説明

超音波によるだし抽出装置

【課題】 従来の揉みだし方法や攪拌や対流を行う装置では、だしを揉み出した液体にだし特有のえぐみ等も出てしまうので、良いだしとは言えないという問題があった。
【解決手段】 容器1の底部に超音波振動子2が装着され、超音波振動子2に発振器3が電気的に接続され、発振器3に制御装置4が電気的に接続され、又、容器1の周囲に加熱装置5が装着され、加熱装置5は加熱制御装置6により温度を制御され、容器1にだしパック7及びだしを出す液体8が入れられ、又、発振器3は制御装置4によって50KHz〜1MHzで、超音波の出力が0.1W/cm2出力を超音波振動子2に印加し、さらに、だしパック5には、鰹節破砕や鰯の煮干し等が入れられ、又、だしパック7は容器1内に縦に間隔を開けて載置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波振動でだしパックからだし成分を抽出して、濃縮出し液体を得るようにした超音波よるだし抽出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のだし抽出方法としては、だしパックをお湯に浸け、加熱しながら人的にだしパックを揺すったり揉みだしする作業を行ったり、又、自動的に攪拌や対流を行う装置を付けて、抽出効率を高める装置が使用されている。
【0003】
しかしながら、このような従来の揉みだし方法や攪拌や対流を行う装置では、だしを揉み出した液体にだし特有のえぐみ等も出てしまうので、良いだしとは言えなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−279495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、従来の揉みだし方法や攪拌や対流を行う装置では、だしを揉み出した液体にだし特有のえぐみ等も出てしまうので、良いだしとは言えないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、容器と、該容器に間隔を開けて入れただしパックとだしを出す液体と、前記だしパック及び液体に超音波を照射する超音波振動子と、該超音波振動子に出力を印可する発振器と、該発振器から周波数が50KHz〜1MHzで、超音波の出力が0.1W/cm2の出力が出るように制御する制御装置と、前記容器の周囲に装着され、加熱制御装置により制御された加熱装置とからなり、前記だしパックと前記液体に前記超音波振動子から前記周波数の超音波振動を照射することにより、エグ味や濁りがないだしの液体を抽出し、前記濁りがある場合は前記加熱装置で前記液体を加熱するものであり、又、だしパックの中身は鰹節破砕であり、さらに、だしパックの中身は鰯の煮干しである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の超音波によるだし抽出方法及びその装置では、容器にだしパックとだしを出す液体を入れ、超音波振動子から50KHz〜1MHzで、600Wの超音波を照射することにより、だしパックからに液体効率よくだしを分離することができ、濁りのない澄んだだし汁を得ることができ、又、濁っているときは、容器の周囲の加熱装置で摂氏90度になるまで加熱することにより、濁りのない澄んだだし汁を得ることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施例の超音波によるだし抽出装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明では、容器にだしパックとだしを出す液体とを入れ、超音波振動子に50KHz〜1MHzの出力を発振器から印加し、超音波振動子からだしパック及び液体に超音波を照射し、さらに、加熱装置により、液体を加熱することにより、エグ味やにごりがないだしの液体を得るものである。
【実施例1】
【0010】
図1は本発明の実施例の超音波によるだし抽出装置の構成図で、容器1の底部に超音波振動子2が装着され、超音波振動子2に発振器3が電気的に接続され、発振器3に制御装置4が電気的に接続され、又、容器1の周囲に加熱装置5が装着され、加熱装置5は加熱制御装置6により温度を制御され、容器1にだしパック7及びだしを出す液体8が入れられ、又、発振器3は制御装置4によって50KHz〜1MHzで、超音波の出力が0.1W/cm2の出力を超音波振動子2に印加し、さらに、だしパック5には、鰹節破砕や鰯の煮干し等が入れられ、又、だしパック7は容器1内に縦に間隔を開けて載置されている。
【0011】
このように構成された本実施例の超音波によるだし抽出装置では、超音波振動子2からの超音波により、だしパック7内のだしが超音波振動することにより、揉みだしのような効果を生じ、さらに、加熱制御装置6で摂氏90度以上になるまで加熱することにより、非常に効率よくだしを出すことができる。
【0012】
又、制御装置4によって発振器3からの出力を0.1W/cm2で、周波数を75KHz〜200KHzにすると、殆ど濁りがないだしの液体をとることができ、さらに、発振器3からの出力の周波数を1MHzにすると、やや濁りが出るが、えぐみのないだしの液体をとることができる。
【0013】
ここで、発振器3からの周波数を1MHzにした場合、濁りが出る場合があるが、容器の周囲に装着した加熱装置により、摂氏90度まで加熱すると、濁りのないだし汁を抽出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0014】
なお、上記実施例では、容器1内にだしパック7を縦に載置したが、超音波が通過する隙間を開けて横に載置しても同様の効果を得ることができ、又、鰹節破砕や鰯の煮干しばかりでなく、昆布等にも応用することがことができる。
【符号の説明】
【0015】
1 容器
2 超音波振動子
3 発振器
4 制御装置
5 加熱装置
6 加熱制御装置
7 だしパック
8 液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、該容器に間隔を開けて入れただしパックとだしを出す液体と、前記だしパック及び液体に超音波を照射する超音波振動子と、該超音波振動子に出力を印可する発振器と、該発振器から周波数が50KHz〜1MHzで、超音波の出力が0.1W/cm2の出力が出るように制御する制御装置と、前記容器の周囲に装着され、加熱制御装置により制御された加熱装置とからなり、前記だしパックと前記液体に前記超音波振動子から前記周波数の超音波振動を照射することにより、エグ味や濁りがないだしの液体を抽出し、前記液体に濁りがある場合は前記加熱装置で前記液体を摂氏90度以上になるまで加熱することを特徴とする超音波によるだし抽出装置。
【請求項2】
だしパックの中身は鰹節破砕であることを特徴とする請求項1記載超音波によるだし抽出装置。
【請求項3】
だしパックの中身は鰯の煮干しであることを特徴とする請求項1記載超音波によるだし抽出装置。

【図1】
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【公開番号】特開2010−220556(P2010−220556A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71982(P2009−71982)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(000243364)本多電子株式会社 (255)
【Fターム(参考)】