説明

超疎水性表面を有する流体浸透性本体

第1の非平面流体浸透性本体表面を有し、かつ第2の流体浸透性本体表面を有する剛体の流体浸透性本体と;流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構とを含む装置。第1および第2の流体浸透性本体表面を有する流体浸透性本体と;流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構と;第2の流体浸透性本体表面と共に、第2の流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体とを含む装置。装置を利用してある流体である液体を処理する方法および超疎水性表面を維持する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2006年11月30日出願の「FLUID−PERMEABLE BODY HAVING A SUPER−HYDROPHOBIC SURFACE」という名称の米国特許出願第11/607,134号の優先権を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は一般に超疎水性表面を有する構造体、およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
疎水性構造体は、水などの高い表面張力の液体をはじくそれらの能力で知られている。隙間によって間隔があけられかつ基板上に互いに対して所定の位置に保持される複数の高くされた機構を含むいくつかの疎水性構造体が作られてきている。これらの高くされた機構は、ポスト、刃、スパイクおよびリッジを含む様々な形状の形態を取ることができる。十分に高い表面張力を有する液体がそのような疎水性構造体の表面と接触するとき、この液体は、液体が隙間内に直ちに浸透しないように、十分に高い局所的な接触角で疎水性構造体の表面との界面を形成することができる。そしてそのような表面は「超疎水性」と表現される。
【0004】
これらの開発にも関わらず、高くされた機構上に形成される超疎水性表面はしばしば、液体によってこの高くされた機構に加えられる低い圧力を維持し、超疎水性はじき力の破壊および表面を貫通し高くされた機構間の隙間内への液体の結果としての浸透を遅らせるために、念入りな注意を必要とする。そのような低圧が必要になることによって、流体が表面上を流れる必要がある環境へのそのような超疎水性表面の使用が、そのような流れは表面上にかなりの圧力を発生させる可能性があるので、妨げられる可能性がある。さらに、超疎水性表面挙動は、限られた範囲の最終使用用途に対してしか調査されてきていない。そのような最終使用の拡大は、液体を取り扱う新たな方法を促進させる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第11/607,134号
【特許文献2】米国特許第7,048,889号
【特許文献3】米国特許出願第11/387,518号
【特許文献4】米国特許出願第11/416,893号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Choi and Kim、「Large Slip of Aqueous Liquid Flow Over a Nanoengineered Superhydrophobic Surface」(Physical Review Letters、Vol.96、066001−1〜066001−4頁(American Physical Society 2006年2月17日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、超疎水性表面挙動の開発を実現可能にする新しい型式の超疎水性表面構造体に対する継続的なニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一例の一実装形態では、第1の非平面流体浸透性本体表面を有しかつ第2の流体浸透性本体表面を有する剛体の流体浸透性本体と;第1および第2の流体浸透性本体表面両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を各々が有する、流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構とを含む装置が提供される。
【0009】
一例の別の実装形態として、第1および第2の流体浸透性本体表面を有する流体浸透性本体と;第1および第2の流体浸透性本体表面両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を各々が有する、流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構と;第2の流体浸透性本体表面と共に、第2の流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体とを含む装置が提供される。
【0010】
一例のさらなる実装形態では、第1の流体封じ込め構造体を含みかつ第1および第2の流体浸透性本体表面を有する流体浸透性本体と;第1および第2の流体浸透性本体表面両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を各々が有する、流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構と;第2の流体浸透性本体表面と共に、第2の流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体とを含む装置を準備するステップと:第1の液体を第1の流体封じ込め構造体内に導入し、かつ流体を第2の流体封じ込め構造体内に導入し、それによって流体浸透性本体を介して第1の液体と流体の間に相互作用が起きるのを可能にするステップとを含む、ある流体である液体を処理する方法が提供される。
【0011】
一例のさらに別の実装形態として、第1の流体封じ込め構造体を含みかつ第1および第2の流体浸透性本体表面を有する流体浸透性本体と;第1および第2の流体浸透性本体表面両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を各々が有する、流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構と;第2の流体浸透性本体表面と共に、第2の流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体とを含む装置を準備するステップと:液体を第1の流体封じ込め構造体内に導入し、ガス流体を第2の流体封じ込め構造体内に導入し、かつ第1の流体封じ込め構造体内の圧力を、第2の流体封じ込め構造体内の圧力に対して、選択された範囲内に維持するステップとを含む、超疎水性表面を維持する方法が提供される。
【0012】
本発明の他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図および詳細な説明を検討することで当業者に明らかであり、かつ明らかになるであろう。全てのそのような追加のシステム、方法、特徴および利点は、この説明内に含まれ、本発明の範囲内であり、かつ添付の特許請求の範囲によって保護されるべきものとする。
【0013】
本発明は、以下の図を参照してより良く理解することができる。図内の構成部品は必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに本発明の原理を説明することに強調が置かれている。さらに図で、同様な参照番号は異なる図全体を通して対応する部品を指示する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の流体浸透性本体表面、および第1の流体浸透性本体表面上に複数の高くされた微小規模の機構を有する流体浸透性本体を含む装置の一例を示す上面図である。
【図2】図1の装置を示す、線2−2に沿った部分横断面側面図である。
【図3】図1および2の装置を示す、線3−3に沿った横断面底面図である。
【図4】導管を含みかつ第1の流体浸透性本体表面、および第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構を有する流体浸透性本体を含む装置の一例を示す斜視図である。
【図5】図4の装置を示す、線5−5に沿った横断面側面図である。
【図6】空洞を含みかつ第1の流体浸透性本体表面、および第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構を有する流体浸透性本体を含む装置の一例を示す斜視図である。
【図7】図6の装置を示す、線7−7に沿った横断面側面図である。
【図8】導管を有する複数の装置、または空洞を有する複数の装置、または導管を有する装置と空洞を有する装置を含む複数の装置のいずれかを含むように選択された装置の一例の横断面図である。
【図9】図1〜8に示すような装置を製造するための方法の一例を示す流れ図である。
【図10】図9の方法による製造中の図4〜5に示すような装置の一例を示す斜視図である。
【図11】ある流体である液体を処理する方法の一実施態様を示す流れ図である。
【図12】超疎水性表面を維持する方法の一実施態様を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1および第2の流体浸透性本体表面を有する流体浸透性本体と;各々が第1および第2の流体浸透性本体表面両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を有する、流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構とを含む装置が提供される。一例では、複数の高くされた微小規模の機構の各々は、超疎水性表面を形成する端部を含むことができ、この高くされた微小規模の機構は、第1の流体浸透性本体表面からある距離のところに間隔をあけて配置される。別の例として流体浸透性本体は、流体浸透性導管または流体浸透性空洞を含むことができる。さらなる例としてこの装置は、第2の流体浸透性本体表面と共に流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体を含むことができる。
【0016】
図1は、第1の流体浸透性本体表面104、および第1の流体浸透性本体表面104上の複数の高くされた微小規模の機構106とを含む流体浸透性本体102を含む装置100の一例を示す上面図である。図2は、図1の装置100を示す、線2−2に沿った部分横断面側面図である。図3は、図1および2の装置100を示す、線3−3に沿った横断面底面図である。流体浸透性本体102は、図1に示すような第1の流体浸透性本体表面104に加え図2に示すような第2の流体浸透性本体表面108を含む。図2は、流体浸透性本体102のギザギザのある端部103、105によって示すような、装置100の部分図を示す。
【0017】
一例では、複数の高くされた微小規模の機構106の各々は、第1の流体浸透性本体表面104からある距離112の間隔があけられ、超疎水性表面114を形成する端部110を含むことができる。別の例として、装置100は、第2の流体浸透性本体表面108上の複数の高くされた微小規模の機構116を含むことができる。さらなる例では、複数の高くされた微小規模の機構116の各々は、第2の流体浸透性本体表面108からある距離120の間隔があけられ、超疎水性表面121を形成する端部118を含むことができる。複数の高くされた微小規模の機構106は、一例として、流体浸透性本体102とモノリシックであり得る。同様に、複数の高くされた微小規模の機構116は、一例として、流体浸透性本体102とモノリシックであり得る。この明細書を通して、用語「モノリシック」は、高くされた微小規模の機構106、116および流体浸透性本体102などのそのように記載される装置要素が、同じ材料の単一の、一体の本体であることを意味する。装置100も同様に、複数のモノリシック区画(図示せず)から組み立てることができることを理解されたい。
【0018】
流体浸透性本体102は、複数の流体浸透性セル122を含む。複数の流体浸透性セル122の各々は、それぞれ第1の流体浸透性本体表面104および第2の流体浸透性本体表面108内の開口部128、130と連通する流体通路126を画成するセル壁124を含む。一例として、複数の流体通路126は、流体が第1と第2の流体浸透性本体表面104、108の間を拡散で単に通過するのではなく、第1の流体浸透性本体表面104と第2の流体浸透性本体表面108との間を浸透できるように十分に大きくすることができる。一例では、流体通路126の横断面125は、約0.1ミリメートルと約50ミリメートルの間の範囲内の平均直径を有することができる。別の例として、流体通路126の横断面125は、約5ミリメートルと約10ミリメートルの間の範囲内の平均直径を有することができる。追加の例では、流体通路126の横断面125は、約0.5ミリメートルと約3ミリメートルの間の範囲内の平均直径を有することができる。
【0019】
一例では、流体浸透性本体102は、約0.1ミリメートルと約50ミリメートルの間の範囲内の、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108の間の厚さ119を有することができる。別の例として、流体浸透性本体102は、約1ミリメートルの第1および第2の流体浸透性本体表面104および108の間の厚さ119を有することができる。
【0020】
この明細書を通じて使用されるとき用語「流体」は、流れることができる状態の物質を意味しかつ含む。「流体」は、例として、ガス、液体、またはガスと液体であることができ、かつその上「流体」が流れることができることを条件でとして、固体を含むことができる。
【0021】
この流体が液体を含む場合の一例として、この超疎水性表面114は、高くされた微小規模機構106の両端部110に加えられる選択された流体圧力で、液体が直ちにこの超疎水性表面114を貫通するのを防止することができる。一例では、この流体浸透性本体102は、各々が第1の流体浸透性本体表面104と連通する単一の第1の流体浸透性本体表面開口部128を有し、かつ第2の流体浸透性本体表面108と連通する単一の第2の流体浸透性本体表面開口部130を有する複数の複数の流体浸透性セル122を含むことができる。さらなる例(図示せず)では、複数の流体通路126、または各流体通路126は、第1および第2の流体浸透性本体表面104、108内の開口部128、130を共に間接的に接続することができる。一例(図示せず)として、開口部128は流体通路126を介して2つ以上の開口部130と連通することができ、あるいは開口部130は流体通路126を介して2つ以上の開口部128と連通することができる。第1の流体浸透性本体表面104内の開口部128と第2の流体浸透性本体表面108内の開口部130との間の流体通路126は、一例として、図2に示すように直線であることができる。別の例(図示せず)として、この流体浸透性本体102は、直線でない流体通路126を含むことができる。例として、流体浸透性本体102は、曲がった、枝分かれする、または流体通路126が連通する開口部128、130に隣接するような表面の面(図示せず)に対して垂直なあるいは垂直でない1つまたは複数の角度で第1と第2の流体浸透性本体表面104と108との間を通過する流体通路126を含むことができる。
【0022】
一例では、流体浸透性本体102内の複数のセル壁124はそれぞれ、第1の流体浸透性本体表面104の一部をなす、または第2の流体浸透性本体表面108の一部をなすリッジ132を含むことができる。別の例として、この装置100は、各々がリッジ132の上に位置決めされている複数の高くされた微小規模の機構106を含むことができる。
【0023】
例として、第1の流体浸透性本体表面104内の開口部128は、選択された開口部形状を有することができ、第1の流体浸透性本体表面104内の第1のアレー内に互いに対して位置決めすることができる。図1は、六角形の形状を有する第1の流体浸透性本体表面開口部128を形成するセル壁124を有する流体浸透性セル122の第1のアレーの一例を示し、この開口部128は、第1の流体浸透性本体表面104内でハニカムの第1のアレー内に配置される。別の例として、このセル壁124は隣接する流体浸透性セル122の間で選択された厚さ134を有することができ、複数の第1の流体浸透性本体表面開口部128は、第1の流体浸透性本体表面104内でのそのような開口部128の密度を最大にするために、選択された厚さ134を有するセル壁124によってのみ第1の流体浸透性本体表面104内で分離することができる。一例として、セル壁124の選択された厚さ134は、約1ミリメートルであり得る。例として、セル壁124の選択された厚さ134は、約0.05ミリメートルと約5ミリメートルの間の範囲内であり得る。さらなる例(図示せず)では、第1の流体浸透性本体表面104内の開口部128は、図1に示すものと異なる第1のアレーを形成することができる。例として、第1の流体浸透性本体表面開口部128の他の形状を利用することができる。例では、第1の流体浸透性本体表面開口部128の以下の形状の1つまたは複数を選択することができる:三角形、正方形、長方形、五角形、台形、七角形、多角形、円形、楕円形、および不規則形。さらなる例として、第1の流体浸透性本体表面開口部128の形状は:選択された形状もしくは複数の形状の2つ以上のサイズまたは段階的なサイズ、あるいは第1の流体浸透性本体表面104内の様々な選択された位置または区域のところに含めるための異なる選択された形状を含むように選択することができる。追加の例として、第2の流体浸透性本体表面108内の開口部130は、同じ方法で選択された形状を有することができ、かつ開口部128に対して論じたのと同じ方法で選択された、第2の流体浸透性本体表面108内のアレー内に位置決めすることができる。図3は、六角形の形状を有する第2の流体浸透性本体表面開口部130を形成するセル壁124を有する流体浸透性セル122の第1のアレーの一例を示し、この開口部130は、第1の流体浸透性本体表面104に関して図1に示す第1のアレーに対して選択することができるものと同じハニカムの第1のアレー内に配置される。別の例(図示せず)では、正方形の形状(図示せず)を有する第1および第2の流体浸透性本体表面開口部128、130を形成するセル壁124を有する流体浸透性セル122の第1のアレーは、正方形網目の第1のアレー内に配置される開口部128、130を含むことができる。
【0024】
一例として、装置100は、第1の流体浸透性本体表面104上の第2のアレー内に位置決めされる複数の高くされた微小規模の機構106を含むことができ、この第2のアレーは第1のアレーとは異なる。図1は、流体浸透性セル122のセル壁124のリッジ132上に位置決めされる複数の高くされた微小規模の機構106を含む第2のアレーの一例を示し、この高くされた微小規模の機構106は第1の流体浸透性本体表面104内の第1のアレー内に配置されている。一例では、複数の高くされた微小規模の機構106は、セル壁124によって画成される流体浸透性セル122の間の頂点136のところに位置決めすることができる。図1に示す例では、複数の高くされた微小規模の機構106は、六角形の形状を有し、上記で論じたように第1の流体浸透性本体表面104内の第1のアレー内に配置されている流体浸透性セル122の間の頂点136のところに配置することができる。したがって、この高くされた微小規模の機構106は、図1に示すように第1のアレーとは異なる、第1の流体浸透性本体表面104上の第2のアレー内に配置することができる。このようにすると、一例として、高くされた微小規模の機構106および第1の流体浸透性本体表面開口部128は、互いの干渉なしに第1の流体浸透性本体表面104上のそのような第2および第1のアレー内に位置決めすることができる。
【0025】
一例では、第1の流体浸透性本体表面104および第2の流体浸透性本体表面108は両方とも平面の表面を含むことができる。この明細書を通して、用語「平面の」は、説明される表面が全体的にまたは実質的に平面であるが必ずしも完全に平面でないことを意味する。別の例として、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108は同一平面上にあり得る。別の例では、この第1および第2の流体浸透性本体表面104および108は、両方とも非平面であるか、または各々が平面であるが同一平面になくてもよい。一例(図示せず)では、第1の流体浸透性本体表面104は、半円筒状または円筒状表面などの非平面表面を含むことができる。別の例として、流体浸透性本体102は、その形状を維持するのに適した剛体構造を有することができる。さらなる例では、この第1の流体浸透性本体表面104は、半円筒状または円筒状表面などの剛体の非平面表面を含むことができる。例として、流体浸透性本体102の一部分または全体が第1の流体封じ込め構造体138を形成することができる。さらに以下で論じる例では、流体浸透性本体102は導管または空洞を含む第1の流体封じ込め構造体138を形成することができる。この明細書を通して、用語「導管」は、流体を1つの点から別の点に運搬するのに利用することができる内部区域を含む構造体を意味する。この明細書を通して、用語「空洞」は、中空の内部区域を含む構造体を意味する。一例として、第1の流体浸透性本体表面104は、導管の内部区域または空洞の内部区域を形成することができる。別の例では、流体浸透性本体102の一部分または全体は、筒状の導管または筒状の空洞などの、筒状の第1の流体封じ込め構造体138を形成することができる。例として、そのような筒状の第1の流体封じ込め構造体138は、円形、楕円形、正方形、長方形、多角形もしくは不規則形である、流体を運搬する方向に対して横断方向に画成される導管の筒状の横断面、または空洞からの出口の方向に対し横断方向に画成される筒状横断面を有することができる。
【0026】
一例では、装置100は、流体封じ込め本体140を含むことができる。別の例として、この流体封じ込め本体140は、第2の流体浸透性本体表面108と共に、第2の流体封じ込め構造体142を形成することができる。第2の流体浸透性本体表面108が平面である一例では、この第2の流体封じ込め構造体142は、長方形のプリズム状のまたは立方体形状を一般に有する空間を占有することができる。流体浸透性本体102が、筒状導管または筒状空洞などの筒状の第1の流体封じ込め構造体138を形成できる例では、第2の流体封じ込め構造体142は、筒状の第1の流体封じ込め構造体138を取り囲む空間を占有することができ、一般に環状の形状を有する。別の例として、装置100は、流体浸透性本体102を流体封じ込め本体140と結合させる支持部材144を含むことができる。この支持部材144は、一例として、流体浸透性本体102を流体封じ込め本体140に対して選択された位置に維持することができる。一例(図示せず)では、装置100は、流体浸透性本体102を流体封じ込め本体140と結合させる複数の支持部材144を含むことができる。
【0027】
一例として、装置100は、第1の流体封じ込め構造体138および第2の流体封じ込め構造体142を含むことができ、この第2の流体封じ込め構造体142は、流体圧力封じ込めチャンバになるように選択することができる。別の例では、第1および第2の流体封じ込め構造体138および142のうちのいずれかまたは両方は、流体の投入および排出用の1つまたは複数の接続金具を含むことができる。一例として、第1の流体封じ込め構造体138は、流体の投入用の接続金具146および流体の排出用の接続金具148を含むことができる。さらなる例では、第2の流体封じ込め構造体142は、流体の投入用の接続金具150および流体の排出用の接続金具152を含むことができる。これらの接続金具146〜152は、例えば、開口部または弁を含むことができる。別の例では、第1および第2の流体封じ込め構造体138および142のうちのいずれかまたは両方は、1つまたは複数の流体圧力ゲージ154および156をそれぞれ含むことができる。例では、図に示されかつこの明細書で論じられる装置100の任意のまたは全ての要素は剛体であってもよく、装置100の利用でそれらの形状を維持する能力があり得る。第1および第2の流体封じ込め構造体138および142を含み、第2の流体封じ込め構造体142が流体圧力封じ込めチャンバになるように選択される装置100の、一例としての動作では、第2の流体封じ込め構造体142内の流体圧力は、増大した流体圧力を第1の流体封じ込め構造体138内で利用できるようにすることができる。第1の流体封じ込め構造体138内の流体圧力は、一例として、第1の流体封じ込め構造体138内に流れ込むかまたはそこを通る流体の流れから結果として生じる圧力を含むことができる。別の例(図示せず)では、装置100は、流体を装置100内で搬送し、装置100内に投入し、かつそこから外に出すための導管を含むことができる。さらなる例(図示せず)として、装置100は、装置100の構造的および動作的完全性を維持するための周囲壁および追加の支持部材を含むことができる。
【0028】
第1の流体封じ込め構造体138内の流体が液体を含む場合の一例として、第1の流体封じ込め構造体138内で徐々に増大する流体圧力が最終的に超疎水性表面114内の破壊を引き起こす可能性がある。超疎水性表面114内のそのような破壊の発生後、液体は第1の流体封じ込め構造体138から流体浸透性セル122を通り第2の流体封じ込め構造体142内に浸透することができる。第2の流体封じ込め構造体142が流体圧力封じ込めチャンバになるように選択される一例では、第2の流体封じ込め構造体142内の流体圧力は、第1の流体封じ込め構造体138内の液体圧力に対抗するように、接続金具150、152を通る流体の投入および排出を制御し、流体圧力ゲージ156でこの圧力を監視することによって上向きに調節することができる。一例として、第1と第2の流体封じ込め構造体138および142内の流体圧力をバランスさせることによって、第1の流体封じ込め構造体138内の液体の上昇した流体圧力にも関わらず超疎水性表面114を維持することができる。
【0029】
一例で、高くされた微小規模の機構106の端部110によって集合的に形成されている超疎水性表面114によって支持することができる最大流体圧力は、高くされた微小規模の機構106の端部から端部までの分離距離158または「ピッチ」を短くすることによって増大させることができる。別の例として、後で論じる3D印刷方法を装置100の製造に利用することができる。その場合、さらなる例で、高くされた微小規模の機構106の端部110間の分離158をそのように短縮するために、相対的により高い解像度を3D印刷方法で選択することができる。一例(図示せず)として、そのような短縮は、高くされた微小規模の機構106、116の省略および第1および第2の流体浸透性本体表面104、108の超疎水性表面としての利用を容易にする可能性がある。
【0030】
一例として、空気を含む基底構造体を有する超疎水性表面114によって支持することができる最大液体圧力は、一般に以下の等式で記載することができる。
【0031】
【数1】

上式でbは高くされた微小規模の機構106の高さ112、dは高くされた微小規模の機構106の端部110間の距離158、およびΔP=メガパスカル(「MPa」)で表される空気の圧力を上回る液体の圧力Pである。さらに、等式内のθは、液体と高くされた微小規模の機構106の端部110との間の進み接触角である。その上、等式内のαは、第1の流体浸透性本体表面104と端部110との間の、高くされた微小規模の機構106の横表面が第1の流体浸透性本体表面104に対して直角な線からそれる平均角度である。同様に、等式内で、σは液体−空気界面の表面張力である。一例として、液体が水の場合は、摂氏20度(「℃」)でσ=0.0727ニュートン毎メートル(N/m)、約1大気圧でΔPは0.1MPa、かつ(θ−α)は120°である。したがって、ピッチ距離d(158)は、約1マイクロメートルより小さくなければならず、高くされた微小規模の機構(106)の高さb(112)は、約0.4マイクロメートルより大きくなければならない。別の例として、上記の等式は、超疎水性表面114によって支持することができる最大液体圧力は、高くされた微小規模の機構106の直径160に逆比例することも一般に示す。上記の公式は、Choi and Kim、「Large Slip of Aqueous Liquid Flow Over a Nanoengineered Superhydrophobic Surface」、Physical Review Letters、Vol.96、066001−1〜066001−4頁(American Physical Society 2006年2月17日)に開示されており、その全体は参照により本明細書に組み込まれている。
【0032】
別の一般的な例として、流体浸透性セルを含まない固体本体表面(図示せず)によって支持される高くされた微小規模の機構106の端部110上に形成される超疎水性表面114は、200ミクロンの端部から端部までの距離158または「ピッチ」で平方インチ当たり約0.07ポンド(「psi」)に等価な約0.0005MPaまでの液体圧力を支持する能力が一般にあり得る。別の例(図示せず)で、そのような固体本体表面によって支持される高くされた微小規模の機構106は、その固体本体表面上にピラミッド基部を伴うピラミッド形状を有するように選択することができる。その例では、超疎水性表面114は、約50〜100%まで相対的に増大する最大液体圧力を支持する能力があり得る。さらなる例で、流体浸透性セルを含まず、かつ2ミクロンの端部から端部までの距離158または「ピッチ」を有する固体本体表面によって支持される高くされた微小規模の機構106の端部上に超疎水性表面114を形成することができる場合は、この超疎水性表面114は、約7.4psiに等価な約0.05MPaまでの液体圧力を支持する能力が理論的にあるであろう。
【0033】
別の例で、上記の等式は、高くされた微小規模の機構106の所与の直径160に対して、超疎水性表面114によって維持できる最大液体圧力は、高くされた微小規模の機構106を支持する本体表面の全域でのΔPが一定に維持できるように超疎水性表面114
の下の空気圧力も増大する場合は、増大させることができることを示している。
【0034】
一例として、超疎水性表面114の下の空気を含む閉じられた空間を、選択された圧力下で空気を維持できるように設けることができ、この選択される圧力は一例で高めることができる。一例で、この空気圧力は、空気の泡が液体内に導入されるかまたは不安定な液体/空気界面を作り出すのを避けるために、超疎水性表面114上の液体の圧力より低くなるように制御することができる。別の例として、この空気圧力は、超疎水性表面114が損なわれないままであり得るように、上記の等式でΔPに対して指示される値より大きくなるように制御することができる。追加の一例として、第2の流体封じ込め構造体142内の空気圧力は、高圧を含め任意の選択された値まで増大させることができ、第1の流体封じ込め構造体138内の液体圧力が対応する高圧で維持されるのを可能にする。さらなる例で、この高くされた微小規模の機構106は、相対的に小さな端部から端部までの距離158を有するようにさらに選択することができ、それによって対応してより大きな最大ΔPが可能になり、結果としてその中に超疎水性表面114が維持され得るより大きなΔP動作ウィンドウになる。さらなる別の例として、ΔP動作ウィンドウ内で選択される値で空気圧力を制御することは、第1の流体封じ込め構造体138内のガス泡の形成を減少させるかもしくは無くし、または取り除きまたはさらなる処理のために、流体通路126を通り第2の流体封じ込め構造体142に到達するそれらの通過を容易にすることができる。そのようなガス泡は、一例として、第1の流体封じ込め構造体138内で生じ、第1の流体浸透性本体表面104に付着する可能性がある。第1の流体浸透性本体表面104に付着したガス泡は、一例として、流体流れに対する妨害物を作り出し、第1の流体封じ込め構造体138内の流体流れの圧力降下の原因となる。
【0035】
一例で、導管を含む第1の流体封じ込め構造体138、および流体封じ込めチャンバになるように選択される第2の流体封じ込め構造体142を装備する装置100は、超疎水性表面114を維持しながら高められた圧力で導管を通る液体を含む流体の流れを容易にすることができる。そのような高められた圧力は、一例として、液体を含む流体の高処理量流れ中、あるいは第1の流体封じ込め構造体138内に含まれる導管を通る液体を含む高粘度流体の流れ中に起きる可能性がある。装置100は、高くされた微小規模の機構106、または116、または106と116の両方を含むことができることを理解されたい。一例で、第1の流体封じ込め構造体138内へ導入するための流体および第2の流体封じ込め構造体142内へ導入するための流体は、独立で選択することができる。
【0036】
別の例として、第1の流体封じ込め構造体138内へ導入するための流体は液体を含むことができ、第2の流体封じ込め構造体142内へ導入するための流体は、ガスまたは液体を含むことができる。一例で、高くされた微小規模の機構106の端部110と接触している表面周囲部分を除き、液体の全表面周囲(図示せず)は、流体浸透性本体102を介して、第2の流体封じ込め構造体142内の流体と極めて近接して配置することができる。第1の流体封じ込め構造体138内に導入するための流体が液体を含み、第2の流体封じ込め構造体142内に導入するための流体がガスを含む場合は、装置100は、このガスの選択された圧力によって液体の上昇した圧力と対抗することによって、超疎水性表面114を危うくすることなしに、第1の流体封じ込め構造体138内の液体の流体流れを上昇した圧力に維持するように利用することができる。さらなる例として、このガスの選択された圧力は、このガスの液体内への移動、流れ、拡散または溶解、あるいはガスの液体との反応を促進させることができる。第1の流体封じ込め構造体138内に導入するための流体が液体を含み、第2の流体封じ込め構造体142内に導入するための流体も液体を含む場合は、この装置100は、第1と第2の流体封じ込め構造体138および142内の液体間の相互作用を促進させるために利用することができる。一例として、第1の流体封じ込め構造体138内の、または第2の流体封じ込め構造体142内の液体内の分子は、それぞれ第2の流体封じ込め構造体142内の液体または第1の流体封じ込め構造体138内の液体まで移動し、流れまたは拡散し、あるいはその液体と相互作用することができる。例では、そのような移動、流れまたは拡散は、一例として液体の蒸気圧によって生じる場合がある。さらなる例では、超疎水性表面114、121は危うくされ、次いでそれらの反応または混合などの、液体間の直接的な相互作用が可能になる可能性がある。超疎水性表面114、121がそのように危うくなることは、例として、上昇した圧力または超疎水性表面114、121によって支持不可能な他の状態の外部からの付加または内部発生によって生じる可能性がある。
【0037】
一例として、この装置100は、酸素を血液に供給し二酸化炭素を血液から取り除くことができるように、血液を含む流体を第1の流体封じ込め構造体138に導入し、酸素を含有する流体を第2の流体封じ込め構造体142内に導入することによって、血液に酸素を送り込むために利用することができる。別の例で、この装置100は、反応が流体浸透性本体102の全体にわたって、または超疎水性表面114のところで起きるように、ある液体を含む流体を第1の流体封じ込め構造体138内に導入し、その液体と反応するための流体を第2の流体封じ込め構造体142内に導入することによって、化学品製造に利用することができる。その場合、反応のための流体は増加した速度で互いの接触を行うことができ、かつ増加した速度で第1および第2の流体封じ込め構造体138、142内を流れるようにさせることができ、それが反応速度の増大を促進させることができる。さらなる例として、この装置100は、医療治療装置内の血液の流れなどの、第1の流体封じ込め構造体138内の液体の流れ速度の増大を促進するために利用することができる。別の例では、この装置100は、液体溶剤内に溶解された固体の、溶剤を除去することによる乾燥などの、第1の流体封じ込め構造体138内の液体からのガスまたは蒸気の除去を容易にするために利用することができる。追加の例として、この装置100は、第1の流体封じ込め構造体138内を流れる液体が第2の流体封じ込め構造体142内を流れる流体と相互作用するのを可能にすることによって、血液などの液体の透析に利用することができる。その場合、一例で、この装置100は、超疎水性表面114および121の両方を含むように選択することができ、次いで液体は第2の流体封じ込め構造体142内を流れるようにさせることができる。さらなる例として、この装置100は、第1の流体封じ込め構造体138内を流れる液体からの分子を運搬する蒸気が、第2の流体封じ込め構造体142内を流れる液体と接触できるようにすることによって、燃料電池内で利用することができる。
【0038】
第1および第2の流体浸透性本体表面104および108のところでそれぞれ測定される高くされた微小規模の機構106,116の平均直径160は、(本明細書を通して「微小規模」と呼ばれる)約1,000マイクロメートルより小さい。一例として、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108のところでそれぞれ測定される高くされた微小規模の機構106、116の平均直径160は、約400マクロメートルより小さくてもよい。一例で、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108のところでそれぞれ測定される高くされた微小規模の機構106、116の平均直径160は、約50マイクロメートルより大きくてもよい。比較的小さな平均直径160を有する高くされた微小規模の機構106、116は、高くされた微小規模の機構上の流体の流れに対して比較的低い抵抗を生じ得る。別の例として、高くされた微小規模の機構106、116は、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108のところで約0.24ミリメートルの直径と、端部110、118のところで約0.15ミリメートルの直径とを有することができる。
【0039】
一例で、高くされた微小規模の機構106、116の平均長さ112、120は、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108上で約10ミリメートル(「mm」)より短く、かつそれぞれそこから離れて延びることができる。さらなる例で、高くされた微小規模の機構106、116の平均長さ112、120は、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108上で約2ミリメートルより短く、かつそれぞれそこから離れて延びることができる。追加の例として、高くされた微小規模の機構106、116の平均長さ112、120は、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108上で約10ミリメートルより長く、かつそれぞれそこから離れて延びることができる。別の例では、高くされた微小規模の機構106、116の平均長さ112、120は、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108上で約16マイクロメートルより長く、かつそれぞれそこから離れて延びることができる。別の例として、高くされた微小規模の機構106、116の平均長さ112、120は、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108上で約1,000マイクロメートルと約2,000マイクロメートルの間の範囲内にあり、かつそれぞれそこから離れて延びることができる。さらなる例として、高くされた微小規模の機構106、116の平均長さ112、120は、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108上で約600マイクロメートルと約700マイクロメートルの間の範囲内にあり、かつそれぞれそこから離れて延びることができる。
【0040】
一例で、第1の流体浸透性本体表面104は、高くされた微小規模の機構106の端部110によって形成される超疎水性表面114によって実質的に覆われることができる。別の例では、第2の流体浸透性本体表面108は、高くされた微小規模の機構116の端部118によって形成される超疎水性表面121によって実質的に覆われることができる。「実質的に覆われる」ことによって、高くされた微小規模の機構106、116の端部110および118が集合的に超疎水性挙動を示すように、高くされた微小規模の機構106、116が第1および第2の流体浸透性本体表面104および108上でそれぞれ十分な密度を有して間隔をあけられていることを意味する。本明細書を通して使用される用語「超疎水性」は、高くされた微小規模の機構106、116の主題のパターンが約センチメートル当たり70ダイン(「d/cm」)より大きな表面張力を有する液体によって直ちに濡らされることがなく、かつ約28d/cmより大きな表面張力を有する液体によって直ちに濡らされ得ないことを意味する。一例として、約28d/cmの表面張力を有するアルコールは、本明細書で開示される高くされた微小規模の機構の超疎水性パターンを直ちに濡らすことはできない。
【0041】
一例として、この高くされた微小規模の機構106、116は、最も近く隣接する高くされた微小規模の機構106、116間の平均間隔(「ピッチ」)が約1マイクロメートルと約1mmの間の範囲内になるように、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108の上にそれぞれ、あるパターンで配置することができる。別の例で、高くされた微小規模の機構106、116は、最も近く隣接する高くされた微小規模の機構106、116間の平均ピッチが約0.2mmと約0.6mmの間の範囲内になるように第1および第2の流体浸透性本体表面104および108上に、あるパターンで配置することができる。さらなる例で、高くされた微小規模の機構106、116は、第1および第2の流体浸透性本体表面104、108上に、ランダムに間隔をあけて、均一に間隔をあけて、あるいは画定されたパターンまたは勾配で配置することができる。
【0042】
追加の例として、高くされた微小規模の機構106、116は、第1および第2の流体浸透性本体表面104および108の上にそれぞれ、六角形ユニット・セル・パターンで配置することができる。一例で、六角形ユニット・セル内の高くされた微小規模の機構106、116の外側表面間の最大ピッチは、約0.4ミリメートルであってもよく、ユニット・セル内の同じ高くされた微小規模の機構106、116の内側表面間の最小ピッチは、約0.2ミリメートルであり得る。
【0043】
この高くされた微小規模の機構106、116は、任意の横断面形状または複数の形状を有することができ、そのような横断面は、第1および第2の流体浸透性本体表面104、108の一部分に対して全体的に横断する方向に、高くされた微小規模の機構106、116を通る断面として定義される。例として、そのような横断面形状は、単独でまたは組合せで、ポスト、刃、スパイク、ピラミッド、正方形、釘およびリッジを含むことができる。適切な横断面形状は、例として米国特許第7,048,889号として2006年5月23日に発行された、「Dynamically Controllable Biological/Chemical Detectors Having Nanostructured Surfaces」という名称の米国特許出願第10/806,543号の図 1A〜Eおよび3A〜Cに示されており、それらの全体は参照により本明細書に組み込まれている。別の適切な横断面形状は、2006年3月23日出願の、「Super−Phobic Surface Structures」という名称の米国特許出願第11/387,518号に開示されており、それらの全体は参照により本明細書に組み込まれている。
【0044】
超疎水性表面114、121を形成するのに加え、この高くされた微小規模の機構106、116は、熱絶縁体として集合的に機能することもできる。一例で、この高くされた微小規模の機構106、116は、高くされた微小規模の機構106、116の長さ112、120に沿ってサイズが変わる横断面形状を有することができる。一例として、そのような変動する横断面形状は、隣接する高くされた微小規模の機構106、116の間に空隙空間を画成することができる。この空隙空間は、高くされた微小規模の機構106、116によって形成される超疎水性表面の熱絶縁体として機能するための有効性を増大させることができる。
【0045】
一例で、高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108のところで測定される約200マイクロメートル×200マイクロメートルの平均の正方形寸法を有する正方形のピラミッド形状を有することができ、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108上にあり、かつ約200マイクロメートルのピッチで、約2000マイクロメートルの平均長さ112、120だけそこから離れて延びることができる。別の例で、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108のところで測定される約200マイクロメートル×200マイクロメートルの平均の寸法を有する正方形の形状を有することができ、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108上にあり、かつ約600マイクロメートルのピッチで、約1,500マイクロメートルの平均長さ112、120だけそこから離れて延びることができる。さらなる例として、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108のところで測定される約200マイクロメートル×200マイクロメートルの平均の寸法を有する正方形の形状を有することができ、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108上にあり、約600マイクロメートルのピッチで、約1,000マイクロメートルの平均長さ112、120だけそこから離れて延びることができる。追加の例で、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108のところで測定される約200マイクロメートル×200マイクロメートルの平均の寸法を有する正方形の形状を有することができ、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108上にあり、約500マイクロメートルのピッチで、約1,500マイクロメートルの平均長さ112、120だけそこから離れて延びることができる。さらなる例として、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108のところで測定される約200マイクロメートル×200マイクロメートルの平均の寸法を有する正方形の形状を有することができ、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108上にあり、約500マイクロメートルのピッチで、約1,000マイクロメートルの平均長さ112、120だけそこから離れて延びることができる。別の例で、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108のところで測定される約200マイクロメートル×200マイクロメートルの平均の寸法を有する正方形の形状を有することができ、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108上にあり、約400マイクロメートルのピッチで、約1,000マイクロメートルの平均長さ112、120だけそこから離れて延びることができる。さらなる例として、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108のところで測定される約100マイクロメートル×200マイクロメートルの平均の寸法を有する釘状の形状を有することができ、この高くされた微小規模の機構106、116は、第1または第2の流体浸透性本体表面104、108上にあり、約400マイクロメートルのピッチで、約1,000マイクロメートルの平均長さ112、120だけそこから離れて延びることができる。
【0046】
装置100を形成するための材料は、機械的に強い固体本体を形成するのに適した選択された高分子を生み出す前駆体試薬を含むことができる。一例で、高分子材料用の前駆体は、1つには結果として得られる高分子の相対的な柔軟性または剛性に応じて選択することができる。例として、この装置100は、装置100に対する選択された最終用途に応じて剛体のまたは柔軟な高分子を含むことができる。別の例で、生体適合性高分子用の前駆体を選択することができる。一例として、ポリエチレンは生体適合性である。固体状態で適用される材料を採用する(以下で論じる)ラピッド・プロトタイプ・レイダウン方法の場合は、狭い粒子サイズ分布を有する高分子粒子を一例として選択することができる。別の例で、比較的小さな寸法を有する高くされた微小規模の機構106、116を製造できるように、比較的小さな平均粒子サイズを有する高分子粒子を選択することができる。さらに以下で論じるように、インクジェット方法または他の流体スプレー方法が装置100を形成する材料のレイダウンのために選択される場合は、この試薬は液体などの流体形態で供給することができる。
【0047】
装置100を形成するための材料は、モノマー、オリゴマー、プレポリマーおよびポリマー、ならびに硬化剤および他の重合化添加剤を含み得る。使用または形成されるべき適切なポリマーには、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびコポリマーなどのポリオレフィン;アクリル・ポリマー;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(「ABS」)ポリマー;ポリカーボネート(「PC」);PC−ABS;メチル・メタクリレート;メチル・メタクリレート−ABSコポリマー(「ABSi」);ポリフェニルスルフォン;ポリアミド;およびフッ素化エチレンプロピレン・コポリマーおよびテフロン(登録商標)フッ化炭化水素ポリマーなどのフッ素重合体が含まれる。一例として、最小濃度の活性な親水性成分を有するポリマーを選択することができる。装置100の全体的な柔軟性を増大させるように添加物を選択することができる。一例で、選択されたポリマーと互換性があるが比較的低い分子量を有する分子を軟化剤添加物として使用することができる。ポリエチレン・ポリマーに対して、一例として、低分子量直鎖炭化水素ワックスを軟化剤添加物として使用することができる。別の例で、ペルフルオロ炭化水素ワックスなどのハロゲン化炭化水素をそのような添加剤として使用することができる。別の例で、アクリル、アクリル酸ウレタン、ビニル・エーテル、エポキシ・アクリル、エポキシおよび塩化ビニル・ポリマーなどの紫外線硬化ポリマーを使用することができる。適切なポリマー成分は、Stratasys Inc.,14950 Martin Dr.,Eden Prairie,Minnesota 55344 およびRedeye RPM,8081 Wallace Rd.,Eden Prairie,Minnesota 55344から市販されているラピッド・プロトタイピング・ポリマーを含むことができる。一例として、3−D Systems,Inc.から市販されているVisiJet(登録商標)HR−200 Plastic Materialを造形材料として利用することができる。VisiJet(登録商標)HR−200 Plastic Materialは、トリエチレン・グリコール・ジメタクリレート・エステル、アクリル酸ウレタン・ポリマー、およびプロピレン・グリコール・モノメタクリレートを含む。別の例として、装置100を形成するための材料は、セラミック粉などのセラミックを含み得る。
【0048】
高くされた微小規模の機構106、116の直径、長さ、ピッチ、および形状に関する、かつ超疎水性表面114、121の形成および熱絶縁体としてのそれらの利用に関する、かつ装置100を作るための材料に関する前述の論議は、以下で論議される装置400、600、800を含む、本明細書のどこか他のところで開示されている超疎水性表面を含む全ての他の高くされた微小規模の機構および全ての他の装置にも同様に適用される。
【0049】
図4は、導管を含みかつ第1の流体浸透性本体表面404を有する流体浸透性本体402と、第1の流体浸透性本体表面404上の複数の高くされた微小規模の機構406とを含む、装置400の一例を示す斜視図である。図5は、図4の装置400を示す、線5−5に沿った横断面側面図である。図4および5は、流体浸透性本体102が導管を有するように選択される装置100の一例を示す。したがって、装置100の上記の論議は、図4および5の以下の論議に適用可能であり、かつその全体がそれに組み込まれていると見なされる。流体浸透性本体402は、第1の流体浸透性本体表面404に加え第2の流体浸透性本体表面408も含む。一例で、複数の高くされた微小規模の機構406の各々は、第1の流体浸透性本体表面404からある距離の間隔があけられている、超疎水性表面412を形成する端部410を含むことができる。(図5にのみ示され、図4の頂部のところにある)別の例として、この装置400は同様に、別の超疎水性表面413を形成する、第2の流体浸透性本体表面408上の複数の高くされた微小規模の機構407を含むことができる。複数の高くされた微小規模の機構406または407またはそれらの両方は、一例として、流体浸透性本体402とモノリシックであることができる。流体浸透性本体402は、複数の流体浸透性セル414を含む。複数の流体浸透性セル414の各々は、それぞれ第1の流体浸透性本体表面404および第2の流体浸透性本体表面408内の開口部(図示せず)と連通する流体通路(図示せず)を画成するセル壁(図示せず)を含む。例(図示せず)で、この流体浸透性本体402は、装置100と関連して前に論じたのと同じように選択される、第1のアレー内で向きを合わせられ、リッジ、流体通路、セル壁、および第1の流体浸透性本体表面404および第2の流体浸透性本体表面408内の開口部を有する流体浸透性セル414を含むことができる。一例として、装置400は、第1の流体浸透性本体表面404上の第2のアレー内に位置決めされる複数の高くされた微小規模の機構406を含むことができ、この第2のアレーは第1のアレーと異なり、かつこの第1および第2のアレーは、装置100に関して上記で論じたのと同じように選択される。同様にさらなる例として、装置400は、第2の流体浸透性本体表面408上の第2のアレー内に位置決めされる複数の高くされた微小規模の機構407を含むことができ、この第2のアレーは第1のアレーと異なる。
【0050】
例として、流体浸透性本体402の一部分または全体は、導管を含む第1の流体封じ込め構造体416を形成することができる。一例として、第1の流体浸透性本体表面404は、導管の内部区域を形成することができる。別の例として、流体浸透性本体402は、その形状を維持するのに適した剛体構造を有することができる。さらなる例で、図に示されかつこの明細書で論じられる装置400の任意のまたは全ての要素は剛体であり、装置400の利用でそれらの形状を維持する能力を有することができる。別の例で、流体浸透性本体402は、装置100に関して前に論じたのと同じように筒状横断面を有する、筒状導管を含む第1の流体封じ込め構造体416を形成することができる。高くされた微小規模の機構を含む導管に関する背景情報は、本願の権利者が所有する2006年3月3日出願の「Superhydrophobic Surfaces and Fabrication Process」という名称の米国特許出願第11/416,893号に開示されており、それらの全体は参照により本明細書に組み込まれている。
【0051】
一例で、装置400は流体封じ込め本体418を含むことができる。別の例として、この流体封じ込め本体418は、第2の流体浸透性本体表面408と共に、第2の流体封じ込め構造体420を形成することができる。流体浸透性本体402が筒状導管を含む第1の流体封じ込め構造体416を形成することができる場合の一例では、この第2の流体封じ込め構造体420は、筒状導管を含む第1の流体封じ込め構造体416を取り囲む空間を占有することができ、一般に環状形状を有することができる。別の例として、装置400は、流体浸透性本体402を流体封じ込め本体418と結合させる1つまたは複数の支持部材419を含むことができる。支持部材419は、一例として、装置100に対して上記で論じたのと同じように、流体浸透性本体402を流体封じ込め本体418に対して選択される位置に維持することができる。さらなる例として、装置400は第1の流体封じ込め構造体416および第2の流体封じ込め構造体420を含むことができ、この第2の流体封じ込め構造体420は、装置100に関して上記で論じたのと同じように、流体圧力封じ込めチャンバになるように選択することができる。別の例で、第1および第2の流体封じ込め構造体416および420のうちのいずれかまたは両方は、装置100に関して前に論じたのと同じように設けられかつ動作する、1つまたは複数の接続金具421または流体圧力ゲージ423またはそれらの両方を含むことができる。
【0052】
一例で、複数の高くされた微小規模の機構406は、第1の流体浸透性本体表面404からほぼ長手方向軸422に向かう方向に延びることができる。一例として、筒状導管を含む流体浸透性本体402の境界は、例示の破線424、426、428、および430によって概略的に画定することができる。装置400の端部432、434は、長手方向軸422の端部のところでほぼ矢印の方向に装置400を通る流体(図示せず)の通過を容易にすることができる。
【0053】
別の例で、この長手方向軸422は曲がった区域(図示せず)を含むことができ、第1の流体浸透性本体表面404は、全体的にこの曲線に従うことができる。例として、この曲線は漸進的であることができ、または唐突な曲がりを含むことができる。この長手方向軸422は直線の区域も含むことができ、または長手方向軸422全体が曲がっていることもある。導管を含む第1の流体封じ込め構造体416は、矢印を有する破線で示され長手方向軸422に対して横断方向に画定される直径436を有することができる。一例で、流体浸透性本体402は、装置400がパイプの全体的形状を有することができるように、ほぼ円筒状の外形を有することができる。装置400が第2の流体封じ込め構造体420を含むことができる別の例では、この第2の流体封じ込め構造体420も、装置400がパイプの全体的形状を有することができるように、ほぼ円筒状の外形を有することができる。さらなる例(図示せず)として、流体浸透性本体402または、やはり存在する場合は、第2の流体封じ込め構造体420は、装置400が別の選択された外形を有することができるように、追加の材料を含むことができる。さらなる例(図示せず)で、装置400は別の構成部品を有する機器に一体化することができる。
【0054】
一例として、第1の流体封じ込め構造体416の直径436は、長手方向軸422に沿って均一であり得る。別の例(図示せず)として、第1の流体封じ込め構造体416の直径436は、長手方向軸422に沿った異なる位置で2つ以上の異なる値を含むことができる。さらなる例(図示せず)では、直径436の値は、長手方向軸422に沿った1つまたは両方の方向で、例として漏斗またはピペットの先端を形成するある傾斜または別のパターン化された変化を画成することができる。
【0055】
図6は、空洞を含みかつ第1の流体浸透性本体表面604を有する流体浸透性本体602と、第1の流体浸透性本体表面604上の複数の高くされた微小規模の機構606とを含む装置600の一例を示す斜視図である。図7は、図6の装置600を示す線7−7に沿った横断面側面図である。図6および7は、流体浸透性本体102が空洞を含むように選択される装置100の一例を示す。したがって、装置100、400の上記の論議は、図6および7の以下の論議に適用可能であり、かつそれらの全体が組み込まれていると見なされる。流体浸透性本体602は、第1の流体浸透性本体表面604に加えて第2の流体浸透性本体表面608も含む。一例で、複数の高くされた微小規模の機構606の各々は、第1の流体浸透性本体表面604からある距離の間隔があけられており、かつ床614を含む超疎水性表面612を形成する端部610を含むことができる。(図7にのみ示され、図6の頂部のところにある)別の例として、この装置600は同様に、別の超疎水性表面618を形成する、第2の流体浸透性本体表面608上の複数の高くされた微小規模の機構616を含むことができる。複数の高くされた微小規模の機構606または616またはそれらの両方は、一例として、流体浸透性本体602とモノリシックであることができる。流体浸透性本体602は、複数の流体浸透性セル622を含む。複数の流体浸透性セル622の各々は、それぞれ第1の流体浸透性本体表面604および第2の流体浸透性本体表面608内の開口部(図示せず)と連通する流体通路(図示せず)を画成するセル壁(図示せず)を含む。例(図示せず)で、この流体浸透性本体602は、装置100に関連して前に論じたのと同じように選択される、第1のアレー内で向きを合わせられ、リッジ、流体通路、セル壁、および第1の流体浸透性本体表面604および第2の流体浸透性本体表面608内の開口部を有する流体浸透性セル622を含むことができる。一例として、装置600は第1の流体浸透性本体表面604上の第2のアレー内に位置決めされている複数の高くされた微小規模の機構606を含むことができ、この第2のアレーは第1のアレーと異なり、かつこの第1および第2のアレーは、装置100に関して上記で論じたのと同じように選択される。同様にさらなる例として、装置600は第2の流体浸透性本体表面608上の第2のアレー内に位置決めされている複数の高くされた微小規模の機構616を含むことができ、この第2のアレーは第1のアレーと異なる。
【0056】
例として、流体浸透性本体602の一部分または全体は、空洞を含む第1の流体封じ込め構造体624を形成することができる。一例として、第1の流体浸透性本体表面604は、空洞の内部区域を形成することができる。別の例として、流体浸透性本体602はその形状を維持するのに適した剛体構造を有することができる。さらなる例で、図に示されかつこの明細書で論じられる装置600の任意のまたは全ての要素は剛体であってもよく、装置600の利用でそれらの形状を維持する能力を有することができる。別の例で、流体浸透性本体602は、装置100に関して前に論じたのと同じような筒状横断面を有する、筒状空洞を含む第1の流体封じ込め構造体624を形成することができる。高くされた微小規模の機構を含む空洞に関する背景情報は、本願の権利者が所有する2006年3月3日出願の「Superhydrophobic Surfaces and Fabrication Process」という名称の米国特許出願第11/416,893号に開示されている。
【0057】
一例で、装置600は流体封じ込め本体626を含むことができる。別の例として、この流体封じ込め本体626は、第2の流体浸透性本体表面608と共に、第2の流体封じ込め構造体628を形成することができる。流体浸透性本体602が筒状空洞を含む第1の流体封じ込め構造体628を形成することができる場合の一例では、この第2の流体封じ込め構造体628は、筒状空洞を含む第1の流体封じ込め構造体624を取り囲む空間を占有することができ、それ自体全体的に空洞形状を有することができる。別の例として、装置600は、流体浸透性本体602を流体封じ込め本体626と結合させる1つまたは複数の支持部材629を含むことができる。支持部材629は、一例として、装置100に対して上記で論じたのと同じように、流体浸透性本体602を流体封じ込め本体626に対して選択された位置に維持することができる。一例で、第2の流体封じ込め構造体628は、装置600内に線632のところで第2の流体浸透性本体表面608および流体封じ込め本体626とのシールを形成するカバー(図示せず)を含むことによって、流体圧力封じ込めチャンバになるように選択することができる。別の例で、第1および第2の流体封じ込め構造体624および628のうちのいずれかまたは両方は、装置100に関して前に論じたのと同じように設けられかつ動作する、1つまたは複数の接続金具631または流体圧力ゲージ633またはそれらの両方を含むことができる。
【0058】
一例で、複数の高くされた微小規模の機構606は、第1の流体浸透性本体表面604からほぼ長手方向軸634に向かう方向に延びることができる。一例として、流体浸透性本体602の境界は、例示の破線636、638、640、および642によって概略的に画定することができる。装置600の開端部644は、長手方向軸634の端部のところでほぼ矢印の方向に装置600を出入りする流体(図示せず)の通過を容易にすることができる。
【0059】
別の例で、この長手方向軸634は曲がった区域(図示せず)を含むことができ、第1の流体浸透性本体表面604は、全体的にこの曲線に従うことができる。例として、この曲線は漸進的であり得るか、または唐突な曲がりを含むことができる。この長手方向軸634は直線の区域も含むことができるか、または長手方向軸634全体が曲がっていてもよい。空洞を含む第1の流体封じ込め構造体624は、矢印を有する破線で示され長手方向軸634に対して横断方向に画定される直径646を有することができる。一例で、流体浸透性本体602は、装置600がカップの全体的形状を有することができるように、ほぼ円筒状の外形を有することができる。装置600が第2の流体封じ込め構造体628を含むことができる別の例では、この第2の流体封じ込め構造体628も、装置600がカップの全体的形状を有することができるように、ほぼ円筒状の外形を有することができる。さらなる例(図示せず)として、流体浸透性本体602または、やはり存在する場合は、第2の流体封じ込め構造体628は、装置600が別の選択された外形を有することができるように、追加の材料を含むことができる。さらなる例(図示せず)では、装置600は別の構成部品を有する機器に一体化することができる。
【0060】
一例として、第1の流体封じ込め構造体624の直径646は、長手方向軸634に沿って均一であり得る。別の例(図示せず)として、第1の流体封じ込め構造体624の直径646は、長手方向軸634に沿った異なる位置で2つ以上の異なる値を含むことができる。さらなる例(図示せず)では、直径646の値は、例としてフラスコまたはボールを形成する長手方向軸634に沿った1つまたは両方の方向である傾斜または別のパターン化された変化を画成することができる。一例で、第1の流体封じ込め構造体624の直径646は、約5ミリメートルの長さを有することができ、かつ長手方向軸634の方向での筒状空洞の深さは約7ミリメートルであり得る。
【0061】
一例として、装置600は、流体浸透性本体602が追加の材料(図示せず)と一体化することができるように、より大きな機器(図示せず)内に組み込むことができる。一例で、複数の装置600は、それらの長手方向軸634を互いに平行な、間隔があいたアレー内に位置合わせすることができ、各装置600は開端部644を有し、この開端部644は一平面(図示せず)内に位置合わせされる。一例として、96基の装置600が生物学的および化学的試験を行うのに利用するための、標準の96ウエルのマイクロ・ウエル・プレートを集合的に形成することができる。一例で、高くされた微小規模の機構606は、水相試験の完了後、装置600からの試薬の自己清掃を促進させることができる。
【0062】
図8は、複数の装置802を含むように選択された装置800の一例の横断面図である。一例として、装置800は、1つまたは複数の装置400および1つまたは複数の装置600を含むことができる。したがって、装置100、400および600の上記の論議は、図8の以下の論議に適用可能であり、かつそれら全体が組み込まれていると見なされる。一例で、この装置800は、各装置802が装置400または装置600のいずれかとして独立して選択される、7つの装置802を含むことができる。別の例として、この装置800は、互いに対して図8に示すように配置される4つの装置400および3つの装置600を含むことができる。装置802の任意の数量、装置400と600の中での任意の選択、および互いに対する装置400および600の任意の配置を、装置800内の複数の装置802内に含めるために選択できることを理解されたい。例として、2と約1,000の間、または2と約100の間、または2と約10の間の数量の装置802を装置800に含むことができる。前に論じたように、図4〜5に示す装置400は、一例として、第1の流体浸透性本体表面404、および第2の流体浸透性本体表面408を有する、導管を含むように選択された1つの流体浸透性本体402を含むことができる。さらに前に論じたように、図6〜7に示す装置600は、一例として、第1の流体浸透性本体表面604、および第2の流体浸透性本体表面608を有する、空洞を含むように選択された1つの流体浸透性本体602を含むことができる。装置400および装置600の各々は、上記で既に明らかにされてきたように、追加の機構を含みかつ別の機構を含むように選択することができることを理解されたい。一例で、装置800内に複数の装置400、600を含めることによって、単一のそのような装置400、600内で起きるより、装置800の利用での流体間の相互作用の高い速度を促進させることができる。別の例として、この装置800は、装置802の対の間に1つまたは複数の支持部材804を含むことができる。支持部材804は、一例として、装置802の対を互いに対する選択された位置で維持することができる。
【0063】
一例で、装置800は流体封じ込め本体806を含むことができる。別の例として、流体封じ込め本体806は、第2の流体浸透性本体表面408、608と共に、第2の流体封じ込め構造体808を形成することができる。別の例として、この流体〜第2の流体封じ込め構造体808は、その形状を維持するのに適した剛体の構造を有することができる。さらなる例で、図に示されかつこの明細書で論じられる装置800の任意のまたは全ての要素は剛体であることができ、かつ装置800の利用でそれらの形状を維持する能力を有することができる。一例で、第2の流体封じ込め構造体808は、装置802を取り囲む空間を占有することができ、図4および6に示すのと同じように環状の形状を一般に有することができる。別の例として、装置800は、第2の流体浸透性本体表面408、608を流体封じ込め本体806に結合させる1つまたは複数の支持部材810を含むことができる。支持部材810は、一例として、装置400、600を流体封じ込め本体806に対して選択された位置に維持することができる。さらなる例として、第2の流体封じ込め構造体808は、装置100に関連して上記で論じたのと同じように、流体圧力封じ込めチャンバになるように選択することができる。別の例で、この第2の流体封じ込め構造体808は、装置100に関連して前に論じたのと同様の方式で設けられかつ動作する1つまたは複数の接続金具812または流体ゲージ814またはそれらの両方を含むことができる。さらなる例として、流体封じ込め本体806の内側表面816は、内部表面816からある距離の間隔があけられ超疎水性表面を形成する端部を含む、複数の高くされた微小規模の機構を(図示せず)有することができる。
【0064】
別の例で、装置800内に含むために選択された任意の装置400の長手方向軸422および任意の装置600の長手方向軸634は、互いに平行であることができる。全ての長手方向軸422、634が互いに平行である別の例として、装置800は曲がった区域(図示せず)を含むことができ、第1の流体浸透性本体表面404、604は、全体的にこの曲線に従うことができる。例として、この曲線は漸進的であってもよいか、または唐突な曲がりを含むことができる。この長手方向軸422、634は、一例として、直線の区域も含むことができるか、または長手方向軸422、634全体が曲がっていることもあり得る。別の例で、装置800に含まれる任意の第1の流体封じ込め構造体416、624は、同じ直径または異なる直径436、646を有することができる。一例として、この直径436、646は、長手方向軸422、634に沿って均一であってもよいか、または各々が独立して長手方向軸422、634に沿った異なる位置で2つ以上の異なる値を含むことができ、あるいは直径436、646の値は、それぞれ独立に長手方向軸422、634に沿った1つまたは両方の方向で、ある傾斜または別のパターン化された変化を画成することができる。一例で、第2の流体封じ込め構造体808は、ほぼ円筒状の外形を有することができる。さらなる例(図示せず)として、第2の流体封じ込め構造体808は、装置800が別の選択された外形を有することができるように、追加の材料を含むことができる。さらなる一例(図示せず)で、装置800は別の構成部品を有する機器に一体化することができる。
【0065】
図9は、図1〜8に示す装置100、400、600、800を製造するための方法900の一例を示す流れ図である。この方法900は、ステップ902で開始し、ステップ904で、3次元(「3−D」)グラフィック・デザイン電子データ・ファイルが図1〜8に関して上記で論じた装置100、400、600、800に対して設けられる。この3−Dグラフィック・デザインは、コンピュータ支援設計(「CAD」)としても知られている、3−Dグラフィック・コンピュータ・プログラムを使用して作り出すことができる。例として、Autodesk,Inc.,111 McInnis Parkway,San Rafael,California94903から市販されている3ds Max 表面モデル化プログラムを利用することができる。別の例で、Parametric Technology Corporation,140 Kendrick St.,Needham,Massachusetts02494から市販されているPRO/Engineering固体モデリング・プログラムを利用することができる。
【0066】
ステップ906で、この3−Dグラフィック・デザイン・データ・ファイルは、選択された3−Dラピッド・プロトタイプ・ファブリケーション(「RPF」)装置と互換性のあるフォーマットを有する電子データ・ファイルに変換することができる。ステップ908で、この変換された3−Dグラフィック・データ・ファイルは、選択された3−Dラピッド・プロトタイプ・ファブリケーション装置内に入力される。
【0067】
一例で、次いでこの3−Dラピッド・プロトタイプ・ファブリケーション装置は、装置100、400、600、800のための造形材料の層を連続的にレイダウンすることによって、この3−Dグラフィック・データ・ファイルを装置100、400、600、800に変換するのに使用することができる。
【0068】
方法900によって装置100、400、600、800を製造するのに利用するために選択することができる市販のRPF装置によって行われるレイダウン方法の例の中には以下のものが存在する:熱相変化インク・ジェット堆積法(thermal phase change ink jet deposition)、感光性樹脂相変化インク・ジェット堆積法(photopolymer phase change ink jet deposition)、ステレオリソグラフィ(stereolithography)(「SLA」)法、ソリッド・グラウンド・キュアリング法(solid ground curing)(「SGC」)、粉末焼結積層造形法(selective laser curing)(「SLS」)、熱溶融積層法(fused deposition modeling)(「FDM」)、積層物体製造法(laminated object manufacturing)(「LOM」)、および3−D印刷法(「3DP」)。これらの方法の各々は、支持表面上に装置100、400、600、800用の造形材料の薄い層の連続的なレイダウンを含むことができる。この支持表面は、固体のプラットフォームまたは上に造形材料が浮くようにさせられる液体表面であり得る。造形材料が支持表面から上方に間隔のあいた位置にレイダウンする必要がある場合は、この間隔のあいた造形材料を上に引き続き堆積させることができる支持材料は、その目的のために必要とされるときおよび場所にレイダウンされ、その引き続く取り外しのために配置される。例として、この支持材料は熱によって除去可能なワックス、または選択的に溶解させることができる材料であり得る。
【0069】
これらの方法の各々は、造形材料を液体または固体形態のいずれかでレイダウンする。液体形態での造形材料のレイダウンを含む方法には、熱相変化インク・ジェット堆積法、感光性樹脂相変化インク・ジェット堆積法、およびSLA法が含まれる。インク・ジェット法の使用は、インク・ジェットからスプレーされる液体造形材料の固化が最小限の空洞形成を伴って起き得るので、結果として比較的高品質の装置100、400、600、800の製造をもたらすことができる。さらに、インク・ジェットからスプレーされる液体造形材料は非常に小さな粒子サイズを有することができ、そのような粒子サイズによって、比較的小さな寸法の高くされた微小規模の機構の製造が可能になる。しかしながら、高くされた微小規模の機構の最小実現可能寸法は、インク・ジェット・システム内の液体造形材料の流動力学によって制限される場合がある。熱相変化インク・ジェット装置は、インク・ジェットと代替可能でありかつ冷却で固化するのに適した限られた種類の造形材料しか利用することができないが、比較的強靭であるが脆い装置100、400、600、800を作り出すことができる。感光性樹脂相変化インク・ジェット装置は、インク・ジェットと代替可能でありかつ紫外線に露出された際に固化するのに適した広い種類の造形材料を採用することができ、剛体であるかまたは比較的柔軟であるかのいずれかの装置100、400、600、800を作り出すことができる。一例で、3D−Systems,Inc.,26081 Avenue Hall,Valencia,California 91355から市販されているInVision HR 3−D Printerを利用することができ、最初の3−Dグラフィック電子データ・ファイルはステップ906でSTLファイル・フォーマットに変換することができる。一例として、3D−Systems,Inc.から市販されている、VisiJet(登録商標)HR−200 Plastic Materialを造形材料として利用することができる。VisiJet(登録商標)HR−200 Plastic Materialは、トリエチレン・グリコール・ジメタクリレート・エステル、アクリル酸ウレタン高分子、およびプロピレン・グリコール・モノメタクリレートを含む。SLAは液体の感光性樹脂を採用することができ、そのタンクの上で紫外線光レーザをなぞることができ、液体感光性樹脂の固化した層はタンク内に沈められる。SGCは同様の技術を使用することができるが、固化した層は固体の造形プラットフォーム上に支持される。
【0070】
固体形態での造形材料のレイダウンを含む方法には、SLS、FDM、LOMおよび3DPが含まれる。SLSは、2つの造形材料粉体マガジン上を前後に移動する平坦化ローラ、およびそのローラによって造形プラットフォーム上に塗布される粉体被覆から造形材料層を選択的に焼結するレーザを採用することができる。3DP方法は、造形材料粉体のベッドを採用することができ、その上に接着剤が、接合された造形材料の連続層を形成するように、インク・ジェットによって選択的にスプレーされる。3DP方法は、接着剤による粉体の不均一な濡れおよび接合された造形材料粒子間の空洞の存在の結果として比較的粗い、多孔質の構造を有する装置100、400、600、800を作り出すことができる。接着剤を過剰に塗布すると、比較的または過剰に大きな高くされた微小規模の機構の形成に結果としてなる可能性がある。一例で、狭い粒子サイズ分布および非常に小さな粒子を有する造形材料粉体を選択することができる。別の例として、接着剤塗布前にこの粉体の充填均一性を注意深く制御することもできる。一例として、インク・ジェットによってスプレーされる接着剤小滴の平均サイズより少なくとも約10分の1の平均粒子サイズを有する造形材料粉体を選択することができる。そのような造形材料粉体は、それが造形されるとき、液体造形材料のインク・ジェット印刷を使用するときに結果として生じるであろうより少ない、装置100、400、600、800の収縮に結果としてなり得る。FDM方法は、プラスチック線の溶融およびインク・ジェット・スプレーを採用することができる。LOM方法は、造形材料シートの薄い層の連続的なレーザ切断および接合を含むことができる。装置100、400、600、800用の造形材料としてセラミック粉体が選択される可能性のある場合の一例では、SLS方法をこの粉体を焼結させるために利用することができる。SLS方法によって焼結させるのに適した任意のセラミック成分またはその均等物を利用することができることを当業者は理解されたい。非疎水性セラミック成分が選択される場合の一例として、焼結したセラミックから形成される装置の高くされた微小規模の機構上に疎水性層を付着させることができる。そのような疎水性層は、一例で、化学的気相成長法によって付着させることができる。一例で、ペルフルオロ化炭化水素被覆成分を利用することができる。他の疎水性被覆成分が使用できることを当業者は理解されたい。
【0071】
さらなる例として、装置100、400、600、800を製造するための造形材料の代わりに支持材料をレイダウンするように、3−Dラピッド・プロトタイプ・ファブリケーション装置を、装置100、400、400、600、800のネガ画像を伴ってプログラムすることができる。一例で、3−D Systems,Inc.から市販されているVisiJet(登録商標)S−100 Model Material、ヒドロキシル化されたワックス成分、を造形材料として使用することができる。
【0072】
ステップ910で、装置100、400、600、800に対する3−D造形向きを選択することができる。一例として、図4を参照すると、装置400は長手方向軸422の方向、または第1の流体封じ込め構造体416の直径436に対して平行な横断方向のいずれかに造形することができる。一例で、装置400に対する造形の向きは、高くされた微小規模の機構406、407および、含まれている場合は第2の流体封じ込め構造体420が、それらの製造中それらのための支持材料の堆積の必要性が最小になるような方向に造形されるように選択することができる。一例として、SLAを使用する長手方向軸422の方向への装置400の製造は、支持材料のレイダウンを減少させるのを容易にする可能性がある。高くされた微小規模の機構406、407が連続するリッジの形態で選択される別の例では、SLA、FDM、LOM、3DP、またはInVisionジェット・プリンターを使用する長手方向軸422の方向での装置400の製造は、さらに少ない支持材料のレイダウンしか必要としない可能性がある。
【0073】
図10は、図9の方法により製造中の図4〜5に示す装置400の一例を示す斜視図である。図10に示す装置400は、長手方向軸422を有する第1の流体封じ込め構造体416との境界となる第1の流体浸透性本体表面404を有する流体浸透性本体402と;第2の流体浸透性本体表面408を含む第1の流体浸透性本体402と;高くされた微小規模の機構406を含む第1の流体浸透性本体表面404および高くされた微小規模の機構407を含む第2の流体浸透性本体表面408とを含む。一例として、装置400は、造形支持部1002上で矢印1004の方向に製造することができる。支持材料1006は、装置400が造形されるとき、造形支持部1002の上にレイダウンすることができる。支持部材1006は、流体浸透性本体402および高くされた微小規模の機構406、407を取り囲む線1008まで第1の流体封じ込め構造体416を満たすことができる(図示せず)。別の例として、高くされた微小規模の機構がそれらの先端で開始しそれらを共に保持する流体浸透性本体の形成で終了して造形される場合は、高くされた微小規模の機構間の空洞空間全体は、造形材料のレイダウン中に支持材料で満たす必要がある可能性がある。
【0074】
ステップ912で、造形材料は造形支持部上にレイダウンすることができ、流体浸透性本体および高くされた微小規模の機構はモノリシック的に製造することができる。したがって一例として、装置400は図10に示すように製造することができる。一例で、造形材料の層のレイダウンの各サイクルは、矢印1004の方向での造形材料の平らな堆積を維持するために層の平削りを含むことができる。このようにすると、結果として得られる装置400の正確な造形寸法を制御することができる。一例として、高くされた微小規模の機構406は、平削りが、高くされた微小規模の機構406の破断ではなく、造形材料の目下堆積されている層のきれいな切除に結果としてなるように、柔軟性のある材料から製造することができる。一例で、3−Dラピッド・プロトタイプ・ファブリケーション装置が採用される場合、インク・ジェット・ノズルをどのようなインク・ジェット・ノズルのつまりも検出しかつ取り除くように、各レイダウン・サイクルの後で試験することができる。
【0075】
図9でのように、製造中に装置100、400、600、800のための機械的支持を提供するために支持材料がレイダウンされる可能性がある場合は、この支持材料はステップ914で後で取り除くことができる。例として、支持材料成分は、この支持材料を熱を加えることによって、または適切な溶剤内での支持材料の選択的な溶解によって選択的に取り除くことができるように選択することができる。一例として、支持材料はワックスであることができる。次いで方法900はステップ916で終了する。
【0076】
この方法900は、装置100、400、600または800を製造するために同様の方法で利用することもできる。装置600が製造される場合の一例で、高くされた微小規模の機構606が最初に第1の流体浸透性本体表面604の床614上に、次いで第1の流体浸透性本体表面604の残りの上で、ほぼ開口部端644に向かう方向に製造できるように、ステップ910で3−D造形向きを選択することができる。
【0077】
図11は、ある流体である液体を処理する方法1100の一実施態様を示す流れ図である。装置100、400、600および800の製造、構造および動作の前述の論議は、方法1100のこの論議内にそれら全体が組み込まれている。この方法1100は、ステップ1102で開始し、ステップ1104で、前に論じたように、第1の流体封じ込め構造体を含みかつ第1および第2の流体浸透性本体表面を有する流体浸透性本体と;第1および第2の流体浸透性本体表面の両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を各々が有する、流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構と;第2の流体浸透性本体表面と共に第2の流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体とを含む、選択された装置100、400、600および800が準備される。ステップ1106で、第1の液体が第1の流体封じ込め構造体内に導入され、ある流体が第2の流体封じ込め構造体内に導入され、それによって第1の液体と流体浸透性本体を通る液体との間の相互作用が起きるのが可能になる。この方法は、ステップ1108で終了することができる。一例で、この方法は、第1の流体封じ込め構造体内の圧力を、第2の流体封じ込め構造体内の圧力に対して、選択される範囲内に維持するステップを含むことができる。別の例として、この方法は、第1の液体と流体内のガスとの間の、流体浸透性本体を介した相互作用が起きるのを可能にすることを含むことができる。さらなる例として、この方法は、第2の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構を含む装置を設けるステップと;第2の液体を第2の流体封じ込め構造体内に導入し、第1と第2の液体間に液体浸透性本体を介した相互作用が起きるのを可能にするステップとを含むことができる。
【0078】
図12は、超疎水性表面を維持する方法1200の一実施態様を示す流れ図である。装置100、400、600および800の製造、構造および動作の前述の論議は、方法1200のこの論議内にそれら全体が組み込まれている。この方法1200はステップ1202で開始し、ステップ1204で、前に論じたような、第1の流体封じ込め構造体を含みかつ第1および第2の流体浸透性本体表面を有する流体浸透性本体と;第1および第2の流体浸透性本体表面両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を各々が有する、流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構と;第2の流体浸透性本体表面と共に第2の流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体とを含む、選択された装置100、400、600および800が準備される。ステップ1206で、第1の液体が第1の流体封じ込め構造体内に導入され、あるガス状流体が第2の流体封じ込め構造体内に導入され、第1の流体封じ込め構造体内の圧力が第2の流体封じ込め構造体内の圧力に対して選択された範囲内に維持される。この方法は、ステップ1208で終了することができる。一例で、この方法は、第2の流体封じ込め構造体を上昇した圧力の下に置くステップを含むことができる。
【0079】
この装置100、400、600および800は、超疎水性表面を有する流体浸透性本体が有用であり得る広い範囲の最終使用用途で利用することができる。例として、この装置100、400、600、800は、超低摩擦流体流れを促進することができる。生体素子およびマイクロリアクターなどのマイクロ流体封じ込め構造体を含む機器は、方法900によって製造することができ、かつ装置100、400、600、800を組み込むことができる。一例で、この装置100、400、600、800は、生物学的および化学試薬用の一時的な収納容器として、または反応容器として役立つことができ、かつこの試薬が水性溶液である場合、自己清掃的であり得る。
【0080】
前述の説明が時には図1〜10に示す装置100、400、600、800を指示するけれども、対象物はそれらの構造体、または本明細書内で論じられた構造体に限定されないことを理解されたい。超疎水性表面を有する流体浸透性本体を含む他の形状および構成も製造することができる。同様に、開示された方法900は、超疎水性表面を有する流体浸透性本体を含む追加の装置を製造するために利用することができる。さらに、図11に示すある流体である液体を処理する方法、および図12に示す超疎水性表面を維持する方法は、追加のステップおよび示されたステップの改変を含むことができることを当業者は理解されたい。装置100、400、600、800の各々に対して上記で論じた最終利用用途は、同様にそのような装置全てに適用可能であることを理解されたい。例として、装置100、400、600、800は、血液に酸素を送り込むこと;血液透析;商業的な、化学的な、バイオテクノロジー関連の製造;微小流体工学を含む、装置内で増大した流量で流体を輸送すること;および液体からガスまたは蒸気を取り除くことに利用することができる。
【0081】
さらに、多数の例の前述の説明は、例示および説明の目的で示されてきたことが理解されるであろう。この説明は網羅的ではなく、特許請求される発明を開示された正確な形態に限定しない。上記の説明に照らして改変および変形形態が可能であるか、または本発明の実施から得ることができる。特許請求の範囲およびそれらの均等物が本発明の範囲を画定する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の非平面流体浸透性本体表面を有し、かつ第2の流体浸透性本体表面を有する剛体の流体浸透性本体と、
前記流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルとを備え、前記複数の流体浸透性セルの各々は、前記第1および第2の流体浸透性本体表面両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を有し、さらに、
前記第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構と
を備える、装置。
【請求項2】
複数の高くされた微小規模の機構の各々は端部を含み、前記端部は、前記第1の流体浸透性本体表面からある距離だけ離間して配置され、そして前記端部は超疎水性表面を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
複数の高くされた微小規模の機構が前記流体浸透性本体とモノリシックである、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
複数の高くされた微小規模の機構を前記第2の流体浸透性本体表面上に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記流体浸透性本体が流体浸透性導管および流体浸透性空洞からなる群から選択された第1の流体封じ込め構造体を含み、かつ前記装置が前記第2の流体浸透性本体表面と共に第2の流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
第1および第2の流体浸透性本体表面を有する流体浸透性本体と、
前記流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルとを備え、前記複数の流体浸透性セルの各々は前記第1および第2の流体浸透性本体表面両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を有し、さらに、
前記第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構と、
前記第2の流体浸透性本体表面と共に、第2の流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体と
を備える、装置。
【請求項7】
複数の高くされた微小規模の機構が前記流体浸透性本体とモノリシックである、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
複数の高くされた微小規模の機構を前記第2の流体浸透性本体表面上に含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
第1の流体封じ込め構造体を含み、かつ第1および第2の流体浸透性本体表面を有する流体浸透性本体と;前記第1および第2の流体浸透性本体表面両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を各々が有する、前記流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;前記第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構と;前記第2の流体浸透性本体表面と共に、第2の流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体とを含む装置を準備するステップと、
第1の液体を前記第1の流体封じ込め構造体内に導入し、かつある流体を前記第2の流体封じ込め構造体内に導入し、それによって前記第1の液体と前記流体との間で前記流体浸透性本体を介して相互作用が起きるのを可能にするステップと
を含む、ある流体である液体を処理する方法。
【請求項10】
第1の流体封じ込め構造体を含み、かつ第1および第2の流体浸透性本体表面を有する流体浸透性本体と;前記第1および第2の流体浸透性本体表面両方内の開口部と連通する流体通路を画成するセル壁を各々が有する、前記流体浸透性本体内の複数の流体浸透性セルと;前記第1の流体浸透性本体表面上の複数の高くされた微小規模の機構と;前記第2の流体浸透性本体表面と共に、第2の流体封じ込め構造体を形成する流体封じ込め本体とを含む装置を準備するステップと、
液体を前記第1の流体封じ込め構造体内に導入し、ガス状流体を前記第2の流体封じ込め構造体内に導入し、かつ前記第1の流体封じ込め構造体内の圧力を、前記第2の流体封じ込め構造体内の圧力に対して、選択された範囲内に維持するステップと
を含む、超疎水性表面を維持する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−510892(P2010−510892A)
【公表日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−538422(P2009−538422)
【出願日】平成19年11月28日(2007.11.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/024476
【国際公開番号】WO2008/066828
【国際公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(596092698)アルカテル−ルーセント ユーエスエー インコーポレーテッド (965)
【Fターム(参考)】