説明

走行車システム

【課題】複数の走行車に対応する複数の走行区域において共有の走行区域がある場合であっても、走行区域の境界を規定するためのストッパを配置した走行車システムを提供することを目的とする。
【解決手段】軌道上を往復走行する複数の走行車を有する走行車システム100であって、下方に突出する第一当接部18aを有する第一走行車10aと、下方に突出し、かつ、進行方向に交差する幅方向において第一当接部の位置と重ならない位置に配置される第二当接部18bを有する第二走行車10bと、軌道上であって、第一当接部の幅方向における位置に対応した位置に配置される第一ストッパ41と、軌道上であって、第二当接部の幅方向における位置に対応した位置に配置される第二ストッパ42とを備えた走行車システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道上を往復走行する複数の走行車を有する走行車システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行車システムとして、床に敷設された軌道上を複数の走行車が所定の走行区域を往復走行し、物品を搬送するものが知られている。このような走行車システムにおいて、各走行車の走行区域の境界部分には、走行車同士の衝突を防ぐためのストッパが設けられている。そして、各走行車の走行区域は変更される場合があり、この場合にストッパの移動が行われている(特許文献1参照)。例えば複数のうちの1台の走行車をメンテナンスするときに、メンテナンスされる走行車の走行区域をメンテナンスされない走行車に対応させるために、各走行区域の変更を行っている。また、走行車のメンテナンス後に、元の走行区域に戻している。具体的には、このときに、作業者が、ストッパを所定の場所から撤去する、または、ストッパを所定の場所に設置することにより各走行区域の変更を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−301609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような走行車システムにおいて、複数の走行車の走行区域を共有できる走行区域を設けることにより、走行車の作業効率を向上させるというニーズがある。このような場合であっても、走行区域の境界を定めるためのストッパを設置することにより、走行車が所定の走行区域外に出ることを防ぐことができる。しかしながら、このような場合に、従来と同様のストッパを軌道上に設置してしまうと、ストッパにより走行車の走行区域を区切ってしまうことになるため共有の走行区域を設けることはできない。
【0005】
そこで、本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数の走行車に対応する複数の走行区域において共有の走行区域がある場合であっても、走行区域の境界を規定するためのストッパを配置した走行車システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一形態にかかる走行車システムは、軌道上を往復走行する複数の走行車を有する走行車システムであって、第一基台と、前記第一基台の下方に突出する第一当接部とを有する第一走行車と、第二基台と、前記第二基台の下方に突出し、かつ、進行方向に交差する幅方向において前記第一当接部の位置と重ならない位置に配置される第二当接部とを有する第二走行車と、前記軌道上であって、前記第一当接部の前記幅方向における位置に対応した位置に配置される第一ストッパと、前記軌道上であって、前記第二当接部の前記幅方向における位置に対応した位置に配置される第二ストッパとを備える。
【0007】
これによれば、第一当接部と第二当接部とは幅方向に重ならない位置に配置されている。このため、第一当接部を有する第一走行車は、第二ストッパにより走行を制限されることがない。また、同様に第二当接部を有する第二走行車は、第一ストッパにより走行を制限されることがない。これらのことから、第一走行車の走行区域と第二走行車の走行区域との間に、共有の走行区域を設けつつ、第一ストッパにより第一走行車の走行区域の境界を規定することができ、第二ストッパにより第二走行車の走行区域の境界を規定することができる。
【0008】
また、好ましくは、さらに、前記第一ストッパおよび前記第二ストッパの少なくとも一方の前記幅方向における位置を変更する軌道用変更機構を備える。さらに、好ましくは、前記第一ストッパおよび前記第二ストッパの少なくとも一方は、前記進行方向に対して複数配置される。
【0009】
これによれば、第一ストッパを進行方向に対して2箇所(またはそれより多く)設けているため、どちらか一方を第一当接部に重ならない位置に移動させることにより、作業者がストッパを撤去または設置することなく、第一走行車の走行区域を変更することができる。第二ストッパについても同様ことが言え、第二走行車の走行区域を変更することが容易にできる。
【0010】
また、好ましくは、さらに、前記第一当接部および前記第二当接部の少なくとも一方の前記幅方向における位置を変更する走行車用変更機構を備える。
【0011】
これによれば、例えば、第一当接部の幅方向における位置を変更して、第一ストッパと重ならない位置に移動させることにより、第一走行車の走行区域を変更することができる。このことは第二ストッパについても同様のことが言える。
【0012】
また、好ましくは、前記第二ストッパは、前記軌道の端部から、前記進行方向における前記第一走行車の長さに対応した距離だけ空けた位置にある。
【0013】
これによれば、例えば、第一走行車がメンテナンスにより停止した場合に、第一走行車を軌道上の端部に配置させることにする。この場合に、第一走行車は、軌道上の端部から進行方向における第一走行車の長さに対応した距離までの区域(以下、第一メンテナンス区域とする)に存在することになる。このため、軌道上の端部から当該距離の分だけ空けたところに第二ストッパを配置することにより、第一走行車がメンテナンス中であって第一メンテナンス区域に存在する場合に、第二走行車がメンテナンス空間に侵入することを防ぐことができる。このため第一走行車のメンテナンスを行う作業者は、第二走行車の状況を確認することなく、メンテナンスの作業に集中することができる。
【0014】
また、好ましくは、さらに、下方に突出し、かつ、前記幅方向において前記第一当接部および前記第二当接部の位置と重ならない位置に配置される第三当接部を有する第三走行車と、前記軌道上であって、前記第三当接部の前記幅方向における位置に対応した位置に配置される第三ストッパと備え、前記第三ストッパは、前記第二ストッパから、前記進行方向における前記第二走行車の長さに対応した距離だけ空けた位置にある。
【0015】
これによれば、第一当接部と第二当接部と第三当接部とは幅方向に重ならない位置に配置されている。このため、第一当接部を有する第一走行車は、第二ストッパおよび第三ストッパにより走行を制限されることがない。また、同様に第二当接部を有する第二走行車は、第一ストッパおよび第三ストッパにより走行を制限されることがない。さらに、同様に第三当接部を有する第三走行車は、第一ストッパおよび第二ストッパにより走行を制限されることがない。これらのことから、第一走行車の走行区域と第二走行車の走行区域と第三走行車の走行区域との間に、共有の走行区域を設けつつ、第一ストッパにより第一走行車の走行区域の境界を規定することができ、第二ストッパにより第二走行車の走行区域の境界を規定することができ、第三ストッパにより第三走行車の走行区域の境界をきていすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る走行車システムによれば、複数の走行区域において共有の走行区域がある場合であっても、走行区域の境界を規定するためのストッパを配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1における走行車システムの概略斜視図である。
【図2】実施の形態1における走行車の詳細斜視図である。
【図3】第一走行車のY方向およびZ方向により規定される面における断面図である。
【図4】実施の形態1における走行車システムの各走行車の基台と、第一ストッパおよび第二ストッパとの位置関係を表す、Y方向およびZ方向により規定される面における断面図である。
【図5】(a)は、実施の形態1に係る走行車システムの通常運転における上面図である。(b)は、実施の形態1に係る走行車システムのメンテナンス時における上面図である。
【図6】本発明の実施の形態2における走行車システムの各走行車の基台と、各ストッパとの位置関係を表す、Y方向およびZ方向により規定される面における断面図である。
【図7】(a)は、実施の形態2に係る走行車システムの通常運転における上面図である。(b)は、実施の形態2に係る走行車システムの第一走行車のメンテナンス時における上面図である。(c)は、実施の形態2に係る走行車システムの第二走行車のメンテナンス時における上面図である。
【図8】(a)は、実施の形態2に係る走行車システムの第一走行車および第二走行車のメンテナンス時における上面図である。(b)は、実施の形態2に係る走行車システムの第一走行車および第三走行車のメンテナンス時における上面図である。
【図9】(a)は、軌道用変更機構を有する第三ストッパおよび第一ストッパの構成を示す概略斜視図である。(b)は、第三ストッパおよび第一ストッパのX方向およびZ方向により規定される面における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態における走行車システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における走行車システム100の概略斜視図である。図2は、実施の形態1における走行車の詳細斜視図である。
【0020】
まず図1を用いて、実施の形態1における走行車システム100の概要を説明する。
【0021】
図1に示す走行車システム100は、第一走行車10aと、第二走行車10bと、レール30と、第一ストッパ41、42と、第二ストッパ51、52とにより構成される。
【0022】
第一走行車10aおよび第二走行車10bは、図2に示すように、移載装置であって、多数の棚を配置した倉庫内を移動して、各棚に対するワークの出し入れを行うものである。また、この第一走行車10aおよび第二走行車10bは、倉庫内を移動する基台11と、基台11の4箇所に配置され基台11をレール30上に走行させる車輪12と、基台11の左右に立設した2基の支柱装置13と、各支柱装置13に対して上下動される昇降台14と、昇降台14上に設置される移載機15と、調整装置16と、調整装置から昇降台14を吊り下げて支持するための支持フレーム17とにより構成される。各車輪12には、図示しないモータが備えられており、モータが駆動されることにより車輪12が回転し、第一走行車10aはレール30上を走行可能である。第一走行車10aおよび第二走行車10bは、当該モータが順回転または逆回転を行うことにより、X方向を正の方向または負の方向に走行できる。つまり、第一走行車10aおよび第二走行車10bは、レール30上を往復走行する。
【0023】
レール30は、X方向に沿って配置される2本の長尺部材であり、互いに所定の間隔を空けて平行に床面に敷設されている。レール30は、第一走行車10aおよび第二走行車10bの軌道を規定している。つまり、実施の形態1における走行車システム100において、第一走行車10aおよび第二走行車10bの進行方向はX方向である。
【0024】
第一ストッパ41、42は、レール30により規定される軌道上であって、進行方向(以下、「X方向」とする)に交差する方向である幅方向(以下、「Y方向」とする)における位置が第一の位置に配置される。なお、本実施の形態によれば、X方向とY方向とは直交する。第二ストッパ51、52は、レール30により規定される軌道上であって、Y方向における位置が第二の位置に配置される。第一の位置と第二の位置とは、Y方向における位置が異なっており、第1ストッパ41、42と第2ストッパ51、52とはY方向において互いに重ならない位置に配置される。
【0025】
図3は、第一走行車10aのY方向およびZ方向により規定される面における断面図である。図4は、各走行車10a、10bの基台11a、11bと、第一ストッパ41、42および第二ストッパ51、52との位置関係を表す、Y方向およびZ方向により規定される面における断面図である。以下、図3および図4を用いて、第一走行車10aと第一ストッパ41、42との位置関係を説明する。
【0026】
第一走行車10aの基台11aは、下方に突出する第一当接部18aを有する。第一当接部18aは、Y方向における位置が第一の位置に配置される。つまり、第一ストッパ41、42は、第一当接部18aのY方向における位置に対応した位置に配置される。ここで、Y方向における位置が第一の位置とは、レール30のY方向における中心線CLからの幅が第一の幅W1である2箇所の位置である。つまり、第一ストッパ41、42は、X方向における同一の位置であって、Y方向に対して2箇所ずつに配置される。
【0027】
第二走行車10bの基台11bにおいても、図3の破線および図4に示すように、下方に突出する第二当接部18bを有する。第二当接部18bは、Y方向における位置が第二の位置に配置される。つまり、第二ストッパ51、52は第二当接部18bのY方向における位置に対応した位置に配置される。ここで、第二の位置は、レール30のY方向における中心線CLからの幅が第二の幅W2である位置である。つまり、第二ストッパ51、52は、X方向における同一の位置であって、Y方向に対して2箇所ずつに配置される。これにより、第一当接部18aと第二当接部18bとはY方向において互いに重ならない位置に配置される。
【0028】
実施の形態1に係る走行車システム100では、通常運転時とメンテナンス時とにおいて、第一走行車10aおよび第二走行車10bの走行区域が異なる。以下、図5(a)および図5(b)を用いて、通常運転時の各走行車の走行区域と、メンテナンス時の各走行車の走行区域について説明する。なお、図5(a)は、実施の形態1に係る走行車システム100の通常運転における上面図である。図5(b)は、実施の形態1に係る走行車システム100のメンテナンス時における上面図である。
【0029】
レール30によって規定される軌道の一方の端部P1のX方向における位置に、レール30により区画される走行区域からX方向に外れないように第一走行車10aの走行区域を制限する通常の第一ストッパ41が配置される。また、レール30によって規定される軌道の他方の端部P2のX方向における位置に、レール30により区画される走行区域からX方向に外れないように第二走行車10bの走行区域を制限する通常の第二ストッパ52が配置される。
【0030】
そして、軌道の一方の端部P1から、X方向における第一走行車10aの長さに対応した距離L1だけ空けた位置P3に非常用の第二ストッパ51が配置される。また、軌道の他方の端部P2から、X方向における第二走行車10bの長さに対応した距離L2だけ空けた位置P4に非常用の第一ストッパ42が配置される。なお、実施の形態1において、距離L1と距離L2とは等しい。
【0031】
通常運転時においては、走行車システム100では、第一走行車10aは、軌道のX方向における一方の端部P1から第三の距離L3だけ離れた部分までの間の第一走行区域A1を走行可能な状態となっている。また、第二走行車10bは、レール30のX方向における他方の端部P2から第四の距離L4だけ離れた部分までの間の第二走行区域A2を走行可能な状態となっている。第一走行車10aと第二走行車10bとは、互いに独立した区域を走行するのではなく、重複した共有走行区域A3を走行する。つまり、第三の距離L3と第四の距離L4とを合算した距離は、レール30の全長距離よりも長くなる。このように、第一走行車10aと第二走行車10bとが共有走行区域A3を走行することにより、走行車システムの作業効率を向上させることができる。
【0032】
なお、第一走行区域A1は、物理的に区画される領域ではなく、第一走行車10aを制御する制御部(図示せず)によりソフト的に規定される領域である。つまり、第一走行車10aは、第一走行区域A1内を走行するように制御部により、その走行区域を制御される。制御部の第一走行車10aに対する走行区域の制御の制御方法は、第一走行車10aに位置を認識するためのセンサを搭載して第一走行区域A1内を走行するように制御を行ってもよいし、第一走行車10aの車輪の回転数に応じて走行距離を算出することにより第一走行車10aの位置を把握して第一走行区域A1内を走行するように制御を行ってもよい。また、第二走行区域A2を走行する第二走行車10bについても第一走行車10aと同様の制御が行われる。
【0033】
次に、走行車のうちの1台がメンテナンスされる場合を、図5(b)を用いて説明する。第一走行車10aをメンテナンスする場合に、第一走行車10aのX方向の端部P1側の端部が端部P1とX方向において一致するように、第一走行車10aは移動される。つまり、第一走行車10aがメンテナンスされる際には、第一走行車10aは端部P1から距離L1の間の第一メンテナンス区域A11に配置される。このとき、第二走行車10bの第二走行区域A2は、第一走行車10aの作業領域である第一走行区域A1を補うために、通常運転時よりも拡げられて端部P2から位置P3までの間の第三走行区域A12に制御部により設定される。
【0034】
このように、第一走行車10aのメンテナンス時には、第二走行車10bは第三走行区域A12を走行することになる。このとき、第二走行車10bは、第二ストッパ51、52により第三走行区域A12の範囲の走行を物理的に制限される。つまり、非常用の第二ストッパ51は、第一走行車10aがメンテナンスされる際に、軌道上の端部である第一メンテナンス区域A11に配置されることを考慮して、位置P3に配置されている。このため、第一走行車10aがメンテナンスされる際に、第二走行車10bの物理的な走行区域を第三走行区域A12に制限することができ、メンテナンス作業者は第二走行車10bの状況を確認することなくメンテナンスの作業に集中することができる。
【0035】
以上のことは第二走行車10bのメンテナンスの場合においても同様のことが言え、上記の文章の第一と第二とを読み替えることにより説明できるため、ここでは説明を省略する。
【0036】
(実施の形態2)
実施の形態1の走行車システム100は、2台の走行車10a、10bを有する走行車システムであったが、実施の形態2の走行車システム200は、3台の走行車である第一走行車10a、第二走行車10b、および第三走行車10cを有する走行車システムである。走行車システム200は、第一走行車10aと、第二走行車10bと、第三走行車10cと、レール30と、第一ストッパ41〜43と、第二ストッパ51、52と、第三ストッパ61〜63とにより構成される。実施の形態2の走行車システム200は、実施の形態1の走行車システム100とは走行車の台数が異なることにより、ストッパの数や位置、および各走行車が備える当接部の位置が異なる。この点以外の構成、つまり、レール30がX方向に沿っており、レール30によって規定される軌道を各走行車が往復走行することや、各走行車の構成は実施の形態1と同一であるため説明を省略する。
【0037】
図6は、本発明の実施の形態2における走行車システム200の各走行車10a〜10cの基台11a〜11cと、各ストッパ41〜43、51、52、61〜63との位置関係を表す、Y方向およびZ方向により規定される面における断面図である。以下、図6を用いて、各走行車10a〜10cと各ストッパ41〜43、51、52、61〜63との位置関係を説明する。
【0038】
第一ストッパ41〜43は、レール30により規定される軌道上であって、X方向に交差する方向であるY方向における位置が第一の位置に配置される。第二ストッパ51、52は、レール30により規定される軌道上であって、Y方向における位置が第二の位置に配置される。第三ストッパ61〜63は、レール30により規定される軌道上であって、Y方向における位置が第三の位置に配置される。第一の位置と第二の位置と第三の位置とは、Y方向における位置が互いに異なっており、第一ストッパ41〜43と第二ストッパ51、52と第三ストッパ61〜63とはY方向において互いに重ならない位置に配置される。
【0039】
第一走行車10aの基台11aは、下方に突出する第一当接部18aを有する。第一当接部18aは、Y方向における位置が第一の位置に配置される。つまり、第一ストッパ41〜43は、第一当接部18aのY方向における位置に対応した位置に配置される。ここで、Y方向における位置が第一の位置とは、レール30のY方向における中心線CLからの幅が第一の幅W11である2箇所の位置である。つまり、第一ストッパ41〜43は、X方向における同一の位置であって、Y方向に対して2箇所ずつに配置される。
【0040】
第二走行車10bの基台11bにおいても、下方に突出する第二当接部18bを有する、第二当接部18bは、Y方向における位置が第二の位置に配置される。つまり、第二ストッパ51、52は第二当接部18bのY方向における位置に対応した位置に配置される。ここで、第二の位置は、レール30のY方向における中心線CLからの幅が第二の幅W12である位置である。つまり、第二ストッパ51、52は、X方向における同一の位置であって、Y方向に対して2箇所ずつに配置される。
【0041】
第三走行車10cの基台11cにおいても、下方に突出する第三当接部18cを有する、第三当接部18cは、Y方向における位置が第三の位置に配置される。つまり、第三ストッパ61〜63は第三当接部18cのY方向における位置に対応した位置に配置される。ここで、第三の位置は、レール30のY方向における中心線CLからの幅が第三の幅W13である位置である。つまり、第三ストッパ61〜63は、X方向における同一の位置であって、Y方向に対して2箇所ずつに配置される。これにより、第一当接部18aと第二当接部18bと第三当接部18cとはY方向において互いに重ならない位置に配置される。
【0042】
実施の形態2に係る走行車システム200では、通常運転時とメンテナンス時とにおいて、第一走行車10a、第二走行車10b、および第三走行車10cの走行区域が異なる。以下、図7(a)〜図7(c)および図8(a)、(b)を用いて、通常運転時の各走行車の走行区域と、メンテナンス時の各走行車の走行区域について説明する。なお、図7(a)は、実施の形態2に係る走行車システム200の通常運転における上面図である。図7(b)は、実施の形態2に係る走行車システム200の第一走行車10aのメンテナンス時における上面図である。図7(c)は、実施の形態2に係る走行車システム200の第二走行車10bのメンテナンス時における上面図である。図8(a)は、実施の形態2に係る走行車システム200の第一走行車10aおよび第二走行車10bのメンテナンス時における上面図である。図7(c)は、実施の形態2に係る走行車システム200の第一走行車10aおよび第三走行車10cのメンテナンス時における上面図である。
【0043】
レール30によって規定される軌道の一方の端部P1のX方向における位置に、レール30により区画される走行区域からX方向に外れないように第一走行車10aの走行区域を制限する通常の第一ストッパ41が配置される。そして、軌道の一方の端部P1から、X方向における第一走行車10aの長さに対応した距離L1だけ空けた位置P3に非常用の第二ストッパ51が配置される。さらに、位置P3からX方向における第二走行車10bの長さに対応した距離L11だけ空けた位置P7に非常用の第三ストッパ61が配置される。
【0044】
また、軌道の中心付近の所定の位置P5に非常用の第一ストッパ42が配置され、非常用の第一ストッパ42からX方向における第二走行車10bの長さに対応した距離L13だけ空けた位置P6に非常用の第三ストッパ62が配置される。
【0045】
また、レール30によって規定される軌道の他方の端部P2のX方向における位置に、レール30により区画される区域からX方向に外れないように第三走行車10cの走行区域を制限する通常の第三ストッパ63が配置される。そして、軌道の他方の端部P2から、X方向における第二走行車10bの長さに対応した距離L2だけ空けた位置P4に非常用の第二ストッパ52が配置される。さらに、位置P4からX方向における第三走行車10cの長さに対応した距離L12だけ空けた位置P8に非常用の第一ストッパ43が配置される。なお、実施の形態2において、距離L1と距離L2とは等しく、距離L11と距離L12とは等しい。
【0046】
通常運転時においては、走行車システム200では、第一走行車10aは、軌道のX方向における一方の端部P1から距離L21だけ離れた部分までの間の第一走行区域A21を走行可能な状態となっている。また、第三走行車10cは、レール30のX方向における他方の端部P2から距離L22だけ離れた部分までの間の第三走行区域A23を走行可能な状態となっている。そして、第二走行車10bは、第一走行車10aと重複して走行する共有走行区域A24と、第三走行車10cと重複して走行する共有走行区域A25とを含む第二走行区域A22を走行可能な状態となっている。第二走行区域A22は、距離L23である。このように、第一走行車10aと第二走行車10bとは重複した共有走行区域A24を走行し、第二走行車10bと第三走行車10cとは重複した共有走行区域A25を走行する。このため、走行車システムの作業効率を向上させることができる。また、距離L21と距離L22と距離L23とを合算した距離は、レール30の全長よりも長くなる。
【0047】
なお、実施の形態1と同様に、第一走行区域A21と、第二走行区域A22と、第三走行区域A23とは、物理的に区画される領域ではなく、各走行車10a〜10cを制御する制御部によりソフト的に規定される領域である。この点については実施の形態1と同様のため説明を省略する。
【0048】
走行車のうちの1台がメンテナンスされる場合を、図7(b)、(c)を用いて説明する。
【0049】
第一走行車10aをメンテナンスする場合には、図7(b)に示すように、第一走行車10aのX方向の端部P1側の端部が、端部P1とX方向において一致するように、第一走行車10aは移動される。つまり、第一走行車10aがメンテナンスされる際には、第一走行車10aは端部P1から距離L1の間の第一メンテナンス区域A31に配置される。このとき、第二走行車10bの第二走行区域A22は、第一走行車10aの作業領域である第一走行区域A21を補うために、通常運転時よりも拡げられて位置P3から位置P4までの間の第二走行区域A32に制御部により設定される。また、第三走行車10cの第三走行区域A23は、同様に、第一走行車10aの作業領域である第一走行区域A21を補うために、通常運転時よりも拡げられて端部P2から位置P7までの間の第三走行区域A33に制御部により設定される。
【0050】
第二走行区域A32は、位置P3から位置P4までの間に設定されているが、これは第二走行車10bの第二当接部18bに対応する第二ストッパ51、52の位置に基づいて定められる。つまり、第二走行区域A32は、第二走行車10bに対して物理的に区画する領域であり、第二走行車10bの走行区域の最大である。なお、第二走行区域A32は、第二走行車10bに対する物理的な走行区域の最大であるが、走行領域の制御はソフト的に行われる。あくまでも物理的な走行区域は、走行車に異常が発生するなどすることにより、走行車が最大の走行区域より外れた区域に行かないように規定する非常用のものである。なお、第二走行区域A32は、第二走行車10bの走行区域の最大に設定されなくともよく、第一走行区域A21を補う領域であればよい。第二走行区域A32は、ソフト的に規定されて、例えば、位置P3から位置P8までの間であってもよいし、位置P3から位置P6までの間であってもよい。
【0051】
また、第三走行区域A33は、端部P2から位置P7までの間に設定されているが、これについても第二走行区域A32と同様に第三当接部18cに対応する第三ストッパ63、61の位置に基づいている。第三ストッパ61と第三ストッパ63との間に、Y方向における幅が同じ第三ストッパ62が配置されており、このままの状態だと第三走行車10cは端部P2から位置P7までの第三走行区域A33を走行できずに、第三ストッパ62と第三ストッパ63との間の短い区間しか走行できない。このようなことを避けるために、第三ストッパ62は、図9に示すように、Y方向に対して移動可能な構成となっている。なお、この構成は、第一ストッパ42に対しても同様である。図9(a)は、軌道用変更機構を有する第三ストッパ62および第一ストッパ42の構成を示す概略斜視図である。図9(b)は、第三ストッパ62および第一ストッパ42のX方向およびZ方向により規定される面における断面図である。
【0052】
第三ストッパ62は、ストッパ本体70とストッパ用レール71とにより構成される。ストッパ用レール71は断面形状がC型でありY方向に沿って伸びている。ストッパ本体70の下部に設けられる嵌合部70aは、断面形状がT型である。嵌合部70aは、ストッパ用レール71に嵌合している。このため、ストッパ本体70は、ストッパ用レール71に対してY方向に移動することができ、かつ、X方向に対して移動を妨げる。第三ストッパ62は、このようにストッパ用レール71と嵌合部70aとによる軌道用変更機構を備えているため、Y方向に対して移動することができ、X方向に対しては通常のストッパと同様の役割を果たすことができる。このように、第三ストッパ62は、Y方向に対して移動することにより、第二の幅W12と第三の幅W13と重ならない第一の幅W11の位置に配置される。これにより、第三走行車10cに対して第三走行区域A33が設定されても第三ストッパ62がその走行を妨げない位置に位置するため、第三走行車10cは第三走行区域A33を移動可能となる。また、第二走行車10bに対して第二走行区域A32が設定されても第三ストッパ62がその走行を妨げない位置に位置するため、第二走行車10bは第二走行区域A32を移動可能となる。
【0053】
このように、第一走行車10aのメンテナンス時には、第二走行車10bは通常運転時の第二走行区域A22よりも長い第二走行区域A32を走行することになり、第三走行車10cは通常運転時の第三走行区域A23よりも長い第三走行区域A33を走行することになる。このとき、第二走行車10bは、第二ストッパ51により第一メンテナンス区域A31側に移動することを制限される。つまり、非常用の第二ストッパ51は、第一走行車10aがメンテナンスされる際に、軌道上の端部である第一メンテナンス区域A11に配置されることを考慮して、位置P3に配置されている。このため、第一走行車10aがメンテナンスされる際に、第二走行車10bの物理的な走行区域を少なくとも位置P3から第一走行車10aとは反対側の区域に制限することができ、メンテナンス作業者は第二走行車10bの状況を確認することなくメンテナンスの作業に集中することができる。
【0054】
以上のことは第三走行車10cのメンテナンスの場合においても同様のことが言え、左右を逆にすることにより説明できるため、ここでは説明を省略する。
【0055】
第二走行車10bをメンテナンスする場合には、図7(c)に示すように、第二走行車10bが位置P5と位置P6との間の第二メンテナンス区域A42に配置される。つまり、第二走行車10bは、第一ストッパ42と第三ストッパ62との間に配置される。このとき、第一走行車10aの第一走行区域A21は、第二走行車10bの第二走行区域A22を補うために、通常運転時よりも拡げられて端部P1から位置P5までの間の第一走行区域A41に制御部により設定される。また、第三走行車10cの第三走行区域A23は、同様に、第二走行車10bの作業領域である第二走行区域A22を補うために、通常運転時よりも拡げられて端部P2から位置P6までの間の第三走行区域A43に制御部により設定される。
【0056】
このように、第二走行車10bのメンテナンス時には、第一走行車10aは通常運転時の第一走行区域A21よりも長い第一走行区域A41を走行することになり、第三走行車10cは通常運転時の第三走行区域A23よりも長い第三走行区域A43を走行することになる。このとき、第一走行車10aは、第一ストッパ42により第二メンテナンス区域A42側に移動することを制限される。また、第三走行車10cは、第三ストッパ62により第二メンテナンス区域A42側に移動することを制限される。つまり、非常用の第一ストッパ42は、第二走行車10bがメンテナンスされる際に第二メンテナンス区域A42に配置されることを考慮して、第二メンテナンス区域A42の第一走行車10a側の端部である位置P5に配置されている。また、非常用の第三ストッパ62は、第二走行車10bがメンテナンスされる際に第二メンテナンス区域A42に配置されることを考慮して、第二メンテナンス区域A42の第三走行車10c側の端部である位置P6に配置されている。このため、第二走行車10bがメンテナンスされる際に、第一走行車10aの物理的な走行区域を少なくとも位置P5から第一走行車10a側の区域に制限することができ、また、第三走行車10cの物理的な走行区域を少なくとも位置P6から第三走行車10c側の区域に制限することができる。このため、メンテナンス作業者は第一走行車10aおよび第三走行車10cの状況を確認することなくメンテナンスの作業に集中することができる。
【0057】
走行車のうちの2台がメンテナンスされる場合を、図8(a)、(b)を用いて説明する。
【0058】
第一走行車10aと第二走行車10bとをメンテナンスする場合には、図8(a)に示すように、第一走行車10aのX方向の端部P1側の端部が、端部P1とX方向において一致するように、第一走行車10aは移動される。つまり、第一走行車10aがメンテナンスされる際には、第一走行車10aは端部P1から距離L1の間の第一メンテナンス区域A51に配置される。さらに、第二走行車10bのX方向の端部P1側の端部が、位置P3とX方向において一致するように、第二走行車10bは移動される。つまり、第一走行車10aと同時期に第二走行車10bがメンテナンスされる際には、第二走行車10bは位置P3から距離L11の間の第二メンテナンス区域A52に配置される。このとき、第三走行車10cの第三走行区域A23は、第一走行車10aおよび第二走行車10bの作業領域である第一走行区域A21および第二走行区域A22を補うために、通常運転時よりも拡げられて端部P2から位置P7までの間の第三走行区域A53に制御部により設定される。このとき、図7(b)で説明したように、第三ストッパ62は、Y方向に対して移動することにより、第三の幅W13と重ならない第一の幅W11の位置に配置される。
【0059】
このように、第一走行車10aおよび第二走行車10bのメンテナンス時には、第三走行車10cは通常運転時の第三走行区域A23よりも長い第三走行区域A53を走行することになる。このとき、第三走行車10cは、第三ストッパ61により第二メンテナンス区域A52側に移動することを制限される。つまり、非常用の第三ストッパ61は、第一走行車10aおよび第三走行車10cがメンテナンスされる際に、軌道上の端部である第一メンテナンス区域A51および第二メンテナンス区域A52に配置されることを考慮して、位置P7に配置されている。このため、第一走行車10aおよび第二走行車10bがメンテナンスされる際に、第三走行車10cの物理的な走行区域を少なくとも位置P7から第三走行車10c側の区域に制限することができ、メンテナンス作業者は第三走行車10cの状況を確認することなくメンテナンスの作業に集中することができる。
【0060】
以上のことは第二走行車10bと第三走行車10cとの2台がメンテナンスされる場合においても同様のことが言え、左右を逆にすることにより説明できるため、ここでは説明を省略する。
【0061】
第一走行車10aと第三走行車10cとをメンテナンスする場合には、図8(b)に示すように、第一走行車10aのX方向の端部P1側の端部が、端部P1とX方向において一致するように、第一走行車10aは移動される。つまり、第一走行車10aがメンテナンスされる際には、第一走行車10aは端部P1から距離L1の間の第一メンテナンス区域A61に配置される。また、第三走行車10cのX方向の端部P2側の端部が、端部P2とX方向において一致するように、第三走行車10cは移動される。つまり、第三走行車10cがメンテナンスされる際には、第三走行車10cは端部P2から距離L2の間の第三メンテナンス区域A63に配置される。このとき、第二走行車10bの第二走行区域A22は、第一走行車10aの作業領域である第一走行区域A21、および、第三走行車10cの作業領域である第三走行区域A23を補うために、通常運転時よりも拡げられて位置P3から位置P4までの間の第二走行区域A62に制御部により設定される。
【0062】
このように、第一走行車10aおよび第三走行車10cのメンテナンス時には、第二走行車10bは通常運転時の第二走行区域A22よりも長い第二走行区域A62を走行することになる。このとき、第二走行車10bは、第二ストッパ51により第一メンテナンス区域A61側に移動することを制限され、第二ストッパ52により第三メンテナンス区域A63側に移動することを制限される。つまり、第二ストッパ51は、第一走行車10aがメンテナンスされる際に第一メンテナンス区域A61に配置されることを考慮して、第一メンテナンス区域A61の第二走行車10b側の端部である位置P3に配置されている。また、第二ストッパ52は、第三走行車10cが第三メンテナンス区域A63に配置されることを考慮して、第三メンテナンス区域A63の第二走行車10b側の端部である位置P4に配置されている。このため、第一走行車10aおよび第三走行車10cがメンテナンスされる際に、第二走行車10bの物理的な走行区域を位置P3から位置P4の区域に制限することができる。このため、メンテナンス作業者は第二走行車10bの状況を確認することなくメンテナンスの作業に集中することができる。
【0063】
上記実施の形態によれば、各ストッパ41〜43、51、52、61〜63は、X方向における同一の位置に対して、2本のレールのY方向の中心線CLを基準とする所定幅に2箇所ずつ配置されているが、各ストッパ41〜43、51、52、61〜63のY方向における位置は中心からの幅に限らない。つまり、X方向における同一の位置にある2箇所のストッパのY方向における中心と、2本のレールのY方向における中心とは一致しなくともよい。また、各ストッパ41〜43、51、52、61〜63は、X方向における同一の位置に対して2箇所ずつに限らずに1箇所ずつであってもよく、第一走行車10aと、第二走行車10bとに対応するストッパがY方向に対して重ならない位置に配置されていればよい。
【0064】
なお、第一の位置および第二の位置は、Y方向における2本のレール30の中心線CLから距離L1だけ離れた位置および距離L2だけ離れた位置であるとそれぞれを定義している。しかし、第一の位置および第二の位置の基準となる位置は2本のレール30の中心線CLに限らず、Y方向において所定の位置であればよい。例えば、2本のレール30の内の一方を第一の位置および第二の位置の基準としてもよく、この場合には、Y方向において第一の位置は2本のレール30の内の一方から第三の距離だけ離れた位置となり、第二の位置は2本のレール30の内の一方から第一の位置と重ならない第四の距離だけ離れた位置となる。また、第一の位置および第二の位置は、X方向における同一の位置に対して2箇所ずつに限らずに1箇所ずつであってもよい。
【0065】
上記実施の形態によれば、第一ストッパ42と第三ストッパとが軌道用変更機構を備えているが、ストッパ側に限らず、走行車側の当接部が軌道用変更機構を備えていてもよい。また、軌道用変更機構を有するストッパを図5のような走行車が2台のシステムのX方向に対して複数設けて、そのうちの一箇所のみを例えば第一当接部18aと重なるように移動させることにより、作業者がストッパを撤去または設置することなく、第一走行車10aの走行区域を変更することができる。また、第二走行車10bについても同様のことが言える。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、複数の走行区域において共有の走行区域がある場合であっても、走行区域の境界を規定するためのストッパを配置できる走行車システム等として利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
10a 第一走行車
10b 第二走行車
10c 第三走行車
11、11a、11b、11c 基台
12 車輪
13 支柱装置
14 昇降台
15 移載機
16 調整装置
17 支持フレーム
18a 第一当接部
18b 第二当接部
18c 第三当接部
30 レール
41、42、43 第一ストッパ
51、52 第二ストッパ
61、62、63 第三ストッパ
100、200 走行車システム
CL 中心線
A1、A21、A41 第一走行区域
A2、A22、A32、A62 第二走行区域
A12、A23、A33、A43、A53 第三走行区域
A11、A31、A51、A61 第一メンテナンス区域
A42、A52 第二メンテナンス区域
A63 第三メンテナンス区域
L1〜L4、L11〜L13、L21〜L23 距離
P1、P2 端部
P3〜P8 位置
W1、W11 第一の幅
W2、W12 第二の幅
W13 第三の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道上を往復走行する複数の走行車を有する走行車システムであって、
第一基台と、前記第一基台の下方に突出する第一当接部とを有する第一走行車と、
第二基台と、前記第二基台の下方に突出し、かつ、進行方向に交差する幅方向において前記第一当接部の位置と重ならない位置に配置される第二当接部とを有する第二走行車と、
前記軌道上であって、前記第一当接部の前記幅方向における位置に対応した位置に配置される第一ストッパと、
前記軌道上であって、前記第二当接部の前記幅方向における位置に対応した位置に配置される第二ストッパと
を備える走行車システム。
【請求項2】
さらに、
前記第一ストッパおよび前記第二ストッパの少なくとも一方の前記幅方向における位置を変更する軌道用変更機構を備える
請求項1に記載の走行車システム。
【請求項3】
前記第一ストッパおよび前記第二ストッパの少なくとも一方は、前記進行方向に対して複数配置される
請求項2に記載の走行車システム。
【請求項4】
さらに、
前記第一当接部および前記第二当接部の少なくとも一方の前記幅方向における位置を変更する走行車用変更機構を備える
請求項1から3のいずれかに記載の走行車システム。
【請求項5】
前記第二ストッパは、前記軌道の端部から、前記進行方向における前記第一走行車の長さに対応した距離だけ空けた位置にある
請求項1から4のいずれかに記載の走行車システム。
【請求項6】
さらに、
下方に突出し、かつ、前記幅方向において前記第一当接部および前記第二当接部の位置と重ならない位置に配置される第三当接部を有する第三走行車と、
前記軌道上であって、前記第三当接部の前記幅方向における位置に対応した位置に配置される第三ストッパと
を備え、
前記第三ストッパは、前記第二ストッパから、前記進行方向における前記第二走行車の長さに対応した距離だけ空けた位置にある
請求項1から5のいずれかに記載の走行車システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−240827(P2012−240827A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115276(P2011−115276)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】