説明

走行玩具

【課題】走行玩具自体を直接衣服等に吊り下げて携行したり、走行玩具自体をキーホルダーとして使用可能な走行玩具の提供を図る。
【解決手段】走行輪12,13を備えた玩具本体10に形成した凹欠部14と、該凹欠部14の端部間に跨って接続した引掛具20と、で環状の吊設用連結部15が構成可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は走行玩具、とりわけ、キーホルダーの機能を備えた小型の走行玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、キーホルダーの機能を備えた小型の走行玩具としては、例えば、特許文献1に示されているように、小型の走行玩具の端部に、キーホルダーの鎖状帯端部を係脱自在に連結したものが知られている。
【特許文献1】実開昭58−28692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の構造では、単純に走行玩具とキーホルダーとを係脱自在に連結した構成であるため、走行玩具がキーホルダーの装飾部品となっていて、連結環に接続した索条端に装飾部品を吊設した一般の有り触れたキーホルダーと何等変わり映えなく、走行玩具と連結環にはデザインとしての一体感が全くなく、児童等の興趣をそそるものではなかった。また、前記従来の構造では、走行玩具として使用するときには連結環が走行の妨げになる(引き摺る)ことになるので、結局キーホルダーの部分を外すことになり面倒であった。
【0004】
そこで、本発明は走行玩具自体を直接衣服等に吊り下げて携行したり、走行玩具自体が各種のキーあるいは他の物品等の吊設が可能なキーホルダーとして機能することができ、かつ、その機能のための構造が走行玩具としての使用に際し妨げとならない走行玩具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の走行玩具にあっては、走行輪を備えた玩具本体に形成した凹欠部と、該凹欠部の端部間に跨って接続した引掛具と、で環状の吊設用連結部が構成可能であることを主要な特徴としている。
【0006】
前記走行玩具は、その吊設用連結部の引掛具を介して、衣服のループ部等に吊設して携行することが可能であり、また、この吊設用連結部に各種のキーや装飾品等を吊設してキーホルダーとして使用することが可能である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、走行玩具自体をその吊設用連結部の引掛具を介して衣服のループ部等に吊設して携行できるため、該走行玩具が恰も衣服に専用に備えられた特殊な装飾品に見えて児童等を魅了することができると共に、これを衣服から外せば、走行玩具本来の走行遊戯を楽しむことができる。
【0008】
また、前記吊設用連結部に各種のキー類や装飾品等を吊設して、キーホルダーとして使用することもでき、益々児童等の興趣をそそることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面と共に詳述する。
【0010】
図1は本発明に係る走行玩具の一実施形態の斜視図、図2は図1に示した走行玩具の分解斜視図、図3は玩具本体から離脱した駆動輪の2つの異なる回転形態を(A),(B)にて示す説明図、図4は駆動輪の異なる使用形態を示す説明図である。
【0011】
本実施形態の走行玩具は、図1に示すように玩具本体10には、接地可能な1つの前輪12が設けられ、玩具本体10の前輪12から離間した位置に、2つの後輪13が設けられている。後輪13は、前輪12を接地させたときに接地可能で、かつ、前輪12と同一方向に回転可能となるように設けられている。なお、以後、前輪12および後輪13が設けられている方向を「下」、設けられていない方向を「上」と呼ぶ。また、玩具本体10は、車幅方向(前輪12の回転軸の方向)に偏平状に形成されている。前輪12が存する方向を「前」、後輪13が存する方向を「後」とすれば、玩具本体10の前部上壁は、後ろから前にかけて下方に傾斜するように前下がりに形成されており、玩具本体10の前端部は90°以下の鋭角状となっている。本実施形態の走行玩具は、前輪12が該玩具本体10の前端部に下縁より少なくとも一部が露出するように設けられ、2つの後輪13が玩具本体10の後部下縁から少なくとも一部が露出するように設けられた、3輪タイプの走行玩具として構成されている。
【0012】
この走行玩具は、前記玩具本体10の偏平状の車体11の所要部位、例えば、本実施形態では車体11の後縁に凹欠部14が形成されている。この凹欠部14の上下の端部間に跨って引掛具20を接続して、これら凹欠部14と引掛具20とにより環状の吊設用連結部15を構成し、該引掛具20が走行玩具の車体後部のキャラクターラインを形成している。
【0013】
前記引掛具20は、前記凹欠部14の上側の端部にピン16を介して上下方向に回動可能に連結されている。また、前記引掛具20の下側の自由端と、凹欠部14の下側の端部とには、相互に係脱可能なフック部20a,14aが備えられている。前記環状の吊設用連結部15は、これらフック部20a,14aを係脱して該引掛具20を上下方向に回動することにより閉止,開放することができ、所謂カラビナ状の吊設用連結部15となるように構成されている。
【0014】
前記玩具本体10の車体11は、アルミ合金等の軽量金属材料やABS等の合成樹脂をもって空洞に形成され、図2に示すように車幅方向中央部で分割された車体要素11Lと11Rとで構成されている。これらの車体要素11L,11Rは、車幅方向に突合わせて、図外のビス等により締結固定される。なお、以後の説明においては、車体要素11Lが存する方向を「左」、車体要素11Rが存する方向を「右」と呼ぶ。
【0015】
前記引掛具20の回動支点となるピン16は、前記車体要素11L,11Rの一方、例えば、左側の車体要素11Lに一体に形成され、該ピン16を引掛具20の上端に形成した軸受部20bに挿通して、ピン16の挿通された方の端を右側の車体要素11Rに形成したピン受孔17に嵌入することにより、該引掛具20が車体11に組付けられる。
【0016】
前記2つの後輪13,13は、その何れか一方に車軸13aが一体に形成され、車体11に形成した後輪軸受孔18に車軸13aを挿通して、車軸13aの挿通された方の端に他方の後輪13をビス13bにより締結固定することにより車体11に組付けられる。
【0017】
前記前輪12は、本実施形態にあっては車体11内に配設した後述の駆動装置30により駆動される駆動輪とされている。また、この駆動輪12は所要質量のフライホイールで構成され、車軸12aを介して左右の車体要素11L,11Rの各前端部に形成された車軸受部19に離脱可能に両持ち支持されている。
【0018】
前記駆動輪12の車軸受部19は、左右の車体要素11L,11Rの各前端部に形成された上方が開放したロア軸受溝22と、玩具本体10の車体11の前端部上側に配設され、前記ロア軸受溝22の上方開放部を閉塞して駆動輪12の車軸12aを抱持する駆動輪抱持位置と、該上方開放部から後退して駆動輪12の車軸12aを解放する駆動輪解放位置と、に摺動可能なスライド部材23とで構成されている。
【0019】
前記スライド部材23を配置した車体11の前端部上側は前下がりに傾斜して形成され、従って、スライド部材23はこの車体11の前端部上側の傾斜に沿って、前下がりに傾斜して前後方向に摺動可能とされている。
【0020】
また、前記ロア軸受溝22は、前記車体11の前端部上側の傾斜に対して略直交して開溝するように斜め前方に傾斜して形成されている。
【0021】
前記スライド部材23も車体11と同様にアルミ合金等の軽量金属材料やABS等の合成樹脂によって形成され、車幅方向略中央部で分割された左右のスライド部材要素23Lと23Rとで構成されている。
【0022】
前記左右のスライド部材要素23L,23Rは、前記車体要素の一方、例えば、右側の車体要素11Rの前端部上側の傾斜面に一体に突設されたガイドレール部24を挟んで突合わせて組付けられている。ガイドレール部24にはその前後方向(長さ方向)に長孔24aが形成されている。一方、スライド部材要素23L,23Rの一方、例えば、右側のスライド部材要素23Rは、前記ガイドレール部24を内包するL字形断面に形成され、他方の左側スライド部材要素23Lの車幅方向内側の突合わせ面には前後一対のガイドピン25が一体に突設されている。そして、このガイドピン25を前記ガイドレール部24の長孔24aに挿入し、前述のようにガイドレール部24を挟んで左右のスライド部材要素23L,23Rを突合わせ、前記ガイドピン25の端部を右側のスライド部材要素23Rの内側に突設した図外のボス孔に嵌合固定することにより、スライド部材23が車体11の前端部上側に組付けられる。また、前記スライド部材23とガイドレール部24との間には、該スライド部材23を前方に付勢するスプリング26が内装され、スライド部材23が前記駆動輪抱持位置に姿勢保持されるようにされている。
【0023】
前記玩具本体10の車体11の内部には、前記駆動輪12の駆動装置30が配設されている。この駆動装置30は、例えば、回転動力を発生させるための牽引索条32と、発生した回転動力を駆動輪12に伝達する駆動伝達機構33と、を備えている。
【0024】
前記牽引索条32は、駆動シャフト34に固定したボビン35に巻回され、その端末部は玩具本体10の車体11の後部上壁を貫通して外部に引出され、この引出し端末部にノブ32aが連結されている。
【0025】
前記駆動伝達機構33は、複数個の歯車36,37,38,39,40の噛合列で構成されている。歯車36は前記駆動シャフト34に装着され、歯車(ピニオン)40は前記駆動輪12の車軸12aに固設されている。そして、これら歯車36とピニオン40との間に前記歯車37,38,39が中間歯車として噛合配列されている。歯車37と38は一体に構成され、小径の歯車37が歯車36に噛合し、大径の歯車38が歯車39に噛合し、この歯車39がピニオン40に噛合している。車体11に設けられた歯車37,38の軸受孔11aは前方斜め上向きに傾斜して形成され、常態にあっては歯車37,38の自重によりその支軸37aが軸受孔11aの下端に位置して歯車37が歯車36との噛合状態を保持したまま、歯車38が歯車39から離れ、牽引索条32を引き上げることにより生じた回転動力により歯車37,38が図2の反時計方向に回動すると、その分力により支軸37aが軸受孔11aの上端側に移動して歯車38が歯車39に噛合するようになっている。一方、前記歯車36はワンウェイクラッチとして構成されている。この歯車36は駆動シャフト34に遊装され、内周にラチェット歯36aが形成されている。そして、このラチェット歯36aに前記駆動シャフト34に固設した爪車36Aが係合してワンウェイクラッチを構成し、ゼンマイ31がその巻き始端と巻き終端とを、この爪車36Aとカバー41とに連結して駆動シャフト34に同軸配置されている。
【0026】
この駆動装置30は、前記牽引索条32をそのノブ32aを把持して引上げることにより、ボビン35が駆動シャフト34と一体に図2の時計方向に回動し、ゼンマイ31に弾性力を蓄積させると共に爪車36Aを介して歯車36を回転し、この回転動力が歯車37,38,39を介してピニオン40に伝達されて駆動輪12を前進方向に回転させる。牽引索条32の牽引を解除すると、ゼンマイ31のばね力によって爪車36Aが歯車36に対して図2の反時計方向に空転して、歯車37,38,39への動力伝達が遮断され、歯車37,38が自重により直ちに下動して歯車37が歯車36との噛合状態を保持したまま、歯車38が歯車39から離れるが、駆動輪12はフライホイールで構成されているため慣性により前記前進方向の回動が持続される。この状態で駆動輪12を接地させて手を離せば、玩具本体10は自走する。
【0027】
ここで、前記吊設用連結部15は、その内周が左右側方から見た場合に円形に形成されていて、前記駆動輪12をその車軸受部19から外して、この吊設用連結部15に嵌挿保持可能としている。
【0028】
本実施形態では、前記吊設用連結部15の略後半部を形成する引掛具20を半円リング状に形成し、この引掛具20によって走行玩具の車体後部のキャラクターラインが左右側方から見た場合に半円形に形成される。
【0029】
また、この吊設用連結部15の一部を構成する前記凹欠部14の上縁部には、前記吊設用連結部15に嵌挿保持された駆動輪12の側面の一側を叩打して、該吊設用連結部15から弾き出す駆動輪弾き出し機構50が設けられている。
【0030】
この駆動輪弾き出し機構50は、凹欠部14の上縁部に連なって凹欠形成した棚部51に支軸52aにより水平方向(左右方向)に回動可能に配設された叩打レバー52と、該叩打レバー52をロック,ロック解除するスライドレバー53とを備えている。
【0031】
叩打レバー52は、ねじりコイルスプリング54により一方向、例えば、左方(図2の手前側)に向けて回動するように付勢されており、該叩打レバー52の上面には係止突起52bが一体に立設されている。
【0032】
スライドレバー53は、上面にノブ53aと、下面に前記叩打レバー52の係止突起52bの左側縁(図2において手前側の側縁)と係脱する係止突起53bが一体に突設されている。このスライドレバー53は、前記ノブ53aを車体11の後部上壁に形成したガイド孔55に下側から挿入係合して、車体前後方向に摺動可能に配設され、該スライドレバー53はコイルスプリング56により車体後方に押圧付勢されている。
【0033】
前記叩打レバー52の係止突起52b,およびスライドレバー53の係止突起53bの後端面は、該係止突起52bが係止突起53bの後端縁をスムーズにくぐり抜け可能なように湾曲して形成されている。従って、叩打レバー52をねじりコイルスプリング54のばね力に抗して右方(図2の矢印方向)に回動すると、係止突起52bが係止突起53bの後端面に摺接して、スライドレバー53をコイルスプリング56のばね力に抗して車体前方へ押動する。該係止突起52bが係止突起53bを水平方向右方にくぐり抜けて、係止突起52bが係止突起53bを押圧しなくなった時点で、スライドレバー53はコイルスプリング56のばね力により後方へ復帰する。すると、係止突起52bが係止突起53bの右側部に当接し、係止突起52b,53b同士が係合して、叩打レバー52を、ねじりコイルスプリング54が蓄勢された状態で、ロックする。
【0034】
これにより、前記叩打レバー52をロックした状態で、前述のように駆動輪12を吊設用連結部15に左方(図2の手前側)から嵌挿保持させ、この状態でスライドレバー53をそのノブ53aを介して車体前方にスライドして係止突起53b,52b同士の係合を解除(ロック解除)すると、叩打レバー52がねじりコイルスプリング54の蓄勢力によって駆動輪12の右側面前部を叩打して、該駆動輪12を吊設用連結部15から勢いよく弾き出し、図4に示すように該駆動輪12をその面方向に回転させることができる。この駆動輪12の面方向の回転を確実に行わせるため、叩打レバー52の配設位置と対向する引掛具20の側縁に、駆動輪12の左側面後部に当接して押える爪片57が突設されている。
【0035】
以上の構成からなる本実施形態の走行玩具によれば、前記引掛具20をフック部20a,14a同士の係合を外して上方向に回動し、該引掛具20を衣服のループ部、例えば、ズボンのベルト通しループ部、あるいは上衣の胸ポケットのボタン通しループ部等に挿通して、該引掛具20を下方向に回動してフック部20a,14a同士を係合することにより、該走行玩具をその吊設用連結部15で衣服に吊設して携行することができる。
【0036】
また、このように走行玩具を前記吊設用連結部15を介して衣服に吊設することによって、該走行玩具が恰も衣服に専用に備えられた特殊な装飾品に見えて、児童等を魅了することができる。
【0037】
しかも、この走行玩具を衣服から外せば、走行玩具本来の走行遊戯を楽しむことができる。
【0038】
更に、前記吊設用連結部15に各種のキー類や装飾品等を吊設して、キーホルダーとして使用することもでき、益々児童等の興趣をそそることができる。
【0039】
ここで、特に本実施形態にあっては、走行輪を1つの前輪12と左右の後輪13とからなる3輪タイプとし、前輪12を駆動装置30により駆動される駆動輪として、これをフライホイールで構成して玩具本体10の車軸受部19に対して離脱可能に装着してあるため、駆動輪(前輪)12により自走させて、フライホイールの慣性作用によりその航続距離を延ばして遊ぶことができることは勿論、駆動輪12を回転させた状態でこれを前記車軸受部19から離脱させることにより、駆動輪12の単体を前方に射出して遊ぶこともできる。
【0040】
しかも、前記玩具本体10は、その車体11が車幅方向に偏平状に形成されていて、その前端部に前記車軸受部19が形成されているので、該車軸受部19の駆動輪離脱構造を容易に構成することができる。とりわけ、この車軸受部19は、上方が開放したロア軸受溝22と、この上方開放部を開閉するスライド部材23とで構成しているので、このスライド部材23を駆動輪解放位置にスライド移動して、前記ロア軸受溝23の上方を開放することによって、駆動輪12の離脱操作を容易に行なうことができる。
【0041】
しかも、このスライド部材23は車体11の前端部上側に前下がりに傾斜して前後方向に摺動可能に配設されているため、児童等が走行玩具を片手で持って片手操作でスライド部材23を操作できるため、手の小さな児童等でも前記駆動輪12の離脱操作をより一層容易に行なうことができ、例えば、走行玩具の常態姿勢で駆動輪12を車軸受部19から離脱させれば、図3(A)に示すように駆動輪12を単体で前方に射出することができ、また、走行玩具を横に寝かせた姿勢で駆動輪12を離脱させれば、、同図(B)に示すように駆動輪12を回転コマとして遊ぶこともできる。
【0042】
特に、前記車体11の前端部のロア軸受溝22は、前下がりに傾斜した車体11の前端部上側の傾斜に対して略直交して開溝するように、斜め前方に傾斜して形成されているため、駆動輪12の車体前方への離脱をスムーズに行わせて駆動輪12の回転遊戯を楽しむことができる。
【0043】
一方、前記吊設用連結部15は、その内周が左右側方から見た場合に円形に形成されていて、ここに駆動輪12を嵌挿保持させ、これを駆動輪弾き出し機構50によって弾き出すことにより、該駆動輪12を図4に示すように縦向きのまま面方向に回転させて遊ぶこともでき、児童等を益々魅了することができる。
【0044】
そして、前記吊設用連結部15の略後半部を構成する引掛具20は、走行玩具の車体後部のキャラクターラインを形成しているので、意匠効果を高めることができる。しかも、この引掛具20を前述のようにその上端部を支点として上下方向に開閉動するように構成することによって、該引掛具20が恰も車体のバックドアの感を呈し、児童等の興趣をそそることができる。
【0045】
なお、前記実施形態では前輪12をフライホイールからなる駆動輪として構成した自走タイプの走行玩具を例示したが、これは勿論、単なる走行輪としたものであってもよく、また、3輪タイプの他、4輪タイプとしてもよい。
【0046】
また、前述のように前輪12を駆動輪として構成した場合でも、前記実施形態で詳述したように、歯車機構(駆動伝達機構33)の歯車噛合列のうち、歯車37,38が牽引索条32の引き上げによる回転動力が発生しない常態では自重により下動して、後段の歯車39との噛合が解除される構成としてあれば、前輪12を単なる走行輪として手転がしで回転走行させて遊ぶこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明に係る走行玩具の一実施形態を示す斜視図。
【図2】図1に示した走行玩具の分解斜視図。
【図3】玩具本体から離脱した駆動輪の2つの異なる回転形態を(A),(B)にて示す説明図。
【図4】駆動輪の異なる使用形態を示す説明図。
【符号の説明】
【0048】
10 玩具本体
11 玩具本体の車体
12 前輪(走行輪、駆動輪)
13 後輪(走行輪)
14 凹欠部
15 吊設用連結部
19 前輪の車軸受部
20 引掛具
22 ロア軸受溝
23 スライド部材
30 駆動装置
50 駆動輪弾き出し機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行輪を備えた玩具本体に形成した凹欠部と、該凹欠部の端部間に跨って接続した引掛具とで環状の吊設用連結部が構成可能であることを特徴とする走行玩具。
【請求項2】
前記走行輪が駆動装置により駆動される駆動輪であって、該駆動輪がフライホイールで構成され、前記玩具本体の車軸受部に対して離脱可能に装着されていることを特徴とする請求項1に記載の走行玩具。
【請求項3】
前記車軸受部が、上方が開放したロア軸受溝と、
前記ロア軸受溝上側に配設され、前記ロア軸受溝の上方開放部を閉塞して駆動輪の車軸を抱持する駆動輪抱持位置と、該上方開放部から後退して駆動輪の車軸を解放する駆動輪解放位置と、に摺動可能なスライド部材とで構成されたことを特徴とする請求項2に記載の走行玩具。
【請求項4】
前記スライド部材は、玩具本体の車体の前下がりに傾斜した前部上壁に形成され、前記スライド部材がこの車体の前部上壁の傾斜に沿って前下がりに傾斜して前後方向に摺動可能に配設されていることを特徴とする請求項3に記載の走行玩具。
【請求項5】
前記ロア軸受溝が、前記車体の前部上壁の傾斜に対して略直交して開溝するように斜め前方に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の走行玩具。
【請求項6】
前記環状の吊設用連結部は、前記車軸受部から外した駆動輪を嵌挿保持可能とされ、かつ、前記玩具本体の凹欠部には、前記吊設用連結部に嵌挿保持された駆動輪を叩打して、該吊設用連結部から弾き出す駆動輪弾き出し機構が設けられていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか1つに記載の走行玩具。
【請求項7】
前記玩具本体は、前記引掛具が走行玩具の車体のキャラクターラインを形成していることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1つに記載の走行玩具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−22687(P2010−22687A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−189561(P2008−189561)
【出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【特許番号】特許第4282029号(P4282029)
【特許公報発行日】平成21年6月17日(2009.6.17)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】