説明

超音波振動子

【課題】 本発明では、安価で小型が可能で電気的接続の信頼性の高い超音波振動子を提供する。
【解決手段】 電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される接続部材と、前記接続部材のうち電気的な接続がされる部分以外の該接続部材の表面に設けられた絶縁部材と、からなる超音波振動子により、上記課題の解決を図る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の体腔内において超音波の送受信を行うことにより、超音波断層像を得る超音波探触子に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断装置に用いられる超音波探触子は、その製造において微細な加工を必要とするものであり、従来より様々な製造方法の提案がなされている(例えば、特許文献1)。
図23は、従来における超音波振動子の一例を示す。同図は、特許文献1に記載の超音波振動子である。電気機械変換素子(圧電素子)101の上下面102と両側面には、銀電極103が配されている。銀電極103の外側には、導電性部材により重ね塗られた補強部104が配されている。この補強部104とリード部105が半田106により電気的に接合されている。
【0003】
この特許文献1においては、電気機械変換素子101とリード部105の電気的接続に半田を用いるため、接続時に電気機械変換素子101に熱的なダメージを与えてしまう。また、半田による接続では、接続部分の形状が正確に決まらないため、超音波振動子の形状、大きさにばらつきが生じる。また、半田による作業では、電極間の隙間の絶縁が難しく、上下電極間のショートを起こしやすいという問題を有している。
【0004】
半田以外の接続方法として、導電性接着剤を用いる方法もある。しかしながら、この方法においても、導電性接着剤の量の調製時および接着剤硬化時に過熱するため、電気機械変換素子に熱的ダメージを与えてしまう。よって、導電線接着剤の形状がコントロールしにくく、電極間ショートに関して、半田による接合と同様な欠点を有する。
【0005】
図24は、従来における電子部品の端子固定構造の一例を示す。図24は、特許文献2に記載の電子部品の端子固定構造を示す。特許文献2では、特許文献2では、片側から電気機械変換素子を加圧して電気的な接続をとる方法が提案されている。
【0006】
しかしながら、この方法においては電気機械変換素子との接続に接続部材108とハウジング109により挟み込む構造となっているため、構造的に複雑になっている。また、2部品が独立に存在するため、ばらつきが大きくなる。したがって、接続部材の変形でこのばらつきを吸収するために、ある程度の大きさが必要である。そのため、端子固定構造の小型化が難しく、また安価に作成することができない。
【特許文献1】特開平5−13542号公報
【特許文献2】特開平11−231876号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の課題に鑑み、本発明では、安価で小型が可能で電気的接続の信頼性の高い超音波振動子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される接続部材と、前記接続部材のうち電気的な接続がされる部分以外の該接続部材の表面に設けられた絶縁部材と、からなることを特徴とする超音波振動子を提供することによって達成できる。
【0009】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項2に記載の発明によれば、前記絶縁部材は、前記電気機械変換素子の側面と前記接続部材との間に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子を提供することによって達成できる。
【0010】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項3に記載の発明によれば、前記電気機械変換素子の側面と前記接続部材との間に、所定の空間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子を提供することによって達成できる。
【0011】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項4に記載の発明によれば、前記接続部材は、フレキシブル基板であることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子を提供することによって達成できる。
【0012】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項5に記載の発明によれば、前記接続部材は、有機物が塗布または蒸着されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子を提供することによって達成できる。
【0013】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項6に記載の発明によれば、電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される接続部材と、前記電気機械変換素子と電気的に接続された後に前記接続部材を被覆している絶縁部材と、からなることを特徴とする超音波振動子を提供することによって達成できる。
【0014】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項7に記載の発明によれば、電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される2つの接続部材と、少なくとも前記音響整合部材の前記超音波放射面を露出させる形状であるハウジング部材と、一方の前記接続部材の端部が前記ハウジング部材の外側に延出し、該端部と電気的に接続される導電部材と、からなることを特徴とする超音波振動子を提供することによって達成できる。
【0015】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項8に記載の発明によれば、電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される2つの接続部材と、少なくとも前記音響整合部材の前記超音波放射面を露出させる形状であるハウジング部材と、一方の前記接続部材の端部が前記ハウジング部材の外側に延出し、該端部に設けられた導電性のコネクタと、からなることを特徴とする超音波振動子を提供することによって達成できる。
【0016】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項9に記載の発明によれば、電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される接続部材と、からなる超音波振動子であって、前記電気機械変換素子が複数積層され、該積層された電気機械変換素子と前記接続部材とが電気的に接続していることを特徴とする超音波振動子を提供することによって達成できる。
【0017】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項10に記載の発明によれば、電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される接続部材と、からなる超音波振動子の製造方法であって、金属薄板に前記接続部材の形状を作成する形状作成工程と、前記接続部材の形状が作成された金属薄板の所定の位置に絶縁部材を付与する絶縁部材付与工程と、前記絶縁部材が付与された前記金属薄板を所定の形状に折り曲げる折り曲げ工程と、前記所定の形状に折り曲げられた金属薄板から前記接続部材の形状部分を切断する切断工程とを行うことを特徴とする超音波振動子の製造方法を提供することによって達成できる。
【0018】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項11に記載の発明によれば、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の超音波振動子を搭載した超音波内視鏡装置を提供することによって達成できる。
【0019】
上記課題は、特許請求の範囲の請求項12に記載の発明によれば、請求項10に記載の超音波振動子の製造方法により製造された超音波振動子を搭載した超音波内視鏡装置を提供することによって達成できる。
【発明の効果】
【0020】
接続部材において、電気的な接続を行う部分以外に予め絶縁部材を配することにより、近傍にある導通不要な部材との電気的な接続によるショートの危険性を防ぐことができ、簡単な構造で、安価で信頼性の高い超音波振動子を作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明によれば、電気機械変換素子と音響整合部材とバッキング材と前記電気機械変換素子に、対向する2方向から加圧し塑性変形し接触し電気的に接続する接続部材からなる超音波振動子において、前記接続部材に予め電気的な接続を行う部分以外に絶縁部材が配されている。
【0022】
このように構成することにより、上記電気接続部に、予め電気的な接続部分以外に絶縁部材が配されているため、不要な部分との電気的な接続によるショートの危険性を防ぐことができる。
【0023】
それでは、以下に、本発明の実施形態を詳述する。
<第1の実施形態>
本実施形態では、超音波振動子の構成部品において、不要な電気的接触の起こる可能性のある部分が絶縁部材により覆われている超音波振動子について説明する。
【0024】
図1は、本実施形態における超音波振動子の断面を示す。同図において、電気機械変換素子2の音波放射側(上面)に音響整合部材3が形成されている。電気機械変換素子2の下面には、バッキング材4が接着されて固定されている。
【0025】
音響整合部材3側の電気機械変換素子2の表面には、グランド電極6が形成されている。また、バッキング材4側の電気機械変換素子2の表面には、プラス電極7が形成されている。
【0026】
接続部材5(5a,5b)はそれぞれ、加圧部9と電気接続部10とを有している。電気接続部10と加圧部9は、コ字状の形状になるように作成されている。電気接続部10は、電気機械変換素子2と電気的な接続を行う部分を形成する部分である。加圧部9は、電気機械変換素子2を対向方向8から押圧するように、電気機械変換素子2を加圧して固定している。
【0027】
接続部材5bにおいて、加圧部9と対向する電気接続部10は、グランド電極6と接触する位置で加圧固定される。それぞれの接続部材5のリード部12では、半田、導電接着剤、ビス等の電気的および機械的締結手段によりリード線11(11a,11b)と固定されて超音波振動子1が構成されている。
【0028】
リード線11は、図示しないドライバに接続されている。なお、リード線11aは、プラス電極7に電圧を印加するためのものである。リード線11bは、接地線である。
電気機械変換素子2のプラス側電極7と電気的に接続する接続部材5aの電気的な接続を行う部分(すなわち、電気接続部10)以外は、絶縁部材18で覆われている。
【0029】
それでは、本実施形態の作用を説明する。図示しないドライバにより、超音波信号が励起されリード線11を通じて、接続部材5から電気機械変換素子2のグランド電極6−プラス電極7間に電圧が印加される。その結果、電気機械変換素子2が振動して超音波を放射することができる。また、受信した超音波を電気機械変換素子2により電気信号に変換することができる。このようにして、超音波の送受が行われる。
【0030】
このとき、接続部材5aの電気的な接続部分以外は、絶縁部材18により覆われている。そのため、接続部材5がバッキング材および他の部材と機械的に接触しても、電気的なショートが起こらない。
【0031】
以上より、電極の表面と接続部材の電気接続部の面のみが接触して接続し、接続部材のその他の部分が絶縁部材に覆われているため、ショートが起こらず、超音波振動子の電気的な信頼性が向上する。また、絶縁部材を用いることにより、他の構成部材との絶縁隙間(部材間で導通させないために設けられる相対的な距離のこと)を減らすことが可能となり超音波振動子の小型化が容易となる。
【0032】
<第2の実施形態>
本実施形態では、第1の実施形態よりも、さらに絶縁部材により覆われている超音波振動子について説明する。図2を用いて、本実施形態を説明する。なお、第1の実施形態と同様の部位は、同一の番号をつけて、その説明は省略する。
【0033】
図2は、本実施形態における超音波振動子の断面を示す。接続部材5aのうち電気機械変換素子2の側面13に対向する部分の表面に絶縁部材18が延長されて、絶縁部材14として配されている。また、接続部材5bのうち電気機械変換素子2の側面13に対向する部分の表面にも同様に、絶縁部材14が配されている。
【0034】
それでは、本実施形態の作用を説明する。図示しないドライバにより、超音波信号が励起されリード線11を通じて、接続部材5から電気機械変換素子2のグランド電極6−プラス電極7間に電圧が印加される。その結果、電気機械変換素子2が振動して超音波を放射することができる。また、受信した超音波を電気機械変換素子2により電気信号に変換することができる。このようにして、超音波の送受が行われる。
【0035】
このとき、絶縁すべき接続部材5と電気機械変換素子2の間に絶縁部材14が配されている。そのため、電気機械変換素子2の側面13に露出している電極6,7のエッジ部分と、絶縁すべき接続部材5との電気的な接触を防ぐことができる。
【0036】
以上より、上記構造をとることにより、電気機械変換素子と接続部材との電気的な接続の信頼性が向上する。また、電気機械変換素子と接続部材が機械的に接触しても、電気的な接続の信頼性が保たれるため組立てが容易となり、安価な超音波振動子を作製することができる。
【0037】
<第3の実施形態>
第2の実施形態では、電気機械変換素子2の側面13に露出している電極6,7のエッジ部分が接続部材に接触するのを防ぐために絶縁部材を設けたが、本実施形態ではその部分に所定の空間を設けることについて説明する。図1を用いて、本実施形態を説明する。なお、上記の実施形態と同様の部位は、同一の番号をつけて、その説明は省略する。
【0038】
図1において、電気機械変換素子2の側面13と接続部材5(5a,5b)との間に、空間15が設けられている。その他の構成は、第1の実施形態と同様である。
それでは、本実施形態の作用を説明する。空間15を設けることにより、電気機械変換素子2の側面13の面に露出した電極6,7のエッジ部分と、接続部材5との不要な電気的接続を遮断することができる。
【0039】
以上より、接続部材5と電気機械変換素子2の側面13との間に空間を設けるという簡単な方法で、確実な電気的な絶縁を実施することができる。また、電気機械変換素子の形状に対して接続部材を塑性変形させて接続した後、この空間部分に有機物樹脂等を充填することにより電気機械変換素子と接続部材の固定をより強固にし、また電気的な絶縁効果を向上できることは当然である。
【0040】
<第4の実施形態>
本実施形態は、主に構造部材の製造方法について説明する。図3〜図12を用いて、本実施形態を説明する。なお、上記の実施形態と同様の部位は、同一の番号をつけて、その説明は省略する。
【0041】
図3は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その1)を示す。図3において、厚さ0.1mmの銅板16の表面に、孔22と、その孔22の両脇に孔20と、長孔23が、後に接続部材5となる部分を取り囲むようにして、エッチングにより作製されている。
【0042】
2つの孔20は、図6で説明する折り曲げジグ17の2つの位置決めピン19に対応する孔である(以下、位置決め用孔20という)。孔22は、図6で説明する固定用ビス21を貫通させて固定させるための孔である(以下、固定用ビス用孔22)。長孔23は、後述するように、長孔23で囲まれた略四角形の区画を切り離すための孔である。
【0043】
図4は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その2)を示す。図4は、図3の破線で囲まれた部分Aの拡大図である。孔24が、接続部材5の内外周に作成されている。この孔24は、接続部材5の外周と内周を形成するための孔である(以下、形状孔24という)。また、銅板16には、図3に示すように、接続部材5と各孔20,22,23,24とを1組とするものが、複数同時にエッチングにより作成されている。
【0044】
ここで、位置決め用孔20と接続部材5の形状孔24とは、後述する折り曲げジグ17と位置関係が正確に決まるように精密な精度で作成されている。この状態で、50μmのポリイミド50を、接続部材5の形状に合うように短冊状に切断する。
【0045】
そして、接続部材5の電気接続部10となる部分にかからないように、接着剤によりその切断したポリイミド50を銅板16上の接続部材5の形状部分の所定の位置に貼り付け固定する。尚、そのポリイミド50を銅板16上に固定する前に、ポリイミド表面にプラズマ処理、エッチング等の物理化学処理を行うと、ポリイミドの接着性がより向上する。
【0046】
図5は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その3)を示す。図5は、図3の領域Bの拡大図である。上記でポリイミド50を銅板16上の接続部材5の形状部分の所定の位置に貼り付けて固定した後、内周孔の切断部位25に沿って、ポリイミドだけを切断する。
【0047】
上記作業を銅板16に作成された各接続部材5に実施した後、長孔23部分で切り分けて、略四角形状の小板26とする。
図6は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その4)を示す。上記で、銅板16を長孔23部分で切り分けて、略四角形状の小板26とした後、図6に示す折り曲げジグ17の2つのピン(位置決めピン)19のそれぞれに、小板26の孔20を挿入して、小板26を位置決めする。
【0048】
その後、さらに位置決めピン19を上板ジグ27に設けられた孔に通して、上板ジグ27を位置決めして固定する。さらに、ビス21を上板ジグと小板26と折り曲げジグ17とのそれぞれに設けられたビス用孔に挿入して、ビス21により上板ジグと小板26と折り曲げジグ17を一体に固定する。
【0049】
図7は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その5)を示す。図7は、ビスにより一体化された上板ジグと小板26と折り曲げジグ17の側面方向からの観察した模式図である。折り曲げジグ17のエッジ29に沿って、小板26の外周部を矢印28の方向に折り曲げる。そうすると、小板26は図8のようになる。
【0050】
図8は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その6)を示す。図8は、図7で折り曲げられた小板26の拡大図である。図7で説明したように、小板26の外周部を矢印28の方向に折り曲げる。そうすると、後に接続部材5の加圧部9となる部分は、前述した切断部位25で一部切り離されていることにより、矢印28方向には曲がらずにそのままの平面を維持し、図8で示す形状のような2つの小板(加圧部9)が露出する。なお、折り曲げジグ17のエッジ29は、加圧部9の根元に当たるような位置関係でそれぞれの部材が正確に作成されている。
【0051】
図9は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その7)を示す。図8の作業後、上板ジグ27のエッジに沿って、曲げ方向28(図7)と逆向きの曲げ方向30に、加圧部9を折り曲げる。
【0052】
図10は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その8)を示す。図9の工程後、上板ジグ27を取り外して、電気機械変換素子2の厚みより少し大きい厚みを持つスペーサ31と、スペーサ31を抑えるための上板32とを固定する。この上板32は、加圧部9をスペーサ31に抱き込むように折り曲げ方向33に折り曲げたときに、その折れ曲がった加圧部9と干渉しないように、折り曲げジグ17に対してオフセット34が設けられている。
【0053】
図11は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その9)を示す。図10の折り曲げる工程を実施した後に、各ジグ(17,32)を取り除くと、図11の形状の小板26が出来上がる。その後、切断部位35で小枝(ランナー)から接続部材5を切り離す。
【0054】
図12は、本実施形態において製造された接続部材を超音波振動子に組み込んだ状態を示す。図12では、本実施形態で製造した接続部材5を超音波振動子1のプラス側電極7との接続を行うための5aとして使用している状態を示す。
【0055】
電気機械変換素子2を包むように金属製のハウジング36が接着により固定され、GND側接続部材5bが半田等によりハウジングに電気的に接続されている。接続部材5aの絶縁部材18は、ハウジング36との電気的な接触を防止するように配されている。
【0056】
接続部材5aの電気接続部端部40は、ハウジング36に接触しない方向に折り曲げられ、リード線11aと半田等により、接続部材5aのハウジングの内側方向に向いている面と接続されている。
【0057】
このような構成にすることで、接続部材5に予め接着固定された絶縁部材により、電気的に絶縁したい電気機械変換素子2の電極とハウジングとの絶縁を行うことができる。
以上より、予め平板状の状態で、折り曲げ前に絶縁部材を接続部材に接着により貼り付けるため、作業が容易となる。また、折り曲げ後に、電気的に絶縁したい部分に確実に絶縁ができ、容易に接続部材が作成できるため、安価で信頼性の高い超音波振動子が作成できる。
【0058】
なお、本実施形態において銅板を用いたが、本発明はこれに限定されることは無く、ステンレス、ニッケル、アルミ、真鍮、鉄、等の他の金属薄板で実施しても、同様の効果があることは当然である。
【0059】
また、本実施形態では、加工方法としてエッチングについて説明を行ったが、エッチング以外でも形状を作成する加工法として、削り加工、パンチによる打ち抜き加工、レーザ加工、ワイヤカット、放電加工等の加工法でも同様な加工ができ、本実施形態の効果が得られることは当然である。
【0060】
また、本実施形態では、銅板に酸化防止と電気接続性を向上させるめっき、蒸着、スバッタ等のコーティングを行うとより信頼性が向上する。このコーティング材料は、Ni/Au、プラチナ、Ag、銅等の電気的な接続コーティングであればどのようなものでも効果があることは当然である。
【0061】
また、本実施形態に用いた絶縁部材はポリイミドであるが、この絶縁部材も、絶縁性を有する有機部材であれば、どのようなものでもよいことは当然である。
<第5の実施形態>
本実施形態では、第1の実施形態の接続部材をフレキシブル基板を用いて作成した場合について説明する。図13、図14を用いて、本実施形態を説明する。なお、上記の実施形態までの実施形態と同様な部位は、同一の番号をつけて、その説明を省略する。
【0062】
図13は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その1)を示す。図14は、本実施形態における超音波振動子の製造工程図(その2)を示す。図13は、図3に対応する図である。図14は、図4に対応する図である。
【0063】
本実施形態では、ポリイミドシートを用いたフレキシブル基板を利用する。まず、ポリイミドシートの所定位置に孔加工を行う。次に、そのポリイミドシートに銅板を加熱接着して接合する。その後、その銅板にマスクを印刷して、図13の銅板パターンを作成する。なお、マスクを印刷する部分は、銅板16として残る部分(すなわち、孔が開かない部分)である。その後、第4の実施形態と同様に、その銅板パターン上に短冊状のポリイミド50が貼り付けられた状態(図14)のフレキシブル基板を作成する。なお、この工程は基本的にはポリイミドシートを用いたフレキシブル基板の作成工程と同様である。それ以降は、第4の実施形態と同様である。
【0064】
このような構成をとることで、接続部材5に予め作成された絶縁部材により、電気的に絶縁したい電気機械変換素子2の電極とハウジングとの絶縁を行うことができる。
以上より、電気接続部の作成を一般的な工業的作成手段を用いることで実現することができるため、精度、信頼性が向上し安価な超音波振動子となる。
【0065】
<第6の実施形態>
第4の実施形態では短冊状のポリイミド50を接続部材に接着させたが、本実施形態ではその代わりにパリレン(ポリパラキンレン)樹脂等を蒸着させることについて説明する。図13,図14を用いて、本実施形態を説明する。なお、上記の実施形態までの実施形態と同様な部位は、同一の番号をつけて、その説明を省略する。
【0066】
まず、第4の実施形態と同様に、エッチングにより、銅板16に接続部材5の形状を作成する(図13)。その後、絶縁部材(以下に示すパリレン樹脂等の有機部材)を塗布する領域以外の領域(エリア)37をレジストによりマスクする。その後、パリレン樹脂等の有機部材を蒸着して、その後洗浄によりレジストを落とし、折り曲げ前の状態の銅板16を作成する。
【0067】
このように構成することにより、マスクにより絶縁部材を蒸着する部位を正確にコントロールすることができる。また、パリレン等の蒸着を用いることにより、ドライプロセスで絶縁膜の作成ができるため、絶縁膜の組成、膜厚が安定する。
【0068】
以上より、一般的なドライプロセスにて絶縁膜を作成できるため、工程が安定し、超音波振動子の信頼性が向上する。また、パリレン等の蒸着を用いて絶縁膜をつけることにより、レジストが付いた状態で折り曲げ及び切り離し加工を実施後、立体形状で絶縁膜を作成できるため、折り曲げ時に絶縁膜が曲げ加工によるストレスで絶縁部材から外れることが無く、工程が安定する。
【0069】
なお、本実施形態は、蒸着等のドライプロセスだけでなく、有機物を直接塗布するといった方法でも同様な効果が現れることは当然である。
<第7の実施形態>
本実施形態では、接続部材の絶縁部材で覆われていない部分に接触する可能性のあるハウジングの所定の部分に切り欠きを設けた場合について説明する。図15を用いて、本実施形態を説明する。上記の実施形態と同様な部位は同一の番号をつけ説明を省略する。
【0070】
図15は、本実施形態における超音波振動子の断面を示す。超音波振動子1の音響整合層3は、表面に超音波の収束を行うように局面38が形成されている。また、その音響整合層3の外周は、接続部材5a,5bを包み込むように、ハウジング36の外周まで覆っている。
【0071】
接続部材5a,5bは、完全に外部と絶縁された状態になっている。プラス接続用の接続部材5aの絶縁部材18の配されていない部分に対応するハウジング36の部分は、切り欠き39が作成されている。すなわち、この図15の断面図において、接続部材5b側に比べ、接続部材5a側のハウジングは短くなっており、絶縁部材の被覆部分と接触しない部分を形成するため、切り欠き39を設けている。
【0072】
音響整合層3は、ハウジング36の切り欠き部39を完全に覆うように作成されている。グランド側接続部材5bは、ハウジング36の内側で半田等によりハウジングの内壁面と接続され、ハウジング36外周でリード部材11bと接続されている。
【0073】
プラス側接続部材5aは、ハウジング36内側41でリード部材11aと電気的に接続され、リード部材11aは、ハウジング36に開けられた孔42を通して外側に出されている。その後、ハウジング36の内側41に絶縁樹脂を充填し、フタ43を接着により固定し超音波振動子1を形成している。
【0074】
このように構成することにより、電気的には絶縁材料である樹脂性の音響整合層3により、接続部材5と共にハウジング外周部まで完全に覆われることにより、外部との電気的な絶縁を行う。また、ハウジング36のプラス側接続部材5a近傍に切り欠き39を設けることにより、不要な接触可能性個所をなくすことができ、ハウジングと接続部材の接触リスクを軽減させることができる。
【0075】
以上より、音響整合層で接続部材を覆うことにより、簡単な方法で、一度に絶縁層まで作成することができる。そのため、絶縁、防水のための樹脂を重ね塗りする場合に発生する可能性がある、樹脂界面でのコンタミ(コンタミネーション)等による接合不良が無くなり、より高い絶縁性と信頼性を確保でき、防水性を要求される水中、体腔内等で使用する超音波振動子を作成することができる。
【0076】
また工程を簡略化し、音響整合層に超音波振動子の電気的絶縁作用を兼ねさせることにより、製造プロセスを簡略化することができ、さらに、信頼性が向上し安価な超音波振動子を製造することができる。
【0077】
<第8の実施形態>
本実施形態では、接続部材のリード部を折り曲げて、ハウジング36外側へ延出させた超音波振動子について説明する。図16,図17を用いて、本実施形態を説明する。上記の実施形態と同様な部位は同一の番号をつけ説明を省略する。
【0078】
図16は、本実施形態における超音波振動子の断面を示す。図17は、本実施形態における超音波振動子のハウジングと絶縁チューブの形状を説明するための図である。図17において、ハウジング36は略楕円の筒状の形状をしており、その一部の側面の上部と下部にはそれぞれ、上部切り欠き39、下部切り欠き44が設けられている。
【0079】
図16において、プラス側接続部材5aのリード部12はハウジング内41で外側に曲げられて、ハウジング36の下部切り欠き44から外部へリード部12が延出している構造となっている。
【0080】
リード部12の下部切り欠き44近傍には、絶縁部材18がリード部12の上下面に配されており、ハウジング36と接続部材5aのリード部12とが電気的に絶縁を行っている。
【0081】
ハウジング36の外側に延出した接続部材5aのリード部12にリード線11が半田等により接続されている。そのリード部12の外周を包むように、樹脂製の絶縁チューブ45でカバーをする。絶縁チューブ45の内部は、絶縁と防水のための樹脂で満たされている。
【0082】
グランド側接続部材5bは、ハウジング36の外側にリード部12が配され、ハウジング36外周面で半田等により電気的に接続されている。ハウジング36の絶縁チューブ近傍でグランド側リード線11bとハウジング36が半田等で接続される。それにより、電気機械変換素子2のプラス側とグランド側の電極が、それぞれのリード線11a,11bと電気的に接続される。
【0083】
また、音響整合層3により電気接続部が覆われることで、電気接続部の外部との絶縁と防水を行っている。また、ハウジング36の内側41内に絶縁防水のための樹脂が充填され、フタ43が固定されている。なお、本実施形態では、電気機械変換素子2として柱状セラミック圧電体53を樹脂54により固定した複合圧電素子を用いている。
【0084】
このように構成することにより、接続部材のリード部を折り曲げて、ハウジング36外側へ出すことにより、リード線11との接続が容易になる。
以上より、リード線との接続が容易になるため、作業工数が減り、安価で信頼性の高い超音波振動子を作成することができる。
【0085】
また、本実施形態では電気機械変換素子として複合圧電素子を用いた。この複合圧電素子を用いる場合、電極部分の強度が弱く、半田等の接続ではリード部が剥離しやすい可能性がある。しかしながら、本実施形態のように、塑性変形で電気的な接続をとる方法を用いれば、簡便で信頼性が向上する。
【0086】
また、接続部材により電気機械変換素子を挟み込む場合、複合圧電素子に対しては、それぞれの柱が縦方向に振動し、他の柱状セラミック圧電体の振動の影響を受けにくい。よって、接続部材の塑性変形で電気的な接続をとっても、それ以外の部分への振動を阻害する影響が発生しにくいという特徴を持つ。
【0087】
<第9の実施形態>
本実施形態では、構造部材のリード部をコネクタ接続できるようにした超音波振動子について説明する。図18を用いて、本実施形態を説明する。上記の実施形態と同様な部位は同一の番号をつけ説明を省略する。
【0088】
図18は、本実施形態における超音波振動子の断面を示す。上記の実施形態までと同様の部位は同一の番号をつけ説明を省略する。
本実施形態では、接続部材5のリード部12がハウジング36の外側に配され、リード部の先端の形状が折り曲げられてかぎ状46に形成されている。このかぎ状形状部46に対応する形状でリード線11の先端に取り付けられたコネクタ47により、リード線11と超音波振動子1のリード部12との電気的接続を行う。
【0089】
このように構成することにより、接続部材5のリード部12をハウジング外側に延長し、かぎ状に加工を行い、コネクタ接続を可能な形状にする。このようにすることで、このかぎ状に対応するコネクタメス形状をリード線11の先端部分に取り付け、半田等を用いず電気的な接続を行うことができる。
【0090】
以上より、接続部材のリード部形状をかぎ状にすることにより、コネクタ接続が可能になり、簡単に電気的な接続が可能となる。また、超音波振動子がリード線に対して着脱自在となるため、超音波振動子の交換等が容易になり、作業性、信頼性が向上する。
【0091】
なお、本実施形態では、コネクタ接続するために、接続部材リード部をかぎ状にした例を説明したが、コネクタ接続を行うことができる形状であれば、形状に制約を受けることなく、本実施形態の効果が得られることは当然である。
【0092】
<第10の実施形態>
本実施の形態では、複数の電気機械変換素子を積層させた超音波振動子について説明する。図19〜図22を用いて、本実施形態を説明する。なお、上記の実施形態までと同様な部位は同一の番号をつけ説明を省略する。
【0093】
図19、図20は、本実施形態の実施例1における超音波振動子について示す。図19において、複合圧電素子で構成されている電気機械変換素子2を2枚積層する。一方の接続部材48のコの字形状部分によって、その積層された電気機械変換素子2の両側(上面と下面)から電気機械変換素子2を挟みこむ。
【0094】
他方の接続部材49は、積層させた電気機械変換素子間に電気接続部10を設け、2枚の電気機械変換素子2の両側から、絶縁部材14を介して、加圧部9によりその2枚の電気機械変換素子2を挟み込んでいる。
【0095】
電気機械変換素子2の超音波放射側に音響整合層3が配され、反対側にはバッキング材4が配されている。
図20において、それぞれの電気機械変換素子2の一方の面が接続部材49により電気的な接続ができるように、電気接続部10が延出している。すなわち、上段に位置する電気機械変換素子2の下面と電気接続部10とが接触し、下段に位置する電気機械変換素子2の上面と電気接続部10とが接触している。
【0096】
図21は、本実施形態の実施例2における超音波振動子について示す。実施例1と同様に、電気機械変換素子2を2枚積層させている。このとき、2つの面が合わさっている電極をプラス側電極7とし、その積層された電気機械変換素子2の両側(上面と下面)をグランド電極としている。
【0097】
図21において、その積層された電気機械変換素子2の大きさが異なっており、そのうち大きい方の電気機械変換素子2の端部のプラス側電極7が、接続部材5bにより電気機械変換素子2を挟み込むように固定されている。また、接続部材5aが2つの電気機械変換素子を挟み込む様に固定されている。これにより、2つの電気機械変換素子のプラス電極7が確実に接触する。そのため、2枚の電気機械変換素子2のプラス電極7は、電気的に確実に接触させることができる。
【0098】
図22は、本実施形態の実施例3における超音波振動子について示す。図22は、図21の変形例であり、3枚の電気機械変換素子を積層した例である。それぞれ、接続部材に対応する部分をずらせて積層することにより、一種類の接続部材48で電気的接続をとることができる。
【0099】
このように構成することにより、接続部材により電気的かつ機械的に電気機械変換素子を固定後、樹脂中に浸漬し脱泡を行い、電気機械変換素子間に存在する空気層を取り除き、バッキング材、音響整合層を、前記積層された電気機械変換素子とともに、加圧接合し、超音波振動子を作成する。
【0100】
これにより、電気機械変換素子を複数積層することにより、音響出力パワーを増大させることができる。
以上より、接続部材で複数の電気機械変換素子を積層接続が可能となり、より簡単に小型で出力パワーの大きな超音波振動子を作成することが可能となる。また、接続部材を用いることにより、簡単に積層振動子を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】第1の実施形態における超音波振動子の断面を示す。
【図2】第3の実施形態における超音波振動子の断面を示す。
【図3】第4の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その1)を示す。
【図4】第4の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その2)を示す。
【図5】第4の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その3)を示す。
【図6】第4の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その4)を示す。
【図7】第4の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その5)を示す。
【図8】第4の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その6)を示す。
【図9】第4の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その7)を示す。
【図10】第4の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その8)を示す。
【図11】第4の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その9)を示す。
【図12】第4の実施形態において製造された接続部材を超音波振動子に組み込んだ状態を示す。
【図13】第5の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その1)を示す。
【図14】第5の実施形態における超音波振動子の製造工程図(その2)を示す。
【図15】第7の実施形態における超音波振動子の断面を示す。
【図16】第8の実施形態における超音波振動子の断面を示す。
【図17】第9の実施形態における超音波振動子の断面を示す。
【図18】第10の実施形態の実施例1における超音波振動子について示す図(その1)である。
【図19】第10の実施形態の実施例1における超音波振動子について示す図(その2)である。
【図20】第10の実施形態の実施例1における超音波振動子について示す図(その3)である。
【図21】第10の実施形態の実施例2における超音波振動子について示す図である。
【図22】第10の実施形態の実施例3における超音波振動子について示す図である。
【図23】従来における超音波振動子の一例を示す。
【図24】従来における電子部品の端子固定構造の一例を示す。
【符号の説明】
【0102】
1 超音波振動子
2 電気機械変換素子
3 音響整合部材
4 バッキング材
5,5a,5b 接続部材
6 グランド電極
7 プラス電極
8 対向方法
9 加圧部
10 電気接続部
11 リード線
12 リード部
13 側面
14 絶縁部材
15 空間
16 銅板
17 折り曲げジグ
18 絶縁部材
19 位置決めピン
20 孔
21 ビス
22 ビス用孔
23 長孔
24 形状孔
25 切断部材
26 小板
27 上板ジグ
28 矢印
29 エッジ
30 曲げ方向
31 スペーサ
32 上板
33 曲げ方向
34 オフセット
35 切断部材
36 ハウジング
37 エリア
38 曲面
39 切り欠き
40 電気接続部端部
41 ハウジング内側
42 ハウジング孔
43 フタ
44 下部切り欠き
45 絶縁チューブ
46 かぎ状
47 コネクタ
48,49 接続部材
50 ポリイミド
53 柱状セラミック圧電体
54 樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、
塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される接続部材と、
前記接続部材のうち電気的な接続がされる部分以外の該接続部材の表面に設けられた絶縁部材と、
からなることを特徴とする超音波振動子。
【請求項2】
前記絶縁部材は、前記電気機械変換素子の側面と前記接続部材との間に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子。
【請求項3】
前記電気機械変換素子の側面と前記接続部材との間に、所定の空間が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子。
【請求項4】
前記接続部材は、フレキシブル基板である
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子。
【請求項5】
前記接続部材は、有機物が塗布または蒸着されている
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波振動子。
【請求項6】
電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、
塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される接続部材と、
前記電気機械変換素子と電気的に接続された後に前記接続部材を被覆している絶縁部材と、
からなることを特徴とする超音波振動子。
【請求項7】
電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、
塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される2つの接続部材と、
少なくとも前記音響整合部材の前記超音波放射面を露出させる形状であるハウジング部材と、
一方の前記接続部材の端部が前記ハウジング部材の外側に延出し、該端部と電気的に接続される導電部材と、
からなることを特徴とする超音波振動子。
【請求項8】
電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、
塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される2つの接続部材と、
少なくとも前記音響整合部材の前記超音波放射面を露出させる形状であるハウジング部材と、
一方の前記接続部材の端部が前記ハウジング部材の外側に延出し、該端部に設けられた導電性のコネクタと、
からなることを特徴とする超音波振動子。
【請求項9】
電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、
塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される接続部材と、
からなる超音波振動子であって、
前記電気機械変換素子が複数積層され、該積層された電気機械変換素子と前記接続部材とが電気的に接続している
ことを特徴とする超音波振動子。
【請求項10】
電気信号を機械的動作に変換させて超音波を放射させる電気機械変換素子と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側に設けられた音響整合部材と、
前記電気機械変換素子の超音波放射面側の反対の面に設けられたバッキング材と、
塑性変形を行うことにより電気的に前記電気機械変換素子と接続される接続部材と、
からなる超音波振動子の製造方法であって、
金属薄板に前記接続部材の形状を作成する形状作成工程と、
前記接続部材の形状が作成された金属薄板の所定の位置に絶縁部材を付与する絶縁部材付与工程と、
前記絶縁部材が付与された前記金属薄板を所定の形状に折り曲げる折り曲げ工程と、
前記所定の形状に折り曲げられた金属薄板から前記接続部材の形状部分を切断する切断工程と
を行うことを特徴とする超音波振動子の製造方法。
【請求項11】
請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の超音波振動子を搭載した超音波内視鏡装置。
【請求項12】
請求項10に記載の超音波振動子の製造方法により製造された超音波振動子を搭載した超音波内視鏡装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2006−320512(P2006−320512A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−146077(P2005−146077)
【出願日】平成17年5月18日(2005.5.18)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】