に接続され、ミスト用給湯経路61が接続される給湯配管21と、浴槽100に接続される風呂用給湯配管24とを有しており、給湯配管21には、給湯配管21を通過する温水の流量を調整する第1流量調整弁65が設けられており、風呂用給湯配管24には、風呂用給湯配管24を通過する温水の流量を調整する第2の流量調整弁66が設けられており、流量カウンタ22、32によって検出される温水の流量が所定量以下となるように第2の流量調整66を優先的に調整することを特徴としている。
【0068】
これによれば、ユーザーが、端末からの出湯量低下を感じにくい風呂への給湯流量を優先的に低下させることで、流量低下によるユーザーへの不快感を低減することができる。
【0069】
また、風呂100への湯張り、および給湯配管21に接続された給湯端末からの出湯が同時に行われる場合、流量調整弁66を優先的に作動させるので、出湯流量の低下を使用者が認識し易い給湯端末からの出湯量を低下させることなく、ミスト機能を維持させることができる。
【0070】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。上述した第1実施形態では、流量調整弁65、66を給湯経路21、24のそれぞれ設置した実施の形態について述べたが、本実施形態によれば、給水管19の減圧弁12の上流側に給水側流量調整弁67を1つだけ設置したものである。なお、図中第1の実施の形態と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0071】
本実施形態では、流量調整弁67は給水管19のうち給水配管19a、19bの上流側端部よりも上流側となる部位に設けられている。上記の発明では、流量調整弁65〜67を有することを特徴としたが、この請求項2に記載の発明によれば、給水管19のうち給水配管19a、19bの上流側端部よりも上流側となる部位に流量調整弁67を1つだけ設置したものである。
【0072】
この構成において、流量検出手段22、32から総流量を検出し、所定値を上回らないように流量調整弁67を駆動して流量調整するものである。これによっても、ミスト用給湯配管61側の給湯圧力(流量)を所定値以上に保つことができてミスト機能に悪影響を与えることがない。また、給湯経路21、24が複数有っても流量調整手段(67)が一つで済むことよりコストを抑えることができる。
【0073】
(第3実施形態)
図3は、本発明の第3実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。上述した実施の形態では、流量カウンタ22、32の検出値によって温水の圧力低下を検知する形態について述べたが、図3に示すようにヒートポンプユニット10aによって加熱された給湯用の温水を貯える貯湯タンク11と、貯湯タンク11の上部に接続され、給湯用の温水を取り出す高温取り出し管14と、貯湯タンク11の下部に接続され、冷水を供給する給水管19と、給水管19から分岐し、貯湯タンク11をバイパスし、高温取り出し管14に接続される給水配管19a、19bと、高温取り出し管14から供給される温水と給水配管19a、19bから供給される冷水とを混合して温水を供給する給湯経路21、24とを有する。
【0074】
そして、給湯経路21、24に接続され、給湯経路21、24を通過する温水を出湯する出湯端末と、給湯配管21から分岐したミスト用給湯配管61と、ミスト用給湯配管61の終端に設けられて温水を噴霧するミストノズル64と、貯湯タンク11内に設けられ、貯湯槽内の給湯用水の圧力を検出する圧力センサー56と、圧力センサー56によって検出される圧力が所定値を下回らないように温水の流量を調整する流量調整弁65〜67とを有するようにしている。
【0075】
第1、第2実施形態では、流量カウンタ22、32の検出値にて流量の出しすぎ(=圧力低下)を監視する構成となっていたが、これによれば、貯湯タンク11に圧力センサー56を直接設置して、圧力が所定値を下回らないように流量調整弁65〜67を調整するようにしたものである。この構成によっても、ミスト用給湯配管61側の給湯圧力(流量)を所定値以上に保つことができてミスト機能に悪影響を与えることがない。なお、上述した実施の形態と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0076】
貯湯タンク11の下部には、貯湯タンク11内の浴水の圧力を検知する圧力センサー56が設けられている。給湯制御部42は、圧力センサー56で検出される圧力が所定値を下回らないように流量調整弁65、66(第2実施形態の構成とすれば流量調整弁67)にて流量調整する。ミスト用給湯配管61側の給湯圧力(流量)を所定値以上に保つことができてミスト機能に悪影響を与えることがない。
【0077】
(第4実施形態)
図4は、本発明の第4実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。なお、上述した実施の形態と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。本実施形態は、上述した各実施形態と同じく浴室内に温水のミストを噴霧するミスト発生ユニット10cに温水を供給する貯湯式給湯装置であるが、ミスト専用の湯水混合ユニット10dを設けたものである。
【0078】
ヒートポンプユニット10aによって内部の水を加熱するとともに貯えるタンクユニット10bと、そのタンクユニット10b内に給湯用水を供給する給水管19と、その給水管19に設けられて供給される給湯用水の圧力を所望圧力に設定する減圧弁(第1減圧手段、第1減圧弁とする)12を有する部分は同じであるが、ヒートポンプユニット10aからタンクユニット10bへ戻る戻り管13bから分岐されて延設された高温側供給配管(高温側供給経路)25と、給水管19の第1減圧弁12の上流側から分岐されて延設された低温側供給配管(低温側供給経路)26とを設けている。
【0079】
そして、低温側供給配管26に設けられて供給される給湯用水の圧力を所望圧力に設定する第2減圧弁(第2減圧手段)68と、高温側供給配管25から供給される高温水と第2減圧弁68を経て供給される給湯用水とを混合させてミスト発生ユニット10cに供給する温水の温度調整を行うミスト用湯水混合弁(ミスト用湯水混合手段)69とを設けている。そして、第2減圧弁68で設定する圧力を第1減圧弁12で設定する圧力よりも小さく設定している。
【0080】
このミスト用湯水混合弁69の出口側にはミスト温サーミスタ57が設けられており、ミスト用湯水混合弁69で混合された給湯水の湯温を検出してミスト制御部43に入力するようになっている。そして、ミスト用湯水混合弁69は、は、その出口側に設けられたミスト温サーミスタ57で検出される給湯水の湯温に基づいてフィードバック制御を行うようにしている。
【0081】
また、ミスト制御部43は、図示しないミストサウナ操作パネルからの操作情報によってミスト用給湯開閉弁62のアクチュエータを制御して、ミストノズル64に流れる混合湯を開閉する。なお、ミスト発生ユニット10c、湯水混合ユニット10dおよびミスト制御部43は、各組み合わせで一体に構成しても良い。
【0082】
本実施形態によれば、タンクユニット10bの上部から延設した高温側供給配管25から供給される高温水と、給水管19から延設された低温側供給配管26から供給される給湯用水とをミスト用湯水混合弁69で混合し、適度な温度に調整してミスト発生ユニット10cに供給する。
【0083】
ここで、ミスト用湯水混合弁69にて混合する際、高温水側と給湯用水側の圧力差があると安定して混合ができないが、圧力差を最小限とするために、第2減圧弁68を低温側供給配管26側に設置してある。そして、第2減圧弁68で設定する圧力を第1減圧弁12で設定する圧力(例えば、170kPa)よりも小さく設定(例えば、150kPa)することにより、給湯や湯張りによって貯湯タンク11の中の湯が使われたときの圧力低下の影響を最小限に抑えることができる。
【0084】
なお、ミスト用湯水混合弁69は、給湯用混合弁20と同様に、混合後に温度検出手段としてのサーミスタ57を設けて温度検出をし、電気的に弁開度を調整して給湯温度を調整しても良いし、サーモワックスのような設定温度固定式であっても良い。また、第1〜第3実施形態の流量調整弁65〜67での流量調整と組み合せて用いても良い。
【0085】
(その他の実施形態)
上述した実施形態に記載した所定圧確保のための流量調整は、ミスト噴霧を行っているときに限って行うようにしても良い。また、上述の実施形態では、ヒートポンプユニット10aを高温側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となる超臨界ヒートポンプサイクルにて構成させたが、これに限らず、例えば、フロン冷媒を用いた一般的なヒートポンプサイクルで構成しても良い。また、上述の実施形態では、風呂用給湯配管24側に流量調整弁66を設けているが、この流量調整弁66を設ける代わりに湯張り用開閉弁31を一時的に閉とするようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第2実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第3実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第4実施形態における貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【図5】従来の貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0087】
10a…ヒートポンプユニット(加熱装置)
10b…タンクユニット
10c…ミスト発生ユニット
11…貯湯タンク
12…減圧弁、第1減圧弁(第1減圧手段)
13b…戻り管
14…高温取り出し管
19…給水管
19a…給水配管
19b…給水配管
21…給湯配管(給湯経路)
22…流量カウンタ(流量検出手段)
24…風呂用給湯配管(給湯経路)
25…高温側供給配管(高温側供給経路)
26…低温側供給配管(低温側供給経路)
32…湯張り用流量カウンタ(流量検出手段)
56…圧力センサー(圧力検出手段)
61…ミスト用給湯配管(ミスト用給湯経路)
64…ミストノズル(ミスト発生手段)
65…給湯側流量調整弁(流量調整手段、第1の流量調整手段)
66…風呂側流量調整弁(流量調整手段、第2の流量調整手段)
67…給水側流量調整弁(流量調整手段)
68…第2減圧弁(第2減圧手段)
69…ミスト用湯水混合弁(ミスト用湯水混合手段)
100…風呂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱装置(10a)によって加熱された給湯用の温水を貯える貯湯タンク(11)と、
前記貯湯タンク(11)の上部に接続され、給湯用の温水を取り出す高温取り出し管(14)と、
前記貯湯タンク(11)の下部に接続され、冷水を供給する給水管(19)と、
前記給水管(19)から分岐し、前記貯湯タンク(11)をバイパスし、前記高温取り出し管(14)に接続される給水配管(19a、19b)と、
前記高温取り出し管(14)から供給される温水と前記給水配管(19a、19b)から供給される冷水とを混合して温水を供給する給湯経路(21、24)と、
前記給湯経路(21、24)に接続され、前記給湯経路(21、24)を通過する温水を出湯する出湯端末と、
前記給湯経路(21)から分岐したミスト用給湯経路(61)と、
前記ミスト用給湯経路(61)の終端に設けられて温水を噴霧するミスト発生手段(64)と、
前記給湯経路(21、24)および前記ミスト用給湯経路(61)を通過する温水の流量の合計値を検出する流量検出手段(22、32)と、
前記流量検出手段(22、32)によって検出される温水の流量が所定量以下となるように調整する流量調整手段(65〜67)とを有することを特徴とする貯湯式給湯装置。
【請求項2】
前記流量調整手段(67)は前記給水管(19)のうち前記給水配管(19a、19b)の上流側端部よりも上流側となる部位に設けられていることを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯装置。
【請求項3】
前記流量調整手段(65)は、前記給湯経路(21)のうち前記ミスト用給湯経路(61)の上流側端部よりも上流側に設けられていることを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯装置。
【請求項4】
前記給湯経路(21、24)は、給湯端末に接続され、前記ミスト用給湯経路(61)が接続される給湯配管(21)と、風呂(100)に接続される風呂用給湯配管(24)とを有しており、
前記給湯配管(21)には、前記給湯配管(21)を通過する温水の流量を調整する第1の流量調整手段(65)が設けられており、
前記風呂用給湯配管(24)には、前記風呂用給湯配管(24)を通過する温水の流量を調整する第2の流量調整手段(66)が設けられており、
前記流量検出手段(22、32)によって検出される温水の流量が所定量以下となるように前記第2の流量調整手段(66)を優先的に調整することを特徴とする請求項3記載の貯湯式給湯装置。
【請求項5】
加熱装置(10a)によって加熱された給湯用の温水を貯える貯湯タンク(11)と、
前記貯湯タンク(11)の上部に接続され、給湯用の温水を取り出す高温取り出し管(14)と、
前記貯湯タンク(11)の下部に接続され、冷水を供給する給水管(19)と、
前記給水管(19)から分岐し、前記貯湯タンク(11)をバイパスし、前記高温取り出し管(14)に接続される給水配管(19a、19b)と、
前記高温取り出し管(14)から供給される温水と前記給水配管(19a、19b)から供給される冷水とを混合して温水を供給する給湯経路(21、24)と、
前記給湯経路(21、24)に接続され、前記給湯経路(21、24)を通過する温水を出湯する出湯端末と、
前記給湯経路(21)から分岐したミスト用給湯経路(61)と、
前記ミスト用給湯経路(61)の終端に設けられて温水を噴霧するミスト発生手段(64)と、
前記貯湯タンク(11)内に設けられ、貯湯槽内の給湯用水の圧力を検出する圧力検出手段(56)と、
前記圧力検出手段(56)によって検出される圧力が所定値を下回らないように温水の流量を調整する流量調整手段(65〜67)とを有することを特徴とする貯湯式給湯装置。
【請求項6】
浴室内に温水のミストを噴霧するミスト発生ユニット(10c)に温水を供給する貯湯式給湯装置であり、
加熱装置(10a)によって内部の水を加熱するとともに貯えるタンクユニット(10b)と、
前記タンクユニット(10b)内に給湯用水を供給する給水管(19)と、
前記給水管(19)に設けられて供給される給湯用水の圧力を所望圧力に設定する第1減圧手段(12)と、
前記加熱装置(10a)から前記タンクユニット(10b)へ戻る戻り管(13b)から分岐されて延設された高温側供給経路(25)と、
前記給水管(19)の前記第1減圧手段(12)の上流側から分岐されて延設された低温側供給経路(26)と、
前記低温側供給経路(26)に設けられて供給される給湯用水の圧力を所望圧力に設定する第2減圧手段(68)と、
前記高温側供給経路(25)から供給される高温水と前記第2減圧手段(68)を経て供給される給湯用水とを混合させて前記ミスト発生ユニット(10c)に供給する温水の温度調整を行うミスト用湯水混合手段(69)とを備えた貯湯式給湯装置において、
前記第2減圧手段(68)で設定する圧力を前記第1減圧手段(12)で設定する圧力よりも小さくしたことを特徴とする貯湯式給湯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−292345(P2007−292345A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−118532(P2006−118532)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】