説明

超浮揚性濾過粒子を有する液体濾過装置および方法

濾別される処理液の比重よりも実質的にかなり小さい比重を有する超−浮揚性フィルター媒体を有する、液体濾過装置および方法を提供し、媒体の大部分が処理液の上部に浮かぶことを特徴とする。媒体と処理液との間の比重差により、超−浮揚性媒体は、きれいなおよび不純物を含むフィルター媒体ならびに処理液を別個の「層」に、自然に重力によって分離する、有利な手段を提供する。通常の濾別操作では、フィルター媒体は、フィルターハウジングの上部付近の床支持体によってハウジングに収容されていて、ハウジングを通過する処理液から、不純物を濾別する。フィルター媒体を再生するために、ハウジングはドレインされ、ノズルが逆洗スプレーを施して、フィルター媒体から粒子状物質を洗い流す。逆洗プロセスの間、逆洗液面がハウジング内で上昇するとき、フィルター媒体はノズルを越えて上昇して、フィルター媒体全体を再生する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明は、種々の処理液(またはプロセス液)から様々な寸法の粒子を濾別する装置および方法に関し、より詳細には、濾別される液体の比重よりもかなり低い比重を有する、超−浮揚性媒体から形成される濾床を利用する装置および方法に関する。
【0002】
従来技術の説明
本明細書に記載する発明に関しての特許性および新規性の予備的調査により、以下の米国特許の存在が明らかになった:
第3067358号、第3469057号、第3678240号、
第3709362号、第3962557号、第4032300号、
第4198301号、第4383920号、第4387286号、
第4415454号、第4417962号、第4608181号、
第4743382号、第4839488号、第4865734号、
第4883083号、第4952767号、第4963257号、
第5030353号、第5122287号、第5126042号、
第5178772号、第5217607号、第5227051号、
第5232586号、第5572663号、第5747311号、
第5770080号、第5833867号、第5932092号、
第5945005号、第6015497号
上述の特許を慎重に検討したが、本明細書に記載する概念、装置および方法は明らかにされていなかった。
【0003】
汚染物質(もしくは不純物:contaminant)または生成物のいずれであっても、処理液から粒子状物質を除去する必要があることは、広範囲の処理に共通している。以下の記載において、焦点は、水性処理液(例えば、水泳プール、水族槽もしくは下水処理排水等)、脱イオン水(放電加工機(EDM)に用いられる)、または水溶液(常套の機械に用いられる冷却水等)から粒子状不純物を除去することにある。しかしながら、同様の濾過メカニズムは、塗料、オイルおよび油圧液を含む他の様々な処理液からの不純物の除去にも適用することができる。また、該メカニズムは、処理生成物を形成し、そして処理液中に懸濁する粒子状材料の濾過および回収にも適用することができる。
【0004】
そのような処理液から粒子状物質を除去するために、様々な方法が開発されたが、最も一般的な方法は媒体濾過法である。媒体濾過においては、単一の透過性エレメントを介して不純物を含む液体をポンピングすること、または自身が小さい粒子で構成されている濾床を介して液体をポンピングすることによる、2つの手段のいずれか1つによって、処理液から粒子状不純物を濾す。
【0005】
透過性エレメント濾過の場合、液体を通過させることはできるが、ポア(孔)/チャンネル径よりも大きい粒子の通過は防ぐポアまたはチャンネルを有するエレメントを通って、液体をポンピングする。透過性エレメントは、織物、紙、セラミック、金属およびプラスチックを含む、様々な材料を含んで成る。これらのエレメントは、主として不純物粒子をエレメント表面で捕らえることにより、そして、表面に不純物のクラスト(crust)または層を積み上げることにより、液体を濾別する。不純物がエレメント表面に蓄積するにつれて、不純物のクラストまたは層は障害物となり、そして、塞がれたポアまたはチャンネルの数が増えるため、透過性エレメントを通る液体の流れは減少する。塞がれたポア/チャンネルの割合が増え、不純物のクラストまたは層がより厚くなるため、エレメントを通る液体フローの特定の流量を維持するのに要する圧力は増大する。ついには、所要の圧力がポンプまたは他のいずれかのシステムコンポーネントの能力を超えると、濾過システムの所望の性能を維持するために、不純物を含む(または汚染された)エレメントを新しいエレメントに交換する必要がある。
【0006】
別法では、(例えば、きれいな液体またはエアーを用いて逆洗することにより)フィルターエレメントをきれいにする試みによって、表面に蓄積した不純物を除去することができる。しかしながら、そのようなエレメント表面の不純物の蓄積を除去する場合であっても、除去の際、クリーニングは全体としては成功せず、通常は、透過性エレメントにとどまったままの不純物粒子が存在する。結局のところ、エレメントを新しいエレメントに交換するか、または更に厳しい方法、即ち、酸または塩基溶液に浸漬して不純物を溶解することによって、きれいにする必要がある。そのようなエレメントの交換または厳しいクリーニングをより頻繁に実施する必要があるほど、この濾過プロセスに多くの費用がかかる。
【0007】
一方で、第2のタイプの媒体濾過、即ち、層濾過(bed filtration)は、例えば、砂または珪藻土等の小さい粒子で構成されている濾床を用い、液体から粒子状不純物を除去する最も一般的な常套方法である。サンドフィルターは、直径が0.35mmで、寸法がかなり均一である砂粒子を用いる。珪藻土フィルターは、珪藻と称される小さな(直径約100ミクロン(μm))海藻類細胞の残骸から形成されるシリカ材料を用いる。サンドフィルターおよび珪藻土フィルターの両方は、濾別される処理液よりも実質的に重い媒体を用いるため、媒体は、フィルター容器の底に下降して、フィルター媒体の濾床を形成する。該濾床は、厚さが数インチ〜数フィートに及び得る。名目的には、常套の床フィルターでは、処理液は、ポンピングされるか、この濾床を通って下方に(重力によって)流れる。粒子を含む(または積んだ:laden)液体が床を通過するとき、粒子が液体から濾され、床の底部において、きれいな液体が出て行く。
【0008】
床は、2工程のうち1工程を経て粒子状不純物を除去する。まず、床の粒(グレイン)の間のスペースを通過することができない、より大きな粒子状物質を床の上面で捕らえる。この濾す効果により、床の表面に積み重なる、大きい不純物としての粒子状物質の層またはクラスト(ケーキとも称される)を生成し、このメカニズムは表面濾過と呼ばれる。より大きな不純物としての粒子状物質は、クラストを形成する、不純物としての粒子状物質の間のスペースを通過することができないため、このケーキは、クラスト自身に保持され、より多くの不純物としての粒子状物質を捕らえるのを助けることにより、床の性能を実際に高めることができる。
【0009】
次に、液体フローによって床に運び込まれる、より小さい粒子状物質は、液体が床を通過するときに液体によってもたらされる、回旋状の流れ経路に追随するとき、床の粒(グレイン)によって妨害され、このメカニズムは深層濾過と称される。より小さい粒子は床材で捕らえられるが、最も小さい粒子は捕らえることができず、床を通って流れ続け、濾床の底部において、半ばきれいになった液体と共に出ることができる。
【0010】
結局は、床によって分離された粒子状物質は蓄積し、液体が床を通って下方に流れるのを困難にし、これにより、流量が下がる。このように、液体が強制的に床を通るのに要する圧力が増大して、蓄積された粒子状物質を含む床を洗浄する必要が高まっているとの明確な表示を行う。洗浄は、逆洗または逆流プロセスによって実施する。
【0011】
逆洗の間、粒子状の床の底部から、きれいな液体を上向きに強制的にポンピングする。この液体の上向流は、床に僅かな広がりを引き起こし、捕らえられている粒子状物質を解放し、床の上方および外に洗い流す。床が広がるとき、床粒子は、互いの衝突が少なく、従ってより速く安定して、液体の上向の流量に適合する。この効果は、床粒子が、不純物としての粒子状物質と共に床から洗い流されるのを防止する。典型的な逆洗状態は、床体積の15〜30%の拡大を伴って、5〜15分継続する。
【0012】
サンドフィルターおよび珪藻土フィルターを、広範囲の濾過の課題に成功裏に適用してきたが、これらは多数の制限および欠点を有する。最も重大な課題の1つに、操作中の床の同質性の維持がある。床の異質部分の例として、低い粘性の領域を与える割れ目(クラック)がある。そのような割れ目は、床でのチャンネルの形成、床を通る液体フローの悪い分布、従って粒子状物質の非常に低い除去をもたらす。そのような異質部分は、床においてエアーを捕捉することもあり、また、チャンネルの形成および液体の悪い分布をもたらすこともある。
【0013】
加えて、床粒子の寸法および清浄度は、濾過プロセスの成功に非常に重要である;大きい粒子で構成される床は、多数の小さい粒子が、処理液と共に濾床を通過することを許容する。一方で、より小さい粒子で構成されている床は、小さい汚染粒子をすぐに滞らせ、これにより、濾床を効果のないものにする。床粒子は、微生物が食べる有機化合物も吸収し得る。これらの有機化合物において生ずる細菌は、濾過粒子を共に拘束し、床を塞ぎ、これにより、その効果を下げ、洗浄までの間隔を短くする。
【0014】
清浄度を維持するために、逆洗および常套の濾床の洗浄には大量のきれいな液体を必要とし、処理または適切な処分を必要とする、大量の不純物を含む液体を生ずる。フィルターに捕らえられた多くの粒子の除去には、逆洗がかなり効果的ではあるが、いくらかの粒子状物質は、床粒子に非常に強く付着し得るため、実際には除去することができない。これらの残存する不純物は、フィルターの効率を下げ、フィルターの性能をかなり悪くする。加えて、不純物としての粒子状物質の比重は、濾床を形成する粒子の比重にしばしば等しいか、それよりも大きい。そのような状況では、逆洗プロセスによって床粒子から重い汚染粒子を分離することができず、従って、逆洗は洗浄方法としては効果的でない。
【0015】
このように、該技術分野の当業者にとっては周知の事実である、これらのシステムに関する最も重大な課題の1つとして、フィルター媒体のクリーニングにとって逆洗システムが効果的でないことである(即ち、Amirtharajah、1978)。結果として、多くの状況において、不純物を含む(または汚染された)床は、きれいにすることができず、代わりに新しい床材に置き換える必要がある。実際には、通常の操作の間に、サンドフィルターおよび珪藻土フィルターの両方は、ある程度の媒体の汚染に達した後に媒体を捨てることを必要とする。処理液に重い粒子状不純物を含む用途においては、これらの媒体は日常的または週1回の頻度で交換する必要があり得、経済的でない。
【0016】
他の床濾過法では、浮揚性フィルター媒体粒子で構成された濾床を用いる。この方法では、媒体は、多くの媒体が処理液の表面のすぐ下に浮かぶ床を形成する。処理液は、フィルターチャンバーの底部にポンピングされ、床を通って縦方向に上方に流れる。処理液が床を通過するとき、上述の表面濾過および深層濾過によって液体から不純物を濾別する。
【0017】
この浮揚性媒体法の水の濾過への従来の適用では(例えば、Banks,Hsiungら)、0.7〜0.8またはそれより大きい比重を有するフィルター媒体の使用が記載されている。例えば、Hsiungらによって、媒体は、0.8以上、「最も好ましくは」0.9以上の比重を有すると正確に定義されている。Banksは、浮揚性媒体の比重を0.75〜0.9、そして、「実質的には0.90〜1.0に等しい」とはっきり特定している。
【0018】
名目的には、このタイプの用途で用いる浮揚性媒体粒子は、サンドフィルターまたは珪藻土フィルターのいずれかで用いる媒体粒子より大きい直径も有する。例えば、Hsiungらは、粒子の直径を、砂粒子(直径約0.35mm)および珪藻土(直径約100ミクロン(μm))の寸法とは対照的に、好ましくは1.5〜20mmの範囲であると特定している。媒体粒子の比較的大きい寸法に起因して、これらの浮揚性媒体濾床を最適化せずに、小さい粒子状不純物を除去する。一般的には、これらの濾床は、より大きい粒子状不純物の除去、および媒体粒子に付着している細菌性バイオフィルムによる処理液のある程度の生物濾過を実施するよう設計されている。
【0019】
この浮揚性媒体濾過システムでは、Hsiungらの特許に記載されているように、実際には、部分的にきれいな状態の媒体を用いた最適な操作を実施している。実際には、Hsiungらは、「浮揚性媒体フィルターに、ある量の沈殿固体を残すことが有利である、なぜなら、該固体がフィルターのポアの寸法を下げ、濾過を助けるからである」と記載している。この要求を、しばしば、フィルターの「熟成」と称し、Hsiungらによって達成された濾過容量のかなりの部分には、予め濾別された、そして、媒体またはこれを覆う細菌性バイオフィルムによって保持された不純物粒子が供給されていることを意味する。
【0020】
「熟成された」フィルター媒体床を用いる必要性は、フィルター媒体の性能および操作は、正確に特徴付けられ得ず、または予測され得ず、熟成プロセスの間に浮揚性媒体粒子に予め沈殿する、汚染材料の量および性質の両方に依ることを示している。この予測し得る操作が欠乏することは、このタイプのフィルターの最適な設計の開発を非常に困難または不可能にする。
【0021】
加えて、逆洗を穏やかな方法で実施して、フィルター媒体において「熟成された」層を維持する必要がある。逆洗が特に活発であると、浮揚性媒体に付着していた粒子を媒体から除去し得、これにより浮揚性媒体の濾過容量の一部分を失い得る。十分量の不純物粒子を再び濾別してフィルター媒体に保持し、損失を補充することによって、フィルターを「熟成する」まで、容量を回復することができない。
【0022】
このように、逆洗は、典型的には、床の下に導入され、そして床を通って上方に流れ得る気泡を用いて、床を緩やかにかき混ぜることによって、または、床に緩やかな水のストリームを直接導入することによりかき混ぜて、付着している不純物粒子のいくらかを取り除くことによって実施する。浮揚性媒体床を通る処理液の通常または減少した流れに付随して、これらの逆洗方法は、保持された不純物の一部分のみを濾床から洗い流す。
【0023】
Hsiungらによって記載された逆洗システムは、エアーの注入および未精製処理液の通常のフローを用いて、過剰の不純物を媒体から洗い流すタイプのものである。浮揚性媒体粒子は、水の比重に近い比重を有するため、これらの緩やかに撹拌するメカニズムによって、処理液において主として沈んでいる媒体を動き回らせて、媒体に付着している不純物としての(または汚染された)粒子状物質のいくらかを取り除くことが容易である。結果として、これらのメカニズムは、フィルター媒体床に必要な最低限のクリーニングを供給する。この逆洗方法を用いて、浮揚性媒体によって洗い流される固体の量は、全体の洗浄容量に依る。しかしながら、媒体粒子は水に近い比重を有するため、これらは逆洗メカニズムによって容易に動き、全体を洗浄することができない。
【0024】
あいにく、小さい直径の、例えば砂または珪藻土等の、非−浮揚性媒体を用いる際に直面する課題は、小さい直径の浮揚性媒体を用いる場合に悪化される。小さい直径の粒子の広い表面積に起因して、媒体粒子間の隙間を満たす不純物粒子は、媒体粒子を互いに付着させ、床において異質部分の形成をもたらすクランプを形成する接着剤として作用し得る(小さい直径の非―浮揚性媒体において起こる課題と同様)。逆洗システムは、フィルターがその「熟成した」状態を維持するために、事実上、比較的緩やかである必要があるため、これらの異質部分を床から除去することができず、床の性能が下がる。この課題は、熟成プロセス自身が濾床の効果を大幅に制限するため、小さい直径のフィルター媒体を浮揚性媒体の用途には用いないことを示す。
【0025】
加えて、コスト削減のために、これらの多くの浮揚性媒体フィルターシステムでは、別個の逆洗ポンプまたは逆洗水貯蔵システムを使用しない。結果として、未精製の処理液を用いてフィルター媒体を逆洗する。これらの設計では、きれいな処理液のソースを逆洗に供給するために、別個の、分離したポンプおよび処理液貯蔵システムを使用しないため、媒体粒子の最大限の清浄度を得ることができない。従って、そのような浮揚性媒体フィルターは、特定の濾過用途では望ましい特性を有するが、常套の媒体濾過フィルターの上述の不利点を解消しない。
【0026】
常套の装置および方法に関しての上述の不利点を考慮して、本発明の本質的な目的は、従来の媒体の液体濾過システムに関する不利点を解消することである。
【0027】
本発明の他の目的は、濾別される液体の比重の2分の1よりも小さい比重を有する超−浮揚性媒体から形成される濾床を有する液体濾過装置および方法を提供することである。
【0028】
本発明の他の更なる目的は、濾別される液体に浮かぶ濾床を有する液体濾過装置を提供することである。
【0029】
本発明の他の更なる目的は、高効率な、逆洗可能な濾床を組み込んだ、処理液から粒子状不純物を除去する、新規かつ改善された濾過システムを提供することである。
【0030】
本発明の他の更なる目的は、1つの態様において、並列に接続されている1対のフィルターハウジングを組み込んだ液体濾過装置および方法を提供することである。
【0031】
本発明の他の更なる目的は、他の態様において、直列に接続されている1対のフィルターハウジングを組み込んだ液体濾過装置および方法を提供することである。
【0032】
本発明は、他の目的および有利な特徴を含み、そのいくらかは、上述とともに、以下の説明および図面から明らかであろう。本発明は、特許請求の範囲内の様々な形態に具現することができるため、図示および記載した態様に制限されないと理解されるべきである。
【0033】
発明の概要
本明細書に記載する発明は、濾別される処理液の比重よりも実質的にかなり小さい比重を有する超−浮揚性媒体を組み込んだ濾過システムを提供することによって、従来の床濾過システムが直面した不利点を克服する。この要求により、多くの媒体を処理液の上部に浮かばせる。
【0034】
対照的に、上述のように、以前に記載された「浮揚性媒体」フィルターでは、処理液中で、中性浮力に等しいかまたはその付近であるフィルター媒体を使用するため、多くの媒体が、処理液の表面下で浮遊する。例えば、Hsiungらは、0.8以上の比重、最も好ましくは0.9以上の比重を有するものを、浮揚性フィルター媒体と具体的に定義している。0.9の比重値を用いて、処理液の表面に浮かぶ浮揚性媒体粒子の量を、基本の物理的原理を用いて計算することができる。
【0035】
0.9の比重であるとき、体積1cmの球体は、0.9グラムの質量を有する。該球体は、水中に置かれると、0.9cmの体積を置き換える。この置換は、表面張力および以下の他の効果を無視すると、球体の0.1cmまたは10%が、図1に示すように水面より上に顕在化し得る。従って、浮揚性媒体の球体の90%は、実際は水面下に沈んでいる。いくつかの球体が互いの上部に積み重なり、媒体層の厚さを増大させても、同様の関係が維持され、媒体の厚さの90%が依然として水中に沈んでいて、そして、10%が水の上に露出されている。
【0036】
浮揚性媒体とは対照的に、超−浮揚性媒体は、多くの媒体が処理液の上部に浮かぶ(即ち、媒体は、処理液の2分の1の比重よりも小さい比重を有する)群(mass)を形成する。明確にするために、この差を図1に示す。処理液の上部に浮かぶ超−浮揚性媒体の使用は、主には、Hsiungら、Banks、Mullerらによって開示された浮揚性媒体による濾過設計、または上述の他のいずれの濾過システムによっても提供されなかった、独自の性能を提供する設計上の特徴を有する。
【0037】
処理液の表面下に隠れて浮かんでいるフィルター媒体と、処理液の表面に浮かんでいるフィルター媒体との差異は、各種フィルター独自の操作特性を決定する上で重大であるということを強調する必要がある。例えば、水中で浮揚性媒体を用いるとき、フィルター媒体(図1中のA)は、主として、まるで水の集団の一部であるかのようにふるまう。従って、そのような媒体を含んでいる水のいずれの水平運動であっても、運動に伴って媒体を引く。媒体粒子は中性浮力に非常に近く、この中性浮力は、媒体粒子を容易に動かすことができるため、そのようなフィルター媒体に気泡を注入することによっても媒体粒子を動かすことができる。
【0038】
対照的に、超−浮揚性媒体の濾過粒子(図1中のB)は、あたかも処理液の集団の一部であるかのようにはふるまわない。代わりに、これらの粒子は、下にある処理液の動きとは概ね独立し、そして分離して、処理液の表面に浮かぶ群を形成する。浮遊している、超−浮揚性媒体の下の液体の水平運動は、実質的には媒体に影響を及ぼさず、従って、そのような運動は、超−浮揚性媒体床の大きな動きを引き起こす傾向がない。本質的に、本明細書で記載する超−浮揚性媒体は、水面に浮かぶコルクに酷似した行動をとる。
【0039】
この効果を得るために、超−浮揚性媒体粒子は、名目的には、濾別される処理液の比重の50%未満の比重を有する必要がある。実際には、可能な限り最低の比重で超−浮揚性媒体を使用することにより、濾別および逆洗の両方のメカニズムの効果を最大にする。例えば、水から粒子状不純物を濾別する際に、超−浮揚性媒体の比重が約0.25−0.35より低いか又は等しい場合、良好な性能を得ることができるが、超−浮揚性媒体の比重が0.01〜0.05の範囲にある場合に、最も良好な性能を得る。これらの超−浮揚性媒体は、例えば、軽量プラスチック(例えば、発泡されたポリスチレン)またはガラスもしくはセラミックから形成された中空のミクロスフェア等の材料から典型的には選択される。
【0040】
そのような超−浮揚性媒体の使用は、フィルター媒体によって形成された殆ど全ての床が、最低限の量の媒体のみが液体の表面下に隠れながら、水の表面の上部に浮かぶことを保証する(図1)。これは、上述の浮揚性媒体粒子で構成される濾床の物理的挙動とは完全に異なる。また、水中でいずれの浮力も有さないタイプの、水濾過用の上述のサンドフィルターおよび珪藻土フィルターとも完全に異なる。
【0041】
媒体と処理液との間の比重の著しい差により、超−浮揚性媒体は、自然に、重量により(gravimetrically)、クリーンなフィルター媒体および不純物を含むフィルター媒体ならびに処理液を別々の「層」に分離する、非常に有利な方法を生み出す。この自然かつ自発的な分離は、それぞれの逆洗サイクルが再生可能な方法できれいな濾床を生成して均一かつ予測可能な濾過性能を保証するような、濾床の性能の維持および逆洗の効果の持続の両方に非常に重要である。
【0042】
超−浮揚性媒体のアプローチの特異性は、そのような超−浮揚性媒体を用いるとき、媒体に作用する集合力(aggregate force)が、フィルター媒体と処理液とを、自然に、自発的に、重量により分離して2つの異なる層にするという事実に由来する。このことは、油と水が良く混ざった混合物が静的平衡に達し得るとき、該混合物が2つの別個の層に自然に分離するのと同じように起こる。従って、本明細書に記載する超−浮揚性フィルター媒体は、本発明の最も新規かつ独自の態様のうちの1つであり、本発明は、処理液からフィルター媒体および捕捉された不純物を、自然に、容易に、そして効果的に分離する方法を提供する。
【0043】
上述のように、超−浮揚性媒体法の履行には、フィルター媒体が処理液の表面に主として浮いていることが要求される。この要求は、第一に、処理液よりも密度がかなり小さい媒体を選択することによって満たされる。従って、この濾過法の履行に適切な媒体の選択を、処理液の比重によって初めに行う必要がある。しかしながら、小さい比重を有する媒体を選択することが、特定の処理液の濾過に最適なフィルター媒体を特定するのに必ずしも十分であるとは限らない。所定の処理液に関して、超−浮揚性媒体のフィルターとしての効果に他の因子が影響を与えることもあるため、フィルター媒体のタイプを選択する際には考慮する必要もある。
【0044】
超−浮揚性媒体の選択の際の追加の因子の1つに、フィルター媒体と処理液との互いの引力がある。例えば、処理液が水であるとき、親水性のフィルター媒体(水と接触する面が最大となる傾向がある)は、疎水性のフィルター媒体(水と接触する面が最小となる傾向がある)に比べてかなり異なった挙動を示し得る。引力の効果により、疎水性媒体および処理液は、より迅速に2層に分離する傾向がある。結果として、上述の浮力の効果と併せて、水または水ベースの処理液においては、疎水性の超−浮揚性媒体が、親水性の超−浮揚性媒体に比べて概してより良い濾別を提供する。
【0045】
超−浮揚性フィルター媒体のタイプの選択における第2の因子は、フィルター媒体粒子の互いの引力である。例えば、フィルター媒体粒子間に弱い静電引力が存在すると、粒子は互いに付着する傾向がある。結果として、媒体材料(例えば、プラスチック、セラミックまたはガラス)の選択を通して、フィルター媒体は、この静電効果を利用して、処理液の表面により良く浮かぶ凝集群を形成するのを助け、同様に、処理液から不純物粒子を引き付けること及び除去することを助けることができる。しかしながら、媒体粒子間の静電引力が大き過ぎると、粒子は互いに強く固着する傾向があり、従って、床の異質部分を引き起こし得、または逆洗浄中の床からの不純物の除去を妨害し得るクランプを形成する。後者の場合には、フィルターハウジング(またはチャンバー)において、媒体を電気的に接地(アース)して電荷を除去する手段を含む必要があり得る。
【0046】
考えられる第3の因子は、媒体濾過粒子の幾何学的形状である。濾床は、一般的に、媒体粒子が均一に球形である場合に最も良く機能する。なぜなら、球形が媒体粒子の最も効果的なパッキングを可能にするからである。球形からずれると、床に異質部分をもたらし得、代わりに、濾過効率を下げ得、そして媒体のクリーニングを著しく複雑化し得る。
【0047】
超−浮揚性媒体のタイプの選択の際に考慮する必要がある最後の因子は、処理液の性質およびプロセスが機能する際の物理条件である。プラスチックのフィルター媒体を溶解し得る多くの有機溶媒が存在するとき、そのようなプラスチック媒体が適切でないことは、当業者には容易に理解できるであろう。そのような場合には、セラミックまたはガラスのミクロスフェアの使用が求められる。他の場合、例えば、強酸または強塩基等の、処理液が極めて腐食性である場合では、耐食性のプラスチックまたはガラスのミクロスフェアを用いる必要がある。いくつかのタイプのプラスチックフィルター媒体を急速に分解し得る高温または高圧下で、処理液が作用し得るいくつかの場合では、セラミックミクロスフェアである必要がある。
【0048】
いくつかの状況においては、上述の因子に基づいて超−浮揚性媒体をひとたび選択しても、特定の処理液の濾過には依然として最適でないこともある。このような状況では、媒体がより良く機能するように、媒体を少し変える(または修飾する:modify)ことができる。高温、高圧、化学エッチング等を含む様々な物理的または化学的処理に超−浮揚性媒体粒子を付すことによって、例えば、該粒子の表面を変えることができる。これらの処理は、例えば、ある場合には媒体粒子表面をより疎水性にして若しくは疎水性にしないことで、また、他の場合には媒体粒子表面をより親水性にして若しくは親水性にしないことで、媒体粒子表面を変えることができる。これらの媒体粒子にポリマーコーティングを適用することもできる。そのようなポリマーコーティングは、媒体の表面の性質を直接決定し得るか、または、媒体の異なる表面性質を生成する、付加的に組み込まれた(embedded)化学物質を含み得る。これらの組み込まれた化学物質は、超−浮揚性媒体の特有の外観(アスペクト)を最適化するように選択され、これにより、濾過の機能方法に影響を与える。
【0049】
処理液の比重および上述の他の特徴に基づいて、超−浮揚性媒体材のタイプを選択すると、超−浮揚性媒体粒子の望ましい寸法範囲を決定することが不可欠である。理想的には、超−浮揚性媒体粒子は、できる限り小さくする必要があり、また、除去される不純物の寸法に基づいて選択する必要がある。候補となる媒体は、直径が、小さくは10μm、大きくは数cmであるのが今のところ有用である。
【0050】
濾過性能は、媒体層の厚さによっても影響を受ける。より大きい直径の媒体粒子で構成されるよい厚い床の使用は、一般的に、良好な深層濾過を提供する。より小さい直径の媒体粒子で構成されるより薄い床の使用は、一般的に、良好な表面濾過を提供する。様々な直径の媒体粒子の混合および床の厚さの調節により、濾床の効果を調整して、様々な濾過の課題に応ずることができる。しかしながら、より小さい直径の媒体またはより厚い媒体床を用いることは、パワーペナルティをもたらすため、処理液をそのような超−浮揚性媒体床に強いて通すには、より強力な、高圧ポンプを必要とする。処理液がこれらの床を通って動くのに必要とされる圧に耐えるために、強い、複数の部材「サンドイッチ(または挟み合わせ)」を床拘束体(bed restraint)16(図2、3)として用いる。図2および3の両方において、穴の開いた金属板16aは床拘束体16に支持体を供給する。中間層の粗いスクリーン16bは、追加の支持体を供給し、また、処理液が床拘束体16を通過するのを容易にする。「サンドイッチ」の最後の層は、中位もしくは粗いフィルター媒体用の非常に細かいメッシュスクリーン16c(図2)、または細かいフィルター媒体用の透過性の金属もしくはプラスチック材料のシート16dである。
【0051】
いくつかの状況において、超−浮揚性媒体の薄層は、処理液の濾過には好ましい選択物である。これらの状況では、上述の床拘束体16に環状グリッド16e(図4)を加えることにより、均一な薄い媒体層を保証することが必要であり得る。上述のように、この床拘束体16は、穴の開いた金属板16a、中間層の粗いスクリーン16bおよび最終層の細かいスクリーン(図示せず)または透過性の金属もしくはプラスチック材料のシート16dから成る。環状グリッド16eは、処理液の方向のフローと組み合わさって、または、随時他の力学的回転メカニズムと併せて、均一で薄い媒体層を維持するのを助け、媒体によって供給される表面濾過を最大にする。他のグリッドの設計(例えば、開口領域が、1つの大きな中央の開口領域よりも、小さい正方形、長方形または六角形のセルで満たされている)を用いて、達成する表面濾過の量の最大化を助けることもできる。
【0052】
より小さい媒体およびより厚い床も、また、不純物が取り込まれる(loaded)と、フィルターのクリーニングがより困難になる。しかしながら、超−浮揚性媒体の使用は、そのような濾床のクリーニングプロセスにおいて、重要かつ独自の利益を提供し、捕捉された不純物を除去する。
【0053】
超−浮揚性媒体の濾床をきれいにする最も効果的な方法は、スプレーを通って床全体を強いて移動させる間(図5A−5F)、きれいな処理液による厳密なスプレーを用いることである。処理液が媒体床14を通って上方に流れる、通常操作するフィルターを発端にして(図5A)、まず、フィルターを通る処理流体のフローを遮断し、次いでフィルターハウジング13から処理流体を排出することによってクリーニングを達成し(図5B)、これにより、濾床14の全体が逆洗スプレーノズル44より下になるまで、フィルターハウジング13にある処理液の液面を下げる。次に、排出弁(図示せず)を閉め、きれいな処理液の逆洗スプレー5を行う(図5C)。ハウジング内に蓄積すると、フィルターハウジング13の処理流体の液面が上昇する(図5D)。フィルターハウジング内の処理液の液面が上昇すると、超−浮揚性媒体14(上昇する処理液の表面に浮かぶ)も上昇する(図5E)。このことは、濾床14内の全ての媒体に、激しい逆洗スプレー15を強制的に通過させるため、各媒体粒子を洗浄し、そして付着しているいずれの不純物も洗い流し、これにより、各媒体粒子を非常に徹底してきれいにすることを保証する。フィルターハウジング内の処理液の液面が逆洗ノズル44より上に昇るまで、逆洗スプレー15を継続する(図5F)。クリーニングプロセスにおいて、媒体床14によって捕らえられた全ての不純物を、洗浄してフィルターハウジング13の底部に導いて除去する。超−浮揚性媒体床をきれいにするには、1回の逆洗サイクルで通常は十分であるが、この逆洗のシーケンスを必要に応じて何度も繰り返して、所望のレベルの媒体の清浄度を供給することができる。1回の逆洗に必要とされるきれいな処理液の量は、通常は、フィルター媒体床の体積の多くとも2−3倍である。
【0054】
以下に記載する態様においては、フィルターハウジングは円筒形状であると仮定するが、特定の用途では他の形状を選択して、濾過効率および/または逆洗効率を上げることができる。いくつかの別法において、非−円筒形のハウジング13a−13cを図6に示す。これらの全ての別法は、より大きな濾過面積および「ネックダウン」逆洗部10が備わっている。これらの特徴は、濾過に利用できる超−浮揚性媒体の総面積を増やし、また、逆洗スプレーを集める手段を設けてクリーニングの効率を上げる。
【0055】
本明細書で記載する新規の逆洗メカニズムは、小さい直径のフィルター媒体を十分に洗浄してきれいにし、これにより、逆洗された媒体において前例のないレベルの清浄度を提供する。結果として、小さい直径の非−浮揚性媒体を用いる従来のフィルターと同じぐらいほぼ頻繁に媒体を廃棄する必要が無く、これにより、より経済的に作動するように、また、より効率的に不純物を除去するように、超−浮揚性媒体フィルターを設計する。
【0056】
きれいにされた超−浮揚性媒体床は、全てがいずれの種の「熟成」も必要とせずに、その初めの濾過性能を維持し、そして各逆洗サイクル後に繰り返し可能な方法で作動する。媒体の寿命は、非−浮揚性媒体を用いた経験的な寿命を超えて、著しく伸びている。加えて、逆洗メカニズムが高効率であるため、粒子状物質をほとんど含まない処理廃液を生成する。このようにして、この独自の、新規の逆洗法は、濾過技術に不足していた性能を与え、いずれの既存の特許またはいずれの既知の市販製品によっても直接取り組まれていなかった方法を提供する。
【0057】
通常作動の間、濾別される液体は、処理タンクまたは処理ストリームから取り出され、上述の超−浮揚性媒体床を含む1またはそれより多くのフィルターハウジングを通して加圧下でポンピングされる。濾別される液体は、底部で乾燥ハウジングにポンピングされ、更なる上昇が制限される位置まで浮力によって濾床を持ち上げ、次いで、拘束されている床媒体を通って上昇して、上部においてフィルターハウジングから出て行く。
【0058】
ハウジングの上部にある出口ラインのバルブは、濾別された液体を、処理タンクもしくは処理ストリームに戻すか、またはきれいな液体の貯蔵タンクに導く。濾過システム内の小さい貯蔵タンクは、濾別後の媒体の逆洗に用いる多量の濾別された液体を供給し、処理液から濾別された粒子状物質を除去することにより、媒体をきれいにする。逆洗を実施するときには、入口ラインのバルブは閉じられていて、不純物を含む液体が処理ストリームに逆流するのを防止する。第2バルブは、出口の排出(またはドレイン)ラインで開いており、「汚い」液体を完全に処理またはリサイクルし得るまで、液体が集められている貯蔵チャンバーに導く。
【0059】
本発明は、その1つの要旨において、不純物を含む液体の処理ストリームから、一例として、放電加工の間に用いられた脱イオン水等から、粒子状不純物を濾別する装置を対象にする。該装置は、処理ストリームまたは処理貯蔵タンクからの液体入口およびチャンバーとホースでつながるフィルターへの液体出口を有する、第1ポンプを含む。フィルターチャンバーは、第1ポンプからの液体入口および処理ストリームまたはきれいな処理液の貯蔵器に濾別された液体を戻す液体出口を含む。フィルターチャンバーは、濾し器(strainer)として機能する濾床を含み、処理ストリームから粒子を除去する。
【0060】
他の要旨では、本発明は、濾別される処理液の比重よりも実質的に小さい比重を有する粒子状物質媒体で構成される濾床を含む、液体濾過装置を対象とする。この床媒体の粒子の寸法および性質は、濾別される処理液の性質によって決定する。この濾床を通って処理液をポンピングするとき、上述の方法の1つまたは両方によって液体から粒子状不純物を濾す。
【0061】
本発明は、その第3の要旨において、逆洗用のきれいにされた処理液を貯蔵する逆洗貯蔵器、逆洗ポンプ、1個または複数個の逆洗ノズル、逆洗バルブ、および逆洗廃液/廃粒子状物質収集貯蔵器を組み込んだ逆洗システムを含む液体濾過装置を対象とする。逆洗サイクルの間に、逆洗ポンプによって、逆洗貯蔵器から、きれいにされた貯蔵処理液を取り出し、スプレーノズルを通過させる。この逆洗スプレーは、フィルターチャンバーの底部において逆洗バルブを交互に開閉するとともに、床から濾された粒子状不純物を効果的にきれいにし、該物質を洗って廃液/廃粒子状物質収集貯蔵器に洗い流す役割をする。
【0062】
本発明の好ましい態様の以下の記載を添付の図面とともに参照することにより、本発明の上述および他の特徴ならびに目的、さらに、これらを達成する方法が明らかになり、また、本発明がより理解されよう。
【0063】
対応する参照符号は、それぞれ図面全体において、対応している部分を示す。本明細書における具体例は、本発明の特定の形態における本発明の好ましい態様を示し、そのような具体例は、開示の範囲または特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を制限するものとして作成されているのではない。
【0064】
好ましい態様の説明
単一のフィルターハウジングの態様
この態様では(図7)、概ね数字54によって示した中央制御システムを用いて、濾過システムに設置されているセンサーをモニター(または監視)して、システムの稼働に必要な全てのアクチュエーター(ポンプおよびバルブ)を「オン」および「オフ」にする。この制御システムは、手動で動かすスイッチによって、または内蔵するマイクロプロセッサーによって作動する電子スイッチによって操作することができる。マイクロプロセッサーを用いることは、システムを幾分より複雑にするが、システムの操作をより効果的にし、また、作業者がシステムを手動で制御できない間の、無人の操作能力を提供する。
【0065】
通常の操作の間に、導管3によって(ポンプに呼び水を差す:priming)ポンププライミングチャンパー4に接続されている貯蔵器2から、濾別される処理液を取り出す。別法では、該液体を処理液ストリームから直接取り出すこともできる。絶対的に必要ではないが、ポンププライミングチャンバー4の使用は、ポンプが「乾燥して」稼働しないのを保証することにより、第1液体ポンプ7の寿命を長くするのを助ける。「乾燥して」稼働すること(即ち、ポンプヘッドにおいて液体を含まずに稼働すること)は、ポンプに損傷を与えることがある。
【0066】
第1液体ポンプ7にポンププライミングチャンバー4を接続する導管を通って、ポンププライミングチャンバー4から液体を除去するとき、ポンププライミングチャンバー4において、従って、貯蔵器2をプライミングチャンバー4に接続する導管3において、不完全な(または部分的な)真空(または減圧)状態が生ずる。この真空状態は、貯蔵器から処理液を取り出し、処理液の第1ポンプ7への供給フローを確立させる。液体は、ポンプ7から出ると、導管8を通って通常開(NO)バルブ9にポンピングされ、フィルターハウジング入口12を通り、円筒形のフィルターハウジング13に付随する接続導管11に入る。本明細書で示すそのようなバルブは、手動で操作、または電子的に操作できるが、好ましくは後者であることが理解されるべきである。
【0067】
フィルターハウジング入口12を通過させた後、流れる液体は広がり、そしてフィルターハウジング13の中を上方に流れ、液体の上部に浮かぶ濾床14のフィルターハウジング13での上昇を引き起こす。濾床14は、濾別される液体の比重よりも実質的に小さい比重を有し、そして特定の寸法の範囲内であるように選択された、名目的には0.1ミクロン〜25.4mmの間の直径を有する、小さい直径の超−浮揚性粒子から成る。濾床粒子の寸法および材料組成、ならびに床体積および濾過面積は、処理液から除去される粒子状物質の寸法および性質を含む、処理液の濾過要件によって決定する。濾床を構成する超−浮揚性粒子は、プラスチック、ガラスまたはセラミック材料から典型的には形成されるが、いずれにしても、これらの粒子は、濾別される処理液の比重の2分の1よりも小さい比重を有する必要がある。
【0068】
処理液がフィルターハウジング13に流入すると、ハウジングにおける処理液の液面は上昇する。上昇する処理液に浮かんでいる超−浮揚性媒体床14は、フィルターハウジングの上部付近の床支持体16に最終的に触れるまで上昇する。この支持体は、床媒体を拘束(保持)し、該媒体がハウジング13において更に上昇すること、および濾別される液体と共にフィルターハウジング13から流れ出ることの両方を防止する。濾床14自体はハウジング13内での更なる上昇が防止されるが、処理液は、第1ポンプ7によってハウジング13に送り込まれるため、上昇し続け、濾床14を通って流れる。
【0069】
液面が上昇するとき、液体は、濾床14を通って上方に流れ、次いで床支持体16を通り、そしてフィルターハウジングの上部に入る際に濾別される。床支持体16は、また、このようにして液体によって運び込まれる粒子状物質に対して最終の濾過関門を与える。床支持体16は、名目的には、穴の開いた金属板16a、ならびに2またはそれより多層のスクリーン16bおよび16cを含んで成る、多層「サンドイッチ」(図2)の形を成す。別法では(図3)、「サンドイッチ」は、上述の穴の開いた金属板16a、単層のスクリーン16bを有し、そして半−透過性メンブレンまたは透過性の焼結プラスチックもしくは金属材料16dを含んで成ってもよい。
【0070】
これらの構成要素を有する層の選択は、濾床の粒子の寸法に依る。細かいメッシュスクリーン16cまたはメンブレン層16dは、濾床媒体に隣接して床支持体16の下面に位置する。中間のメッシュスクリーン16bは中央に位置し、細かい層に構造支持体を供給し、そして、穴の開いた金属板16aは最後であり、支持体アッセンブリ全体に構造補強材を供給する。細かい材料は、スクリーン16cであっても透過性メンブレン16dであっても、好ましくは、濾床媒体14に直接接触する層である。他の層は、構造支持体を供給し、また、床支持体16を通る液体フローを増大させる役割をする。この多層の設計は、例えば、75psi〜150psiの高さであり得る濾過圧力で稼働する際に、床媒体14を保持するのに必要な強度を与える。当然であるが、媒体床のタイプ、これによって濾別され得る粒子状物質のタイプおよび寸法、ならびにシステムを通る液体の最適な流量に関する適当な条件の下で、より広い範囲で使用することができる。
【0071】
処理液が濾床14を通って縦方向に上向きに流れるとき、2つの異なるメカニズムのうちの1つによって、濾床が不純物粒子を保持する。処理液のフローが濾床に最初に遭遇するところで、表面濾過、第1メカニズムが起こる。このメカニズムは、粒子の間のスペースを通過できない、より大きい粒子状物質を濾床の下面で捕らえる際に起こり、液体は濾床を通って上方に流れる際に濾床を整える。これらのより大きい粒子状物質は、濾床の下面で捕らえられて、該面にクラストを形成する。
【0072】
処理液と共に流れる、より小さい粒子状物質を、フィルターの底面で捕らえることができ、より大きい粒子状物質の蓄積により形成したクラストによって保持することができる。このようにして、このクラストは、それ自身によって、いくらかのより小さい粒子状物質の通過を防ぐことができる。いくらかのより小さい粒子状物質は、濾床の下面にあるクラストを通過し、床を通って流れ、そして第2メカニズム、深層濾過によって捕捉され得る。このメカニズムでは、超−浮揚性フィルター媒体粒子の間の濾床における隙間のスペースに、これらのより小さい粒子状物質を捕らえて保持する。最も小さい粒子は、それらの寸法、床粒子の寸法、および床支持体の開口の寸法に依っては、実際は、床を通って流れ、流出する濾別された処理液と共にハウジングの出口ポート17を通ってフィルターハウジングを出ることもある。
【0073】
濾床支持体16を通って流れた後、処理液は、濾床支持構造体の上のフィルターハウジング上部に入り、出口ポート17を通って出る。次いで、該液は、接続導管23を通って通常開バルブ24、更なる接続導管26およびフローセンサー27に流れる。フローセンサー27に続いて、該液は、追加の導管28を通り、濾別された液体を貯蔵する、きれいな処理液の貯蔵器29に流れる。また、通常閉(NC)バルブ32、および逆洗貯蔵器34に接続されている最終の導管33も、追加の導管31を介して導管28に接続されている。逆洗貯蔵器34は、濾床媒体をきれいにする逆洗サイクルに使用する、濾別された処理液の貯蔵手段を提供する。
【0074】
逆洗貯蔵器34は、ベント(抜け口)38を介して周辺雰囲気に対して開いており、注入の間の圧力増加を防ぎ、また、液体を除去してフィルターを逆洗する際の真空状態の発生を防ぐ。逆洗貯蔵器34におけるレベルセンサー36は、ワイヤー109を経てフィルターコントローラ54に取り付けられている。フィルターコントローラ54は、逆洗貯蔵器の液面が低いときはいつでも、ワイヤー110を介してバルブ32を開き、これにより、濾別された処理液はフィルターハウジングから出ることを許されて、逆洗貯蔵器34に入り、これを満たす。逆洗貯蔵器34が満杯であると、レベルセンサー36は、貯蔵器が満杯であることを、ワイヤー109を介してコントローラ54に知らせ、コントローラ54はワイヤー110を介してバルブ32を締めて(turn off)逆洗貯蔵器34への液体フローを止める。
【0075】
フローセンサー27は、濾床を出る液体の流量を測定する。このセンサーからの信号を、ワイヤー112を介してフィルターコントローラ54に伝達する。フィルターが液体ストリームからの更なる粒子状物質を蓄積するとき、液体のフローに対する床の抵抗は増え、(第1ポンプ7を通る処理液の流れが増えない限り)フィルターを通る処理液の流れは減る。(処理液の濾過要求によって定義される)臨界点においてフローセンサー27によって測定される流量はあまりに低いため、逆洗プロセスによってフィルターを再生して濾過性能を回復させる必要がある。該点は、フローセンサー27の出力を、ワイヤー112を経て制御システム54に監視させることによって特定する。
【0076】
逆洗操作を必要とするとき、コントローラは、それぞれフィルターの流入ラインおよび流出ラインにある通常開バルブ9および24を、それぞれワイヤー103および111を介して閉めて、フィルターを通って液体が連続して流れるのを防ぐ。コントローラ54は、通常閉の液体ドレインバルブ46および通常閉の周辺雰囲気ベントバルブ22を、それぞれワイヤー102および108を介して開ける。これらのバルブが開くと、「汚い」液体は、ここでは開いているベントバルブ22を介してハウジングに入る周辺雰囲気の圧力で、重力流によって、フィルターハウジングから、導管11を介して収集貯蔵器48、バルブ46および導管47に排出(またはドレイン)される。
【0077】
液体が収集貯蔵器48に排出されるとき、エアーがバルブ22および導管21を通ってフィルターハウジングに入り、ハウジング内の液面は下がる。液面が濾床の底部に達すると、(処理液よりも軽く、従って、処理液の上部に浮かぶときも依然として床支持体16に押されている)超−浮揚性床媒体14は、降下する処理液の上部に浮かびながら、フィルターハウジング13を降下し始める。濾床14は、濾床の上面がフィルターハウジング13の中位よりも下に落ちる(このとき、下部のレベルセンサー18が、ワイヤー106を介してコントローラ54に知らせる)まで、下がることが許される。このとき、コントローラ54はワイヤー102を介してドレインバルブ46を閉め、逆洗スプレープロセスを開始して濾床をきれいにする。
【0078】
逆洗スプレープロセスにおいては、逆洗貯蔵器34からのきれいな液体を、ワイヤー104を介してコントローラ54によって作動させる(turn on)逆洗ポンプ39によって導管37を介して取り出し、導管41、通常閉バルブ42(ここでは開いている)および導管43を介してポンピングし、次いで、1個または複数個の逆洗スプレーノズル44を介して、ここでは下がっている濾床の上面に噴霧する(またはスプレーする)。ノズル44の数は、濾床の断面積ならびに濾床材の個性および性質によって決定する。広角度の分散(例えば90°より大きい)を伴う1つの広角度ソリッドコーンノズルは、直径が最大で6〜8インチのフィルターハウジングを容易に逆洗することができる。より大きい直径のハウジングは、効果的な逆洗に複数のスプレーノズルを必要とする。濾床は、非常に細かい粒子から成るとき、濾過の間に床支持体16の下面を圧迫し、これにより、濾床支持体の表面に固い、圧迫された層を形成する。このような場合には、縦方向に上方に噴霧する1またはそれより多くの追加のノズルを有することが通常は必要であり、圧迫された床粒子を取り除いて洗浄してフィルターハウジング13の下方部分に導く。
【0079】
ノズル44によって供給(deliver)される逆洗スプレーは、付着している不純物としての粒子状物質を濾床14の各濾過粒子から洗い流す。このスプレー液は、このときその最低位置にあって、残った濾床材を通って下方に排出されるとき、集められた不純物を共に運び、ハウジングの底部に蓄積する。この排液が蓄積すると、ハウジング13の液面が上昇する、連続的な逆洗プロセスであるため、図5A−5Fに示すように、(上昇する液の上部に浮かぶ)超−浮揚性媒体床14は、上方に動き、きれいな液体を床にスプレーし続ける逆洗ノズル44を通り越して床に入り、このようにして、不純物としての粒子状物質を連続的に洗い流す。これらの不純物としての粒子状物質は、液体または濾床粒子のいずれよりも重いため、流体スプレーは、床から該粒子を洗い流し、フィルターハウジング13の底部に沈ませる。同時に、超−浮揚性濾床粒子は、処理液よりも軽く、フィルターハウジング13の上昇する液面の上方に浮かび続ける。
【0080】
逆洗スプレーは、濾床14全体がノズル44より上に昇るまで続けられ、このようにして、ノズル44によって噴出されるきれいな液体のスプレーによって、濾床の全ての粒子を洗い流すことを保証する。レベルセンサー19は、ハウジング13の液面が適切なレベル(または適正水準)まで上昇したこと、従って、このようにして濾床全体を洗浄したことを、ワイヤー107を介してコントローラ54に知らせる。
【0081】
フィルターコントローラ54が、液面が適当であるという情報をレベルセンサー19から受けるとき、コントローラは、ワイヤー105を介してバルブ42を閉め、ワイヤー102を介してバルブ46を開け、これにより、粒子状物質を含む液体をもう一度収集貯蔵器48に排出する。このようにして、必要に応じてこの逆洗シーケンスを繰り返して、濾床において最高レベルの清浄度を保証することができる。一旦逆洗されると、きれいなフィルター媒体は、再びフィルターチャンバーの下端に位置し、再び処理液ストリームから粒子状物質を濾別する準備が整う。
【0082】
フィルターハウジングの底部からの不純物を含む液体の除去を促進するために、システムにサクションポンプまたはサイフォン管(図示せず)を追加することができる。そのような追加は、30秒またはそれ以下で、不純物を含む処理液をハウジング13から容易に除去することができる。逆洗後、コントローラ54によって、ワイヤー102および108を介してバルブ46および22を閉じ、ワイヤー103を介して入口バルブ9を、ワイヤー111を介して出口バルブ24を開け、そしてワイヤー101を介してポンプ7を作動することにより貯蔵器の流体ポンプ7から液体をポンピングして、濾過プロセスを再開始する。処理液が再びハウジングに入るとき、濾床14は、床支持体16に遭遇するまでフィルターハウジングを再び上昇する。次いで、濾過プロセスが再び始まり、このとき、処理液が安定化された濾床を通って上方に流れ始め、そして上述の2つの濾過メカニズムのうち1つによる粒子状不純物の捕捉を開始する。
【0083】
プロセスの特定の濾過要求に応じて、最適な濾過には、図7および上述の、基礎の単一ハウジング濾過システムの変形を必要とし得る。例えば、いくつかのプロセスでは、濾過プロセスの操作を一時的に中断して、逆洗によってフィルターをきれいにすることが望ましくないか、または実質的に不可能である。従って、該濾過システム設計の第2態様では、図8に示すように、2つのフィルターのうち1つを逆洗によってきれいにする間に、濾過システムが中断せずに機能し続けることができるように、2つのフィルターハウジング(同じタイプの床材を含む)が互いに平行に接続されている。この態様では、2つのフィルターが同じ寸法であってもよく、または、第1フィルターが第2フィルターよりも大きくてもよい。前者の場合、2つのフィルターは濾過作用を等しく分担するが、後者の場合には、第2フィルターは、第1フィルターの逆洗に要する短時間の間の濾過性能を維持するための、一時的なフィルターとしてのみ機能する。
【0084】
この態様では、内蔵マイクロプロセッサーを有する中央制御システム54を用いて、濾過システムに設置されているセンサーを監視し、システムの操作に必要なアクチュエーター(ポンプおよびバルブ)全てを「オン」および「オフ」にする。この制御システムを手動で操作することもできるが、その複雑さは増すため、該システムを内蔵マイクロプロセッサーによって更により効果的に制御する。上記のように、内蔵マイクロプロセッサーは、作業者がシステムを手動で制御できない間の、無人の操作能力を提供する。
【0085】
この第2態様において、最初または第1のフィルターハウジング13を通る処理液の流れは、図7のシステムに関する上述のシーケンスの後に続く。ここでの記載を簡略にするため、図7の態様に適用し得る操作上のシーケンスは、ここでシーケンスを繰り返すよりも参照することによって組み込まれる。
【0086】
この第2態様において第1フィルター13の逆洗を必要とするとき、第1フィルターの入口ライン11およびフィルターの出口ライン23にある通常開バルブ9および24を、それぞれワイヤー103および111を介してコントローラ54によって閉めて、フィルター13を通って液体が連続して流れるのを防ぐ。同時に、コントローラ54によって、それぞれワイヤー115および119を介して通常閉バルブ57および72を開けて、第2フィルターハウジング62を介する処理液のフローを開始する。該液を、第1ポンプ7により、導管8および56を介して、ここでは開いている(しかし、通常閉)バルブ57にポンピングし、そして、フィルターハウジング入口61を介して第2フィルターハウジング62に取り付けられている接続導管59にポンピングする。
【0087】
第2フィルターハウジングの入口61を通過した後、流れる液体は広がって、そしてフィルターハウジング62を通って上方に流れ、上昇する液体の上部に浮かぶ濾床63のフィルター内での上昇を引き起こす。第2濾床63は、第1濾床14と同じ粒子で構成される。第2濾床の粒子は、第1濾床の粒子と同様の特定の寸法範囲、密度および組成を有して、濾過プロセスの要求を満たす。
【0088】
別法では、第1フィルター13は、第2フィルター62よりも大きくてもよい。前者の場合、2つのフィルターは濾過作用を等しく分担するが、後者の場合には、第2フィルター62は一時的なフィルターとしてのみ機能し、第1フィルター13の逆洗に要する短時間の間の濾過性能を維持する。
【0089】
処理液が第2フィルターハウジング62に流入するとき、ハウジング内の処理液の液面は上昇し、上昇する処理液に浮かぶ濾床63は、フィルターハウジング62の上部付近にある床支持体64に達する。図7の態様に関する上述のように、該支持体は、超−浮揚性濾床媒体を保持し、また、液体によって運び込まれる粒子状物質に対して最終の濾過関門を与える。濾床支持体64は、名目的には、上述の同種の多層「サンドイッチ」(図2、3)の形を成す。
【0090】
処理液が濾床63を通って縦(または垂直)方向に上向きに流れるとき、表面濾過および深層濾過を経て、濾床63によって不純物粒子が保持される。床支持体64を通って流れた後、上昇する液体はフィルターハウジングの上部に入り、出口ポート66を通って出る。次いで、液体は、接続導管72を通って、通常閉であるがこのとき開いているバルブ73、更なる接続導管26、およびフローセンサー27に流れる。液体は、フローセンサーから、きれいな処理液の貯蔵器29に接続されている更なる導管28を通って流れる。この導管28には、更なる導管31、通常閉バルブ32および最終の導管33を介して、逆洗貯蔵器34も接続されている。逆洗貯蔵器34の液面が降下するとき、レベルセンサー36を用いて測定する。液面が所定の最低値に達すると、センサーはワイヤー109を介してコントローラ54に信号を伝達し、ワイヤー10を介してバルブ32を開く。次いで、追加のきれいな液体を、導管31、バルブ32および導管33を介して逆洗貯蔵器34に加える。逆洗貯蔵器34の液面が通常の高さに戻ると、コントローラ54はワイヤー110を介してバルブ32を閉め、逆洗貯蔵器34への液体のフローを止める。
【0091】
処理液のフローを、一旦、濾過用の第2フィルターハウジングに直接入れると、第1フィルターハウジング13の逆洗サイクルを開始することができる。通常閉バルブ46および通常閉の周辺雰囲気ベントバルブ22を、コントローラ54によって、それぞれワイヤー102および108を介して開く。これらのバルブを開くと、汚い液体は、第1フィルターハウジング13から排出されて、導管11、バルブ46および導管47を介して、収集貯蔵器48に入る。
【0092】
逆洗サイクルの間、第1フィルターハウジング13からの液体が収集貯蔵器48に排出されるとき、バルブ22および導管21を通ってエアーがフィルターハウジングに入り、ハウジングの液面が下がる。液面が濾床14の底部に達すると、(処理液よりも軽く、従って、処理液の上部に浮かぶときも依然として床支持体16に押されている)超−浮揚性床媒体は、降下する処理液の上部に浮かびながら、フィルターハウジング13を降下し始める。液面は、濾床の上部がフィルターハウジング13の中位よりも下に落ちるまで、下がることが許される。このとき、レベルセンサー18は、ワイヤー106を介してコントローラ54に、液面が適切なレベルまで降下したという信号を送り、コントローラはワイヤー102を介してドレインバルブ46を閉め、逆洗スプレープロセスを開始して上述のように第1濾過床をきれいにする。
【0093】
第1濾床14の逆洗が完了した後、コントローラは、それぞれワイヤー102、108および115を介してバルブ46、22および57を閉じることによって、ならびにワイヤー103および111を介して入口バルブ9および出口バルブ24を開け、そして、第1液体ポンプ7を介して貯蔵器2から液体をポンピングすることによって、第1フィルターハウジング13での濾過プロセスを再開する。処理液が再びハウジング13に入ると、濾床14はハウジング内を上昇し、床支持構造体16に遭遇するときに安定化する。次いで、処理液が、安定化された濾床を通って上方に流れ始めるとき、濾過プロセスが再開する。
【0094】
ひとたび第1フィルターを濾過操作に戻すと、第1フィルターに用いた、逆洗プロセスと同様の方法で、第2フィルターハウジング62に含まれる第2フィルター63をきれいにすることができる。第2フィルターの場合、コントローラ54によって、ワイヤー114および118を介して通常閉の液体ドレインバルブ58および通常閉の周辺雰囲気ベントバルブ71を開けると、プロセスが開始する。これらのバルブを開くと、導管59、バルブ58および導管47を介して、フィルターハウジング62から汚い液体が収集貯蔵器48に排出される。
【0095】
第2フィルターハウジング62から液体が収集貯蔵器48に排出されるとき、エアーがバルブ71および導管69を通ってフィルターハウジング62に入り、ハウジング62の液面が下がる。液面が濾床63の底部に達すると、床材(処理液よりも軽く、従って、処理液の上部に浮かぶとき依然として床支持体63に押される)は、減少する液体の上部に浮かびながら、フィルターハウジング62を降下し始める。液面は、濾床の上部がフィルターハウジング62の中位よりも下に落ちる(このとき、下方のレベルセンサー67は、ワイヤー116を介してコントローラ54に知らせる)まで、下がることが許される。このとき、コントローラは、ワイヤー114を介してドレインバルブ58を閉め、逆洗スプレープロセスを開始して第2濾床をきれいにする。
【0096】
第2フィルター63を効果的に逆洗するために、逆洗貯蔵器34からのきれいな液体を、逆洗ポンプ39によって導管37を通って再び取り出し、供給導管41、通常閉のバルブ76(コントローラがワイヤー113を介して開く)および導管77を通ってポンピングし、次いで、1個または複数個の逆洗スプレーノズル78を介して濾床63に噴霧する(スプレーする)。図7の態様に関して上述したように、ノズル78の数は、濾床の断面積、濾床材の個性および性質によって決定する。図7の態様に関する上述と同様の逆洗方法を、濾床全体がノズル78の上に昇るまで続け、ノズル78によって噴出される、きれいな液体のスプレーによって、床粒子の全てを洗浄することができる。次いで、レベルセンサー68は、ハウジング62の液面が適当な位置まで上昇したとき、ワイヤー117を介してコントローラに知らせることによって、第2濾床全体から全ての不純物および粒子状物質を洗い流したことを示す。コントローラ54は、ワイヤー117を介してレベルセンサー68から、液面が適当であるという情報を受けると、コントローラ54は、ワイヤー114を介してドレインバルブ54を開き、粒子を含む液体を再び収集貯蔵器48に排出する。こうして、濾床において最高レベルの清浄度を保証するために必要に応じて、逆洗シーケンスを繰り返すことができる。このようにして、逆洗された、きれいなフィルター媒体63は、処理液ストリームから粒子状物質を再び濾別する準備が整う。フィルターハウジングの底部からの不純物を含む液体の除去を促進するために、サクションポンプまたはサイフォンチューブ(両者とも図示せず)をシステムに追加することができる。そのような追加により、1分未満で、不純物を含む処理液をフィルターハウジング62から除去することを可能にする。
【0097】
直列のフィルターハウジングの態様
この態様では、図9に示すように、2つのフィルターハウジングを互いに直列に接続して、1つのフィルターによって提供される性能よりも高められた濾過性能を提供する。この態様では、1またはそれより多くの特定の成分を除去するように、第1ハウジング13における超−浮揚性濾床材14を選択し、一方で、第1フィルターによって除去される成分と異なる1またはそれより多くの成分を除去するように、第2ハウジング62における超−浮揚性濾床材63を選択する。例えば、特定の一態様において、第1ハウジング13の床材14は、粗く、より大きい寸法の粒子で構成され、一方で、第2ハウジング62の床材63は、細かく、より小さい寸法の粒子で構成されている。この態様では、第1濾床14を、より大きい不純物粒子を除去する「粗い」フィルターとして機能させ、第2濾床63を、処理液が第1濾床14を通過した後に残存している、より小さい不純物粒子を除去する「細かい」フィルターとして機能させる。図のように、これら2つのフィルターを直列に配置することにより、各フィルターを特定の不純物の除去のために最大限に利用することができ、従って、濾過システムによって除去される不純物の総量を最大限にすることができる。
【0098】
操作の際に、第1ポンプ7のポンピング行為により生じた真空(または減圧)状態によって、濾別すべき処理液を、貯蔵器2から導管3を通ってプライミングチャンバー4に取り出す。別法では、処理液ストリームから液体を直接引き出すこともできる。次いで、液体は、プライミングチャンバー4から導管6を通って第1液体ポンプ7に進み、導管8を通って通常開の入口バルブ9にポンピングされ、接続導管11に入る。液体は順次接続導管11を通り、図7の態様に関する上述のように、フィルターハウジング入口12を通って第1フィルターハウジング13にポンピングされる。
【0099】
図9の態様では、上述の態様と同様に、入口12を通過した後、流れる液体は広がり、そしてフィルターハウジング13を通って上方に流れ、上昇する液体の上部に浮かぶ濾床14のハウジング13での上昇を引き起こす。第1濾床14は、濾別される液体の比重の2分の1よりも小さい比重を有する超−浮揚性粒子で構成され、特定の寸法の範囲内(例えば、「粗い」フィルターについては、0.5〜1.0mmの間)であるように選択される。他の態様と同様に、濾床粒子の寸法および組成、ならびに床体積および濾過面積は、処理液から除去される粒子状物質の寸法および性質を含む、特定の処理液の濾過要求によって決定する。濾床14を構成する粒子は、典型的には、プラスチック、ガラスまたはセラミック材料から形成されているが、いずれにせよ、これらの粒子は、濾別される液体の比重の2分の1よりも小さい比重を有する必要がある。
【0100】
他の態様に関する上述のように、処理液の液面はハウジングにおいて上昇し、上昇する処理液に浮かぶ濾床14は、フィルターハウジングの上部付近の床支持体16に触れるまで上昇する。この支持体16は、濾床14を保持し、更なる上昇および濾別される液体に伴ったフィルターハウジングからの流出の両方を防ぐ。床支持体16は、液体によって運び込まれる粒子状物質に対して最終の濾過関門も与える。上述のように、床支持体16は、名目的には、穴の開いた金属板16a、および2またはそれより多くのスクリーンの層16bおよび16cから成る多層のサンドイッチ(図2)、あるいは、別法(図3)では、1層のスクリーン16bおよび半透過性のメンブレンまたは焼結された透過性のプラスチックもしくは金属材16dから成る多層のサンドイッチの形を成す。
【0101】
これらの構成層の選択は、濾床粒子の寸法に依る。細かいメッシュスクリーン16cまたはメンブレン層16dは、濾床媒体に隣接して床支持体16の下面付近に位置しており、中間のメッシュスクリーン16bは中央に位置して細かい層に構造支持体を供給し、穴の開いた金属板16aは最後に位置して構造補強材を供給する。細かい材料は、スクリーン16cであっても透過性メンブレン16dであっても、常に、フィルター媒体14の上部に直接接触する層である。他の層は、構造支持体を供給する役割をし、また、床支持体16を通る液体フローを促進する役割をする。この多層の設計は、上述のように、75−150psiの高さであり得る濾過圧力で稼働する際に、フィルター媒体を保持するのに必要な強度を供給する。処理液が濾床14を通って縦方向に上向きに流れるとき、不純物粒子は、上述の2つの異なるメカニズムを経て、濾床によって保持される。処理液が超−浮揚性媒体濾床に最初に遭遇するところで、表面濾過、第1メカニズムが起こる。このメカニズムは、より大きい粒子状物質は、液体が濾床を通って上向きに流れるとき、濾床を形成する粒子の間のスペースを通過できずに、濾床の下面で捕捉される際に起こる。これらのより大きい粒子状物質は、濾床の下面で捕捉されて、該面にクラストを形成する。
【0102】
より小さい粒子状物質は、処理液と共に流れ、より大きい粒子状物質の蓄積によって形成されたクラストによって保持されることによって、フィルターの底面で捕捉され得る。このように、このクラストは、自身によって、いくらかのより小さい粒子状物質の通過を防ぐことができる。別法では、より小さい粒子状物質は、濾床の下面にあるクラストを通過し、床を通過し、そして、第2メカニズム(床を形成しているフィルター媒体粒子の間の隙間のスペースにおいて、より小さい粒子を捕らえて保持する)即ち、深層濾過によって捕捉され得る。次いで、これらの粒子は、フィルターハウジング出口17、導管82、通常開の第2濾床への入口バルブ83、導管84を通り、最終的にはハウジング入口61を通って第2フィルターハウジング62に入る、フィルターから出る液体と共に流れる。
【0103】
入口61を通過した後、流れる液体はフィルターハウジング62に広がり、そして該ハウジングを通って縦方向に上向きに流れ、上昇する液体の上部に浮かぶ濾床63のハウジング62での上昇を引き起こす。第2濾床63は、第1濾床14(例えば、0.05〜0.1mm)よりも小さい直径の粒子で構成されている。第2濾床粒子は、濾過プロセスの特定の要求を満たすための特定の寸法の範囲および組成内であるように、また、濾別される液体の比重よりも小さい比重を有するように選択する。
【0104】
処理液がフィルターハウジング62に流入するとき、処理液の液面はハウジング内で上昇し、上昇する処理液に浮かぶ床63は、フィルターハウジングの上部付近の床支持体64に達する。上述のように、この支持体は床媒体63を保持し、また、液体によって運び込まれる粒子状物質に対して最終の濾過関門を与える。濾過支持体は、名目的には、上述の図2および3に示した、多層のサンドイッチ16と同種のものから形成されている。
【0105】
処理液が濾床63を通って縦方向に上向きに流れるとき、第2濾床63は、表面濾過および深層濾過の両方を経て、最小の不純物粒子を保持する。床支持体64を通って流れた後に、液体はフィルターハウジングの上部に入り、出口ポート66を通って出る。次いで、液体は、接続導管86を通って通常開バルブ87に流れ、更なる接続導管88およびフローセンサー27に流れる。液体は、フローセンサー27から、きれいな処理液の貯蔵器29に接続している更なる導管28を介して流れる。この導管28には、更なる導管31、通常閉バルブ32および最終の導管33を介して、逆洗貯蔵器34も接続されている。逆洗貯蔵器34の液面が降下して、レベルセンサー36が検知するとき、センサーはワイヤー109を通じてコントローラ54に信号を伝達し、コントローラはワイヤー10を通じてバルブ32を閉めて、貯蔵器34への液体フローを止める。
【0106】
この態様における逆洗プロセスは、両方のフィルターからの汚い液体を収集タンク48に送り、各床をそれぞれきれいにする。この態様において、逆洗を必要とするとき、コントローラ54は、それぞれワイヤー103、123および127を通じて、第1フィルターの流入ライン11にある通常開バルブ9、第2フィルターの流入ライン82にある通常開バルブ83、およびフィルターの流出ライン86にある通常開バルブ87を閉めて、フィルターを通って液体が連続して流れるのを防ぐ。コントローラ54は、ワイヤー102および111を通じて通常閉の液体ドレインバルブ46および通常閉の周辺雰囲気ベントバルブ22を開く。これらのバルブ46、22を開くと、汚い液体が、第1フィルターハウジング13から、導管11、バルブ46および導管47を通って収集貯蔵器48に排出される。液体が第1フィルターハウジング13から収集貯蔵器48に排出されるとき、エアーがバルブ22および導管21を通ってフィルターハウジングに入り、ハウジングの液面が下がる。液面が床の底部に達するとき、床材14(処理液の比重の2分の1よりも小さい比重を有し、従って、処理液の上部に浮かぶ保持スクリーン16に依然として押されている)は、減少する液体の上部に浮かびながら、フィルターハウジング13を降下し始める。液体は、濾床の上部がフィルターハウジングの中位よりも下に降りるまで、降下することが許され、この事実は下方のレベルセンサー18によってワイヤー106を通じてコントローラ54に知らされる。このとき、コントローラ54は、ワイヤー102を通じてドレインバルブ46を閉め、逆洗プロセスを開始して濾床14をきれいにする。
【0107】
本発明のこの態様の逆洗プロセスにおいては、逆洗貯蔵器34からのきれいな液体を、逆洗ポンプ39によって導管37を通して取り出し、供給導管41、通常閉バルブ42(このときは、コントローラ54によりワイヤー105を通じて開けられている)および導管43を通ってポンピングし、次いで、1個または複数個の逆洗スプレーノズル44を介して床に噴霧する(スプレーする)。ノズル44の数は、濾床の断面積および床材の個性によって決定する。広角度の分散(例えば90°より大きい)を伴う1つの広角度ソリッドコーンノズルは、直径が最大で6〜8インチのフィルターハウジングを容易に逆洗することができる。より大きい直径のハウジングおよびより小さい粒子の濾床は、効果的な逆洗のために、複数の液体スプレーノズルを必要とする。床が、濾過の間に圧縮し得る、非常に小さい粒子から成るとき、縦方向かつ上方に1またはそれより多くの追加のスプレーノズルを有する必要があり、これにより、圧縮した床粒子の移動を助けることができ、また、該粒子をフィルターハウジング13の下方部分へと洗い流すこともできる。
【0108】
きれいな液体をノズル44から下方に噴霧する(スプレーする)とき、濾床14の各粒子から、付着している汚染粒子状物質を洗い流す。このスプレーされた液体は、残った床材を通って下方に排出されながら、集められた不純物および途中で液体に同伴され得る更なる不純物を共に運び、ハウジングの底部に蓄積する。液体の蓄積に伴い、ハウジングの液面は上昇し、(液体の上部に浮いている)超−浮揚性媒体床がハウジング内で上昇する。床14が上昇するとき、床粒子はハウジングの上方に動き、きれいな液体を床にスプレーし続ける逆洗ノズル44を通り越して床に入り、このようにして、不純物としての粒子状物質を濾床から連続的に洗い流す。
【0109】
これらの不純物としての粒子状物質は、液体または床粒子よりも重いため、これらを液体スプレーによって床から洗い流し、フィルターハウジングの底部に沈ませる。同時に、濾床粒子は、処理液よりも軽く、フィルターハウジング内の上昇する液面の上方に浮かび続ける。逆洗スプレーは、床全体がノズルよりも上に昇るまで続けられ、ノズル44によって噴出されるきれいな液体のスプレーによって濾床の全ての粒子を洗浄することができる。レベルセンサー19は、ハウジング13の液面が最も高い適切なレベルまで上昇したことを、ワイヤー107を通じてコントローラ54に知らせることにより、このような方法で床全体が洗浄されたこと、およびこのとき濾床が不純物を含む液体よりも上のフィルターハウジングの上部に位置することを示す。
【0110】
フィルターコントローラは、レベルセンサー19から、液面が適当であるという信号を受けると、コントローラ54はワイヤー102を通じてドレインバルブ46を開き、粒子状物質を含む不純物を含む液体は、収集貯蔵器48に排出される。そのような排出(ドレイニング)は、フローによって生じた重力によって実施され、または、サクションポンプもしくはサイフォンチューブを利用して、1分未満で、不純物を含む液体を全て排出することができ、これにより、不純物を含む液体が降下するに伴い、ハウジング内の濾床が下がる。
【0111】
このようにして、濾床において最高水準の清浄度を保証する必要に応じて、この逆洗シーケンスを繰り返すことができる。逆洗プロセスが完了すると、コントローラ54はワイヤー111および102を通じて通常閉バルブ22および46を閉める。一度逆洗すると、これにより、きれいなフィルター媒体は、再び処理液ストリームから粒子状物質を濾別する準備が整う。
【0112】
第1濾床14を逆洗した後、第2濾床63の逆洗操作を実施する。第2濾床63を逆洗するために、コントローラ54はフィルター流入ライン83およびフィルター流出ライン87にある通常開バルブを閉じた状態に保ち、フィルターを通って液体が連続して流れるのを防ぐ。次いで、コントローラ54は、ワイヤー122および126を通じて通常閉の液体ドレインバルブ91および通常閉の周辺雰囲気ベントバルブ71を開く。これらのバルブを開くと、汚い液体は、フィルターハウジング62から導管84、バルブ91および導管47を通って収集貯蔵器48に排出される。第2フィルターハウジング62からの液体が収集貯蔵器48に排出されるとき、エアーがバルブ71および導管69を通ってフィルターハウジングに入り、ハウジング内の液面が下がる。
【0113】
液面が床の底部に達すると、床材は、減少する液体の上部に浮きながら、フィルターハウジング62内を降下し始める。液面は、濾床の上部がフィルターハウジングの中位よりも下に落ちる(ワイヤー124を通じて下方のレベルセンサー67によってコントローラ54に知らされる)まで、下がることが許される。このとき、コントローラはワイヤー122を通じてドレインバルブ91を閉め、逆洗プロセスを開始して濾床をきれいにする。
【0114】
逆洗プロセスにおいて、逆洗貯蔵器34からのきれいな液体を、逆洗ポンプ39により導管37を介して引き出し、導管41、通常閉バルブ76(ここではワイヤー121を通じて開けられている)および導管93を通ってポンピングし、次いで、1個または複数個の逆洗スプレーノズル78を介して濾床に噴霧する(スプレーする)。ノズル78の数は、濾床の断面積および床材の個性によって決定する。床が、濾過の間に圧縮し得る、非常に小さい粒子から成るとき、縦方向かつ上方に1個またはそれより多くの追加のスプレーノズルを有する必要があり、圧縮した床粒子を取り除くのを助けることができ、また、該粒子をフィルターハウジング62の下方部分へと洗い流すこともできる。
【0115】
きれいな液体をノズル78から下方に噴霧する(スプレーする)とき、濾床63の各粒子から、付着している汚染粒子状物質を洗い流す。このスプレーされた液体は、残った床材を通って下方に排出されながら、集められた不純物および途中で液体に同伴され得る更なる不純物を共に運び、ハウジングの底部に蓄積する。液体の蓄積に伴い、ハウジングの液面は上昇し、(液体の上部に浮いている)超−浮揚性媒体床がハウジング内で上昇する。床が上昇するとき、床粒子はハウジングの上方に動き、床にきれいな液体をスプレーし続ける逆洗ノズル78を通り越して動き、このようにして不純物としての粒子状物質が濾床から連続的に洗い流されて、フィルターハウジング62の底部に沈められる。同時に、濾床粒子は、処理液よりも軽く、フィルターハウジング内の上昇する液面の上方に浮かび続ける。
【0116】
逆洗スプレーは、床全体がノズルより上に昇るまで続けられ、床粒子の全てをノズル78によって噴出されたきれいな液体のスプレーによって洗浄することができる。レベルセンサー68は、ハウジング62の液面が適切なレベルまで上昇したことを、ワイヤー125を通じてコントローラ54に知らせることにより、床全体がこのような方法で洗浄されたこと、および不純物を含む液体よりも実際には上に位置することを示す。フィルターコントローラ54が、不純物を含む液体の液面が適当であるという情報をレベルセンサー68から受けると、コントローラ54はワイヤー122を通じてドレインバルブ91を開き、粒子状物質を含む全ての液体は、収集貯蔵器48に再び排出される。次いで、濾床において最高レベルの清浄度を保証するために、必要に応じて、この逆洗シーケンスを繰り返すことができる。このようにして、逆洗された、きれいなフィルター媒体は、処理液ストリームから粒子状物質を再び濾別する準備が整う。
【0117】
両方の濾床14および63の逆洗が完了した後、コントローラ54が、ワイヤー122および126を通じてバルブ91および71を閉め、それぞれワイヤー103、123および127を通じて入口バルブ9および83ならびに出口バルブ87を開き、そして第1液体ポンプ7によって貯蔵器2から液体をポンピングするとき、濾過プロセスが再開される。処理液が再びハウジングに入ると、濾床14および63はハウジング内を上昇し、これらの濾床の拘束構造体16および64に遭遇するときに安定化する。次いで、処理液が、安定化された濾床を通って上向きに流れ始めるとき、濾過プロセスが再開する。
【0118】
溶解金属の濾過
この態様では、図10に概略的に示すように、2つのフィルターハウジング13および62は、図9に関する上述のように直列に配置されていて、水溶液に溶解するイオン化金属の化学沈殿、次いで、沈殿した粒子状物質を、上述の粒子状のフィルターを用いて処理液から濾別して除去する、独自の方法によって機能する。これは、沈殿反応の開始に必要な水酸イオンを供給する塩基溶液(例えば、石灰、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を直接加えることによって、粒子状物質を含む液体において常套的に沈殿する溶解金属とは対照的である。この塩基溶液の添加を、通常は、計量供給ポンプを用いて常套的に行い、処理液ストリームが、形成して沈殿する金属水酸化物の十分な混合を保証する反応器に入る際に、該ストリームに正確な量の塩基溶液を注入する。続いて、これらの沈殿物は、粒子状物質による濾過システムによって捕捉される。
【0119】
本明細書に記載の金属除去システムの利点は、上述の常套の方法とは対照的に、沈殿を引き起こすために添加する塩基溶液を必要としない。代わりに、紫外線(UV)反応器を介して、処理液をポンピングすることにより、該液中に水酸イオンを直接生成させる。このUV照射は、金属含有水溶液中に水酸イオンを生成する。これらの水酸イオンは、イオン化金属と化学的に結合し、沈殿を引き起こして粒子状物質を生成する。次いで、本明細書に記載の濾床濾過の態様によって、これらの粒子状物質を水溶液から除去する。
【0120】
このタイプの沈殿をもたらすシステムのダイヤグラムを、図10に示す。該図のダイヤグラムは、上述の、図9に示した、直列に接続されている1対の濾床を示す。しかしながら、図10では、システムにUV反応器191が加えられており、第1(粗い)フィルターハウジング13から出る水溶液を処理する。UV反応器191の追加を除いては、図10のシステムの構造および操作は、全ての点におい図9に示す上述のシステムの構造および操作と同様である。従って、ここでの記載を簡略にするため、図10のシステムの操作は、詳細には記載せず、図9に示すシステムの記載は、ここで参照することによって組み込まれる。この態様では、最小粒子状物質および溶解金属の両方が、フィルターハウジング出口17を通って濾過ハウシング13から出る液体と共に流れること、そして導管82を通って進むことを言えば十分である。
【0121】
このようにして、水性の処理液は、UV照射反応器191を通って流れ、高フラックス(flux)のUV放射線にさらされる。UV照射は、溶液中のイオン化金属と後に結合する水酸イオンの液体中での生成をもたらす、不溶性の沈殿粒子を形成する。次いで、液体は、UV照射反応器191から流れ出て、通常開の第2濾床への入口バルブ83、導管84を通り、ハウジング入口61を通って第2フィルターハウジング62に入る。このとき、不溶性の沈殿粒子を有する処理液は、上述のように、第2フィルターハウジング62の濾床63を上方に通過する。
【0122】
本発明を、特定の態様を有するものとして記載したが、更なる変更が可能であることが理解されよう。従って、本明細書における開示は、特許請求の範囲内の、本発明のいずれの変形、使用または形態にも及ぶことを意図するものである。それゆえに、記載した本発明は、特許請求の範囲に記載の通り、これまでに無い新規のものであると考えられ、特許証による保護を求めるものである。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】図1は、粒子が濾別される処理液に置かれているときの、浮揚性媒体粒子(A)と超−浮揚性媒体(B)との間の差の概略図である。
【図2】図2は、粗い中位のフィルター媒体(平均媒体粒子径が直径100ミクロン(100μm)より大きい)用のプレートを保持する濾床の詳細図を表す概略図である。
【図3】図3は、細かいフィルター媒体(平均媒体粒子径が直径100ミクロン(100μm)よりも小さい)用のプレートを保持する濾床の詳細図を表す蛾略図である。
【図4】図4は、床厚を制御するための環状グリッドを組み込んだ、細かいフィルター媒体(平均媒体粒子径が直径100ミクロン(100μm)よりも小さい)用のプレートを保持する濾床媒体の詳細図を表す概略図である。
【図5】図5A−5Fは、本発明による、完成された濾過および逆洗サイクルの間の、逆洗スプレーノズルに対する濾床の様々な位置関係を示す逆洗プロセスの概略図である。
【図6】図6は、超−浮揚性媒体を保持するための広い表面積、およびより狭い領域を有する(媒体の最大限のクリーニングを提供する逆洗スプレー液を集める)、いくつかの異なる形状のフィルターハウジングの概略断面図である。
【図7】図7は、本発明による、処理液から粒子状物質を濾別するための装置全体の概略図である。
【図8】図8は、本発明による、並列フローの濾過システムに接続されている、2つのフィルターハウジングを利用して、処理液から粒子状物質を濾別する装置の概略図である。
【図9】図9は、本発明による、直列フローの濾過システムに接続されている、2つのフィルターハウジングを利用して、処理液から粒子状物質を濾別する装置の概略図である。
【図10】図10は、2つのフィルターを有する図9に示した直列フローの濾過システムを利用して、濾床を流れる前に溶解金属イオンを沈殿させる機能を有する、中間の水酸イオン生成反応器を組み込んだ、処理液から溶解金属イオンの沈殿物を濾別することができる濾過装置の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の比重を有する処理液から粒子状物質を除去するための濾床を有する、処理液の濾過装置に関して、処理液の所定の比重の2分の1よりも小さい比重を有する超−浮揚性粒子を含んで成る濾床。
【請求項2】
超−浮揚性濾床粒子は、ゆるく詰められていて、これらの粒子群の大部分は、濾別される処理液の上部に浮いている、請求項1に記載の濾床。
【請求項3】
超−浮揚性フィルター粒子群は、フィルター粒子群が処理液体に浮かぶとき、濾床の逆洗を可能にする程に十分にゆるく詰められている、請求項1に記載の濾床。
【請求項4】
超−浮揚性濾床粒子は、0.1ミクロン〜25.4mmの範囲内の特定の寸法であるように選択する、請求項1に記載の濾床。
【請求項5】
粗いフィルターの場合、超−浮揚性濾床粒子は、1.0mm〜25.4mmの範囲内の特定の寸法であるように選択する、請求項1に記載の濾床。
【請求項6】
超−浮揚性フィルター粒子群は、逆洗の間、約10〜30体積%広がり、これにより、捕捉されていた粒子状物質を解放して濾床から洗い流す、請求項3に記載の濾床。
【請求項7】
超−浮揚性濾床粒子は、プラスチック、ガラスおよびセラミックから成る群から選択する、請求項1に記載の濾床。
【請求項8】
細かいフィルターの場合、超−浮揚性濾床粒子は、0.1ミクロン〜1.0mmの範囲内の特定の寸法であるように選択する、請求項1に記載の濾床。
【請求項9】
超−浮揚性濾床粒子は、処理流体が濾床を通って流れる際に、約20〜150psiの処理流体圧力を必要とするように、特定の寸法を選択する、請求項1に記載の濾床。
【請求項10】
請求項1に記載の濾過装置であって、濾過装置はUV反応器を含み、処理液を、該UV反応器を通って流して高フラックスのUV照射にさらして、処理流体中のイオン化金属と結合して不溶性の沈殿粒子を形成する水酸イオンを処理液中で生成させ、その際、沈殿粒子を含む処理液を、濾床を介してポンピングして沈殿粒子を除去する濾過装置。
【請求項11】
不純物としての粒子状物質を、所定の比重を有する処理液から濾別して、濾別されて不純物が除去された処理液の再利用を可能にする方法であって、
a)粒子で汚染された処理液をそのソースから取り出すこと;
b)ソースから取り出した、粒子で汚染された処理液に圧力を加えること;
c)加圧された、粒子で汚染された処理液の初期量を、入口ポート、出口ポート、および個々の超−浮揚性濾過粒子によって形成された複合濾床(個々の超−浮揚性濾過粒子は、処理液の所定の比重の2分の1よりも小さい比重を有し、これにより濾床は処理液の上部に浮かぶ能力を有する)に供給すること;
d)加圧された、粒子で汚染された処理液をフィルターチャンバーの入口ポートに供給し続け、入口ポート付近から、濾床の移動が終了する出口ポート付近まで、濾床を構成する個々の濾過粒子の複合群を移動させること;
e)濾床の移動が終了した後、加圧された、粒子で汚染された処理液を、フィルターチャンバーに供給し続け、加圧された処理液をフィルターチャンバーに供給し続けることによって、処理液は、今や静止している、個々の超−浮揚性濾過粒子の複合群を通って強制的に流れ、これにより、粒子状物質を個々の濾過粒子の複合群によって捕らえて保持すること;ならびに
f)濾別され、そして不純物が除去された処理液を、フィルターチャンバーから出口ポートを介して排出し、少なくとも1つの貯蔵器に送ること
を含んで成る方法。
【請求項12】
濾別され、そして不純物が除去された処理液を、入口および出口ポートを有する2つの貯蔵器のうちの1つに選択的に送る、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
粒子で汚染された処理液のソースに接続されている入口ポート、およびフィルターチャンバーの入口ポートに接続されている出口ポートを有するポンプを用いる、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
粒子で汚染された処理液に加える圧力は、約20〜150psiの範囲から選択する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
より大きい粒子状物質が濾床の上流の表面に付着し、より小さい粒子状物質が通過するクラストを該表面に形成する表面濾過メカニズムによって、超−浮揚性濾床の隙間よりも大きい寸法の粒子状物質を処理液から濾別する、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
個々の濾床粒子の間にある、濾床内の隙間のスペースに、より小さい粒子状物質を捕らえて保持する深層濾過メカニズムによって、濾床の隙間よりも小さい寸法の粒子状物質を処理液から濾別する、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
フィルターチャンバーから排出された、濾別されて、そして不純物が除去された処理液の少なくとも一部分を、貯蔵用の逆洗貯蔵器に選択的に導き、そして濾床の逆洗に選択的に再利用して、濾床から蓄積された粒子状物質を除去する、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
フィルターチャンバーを出る処理流体の流量を、検知し、測定し、そして濾過サイクルの開始時のフィルターチャンバーを出る処理液の流量と経時的に比較して、超−浮揚性濾床を通る処理液の流れに対する抵抗を決定し、処理液の特定の低い流量と相関させた所定の抵抗レベルに達すると、逆洗サイクルを開始して濾床に付着する粒子状物質を除去する、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
所定の抵抗レベルに達すると、粒子で汚染された処理液のフィルターチャンバーへの供給およびフィルターチャンバーからの送液を一時的に中断し、フィルターチャンバー内の粒子を含む処理液を貯蔵器に排出し、複合濾床をフィルターチャンバーの入口ポート付近に移動させて、続いて、きれいな不純物を含まない処理液を複合超−浮揚性濾床に噴霧して、既に処理液から濾別された粒子状不純物を濾床から逆洗し、次いで、粒子で汚染された逆洗処理液をフィルターチャンバーから排出して、その後、粒子で汚染された処理液のフィルターチャンバーへの供給を再開して、更なる濾過サイクルを開始する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
超−浮揚性濾床がフィルターチャンバーの入口ポート付近の所定のレベルまで移動した後、きれいな不純物を含まない処理液の濾床へのスプレーを開始して、濾床の逆洗を自動的に開始する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
所定の比重を有する処理液から粒子状物質を除去する液体濾過装置であって、
a)粒子を含む処理液のソース;
b)粒子を含む処理液を受け入れるための入口ポート、および濾別された処理液を放出するための出口ポートを有するフィルターチャンバー;
c)処理液の所定の比重の2分の1よりも小さい比重を有する、個々の超−浮揚性濾過粒子によって形成された、フィルターチャンバー内の複合濾床;
d)粒子を含む処理液をそのソースからフィルターチャンバーに送り、複合超−浮揚性濾床を通過させて、処理液から粒子状物質を分離し、濾別された処理液をフィルターチャンバーの出口ポートを通って排出する手段;ならびに
e)不純物を含まない処理液として再利用するために、濾別された処理液をフィルターチャンバーから送るための出口ポートに通ずる手段
を含んで成る装置。
【請求項22】
濾別された処理液をフィルターチャンバーから選択的に受け入れる入口ポート、および複合濾床を逆洗して該床から粒子状物質を除去するために、濾別された処理液をフィルターチャンバーに選択的に供給する出口ポートを有する貯蔵器が備えられている、請求項21に記載の液体濾過装置。
【請求項23】
フィルターチャンバーの入口ポートに接続されている貯蔵器が備えられていて、粒子で汚染された処理液を選択的に集め、続いて、複合濾床を逆洗して粒子状物質を除去する、請求項22に記載の液体濾過装置。
【請求項24】
粒子で汚染された処理液のフィルターチャンバーへの送液およびフィルターチャンバーからの送液を制御し、また、濾別された処理液のフィルターチャンバーからの排出を制御する、選択的に操作できる制御手段を有する、請求項21に記載の液体濾過装置。
【請求項25】
超−浮揚性濾床粒子がフィルターチャンバーから排出されるのを防ぐ手段が、フィルターチャンバーに備わっている、請求項21に記載の液体濾過装置。
【請求項26】
通常閉のベントチューブが、フィルターチャンバーに備えられていて、該チューブは、フィルターチャンバーの内部と周辺雰囲気とを連絡し、そして、該チューブは、粒子で汚染された処理液をフィルターチャンバーから排出する際に選択的に開かれ、続いて複合濾床を逆洗して、汚染している粒子状物質を濾床から除去する、請求項21に記載の液体濾過装置。
【請求項27】
少なくとも1つの逆洗スプレーヘッドがフィルターチャンバーに備えられていて、
濾別された処理液をフィルターチャンバーから少なくとも1つの逆洗スプレーヘッドに送るために、フィルターチャンバーの出口ポートに少なくとも1つの逆洗スプレーヘッドを接続する手段、ならびに、
フィルターチャンバーに少なくとも1つの逆洗スプレーヘッドを接続する該手段に挿入されていて、超−浮揚性濾床が粒子状物質によって塞がれて、濾別された処理液の流量が選択した所定の流量よりも下がる際、濾別された処理液の、少なくとも1つのスプレーヘッドへの輸送を開始させるよう選択的に操作できる手段
が備えられていて、これにより、濾床を逆洗して濾床から粒子状物質を除去する、請求項21に記載の液体濾過装置。
【請求項28】
フィルターチャンバーからの減少した流量に応答する手段は、流量を測定するセンサー、複数の電磁操作弁、濾別された処理液の貯蔵器、ポンプ、ならびに該センサー、バルブおよびポンプを相互接続する電子制御システムを含む、請求項27に記載の液体濾過装置。
【請求項29】
2つのフィルターチャンバーが、並列フローの濾過システム構成で接続されて備えられている、請求項21に記載の液体濾過装置。
【請求項30】
1つのフィルターチャンバーの濾床を逆洗する間、他のフィルターチャンバーの濾過操作を維持するように操作できる制御手段が備えられていて、これにより、粒子で汚染された処理液を中断することなく連続して濾別することができる、請求項29に記載の液体濾過装置。
【請求項31】
2つのフィルターチャンバーは、並列フローの濾過システム構成で接続されて備えられていて、電子制御システムは、センサーをモニターし、また、2つのフィルターチャンバー装置の操作に要する全てのポンプおよびバルブを、時宜を得た方法で「オン」および「オフ」にするように操作できる内蔵マイクロプロセッサーを含んで成る、請求項28に記載の液体濾過装置。
【請求項32】
2つのフィルターチャンバーは、直列フローの濾過システム構成で接続されて備えられていて、最初のフィルターチャンバーが第1フィルターチャンバーであり、2つ目のフィルターチャンバーが第2フィルターチャンバーである、請求項21に記載の液体濾過装置。
【請求項33】
2つのチャンバーにある複合濾床の逆洗を実施するように、第1フィルターチャンバーの出口ポートは、第2フィルターチャンバーの入口ポートに接続されていて、第2フィルターチャンバーの出口ポートは、濾別された処理液を第1および第2チャンバーに送るように選択的に接続されていて、そして、直列フローのフィルターチャンバーを相互接続する電子制御システムが備えられており、これにより、直列に接続されているフィルターハウジング内の濾床は、第1フィルターチャンバーを通過する処理液から粗い粒子状物質を濾別する寸法の粒子で構成することができ、また、第2フィルターチャンバーに入ることができる、より細かい粒子状物質を濾別する寸法の粒子で構成することができ、このようにして、液体濾過装置によって除去する不純物としての粒子状物質の総量を最大限にする、請求項32に記載の液体濾過装置。
【請求項34】
水酸イオンを生成するUV反応器が、第1および第2フィルターチャンバーの間に挿入されていて、第1フィルターチャンバーから排出される濾別された処理液が、UV反応器を通って流れて、高フラックスのUV放射線にさらされること(処理液中のイオン化金属と結合する水酸イオンの処理液中での生成をもたらす)により、不溶性の沈殿粒子(第2フィルターチャンバーに流入して複合超−浮揚性濾床によって捕らえられ、第2フィルターチャンバーを通って流れる処理液から濾別される)を生成する、請求項33に記載の液体濾過装置。
【請求項35】
複合超−浮揚性濾床粒子は、プラスチック、ガラスおよびセラミックから成る群から選択し、0.1ミクロン〜25.4mmの範囲内の特定の寸法であるように選択する、請求項21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33および34のいずれかに記載の液体濾過装置。
【請求項36】
各フィルターチャンバーは、垂直軸について対称であり、入口ポートおよび出口ポートは垂直軸に一致し、複合超−浮揚性濾床は、始めは、フィルターチャンバーの入口ポート付近に収容されており、入口ポートを通ってチャンバーに入る処理液によって、出口ポート付近まで上向きに浮揚して処理液に浮かび、複合濾床の逆洗に備えてフィルターチャンバーから処理液を排出する際に下方で処理液の表面に浮き、その後、逆洗サイクルの間に上向きに浮揚する、請求項21、29または32に記載の液体濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−533429(P2007−533429A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533828(P2006−533828)
【出願日】平成16年8月2日(2004.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/022303
【国際公開番号】WO2006/025811
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(506039922)
【氏名又は名称原語表記】Steven H. SCHWARTZKOPF
【Fターム(参考)】