説明

貯蔵庫の周辺空気の除菌装置

【課題】冷蔵庫が設置される室内の空気の浄化として、特殊フィルタを通過した空気を送風機で送出する空気循環方式と、高電圧によってイオン化した空気を送風機で循環する方式のものがあるが、本発明は、次亜塩素酸を含有する電解水を生成して、これに冷蔵庫が設置されるキッチン等の領域の空気を接触させて、この空気中の雑菌の除菌を行うのに適した除菌装置を提供するものである。
【解決手段】次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電解部と、この電解部で生成された電解水を吸い上げる吸い上げ要素部間に空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機を備えた除菌ユニットを、貯蔵庫の前方へ向けて前記強制風を送出するように前記貯蔵庫の上面に設置したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫等の貯蔵庫の上面を有効利用して貯蔵庫が設置されるキッチン等の領域の空気を除菌する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
次亜塩素酸を含有する電解水が除菌作用をすることは周知であり、冷蔵庫内の野菜室へ入る冷気中の雑菌を除菌するために、上水道を電気分解して次亜塩素酸を生成し、この次亜塩素酸を含有する電解水を超音波振動子によって霧化し、この霧化した霧を送風機によって循環する冷気と共に野菜室内に循環させて、野菜の除菌効果を図る技術がある。(特許文献1)。
【0003】
また、冷蔵庫本体の上面に冷蔵庫が設置された室内の空気を浄化する空気清浄機を取り付けたものがある。この空気清浄機は、ケースの中央部に送風装置が配置され、その左右両側にフィルタが配置され、空気清浄機の左右側面に形成した空気吸い込み口から室内の空気をこのフィルタを通して吸い込み、送風機の後方から送風機を通って空気清浄機の前面の吐出口から浄化した空気を送出するものである。(特許文献2)。
【0004】
また、冷蔵庫本体の冷蔵室と製氷室とを仕切る仕切り壁の前面に配置したコントロールパネル本体内にイオン発生装置を取り付けて、冷蔵庫が設置された空間にプラスイオンとマイナスイオンを発生するものがある。このイオン発生装置は、下側に形成した空気吸い込み口から防塵フィルタを通して空気が吸い込まれ、空気吸い込み口の上方に配置した送風機を通して水平方向の空気送風路へ送出され、この空気送風路の下側面に配置した庫外用イオン発生装置によって、この空気送風路の空気がプラスイオンとマイナスイオンにイオン化されて、コントロールパネル本体の前面に形成したイオン化空気放出口から送出されるものである。(特許文献3)。
【特許文献1】特開2003−214758号公報
【特許文献2】特開2006−23075号公報
【特許文献3】特開2004−44988号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のものは、霧化した電解水によって冷蔵庫内の所要の部分の除菌作用を行うもので効果があるが、目を冷蔵庫が設置されるキッチン(台所や調理場等)に向けると、この領域の空気中に他の領域(部屋)の空気に比して雑菌が多く存在する場合が多く、このキッチン(台所や調理場等)領域の空気中の除菌には関知していない。
【0006】
特許文献2のものは、冷蔵庫が設置された室内の空気をフィルタによって浄化するものであり、抗菌フィルタ、集塵フィルタ、脱臭フィルタで構成したフィルタによって、空気清浄化を行なうものであるが、フィルタの構成が複雑であり、このフィルタが目詰まりしたのでは効果が低減するため、このフィルタの清掃管理が面倒である。
【0007】
特許文献3のものは、冷蔵庫が設置された空間にイオン化空気を送出して、冷蔵庫が設置された空間の殺菌・消臭を行なうものであるため、このため、高圧発生装置が必要となり、それに伴う電気回路構成が必要となり、コストアップも問題である。また、高圧発生装置に冷蔵庫の使用者が触れないための工夫等の高圧対策が必要となり、構造的にもコストアップが問題である。
【0008】
最近の冷蔵庫等の貯蔵庫(冷凍冷蔵庫を含む、以下同じ)は、冷凍室、野菜室、冷蔵室等が上下位置に配置された構成であって、高さも1800mm程度に高く、そのため、冷蔵庫の上面は単なる空間として存在することが多い。そこで本発明は、キッチン(台所や調理場等)等の除菌を行うようにして、清潔な雰囲気で調理ができる環境を整えることを目的とし、これまで有効利用されていない冷蔵庫の上面を除菌ユニットの設置場所として有効利用するものである。
【0009】
この場合、本発明は、冷蔵庫等の貯蔵庫の設置領域の空気を除菌するのに適する除菌ユニットとして、超音波振動子や高圧発生装置を必要としない小型の安価なものとするために、塩素を含む上水道水を有効利用して次亜塩素酸を含有する電解水を生成して、冷蔵庫等の貯蔵庫が設置されるキッチン等の領域の空気中の除菌を行うのに適した除菌装置を採用するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電解部と、この電解部で生成された電解水を吸い上げる吸い上げ要素部間に空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機を備えた除菌ユニットを、貯蔵庫の前方へ向けて前記強制風を送出するように前記貯蔵庫の上面に設置したことを特徴とする。
【0011】
第2発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電解部と、この電解部で生成された電解水を吸い上げる吸い上げ要素部間に空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機を備えた除菌ユニットを設け、前方に開口した送風出口を形成した化粧パネルが貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けられ、前記空気通路を通過する強制風を前記送風出口から送出するように前記除菌ユニットを前記化粧パネルの後方で前記貯蔵庫の上面に設置したことを特徴とする。
【0012】
第3発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、上水道水を溜める貯水タンクと、この貯水タンクから供給される水を電解室に溜めこの水に浸って次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極を備えた電解部と、この電解部で生成された電解水が導入される水受け部と、この水受け部の電解水に下部が浸る電解水吸い上げ要素部間に水平方向の空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機がハウジングに備えられた除菌ユニットを設け、前方に開口した送風出口を形成した化粧パネルが貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けられ、前記空気通路を通過する強制風が前記送風出口から送出されるように前記除菌ユニットを前記化粧パネルの後方で前記貯蔵庫の上面に設置したことを特徴とする。
【0013】
第4発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、上水道水を溜める貯水タンクを着脱自在に載置する貯水タンク載置部と、前記貯水タンクから供給される水を溜める電解室と、この電解室の水に浸って次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極と、この生成された電解水が導入される水受け部と、この水受け部の電解水に下部が浸る電解水吸い上げ要素部間に水平方向の空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を前記除菌エレメントの後方から発生させる送風機と、この送風機の空気吸い込み部に着脱自在に取り付けられた吸い込みフィルタがハウジングに備えられ、前記貯水タンクと前記吸い込みフィルタが前面側から着脱自在であり、前記空気通路を通過する強制風が前方へ吹き出す構成である除菌ユニットを設け、前方に開口した送風出口を形成した化粧パネルが貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けられ、前記空気通路を通過する強制風を前記送風出口から送出するように前記除菌ユニットを前記化粧パネルの後方で前記貯蔵庫の上面に設置したことを特徴とする。
【0014】
第5発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、第4発明において、前記化粧パネルを貫通して、前記貯水タンクと前記吸い込みフィルタが前記化粧パネルの前面から着脱自在であることを特徴とする。
【0015】
第6発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、上水道水を溜める貯水タンクと、この貯水タンクから供給される水を溜める貯水部と、この貯水部から供給される水に浸って次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極を備えた電解部と、この電解部で生成された電解水が導入される水受け部と、この水受け部の電解水に下部が浸る電解水吸い上げ要素部間に水平方向の空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機がハウジングに備えられ、前記貯水部から前記水受け部までの水回り部分(水に接触する部分)すべてを形成したカセットを備え、前記電解部と前記除菌エレメントと共に前記カセットが上方へ取り出し自在に前記ハウジングに組み込まれた除菌ユニットを設け、前方に開口した送風出口を形成した化粧パネルが貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けられ、前記空気通路を通過する強制風を前記化粧パネルの送風出口から送出するように前記除菌ユニットが前記化粧パネルの後方で前記貯蔵庫の上面に設置されたことを特徴とする。
【0016】
第7発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、上水道水を溜める貯水タンクと、この貯水タンクから供給される水を溜める貯水部と、この貯水部から供給される水に浸って次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極を備えた電解部と、この電解部で生成された電解水が導入される水受け部と、この水受け部の電解水に下部が浸る電解水吸い上げ要素部間に水平方向の空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機と、この送風機の空気吸い込み側に着脱自在に取り付けられた吸い込みフィルタがハウジングに備えられ、前記貯水タンクが前記ハウジンに前面側から着脱自在に挿入支持されるタンク室と、前記吸い込みフィルタが前記ハウジンに前面側から着脱自在に挿入支持されるフィルタ室を備え、前記空気通路を通過する強制風が前方へ吹き出す送風出口が前記ハウジングに形成され、前記貯水部と前記電解部と前記水受け部が一体形成されたカセットを備え、前記電解部と前記除菌エレメントと共に前記カセットが上方へ取り出し自在に前記ハウジングに組み込まれた除菌ユニットを設け、前方に開口した送風出口を形成した化粧パネルが貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けられ、前記空気通路を通過する強制風を前記化粧パネルの送風出口から送出するように前記除菌ユニットが前記化粧パネルの後方で前記貯蔵庫の上面に設置され、前記化粧パネルの前面側から前記貯水タンクと前記吸い込みフィルタがそれぞれ対応する前記タンク室と前記フィルタ室へ挿入自在としたことを特徴とする。
【0017】
第8発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、第4発明、第5発明又は第7発明において、前記除菌ユニットは、前記空気通路を通過する強制風の吹き出し口が前記ハウジングの前面であり、空気吸い込み口が前記ハウジングの側面であり、前記吸い込みフィルタは水平状態の配置であって通過する空気の流れが前記吸い込みフィルタの上面から下面へ通過し後方から前記送風機の吸い込み口へ至る構成であることを特徴とする。
【0018】
第9発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、第4発明、第5発明、第7発明又は第8発明において、前記吸い込みフィルタは、空気中の塵埃と油成分を積極的に付着する機能を備えたことを特徴とする。
【0019】
第10発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、第3発明乃至第9発明のいずれかにおいて、前記化粧パネルの送風出口は、その左右側壁が後方から前方へ向けて広がった形状をなし、前記貯水タンクの前部に形成した取っ手によって前記左右側壁の一方の側壁を形成したことを特徴とする。
【0020】
第11発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、第3発明乃至第9発明のいずれかにおいて、前記化粧パネルの送風出口は、その左右側壁が後方から前方へ向けて広がった形状をなし、前記貯水タンクの前部に形成した取っ手と、前記吸い込みフィルタの前部に形成した取っ手によって、前記後方から前方へ向けて広がった形状の左右側壁を形成したことを特徴とする。
【0021】
第12発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、第1発明乃至第11発明のいずれかにおいて、前記除菌ユニットの作動時間を可変するスイッチを前記化粧パネル又は前記貯蔵庫に設けたことを特徴とする。
【0022】
第13発明の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置は、第2発明乃至第12発明のいずれかにおいて、前記化粧パネルは前記前面扉の上面に近接状態で前記前面扉の上面を覆う位置まで前方へ庇状に張り出し、前記除菌ユニットの特定スイッチが前記庇状に張り出した部分に対応配置され、前記特定スイッチが前記前面扉を開いた状態でのみ操作可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
第1発明では、除菌ユニットが設置された室内の空気は、送風機が発生する強制風によって循環しつつ、次亜塩素酸を含有した電解水を吸い上げた除菌エレメントの空気通路を通過する間に、その空気中の雑菌が除菌エレメントの表面に付着して、次亜塩素酸を含有した電解水によって除菌される。このため、超音波振動子や高圧発生装置を備えない小型の安価な除菌ユニットによって、効果的な除菌が得られるようなものとなる。この除菌ユニットの設置場所として、高さも1800mm程度に高い冷蔵庫等の貯蔵庫の上面を有効利用できるため、除菌ユニットの設置するための特別な場所を設ける必要がなく、除菌ユニットが邪魔にならない状態で使用できることとなる。そして、キッチン(台所や調理場等)等の除菌を行うことにより、清潔な雰囲気で調理ができる環境を整えることができ、衛生的にも好ましいものとなる。
【0024】
第2発明では、第1発明の効果に加えて、除菌ユニットの前面を貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けた化粧パネルで覆うことができるため、貯蔵庫上面前部の意匠効果を損なわない。また、各種の貯蔵庫に適用できる大きさの小型の除菌ユニットを用意しておき、貯蔵庫の種類ごとに貯蔵庫の左右幅に合わせた化粧パネルを容易すれば、貯蔵庫の種類ごとに除菌ユニットを製造する必要がなく、化粧パネルの交換のみで各種の貯蔵庫に適用できることとなり、除菌ユニットのコストも抑えることができるものとなる。
【0025】
第3発明は、第2発明の効果に加えて、上水道水を溜める貯水タンクからの供給水を利用して次亜塩素酸を含有した電解水を生成するため、上水道水の取り扱いがし易く、貯蔵庫の周辺空気は、送風機が発生する強制風によって循環しつつ、次亜塩素酸を含有した電解水を吸い上げた除菌エレメントの空気通路を通過する間に、その空気中の雑菌が除菌エレメントの表面に付着して、次亜塩素酸を含有した電解水によって除菌される。このため、超音波振動子や高圧発生装置を備えない小型の安価な除菌ユニットによって、例えば6畳程度のキッチンであれば、送風機の運転時間が約3時間程度で、十分な除菌効果が得られるようなものとなる。
【0026】
第4発明は、第3発明の効果に加えて、送風機へ吸い込まれる空気中の塵埃は吸い込みフィルタで補足されることにより、除菌エレメントの空気通路が塵埃で塞がれることが抑制され、除菌エレメントの寿命を長くできる。そして、貯水タンクと吸い込みフィルタが前面側から着脱自在であるため、貯水タンクへの給水作業と吸い込みフィルタの清掃や交換が、貯蔵庫の移動なしに行えるものとなる。
【0027】
第5発明は、第4発明の効果に加えて、貯水タンクと吸い込みフィルタの出し入れ、清掃、交換等が、化粧パネルを貫通して行える構成であるため、貯蔵庫の形態を変えることなく、化粧パネルの形態に合わせて貯水タンクと吸い込みフィルタの着脱操作ができる構成とすることができるものとなる。
【0028】
第6発明は、第3発明同様の効果を奏すると共に、貯水部から水受け部までの水回り部分(水に接触する部分)すべてを形成したカセットが上方へ取り出し自在でるため、この水回り部分(水に接触する部分)の清掃がし易く、常に衛生的に保つことができるものとなる。そして、カセットの取り出しによって、電解部と除菌エレメントが共に取り出されるため、電解部の清掃と点検がし易く、また除菌エレメントの点検と交換がし易くなる。
【0029】
第7発明は、第4発明同様の効果を奏すると共に、貯水部から水受け部までの水回り部分(水に接触する部分)すべてを形成したカセットが上方へ取り出し自在でるため、この水回り部分(水に接触する部分)の清掃がし易く、常に衛生的に保つことができるものとなる。そして、カセットの取り出しによって、電解部と除菌エレメントが共に取り出されるため、電解部の清掃と点検がし易く、また除菌エレメントの点検と交換がし易くなる。また、貯水タンクと吸い込みフィルタの出し入れ、清掃、交換等が、化粧パネルを貫通して行える構成であるため、貯蔵庫の形態に合わせた化粧パネルの採用によって、貯水タンクと吸い込みフィルタの着脱操作ができる構成とすることができるものとなる。
【0030】
第8発明は、第4発明、第5発明又は第7発明の効果に加えて、除菌ユニットへ吸い込まれる空気の吸い込み口が強制風の吹き出し口から離れるため、吹き出し口から吹き出された強制風が空気吸い込み口へそのまま吸い込まれるショートサーキットが形成されず、良好な空気循環が得られる。そして、吸い込みフィルタは水平状態の配置であって、フィルタを通過する空気の流れは、吸い込みフィルタの上面から下面へ通過し後方から送風機の吸い込み口へ至る構成であるため、除菌ユニットの高さを抑えた状態で広いフィルタ面の形成と通風路の形成ができるものとなり、除菌ユニットの小型化に適したものとなる。
【0031】
第9発明は、第4発明、第5発明、第7発明又は第8発明の効果に加えて、吸い込みフィルタは、空気中の塵埃と油成分を積極的に付着する機能を備えたことにより、送風機のファンの汚れ抑制、除菌ユニットの通風路の汚れ抑制、除菌エレメント寿命を長くできる等の効果を奏することができる。
【0032】
第10発明は、第3発明乃至第9発明のいずれかの効果に加えて、化粧パネルの送風出口は、その左右側壁が後方から前方へ向けて広がった形状をなすため、除菌エレメントを通過した清潔な空気を貯蔵庫の前方へ広範囲に放出できる。そして、貯水タンクの前部に形成した取っ手が、取っ手機能のみならず化粧パネルの通風路の一部機能も果たすようになり、取っ手の有効利用ができる。そして、それに伴って貯水タンクの取っ手が化粧パネルの前方へ長く突出しないように目立たない構成とすることができる。
【0033】
第11発明は、第3発明乃至第9発明のいずれかの効果に加えて、化粧パネルの送風出口は、その左右側壁が後方から前方へ向けて広がった形状をなすため、除菌エレメントを通過した清潔な空気を貯蔵庫の前方へ広範囲に放出できる。そして、貯水タンクの前部に形成した取っ手と、吸い込みフィルタの前部に形成した取っ手によって、後方から前方へ向けて広がった形状の左右側壁を形成するため、取っ手機能のみならず化粧パネルの通風路の一部機能も果たすようになり、取っ手の有効利用ができると共に、これらの取っ手が化粧パネルの前方へ長く突出しないように目立たない構成とすることができる。
【0034】
第12発明は、第1発明乃至第11発明のいずれかの効果に加えて、地域によって上水道水の遊離塩素濃度が異なるため、遊離塩素濃度が高い場合は、除菌ユニットの作動時間を短くし、遊離塩素濃度が低い場合は、除菌ユニットの作動時間を長くする等によって、塩素臭が気にならないように調節可能となる。
【0035】
第13発明は、第2発明乃至第12発明のいずれかの効果に加えて、化粧パネルの前面扉の上面への庇状張り出しによって、貯蔵庫のデザイン効果が向上すると共に、除菌ユニットのスイッチが前面扉を開いた状態でのみ操作可能となるため、真に必要なときにのみ操作できるため、誤って手が触れたことによる作動等から守ることができるものとなる。このため、化粧パネルの前面には、日常的に必要な表示部を配置すればよく、除菌ユニットの安定動作を得るために好ましいものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は、次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電解部と、この電解部で生成された電解水を吸い上げる吸い上げ要素部間に空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機を備えた除菌ユニットを、貯蔵庫の前方へ向けて前記強制風を送出するように前記貯蔵庫の上面に設置した貯蔵庫の周辺空気の除菌装置であり、本発明の実施例を以下に記載する。
【実施例1】
【0037】
次に、本発明の貯蔵庫を冷凍冷蔵庫とした実施の形態について説明する。図1は本発明に係る除菌ユニットを載置した冷凍冷蔵庫の斜視図、図2は本発明に係る除菌ユニットの正面斜視図、図3は本発明に係る除菌ユニットの蓋を開いた状態の斜視図、図4は本発明に係る除菌ユニットのハウジング本体の各部品の構成を示す分解斜視図である。
【0038】
本発明に係る除菌ユニット10を貯蔵庫として代表的な一つである冷凍冷蔵庫1の上に載置する実施例について説明する。冷凍冷蔵庫1は、前面開口の冷凍冷蔵庫本体2内を区画して複数の貯蔵室を形成し、これら各貯蔵室の前面は扉で開閉できる構成である。冷凍冷蔵庫本体2は外箱(外壁板)と内箱(内壁板)との間に発泡断熱材を充填した断熱構造である。冷凍冷蔵庫本体2内には、上から冷蔵室3、冷凍温度室5、野菜室4が区画されて設けられている。冷蔵室3の前面開口は、冷凍冷蔵庫本体2の一側部にヒンジ装置6によって横方向に回動する回動式の冷蔵室扉7にて開閉される。野菜室4の前面開口は、レールとローラの組み合わせによる支持装置によって、野菜容器と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉8によって開閉される。冷凍室5の前面開口は、野菜室4と同様に、冷凍室内に設けた左右のレールとローラの組み合わせによる支持装置によって、冷凍室容器と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉9にて開閉される。前面扉7、8、9の裏面周縁には冷凍冷蔵庫本体2の前面開口周縁に吸着する磁石入りガスケット42が設けられている。
【0039】
除菌ユニット10は、貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1が設置された周辺空気の除菌を行うのに適したものである。除菌ユニット10は、機体となるハウジング11を備え、そのハウジング11は、周囲壁11Cで囲まれた上面開口のハウジング本体11Aと、ハウジング本体11Aの上面開口を塞ぐようにハウジング本体11Aに組み合わされる蓋11Bとで構成している。ハウジング11は、全体的に所定の厚さを有する平べったい形状、即ち扁平形状であり、ハウジング本体11Aには、左右一方側(図では左方側)に貯水タンク12を載置するタンク室13が形成され、中央部に次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極14を配置する電解室15(電解部)と、電解室15に電解水通路16Aで連通して除菌エレメント17を配置する水受け部18と、送風機20を配置する送風室19が形成され、左右他方側(図では右方側)に吸い込みフィルタ21を水平状態に配置するフィルタ室22が形成されている。また周囲壁11Cの前面壁には、タンク室13に対応してタンク挿入口23が形成され、除菌エレメント17に対応して送風出口24が形成され、吸い込みフィルタ21に対応してフィルタ挿入口25が形成されている。また、周囲壁11Cの側壁には、フィルタ室22の側面に対応して空気吸い込み口26が形成されている。空気吸い込み口26を上面の蓋11Bに形成すれば、もしこの蓋11Bの上に何らかの物が置かれたとき、この空気吸い込み口26が塞がれる虞がある。
【0040】
貯水タンク12は、タンク室13に挿入される先端部の底部に、常時閉じる方向へバネ付勢された開閉バルブ27を備えている。貯水タンク12は、上面に注水口を備え、この注水口は開閉自在な密閉キャップ12Bによって気密に閉じられる。タンク室13には、貯水タンク12の底よりも下方に窪んだ貯水部13Aが形成されている。そして、この貯水部13Aの底から上方へ突出する突起28を備え、貯水タンク12がタンク室13の所定位置に挿入されたとき、突起28によって開閉バルブ27を押し上げて開き、貯水タンク12の水が貯水部13Aに入り、一定水位に保たれる。この一定水位は、密閉された貯水タンク12の水圧と貯水部13Aの水面に掛かる空気圧とのバランスによって保たれる。貯水タンク12は、タンク室13に挿入された状態で周囲壁11Cの高さ内に収まる低い高さ(薄い厚さ)を有した扁平状の直方形状をなし、タンク室13の所定位置に挿入された状態で、タンク挿入口23から前方へ突出した形状である。この突出した前部が摘み取っ手部12Aとなる。
【0041】
吸い込みフィルタ21は、貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1が設置される場所が、多くはキッチンであることを考慮して、空気中の塵埃の細くはもちろんのこと、空気中の油成分を積極的に付着する機能を備えたものである。吸い込みフィルタ21は、フィルタ挿入口25から水平状態でフィルタ室22の所定位置に挿入され、周囲壁11Cの高さの中間位置に支持されて、フィルタ室22の底面から浮いた状態に保たれ、フィルタ挿入口25から前方へ突出した形状である。吸い込みフィルタ21は、この挿入された水平状態において、空気吸い込み口26から吸い込まれる空気が、吸い込みフィルタ21の上面から下面へ通過し、フィルタ室22の後部から送風室19へ吸い込まれる。送風機20は電動機で回転するシロッコファン構成であり、送風機20から送出する強制風は、送風機20の前方に位置する除菌エレメント17へ向けて左右に広がった送風路29から除菌エレメント17へ送出される。送風機20の高さは周囲壁11Cの高さ内に収まる高さである。
【0042】
除菌エレメント17は、吸い上げ要素部17B間に複数の並行した水平方向の空気通路17Aを形成する吸い上げ要素部17Bが、エレメントケース17Cに取り付けられた構成であり、除菌エレメント17の下部が水受け部18の電解水に浸る状態に配置された状態で、水平方向の空気通路17Aは前後方向に向いている。このため、除菌エレメント17は、吸い上げ要素部17Bが水受け部18の電解水を毛細管作用によって吸い上げ、送風機20で発生する強制風が、送風路29から除菌エレメント17の空気通路17Aを通過する際に、除菌エレメント17で吸い上げた電解水に触れて除菌され、この除菌された空気が送風出口24から前方へ送出される仕組みである。除菌エレメント17の高さは周囲壁11Cの高さ内に収まる高さである。
【0043】
タンク室13の貯水部13Aに溜まった上水道水が、貯水部13Aの側壁の細い通水路16Bから電解室15へ供給される。電解室15には、プラス(+)とマイナス(−)の電極14を配置しており、この電極14への通電によって電解室15の水が電気分解されて、次亜塩素酸を含有する電解水を生成する。この電解水は、細い電解水通路16Aから水受け部18へ供給され、除菌エレメント17で毛細管作用によって吸い上げられる。電極14は、電極ハウジング14Aに支持されて電解室15に側壁に支持される。貯水タンク12の水は、開閉バルブ27から貯水部13Aへ入り、細い(狭い)通水路16Bを通って電解室15へ入り、電解室15から細い(狭い)通水路16Aを通って水受け部18へ供給される間に、これらの水が空気に触れて蒸発する量が少ないことが、貯水タンク12の水を有効利用できることとなる。このため、貯水部13A、電解室15及び水受け部18の水が空気に触れる表面積はなるだけ小さくしてあるが、これらを結ぶ通水路16A、16Bでの水の蒸発を抑制するために、細い(狭い)通水路16Aとしている。
【0044】
上記のように、貯水タンク12、電極14、除菌エレメント17、送風機20、及び吸い込みフィルタ21が、周囲壁11Cの高さ内に収まるように、ハウジング本体11Aに組み込まれた状態で、平板状の蓋11Bがハウジング本体11Aに組み合わされて、ネジ等によって両者が結合され、これらがハウジング本体11A内に収まった状態である。蓋11Bには、除菌エレメント17の出し入れ用窓36が形成されており、除菌エレメント17の上面に設けた取っ手部17Dを掴んで、除菌エレメント17の取り出しと取り付けが可能である。窓36に略いっぱいに除菌エレメント17の上部は嵌り合っているため、ここから送風がもれる虞はほとんどない。
【0045】
このように、除菌ユニット10は、貯水タンク載置部であるタンク室13と、電解室15と、水受け部18の除菌エレメント17と、送風室19の送風機20と、フィルタ室22の吸い込みフィルタ21が平面的配置でもってハウジング11内に設けられ、貯水タンク12がハウジング11の前方から着脱自在に挿入されるタンク挿入口23と、吸い込みフィルタ21がハウジング11の前方から着脱自在に挿入されるフィルタ挿入口23と、除菌エレメント17の空気通路17Aを通過する強制風が前方へ吹き出す送風出口24を備え、除菌ユニット10の上面には、除菌エレメント17の出し入れ用窓36が形成されている。
【0046】
除菌ユニット10は、単独でキッチン等の適当な場所へ設置して使用できるが、キッチンでは、一般的には、1800mm程度に背の高い冷凍冷蔵庫本体2の上面が利用されずにそのままである場合が多いため、この冷凍冷蔵庫本体2の上面を有効利用すれが好ましい。以下、その場合の構成について説明する。冷凍冷蔵庫本体2の上面は略平坦であり、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21の突出前端と送風出口24が前面に向く状態で、冷凍冷蔵庫本体2の上面に除菌ユニット10を取り付ける。冷凍冷蔵庫本体2の上面前部には、略冷凍冷蔵庫本体2の横幅に渡る長さに化粧パネル30が設けられ、除菌ユニット10は、この化粧パネル30の後面側に配置される。化粧パネル30には、後端部が略送風出口24の横幅に一致し前端部に向けて左右側壁が後方から前方へ曲線又は直線で広がった形状をなす送風出口31が形成されており、除菌ユニット10の送風出口24が化粧パネル30の送風出口31の後端部に連通状態に取り付けられる。
【0047】
化粧パネル30には、送風出口31を挟んで左右に、吸い込みフィルタ21の出し入れ用窓32と、貯水タンク12の出し入れ用窓33が形成されており、窓32内に吸い込みフィルタ21の前部の摘み部21Aが臨み、窓33内に貯水タンク12の前部の摘み取っ手部12Aが臨む。各種の貯蔵庫1に適用できる大きさの小型の除菌ユニット10を用意しておき、貯蔵庫1の種類ごとに貯蔵庫1の左右幅に合わせた化粧パネル30を容易すれば、貯蔵庫1の種類ごとに除菌ユニット10を製造する必要がなく、化粧パネル30の交換にみで各種の貯蔵庫1に適用できることとなり、除菌ユニット10のコストも抑えることができるものとなる。
【0048】
除菌ユニット10の作動を制御するスイッチ35は、除菌ユニット10に設けることができるが、化粧パネル30を設置する場合は、操作のし易さから、化粧パネル30の前面部に、このスイッチ35が設けられている。スイッチ35のONによって、電極14と送風機20へ通電され、スイッチ35のOFFによって、電極14と送風機20へ通電が断たれるが、スイッチ35のONのままであれば、制御部のタイマによって、所定時間(例えば、30分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断ち、再び所定時間(例えば、30分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断つという関係を繰り返す動作を行う。このような除菌ユニット10の作動を所定時間に制限することができる。例えば、電極14と送風機20への通電の積算時間が3時間になれば、この繰り返す動作を停止するように制御してもよい。これによって、除菌された空気が貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1が設置された領域(室)を循環して、この領域(室)の空気を浄化する。
【0049】
除菌ユニット10が使用される地域によって、上水道水等に含まれる遊離塩素濃度が異なるため、遊離塩素濃度が高い場合は、除菌ユニット10の運転時間が、どの地域でも一定であると、除菌ユニット10から送出される塩素臭が気になり、不快感を受ける場合がある。このため、遊離塩素濃度が高い場合と低い場合には、除菌ユニット10の運転時間を可変できるようにし、遊離塩素濃度が高い場合は除菌ユニット10の運転時間を短くし、遊離塩素濃度が低い場合は除菌ユニット10の運転時間を長くするように、スイッチ35で除菌ユニット10の運転時間、即ち送風機20の運転時間、又は電極14と送風機20の運転時間を可変するスイッチを設ければ便利である。
【0050】
このため、スイッチ35として、強運転スイッチ35A、中運転スイッチ35B、弱運転スイッチ35Cを設け、遊離塩素濃度が低い場合(この場合が標準的な状態とする)は、強運転スイッチ35AのONに基づき、制御部のタイマによって、所定時間(例えば、30分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断ち、再び所定時間(例えば、30分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断つという関係を繰り返す動作を行う。除菌ユニット10の運転を停止する場合は、強運転スイッチ35AでOFFさせればよい。なお、強運転スイッチ35Aがプッシュプッシュ式であれば、強運転スイッチ35Aの1回目のONで運転モードとなり、2回目のONで停止モードとなるように、制御部によって運転停止を制御する方式とすることもできる。
【0051】
また、遊離塩素濃度が中濃度の場合は、運転スイッチ35BのONに基づき、制御部のタイマによって、所定時間(例えば、20分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断ち、再び所定時間(例えば、20分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断つという関係を繰り返す動作を行う。除菌ユニット10の運転を停止する場合は、上記同様に、中運転スイッチ35BでOFFさせればよい。
【0052】
また、遊離塩素濃度が高濃度の場合は、弱運転スイッチ35CのONに基づき、制御部のタイマによって、所定時間(例えば、10分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断ち、再び所定時間(例えば、10分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断つという関係を繰り返す動作を行う。除菌ユニット10の運転を停止する場合は、上記同様に、弱運転スイッチ35BでOFFさせればよい。
【0053】
なお、密閉した6畳の室において、送風機20の運転時間が略3時間でもって、この密閉した6畳の室の空気が全量循環することができるような送風機20の容量とすれば、この6畳の室の除菌効果は略99%達成できるものが構成でき、通常使用可能な小型化の除菌ユニット10として適用可能である。
【0054】
なお、除菌ユニット10の作動を制御するスイッチ35、強運転スイッチ35A、中運転スイッチ35B、弱運転スイッチ35Cは、貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1の前面扉等に設けた操作パネルに設ける構成でもよい。
【実施例2】
【0055】
化粧パネル30の送風出口31は、その左右側壁が後方から前方へ向けて広がった形状をなしているが、貯水タンク20の前部の摘み取っ手部12Aが、この左右側壁の一方の側壁31A(図では右側壁)を形成するように、取っ手部12Aを図5のように後方から前方へ向けて流線型に傾斜する形状とする。これによって、貯水タンク20を窓33を通して除菌ユニット10内の所定位置へ挿入したとき、この取っ手部12Aが送風出口31の右側壁31Aを形成した状態を保つ。このため、送風出口31の一方の側壁31Aの形成が簡素化される。なお、蓋11Bの一部に取っ手部12Aに対応して、開閉自在な補助蓋11B1を設ければ、この補助蓋11B1を開いて、取っ手部12Aを前方へ引き出し操作しやすくなる。
【実施例3】
【0056】
また、貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1の前面扉を開いたとき作動するスイッチ、または貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1に人が近づいたことを検知するスイッチを設け、このようなスイッチによって、除菌ユニット10が作動し(電極14と送風機20へ通電され)、上記のような強運転スイッチ35AがONしたときと同様の標準動作モードとなるようにすることもできる。この場合も、強運転スイッチ35A、中運転スイッチ35B、弱運転スイッチ35Cを設けておけば、必要に応じて、上記のように中運転スイッチ35BのONによる中濃度運転モードとし、弱運転スイッチ35CをONした場合は、弱運転モードとするように切り替え制御できる。
【実施例4】
【0057】
また、実施例1乃至3の構成の除菌ユニット10に24時間タイマを設け、この24時間タイマによって、貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1の使用がほとんどない時間帯、例えば夜中などに、上記のような強運転スイッチ35AがONしたときと同様の標準動作モードでもって、所定時間、除菌ユニット10が作動(電極14と送風機20へ通電が間歇的に行われる制御)するようにして、朝には貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1が設置された領域(室)の空気の除菌が終わっているようにすることもできる。
【実施例5】
【0058】
図6〜図24に実施例5を示す。実施例5は、実施例1乃至4の除菌ユニット10の更に具体的な一つの形態であり、この除菌ユニット10を貯蔵庫1の一つである冷凍冷蔵庫1の上面に設置した構成について、図6〜図24に基づき説明する。
【0059】
図6は除菌ユニット10を上面に載置した冷凍冷蔵庫1の正面図、図7は除菌ユニット10を上面に載置した冷凍冷蔵庫1の上面斜視図、図8は除菌ユニット10の制御部50の拡大正面図、図9は除菌ユニット10の制御部50の拡大底面図、図10は冷凍冷蔵庫1の上面に載置した除菌ユニット10の回動カバーを略45度開いた上面斜視図、図11は冷凍冷蔵庫1の上面に載置した除菌ユニット10の回動カバーを略全開した上面斜視図、図12は冷凍冷蔵庫1の上面に載置した除菌ユニット10の回動カバーを開いた状態で吸い込みフィルタと貯水タンクを前方へ引き出した状態を示す上面斜視図、図13は冷凍冷蔵庫1の上面に載置した除菌ユニット10の中央部縦断側面図、図14は冷凍冷蔵庫1の上面に載置した除菌ユニット10の回動カバーを略45度開いた状態の中央部縦断側面図、図15は除菌ユニット10からカセットを取り出した状態を示す上面斜視図、図16は回動カバーが開き貯水タンクと吸い込みフィルタを外し除菌ユニットからカセットを取り出した状態を示す上面斜視図、図17は除菌ユニット10前面の化粧パネル30の左右両側部を取り外した状態を示す上面斜視図、図18は除菌ユニット10前面の化粧パネル30の左側部を取り外した状態を示す拡大上面斜視図、図19は除菌ユニット10の上蓋とカセットの上蓋を外した状態の平面図、図20は除菌ユニット10の上蓋とカセットの上蓋を外した状態の上面斜視図、図21は除菌ユニット10の主要部を分解した分解上面斜視図、図22は除菌ユニット10を細部まで分解した分解上面斜視図、図23は除菌ユニット10のカセットの上面斜視図、図24は除菌ユニット10のカセットを分解した分解上面斜視図である。
【0060】
これらにおいて、実施例1乃至実施例4と同様の機能部分は同一符号を付しており、上記の説明を援用するものとする。本発明に係る除菌ユニット10を貯蔵庫として代表的な一つである冷凍冷蔵庫1の上に載置する実施例について説明する。冷凍冷蔵庫1は、前面開口の冷凍冷蔵庫本体(貯蔵庫本体)2内を区画して複数の貯蔵室を形成し、これら各貯蔵室の前面は扉で開閉できる構成である。冷凍冷蔵庫本体2は外箱(外壁板)と内箱(内壁板)との間に発泡断熱材を充填した断熱構造である。冷凍冷蔵庫本体2内には、上から冷蔵室3、横並びの製氷室SHと補助冷凍室5H、冷凍室5、野菜室4が区画されて設けられている。冷蔵室3の前面開口は、冷凍冷蔵庫本体2の一側部にヒンジ装置HJによって支持された左右の扉7A、7Bによって開閉可能であり、扉7A、7Bは、それぞれに備えた握り取っ手7A1、7B1によって横開き(通称、観音開き)できる構成である。
【0061】
製氷室SHは内部に自動製氷機(図示せず)が設置され、この自動製氷機で造られる氷を溜める貯氷容器を一緒に引き出す引き出し式扉SHAによって、製氷室SHの前面開口は開閉される。補助冷凍室5Hの前面開口は、補助冷凍室5H内の食品貯蔵容器(図示せず)を一緒に引き出す引き出し式扉5HAによって開閉される。野菜室4の前面開口は、レールとローラの組み合わせによる支持装置によって、野菜容器(図示せず)と共に前後方向へ移動可能に支持された引き出し式扉8によって開閉される。冷凍室5の前面開口は、野菜室4と同様に、冷凍室5内に設けた左右のレールとローラの組み合わせによる支持装置によって、冷凍室容器(図示せず)を一緒に引き出す引き出し式扉9によって開閉される。各前面扉7、8、9、SHA、5HAの裏面周縁には、冷凍冷蔵庫本体2の前面開口周縁に吸着する磁石入りガスケット42が設けられており、これら扉7、8、9、SHA、5HAと冷凍冷蔵庫本体2との間の冷気シール構造を形成している。
【0062】
除菌ユニット10は、貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1が設置された周辺空気の除菌を行うのに適したものである。除菌ユニット10の基本構成は、上水道水を溜める貯水タンク12と、この貯水タンク12から供給される水に浸って次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極14を備えた電解部15と、この電解部15で生成された電解水が導入される水受け部18と、この水受け部18の電解水に下部が浸る電解水吸い上げ要素部17B間に水平方向の空気通路17Aを形成した除菌エレメント17と、空気通路17Aを通過する強制風を発生させる送風機20がハウジング11に備えられた構成である。
【0063】
除菌ユニット10は、除菌ユニット10への給水のし易さを考慮して、貯水タンク20が前面から除菌ユニット10内に着脱できる構成である。また、除菌ユニット10内へ進入する空気中の塵埃を除去して、除菌エレメント17の空気通路17A等が塵埃で塞がらないようにして、除菌ユニット10の長時間稼動を良好に保つためには、空気吸い込み口に吸い込みフィルタを設ければよい。この場合、吸い込みフィルタは、前面から除菌ユニット10内に着脱できる構成でなくてもよいが、実施例では、除菌ユニット10への給水のし易さと吸い込みフィルタ21の清掃や交換のし易さ等を考慮して、貯水タンク20と吸い込みフィルタ21が、除菌ユニット10の前面から除菌ユニット10内に着脱できる構成を採用している。以下、その具体的な構成について説明する。
【0064】
除菌ユニット10は、機体となるハウジング11(又はユニットケース11ともいう)を備え、そのハウジング11は、周囲壁11Cで囲まれた上面開口のハウジング本体11Aと、ハウジング本体11Aの上面開口を塞ぐようにハウジング本体11Aに組み合わされる蓋11Bとで構成している。ハウジング11は、全体的に所定の厚さを有する平べったい形状、即ち扁平形状であり、ハウジング本体11Aには、左右一方側(図では前方に向かって左方側)に貯水タンク12を載置するタンク室13が形成され、タンク室13の下部には貯水タンク12の水を受け入れる上面開口の貯水部13Aが設けられ、中央部に次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極ユニット14Yを配置する電解室15(電解部)と、電解室15に電解水通路16Aで連通して除菌エレメント17を配置する水受け部18と、送風機20を配置する送風室19が形成され、左右他方側(図では前方に向かって右方側)に吸い込みフィルタ21を水平状態に配置するフィルタ室22が形成されている。また、周囲壁11Cの前面壁には、タンク室13に対応してタンク挿入口23が形成され、除菌エレメント17に対応して送風出口24が形成され、吸い込みフィルタ21に対応してフィルタ挿入口25が形成されている。また、周囲壁11Cの側壁には、フィルタ室22の側面に対応して空気吸い込み口26が形成されている。空気吸い込み口26を上面の蓋11Bに形成すれば、もしこの蓋11Bの上に何らかの物が置かれたとき、この蓋11Bの空気吸い込み口26が塞がれる虞があるが、空気吸い込み口26がフィルタ室22の側面であるため、その虞はない。
【0065】
水漏れ防止構造や、電極ユニット14Yの修理点検や、除菌ユニット10の清掃・交換や、水回り部分(水に接触する部分)の清掃を含むメンテナンスのし易さ等を考慮して、除菌ユニット10の一部を構成するカセット11Kが、除菌ユニット10のカセット収納部としてハウジング本体11Aに形成したカセット収納部10Aに着脱自在に設けられている。カセット11Kは、上面開口の合成樹脂製のカセット本体11K1と、この上面開口を塞ぐようにカセット本体11K1に着脱自在に取り付けられる合成樹脂製の蓋11K2とで構成される。カセット本体11K1は、貯水タンク12の水を受け入れる上面開口の貯水部13Aと、電極ユニット14Yを配置する電解室15と、除菌エレメント17を配置する水受け部18と、電解水を除菌エレメント17に供給する電解水通路16Aと、貯水タンク12の水を電解室15に供給する通水路16Bと、送風機20の送風を除菌エレメント17に導く送風路29とを一体に形成している。カセット本体11K1とその蓋11K2とは、蓋11K2の弾性爪がカセット本体11K1の係止部に係合する構成でもよく、またカセット本体11K1と蓋11K2とが、ネジによって結合される構成でもよい。
【0066】
カセット本体11K1と蓋11K2とが結合された状態で、除菌エレメント17の上面は蓋11K2に当接し、除菌エレメント17の前面がカセット本体11K1の前面に形成した前面開口11K4に臨む状態となる。貯水タンク12から供給される水を受ける水回り(水に接触する部分)すべてがカセット11Kに形成されるため、カセット本体11K1が水溜めとならず、カセット11Kを取り外すことによって、貯水タンク12の下流側の水回り部分(水に接触する部分)すべてが清掃でき、また、カセット11Kと一緒に取り出される電極ユニット14Yの修理点検や、除菌ユニット10の清掃・交換が容易となる。
【0067】
カセット11Kは、上面開口のカセット本体11K1と蓋11K2との間に、電極ユニット14Yと除菌エレメント17を配置した状態で、蓋11K2に設けた取っ手部11K3を持って除菌ユニット10の上面からカセット収納部10Aに取り付けと取り外しができる組み合わせである。このため、カセット11Kは、蓋11Bの窓11B1を通してハウジング本体11A内に着脱自在に挿入されて、カセット本体11K1内のカセット収納部10Aにセットされる。このセット状態で、貯水部13Aがタンク室13の底部に形成した凹部13Bに収納配置され、カセット本体11K1の前面開口11K4が送風出口24に連通状態となって除菌エレメント17が送風出口24に対応配置される。そして、タンク挿入口23からタンク室13に貯水タンク12を挿入可能となる。
【0068】
貯水タンク12は、上面開口のタンク本体121と、タンク本体121に溶着されてこのタンク本体121を水密状態に完全に塞ぐ蓋122で構成し、タンク室13に挿入される先端寄りの底部に形成した給水口123に、常時閉じる方向へバネ付勢された開閉バルブ27を備えている。この開閉バルブ27は、このバネとバルブとこれらを取り付ける複数の部品で構成され、給水口123に組み付けられる。タンク本体121と蓋122とは、蓋122の弾性爪がタンク本体121の係止部に係合する構成でもよく、またタンク本体121と蓋122とが、ネジによって結合される構成でもよい。
【0069】
貯水部13Aは、その底から上方へ突出する突起28を備え、注水口から上水道水が注入された貯水タンク12がタンク室13の所定位置に挿入されたとき、突起28によって開閉バルブ27を押し上げて開き、貯水タンク12の水が貯水部13Aに入り、一定水位に保たれる。この一定水位は、密閉された貯水タンク12の水圧と貯水部13Aの水面に掛かる空気圧とのバランスによって保たれる。貯水タンク12は、タンク室13に挿入された状態で周囲壁11Cの高さ内に収まる低い高さ(薄い厚さ)を有した扁平状の直方形状をなし、タンク室13の所定位置に挿入された状態で、前端部がタンク挿入口23から前方へ突出した形状である。この突出した前端部が摘み取っ手部12Aを形成している。取っ手部12Aの前面には、装飾板12A1が取り付けられている。
【0070】
貯水タンク12がタンク室13の所定位置に挿入されたとき、貯水タンク12の側壁で押しされて外方へ移動するようにバネ付勢された作動レバー39によって作動する貯水スイッチ38をハウジング本体11Aに設けている。貯水タンク12がタンク室13の所定位置に挿入されて貯水スイッチ38が作動する(例えば、ONする)ことによって、制御部50が作動して除菌ユニット10が作動可能状態(例えば、送風機20と電極ユニット14Yへの通電可能状態)となり、貯水タンク12がタンク室13から引き出されて貯水スイッチ38が作動する(例えば、OFFする)ことによって、除菌ユニット10が作動停止状態(例えば、送風機20と電極ユニット14Yへの通電停止状態)となる。
【0071】
電極ユニット14Yは、電極ハウジング14Aに電解用電極14と水位検知電極141が支持されて、電解室15の側壁に支持される。具体的には、左右両側の合成樹脂製電極ハウジング部材14A1と14A2の間に、中間の合成樹脂製電極ハウジング部材14A3を介して、プラス(+)とマイナス(−)の一対の電解用電極14と、この電解用電極14の一方の電極と対をなして電解室15の水位検知電極141が、それぞれ電気的に分離した状態に保持されている。また、電極ユニット14Yは、電解用電極14と水位検知電極141へ給電するためのリード線が接続されるコネクタ142を備え、このコネクタ142は、合成樹脂製部材14A1の取り付け孔143に保持された構成である。電解室15の水位は、水位検知電極141が電解用電極14の一方の電極とプラス(+)とマイナス(−)の対をなすことによって電解室15の水位を検出し、制御部50によって、電解室15の水位が所定水位よりも低下したときは、後述の給水用LED40Kを点灯して、貯水タンク12が空になったことを報知する仕組みである。
【0072】
カセット11Kは、蓋11Bの窓11B1を通してハウジング本体11A内に挿入されてセットされることによって、電極ユニット14Y側のコネクタ142の下端部がハウジング本体11Aに設けたコネクタ142Aに接続され、また、カセット11Kをハウジング本体11Aから取り外すことによって、コネクタ142がハウジング本体11Aに設けたコネクタ142Aから外れる関係である。
【0073】
ハウジング本体11Aと蓋11Bとで構成したハウジング11と、カセット本体11K1と蓋11K2とで構成したカセット11Kは、合成樹脂製である。ハウジング本体11Aには、送風室19の後方に区画壁で区画された室内に制御部50の回路素子を含む電気回路基板37が水平状態に収納されている。電気回路基板37は、電極ユニット14Yと送風機20と貯水スイッチ38に電気的に接続されている。
【0074】
吸い込みフィルタ21は、貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1が設置される場所が、多くはキッチンであることを考慮して、空気中の塵埃の細くはもちろんのこと、空気中の油成分を積極的に付着する機能を備えたものである。吸い込みフィルタ21は、フィルタ挿入口25から水平状態でフィルタ室22の所定位置に挿入され、周囲壁11Cの高さの中間位置に支持されて、フィルタ室22の底面から浮いた状態に保たれ、フィルタ挿入口25から前方へ突出した形状である。吸い込みフィルタ21は、合成樹脂製のフィルタホルダ21Hの格子部21H1に、シート状のフィルタエレメント21Eを格子状押え板21H2で保持する構成である。吸い込みフィルタ21がフィルタ挿入口25から水平状態でフィルタ室22の所定位置に収納された状態で、フィルタ21の前部となるフィルタホルダ21Hの前端部が、フィルタ挿入口25から前方へ突出した形状である。この突出した前端部が摘み取っ手部21Aを形成している。取っ手部21Aの前面には、装飾板21A1が取り付けられている。空気吸い込み口26は、その外面が細い間隔の桟の間を空気吸い込み通路とする吸い込みカバー26Aで覆われている。
【0075】
吸い込みフィルタ21が挿入された水平状態において、送風機20の運転によって発生する強制風は、空気吸い込み口26から冷凍冷蔵庫1周辺の空気が吸い込まれ、この空気が、図14に矢印Wで示すように、吸い込みフィルタ21の上面から下面へ通過し、フィルタ室22の後部から送風室19へ流入して送風機20へ吸い込まれる。送風機20は、下面中央部に空気入口を備え側面の一部に強制風出口20Pを備えたファンケース20K内に電動機で回転する遠心ファンが収納された構成であり、この遠心ファンとしてシロッコファンを採用している。送風機20の強制風出口20Pから送出する強制風は、強制風出口20Pと連通状態に形成した送風室19の前壁とカセット本体11K1の後壁に形成した開口29Aから流出して、送風機20の前方に位置する除菌エレメント17へ向けて左右に広がった送風路29を通り、除菌エレメント17へ向けて送出され、除菌エレメント17の空気通路17Aを通過し、前面の送風出口24から前方へ送出される仕組みである。送風機20の高さは周囲壁11Cの高さ内に収まる高さである。
【0076】
送風機20は、運転中の振動による騒音抑制のために、そのファンケース20K全体が複数の防振ゴム20Gによって支持された構成である。具体的には、送風機20のファンケース20Kの下面は、ハウジング本体11Aの底壁に支持した防振ゴム20Gに載置され、送風機20のファンケース20Kの上面は、ハウジング本体11Aの蓋11Bに支持した防振ゴム20Gによって押えられ、送風機20の側面は、送風機20のファンケース20Kから外方へ突出した突起部201が、その両側に配置した防振ゴム20Gによって挟まれた支持状態である。これによって、送風機20は、除菌ユニット10内ではネジによる固定ではなく、周囲が防振ゴム20Gによって支持された状態であるため、運転中の振動は、この防振ゴム20Gによって減衰されて周囲に伝わり難い状態となる。
【0077】
除菌エレメント17は、吸い上げ要素部17B間に複数の並行した水平方向の空気通路17Aを形成する構成の横長直方形状であり、除菌エレメント17の下部が水受け部18の電解水に浸るようにカセット本体11K1内に配置された状態で、水平方向の空気通路17Aは前後方向に向いている。このため、除菌エレメント17は、吸い上げ要素部17Bが水受け部18の電解水を毛細管作用によって吸い上げ、送風機20で発生する強制風が、カセット本体11K1の後壁に形成した開口29Aから流入して、送風路29を通って除菌エレメント17の空気通路17Aを通過する際に、除菌エレメント17で吸い上げた電解水に触れて除菌され、この除菌された空気が送風出口24から前方へ送出される仕組みである。除菌エレメント17の高さは周囲壁11Cの高さ内に収まる高さである。
【0078】
送風機20からの強制風が効果的に除菌エレメント17を通過するために、水受け部18の前後壁の高さは低く、除菌エレメント17の前後面及び側面が、水受け部18の前後壁及び側壁に当接している。水受け部18の側壁は、除菌エレメント17の高さよりも高いため、除菌エレメント17が当接していても、吸い上げ要素部17Bに吸い上げられた電解水がこの側壁から零れることはない。吸い上げ要素部17Bの前後面が水受け部18の前後壁に当接している場合は、吸い上げ要素部17Bに吸い上げられた電解水が、この水受け部18の前後壁をオーバーフローして、後方の送風路29へ流入し、また前方の送風出口24から零れる虞がある。これを防止するために、水受け部18の前壁の上面がカセット本体11K1の前面開口11K4の底壁に相当するため、この前壁の上面は、送風出口24側が高く水受け部18に向けて低くなる傾斜面17Pとしている。また、水受け部18の後壁の上面に相当する送風路29は、後方が高く水受け部18に向けて低くなる傾斜面としている。
【0079】
タンク室13の貯水部13Aに溜まった上水道水が、貯水部13Aの側壁の通水路16Bから電解室15へ供給される。電解室15には、プラス(+)とマイナス(−)の一対の電解用電極14と、この電解用電極14の一方の電極と対をなす水位検知電極141を配置しており、この電解用電極14への通電によって電解室15の水が電気分解されて、次亜塩素酸を含有する電解水を生成する。この電解水は、細い電解水通路16Aから水受け部18へ供給され、除菌エレメント17で毛細管作用によって吸い上げられる。電極14と141は、上記のように電極ハウジング14Aに支持されて電解室15に側壁に支持される。貯水タンク12の水は、開閉バルブ27から貯水部13Aへ入り、通水路16Bを通って電解室15へ入り、電解室15から通水路16Aを通って水受け部18へ供給されるが、その間に、これらの水が空気に触れて蒸発する量が少ないことが、貯水タンク12の水を有効利用できることとなる。このため、貯水部13A、電解室15及び水受け部18の水が空気に触れる表面積はなるだけ小さくしてある。
【0080】
上記のように、貯水タンク12、電極14、除菌エレメント17、送風機20、及び吸い込みフィルタ21が、周囲壁11Cの高さ内に収まるように、ハウジング本体11Aに組み込まれた状態で、平板状の蓋11Bがハウジング本体11Aに組み合わされて、ネジ等によって両者が結合され、これらがハウジング本体11A内に収まった状態である。カセット11Kは、蓋11K2に設けた取っ手部11K3を掴んで、カセット11Kの出し入れ用窓11B1を通してハウジング本体11A内に挿入されて、カセット本体11K1内のカセット収納部10Aにセットされる。このセット状態で、貯水部13Aがタンク室13の底部に形成した凹部13Bに収納配置され、除菌エレメント17が送風出口24に対応配置され、タンク挿入口23からタンク室13に貯水タンク12を挿入可能となる。また、このセット状態で、窓11B1に略いっぱいにカセット11Kの上部、即ち蓋11K2が嵌り合うため、この窓11B1から送風機20の送風が漏れる虞は殆んどない。
【0081】
このように、除菌ユニット10は、貯水タンク載置部であるタンク室13と、電解室15と、水受け部18の除菌エレメント17と、送風室19の送風機20と、フィルタ室22の吸い込みフィルタ21が平面的配置でもってハウジング11内に設けられ、貯水タンク12がハウジング11の前面のタンク挿入口23から着脱自在に挿入され、吸い込みフィルタ21がハウジング11の前面のフィルタ挿入口23から着脱自在に挿入され、除菌エレメント17の空気通路17Aを通過する強制風が前方へ吹き出す送風出口24を前面に備え、除菌ユニット10の上面には、除菌エレメント17と電極ユニットを収納したカセット11Kの出し入れ用窓11B1が形成されている。
【0082】
除菌ユニット10は、単独でキッチン等の適当な場所へ設置して使用できるが、キッチンでは、一般的には、1800mm程度に背の高い冷凍冷蔵庫本体2の上面が利用されずにそのままである場合が多いため、この冷凍冷蔵庫本体2の上面を有効利用すれが好ましい。以下、その場合の構成について説明する。
【0083】
実施例では、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21を前面側から挿入と取り出しが自在に構成している。冷凍冷蔵庫本体2の上面は略平坦であり、貯水タンク12の突出前端の取っ手部12Aと、吸い込みフィルタ21の突出前端の取っ手部21Aと、送風出口24とが前面に向く状態で、冷凍冷蔵庫本体2の上面に除菌ユニット10を取り付ける。冷凍冷蔵庫本体2の上面前部には、前記除菌ユニットの前面化粧パネルとして、略冷凍冷蔵庫本体2の横幅に渡る長さに化粧パネル30が設けられる。
【0084】
除菌ユニット10と化粧パネル30は一体化される構成として、一体化された状態でもって、冷凍冷蔵庫本体2の上面に取り付けられる構成でもよいが、実施例では、除菌ユニット10と化粧パネル30は別体構成とし、除菌ユニット10と化粧パネル30のそれぞれが、冷凍冷蔵庫本体2の上面に取り付けられる構成としている。このため、除菌ユニット10は、化粧パネル30の後面側に配置される。化粧パネル30には、前方に開口した送風出口31と、貯水タンク21の挿入部33Aと、吸い込みフィルタ21の挿入部32Aを形成している。送風出口31は、後端部が略送風出口24に連通し前端部に向けて左右側壁が後方から前方へ曲線又は直線で広がった形状をしており、除菌ユニット10の送風出口24が化粧パネル30の送風出口31の後端部に連通状態に取り付けられる。貯水タンク21の挿入部33Aと吸い込みフィルタ21の挿入部32Aは、送風出口31と仕切り壁で区画された状態でもよいが、実施例のものは、この送風出口31の左右の一方側(図示のものでは正面視で右側)が貯水タンク21の挿入部33Aを形成し、この送風出口31の左右の他方側(図示のものでは正面視で左側)が吸い込みフィルタ21の挿入部32Aを形成している。そして、後述のように、貯水タンク21の取っ手と吸い込みフィルタ21の取っ手が、送風出口31の左右側壁を構成したものである。
【0085】
化粧パネル30の上壁に相当する送風出口31の上壁は、貯水タンク21と吸い込みフィルタ21の挿入と取り出し時に上方へ回動可能な送風出口扉30Bを構成している。具体的構成として、化粧パネル30は冷凍冷蔵庫本体2の上面にネジ止めにて取り付けられる基板30Aと、この基板30Aの上方に位置して基板30Aの上面との間に送風出口31を形成するように基板30Aに回動可能に組み合わせた送風出口扉30Bとを備えている。基板30Aは化粧パネル30の下壁を構成する。送風出口31は、上壁である送風出口扉30Bと下壁である基板30Aとの間に左右に長い形状で形成される。また、化粧パネル30は、冷凍冷蔵庫本体2の横幅に渡る長さとすることによって、正面視での冷凍冷蔵庫1とのデザイン統一を図っている。このため、化粧パネル30の左右部分が、冷凍冷蔵庫本体2の上面にネジ固定されたヒンジ装置HJの取り付け基板部HJPを覆うようになる。図示の冷凍冷蔵庫1の前面扉は左右の扉7A、7Bであり、冷凍冷蔵庫本体2に対する扉7A、7Bの位置調整は、ネジを緩めて上部ヒンジ装置HJの取り付け位置を調整して行なうため、化粧パネル30の左右部分は、取り外し可能なカバー30C、30Cで構成される。カバー30C、30Cは、送風出口扉30Bの左右両側に配置されて基板30Aの上側に取り付けられている。
【0086】
図7、図10〜図17に示すように、化粧パネル30は、冷凍冷蔵庫本体2の上面に固定された状態で、冷凍冷蔵庫1の前面扉の上面を覆うように、冷凍冷蔵庫1の前面扉の前面形状と略面一状態にまで前方へ庇状に張り出している。図示の冷凍冷蔵庫1の前面扉は左右の扉7A、7Bであり、その前面は左右の扉7A、7Bに渡って連続する凸曲面形状をなしており、化粧パネル30の前端形状もこの凸曲面に沿う形状をなして、左右の扉7A、7Bの上面を覆うように冷凍冷蔵庫本体2から前方へ張り出している。このため、基板30Aが冷凍冷蔵庫1の前面扉の前面形状と略面一状態にまで前方へ庇状に張り出している。
【0087】
基板30Aは左右両側に、冷凍冷蔵庫本体2の上面左右部に配置したヒンジ装置HJを覆うヒンジ対応部30A2を形成した下板30A1と、左右のヒンジ対応部30A2間に取り付けられて送風出口31の下側面を形成する上板30A3で構成している。また、送風出口扉30Bは、送風出口31の上面を形成する下板30B1と、下板30B1を覆う上板30B2で構成しており、上板30B2の左右後端に突出形成した回動支持部30B21が、基板30Aの下板30A1に形成した回動支持部30A11に軸支持されることによって、図6、図7、図13、及び図15に示すように、送風出口扉30Bが基板30Aに対して略水平な閉じた状態と、図10〜図12、図14、及び図16に示すように、送風出口扉30Bが基板30Aに対して上方に開いた状態に回動可能となる。
【0088】
除菌ユニット10の送風出口24から送出する浄化された空気が左右に広く送出されるようにするために、化粧パネル30の送風出口31は、後端部が送風出口24に連通し、その左右側壁が後方から前方へ向けて広がった形状をなしている。この送風出口31の左右側壁は、吸い込みフィルタ21の突出前端の摘み取っ手部21Aと、貯水タンク20の前部の摘み取っ手部12Aとで形成され、そのために、貯水タンク20と吸い込みフィルタ21が正規の位置へ収納した状態で、これらの取っ手部21Aと取っ手部12Aは、化粧パネル30内に収まった状態で、これらの取っ手部21Aと取っ手部12Aの送風出口31側の面は、図示のように、後方から前方へ向けて流線型等に傾斜する形状となっている。このように、送風出口31の左右側壁を吸い込みフィルタ21の突出前端の摘み取っ手部21Aと、貯水タンク20の前部の摘み取っ手部12Aとで形成する構成は、実施例1の冷凍冷蔵庫1においても同様に構成できる。
【0089】
送風出口扉30Bの下板30B1の左右両側部には、上方へ窪むストッパ部30B11を形成している。送風出口扉30Bが基板30Aに対して略水平な閉じた状態において、基板30Aと送風出口扉30Bとの間に送風出口31の通路が形成されると共に、ストッパ部30B11に貯水タンク12の取っ手部12Aの先端上部と、吸い込みフィルタ21の取っ手部21Aの先端上部がそれぞれ当接するため、送風出口扉30Bによって、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21が振動等によって前方へ移動し脱落することが防止されると共に、送風出口31の左右側壁がそれぞれ取っ手部12Aと取っ手部21Aによって形成される。このため、ストッパ部30B11は、それぞれ取っ手部12Aと取っ手部21Aの形状に対応した形状に形成されている。
【0090】
このような構成であるため、ストッパ部30B11から取っ手部12Aと取っ手部21Aが外れる状態にまで送風出口扉30Bを開いた状態で、それぞれ取っ手部12Aと取っ手部21A持って、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21の出し入れが前面から可能となる。この場合、冷凍冷蔵庫1の前面扉の上面を覆うように、基板30Aが冷凍冷蔵庫1の前面扉の前面形状と略面一状態にまで前方へ庇状に張り出しているため、送風出口31の下壁を形成する基板30Aの上面を案内面として、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21の出し入れができることとなり、この出し入れがし易くなる。そして、この出し入れに伴って冷凍冷蔵庫1の前面扉の上面を貯水タンク12と吸い込みフィルタ21が擦って傷をつけることもなく、好ましいものとなる。
【0091】
送風出口扉30Bが開いた状態において、除菌エレメント17の前面側を塞ぐ防護作用部30B3が、送風出口扉30Bの中央部に後方へ延びた状態で形成されている。防護作用部30B3は、下板30B1と上板30B2の中央部にそれぞれ後方へ延びた防護作用部30B31と30B32によって構成される。図9乃至図11、及び図13に示すように、貯水タンク12と吸い込みフィルタ21を前方へ引き出し可能状態となるように、送風出口扉30Bを開くことによって、即ち、図では送風出口扉30Bを略45度又はそれ以上開いた状態で、この防護作用部30B3が送風出口24の前方で送風出口31の奥側を塞ぐように回動するため、前方から送風出口31へ手先を差し入れたとき、その手先が水で濡れた除菌エレメント17に触れることが阻止される。
【0092】
これによって、除菌エレメント17に手先を触れることによる除菌エレメント17の損傷防止ができ、また、電極ユニット14Yの電解用電極14と水位検知電極141に通電されているため、水で濡れた除菌エレメント17に触れることによる万一の感電事故も防止できるものとなる。
【0093】
基板30Aの下板30A1の左右両側には、ヒンジ装置HJを覆うヒンジ対応部30A2を形成しているが、ヒンジ対応部30A2は、ヒンジ装置HJを冷凍冷蔵庫本体2の上面に固定するネジHJ1が露出する孔30A21を形成してヒンジ装置HJの取り付け基板部HJPを覆う形状である。カバー30C、30Cは、基板30Aの下板30A1の左右両側に形成したヒンジ対応部30A2を覆うように、下板30A1に螺合するネジ30C1と、下板30A1の係止部に弾性係合する係合爪によって着脱自在に取り付けられる。このため、カバー30C、30Cは、ネジ30C1を緩め係合爪を係止部から外すことによって取り外され、この状態で、ヒンジ取り付けネジHJ1を緩めてヒンジ装置HJの固定位置を調整することによって、扉7A、7Bの取り付け位置が調整できる。
【0094】
上記のように化粧パネル30を設けることによって、ヒンジ装置HJのカバーも含めた除菌ユニット10の前面側の装飾効果が得られる。また、各種の貯蔵庫1に適用できる大きさの小型の除菌ユニット10を用意しておき、貯蔵庫1の種類ごとに貯蔵庫1の左右幅に合わせた化粧パネル30を容易すれば、貯蔵庫1の種類ごとに除菌ユニット10を製造する必要がなく、化粧パネル30の交換のみで各種の貯蔵庫1に適用できることとなり、除菌ユニット10のコストも抑えることができるものとなる。
【0095】
除菌ユニット10の制御部50は、電気回路基板37の他に、除菌ユニット10の運転制御スイッチとそれによって作動する制御回路46と、更にこの作動状態を表示する表示部40を備えている。この運転制御スイッチは、除菌ユニット10の作動状態を制御する作動制御切替スイッチ35と、除菌ユニット10の電源スイッチ43と、リセットスイッチ44を備えており、制御回路46はカバー30C、30Cの一方の中に収納されている。また、表示部40は、給水用LED40Kと、除菌エレメント17の交換を促す表示用LED40Eと、吸い込みフィルタ21の交換を促す表示用LED40Fと、自動運転の表示用LED40Gと、弱運転状態の表示用LED40Hを備えている。電源スイッチ43は、正面視で右側のカバー30Cの前面から操作可能にカバー30Cに配置され、表示部40は、正面視で右側のカバー30Cの前面から目視可能に配置されている。
【0096】
表示部40は、図8に示すように、給水用LED40Kに対応して「給水」の文字を記し、除菌エレメント17の交換を促す表示用LED40Eに対応して「エレメント」の文字を記し、吸い込みフィルタ21の交換を促す表示用LED40Fに対応して「フィルタ」の文字を記し、自動運転の表示用LED40Gに対応して「自動」の文字を記し、弱運転状態の表示用LED40Hに対応して「強制(1H)」の文字を記している。また、電源スイッチ43に対応して「モード/電源」の文字を記している。また、図9に示すように、作動制御切替スイッチ35に対応して「切替SW」の文字を記し、リセットスイッチ44に対応して「リセットSW」の文字を記している。
【0097】
また化粧パネル30は、上記のように冷凍冷蔵庫本体2の上面に固定された状態では、冷凍冷蔵庫1の前面扉の上面に近接してこの前面扉の上面を覆うように、庇状に張り出している。また、外観デザインを考慮して、化粧パネル30の庇状部分の張り出し長さは、冷凍冷蔵庫1の前面扉の前面形状と略面一状態に庇状に張り出した形状をなしており、作動制御切替スイッチ35とリセットスイッチ44は、この庇状に張り出した部分に対応配置されるように、正面視で右側の閉じた扉7Bの上面に対応して、正面視で右側の基板30Aの下板30A1の孔又は切り欠きを通して下側から操作可能にカバー30C内に配置されている。このため、特定スイッチである作動制御切替スイッチ35とリセットスイッチ44は、扉7Bが閉じた状態では操作不可能であり、扉7Bを開いた状態で下方から上方に向けて操作可能となる。これによって、特定スイッチである作動制御切替スイッチ35とリセットスイッチ44の操作の安定化を図っている。このような化粧パネル30の庇状張り出し構成と特定スイッチの配置は、実施例1の冷凍冷蔵庫1においても同様に採用できる。また、電源スイッチ43のON状態は、電源スイッチ43の押し圧ボタンをその中に収納したLEDで照明することにより、電源ONが分かる構成である。
【0098】
右側のカバー30C内には、前後のホルダ45A、45Bによって支持された制御回路46を裏側に備えた回路基板46Aが支持され、この回路基板46Aに、給水用LED40Kと、除菌エレメント17の交換を促す表示用LED40Eと、吸い込みフィルタ21の交換を促す表示用LED40Fと、自動運転の表示用LED40Gと、強運転状態の表示用LED40Hと、電源スイッチ43と、作動制御切替スイッチ35と、リセットスイッチ44が取り付けられている。
【0099】
回路基板46Aと電気回路基板37や冷凍冷蔵庫1側の電気回路との接続は、除菌ユニット10側のコネクタである電気回路基板37に接続したコネクタ47Aに、回路基板46A側のコネクタ47Bと、冷凍冷蔵庫1側のコネクタ47Cを結合することによって行なわれている。このため、冷凍冷蔵庫本体2に除菌ユニット10を着脱する場合や、ヒンジ装置HJの調整のために右側のカバー30Cを取り外す場合等では、これらのコネクタの結合を着脱操作することにより、作業がし易くなる。結合したコネクタ47A、47B、47Cは、右側のカバー30C内に収納することによって、外部に露出せず塵埃が付着し難く、また見栄えもよい。
【0100】
除菌ユニット10が使用される地域によって、上水道水等に含まれる遊離塩素濃度が異なるため、除菌ユニット10の運転時間が一定であると、遊離塩素濃度が高い場合は、除菌ユニット10から送出される塩素臭が気になり、不快感を受ける場合がある。このため、遊離塩素濃度が高い場合と低い場合には、除菌ユニット10の運転時間を可変できるようにし、遊離塩素濃度が高い場合は除菌ユニット10の運転時間を短くし、遊離塩素濃度が低い場合は除菌ユニット10の運転時間を長くするように、スイッチ35で除菌ユニット10の運転時間、即ち送風機20の運転時間、又は電極14と送風機20の通電時間を制御するようにしている。
【0101】
遊離塩素濃度が高い場合と低い場合には、除菌ユニット10の運転時間を可変できるようにし、遊離塩素濃度が高い場合は除菌ユニット10の運転時間を短くし、遊離塩素濃度が低い場合は除菌ユニット10の運転時間を長くするように、作動制御切替スイッチ35で除菌ユニット10の運転時間、即ち送風機20の運転時間、又は電極14と送風機20の運転時間を可変するようにしている。
【0102】
作動制御切替スイッチ35は、強、中、弱の運転状態に切り替える切り替えスイッチ構成である。電源スイッチ43をONした状態で、遊離塩素濃度が低い場合(この場合が標準的な状態とする)は、作動制御切替スイッチ35を強(自動)位置に切り替えることにより、強運転(自動運転)状態となって表示用LED40Gが点灯する。
【0103】
冷凍冷蔵庫1の出荷時は、作動制御切替スイッチ35を標準運転状態である自動運転モードとなる強運転位置に設定している。この設定において電源スイッチ43をONした状態で、制御部50のタイマによって、所定時間(例えば、30分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断ち、再び所定時間(例えば、30分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断つという関係を繰り返す動作を行う。このような除菌ユニット10の作動を所定時間に制限することができる。例えば、電極14と送風機20への通電の積算時間が3時間になれば、この繰り返す動作を停止するように制御してもよい。これによって、除菌された空気が貯蔵庫1、即ち冷凍冷蔵庫1が設置された領域(室)を循環して、この領域(室)の空気を浄化する。除菌ユニット10の運転を停止する場合は、電源スイッチ43をOFFさせればよい。
【0104】
遊離塩素濃度が高い場合は、電源スイッチ43をONした状態で作動制御切替スイッチ35を弱運転に切り替えることにより、弱運転状態となって表示用LED40Hが点灯する。この弱運転が制御部50のタイマによって所定時間(例えば、1時間)経過したとき、標準運転の強運転に自動的に切り替わる。この切り替わりによって、LED40Hが消灯しLED40Gが点灯する。また、作動制御切替スイッチ35を弱運転にセットした状態において、制御部50のタイマによって、所定時間(例えば、10分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断ち、再び所定時間(例えば、10分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断つという関係を繰り返す動作を行い、電極14と送風機20へ通電積算時間が所定時間(例えば、1時間)に達したとき、標準運転の強運転に自動的に切り替わるようにしてもよい。除菌ユニット10の運転を停止する場合は、電源スイッチ43をOFFさせればよい。
【0105】
また、遊離塩素濃度が中濃度の場合は、電源スイッチ43をONした状態で、作動制御切替スイッチ35を中運転に切り替えることにより、中運転状態となって表示用LED40Hが点灯する。この中運転が制御部50のタイマによって所定時間(例えば1時間)経過したとき、標準運転の強運転に自動的に切り替わる。この切り替わりによって、LED40Hが消灯しLED40Gが点灯する。また、作動制御切替スイッチ35を中運転にセットした状態において、制御部50のタイマによって、所定時間(例えば、20分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断ち、再び所定時間(例えば、20分)電極14と送風機20へ通電し、所定時間(例えば、4時間)電極14と送風機20への通電を断つという関係を繰り返す動作を行い、電極14と送風機20へ通電積算時間が所定時間(例えば、1時間)に達したとき、標準運転の強運転に自動的に切り替わるようにしてもよい。除菌ユニット10の運転を停止する場合は、電源スイッチ43をOFFさせればよい。
【0106】
電源スイッチ43の操作によっても、上記のような弱運転と強運転(自動運転モード)に切り替えできるように構成している。即ち、電源スイッチ43はプッシュ式スイッチ構成としており、最初のプッシュONで電源がONして強運転モード(自動運転モード)となり、LED40Gと電源スイッチ43のLEDが点灯する。そして、2回目のONによって強運転モード(自動運転モード)から弱運転モードに切り替わり、LED40Gが消灯してLED40Hが点灯する。そして、3回目のONによって弱運転モードを終了すると共に電源OFFとなり、LED40Hと電源スイッチ43のLEDが消灯する。
【0107】
なお、密閉した6畳の室において、送風機20の運転時間が略3時間でもって、この密閉した6畳の室の空気が全量循環することができるような送風機20の容量とすれば、この6畳の室の除菌効果は略99%達成できるものが構成でき、通常使用可能な小型化の除菌ユニット10として適用可能である。
【0108】
また、除菌ユニット10に人が近づいたことを検知するスイッチを設け、このようなスイッチによって、除菌ユニット10が作動し(電極14と送風機20へ通電され)、上記のような強運転の標準動作モードとなるようにすることもできる。
【0109】
また、除菌ユニット10の制御部50に24時間タイマを設け、この24時間タイマによって、例えば夜中などに、上記のような強運転の標準動作モードでもって、所定時間、除菌ユニット10が作動(電極14と送風機20へ通電が間歇的に行われる制御)するようにして、朝にはキッチン等の領域(室)の空気の除菌が終わっているようにすることもできる。
【0110】
上記において、貯水タンク12がタンク室13の所定位置に挿入されて貯水スイッチ38がONすることによって、LED40Kが点灯すると共に、制御部50が作動して除菌ユニット10が作動可能状態となり、電源スイッチ43をONすることによって、送風機20と電極ユニット14Yが通電状態となる。給水等のために貯水タンク12がタンク室13から引き出されると、貯水スイッチ38がOFFしてLED40Kが点灯すると共に、制御部50が作動して送風機20と電極ユニット14Yへの通電を停止する。そして、再び貯水タンク12を所定位置に挿入して貯水スイッチ38がONすることによって、上記同様に除菌ユニット10が作動可能状態となる。なお、貯水タンク12を引き出して貯水スイッチ38がOFFしたとき、制御部50の作動によって電源供給がOFFするようにし、再び貯水タンク12を所定位置に挿入して貯水スイッチ38がONしたとき、電源スイッチ43をONすることによって、送風機20と電極ユニット14Yが通電状態となるように構成してもよい。
【0111】
また上記において、電源スイッチ43をONしたとき、LED40Eと40Fが点灯するため、リセットスイッチ44をONすることによって、これらを消灯できる。
【0112】
除菌ユニット10は、除菌エレメント17の交換時期を表示するようにしている。即ち、除菌ユニット10を最初に作動させるために電源スイッチ43がONしてから、一定期間(例えば、1年6ヶ月)になったとき、又は除菌ユニット10を最初に作動させるために電源スイッチ43がONしてから、除菌ユニット10の作動時間の積算時間が一定期間(例えば、1年6ヶ月)になったとき、除菌エレメント17の交換時期が到来したことを報知するために、制御部50の作動によってLED40Eを点灯させる。除菌エレメント17を交換した状態で、リセットスイッチ44をONすることによって、LED40Eを消灯できる。
【0113】
また、除菌ユニット10は、吸い込みフィルタ21の交換時期を表示するようにしている。即ち、除菌ユニット10を最初に作動させるために電源スイッチ43がONしてから、一定期間(例えば、1ヶ月)になったとき、又は除菌ユニット10を最初に作動させるために電源スイッチ43がONしてから、除菌ユニット10の作動時間の積算時間が一定期間(例えば、1ヶ月の時間)になったとき、吸い込みフィルタ21の交換時期が到来したことを報知するために、制御部50の作動によってLED40Fを点灯させる。吸い込みフィルタ21を交換した状態で、リセットスイッチ44をONすることによって、LED40Fを消灯できる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明の除菌ユニット及びそれに係る構成は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術的範囲を逸脱しない限り種々の形態に適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明に係る除菌ユニットを載置した冷凍冷蔵庫の斜視図である。(実施例1)
【図2】本発明に係る除菌ユニットの正面斜視図である。(実施例1)
【図3】本発明に係る除菌ユニットの蓋を開いた状態の斜視図である。(実施例1)
【図4】本発明に係る除菌ユニットのハウジング本体の各部品の構成を示す分解斜視図(実施例1)
【図5】本発明に係る除菌ユニット前方の化粧パネルの送風出口の他の形態を示す斜視図である。(実施例2)
【図6】本発明に係る除菌ユニットを上面に載置した冷凍冷蔵庫の正面図(実施例5)
【図7】本発明に係る除菌ユニットを上面に載置した冷凍冷蔵庫の上面斜視図(実施例5)
【図8】本発明に係る除菌ユニットの作動制御部の拡大正面図(実施例5)
【図9】本発明に係る除菌ユニットの作動制御部の拡大底面図(実施例5)
【図10】本発明に係る冷凍冷蔵庫の上面に載置した除菌ユニットの回動カバーを略45度開いた上面斜視図(実施例5)
【図11】本発明に係る冷凍冷蔵庫の上面に載置した除菌ユニットの回動カバーを略全開した上面斜視図(実施例5)
【図12】本発明に係る冷凍冷蔵庫の上面に載置した除菌ユニットの回動カバーを開いた状態で吸い込みフィルタと貯水タンクを前方へ引き出した状態を示す上面斜視図(実施例5)
【図13】本発明に係る冷凍冷蔵庫の上面に載置した除菌ユニットの中央部縦断側面図(実施例5)
【図14】本発明に係る冷凍冷蔵庫の上面に載置した除菌ユニットの回動カバーを略45度開いた状態の中央部縦断側面図(実施例5)
【図15】本発明に係る除菌ユニットからカセットを取り出した状態を示す上面斜視図(実施例5)
【図16】本発明に係る回動カバーが開き貯水タンクと吸い込みフィルタを外し除菌ユニットからカセットを取り出した状態を示す上面斜視図(実施例5)
【図17】本発明に係る除菌ユニット前面の化粧パネルの左右両側部を取り外した状態を示す上面斜視図(実施例5)
【図18】本発明に係る除菌ユニット前面の化粧パネルの左側部を取り外した状態を示す拡大上面斜視図(実施例5)
【図19】本発明に係る除菌ユニットの上蓋とカセットの上蓋を外した状態の平面図(実施例5)
【図20】本発明に係る除菌ユニットの上蓋とカセットの上蓋を外した状態の上面斜視図(実施例5)
【図21】本発明に係る除菌ユニットの主要部を分解した分解上面斜視図(実施例5)
【図22】本発明に係る除菌ユニットを細部まで分解した分解上面斜視図(実施例5)
【図23】本発明に係る除菌ユニットのカセットの上面斜視図(実施例5)
【図24】本発明に係る除菌ユニットのカセットを分解した分解上面斜視図である。(実施例5)
【符号の説明】
【0116】
1・・・・・冷凍冷蔵庫(貯蔵庫)
2・・・・・冷凍冷蔵庫本体(貯蔵本体)
3・・・・・冷蔵室
4・・・・・野菜室
5・・・・・冷凍室
7、7A、7B・・・・冷蔵室扉
8・・・・・野菜室扉
9・・・・・冷凍室扉
10・・・・除菌ユニット
11・・・・ハウジング
11A・・・ハウジング本体
11B・・・ハウジング本体の蓋
11B1・・カセット出し入れ用窓
11C・・・周囲壁
11K・・・カセット
11K1・・カセット本体
11K2・・カセット本体の蓋
11K3・・取っ手部
11K4・・前面開口
12・・・・貯水タンク
12A・・・摘み取っ手部
13・・・・タンク室
13A・・・貯水部
13B・・・凹部
14・・・・電極
14Y・・・電極ユニット
15・・・・電解室(電解部)
16A、16B・・・通水路
17・・・・除菌エレメント
17A・・・空気通路
17B・・・吸い上げ要素部
18・・・・水受け部
19・・・・送風室
20・・・・送風機
20G・・・防振ゴム
21・・・・吸い込みフィルタ
21A・・・取っ手部
21E・・・フィルタエレメント
21H1・・フィルタホルダ
21H2・・格子状押え板
22・・・・フィルタ室
23・・・・タンク挿入口
24・・・・送風出口
25・・・・フィルタ挿入口
26・・・・空気吸い込み口
27・・・・開閉バルブ
28・・・・突起
30・・・・化粧パネル
30A・・・基板
30B・・・送風出口扉
30B3・・防護作用部
30C・・・カバー
31・・・・送風出口
32・・・・吸い込みフィルタの出し入れ用窓
32A・・・吸い込みフィルタの挿入部
33・・・・貯水タンクの出し入れ用窓
33A・・・貯水タンクの挿入部
35・・・・除菌ユニットの作動制御切替スイッチ
35A・・・強運転スイッチ
35B・・・中運転スイッチ
35C・・・弱運転スイッチ
36・・・・除菌エレメント出し入れ用窓
37・・・・電気回路基板
40・・・・表示部
40E・・・除菌エレメント交換表示用LED
40F・・・吸い込みフィルタ交換表示用LED
40G・・・自動運転表示用LED
40H・・・弱運転状態表示用LED
40K・・・給水用LED
43・・・・電源スイッチ
44・・・・リセットスイッチ
46・・・・制御回路部
47A・・・コネクタ
47B・・・コネクタ
47C・・・コネクタ
50・・・・制御部
HJ・・・・ヒンジ装置
HJ1・・・ヒンジ取り付けネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電解部と、この電解部で生成された電解水を吸い上げる吸い上げ要素部間に空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機を備えた除菌ユニットを、貯蔵庫の前方へ向けて前記強制風を送出するように前記貯蔵庫の上面に設置したことを特徴とする貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項2】
次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電解部と、この電解部で生成された電解水を吸い上げる吸い上げ要素部間に空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機を備えた除菌ユニットを設け、前方に開口した送風出口を形成した化粧パネルが貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けられ、前記空気通路を通過する強制風を前記送風出口から送出するように前記除菌ユニットを前記化粧パネルの後方で前記貯蔵庫の上面に設置したことを特徴とする貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項3】
上水道水を溜める貯水タンクと、この貯水タンクから供給される水を電解室に溜めこの水に浸って次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極を備えた電解部と、この電解部で生成された電解水が導入される水受け部と、この水受け部の電解水に下部が浸る電解水吸い上げ要素部間に水平方向の空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機がハウジングに備えられた除菌ユニットを設け、前方に開口した送風出口を形成した化粧パネルが貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けられ、前記空気通路を通過する強制風が前記送風出口から送出されるように前記除菌ユニットを前記化粧パネルの後方で前記貯蔵庫の上面に設置したことを特徴とする貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項4】
上水道水を溜める貯水タンクを着脱自在に載置する貯水タンク載置部と、前記貯水タンクから供給される水を溜める電解室と、この電解室の水に浸って次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極と、この生成された電解水が導入される水受け部と、この水受け部の電解水に下部が浸る電解水吸い上げ要素部間に水平方向の空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を前記除菌エレメントの後方から発生させる送風機と、この送風機の空気吸い込み部に着脱自在に取り付けられた吸い込みフィルタがハウジングに備えられ、前記貯水タンクと前記吸い込みフィルタが前面側から着脱自在であり、前記空気通路を通過する強制風が前方へ吹き出す構成である除菌ユニットを設け、前方に開口した送風出口を形成した化粧パネルが貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けられ、前記空気通路を通過する強制風を前記送風出口から送出するように前記除菌ユニットを前記化粧パネルの後方で前記貯蔵庫の上面に設置したことを特徴とする貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項5】
前記化粧パネルを貫通して、前記貯水タンクと前記吸い込みフィルタが前記化粧パネルの前面から着脱自在であることを特徴とする請求項4に記載の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項6】
上水道水を溜める貯水タンクと、この貯水タンクから供給される水を溜める貯水部と、この貯水部から供給される水に浸って次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極を備えた電解部と、この電解部で生成された電解水が導入される水受け部と、この水受け部の電解水に下部が浸る電解水吸い上げ要素部間に水平方向の空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機がハウジングに備えられ、前記貯水部から前記水受け部までの水回り部分(水に接触する部分)すべてを形成したカセットを備え、前記電解部と前記除菌エレメントと共に前記カセットが上方へ取り出し自在に前記ハウジングに組み込まれた除菌ユニットを設け、前方に開口した送風出口を形成した化粧パネルが貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けられ、前記空気通路を通過する強制風を前記化粧パネルの送風出口から送出するように前記除菌ユニットが前記化粧パネルの後方で前記貯蔵庫の上面に設置されたことを特徴とする貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項7】
上水道水を溜める貯水タンクと、この貯水タンクから供給される水を溜める貯水部と、この貯水部から供給される水に浸って次亜塩素酸を含有する電解水を生成する電極を備えた電解部と、この電解部で生成された電解水が導入される水受け部と、この水受け部の電解水に下部が浸る電解水吸い上げ要素部間に水平方向の空気通路を形成した除菌エレメントと、前記空気通路を通過する強制風を発生させる送風機と、この送風機の空気吸い込み側に着脱自在に取り付けられた吸い込みフィルタがハウジングに備えられ、前記貯水タンクが前記ハウジンに前面側から着脱自在に挿入支持されるタンク室と、前記吸い込みフィルタが前記ハウジンに前面側から着脱自在に挿入支持されるフィルタ室を備え、前記空気通路を通過する強制風が前方へ吹き出す送風出口が前記ハウジングに形成され、前記貯水部と前記電解部と前記水受け部が一体形成されたカセットを備え、前記電解部と前記除菌エレメントと共に前記カセットが上方へ取り出し自在に前記ハウジングに組み込まれた除菌ユニットを設け、前方に開口した送風出口を形成した化粧パネルが貯蔵庫の上面前部に横方向に長く設けられ、前記空気通路を通過する強制風を前記化粧パネルの送風出口から送出するように前記除菌ユニットが前記化粧パネルの後方で前記貯蔵庫の上面に設置され、前記化粧パネルの前面側から前記貯水タンクと前記吸い込みフィルタがそれぞれ対応する前記タンク室と前記フィルタ室へ挿入自在としたことを特徴とする貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項8】
前記除菌ユニットは、前記空気通路を通過する強制風の吹き出し口が前記ハウジングの前面であり、空気吸い込み口が前記ハウジングの側面であり、前記吸い込みフィルタは水平状態の配置であって通過する空気の流れが前記吸い込みフィルタの上面から下面へ通過し後方から前記送風機の吸い込み口へ至る構成であることを特徴とする請求項4、5又は7に記載の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項9】
前記吸い込みフィルタは、空気中の塵埃と油成分を積極的に付着する機能を備えたことを特徴とする請求項4、5、7又は8に記載の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項10】
前記化粧パネルの送風出口は、その左右側壁が後方から前方へ向けて広がった形状をなし、前記貯水タンクの前部に形成した取っ手によって前記左右側壁の一方の側壁を形成したことを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれかに記載の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項11】
前記化粧パネルの送風出口は、その左右側壁が後方から前方へ向けて広がった形状をなし、前記貯水タンクの前部に形成した取っ手と、前記吸い込みフィルタの前部に形成した取っ手によって、前記後方から前方へ向けて広がった形状の左右側壁を形成したことを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれかに記載の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項12】
前記除菌ユニットの作動時間を可変するスイッチを前記化粧パネル又は前記貯蔵庫に設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。
【請求項13】
前記化粧パネルは前記前面扉の上面に近接状態で前記前面扉の上面を覆う位置まで前方へ庇状に張り出し、前記除菌ユニットのスイッチが前記庇状に張り出した部分に対応配置され、前記スイッチが前記前面扉を開いた状態でのみ操作可能としたことを特徴とする請求項2乃至請求項12のいずれかに記載の貯蔵庫の周辺空気の除菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−292433(P2007−292433A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−181568(P2006−181568)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】