説明

超音波プローブ、及び超音波診断装置

【課題】高温環境下でも連続使用が可能な小型で操作性の良い超音波プローブ、及び該超音波プローブを有する超音波診断装置を提供する。
【解決手段】超音波を被検体の内部に送波し反射波を受信する振動子部と、振動子部の送波に係る信号または受信に係る信号を無線で外部と通信する無線通信部と、少なくとも振動子部と無線通信部とを収納する筐体と、を備えた超音波プローブであって、筐体に着脱可能なカートリッジとして構成された筐体の内部を冷却する冷却手段を有することを特徴とする超音波プローブ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブ、及び超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断では、被検体内へ超音波を送波し、被検体内で反射した反射波に基づいて被検体内の断層像等の診断画像を生成する。被検体に対する超音波の送受波は、超音波プローブを通じて行われる。
【0003】
超音波プローブは、電流と音波とを可逆的に変換する圧電効果を有する複数の圧電素子を備え、複数の圧電素子にそれぞれ駆動信号を印加して超音波を発生させ、被検体の内部で反射した反射波を受波させて受信信号を生成させる。
【0004】
従来の超音波プローブでは、駆動信号や受信信号を超音波診断装置と伝送するために信号線を束ねたケーブルを用いていた。超音波プローブの圧電素子の数に応じて駆動信号や受信信号を伝送する必要があるため、多くの信号線を束ねた太いケーブルが必要である。そのため、ケーブルの操作性が悪く診断の障害となったり、信号線の断線による故障の確率が高まるおそれがあった。
【0005】
このような課題を解決するため、超音波プローブにバッテリと無線通信部を備え、バッテリにより給電し、無線通信部により超音波診断装置本体と信号の送受信を行って、ケーブルを不要にする技術が開示されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
【0006】
一方、このような圧電素子を動作させると熱が発生するので、超音波プローブの使用中にその温度が上昇してしまうという問題が生じる。
【0007】
このような課題を解決するため、超音波トランスデューサ(圧電素子)を冷却する方法が各種提案されている(例えば、特許文献4、5、6参照)。
【0008】
また、従来より超音波診断装置では、超音波の非線形な伝播により生じる高調波成分を取りだし、この高調波成分に基づいて超音波画像を生成し、表示するハーモニックイメージング(HI)法と呼ばれている手法が用いられてきた(例えば、特許文献7参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−10177号公報
【特許文献2】特開2002−85405号公報
【特許文献3】特開2009−95578号公報
【特許文献4】特開2006−198413号公報
【特許文献5】特開2008−86362号公報
【特許文献6】特開2008−79700号公報
【特許文献7】特許4116143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1、2、3に開示されているワイヤレスの超音波プローブは、バッテリや回路の発熱により超音波プローブの内部温度が上昇するため、使用する環境温度が高くなると回路や部品の動作温度範囲を超え、使用不可になるという問題がある。
【0011】
また、近年、ハーモニックイメージング(HI)法で用いる高調波成分を効率良く取得するため、送信用圧電素子と受信用圧電素子とを別体とし、超音波の送信時と受信時における動作を分離したアレイ型超音波探触子を備えた超音波プローブが用いられている。このようなアレイ型超音波探触子は、非常に発熱量が大きい。
【0012】
そのため、特許文献1、2、3に開示されているワイヤレスの超音波プローブに、アレイ型超音波探触子を用いると内部温度の上昇がさらに大きくなり、超音波プローブを使用する環境温度が常温でも、超音波プローブの冷却が必要になる。
【0013】
しかしながら、特許文献4、5、6に開示されている方法は、超音波トランスデューサ(圧電素子)で発生した熱を冷媒で吸熱し、超音波診断装置本体に設けられた冷却装置により放熱するものである。そのため、吸熱した冷媒を、超音波プローブと超音波診断装置本体との間を結ぶケーブル内を循環させて超音波診断装置本体の冷却装置、または超音波診断装置本体に設けられた熱交換用のコネクタまで移動させる必要があり、太いケーブルが必要になる。このような太いケーブルは、操作性が悪く診断の障害となったり、信号線の断線による故障の確率が高まるおそれがある。
【0014】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、高温環境下でも連続使用が可能な小型で操作性の良い超音波プローブ、及び該超音波プローブを有する超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有するものである。
【0016】
1.超音波を被検体の内部に送波し反射波を受信する振動子部と、前記振動子部の送波に係る信号または受信に係る信号を無線で外部と通信する無線通信部と、少なくとも前記振動子部と前記無線通信部とを収納する筐体と、を備えた超音波プローブであって、
前記筐体に着脱可能なカートリッジとして構成された前記筐体の内部を冷却する冷却手段を有することを特徴とする超音波プローブ。
【0017】
2.前記筐体の内部に設けられた部品が発生する熱を前記冷却手段に伝達する熱伝達手段を有することを特徴とする前記1に記載の超音波プローブ。
【0018】
3.前記カートリッジは、
前記超音波プローブに電力を供給するバッテリーと一体に構成されていることを特徴とする前記1または2に記載の超音波プローブ。
【0019】
4.前記カートリッジは、
蓄冷剤を内部に保持し、
前記蓄冷剤を予め冷却してから前記カートリッジを前記筐体に装着することにより前記筐体の内部を冷却するように構成されていることを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の超音波プローブ。
【0020】
5.前記カートリッジは、
吸熱反応をおこす冷却剤を内部に保持し、
前記筐体に装着した前記カートリッジの内部でおこる吸熱反応により前記筐体の内部を冷却するように構成されていることを特徴とする前記1から3の何れか1項に記載の超音波プローブ。
【0021】
6.超音波を被検体の内部に送波し、反射波を受信して前記被検体の内部を映像化するように構成された超音波診断装置において、
前記4に記載の超音波プローブと、
前記カートリッジを冷却するカートリッジ冷却部と、
前記無線通信部と無線で通信する第2の無線通信部と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。
【0022】
7.前記カートリッジは、充電可能な2次電池を前記バッテリーとして一体に構成されたカートリッジであって、
前記2次電池を充電する充電部を有することを特徴とする前記6に記載の超音波診断装置。
【0023】
8.前記カートリッジ冷却部は、
ペルチェ素子を備え、
前記ペルチェ素子に通電して前記カートリッジを冷却するように構成されていることを特徴とする前記6または7に記載の超音波診断装置。
【発明の効果】
【0024】
本発明の超音波プローブは、超音波の送受信を行う振動子部と、無線で外部と通信する無線通信部と、少なくとも前記振動子部と前記無線通信部とを収納する筐体と、を備えるとともに、筐体に着脱可能なカートリッジとして構成された筐体の内部を冷却する冷却手段を有する。
【0025】
したがって、高温環境下でも連続使用が可能な小型で操作性の良い超音波プローブ、及び該超音波プローブを有する超音波診断装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施形態における超音波診断装置の外観構成を示す図である。
【図2】実施形態における超音波プローブの外観構成を示す図である。
【図3】カートリッジを超音波プローブに着脱する構成を示す説明図である。
【図4】超音波探触子の構成例を示す断面図である。
【図5】超音波探触子を冷却するヒートパイプの断面図である。
【図6】第1の実施形態における超音波診断装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図7】超音波プローブの詳細な回路ブロック図である。
【図8】第2の実施形態におけるカートリッジの断面図である。
【図9】第2の実施形態における超音波診断装置の外観構成を示す図である。
【図10】第2の実施形態における超音波診断装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図11】超音波診断装置100の内部に設けられた冷却機構の一例を説明する説明図である。
【図12】基板を冷却するヒートパイプの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る実施の一形態を図面に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限られない。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0028】
図1は、実施形態における超音波診断装置の外観構成を示す図である。
【0029】
超音波診断装置100は、図略の生体等の被検体に対して超音波(超音波信号)を送波し、受信した被検体で反射した超音波の反射波(エコー、超音波信号)から被検体内の内部状態を超音波画像として画像化し、モニタ10に表示する。
【0030】
超音波プローブ2は、音響レンズ67から被検体に対して超音波(超音波信号)を送波し、被検体で反射した超音波の反射波を受信する。超音波プローブ2は、図1に矢印で示すように、送波に係る信号または受信に係る信号を、超音波診断装置本体14と無線で通信している。
【0031】
入力部13は、スイッチやキーボードなどから構成され、ユーザが診断開始を指示するコマンドの入力や、診断モードの設定、被検体の個人情報等のデータの入力をするために設けられている。
【0032】
モニタ10は、液晶パネルなどからなる表示装置であって、画像化した超音波画像を表示する。
【0033】
図2は、実施形態における超音波プローブ2の外観構成を示す図、図3は、超音波プローブ2の蓋85bを外した内部構成を示す外観図、図4は、超音波プローブ2に用いる超音波探触子1の構成例を示す断面図、図5は、超音波探触子1を冷却するヒートパイプ87の断面図、である。
【0034】
最初に図2、図3、図4、図5を用いて超音波プローブ2の構成の一例を説明する。
【0035】
図2、図3に示すように超音波プローブ2の外観は、筐体85と音響レンズ67、図示せぬ操作スイッチ等からなる。音響レンズ67は、被検体に対して超音波(超音波信号)を送波し、被検体で反射した超音波の反射波を受信する超音波探触子1の一部である。
【0036】
超音波プローブ2の筐体85は、蓋85bと筐体部85aからなり、蓋85bは図3のように着脱可能に構成されている。
【0037】
図3のように蓋85bを外すと、筐体部85aの内部にはカートリッジ86を収容する空間が設けられており、カートリッジ86を筐体部85aに着脱することができる。
【0038】
カートリッジ86は、本発明の冷却手段である。カートリッジ86は、筐体部85aに着脱可能に構成されているので、カートリッジ86の冷却能力が劣化した場合は、容易に交換することができる。
【0039】
カートリッジ86は、比熱が高く、温度上昇するために多くの熱量を要する蓄冷剤、または吸熱反応をおこす冷却剤を内部に保持している。
【0040】
蓄冷剤としては、例えばポリアクリル酸ナトリウムと水の混合物を用いることができる。蓄冷剤を予め冷却してから筐体部85aに装着することにより、超音波プローブ2の筐体85の内部を冷却し、温度の上昇を抑えることができる。
【0041】
蓄冷剤の予め冷却する温度は、筐体85内部の回路部品が結露しないように、0℃程度にすることが望ましい。
【0042】
吸熱反応としては、エリスリトールと水の水和や、塩化カルシウムや硝酸ナトリウムと水との水和を用いることができる。例えば、エリスリトールを充填した袋と、水を充填した袋をカートリッジ86の内部に配置し、筐体85にカートリッジ86を装着すると筐体85の内部に設けられたピンにより2つの袋が破れて、エリスリトールと水とが混合されるように構成すると良い。このようにすると、カートリッジ86を筐体85に装着後、吸熱反応が開始され所定の時間、筐体85の内部を冷却することができる。
【0043】
蓋85bに取り付けられている基板88には、増幅器や無線通信用のICなど発熱の多い回路部品が搭載されている。基板88上の回路部品は、蓋85bを筐体部85aに取り付けると対向する位置にあるカートリッジ86によって主に放射により冷却される。
【0044】
または、蓋85bを筐体部85aに取り付けると、基板88上の回路部品に取り付けたヒートシンクとカートリッジ86とが接するように構成して熱伝導により回路部品を冷却するようにしても良い。
【0045】
このようにすると、簡単な構成で超音波プローブの各回路部品の動作温度範囲を超えないように冷却できるので、高温環境下でも連続使用を可能にすることができる。
【0046】
ヒートパイプ87は、銅、アルミニウムなどの金属、またはその他の熱伝導性の良い材料からなる管の中に冷媒104が封入されている。ヒートパイプ87を、筐体85内の発熱部とカートリッジ86の近傍との間に閉ループ状に配設し、ヒートパイプ87の中の冷媒104を循環させて熱をカートリッジ86に伝達し、発熱部の温度を低下させるように構成されている。
【0047】
冷媒104としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、アルコール、代替フロン(ハイドロクロロフルオロカーボン類、ハイドロフルオロカーボン類)など比熱が高く粘度の低い揮発性の液体を用いることができる。
【0048】
閉ループ状のヒートパイプ87の一端は、図3のように筐体85に装着したカートリッジ86に隣接する位置に配置され、他端は図4、図5のように超音波プローブの超音波探触子1を囲むように配設されている。
【0049】
図4は、超音波プローブ2に用いる超音波探触子1の構成例を示す断面図、図5は、超音波探触子1を冷却するヒートパイプ87の断面図、である。
【0050】
以降の説明では図中のX、Y、Zで示す座標軸に基づいて説明する。X方向はエレベーション方向(ダイシングを行う方向)であり、Z軸正方向は超音波を送信する方向である。また、Z軸方向は積層方向である。
【0051】
図4に示す超音波探触子1は、バッキング材65の上に第4電極75、無機圧電膜62、第3電極74、中間層73、第2電極70、有機圧電膜63、第1電極69、整合層66、音響レンズ67の順に積層されている。
【0052】
整合層66から第4電極75まではX方向に向かってダイシングされ、図4には図示せぬアレイ状に配列された複数の無機圧電素子50とアレイ状に配列された複数の有機圧電素子51とが形成されている。無機圧電素子50は、無機材料からなる圧電素子、有機圧電素子51は、有機材料からなる圧電素子である。
【0053】
無機圧電素子50と有機圧電素子51は、電気信号と音響信号とを相互変換するために設けられ、本実施形態では無機圧電膜62に形成された無機圧電素子50は主に超音波の送波に、有機圧電膜63に形成された有機圧電素子51は主に超音波の受信に用いられている。
【0054】
超音波を送波する際に、無機圧電素子50を振動させるため、図4に示す構成の超音波探触子1では、無機圧電素子50(無機圧電膜62)とバッキング材65との間が振動と摩擦によって最も多く発熱する。
【0055】
超音波探触子1の発熱量は非常に大きく、圧電素子が所定の温度を超えると脱分極をおこし使用できなくなってしまう。ジルコン酸チタン酸鉛などを用いた無機圧電素子50が脱分極をおこす温度は200℃前後、フッ化ビニリデンの重合体などを用いた有機圧電素子51が脱分極をおこす温度は150℃前後であり、保証する使用条件では有機圧電素子51の温度が150℃より低い温度になるようにする必要がある。
【0056】
また、音響レンズ67は、被検体である人体に接触させるので、安全性を確保するため所定の温度以下にする必要がある。
【0057】
本実施形態では、図5のようにヒートパイプ87を流入部87aから分岐させてバッキング材65の周囲を囲むように配設し、流出部87bで合流するように構成している。ヒートパイプ87は、本発明の熱伝達手段である。
【0058】
流入部87aから流入した冷媒104は分岐し、バッキング材65の2つの面に沿ってバッキング材65と熱結合するように配設されたヒートパイプ87の中を移動し、積層されている各部の温度を下げながら流出部87bに移動する。ヒートパイプ87は、最も発熱の大きい無機圧電素子50(無機圧電膜62)とバッキング材65との間に配設することが望ましい。あるいは、ヒートパイプ87をバッキング材65の内部を貫通するように配設すると、より冷却効率が高まるので望ましい。
【0059】
高温のバッキング材65の熱は、伝導または放射によりバッキング材65に近づいた低温の冷媒104の温度を上昇させ、沸点に達すると冷媒104は気化する。ヒートパイプ87は毛細管構造であり、気化した冷媒104は、温度の低いカートリッジ86の近くまで管内を移動して液化する。このように、冷媒104は、温度の高い方から低い方へヒートパイプ87の内部を循環し、バッキング材65を冷却する。
【0060】
このように、超音波探触子1など超音波プローブ2の各部を所定の温度以下に冷却して高温環境下でも連続使用を可能にできる。
【0061】
またこのように、ヒートパイプ87を分岐するとヒートパイプ87に沿ったバッキング材65の2つの面を均等に冷却することができる。このことによって、バッキング材65に積層されている複数の無機圧電素子50、および複数の有機圧電素子51の素子間の温度バラツキを抑え、温度バラツキによるノイズの発生を抑制することができる。
【0062】
なお、ポンプなどの駆動手段を用いて冷媒104を移動させ、ヒートパイプ87の内部を循環するようにしても良い。また、ヒートパイプ87を用いて冷却する部材はバッキング材65に限らず、無機圧電素子50や有機圧電素子51、あるいは他の電子部品でも良い。
【0063】
また、バッキング材65とカートリッジ86とを熱伝導率の良い金属などで接続することによりバッキング材65の熱をカートリッジ86まで伝達するようにしても良い。
【0064】
次に、図12を用いて基板上の素子を冷却する例を説明する。
【0065】
図12は、基板を冷却するヒートパイプの構成例を示す図である。
【0066】
図12(a)は、4つの素子130a、130b、130c、130dが搭載された基板88aの平面図であり、ヒートパイプ87が素子130a、130b、130c、130dに重なるように配設されている。
【0067】
図中の87aは模式的に示す流入部、図中の87bは模式的に示す流出部である。冷媒104は流入部87aから流入し、分岐部131で分岐してヒートパイプ87A1、ヒートパイプ87A2の内部を移動し、分岐部132で合流し流出部87bから流出するように構成されている。ヒートパイプ87A1は素子130a、130bと、ヒートパイプ87A2は130c、130dと密接し、熱結合している。
【0068】
このため、流入部87aから流入した冷媒104は、ほぼ同じ温度でヒートパイプ87A1、ヒートパイプ87A2に流入し、下流側に配置された素子130a、130bと素子130c、130dからそれぞれ熱量を受けて温度上昇する。ヒートパイプ87A1側の冷媒104と、ヒートパイプ87A2側の冷媒104の受ける熱量が同量になるように素子130a〜130dを配置することが望ましい。
【0069】
このようにすると、基板上の素子130の温度バラツキを抑えることができるので、各素子の温度バラツキによるノイズの発生が少ない信号を得ることができる。
【0070】
なお、素子130は半導体素子に限定されるものではなく、OPアンプ、ASICなどのIC、フィルタ回路、圧電素子など各種電子部品に適用できる。
【0071】
次に、基板88aの上側に基板88b、下側に基板88cを配設した場合において、各基板上の素子を均一に冷却する構成例を説明する。
【0072】
図12(b)は、基板88aの上側に同形状の基板88bを、下側に同形状の基板88cを重ねて配設した場合の図12(a)にA、A’で示す部分の断面図である。
【0073】
ヒートパイプ87は、図12(b)のように分岐部131で基板88a、基板88b、基板88cの3方向に分岐している。基板88bと基板88c上の素子130の配置は、図12(a)で説明した基板88aと同様であり、分岐した2つのヒートパイプ87でそれぞれ2つの素子130を冷却するように構成されている。
【0074】
例えば、基板88bの方向に分岐したヒートパイプ87は、図12(a)と同様にヒートパイプ87A4とヒートパイプ87A3(図示せず)の2方向に分岐する。図12(b)のようにヒートパイプ87A4と素子130e、130fは密接し熱結合している。図示せぬヒートパイプ87A3も同様であり説明を省略する。また、基板88bの方向に分岐したヒートパイプ87も同様であり説明を省略する。
【0075】
このように、ヒートパイプ87を分岐させることにより複数の基板を重ねて実装した場合でも各基板上の素子を均一に冷却することができる。
【0076】
次に、図4を用いて積層された順に超音波探触子1の各構成要素を説明する。
【0077】
なお、本実施形態では、1つの圧電素子が1チャンネルを構成するものとして説明する。また、無機圧電素子50、有機圧電素子51の素子数はそれぞれ21とし、a〜uで区別する例を説明するが、素子数は特に限定されるものではなく、20〜200程度の素子数が用いられる。
【0078】
(無機圧電素子アレイ)
図4には図示せぬ無機圧電素子アレイ50は、ジルコン酸チタン酸鉛などの無機材料から成る無機圧電膜62の互いに厚み方向に対向する両面に、それぞれ第3電極74a〜74u、第4電極75a〜75uを備えた無機圧電素子50a〜50uから構成されている。無機圧電膜62の厚みは320μm程度である。
【0079】
無機圧電素子50a〜50uの第3電極74a〜74uは、図示せぬコネクタを介してスイッチ53a〜53uの端子とそれぞれ接続され、第4電極75a〜75uは接地されている。
【0080】
第3電極74a〜74uに駆動信号を印加すると無機圧電素子50a〜50uが振動し、無機圧電素子アレイ50からZ軸正方向に超音波を送信するように構成されている。
【0081】
また、無機圧電素子アレイ50が被検体で反射した超音波の反射波を受信して振動すると、反射波に応じて第3電極74a〜74uに電気信号(以下、受信信号と呼ぶ)が発生する。
【0082】
第3電極74、第4電極75は、金、銀、アルミなどの金属材料を用いて、無機圧電素子アレイ50の両面に蒸着法やフォトリソグラフィー法を用いて成膜されている。
【0083】
(中間層)
中間層73は、有機圧電素子アレイ51が被検体で反射した超音波の反射波を受信して振動した際に、無機圧電素子アレイ50が共振して振動しないように有機圧電素子アレイ51の振動を吸収するために設けられている。
【0084】
このような中間層73は、樹脂材料を成型して形成することができる。中間層73に用いる樹脂材料としては、例えばポリビニルブチラール、ポリオレフィン、ポリアクリレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、エポキシ、オキセタン、などを用いることができる。
【0085】
中間層73の厚みは、求める感度や周波数特性により選択されるが、例えば180〜190μm程度である。
【0086】
なお、求める感度や周波数特性によっては中間層73を省略することもできる。
【0087】
(有機圧電素子アレイ)
図4には図示せぬ有機圧電素子アレイ51は、有機材料から成る有機圧電膜63の互いに厚み方向に対向する両面に、それぞれ第1電極69a〜69u、第2電極70a〜70uを備えた複数の有機圧電素子51a〜51uから構成されている。
【0088】
有機圧電膜63に用いる有機材料として、例えば、フッ化ビニリデンの重合体を用いることができる。また例えば、有機圧電膜63には、フッ化ビニリデン(VDF)系コポリマを用いることができる。このフッ化ビニリデン系コポリマは、フッ化ビニリデンと他の単量体との共重合体(コポリマ)であり、他の単量体としては、3フッ化エチレン(TrFE)、テトラフルオロエチレ(TeFE)、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、パーフルオロアルコキシエチレン(PAE)およびパーフルオロヘキサエチレン等を用いることができる。
【0089】
一般に、ジルコン酸チタン酸鉛などの圧電材料から成る圧電素子は、基本波の周波数に対する2倍程度の周波数帯域の超音波しか受信することができないが、有機圧電材料の圧電素子は、基本波の周波数に対する例えば3〜5倍程度の周波数帯域の超音波を送受信することができ、受信周波数帯域の広帯域化に適している。
【0090】
有機圧電膜63の厚さtは、受信すべき超音波の周波数や有機圧電材料の種類等によって適宜に設定される。
【0091】
このような有機圧電膜63は、有機圧電材料の溶液から流延して所定の厚さの膜を作製し、加熱して結晶化を行った後、所定の大きさのシート状に成型して作製する。
【0092】
有機圧電膜63の厚み方向(Z軸方向)に互いに対向する両面には、それぞれ第1電極69、第2電極70を形成する。
【0093】
有機圧電素子51a〜51uの第1電極69a〜69uは、図示せぬコネクタを介してスイッチ53a〜53uの端子とそれぞれ接続され、第2電極70a〜70uは接地されている。
【0094】
第1電極69a〜69uに駆動信号を印加すると有機圧電素子51a〜51uが振動し、有機圧電素子アレイ51からZ軸正方向に超音波を送信するように構成されている。
【0095】
また、有機圧電素子アレイ51が被検体で反射した超音波の反射波を受信して振動すると、反射波に応じて第1電極69a〜69uに電気信号が発生する。
【0096】
(整合層)
整合層66は、被検体の一つである人体と有機圧電素子アレイ51の音響インピーダンスの中間の音響インピーダンスを有し、音響インピーダンスの整合を図る。整合層66は、例えば、樹脂材料を成型して形成することができる。
【0097】
(音響レンズ)
音響レンズ67は、無機圧電素子アレイ50が送信する超音波を所定の距離に収束させる。
【0098】
このように、無機圧電素子アレイ50と有機圧電素子アレイ51とが積層されているので、超音波プローブ2を小型化することができる。
【0099】
超音波探触子1の説明は以上である。
【0100】
次に、図6、図7を用いて第1の実施形態における超音波診断装置100の電気的な構成を説明する。図6は、超音波診断装置の電気的な構成を示すブロック図、図7は、超音波プローブの詳細な回路ブロック図である。
【0101】
図6では、複数の無機圧電素子50a〜50uから成る無機圧電素子アレイ50、複数の有機圧電素子51a〜51uから成る有機圧電素子アレイ51を、それぞれ一つのブロックで図示している。
【0102】
振動子部58は、無機圧電素子アレイ50、有機圧電素子アレイ51、増幅器52、切換手段53から成り、超音波を被検体の内部に送波し反射波を受信する本発明の振動子部である。
【0103】
有機圧電素子51a〜51uはインピーダンスが数kΩと非常に高いため、ノイズの影響を受けやすい。そのため、有機圧電素子51a〜51uは、それぞれ増幅器52a〜52uと接続されており、増幅器52a〜52uは、それぞれ超音波を受信した有機圧電素子51a〜51uが発生する電気信号(以下、受信信号と呼ぶ)を増幅する。増幅器52a〜52uによって受信信号を増幅し、低インピーダンスで出力することにより受信信号を、無線通信部59を介して高S/Nで超音波診断装置本体14に伝送することができる。
【0104】
増幅器52a〜52uには、初段にFET(電界効果トランジスタ)を用いたオペアンプなど入力インピーダンスの高い汎用の増幅器を用いることができる。
【0105】
切換手段53のスイッチ53a〜53uは、無線通信部59からの切換制御信号57に応じて、信号線56a〜56uを、対応する無機圧電素子50a〜50u、または有機圧電素子51a〜51u、または増幅器52a〜52uの出力端子の何れか一つに接続する。図7に示す単極双投のスイッチ53a〜53uは、単極単投のアナログスイッチ等を組み合わせ、切換制御信号により適宜オンまたはオフにすることにより等価的に同機能のスイッチを構成することができる。
【0106】
無線通信部59は、振動子部58の送波に係る信号および受信に係る信号を無線で外部と通信する。また、無線通信部59は、超音波診断装置本体14に設けられた無線通信部20と双方向に通信する機能を有する。無線通信部20は、本発明の第2の無線通信部である。
【0107】
無線通信部59には、無機圧電素子アレイ50を駆動するバッファアンプや、デジタル信号に変換して送受信する場合は、A/D変換器やD/A変換器などを備えている。
【0108】
無線通信部59と無線通信部20には、IEEE802.11規格などに準拠した無線LANや、FDMA(周波数分割多重接続)方式などの無線通信、IrDA規格などに準拠した赤外線通信などを用いることができる。また、転送データ量に応じて、複数のデータ転送チャネルを設けても良い。
【0109】
無線通信部59は、無機圧電素子アレイ50を駆動する駆動信号を無線通信部20から受信し、増幅器52a〜52uで増幅された受信信号を無線通信部20に送信する。また、無線通信部59は、切換制御信号を無線通信部20から受信し、切換手段53に伝送する。
【0110】
バッテリー84は、超音波プローブ2の振動子部58と無線通信部59などに電力を供給する。
【0111】
電源部22は、超音波診断装置本体14に設けられ、ACジャック21から入力された交流電圧を直流電圧に変換し、超音波診断装置本体14の各部に電力を供給する。
【0112】
制御部99は、CPU98(中央処理装置)と記憶部96等から構成され、記憶部96に記憶されているプログラムをRAMに読み出し、当該プログラムに従って超音波診断装置100の各部を制御する。記憶部96は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。
【0113】
次に、超音波画像を表示するまでの手順の一例を説明する。
【0114】
CPU98は、超音波を送波する前に、スイッチ53a〜53uを信号線56a〜56uが、それぞれ無機圧電素子50a〜50uに接続されるように無線通信部20から切換制御信号を送信する。これを受信した超音波プローブ2の無線通信部59は、切換手段53に切換制御信号を送信し、スイッチ53a〜53uは信号線56a〜56uが、それぞれ無機圧電素子50a〜50uに接続される位置に切り換えられる。
【0115】
次に、送信処理部7は、制御部99により設定されたタイミングで、超音波をビーム状に形成し、また任意の深さで収束させて焦点を形成するように遅延処理をかけた駆動信号を無線通信部20から送信する。無線通信部59は、駆動信号を受信し信号線56a〜56uを介して無機圧電素子50a〜50uに印加する。
【0116】
超音波プローブ2で発生した超音波は、被検体に送波され、被検体内部を伝播し、その途中にある音響インピーダンスの不連続面で反射し、エコーとして超音波プローブ2に返ってくる。
【0117】
超音波を被検体に向けて送波した後、超音波プローブ2に返ってきたエコーは、超音波プローブ2に配列された有機圧電素子51a〜51uを機械的に振動させ、微弱な受信信号を発生させる。
【0118】
超音波を受信する時、CPU98は、スイッチ53a〜53uを切り換えて信号線56a〜56uが増幅器52a〜52uに接続されるようにする。無線通信部59は、増幅器52a〜52uから受信信号を受信し、無線通信部20に送信する。
【0119】
無線通信部20で受信した受信信号は、受信処理部3に取り込まれ、プリ増幅器で増幅された後、送波時と同じ遅延処理を受信ビームフォーマーで受けた後、加算ユニットで加算される。
【0120】
この受信信号は、基本波モードでは、受信信号から基本波成分を主に抽出するために通過帯域が基本周波数fを中心とした所定の帯域に設定されている基本波用帯域通過型フィルタ(BPF)4を通ってBモード処理部6に送られる。
【0121】
また、高調波モードでは、通過帯域が基本周波数fの例えば3倍の周波数を中心とした所定の帯域に設定されている高調波用帯域通過型フィルタ(BPF)5を通って、Bモード処理部6に送られる。
【0122】
ハーモニックイメージング(HI)法を用いる高調波モードでは、エコーに含まれる超音波が被検体(生体)の内部を歪みながら‘伝播’する、いわゆる伝播の非線形性により発生した基本周波数f以外の非基本波成分を利用する。非基本波成分のなかでも、基本周波数fの2倍の2次高調波成分、3倍の3次高調波成分などを診断のための画像形成に利用することができるが、本実施形態では3倍の周波数3fの3次高調波成分を利用するものとして説明する。
【0123】
Bモード処理部6は、基本波モード時には基本波用帯域通過型フィルタ4からの基本周波数fの成分に基づいて通常のBモード像を生成し、また高調波モード時には高調波用帯域通過型フィルタ5からの基本周波数の3倍の3fの成分に基づいて画像を生成する。これらの画像はデジタルスキャンコンバータ(DSC)9によって再構成された後、ビデオ信号に変換され、モニタ10に表示される。
【0124】
なお、本実施形態では、無機圧電素子アレイ50から超音波を送波し、切換手段53を切り換えて有機圧電素子アレイ51で受信した受信信号を超音波診断装置本体14に無線で送信する高調波モードの例を説明したが、特にこの例に限定されるものではない。例えば、送受波ともに切換手段53を無機圧電素子アレイ50にする基本波モードや、または送受波ともに切換手段53を有機圧電素子アレイ51にして高調波モードを行う場合にも本発明を適用できる。また、切換手段53を設けず無機または有機の圧電素子アレイから送受波する場合にも本発明を適用できる。
【0125】
次に、第2の実施形態を説明する。図8は、第2の実施形態のカートリッジ86の断面図、図9は、第2の実施形態における超音波診断装置の外観構成を示す図、図10は、第2の実施形態における超音波診断装置の電気的な構成を示すブロック図である。また、図11は、超音波診断装置100の内部に設けられた冷却機構の一例を説明する説明図である。
【0126】
第2の実施形態のカートリッジ86は、超音波プローブ2に電力を供給するバッテリー84と一体に構成されている。
【0127】
図8の例では、ケース106の中にバッテリー84を囲むように蓄冷剤105、または冷却剤が設けられている。ケース106の外装にはバッテリーの電極端子が設けられ、カートリッジ86を筐体部85aに装着すると電極端子が筐体部85aに設けられた接点と導通し、超音波プローブ2に電力を供給できるように構成されている。
【0128】
このようにすると、発熱の大きいバッテリーを効率的に冷却することができる。また、カートリッジ86の交換とバッテリー84の交換を同時に行うことができるので、使い勝手が良い。
【0129】
バッテリー84は、アルカリ電池などの1次電池や、リチウムイオン電池、ニッケル・水素蓄電池などの充電可能な2次電池を用いることができる。
【0130】
図9に示す第2の実施形態の超音波診断装置100は、超音波診断装置本体14にカートリッジ86を挿入する開口18が設けられている。
【0131】
ペルチェ素子121の冷却面は、図11のように開口18に挿入されたカートリッジ86のケース106の蓄冷材105側の面と接し、蓄冷材105を冷却できるように配置されている。ペルチェ素子121の排熱側の面には放熱フィン127が取り付けられ、冷却ファン122によって空気冷却されるように構成されている。図中の126はモータ、125はファンである。
【0132】
ペルチェ素子121は、本発明のカートリッジ冷却部である。ペルチェ素子121を用いると簡単な機構で蓄冷材を保持するカートリッジ86を冷却することができる。
【0133】
カートリッジ86を開口18に挿入すると、制御部99は図示せぬ検知手段でカートリッジ86を検知し、ペルチェ素子121を作動させてカートリッジ86を冷却する。複数のカートリッジ86を用意しておくと、開口18に挿入し所定の温度に冷却されたカートリッジ86を順次超音波プローブ2に装着されているカートリッジ86と交換することができるので、使い勝手が良い。開口18を複数設けるとさらに効率が良い。
【0134】
充電部120は、制御部99の指令により2次電池からなるバッテリー84を充電する。
【0135】
図8に示すような2次電池を用いたバッテリー84と一体に構成されたカートリッジ86を用いる場合は、開口18に挿入するとカートリッジ86の蓄冷材の冷却とともにバッテリー84を充電することができるようにしても良い。
【0136】
例えば、2次電池を用いたバッテリー84と一体に構成されたカートリッジ86を開口18に挿入すると、図10に示す充電部120に接続された超音波診断装置本体14の内部に設けられた接点124と導通するように構成する。カートリッジ86を検知した制御部99は、充電部120にバッテリー84を充電するよう指令する。
【0137】
このようにすると、カートリッジ86を開口18に挿入するだけで、バッテリー84の充電とカートリッジ86の冷却とを行うことができるので使い勝手が良い。
【0138】
なお、本実施形態では超音波診断装置本体14に電源部22、充電部120、ペルチェ素子121、放熱フィン127、冷却ファン122を内蔵しているが、これらを超音波診断装置本体14とは別体に構成しても良い。
【0139】
また、超音波プローブ2と超音波診断装置本体14にそれぞれコイルを設けて非接触方式で給電するように構成しても良い。
【0140】
超音波プローブは、患者の体表に押し当てる為、1日に1回程度の頻度で消毒を行ったりする。そのため、バッテリー84交換時にバッテリー84の接点124と接触する端子が消毒液等に触れて劣化するおそれがある。カートリッジ86とバッテリー84を別体に構成する場合は、非接触方式で給電することにより、充電時にバッテリー84を超音波プローブ2から取り出す必要が無くなるので、このようなおそれを無くすことができる。
【0141】
以上このように、本発明によれば、高温環境下でも連続使用が可能な小型で操作性の良い超音波プローブ、及び該超音波プローブを有する超音波診断装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0142】
1 超音波振動子
2 超音波プローブ
3 受信処理部
4 基本波用帯域通過型フィルタ
5 高調波用帯域通過型フィルタ
6 Bモード処理部
7 送信処理部
9 デジタルスキャンコンバータ
10 表示部
13 入力部
14 超音波診断装置本体
15 ケーブル
20 無線通信部
22 電源部
50 無機圧電素子アレイ
50a〜50u 無機圧電素子
51 有機圧電素子アレイ
51a〜51u 有機圧電素子
52 増幅器
53 切換手段
53a〜53u スイッチ
59 無線通信部
65 バッキング材
67 音響レンズ
69 第1電極
70 第2電極
74 第3電極
75 第4電極
84 バッテリー
85 筐体
85a 筐体部
85b 蓋
86 カートリッジ
87 ヒートパイプ
96 記憶部
98 CPU
99 制御部
100 超音波診断装置
104 冷媒
106 ケース
121 ペルチェ素子
122 ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波を被検体の内部に送波し反射波を受信する振動子部と、前記振動子部の送波に係る信号または受信に係る信号を無線で外部と通信する無線通信部と、少なくとも前記振動子部と前記無線通信部とを収納する筐体と、を備えた超音波プローブであって、
前記筐体に着脱可能なカートリッジとして構成された前記筐体の内部を冷却する冷却手段を有することを特徴とする超音波プローブ。
【請求項2】
前記筐体の内部に設けられた部品が発生する熱を前記冷却手段に伝達する熱伝達手段を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波プローブ。
【請求項3】
前記カートリッジは、
前記超音波プローブに電力を供給するバッテリーと一体に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波プローブ。
【請求項4】
前記カートリッジは、
蓄冷剤を内部に保持し、
前記蓄冷剤を予め冷却してから前記カートリッジを前記筐体に装着することにより前記筐体の内部を冷却するように構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の超音波プローブ。
【請求項5】
前記カートリッジは、
吸熱反応をおこす冷却剤を内部に保持し、
前記筐体に装着した前記カートリッジの内部でおこる吸熱反応により前記筐体の内部を冷却するように構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の超音波プローブ。
【請求項6】
超音波を被検体の内部に送波し、反射波を受信して前記被検体の内部を映像化するように構成された超音波診断装置において、
請求項4に記載の超音波プローブと、
前記カートリッジを冷却するカートリッジ冷却部と、
前記無線通信部と無線で通信する第2の無線通信部と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項7】
前記カートリッジは、充電可能な2次電池を前記バッテリーとして一体に構成されたカートリッジであって、
前記2次電池を充電する充電部を有することを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記カートリッジ冷却部は、
ペルチェ素子を備え、
前記ペルチェ素子に通電して前記カートリッジを冷却するように構成されていることを特徴とする請求項6または7に記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−83363(P2011−83363A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−237184(P2009−237184)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】