説明

貼付剤

【課題】 貼付剤を、コストを不必要に高騰させることなく、簡易な作業で手の届かない患部にも適切に貼付する。
【解決手段】 貼付剤10は、患部に貼付されるべき粘着面12を有する貼付剤本体14と、この貼付剤本体14の粘着面12を被覆するライナー部16とから成っている。このライナー部16は、貼付剤本体から離反する方向へ相互に逆向きに引っ張られて貼付剤本体から剥離される複数のライナー18A、18Bを備え、これらの複数のライナー18A、18Bの各々は貼付剤本体14より長い自然長を有し、蛇腹状に折り畳まれて貼付剤本体14に積層されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、湿布薬や絆創膏等の患部に貼付して使用される貼付剤の改良に関し、特に、貼付剤本体の粘着面を被覆するライナー部の取扱を容易にして、貼付の作業性を向上させることに関するものである。
【背景技術】
【0002】
患部に貼付して使用される湿布薬等の貼付剤は、一般に、粘着面を有する貼付剤本体と、この貼付剤本体の粘着面を被覆するライナー部とから成り、従来は、ライナー部の全部を貼付剤本体から剥離させて粘着面を露出させた上で患部に貼付するか、あるいは、ライナー部の一部を剥がして露出した貼付剤本体の粘着面の一部を患部に貼付した後、ライナー部の残部を剥がしながら残りの粘着面を患部に貼付することにより、使用されていた。
【0003】
しかし、この従来の貼付剤では、ライナー部の剥離、位置決め、貼付という複数の作業が必要となり、貼付作業が煩雑となり面倒であると共に、ライナー部を剥離して粘着面を露出させた状態で位置決めしようとすると、位置決めの途中で不意の箇所に粘着してしまい、適切な箇所に貼付できなかったり、再度貼り直しを要することがあった。一方、この問題を回避するため、ライナー部を剥離する前に粘着面を露出させない状態で位置決めしても、結局は、その後ライナーを剥離してから、再度位置決めの記憶を頼りに貼付することになるため、適切な箇所に貼付できなかったり、また、作業中に粘着面同士や、粘着面が手や衣服等に付着してしまう等、患部に適切に貼付することができない問題があった。
【0004】
この点につき、ライナー部に指掛け部を設ける等してライナー部の把持性を向上させて、特に、粘着面が不意の箇所に付着することを防止することが提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、再剥離することができる粘着面を有する包装袋に貼付剤の支持体を貼付け、この包装袋内に手を入れて患部にあてがった後、包装袋を貼付剤の支持体から剥離させることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
しかし、これらの従来技術にあっても、ライナー部を貼付剤本体から一部でも剥離した後、位置決めして貼付を行うという複数段階の作業を要するため、貼付作業が繁雑となることに変わりがなかった。何より、いずれの従来技術でも、例えば、背中等の手が届かない患部には、適切に貼付することができないおそれがあった。
【0006】
そのため、貼付剤を正確に位置決めすることが困難で、患部に適切に貼付することができず、患部に適切に貼付できなかった場合に患部から貼付剤を剥離して再度適切な位置に貼付をしようとしても、手が届かずに剥離自体をすることができなかったり、また、剥離できたとしても、粘着面の付着力が低下して再貼付した場合に長時間貼付しておくことができなくなる問題を招来していた。
【0007】
のみならず、これらの従来技術では、手の届かない患部には一人では貼付することができなかったため、他の者に貼付作業を依存するしかなく、その結果、一人暮らしの患者や核家族化が進み家族構成人数が少ない家庭、更には、高齢者の患者等にあっては、貼付による処置自体ををすることができない問題も生じていた。
【0008】
これらの問題を解決するために、貼付剤を支持する補助具を使用することも提案されている(例えば、特許文献4及び5参照)。しかし、補助具に貼付剤をセットする作業が必要となるため、やはり貼付作業が繁雑となると同時に、補助具を別途用意しなければならないとすると、任意の場所で貼付しようとした場合には、この補助具を携行しなければならず利便性が低下する。加えて、これらの補助具の貼付剤の仮止め部が定型であるため、一定の形状の貼付剤にしか対応することができず、患部等に合わせた種々の形状や大きさ等の貼付剤には適切に対応することができない問題があった。更には、この補助具の生産や購入に余分なコストを強いる問題も生じる。
【特許文献1】特開平10−17465号公報
【特許文献2】特開2002−306530号公報
【特許文献3】特開2002−225883号公報
【特許文献4】特開2002−301102号公報
【特許文献5】特開2001−61894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、コストを不必要に高騰させることなく、簡易な作業で手の届かない患部にも適切に貼付することができる貼付剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、患部に貼付されるべき粘着面を有する貼付剤本体とこの貼付剤本体の粘着面を被覆するライナー部とから成る貼付剤において、ライナー部は、貼付剤本体から離反する方向へ相互に逆向きに引っ張られて貼付剤本体から剥離される複数のライナーを備え、これらの複数のライナーの各々は貼付剤本体より長い自然長を有することを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、複数のライナーの各々は、一端が貼付剤本体の端部に隣接して配置され、この貼付剤本体の端部に隣接して配置された一端から貼付剤本体の中央方向に向けて設置されて粘着面を被覆し、粘着面上で折り返されていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1の解決手段において、複数のライナーの各々は、一端が貼付剤本体の粘着面上に配置され、粘着面上に配置された一端から貼付剤本体の端部方向に向けて設置されて粘着面を被覆していることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第2の解決手段において、複数のライナーは、粘着面上の折り返し点が相互に隣接するように配置されていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第3の解決手段において、複数のライナーは、粘着面上に配置された一端が相互に隣接するように配置されていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第4又は第5のいずれかの解決手段において、複数のライナーは、相互に隣接するように配置された折り返し点又は一端がミシン目を介して相互に連結されていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第4又は第5のいずれかの解決手段において、ライナー部は、複数のライナーの相互に隣接するように配置された折り返し点又は一端に跨って取り付けられて、これらの相互に隣接するように配置された折り返し点又は一端を相互に連結する仮止め材を更に有し、この仮止め材はライナーの貼付剤本体からの剥離時に相互に隣接するように配置された折り返し点又は一端の連結を解除することを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0017】
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第1乃至第3いずれかの解決手段において、貼付剤本体の粘着面を被覆するセンターフラップを更に備え、このセンターフラップは、複数のライナーの間に配置されていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第1乃至第8のいずれかの解決手段において、複数のライナーの各々は、相互に逆向きに展開できるように蛇腹状に折り畳まれて貼付剤本体に取り付けられていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0019】
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第1乃至第9のいずれかの解決手段において、複数のライナーの各々は、貼付剤本体より突出する部分が、ロール状に巻き回されていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0020】
本発明は、上記の課題を解決するための第11の手段として、上記第1乃至第10のいずれかの解決手段において、複数のライナーの各々は、全部又は任意の一部において伸縮性を有することを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0021】
本発明は、上記の課題を解決するための第12の手段として、上記第1乃至第11のいずれかの解決手段において、複数のライナーの各々は、貼付剤本体の粘着面を直接被覆するライナー本体と、ライナー本体に連結される延長ライナーとから成っていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0022】
本発明は、上記の課題を解決するための第13の手段として、上記第12の解決手段において、ライナー本体と延長ライナーとは、端部を相互に重畳して接着されて連結されていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0023】
本発明は、上記の課題を解決するための第14の手段として、上記第12又は第13のいずれかの解決手段において、延長ライナーは、ライナー本体に着脱自在に連結されていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0024】
本発明は、上記の課題を解決するための第15の手段として、上記第1乃至第14のいずれかの解決手段において、複数のライナーの各々は、貼付剤本体をいかなる部位にあてがっても、各ライナーの各々の端部を両手で同時に把持できる長さを有することを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【0025】
本発明は、上記の課題を解決するための第16の手段として、上記第1乃至第15のいずれかの解決手段において、ライナー部の端部には、持ち手が形成されていることを特徴とする貼付剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、上記のように、ライナー部は相互に離反する方向に引っ張られる複数のライナーから成り、これらの各ライナーは貼付剤本体よりも長い自然長を有するため、貼付剤本体から各ライナーの端部を突出させて、この突出した端部(両端)を両手で把持しながら、貼付剤本体の粘着面を露出させることなくライナー部で被覆した状態のまま患部に対応する適切な位置に位置決めして、ライナーの端部を一気に引き去るだけで、患部に貼付することができるため、特に位置決め中に粘着面が不意の箇所に付着することがないと同時に、簡易な作業で患部に適切に貼付することができる実益がある。
【0027】
この場合、特に、本発明によれば、上記のように、各ライナーは貼付剤本体をいかなる部位にあてがっても各ライナーの各々の端部を両手で同時に把持できる長さを有するため、特別な器具等を要することなく簡易にかつ低コストで、背中等の手を回すことができない患部にも適切に貼付することができる実益がある。
【0028】
また、本発明によれば、上記のように、複数のライナーの各々の折り返し点又は一端が粘着面上で隣接するように配置されているため、粘着面を露出させることなく位置決め作業をすることができるため、不意の箇所に粘着する等の事態を防止して、貼付作業を容易にかつ適切に行うことができる実益がある。
【0029】
特に、この場合、本発明によれば、上記のように、複数のライナーが、相互に隣接する部分でミシン目又は仮止め材により連結されているため、位置決め時には、複数のライナーが分離して粘着面が露出するのを確実に防止することができる一方、ライナーの端部を一気に引き去るだけで複数のライナーを簡易に分離させることができ、位置決めの容易性を確保しつつ、簡易に、かつ、確実に貼付することもできる実益がある。
【0030】
同様に、本発明によれば、上記のように、各ライナーは、蛇腹状に折り畳まれ、若しくは、ロール状に巻き回され、又は、伸縮性を有し、使用前には貼付剤とほぼ同様に形状に維持されてるため、保管時においてライナーが嵩張ったり絡まったりすることがないと同時に、容易に取扱うことができる実益がある。
【0031】
更に、本発明によれば、上記のように、ライナー本体に連結される延長ライナーを設けているため、既存の貼付剤のライナーをライナー本体として、これに延長ライナーのみを連結させるだけで、簡易にかつ低コストで、作業性等の向上に対応することができると共に、この延長ライナーを着脱自在とすることにより、必要に応じてライナー部の長さを調整することができ、通常時の取扱いの利便性を確保しつつ、同時に手が届き難く貼付し難い箇所にも適切に対応することができる実益がある。
【0032】
加えて、本発明によれば、上記のように、ライナー部の端部に持ち手を形成しているため、ライナー部の引っ張りによる剥離作業を容易にかつ確実に行うことができる実益がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1は、本発明の貼付剤10を示し、この貼付剤10は、図1に示すように、患部に貼付されるべき粘着面12を有する貼付剤本体14と、この貼付剤本体14の粘着面12を被覆するライナー部16とから成っている。
【0034】
<1.貼付剤本体>
貼付剤本体14は、患部に貼付して使用するものであれば、特に種類を問わず、例えば、パップ剤、プラスター剤、テープ剤、軟膏剤、硬膏剤等の従来から一般的に使用されている湿布薬や絆創膏等を使用することができる。また、その材質も、貼付剤本体14の種類に応じて、適宜選択することができ、例えば、湿布薬であれば、弾性変形可能な織布や不織布等の基材に薬効成分を有する粘着剤を塗布して形成することなどができる。更には、少なくとも粘着面12を有すれば、患部の固定用テープ等のように、薬効成分を含まないものであってもよい。
【0035】
<2.ライナー部>
ライナー部16は、本発明では、図1に示すように、複数の、図示の実施の形態では2つのライナー18A、18Bを備えている。これらの複数のライナー18A、18Bの各々は、貼付剤本体14の粘着面12を被覆して、粘着面12の粘着性の低下や薬効成分の溶出等を抑制しつつ、使用時には粘着面12から剥離することができる材質又は加工が施工されていれば、特に材質や種類を問わず、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステルから形成されたフィルムや、表面に剥離加工をした加工紙等を使用することもできる。
【0036】
これらの複数のライナー18A、18Bは、図1に示すように、貼付剤本体14から離反する方向へ向けて、相互に逆向きに引っ張られる。即ち、ライナー18A、18Bは、例えば、、図示の実施の形態では貼付剤本体14の長手方向に伸びるようにして配置され、一方のライナー18Aは図1の矢印A(図1参照)方向へ、他方のライナー18Bは図1の矢印B(図1参照)方向へ引っ張られて、それぞれ、貼付剤本体14から剥離される。
【0037】
これらの複数のライナー18A、18Bの各々は、本発明においては、図1に示すように、貼付剤本体14より長い自然長を有している。従って、特に、図1(C)に示すように、ライナー部16により粘着面14を被覆したまま、貼付剤本体14からライナー18A、18Bを展開させて突出させることができるため、この突出したライナー18A、18Bを把持しながら、貼付剤本体14の位置決めすることができる。この場合、特に、粘着面12を露出させることなく位置決めすることができるため、位置決め作業中に、粘着面12同士が付着することがないのは勿論のこと、粘着面12が、患部からずれた部位や、更には、手や衣服等の意図しない箇所に付着してしまうことがなく、容易にかつ円滑に位置決め作業を行うことができる。
【0038】
このようにして、図1(C)に示すライナー部16により粘着面を被覆した状態のまま、位置決めした後、図1(D)に示すように、ライナー18A、18Bを、相互に反対の方向へ向けて一気に引っ張ることにより、貼付剤本体14から剥離させると同時に、貼付剤本体14の粘着面12を露出させて貼付すべき意図した患部に適切に貼付することができる。従って、本発明の貼付剤10にあっては、事前に、ライナー部16の全部又は一部を剥離して、貼付剤本体14の粘着面12の一部を患部に貼付する必要がないため、貼付作業が簡潔となり、非常に簡易にかつ適切に患部に貼付することができる。
【0039】
また、これらの複数のライナー18A、18Bの各々は、図2に示すように、貼付剤本体をいかなる部位にあてがっても、各ライナー18A、18Bの各々の端部を両手で同時に把持できる長さに設定することが望ましい。即ち、図2に示すように、背中等の本人では手が届かない部位に貼付剤本体14をあてがっても、18A、18Bの各々の端部を両手で同時に把持できる長さ、具体的には、各ライナー18A、18B毎に、約40cm程度の長さとし、両者を連結して展開した状態で最大80cm程度の長さとすれば、体のどの部位であっても、適切に位置決めすることができる。
【0040】
この場合、具体的には、ライナー18A、18Bを把持しながら、図1(C)に示すライナー部16により粘着面12を被覆した状態で、適切な位置に位置決めし、ライナー18A、18Bを体の前方(胸側)に軽く引っ張って貼付剤本体14を背中に押し当てた後、ライナー18A、18Bを一気に引き去るだけで貼付剤本体14を背中にも適切に貼付することができる。これにより、特に、特別な器具を用いることなく、簡易にかつ低コストで、更には、任意の場所で、貼付剤本体14の粘着面12を患部に貼付することができると同時に、手の届かない部位にも、他の者に依存することなく貼付することができるため、任意の時に一人でも貼付することができる。
【0041】
なお、上記のように、本発明の貼付剤10では、図1(C)に示すように、ライナー部16により粘着面12を被覆したまま位置決めするため、ライナー18A、18Bを把持した状態で貼付剤10を取り扱っても、粘着面12を直接被覆しているライナー部16が粘着面12からあまりに容易には剥離しないよう、粘着面12とライナー部16との接着強度を調整することが好ましい。この場合、粘着面12の粘着性を従来よりも高めることにより対応することが考えられるが、このことは、貼付後の貼付剤本体14が患部から容易には剥離せず、長時間にわたって、その効用を発揮できることにもつながり、また、本発明では適切に位置決めして貼付することができるため、貼り直しを要しないため、粘着面12の粘着性を高めても、貼付作業の支障とはとはならない。
【0042】
更に、このライナー部16の端部には、持ち手20を形成することが望ましい。具体的には、各ライナー18A、18Bの、貼付剤本体14側とは反対側の端部に、接続して形成することができる。この持ち手20は、図1(A)(B)に示すように、手の人差し指から小指にかけて挿入することができる、挿入孔20aを有し、紙材や合成樹脂材料等の比較的軽量で加工性に優れる材質から形成することが望ましい。この持ち手20を把持することにより、より強く、また手が滑ることなくより確実にた、複数のライナー18A、18Bを引き去ることができる。なお、ライナー18A、18Bは、必ずしも端部を引っ張る必要はなく、例えば、ももや膝などのように、自由に手が届く患部に貼付する場合には、ライナー18A、18Bの途中の部分を把持して引っ張ることもできる。
【0043】
<3.ライナーの貼付剤本体への取付>
上記のライナー18A、18Bは、貼付剤本体14よりも長い自然長を有するため、展開したままとすると嵩張ったり絡まったりして、収納や保管等の取扱いに影響を与えるおそれがある。このため、本発明においては、以下のように、ライナー18A、18Bを形成して、貼付剤本体14に取り付けている。
【0044】
(第1の実施の形態)
具体的には、ライナー18A、18Bの形成、貼付剤本体14への積層の第1の実施の形態として、複数のライナー18A、18Bの各々は、特に、図1(D)から解るように、一端が貼付剤本体14の端部14aに隣接して配置され、この貼付剤本体14の端部14aに隣接して配置された一端から貼付剤本体14の中央方向に向けて設置されて粘着面12を直接被覆し、粘着面12上の所定の箇所で折り返されて、粘着面12を被覆するように設定することができる。
【0045】
この場合、複数のライナー18A、18Bは、図1に示すように、少なくとも、粘着面12上での最初の折り返し点X(図1(C)参照)が、相互に隣接するように配置することが望ましい。これにより、粘着面12を露出させることなく、位置決め作業をすることができ、不意の箇所に粘着する等の事態を防止して、貼付作業を容易にかつ適切に行うことができるからである。
【0046】
具体的には、粘着面12上の一方のライナー18Aと他方のライナー18Bとが初めて対峙する箇所Xで折り返すことができる。この最初の折り返し点X(図1(C)参照)は、粘着面12上であれば、特に、箇所を問わないが、ライナー18A、18Bを均等にバランス良く引き去る観点からは、図1に示すように、粘着面12の中央付近とすることが望ましい。
【0047】
この最初の折り返し点Xにおいて折り返されるライナー18A、18Bの各々は、図1(A)(B)に示すように、相互に逆向きに展開できるように蛇腹状に折り畳まれて貼付剤本体14に取り付けることができる。即ち、ライナー18A、18Bの各々は、図1(A)(B)に示すように、最初の折り返し点Xで折り返された後、貼付剤本体14の端部14aで再び折り返され、更にその後、最初の折り返し点Xと同様に、再度粘着面12上で折り返すことができ、以後、同様にして全体として蛇腹状に折り畳むことができる。
【0048】
この折り返し幅は、図1(A)(B)に示すように、貼付剤本体1からはみ出ないように、貼付剤本体14の端部に合わせて設定することが望ましく、これにより、使用前においては、図1(A)に示すように、貼付剤本体14と同じ大きさとなる。なお、最初の折り返し点X以降の粘着面12上の折り返し点も、最初の折り返し点Xと同様に、相互に隣接して、かつ、粘着面12の中央付近で折り返すことが好ましいが、必ずしも、これに限定されるものではなく、必要に応じて、粘着面12の中央付近以外の箇所で折り返したり、また、複数のライナー18A、18B間で隣接させることなく折り返すこともできる。
【0049】
これらの複数のライナー18A、18Bの各々の折り返し点は、単に隣接させるだけでも良いが、少なくとも最初の折り返し点Xについては、図1においては図示しないミシン目を介して相互に連結することもできる。これにより、位置決め時には、複数のライナー18A、18Bが分離して粘着面12が露出するのを確実に防止することができる一方、ライナー18A、18Bの端部を一気に引き去るだけで複数のライナー18を簡易に分離させて、適切な位置に貼付することができる。具体的には、最初の折り返し点Xを融着等させた後に、ミシン目加工を施すことにより対応することができる。
【0050】
また、これらの相互に隣接する最初の折り返し点Xを連結させる手段は、必ずしもミシン目には限定されず、他に、例えば、複数のライナー18A、18Bの相互に隣接するように配置された最初の折り返し点Xに跨って取り付けられる図示しない仮止め材とすることもできる。この図示しない仮止め材は、使用前には、複数のライナー18A、18Bの相互に隣接するように配置された最初の折り返し点Xを相互に連結する一方、複数のライナー18A、18Bの貼付剤本体14からの剥離時に、これらの複数のライナー18A、18Bの相互に隣接するように配置された最初の折り返し点Xの連結を解除する。具体的には、この図示しない仮止め材としては、例えば、複数のライナー18A、18Bから剥離可能な剥離紙、あるいは、複数のライナー18A、18Bの左右への引っ張りにより複数のライナー18A、18Bから剥離可能な紙部材の他、複数のライナー18A、18Bの左右への引っ張りにより分断可能な素材から形成された部材や、複数のライナー18A、18Bの左右への引っ張りにより分断可能な図示しないミシン目を有する部材等を使用することができる。
【0051】
なお、これらのライナー18A、18Bを蛇腹状に折り畳む加工の方法には特に限定がなく、例えば、ライナー18A、18Bを、粘着面12に取り付ける前に予め貼付剤本体14の形状に合わせて事前に蛇腹状に折り曲げ加工した後に、粘着面12を直接被覆する面のみを粘着面12に貼り合わせて加工することもできるし、ライナー18A、18Bを折り曲げ加工紙ながら粘着面12に貼り合わせて積層していくか、あいは、ライナー18A、18Bを展開した状態で粘着面12に貼り合わせた後、折り曲げ加工のみを施行することにより達成することもできる。
【0052】
(第2の実施の形態)
次に、ライナー18A、18Bの収納の第2の実施の形態について、図3を参照しながら説明すると、上記第1の実施の形態では、ライナー18A、18Bの一端を貼付剤本体14の端部14aに隣接させて、貼付剤本体14の位置決め時に、図1(C)に示すようにライナー18A、18Bに重畳部分が存在する状態で取り扱うが、これとは異なり、図3に示すように、ライナー18A、18Bの一端を粘着面12上に配置し、この粘着面12上に配置された一端から貼付剤本体14の端部14a方向に向けて設置することもできる。この場合には、図3(A)に示すように、貼付剤本体14の位置決め時においては、ライナー18A、18Bに重畳する部分が存在せず、ライナー18A、18Bを展開した状態で、位置決め作業を行い、次いで、図3(B)に示すように、ライナー18A,18Bを一気に引き去ることにより、貼付剤本体14を患部に貼付することができる。
【0053】
この第2の実施の形態においても、複数のライナー18A、18Bは、粘着面12上に配置された一端を相互に隣接するように配置することが望ましく、また、これらのライナー18A、18Bの対峙する一端同士を単に粘着面12上で隣接させるだけでも良いが、図3(A)に示すように、複数のライナー18A、18Bをミシン目22を介して相互に連結させることもできる。この場合には、貼付剤本体14を位置決めした後、ライナー18A、18Bを相互に反対の方向に引っ張ることにより、図3(B)に示すように、ライナー18Aとライナー18Bとがミシン目22で分離されて、粘着面12が露出して、患部に貼付される。また、第1の実施の形態と同様、ライナー18A、18B自体に形成されたミシン目22ではなく、ライナー18A、18Bの相互に隣接するように配置された一端に跨って取り付けられ、これらの相互に隣接するように配置された一端を仮止めする図示しない仮止め材を介して相互に連結することもできる。
【0054】
また、この第2の実施の形態においても、ライナー18A、18Bは、図1に示す第1の実施の形態のように、貼付剤本体14の端部14aで折り畳んで蛇腹状に格納することもできるが、充分な伸縮性を有する素材から形成することにより、自然長での貼付剤本体14からの突出量を抑制することもできる。
【0055】
この伸縮性を有する素材としては、具体的には、例えば、天然ゴム、合成ゴム、又は、熱可塑性エラストマー等を使用することができる。これらの伸縮性を有する素材は、単一材料として使用することもできるし、複数の素材を併用して使用することもできる。また、これらの伸縮性を有する素材に、繊維やプラスチック素材を織り込んだり、組み合わせたりして、伸縮性を有するライナー18A、18Bとすることもできる。
【0056】
なお、上記の合成ゴムとしては、例えば、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、ポリアルキレン・スルフィド、シリコーンゴム、ウレタンゴム、プロピレンオキシドゴム、アクリル酸エステル−アクリロニトリル・コポリマー又はアクリル酸エステル−2−クロルエチルビニルエーテル・コポリマー等を挙げることができる。
【0057】
また、上記の熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン・コポリマー、エチレン−プロピレン−ジエン・ターポリマー、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル・コポリマー等のオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー又はポリエステル系エラストマー、ナイロン樹脂等を挙げることができる。
【0058】
但し、このように伸縮性を有するライナー18A、18B6とする場合、ライナー18A、18Bを伸長させて位置決めする際に、ライナー18A、18Bが粘着面12から剥離しないように、図3(A)に示すように、両者を上記のミシン目22又は図示しない仮止め材等により連結すると共に、そのミシン目22の切断強度や仮止め材の連結強度を適切に調整することが望ましい。また、この伸縮可能な部分は、ライナー18A、18Bの全部とすることもできるが、必要に応じて適宜設定することができ、例えば、貼付作業の際に手で把持する部分等の一部のみに伸縮性を付与することもできる。
【0059】
なお、貼付剤本体14より長い自然長を有するライナー18A、18Bは、上記の蛇腹状の折り畳み又は伸縮性の付与以外の方法で格納することもでき、他に、例えば、複数のライナー18A、18Bのうち、貼付剤本体14より突出する部分を、ロール状に巻き回して保管することもできる。
【0060】
また、図3に示す第2の実施の形態では、複数のライナー18A、18Bの一端を粘着面12上において、特に、相互に隣接するようにして配置して、粘着面12を露出させることなく位置決め作業を可能としたが、これとは異なり、貼付剤本体14の粘着面12を被覆する図示しないセンターフラップを更に設定し、この図示しないセンターフラップを、複数のライナー18A、18Bの間に配置して、粘着面12を被覆することもできる。この場合、粘着面12上に配置される複数のライナー18A、18Bの一端の間に、望ましくは、図示しないセンターフラップの両端が、ライナー18A、18Bの一端と粘着面12上で隣接するようにしてライナー18A、18Bと共に、粘着面12を被覆するように設定することができる。
【0061】
この図示しないセンターフラップとしては、具体的には、既存の貼付剤10に既に使用されているセンターフラップをそのまま利用することもでき、既存の貼付剤10において、ライナー部16のみを本発明の複数のライナー18A、18Bに設定変更するだけで対応することができる。勿論、従来からの貼付剤10ではなく、新たに別途、ライナー18A、18Bに連結されるセンターフラップを設定することもできる。これらの場合には、センターフラップを剥離した後、粘着面12の一部を露出させた状態で位置決めすることを要するが、特に、再貼付しても、粘着力が低下しにくい膏体等の有する粘着面に適用したり、また、特に、例えば、腿等の手が届き、作業し易い箇所に使用する貼付剤10とするのには適しており、一方で、低コストで手の届かない部位にも貼付することができるように改良できる点でメリットがある。
【0062】
(第3の実施の形態)
更に、本発明のライナー18A、18Bの第3の実施の形態を図4を参照しながら説明すると、図4に示すように、複数のライナー18A、18Bの各々を、貼付剤本体14の粘着面12を直接被覆するライナー本体18aと、このライナー本体18aに連結される延長ライナー18bとから形成して、各々全体として、貼付剤本体14よりも長い自然長を有するライナー18A、18Bとすることもできる。
【0063】
このライナー本体18aは、貼付剤本体14より長い自然長、より具体的には、手で把持することができる程度の長さが貼付剤本体14から突出する程度の長さを有するライナー本体18aとすることができる。この場合には、貼付剤10の基本構成として、本発明における貼付剤本体14より長い自然長を有する複数のライナー18A、18Bを、そのままライナー本体18aとし、例えば、手が届く箇所に貼付する場合等には、特に延長ライナー18bを連結することなく使用し、手が届き難い患部に使用する場合等、特に必要な場合にのみ、付加的に、延長ライナー18bをライナー本体18aに連結させて、ライナー部16の全体の長さを調整して、使用することができる。
【0064】
一方、このライナー本体18aは、図4に示すように、貼付剤本体14より長くないライナー本体18aとすることもできる。この場合には、ライナー本体18aとして、既存の従来からの貼付剤10における2枚のライナーを有するライナー部をそのまま利用することができる。即ち、既存の貼付剤10のライナー部(本発明におけるライナー本体18aとなる)に、接着剤24を塗布するだけで、貼付剤本体14よりも長い自然長を有する本発明のライナー18A、18Bとすることができ、既存の貼付剤10を、本発明の貼付剤10として無駄なく適応させることができるのは勿論のこと、フィルムロールからライナーを供給して粘着面12に貼り合わせる従来からの生産設備や生産ラインに大幅な変更を加えることなく対応することができるため、簡易にかつ低コストで、適応させることができる利点がある。
【0065】
これらのライナー本体18aと、延長ライナー18bとは、図4に示すように、両面テープ24や接着剤等の適宜の手段により、両者の端部を相互に重畳して接着することにより、連結することができる。この場合、ライナー本体18a、延長ライナー18bのいずれにも、接着のための手段を設定することもできるが、上記のように、延長ライナー18bを選択的、付加的に使用したり、既存の貼付剤10に後付けする考慮すると、特に、延長ライナー18b側に、接着のための手段を設定することが好ましい。また、この延長ライナー18bは、ライナー本体18aに着脱自在に連結することができるように設定すると、用途に応じた適切な使用状態を確保することができ、好ましい。
【0066】
なお、これらの延長ライナー18bは、図4に示すように、ライナー本体18aの粘着面12とは反対側の面に取り付けることもできる。この形態は、特に、図4に示すように、貼付剤本体14よりも長くない自然長を有するライナー本体18aや、図1に示すように、ライナー18A、18Bを蛇腹状に折り畳む形態において、延長ライナー18bを設置するのに適している。一方、延長ライナー18bは、ライナー本体18aの粘着面12に接する側と同じ面に取り付けることもできる。この形態は、特に、図3に示すように、ライナー18A、18Bの一端が粘着面12上に配置され、貼付剤本体14よりも長い自然長を有するライナー本体18aとする形態において、貼付剤本体14から突出する部分に延長ライナー18bを設置するのに適している。この場合には、延長ライナー18bを展開した状態における全体の厚みを薄く設定することができる。
【0067】
また、この場合、延長ライナー18bは、複数のライナー18A、18B用に、当初から各々分離して用意された延長ライナー18bである必要はなく、例えば、図4(A)において、延長ライナー18bを、一方のライナー18A用の延長ライナー18bと他方のライナー18B用の延長ライナー18bとが予め図示しないミシン目を介して相互に連結された1枚状の形態とし、この1枚状の延長ライナー18bを、そのミシン目がライナー本体18aの一端同士が隣接する境界に付合するように配置して、ライナー本体18aに接着することもできる。この場合、長尺状の延長ライナー18bの適宜の箇所に事後的にミシン目を加工することにより簡易に対応することができ、特に、1枚状の延長ライナー18bを、これらの複数のライナー本体18aに被覆するように取り付けるだけで、一度の作業で複数のライナー本体18aに跨ってこれらの複数のライナー本体18aに連結させることができるため、各ライナー本体18a毎に別々に位置合わせして連結する場合に比べ、延長ライナー18bの設置作業を非常に簡易に行うことができる。このため、使用に際して延長ライナー18を付加的に追加する場合は勿論のこと、製造段階において既存の貼付剤10に延長ライナー18bを設置する場合にも、格段に良好な作業性を確保することができる。
【0068】
(その他の実施の形態)
なお、上記の各種実施の形態や設定は、適宜に任意に組み合わせて実施することができ、例えば、図1に示す複数のライナー18A、18Bの一端が貼付剤本体14の端部14aに隣接して配置される実施の形態において、貼付剤本体14より突出する部分を、蛇腹状ではなく、ロール状に巻き回して格納することもできる。また、図1に示す実施の形態又は図3に示す複数のライナー18A、18Bの一端が粘着面上に配置される実施の形態のいずれであるかを問わず、複数のライナー18A、18Bを、これらの蛇腹状又はロール状に格納する場合において、更に同時に、伸縮性を有するライナー18A、18Bとすることもできる。また、上記では、図3を例に、図示しないセンターフラップを設置する形態を説明したが、勿論、図1に示す実施の形態において、図示しないセンターフラップを設定することもできる。
【0069】
更に、図示の実施の形態では、ライナー部16は、2つのライナー18A、18Bを備えているのが示されているが、少なくとも、1対の相互に逆向きの方向に引っ張られるライナーが存在すれば、2組以上の、即ち、4つ以上のライナーとすることもできる。更には、図示の実施の形態では、いずれも、貼付剤本体14の長手方向に引き去られるライナー18A、18Bであるのが示されているが、これとは異なり、貼付剤本体14の横手方向に引っ張って剥離されるライナーとすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明の貼付剤は、貼付により使用される湿布材や絆創膏等に、広く適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の貼付剤の第1の実施の形態の斜視図である。
【図2】本発明の貼付剤の使用状態を示す概略正面図である。
【図3】本発明の貼付剤の第2の実施の形態の斜視図である。
【図4】本発明の貼付剤の第3の実施の形態の斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
10 貼付剤
12 粘着面
14 貼付剤本体
14a 貼付剤本体の端部
16 ライナー部
18A、18B ライナー
18a ライナー本体
18b 延長ライナー
20 持ち手
20a 挿入孔
22 ミシン目
24 両面テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患部に貼付されるべき粘着面を有する貼付剤本体と前記貼付剤本体の粘着面を被覆するライナー部とから成る貼付剤において、前記ライナー部は、前記貼付剤本体から離反する方向へ相互に逆向きに引っ張られて前記貼付剤本体から剥離される複数のライナーを備え、前記複数のライナーの各々は前記貼付剤本体より長い自然長を有することを特徴とする貼付剤。
【請求項2】
請求項1に記載された貼付剤であって、前記複数のライナーの各々は、一端が前記貼付剤本体の端部に隣接して配置され、前記貼付剤本体の端部に隣接して配置された一端から前記貼付剤本体の中央方向に向けて設置されて前記粘着面を被覆し、前記粘着面上で折り返されていることを特徴とする貼付剤。
【請求項3】
請求項1に記載された貼付剤であって、前記複数のライナーの各々は、一端が前記貼付剤本体の前記粘着面上に配置され、前記粘着面上に配置された一端から前記貼付剤本体の端部方向に向けて設置されて前記粘着面を被覆していることを特徴とする貼付剤。
【請求項4】
請求項2に記載された貼付剤であって、前記複数のライナーは、前記粘着面上の折り返し点が相互に隣接するように配置されていることを特徴とする貼付剤。
【請求項5】
請求項3に記載された貼付剤であって、前記複数のライナーは、前記粘着面上に配置された一端が相互に隣接するように配置されていることを特徴とする貼付剤。
【請求項6】
請求項4又は請求項5のいずれかに記載された貼付剤であって、前記複数のライナーは、前記相互に隣接するように配置された折り返し点又は一端がミシン目を介して相互に連結されていることを特徴とする貼付剤。
【請求項7】
請求項4又は請求項5のいずれかに記載された貼付剤であって、前記ライナー部は、前記複数のライナーの相互に隣接するように配置された折り返し点又は一端に跨って取り付けられて、前記相互に隣接するように配置された折り返し点又は一端を相互に連結する仮止め材を更に有し、前記仮止め材は前記ライナーの前記貼付剤本体からの剥離時に前記相互に隣接するように配置された折り返し点又は一端の連結を解除することを特徴とする貼付剤。
【請求項8】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された貼付剤であって、前記貼付剤本体の前記粘着面を被覆するセンターフラップを更に備え、前記センターフラップは、前記複数のライナーの間に配置されていることを特徴とする貼付剤。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された貼付剤であって、前記複数のライナーの各々は、相互に逆向きに展開できるように蛇腹状に折り畳まれて前記貼付剤本体に取り付けられていることを特徴とする貼付剤。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに記載された貼付剤であって、前記複数のライナーの各々は、前記貼付剤本体より突出する部分が、ロール状に巻き回されていることを特徴とする貼付剤。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれかに記載された貼付剤であって、前記複数のライナーの各々は、全部又は任意の一部において伸縮性を有することを特徴とする貼付剤。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載された貼付剤であって、前記複数のライナーの各々は、前記貼付剤本体の粘着面を直接被覆するライナー本体と、前記ライナー本体に連結される延長ライナーとから成っていることを特徴とする貼付剤。
【請求項13】
請求項12に記載された貼付剤であって、前記ライナー本体と前記延長ライナーとは、端部を相互に重畳して接着されて連結されていることを特徴とする貼付剤。
【請求項14】
請求項12又は請求項13のいずれかに記載された貼付剤であって、前記延長ライナーは、前記ライナー本体に着脱自在に連結されていることを特徴とする貼付剤。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれかに記載された貼付剤であって、前記複数のライナーの各々は、前記貼付剤本体をいかなる部位にあてがっても、前記各ライナーの各々の端部を両手で同時に把持できる長さを有することを特徴とする貼付剤。
【請求項16】
請求項1乃至請求項15のいずれかに記載された貼付剤であって、前記ライナー部の端部には、持ち手が形成されていることを特徴とする貼付剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−126425(P2007−126425A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−322790(P2005−322790)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(506137147)エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 (215)
【Fターム(参考)】