説明

超音波流量計、温度又は圧力の測定方法および超音波温度・圧力計

【課題】位相差が0になる周波数を用いて精度良く流体の流速を測定することが可能な流量測定方法及び超音波流量計を提供する。
【解決手段】流体の基準となる標準状態の超音波速度を準備し、管体10内に流れる流体中において一方側から超音波を発信させ、この超音波を他方側で受信して、その時の超音波速度Aを測定する。管体内に流れる流体中において他方側から超音波を発信させ、この超音波を一方側で受信して、その時の超音波速度Bを測定する。超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出して上記流体中における超音波の絶対速度を検出し、超音波速度Aと超音波速度Bの差を2で割ることにより、上記流体の流速Vを検出し、上記標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから上記流速Vを補正することにより、流体の正確な流速を検出し、この正確な流速と管体内の断面積とから流体の流量を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を用いて流体の流量、流速を測定する流量測定方法、流速測定方法及び超音波流量計に関し、また、超音波を用いて流体の温度又は圧力を非接触で測定する温度又は圧力の測定方法及び超音波温度計、超音波圧力計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、流体の流量を測定する流量計として、超音波を用いた超音波流量計が提案されている。この超音波流量計は、流体が流れる管体に、長手方向へ間隔をあけて振動子を設け、一方側の振動子から超音波を発信させて他方側の振動子にて受信させ、また、他方側の振動子から超音波を発信させて一方側の振動子にて受信させ、これらの超音波の伝搬時間の差から、管体内の流体の流速を求め、この流速から流量を測定するものである。また、流体の温度又は圧力を測定する温度計又は圧力計として、半導体センサを用いた超音波温度計、超音波圧力計が提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来の超音波流量計では、時間差法、位相差法等による測定法を用いているが、超音波の伝播速度は、伝播物質の相違により変化し、また伝播物質の温度、圧力の状態によっても変化する。これらの変化を誤差として無視できる範囲の測定流量であれば良いが、測定流量がこれらの変化範囲より小さい時には問題となり、精度良く流量を求めることが困難であった。
【0004】
また、上記従来の温度計又は圧力計では、超音波流量計で流体の速度を検出する場所と同一の場所に設置することが困難であり、また非接触により流体の流れを妨げることなく測定することが困難であった。
【0005】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、管内流速(V)が変化することにより超音波受信波の位相が変化するので、この位相が管内流速(V=0)の時と同一となるように、超音波送信波の周波数を例えばPLL回路等を用いて変化させ、その変化した周波数が流速を示すので、その周波数差を計測すれば、精度良く流速が求められる新しい計測方法(周波数可変法)を用いた流量測定方法、流速測定方法及び超音波流量計を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、管内の超音波速度(V)が温度と圧力によって変化することにより超音波受信波の位相が時間遅れにより変化するので、この位相が管内基準温度(標準状態の温度で例えば20℃)と同一となるように、超音波送信波の周波数を例えばPLL回路等を用いて変化させ、その変化した周波数が温度と圧力を示すので、その周波数差を計測すれば、精度良く温度と圧力が求められる新しい計測方法(周波数可変法)を用いた温度又は圧力の測定方法及び超音波温度・圧力計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る流量測定方法は、管体内に流れる流体の流量を測定する方法であって、流体の基準となる標準状態の超音波速度を準備しておき、管体内に流れる流体中において一方側から超音波を発信させ、この超音波を他方側で受信することにより、その時の超音波速度Aを測定し、管体内に流れる流体中において他方側から超音波を発信させ、この超音波を一方側で受信することにより、その時の超音波速度Bを測定し、超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出し、超音波速度Aと超音波速度Bの差を2で割ることにより、上記流体の流速Vを検出し、上記標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから上記流速Vを補正することにより、流体の正確な流速を検出し、この正確な流速と管体内の断面積とから流体の流量を測定することを特徴とする。
【0008】
上記流量測定方法によれば、管体内を流れる流体の温度、圧力により変動する超音波速度A,Bを超音波の送受信を用いて測定することにより、流体の温度、圧力を測定して補正することなく、流速Vを補正することで流体の正確な流速を検出できる。その結果、流体の流量を正確に求めることができる。
【0009】
本発明に係る超音波流量計は、管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、管体の外表面に配置された第1の超音波送受信部と、管体の外表面に配置され、第1の超音波送受信部と所定間隔離れて位置する第2の超音波送受信部と、第2の超音波送受信部と接続された第1の位相差検出器と、第1の位相差検出器と第1の超音波送受信部との間に配置されたPLL方式による第1のループ接続部と、第1の超音波送受信部と接続された第2の位相差検出器と、第2の位相差検出器と第2の超音波送受信部との間に配置されたPLL方式による第2のループ接続部と、流体の流量を測定する測定制御部と、を具備することを特徴とする。
【0010】
上記超音波流量計によれば、測定制御部を具備しており、この測定制御部は次のような測定、制御及び演算を行うものである。管体内を流速Vxで流れる流体において、第1の超音波送受信部から発信した超音波を第2の超音波送受信部で受信し、発信時の超音波と受信時のそれとの位相差を第1の位相差検出器で検出し、位相差がある場合、第1のループ接続によって発信周波数を徐々に変更し、位相差が0となるまで発信周波数の変更を続け、位相差が0となったところで発信周波数を固定する。この発信周波数又は波長から流体中の超音波速度Aを測定する。次に、第2の超音波送受信部から発信した超音波を第1の超音波送受信部で受信し、発信時の超音波と受信時のそれとの位相差を第2の位相差検出器で検出し、位相差がある場合、第2のループ接続によって発信周波数を徐々に変更し、位相差が0となるまで発信周波数の変更を続け、位相差が0となったところで発信周波数を固定する。この発信周波数又は波長から流体中の超音波速度Bを測定する。次に、超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出する。次に、超音波速度Aと超音波速度Bの差を2で割ることにより、上記流体の流速Vを検出する。次に、上記流体の基準となる標準状態の超音波速度を予め準備しておき、この標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから上記流速Vを補正することにより、流体の正確な流速Vxを検出できる。そして、この正確な流速Vxと管体10内の断面積とから流体の流量を測定することができる。従って、流体の温度、圧力を測定してそれによる補正をすることなく、位相差が0となる周波数を用いて精度良く流体の流速を正確に測定することができる。
【0011】
また、本発明に係る超音波流量計においては、第1の超音波送信部及び第1の超音波受信部が第1の超音波送受信部として一体に構成され、第2の超音波送信部及び第2の超音波受信部が第2の超音波送受信部として一体に構成され、第1及び第2の位相差検出器が1つの位相差検出器で兼用され、第1及び第2のループ接続部が1つのループ接続部で兼用されていることも可能である。
【0012】
本発明に係る超音波流量計は、管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、管体に配置された超音波送信部と、この超音波送信部と所定間隔離れて位置する超音波受信部と、上記超音波送信部と上記超音波受信部とに接続されたPLL回路部と、下記発振器の発振周波数を測定し、それを流量に換算する測定制御部と、を具備し、上記PLL回路部は、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記超音波受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする。また、本発明に係る超音波流量計は、上述した超音波流量計を2組備えていることも可能である。
【0013】
本発明に係る超音波流量計は、管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、管体に配置された超音波送信部と、この超音波送信部を中心に所定間隔離れて位置する第1及び第2の超音波受信部と、上記超音波送信部に接続されたPLL回路部と、このPLL回路部に接続された切替器と、下記発振器の発振周波数を測定し、それを流量に換算する測定制御部と、を具備し、上記切替器は、PLL回路部を第1の超音波受信部に接続するか、PLL回路部を第2の超音波受信部に接続するかを交互に切替えるものであり、上記PLL回路部は、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記第1及び第2の超音波受信部それぞれで受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る超音波流量計は、管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、超音波を発振させる超音波発振器と、管体に配置され、超音波発振器により発振させた超音波を管体内に送信する超音波送信部と、この超音波送信部と所定間隔離れて位置する超音波受信部と、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記超音波受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、この発振器の発振周波数を測定し、それを流量に換算する測定制御部と、を具備することを特徴とする。
【0015】
本発明に係る超音波流量計は、管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、管体に配置された第1の超音波送受信部と、第1の超音波送受信部と所定間隔離れて位置する第2の超音波送受信部と、第1及び第2の超音波送信部に接続された切替器と、この切替器に接続されたPLL回路部と、下記発振器の発振周波数を測定し、それを流量に換算する測定制御部と、を具備し、上記切替器は、PLL回路の入力側を第1の超音波送受信部に接続し且つPLL回路の出力側を第2の超音波送受信部に接続するか、PLL回路の入力側を第2の超音波送受信部に接続し且つPLL回路の出力側を第1の超音波送受信部に接続するかを交互に切替えるものであり、上記PLL回路部は、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記超音波受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る超音波流量計は、管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、超音波を発振させる超音波発振器と、管体に配置され、超音波発振器により発振させた超音波を管体内に送受信する第1の超音波送受信部と、第1の超音波送信部と所定間隔離れて位置する第2の超音波送受信部と、第1及び第2の超音波送受信部に接続された切替器と、この切替器に接続され、第1又は第2の超音波送受信部から送信された超音波送信波と第2又は第1の超音波送受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、この発振器の発振周波数を測定し、それを流量に換算する測定制御部と、を具備し、上記切替器は、位相差検出器を第1の超音波送受信部に接続するか、位相差検出器を第2の超音波送受信部に接続するかを交互に切替えるものであることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る流速測定方法は、管体内に流れる流体の流速を測定する方法であって、流体の基準となる標準状態の超音波速度を準備しておき、管体内に流れる流体中において一方側から超音波を発信させ、この超音波を他方側で受信することにより、その時の超音波速度Aを測定し、管体内に流れる流体中において他方側から超音波を発信させ、この超音波を一方側で受信することにより、その時の超音波速度Bを測定し、超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出し、超音波速度Aと超音波速度Bの差を2で割ることにより、上記流体の流速Vを検出し、上記標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから上記流速Vを補正することにより、流体の正確な流速を検出することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る温度又は圧力の測定方法は、管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する方法であって、流体の基準となる標準状態(例えば20℃)の超音波速度を準備しておき、管体内に流れる流体中において一方側から超音波を発信させ、この超音波を他方側で受信することにより、その時の超音波速度Aを測定し、管体内に流れる流体中において他方側から超音波を発信させ、この超音波を一方側で受信することにより、その時の超音波速度Bを測定し、超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出し、超音波速度Aと超音波速度Bの差を2で割ることにより、上記流体の流速Vを検出し、この流速Vと管体内の断面積との積から流体の流量を検出し、上記標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから上記流速Vと上記流量を補正することにより、流体の正確な流速と流量を検出し、これと同時に、標準状態の超音波速度と絶対速度から温度と圧力の関係を検出し、この関係と予め分かっている上記流体の温度又は圧力により該流体の圧力又は温度を測定することを特徴とする。
【0019】
上記温度又は圧力の測定方法によれば、管体内を流れる流体の温度、圧力により変動する超音波速度A,Bを超音波の送受信を用いて測定することにより、流体の温度、圧力を測定して補正することなく、流速Vを補正することで流体の正確な流速を検出できる。これと同時に、標準状態の超音波速度と絶対速度から温度と圧力の関係を検出し、この関係と予め分かっている上記流体の温度又は圧力により該流体の圧力又は温度を流体と非接触で測定することができる。つまり、超音波速度(絶対速度)は流速と流体の温度と流体の圧力の関数であるため、絶対速度と流速を測定することにより、流体の温度が予め分かっていれば、流体の圧力を測定することが可能となり、流体の圧力が予め分かっていれば、流体の温度を測定することが可能となる。したがって、流速と温度又は圧力を同時に測定することが可能となる。
【0020】
本発明に係る温度又は圧力の測定方法は、管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する方法であって、流体の基準となる標準状態(例えば温度が20℃の状態)の超音波速度を準備しておき、管体内に流れる流体中において一方側から超音波を発信させ、この超音波を他方側で受信することにより、その時の超音波速度Aを測定し、管体内に流れる流体中において他方側から超音波を発信させ、この超音波を一方側で受信することにより、その時の超音波速度Bを測定し、超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出し、上記標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから流体の温度と圧力の関係を検出し、この関係と予め分かっている上記流体の温度又は圧力により該流体の圧力又は温度を測定することを特徴とする。
【0021】
上記温度又は圧力の測定方法によれば、標準状態の超音波速度と絶対速度から温度と圧力の関係を検出し、この関係と予め分かっている上記流体の温度又は圧力により該流体の圧力又は温度を流体と非接触で測定することができる。つまり、超音波速度(絶対速度)は流速と流体の温度と流体の圧力の関数であるため、絶対速度と流速を測定することにより、流体の温度が予め分かっていれば、流体の圧力を測定することが可能となり、流体の圧力が予め分かっていれば、流体の温度を測定することが可能となる。
【0022】
本発明に係る超音波温度・圧力計は、管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する超音波温度・圧力計であって、管体の外表面に配置された第1の超音波送受信部と、管体の外表面に配置され、第1の超音波送受信部と所定間隔離れて位置する第2の超音波送受信部と、第2の超音波送受信部と接続された第1の位相差検出器と、第1の位相差検出器と第1の超音波送受信部との間に配置されたPLL方式による第1のループ接続部と、第1の超音波送受信部と接続された第2の位相差検出器と、第2の位相差検出器と第2の超音波送受信部との間に配置されたPLL方式による第2のループ接続部と、流体の温度又は圧力を測定する測定制御部と、を具備することを特徴とする。
【0023】
上記超音波温度・圧力計によれば、測定制御部を具備しており、この測定制御部は次のような測定、制御及び演算を行うものである。管体内を流速Vxで流れる流体において、第1の超音波送受信部から発信した超音波を第2の超音波送受信部で受信し、発信時の超音波と受信時のそれとの位相差を第1の位相差検出器で検出し、位相差がある場合、第1のループ接続によって発振周波数を徐々に変更し、位相差が0となるまで発振周波数の変更を続け、位相差が0となったところで発振周波数を固定する。この発振周波数又は波長から流体中の超音波速度Aを測定する。次に、第2の超音波送受信部から発信した超音波を第1の超音波送受信部で受信し、発信時の超音波と受信時のそれとの位相差を第2の位相差検出器で検出し、位相差がある場合、第2のループ接続によって発振周波数を徐々に変更し、位相差が0となるまで発振周波数の変更を続け、位相差が0となったところで発振周波数を固定する。この発振周波数又は波長から流体中の超音波速度Bを測定する。次に、超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出する。次に、超音波速度Aと超音波速度Bの差を2で割ることにより、上記流体の流速Vを検出する。次に、上記流体の基準となる標準状態(例えば温度が20℃の状態)の超音波速度を予め準備しておき、この標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから流体の温度と圧力の関係を検出し、この関係と予め分かっている上記流体の温度又は圧力により該流体の圧力又は温度を検出することができる。
【0024】
また、本発明に係る超音波温度・圧力計においては、第1の超音波送信部及び第1の超音波受信部が第1の超音波送受信部として一体に構成され、第2の超音波送信部及び第2の超音波受信部が第2の超音波送受信部として一体に構成され、第1及び第2の位相差検出器が1つの位相差検出器で兼用され、第1及び第2のループ接続部が1つのループ接続部で兼用されていることも可能である。
【0025】
本発明に係る超音波温度・圧力計は、管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する超音波温度・圧力計であって、管体に配置された超音波送信部と、この超音波送信部と所定間隔離れて位置する超音波受信部と、上記超音波送信部と上記超音波受信部とに接続されたPLL回路部と、下記発振器の発振周波数を測定し、それを流体の温度又は圧力に換算する測定制御部と、を具備し、上記PLL回路部は、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記超音波受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする。
【0026】
本発明に係る超音波温度・圧力計は、管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する超音波温度・圧力計であって、管体に配置された超音波送信部と、この超音波送信部を中心に所定間隔離れて位置する第1及び第2の超音波受信部と、上記超音波送信部に接続されたPLL回路部と、このPLL回路部に接続された切替器と、下記発振器の発振周波数を測定し、それを温度又は圧力に換算する測定制御部と、を具備し、上記切替器は、PLL回路部を第1の超音波受信部に接続するか、PLL回路部を第2の超音波受信部に接続するかを交互に切替えるものであり、上記PLL回路部は、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記第1及び第2の超音波受信部それぞれで受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする。
【0027】
本発明に係る超音波温度・圧力計は、管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する超音波温度・圧力計であって、超音波を発振させる超音波発振器と、管体に配置され、超音波発振器により発振させた超音波を管体内に送信する超音波送信部と、この超音波送信部と所定間隔離れて位置する超音波受信部と、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記超音波受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、この発振器の発振周波数を測定し、それを温度又は圧力に換算する測定制御部と、を具備することを特徴とする。
【0028】
本発明に係る超音波温度・圧力計は、管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する超音波温度・圧力計であって、管体に配置された第1の超音波送受信部と、第1の超音波送受信部と所定間隔離れて位置する第2の超音波送受信部と、第1及び第2の超音波送信部に接続された切替器と、この切替器に接続されたPLL回路部と、下記発振器の発振周波数を測定し、それを温度又は圧力に換算する測定制御部と、を具備し、上記切替器は、PLL回路の入力側を第1の超音波送受信部に接続し且つPLL回路の出力側を第2の超音波送受信部に接続するか、PLL回路の入力側を第2の超音波送受信部に接続し且つPLL回路の出力側を第1の超音波送受信部に接続するかを交互に切替えるものであり、上記PLL回路部は、上記第1又は第2の超音波送受信部から送信された超音波送信波と上記第2又は第1の超音波送受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする。
【0029】
本発明に係る超音波温度・圧力計は、管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する超音波温度・圧力計であって、超音波を発振させる超音波発振器と、管体に配置され、超音波発振器により発振させた超音波を管体内に送受信する第1の超音波送受信部と、第1の超音波送信部と所定間隔離れて位置する第2の超音波送受信部と、第1及び第2の超音波送受信部に接続された切替器と、この切替器に接続され、第1又は第2の超音波送受信部から送信された超音波送信波と第2又は第1の超音波送受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、この発振器の発振周波数を測定し、それを温度又は圧力に換算する測定制御部と、を具備し、上記切替器は、位相差検出器を第1の超音波送受信部に接続するか、位相差検出器を第2の超音波送受信部に接続するかを交互に切替えるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように本発明によれば、位相差を用いて精度良く流体の流量、流速を測定することが可能な流量測定方法、流速測定方法及び超音波流量計を提供することができる。
【0031】
また、本発明によれば、位相差を用いて精度良く流体の温度又は圧力を測定することが可能な温度又は圧力の測定方法及び超音波温度・圧力計を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る第1の実施の形態による流量測定方法を説明する模式図である。
【0033】
内部に流体を流す管体10を準備し、この管体10に超音波を発信する振動子11及びその振動子から発信した超音波を受信する受信部12,13を配置する。受信部12は、振動子11から管体10の一方側に長さ+L離れた箇所に位置している。受信部13は、振動子11から管体10の他方側に長さ−L離れた箇所に位置している。
【0034】
ここで、流体(例えば水)の流速Vを0m/sとし、振動子11から所定の周波数の超音波を発信させ、この超音波を受信部12,13により受信させる。ここで、振動子11より発信された超音波が受信部12,13で受信されるまでの超音波到達時間は、管体10内の流体の流速Vが0の時は温度に関係なく同じである。但し、その絶対値は温度に依存し、流体が水の場合、図1に示すように温度が高くなるほど超音波速度は速くなる。
【0035】
そこで、管体10内に流れる流体の流速Vを測定する場合、管体10内の超音波の絶対速度A,Bをそれぞれ検出し、下記式(1)のように両者の平均を求めると、流速Vが相殺され、管体内の流体の温度、圧力状態での超音波の絶対速度Sが求められる。なお、絶対速度Aは、超音波が受信部12の方向に伝達される場合の基準となる超音波速度であり、絶対速度Bは、超音波が受信部13の方向に伝達される場合の基準となる超音波速度である。
【0036】
一方、管体10内に流れる流体の流速Vを検出するには、下記式(2)のように両者の差を求めると、超音波の絶対音速が相殺され、管体内の温度、圧力状態での流体の流速V(Vは補正前の流速)が求められる。
【0037】
S=(A+B)/2 (1)
=(A−B)/2 (2)
【0038】
上記式(1)により求めた超音波の絶対速度Sは、その時の流体の温度と圧力の状態により実際の速度からずれているものである。これと同様に、上記式(2)により求めた流速Vも、その時の流体の温度と圧力の状態により実際の流速からずれているものである。従って、実際の流速を求めるには、温度と圧力に起因するずれを補正する必要があるので、次に、この補正方法について説明する。
【0039】
流体が例えば水の場合、温度による超音波速度のずれは、図1に示すように、25℃では1500m/sであり、10℃では1460m/sであり、40℃では1540m/sである。従って、基準となる超音波速度を1500m/sとした場合、上記式(1)により求めた水中での超音波の絶対速度が1540m/sであれば、上記式(2)により求めた流速Vにおいて40m/sの補正が必要となる。つまり、40m/sが絶対速度1540m/sに占める割合を、求めた流速Vにおいて補正する必要がある。
【0040】
具体的な補正方法としては、管体10内を流れる流体の基準となる超音波速度(水の場合は例えば1500m/s)を予め求めておき、その基準となる速度と上記式(1)により求めた絶対速度とから、上述した方法を用いて上記式(2)により求めた流速Vを補正する。そして、この補正した流速V(Vは補正後の流速)と管体10内の断面積とから、流体の流量を導出することができる。
【0041】
上記第1の実施の形態による流量測定方法によれば、管体10内を流れる流体の温度、圧力により変動する超音波速度Sを超音波の送受信を用いて測定することにより、流体の温度、圧力を測定することなく、流速Vを補正して正確に求めることができる。従って、流体の流速を正確に求めることができる。
【0042】
また、本実施の形態を用いることにより、流体の温度又は圧力を測定することも可能であるので、次に、温度又は圧力の測定方法について説明する。流体の基準となる超音波速度(前述したように水の場合、例えば25℃の温度では1500m/s)を予め求めておき、その基準となる速度と上記式(1)により求めたその時の絶対速度とから温度と圧力の関係を検出する。上記基準となる速度と絶対速度と温度と圧力の関係からなる換算表は予め作成しておく。そして、流体の温度が予め分かっていれば、流体の圧力を換算することができ、また流体の圧力が予め分かっていれば、流体の温度を換算することができる。
【0043】
図2は、図1に示す流量測定方法を用いた具体的な超音波流量計を示す構成図である。
【0044】
この超音波流量計は、内部に流体が流れる管体10の外表面に取り付けた超音波送信部21及び超音波受信部22を有している。超音波送信部21と超音波受信部22は互いに所定間隔を設けて配置されている。超音波受信部22は位相差検出器Δφに接続されている。位相差検出器Δφは、位相差検出器の出力波形を積分する積分回路(ローパスフィルター)∫に接続されている。積分回路∫は、積分回路の出力信号で制御される発振器VFOに接続されている。VFOは拡大器N及びカウンターに接続されている。カウンターは周波数を例えば4桁程度表示できるものである。位相差検出器Δφ、積分回路∫及び発振器VFOによりPLL(phase-locked loop)回路が構成されている。拡大器Nは超音波送信部21及び位相差検出器Δφに接続されている。
【0045】
位相差検出器Δφ、積分回路∫、発振器VFO、拡大器Nのループ接続は、位相差検出器Δφで検出した位相差(即ち超音波送信部21から発信した超音波の位相と超音波受信部22が受信した超音波の位相との差)が、PLL方式を用いて0となるようにするものである。つまり、管体10内を流速Vで流れる流体において位相差検出器Δφで位相差を検出すると、上記のループ接続によって発信周波数を徐々に変更し、位相差が0となるまで発信周波数の変更を続け、位相差が0となったところで発信周波数を固定する。この発信周波数又は波長から流体中の超音波速度Aが測定される。
【0046】
図2に示す超音波送信部21、超音波受信部22、位相差検出器Δφ、積分回路∫、発振器VFO、拡大器Nのループ接続とは全く逆の配置となる超音波送信部、超音波受信部、位相差検出器、積分回路、発振器、拡大器のループ接続を設ける。具体的には例えば、超音波送信部21と超音波受信部22の両者を超音波送受信部として送信と受信を瞬時に切り替え可能とすると共に上記ループ接続についても同様に切り替え可能とすれば良い。
【0047】
上記の逆配置の超音波送信部、超音波受信部などを用いて、前記と同様の方法で超音波速度Bを測定する。次に、超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出する。次に、超音波速度Aと超音波速度Bの差を2で割ることにより、上記流体の流速Vを検出する。なお、この流速Vは現実の流速とは多少ずれがあるので、次のように補正する。
【0048】
上記流体の基準となる標準状態の超音波速度を予め準備しておき、この標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから上記流速Vを補正することにより、流体の正確な流速Vを検出できる。そして、この正確な流速Vと管体10内の断面積とから流体の流量を測定することができる。このような制御を行うのが測定制御部であり、この測定制御部は超音波流量計に設けられている。
【0049】
上記超音波流量計によれば、流体の温度、圧力を測定してそれによる補正をすることなく、位相差を用いて精度良く流体の流速を正確に測定することができる。
【0050】
次に、前述した流体の温度又は圧力の測定方法を用いた具体的な超音波温度・圧力計について、図2を参照しつつ説明する。
【0051】
超音波温度・圧力計は、内部に流体が流れる管体10の外表面に取り付けた超音波送信部21及び超音波受信部22を有している。超音波送信部21と超音波受信部22は互いに所定間隔を設けて配置されている。超音波受信部22は位相差検出器Δφに接続されている。位相差検出器Δφは、位相差検出器の出力波形を積分する積分回路(ローパスフィルター)∫に接続されている。積分回路∫は、積分回路の出力信号で制御される発振器VFOに接続されている。VFOは拡大器N及びカウンターに接続されている。カウンターは周波数を例えば4桁程度表示できるものである。位相差検出器Δφ、積分回路∫及び発振器VFOによりPLL(phase-locked loop)回路が構成されている。拡大器Nは超音波送信部21及び位相差検出器Δφに接続されている。
【0052】
位相差検出器Δφ、積分回路∫、発振器VFO、拡大器Nのループ接続は、位相差検出器Δφで検出した位相差(即ち超音波送信部21から発信した超音波の位相と超音波受信部22が受信した超音波の位相との差)が、PLL方式を用いて0となるようにするものである。つまり、管体10内を流速Vで流れる流体において位相差検出器Δφで位相差を検出すると、上記のループ接続によって発信周波数を徐々に変更し、位相差が0となるまで発信周波数の変更を続け、位相差が0となったところで発信周波数を固定する。この発信周波数又は波長から流体中の超音波速度Aが測定される。
【0053】
図2に示す超音波送信部21、超音波受信部22、位相差検出器Δφ、積分回路∫、発振器VFO、拡大器Nのループ接続とは全く逆の配置となる超音波送信部、超音波受信部、位相差検出器、積分回路、発振器、拡大器のループ接続を設ける。具体的には例えば、超音波送信部21と超音波受信部22の両者を超音波送受信部として送信と受信を瞬時に切り替え可能とすると共に上記ループ接続についても同様に切り替え可能とすれば良い。
【0054】
上記の逆配置の超音波送信部、超音波受信部などを用いて、前記と同様の方法で超音波速度Bを測定する。次に、超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出する。
【0055】
上記流体の基準となる標準状態の超音波速度を予め準備しておき、この標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから流体の正確な温度又は圧力を検出できる。このような制御を行うのが測定制御部であり、この測定制御部は超音波温度・圧力計に設けられている。
【0056】
図3は、本発明に係る第2の実施の形態による超音波流量計を示す構成図であり、図2と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0057】
この超音波流量計は、超音波発振器(OSC)を備えた第1及び第2の超音波送受信部21,22を有しており、これら超音波送受信部21,22は互いに所定間隔離れて配置されている。第1及び第2の超音波送受信部21,22は切替器25に接続されており、この切替器25はPLL回路28及び拡大器Nに接続されている。PLL回路28は、位相差検出器、積分回路及び発振器により構成されている。
【0058】
第1及び第2の超音波送受信部21,22は制御回路・表示回路26に接続されており、制御回路・表示回路26は計数回路27に接続されている。計数回路27はPLL回路28に接続されている。計数回路27は発振器の発振周波数を測定するものである。制御回路・表示回路26は、測定された発振周波数を流量に換算し、その流量を表示するものである。
【0059】
次に、上記超音波流量計を用いて管体10内を流れる流体の流量測定方法について説明する。
【0060】
まず、第1の超音波送受信部21からある周波数の超音波を送信し、この送信した超音波を第2の超音波送受信部22で受信する。この際、超音波送信波と超音波受信波との位相差を位相差検出器により検出し、この検出された出力波形を積分回路により積分し、積分回路の出力信号により発振器を制御して周波数を変更した超音波を発振させる。次に、この発振した周波数の超音波を第2の超音波送受信部22で受信し、その際の位相差を位相差検出器により検出し、出力波形を積分し、積分回路の出力信号により発振器を制御して周波数を変更した超音波を発振させる。このようなPLL方式を用いて位相差が0となるようにし、その時の発振周波数を固定する。この発振周波数を計数回路27で測定し、その発振周波数を制御回路により流量に換算することにより、流体中の超音波速度Aが測定される。
【0061】
次に、切替器25により接続を切替え、上記と同様に、第2の超音波送受信部22からある周波数の超音波を送信し、この送信した超音波を第1の超音波送受信部21で受信する。この際、超音波送信波と超音波受信波との位相差を位相差検出器により検出し、この検出された出力波形を積分回路により積分し、積分回路の出力信号により発振器を制御して周波数を変更した超音波を発振させる。次に、この発振した周波数の超音波を第1の超音波送受信部21で受信し、その際の位相差を位相差検出器により検出し、出力波形を積分し、積分回路の出力信号により発振器を制御して周波数を変更した超音波を発振させる。このようなPLL方式を用いて位相差が0となるようにし、その時の発振周波数を固定する。この発振周波数を計数回路27で測定し、その発振周波数を制御回路により流量に換算することにより、流体中の超音波速度Bが測定される。
【0062】
次に、制御回路において、超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出し、超音波速度Aと超音波速度Bの差を2で割ることにより、上記流体の流速Vを検出する。なお、この流速Vは現実の流速とは多少ずれがあるので、第1の実施の形態と同様の方法により制御回路で補正して流速Vを表示回路で表示する。
【0063】
上記第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0064】
次に、本実施の形態による超音波温度・圧力計について、図3を参照しつつ説明する。なお、第1の実施の形態による超音波温度・圧力計と同一部分の説明は省略する。
【0065】
この超音波温度・圧力計は、超音波発振器(OSC)を備えた第1及び第2の超音波送受信部21,22を有しており、これら超音波送受信部21,22は互いに所定間隔離れて配置されている。第1及び第2の超音波送受信部21,22は切替器25に接続されており、この切替器25はPLL回路28及び拡大器Nに接続されている。PLL回路28は、位相差検出器、積分回路及び発振器により構成されている。
【0066】
第1及び第2の超音波送受信部21,22は制御回路・表示回路26に接続されており、制御回路・表示回路26は計数回路27に接続されている。計数回路27はPLL回路28に接続されている。計数回路27は発振器の発振周波数を測定するものである。制御回路・表示回路26は、測定された発振周波数を温度又は圧力に換算し、その温度又は圧力を表示するものである。
【0067】
次に、上記超音波温度・圧力計を用いて管体10内を流れる流体の温度又は圧力の測定方法について説明する。
【0068】
まず、第1の超音波送受信部21からある周波数の超音波を送信し、この送信した超音波を第2の超音波送受信部22で受信する。この際、超音波送信波と超音波受信波との位相差を位相差検出器により検出し、この検出された出力波形を積分回路により積分し、積分回路の出力信号により発振器を制御して周波数を変更した超音波を発振させる。次に、この発振した周波数の超音波を第2の超音波送受信部22で受信し、その際の位相差を位相差検出器により検出し、出力波形を積分し、積分回路の出力信号により発振器を制御して周波数を変更した超音波を発振させる。このようなPLL方式を用いて位相差が0となるようにし、その時の発振周波数を固定する。この発振周波数を計数回路27で測定し、その発振周波数を制御回路により、流体中の超音波速度Aが測定される。
【0069】
次に、切替器25により接続を切替え、上記と同様に、第2の超音波送受信部22からある周波数の超音波を送信し、この送信した超音波を第1の超音波送受信部21で受信する。この際、超音波送信波と超音波受信波との位相差を位相差検出器により検出し、この検出された出力波形を積分回路により積分し、積分回路の出力信号により発振器を制御して周波数を変更した超音波を発振させる。次に、この発振した周波数の超音波を第1の超音波送受信部21で受信し、その際の位相差を位相差検出器により検出し、出力波形を積分し、積分回路の出力信号により発振器を制御して周波数を変更した超音波を発振させる。このようなPLL方式を用いて位相差が0となるようにし、その時の発振周波数を固定する。この発振周波数を計数回路27で測定し、その発振周波数を制御回路により流量に換算することにより、流体中の超音波速度Bが測定される。
【0070】
次に、制御回路において、超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出する。
【0071】
上記流体の基準となる標準状態の超音波速度を予め準備しておき、この標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから流体の正確な温度又は圧力を検出できる。
【0072】
図4は、本発明に係る第3の実施の形態による超音波流量計を示す構成図であり、図3と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0073】
この超音波流量計は超音波発振器(OSC)を備えた超音波送信部31を有しており、この超音波送信部31を中心に所定間隔離れた位置に第1及び第2の超音波受信部32,33が配置されている。第1及び第2の超音波受信部32,33それぞれは切替器35に接続されており、この切替器35はPLL回路28及び拡大器Nに接続されている。
【0074】
第1及び第2の超音波受信部32,33は制御回路・表示回路26に接続されており、制御回路・表示回路26は計数回路27に接続されている。
【0075】
次に、上記超音波流量計を用いて管体10内を流れる流体の流量測定方法について説明する。
【0076】
まず、超音波送信部31からある周波数の超音波を送信し、この送信した超音波を第1の超音波受信部32で受信する。そして、PLL回路を用いて位相差が0となるようにし、その時の発振周波数を固定し、この発振周波数を計数回路27で測定し、その発振周波数を制御回路により流量に換算することにより、流体中の超音波速度Aが測定される。
【0077】
次に、切替器35により接続を切替え、上記と同様に、超音波送信部31からある周波数の超音波を送信し、この送信した超音波を第2の超音波受信部33で受信する。そして、PLL回路を用いて位相差が0となるようにし、その時の発振周波数を固定し、この発振周波数を計数回路27で測定し、その発振周波数を制御回路により流量に換算することにより、流体中の超音波速度Bが測定される。
【0078】
次に、第2の実施の形態と同様の方法により流速Vを導出し、これを補正した流速Vを表示回路で表示する。
【0079】
上記第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0080】
次に、本実施の形態による超音波温度・圧力計について、図4を参照しつつ説明する。なお、第2の実施の形態による超音波温度・圧力計と同一部分の説明は省略する。
【0081】
この超音波温度・圧力計は超音波発振器(OSC)を備えた超音波送信部31を有しており、この超音波送信部31を中心に所定間隔離れた位置に第1及び第2の超音波受信部32,33が配置されている。第1及び第2の超音波受信部32,33それぞれは切替器35に接続されており、この切替器35はPLL回路28及び拡大器Nに接続されている。
【0082】
第1及び第2の超音波受信部32,33は制御回路・表示回路26に接続されており、制御回路・表示回路26は計数回路27に接続されている。
【0083】
次に、上記超音波温度・圧力計を用いて管体10内を流れる流体の温度又は圧力の測定方法について説明する。
【0084】
まず、超音波送信部31からある周波数の超音波を送信し、この送信した超音波を第1の超音波受信部32で受信する。そして、PLL回路を用いて位相差が0となるようにし、その時の発振周波数を固定し、この発振周波数を計数回路27で測定し、その発振周波数を制御回路により、流体中の超音波速度Aが測定される。
【0085】
次に、切替器35により接続を切替え、上記と同様に、超音波送信部31からある周波数の超音波を送信し、この送信した超音波を第2の超音波受信部33で受信する。そして、PLL回路を用いて位相差が0となるようにし、その時の発振周波数を固定し、この発振周波数を計数回路27で測定し、その発振周波数を制御回路により、流体中の超音波速度Bが測定される。
【0086】
次に、第2の実施の形態と同様の方法により超音波速度を導出し、これを補正して温度又は圧力を表示回路で表示する。
【0087】
本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
図5は、本発明に係る第4の実施の形態による超音波流量計を示す構成図であり、図3と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0089】
この超音波流量計は、超音波発振器(OSC)を備えた超音波送信部21及び超音波受信部22を有しており、これらは互いに所定間隔離れて配置されている。超音波受信部22はPLL回路28に接続されており、PLL回路28は切替器35及び拡大器Nに接続されている。拡大器Nは超音波送信部21に接続されており、切替器35は計数回路27及び制御回路・表示回路26に接続されている。
【0090】
また、超音波流量計は、超音波発振器(OSC)を備えた超音波送信部41及び超音波受信部42を有しており、これらは所定間隔離れて配置されている。超音波受信部42はPLL回路38に接続されており、PLL回路38は切替器35及び拡大器Nに接続されている。拡大器Nは超音波送信部41に接続されている。
【0091】
次に、上記超音波流量計を用いて管体10内を流れる流体の流量測定方法について説明する。
【0092】
まず、超音波送信部21からある周波数の超音波を送信し、この送信した超音波を超音波受信部22で受信する。そして、PLL回路28を用いて位相差が0となるようにし、その時の発振周波数を固定し、この発振周波数を計数回路27で測定し、その発振周波数を制御回路により流量に換算することにより、流体中の超音波速度Aが測定される。
【0093】
次に、切替器35により接続を切替え、上記と同様に、超音波送信部41からある周波数の超音波を送信し、この送信した超音波を超音波受信部42で受信する。そして、PLL回路38を用いて位相差が0となるようにし、その時の発振周波数を固定し、この発振周波数を計数回路27で測定し、その発振周波数を制御回路により流量に換算することにより、流体中の超音波速度Bが測定される。
【0094】
次に、第2の実施の形態と同様の方法により流速Vを導出し、これを補正した流速Vを表示回路で表示する。
【0095】
上記第4の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0096】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。
【0097】
また、上記実施の形態では、本発明を流量測定方法及び超音波流量計に適用しているが、流体の速度が0m/sで流体の圧力が分かっていれば、流体の温度を計測する超音波温度計として本発明を適用することも可能であり、またその逆も可能である。
【0098】
また、上記実施の形態では、本発明を温度又は圧力の測定方法及び超音波温度・圧力計に適用しているが、超音波流量計及び超音波温度・圧力計として同時に使用することも可能である。また、流体の温度が予め分かっていれば、超音波流量計及び超音波圧力計として利用することも可能であり、また、流体の圧力が予め分かっていれば、超音波流量計及び超音波温度計として利用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態による流量測定方法、温度又は圧力の測定方法を説明する模式図である。
【図2】図1に示す流量測定方法を用いた具体的な超音波流量計又は超音波温度・圧力計を示す構成図である。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態による超音波流量計又は超音波温度・圧力計を示す構成図である。
【図4】本発明に係る第3の実施の形態による超音波流量計又は超音波温度・圧力計を示す構成図である。
【図5】本発明に係る第4の実施の形態による超音波流量計を示す構成図である。
【符号の説明】
【0100】
10 管体
11 振動子
12,13 受信部
21 超音波送信部(第1の超音波送受信部)
22 超音波受信部(第2の超音波送受信部)
25,35 切替器
26 制御回路・表示回路
27 計数回路
28,38 PLL回路
31,41 超音波送信部
32 第1の超音波受信部
33 第2の超音波受信部
42 超音波受信部
V 流体の流速(補正後の流速)
流体の補正前の流速
A,B 超音波の絶対速度
Δφ 位相差検出器
∫ 積分回路
N 拡大器
VFO 発振器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、
管体の外表面に配置された第1の超音波送受信部と、
管体の外表面に配置され、第1の超音波送受信部と所定間隔離れて位置する第2の超音波送受信部と、
第2の超音波送受信部と接続された第1の位相差検出器と、
第1の位相差検出器と第1の超音波送受信部との間に配置されたPLL方式による第1のループ接続部と、
第1の超音波送受信部と接続された第2の位相差検出器と、
第2の位相差検出器と第2の超音波送受信部との間に配置されたPLL方式による第2のループ接続部と、
流体の流量を測定する測定制御部と、
を具備することを特徴とする超音波流量計。
【請求項2】
第1の超音波送信部及び第1の超音波受信部が第1の超音波送受信部として一体に構成され、第2の超音波送信部及び第2の超音波受信部が第2の超音波送受信部として一体に構成され、第1及び第2の位相差検出器が1つの位相差検出器で兼用され、第1及び第2のループ接続部が1つのループ接続部で兼用されていることを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
【請求項3】
管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、
管体に配置された超音波送信部と、
上記超音波送信部と所定間隔離れて位置する超音波受信部と、
上記超音波送信部と上記超音波受信部とに接続されたPLL回路部と、
下記発振器の発振周波数を測定し、それを流量に換算する測定制御部と、
を具備し、
上記PLL回路部は、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記超音波受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする超音波流量計。
【請求項4】
管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、
管体に配置された超音波送信部と、
上記超音波送信部を中心に所定間隔離れて位置する第1及び第2の超音波受信部と、
上記超音波送信部に接続されたPLL回路部と、
上記PLL回路部に接続された切替器と、
下記発振器の発振周波数を測定し、それを流量に換算する測定制御部と、
を具備し、
上記切替器は、PLL回路部を第1の超音波受信部に接続するか、PLL回路部を第2の超音波受信部に接続するかを交互に切替えるものであり、
上記PLL回路部は、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記第1及び第2の超音波受信部それぞれで受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする超音波流量計。
【請求項5】
管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、
超音波を発振させる超音波発振器と、
管体に配置され、超音波発振器により発振させた超音波を管体内に送信する超音波送信部と、
上記超音波送信部と所定間隔離れて位置する超音波受信部と、
上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記超音波受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、
上記位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、
上記積分回路の出力信号で制御される発振器と、
上記発振器の発振周波数を測定し、それを流量に換算する測定制御部と、
を具備することを特徴とする超音波流量計。
【請求項6】
請求項3に記載の超音波流量計を2組備えていることを特徴とする超音波流量計。
【請求項7】
管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、
管体に配置された第1の超音波送受信部と、
第1の超音波送受信部と所定間隔離れて位置する第2の超音波送受信部と、
第1及び第2の超音波送信部に接続された切替器と、
上記切替器に接続されたPLL回路部と、
下記発振器の発振周波数を測定し、それを流量に換算する測定制御部と、
を具備し、
上記切替器は、PLL回路の入力側を第1の超音波送受信部に接続し且つPLL回路の出力側を第2の超音波送受信部に接続するか、PLL回路の入力側を第2の超音波送受信部に接続し且つPLL回路の出力側を第1の超音波送受信部に接続するかを交互に切替えるものであり、
上記PLL回路部は、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記超音波受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする超音波流量計。
【請求項8】
管体内に流れる流体の流量を測定する超音波流量計であって、
超音波を発振させる超音波発振器と、
管体に配置され、超音波発振器により発振させた超音波を管体内に送受信する第1の超音波送受信部と、
第1の超音波送信部と所定間隔離れて位置する第2の超音波送受信部と、
第1及び第2の超音波送受信部に接続された切替器と、
上記切替器に接続され、第1又は第2の超音波送受信部から送信された超音波送信波と第2又は第1の超音波送受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、
上記位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、
上記積分回路の出力信号で制御される発振器と、
上記発振器の発振周波数を測定し、それを流量に換算する測定制御部と、
を具備し、
上記切替器は、位相差検出器を第1の超音波送受信部に接続するか、位相差検出器を第2の超音波送受信部に接続するかを交互に切替えるものであることを特徴とする超音波流量計。
【請求項9】
管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する方法であって、
流体の基準となる標準状態の超音波速度を準備しておき、管体内に流れる流体中において一方側から超音波を発信させ、この超音波を他方側で受信することにより、その時の超音波速度Aを測定し、
管体内に流れる流体中において他方側から超音波を発信させ、この超音波を一方側で受信することにより、その時の超音波速度Bを測定し、
超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出し、
超音波速度Aと超音波速度Bの差を2で割ることにより、上記流体の流速Vを検出し、
上記流速Vと管体内の断面積との積から流体の流量を検出し、
上記標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから上記流速Vと上記流量を補正することにより、流体の正確な流速と流量を検出し、これと同時に、標準状態の超音波速度と絶対速度から温度と圧力の関係を検出し、この関係と予め分かっている上記流体の温度又は圧力により該流体の圧力又は温度を測定することを特徴とする温度又は圧力の測定方法。
【請求項10】
管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する方法であって、
流体の基準となる標準状態の超音波速度を準備しておき、
管体内に流れる流体中において一方側から超音波を発信させ、この超音波を他方側で受信することにより、その時の超音波速度Aを測定し、
管体内に流れる流体中において他方側から超音波を発信させ、この超音波を一方側で受信することにより、その時の超音波速度Bを測定し、
超音波速度Aと超音波速度Bの平均値を算出することにより、上記流体中における超音波の絶対速度を検出し、
上記標準状態の超音波速度と上記絶対速度のずれから流体の温度と圧力の関係を検出し、この関係と予め分かっている上記流体の温度又は圧力により該流体の圧力又は温度を測定することを特徴とする温度又は圧力の測定方法。
【請求項11】
管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する超音波温度・圧力計であって、
管体の外表面に配置された第1の超音波送受信部と、
管体の外表面に配置され、第1の超音波送受信部と所定間隔離れて位置する第2の超音波送受信部と、
第2の超音波送受信部と接続された第1の位相差検出器と、
第1の位相差検出器と第1の超音波送受信部との間に配置されたPLL方式による第1のループ接続部と、
第1の超音波送受信部と接続された第2の位相差検出器と、
第2の位相差検出器と第2の超音波送受信部との間に配置されたPLL方式による第2のループ接続部と、
流体の温度又は圧力を測定する測定制御部と、
を具備することを特徴とする超音波温度・圧力計。
【請求項12】
第1の超音波送信部及び第1の超音波受信部が第1の超音波送受信部として一体に構成され、第2の超音波送信部及び第2の超音波受信部が第2の超音波送受信部として一体に構成され、第1及び第2の位相差検出器が1つの位相差検出器で兼用され、第1及び第2のループ接続部が1つのループ接続部で兼用されていることを特徴とする請求項11に記載の超音波温度・圧力計。
【請求項13】
管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する超音波温度・圧力計であって、
管体に配置された超音波送信部と、
上記超音波送信部と所定間隔離れて位置する超音波受信部と、
上記超音波送信部と上記超音波受信部とに接続されたPLL回路部と、
下記発振器の発振周波数を測定し、それを流体の温度又は圧力に換算する測定制御部と、
を具備し、
上記PLL回路部は、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記超音波受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする超音波温度・圧力計。
【請求項14】
管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する超音波温度・圧力計であって、
管体に配置された超音波送信部と、
上記超音波送信部を中心に所定間隔離れて位置する第1及び第2の超音波受信部と、
上記超音波送信部に接続されたPLL回路部と、
上記PLL回路部に接続された切替器と、
下記発振器の発振周波数を測定し、それを温度又は圧力に換算する測定制御部と、
を具備し、
上記切替器は、PLL回路部を第1の超音波受信部に接続するか、PLL回路部を第2の超音波受信部に接続するかを交互に切替えるものであり、
上記PLL回路部は、上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記第1及び第2の超音波受信部それぞれで受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、この位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、この積分回路の出力信号で制御される発振器と、から構成されていることを特徴とする超音波温度・圧力計。
【請求項15】
管体内に流れる流体の温度又は圧力を測定する超音波温度・圧力計であって、
超音波を発振させる超音波発振器と、
管体に配置され、超音波発振器により発振させた超音波を管体内に送信する超音波送信部と、
上記超音波送信部と所定間隔離れて位置する超音波受信部と、
上記超音波送信部から送信された超音波送信波と上記超音波受信部で受信された超音波受信波との位相差を検出する位相差検出器と、
上記位相差検出器の出力波形を積分する積分回路と、
上記積分回路の出力信号で制御される発振器と、
上記発振器の発振周波数を測定し、それを温度又は圧力に換算する測定制御部と、
を具備することを特徴とする超音波温度・圧力計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−171217(P2007−171217A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−78814(P2007−78814)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【分割の表示】特願2001−357316(P2001−357316)の分割
【原出願日】平成13年11月22日(2001.11.22)
【出願人】(591257111)サーパス工業株式会社 (60)
【Fターム(参考)】