説明

起伏装置

【課題】坐椅子の背もたれ等における起伏動作を行う装置において、身体が不自由な人や、老人等が容易に使用することができるように、起伏部材の起伏力の変化範囲が容易に変更できる機能を提供する。
【解決手段】起伏動作の対象となる起伏部100と、該起伏部100の起伏動作を制御するリンク機構部200と、により構成された起伏装置2において、前記起伏部100を構成する起伏部材3には、起伏動作に作用する弾性部材(引張コイルバネ43)の、伸び代を段階的に変更させる起伏荷重調整機構41が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、坐椅子の背もたれ等における起伏動作を行う装置において、起伏荷重の変更が容易にできる起伏装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、坐椅子等において、背もたれ等の傾斜角度を変更させる機能、即ち背もたれ等を起伏動作させる機構として、ラチェット機構方式の起伏装置が公知となっている。この方式によれば、一方向、例えば背もたれの傾斜角度が小さくなる方向に対しては、容易に変更が可能である。
しかし逆に背もたれを起立させる場合には、ラチェットを開放し、背もたれに具備された引張コイルバネ等の復元力により、元の位置に戻す必要がある。その為、傾倒しすぎた背もたれを幾分戻す場合には、一端ラチェットを開放して元の位置に戻し、その後、再度ラチェット機構によって傾倒角度を調整するか、または、背もたれに使用者自身の体重をかけながら、意図する傾斜角度まで、背もたれを起立させていく必要があった。
【0003】
ここで、背もたれに具備される起伏作動用の引張コイルバネ等は、最大荷重、即ち背もたれが水平状態にある位置から、起立状態まで持ち上げる為の十分な復元力を有するものを設定する必要がある。よって体重の軽い使用者においてはラチェットを開放した途端、背もたれが急激に持ち上げられたり、前述のように、傾倒しすぎた背もたれを幾分戻す場合には、背もたれに使用者自身の体重をかけながら、意図する傾斜角度まで、背もたれを起立させていくことは困難であった。
【0004】
そこで本発明者は、簡単な構造で、しかもコンパクトな構成により、身体の傾斜角に応じて変化する荷重に対応して、復元力(バネ力)を変化させ、自力を必要とせずに自然にスムーズに起立し、かつ体重を預けるだけで軽く倒すことができる起伏装置を提案している。(特許文献1を参照。)
【特許文献1】特許第3108730号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の「特許文献1」では、コイルバネ等の弾性体で回動される駆動リンクと、該駆動リンク内に一端を回動自在に支持された従動レバーと、前記駆動リンクと従動レバーとの間に設けられたカム手段により構成された起伏装置が開示されている。この起伏装置によれば、駆動リンクの駆動力は斜面の原理で増幅されて、従動レバーに伝達されて回動され、前記従動レバーに連結された起伏部材が起伏される為、従動レバーやカム手段を駆動リンク間に具備することができ、非常にコンパクトに起伏装置を構成することができ、かつスムーズな起伏動作が可能となる。
しかし、上述の「特許文献1」による起伏装置では、起伏動作の対象とする起伏部材に関して、傾倒角度に応じてコイルバネ等の復元力は変化されるものの、コイルバネ等は取り替え等しない限り、前記復元力の変化する範囲は固定されており、例えば、体重の重い人や軽い人が、同じ坐椅子を使用するにしても、それぞれ適切な起伏力の変化範囲を選択することができず、快適に起伏動作が可能とまでは至っていない。
本発明はこれらの事情を踏まえた上で、身体が不自由な人や、老人等が容易に使用することができるように、起伏部材の起伏力の変化範囲が容易に変更できる機能を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、起伏動作の対象となる起伏部と、該起伏部の起伏動作を制御するリンク機構部と、により構成された起伏装置において、前記起伏部を構成する起伏部材には、起伏動作に作用する弾性部材の、伸び代を段階的に変更させる起伏荷重調整機構が設けられることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2においては、前記起伏部材は、側面視において「コ」の字形状に形成され、開放された側の上下端部に、それぞれ旋回中心及び起伏力を付加する個所が設けられたことにより、旋回中心から、実際の旋回力が伝わる個所までの距離が長くなり、効果的に起伏部材を起伏させることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3においては、前記起伏部材には、弾性部材により出入自在に構成されたストッパーを具備したリンク機構が設けられており、前記リンク機構と起伏部材とは、該起伏部材の旋回中心から離れた位置にて連結されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、起伏動作の対象となる起伏部と、該起伏部の起伏動作を制御するリンク機構部と、により構成された起伏装置において、前記起伏部を構成する起伏部材には、起伏動作に作用する弾性部材の、伸び代を段階的に変更させる起伏荷重調整機構が設けられることにより、弾性部材をその都度取り替える必要も無く、状況に応じた起伏部材の起伏力の選択を、簡易に行うことができる。
【0012】
請求項2においては、前記起伏部材は、側面視において「コ」の字形状に形成され、開放された側の上下端部に、それぞれ旋回中心及び起伏力を付加する個所が設けられたことにより、旋回中心から、実際の旋回力が伝わる個所までの距離が長くなり、効果的に起伏部材を起伏させることにより、前記起伏部材の下部部材に着眼すれば、起伏動作の旋回中心と、旋回力が作用する個所との十分な距離が確保される為、大きなモーメント力を発生させることができ、効率的に起伏部材を起伏させることができる。
【0013】
請求項3においては、前記起伏部材には、弾性部材により出入自在に構成されたストッパーを具備したリンク機構が設けられており、前記リンク機構と起伏部材とは、該起伏部材の旋回中心から離れた位置にて連結されたことにより、大きなモーメント力を発生させることができ、はるかに小さな力により起伏部材の起伏動作を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係る、起伏装置が設けられた車椅子の全体的な構成を示した側面図である。
図2は本発明に係る、起伏装置の全体を示した側面図である。
図3は同じく、起伏装置が起伏したときの状況を示した側面図である。
図4は起伏荷重調整機構の調整方法を示した側面図である。
図5は起伏ストッパーの詳細を示した断面図である。
図6は起伏ストッパーが設けられたリンク機構の作動状態を時系列的に示した側面図である。
図7は起伏ストッパーが解除される際の状況を時系列的に示した断面図である。
【0015】
[車椅子1の全体構成]
まず本発明における起伏装置2が具備される実施例の一つとして、車椅子(坐椅子)1の全体構成について、図1を用いて説明する。(なお、図1に示される矢印Aの方向を進行方向前側とする。)
車椅子1には骨格となるフレーム部36が設けられており、前記フレーム部36の左右両側面部には、平面視において旋回自在な小型自由車輪からなる前輪37・37と、車輪の向きが固定された大型自由車輪からなる後輪38・38と、が具備されている。
【0016】
フレーム部36は上部フレーム30と、下部フレーム11と、後部フレーム39と、により、側面視において略矩形形状に形成されており、前記上部フレーム30と下部フレーム11との間には、フレーム全体の強度を向上させる為の繋ぎフレーム12が設けられている。
上部フレーム30は水平方向前方に延出され、その後一端緩やかに上方に湾曲しながら下方へと略垂下されており、その先端部において、使用者が乗車時に足を預けるフットレス35・35が具備されている。
下部フレーム11は水平方向前方に延出され、その後略中央部において斜前方に延出方向を変え、その端部において上部フレーム30の下方端部と固設されている。
下部フレーム11の後端部には、略垂直上方に延出される後部フレーム39が設けられており、途中、上部フレーム30の後端部と連結されている。その後、後部フレーム39は更に上方向へと延出され、ある地点において、緩やかに水平方向後方に湾曲され、その端部にグリップ58が設けられている。
また、上部フレーム30の後端部が連結されている個所の近辺には、繋ぎ部材53が、左右の後部フレーム39に対して水平に懸架されており、前記繋ぎ部材53の下部には、後述する起伏ストッパー51が当接されている。
繋ぎフレーム12は、上部フレーム30の前部、即ち略垂直方向に設けられた範囲の略中央部より、水平方向後方に延出され、一端斜後方に延出方向を変えた後下方向に延出方向を変化させて、下部フレーム11の略中央部と固設されている。
このような構成により、側面視において略矩形形状に形成されたフレーム群11・12・30・39・53が、左右両側に配設され、複数の図示せぬ繋ぎフレームにより前記フレーム群11・12・30・39・53が連結され、フレーム部36は形成されている。
【0017】
前記フレーム部36の外側両側面部には、前述した前輪37・37及び後輪38・38が配設されており、また、内側両側面部には、本発明における起伏装置2・2が配設されている。そして前記起伏装置2・2に具備される起伏部材3の上面部にはシート40等が配設され、座席部34が構成されている。
【0018】
[起伏装置2の構成]
次に図2及び図3を用いて、起伏装置2の構成について説明する。(なお、図2及び図3に示される矢印Aの方向を進行方向前側とする。)
起伏装置2は起伏動作の対象となる起伏部100と、該起伏部100の起伏動作を制御するリンク機構部200により構成される。また、起伏部100には起伏部材3や、後述する起伏荷重調整機構41及び起伏ストッパー51等が具備されており、リンク機構部200は前記起伏部100を起伏させるための起伏力を付勢させる為の複数のコイルバネと、前記起伏力を効率よく付勢させる為の複数のリンクプレートから構成されている。
【0019】
起伏部材3は、側面視において略「コ」の字に形成された2枚の板部材3d・3dが、左右方向に対峙して並設され、図示せぬ連結材により、前記板部材3d・3dの下部材3aの前後端が連結された、一体構造により形成されている。
また起伏部材3は、両側面に並設される前記板部材3d・3dにおいて、その下部の水平前方向に延出された下部材3aの一端に、起伏動作の旋回中心となる連結ピン10が設けられており、車椅子1の略中央部に設けられた繋ぎフレーム12と旋回自在に軸支されている。
【0020】
下部材3aの後方には、垂直上方に延出される繋ぎ部材3cが配設され、上部の水平前方向に延出された上部材3bの一端と固設されている。そして上部材3bは、繋ぎ部材3cとの固設個所から前方に向かって徐々に上昇しながら延出され、その先端部において、後述する起伏荷重調整機構41等が具備される十分なスペースを確保する為、略扇型形状に拡幅されている。
【0021】
下部材3aの前部において、連結ピン10が設けられた個所の近傍には、カムプレート4が設けられており、また後部において、繋ぎ部材3cが配設される個所の近傍には長孔3eが設けられ、連結ピン5を介して作用プレート6が連結されている。
【0022】
カムプレート4は略三角形状を有したプレートであり、斜辺の一方に後述するローラー16が当接し、走行される為の湾曲形状が具備されたものである。カムプレート4は頂点を下方にした逆三角形状に配置され、かつ前記湾曲形状を前方に向けた形で、下部材3aに配設される。
そして起伏部材3が起伏状態から水平状態に戻される際、あるポイントからローラー16がカムプレート4の湾曲形状に当接され、ある距離分、前記湾曲形状に沿って走行した後、その走行は妨げられ、起伏部材3の起伏動作がロックされる。つまり起伏部材3はカムプレート4を介してローラー16に妨げられて、水平状態を超えて旋回されることはない。
【0023】
作用プレート6は、後述するリンク機構部200に具備された部材であり、伝達される起伏力を起伏部材3に付勢させる為の部材である。ここで起伏部材3と、作用プレート6と、の連結部において、起伏部材3の下部材3aに長孔3eが設けられているのは、上述の通り、起伏部材3の水平状態の位置決めは、ローラー16によりなされている為、組付け誤差または製作誤差により発生する無理な偏荷重が、前記起伏部材3の水平状態になる瞬間に、連結ピン5に付加されないように、前記偏荷重を開放する為である。
【0024】
このような構成により、起伏部材3と、作用プレート6と、の連結部を、下部材3aの繋ぎ部材3cが配設される個所の近傍に設けたことにより、起伏部材3は旋回中心となる連結ピン10から十分な距離を確保して、起伏力の作用点を設けられ、大きなモーメント力を発生させることができる為、引張コイルバネ8については、起伏部材3を持ち上げる程の、大きな付勢力を有した引張コイルバネを選択する必要も無く、適度の付勢力を有した引張コイルバネ8を用いて効率的に起伏部材3を起伏させることができる。
【0025】
また起伏部材3には上部材3bの水平前方向の延出部において、後述する起伏荷重調整機構4によっても起伏力が作用されているが、起伏部材3は上述した通り、側面視において略「コ」に形成されていることから、下部材3aに着目してみれば、前記起伏力の作用点は、下部材3aの繋ぎ部材3cが配設される個所に移動さる。その結果、旋回中心となる連結ピン10から十分な距離を確保して、起伏力の作用点を設けられ、大きなモーメント力を発生させることができる。
【0026】
このように、起伏部材3には上部材3bの水平前方向の延出部において、前記起伏荷重調整機構4により、また下部材3aの繋ぎ部材3cが配設される個所の近傍においては作用プレート6により、常に連結ピン10を旋回中心として、起伏力が作用されており、これら起伏力は、起伏部材3が水平状態にある場合は、後述する起伏ストッパー51によって、保持されている。
【0027】
[リンク機構部200の構成]
リンク機構部200は、複数の引張コイルバネに付勢され、起伏動作される起伏部材3の制御機構であり、前記起伏部材3の水平状態、及び起伏動作後の限界状態の位置決め機構として機能する。
ここで起伏部材3が水平状態、即ち図2に示す状態を「基本状態」とし、起伏部材3に起伏力が加えられ、限界位置まで起伏された状態、即ち図3に示す状態を「限界状態」とする。
【0028】
起伏部材3の「基本状態」及び「限界状態」における位置決め機構は、主にローラー16と、該ローラー16に当接されるプレート類4・17により構成され、起伏部材3が「基本状態」に位置する場合は、前記起伏部材3自身に設けられたカムプレート4が、また起伏部材3が「限界状態」に位置する場合は、爪プレート17がそれぞれローラー16に押し当てられ、起伏部材3の状態が保持される。
リンク機構部200はこれら位置決め機構と、該位置決め機構の移動を規制する複数のリンク部材と、により構成されている。即ち、ローラー16及び該ローラー16の移動を規制するリンク部材からなるローラー部210と、爪プレート17及び該爪プレート17の移動を規制するストッパー部220と、により構成される。
【0029】
[ローラー部210の構成]
ローラー16が具備されるローラープレート18は、略矩形形状を有したプレート材であり、長手方向における一端部に、前記ローラー16のローラー軸15が片持ち保持され、その対峙側の一端部において、連結ピン13を介して支持プレート14と軸支されている。
またローラー16と連結ピン13との間には、連結ピン19が更に前記ローラー16の近傍に設けられ、前記連結ピン19を介してローラープレート18とリンクプレート21が連結されている。
【0030】
支持プレート14は頂点を直角側へ幾分ずらした略直角三角形形状の板部材から形成され、底辺部の左右両端にボルト等の締結部品9・9が設けられ、車椅子1の下部フレーム11に配設されている。そして支持プレート14の頂点部には、連結ピン13を介してローラープレート18が連結されている。
【0031】
リンクプレート21は直線状に延出された板部材であり、一方の端部において、連結ピン19を介して前記ローラープレート18と連結され、他方の端部において、連結ピン49を介して作動プレート23と連結される。
【0032】
作動プレート23は「L字」に形成された板部材からなり、略水平前後方向に延出された部分を下辺とし、その前部において上方向に延出された状態にて配置される。
作動プレート23の下辺部において、その後端部には、上から順に連結ピン24及び連結ピン25が具備されており、前記連結ピン24を介して、後述する連結プレート31が、また前記連結ピン25を介して引張コイルバネ26が、それぞれ連結されている。そして引張コイルバネ26は、作動プレート23との連結部と対峙する一端において、車椅子1に具備される後部フレーム39と連結されている。なおここで連結プレート31は、後述するストッパー部220に設けられた部材である。
【0033】
また作動プレート23の上方向に延出された先端部では、連結ピン28を介して、車椅子1に具備される繋ぎフレーム12と連結されており、下辺部の先端部においては、連結ピン49を介して前記作動プレート23が連結される。
【0034】
このようにして、複数の板部材が各々連結ピンを介して回動自在に連結され、ローラー部210は形成されている。
ここで起伏部材3の起伏動作が行行われる際の、ローラー部210の一連の動作を説明する。
【0035】
[ローラー部の動作説明]
起伏部材3が「基本状態」に位置する場合を図2に示す。この状態から起伏ストッパー51を開放して、起伏部材3の起伏動作が開始される。(なお起伏ストッパー51の開放動作に関する詳細は後述する。)
【0036】
まず引張コイルバネ26の引張力により、作動プレート23は連結ピン28を旋回中心として反時計回りに付勢され、旋回動作が開始される。前記旋回動作に伴って、リンクプレート21を介して連結されたローラープレート18には、連結ピン13を旋回中心とした時計回りの旋回力が付勢され、旋回動作が開始される。
ここで起伏部材3が「基本状態」に位置する限り、ローラープレート18に具備されるローラー16は、前記起伏部材3に設けられるカムプレート4に当接され、前記旋回動作が塞がれた状態にあるが、起伏ストッパー51の開放により起伏部材3が起伏動作を開始すると、前記カムプレート4は、湾曲形状に沿ってローラー16に対して上方に徐々に抜けて行き、最終的にはローラー16は、前記カムプレート4から完全に開放されることとなる。
一方、起伏部材3の起伏動作に連動して、後述するストッパー部220に設けられた
爪プレート17がローラー16に接近し、前記カムプレート4がローラー16と離れると同時に、前記爪プレート17は、ローラー16と当接されることとなる。このようなローラー16と爪プレート17との当接された状態により、起伏部材3はこれ以上起伏動作を継続することができず、図3に示す「限界状態」を形成する。
【0037】
[ストッパー部220の構成]
ストッパー部220は上述の通り、起伏部材3の起伏動作を一定範囲内で規制をかける為の機構であり、ローラー部210に設けられたローラー16と当接される爪プレート17が具備されたリンクプレート22と、起伏部材3の起伏力を付加させる作用プレート6と、両部材22・6を連結する連結プレート31により構成される。
【0038】
爪プレート17は一方の端部を滑らかに窄ませた略矩形形状の板部材から形成され、その対峙する端部において、リンクプレート22の中央部で直角に固設されている。また前記リンクプレート22は、矩形形状を有した板部材により形成され、一端部において連結ピン20を介して、車椅子1に具備される繋ぎフレーム12と連結され、その他方の端部において、連結ピン29を介して連結プレート31と連結されている。
【0039】
連結プレート31は三角形状からなる板部材により形成されており、その各頂点部には、それぞれリンクプレート22等が連結されている。即ち前記リンクプレート22との連結位置を基準にして反時計回りに連結ピン24及び連結ピン32が設けられ、これら連結ピン24・32を介して、作動プレート23及び作用プレート6がそれぞれ連結されている。
【0040】
作用プレート6は矩形形状を有した板部材からなり、その一端部において上述の通り連結ピン5を介して、起伏部材3と連結されている。また前記起伏部材3との連結部と対峙する一端部には、連結ピン7及び連結ピン32を介して、それぞれ引張コイルバネ8及び前記連結プレート31が連結されている。
引張コイルバネ8は、作用プレート6と連結される個所と対峙する一端部において、連結ピン33を介して、車椅子1に設けられた上部フレーム30と連結されており、前記引張コイルバネ8の引張力により作用プレート6は略鉛直上方に付勢され、その結果図3に示す通り、起伏部材3は連結ピン10を旋回中心として反時計回りに旋回(起伏)されることとなる。
【0041】
このようにして、複数の板部材が各々連結ピンを介して回動自在に連結され、ストッパー部220は形成されている。
ここで起伏部材3の起伏動作が行行われる際の、ストッパー部220の一連の動作を説明する。
【0042】
[ストッパー部の動作説明]
まず後述する起伏ストッパー51が開放されると、引張コイルバネ8に付勢された作用プレート6は、起伏部材3の後部を突き上げる状態にて移動される。すると連結プレート31は、作用プレート6との連結ピン32の配設される個所を作用点として反時計回りに自転しながら全体として吊り上げられていく。
また他方でそれぞれ連結されるリンクプレート22及び作動プレート23も、連結プレート31に追従されながら旋回される。即ち作動プレート23は連結ピン28を旋回中心として反時計回りに旋回され、リンクプレート22においては、作用プレート6と同様に、反時計回りに自身が自転されながら、上方へと吊り上げられていく。
その結果、起伏部材3が「基本状態」にある場合は、爪プレート17の先端部を略上方向に向けて配設されていたリンクプレート22は、徐々に前記爪プレート17の状態を水平状態に向けて変化させていき、起伏部材3が「限界状態」となる直前に水平状態となりそのままローラー16の下部に当接されながら滑り込んでいく。
【0043】
[起伏荷重調整機構]
次に図4を用いて起伏荷重調整機構41について説明する。(なお、図4に示される矢印Aの方向を進行方向前側とする。)
起伏荷重調整機構41は、起伏部材3において、側面視で「コ」の字形状の上部の一端に軸支されたハンドル42と、車椅子1に具備された下部フレーム11との間に設けられた引張コイルバネ43と、を主な構成要素とされ、前記ハンドル42の保持位置を段階的に変化させることによって、起伏部材3の起伏動作における付勢力を変化させる機構である。
【0044】
ハンドル42は「へ」の字に屈曲された部材から構成され、一方の先端は起伏部材3の一部と連結ピン44を介して軸支され、他方においてハンドル42を旋回させる際の握り部として構成されている。また屈曲部分となる略中央部には前記引張コイルバネ43の一端部を懸架させるピン45が設けられており、さらに前記連結ピン44とピン45との間には、起伏部材3に対してハンドル42の位置を固定させる為のプランジャー46が設けられている。
【0045】
ここでプランジャー46とは、詳述は省くが、鉄球等の部材にスプリング等の弾性体を付加させて、外部からの対抗力に対して、前記鉄球等を出入自在に保持させた部品であり、本実施例では、起伏部材3に設けられた複数の位置決め用孔47・47・・・に前記プランジャー46に具備された鉄球が入り込むことによって、ハンドル42の位置を固定させている。
【0046】
このような構成を有することにより、起伏荷重調整機構41は起伏部材3の一端に設けられ、前記起伏部材3の起伏動作における付加力を、段階的に変化させることができる。
【0047】
即ち図4において、ハンドル42がP1の位置に保持された状態では、前記ハンドル42の略中央に設けられたピン45と、下部フレーム11に設けられたピン48との間の距離は最も離れることになり、両ピン45・48の間隙部に設けられる引張コイルバネ43の引張力は最大値となる。
その後ハンドル42の保持される位置をP2、P3と順に移動させていくと、前記両ピン45・48の間隙部の寸法は次第に短くなり、P4にハンドル42の位置が保持された場合、両ピン45・48の間隙部の寸法は最も短くなる。その為、ハンドル42がP4の位置に保持された場合、両ピン45・48の間隙部に設けられる引張コイルバネ43の引張力は、最小値となる。
【0048】
ここで引張コイルバネ43の引張力は、ハンドル42を介して起伏部材3に具備される位置決め用孔47及び連結ピン44の挿入部に作用され、前記起伏部材3を効率的に起伏動作させることを可能としている。
即ち起伏部材3は上述の通り、側面視において「コ」の字に形成された部材であり、下部の水平方向に延出された下部材3aの一端に、起伏動作の旋回中心となる連結ピン10が設けられ、上部の水平方向(前記下部の部材と同方向)に延出された上部材3bの一端に、上述した、引張コイルバネ43からの引張力の作用点である位置決め用孔47及び連結ピン44の挿入部が設けられており、かつ前記下部材3aと上部材3bは、進行方向後部において垂設される繋ぎ部材3cによって繋がれている。
このような構造を有することにより、起伏部材3の前記下部材3aに着目してみれば、引張コイルバネ43からの付勢力は繋ぎ部材3cが固設される位置、つまり図4に示すXのポイントにおいて作用されることになり、起伏動作の旋回中心となる前記連結ピン10から、十分な距離が確保される為、例え引張コイルバネ43の付勢力が幾分小さい場合であっても大きなモーメント力を発生させることができる。言い換えれば、起伏部材3を持ち上げる程の、大きな付勢力を有した引張コイルバネを選択する必要も無く、適度の付勢力を有した引張コイルバネ43を用いて効率的に起伏部材3を起伏させることができる。
【0049】
このような構成による起伏荷重調整機構41が設けられることにより、車椅子1の使用者は、自身の体重に合わせて、簡単に座席即ち起伏部材3の起伏力を、調整することができる。即ち起伏部材3の起伏力を増大(或いは減少)させようとした場合、使用者は、他の引張力が大きな(或いは小さな)引張コイルバネに取り替え等することも無く、単にハンドル42の保持位置を変更することによって容易に実施することができる。
【0050】
なおハンドル42の形状については、「へ」の字に屈曲された部材から構成されることとしているが、本実施例においては経済性を考慮して、操作時の握り部を一体構造とした為に決定された形状である。よってこの形状に固執される必要は無く、起伏部材3との連結ピン44、及び引張コイルバネ43とのピン45の取付け部分が確保されていれば、握り部を別構造として別途ハンドル42に連結するような構造等にしてもよい。
【0051】
またハンドル42に連結される引張コイルバネ43においてもこれに限定されるものではなく、他に付勢力を発生させる弾性体があれば、それに大体されることも可能である。例えばゴム等によっても十分な付勢力が確保されれば代替可能である。
【0052】
更にハンドル42の位置を固定させる手段として、本実施例ではプランジャー46が設けられているが、これに限定されるものではない。即ち、より確実な保持を図るべく、例えば前記ハンドル42に起伏部材3に設けられた位置決め用孔47と同寸法の貫通孔を設けて、ハンドル42の位置を固定させる場合には、前記位置決め用孔47と貫通孔とを同時に貫通させる固定バー等を用いた手段を採用してもよい。
【0053】
[起伏ストッパー]
起伏ストッパー51は起伏部材3を介して人の乗車位置に座席を保持し、または前記保持状態を解除して座席を起伏動作に移らせる為に設けられる機構である。
起伏ストッパー51は車椅子1に具備される繋ぎ部材53と当接される位置に配置され、複数のリンク57・59により連結されたグリップ60の操作により前記起伏動作の開放を行う。まず図6及び図7を用いて、起伏ストッパー51が設けられたストッパーリンク57等の構成と一連の動きを説明する。(なお、図6及び図7に示される矢印Aの方向を進行方向前側とする。)
【0054】
起伏ストッパー51が具備されるストッパーリンク57は、「L字」に緩やかに屈曲された連結部材からなり、前後方向を長手方向として、その後部において下方に延出させた状態で配設される。そして前方の一端では、グリップ60と連結ピン61を介して連結され、後部下方の一端では、リンク59と連結ピン62を介して連結されている。更に起伏部材3の上部材3bにおいて、その前方部に連結ピン63を介して前記グリップ60が、その後方部に連結ピン64を介して前記リンク60が、それぞれ連結されている。
【0055】
起伏ストッパー51が繋ぎ部材53と当接されている状態、即ち起伏部材3を介して車椅子1の座席が乗車位置に保持されている状態(保持状態)を図6の(イ)に示す。このときグリップ60は連結ピン63を中心軸として後方に傾倒されており、前記グリップ60に連なって、ストッパーリンク57は連結ピン61によって後方に傾倒され、更に前記ストッパーリンク57に連なるリンク59は、連結ピン64を旋回軸として連結ピン62により後方に傾倒されている。
【0056】
上述の保持状態を解除して起伏部材3を起伏させるには、グリップ60をさらに前方に傾倒(図6の矢印Bにて示す方向。)させることにより行う。即ち図6の(ロ)に示すとおり、グリップ60が連結ピン63を中心として前方に幾分傾倒されると、それに連なってストッパーリンク57は連結ピン61を介して前方に引き出される。またそれと同時にリンク59が連結ピン64を中心に連結ピン62を介して前方に傾倒される。
【0057】
図6の(ロ)に示す状態からさらに、グリップ60を前方に傾倒させると、繋ぎ部材53から起伏ストッパー51は完全に開放され、起伏部材3は図示せぬ弾性部材からの付勢力により、前方に傾倒される状態にて起伏される。
【0058】
このようなグリップ60の操作による、ストッパーリンク57等の一連の動きに連動し、起伏ストッパー51は繋ぎ部材53から開放されることとなる。即ち図7に示す(イ)の状態は、起伏ストッパー51により起伏部材3の起伏動作が完全に防がれている状態を示しており、当接部材52が繋ぎ部材53に当接されている個所では、その反力として常に鉛直下方向の力を受けている状態にある。
【0059】
この状態から一度グリップ60を介してストッパーリンク57を前方(図7において左側の方向。)に傾倒させていくと、当接部材52が繋ぎ部材53と当接される個所が徐々に半球形状面に移行されていく。
そして完全に半球形状面上に当接個所が移った状態を図7の(ロ)により示しているが、その後更にグリップ60を介してストッパーリンク57を前方に傾倒させていくと、あるポイントにおいて、上述した、繋ぎ部材53からの反力は、当接部材52をホルダー54の位置する方向に押し込む方向に変化し(図7に示す矢印Cの方向。)、当接部材52は、ホルダー54の配設される方向に押し込まれることになる。その結果、当接部材52は繋ぎ部材53から外れ、起伏部材3を介して車椅子1の座席は、起伏装置により起伏されることとなる。
【0060】
次に図5を用いて起伏ストッパー51の構造を説明する。(なお、図5に示される矢印Aの方向を進行方向前側とする。)
起伏ストッパー51は車椅子1に具備される繋ぎ部材53において、該繋ぎ部材53の一部に当接される当接部材52と、該当接部材52に先端部が螺挿されたビス螺子55と、該ビス螺子55を保持するホルダー54と、前記当接部材52に出入動作を付勢する圧縮コイルバネ56と、により構成される。
なおここで「乗車位置」とは、座席が水平状態となる起伏部材3の状態をいう。
【0061】
当接部材52は略半球形状の部材から構成され、半球面に対峙する側において幾分、同軸方向に延出されている。また当接部材52には、正面視において中心部に螺孔52aが同軸上に施されており、前記螺孔52aを介してビス螺子55が螺設されている。更に当接部材52の半球面に対峙する側からは、正面視において貫通せぬ軸穴52bが、前記螺孔52aと同軸に設けられており、後述するホルダー54に設けられた軸穴54bと伴に、圧縮コイルバネ56を保持する役割を担っている。
【0062】
ビス螺子55は当接部材52の出入動作において、その案内機能を果たす部材である。即ちビス螺子55は、その螺子部先端を当接部材52に設けられた螺孔52aに螺挿され、側面視において、前記当接部材52の半球面に対峙する側へ、同軸上に延出した状態に螺設されている。そして上記の延出された範囲において、後述するホルダー54に設けられた貫通穴54aに摺動自在に挿嵌されることにより、当接部材52の出入動作が案内される。
このような構成により、当接部材52へのビス螺子55の螺挿代を調整することで、当接部材52の出入寸法は自由に調整される。
【0063】
ホルダー54は当接部材52とビス螺子55を、圧縮コイルバネ56を介して保持する役割を担う部材である。即ちホルダー54は、片側の端部に鍔形状54cを有した棒材から形成され、前記鍔形状54cが設けられた側からは、同軸上に貫通せぬ軸穴54bが、前記鍔形状54cと対峙する側からは、前記軸穴54bと比べて径寸法が小さく、かつビス螺子55と比べて十分に径寸法が大きい貫通穴54aが、それぞれ設けられている。そして、ホルダー54は前記鍔形状54cが設けられた側を、前記繋ぎ部材53に向けて、かつ後述するストッパーリンク57の垂直上方に延伸する部分において、直角に嵌設されている。
【0064】
このようにストッパーリンク57に固設されるホルダー54において、当接部材52とビス螺子55は圧縮コイルバネ56を介して保持されている。即ちホルダー54の鍔形状54cと対峙する側より、ビス螺子55は貫通穴54aを介して挿嵌され、前記ビス螺子55の螺子部先端において、螺孔52aを介して当接部材52と同軸上に螺設されている。
【0065】
ここでホルダー54と当接部材52との間には、圧縮コイルバネ56がビス螺子55と同軸上に設けられており、かつ前記圧縮コイルバネ56はその両端部において、ホルダー54と当接部材52とにそれぞれ設けられた軸穴54b・52bを介して保持されている。
【0066】
このような構成により起伏ストッパー51は形成される為、当接部材52は、圧縮コイルバネ56によって常にホルダー54と対峙する側(図5において右側の方向。)に付勢されることになり、同時に前記当接部材52と連結されるビス螺子55では、その付勢力により、前記当接部材52を介して、ビス螺子55自身が抜けきらないように常にその頭部55aにおいて、ホルダー54と対抗されている。そしてこの状態を保持する限り、当接部材52は同軸上に延出される部分において繋ぎ部材53と当接され、繋ぎ部材53との当接個所においては、軸方向に対して垂直下方向の反力を受ける為、起伏ストッパー51は、起伏部材3の起伏動作を妨げることとなる。
【0067】
また起伏ストッパー51の開放動作を行う為のリンク機構57・59と、起伏部材3との連結位置を、起伏部材3の旋回中心である連結ピン10(図2及び図3を参照。)から最も離れた個所となる、連結ピン64の位置に設けたことにより、例えば、前記連結ピン10と、グリップ60に設けられた連結ピン61と、を直線的に繋いだリンクを用いた場合と比して、大きなモーメント力を発生させることができ、はるかに小さな力により起伏部材3の起伏動作を抑えることができる。
【0068】
ここで本実施例においては当接部材52の形状を略半球形状を主体として形成しているが、これに限定されるものではなく、例えば加工の容易化を図り、側面視において上部の角部を滑らかなR形状に削ってもよく、または、単に直線の傾斜によるテーパー形状としてもよい。
【0069】
また本実施例においては、上述のようにストッパーリンク57に対するホルダー54の取付け状態として、前記ホルダー54の鍔形状54cが具備される側を繋ぎ部材53に向けて、ストッパーリンク57に挿嵌することとしている。これは鍔形状54cにホルダー54をストッパーリンク57に挿嵌する際の位置決めの役割を与えるのみならず、ストッパーリンク57に挿嵌されたホルダー54の脱落防止の役割を与えている。
【0070】
即ち前記ホルダー54が、当接部材52の反力として、圧縮コイルバネ56を介して常に前記当接部材52と対峙する側(図5において左側の方向。)に付勢されることを考慮して、該付勢力に対抗するように鍔形状54cの位置を設けたものである。
【0071】
しかしこれに限定されるものではなく、溶接等を用いてホルダー54とストッパーリンク57との固定を確実なものとできるのであれば、鍔形状54cの位置は本実施例と比べて逆の位置に配置してもよく、この場合、鍔形状54cはホルダー54をストッパーリンク57に挿嵌する際の位置決めのみの役割となる。
【0072】
また更に言えば、ホルダー54を別個の部品とするのではなく、例えばストッパーリンク57と一体構造として構成し、ホルダー54の内部に設けられた貫通穴54a及び軸穴54bを直接ストッパーリンク57に設けてもよい。
【0073】
また本実施例において、ビス螺子55は当接部材52が繋ぎ部材53に当接されている状態では、その反力によって常に鉛直下方向の曲げモーメント力を受けることとなる。よってビス螺子55の断面直径寸法は、前記曲げモーメント力に十分対抗できる大きさを確保する必要がある為、本実施例のように市販のビス螺子を用いることに限定せず、専用のシャフトを設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の一実施例に係る、起伏装置が設けられた車椅子の全体的な構成を示した側面図。
【図2】本発明に係る、起伏装置の全体を示した側面図。
【図3】同じく、起伏装置が起伏したときの状況を示した側面図。
【図4】起伏荷重調整機構の調整方法を示した側面図。
【図5】起伏ストッパーの詳細を示した断面図。
【図6】起伏ストッパーが設けられたリンク機構の作動状態を時系列的に示した側面図。
【図7】起伏ストッパーが解除される際の状況を時系列的に示した断面図。
【符号の説明】
【0075】
2 起伏装置
3 起伏部材
3a 下部材
3b 上部材
3c 繋ぎ部材
3d 板部材
3e 長孔
4 カムプレート
5 連結ピン
6 作用プレート
7 連結ピン
8 引張コイルバネ
10 連結ピン
11 下部フレーム
13 連結ピン
14 支持プレート
16 ローラー
17 爪プレート
18 ローラープレート
19 連結ピン
20 連結ピン
21 リンクプレート
22 リンクプレート
23 作動プレート
24 連結ピン
25 連結ピン
26 引張コイルバネ
28 連結ピン
29 連結ピン
30 上部フレーム
31 連結プレート
32 連結ピン
33 連結ピン
41 起伏荷重調整機構
42 ハンドル
43 引張コイルバネ
44 連結ピン
45 ピン
46 プランジャー
47 位置決め用孔
48 ピン
49 連結ピン
51 起伏ストッパー
53 繋ぎ部材
57 ストッパーリンク
59 リンク
60 グリップ
61 連結ピン
62 連結ピン
63 連結ピン
64 連結ピン
100 起伏部
200 リンク機構部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
起伏動作の対象となる起伏部と、該起伏部の起伏動作を制御するリンク機構部と、により構成された起伏装置において、前記起伏部を構成する起伏部材には、起伏動作に作用する弾性部材の、伸び代を段階的に変更させる起伏荷重調整機構が設けられることを特徴とする、起伏装置。
【請求項2】
前記起伏部材は、側面視において「コ」の字形状に形成され、開放された側の上下端部に、それぞれ旋回中心及び起伏力を付加する個所が設けられたことにより、旋回中心から、実際の旋回力が伝わる個所までの距離が長くなり、効果的に起伏部材を起伏させることを特徴とする、請求項1に記載の起伏装置。
【請求項3】
前記起伏部材には、弾性部材により出入自在に構成されたストッパーを具備したリンク機構が設けられており、前記リンク機構と起伏部材とは、該起伏部材の旋回中心から離れた位置にて連結されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の起伏装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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