説明

購買ステージ判定装置及び購買ステージ判定方法

【課題】購買履歴を用いない場合であっても、ユーザの購買行動を判定できる購買ステージ判定装置及び購買ステージ判定方法を提供すること。
【解決手段】クエリ集合抽出部104は、検索履歴から所定のユーザにより用いられたクエリを抽出し、カテゴリ分類部105は、カテゴリDB111に記憶されるカテゴリ及びキーワードに基づいて、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合をカテゴリごとに分類する。使用頻度算出部106は、抽出されたクエリの集合及びこのクエリの集合がカテゴリ分類部105において分類されたカテゴリに基づいて、カテゴリごとの使用頻度を算出し、グラフ生成部107は、算出されたカテゴリごとの使用頻度を用いて所定の形式のグラフを生成する。判定部108は、生成されたグラフが所定の期間内に所定の状態であるか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの状態が購買ステージであるか判定する購買ステージ判定装置及び購買ステージ判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザの購買履歴等に基づいて、ユーザの端末装置に広告情報を配信する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、商品情報、個人情報、地域情報等のユーザの購買履歴を用いて、ユーザごとに適切な時期に広告を配信する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−206415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術では、ユーザによる購買履歴が存在しない場合には、ユーザによる商品の購買やサービスの利用等を、ユーザが行う可能性が高い状態であるか否か、つまりユーザの状況が購買ステージであるか判定することができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、購買履歴を用いない場合であっても、ユーザの状況が購買ステージであるか判定する購買ステージ判定装置及び購買ステージ判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)ユーザに対応する端末装置による検索に用いられたクエリに基づいて、前記ユーザの状態が購買ステージであるかを判定する購買ステージ判定装置であって、前記ユーザを識別する識別情報及び前記クエリを含む検索履歴を取得する検索履歴取得手段と、教師データとして、カテゴリ及び前記カテゴリに属するキーワードを受け付ける受付手段と、前記受付手段により受け付けられた前記カテゴリ及び前記キーワードに基づいて、学習モデルを生成し、生成した前記学習モデルを用いた分類器により前記検索履歴に含まれる前記クエリを分類して、分類した前記クエリを前記カテゴリの新たなキーワードとすることで前記クエリに基づくキーワードを生成するキーワード生成手段と、前記受付手段により受け付けられた前記カテゴリと、前記キーワード生成手段により生成された前記キーワードとを関連付けて記憶する記憶手段と、前記識別情報により識別される前記ユーザに対応する前記端末装置による検索に、所定の期間内に連続して用いられるクエリの集合を一単位として、前記検索履歴から一又は複数抽出するクエリ集合抽出手段と、前記記憶手段に記憶される前記カテゴリ及び前記キーワードに基づいて、前記クエリ集合抽出手段により抽出された前記クエリの集合を前記カテゴリごとに分類するカテゴリ分類手段と、前記クエリ集合抽出手段により抽出された前記クエリの集合及び当該クエリの集合が前記カテゴリ分類手段において分類された前記カテゴリに基づいて、前記カテゴリごとの使用頻度を算出する使用頻度算出手段と、前記使用頻度算出手段により算出された前記カテゴリの使用頻度を用いて所定の形式のグラフを生成するグラフ生成手段と、前記グラフ生成手段により生成された前記グラフがあるカテゴリを特定できる所定の状態であるか否かを判定し、前記グラフが前記所定の状態である場合に、前記ユーザの状態が前記所定の状態に対応する前記カテゴリの前記購買ステージであると判定する判定手段とを備える購買ステージ判定装置。
【0008】
(1)の購買ステージ判定装置において、検索履歴取得手段は、ユーザを識別する識別情報及びユーザにより検索に用いられたクエリを含む検索履歴を取得し、受付手段は、教師データとして、カテゴリ及びカテゴリに属するキーワードを受け付ける。キーワード生成手段は、受付手段により受け付けられたカテゴリ及びキーワードに基づいて、学習モデルを生成し、生成した学習モデルを用いた分類器により検索履歴に含まれるクエリを分類して、分類したクエリを新たなキーワードとしてクエリに基づくキーワードを生成する。記憶手段は、受付手段により受け付けられたカテゴリと、キーワード生成手段により生成されたキーワードとを関連付けて記憶し、クエリ集合抽出手段は、識別情報により識別されるユーザに対応する端末装置による検索に、所定の期間内に連続して用いられたクエリの集合を一単位として、検索履歴から一又は複数抽出する。カテゴリ分類手段は、記憶手段に記憶されるカテゴリ及びキーワードに基づいて、クエリ集合抽出手段により抽出されたクエリの集合をカテゴリごとに分類し、使用頻度算出手段は、クエリ集合抽出手段により抽出されたクエリの集合及びクエリの集合がカテゴリ分類手段において分類されたカテゴリに基づいて、カテゴリごとの使用頻度を算出する。そして、グラフ生成手段は、使用頻度算出手段により算出されたカテゴリの使用頻度を用いて所定の形式のグラフを生成し、判定手段は、グラフ生成手段により生成されたグラフが所定の状態であるか否か判定し、グラフが所定の状態である場合に、ユーザの状態がカテゴリの購買ステージであると判定する。
【0009】
これにより、購買ステージ判定装置は、グラフ生成手段により生成されたグラフにおいて、例えば、他のカテゴリの使用頻度よりも使用頻度が高い状態が所定回数出現するか否かを判定することにより、あるカテゴリに関する商品の購買やサービスの利用等を、ユーザが行う可能性が高い状態であるか否か、つまりユーザの状態が購買ステージであるか否かを判定することができる。
【0010】
(2)広告情報を前記カテゴリと関連付けて記憶する広告情報記憶手段と、前記判定手段により前記所定のユーザの状態が前記購買ステージであると判定された場合、前記広告情報記憶手段から前記グラフの生成に用いられた前記カテゴリに応じた前記広告情報を抽出し、抽出した前記広告情報を前記ユーザに対応する前記端末装置に配信する広告配信手段とをさらに備える(1)に記載の購買ステージ判定装置。
【0011】
(2)の購買ステージ判定装置において、広告配信手段は、判定手段によりグラフが所定の状態であり、所定のユーザの状態が購買ステージであると判定された場合、広告情報記憶手段からグラフの生成に用いられたカテゴリに応じた広告情報を抽出して、抽出した広告情報をユーザに対応する端末装置に配信する。
【0012】
これにより、購買ステージ判定装置は、あるカテゴリに関する商品の購買やサービスの利用等を行う可能性が高いユーザに対応する端末装置に対して、このカテゴリに応じた広告情報を配信できる。
【0013】
(3)ユーザに対応する端末装置による検索に用いられたクエリに基づいて、前記ユーザの状態が購買ステージであるかを判定する購買ステージ判定方法であって、前記ユーザを識別する識別情報及び前記クエリを含む検索履歴を取得する検索履歴取得ステップと、教師データとして、カテゴリ及び前記カテゴリに属するキーワードを受け付ける受付ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けられた前記カテゴリ及び前記キーワードに基づいて、学習モデルを生成し、生成した前記学習モデルを用いた分類器により前記検索履歴に含まれる前記クエリを分類して、分類した前記クエリを前記カテゴリの新たなキーワードとすることで前記クエリに基づくキーワードを生成するキーワード生成ステップと、前記受付ステップにおいて受け付けられた前記カテゴリと、前記キーワード生成ステップにおいて生成された前記キーワードとを関連付けて記憶する記憶ステップと、前記識別情報により識別される前記ユーザに対応する前記端末装置による検索に、所定の期間内に連続して用いられるクエリの集合を一単位として、前記検索履歴から一又は複数抽出するクエリ集合抽出ステップと、前記記憶ステップにおいて記憶された前記カテゴリ及び前記キーワードに基づいて、前記クエリ集合抽出ステップにおいて抽出された前記クエリの集合を前記カテゴリごとに分類するカテゴリ分類ステップと、前記クエリ集合抽出ステップにおいて抽出された前記クエリの集合及び当該クエリの集合が前記カテゴリ分類ステップにおいて分類された前記カテゴリに基づいて、前記カテゴリごとの使用頻度を算出する使用頻度算出ステップと、前記使用頻度算出ステップにおいて算出された前記カテゴリごとの使用頻度を用いて所定の形式のグラフを生成するグラフ生成ステップと、前記グラフ生成ステップにおいて生成された前記グラフがあるカテゴリを特定できる所定の状態であるか否かを判定し、前記グラフが前記所定の状態である場合に、前記ユーザの状態が前記所定の状態に対応する前記カテゴリの前記購買ステージであると判定する判定ステップとをコンピュータに実行させる購買ステージ判定方法。
【0014】
(3)の購買ステージ判定方法によれば、(1)の購買ステージ判定装置と同様な作用効果を奏する発明を方法として提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、購買履歴を用いない場合であっても、ユーザの購買行動を判定できる購買ステージ判定装置及び購買ステージ判定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】購買ステージ判定装置1の全体構成を示す模式図である。
【図2】検索履歴DB21に格納される検索履歴の一例を示す図である。
【図3】教師データの具体例としての教師データテーブル111aを示す図である。
【図4】カテゴリDB111に記憶されるクエリ及びキーワードの具体例であるキーワードテーブル111bを示す図である。
【図5】クエリの集合が属するカテゴリごとの使用頻度を示す図である。
【図6】カテゴリごとのクエリの使用頻度を示すグラフである。
【図7】購買ステージ判定装置1によりキーワードを生成する処理について示すフローチャートである。
【図8】購買ステージ判定装置1により購買ステージを判定して、広告を配信する処理について示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[全体構成]
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態である購買ステージ判定装置1の全体構成を示す模式図である。本実施形態に係る購買ステージ判定装置1は、制御部10と、記憶部11とを備える。
【0018】
制御部10は、CPU等で構成され、購買ステージ判定装置1全体を制御する。制御部10は、検索履歴取得部101と、教師データ受付部102と、キーワード生成部103と、クエリ集合抽出部104と、カテゴリ分類部105と、使用頻度算出部106と、グラフ生成部107と、判定部108と、広告配信部109とを備える。
【0019】
記憶部11は、メモリ、ハードディスク等の記憶装置で構成され、各種の情報や購買ステージ判定装置1により実行される各種のプログラム等を記憶する。記憶部11は、カテゴリDB111と、広告DB112とを備える。
【0020】
検索履歴取得部101は、ユーザを識別する識別情報としてのユーザの識別ID及びユーザに対応する端末装置3により検索に用いられたクエリを含む検索履歴を検索サーバ2から取得する。具体的には、検索履歴取得部101は、検索サーバ2の検索履歴DB21に格納される検索履歴を取得する。なお、検索履歴取得部101により取得される検索履歴の情報量は、適宜決定される。また、ユーザに対応する端末装置3とは、例えば、ユーザを識別するユーザの識別IDにより識別されている端末装置等をいう。また、検索履歴取得部101は、検索履歴DB21に代えて、ユーザに対応する端末装置3のブラウザに対応するCookieから検索履歴を取得してもよい。つまり、ブラウザのCookieにユーザの識別ID及びユーザに対応する端末装置3により使用されたクエリが記憶され、検索履歴取得部101は、ブラウザのCookieに含まれるユーザの識別ID及びクエリを検索履歴として取得してもよい。
【0021】
図2は、検索履歴DB21に格納される検索履歴の一例を示す図である。図2に示すように、検索履歴DB21には、検索履歴として、ユーザの識別ID、セッションID及びクエリが関連付けて記憶される。なお、検索履歴は、これに限らず、例えば、セッションログ、クリックログ等に含まれていてもよい。
【0022】
教師データ受付部102は、教師データとして、カテゴリ及びこのカテゴリに属するキーワードを、例えば、検索サーバ2から受け付ける。図3は、教師データの具体例としての教師データテーブル111aを示す図である。具体的には、教師データ受付部102は、図3に示すようなカテゴリ(例えば、車、デジタル、アニメ、ゲーム、人、ローカル、の6つのカテゴリ)及びカテゴリ無し。さらに、教師データ受付部102は、このカテゴリに属するキーワード(例えば、カテゴリ「車」における「ペリウス、ガウディ、ポンダ」)を受け付ける。
【0023】
キーワード生成部103は、教師データ受付部102により受け付けられたカテゴリ及びキーワードに基づいて、学習モデルを生成する。そして、キーワード生成部103は、生成した学習モデルを用いた分類器により検索履歴に含まれるクエリをカテゴリに分類して、分類したクエリをこのカテゴリの新たなキーワードとすることで、クエリに基づくキーワードをカテゴリごとに生成する。例えば、キーワードは、検索履歴に含まれるクエリであってよい。
【0024】
具体的には、キーワード生成部103は、各カテゴリに属するそれぞれのキーワードを用いて、検索エンジンによる検索を実行させる。そして、キーワード生成部103は、検索エンジンにより検索が実行されることによって得られた検索結果における表示順位が上位(例えば、1〜200位までの200件)のタイトル及びサマリ(スニペット)を取得する。ここで、スニペットとは、検索結果のウェブページにおいて、検索に用いられたクエリ(キーワード)が含まれるテキスト情報を抜き出したものである。なお、上述した分類器及び検索エンジンは、購買ステージ判定装置1が有していてもよく、外部のサーバが有していてもよい。
【0025】
キーワード生成部103は、取得したタイトル及びサマリを分類器に機械学習させて、学習モデルを生成する。キーワード生成部103は、検索履歴取得部101により取得された検索履歴に含まれる一又は複数のクエリを、学習モデルが適用された分類器により分類して、検索履歴に含まれるクエリに基づくキーワードを生成する。そして、キーワード生成部103は、検索履歴に含まれるクエリが分類されたカテゴリ及び生成されたキーワードを関連付けてカテゴリDB111に記憶させる。なお、検索履歴に含まれるクエリが複数の場合には、キーワードは、クエリに対応した個数分生成される。つまり、検索履歴に含まれるクエリがキーワードである場合には、検索履歴に含まれるクエリは、一又は複数のキーワードにより構成される。また、キーワード生成部103は、分類器に代えて、辞書等のデータを用いて分類を行う分類装置を用いてもよい。
【0026】
図4は、カテゴリDB111に記憶されるカテゴリ及びキーワードの具体例であるキーワードテーブル111bを示す図である。図4では、図3に比して、キーワード生成部103により生成されたキーワードが含まれている。例えば、図3では、カテゴリ「車」についてのキーワード「ペリウス」、「ガウディ」及び「ポンダ」が記憶されている。一方、図4では、図3に比して、カテゴリ「車」についてのキーワード「ペリウス」、「ガウディ」及び「ポンダ」に加えて、「エコカー」、「中古車」等のキーワードが追加されている。
【0027】
クエリ集合抽出部104は、検索履歴取得部101により取得された検索履歴から、ユーザの識別IDにより識別される所定のユーザに対応する端末装置3a(図1参照)により、所定の期間内に連続して用いられたクエリの集合を一単位として、一又は複数抽出する。例えば、クエリ集合抽出部104は、検索履歴取得部101により取得された検索履歴から、所定の期間(例えば、1ヶ月)内にユーザの識別ID「AAA」のユーザにより連続して用いられたクエリの集合を一単位として、一又は複数抽出する。
【0028】
クエリ集合抽出部104は、所定の期間(例えば、1ヶ月)内にクエリの集合を一単位として、一又は複数抽出する際に、一単位のクエリの集合をそれぞれ以下のような処理を実行することで実現する。
クエリ集合抽出部104は、ユーザの識別ID「AAA」のユーザによりクエリが入力された時刻をクエリそれぞれについて計測し、クエリ(例えば、クエリX)とクエリ(例えば、クエリY)との入力される間隔が時間T(例えば、5分)以内であった場合、クエリYを、クエリXが属するクエリの集合に含まれるクエリとして抽出する。なお、時間Tは、5分以内に限らず、適宜設定可能である。
【0029】
ここで、より具体的な例として、15:00にクエリAが入力され、15:05にクエリBが入力され、15:08にクエリCが入力され、15:08にクエリDが入力され、15:15にクエリEが入力され、15:17にクエリFが入力された場合について説明する。
【0030】
この場合、クエリ集合抽出部104は、クエリとクエリとの入力間隔が5分以内であるクエリA、B、C及びDをクエリ集合G1に含まれるクエリとする。また、クエリ集合抽出部104は、クエリDとクエリEとの入力間隔が5分以上であるため、クエリEをクエリ集合G2に含まれるクエリとする。さらに、クエリ集合抽出部104は、クエリEとクエリFとの入力間隔が5分以内であるため、クエリFをクエリ集合G2に含まれるクエリとする。
【0031】
カテゴリ分類部105は、カテゴリDB111に記憶されるカテゴリ及びキーワードに基づいて、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合を、カテゴリごとに分類する。具体的には、カテゴリ分類部105は、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合に含まれるクエリと一致するキーワードがカテゴリDB111に存在するか否か判定する。
【0032】
続いて、カテゴリ分類部105は、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合に含まれるクエリの一部又は全部と一致するキーワードが存在する場合には、そのクエリの集合を、そのクエリの集合に含まれるクエリと一致したキーワードが属するカテゴリに分類する。ここで、カテゴリ分類部105は、クエリの集合に含まれるクエリと一致するキーワードが複数存在する場合には、キーワードの頻出度に基づいて、頻出度の高いキーワードが属するカテゴリに、クエリの集合を分類する。また、カテゴリ分類部105は、クエリの集合と一致したキーワードが存在しない場合には、そのクエリの集合のカテゴリを「カテゴリ無し」に分類する。
【0033】
使用頻度算出部106は、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合及びこのクエリの集合がカテゴリ分類部105において分類されたカテゴリに基づいて、クエリの集合が属するカテゴリごとの使用頻度を算出する。具体的には、使用頻度算出部106は、各カテゴリにおいて、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合が、所定の期間(例えば、1日)内にカテゴリ分類部105によりこのカテゴリに分類された個数を、クエリの集合が属するカテゴリごとの使用頻度として算出する。
【0034】
図5は、クエリの集合が属するカテゴリごとの使用頻度を示す図である。図5に示すように、ユーザの識別ID「AAA」のユーザによるクエリの集合が属するカテゴリの使用頻度として、「車」、「デジタル」、「アニメ」等のカテゴリの使用頻度が日付ごとに算出されている。例えば、2009年5月30日におけるカテゴリ「車」の使用頻度は、「6」となっている。つまり、2009年5月30日には、ユーザの識別ID「AAA」のユーザにより入力されたカテゴリ「車」に属するクエリの集合が6個存在する。また、2009年5月30日には、ユーザの識別ID「AAA」のユーザにより、所定の期間内に連続した検索が12回行われている。
【0035】
グラフ生成部107は、使用頻度算出部106により算出されたカテゴリの使用頻度を用いて所定の形式のグラフを生成する。具体的には、グラフ生成部107は、使用頻度算出部106により算出されたクエリの集合が属するカテゴリの使用頻度を用いて、図6に示すような折れ線グラフを生成する。なお、図6(a)及び図6(b)に示すグラフでは、縦軸が使用頻度を示し、横軸が日付を示している。
【0036】
判定部108は、グラフ生成部107により生成されたグラフが所定の状態であるか否かを判定する。具体的には、判定部108は、グラフ生成部107により生成されたグラフにおいて、所定の期間(例えば、1週間)内に他のカテゴリの使用頻度よりも使用頻度が高い状態が所定の回数(例えば、2回以上)出現するか否かを判定する。
【0037】
具体的には、図6(a)に示すように、判定部108は、2009年6月8日から2009年6月14日までの間(1週間)に、カテゴリ「車(図6中の■)」の使用頻度が他のカテゴリ(図6中の◆及び△)のいずれの日の使用頻度よりも高い状態が1回(2009年6月9日)だけ出現している。この場合、判定部108は、グラフ生成部107により生成されたグラフが所定の状態ではないと判定する。
【0038】
一方、図6(b)に示すように、判定部108は、2009年6月8日から2009年6月14日までの間(1週間)に、カテゴリ「車」の使用頻度が他のカテゴリの使用頻度よりも高い状態が3回(2009年6月9日、2009年6月11日及び2009年6月12日)出現している。この場合、判定部108は、グラフ生成部107により生成されたグラフが所定の状態であると判定する。
【0039】
ここで、所定のカテゴリの使用頻度が他のカテゴリのいずれの日の使用頻度よりも高い状態が1回のみの場合には、所定のカテゴリについてユーザの興味や関心が突発的に上昇した場合等が考えられる。
【0040】
一方、所定のカテゴリの使用頻度が他のカテゴリのいずれの日の使用頻度よりも高い状態が所定期間内に2回以上出現する場合には、所定のカテゴリについてのユーザの興味や関心が時系列で継続していると考えられる。所定のカテゴリについてのユーザの興味や関心が時系列で継続していることは、所定のカテゴリに関する商品の購買やサービスの利用等を、ユーザが行う可能性が高い状態であると考えられる。
【0041】
したがって、判定部108は、グラフ生成部107により生成されたグラフにおいて、所定の期間内に他のカテゴリのいずれの日の使用頻度よりも使用頻度が高い状態が所定回数出現するか否かを判定することにより、所定のカテゴリに関する商品の購買やサービスの利用等を、ユーザが行う可能性が高い状態であるか否か、つまりユーザの状態が購買行動を起こしている購買ステージであるか否かを判定することができる。
【0042】
広告配信部109は、判定部108によりグラフが所定の状態であると判定された場合、広告DB112からユーザの状態が購買ステージにあると判定された特定のカテゴリに応じた広告情報を抽出して、抽出した広告情報を所定のユーザに対応する端末装置3(図1参照)に配信する。なお、本実施形態では、広告配信部109は、抽出した広告情報をユーザに対応する端末装置3に配信したが、これに限らず、他のサーバや端末装置へ配信してもよい。
【0043】
広告DB112には、カテゴリごとに広告情報が記憶されている。広告情報としては、例えば、バナー広告、テキスト広告、メール広告、動画(ストリーミング)広告、ポップアップ広告等の各種の広告情報を用いることができる。
【0044】
次に、本実施形態の購買ステージ判定装置1による処理について説明する。図7は、本実施形態の購買ステージ判定装置1によりキーワードを生成する処理について示すフローチャートである。
【0045】
ステップS1において、教師データ受付部102は、カテゴリ及びこのカテゴリに属するキーワードを教師データとして受け付ける。
ステップS2において、検索履歴取得部101は、ユーザの識別ID及びユーザの識別IDに対応する端末装置3による検索に用いられたクエリを含む検索履歴を検索サーバ2から取得する。
【0046】
ステップS3において、キーワード生成部103は、各カテゴリに属するそれぞれのキーワードを用いて、検索エンジンによる検索を実行させる。
ステップS4において、キーワード生成部103は、検索エンジンによる検索が実行されることによって得られた検索結果における表示順位が上位(例えば、1〜200位までの200件)のタイトル及びサマリ(スニペット)を取得する。
【0047】
ステップS5において、キーワード生成部103は、取得したタイトル及びサマリを分類器に機械学習させて、学習モデルを生成する。
ステップS6において、キーワード生成部103は、検索履歴取得部101により取得された検索履歴に含まれるクエリを、学習モデルが適用された分類器によりカテゴリに分類して、このクエリをカテゴリの新たなキーワードとすることでクエリに基づくキーワードを新たに生成する。
【0048】
ステップS7において、キーワード生成部103は、受け付けられたカテゴリ及び生成されたキーワードを関連付けてカテゴリDB111に記憶させる。
このように、購買ステージ判定装置1は、検索履歴取得部101により取得された検索履歴に含まれるクエリを、学習モデルが適用された分類器によりカテゴリに分類して、分類したクエリをカテゴリの新たなキーワードとすることでクエリに基づくキーワードをカテゴリごとに生成し、受け付けられたカテゴリと生成したキーワードとを関連付けて記憶する。
【0049】
図8は、本実施形態の購買ステージ判定装置1によりユーザが購買ステージであることを判定して、広告を配信する処理について示すフローチャートである。
ステップS11において、検索履歴取得部101は、ユーザを識別する識別情報としてのユーザの識別ID及びユーザに対応する端末装置3により検索に用いられたクエリを含む検索履歴を検索サーバ2から取得する。なお、ステップS11において取得される検索履歴は、ステップS2において取得される検索履歴とは異なる情報である。
【0050】
ステップS12において、クエリ集合抽出部104は、ステップS11において取得された検索履歴から、所定のユーザの端末装置3aにより用いられたクエリの集合を抽出する。
ステップS13において、カテゴリ分類部105は、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合に含まれるクエリと一致するキーワードがカテゴリDB111に存在するか否か判定する。クエリの集合に含まれるクエリと一致するキーワードが存在すると判定された場合には、ステップS14へ移る。一方、カテゴリ分類部105は、クエリの集合に含まれるクエリと一致するキーワードが存在しないと判定された場合には、ステップS15へ移る。
【0051】
ステップS14において、カテゴリ分類部105は、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合を、クエリの集合に含まれるクエリと一致したキーワードが属するカテゴリに分類する。
ステップS15において、カテゴリ分類部105は、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合のカテゴリを「カテゴリ無し」に分類する。
【0052】
ステップS16において、使用頻度算出部106は、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合及びこのクエリの集合がカテゴリ分類部105において分類されたカテゴリに基づいて、カテゴリごとの使用頻度を算出する。
ステップS17において、グラフ生成部107は、使用頻度算出部106により算出されたカテゴリごとの使用頻度を用いて所定の形式のグラフを生成する。
【0053】
ステップS18において、判定部108は、グラフ生成部107により生成されたグラフの所定の期間が所定の状態であるか否かを判定する。グラフの所定の期間が所定の状態であると判定された場合、すなわち所定のユーザの状態が購買ステージであると判定された場合、処理はステップS19へ移る。一方、グラフが所定の状態でないと判定された場合には、処理は終了する。
【0054】
ステップS19において、広告配信部109は、判定部108によりグラフが所定の状態であると判定された場合には、広告DB112からグラフの生成に用いられたカテゴリに応じた広告情報を抽出して、抽出した広告情報を所定のユーザに対応する端末装置3(図1参照)に配信する。
【0055】
本実施形態の購買ステージ判定装置1によれば、以下の効果を奏することができる。
購買ステージ判定装置1において、クエリ集合抽出部104は、検索履歴から所定のユーザに対応する端末装置3aによる検索に用いられたクエリの集合を抽出し、カテゴリ分類部105は、カテゴリDB111に記憶されるカテゴリ及びキーワードに基づいて、クエリ集合抽出部104により抽出されたクエリの集合をカテゴリごとに分類する。使用頻度算出部106は、抽出されたクエリの集合及びこのクエリの集合がカテゴリ分類部105において分類されたカテゴリに基づいて、カテゴリごとの使用頻度を算出し、グラフ生成部107は、算出された使用頻度を用いて所定の形式のグラフを生成する。判定部108は、生成されたグラフの所定の期間が所定の状態であるか否かを判定し、生成されたグラフの所定の期間が所定の状態である場合に、所定のユーザの状態が特定のカテゴリの購買ステージであると判定する。
【0056】
これにより、購買ステージ判定装置1は、上述したように、グラフ生成部107により生成されたグラフにおいて、所定の期間内に他のカテゴリのどの時点の使用頻度よりも所定のカテゴリの使用頻度が高い状態が所定の回数出現するか否かを判定することにより、所定のカテゴリに関する商品の購買やサービスの利用等を、ユーザが行う可能性が高い状態であるか否か、つまりユーザの状態が購買行動を起こしている購買ステージであるか否かを判定することができる。
【0057】
また、購買ステージ判定装置1において、広告配信部109は、判定部108によりグラフが所定の状態であり、所定のユーザの状態が購買ステージであると判定された場合、広告DB112からグラフの生成に用いられたカテゴリに応じた広告情報を抽出して、抽出した広告情報を所定のユーザに対応する端末装置3aに配信する。
【0058】
これにより、購買ステージ判定装置1は、所定のカテゴリに関する商品の購買やサービスの利用等を行う可能性が高いユーザに対して広告情報を配信できる。
【0059】
なお、本実施形態でいうコンピュータとは、上述した記憶部、制御部等を備えた情報処理装置をいい、購買ステージ判定装置1、検索サーバ2及び端末装置3(3a)は、記憶部、制御部等を備えた情報処理装置により構成される。
【0060】
上述した実施形態では、購買ステージ判定装置1、検索サーバ2及び端末装置3について主に説明したが、コンピュータに、プログラムをインストールして、そのコンピュータを端末又はサーバとして動作させることにより上記で説明した機能を実現することもできる。したがって、本発明において一実施形態として説明した購買ステージ判定装置1、検索サーバ2及び端末装置3により実現される機能は、上述の方法を当該コンピュータにより実行することにより、又は上述のプログラムを当該コンピュータに導入して実行することによっても実現可能である。
【0061】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、判定部108は、グラフ生成部107により生成されたグラフを用いて判定したが、本発明はこれに限らない。例えば、判定部108は、グラフ生成部107により生成されたグラフに代えて、所定期間内にカテゴリごとのクエリの集合の使用頻度が閾値を所定回数(例えば、2回)以上超えるか否かで判定してもよい。
【0062】
また、上述した実施形態では、判定部108において、グラフの所定期間が所定の状態であるか否かを用いたが、本発明はこれに限らない。例えば、クエリ集合抽出部104において、検索履歴からクエリの集合を抽出する際に、上述した所定の期間内における検索履歴からクエリの集合を抽出してもよい。また、グラフ生成部107において、グラフを生成する際に、上述した所定の期間におけるクエリの使用頻度についてのグラフを生成してもよい。
【0063】
また、上述した実施形態では、販売ステージ判定装置1は、広告配信部109により広告情報を購買ステージであると判定されたユーザに対応する端末装置3に配信したが、本発明はこれに限らない。例えば、購買ステージ判定装置1において、制御部10は、ユーザの状態が購買ステージであると判定された場合に、購買ステージであると判定される契機となった使用頻度におけるクエリの集合に含まれるクエリと同じカテゴリのクエリを用いて検索が実行されると、そのクエリに適したなキーワード(例えば、「価格」、「販売」等)を付加してユーザに対応する端末装置3に表示させる。
【0064】
そして、制御部10は、クエリ及びそのクエリに付加されたキーワードを用いて検索エンジンによる検索を実行し、実行された検索の結果を表示させてもよい。これにより、購買ステージ判定装置1は、ユーザの状態が購買ステージであると判定された場合に、広告情報を配信するだけでなく、一般的な検索結果をユーザに対応する端末装置3に表示させる際に、より適した検索結果を表示させることができる。
【0065】
また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0066】
1 購買ステージ判定装置
101 検索履歴取得部
102 教師データ受付部
103 キーワード生成部
104 クエリ集合抽出部
105 カテゴリ分類部
106 使用頻度算出部
107 グラフ生成部
108 判定部
109 広告配信部
111 カテゴリDB
112 広告DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに対応する端末装置による検索に用いられたクエリに基づいて、前記ユーザの状態が購買ステージであるかを判定する購買ステージ判定装置であって、
前記ユーザを識別する識別情報及び前記クエリを含む検索履歴を取得する検索履歴取得手段と、
教師データとして、カテゴリ及び前記カテゴリに属するキーワードを受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記カテゴリ及び前記キーワードに基づいて、学習モデルを生成し、生成した前記学習モデルを用いた分類器により前記検索履歴に含まれる前記クエリを分類して、分類した前記クエリを前記カテゴリの新たなキーワードとすることで前記クエリに基づくキーワードを生成するキーワード生成手段と、
前記受付手段により受け付けられた前記カテゴリと、前記キーワード生成手段により生成された前記キーワードとを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記識別情報により識別される前記ユーザに対応する前記端末装置による検索に、所定の期間内に連続して用いられるクエリの集合を一単位として、前記検索履歴から一又は複数抽出するクエリ集合抽出手段と、
前記記憶手段に記憶される前記カテゴリ及び前記キーワードに基づいて、前記クエリ集合抽出手段により抽出された前記クエリの集合を前記カテゴリごとに分類するカテゴリ分類手段と、
前記クエリ集合抽出手段により抽出された前記クエリの集合及び当該クエリの集合が前記カテゴリ分類手段において分類された前記カテゴリに基づいて、前記カテゴリごとの使用頻度を算出する使用頻度算出手段と、
前記使用頻度算出手段により算出された前記カテゴリの使用頻度を用いて所定の形式のグラフを生成するグラフ生成手段と、
前記グラフ生成手段により生成された前記グラフがあるカテゴリを特定できる所定の状態であるか否かを判定し、前記グラフが前記所定の状態である場合に、前記ユーザの状態が前記所定の状態に対応する前記カテゴリの前記購買ステージであると判定する判定手段とを備える購買ステージ判定装置。
【請求項2】
広告情報を前記カテゴリと関連付けて記憶する広告情報記憶手段と、
前記判定手段により前記所定のユーザの状態が前記購買ステージであると判定された場合、前記広告情報記憶手段から前記グラフの生成に用いられた前記カテゴリに応じた前記広告情報を抽出し、抽出した前記広告情報を前記ユーザに対応する前記端末装置に配信する広告配信手段とをさらに備える請求項1に記載の購買ステージ判定装置。
【請求項3】
ユーザに対応する端末装置による検索に用いられたクエリに基づいて、前記ユーザの状態が購買ステージであるかを判定する購買ステージ判定方法であって、
前記ユーザを識別する識別情報及び前記クエリを含む検索履歴を取得する検索履歴取得ステップと、
教師データとして、カテゴリ及び前記カテゴリに属するキーワードを受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けられた前記カテゴリ及び前記キーワードに基づいて、学習モデルを生成し、生成した前記学習モデルを用いた分類器により前記検索履歴に含まれる前記クエリを分類して、分類した前記クエリを前記カテゴリの新たなキーワードとすることで前記クエリに基づくキーワードを生成するキーワード生成ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けられた前記カテゴリと、前記キーワード生成ステップにおいて生成された前記キーワードとを関連付けて記憶する記憶ステップと、
前記識別情報により識別される前記ユーザに対応する前記端末装置による検索に、所定の期間内に連続して用いられるクエリの集合を一単位として、前記検索履歴から一又は複数抽出するクエリ集合抽出ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶された前記カテゴリ及び前記キーワードに基づいて、前記クエリ集合抽出ステップにおいて抽出された前記クエリの集合を前記カテゴリごとに分類するカテゴリ分類ステップと、
前記クエリ集合抽出ステップにおいて抽出された前記クエリの集合及び当該クエリの集合が前記カテゴリ分類ステップにおいて分類された前記カテゴリに基づいて、前記カテゴリごとの使用頻度を算出する使用頻度算出ステップと、
前記使用頻度算出ステップにおいて算出された前記カテゴリごとの使用頻度を用いて所定の形式のグラフを生成するグラフ生成ステップと、
前記グラフ生成ステップにおいて生成された前記グラフがあるカテゴリを特定できる所定の状態であるか否かを判定し、前記グラフが前記所定の状態である場合に、前記ユーザの状態が前記所定の状態に対応する前記カテゴリの前記購買ステージであると判定する判定ステップとをコンピュータに実行させる購買ステージ判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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