説明

超小型マグネット接続器

【課題】超小型マグネット接続器の安定した電気的接続は困難を呈しており、小型化と安定した電気的接続が得られる接続器を提供する。
【解決手段】プラグ11に内装されプラグ側接続面11aに突設させた複数の接続ピン12と、接続ピン12に沿って両側に埋設したプラグ側ネオジウム磁石13と、プラグ受けに内装されプラグ受け側接続面に接続ピン12と接続する先端を露出して埋設した複数の接続端子と、接続端子に沿って両側に埋設したプラグ受け側ネオジウム磁石とを備え、プラグ側ネオジウム磁石13とプラグ受け側ネオジウム磁石とは接続面側の極性を相違させて埋設して逆接続防止機能を備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラグとプラグ受けとの超小型マグネット接続器に関するものであり、更に詳細には、特に、医療分野で用いられる、例えば、サルの脳波の研究のためにサルの脳に埋め込まれるような超小型のマグネット磁着式の接続器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の超小型の接続器の安定した電気的接続は困難を呈しており、その殆どはプラグとプラグ受けとから長円状の接続部を立ち上げて嵌合させることで接続をしていたが、小型化と安定した電気的接続が得られない課題を有していた。
【0003】
先に開示されているものは、例えば、配線接続時に相互接続される一対のコネクタ(1)(2)からなる配線接続ターミナルであって、両コネクタ(1)(2)は、コネクタ本体(10)(20)を接続するとともに配線(11)(21)を電気接続する導電性磁石(12)(22)を有しており、 導電性磁石がネオジウム磁石であるもの(特許文献1参照)や、コネクタ本体3から平行に突出した複数のコネクタピン4と、このコネクタピン4の周囲を囲むとともにコネクタ本体3に対して進退してコネクタピン4を出没させる保護体5と、コネクタ本体3に対し保護体5を遠ざける方向に付勢する付勢機構6とを備えた。保護対5は、付勢機構6によってコネクタ本体3から遠ざけられるので、他に外力が作用しなければ、コネクタ本体3から突出するコネクタピン4を囲んで保護する。外力の作用により、保護体5をコネクタ本体3側に移動させると、コネクタピン4は保護体5から外方に突出した状態となり、他のコネクタ接続体と電気的に接続可能となるもの(特許文献2参照)等が開示されている。
【特許文献1】特開2003−36933号公報
【特許文献2】特開2005−276708号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然し乍ら、前述の開示されている特許文献1に記載のものは、導電性磁石にネオジウム磁石を用いているものであるが、両側に埋設した円板状の導電性磁石(ネオジウム磁石)を直接磁着させることで導電させ、導電性磁石に配線を接続することで電気的接続を図るものであるが、多芯の接続ピンを備える超小型接続器に適応することはできず、また、特許文献2に記載のものは、コネクタピンの保護を図るものであるが、付勢機構6等を組み込むもので超小型化は無理なものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前記課題に鑑み、鋭意研鑽の結果、これらの課題を解決するもので、複数の接続ピンにより電気的接続をするプラグとプラグ受けとから成る超小型マグネット接続器であって、プラグに内装されプラグ側接続面に先端辺を突設させた複数の接続ピンと、複数の接続ピンに沿って両側に埋設したプラグ側ネオジウム磁石と、プラグ受けに内装されプラグ受け側接続面に複数の接続ピンと接続する先端を露出して埋設した複数の接続端子と、複数の接続端子に沿って両側に埋設したプラグ受け側ネオジウム磁石と、を備え、プラグ側ネオジウム磁石とプラグ受け側ネオジウム磁石とは接続面側の極性を相違させて埋設して逆接続防止機能を備えたものであり、更に、プラグに装着する接続ピン破損防止カバーであって、プラグのプラグ側接続面に略長方形状に開口させ少なくとも上方が複数の接続ピンと両側のプラグ側ネオジウム磁石とを囲うように形成したカバー用挿入部と、カバー用挿入部に摺動自在に挿入した少なくとも上方が略長方形筒状のカバー側面と、カバー側面の基端辺の両側から延設しプラグ側ネオジウム磁石の基端側に位置するように内側に折曲させて取着したカバー磁着部と、カバー磁着部がプラグとプラグ受けとが解放された状態でプラグ側ネオジウム磁石の基端側に磁着すると共にカバー側面の先端は複数の接続ピンの先端を越えて突出し、プラグとプラグ受けとが接続した状態ではカバー磁着部とプラグ側ネオジウム磁石の基端側とが磁力に抗して離間すると共にカバー側面の先端がプラグのカバー用挿入部に埋没されるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の超小型マグネット接続器は、複数の接続ピンにより電気的接続をするプラグとプラグ受けから成るもので、プラグに埋設した両側のプラグ側ネオジウム磁石と、プラグ受けに埋設した両側のプラグ受け側ネオジウム磁石とにより、強力に磁着できると共に、プラグ側ネオジウム磁石とプラグ受け側ネオジウム磁石とは極性を相違させて埋設して逆接続防止機能を備えたことにより、超小型マグネット接続器の逆接続を簡易で小型化の図れる構造で防止でき、また、磁着による簡易で小型化の図れる構造の接続ピン破損防止カバーを内装させたことにより、接続ピンの先端が保護される超小型マグネット接続器とすることができ、画期的で実用性の高い有効な発明である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の超小型マグネット接続器の実施の形態を図面によって具体的に説明すると、図1は本発明の超小型マグネット接続器のプラグの実施例の解放時の平面説明図であり、図2は本発明の超小型マグネット接続器のプラグの実施例の接続時の平面説明図であり、図3は本発明の超小型マグネット接続器のプラグ受けの実施例の底面図であり、図4は本発明の超小型マグネット接続器のプラグ受けの実施例の平面図である。
【0008】
本発明は、プラグとプラグ受けとの超小型マグネット接続器に関するものであり、更に詳細には、特に、医療分野で用いられる、例えば、サルの脳波の研究のためにサルの脳に埋め込まれるような超小型のマグネット磁着式の接続器に関するものであり、請求項1に記載の超小型マグネット接続器は、複数の接続ピン12により電気的接続をするプラグ11とプラグ受け21から成る超小型マグネット接続器であって、前記プラグ11に一定間隔を有して平行に内装されプラグ側接続面11aに先端辺を夫々突設させた複数の接続ピン12と、前記複数の接続ピン12に沿って両側に夫々埋設したプラグ側ネオジウム磁石13と、前記プラグ受け21に一定間隔を有して平行に内装されプラグ受け側接続面21aに前記複数の接続ピン12と夫々接続する先端を露出して埋設した複数の接続端子22と、該複数の接続端子22に沿って両側に夫々埋設したプラグ受け側ネオジウム磁石23と、を備え、前記プラグ側ネオジウム磁石13と前記プラグ受け側ネオジウム磁石23とは夫々の接続面側の極性を相違させて埋設して逆接続防止機能を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
更に、請求項2に記載の超小型マグネット接続器は、請求項1に記載の超小型マグネット接続器において、前記プラグ11に装着する接続ピン破損防止カバー14であって、前記プラグ11のプラグ側接続面11aに略長方形状に開口させ少なくとも上方が前記複数の接続ピン12と前記両側のプラグ側ネオジウム磁石13とを囲うように形成したカバー用挿入部11bと、該カバー用挿入部11bに摺動自在に挿入した少なくとも上方が略長方形筒状のカバー側面14aと、該カバー側面14aの基端辺の両側から延設し前記プラグ側ネオジウム磁石13の基端側に位置するように夫々内側に折曲させて取着したカバー磁着部14bと、該カバー磁着部14bが前記プラグ11と前記プラグ受け21とが解放された状態で前記プラグ側ネオジウム磁石13の基端側に磁着すると共に前記カバー側面14aの先端は前記複数の接続ピン12の先端を越えて突出し、前記プラグ11と前記プラグ受け21とが接続した状態では前記カバー磁着部14bと前記プラグ側ネオジウム磁石13の基端側とが磁力に抗して離間すると共に前記カバー側面14aの先端が前記プラグ11の前記カバー用挿入部11bに埋没されることを特徴とするものである。
【実施例】
【0010】
即ち、本発明の超小型マグネット接続器は、プラグ11とプラグ受け21とから成り着脱可能なもので、プラグ11は縦24.5mm×巾18.6mm×高さ6.3mm程度で、プラグ受け21は縦9.5mm×巾18.6mm×高さ6.3mm程度の超小型の夫々合成樹脂で形成されたケーシングであり、プラグ11から突出させた後述する複数の接続ピン12と、フラグ受けに露出させた後述する複数の接続端子22とを接続させて電気的接続をするものである。
【0011】
そして、複数の接続ピン12は、図1に図示する実施例では8本であるがその数は限定しないもので、プラグ11に一定間隔を有して平行に内装され基端側は夫々半田付け等の手段によりコードに接続されており、コードは電源又は周辺機器に接続され、複数の接続ピン12の先端辺はプラグ側接続面11aに夫々突設させているもので、先端辺は後述する複数の接続端子22と着脱可能に接続されるものである。
【0012】
次に、プラグ側ネオジウム磁石13は、円柱状の一対のもので複数の接続ピン12の両側のプラグ11に夫々埋設しているもので、プラグ11のケーシングから露出させないことにより劣化することもなく半永久的に磁力を維持できるものである。
【0013】
次いで、複数の接続端子22は、複数の接続ピン12を挿通させて夫々接続するために、プラグ受け21のプラグ受け側接続面21aにピン挿通孔を開口させた先端を露出すると共に、基端側は一定間隔を有して平行に内装され、更に、基端は周辺機器に接続するための端子と接続され、該端子は横方に突出させているものである。
【0014】
更に、プラグ受け側ネオジウム磁石23は、円柱状のもので複数の接続端子22に沿ってプラグ受け21の両側に夫々埋設しているもので、プラグ側ネオジウム磁石13と同様にプラグ受け21のケーシングから露出させないことにより劣化することもなく半永久的に磁力を維持できるものである。
【0015】
つまり、プラグ側ネオジウム磁石13とプラグ受け側ネオジウム磁石23とはプラグ11とプラグ受け21とに露出することなく完全に埋設されており、周知のように、ネオジウム磁石は従来汎用されているフェライト磁石より遙かに強力な磁力を備えているもので、プラグ側接続面11aとプラグ受け側接続面21aとを接続すると、プラグ11とプラグ受け21とが強力に磁着できるものである。
【0016】
そして、プラグ側ネオジウム磁石13とプラグ受け側ネオジウム磁石23とは夫々の接続面側の極性を相違させて埋設して逆接続防止機能を備えたもので、周知のように磁石はN極とS極から成り、異極同士は磁着し同極同士は反発することから、極性を相違させて埋設することにより左右対称に成形されたプラグ11とプラグ受け21であっても、予め設定した一定方向にしか接続できず、誤って逆方向に接続することは皆無となるものである。
【0017】
更には、本発明の超小型マグネット接続器の次実施例は、プラグ11に装着する接続ピン破損防止カバー14であって、摺動の際にプラグ側ネオジウム磁石13の影響を受けない磁着不可能なステンレスや合成樹脂で形成され、プラグ11のプラグ側接続面11aに突出させた複数の接続ピン12の解放時に保護をするものである。
【0018】
更に、カバー用挿入部11bは、プラグ11のプラグ側接続面11aに略長方形状に開口させており、上方は少なくとも複数の接続ピン12と両側のプラグ側ネオジウム磁石13とを囲うように筒状に刻設しているものである。
【0019】
次に、カバー側面14aは、前記カバー用挿入部11bに摺動自在に挿入した少なくとも上方が略長方形筒状に形成しているもので、全長にわたって略長方形筒状に形成しても構わないものであるが、突出した接続ピン12の外方が囲まれていれば良いものである。
【0020】
次いで、カバー磁着部14bは、カバー側面14aの基端辺の両側から延設させると共に内側に折曲させて上下に磁着可能な鉄系金属を取着したもので、両側のプラグ側ネオジウム磁石13の基端側に夫々位置するように形成したものである。
【0021】
そして、カバー磁着部14bがプラグ11とプラグ受け21とが解放された状態で、プラグ側ネオジウム磁石13の基端側に磁着することにより、カバー側面14aの先端は複数の接続ピン12の先端を越えて突出するもので、この状態で不使用時の接続ピン12の破損を防止するものである。
【0022】
次に、プラグ11とプラグ受け21とが接続した状態では、カバー磁着部14bとプラグ側ネオジウム磁石13の基端側とが磁力に抗して離間すると共に、カバー側面14aの先端がプラグ11のカバー用挿入部11bに埋没されるものである。
【0023】
つまり、プラグ11とプラグ受け21が解放時には、接続ピン破損防止カバー14のカバー磁着部14bがプラグ側ネオジウム磁石13の基端側に磁着しており、カバー側面14aの先端は複数の接続ピン12の先端を越えて突出することにより接続ピン12の破損を防止し、プラグ11とプラグ受け21とを接続させる時、プラグ受け接続面により接続ピン破損防止カバー14が押圧され、その押圧力により、カバー磁着部14bとプラグ側ネオジウム磁石13の基端側とが離間し、接続ピン破損防止カバー14はプラグ11のカバー用挿入部11bに完全に埋没すると共に、接続ピン12と接続端子22とは接続するものであり、他の部位は実施例と同じなので詳述は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の超小型マグネット接続器は、複数の接続ピンにより電気的接続をするプラグとプラグ受け21から成るもので、プラグに埋設した両側のプラグ側ネオジウム磁石と、プラグ受けに埋設した両側のプラグ受け側ネオジウム磁石23とにより、強力に磁着できると共に、プラグ側ネオジウム磁石とプラグ受け側ネオジウム磁石23とは極性を相違させて埋設して逆接続防止機能を備えたことにより、超小型マグネット接続器の逆接続を防止でき、また、磁着による接続ピン破損防止カバー14を内装させたことにより接続ピンの先端が保護される超小型マグネット接続器とすることができ超小型マグネット接続器の提供である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は本発明の超小型マグネット接続器のプラグの実施例の解放時の平面説明図である。
【図2】図2は本発明の超小型マグネット接続器のプラグの実施例の接続時の平面説明図である。
【図3】図3は本発明の超小型マグネット接続器のプラグ受けの実施例の底面図である。
【図4】図4は本発明の超小型マグネット接続器のプラグ受けの実施例の平面図である。
【符号の説明】
【0026】
11 プラグ
11a プラグ側接続面
11b カバー挿入部
12 接続ピン
13 プラグ側ネオジウム磁石
14 接続ピン破損防止カバー
14a カバー側面
14b カバー磁着部
21 プラグ受け
21a プラグ受け側接続面
22 接続端子
23 プラグ受け側ネオジウム磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の接続ピンにより電気的接続をするプラグとプラグ受けとから成る超小型マグネット接続器であって、前記プラグに一定間隔を有して平行に内装されプラグ側接続面に先端辺を夫々突設させた複数の接続ピンと、前記複数の接続ピンに沿って両側に夫々埋設したプラグ側ネオジウム磁石と、前記プラグ受けに一定間隔を有して平行に内装されプラグ受け側接続面に前記複数の接続ピンと夫々接続する先端を露出して埋設した複数の接続端子と、該複数の接続端子に沿って両側に夫々埋設したプラグ受け側ネオジウム磁石と、を備え、前記プラグ側ネオジウム磁石と前記プラグ受け側ネオジウム磁石とは夫々の接続面側の極性を相違させて埋設して逆接続防止機能を備えたことを特徴とする超小型マグネット接続器。
【請求項2】
前記プラグに装着する接続ピン破損防止カバーであって、前記プラグのプラグ側接続面に略長方形状に開口させ少なくとも上方が前記複数の接続ピンと前記両側のプラグ側ネオジウム磁石とを囲うように形成したカバー用挿入部と、該カバー用挿入部に摺動自在に挿入した少なくとも上方が略長方形筒状のカバー側面と、該カバー側面の基端辺の両側から延設し前記プラグ側ネオジウム磁石の基端側に位置するように夫々内側に折曲させて取着したカバー磁着部と、該カバー磁着部が前記プラグと前記プラグ受けとが解放された状態で前記プラグ側ネオジウム磁石の基端側に磁着すると共に前記カバー側面の先端は前記複数の接続ピンの先端を越えて突出し、前記プラグと前記プラグ受けとが接続した状態では前記カバー磁着部と前記プラグ側ネオジウム磁石の基端側とが磁力に抗して離間すると共に前記カバー側面の先端が前記プラグの前記カバー用挿入部に埋没されることを特徴とする請求項1に記載の超小型マグネット接続器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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