説明

走行作業機のハンドル構造

【課題】ボルトを取外すことなくことなく、ハンドル支点部と支点係合部との係合を解除した状態で、ハンドル高さの調節及び格納姿勢への切換及び復帰を能率よく簡単に行うことができる走行作業機のハンドル構造を提供する。
【解決手段】ハンドル取付部7aとハンドル把持部7bを接続する連結構造10に、ハンドル支点部15から支点係合部17の係合を解除するハンドル移動手段と、プレート18に穿設した上下方向のプレート孔19にボルト13をハンドル把持部7bの高さを上下段に位置させるように位置決めするナット24のナット固定手段とを設けることにより、ボルト13を緩めハンドル把持部7bを後方移動させて支点係合部17をハンドル支点部15から外した状態で、ハンドル把持部7bをボルト13を支点にプレート孔19を介し反転回動させた格納姿勢に固定可能に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンドル取付部に対しハンドル把持部を作業姿勢と格納姿勢とに切換えることができる走行作業機のハンドル構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、機体から延設されるハンドル取付部に接続された二股状のハンドル把持部を、作業者の体格に適応させたり果樹園等で中耕等の作業を行うとき、連結構造を介してハンドル高さを上下に調節することができる管理機は既に公知である(例えば特許文献1。)。
上記管理機のハンドルは、ハンドル支点部(支点軸受部)と支点係合部(支点軸)を係脱自在に係合させ、ハンドル把持部に突設したプレートとハンドル取付部とを、両者に挿入されるボルトと該ボルトに螺挿されるナットにより締着して接続する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭63−42704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に示される管理機のハンドルは、ハンドル高さを上下に調節するときボルトを緩めて一旦引き抜いたうえで、プレートに複数穿設されている別のプレート孔(ボルト孔)を選択して差し替えねばならず、ハンドル高さを調節する作業が煩雑になると共に、取外したボルトが散逸し易い等の欠点がある。
さらに、管理機をトラック等に搭載して運搬するとき、ハンドル把持部をハンドル取付部から離脱し機体上方に重ねた格納姿勢にするため、例えばハンドル把持部とエンジン等との間にゴムマット等の緩衝部材を介装し、両者の直接的な接触を防止した状態で、ロープを用いハンドル把持部を機体にくくり付けて固定する等の煩雑な作業を要する欠点がある。
またこの際にハンドル把持部に設置されるクラッチレバーと機体とを連結する操作用のワイヤ類を外したり絡まないようにしなければならないこと、及び再びハンドル把持部を作業姿勢に復帰させる際に手間を要する等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は係る課題を解決するために、機体側から延設されるハンドル取付部7aのハンドル支点部15に、ハンドル把持部7bに設けた支点係合部17を係脱自在に係合し、且つハンドル把持部7bに突設したプレート18とハンドル取付部7aとを、両者に挿入されるボルト13と該ボルト13に螺挿されるナット24により締着して接続する走行作業機のハンドル構造において、前記ボルト13を引き抜くことなく緩めた状態でハンドル把持部7bを係合解除方向に移動させ、ハンドル支点部15から支点係合部17の係合を解除するハンドル移動手段と、プレート18に穿設した上下方向のプレート孔19にボルト13をハンドル把持部7bの高さを上下段に位置させるように位置決めするナット24のナット固定手段とを設けることにより、ボルト13を緩めハンドル把持部7bを後方移動させて支点係合部17をハンドル支点部15から外した状態で、ボルト13を支点にプレート孔19を介し反転回動させた格納姿勢に固定可能に構成したことを特徴とする走行作業機のハンドル構造。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、ボルトを緩めハンドル把持部を係合解除方向に移動させて、ハンドル支点部から支点係合部の係合を解除するハンドル移動手段と、プレートに穿設した上下方向のプレート孔にボルトをハンドル把持部の高さを上下段に位置させるように位置決めするナット固定手段とを設けたことにより、ハンドル高さ調節をする際にはボルトを緩めハンドル把持部を後方移動させて、ハンドル支点部と支点係合部との係合を解除した状態で、ボルトをプレート孔の上下段を選択し選択位置にあるナットを介して締着するので、ボルトを取外すことなくハンドル高さ調節を簡単に行うことができる。
またハンドル把持部を格納姿勢にするとき、上記と同様の操作によってボルトを緩め後方移動し、ハンドル支点部と支点係合部との係合を解除すると、ハンドル把持部をボルトを支点にプレート孔を介して反転回動させることができるため、この位置でボルトを締着するだけで格納姿勢に固定することができる。またハンドル把持部を作業姿勢にする時も、ボルトを取外すことなく簡単に復帰させることができる等の特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】管理機の側面図である。
【図2】管理機の平面図である。
【図3】ハンドル把持部を格納姿勢にした管理機の側面図である。
【図4】ハンドル連結構造を分解して示す側面図である。
【図5】ハンドル連結構造を分解して示す平面図である。
【図6】第2実施形態に関わるハンドルを備えた管理機の側面図である。
【図7】第2実施形態に関わるハンドルの格納姿勢を示す管理機の平面図である。
【図8】第2実施形態に関わるハンドルの連結構造を分解して示す側面図である。
【図9】第2実施形態に関わるハンドルの連結構造を分解して示す平面図である。
【図10】第3実施形態に関わるハンドルを備えた管理機の側面図である。
【図11】第3実施形態に関わるハンドルの格納姿勢を示す管理機の平面図である。
【図12】第3実施形態に関わるハンドルの連結構造を分解して示す側面図である。
【図13】第3実施形態に関わるハンドルの連結構造を分解して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3に示す走行作業機としての管理機1は、複数の耕耘爪2aを有するロータリ式の耕耘部2を備える伝動ケース3に、エンジン4をケース中途部から前方に向けて固設したフレーム5に搭載し、且つエンジン4の側方からベルト伝動機構等からなる伝動部6を介して、伝動ケース3の上部にエンジン動力を入り切り自在に入力するようにしている。
そして、伝動ケース3の上部には、本発明に関わるハンドル7を後方上方に向けて延設しており、且つケース後部には作業中に土中に埋没して使用される抵抗棒8を上下調節自在に取付けている。
【0009】
図1〜図5を参照しハンドル7について詳述する。このハンドル7は、前部を伝動ケース3に固設されるパイプ材からなるハンドル取付部7aと、該ハンドル取付部7aの直径より小径なパイプ材を屈曲させて両端に把持部9を形成した二股状のハンドル把持部7bと、上記ハンドル取付部7aの後端部に対し、ハンドル把持部7bを着脱及び回動自在に接続する連結構造(接続部)10等から構成している。
【0010】
ハンドル取付部7aは、パイプ材を上方に向けて逆へ字状に屈曲形成しており、その後部上方とパイプ孔とを、帯板を側面視で逆L字状に屈曲してなるカバー11によって覆っている。またパイプ材の後部側にはボルト孔12を穿設しており、該ボルト孔12にはノブ13a付のボルト(ノブボルト)13を挿入している。(図4,図5)
カバー11は、前記パイプ孔を覆うカバー片11aにハンドル支点部15を半円弧状に凹入形成し、且つその表面下部側に、エンジン5の始動と停止を司るエンジンスイッチ16を取付けている。このカバー11は、カバー片11aのハンドル支点部15の裏側をパイプ材の先端に固設し、前部カバー片11bの前端をハンドル取付部7aの外周上面に固設している。
【0011】
ハンドル把持部7bは、パイプ材の中央部に機体進行方向と直交する横杆部(支点係合部)17を形成するように二股状に屈曲しており、該横杆部17の中心部にプレート(ハンドル取付部材)18を、前記ハンドル取付部7aを両側から挟持する左右間隔を有して前方に向けて突設している。これによりハンドル把持部7bは、各プレート18の間にハンドル取付部7aを挿入した状態において、横杆部17を支点係合部として兼用することができ、前記カバー11のハンドル支点部15に嵌合させた係合姿勢で係脱自在にしている。
この係合姿勢において各プレート18の前部には、前記ボルト13に挿入するプレート孔19を穿設している。尚、ハンドル支点部15とボルト13との距離、即ちハンドル支持間隔は、横杆部17とプレート18を介し、ハンドル把持部7bを安定性を有して取付けることができる距離にしている。
【0012】
図示例のプレート孔19は、上記係合姿勢においてボルト13を上中下段の3位置で前後方向に挿入可能とする3条の係止溝20,21,22と、該係止溝20,21,22の前部側を連通させる連通溝23とからなり、該連通溝23は横杆部17を中心とする円弧状となして穿設している。図示例の係止溝20,21,22は、それぞれハンドル支点部15の凹入溝の深さ以上の長さとなして連通溝23に連通させている。
【0013】
また円弧状をなす連通溝23と横杆部17との距離(半径)は、前記ハンドル支持間隔より大きくすることにより、ハンドル把持部7bを係合解除方向(ハンドル方向)に移動させて、ハンドル支点部15から支点係合部17の係合を解除することができるハンドル移動手段を構成している。これによりハンドル把持部7bを後方に移動させた状態で、プレート孔19の連通溝23を介しボルト13を支点に上下回動するとき、横杆部17をハンドル取付部7aとの接触を防止しハンドル把持部7bを上下回動することができる。
【0014】
そして、上記係止溝20,21,22は、それぞれ溝後端にボルト13のネジ部に螺挿するナット24を位置決めして固定保持するナット固定部25を設けたナット固定手段を構成している。このナット固定部25は、図4,図5で示すように、6角形状のナット24を所定の深さで係脱自在に嵌合可能とする凹入穴にしている。尚、上記ナット固定部25は6角形状穴に限定することなく、各係止溝20,21,22の後端部において、ナット24に凹凸面を有して接当して回り止めをすることができるプレートを固設した構成にすることもできる。
【0015】
またハンドル把持部7bは、その左側の把持部9に、前記伝動部6内に構成されているクラッチ手段とワイヤ26aを介して連結されるクラッチレバー26を備えている。また右側の把持部9には、エンジン4にワイヤ27aを介して連結されるアクセルレバー27を備えている。上記ワイヤ26a,27aは、いずれもその中途部を横杆部17の左右近傍に止着バンド28によって締着保持している。(図2)
【0016】
以上のように構成されるハンドル7は、ハンドル取付部7a側のハンドル支点部15とボルト孔12、及びハンドル把持部7b側の横杆部17と該横杆部17に設置されるプレート孔19を有する左右のプレート18等からなる連結構造10を介し、ハンドル取付部7aに対してハンドル把持部7bを、作業者の体格や果樹園等の中耕作業に適応したハンドル高さの調節並びに機体の格納並びに機体運搬時等に適応させた、ハンドル把持部7bを前方に向けて折畳む格納姿勢への切換作業を簡単且つ容易に行うことができる。
【0017】
即ち、ハンドル把持部7bは左右のプレート18の間にハンドル取付部7aを挿入し、横杆部17をハンドル支点部15に嵌合させた状態となし、ボルト13を右側のプレート18から、中段の係止溝21を選択してボルト孔12及び左側のプレート18に挿入し、例えばプレート中段の係止溝21を選択し、そのナット固定部25に係止されるナット24に螺挿して締着する。
これによりハンドル把持部7bは、横杆部17がハンドル支点部15に嵌合状態で固定され、且つ左右のプレート18がハンドル取付部7aの両側を挟持して接合されるため、ハンドル取付部7aにハンドル中段高さに取付固定することができる。従って、管理機1は、中段高さに設定されたハンドル7の作業姿勢で作業を行うことができる。
【0018】
またハンドル中段高さ位置から上段高さ位置並びに下段高さ位置へのハンドル把持部7bの切換えは、ボルト13を引き抜くことなく緩めてプレート18の挟持固定を解除し、且つナット24をナット固定部25との係合を解いたのち、ハンドル把持部7bを持って後方矢印方向に引き上げる。これにより係止溝20,21,22をボルト13にスライドさせて、横杆部17をハンドル支点部15から離脱させると共に、連通溝23をボルト13に接当させる。次いで、自由になったハンドル把持部7bは、係止溝22又は係止溝20を選択することができボルト13を選択されたナット固定部25に位置しているナット24に締め付けると、ハンドル取付部7aに対し上段高さ位置並びに下段高さ位置に固定することができる。
【0019】
このようにプレート18はいずれの位置においても、各係止溝20,21,22がボルト13に択一的に挿入され、またナット24はナット固定部25に嵌り係合しているので、ハンドル把持部7bに上下方向の強い力が加わったとしても、位置ずれすることなく安定よく支持される。また上記のように作業姿勢にセットされたハンドル7を備える管理機1は、ナット24がナット固定部25によって回り止めされているので、長時間の使用における振動等によってもボルト13の緩みを防止した作業を安心して行うことができる。
【0020】
またハンドル把持部7bを作業姿勢から前方に向けて折畳む格納姿勢にする際には、ボルト13を緩めて既述したようにハンドル把持部7bを後方移動させると、横杆部17をハンドル支点部15から離脱し且つ連通溝23をボルト13に接当させた支持状態にすることができる。次いで、ボルト13を支点にハンドル把持部7bを前方に向けて反転回動させると、図3で示すようなハンドル格納姿勢にすることができる。
このときボルト13は、ハンドル取付部7aから離脱されることなく装着しているため、そのままボルト13を締め付け操作することができると共に、ボルト13とナット24を介してプレート孔19の連通溝23、又は係止溝20,21,22等の任意位置で速やかに締着することができる。
【0021】
これによりハンドル把持部7bは格納姿勢において、エンジン4の高さや機体の形状に応じた適正高さを選択でき、例えば図3で示すようにハンドル把持部7bがエンジン4を跨いで下方に位置させたコンパクトな格納姿勢で、ハンドル取付部7aに安定よく固定することができる。従って、トラック等に搭載して運搬する際に、ハンドル把持部7bを緩衝部材を介装しロープを用いて機体にくくり付けて固定する等の荷造り手段を要することなく、ハンドル把持部7bの振動を規制した状態で、エンジン4等との接触を防止し、両者の損傷等のトラブルを簡単に回避することができる。
【0022】
次に、図6〜図13を参照しハンドル7の別実施形態について説明する。尚、前記実施形態と同様な構成及び作用については説明を省略する。
先ず、図6〜図9に示す第2実施形態に関わるハンドル7は、前記実施形態のものと同様に左右のプレート18に連通溝23と複数の係止溝20,21,22とからなるプレート孔19を穿設しており、且つ左側のプレート18の係止溝20,21,22の溝端に固定型のナット24をそれぞれ固設することにより、ハンドル移動手段とナット固定手段を備える連結構造10を構成している。従って、この場合にはボルト13を、各係止溝20,21,22が有する各ナット24に択一的に選択して螺挿することができる。
【0023】
即ち、上記構成からなるハンドル7は、ボルト13を中段の係止溝21に固設されるナット24に挿入し締着した図6で示すハンドル中段高さの作業姿勢から、上下段のハンドル高さにする場合には、先ずボルト13を緩めてナット24から外した状態でハンドル取付部7aに保持させ、ハンドル把持部7bをハンドル支点部15に支持したまま上下回動を自由にさせる。
これによりハンドル把持部7bは、係止溝21及びボルト13を介し後方にスライド移動させ、横杆部17をハンドル支点部15から離脱させることができる。
【0024】
次いで、連通溝23を介して他の係止溝20,22を択一的に選択し、再び横杆部17をハンドル支点部15に係合させた状態でボルト13を対応するナット24に挿入し締着すると、ハンドル把持部7bの高さを位置決め固定することができる。
またハンドルを格納姿勢にする場合には、連通溝23がボルト13に係合した上記自由保持状態にあるハンドル把持部7bを、ボルト13を支点に格納姿勢にしたのち、係止溝20,21,22を択一的に選択し対応するナット24にボルト13を挿入し締着すると、ハンドル把持部7bを適正な格納姿勢に固定することができる。
【0025】
次に、図10〜図12に示す第3実施形態に関わるハンドル7は、ハンドル把持部7bが有する左右のプレート18に、前記実施形態の連通溝23と同様な半径の単一長孔状のプレート孔19を穿設しており、左側プレート18のプレート孔19に対し上中下段の3位置に、ボルト13に螺挿して保持させるナット24のナット固定部25を、前記第1実施形態のものと同様な手段によって形成している。これにより各ナット固定部25は、ナット24を係脱自在に嵌挿することができ、プレート孔19の上中下段の3位置において、ハンドル把持部7bを位置決め固定すると共に、ナット24の回り止めをすることができるナット固定手段を構成するようにしている。
【0026】
またハンドル取付部7aの後部側には、挿入されるボルト13をハンドル方向に沿ってスライド移動自在とする長孔状のボルト孔12を穿設している。このボルト孔12の長さは、前記各実施形態のプレート18に穿設される係止溝20,21,22の長さと略同じか又はやや長くしている。これによりハンドル7は、ボルト13を緩めハンドル把持部7bを係合解除方向に移動させ、ハンドル支点部15から横杆部17の係合を解除するハンドル移動手段を構成している。従って、プレート孔19からボルト13を引き抜くことなく挿入状態でハンドル把持部7bを後方移動させ、横杆部17をハンドル支点部15から離脱させると共に、ハンドル把持部7bを回動自在にすることができる。
【0027】
上記構成によりハンドル把持部7bは、図12で示すように横杆部17をハンドル支点部15に嵌合させた状態でボルト13をプレート孔19の中段位置にあるナット固定部25に係合させたナット24に締着すると、ハンドル把持部7bを中段高さに固定することができる。またボルト13を緩めてナット24を上段のナット固定部25に係合させ、該ナット24にボルト13を締着すると、ハンドル把持部7bを下段高さに調節固定することができ、同様に下段のナット固定部25に係合させたナット24にボルト13を締着すると、ハンドル把持部7bを上段高さに調節固定することができる。
【0028】
そして、ハンドル把持部7bを格納姿勢にするときは、ボルト13を緩めてナット24をナット固定部25から外して係合を解除し、且つボルト13をボルト孔12の後端に向けてスライドさせながらハンドル把持部7bを後方移動し、横杆部17とハンドル支点部15の係合を解除する。次いで、ハンドル把持部7bをボルト13を支点に前方に向けて折畳み状に回動させて、適正格納姿勢位置においてボルト13を締着する。これによりハンドル把持部7bは、簡単な操作でありながらハンドル取付部7aに適正格納姿勢で安定よく固定することができる。
【0029】
以上のように構成されるハンドル7を備えた管理機1は、ボルト13を緩めハンドル把持部7bをハンドル移動手段を介して係合解除方向に移動させることにより、支点係合部(横杆部)17をハンドル支点部15から係合解除することができ、またプレート18に穿設した上下方向のプレート孔19に設けたボルト13をハンドル把持部7bの高さを上下段に位置させるように位置決めするナット固定手段を介し、ボルト13を取外すことなくハンドル高さ調節、及びハンドル格納姿勢への切換作業を簡単且つ能率よく行うことができる。
【0030】
また格納姿勢にあるハンドル把持部7bを作業姿勢にする時もボルト13を取外すことなく逆順の動作によって簡単に復帰させることができる等の特徴がある。
尚、図示例の支点係合部は、ハンドル把持部7bの横杆部17を利用しているが、例えばプレート18に横杆部17に代える支点係合部材を設けた構成にすることもできる。
【符号の説明】
【0031】
1 管理機
2 エンジン
3 伝動ケース
7 操作ハンドル
7a ハンドル取付部
7b ハンドル把持部
13 ボルト
15 ンドル支点部
17 支点係合部(横杆部)
18 プレート
19 プレート孔
24 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体側から延設されるハンドル取付部(7a)のハンドル支点部(15)に、ハンドル把持部(7b)に設けた支点係合部(17)を係脱自在に係合し、且つハンドル把持部(7b)に突設したプレート(18)とハンドル取付部(7a)とを、両者に挿入されるボルト(13)と該ボルト(13)に螺挿されるナット(24)により締着して接続する走行作業機のハンドル構造において、前記ボルト(13)を引き抜くことなく緩めた状態でハンドル把持部(7b)を係合解除方向に移動させ、ハンドル支点部(15)から支点係合部(17)の係合を解除するハンドル移動手段と、プレート(18)に穿設した上下方向のプレート孔(19)にボルト(13)をハンドル把持部(7b)の高さを上下段に位置させるように位置決めするナット(24)のナット固定手段とを設けることにより、ボルト(13)を緩めハンドル把持部(7b)を後方移動させて支点係合部(17)をハンドル支点部(15)から外した状態で、ボルト(13)を支点にプレート孔(19)を介し反転回動させた格納姿勢に固定可能に構成したことを特徴とする走行作業機のハンドル構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−126247(P2012−126247A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279192(P2010−279192)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】