説明

超音波モータ

【課題】小型化を図ると共に、効率が高く、さらに構造が簡単である超音波モータを提供する。
【解決手段】矩形型の圧電振動子1が、第一次縦振動モードと第一屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、圧電振動子1が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、圧電振動子1が第一次屈曲振動モードで振動する際の幅方向の長さをwとし、w/Lを変数として、w/Lと圧電振動子1の第一次縦振動モードの共振周波数とを対応させると共に、w/Lと第一次屈曲振動モードの共振周波数とを対応させた場合、圧電振動子1は、第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モードと第一屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、圧電素子を矩形に形成し、第一次縦振動モード(L1)と第二次屈曲振動モード(F2)とを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータが知られている。例えば、特開2006−094597号公報には、複数の圧電体を積層し、L1F2共振モードで駆動する超音波振動子が開示されている。この超音波振動子は、圧電素子と内部電極とが交互に積層されており、この積層方向と直交する第2の方向および第3の方向に沿って、概ね4分割された内部電極群を備えている。また、それらの内部電極群とそれぞれ道通する第1の外部電極群および第2の外部電極群とを有している。そして、第1および第2の外部電極群に電圧を印加することにより、第2の方向に発生する縦振動モードと、第3の方向に発生する屈曲振動モードとが同時に励起することによって、楕円振動を発生させる。
【0003】
また、特表2007−538484号公報には、振動子を長さLおよび高さHの圧電プレートで形成して、ラーメモードで駆動する圧電超音波モータが開示されている。この圧電超音波モータでは、圧電プレートで一次非対称定在波が励起され、摺動チップが楕円運動をすることによって駆動力を発生させる。
【特許文献1】特開2006−094597号公報
【特許文献2】特表2007−538484号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、超音波モータは種々の目的に用いられているが、工業的に超音波モータに求められる主な特性は、小型であること、効率が高いこと、構造が簡単であることである。ここで、超音波モータが小型であることとは、圧電振動子の共振周波数がなるべく低いことを意味する。また、効率が高いとは、圧電振動子の機械−電気結合係数が大きいことを意味する。
【0005】
しかしながら、第一次縦振動モード(L1)と第二次屈曲振動モード(F2)とを組み合わせた多重振動モードで超音波モータを駆動させようとする場合、主面を4つの領域に分けて、それぞれに電力を配置し、対角に位置する電極同士を接続しなければならず、電極構造が複雑にならざるを得ない。また、ラーメモードで超音波モータを駆動させようとする場合、他のモードと比較して共振周波数が高いため、他のモードと同じ共振周波数で駆動させようとした場合は、他のモードを用いる場合よりも超音波モータが大きくなってしまい、小型化を図ることが困難となる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、小型化を図ると共に、効率が高く、さらに構造が簡単である超音波モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の超音波モータは、矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モードと第一屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、前記圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記圧電振動子が第一次屈曲振動モードで振動する際の幅方向の長さをwとし、w/Lを変数として、w/Lと前記圧電振動子の第一次縦振動モードの共振周波数とを対応させると共に、w/Lと第一次屈曲振動モードの共振周波数とを対応させた場合、前記圧電振動子は、第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されていることを特徴としている。
【0008】
このように、圧電振動子が、第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されているので、他のモード、例えば、L1F2モードで駆動させる場合よりも圧電振動子の主面の形状を正方形に近いものとすることができる。その結果、全体の寸法が扁平とならないため、奥行き寸法を小さくすることができる。これにより、パワー入力が従来のものよりも大きく取ることが可能となる。なお、第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値とは、圧電振動子が超音波モータとして実用的に機能する範囲という意味である。第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とが多少ずれていても、圧電振動子が超音波モータとして実用的に機能するのであれば、w/Lの値は実質的に同一であると言える。逆に言えば、w/Lの値は、圧電振動子が超音波モータとして実用的に機能するのであれば、第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とがちょうど同じ値でなければならないわけではない。
【0009】
(2)また、本発明の超音波モータは、矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モードと第一屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、前記圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記圧電振動子が第一次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをwとした場合、前記圧電振動子は、前記w/Lの値が1.00から1.15の範囲に収まるように形成されていることを特徴としている。
【0010】
このように、圧電振動子は、w/Lの値が1.00から1.15の範囲に収まるように形成されているので、他のモード、例えば、L1F2モードで駆動させる場合よりも圧電振動子の主面の形状を正方形に近いものとすることができる。その結果、全体の寸法が扁平とならないため、奥行き寸法を小さくすることができる。これにより、パワー入力が従来のものよりも大きく取ることが可能となる。
【0011】
(3)また、本発明の超音波モータは、矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モードと第一屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、前記圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記圧電振動子が第一次屈曲振動モードで振動する際の幅方向の長さをwとした場合、前記圧電振動子は、前記w/Lの値が実質的に1.05となるように形成されていることを特徴としている。
【0012】
このように、圧電振動子が、w/Lの値が実質的に1.05となるように形成されているので、他のモード、例えば、L1F2モードで駆動させる場合よりも圧電振動子の主面の形状を正方形に近いものとすることができる。その結果、全体の寸法が扁平とならないため、奥行き寸法を小さくすることができる。これにより、パワー入力が従来のものよりも大きく取ることが可能となる。なお、w/Lの値が実質的に1.05であるとは、圧電振動子が超音波モータとして実用的に機能する範囲という意味である。w/Lの値が1.05の前後にずれていても、圧電振動子が超音波モータとして実用的に機能するのであれば、w/Lの値は実質的に1.05であると言える。逆に言えば、w/Lの値は、圧電振動子が超音波モータとして実用的に機能するのであれば、ちょうど1.05でなければならないわけではない。
【0013】
(4)また、本発明の超音波モータにおいて、前記圧電振動子は、いずれか一方の主面上に並設された2枚の電極を備え、前記2枚の電極の少なくとも一方に印加された電圧によって駆動することを特徴としている。
【0014】
このように、いずれか一方の主面上に2枚の電極が並設されているため、L1F2モードの場合よりも電極構造を簡単にすることができる。
【0015】
(5)また、本発明の超音波モータにおいて、前記圧電振動子は、いずれか一方の前記電極に第1の交流電圧を印加すると共に、いずれか他方の前記電極に前記第1の交流電圧と位相がπ/2ずれた第2の交流電圧を印加する2相信号入力方式、またはいずれか一方の前記電極に交流電圧を印加すると共に、いずれか他方の前記電極を開放する1相信号入力方式のいずれか一方の方式で駆動することを特徴としている。
【0016】
この構成により、2相信号入力方式または1相信号入力方式のいずれの方式でも圧電振動子を駆動することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、圧電振動子が、第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されているので、他のモード、例えば、L1F2モードで駆動させる場合よりも圧電振動子の主面の形状を正方形に近いものとすることができる。その結果、全体の寸法が扁平とならないため、奥行き寸法を小さくすることができる。これにより、パワー入力が従来のものよりも大きく取ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明者は、従来、圧電振動子を円柱形状となるように形成し、圧電振動子をL1F1共振モードで駆動させることによって、円柱の頂部で回転運動を起こさせて、駆動対象物を回転させる超音波モータは知られていたが、矩形型の圧電振動子をL1F1共振モードで駆動するものは実現されていなかった点、および、圧電振動子のいずれか一方の主面上に2枚の電極を並設した超音波モータは知られているが、矩形型の圧電振動子において、第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とが同一となる場合を利用した超音波モータは実現されていなかった点に着目し、圧電振動子を、その時の寸法に基づいて形成することによって、超音波モータの小型化、高効率化および構成の簡略化を実現することができることを見出し、本発明をするに至った。
【0019】
すなわち、本発明は、矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モードと第一屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、前記圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記圧電振動子が第一次屈曲振動モードで振動する際の幅方向の長さをwとし、w/Lを変数として、w/Lと前記圧電振動子の第一次縦振動モードの共振周波数とを対応させると共に、w/Lと第一次屈曲振動モードの共振周波数とを対応させた場合、前記圧電振動子は、第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されていることを特徴としている。
【0020】
これにより、本発明者は、小型化、高効率化および構成の簡略化を図ることを可能とした。以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0021】
[第1の実施形態]
図1から図3は、本実施形態に係る圧電振動子の平面図である。この圧電振動子1は、圧電セラミックスから形成されており、紙面に対して垂直方向に分極している。また、圧電振動子1の紙面に対して上側の中央部に、駆動力を伝達する摺動チップ2が設けられている。図2に示すように、圧電振動子1が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向は、図2中、矢印Aの方向と平行である。また、図3に示すように、圧電振動子1が第一次屈曲振動モードで振動する際の方向(剪断方向)は、図2に示す矢印Aと平行であるが、図3に示すように、圧電振動子1の両端で方向が互いに逆となる。図2に示す第一次縦振動モードと図3に示す第一次屈曲振動モードとが合成(縮退)することによって、摺動チップ2は楕円運動をし、駆動力が生ずる。
【0022】
次に、本実施形態に係る超音波モータの駆動原理について説明する。図4は、矩形型の圧電振動子を複数種類の振動モードで振動させたときの周波数スペクトラムを示す図である。ここで、F1、F2およびF3は、屈曲振動を示し、L1およびL2は縦振動を示す。矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モード(L1)で振動する際の伸縮方向の長さをLとし、また、これと直交する方向の圧電振動子の幅をwとする。そして、図4に示すように、w/Lを変数として、w/Lと圧電振動子の第一次縦振動モードの共振周波数とを対応させると共に、w/Lと第一次屈曲振動モードの共振周波数とを対応させる。なお、図4ではL=20mmで固定し、w(Width)のみを変化させている。この場合、縦横の二辺の比(以下、「辺比」と呼称する。)w/Lが、1.05付近(1.00から1.15)で両者の共振周波数が一致し、二つの振動が縮退する。このときの共振周波数は、67kHz〜68kHzとなっている。
【0023】
このように、辺比が1.00から1.15であり、共振周波数が67kHz〜68kHzであるときに縮退が生じるため、より高い周波数(100kHz程度)で駆動する場合と比較して、効率を高めることが可能となる。また、一辺が20mm程度の正方形となるため、小型化を図ることが可能となる。
【0024】
図5Aおよび図5Bは、本実施形態に係る超音波モータの概略構成を示す図である。図5Aに示すように、超音波モータ10において、圧電振動子1は、矩形の圧電基板1bの一方の主面を2分割するように、電極4aと電極4bとが設けられている。他方の主面は接地されている。これらの電極4a、4bは、互いに絶縁された状態で個別に設けられる。超音波モータ10の駆動回路は、2つの交流電圧源5a、5bによって構成される。交流電圧源5aは、電極4bにVsinωtの電圧を印加し、交流電圧源5bは、電極4aにVcosωtの電圧を印加する。このように、圧電振動子1の電極4a、4bに対して位相がπ/2ずれた電圧VsinωtおよびVcosωtが印加されると、圧電振動子1には、図2および図3に示すように、長手方向に伸縮する第一次縦振動モードの振動と、幅方向(剪断方向)で屈曲する第一次屈曲振動モードの振動とが発生する。そして、第一次縦振動モードの共振周波数と、第一次屈曲振動モードの共振周波数とが等しいときに、両振動モードが合成(縮退)され、圧電振動子1のチップ(図5Aに図示せず)には楕円振動が発生する。なお、電圧VsinωtとVcosωtとは、それぞれ第1の交流電圧と第2の交流電圧とに該当する。両者が入れ替わっても何ら問題はない。
【0025】
このように、いずれか一方の主面上に2枚の電極が並設されているため、L1F2モードの場合のように、主面を4つの領域に分けて、それぞれに電力を配置し、対角に位置する電極同士を接続しなければならない構成よりも簡単な構成にすることができる。
【0026】
なお、図5Aでは、2相信号入力の構成を示したが、本発明は、これに限定されるわけではない。例えば、図5Bに示すように、1相信号入力の構成を採ることも可能である。この場合、一方の電極4bに、交流電源5aによってVsinωtの交流信号を印加し、他方の電極4aを開放状態とすることで動作させることも可能である。
【0027】
[第2の実施形態]
本実施形態では、圧電振動子は、単板セラミックスを使用した。この単板セラミックスを、20.0mm×12.8mm×3.0mmに加工した後、20.0mm×12.8mmの一面に2分割、その裏面には全面に銀電極を印刷塗布し、850℃で焼付けを行なった。その後、120℃のシリコンオイル中で、2kV/mmの電界強度で一様に分極処理して圧電振動子を作製した。摺動チップは、アルミナセラミックスを半円筒化したものを使用した。
【0028】
上記のように作製した圧電振動子を用いて、推力−速度特性の測定を行なった。この測定では、精密リニアテーブル側面に、鏡面仕上げしたアルミナ板に超音波モータ(圧電振動子)を予圧接触させた駆動機構を用いた。それに定滑車を用いて錘をつるし、ガラススケールで位置情報を読み取った。
【0029】
次に、上記のように作製した圧電振動子を用いた超音波モータについて、FEM解析を行なった。図6は、周波数−駆動速度特性を示す図である。駆動周波数が77kHzのとき、2相入力時の最大速度は、130mm/sであった。図7は、推力−速度特性を示す図である。110Vrms入力時、最大2.8Nの推力を得られた。図8は、推力−効率特性を示す図である。図8に示すように、最大効率は、1.8%であった。以上のように、本実施形態に係る矩形圧電振動子を用いた超音波モータも有望であることが分かった。
【0030】
以上説明したように、本実施形態によれば、圧電振動子1が、第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されているので、他のモード、例えば、L1F2モードで駆動させる場合よりも圧電振動子の主面の形状を正方形に近いものとすることができる。その結果、全体の寸法が扁平とならないため、奥行き寸法を小さくすることができる。これにより、パワー入力が従来のものよりも大きく取ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態に係る圧電振動子の平面図である。
【図2】本実施形態に係る圧電振動子の平面図である。
【図3】本実施形態に係る圧電振動子の平面図である。
【図4】矩形型の圧電振動子を複数種類の振動モードで振動させたときの周波数スペクトラムを示す図である。
【図5A】本実施形態に係る超音波モータの概略構成を示す図である。
【図5B】本実施形態に係る超音波モータの概略構成を示す図である。
【図6】周波数−駆動速度特性を示す図である。
【図7】推力−速度特性を示す図である。
【図8】推力−効率特性を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
1 圧電振動子
1b 圧電基板
2 摺動チップ
4a 電極
4b 電極
5a 交流電圧源
5b 交流電圧源
10 超音波モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モードと第一屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、
前記圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記圧電振動子が第一次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをwとし、w/Lを変数として、w/Lと前記圧電振動子の第一次縦振動モードの共振周波数とを対応させると共に、w/Lと第一次屈曲振動モードの共振周波数とを対応させた場合、
前記圧電振動子は、第一次縦振動モードの共振周波数と第一次屈曲振動モードの共振周波数とが実質的に同一となるw/Lの値に基づいて形成されていることを特徴とする超音波モータ。
【請求項2】
矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モードと第一屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、
前記圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記圧電振動子が第一次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをwとした場合、
前記圧電振動子は、前記w/Lの値が1.00から1.15の範囲に収まるように形成されていることを特徴とする超音波モータ。
【請求項3】
矩形型の圧電振動子が、第一次縦振動モードと第一屈曲振動モードとを組み合わせた多重振動モードで振動することにより駆動力を発生する超音波モータであって、
前記圧電振動子が第一次縦振動モードで振動する際の伸縮方向の長さをLとし、前記圧電振動子が第一次屈曲振動モードで振動する際の剪断方向の長さをwとした場合、
前記圧電振動子は、前記w/Lの値が実質的に1.05となるように形成されていることを特徴とする超音波モータ。
【請求項4】
前記圧電振動子は、いずれか一方の主面上に並設された2枚の電極を備え、前記2枚の電極の少なくとも一方に印加された電圧によって駆動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の超音波モータ。
【請求項5】
前記圧電振動子は、いずれか一方の前記電極に第1の交流電圧を印加すると共に、いずれか他方の前記電極に前記第1の交流電圧と位相がπ/2ずれた第2の交流電圧を印加する2相信号入力方式、またはいずれか一方の前記電極に交流電圧を印加すると共に、いずれか他方の前記電極を開放する1相信号入力方式のいずれか一方の方式で駆動することを特徴とする請求項4記載の超音波モータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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