説明

超音波洗浄槽に用いる振動子の被覆体及び超音波洗浄槽。

【課題】 被洗浄物の超音波洗浄によって発生した洗浄屑を、収納部に収納し洗浄液中に再浮上させないものとすることにより、洗浄液中の洗浄屑を効率よく回収除去することを可能とするものである。
【解決手段】超音波洗浄槽10に設置した超音波振動子14の表面を、超音波振動子14と一定の間隔を介して被覆すると共に超音波振動を透過し得る被覆板17により被覆部18を設ける。この被覆部18の外側に被覆部18よりも下方に凹ませて洗浄屑23の収納部22を設け、この収納部22には超音波振動を伝達しないか被覆部18に比較し伝達しにくいものとしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波洗浄槽に用いる振動子の被覆体及び超音波洗浄槽に係るもので、洗浄液中に浸漬した機械部品、電子部品等の種々の被洗浄物に、超音波振動を加えることにより被洗浄物に付着した洗浄屑を除去しようとするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被洗浄物に付着した洗浄屑を、洗浄液中で超音波振動を用いて除去する被洗浄物の洗浄方法は広く知られている。例えば特許文献1に示す如く、下底を平坦とした洗浄槽に臨ませて超音波振動子を配置し、洗浄槽内の被洗浄物に超音波振動を与えて被洗浄物に付着した洗浄屑を剥離する方法が知られている。また、特許文献2に示す発明も、特許文献1に示す発明と同様に、表面を平坦とした洗浄槽の下底に超音波振動子を配置し、洗浄槽内の被洗浄物に超音波振動を与えて被洗浄物に付着した洗浄屑を剥離するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−82058号公報
【特許文献2】特開2001−310164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1、2に記載の発明に於いては、超音波洗浄を行えば超音波振動により被洗浄物に付着した洗浄屑は効果的に剥離される。そして、剥離した洗浄屑は洗浄槽の下底に落下する。しかしながら、この落下した洗浄屑は超音波振動子の出力によって洗浄液中に再浮上するものとなる。この従来例を、説明の容易なように図式化した図8に於いて説明すれば、図8Aに示す如く、超音波洗浄槽(1)内に被洗浄物(2)を挿入して超音波振動子(3)から超音波振動を発信して超音波洗浄を行うと、被洗浄物(2)から洗浄屑(4)が剥離し洗浄液(5)中を浮遊対流する。超音波洗浄の完了により超音波振動子(3)を停止すれば、図8Bに示す如く、洗浄屑は落下し超音波洗浄槽(1)の下底面(6)に堆積する。
【0005】
次に、次の被洗浄物(2)を洗浄液(5)中に浸漬し超音波振動子(3)を作動させると、図8Cに示す如く、前回の洗浄によって被洗浄物(2)から剥離し超音波洗浄槽(1)の下底面(6)に落下堆積している洗浄屑(4)が、超音波振動子(3)の出力により再浮上するものとなる。この再浮上した洗浄屑(4)は、被洗浄物(2)に再度付着するものとなり被洗浄物(2)の清浄化を妨げるものとなる。同一の洗浄液(5)で被洗浄物(2)の超音波洗浄を繰り返すほど、多量の洗浄屑(4)が洗浄液(5)中を浮遊対流するものとなり、被洗浄物(2)の清浄化を妨げるものとなる。また、このように洗浄液(5)の汚染速度が速くなるため、これに伴って洗浄液(5)の交換頻度も多くしなければならず、洗浄のランニングコストを高いものとしていた。
【0006】
そこで、本願発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、超音波洗浄によって被洗浄物から剥離して超音波洗浄槽の下底に落下又は堆積した洗浄屑を、超音波振動子の作動によっても再浮上させないか、再浮上を少ないものとし、汚染度の少ない洗浄液で繰り返し被洗浄物の超音波洗浄を可能にする。その結果洗浄液の交換頻度を低くし洗浄のランニングコストを廉価とすることができる。また、このような技術効果を簡易な構成で廉価に得ることができるようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1発明は上述の如き課題を解決するための、超音波洗浄槽に用いる振動子の被覆体に係るものである。そして、超音波洗浄槽に設置した超音波振動子の表面を、振動子と一定の間隔を介して被覆すると共に超音波振動を透過し得る被覆板により被覆部を設ける。この被覆部の外側に被覆部よりも下方に凹ませて洗浄屑の収納部を設ける。この収納部には超音波振動を伝達しないか被覆部に比較し伝達しにくいものとして成るものである。
【0008】
このように構成した被覆体で既存の超音波洗浄槽の超音波振動子部分を被覆することにより超音波洗浄を行うと、超音波振動によって洗浄液は超音波洗浄槽中で対流を生じると共に被洗浄物から洗浄屑を剥離する。この剥離された洗浄屑は、洗浄液中を浮遊対流する。この浮遊対流に伴い収納部に落下した洗浄屑は、収納部が超音波振動を伝達しないか被覆部に比較し伝達しにくいものとしているとともに収納部が凹部となっているため、洗浄液の対流の影響を受け難いものとなるから、洗浄屑は再浮上することが無いか少ないものとなる。また、被覆部に落下した洗浄屑は超音波振動によって再浮上するが、一定の割合で収納部に落下堆積し再浮上することがない。この被覆部に落下した洗浄屑の再浮上を複数回繰り返すことにより、洗浄液中の洗浄屑は著しく少ないものとなる。
【0009】
また、本願第2発明は、超音波洗浄槽に係るものであって、この超音波洗浄槽の下底に設けた超音波振動子の表面を振動子と一定の間隔を介して超音波振動を透過し得る被覆板により設けた被覆部により被覆する。この被覆部の外側に被覆部よりも下方に凹ませて、洗浄屑の収納部を設ける。この収納部には超音波振動を伝達しないか被覆部に比較し伝達しにくいものとしている。
【0010】
このように構成した超音波洗浄槽で超音波洗浄を行うと、超音波振動によって洗浄液は超音波洗浄槽中で対流を生じると共に被洗浄物から洗浄屑を剥離する。この剥離された洗浄屑は、洗浄液中を浮遊対流する。この浮遊対流に伴い収納部に落下した洗浄屑は、収納部が超音波振動を伝達しないか被覆部に比較し伝達しにくいものとしているとともに収納部が凹部となっているため、洗浄液の対流の影響を受け難いものとなるから、洗浄屑は再浮上することが無いか少ないものとなる。また、被覆部に落下した洗浄屑は超音波振動によって再浮上するが、一定の割合で収納部に落下堆積し再浮上することがない。この被覆部に落下した洗浄屑の再浮上を複数回繰り返すことにより、洗浄液中の洗浄屑は著しく少ないものとなる。
【0011】
また、収納部は、被覆部の外側の被覆板を下方に折曲して被覆部よりも下方に凹ませて形成したものであっても良い。この構成によれば簡易に収納部を形成することが可能となる。
【0012】
また、収納部は、被覆板を断面コ字型に成形して設けた被覆部の外側であって、洗浄槽の下底を用いるものであっても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述の如く構成したものであり、洗浄屑の再浮上を繰り返す、既存の超音波洗浄槽の超音波振動子部分を、被覆板の被覆部で被覆して使用することも可能であるし、新たに製造する超音波洗浄槽の超音波振動子部分を被覆板の被覆部で被覆したものであっても良い。このように、超音波洗浄槽の超音波振動子部分を被覆板の被覆部で被覆した状態で超音波洗浄を行うと、被覆部を透過した超音波振動によって被洗浄物から洗浄屑が剥離し、洗浄液中を浮遊対流する。
【0014】
この浮遊対流する洗浄屑の内で、収納部に落下した洗浄屑は、収納部が超音波振動を伝達しないか被覆部に比較し伝達しにくいものとするとともに凹部と成っているから、浮遊対流の影響を受けにくく、再浮上することが無いか少ないものとなり、収納部に堆積する。また、収納部に落下せずに被覆部に落下した洗浄屑は、超音波振動によって再浮上するが、一定の割合で収納部に落下堆積し再浮上することがない。この被覆部に落下した洗浄屑の再浮上を複数回繰り返すことにより、洗浄屑は収納部に順次収納され、洗浄液中の洗浄屑は著しく少ないものとなる。そのため、同一の洗浄液で繰り返し被洗浄物の超音波洗浄を行っても、洗浄液中に浮遊する洗浄屑は極めて少ないものとなり、被洗浄物への洗浄屑の再付着を防止することができ、被洗浄物の洗浄精度を向上することができる。また、洗浄屑を除去する場合も、洗浄屑は収納部に集中的に存在するから容易に除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1を示す概念図。
【図2】実施例1に於ける収納部の拡大図。
【図3】実施例2を示す概念図。
【図4】実施例3を示す概念図。
【図5】実施例4を示す概念図。
【図6】実施例5を示す概念図。
【図7】実施例5のA−A断面図。
【図8】従来例を示す概念図。
【実施例1】
【0016】
本発明の実施例1を図1、2に於いて詳細に説明すると、(10)は超音波洗浄槽で、内部に洗浄液(11)を充填すると共に、上端にパッキン(12)を介して蓋体(13)配置し、内部を密閉可能としている。また、下端には超音波振動子(14)を配置している。この超音波振動子(14)は、超音波洗浄槽(10)の下底面(16)の全面に配置したものであっても良いし、下底面(16)の一部には超音波振動子(14)を配置しない非配置部(15)としても良いが、本実施例では下底面(16)の外周に非配置部(15)を形成している。
【0017】
また、超音波振動子(14)の表面を、超音波振動子(14)と一定の間隔を介して超音波振動を透過し得る被覆板(17)により被覆し、被覆部(18)とする。この被覆板(17)は、ステンレス、鉄、チタン等の素材を、超音波振動を透過し得る厚み0.5mm〜2mmの板状に形成し、被覆部(18)の両側を、超音波洗浄槽(10)の内壁面(20)との間に間隔を設けるように下方に90度折曲して高さ50mmから100mmの側壁(21)を設け、この側壁(21)と超音波洗浄槽(10)の内壁面(20)との間隔を、被覆部(18)の平面に対して下方に凹ませた収納部(22)としている。この収納部(22)に洗浄屑(23)を収納するものである。また、側壁(21)を更に超音波洗浄槽(10)の下底面(16)と平行に折曲して下底面(16)への載置部(25)とし、この載置部(25)の上面を収納部(22)としている。また、超音波振動子(14)は本実施例に於いては被覆部(18)の下面にのみ形成し、載置部(25)の下面には形成せず、載置部(25)及び収納部(22)には超音波振動を伝達しないか被覆部(18)に比較し伝達しにくいものとしている。また、被覆部(18)には内部に洗浄液(11)が侵入容易となるよう液導入口(26)を開口している。また、超音波振動子(14)を載置部(25)の下面、即ち収納部(22)下部に配置した場合は、載置部(25)の形成厚みを4mm以上とする等の、超音波遮断処置を行う必要がある。
【0018】
上述の如く構成したものに於いて、被洗浄物(27)の超音波洗浄を行うには、超音波洗浄槽(10)中に洗浄液(11)を充填し、この洗浄液(11)中に被洗浄物(27)を投入し超音波振動子(14)を作動する。この超音波振動子(14)の作動により、この超音波振動子(14)から発信した振動は被覆部(18)を貫通し、洗浄液(11)を介して被洗浄物(27)に超音波振動を加える。この超音波振動によって、被洗浄物(27)に付着している汚物は、洗浄屑(23)となって被洗浄物(27)から剥離し洗浄液(11)中を浮遊対流する。この洗浄液(11)中を浮遊対流した洗浄屑(23)のうち、収納部(22)に落下堆積した洗浄屑(23)は、収納部(22)が、超音波振動を伝達しないか被覆部(18)に比較し伝達しにくいものとすると共に収納部(22)は凹部となっているから、洗浄液(11)の対流の影響を受けにくいものとなり、洗浄屑(23)は再浮上することが無いか少ないものとなる。
【0019】
また、洗浄液(11)中を浮遊対流する洗浄屑(23)のうち、被覆部(18)に落下したり浮遊対流する洗浄屑(23)は超音波振動によって再浮上するが、一定の割合で収納部(22)に移動して落下堆積し再浮上することがないか再浮上することが少ないものとなる。このように、被覆部(18)に落下した洗浄屑(23)の再浮上を複数回繰り返すことにより、洗浄屑(23)は収納部(22)に順次収納堆積され再浮上することがないか、少ないものとなるから、洗浄液(11)中の洗浄屑(23)は著しく少ないものとなる。そのため、同一の洗浄液(11)で繰り返し被洗浄物(27)の超音波洗浄を行っても、洗浄液(11)中に浮遊する洗浄屑(23)は極めて少ないものとなり、被洗浄物(27)への洗浄屑(23)の再付着を防止することができ、被洗浄物(27)の洗浄精度を向上することができる。また、洗浄屑(23)を除去する場合も、洗浄屑(23)は収納部(22)に集中的に存在するから容易に除去することが可能となる。
【実施例2】
【0020】
上記実施例に於いては、側壁(21)を下底面(16)と平行に折曲して載置部(25)とすることにより、超音波洗浄槽(10)の下底面(16)に対する被覆部(18)の安定性を良好なものとしている。しかし、実施例2に於いては側壁(21)に連続する載置部(25)を設けることなく、被覆部(18)と側壁(21)を断面コ字型に形成している。このように形成することにより被覆部(18)を構成する被覆板(17)の使用量を減少し廉価な被覆板(17)を得ることが可能となる。また、実施例1の載置部(25)に対応する部分が無くなり、超音波洗浄槽(10)の下底面(16)に対して寸法的に余裕ができ、寸法の異なる種々の超音波洗浄槽(10)に広く設置する事が可能となる。
【実施例3】
【0021】
また、上記実施例1、2に於いては、超音波洗浄槽(10)の下底面(16)と平行に設けた被覆部(18)と側壁(21)とを断面コ字型に形成しているが、実施例3に於いては図4に示す如く、超音波洗浄槽(10)の下底面(16)と平行に設けた被覆部(18)と側壁(21)とを断面L字型に形成し、側壁(21)と超音波洗浄槽(10)の内面との間隔に洗浄屑(23)の収納部(22)を形成している。そして、側壁(21)を形成しない被覆部(18)の一端は、超音波洗浄槽(10)の側壁(21)内面に適宜の方法で係合固定する。このように形成することにより、被覆部(18)と側壁(21)の形状を簡略化し廉価な成形を可能とする。
【実施例4】
【0022】
また、上記実施例1、2、3に於いては被覆部(18)を、超音波洗浄槽(10)の下底面(16)に対し平行に形成しているが実施例4では、図5に示す如く、超音波洗浄槽(10)の下底面(16)に対し被覆部(18)の一端を下方に傾斜して形成している。このように形成することにより、被覆部(18)に落下したり対流する洗浄屑(23)は超音波振動による被覆板(17)の振動によって、下方向に設けた収納部(22)方向に誘導されて収納され
る。従って、超音波振動によって浮上した洗浄屑(23)が通常の落下によって収納部
(22)に収納されるのに加えて、被覆板(17)に落下したり対流する洗浄屑(23)も収納部(22)方向に誘導されるものなり、収納部(22)への洗浄屑(23)の収納効率を高めることが可能となる。
【実施例5】
【0023】
実施例5では図6、図7に示す如き超音波洗浄槽(10)と被覆部(18)、側壁(21)により、洗浄屑(23)の収納部(22)への収納堆積実験を行った。まず、超音波洗浄槽(10)の下底面(16)寸法を285mm×400mmで1140cmとした。そして、この下底面(16)に厚さ1mmのステンレス板の4辺を50mm幅で下方に直角に折曲して被覆部(18)の外周に50mm高さの側壁(21)を形成した。そして、この側壁(21)の折曲形成状態で、被覆部(18)は、280mm×335mmで、表面積は938cmである。そして、被覆部(18)を超音波洗浄槽(10)の下底面(16)にセットしたときに、被覆部(18)の左右両側の側壁(21)と超音波洗浄槽(10)の内面との間に、略均等な間隔を設けて洗浄屑(23)の収納部(22)を形成するとともに、被覆部(18)の前後の側縁は、超音波洗浄槽(10)の内面に密着する寸法に形成する。
【0024】
また、超音波洗浄槽(10)の下底面(16)への超音波振動子(14)の配置は、上記被覆部(18)の下面に対応する位置にのみ配置し、収納部(22)には配置していない。また、収納部(22)には板厚10mmのステンレス製の板材(28)を全面に配置した。超音波振動は、4〜6mm厚み以上のステンレス材は透過し得ない事から、前記の板材(28)を収納部(22)に配置することにより、被覆部(18)下面の超音波振動子(14)からの超音波振動が収納部(22)側に漏れた場合にも、収納部(22)に堆積した洗浄屑(23)に再浮上の影響を与えないようにしたものである。
【0025】
そして、上記の超音波洗浄槽(10)内に、洗浄液(11)として炭化水素系溶剤を18リットル投入する。更にこの洗浄液(11)中に洗浄屑(23)として、直径約1mmのアルミニュウムの切削切り粉を、質量19.7gを被覆部(18)の表面に投入した。次に超音波振動子(14)を作動させると、被覆部(18)の表面から洗浄屑(23)は浮遊対流を開始し、収納部(22)側に浮遊対流した洗浄屑(23)は収納部(22)に落下堆積して再浮上することがない。超音波振動子(14)を作動し続けることにより、収納部(22)側に浮遊対流した洗浄屑(23)は収納部(22)に落下堆積して再浮上することがないから、洗浄液
(11)中の洗浄屑(23)は急速に減少した。超音波振動子(14)を60分間作動して停止した。次に超音波洗浄槽(10)の下底面(16)から被覆部(18)に影響を与えないよう洗浄液(11)をゆっくり抜き取り、被覆部(18)に堆積している洗浄屑(23)の量を測定した。洗浄屑(23)の質量は0.4601gであった。
【0026】
超音波洗浄槽(10)に投入した19.7gの洗浄屑(23)が1140cmの面積に平均的に落下堆積するとすれば、単位面積(1cm)当たり17.3mgの洗浄屑(23)が堆積するものとなる。これに対し本実施例による実験では、被覆部(18)の表面積が931cmであるから単位面積(1cm)当たりの洗浄屑(23)の堆積量は0.49mgとなる。また、投入した洗浄屑(23)の2.33%が被覆部(18)に残留し、97.66%の洗浄屑が収納部(22)に収納されたものである。
【符号の説明】
【0027】
10 超音波洗浄槽
14 超音波振動子
17 被覆板
18 被覆部
22 収納部
23 洗浄屑

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波洗浄槽に設置した超音波振動子の表面を、振動子と一定の間隔を介して被覆すると共に超音波振動を透過し得る被覆板により被覆部を設け、この被覆部の外側に被覆部よりも下方に凹ませて洗浄屑の収納部を設け、この収納部には超音波振動を伝達しないか被覆部に比較し伝達しにくいものとしたことを特徴とする超音波洗浄槽に用いる振動子の被覆体。
【請求項2】
下底に設けた超音波振動子の表面を振動子と一定の間隔を介して超音波振動を透過し得る被覆板により設けた被覆部により被覆し、この被覆部の外側に被覆部よりも下方に凹ませて、洗浄屑の収納部を設け、この収納部には超音波振動を伝達しないか被覆部に比較し伝達しにくいものとしたことを特徴とする超音波洗浄槽。
【請求項3】
収納部は、被覆部の外側の被覆板を下方に折曲して被覆部よりも下方に凹ませて形成したことを特徴とする請求項1記載の超音波洗浄槽に用いる振動子の被覆体。
【請求項4】
収納部は、被覆部の外側の被覆板を下方に折曲して被覆部よりも下方に凹ませて形成したことを特徴とする請求項2記載の超音波洗浄槽。
【請求項5】
収納部は、被覆板を断面コ字型に成形して設けた被覆部の外側であって、洗浄槽の下底を用いるものである事を請求項1記載の超音波洗浄槽に用いる振動子の被覆体。
【請求項6】
収納部は、被覆板を断面コ字型に成形して設けた被覆部の外側であって、洗浄槽の下底に設けたものである事を特徴とする請求項2記載の超音波洗浄槽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−76055(P2012−76055A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226000(P2010−226000)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(390019884)ジャパン・フィールド株式会社 (28)
【Fターム(参考)】