説明

超臨界との接触用組成物の使用

以下の成分:a)ポリアミド0〜99質量部、並びにb)ポリエステルエーテルアミド及びポリエーテルアミドの群から選択されるポリアミドエラストマー1〜100質量部を少なくとも50質量%含む成形材料(質量部の合計は100であり、この成形材料は0〜9質量%可塑剤を含む)を、超臨界媒体と接触する成形部材の製造のため、好適には超臨界媒体を運ぶチューブ又は管内に内部熱可塑性樹脂層を製造するために使用する。可塑剤含分が無い、又は少ないことにより、重要な範囲では鹸化や長さ収縮といった問題が起こらない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超臨界媒体との接触用ポリアミド成形材料の使用、とりわけ輸送される超臨界媒体と接触するチューブ又は管で層用材料として使用する場合の使用に関する。まず、ここで重要となるのは、油、天然ガス、又は超臨界媒体、例えばCO2を運ぶための、又はこれらを一緒に輸送するためのチューブ又は管である。このようなチューブ又は管は、水の下、例えば沖合に、又は陸上にも敷設されることがある。
【0002】
海面下の導管には、様々な種類のものがある。ここで一方では、深海に沈める導管、又は場合により水深の浅いところに敷設されている導管、及び原油又は粗製ガス、若しくはこのような他の液体を、採収点から配送点に輸送可能な導管が重要である。他方、採掘抗がある海底と、一般的に石油又はガスプラットフォーム及びさらなる導管が輸送及びさらなる導通のために設置されている地表(Oberflaeche)との間の結合をもたらす導管が使用される。公知のように、こうした種類の導管は大きく2つの分類、つまり、管とチューブに分けられる。前者は通常、鋼から製造され、多くの場合コンクリートで被覆されていてよく、又は鋼を腐食から保護するための熱可塑性インライナーを有することができる。これらは非常に深い水深で敷設されることがある。チューブは通常、熱可塑材料と補強材料(例えばスチールネット、又はプラスチック複合材料)から成る一連の層から成る。
【0003】
このような典型的でよく知られたチューブでは、輸送されるべき液体が、しばしばカーカス(Karkasse)と呼ばれるコア層によって形成され得る内側断面を通って流れる。このコア層の内面は内側断面と区切られている一方で、外面は内側断面で流れる液体による浸透という点で不透性にしなければならない。従ってカーカスの外面で、輸送される液体を保持する層が形成される。このために、遮蔽ポリマー層が使用される。この層はまた、輸送された液体を汚染しかねない、外部からの水などの侵入を防ぐ。この遮蔽層のためには通常、ポリアミド(PA)が使用され、しばしば特に可塑化されたPA11、又はPA12が適用される。ある実施態様では遮蔽層が、内部にあるカーカス上に押出成形される。外側から、多層チューブ内にさらなる層、例えば強化バンドからの層のまとまり、並びに外部保護カバーが設けられる。2つの鋼製バンドの間の摩擦を防止するために、この間にいわゆる摩擦防止バンドが設けられる。このバンドには通常ポリアミドが使用され、ここではとりわけ可塑化されたPA11がしばしば適用される。このようなチューブの内部構造は、WO 2006/097678A1に記載されている。
【0004】
このタイプのチューブで問題となるのは、曲げやすくなければならないことであるが、これによりチューブが巻ほどき法(Abrollverfahren)で敷設可能であり、また使用箇所の条件下でも使用不能になることなく曲がる。これにより特に、このようなチューブで個々の層の材料を所望の可撓性水準が得られるように選択しなければならないという問題が生じる。チューブ、並びに一般的に管もまた、高い耐温性と腐食耐性を有していなければならないため、その耐用期間は20年超であり、時には25年超である。
【0005】
新規発展、例えば改善された残油回収は、管若しくはチューブ若しくはその層又はそのインライナーが、超臨界媒体、例えば超臨界Co2と適合性であることを要求している。超臨界媒体、例えばCO2は非常に良好な抽出媒体であるため、通常使用される可塑化されたポリアミド成形材料はこのような条件では適さない。ポリアミド成形材料で使用される可塑剤の抽出が原因で、ポリアミド層は高い可撓性を得、一定の収縮を示す。可撓性の減少は上述のチューブ性能に不利に作用し、ポリアミド層の収縮は長さ収縮につながり、これは端部接続部及び端部終了部で、例えばポリマー層の伸び又は破断の原因となりうる問題である。遮蔽層の収縮はまた、周囲の最外層に対する隙間を引き起こすこともある。このことは、カーカスの崩壊耐性を減少させ、よってこのようなチューブの最大設置深度が制限される。他方、硬質導管では、可塑化されたポリアミド成形体からのインライナーがぴったりとしたデザインで設置されていると、収縮によって狭い座部の損失が起こり得る。このことは可動式インライナーにつながり、このインライナーは、インライナーの長さ収縮により引き起こされる応力を、端部接続に移す。
【0006】
本発明の課題は、この欠点を回避すること、及びポリアミド成形材料、例えば可撓性チューブ製造用、並びに硬質導管のインライナー用のものを提供することであり、この成形材料は、通常使用されるポリアミドベース材料の良好な機械的特性を有する一方で、また超臨界媒体、例えば超臨界CO2との良好な相容性を有する。ここで相容性とは、抽出媒体の作用にも拘わらず、特性、とりわけ可撓性をほぼ維持すること、及び三次元形状を維持することを意味する。
【0007】
この課題、及び本出願書面から明らかな課題は、超臨界媒体との接触に使用される成形部材の製造用成型材料を使用することによって解決され、ここでこの成型材料は少なくとも50質量%、好ましくは少なくとも60質量%、特に好ましくは少なくとも70質量%、及びとりわけ好ましくは少なくとも80質量%、以下の成分を有する:
a)ポリアミドを0〜99質量部、好ましくは4〜96質量部、特に好ましくは10〜90質量部、特に好ましくは20〜85質量部、及び極めて特に好ましくは30〜80質量%若しくは40〜75質量部、
b)ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミド、及びこれらの混合物の群から選択されるポリアミドエラストマーを1〜100質量部、好ましくは4〜96質量部、特に好ましくは10〜90質量部、特に好ましくは15〜80質量部、及び極めて特に好ましくは20〜70質量部若しくは25〜60質量部、
ここで質量部の合計は100であり、成形材料は可塑剤を0〜9質量%含む。
【0008】
好ましい実施態様では、この成形材料を内部熱可塑性樹脂層として、超臨界媒体の輸送に用いられるチューブ又は管内で使用する。この内部熱可塑性樹脂層は、輸送される媒体と接触する。
【0009】
本発明により使用される上記種類のチューブは、好適には外径が30〜850mm、特に好ましくは32〜750mm、及び特に好ましくは50〜650mmであり、本発明により使用される管は好適には外径が30〜1100mm、特に好適には32〜1000mm、とりわけ好適には50〜900mm、及び極めて特に好適には50〜700mmである。
【0010】
ポリアミドはジアミンとジカルボン酸の組み合わせから、ω−アミノカルボン酸又は相応するラクタムから製造可能である。基本的にあらゆるポリアミド、例えばPA46、PA6、PA66、又はこれらがベースの、テレフタル酸及び/又はイソフタル酸から誘導される単位を有するコポリアミド(一般的にはPPAと呼ばれる)が使用可能である。好ましい実施態様では、モノマー単位は平均で少なくとも8個、少なくとも9個、若しくは少なくとも10個のC原子を有する。ここで、ラクタムの混合物の場合には、算術平均を考える。ジアミンとジカルボン酸との組合せの場合、この好ましい実施態様でのジアミンとジカルボン酸の炭素原子の算術平均は、少なくとも8、少なくとも9、若しくは少なくとも10でなければならない。適当なポリアミドは、例えば次の通りである:PA610(ヘキサメチレンジアミン[6個の炭素原子]及びセバシン酸[10個の炭素原子]から製造できる、従ってここではモノマー単位中の炭素原子の平均は8である)、PA88(オクタメチレンジアミン及び1,8−オクタン二酸から製造できる)、PA8(カプリルラクタムから製造できる)、PA612、PA810、PA108、PA9、PA613、PA614、PA812、PA128、PA1010、PA10、PA814、PA148、PA1012、PA11、PA1014、PA1212及びPA12である。ポリアミドの製造は、従来技術である。もちろんまた、これらに基づくコポリアミドも使用可能であり、ここで場合によりモノマー、例えばカプロラクタムも併用することができる。
【0011】
同様に、種々のポリアミドの混合物も、十分な相容性を有するのであれば使用できる。相容性のポリアミド組合せ物は、当業者に公知である;例えば本願では、PA12/PA1012、PA12/PA1212、PA612/PA12、PA613/PA12、PA1014/PA12及びPA610/PA12、並びにPA11との相応するブレンドが挙げられる。疑わしい場合には、相容性の組合せ物は、ルーチン試験によって調査することができる。
【0012】
ポリエステルアミドは例えば、DE-A-25 23 991及びDE-A-27 12 987から公知である:これらはコモノマーとして、ポリエーテルジオールを含む。ポリエーテルアミドは例えば、DE-A30 06 961から公知である:これらはコモノマーとして、ポリエーテルジアミンを含む。
【0013】
ポリエーテルジオール若しくはポリエーテルジアミンの場合、ポリエーテル単位は例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、又は1,3−ブタンジオールをベースとするものであり得る。ポリエーテル単位はまた、例えばジオール由来の単位のランダムな又はブロック的な分布と、混合されて構成されていてよい。ポリエーテルジオール若しくはポリエーテルジアミンの質量平均モル質量は、200〜5000g/mol、及び好適には400〜3000g/molであり、ポリエーテルエステルアミド若しくはポリエーテルアミドの割合は、好適には4〜60質量%、特に好適には10〜50質量%である。適切なポリエーテルジアミンは、還元アミノ化又はアクリロニトリルと以下の水素化との組合わせにより相応するポリエーテルジオールの変換によって手に入る;これらは例えば、Huntsman社のJEFFAMIN(登録商標)Dタイプ若しくはEDタイプ、又はBASF SE社のポリエーテルアミンDシリーズの形で市販で手に入る。分枝状ポリエーテルアミドの使用が望ましい場合には、僅かな量で、ポリエーテルトリアミン、例えばJEFFAMIN(登録商標)Tタイプも併用可能である。好適には、エーテル酸素原子1つあたり平均で少なくとも2.3個の炭素原子を鎖中に有するポリエーテルジアミン若しくはポリエーテルトリアミンを使用する。
【0014】
ポリアミドの他に、成形材料はさらなる成分、例えば耐衝撃性改良剤、他の熱可塑性樹脂、及び他の通常の添加剤を有することができる。ポリアミドが成形材料のマトリックスを形成することのみが必要である。
【0015】
適切な耐衝撃性改良剤は例えば、エチレン/α−オレフィンコポリマーであり、好適には以下のものから選択される:
a)エチレンを20〜96質量%、好ましくは25〜85質量%有する、エチレン/C3〜C12α−オレフィンコポリマー。C3〜C12α−オレフィンとしては例えば、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、又は1−ドデセンを使用する。このための典型的な例は、エチレン−プロピレンゴム、並びにLLDPE及びVLDPEである。
b)エチレンを20〜96質量%、好ましくは25〜85質量%、及び非共役ジエンを最大約10質量%有する、エチレン/C3〜C12α−オレフィン/非共役ジエンのターポリマー、例えばビシクロ(2.2.1)ヘプタジエン、ヘキサジエン−1,4、ジシクロペンタジエン、又は5−エチリデンノルボルネン。C3〜C12α−オレフィンとしては同様に例えば、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、又は1−ドデセンが適切である。
【0016】
これらのコポリマー若しくはターポリマーを、例えばチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造することは、従来技術である。
【0017】
別の好適な耐衝撃性改良剤は、スチレン−エチレン/ブチレン−ブロックコポリマーである。この場合には、有利には、スチレン−ブタジエン−スチレン−ブロックコポリマーの水素化によって得られる、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン−ブロックコポリマー(SEBS)が使用される。
【0018】
しかし、ジブロック系(SEB)又はマルチブロック系を使用することもできる。そのようなブロックコポリマーは、従来技術である。
【0019】
これらの耐衝撃性改良剤は、有利には酸無水物基を有し、前記基は、公知のようにして、主鎖ポリマーと、不飽和ジカルボン酸無水物、不飽和ジカルボン酸又は不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステルとを、ポリアミドへの良好な結合に十分な濃度で熱反応又はラジカル反応させることによって導入される。好適な試薬は、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノブチルエステル、フマル酸、無水シトラコン酸、アコニット酸又は無水イタコン酸である。このようにして、有利には0.1〜4質量%の不飽和無水物が、耐衝撃性改良剤にグラフトされている。従来技術によれば、不飽和ジカルボン酸無水物又はその前駆物質は、他の不飽和モノマー、例えばスチレン、α−メチルスチレン又はインデンと一緒にグラフトされてもよい。
【0020】
他の適切な耐衝撃性改良剤は、以下のモノマー単位を含むコポリマーである:
a)2〜12個のC原子を有する、1つ又は複数のα−オレフィン20〜94.5質量%、
b)アクリル酸若しくはメタクリル酸若しくはこれらの塩から選択される1つ又は複数のアクリル系化合物5〜79.5質量%、
−C1〜C12アルコールとアクリル酸若しくはメタクリル酸とのエステル(これらは場合により遊離ヒドロキシル官能基又はエポキシド官能基を有していてよい)
−アクリロニトリル若しくはメタクリロニトリル
−アクリルアミド若しくはメタクリルアミド
c)オレフィン性不飽和エポキシド、無水カルボン酸、カルボン酸イミド、オキサゾリン、又はオキサジノン0.5〜50質量%。
【0021】
このコポリマーは例えば、以下のモノマーから構成されているが、以下の列挙に限られるものではない:
a)α−オレフィン、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン又は1−ドデセン;
b)アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの塩、例えば対イオンとしてのNa+又はZn2+との塩;メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、ドデシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−(2−エチルヘキシル)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジブチルメタクリルアミド、N−(2−エチルヘキシル)メタクリルアミド;
c)ビニルオキシラン、アリルオキシラン、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、無水マレイン酸、無水アコニット酸、無水イタコン酸、更に前記の無水物から水との反応によって生ずるジカルボン酸;マレインイミド、N−メチルマレインイミド、N−エチルマレインイミド、N−ブチルマレインイミド、N−フェニルマレインイミド、アコニット酸イミド、N−メチルアコニット酸イミド、N−フェニルアコニット酸イミド、イタコン酸イミド、N−メチルイタコン酸イミド、N−フェニルイタコン酸イミド、N−アクリロイルカプロラクタム、N−メタクリロイルカプロラクタム、N−アクリロイルラウリンラクタム、N−メタクリロイルラウリンラクタム、ビニルオキサゾリン、イソプロペニルオキサゾリン、アリルオキサゾリン、ビニルオキサジノン又はイソプロペニルオキサジノン。
【0022】
グリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートを使用する場合には、これらは同時にアクリル系化合物b)としても機能するので、十分な量のグリシジル(メタ)アクリレートの量では、更なるアクリル系化合物を含有させる必要はない。この特別な実施態様では、コポリマーは以下のモノマー単位を有する:
a)2〜12個のC原子を有する1つ又は複数のα−オレフィン20〜94.5質量%、
b)アクリル酸若しくはメタクリル酸若しくはそれらの塩、
アクリル酸若しくはメタクリル酸とC1〜C12−アルコールとのエステル、
アクリロニトリル若しくはメタクリロニトリル、
アクリルアミド若しくはメタクリルアミド
から選択される、1つ又は複数のアクリル系化合物0〜79.5質量%、
c)エポキシ基を有する、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル0.5〜80質量%
ここで、b)とc)の合計は、少なくとも5.5質量%となる。
【0023】
該コポリマーは、少量で、他の重合導入されたモノマー、例えばマレイン酸ジメチルエステル、フマル酸ジブチルエステル、イタコン酸ジエチルエステル又はスチレンを、その特性が顕著に損なわれない限りは含有してよい。
【0024】
そのようなコポリマーの製造は、従来技術である。そのうちの多くの様々なタイプは、市販製品として得られる、例えば名称LOTADER(登録商標)(Arkema社;エチレン/アクリレート/三元成分(Terkomopnente)若しくはエチレン/グリシジルメタクリレート)として得られる。
【0025】
好ましい実施態様において、成形材料はこの際以下の成分を有する:
1.ポリアミド60〜96.5質量部、
2.無水酸基を有する耐衝撃性成分3〜39.5質量部、ここで、耐衝撃性成分は、エチレン/α−オレフィンコポリマー、及びスチレン−エチレン/ブチレンブロックコポリマーから選択されており、
3.コポリマー0.5〜20質量部、その単位は以下のモノマーを含む:
a)2〜12個のC原子を有する1つ又は複数のα−オレフィン20〜94.5質量%、
b)アクリル酸若しくはメタクリル酸若しくはそれらの塩、
アクリル酸若しくはメタクリル酸とC1〜C12−アルコールとのエステル、これらは場合により遊離ヒドロキシ官能基又はエポキシド官能基を有していてよい、
アクリロニトリル若しくはメタクリロニトリル、
アクリルアミド若しくはメタクリルアミド
から選択される、1つ又は複数のアクリル系化合物5〜79.5質量%、
c)オレフィン性不飽和エポキシド、無水カルボン酸、カルボン酸イミド、オキサゾリン、又はオキサジノン0.5〜50質量%
ここで、b)とc)の合計は、少なくとも5.5質量%となる。
【0026】
さらなる好ましい実施態様において成形材料は、以下の成分を有する:
1.ポリアミド65〜90質量部、及び特に好ましくは70〜85質量部、
2.耐衝撃性成分5〜30質量部、特に好ましくは6〜25質量部、及びとりわけ好ましくは7〜20質量部、
3.コポリマー0.6〜15質量部、及び特に好適には0.7〜10質量%、このコポリマーは好ましくは以下のモノマーを有する:
a)1つ又は複数のα−オレフィン30〜80質量%、
b)1つ又は複数のアクリル系化合物7〜70質量%、好ましくは10〜60質量%、
c)オレフィン性不飽和エポキシド、無水カルボン酸、カルボン酸イミド、オキサゾリン、又はオキサジノン1〜40質量%、特に好ましくは5〜30質量%。
【0027】
ここでもまた、成分1、2、及び3に記載の成分の質量部は合計100である。
【0028】
耐衝撃性成分としてさらにまた、ニトリルゴム(NBR)、又は水素化ニトリルゴム(H−NBR)(これらは場合により官能基を有していてよい)が使用可能である。相応する成形材料は、US2003/0220449A1に記載されている。
【0029】
成形材料に含まれていてよい他の熱可塑性樹脂は、まずポリオレフィンである。これらは、一実施態様では、先に耐衝撃性改良剤について記載したように、酸無水物基を有し、かつその際場合により、官能化されていない耐衝撃性改良剤と一緒に存在してよい。更なる一実施態様では、これらは、官能化されておらず、かつ該成形材料中に、官能化された耐衝撃性改良剤又は官能化されたポリオレフィンと組み合わせて存在する。"官能化された"という言葉が意味するところは、従来技術のポリマーであって、ポリアミド末端基と反応できる基、例えば酸無水物基、カルボキシル基、エポキシ基又はオキサゾリン基を備えたポリマーである。この場合に、以下の組成が好ましい:
1.ポリアミド50〜95質量部、
2.官能化された又は官能化されていないポリオレフィン1〜49質量部、
3.官能化された又は官能化されていない耐衝撃性改良剤1〜49質量部
ここで、成分1、2及び3の質量部の合計は、100である。
【0030】
ポリオレフィンは、例えばポリエチレン又はポリプロピレンである。基本的にそれぞれの市販のタイプを使用することができる。よってこれに該当するのは例えば:高密度、中密度又は低密度の直鎖状ポリエチレン、LDPE、エチレン−アクリルエステル−コポリマー、エチレン−ビニルアセテート−コポリマー、アイソタクチック又はアタクチックホモポリプロピレン、プロペンとエテン及び/又はブテン−1とのランダムコポリマー、エチレン−プロピレン−ブロックコポリマー等である。このポリオレフィンは、それぞれ公知の方法、例えばチーグラーナッタにより、フィリップス法により、メタロセンにより又はラジカル法により製造できる。ポリアミドはこの場合、例えばPA6及び/又はPA66であってよい。
【0031】
更に該成形材料は、所定の特性に調節するのに必要とされる通常量の添加剤を更に含有することができる。この例は、顔料若しくは充填剤、例えばカーボンブラック、二酸化チタン、硫化亜鉛、ケイ酸塩、又は炭酸塩、強化繊維、例えばガラス繊維、加工助剤、例えばワックス、ステアリン酸亜鉛又はステアリン酸カルシウム、難燃剤、例えば水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム又はシアヌル酸メラミン、酸化防止剤、UV安定剤、並びに製品に帯電防止特性又は導電性を付与する添加物、例えば炭素繊維、黒鉛繊維、ステンレス鋼からなる繊維若しくは導電性カーボンブラックである。
【0032】
好ましい実施態様では、ポリアミド成形材料は、可塑剤を含まない。しかし僅かな量の可塑剤は、許容され得る。可能な実施態様では、ポリアミド成形材料はこれに相応して、可塑剤を0.1〜9質量%、好適には0.1〜7質量%、特に好適には0.1〜5質量%、とりわけ好適には0.1〜4質量%、及び極めて特に好適には0.1〜3質量%含む。可塑剤が9質量%を越えると、鹸化や長さ収縮といった問題が、顕著な範囲で現れる。
【0033】
可塑剤及びそれをポリアミドに使用することは公知である。ポリアミドに適している可塑剤に関する一般的な概要は、Gaechter/Mueller著, Kunststoffadditive, C. Hanser Verlag, 第2版, 第296頁から引用することができる。
【0034】
可塑剤として適当な慣用の化合物は、例えば、アルコール成分中に2〜20個のC原子を有するp−ヒドロキシ安息香酸のエステル、又はアミン成分中に2〜12個のC原子を有するアリールスルホン酸のアミド、有利にベンゼンスルホン酸のアミドである。可塑剤として、特にp−ヒドロキシ安息香酸エチルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸オクチルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸−i−ヘキサデシルエステル、トルエンスルホン酸−n−オクチルアミド、ベンゼンスルホン酸−n−ブチルアミド、又はベンゼンスルホン酸−2−エチルヘキシルアミドが挙げられる。
【0035】
さらなる好ましい実施態様では、存在する残存モノマー並びにオリゴマー、例えば二量体及び三量体を、配合前にポリアミドから公知の抽出剤によって除去する。公知の抽出剤は例えば、メタノール及びエタノールだが、また超臨界ガス、例えば二酸化炭素である。よって抽出可能な残存モノマーとオリゴマーは、後で超臨界媒体との接触に使用する際には、もはや抽出に適しておらず、このことはポリアミド層の三次元安定性に貢献する。
【0036】
ポリアミド成形材料を抽出して熱可塑性樹脂層を形成する際、溶融強度が高いのが望ましい。高い溶融強度は通常、ポリアミドの高いモル質量と、高い溶融粘性を伴う。
【0037】
このようなポリアミドを製造するための公知の方法が、固相後縮合であり、溶融温度よりも低い温度で顆粒状低粘度ポリアミドから高粘性ポリアミドにする。この方法は例えば、CH 359 286並びにUS 3 821 171に記載されている。通常、ポリアミドの固相後縮合は、非連続的又は連続的に稼働される乾燥機で、不活性ガス又は真空下で行う。この手法により、非常に高いモル質量を有するポリアミドの製造が可能になる。
【0038】
高粘性ポリアミドを製造するための別の可能性は、様々な種類のスクリュー装置を用いる、溶融物での連続的な後縮合である。WO 2006/079890は、高分子ポリアミドと、低分子ポリアミドとの混合によって、高粘性ポリアミド成形材料が得られることを提示している。
【0039】
その上、高粘性ポリアミド若しくはポリアミド成形材料は、構成添加剤の使用により手に入る;適切な添加剤若しくは方法は例えば、以下の文献に記載されている:WO 98/47940, WO 96/34909, WO 01/66633, WO 03/066704, JP-A-01/197526, JP-A-01/236238, DE-B-24 58 733, EP-A-I 329 481, EP-A-I 518 901, EP-A1 512 710, EP-A-I 690 889, EP-A-I 690 890 及びWO 00/66650。
【0040】
ただし、従来技術によって製造された成形材料は、通常、非常に高い電力消費若しくは非常に高い回転モーメントを必要とし、かつノズルでの圧力が非常に高い。その上、剪断力が高い場合、明らかな鎖開裂が起き、このことは加工の際の分子量の低下につながる。
【0041】
これらの理由から、本発明の範囲で好ましくは、ポリアミド成形材料をまず加工過程の間に、分子量を構成する添加剤で縮合する。よって本発明の対象はまた、ポリアミド含有成形材料の請求項に記載の使用であり、ここでチューブ又は管の内部熱可塑性樹脂層は、前記成形材料から以下の方法工程によって製造されたものである:
a)成形材料を準備する工程、
b)成形材料と構成添加剤、例えば少なくとも2つのカーボネート単位を有する化合物との予備混合物を製造する工程、
c)この混合物を場合により貯蔵及び/又は輸送する工程、
d)この混合物を剪断下、溶融物で混合する工程(この工程で初めて縮合が起こる)、
e)溶融混合物を押出成形し、硬化する工程。
【0042】
この添加法で、加工中、同時に僅かなモーター荷重の際にも、顕著な溶融強度の上昇が生じることが確認された。それによって、高い融液粘度にも拘わらず加工の際に高い通過量を達成することができ、これにより製造法の経済性の改善が得られる。この方法は以降、例示的に、構成添加剤が、少なくとも2つのカーボネート単位を有する化合物である場合に記載する。
【0043】
好ましくは、出発ポリアミドは、5000超、殊に8000超の分子量Mnを有する。この場合、末端基が少なくとも部分的にアミノ基として存在するポリアミドを使用する。例えば、末端基の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%は、アミノ末端基として存在する。ジアミン又はポリアミンを調節剤として使用しながら、比較的高いアミノ末端基含量を有するポリアミドを製造することは、公知技術である。本発明の場合、ポリアミドの製造には、有利に4〜44個のC原子を有する脂肪族、脂環式又は芳香脂肪族のジアミンが調節剤として使用される。適当なジアミンは、例えばヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2.2.4−トリメチルヘキサメチレンジアミン若しくは2.4.4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、1.4−ジアミノシクロヘキサン、1.4−ジメチルアミノシクロヘキサン又は1.3−ジメチルアミノシクロヘキサン、4.4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4.4′−ジアミノ−3.3′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4.4′−ジアミノジシクロヘキシルプロパン、イソホロンジアミン、メタキシリレンジアミン又はパラキシリリレンジアミンである。
【0044】
もう1つの好ましい実施態様において、ポリアミドを製造する場合、ポリアミドは調節剤として、同時に分枝化剤として使用される。このための例は、ジエチレントリアミン、1.5−ジアミノ−3−(β−アミノエチル)ペンタン、トリス(2−アミノエチル)アミン、N,N−ビス(2−アミノエチル)−N′,N′−ビス[2−[ビス(2−アミノエチル)アミノ]−エチル]−1,2−エタンジアミン、デンドリマー、ならびにポリエチレンイミン、殊にアジリジンを重合することによって得ることができ(Houben-Weyl, Methoden der Organischen Chemie, 第E20巻,第1482〜1487頁, Georg Thieme Verlag Suttgart, 1987)かつ一般に次のアミノ基分布を有する分枝鎖状ポリエチレンイミンである:
第一級アミノ基25〜46%、
第二級アミノ基30〜45%、
第三級アミノ基16〜40%。
【0045】
少なくとも2つのカーボネート単位を有するこの化合物は、使用されるポリアミドに対する比で計算して、0.005〜10質量%の量比で使用する。特に、前記比は、0.01〜5.0質量%の範囲内、特に有利に0.05〜3質量%の範囲内にある。本明細書中で、"カーボネート"という言葉は、炭酸と殊にフェノール又はアルコールとのエステルを意味する。
【0046】
少なくとも2個のカーボネート単位を有する化合物は、低分子量のオリゴマー又はポリマーであることができる。この化合物は、完全にカーボネート単位からなることができるか、又はなお他の単位を有することができる。この単位は、特にオリゴエステル単位、オリゴエーテル単位、オリゴエーテルエステルアミド単位、又はオリゴエーテルアミド単位、又はポリアミドエステル単位、ポリアミドエーテル単位、ポリアミドエーテルエステルアミド単位又はポリアミドエーテルアミド単位である。このような化合物は、公知のオリゴマー化法又は重合法によって製造されてもよいし、ポリマー類似の反応によって製造されてもよい。1つの好ましい実施態様において、少なくとも2個のカーボネート単位を有する化合物は、例えばビスフェノールAをベースとするポリカーボネートであるか、又はこの種のポリカーボネートブロックを含有するブロックコポリマーである。
【0047】
マスターバッチの形での添加剤として使用される、少なくとも2個のカーボネート単位を有する化合物の供給は、添加剤の正確な計量供給を可能にする。それというのも、大量に使用されるからである。その上、マスターバッチが使用されることによって、改善された押出物品質が達成されることが明らかになる。マスターバッチはマトリックス材料として、有利に本発明による方法でも縮合されるポリアミド又はそれと相容性のポリアミドを含むが、しかし、非相容性のポリアミドは、反応条件下で縮合すべきポリアミドへの部分的な結合を被り、このことは、適合性をもたらす。マトリックス材料としてマスターバッチ中で使用されるポリアミドは、有利に5000超、殊に8000超の分子量Mnを有する。この場合には、末端基が主にカルボン酸基として存在するようなポリアミドが有利である。例えば、末端基の少なくとも80%、少なくとも90%又は少なくとも95%は、酸基として存在する。その代わりにまた、アミノ末端基に富むポリエーテルアミドをマトリックス材料としてマスターバッチで使用することもできる。意外なことに、ポリエーテルアミドのアミノ末端基は反応しづらいものであり、少なくとも2つのカーボネート単位を有する化合物とほとんど反応しない。これにより、成形部材の改善された加水分解耐性が得られる。
【0048】
マスターバッチ中での少なくとも2個のカーボネート単位を有する化合物の濃度は、特に0.15〜50質量%、特に有利に0.2〜25質量%、殊に有利に0.3〜15質量%である。このようなマスターバッチは、当業者に公知の通常の方法で製造される。
【0049】
少なくとも2個のカーボネート単位を有する適当な化合物ならびに適当なマスターバッチは、本明細書中で参考のために記載されているWO 00/66650に詳細に記載されている。
【0050】
本発明は、製造にとって不可避的に酸性化合物の形でリンを少なくとも5ppm含有するポリアミドにおいて使用可能である。この場合には、ポリアミド成形材料に配合前、又は配合時にポリアミドに対して0.001〜10質量%の弱酸の塩が添加される。適当な塩は、参考のために本明細書中に記載されているドイツ連邦共和国特許出願公開第10337707号明細書中に開示されている。
【0051】
しかし、本発明は、製造にとって不可避的に酸性化合物の形でリンを5ppm未満含有するか、又はリンを全く含有しないポリアミドの場合にまさに良好に使用可能である。この場合には、弱酸の相応する酸を実際に添加することができるが、添加する必要はない。
【0052】
少なくとも2つのカーボネート単位を有する化合物は、そのまま、又はマスターバッチとして、配合後に初めて、つまりポリアミド成形材料の製造後に初めて添加するのが好ましいが、遅くとも加工の間に添加する。加工の際に好ましくは、縮合すべきポリアミド、若しくは縮合すべきポリアミド成形材料は顆粒として、少なくとも2個のカーボネート単位を有する化合物の顆粒又は粉末と、又は相応するマスターバッチと混合される。しかし、配合された完成ポリアミド成形材料と少なくとも2個のカーボネート単位を有する化合物若しくはマスターバッチとの顆粒混合物を製造してもよく、引続き輸送してもよいし、又は貯蔵してもよく、その後に加工してもよい。勿論、相応して粉末混合物を用いて実施してもよい。混合物を加工の際に初めて溶融することは、重要なことである。加工の際の溶融液の徹底的な混合は、望ましい。しかしながらマスターバッチは、同様に溶融液流として、提供された押出機により加工すべきポリアミド成形材料の溶融液中に計量供給することができ、それから徹底的に混入することができる。
【0053】
少なくとも2つのカーボネート単位を有する化合物の代わりにまた、他のあらゆる適切な構成添加剤を使用することができ、例えば上記文献に開示されたものである。ここで適切な量比はまた、使用されるポリアミドに対する比で、0.005〜10質量%、好適には0.01〜5.0質量%、特に好適には0.05〜3質量%である。
【0054】
超臨界媒体は、液体又は気体を、臨界圧力Pk超で臨界温度Tk越に加熱すると、存在する。超臨界状態において超臨界液体は、本来の液体よりも低い密度、ずっと低い粘度、及びずっと高い拡散係数だけではなく、とりわけ優れた溶解性によっても特徴付けられる。二酸化炭素の場合、臨界温度Tkは31.0℃であり、臨界圧力Pkは7.38MPaである。超臨界媒体についてのより正確な記載はKirk-Othmer, Encyclopedia of Chemical Technology, 第4版, 23巻, 452-477pに見られる。
【0055】
本発明によりポリアミド成形材料と接触される超臨界媒体は、CO2の他に、例えばH2S、N2、CH4、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、又はこれらの混合物であるが、これらの列挙に制限されることはない。
【0056】
本発明は例えば、残油回収、又は枯渇した石油源、ガス源などでのCO2の地下貯蔵に使用される。その上、ガス、例えばCO2、CH4、及びH2Sは、例えば天然ガスとして、供給源温度と圧力が高い条件であれば、すでに超臨界状態で供給源に存在しうる。例えば、深い石油源又はガス供給源では、270℃の温度、及び1700barの圧力があり得る。
【0057】
採掘抗の寿命は、かなり制限される:それどころか、10年にもわたって石油をもたらすものは稀である。原油源の天然生産性(一次回収)が弱まれば、収率は場合により天然ガス又は水の圧入によって改善可能である(二次回収)。しかしながら一次回収及び二次回収の手法は、僅か約30%の採油量に過ぎない。以前は顧みられなかった、粘度が高すぎて、毛管力により保持される残部を利用するために、三次回収(enhanced oil recovery)を用いなければならない。このためには、様々な手法がある。慣用の方法は、ガス注入である:ここでは、ガス、例えばCO2、天然ガス、又は窒素を貯蔵箇所に圧入し、ここで超臨界状態で、残存原油と混合し、引き続きこの原油と一緒に輸送する。
【0058】
しかしながら本発明はこの方法に制限されることはなく、ポリアミド成形材料からの成形材料と超臨界媒体との接触が起こるところで、一般的に適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の成分:
a)ポリアミド0〜99質量部、並びに
b)ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドポリアミド、及びこれらの混合物の群から選択されるポリアミドエラストマー1〜100質量部
を少なくとも50質量%含む成形材料(ここで、質量部の合計は100であり、前記成形材料は最大9質量%の可塑剤を含む)を、超臨界媒体との接触のために使用される成形部材の製造に用いる使用。
【請求項2】
前記成形材料が、可塑剤を最大7質量%含むことを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記成形材料が、可塑剤を最大5質量%含むことを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
前記成形材料が、可塑剤を含まないことを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
前記成形部材が、超臨界媒体輸送のために使用されるチューブ又は管内における内部熱可塑性樹脂層であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
前記チューブの外径が、30〜850mmであるか、若しくは前記管の外径が30〜1100mmであることを特徴とする、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
ポリエーテルエステルアミド中にコモノマーとして含まれるポリエーテルジオール、若しくはポリエーテルアミド中にコモノマーとして含まれるポリエーテルジアミンが、200〜5000g/molの質量平均モル質量を有し、かつ、ポリエーテルエステルアミド若しくはポリエーテルアミド若しくはこれらの混合物の割合が、4〜60質量%であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
成形材料からの内部熱可塑性樹脂層が、以下の方法工程:
a)ポリアミド含有成形材料を準備する工程、
b)成形材料と構成添加剤との混合物を製造する工程、
c)混合物を場合により貯蔵及び/又は輸送する工程
d)混合物を剪断下で溶融物で混合する工程(この段階で初めて縮合が起こる)、
e)溶融混合物を押出し、硬化する工程、
によって製造されたことを特徴とする、請求項5から7までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
前記構成添加剤が、少なくとも2つのカーボネート単位を有する化合物であることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
ポリアミドを配合前に抽出し、残りのモノマー、及びオリゴマーを除去することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
超臨界媒体が、CO2、H2S、N2、CH4、エタン、プロパン、ブタン、天然ガス、並びにこれらの混合物の群から選択されていることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
超臨界媒体が、原油と混合されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
原油の三次輸送、又はCO2の地下貯蔵における、請求項1から12までのいずれか1項に記載の使用。

【公表番号】特表2012−510544(P2012−510544A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538915(P2011−538915)
【出願日】平成21年10月7日(2009.10.7)
【国際出願番号】PCT/EP2009/063025
【国際公開番号】WO2010/063506
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】