超音波リニアモータ
【課題】少数で構造が簡単なパーツにより、製造時に他の素子と容易に統合でき、加工コストを低減させられる超音波リニアモータを提供する。
【解決手段】基板と、前記基板上に設けられ、両側に形成された斜面又は曲面と前記基板の表面とで凹状の収容部を形成してなる振動部材と、両側に前記収容部に対向して介在された挟持部が設けられたスライド部材と、を備え、前記振動部材は電源に接続され、駆動動力を前記スライド部材に生成することで、前記スライド部材の挟持部を前記収容部内にスライドさせ、リニア運動を生成する。
【解決手段】基板と、前記基板上に設けられ、両側に形成された斜面又は曲面と前記基板の表面とで凹状の収容部を形成してなる振動部材と、両側に前記収容部に対向して介在された挟持部が設けられたスライド部材と、を備え、前記振動部材は電源に接続され、駆動動力を前記スライド部材に生成することで、前記スライド部材の挟持部を前記収容部内にスライドさせ、リニア運動を生成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波リニアモータに関し、より詳しくは、少数で構造が簡単なパーツを有する超音波リニアモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の超音波モータは、従来の電磁式モータより応答スピードが速く、位置決めが正確で、それ自身や周囲の回路素子への電波又は磁気による干渉がなく、従来の電磁式モータのような複雑なコイル構造を有さず、その直接リニア駆動特性により従来のモータにおいて膨大でかつ複雑なスクリュー変換機構及び運動変換時に伴う摩擦消耗がなく、無給電の状態におけるセルフロックにより、従来の電磁式モータなら動かなくても電力消耗していたところ、そういった状況を回避できるため、従来の電磁式モータに取って代わるようになり、上述した利点により、超音波モータがマイクロ型駆動素子として広汎に製造され、カメラレンズ駆動用のような駆動装置に適用されるようになった。
【0003】
超音波モータの駆動原理は、通常、モータにおける振動部材表面に生じた波動によりスライド部材を作動させることで、回転又はリニア運動をさせ、これをモータとして用いる点にある。一般に、超音波リニアモータにはステッピング(stepping)式及び共振式がある。ステッピング式は、数ナノメートルをステッピング単位としステッピング移動させ、共振式は振動部材を共振環境において表面共振波動により駆動させる。両者のいずれにも特徴があるが、前者は位置決め精度が高く、後者は共振環境における操作による高効率及び高移動スピードにおいて利点がある。ステッピング式超音波リニアモータは、その移動スピードが遅く、制御方式が複雑であるため、実験室又は半導体の製造工程に必要とするナノレベル位置決めに多く用いられている。共振式超音波リニアモータは、その効率が高く、駆動が簡単であるため、特に一般の民生用電子製品に適用されている。例えば、高度の統合性を有する微小化されたデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ及びカメラ付き携帯電話等において手振れ防止や光学ズーミングのためのモジュール、若しくは電磁干渉除去機能を有する高安全性自動電子ロックに利用されている。
【0004】
ただし、現在の超音波リニアモータ(例えば米国特許第7105987号、第7053525号、第7205703号参照)においては、セラミックス振動部材を使用するので、加工が困難であることがある。セラミックスは脆弱性材料であり、所要の振動部材形状が複雑であるので金型で一次成形できないため、後続の切削加工製作工程に手間がかかってしまう。また、所要の振動部材の形状が複雑であるため、それに合わせるためのパーツ(例えば米国特許第5453653号、第6765335号、第2008/073999号のいずれにも軸受け素子が別途に使用されること、米国特許第6747394号に2つの振動部材が使用されることが開示されているが、パーツが多くなり、2つの振動部材の動的特性の相違により使用時の性能に影響を及ぼしていることがある)が多く、構造も複雑であるため、超音波リニアモータが組み立てられた際に精度に対する要求が相対的に高くなり、さらに振動部材の素子を低コストで大量生産するのが難しくなってしまう。さらに、振動部材の固定構造としては、良好な設計がなければ、振動が抑制されるようになり、性能を完全に生かすことができなくなる。
【0005】
従って、パーツが少なく、構造が簡単で、製造が容易かつその他の素子と統合でき、加工コスト及び組み立て精度の要求を低減させられるとともに、振動部材の最適な効果を完全に生かせる超音波リニアモータを提供することが、業界において解決すべき課題となっている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第7105987号
【特許文献2】米国特許第7053525号
【特許文献3】米国特許第7205703号
【特許文献4】米国特許第5453653号
【特許文献5】米国特許第6765335号
【特許文献6】米国特許第6747394号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の事情に鑑み、本発明は、パーツが少なく、構造が簡単で、製造が容易かつその他の素子と統合でき、加工コスト及び組み立て精度の要求を低減させられる超音波リニアモータを提供することを課題とする。
【0008】
また、本発明は、振動部材の最適な性能を完全に生かせる超音波リニアモータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る超音波リニアモータは、基板と、前記基板上に設けられ、両側に形成された斜面又は曲面と前記基板の表面とで凹状の収容部を形成してなる振動部材と、両側に前記収容部に対向して介在された挟持部が設けられたスライド部材と、を備え、前記振動部材を電源に接続し、駆動動力を前記スライド部材に生成することで、前記スライド部材の挟持部を前記収容部内にスライドさせ、リニア運動を生成する。
【0010】
本発明に係る好ましい実施例において、前記基板と前記振動部材との間は、一部の表面だけが固定され合い、前記基板と前記振動部材との間は、少なくとも1つのスペーサーを介して固定され、前記基板は前記振動部材と固定され合うように少なくとも1つの突出部を有し、前記振動部材は、前記基板と固定され合うように少なくとも1つの突出部を有している。また、前記収容部は、内凹のL型構造であり、前記収容部が形成された前記基板の表面は平面又は任意の曲面であり、前記スライド部材が前記収容部に接触した挟持部の表面は平面又は任意の曲面であり、前記基板及び前記振動部材は板(slab)状又は殻(shell)状であり、前記振動部材の材料は圧電材料であり、前記電源は前記振動部材の共振周波数を有する振動電圧であり、前記振動部材の前記基板に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は接地電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続され、若しくは前記振動部材の前記基板に対向した表面は接地電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続されている。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る超音波リニアモータは、基板と、前記基板上に設けられ、両側の表面が斜面又は曲面である振動部材と、両側に前記振動部材の両側表面に対向して介在されるとともに前記基板に当接された挟持部が設けられたスライド部材と、を備え、前記振動部材は駆動用の電圧を提供する電源に接続され、駆動動力を前記スライド部材に生成することで、前記スライド部材の挟持部を前記振動部材の両側表面及び前記基板表面に対してスライドさせ、リニア運動を生成する。
【0012】
本発明に係る好ましい実施例において、前記基板と前記振動部材との間は、一部の表面だけが固定され合い、前記基板と前記振動部材との間は、少なくとも1つのスペーサーを介して固定され、前記基板は前記振動部材と固定され合うように少なくとも1つの突出部を有し、前記振動部材は、前記基板と固定され合うように少なくとも1つの突出部を有している。前記基板の表面は平面又は任意の曲面であり、前記スライド部材の挟持部の表面は平面又は任意の曲面であり、前記基板及び前記振動部材は板状又は殻状であり、前記振動部材の材料は圧電材料であり、前記電源は前記振動部材の共振周波数を有する振動電圧を提供するものであり、前記振動部材の前記基板に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は接地電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続され、若しくは前記振動部材の前記基板に対向した表面は接地電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続されている。
【0013】
上述のように、本発明に係る超音波リニアモータは、主に少数で構造が簡単な基板、振動部材及びスライド部材により、製造時に他の素子と容易に整合できるという特色をもつ。つまり、振動部材形状が複雑であるためモジュールで一次成形できず、後続の切削加工製造工程を追加したり、それに合わせるためのパーツを使用したりしなければならないという従来技術が抱えていた問題を回避できるため、加工コスト及び組み立て精度の要求を低減させることが可能となるとともに、本発明において基板と振動部材との間は一部の表面だけが固定され合っているため、振動部材の最適な効果を生かすことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
下記において特定の具体的な実施例により、本発明の実施方式を説明する。明細書に記載の内容は、この技術分野に精通した者なら簡単に本発明のその他の利点や効果が理解できる。
【0015】
本発明に係る超音波リニアモータの立体組み合わせ、分解模式図及び断面模式図を、それぞれ図1〜図3に示す。図に示すように、超音波リニアモータ1は、基板10、振動部材11及びスライド部材12を備えている。以下、本発明に係る超音波リニアモータ1における各部材について詳しく説明する。
【0016】
本実施例において、基板10の形状はH形となっており、中央位置には板状又は殻状である突出部100を有している。ここで、実際に実施される場合、基板10の形状及び突出部100の形状、サイズ、位置又は数量は本実施例に限定されるものではない。基板10の形状は矩形(図4に示す)であってもよく、その他の任意の形状であってもよい。本実施例における基板10がH形状であることについては、後述する。
【0017】
振動部材11は基板10上に設けられ、振動部材11の両側に形成された斜面114と基板10の表面とが凹状に形成された収容部13には、スライド部材12の両側に形成された挟持部が摺動可能に設置され、電源からの駆動電圧が振動部材に印加され、駆動動力が生成される。本実施例において、振動部材11は板状又は殻状であり、材料が圧電材料であり、電源が振動部材11の共振周波数を有する振動電圧であり、振動部材11の基板10に対向した表面は隣接した第1の電極110及び第2の電極111を有し、振動部材11のスライド部材12に対向した表面は接地電極112を有し、第1の電極110及び第2の電極111のいずれか一つ及び接地電極112は電源に接続されることにより、振動部材11に楕円形運動軌跡の波動(即ち駆動動力)を生成させる。図5に示すように、振動部材11の第1の電極110及び接地電極112に電源2が接続されて駆動電圧が印加されると、振動部材11は、図6(A)ないし図6(D)に示す楕円形運動軌跡の波動(即ち駆動動力)を生成する。図においてDは振動体11の表面、Eは基準面を表す、又、ブロックC1、C2、C3及びC4は振動部材11上のある箇所が異なる時間(図において4つの特定時間のみがサンプルされている)に生じた位置変化である。図面における位置変化により、本実施例における振動部材11に電源2が接続された場合、図6(D)の矢印に示すように楕円形運動軌跡の波動(即ち駆動動力)を生成することができる。前記駆動動力により駆動される振動部材11の運動軌跡は本実施例に限定されるものではなく、実際に実施された場合、振動部材11の形状などの条件に応じて決められるため、前記運動軌跡は往復の直線運動軌跡又はその他の態様の運動軌跡であってもよい。また、その他の実施例(図示せず)において、接地電極112は、振動部材11の基板10に対向した表面に設けられているのに対し、隣接した第1の電極110及び第2の電極111は振動部材11のスライド部材12に対向した表面に設けられている。
【0018】
ここで、振動部材11の基板10に対向した表面に設けられる第1の電極110及び第2の電極111に合わせるために、基板10をH形状にすることで、第1の電極110及び第2の電極111を外部に露出させて電源線に接続させる。使用する基板10が矩形(例えば図4、7(A)及び7(B)に示す)であれば、基板10の両端の適当な箇所に小孔が開けて、電源線を前記小孔に通してり、前記第1の電極110及び第2の電極111に接続されるようにする。
【0019】
また、振動部材11と基板10との間は一部の表面だけが固定され合い、即ち基板10の突出部100を介して振動部材11の底部の対向箇所に接着されることにより、基板10と振動部材11との接合面積が小さくなり、振動部材11に電源からの駆動電圧が印加された後、基板10による振動効果への影響を減らし、高効率の駆動動力を生成する。基板10の突出部100は振動部材11の一部の表面に接着される任意の幾何形状であるが、ここで、図7(A)及び図7(B)に示すように、基板10の突出部100が複数であってもよい。また、基板10の突出部100の形状、サイズ、数量及び位置に合わせるために、基板10の形状及び振動部材11上に設けられた第1の電極110及び第2の電極111(図7(A)及び図7(B)に図示せず)の設置位置も相対的に調整する必要がある。
【0020】
他の実施例において、図8(A)に示すように、基板10と振動部材11との間は独立したスペーサー14により固定され、若しくは図8(B)に示すように、振動部材11の底部に突出部113を設けて、基板10と固定し合ってもよい。上述した全実施例において、図9(A)ないし図9(C)に示すように、スペーサー14又は突出部100又は突出部113は、振動部材11又は基板10の一部の表面に接着される任意の幾何形状である。
【0021】
さらに、本実施例において、収容部13は内凹のL形構造であり、前記内凹のL形構造とは、振動部材11の両側面と基板10との間に形成された挟み角が鋭角(即ち90°以下)である状態を指す。また、その他の実施例において、前記挟み角は90°以上であってもよく、図10(A)及び図10(B)に示すように、収容部13が形成された基板10の表面は平面又は任意の曲面であり、図11(A)ないし図11(C)に示すように、収容部13が形成された振動部材11の両側の表面は斜面又は任意の曲面である。また、収容部13が形成された基板10の表面が任意の曲面である場合、又は収容部13が形成された振動部材11の両側の表面が任意の曲面である場合、振動部材11の両側と基板10との間の挟み角は、スライド部材12と基板10又は振動部材11との接触部分の接線を角度の判断基準とする。
【0022】
スライド部材12は両側に収容部13に対向して形成された挟持部120により、振動部材11に生じた駆動動力を受けてリニア運動を行う。本実施例において、図12(A)及び図12(B)に示すように、スライド部材12が収容部13、振動部材11及び基板10に接触する挟持部120の表面は曲面となっているが、この接触面を平面にしてもよい。
【0023】
以下、図13(A)及び図13(B)を参照しながら、本発明に係る超音波リニアモータ1の動作原理を説明する。
【0024】
図13(A)に示すように、振動部材11の第1の電極及び接地電極に振動部材11の共振周波数を有する振動電圧を印加する場合、振動部材11の表面に楕円形運動軌跡の波動が生じるようになり、スライド部材12が作動され、同図における矢印Aに示す方向にリニア運動する。逆に、図13(B)に示すように、振動部材11の第2の電極及び接地電極に振動部材11の共振周波数を有する振動電圧を印加する場合、振動部材11の表面に楕円形運動軌跡の波動が生じるようになり、スライド部材12が作動され、同図における矢印Bに示す方向にリニア運動する。従って、実際に実施された場合、必要に応じて異なるタイミングで前記第1の電極と前記接地電極、及び前記第2の電極と前記接地電極にそれぞれ印加されることで、スライド部材12に往復のリニア運動を生成させ、本発明に係る超音波リニアモータ1のリニア運動の効果が図られるようになる。
【0025】
上述のように、少数で構造が簡単な基板、振動部材及びスライド部材により、製造時に他の素子と容易に統合できる。特に振動部材の両側の表面が斜面となり、構造が簡単なためモジュールで階段形状に一次成形することができ、後続の切削加工製作工程を追加しなくてもよくなるため、製造工程における加工コスト及び組み立て精度の要求を低減させることが可能となる。つまり、振動部材の形状が複雑であるためモジュールで一次成形できず、後続の切削加工製造工程を追加したり、それに合わせるためのパーツを使用したりしなければならないという従来技術の抱えていた問題を回避でき、また、本発明において基板と振動部材との間は一部の表面だけが前記の突出部又はスペーサーを介して固定され合っているため、振動部材の最適な効果を生かすことができるようになる。
【0026】
本発明において基板と振動部材との間は一部の表面だけが互いに固定されているため、振動部材の最適な効果を生かすことができるようになる。
【0027】
上記のように、これらの実施の形態は本発明の原理および効果・機能を例示的に説明するものであり、本発明は、これらによって限定されるものではない。本発明に係る実質的な技術内容は、下記の実用新案請求の範囲に定義される。本発明は、この技術分野に精通した者により実用新案請求の範囲を逸脱しない範囲で色々な修飾や変更をすることが可能であり、そうした修飾や変更は本発明の技術範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る超音波リニアモータの立体組み合わせを模式的に示したブロック図である。
【図2】本発明に係る超音波リニアモータの立体分解を模式的に示したブロック図である。
【図3】本発明に係る超音波リニアモータの断面を模式的に示したブロック図である。
【図4】本発明に係る超音波リニアモータの基板のその他の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図5】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材に電源が投入された場合の回路を模式的に示したブロック図である。
【図6(A)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材に電源が投入された時に生じた楕円形運動軌跡の波動を模式的に示したブロック図である。
【図6(B)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材に電源が投入された時に生じた楕円形運動軌跡の波動を模式的に示したブロック図である。
【図6(C)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材に電源が投入された時に生じた楕円形運動軌跡の波動を模式的に示したブロック図である。
【図6(D)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材に電源が投入された時に生じた楕円形運動軌跡の波動を模式的に示したブロック図である。
【図7(A)】本発明に係る超音波リニアモータの基板上における突出部のその他の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図7(B)】本発明に係る超音波リニアモータの基板上における突出部のその他の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図8(A)】本発明に係る超音波リニアモータの基板及び振動部材のその他の固定方式の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図8(B)】本発明に係る超音波リニアモータの基板及び振動部材のその他の固定方式の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図9(A)】本発明に係る超音波リニアモータのスペーサー及び突出部の形状の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図9(B)】本発明に係る超音波リニアモータのスペーサー及び突出部の形状の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図9(C)】本発明に係る超音波リニアモータのスペーサー及び突出部の形状の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図10(A)】本発明に係る超音波リニアモータの基板表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図10(B)】本発明に係る超音波リニアモータの基板表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図11(A)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材両側の表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図11(B)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材両側の表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図11(C)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材両側の表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図12(A)】本発明に係る超音波リニアモータのスライド部材の挟持部表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図12(B)】本発明に係る超音波リニアモータのスライド部材の挟持部表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図13(A)】本発明に係る超音波リニアモータの実施例の作動を模式的に示したブロック図である。
【図13(B)】本発明に係る超音波リニアモータの実施例の作動を模式的に示したブロック図である。
【符号の説明】
【0029】
1 1 超音波リニアモータ
10 基板
100 突出部
11 振動部材
110 第1の電極
111 第2の電極
112 接地電極
113 突出部
114 斜面
12 スライド部材
120 挟持部
13 収容部
14 スペーサー
2 電源
A、B 矢印
C1、C2、C3、C4 ブロック
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波リニアモータに関し、より詳しくは、少数で構造が簡単なパーツを有する超音波リニアモータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在の超音波モータは、従来の電磁式モータより応答スピードが速く、位置決めが正確で、それ自身や周囲の回路素子への電波又は磁気による干渉がなく、従来の電磁式モータのような複雑なコイル構造を有さず、その直接リニア駆動特性により従来のモータにおいて膨大でかつ複雑なスクリュー変換機構及び運動変換時に伴う摩擦消耗がなく、無給電の状態におけるセルフロックにより、従来の電磁式モータなら動かなくても電力消耗していたところ、そういった状況を回避できるため、従来の電磁式モータに取って代わるようになり、上述した利点により、超音波モータがマイクロ型駆動素子として広汎に製造され、カメラレンズ駆動用のような駆動装置に適用されるようになった。
【0003】
超音波モータの駆動原理は、通常、モータにおける振動部材表面に生じた波動によりスライド部材を作動させることで、回転又はリニア運動をさせ、これをモータとして用いる点にある。一般に、超音波リニアモータにはステッピング(stepping)式及び共振式がある。ステッピング式は、数ナノメートルをステッピング単位としステッピング移動させ、共振式は振動部材を共振環境において表面共振波動により駆動させる。両者のいずれにも特徴があるが、前者は位置決め精度が高く、後者は共振環境における操作による高効率及び高移動スピードにおいて利点がある。ステッピング式超音波リニアモータは、その移動スピードが遅く、制御方式が複雑であるため、実験室又は半導体の製造工程に必要とするナノレベル位置決めに多く用いられている。共振式超音波リニアモータは、その効率が高く、駆動が簡単であるため、特に一般の民生用電子製品に適用されている。例えば、高度の統合性を有する微小化されたデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ及びカメラ付き携帯電話等において手振れ防止や光学ズーミングのためのモジュール、若しくは電磁干渉除去機能を有する高安全性自動電子ロックに利用されている。
【0004】
ただし、現在の超音波リニアモータ(例えば米国特許第7105987号、第7053525号、第7205703号参照)においては、セラミックス振動部材を使用するので、加工が困難であることがある。セラミックスは脆弱性材料であり、所要の振動部材形状が複雑であるので金型で一次成形できないため、後続の切削加工製作工程に手間がかかってしまう。また、所要の振動部材の形状が複雑であるため、それに合わせるためのパーツ(例えば米国特許第5453653号、第6765335号、第2008/073999号のいずれにも軸受け素子が別途に使用されること、米国特許第6747394号に2つの振動部材が使用されることが開示されているが、パーツが多くなり、2つの振動部材の動的特性の相違により使用時の性能に影響を及ぼしていることがある)が多く、構造も複雑であるため、超音波リニアモータが組み立てられた際に精度に対する要求が相対的に高くなり、さらに振動部材の素子を低コストで大量生産するのが難しくなってしまう。さらに、振動部材の固定構造としては、良好な設計がなければ、振動が抑制されるようになり、性能を完全に生かすことができなくなる。
【0005】
従って、パーツが少なく、構造が簡単で、製造が容易かつその他の素子と統合でき、加工コスト及び組み立て精度の要求を低減させられるとともに、振動部材の最適な効果を完全に生かせる超音波リニアモータを提供することが、業界において解決すべき課題となっている。
【0006】
【特許文献1】米国特許第7105987号
【特許文献2】米国特許第7053525号
【特許文献3】米国特許第7205703号
【特許文献4】米国特許第5453653号
【特許文献5】米国特許第6765335号
【特許文献6】米国特許第6747394号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の事情に鑑み、本発明は、パーツが少なく、構造が簡単で、製造が容易かつその他の素子と統合でき、加工コスト及び組み立て精度の要求を低減させられる超音波リニアモータを提供することを課題とする。
【0008】
また、本発明は、振動部材の最適な性能を完全に生かせる超音波リニアモータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明に係る超音波リニアモータは、基板と、前記基板上に設けられ、両側に形成された斜面又は曲面と前記基板の表面とで凹状の収容部を形成してなる振動部材と、両側に前記収容部に対向して介在された挟持部が設けられたスライド部材と、を備え、前記振動部材を電源に接続し、駆動動力を前記スライド部材に生成することで、前記スライド部材の挟持部を前記収容部内にスライドさせ、リニア運動を生成する。
【0010】
本発明に係る好ましい実施例において、前記基板と前記振動部材との間は、一部の表面だけが固定され合い、前記基板と前記振動部材との間は、少なくとも1つのスペーサーを介して固定され、前記基板は前記振動部材と固定され合うように少なくとも1つの突出部を有し、前記振動部材は、前記基板と固定され合うように少なくとも1つの突出部を有している。また、前記収容部は、内凹のL型構造であり、前記収容部が形成された前記基板の表面は平面又は任意の曲面であり、前記スライド部材が前記収容部に接触した挟持部の表面は平面又は任意の曲面であり、前記基板及び前記振動部材は板(slab)状又は殻(shell)状であり、前記振動部材の材料は圧電材料であり、前記電源は前記振動部材の共振周波数を有する振動電圧であり、前記振動部材の前記基板に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は接地電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続され、若しくは前記振動部材の前記基板に対向した表面は接地電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続されている。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係る超音波リニアモータは、基板と、前記基板上に設けられ、両側の表面が斜面又は曲面である振動部材と、両側に前記振動部材の両側表面に対向して介在されるとともに前記基板に当接された挟持部が設けられたスライド部材と、を備え、前記振動部材は駆動用の電圧を提供する電源に接続され、駆動動力を前記スライド部材に生成することで、前記スライド部材の挟持部を前記振動部材の両側表面及び前記基板表面に対してスライドさせ、リニア運動を生成する。
【0012】
本発明に係る好ましい実施例において、前記基板と前記振動部材との間は、一部の表面だけが固定され合い、前記基板と前記振動部材との間は、少なくとも1つのスペーサーを介して固定され、前記基板は前記振動部材と固定され合うように少なくとも1つの突出部を有し、前記振動部材は、前記基板と固定され合うように少なくとも1つの突出部を有している。前記基板の表面は平面又は任意の曲面であり、前記スライド部材の挟持部の表面は平面又は任意の曲面であり、前記基板及び前記振動部材は板状又は殻状であり、前記振動部材の材料は圧電材料であり、前記電源は前記振動部材の共振周波数を有する振動電圧を提供するものであり、前記振動部材の前記基板に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は接地電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続され、若しくは前記振動部材の前記基板に対向した表面は接地電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続されている。
【0013】
上述のように、本発明に係る超音波リニアモータは、主に少数で構造が簡単な基板、振動部材及びスライド部材により、製造時に他の素子と容易に整合できるという特色をもつ。つまり、振動部材形状が複雑であるためモジュールで一次成形できず、後続の切削加工製造工程を追加したり、それに合わせるためのパーツを使用したりしなければならないという従来技術が抱えていた問題を回避できるため、加工コスト及び組み立て精度の要求を低減させることが可能となるとともに、本発明において基板と振動部材との間は一部の表面だけが固定され合っているため、振動部材の最適な効果を生かすことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
下記において特定の具体的な実施例により、本発明の実施方式を説明する。明細書に記載の内容は、この技術分野に精通した者なら簡単に本発明のその他の利点や効果が理解できる。
【0015】
本発明に係る超音波リニアモータの立体組み合わせ、分解模式図及び断面模式図を、それぞれ図1〜図3に示す。図に示すように、超音波リニアモータ1は、基板10、振動部材11及びスライド部材12を備えている。以下、本発明に係る超音波リニアモータ1における各部材について詳しく説明する。
【0016】
本実施例において、基板10の形状はH形となっており、中央位置には板状又は殻状である突出部100を有している。ここで、実際に実施される場合、基板10の形状及び突出部100の形状、サイズ、位置又は数量は本実施例に限定されるものではない。基板10の形状は矩形(図4に示す)であってもよく、その他の任意の形状であってもよい。本実施例における基板10がH形状であることについては、後述する。
【0017】
振動部材11は基板10上に設けられ、振動部材11の両側に形成された斜面114と基板10の表面とが凹状に形成された収容部13には、スライド部材12の両側に形成された挟持部が摺動可能に設置され、電源からの駆動電圧が振動部材に印加され、駆動動力が生成される。本実施例において、振動部材11は板状又は殻状であり、材料が圧電材料であり、電源が振動部材11の共振周波数を有する振動電圧であり、振動部材11の基板10に対向した表面は隣接した第1の電極110及び第2の電極111を有し、振動部材11のスライド部材12に対向した表面は接地電極112を有し、第1の電極110及び第2の電極111のいずれか一つ及び接地電極112は電源に接続されることにより、振動部材11に楕円形運動軌跡の波動(即ち駆動動力)を生成させる。図5に示すように、振動部材11の第1の電極110及び接地電極112に電源2が接続されて駆動電圧が印加されると、振動部材11は、図6(A)ないし図6(D)に示す楕円形運動軌跡の波動(即ち駆動動力)を生成する。図においてDは振動体11の表面、Eは基準面を表す、又、ブロックC1、C2、C3及びC4は振動部材11上のある箇所が異なる時間(図において4つの特定時間のみがサンプルされている)に生じた位置変化である。図面における位置変化により、本実施例における振動部材11に電源2が接続された場合、図6(D)の矢印に示すように楕円形運動軌跡の波動(即ち駆動動力)を生成することができる。前記駆動動力により駆動される振動部材11の運動軌跡は本実施例に限定されるものではなく、実際に実施された場合、振動部材11の形状などの条件に応じて決められるため、前記運動軌跡は往復の直線運動軌跡又はその他の態様の運動軌跡であってもよい。また、その他の実施例(図示せず)において、接地電極112は、振動部材11の基板10に対向した表面に設けられているのに対し、隣接した第1の電極110及び第2の電極111は振動部材11のスライド部材12に対向した表面に設けられている。
【0018】
ここで、振動部材11の基板10に対向した表面に設けられる第1の電極110及び第2の電極111に合わせるために、基板10をH形状にすることで、第1の電極110及び第2の電極111を外部に露出させて電源線に接続させる。使用する基板10が矩形(例えば図4、7(A)及び7(B)に示す)であれば、基板10の両端の適当な箇所に小孔が開けて、電源線を前記小孔に通してり、前記第1の電極110及び第2の電極111に接続されるようにする。
【0019】
また、振動部材11と基板10との間は一部の表面だけが固定され合い、即ち基板10の突出部100を介して振動部材11の底部の対向箇所に接着されることにより、基板10と振動部材11との接合面積が小さくなり、振動部材11に電源からの駆動電圧が印加された後、基板10による振動効果への影響を減らし、高効率の駆動動力を生成する。基板10の突出部100は振動部材11の一部の表面に接着される任意の幾何形状であるが、ここで、図7(A)及び図7(B)に示すように、基板10の突出部100が複数であってもよい。また、基板10の突出部100の形状、サイズ、数量及び位置に合わせるために、基板10の形状及び振動部材11上に設けられた第1の電極110及び第2の電極111(図7(A)及び図7(B)に図示せず)の設置位置も相対的に調整する必要がある。
【0020】
他の実施例において、図8(A)に示すように、基板10と振動部材11との間は独立したスペーサー14により固定され、若しくは図8(B)に示すように、振動部材11の底部に突出部113を設けて、基板10と固定し合ってもよい。上述した全実施例において、図9(A)ないし図9(C)に示すように、スペーサー14又は突出部100又は突出部113は、振動部材11又は基板10の一部の表面に接着される任意の幾何形状である。
【0021】
さらに、本実施例において、収容部13は内凹のL形構造であり、前記内凹のL形構造とは、振動部材11の両側面と基板10との間に形成された挟み角が鋭角(即ち90°以下)である状態を指す。また、その他の実施例において、前記挟み角は90°以上であってもよく、図10(A)及び図10(B)に示すように、収容部13が形成された基板10の表面は平面又は任意の曲面であり、図11(A)ないし図11(C)に示すように、収容部13が形成された振動部材11の両側の表面は斜面又は任意の曲面である。また、収容部13が形成された基板10の表面が任意の曲面である場合、又は収容部13が形成された振動部材11の両側の表面が任意の曲面である場合、振動部材11の両側と基板10との間の挟み角は、スライド部材12と基板10又は振動部材11との接触部分の接線を角度の判断基準とする。
【0022】
スライド部材12は両側に収容部13に対向して形成された挟持部120により、振動部材11に生じた駆動動力を受けてリニア運動を行う。本実施例において、図12(A)及び図12(B)に示すように、スライド部材12が収容部13、振動部材11及び基板10に接触する挟持部120の表面は曲面となっているが、この接触面を平面にしてもよい。
【0023】
以下、図13(A)及び図13(B)を参照しながら、本発明に係る超音波リニアモータ1の動作原理を説明する。
【0024】
図13(A)に示すように、振動部材11の第1の電極及び接地電極に振動部材11の共振周波数を有する振動電圧を印加する場合、振動部材11の表面に楕円形運動軌跡の波動が生じるようになり、スライド部材12が作動され、同図における矢印Aに示す方向にリニア運動する。逆に、図13(B)に示すように、振動部材11の第2の電極及び接地電極に振動部材11の共振周波数を有する振動電圧を印加する場合、振動部材11の表面に楕円形運動軌跡の波動が生じるようになり、スライド部材12が作動され、同図における矢印Bに示す方向にリニア運動する。従って、実際に実施された場合、必要に応じて異なるタイミングで前記第1の電極と前記接地電極、及び前記第2の電極と前記接地電極にそれぞれ印加されることで、スライド部材12に往復のリニア運動を生成させ、本発明に係る超音波リニアモータ1のリニア運動の効果が図られるようになる。
【0025】
上述のように、少数で構造が簡単な基板、振動部材及びスライド部材により、製造時に他の素子と容易に統合できる。特に振動部材の両側の表面が斜面となり、構造が簡単なためモジュールで階段形状に一次成形することができ、後続の切削加工製作工程を追加しなくてもよくなるため、製造工程における加工コスト及び組み立て精度の要求を低減させることが可能となる。つまり、振動部材の形状が複雑であるためモジュールで一次成形できず、後続の切削加工製造工程を追加したり、それに合わせるためのパーツを使用したりしなければならないという従来技術の抱えていた問題を回避でき、また、本発明において基板と振動部材との間は一部の表面だけが前記の突出部又はスペーサーを介して固定され合っているため、振動部材の最適な効果を生かすことができるようになる。
【0026】
本発明において基板と振動部材との間は一部の表面だけが互いに固定されているため、振動部材の最適な効果を生かすことができるようになる。
【0027】
上記のように、これらの実施の形態は本発明の原理および効果・機能を例示的に説明するものであり、本発明は、これらによって限定されるものではない。本発明に係る実質的な技術内容は、下記の実用新案請求の範囲に定義される。本発明は、この技術分野に精通した者により実用新案請求の範囲を逸脱しない範囲で色々な修飾や変更をすることが可能であり、そうした修飾や変更は本発明の技術範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明に係る超音波リニアモータの立体組み合わせを模式的に示したブロック図である。
【図2】本発明に係る超音波リニアモータの立体分解を模式的に示したブロック図である。
【図3】本発明に係る超音波リニアモータの断面を模式的に示したブロック図である。
【図4】本発明に係る超音波リニアモータの基板のその他の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図5】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材に電源が投入された場合の回路を模式的に示したブロック図である。
【図6(A)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材に電源が投入された時に生じた楕円形運動軌跡の波動を模式的に示したブロック図である。
【図6(B)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材に電源が投入された時に生じた楕円形運動軌跡の波動を模式的に示したブロック図である。
【図6(C)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材に電源が投入された時に生じた楕円形運動軌跡の波動を模式的に示したブロック図である。
【図6(D)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材に電源が投入された時に生じた楕円形運動軌跡の波動を模式的に示したブロック図である。
【図7(A)】本発明に係る超音波リニアモータの基板上における突出部のその他の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図7(B)】本発明に係る超音波リニアモータの基板上における突出部のその他の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図8(A)】本発明に係る超音波リニアモータの基板及び振動部材のその他の固定方式の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図8(B)】本発明に係る超音波リニアモータの基板及び振動部材のその他の固定方式の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図9(A)】本発明に係る超音波リニアモータのスペーサー及び突出部の形状の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図9(B)】本発明に係る超音波リニアモータのスペーサー及び突出部の形状の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図9(C)】本発明に係る超音波リニアモータのスペーサー及び突出部の形状の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図10(A)】本発明に係る超音波リニアモータの基板表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図10(B)】本発明に係る超音波リニアモータの基板表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図11(A)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材両側の表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図11(B)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材両側の表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図11(C)】本発明に係る超音波リニアモータの振動部材両側の表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図12(A)】本発明に係る超音波リニアモータのスライド部材の挟持部表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図12(B)】本発明に係る超音波リニアモータのスライド部材の挟持部表面の実施例を模式的に示したブロック図である。
【図13(A)】本発明に係る超音波リニアモータの実施例の作動を模式的に示したブロック図である。
【図13(B)】本発明に係る超音波リニアモータの実施例の作動を模式的に示したブロック図である。
【符号の説明】
【0029】
1 1 超音波リニアモータ
10 基板
100 突出部
11 振動部材
110 第1の電極
111 第2の電極
112 接地電極
113 突出部
114 斜面
12 スライド部材
120 挟持部
13 収容部
14 スペーサー
2 電源
A、B 矢印
C1、C2、C3、C4 ブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられ、両側に形成された斜面又は曲面と前記基板の表面とで凹状の収容部を形成してなる振動部材と、
両側に前記収容部に対向して介在された挟持部が設けられたスライド部材と、を備え、
前記振動部材は電源に接続され、駆動動力を前記スライド部材に生成することで、前記スライド部材の挟持部を前記収容部内にスライドさせ、リニア運動を生成することを特徴とする超音波リニアモータ。
【請求項2】
前記基板と前記振動部材との間は、一部の表面だけが固定され合っていることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項3】
前記基板と前記振動部材との間は、少なくとも1つのスペーサーを介して固定され、前記スペーサーが、前記振動部材又は前記基板の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項2に記載の超音波リニアモータ。
【請求項4】
前記基板が、前記振動部材と固定され合うように少なくとも1つのスペーサーを有し、前記スペーサーが、前記振動部材の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項2に記載の超音波リニアモータ。
【請求項5】
前記振動部材が、前記基板と固定され合うように少なくとも1つのスペーサーを有し、前記スペーサーが、前記基板の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項2に記載の超音波リニアモータ。
【請求項6】
前記収容部が、内凹のL形構造であり、前記振動部材の両側と基板との間に形成された挟み角であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項7】
前記収容部が形成された前記基板の表面は、平面又は任意の曲面であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項8】
前記スライド部材が前記収容部に接触した挟持部の表面は、平面又は任意の曲面であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項9】
前記基板及び前記振動部材が、板状又は殻状であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項10】
前記振動部材の材料が、圧電材料であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項11】
前記電源が、前記振動部材の共振周波数を有する振動電圧であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項12】
前記振動部材の前記基板に対向した表面は、隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は接地電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の超音波リニアモータ。
【請求項13】
前記振動部材の前記基板に対向した表面は、接地電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の超音波リニアモータ。
【請求項14】
基板と、
前記基板上に設けられ、両側の表面が斜面又は曲面である振動部材と、
両側に前記振動部材の両側表面に対向して介在された挟持部が設けられたスライド部材と、を備え、
前記振動部材は電源に接続され、駆動動力を前記スライド部材に生成することで、前記スライド部材の挟持部を前記振動部材の両側表面及び前記基板表面に対してスライドさせ、リニア運動を生成することを特徴とする超音波リニアモータ。
【請求項15】
前記基板と前記振動部材との間は、一部の表面だけが固定され合っていることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項16】
前記基板と前記振動部材との間は、少なくとも1つのスペーサーを介して固定され、前記スペーサーが、前記振動部材又は前記基板の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項15に記載の超音波リニアモータ。
【請求項17】
前記基板が、前記振動部材と固定され合うように少なくとも1つのスペーサーを有し、前記スペーサーが、前記振動部材の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項15に記載の超音波リニアモータ。
【請求項18】
前記振動部材が、前記基板と固定され合うように少なくとも1つのスペーサーを有し、前記スペーサーが、前記基板の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項15に記載の超音波リニアモータ。
【請求項19】
前記スライド部材の挟持部が、前記振動部材両側表面及び前記基板表面に同時に接触していることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項20】
前記スライド部材の挟持部の表面が、平面又は任意の曲面であることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項21】
前記基板及び前記振動部材が、板状又は殻状であることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項22】
前記振動部材の材料が、圧電材料であることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項23】
前記電源が、前記振動部材の共振周波数を有する振動電圧であることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項24】
前記振動部材の前記基板に対向した表面は、隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は、接地電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は、前記電源に接続されていることを特徴とする請求項23に記載の超音波リニアモータ。
【請求項25】
前記振動部材の前記基板に対向した表面は、接地電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続されていることを特徴とする請求項23に記載の超音波リニアモータ。
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられ、両側に形成された斜面又は曲面と前記基板の表面とで凹状の収容部を形成してなる振動部材と、
両側に前記収容部に対向して介在された挟持部が設けられたスライド部材と、を備え、
前記振動部材は電源に接続され、駆動動力を前記スライド部材に生成することで、前記スライド部材の挟持部を前記収容部内にスライドさせ、リニア運動を生成することを特徴とする超音波リニアモータ。
【請求項2】
前記基板と前記振動部材との間は、一部の表面だけが固定され合っていることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項3】
前記基板と前記振動部材との間は、少なくとも1つのスペーサーを介して固定され、前記スペーサーが、前記振動部材又は前記基板の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項2に記載の超音波リニアモータ。
【請求項4】
前記基板が、前記振動部材と固定され合うように少なくとも1つのスペーサーを有し、前記スペーサーが、前記振動部材の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項2に記載の超音波リニアモータ。
【請求項5】
前記振動部材が、前記基板と固定され合うように少なくとも1つのスペーサーを有し、前記スペーサーが、前記基板の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項2に記載の超音波リニアモータ。
【請求項6】
前記収容部が、内凹のL形構造であり、前記振動部材の両側と基板との間に形成された挟み角であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項7】
前記収容部が形成された前記基板の表面は、平面又は任意の曲面であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項8】
前記スライド部材が前記収容部に接触した挟持部の表面は、平面又は任意の曲面であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項9】
前記基板及び前記振動部材が、板状又は殻状であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項10】
前記振動部材の材料が、圧電材料であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項11】
前記電源が、前記振動部材の共振周波数を有する振動電圧であることを特徴とする請求項1に記載の超音波リニアモータ。
【請求項12】
前記振動部材の前記基板に対向した表面は、隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は接地電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の超音波リニアモータ。
【請求項13】
前記振動部材の前記基板に対向した表面は、接地電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続されていることを特徴とする請求項11に記載の超音波リニアモータ。
【請求項14】
基板と、
前記基板上に設けられ、両側の表面が斜面又は曲面である振動部材と、
両側に前記振動部材の両側表面に対向して介在された挟持部が設けられたスライド部材と、を備え、
前記振動部材は電源に接続され、駆動動力を前記スライド部材に生成することで、前記スライド部材の挟持部を前記振動部材の両側表面及び前記基板表面に対してスライドさせ、リニア運動を生成することを特徴とする超音波リニアモータ。
【請求項15】
前記基板と前記振動部材との間は、一部の表面だけが固定され合っていることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項16】
前記基板と前記振動部材との間は、少なくとも1つのスペーサーを介して固定され、前記スペーサーが、前記振動部材又は前記基板の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項15に記載の超音波リニアモータ。
【請求項17】
前記基板が、前記振動部材と固定され合うように少なくとも1つのスペーサーを有し、前記スペーサーが、前記振動部材の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項15に記載の超音波リニアモータ。
【請求項18】
前記振動部材が、前記基板と固定され合うように少なくとも1つのスペーサーを有し、前記スペーサーが、前記基板の一部の表面に接着された任意の幾何形状であることを特徴とする請求項15に記載の超音波リニアモータ。
【請求項19】
前記スライド部材の挟持部が、前記振動部材両側表面及び前記基板表面に同時に接触していることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項20】
前記スライド部材の挟持部の表面が、平面又は任意の曲面であることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項21】
前記基板及び前記振動部材が、板状又は殻状であることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項22】
前記振動部材の材料が、圧電材料であることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項23】
前記電源が、前記振動部材の共振周波数を有する振動電圧であることを特徴とする請求項14に記載の超音波リニアモータ。
【請求項24】
前記振動部材の前記基板に対向した表面は、隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は、接地電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は、前記電源に接続されていることを特徴とする請求項23に記載の超音波リニアモータ。
【請求項25】
前記振動部材の前記基板に対向した表面は、接地電極を有し、前記振動部材の前記スライド部材に対向した表面は隣接した第1の電極及び第2の電極を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極のいずれか一つ及び前記接地電極は前記電源に接続されていることを特徴とする請求項23に記載の超音波リニアモータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(A)】
【図6(B)】
【図6(C)】
【図6(D)】
【図7(A)】
【図7(B)】
【図8(A)】
【図8(B)】
【図9(A)】
【図9(B)】
【図9(C)】
【図10(A)】
【図10(B)】
【図11(A)】
【図11(B)】
【図11(C)】
【図12(A)】
【図12(B)】
【図13(A)】
【図13(B)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6(A)】
【図6(B)】
【図6(C)】
【図6(D)】
【図7(A)】
【図7(B)】
【図8(A)】
【図8(B)】
【図9(A)】
【図9(B)】
【図9(C)】
【図10(A)】
【図10(B)】
【図11(A)】
【図11(B)】
【図11(C)】
【図12(A)】
【図12(B)】
【図13(A)】
【図13(B)】
【公開番号】特開2010−41904(P2010−41904A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−228800(P2008−228800)
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月5日(2008.9.5)
【出願人】(390023582)財団法人工業技術研究院 (524)
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】195 Chung Hsing Rd.,Sec.4,Chutung,Hsin−Chu,Taiwan R.O.C
【Fターム(参考)】
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