説明

質問機及び判定時間の設定方法

【課題】応答機から読み取った格納情報を識別する。
【解決手段】応答機に格納されている格納情報を送信させる要求電波を送信する送信回路と、前記要求電波を受信した応答機から送信されてくる応答電波を受信して復調する受信回路と、前記送信回路が前記要求電波を送信した時点から前記受信回路が前記応答電波を受信した時点までの応答時間を示す情報を記憶する応答時間記憶回路と、前記応答電波を復調して得られる格納情報を、前記応答時間を示す情報と対応付けて記憶する格納情報記憶回路と、を備えることを特徴とする質問機に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応答機から読み取った格納情報を識別することができる質問機及び判定時間の設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触で情報を読み出すシステムに用いられるRFID(Radio Frequency IDentification)が利用する周波数帯は、現在13.56MHz帯や2.45GHz帯が主流である。昨今ではこれらに加えてUHF帯を用いたRFIDの導入が検討されており、わが国においても電波法の改正等、UHF帯を用いたRFIDの導入に向けて各所で研究が行われている。
【0003】
UHF帯を用いるRFIDは、従来の13.56MHz帯や2.45GHz帯等を用いた場合に比べて通信距離が長いという特徴がある。またUHF帯を用いるRFIDでは、複数の応答機(例えばICタグ)に記録されている情報(以下、格納情報と記す)を質問機(例えばリーダ装置)が一度に読み出すことが可能である。さらに質問機から見えない場所にある応答機の情報を読み出すことも可能である。
【特許文献1】特開2004−38574号公報
【特許文献2】特開平9−18381号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在普及しているRFIDの質問機は、あらかじめ送信電力や受信感度が設定されて製造、出荷されている。そして質問機は、応答機に向けて電波(以下、要求電波という)を送信し、要求電波を受信した応答機から送信される電波(以下、応答電波という)を受信することにより、応答電波を送信してきた応答機の格納情報を読み出す。このため、質問機から送信された要求電波が反射や回り込み等によって希望しない応答機にまで到達した場合には、希望しない応答機からの応答電波を受信してしまうことになる。
【0005】
これを防止するために、例えば質問機の送信電力を低下させることも考えられるが、読み取りたい応答機の読み取り率を低下させることにつながる可能性もある。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、応答機から読み取った格納情報を識別することができる質問機及び判定時間の設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、応答機に格納されている格納情報を送信させる要求電波を送信する送信回路と、前記要求電波を受信した応答機から送信されてくる応答電波を受信して復調する受信回路と、前記送信回路が前記要求電波を送信した時点から前記受信回路が前記応答電波を受信した時点までの応答時間を示す情報を記憶する応答時間記憶回路と、前記応答電波を復調して得られる格納情報を、前記応答時間を示す情報と対応付けて記憶する格納情報記憶回路と、を備えることを特徴とする質問機に関する。
【0008】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための最良の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0009】
応答機から読み取った格納情報を識別することができる質問機及び判定時間の設定方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態であるRFIDのリーダ装置(特許請求の範囲に記載の質問機に相当する)100について詳細に説明する。
【0011】
リーダ装置100は、ICタグ(特許請求の範囲に記載の応答機に相当する)300に格納されている情報(以下、格納情報という)を読み出す装置である。格納情報の読み出しは、リーダ装置300から送信された要求電波を受信したICタグ300により送信された応答電波を、リーダ装置100が受信することにより行われる。
【0012】
本実施の形態に係るリーダ装置100の外観図の一例を図2に示す。図2に示すリーダ装置100は、入力キー123とディスプレイなどの出力装置(特許請求の範囲に記載の表示装置に相当する)110と要求電波送信スイッチ124とを備えている。要求電波送信スイッチ124は、オペレータによる要求電波の送信指示を受け付けるためのスイッチである。リーダ装置100は、オペレータにより要求電波送信スイッチ124が操作されたことを検出すると、要求電波の送信を行う。
【0013】
なおリーダ装置100は、図2に示すハンドヘルド型の他にも、卓上設置型や機器組込型の態様とすることもできる。卓上設置型や機器組込型のリーダ装置100の場合は、入力キー123や要求電波送信スイッチ124、出力装置110を備えない構成とすることもできる。この場合リーダ装置100は、オペレータによる指示がなくても、要求電波を例えば常時あるいは周期的に、さらには通信可能に接続された情報処理装置400から送信された指示に応じて、送信するような態様とすることもできる。
【0014】
要求電波の送信は、通常、格納情報の読み出し対象物に向けて要求電波が送信されるようにリーダ装置100の向きを合わせてなされる。例えば図1において、荷物Aに付されたICタグ300の格納情報を読み出したい場合には、リーダ装置100を荷物Aに向けて要求電波を送信する。そうすると、荷物Aに付されたICタグ300から応答電波が送信され、この応答電波をリーダ装置100が受信することにより荷物Aに付されたICタグ300の格納情報を読み出すことができる。同様に、荷物Bに付されたICタグ300の格納情報を読み出したい場合には、リーダ装置100を荷物Bに向けて要求電波を送信する。
【0015】
また、要求電波の指向性や送信電力の程度によっては、荷物Aと荷物Bとの両方に要求電波が到達することもある。この場合リーダ装置100は、一度の要求電波の送信により、荷物Aと荷物Bとの両方の格納情報を読み取ることができる。
【0016】
また本実施の形態に係るリーダ装置100は、図3に示すように荷物の仕分け管理に用いることもできる。図3は、航空機の搭乗客の荷物を、座席のグレードに応じて仕分けする場合の例を示したものである。例えば、チェックイン時に乗客から預けられた各荷物にICタグ300を付しておき、またその荷物を預けた乗客の座席のグレードとその荷物に付したICタグ300の格納情報とを対応付けて情報処理装置400に記憶しておく。
【0017】
そして、乗客の荷物を搭乗機に運搬するコンベア上において、各荷物に付されたICタグ300の格納情報をリーダ装置100により読み出す。例えばファーストクラスの乗客の荷物をコンベアから降ろす地点Aにおいて、コンベア上の各荷物に付されたICタグ300の格納情報を読み出すようにしておく。そして読み出した格納情報がファーストクラスと対応付けて記憶されている場合には、情報処理装置400は、ファーストクラスの乗客の荷物を降ろす作業員にその荷物をコンベアから降ろさせるための指示を出す。作業員は、指示に従い荷物をコンベアから降ろし、ファーストクラス用のULD(Unit Load Device)に収納する。ビジネスクラスやエコノミークラス等の他のクラスについても、それぞれコンベアから荷物を降ろす地点において各荷物に付されたICタグ300の格納情報を読み出すようにする。このようにして、座席のグレードに応じて効率良く乗客の荷物を仕分けすることが可能となる。また乗客により預けられた各荷物が確実にULDに積まれたことをチェックできるので、荷物の紛失を防止することも可能となる。なお、図3に示す例においては、入力キー123や要求電波送信スイッチ124、出力装置110を備えない構成の、卓上設置型や機器組込型のリーダ装置100を用いることができる。なおこのような構成のリーダ装置100においては、通信可能に接続された情報処理装置400が備えるキーボード等の入力装置やディスプレイ等の出力装置に、上記入力キー123や出力装置110の役割を果たさせるようにすることもできる。
【0018】
ところで、図1に示した例においても図3に示した例においても、希望しないICタグ300の格納情報をリーダ装置100が読み出してしまうことが考えられる。
【0019】
例えば図1に示した例において、作業者が荷物Aに付されたICタグ300の格納情報だけを読み出したいとしても、荷物Bに付されたICタグ300の格納情報も読み出されてしまう場合がある。この場合、作業者は、読み出された格納情報が、荷物Aに付されたICタグ300から読み出されたものであるのか、荷物Bに付されたICタグ300に付されたものであるのかを区別することはできない。またこの場合には、例えば壁に反射した要求電波が荷物Aや荷物Bに到達し、壁に反射した要求電波により荷物Aや荷物Bに付されたICタグ300から応答電波が送信されてしまうこともあり得る。また図3に示した例では、リーダ装置100がコンベア上に並ぶ複数の荷物のICタグ300の格納情報を一度に読み出してしまう場合がある。この場合、情報処理装置400は、どの格納情報について処理を行えばよいのか、判断できない。また、例えコンベアから荷物を降ろす指示が情報処理装置400によりなされたとしても、作業者はどの荷物を降ろすべきか判断することができない。
【0020】
そのため、本実施の形態に係るリーダ装置100は、詳細は後述するが、格納情報を読み出す際に、要求電波を送信した時点から応答電波を受信した時点までの応答時間を示す情報を記憶しておき、ICタグ300から読み出した格納情報を、上記応答時間を示す情報と対応付けて記憶するようにする。応答時間の大小は、すなわちリーダ装置100とICタグ300との間の距離の大小に対応する。これにより、リーダ装置100は、読み取った各格納情報を応答時間により識別することができるようになる。例えば図1の例では、リーダ装置100と荷物Aとの間の距離は、リーダ装置100と荷物Bとの間の距離よりも短いため、リーダ装置100は、荷物Aに付されたICタグ300からの応答電波を、荷物Bに付されたICタグ300からの応答電波よりも先に受信する。このためリーダ装置100は、読み取った格納情報を応答時間を示す情報と対応付けて記憶することにより、荷物Aに付されたICタグ300からの格納情報と、荷物Bに付されたICタグ30からの格納情報とを区別することができるようになる。
【0021】
また本実施の形態に係るリーダ装置100は、応答時間を示す情報と比較するための判定時間を示す情報を記憶しておき、読み取った格納情報を、その格納情報に上記対応付けられた応答時間を示す情報と判定時間を示す情報との比較の結果に応じて、ディスプレイなどの出力装置110に表示させるようにすることもできる。これにより、希望するICタグ300の格納情報だけを読み出して表示することが可能となる。
【0022】
例えば、応答時間を示す情報が判定時間を示す情報よりも小さい場合に、読み取った格納情報を出力装置110に表示するようにすることができる。また応答時間を示す情報が判定時間を示す情報よりも大きい場合に、読み取った格納情報を出力装置110に表示するようにすることもできる。さらには、第1の判定時間を示す情報と第2の判定時間を示す情報とを記憶しておき、応答時間を示す情報が、第1の判定時間を示す情報よりも大きく第2の判定時間を示す情報よりも小さい場合に、読み取った格納情報を出力装置110に表示するようにすることもできる。この場合、第1の判定時間を示す情報よりも第2の判定時間を示す情報を大きな値に設定しておけば、応答時間が第1の判定時間から第2の判定時間の間であった格納情報のみを選別して表示させることができる。以上のようにして本実施の形態に係るリーダ装置100は、目的とするICタグ300から読み取った格納情報だけを選別して表示させることが可能となる。
【0023】
例えば図1に示した例において、荷物Aに付されたICタグ300の格納情報だけが必要であるとした場合に、上記判定時間を、荷物Aからの応答時間よりは長くかつ荷物Bからの応答時間よりは短いように設定しておけば、荷物Aに付されたICタグ300の格納情報のみを選別して表示することができる。読み取った格納情報が出力装置110に表示されている様子を図11に示す。
【0024】
また本実施の形態に係るリーダ装置100は、読み取った格納情報を、その格納情報に上記対応付けられた応答時間を示す情報と判定時間を示す情報との比較の結果に応じて、情報処理装置400に送信するようにすることもできる。これにより、例えば図3に示す例においては、コンベアから降ろすべきか否かの判断対象となっている荷物に付されたICタグ300の格納情報だけを選別して情報処理装置400に送信することが可能となる。つまり、リーダ装置100が、判断対象となっている荷物に隣接する複数の荷物に付されたICタグ300の格納情報を読み取ってしまったとしても、それぞれの応答時間の違いにより各格納情報を識別することができ、各応答時間を判定時間と比較することにより、目的とする荷物に付されたICタグ300からの格納情報のみを選別して情報処理装置400に送信することができるのである。
【0025】
ここで、応答時間と判定時間との比較の結果に応じて、目的とするICタグ300から読み取った格納情報のみを選別することを示すタイムチャートを図5に示す。図5においては「2t+Δt」が第1の判定時間であり、「2t+Δt」が第2の判定時間を示す。そして応答時間が「2t+Δt」よりも長く「2t+Δt」よりも短い格納情報を選別するようにする。なお選別されなかった格納情報はメモリ130から消去するようにすることもできる。あるいは、選別されなかった格納情報は、メモリ130から消去はしないが、他のデータ、例えば次に読み取った格納情報等で上書きされるようにすることもできる。
【0026】
ここで、本実施の形態に係るリーダ装置100のブロック構成について図9を参照しながら説明する。図9に示すように、本実施形態のリーダ装置100は、送信アンテナ220、送信回路160、受信アンテナ221、受信回路170、ベースバンド回路180、CPU150、メモリ130、入力装置120、出力装置110、通信ポート140、シンセサイザ(特許請求の範囲に記載のクロック回路に相当する)190、TCXO(Temperature Compensate Xtal Oscillator)191、VCO(Variable Control Oscillator)192、カウンタ200、ゲートアレイ210、D/Aコンバータ230を備える。
【0027】
CPU150は、特許請求の範囲に記載の応答時間比較回路、格納情報表示回路、判定時間設定回路、補正時間算出回路、比較回路、格納情報送信回路に相当する。メモリ130は、特許請求の範囲に記載の格納情報記憶回路、判定時間記憶回路、判定値記憶回路に相当する。入力装置120は、特許請求の範囲に記載の設定情報入力回路、補正情報入力回路に相当する。出力装置110は、特許請求の範囲に記載の表示装置に相当する。通信ポート140は、特許請求の範囲に記載の通信回路に相当する。またカウンタ200は、特許請求の範囲に記載の応答時間記憶回路、カウンタ回路に相当する。
【0028】
CPU150は、リーダ装置100全体の制御を司る。例えばCPU150は、オペレータによりなされた要求電波送信スイッチ124の操作を検知して、要求電波を送信するべく、メモリ130に記憶されているデジタルデータをベースバンド回路180に出力する。このデジタルデータは、ベースバンド回路180によりフレームの追加や誤り制御符号の付加等がなされ、D/Aコンバータ230によりアナログデータに変換された後、送信回路160により要求電波として送信される。またCPU150は、ICタグ300から送信された応答電波を受信回路170が受信した際に、ベースバンド回路180から出力される格納情報を含むデジタルデータを、メモリ130へ書き込む。さらにCPU150は、応答時間と判定時間との比較や、比較の結果に応じた格納情報の選別、出力装置110への表示、情報処理装置400への送信、判定時間の設定、補正時間の算出等の処理も行う。
【0029】
メモリ130は、各種データを記憶するための装置である。例えば、上記ベースバンド回路180との間で授受されるデジタルデータや、ICタグ300から読み取った格納情報、判定時間を示す情報、補正時間を示す情報などを記憶する。またメモリ130には、CPU150により実行されるリーダ装置100の制御プログラムも記憶されるようにすることができる。
【0030】
入力装置120は、リーダ装置100を操作するオペレータ等からの入力を受け付ける装置である。入力装置120は、本実施の形態においては、例えば上述した要求電波送信スイッチ124や、後述する入力キー123、あるいは読取範囲設定スイッチ121、指定方法選択スイッチ122である。
【0031】
出力装置110は、情報を外部に出力する装置である。出力装置110としては、例えばディスプレイやブザー等とすることができる。
【0032】
通信ポート140は、情報処理装置400と通信を行うための装置である。本実施の形態に係るリーダ装置100は、通信ポート140を通じて情報処理装置400と通信を行うことにより、例えばICタグ300から読み取った格納情報を上記情報処理装置400に送信することができる。あるいは、上述した制御プログラムを、情報処理装置400から通信ポート140を介して受信してメモリ130に記憶するようにすることもできる。また、入力装置120や出力装置110を備えない卓上設置型や機器組込型のリーダ装置100の場合には、通信ポート140を通じて通信可能に接続された情報処理装置400が備える入力装置や出力装置に、上記入力装置120や上記出力装置110の役割を果たさせるようにすることもできる。
【0033】
ベースバンド処理回路180は、メモリ130に記憶されているデジタルデータにフレームの追加や誤り制御符号の付加等を行って送信データを生成し、出力する。この送信データは、D/Aコンバータ230によりアナログデータに変換され、送信回路160に入力される。またベースバンド処理回路180は、受信回路170から入力される受信データについてフレームの除去やデータの組立て、フレーム同期、誤り制御等を行って、ICタグ300に記憶されていた格納情報を含むデジタルデータを生成する。そしてこのデジタルデータはCPU150によりメモリ130に書き込まれる。
【0034】
送信回路160は、ICタグ300に格納されている格納情報をICタグ300に送信させるための要求電波を送信アンテナ220から送信する。送信アンテナ220から送信される要求電波の周波数は例えばUHF帯である。
送信回路160は、変調回路161、バンドパスフィルタ(BPF)162、パワーアンプ163、ローパスフィルタ(LPF)164を用いて構成される。
【0035】
変調回路161は、D/Aコンバータ230から出力されるアナログデータを変調し、要求電波の周波数の送信信号を生成する。バンドパスフィルタ162は、変調回路161から出力される送信信号を帯域制限する。パワーアンプ163は上記送信信号を増幅する。増幅された送信信号はローパスフィルタ164を通過して送信アンテナ220に供給される。
【0036】
受信回路170は、要求電波を受信したICタグ300から送信されてくる応答電波を受信して復調する。受信回路170はダイレクトコンバージョン方式の回路である。応答電波の周波数は例えばUHF帯である。
受信回路170には、BPF171、LNA(Low Noise Amplifier)172、ダイレクトコンバージョン173、LPF174、ベースバンドアンプ175、A/Dコンバータ176、コンパレータ(特許請求の範囲に記載のカウント停止回路に相当する)177、復調回路178の各回路が含まれる。
【0037】
BPF171は、受信アンテナ221が受信した応答電波を受信信号(RF信号)として帯域制限する。LNA172は、BPF171からの受信信号を増幅し、S/N(信号対雑音比)を向上させる。
【0038】
ダイレクトコンバージョン173は、第1のDBM(Double Balanced Mixer)、第2のDBM及びπ/2位相シフタを含んで構成される。第1のDBMには、LNA172から出力される受信信号及びシンセサイザ190からの発振信号(クロック信号)が入力される。第1のDBMはI(In-phase)信号を出力する。また第2のDBMには、LNA172から出力される受信信号及びπ/2位相シフタから出力されるシンセサイザ190からの発振信号の位相を90度(π/2)だけずらした信号が入力される。第2のDBMはQ(Quadrature-phase)信号を出力する。
【0039】
第1のDBMから出力されるI信号及び第2のDBMから出力されるQ信号は、それぞれLPF174を通過した後ベースバンドアンプ175で増幅され、A/Dコンバータ176に入力された後、復調回路178に入力される。
復調回路178は、I信号及びQ信号の復調処理を行って受信データを生成し、ベースバンド回路180に出力する。
【0040】
またI信号及びQ信号の一部は合成され、受信信号の強度に応じた電圧(受信信号の強度を示す信号)を出力するRSSI(Radio Signal Strength Indicator)回路に入力される。そしてRSSI回路により、受信信号の強度に対応する電圧が出力される。
【0041】
この受信信号の強度を示す信号は、コンパレータ177に入力される。一方本実施の形態に係るコンパレータ177には、例えば−80dBm相当の電圧が閾値として入力されている。そして、上記受信信号の強度に対応する電圧と閾値との比較の結果に応じて、例えば、上記受信信号の強度に対応する電圧が閾値を超えた場合に、コンパレータ177は、受信信号の強度が閾値を超えたことを示す信号を出力する。この信号は、後述するストップ信号としてカウンタ200に入力される。
【0042】
シンセサイザ190は、クロック信号を出力する回路である。本実施の形態に係るシンセサイザ190の構成を図12に示す。本実施の形態においては、シンセサイザ190へは、TCXO191からの20MHzの発振信号が入力される。またVCOからは1GHzの発振信号が入力される。そして本実施の形態に係るシンセサイザ190が備える2つの分周器の分周比として、M=20及びN=1000が、それぞれ設定されている。
【0043】
カウンタ200は、内部にレジスタを備え、クロック信号に同期して、スタート信号の入力によりレジスタに記憶されている値のインクリメントを開始し、ストップ信号の入力によりインクリメントを停止する。本実施の形態においては、シンセサイザ190から出力される1GHzの発振信号が、クロック信号としてカウンタ200に入力されている。従って、レジスタに記憶されている値は、1[ns]毎にインクリメントされる。なおもちろん、カウンタ200は、クロック信号に同期して、レジスタに記憶されている値をデクリメントする構成とすることもできる。またさらに、本実施の形態に係るカウンタ200は、クロック信号に同期して、レジスタに記憶されている値を1ずつインクリメントするが、増分の値は1に限られず、他の値とすることもできる。
【0044】
レジスタに記憶されている値は、CPU150により読み出されることができる。このためCPU150は、カウンタ200にスタート信号が入力されてからストップ信号が入力されるまでの時間を、カウンタ200にストップ信号が入力された後のレジスタに記憶されている値により知ることができる。
【0045】
本実施の形態においては、カウンタ200には、ゲートアレイ(特許請求の範囲に記載のカウント開始回路に相当する)210からリセット信号、スタート信号、リスタート信号が入力される。ゲートアレイ210は、CPU150から入力される制御信号に応じて、これらのリセット信号、スタート信号、リスタート信号を出力する。また詳細は後述するが、コンパレータ177からの出力信号がストップ信号としてカウンタ200に入力される。なお、ゲートアレイ210は、例えばリーダ装置100から要求信号を送信する際にCPU150から出力されるTx信号が終了したタイミングでスタート信号を出力する。Tx信号は、CPU150が、メモリ130に記憶されているデジタルデータをベースバンド回路180に出力する際にCPU150から出力される信号である。
【0046】
また本実施の形態に係るカウンタ200は、リセット信号が入力されるとレジスタの値をゼロクリアする。また上述したように、スタート信号が入力されると、クロック信号に同期して、レジスタに記憶されている値のインクリメントを開始する。またストップ信号が入力されると、レジスタに記憶されている値のインクリメントを停止する。またリスタート信号が入力されると、クロック信号に同期して、レジスタに記憶されている値のインクリメントを再開する。
【0047】
上述したように、カウンタ200は、スタート信号が入力されると、クロック信号に同期して、レジスタに記憶されている値のインクリメントを開始する。そしてスタート信号は、CPU150から出力されるTx信号が終了したタイミングでゲートアレイ210からカウンタ200に入力される。つまり、本実施の形態においては、CPU150からのTx信号の出力が終了した時点を、送信回路160が要求電波を送信した時点とする。しかしながらこれは一例である。送信回路160が要求電波を送信した時点としては、もちろん上記に限られず、要求電波を送信する際におけるある特定の時点であれば、いずれの時点でもよい。例えば、要求電波が送信アンテナ220から送信された時点とすることもできるし、ベースバンド回路180から送信データが送信回路160に出力された時点とすることもできる。その他CPU150がTx信号の出力を開始した時点とすることもできる。
【0048】
また同様に、カウンタ200は、ストップ信号が入力されると、レジスタに記憶されている値のインクリメントを停止する。そしてストップ信号は、受信信号の強度に対応する電圧が閾値を超えた場合にコンパレータ177により入力される。つまり、本実施の形態においては、受信信号の強度に対応する電圧が閾値を超えたタイミングを、受信回路170が応答電波を受信した時点とする。しかしながらこれは一例である。受信回路170が応答電波を受信した時点としては、もちろん上記に限られず、応答電波を受信する際におけるある特定の時点であれば、いずれの時点でもよい。例えば、応答電波が受信アンテナ221により受信された時点とすることもできるし、受信回路170から受信データがベースバンド回路180に出力された時点とすることもできる。
【0049】
次に、本実施の形態に係るリーダ装置100において、目的とするICタグ300の格納情報を選別するための判定時間を設定する際の処理について説明する。判定時間の設定は例えば以下のようにして行うことができる。
【0050】
まず、図4に例示する本実施の形態に係るリーダ装置100において、読取範囲指定スイッチ121を”ON”側にする。そして指定方法選択スイッチ122において、”以上”、”中間”、あるいは”以下”のいずれかを選択する。
【0051】
例えば、”中間”が選択された場合には、リーダ装置100はディスプレイなどの出力装置110に例えば図6に示す画面を表示する。”中間”が選択された場合には、応答時間が第1の判定時間から第2の判定時間の範囲にある格納情報が選別されるように、判定時間を設定することができる。
【0052】
この場合、リーダ装置100は、入力キー123により、Xの値(特許請求の範囲に記載の第1の距離を示す情報に相当する)及びYの値(特許請求の範囲に記載の第2の距離を示す情報に相当する)の入力を受け付ける。そしてCPU150は、距離X(第1の距離)を電波が往復するのにかかる時間を上記第1の判定時間として算出し、距離Y(第2の距離)を電波が往復するのにかかる時間を上記第2の判定時間として算出し、これらの値をメモリ130に書き込んで記憶しておく。そして算出されたこれらの値は必要に応じてナノ秒単位の数値に換算される。このナノ秒単位に換算された数値(判定値)は、その間にカウンタ200のレジスタの値がインクリメントされて増加する値に相当する。なぜならば本実施の形態におけるクロック信号は1GHzの周波数であり、本実施の形態に係るカウンタ200は、クロック信号に同期してレジスタに記憶されている値を1ずつインクリメントするからである。
【0053】
このような形態により、リーダ装置100を使用するオペレータは、その使用目的や使用環境等に応じて、適切な読み取り範囲の設定を行うことが可能となる。
【0054】
なお、上記距離を電波が往復するのにかかる時間の値は、例えば上記距離を2倍した値を電波の速度で割ることにより算出することができる。例えば、電波の速度は3×10[m/s]であるので、距離12[m]を電波が往復するのにかかる時間の値は、80[ns]と算出することができる。
【0055】
なお、図6に例示するように、補正時間の欄に上記判定時間を補正するための情報を入力するようにすることもできる。補正時間の欄に補正時間を示す情報が入力された場合は、CPU150は、上記距離Xを電波が往復するのにかかる時間及び距離Yを電波が往復するのにかかる時間にそれぞれ補正時間を加算した時間を判定時間として算出する。補正時間の欄にはプラスの値を入力しても良いしマイナスの値を入力しても良い。このようにすることにより、判定時間を微調整することが可能となる。例えば、リーダ装置100が要求電波を送信する際の処理時間や応答電波を受信する際の処理時間、ICタグ300が要求電波を受信してから応答電波を送信するまでの時間等を補正時間とすることにより、より正確なリーダ装置100とICタグ300との間の距離に基づいて、読み取った格納情報の選別を行うことができるようになる。なお、補正時間は、図6に示すようにリーダ装置100のオペレータにより入力させるような態様とするのではなく、リーダ装置100の製造時や出荷時等に、メモリ130に予め記憶させておくような態様とすることもできる。
【0056】
同様に、指定方法選択スイッチ122において、”以下”が選択されたことをCPU150が検知すると、リーダ装置100は出力装置110に、例えば図7に示す画面を表示する。そして、応答時間が判定時間以下の範囲にある格納情報が選別されるように、判定時間を設定することができる。これにより、リーダ装置100の比較的近くにあるICタグ300からの格納情報だけを選別することができるようになる。
【0057】
また”以上”が選択されたことをCPU150が検知すると、リーダ装置100は出力装置110に、例えば図8に示す画面を表示する。そして、応答時間が判定時間以上の範囲にある格納情報が選別されるように、判定時間を設定することができる。これにより、リーダ装置100の比較的遠方にあるICタグ300からの格納情報はだけを選別することができるようになる。
【0058】
また図4、図6乃至図8では、判定時間を設定するための情報として、距離を示す情報を具体的な数値で入力することにより読み取り範囲の設定を行う場合の例を示したが、その他にも例えば、判定時間を設定するための情報として、予め設定されている複数の読み取り範囲の中の一つを選択する情報を入力することにより読み取り範囲の設定を行う様にすることもできる。例えば所定の読み取り範囲としてあらかじめ「5m以下」、「10m以下」、「15m以下」の3ケースを設定しておき、これらの中の一つを選択する情報をオペレータに入力させる様にすることもできる。また判定時間を設定するための情報として、判定時間を示す情報を具体的な数値として入力するようにすることもできる。
【0059】
また同様に、判定時間を補正するための情報として、補正時間を示す情報を直接入力するのではなく、予め設定されている複数の補正時間の中の一つを選択する情報をオペレータに入力させる様にすることもできる。
【0060】
なお、リーダ装置100の読取範囲指定スイッチ121を”OFF”側にすることにより、応答時間と判定時間との比較の結果による格納情報の選別は行わないようにすることができる。このように本実施の形態に係るリーダ装置100は、応答時間と判定時間との比較の結果による格納情報の選別を行うか行わないかを切り替えることができる。これにより、読み取り範囲の設定が不要な場合には、設定操作を不要とすることができる。このように、本実施の形態に係るリーダ装置100は、ICタグ300の格納情報を読み出す場所や用途、目的等に応じた相応しい使い方ができる。
【0061】
次に、ICタグ300の格納情報を読み出す場合における、本実施の形態に係るリーダ装置100の処理の一例を図10に示すフローチャートに従って説明する。
【0062】
まずリーダ装置100は、読み取り範囲の設定を受け付ける(S1000)。読み取り範囲の設定は、上述したように、入力キー123により、距離を示す情報の入力を受け、CPU150により、上記距離を電波が往復するのにかかる時間が算出され、算出された時間を示す情報が、CPU150により、判定時間を示す情報としてメモリ130に書き込まれることにより行われる。本実施の形態においては、この判定時間を示す情報は、例えば判定時間の間にカウンタ200のレジスタの値が、クロック信号に同期してインクリメントされることにより増加する値(判定値)とする。
【0063】
そしてリーダ装置100は、オペレータにより要求電波送信スイッチ124が操作されたことを検知すると要求電波の送信を行う(S1010、S1020)。このときCPU150は、ゲートアレイ210に制御信号を出力して、ゲートアレイ210からリセット信号を出力させる。これによりCPU150はカウンタ200のレジスタの値をゼロクリアする。また、CPU150により行われるメモリ130からベースバンド回路180へのデジタルデータの転送が終了した時点で、CPU150がTx信号の出力を終了すると、これを検知したゲートアレイ210がカウンタ200にスタート信号を出力する。そしてカウンタ200のインクリメントが開始される。
【0064】
次に、リーダ装置100から送信された要求電波に応じてICタグ300から送信されてきた応答電波を受信し(S1040、S1050)、RSSI回路から出力される受信信号の強度に対応する電圧が閾値を超えると、コンパレータ177からカウンタ200にストップ信号が入力される。そしてカウンタ200のインクリメントが停止する(S1060)。これによりカウンタ200のレジスタには、応答時間を示す情報が記憶される。
【0065】
一方、応答電波を受信して得られる受信信号は、復調回路178により復調された後(S1070)、CPU150によりベースバンド回路180からメモリ130に書き込まれる(S1080)。このようにして、ICタグ300から読み出された格納情報は、応答時間を示す情報と対応付けてメモリ130に記憶される。
【0066】
そしてCPU150は、カウンタ200のレジスタの値を読み出して(S1090)、メモリ130に記憶されている判定時間を示す情報(判定値)と比較する(S1100)。
【0067】
そして、例えば読み出したレジスタの値の方が判定時間を示す情報よりも小さい場合には、応答時間が判定時間より短いと判定し、格納情報をディスプレイなどの出力装置110に表示する。一方、レジスタの値が判定時間を示す情報よりも小さくない場合には、応答時間は判定時間以上であると判定し、例えば格納情報をメモリ130から消去する(S1110)。
【0068】
もちろん上記処理の流れは一例であり、例えば、上述したように、読み出したレジスタの値の方が判定時間を示す情報よりも大きい場合には、応答時間が判定時間よりも長いと判定し、格納情報をディスプレイ110に表示する様にすることもできる。
【0069】
以上本実施の形態に係るリーダ装置100について説明したが、本実施の形態に係るリーダ装置100によれば、ICタグ300から読み取った格納情報を、応答時間を示す情報と対応付けて記憶しておくことにより識別することが可能となる。
【0070】
これにより、読み取った格納情報のうち、目的とするICタグ300からの格納情報のみを選別することが可能となる。特に本実施の形態に係るリーダ装置100においては、目的とするICタグ300からの格納情報のみを選別して読み出すようにする際に、送信電力を増減させたりすることは不要であるので、格納情報の読み取り率を低下させたり消費電力を増加させたりすることがない。
【0071】
さらに、読み取り範囲として設定する、目的とするICタグ300までの距離は、オペレータが任意に設定することができるため、リーダ装置100の使用場所や使用環境、使用目的等の制約を受けることなく使用することができる。
【0072】
なお本実施の形態に係るリーダ装置100は、例えばベルトコンベアにより航空手荷物を貨物ゲートに自動搬送する場合における航空手荷物の行き先管理やスーパーマーケットにおけるレジ精算、物流センターにおける検品業務などにも適用可能である。
【0073】
以上、本発明を実施するための最良の形態について説明したが、上記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。例えばリーダ装置100はリーダライタ装置であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施の形態に係るリーダ装置の使用形態の一例を説明するための図である。
【図2】本実施の形態に係るリーダ装置の外観構成例を示す図ある。
【図3】本実施の形態に係るリーダ装置の使用形態の一例を説明するための図である。
【図4】本実施の形態に係るリーダ装置の外観構成例を示す図である。
【図5】本実施の形態に係るリーダ装置における応答時間に応じた格納情報の選別を説明するための図である。
【図6】本実施の形態に係る読み取り範囲設定画面の一例を示す図である。
【図7】本実施の形態に係る読み取り範囲設定画面の一例を示す図である。
【図8】本実施の形態に係る読み取り範囲設定画面の一例を示す図である。
【図9】本実施の形態に係るリーダ装置のブロック構成の一例を示す図である。
【図10】本実施の形態に係るリーダ装置を用いたICタグの読み取り処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態に係るリーダ装置において、読み取った格納情報が表示される様子を示す図である。
【図12】本実施の形態に係るシンセサイザのブロック構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0075】
100 リーダ装置
110 出力装置
120 入力装置
121 読取範囲指定スイッチ
122 指定方法選択スイッチ
123 入力キー
124 要求電波送信スイッチ
130 メモリ
140 通信ポート
150 CPU
160 送信回路
161 変調回路
162 BPF
163 パワーアンプ
164 LPF
170 受信回路
171 BPF
172 LNA
173 ダイレクトコンバージョン
174 LPF
175 ベースバンドアンプ
176 A/Dコンバータ
177 コンパレータ
178 復調回路
180 ベースバンド回路
190 シンセサイザ
191 TCXO
192 VCO
200 カウンタ
210 ゲートアレイ
220 送信アンテナ
221 受信アンテナ
230 D/Aコンバータ
300 ICタグ
400 情報処理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
応答機に格納されている格納情報を送信させる要求電波を送信する送信回路と、
前記要求電波を受信した応答機から送信されてくる応答電波を受信して復調する受信回路と、
前記送信回路が前記要求電波を送信した時点から前記受信回路が前記応答電波を受信した時点までの応答時間を示す情報を記憶する応答時間記憶回路と、
前記受信した応答電波を復調して得られる格納情報を、前記応答時間を示す情報と対応付けて記憶する格納情報記憶回路と、
を備えることを特徴とする質問機。
【請求項2】
請求項1に記載の質問機であって、
前記応答時間を示す情報と比較するための判定時間を示す情報を記憶する判定時間記憶回路と、
前記応答時間記憶回路に記憶された応答時間を示す情報と前記判定時間記憶回路に記憶された判定時間を示す情報とを比較する応答時間比較回路と、
格納情報を表示する表示装置と、
前記応答時間を示す情報と前記判定時間を示す情報との比較の結果に応じて、前記応答時間を示す情報に対応付けられる格納情報を前記表示装置に表示させる格納情報表示回路と、
を備えることを特徴とする質問機。
【請求項3】
請求項2に記載の質問機であって、
前記格納情報表示回路は、
前記応答時間を示す情報が前記判定時間を示す情報よりも小さい場合に、前記応答時間を示す情報に対応付けられる格納情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする質問機。
【請求項4】
請求項2に記載の質問機であって、
前記格納情報表示回路は、
前記応答時間を示す情報が前記判定時間を示す情報よりも大きい場合に、前記応答時間を示す情報に対応付けられる格納情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする質問機。
【請求項5】
請求項2に記載の質問機であって、
前記判定時間記憶回路は、
第1の判定時間を示す情報と第2の判定時間を示す情報とを記憶し、
前記格納情報表示回路は、
前記応答時間を示す情報が、前記第1の判定時間を示す情報よりも大きく前記第2の判定時間を示す情報よりも小さい場合に、前記応答時間を示す情報に対応付けられる格納情報を前記表示装置に表示させる
ことを特徴とする質問機。
【請求項6】
請求項2に記載の質問機であって、
判定時間を設定するための情報の入力を受ける設定情報入力回路と、
前記判定時間を設定するための情報に基づいて判定時間を設定し、前記設定された判定時間を示す情報を前記判定時間記憶回路に書き込む判定時間設定回路と、
を備えることを特徴とする質問機。
【請求項7】
請求項6に記載の質問機であって、
前記設定情報入力回路は、
前記判定時間を設定するための情報として距離を示す情報の入力を受け、
前記判定時間設定回路は、
前記距離を電波が往復するのにかかる時間を前記判定時間として算出し、前記算出された判定時間を示す情報を前記判定時間記憶回路に書き込む
ことを特徴とする質問機。
【請求項8】
請求項5に記載の質問機であって、
第1の距離を示す情報と第2の距離を示す情報との入力を受ける設定情報入力回路と、
前記第1の距離を電波が往復するのにかかる時間及び前記第2の距離を電波が往復するのにかかる時間を、それぞれ前記第1の判定時間及び前記第2の判定時間として算出し、前記算出された第1の判定時間を示す情報及び前記算出された第2の判定時間を示す情報を、前記判定時間記憶回路に書き込む判定時間設定回路と、
を備えることを特徴とする質問機。
【請求項9】
請求項7に記載の質問機であって、
判定時間を補正するための情報の入力を受ける補正情報入力回路と、
前記判定時間を補正するための情報に基づいて補正時間を算出する補正時間算出回路と、
を備え、
前記判定時間設定回路は、
前記距離を電波が往復するのにかかる時間に前記算出された補正時間を加えて得られる時間を前記判定時間として算出し、前記算出された判定時間を示す情報を前記判定時間記憶回路に書き込む
ことを特徴とする質問機。
【請求項10】
請求項1に記載の質問機であって、
前記応答機はRFIDにおけるICタグであり、当該質問機は前記ICタグから前記格納情報を読み出すRFIDにおけるリーダ装置であることを特徴とする質問機。
【請求項11】
応答機に格納されている格納情報を送信させる要求電波を送信する送信回路と、
前記要求電波を受信した応答機から送信されてくる応答電波を受信して復調する受信回路と、
クロック信号を出力するクロック回路と、
前記クロック信号に同期して、レジスタに記憶されている値のインクリメントを行うカウンタ回路と、
前記送信回路が前記要求電波を送信したタイミングで、前記カウンタ回路のレジスタに記憶されている値のインクリメントを開始させる信号を出力するカウント開始回路と、
前記受信回路が前記応答電波を受信したタイミングで、前記カウンタ回路のレジスタに記憶されている値のインクリメントを停止させる信号を出力するカウント停止回路と、
前記受信した応答電波を復調して得られる格納情報を、前記カウンタ回路のレジスタに記憶されている値と対応付けて記憶する格納情報記憶回路と、
前記カウンタ回路のレジスタに記憶されている値と比較するための判定値を記憶する判定値記憶回路と、
前記カウンタ回路のレジスタに記憶されている値と、前記判定値記憶回路に記憶されている判定値と、を比較する比較回路と、
格納情報を表示する表示装置と、
前記カウンタ回路のレジスタに記憶されている値と前記判定値との比較の結果に応じて、前記カウンタ回路のレジスタに記憶されている値に対応付けられる格納情報を前記表示装置に表示させる格納情報表示回路と、
を備えることを特徴とする質問機。
【請求項12】
請求項1に記載の質問機であって、
前記応答時間を示す情報と比較するための判定時間を示す情報を記憶する判定時間記憶回路と、
前記応答時間記憶回路に記憶された応答時間を示す情報と前記判定時間記憶回路に記憶された判定時間を示す情報とを比較する応答時間比較回路と、
情報処理装置と通信可能に接続される通信回路と、
前記応答時間を示す情報と前記判定時間を示す情報との比較の結果に応じて、前記応答時間を示す情報に対応付けられる格納情報を、前記通信回路を通じて前記情報処理装置に送信する格納情報送信回路と、
を備えることを特徴とする質問機。
【請求項13】
応答機に格納されている格納情報を送信させる要求電波を送信する送信回路と、
前記要求電波を受信した応答機から送信されてくる応答電波を受信して復調する受信回路と、
前記送信回路が前記要求電波を送信した時点から前記受信回路が前記応答電波を受信した時点までの応答時間を示す情報を記憶する応答時間記憶回路と、
前記受信した応答電波を復調して得られる格納情報を、前記応答時間を示す情報と対応付けて記憶する格納情報記憶回路と、
前記応答時間を示す情報と比較するための判定時間を示す情報を記憶する判定時間記憶回路と、
前記応答時間記憶回路に記憶された応答時間を示す情報と前記判定時間記憶回路に記憶された判定時間を示す情報とを比較する応答時間比較回路と、
格納情報を表示する表示装置と、
前記応答時間を示す情報と前記判定時間を示す情報との比較の結果に応じて、前記応答時間を示す情報に対応付けられる格納情報を、前記表示装置に表示させる格納情報表示回路と、
を備える質問機における前記判定時間の設定方法であって、
前記質問機が、距離を示す情報の入力を受け、
前記質問機が、前記距離を電波が往復するのにかかる時間を算出し、
前記質問機が、前記算出された時間を示す情報を、前記判定時間を示す情報として前記判定時間記憶回路に書き込む
ことを特徴とする判定時間の設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−245634(P2006−245634A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−54158(P2005−54158)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(504385708)マイティカード株式会社 (11)
【Fターム(参考)】