説明

超音波映像の中心線に基づいて超音波空間合成映像を提供する超音波システムおよび方法

【課題】複数のスキャンラインを延長させて交わる仮想共通点に基づいて超音波空間合成映像を提供する超音波システムおよび方法を提供すること。
【解決手段】本超音波システムは複数の変換素子を含む超音波プローブを含み、複数のスキャンラインに沿って超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信して、複数の超音波映像のそれぞれに対応する超音波データを取得する超音波データ取得部と、前記超音波データ取得部に連結され、前記複数のスキャンラインを延長させて交わる仮想共通点を設定し、該仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像に対応する複数の中心線を設定し、前記仮想共通点を前記複数の中心線上へ移動させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定し、前記超音波データを用いて前記複数の超音波映像を形成し、前記複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は超音波システムに関し、特に、超音波映像の中心線に基づいて超音波空間合成映像を提供する超音波システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波システムは、無侵襲および非破壊特性を有しており、対象体内部の情報を得るために医療分野で広く用いられている。超音波システムは、対象体を直接切開して観察する外科手術の必要がなく、対象体の内部組織を高解像度の映像で医師に提供することができるため、医療分野で非常に重要なものとして用いられている。
【0003】
超音波システムは、超音波プローブを用いて超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信して対象体の超音波映像を形成する。最近は、超音波映像の解像度を向上させるために、超音波システムは、複数の超音波映像を空間合成(Spatial compound)して超音波空間合成映像を形成している。
【0004】
従来は、複数のスキャンラインを延長させて交わる仮想共通点(virtual common point)を特定位置に移動させる場合、超音波映像を表示する領域、即ち映像表示領域(image display area)全体を含むスキャンラインを設定している。しかしこれでは、特定スキャンラインに対するステアリング角度(Steering angle)が非常に大きくなるだけでなく、映像表示領域の中心部で空間合成の効果が落ちる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−080104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、複数のスキャンライン(scan−line)を延長させて交わる仮想共通点(virtual common point)を基準に、合成しようとする超音波映像の数に応じて複数の中心線を設定し、仮想共通点を複数の中心線のそれぞれの特定位置に移動させて複数の超音波映像のそれぞれに対応する複数のスキャンラインを設定し、複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を提供する超音波システムおよび方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における超音波システムは、複数の変換素子を含む超音波プローブを含み、複数のスキャンラインに沿って超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信して、複数の超音波映像のそれぞれに対応する超音波データを取得する超音波データ取得部と、前記超音波データ取得部に連結され、前記複数のスキャンラインを延長させて交わる仮想共通点を設定し、該仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像に対応する複数の中心線を設定し、前記仮想共通点を前記複数の中心線上へ移動させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定し、前記超音波データを用いて前記複数の超音波映像を形成し、前記複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を形成するプロセッサとを備え、前記超音波データ取得部は、前記設定された複数のスキャンラインに基づいて前記超音波データを取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明における超音波空間合成映像提供方法は、複数の変換素子を含むプローブを用いて、対象体に対する複数の超音波映像の超音波空間合成映像を提供する方法であって、a)複数のスキャンラインを延長させて交わる仮想共通点を設定し、該仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像に対応する複数の中心線を設定する段階と、b)前記仮想共通点を前記複数の中心線上へ移動させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定する段階と、c)前記設定された複数のスキャンラインに基づいて超音波データを取得する段階と、d)前記超音波データを用いて前記複数の超音波映像を形成する段階と、e)前記複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を形成する段階とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明における、対象体に対する複数の超音波映像の超音波空間合成映像を提供する方法を行うためのプログラムを格納するコンピュータ読取可能な記録媒体は、前記方法が、a)複数のスキャンラインを延長させて交わる仮想共通点を設定し、該仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像に対応する複数の中心線を設定する段階と、b)前記仮想共通点を前記複数の中心線上へ移動させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記のスキャンラインを設定する段階と、c)前記設定された複数のスキャンラインに基づいて超音波データを取得する段階と、d)前記超音波データを用いて前記複数の超音波映像を形成する段階と、e)前記複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を形成する段階とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、超音波映像を表示する領域、即ち映像表示領域(image display area)全体を一度に得るものではないので、ステアリング角度(Steering angle)の制限条件にあまり敏感でなく、従ってワイドビューアングルプローブ(wide view angle probe)でも使用可能である。
【0011】
また、本発明は、サイド効果(side effect)を発生させる位置のスキャンラインを除外することによって、空間合成の効果を最大限にしながら時間的な損失(超音波映像レートの過度な低下)を最小化できるため、空間合成の最大短所であるモーションブラーリング(motion blurring:組織の動きによる画像のぼけ)を最小化できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例によって、超音波空間合成映像を形成する順序を示すフローチャートである。
【図4】複数のスキャンラインおよび仮想共通点を示す例示図である。
【図5】本発明の第1実施例における中心線を設定する例を示す例示図である。
【図6】本発明の第1実施例における超音波映像を示す例示図である。
【図7】本発明の第2実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第2実施例によって、超音波空間合成映像を形成する順序を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施例における中心線を設定する例を示す例示図である。
【図11】本発明の第2実施例における超音波映像を示す例示図である。
【図12】本発明の第3実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第3実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第3実施例によって、超音波空間合成映像を形成する順序を示すフローチャートである。
【図15】本発明の第3実施例における中心線、サブ仮想共通点および超音波映像を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施例を説明する。
<第1実施例>
図1は、本発明の第1実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。図1を参照すると、超音波システム100は、超音波データ取得部110、プロセッサ120、格納部130およびディスプレイ部140を備える。
【0014】
超音波データ取得部110は、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信して超音波データを取得する。
【0015】
図2は、本発明の第1実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、超音波データ取得部110は、超音波プローブ210、送信信号形成部220、ビームフォーマ230および超音波データ形成部240を備える。
【0016】
超音波プローブ210は、電気的信号と超音波信号とを相互に変換する複数の電気音響変換素子(transducer element:以下単に変換素子と呼ぶ)211(図4参照)を含む。超音波プローブ210は、複数のスキャンラインのそれぞれに沿って超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して受信信号を形成する。受信信号は、アナログ信号である。本実施例において、超音波プローブ210は、コンベックスプローブ(convex probe)を含む。しかし、超音波プローブ210は、必ずしもこれに限定されない。
【0017】
送信信号形成部220は、超音波信号の送信を制御する。また、送信信号形成部220は、変換素子および集束点を考慮して、超音波映像を得るための送信信号を形成する。超音波映像は、Bモード(brightness mode)映像を含む。しかし、超音波映像は、必ずしもこれに限定されない。
【0018】
本実施例において、送信信号形成部220は、図6に示すように、第1超音波映像SFを得るための第1送信信号を形成する。従って、超音波プローブ210は、送信信号形成部220から第1送信信号が提供されれば、第1送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第1受信信号を形成する。また、送信信号形成部220は、図6に示すように、第2超音波映像SFを得るための第2送信信号を形成する。従って、超音波プローブ210は、送信信号形成部220から第2送信信号が提供されれば、第2送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第2受信信号を形成する。また、送信信号形成部220は、図6に示すように、第3超音波映像SFを得るための第3送信信号を形成する。従って、超音波プローブ210は、送信信号形成部220から第3送信信号が提供されれば、第3送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第3受信信号を形成する。
【0019】
前述した実施例では、超音波映像の数が3つである場合を説明したが、超音波映像の数は、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて変更される。
【0020】
ビームフォーマ230は、超音波プローブ210から提供される受信信号をアナログデジタル変換してデジタル信号を形成する。また、ビームフォーマ230は、変換素子および集束点を考慮して、デジタル信号を受信集束させて受信集束信号を形成する。
【0021】
本実施例において、ビームフォーマ230は、超音波プローブ210から第1受信信号が提供されれば、第1受信信号をアナログデジタル変換して第1デジタル信号を形成する。ビームフォーマ230は、変換素子および集束点を考慮して、第1デジタル信号を受信集束させて第1受信集束信号を形成する。また、ビームフォーマ230は、超音波プローブ210から第2受信信号が提供されれば、第2受信信号をアナログデジタル変換して第2デジタル信号を形成する。ビームフォーマ230は、変換素子および集束点を考慮して、第2デジタル信号を受信集束させて第2受信集束信号を形成する。また、ビームフォーマ230は、超音波プローブ210から第3受信信号が提供されれば、第3受信信号をアナログデジタル変換して第3デジタル信号を形成する。ビームフォーマ230は、変換素子および集束点を考慮して、第3デジタル信号を受信集束させて第3受信集束信号を形成する。
【0022】
超音波データ形成部240は、ビームフォーマ230から提供される受信集束信号を用いて超音波映像に対応する超音波データを形成する。超音波データは、RF(radio frequency)データを含む。しかし、超音波データは、必ずしもこれに限定されない。また、超音波データ形成部240は、超音波データを形成するのに必要な多様な信号処理(例えば、利得(gain)調節等)を受信集束信号に行うこともできる。
【0023】
本実施例において、超音波データ形成部240は、ビームフォーマ230から第1受信集束信号が提供されれば、第1受信集束信号を用いて第1超音波映像SFに対応する第1超音波データを形成する。また、超音波データ形成部240は、ビームフォーマ230から第2受信集束信号が提供されれば、第2受信集束信号を用いて第2超音波映像SFに対応する第2超音波データを形成する。また、超音波データ形成部240は、ビームフォーマ230から第3受信集束信号が提供されれば、第3受信集束信号を用いて第3超音波映像SFに対応する第3超音波データを形成する。
【0024】
再び図1を参照すると、プロセッサ120は、超音波データ取得部110に連結される。プロセッサ120は、CPU(central processing unit)、マイクロプロセッサ(micro processor)、GPU(graphic processing unit)などを含む。
【0025】
図3は、本発明の第1実施例によって、超音波空間合成映像を形成する順序を示すフローチャートである。図3を参照すると、プロセッサ120は、図4に示すように、複数の変換素子211の位置を考慮して、複数のスキャンラインS〜S(1番目の変換素子211に対するスキャンラインS〜N番目の変換素子211に対するスキャンラインS)に対応する仮想共通点VPを設定する(S302)。仮想共通点VPは、複数のスキャンラインS〜Sを超音波信号の送信方向と反対となる方向に延長させてラインが交わる点を意味する。
【0026】
プロセッサ120は、仮想共通点VPを基準に複数の超音波映像のそれぞれを得るための中心線を映像表示領域に設定する(S304)。複数の超音波映像のそれぞれは、映像表示領域(image display area)の一部分を含む。
【0027】
本実施例において、プロセッサ120は、図5に示すように、仮想共通点VPを基準に映像表示領域IDAの一部分を含む第1超音波映像SFを得るための第1中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。また、プロセッサ120は、図5に示すように、仮想共通点VPを基準に映像表示領域IDAの一部分を含む第2超音波映像SFを得るための第2中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。また、プロセッサ120は、図5に示すように、仮想共通点VPを基準に映像表示領域IDAの一部分を含む第3超音波映像SFを得るための第3中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。隣接する中心線間の角度、即ち、第1中心線CLと第2中心線CLとの間の角度、および第1中心線CLと第3中心線CLとの間の角度は同一または異なる。
【0028】
前述した実施例では、中心線の数が3つ(即ち、合成しようとする超音波映像の数が3つ)の場合を説明したが、中心線の数は、必ずしもこれに限定されず、合成しようとする超音波映像の数によって変更することができる。
【0029】
プロセッサ120は、複数の中心線のそれぞれに対して仮想共通点VPを移動させる位置(以下、仮想共通点移動位置という)を設定する(S306)。プロセッサ120は、仮想共通点VPを仮想共通点移動位置に移動させて、複数の超音波映像のそれぞれに対応する仮想共通点(以下、サブ仮想共通点という)を設定する(S308)。
【0030】
本実施例において、プロセッサ120は、第1中心線CLに対し、仮想共通点VPを移動させる仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ120は、図6に示すように、仮想共通点VPを第1中心線CL上の仮想共通点移動位置に移動させて、第1超音波映像SFに対応する第1サブ仮想共通点SVPを設定する。また、プロセッサ120は、第2中心線CLに対し、仮想共通点VPを移動させる仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ120は、図6に示すように、仮想共通点VPを第2中心線CL上の仮想共通点移動位置に移動させて、第2超音波映像SFに対応する第2サブ仮想共通点SVPを設定する。また、プロセッサ120は、第3中心線CLに対し、仮想共通点VPを移動させる仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ120は、図6に示すように、仮想共通点VPを第3中心線CL上の仮想共通点移動位置に移動させて、第3超音波映像SFに対応する第3サブ仮想共通点SVPを設定する。
【0031】
プロセッサ120は、中心線、仮想共通点およびサブ仮想共通点に基づいて、複数の超音波映像のそれぞれに対応する複数のスキャンラインを設定する(S310)。このようにして、超音波データ取得部110は、複数の超音波映像のそれぞれに対して設定された複数のスキャンラインのそれぞれに沿って超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して超音波データを取得する。
【0032】
一例として、プロセッサ120は、第1〜第3超音波映像SF〜SFの中から基準超音波映像を設定する。本例では、第1超音波映像SFを基準超音波映像として設定する。プロセッサ120は、複数の変換素子211において、基準超音波映像(即ち、第1超音波映像SF)に対応する第1中心線CLに隣接する第2中心線CLが通過する変換素子を検出する。プロセッサ120は、検出された変換素子の中央点を検出する。プロセッサ120は、基準超音波映像に対応する第1サブ仮想共通点SVPを基準に、検出された変換素子の中央点を通過するスキャンラインを基準超音波映像の最初のスキャンラインとして設定する。プロセッサ120は、最初のスキャンラインを基準に、公知となった多様な方法を用いて、基準超音波映像に対応する複数のスキャンライン(即ち、各スキャンラインのステアリング角度)を設定する。
【0033】
プロセッサ120は、仮想共通点VPを基準に、第1中心線CLを第2中心線CLに回転させて、第2超音波映像SFに対応する複数のスキャンラインを設定する。プロセッサ120は、仮想共通点VPを基準に、第1中心線CLを第3中心線CLに回転させて、第3超音波映像SFに対応する複数のスキャンラインを設定する。
【0034】
他の例として、プロセッサ120は、第1〜第3超音波映像SF〜SFの中から基準超音波映像を設定する。本例では、第1超音波映像SFを基準超音波映像として設定する。プロセッサ120は、複数の変換素子211において、基準超音波映像(即ち、第1超音波映像SF)に対応する第1中心線CLに隣接する第2中心線CLが通過する変換素子を検出する。プロセッサ120は、検出された変換素子の中央点を検出する。プロセッサ120は、基準超音波映像に対応する第1サブ仮想共通点SVPを基準に、検出された変換素子の中央点を通過するスキャンラインを基準超音波映像の最後のスキャンラインとして設定する。プロセッサ120は、最後のスキャンラインを基準に、公知となった多様な方法を用いて、基準超音波映像に対応する複数のスキャンライン(即ち、各スキャンラインのステアリング角度)を設定する。
【0035】
プロセッサ120は、仮想共通点VPを基準に、第1中心線CLを第2中心線CLに回転させて、第2超音波映像SFに対応する複数のスキャンラインを設定する。プロセッサ120は、仮想共通点VPを基準に、第1中心線CLを第3中心線CLに回転させて、第3超音波映像SFに対応する複数のスキャンラインを設定する。
【0036】
更に他の例として、プロセッサ120は、第1〜第3超音波映像SF〜SFの中から基準超音波映像を設定する。本例では、第1超音波映像SFを基準超音波映像として設定する。プロセッサ120は、複数の変換素子211において最初(1番目)の変換素子の中央点を検出する。プロセッサ120は、第1サブ仮想共通点SVPを基準に、検出された変換素子の中央点を通過するスキャンラインを基準超音波映像(即ち、第1超音波映像SF)の最初のスキャンラインに設定する。
【0037】
プロセッサ120は、図4に示された最初のスキャンラインSと基準超音波映像の最初のスキャンラインとの間の角度を算出する。即ち、プロセッサ120は、仮想共通点を第1サブ仮想共通点SVPへ移動させた時、図4に示された最初のスキャンラインSのステアリング角度を算出する。プロセッサ120は、算出された角度が予め設定された範囲(例えば、0<範囲≦超音波プローブ210の最大指向性角度(maximum directivity angle))内に存在するか否かを判断し、その算出された角度が予め設定された範囲内に存在しないと判断すれば、複数の変換素子211において2番目の変換素子の中央点を検出する。プロセッサ120は、第1サブ仮想共通点SVPを基準に、検出された中央点を通過するスキャンラインを基準超音波映像の最初のスキャンラインに設定する。
【0038】
プロセッサ120は、図4に示された2番目のスキャンラインSと基準超音波映像の最初のスキャンラインとの間の角度を算出する。即ち、プロセッサ120は、仮想共通点を第1サブ仮想共通点SVPへ移動させた時、図4に示された2番目のスキャンラインSのステアリング角度を算出する。プロセッサ120は、算出された角度が予め設定された範囲内に存在するか否かを判断して、その算出された角度が予め設定された範囲内に存在すると判断すれば、基準超音波映像の最初のスキャンラインを基準に、公知となった多様な方法を用いて、基準超音波映像に対応する複数のスキャンライン(即ち、各スキャンラインのステアリング角度)を設定する。
【0039】
プロセッサ120は、仮想共通点VPを基準に、第1中心線CLを第2中心線CLに回転させて、第2超音波映像SFに対応する複数のスキャンラインを設定する。また、プロセッサ120は、仮想共通点VPを基準に、第1中心線CLを第3中心線CLに回転させて、第3超音波映像SFに対応する複数のスキャンラインを設定する。
【0040】
前述した例では、複数の変換素子の中から最初の変換素子を基準に、第1超音波映像の最初のスキャンラインを設定し、その最初のスキャンラインを基準に基準超音波映像に対応する複数のスキャンラインを設定する場合を説明したが、他の例では、複数の変換素子から最後の変換素子を基準に、基準超音波映像の最後のスキャンラインを設定し、その最後のスキャンラインを基準に第1超音波映像に対応する複数のスキャンラインを設定することもできる。
【0041】
プロセッサ120は、超音波データ取得部110から提供される超音波データを用いて複数の超音波映像を形成する(S312)。本実施例において、プロセッサ120は、超音波データ取得部110から第1超音波データが提供されれば、第1超音波データを用いて図6に示すように第1超音波映像SFを形成する。また、プロセッサ120は、超音波データ取得部110から第2超音波データが提供されれば、第2超音波データを用いて図6に示すように第2超音波映像SFを形成する。また、プロセッサ120は、超音波データ取得部110から第3超音波データが提供されれば、第3超音波データを用いて図6に示すように第3超音波映像SFを形成する。
【0042】
プロセッサ120は、複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を形成する(S314)。空間合成は公知となった多様な方法を用いて行うことができるので、本実施例では詳細に説明しない。
【0043】
再び図1を参照すれば、格納部130は、超音波データ取得部110で取得された超音波データを格納する。また、格納部130は、プロセッサ120で形成された超音波空間合成映像を格納する。
【0044】
ディスプレイ部140は、プロセッサ120で形成された超音波空間合成映像を表示する。また、ディスプレイ部140は、プロセッサ120で形成された超音波映像を表示する。
【0045】
<第2実施例>
図7は、本発明の第2実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。図7を参照すると、超音波システム700は超音波データ取得部710、プロセッサ720、格納部730およびディスプレイ部740を備える。
【0046】
超音波データ取得部710は、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信して超音波データを取得する。
【0047】
図8は、本発明の第2実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。図8を参照すると、超音波データ取得部710は、超音波プローブ810、送信信号形成部820、ビームフォーマ830および超音波データ形成部840を備える。
【0048】
超音波プローブ810は、電気的信号と超音波信号とを相互に変換する複数の変換素子211(図4参照)を含む。超音波プローブ810は、複数のスキャンラインのそれぞれに沿って超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して受信信号を形成する。受信信号は、アナログ信号である。本実施例において、超音波プローブ810はコンベックスプローブを含む。しかし、超音波プローブ810は、必ずしもこれに限定されない。
【0049】
送信信号形成部820は、超音波信号の送信を制御する。また、送信信号形成部820は、変換素子および集束点を考慮して、超音波映像を得るための送信信号を形成する。超音波映像は、Bモード映像を含む。しかし、超音波映像は、必ずしもこれに限定されない。
【0050】
本実施例において、送信信号形成部820は、図11に示すように、第1超音波映像SFを得るための第1送信信号を形成する。従って、超音波プローブ810は、送信信号形成部820から第1送信信号が提供されれば、第1送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第1受信信号を形成する。また、送信信号形成部820は、図11に示すように、第2超音波映像SFを得るための第2送信信号を形成する。従って、超音波プローブ810は、送信信号形成部820から第2送信信号が提供されれば、第2送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第2受信信号を形成する。また、送信信号形成部820は、図11に示すように、第3超音波映像SFを得るための第3送信信号を形成する。従って、超音波プローブ810は、送信信号形成部820から第3送信信号が提供されれば、第3送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第3受信信号を形成する。
【0051】
前述した実施例では、超音波映像の数が3つである場合を説明したが、超音波映像の数は、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて変更することができる。
【0052】
ビームフォーマ830は、超音波プローブ810から提供される受信信号をアナログデジタル変換してデジタル信号を形成する。また、ビームフォーマ830は、変換素子および集束点を考慮して、デジタル信号を受信集束させて受信集束信号を形成する。
【0053】
本実施例において、ビームフォーマ830は、超音波プローブ810から第1受信信号が提供されれば、第1受信信号をアナログデジタル変換して第1デジタル信号を形成する。ビームフォーマ830は、変換素子および集束点を考慮して、第1デジタル信号を受信集束させて第1受信集束信号を形成する。また、ビームフォーマ830は、超音波プローブ810から第2受信信号が提供されれば、第2受信信号をアナログデジタル変換して第2デジタル信号を形成する。ビームフォーマ830は、変換素子および集束点を考慮して、第2デジタル信号を受信集束させて第2受信集束信号を形成する。また、ビームフォーマ830は、超音波プローブ810から第3受信信号が提供されれば、第3受信信号をアナログデジタル変換して第3デジタル信号を形成する。ビームフォーマ830は、変換素子および集束点を考慮して、第3デジタル信号を受信集束させて第3受信集束信号を形成する。
【0054】
超音波データ形成部840は、ビームフォーマ830から提供される受信集束信号を用いて超音波データを形成する。超音波データは、RFデータを含む。しかし、超音波データは、必ずしもこれに限定されない。また、超音波データ形成部840は、超音波データを形成するのに必要な多様な信号処理(例えば、利得(gain)調節等)を受信集束信号に行うこともできる。
【0055】
本実施例において、超音波データ形成部840は、ビームフォーマ830から第1受信集束信号が提供されれば、第1受信集束信号を用いて第1超音波映像SFに対応する第1超音波データを形成する。また、超音波データ形成部840は、ビームフォーマ830から第2受信集束信号が提供されれば、第2受信集束信号を用いて第2超音波映像SFに対応する第2超音波データを形成する。また、超音波データ形成部840は、ビームフォーマ830から第3受信集束信号が提供されれば、第3受信集束信号を用いて第3超音波映像SFに対応する第3超音波データを形成する。
【0056】
再び図7を参照すると、プロセッサ720は、超音波データ取得部710に連結される。プロセッサ720は、CPU、マイクロプロセッサ、GPUなどを含む。
【0057】
図9は、本発明の第2実施例によって、超音波空間合成映像を形成する順序を示すフローチャートである。図9を参照すると、プロセッサ720は、図4に示すように、複数の変換素子211の位置を考慮して、複数のスキャンラインS〜Sに対応する仮想共通点VPを設定する(S902)。
【0058】
プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に複数の超音波映像のそれぞれを得るための中心線を映像表示領域に設定する(S904)。本実施例において、プロセッサ720は、図10に示すように、仮想共通点VPを基準に第1超音波映像SFを得るための第1中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。また、プロセッサ720は、図10に示すように、仮想共通点VPを基準に第2超音波映像SFを得るための第2中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。また、プロセッサ7120は、図10に示すように、仮想共通点VPを基準に第3超音波映像SFを得るための第3中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。隣接する中心線間の角度、即ち、第1中心線CLと第2中心線CLとの間の角度、および第1中心線CLと第3中心線CLとの間の角度は同一または異なる。
【0059】
前述した実施例では、中心線の数が3つ(即ち、合成しようとする超音波映像の数が3つ)である場合を説明したが、中心線の数は、必ずしもこれに限定されず、合成しようとする超音波映像の数によって変更することができる。
【0060】
プロセッサ720は、複数の中心線それぞれに対して仮想共通点VPを移動させるための仮想共通点移動位置を設定する(S906)。プロセッサ720は、仮想共通点VPを仮想共通点移動位置に移動させて、複数の超音波映像のそれぞれに対応するサブ仮想共通点を設定する(S908)。
【0061】
本実施例において、プロセッサ720は、第1中心線CLに沿って仮想共通点VPを移動させるための第1仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ720は、図10に示すように、第1超音波映像SFに対応する第1サブ仮想共通点を設定する。即ち、プロセッサ720は、図10に示すように、映像表示領域IDAを含む第1超音波映像SFを得るために第1中心線CLに対して仮想共通点VPを移動させない。すなわち、第1サブ仮想共通点は、仮想共通点VPに対応する。
【0062】
また、プロセッサ720は、映像表示領域IDAの一部分を含む第2超音波映像SFを得るために、第2中心線CLに対して仮想共通点VPを移動させるための第2仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ720は、図10に示すように、仮想共通点VPを第2中心線CL上の第2仮想共通点移動位置に移動させて、第2超音波映像SFに対応する第2サブ仮想共通点SVPを設定する。また、プロセッサ720は、映像表示領域IDAの一部分を含む第3超音波映像SFを得るために、第3中心線CLに対して仮想共通点VPを移動させるための第3仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ720は、図10に示すように、仮想共通点VPを第3中心線CL上の第3仮想共通点移動位置に移動させて、第3超音波映像SFに対応する第3サブ仮想共通点SVPを設定する。
【0063】
プロセッサ720は、中心線、仮想共通点およびサブ仮想共通点に基づいて、複数の超音波映像のそれぞれに対応する複数のスキャンラインを設定する(S910)。
【0064】
一例として、プロセッサ720は、第1〜第3超音波映像SF〜SFの中から基準超音波映像を設定する。本例では、第1超音波映像SFを基準超音波映像として設定する。プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に図4に示すように、基準超音波映像対応する複数のスキャンラインS〜Sを設定する。
【0065】
プロセッサ720は、複数の変換素子211において第2中心線CLが通過する変換素子を検出する。プロセッサ720は、検出された変換素子の中央点を検出する。プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に、第2中心線CLを第1中心線CLに回転させる。プロセッサ720は、第1中心線CL上へ移動された第2サブ仮想共通点SVPを基準に、検出された変換素子の中央点を通過するスキャンラインを第2超音波映像SFの最初のスキャンラインに設定する。プロセッサ720は、最初のスキャンラインを基準に、公知となった多様な方法を用いて第2超音波映像SFに対応する複数のスキャンライン(即ち、各スキャンラインのステアリング角度)を設定する。プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に、第2中心線CLを本来の位置に回転させる。
【0066】
プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に、第3中心線CLを第1中心線CLに回転させる。プロセッサ720は、第1中心線CL上へ移動された第3サブ仮想共通点SVPを基準に、検出された変換素子の中央点を通過するスキャンラインを第3超音波映像SFの最初のスキャンラインに設定する。プロセッサ720は、最初のスキャンラインを基準に、公知となった多様な方法を用いて第3超音波映像SFに対応する複数のスキャンライン(即ち、各スキャンラインのステアリング角度)を設定する。プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に第3中心線CLを本来の位置に回転させる。
【0067】
他の例として、プロセッサ720は、第1〜第3超音波映像SF〜SFの中から基準超音波映像を設定する。本例では、第1超音波映像SFを基準超音波映像として設定する。プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に図4に示すように、基準超音波映像対応する複数のスキャンラインS〜Sを設定する。
【0068】
プロセッサ720は、複数の変換素子211において第2中心線CLが通過する変換素子を検出する。プロセッサ720は、検出された変換素子の中央点を検出する。プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に、第2中心線CLを第1中心線CLに回転させる。プロセッサ720は、第1中心線CL上へ移動された第2サブ仮想共通点SVPを基準に、検出された変換素子の中央点を通過するスキャンラインを第2超音波映像SFの最後のスキャンラインに設定する。プロセッサ720は、最後のスキャンラインを基準に、公知となった多様な方法を用いて第2超音波映像SFに対応する複数のスキャンライン(即ち、各スキャンラインのステアリング角度)を設定する。プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に、第2中心線CLを本来の位置に回転させる。
【0069】
プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に、第3中心線CLを第1中心線CLに回転させる。プロセッサ720は、第1中心線CL上へ移動された第3サブ仮想共通点SVPを基準に、検出された変換素子の中央点を通過するスキャンラインを第3超音波映像SFの最後のスキャンラインに設定する。プロセッサ720は、最後のスキャンラインを基準に、公知となった多様な方法を用いて第3超音波映像SFに対応する複数のスキャンライン(即ち、各スキャンラインのステアリング角度)を設定する。プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に第3中心線CLを本来の位置に回転させる。
【0070】
他の例として、プロセッサ720は、第1〜第3超音波映像SF〜SFの中から基準超音波映像を設定する。本例では、第1超音波映像SFを基準超音波映像として設定する。プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に図4に示すように、基準超音波映像対応する複数のスキャンラインS〜Sを設定する。
【0071】
プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に、第2中心線CLを第1中心線CLに回転させる。プロセッサ720は、複数の変換素子211において最初(1番目)の変換素子の中央点を検出する。プロセッサ720は、第1中心線CL上へ移動された第2サブ仮想共通点SVPを基準に、検出された中央点を通過するスキャンラインを第2超音波映像SFの最初のスキャンラインに設定する。プロセッサ720は、図4に示された最初のスキャンラインSと第2超音波映像SFの最初のスキャンラインとの間の角度を算出する。プロセッサ720は、算出された角度が予め設定された範囲(例えば、0<範囲≦超音波プローブ210の最大指向性角度)内に存在するか否かを判断し、その算出された角度が予め設定された範囲内に存在しないと判断すれば、複数の変換素子211において2番目の変換素子の中央点を検出する。
【0072】
プロセッサ720は、第2サブ仮想共通点SVPを基準に、検出された中央点を通過するスキャンラインを第2超音波映像SFの最初のスキャンラインに設定する。プロセッサ720は、図4に示された2番目のスキャンラインSと第2超音波映像SFの最初のスキャンラインとの間の角度を算出する。プロセッサ720は、算出された角度が予め設定された範囲内に存在するか否かを判断し、算出された角度が予め設定された範囲内に存在すると判断すれば、第2超音波映像SFの最初のスキャンラインを基準に、公知となった多様な方法を用いて第2超音波映像SFに対応する複数のスキャンライン(即ち、各スキャンラインのステアリング角度)を設定する。プロセッサ720は、仮想共通点VPを基準に第2中心線CLを本来の位置に回転させる。
【0073】
また、プロセッサ720は、第3超音波映像SFに対して前述したように行って第3超音波映像SFに対応する複数のスキャンラインを設定する。
【0074】
前述した例においては、複数の変換素子において最初の変換素子を基準に第2超音波映像および第3超音波映像の最初のスキャンラインを設定し、その最初のスキャンラインを基準に第2超音波映像および第3超音波映像に対応する複数のスキャンラインを設定する場合を説明したが、他の実施例では複数の変換素子において最後の変換素子を基準に第2超音波映像および第3超音波映像の最後のスキャンラインを設定し、その最後のスキャンラインを基準に第2超音波映像および第3超音波映像に対応する複数のスキャンラインを設定することもできる。
【0075】
プロセッサ720は、サブ仮想共通点を基準に映像表示領域IDAの一部分を含む超音波映像を映像表示領域IDA内に回転させるための回転角度を設定する(S912)。本実施例において、プロセッサ720は、図10に示すように、第2サブ仮想共通点SVPを基準に第2超音波映像SFを映像表示領域IDA内に回転させるための回転角度θを設定する。プロセッサ720は、図10に示すように、第3サブ仮想共通点SVPを基準に第3超音波映像SFを映像表示領域IDA内に回転させるための回転角度θを設定する。
【0076】
プロセッサ720は、サブ仮想共通点を基準に回転角度に応じて中心線を回転させて超音波映像を映像表示領域IDA内に回転させる(S914)。本実施例において、プロセッサ720は、図11に示すように、第2サブ仮想共通点SVPを基準に回転角度θに応じて第2中心線CLを新しい第2中心線CL’に回転させて第2超音波映像SFを映像表示領域IDA内に回転させる。また、プロセッサ720は、図11に示すように、第3サブ仮想共通点SVPを基準に回転角度θに応じて第3中心線CLを新しい第3中心線CL’に回転させて第3超音波映像SFを映像表示領域IDA内に回転させる。
【0077】
プロセッサ720は、回転角度に基づいて超音波映像に対応する複数のスキャンラインを再設定する(S916)。そして、超音波データ取得部710は、複数の超音波映像のそれぞれに対して設定された複数のスキャンラインのそれぞれに沿って超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して超音波データを取得する。
【0078】
プロセッサ720は、超音波データ取得部710から提供される超音波データを用いて複数の超音波映像を形成する(S918)。本実施例において、プロセッサ720は、超音波データ取得部710から第1超音波データが提供されれば、第1超音波データを用いて図11に示すように第1超音波映像SFを形成する。また、プロセッサ720は、超音波データ取得部710から第2超音波データが提供されれば、第2超音波データを用いて図11に示すように第2超音波映像SFを形成する。また、プロセッサ720は、超音波データ取得部710から第3超音波データが提供されれば、第3超音波データを用いて図11に示すように第3超音波映像SFを形成する。
【0079】
プロセッサ720は、複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を形成する(S920)。
【0080】
再び図7を参照すれば、格納部730は、超音波データ取得部710で取得された超音波データを格納する。また、格納部730は、プロセッサ720で形成された超音波空間合成映像を格納する。
【0081】
ディスプレイ部740は、プロセッサ720で形成された超音波空間合成映像を表示する。また、ディスプレイ部740は、プロセッサ720で形成された超音波映像を表示する。
【0082】
<第3実施例>
図12は、本発明の第3実施例における超音波システムの構成を示すブロック図である。図12を参照すると、超音波システム1200は、超音波データ取得部1210、プロセッサ1220、格納部1230およびディスプレイ部1240を備える。
【0083】
超音波データ取得部1210は、超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波信号(即ち、超音波エコー信号)を受信して超音波データを取得する。
【0084】
図13は、本発明の第3実施例における超音波データ取得部の構成を示すブロック図である。図13を参照すると、超音波データ取得部1210は、超音波プローブ1310、送信信号形成部1320、ビームフォーマ1330および超音波データ形成部1340を備える。
【0085】
超音波プローブ1310は、電気的信号と超音波信号とを相互に変換する複数の変換素子211(図4参照)を含む。超音波プローブ1310は、複数のスキャンラインのそれぞれに沿って超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して受信信号を形成する。受信信号は、アナログ信号である。本実施例において、超音波プローブ1310は、ワイドビューアングルプローブ(wide view angle probe)を含む。しかし、超音波プローブ1310は、必ずしもこれに限定されない。
【0086】
送信信号形成部1320は、超音波信号の送信を制御する。また、送信信号形成部1320は、変換素子および集束点を考慮して、超音波映像を得るための送信信号を形成する。超音波映像は、Bモード映像を含む。しかし、超音波映像は、必ずしもこれに限定されない。
【0087】
本実施例において、送信信号形成部1320は、図15に示すように、第1超音波映像SFを得るための第1送信信号を形成する。従って、超音波プローブ1310は、送信信号形成部1320から第1送信信号が提供されれば、第1送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第1受信信号を形成する。また、送信信号形成部1320は、図15に示すように、第2超音波映像SFを得るための第2送信信号を形成する。従って、超音波プローブ1310は、送信信号形成部1320から第2送信信号が提供されれば、第2送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第2受信信号を形成する。
【0088】
また、送信信号形成部1320は、図15に示すように、第3超音波映像SFを得るための第3送信信号を形成する。従って、超音波プローブ1310は、送信信号形成部1320から第3送信信号が提供されれば、第3送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第3受信信号を形成する。また、送信信号形成部1320は、図15に示すように、第4超音波映像SFを得るための第4送信信号を形成する。従って、超音波プローブ1310は、送信信号形成部1320から第4送信信号が提供されれば、第4送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第4受信信号を形成する。
【0089】
また、送信信号形成部1320は、図15に示すように、第5超音波映像SFを得るための第5送信信号を形成する。従って、超音波プローブ1310は、送信信号形成部1320から第5送信信号が提供されれば、第5送信信号を超音波信号に変換して対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して第5受信信号を形成する。
【0090】
前述した実施例では、超音波映像の数が5つである場合を説明したが、超音波映像の数は、必ずしもこれに限定されず、必要に応じて変更される。
【0091】
ビームフォーマ1330は、超音波プローブ1310から提供される受信信号をアナログデジタル変換してデジタル信号を形成する。また、ビームフォーマ1330は、変換素子および集束点を考慮して、デジタル信号を受信集束させて受信集束信号を形成する。
【0092】
本実施例において、ビームフォーマ1330は、超音波プローブ1310から第1受信信号が提供されれば、第1受信信号をアナログデジタル変換して第1デジタル信号を形成する。ビームフォーマ1330は、変換素子および集束点を考慮して、第1デジタル信号を受信集束させて第1受信集束信号を形成する。また、ビームフォーマ1330は、超音波プローブ1310から第2受信信号が提供されれば、第2受信信号をアナログデジタル変換して第2デジタル信号を形成する。ビームフォーマ1330は、変換素子および集束点を考慮して、第2デジタル信号を受信集束させて第2受信集束信号を形成する。
【0093】
また、ビームフォーマ1330は、超音波プローブ1310から第3受信信号が提供されれば、第3受信信号をアナログデジタル変換して第3デジタル信号を形成する。ビームフォーマ1330は、変換素子および集束点を考慮して、第3デジタル信号を受信集束させて第3受信集束信号を形成する。また、ビームフォーマ1330は、超音波プローブ1310から第4受信信号が提供されれば、第4受信信号をアナログデジタル変換して第4デジタル信号を形成する。ビームフォーマ1330は、変換素子および集束点を考慮して、第4デジタル信号を受信集束させて第4受信集束信号を形成する。
【0094】
また、ビームフォーマ1330は、超音波プローブ1310から第5受信信号が提供されれば、第5受信信号をアナログデジタル変換して第5デジタル信号を形成する。ビームフォーマ1330は、変換素子および集束点を考慮して、第5デジタル信号を受信集束させて第5受信集束信号を形成する。
【0095】
超音波データ形成部1340は、ビームフォーマ1330から提供される受信集束信号を用いて超音波映像に対応する超音波データを形成する。超音波データは、RFデータを含む。しかし、超音波データは、必ずしもこれに限定されない。また、超音波データ形成部1340は、超音波データを形成するのに必要な多様な信号処理(例えば、利得(gain)調節等)を受信集束信号に行うこともできる。
【0096】
本実施例において、超音波データ形成部1340は、ビームフォーマ1330から第1受信集束信号が提供されれば、第1受信集束信号を用いて第1超音波映像SFに対応する第1超音波データを形成する。また、超音波データ形成部1340は、ビームフォーマ1330から第2受信集束信号が提供されれば、第2受信集束信号を用いて第2超音波映像SFに対応する第2超音波データを形成する。また、超音波データ形成部1340は、ビームフォーマ1330から第3受信集束信号が提供されれば、第3受信集束信号を用いて第3超音波映像SFに対応する第3超音波データを形成する。
【0097】
また、超音波データ形成部1340は、ビームフォーマ1330から第4受信集束信号が提供されれば、第4受信集束信号を用いて第4超音波映像SFに対応する第4超音波データを形成する。また、超音波データ形成部1340は、ビームフォーマ1330から第5受信集束信号が提供されれば、第5受信集束信号を用いて第5超音波映像SFに対応する第5超音波データを形成する。
【0098】
再び図12を参照すると、プロセッサ1220は、超音波データ取得部1210に連結される。プロセッサ120は、CPU、マイクロプロセッサ、GPUなどを含む。
【0099】
図14は、本発明の第3実施例によって、超音波空間合成映像を形成する順序を示すフローチャートである。図14を参照すると、プロセッサ1220は、図4に示すように、複数の変換素子211の位置を考慮して、複数のスキャンラインS〜Sに対応する仮想共通点VPを設定する(S1402)。
【0100】
プロセッサ1220は、仮想共通点VPを基準に複数の超音波映像のそれぞれを得るための中心線を映像表示領域に設定する(S1404)。複数の超音波映像のそれぞれは、映像表示領域の一部分を含む。
【0101】
本実施例において、プロセッサ1220は、図15に示すように、仮想共通点VPを基準に映像表示領域IDAの一部分を含む第1超音波映像SFを得るための第1中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。また、プロセッサ1220は、図15に示すように、仮想共通点VPを基準に映像表示領域IDAの一部分を含む第2超音波映像SFを得るための第2中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。また、プロセッサ1220は、図15に示すように、仮想共通点VPを基準に映像表示領域IDAの一部分を含む第3超音波映像SFを得るための第3中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。
【0102】
また、プロセッサ1220は、図15に示すように、仮想共通点VPを基準に映像表示領域IDAの一部分を含む第4超音波映像SFを得るための第4中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。また、プロセッサ1220は、図15に示すように、仮想共通点VPを基準に映像表示領域IDAの一部分を含む第5超音波映像SFを得るための第5中心線CLを映像表示領域IDAに設定する。
【0103】
隣接する中心線間の角度、即ち、第1中心線CLと第2中心線CLとの間の角度、第2中心線CLと第3中心線CLとの間の角度、第1中心線CLと第4中心線CLとの間の角度、および第4中心線CLと第5中心線CLとの間の角度は同一または異なる。
【0104】
前述した実施例では、中心線の数が5つ(即ち、合成しようとする超音波映像の数が5つ)である場合を説明したが、中心線の数は、必ずしもこれに限定されず、合成しようとする超音波映像の数によって変更することができる。
【0105】
プロセッサ1220は、複数の中心線それぞれに対して仮想共通点VPを移動させる仮想共通点移動位置を設定する(S1406)。プロセッサ1220は、仮想共通点VPを仮想共通点移動位置に移動させて、複数の超音波映像のそれぞれに対応するサブ仮想共通点を設定する(S1408)。
【0106】
本実施例において、プロセッサ1220は、第1中心線CLに対し、仮想共通点VPを移動させる仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ1220は、図15に示すように、仮想共通点VPを第1中心線CLの仮想共通点移動位置に移動させて、第1超音波映像SFに対応する第1サブ仮想共通点SVPを設定する。また、プロセッサ1220は、第2中心線CLに対し、仮想共通点VPを移動させる仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ1220は、図15に示すように、仮想共通点VPを第2中心線CLの仮想共通点移動位置に移動させて、第2超音波映像SFに対応する第2サブ仮想共通点SVPを設定する。
【0107】
また、プロセッサ1220は、第3中心線CLに対し、仮想共通点VPを移動させる仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ1220は、図15に示すように、仮想共通点VPを第3中心線CLの仮想共通点移動位置に移動させて、第3超音波映像SFに対応する第3サブ仮想共通点SVPを設定する。また、プロセッサ1220は、第4中心線CLに対し、仮想共通点VPを移動させる仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ1220は、図15に示すように、仮想共通点VPを第4中心線CLの仮想共通点移動位置に移動させて、第4超音波映像SFに対応する第4サブ仮想共通点SVPを設定する。
【0108】
また、プロセッサ1220は、第5中心線CLに対し、仮想共通点VPを移動させる仮想共通点移動位置を設定する。プロセッサ1220は、図15に示すように、仮想共通点VPを第5中心線CLの仮想共通点移動位置に移動させて、第5超音波映像SFに対応する第5サブ仮想共通点SVPを設定する。
【0109】
プロセッサ1220は、中心線、仮想共通点およびサブ仮想共通点に基づいて、複数の超音波映像のそれぞれに対応する複数のスキャンラインを設定する(S1410)。従って、超音波データ取得部1210は、複数の超音波映像のそれぞれに対して設定された複数のスキャンラインのそれぞれに沿って超音波信号を対象体に送信し、対象体から反射される超音波エコー信号を受信して超音波データを取得する。
【0110】
複数のスキャンラインは、第1実施例と同一の方法で設定することができるので、本実施例では詳細に説明しない。
【0111】
プロセッサ1220は、超音波データ取得部1210から提供される超音波データを用いて複数の超音波映像を形成する(S1412)。本実施例において、プロセッサ1220は、超音波データ取得部1210から第1超音波データが提供されれば、第1超音波データを用いて図15に示すように第1超音波映像SFを形成する。また、プロセッサ1220は、超音波データ取得部1210から第2超音波データが提供されれば、第2超音波データを用いて図15に示すように第2超音波映像SFを形成する。
【0112】
また、プロセッサ1220は、超音波データ取得部1210から第3超音波データが提供されれば、第3超音波データを用いて図15に示すように第3超音波映像SFを形成する。また、プロセッサ1220は、超音波データ取得部1210から第4超音波データが提供されれば、第4超音波データを用いて図15に示すように第4超音波映像SFを形成する。また、プロセッサ1220は、超音波データ取得部1210から第5超音波データが提供されれば、第5超音波データを用いて図15に示すように第5超音波映像SFを形成する。
【0113】
プロセッサ1220は、複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を形成する(S1414)。
【0114】
再び図12を参照すれば、格納部1230は、超音波データ取得部1210で取得された超音波データを格納する。また、格納部1230は、プロセッサ1220で形成された超音波空間合成映像を格納する。
【0115】
ディスプレイ部1240は、プロセッサ1220で形成された超音波空間合成映像を表示する。また、ディスプレイ部1240は、プロセッサ1220で形成された超音波映像を表示する。
【0116】
前述した実施例では、複数の超音波映像に対応する複数の中心線を設定し、その複数の中心線に基づいて複数の超音波映像のそれぞれに対応する複数のスキャンラインを設定する場合を説明したが、他の実施例では、第2実施例のように複数の超音波映像に対応する複数の中心線を設定し、その複数の中心線に基づいて複数の超音波映像のそれぞれに対応する複数のスキャンラインを設定し、複数の超音波映像が映像表示領域内に含まれるように複数の中心線を回転させることもできる。
【0117】
以上、本発明の超音波空間合成映像を提供する超音波システムおよび方法を説明したが、当該方法は、コンピュータで読出し可能な記録媒体に記録させることができる。この記録媒体は、コンピュータシステムによって読み出されるデータが保存される全ての種類の記録装置を含む。このコンピュータで読み出し可能な記録媒体の例としては、ROM、RAM、CDROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ格納装置などの他、キャリアウェーブ(例えば、インターネットを通じた伝送)の形態で具現されるものも含む。また、コンピュータで読み出し可能な記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、読み出しをコードにより行うようにすることも可能である。上述した実施例を具現するための機能的なプログラム、コードおよびコードセグメント方法は、本発明が属する技術分野の各プログラマにとっては容易に推定されることである。
【0118】
本発明は、望ましい実施例によって説明および例示をしたが、当業者であれば添付した特許請求の範囲の事項および範疇を逸脱することなく、様々な変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0119】
100、700、1200 超音波システム
110、710、1210 超音波データ取得部
120,720、1220 プロセッサ
130、730、1230 格納部
140、740,1240 ディスプレイ部
210、810、1310 超音波プローブ
220、820、1320 送信信号形成部
230、830、1330 ビームフォーマ
240、840、1340 超音波データ形成部
211 変換素子
〜S スキャンライン
VP 仮想共通点
IDA 映像表示領域
CL〜CL、CL’、CL’ 第1中心線〜第5中心線
SVP〜SVP第1サブ仮想共通点〜第5サブ仮想共通点
θ、θ 回転角度
SF〜SF 第1超音波映像〜第5超音波映像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の変換素子を含む超音波プローブを含み、複数のスキャンラインに沿って超音波信号を対象体に送信し、前記対象体から反射される超音波エコー信号を受信して、複数の超音波映像のそれぞれに対応する超音波データを取得する超音波データ取得部と、
前記超音波データ取得部に連結され、前記複数のスキャンラインを延長させて交わる仮想共通点を設定し、該仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像に対応する複数の中心線を設定し、前記仮想共通点を前記複数の中心線上へ移動させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定し、前記超音波データを用いて前記複数の超音波映像を形成し、前記複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を形成するプロセッサと
を備え、
前記超音波データ取得部は、前記設定された複数のスキャンラインに基づいて前記超音波データを取得することを特徴とする超音波システム。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記複数の中心線のそれぞれに対して前記仮想共通点を移動させるための仮想共通点移動位置を設定し、
前記複数の中心線のそれぞれに対して前記仮想共通点を前記仮想共通点移動位置に移動させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応するサブ仮想共通点を設定し、
前記サブ仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定することを特徴とする請求項1に記載の超音波システム。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記複数の超音波映像から基準超音波映像を設定し、
前記複数の変換素子において、前記基準超音波映像に対応する中心線に隣接する中心線が通過する変換素子を検出し、
前記検出された変換素子の中央点を検出し、
前記基準超音波映像に対応する前記サブ仮想共通点と、前記検出された変換素子の中央点とを通過するスキャンラインを設定し、
前記設定されたスキャンラインを基準に前記基準超音波映像に対応する前記複数のスキャンラインを設定し、
前記仮想共通点を基準に前記基準超音波映像に対応する前記中心線を前記複数の中心線のそれぞれに回転させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定することを特徴とする請求項2に記載の超音波システム。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記複数の超音波映像の中から基準超音波映像を設定し、
前記複数の変換素子のそれぞれの中央点を検出し、
前記基準超音波映像に対応する前記サブ仮想共通点と、前記複数の変換素子のそれぞれの中央点とを通過するスキャンラインを設定し、
前記設定されたスキャンラインの各前記複数のスキャンラインに対するステアリング角度を算出し、
前記設定されたスキャンラインから予め設定された範囲内に存在し、最大の前記ステアリング角度を有する前記スキャンラインを検出し、
前記検出されたスキャンラインを基準に前記基準超音波映像に対応する前記複数のスキャンラインを設定し、
前記仮想共通点を基準に前記基準超音波映像に対応する中心線を前記複数の中心線のそれぞれに回転させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定することを特徴とする請求項2に記載の超音波システム。
【請求項5】
前記検出されたスキャンラインは、前記基準超音波映像の最初のスキャンラインまたは最後のスキャンラインであることを特徴とする請求項3または4に記載の超音波システム。
【請求項6】
前記複数の中心線は、第1中心線と、該第1中心線以外の残りの中心線を含み、
前記プロセッサは、
前記複数の中心線において前記第1中心線に対して前記仮想共通点をサブ仮想共通点に設定し、
前記残りの中心線に対して前記仮想共通点を移動させるための仮想共通点移動位置を設定し、
前記残りの中心線に対して前記仮想共通点を前記仮想共通点移動位置に移動させて前記残りの中心線に対応する前記複数の超音波映像のそれぞれのサブ仮想共通点を設定し、
前記サブ仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定することを特徴とする請求項1に記載の超音波システム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記第1中心線に対する前記サブ仮想共通点を基準に前記残りの中心線に対応する前記複数の超音波映像を回転させるための回転角度を設定し、
前記サブ仮想共通点を基準に前記回転角度に応じて前記残りの中心線に対応する前記複数の超音波映像を回転させ、
前記回転角度に基づいて前記回転した超音波映像に対応する複数のスキャンラインを再設定することを特徴とする請求項6に記載の超音波システム。
【請求項8】
前記超音波プローブは、コンベックスプローブ(convex probe)またはワイドビューアングルプローブ(wide view angle probe)を含むことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の超音波システム。
【請求項9】
複数の変換素子を含むプローブを用いて、対象体に対する複数の超音波映像の超音波空間合成映像を提供する方法であって、
a)複数のスキャンラインを延長させて交わる仮想共通点を設定し、該仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像に対応する複数の中心線を設定する段階と、
b)前記仮想共通点を前記複数の中心線上へ移動させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定する段階と、
c)前記設定された複数のスキャンラインに基づいて超音波データを取得する段階と、
d)前記超音波データを用いて前記複数の超音波映像を形成する段階と、
e)前記複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を形成する段階と
を備えることを特徴とする超音波空間合成映像提供方法。
【請求項10】
前記段階b)は、
b1)前記複数の中心線のそれぞれに対して前記仮想共通点を移動させるための仮想共通点移動位置を設定する段階と、
b2)前記複数の中心線のそれぞれに対して前記仮想共通点を前記仮想共通点移動位置に移動させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応するサブ仮想共通点を設定する段階と、
b3)前記サブ仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定する段階と
を備えることを特徴とする請求項9に記載の超音波空間合成映像提供方法。
【請求項11】
前記段階b3)は、
前記複数の超音波映像から基準超音波映像を設定する段階と、
前記複数の変換素子において、前記基準超音波映像に対応する中心線に隣接する中心線が通過する変換素子を検出する段階と、
前記検出された変換素子の中央点を検出する段階と、
前記基準超音波映像に対応する前記サブ仮想共通点と、前記検出された変換素子の中央点とを通過するスキャンラインを設定する段階と、
前記設定されたスキャンラインを基準に前記基準超音波映像に対応する前記複数のスキャンラインを設定する段階と、
前記仮想共通点を基準に前記基準超音波映像に対応する前記中心線を前記複数の中心線のそれぞれに回転させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定する段階と
を備えることを特徴とする請求項10に記載の超音波空間合成映像提供方法。
【請求項12】
前記段階b3)は、
前記複数の超音波映像から基準超音波映像を設定する段階と、
前記複数の変換素子のそれぞれの中央点を検出する段階と、
前記基準超音波映像に対応する前記サブ仮想共通点と、前記複数の変換素子のそれぞれの中央点とを通過するスキャンラインを設定する段階と、
前記設定されたスキャンラインの各前記複数のスキャンラインに対するステアリング角度を算出する段階と、
前記設定されたスキャンラインから予め設定された範囲内に存在し、最大の前記ステアリング角度を有する前記スキャンラインを検出する段階と、
前記検出されたスキャンラインを基準に前記基準超音波映像に対応する前記複数のスキャンラインを設定する段階と、
前記仮想共通点を基準に前記基準超音波映像に対応する中心線を前記複数の中心線のそれぞれに回転させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定するする段階と
を備えることを特徴とする請求項10に記載の超音波空間合成映像提供方法。
【請求項13】
前記検出されたスキャンラインは、前記基準超音波映像の最初のスキャンラインまたは最後のスキャンラインであることを特徴とする請求項11または12に記載の超音波空間合成映像提供方法。
【請求項14】
前記段階b)は、
前記複数の中心線における第1中心線に対して前記仮想共通点をサブ仮想共通点に設定する段階と、
前記第1中心線以外の残りの中心線に対して前記仮想共通点を移動させるための仮想共通点移動位置を設定する段階と、
前記残りの中心線に対して前記仮想共通点を前記仮想共通点移動位置に移動させて前記残りの中心線に対応する前記複数の超音波映像のそれぞれのサブ仮想共通点を設定する段階と、
前記サブ仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定する段階と
を備えることを特徴とする請求項9に記載の超音波空間合成映像提供方法。
【請求項15】
前記段階b)は、
前記第1中心線に対する前記サブ仮想共通点を基準に前記残りの中心線に対応する前記複数の超音波映像を回転させるための回転角度を設定する段階と、
前記サブ仮想共通点を基準に前記回転角度に応じて前記残りの中心線に対応する前記複数の超音波映像を回転させる段階と、
前記回転角度に基づいて前記回転した超音波映像に対応する複数のスキャンラインを再設定する段階と
をさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の超音波空間合成映像提供方法。
【請求項16】
対象体に対する複数の超音波映像の超音波空間合成映像を提供する方法を行うためのプログラムを格納するコンピュータ読取可能な記録媒体であって、前記方法は、
a)複数のスキャンラインを延長させて交わる仮想共通点を設定し、該仮想共通点を基準に前記複数の超音波映像に対応する複数の中心線を設定する段階と、
b)前記仮想共通点を前記複数の中心線上へ移動させて前記複数の超音波映像のそれぞれに対応する前記複数のスキャンラインを設定する段階と、
c)前記設定された複数のスキャンラインに基づいて超音波データを取得する段階と、
d)前記超音波データを用いて前記複数の超音波映像を形成する段階と、
e)前記複数の超音波映像を空間合成して超音波空間合成映像を形成する段階と
を備えることを特徴とするコンピュータ読み出し可能記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−86007(P2012−86007A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193119(P2011−193119)
【出願日】平成23年9月5日(2011.9.5)
【出願人】(597096909)三星メディソン株式会社 (269)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG MEDISON CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】114 Yangdukwon−ri,Nam−myun,Hongchun−gun,Kangwon−do 250−870,Republic of Korea
【Fターム(参考)】