説明

超音波診断装置用のプローブ操作補助装置

【課題】検査者の操作意思を直接プローブに伝達しつつ、プローブ操作時における検査者の身体的負担を軽減すること。
【解決手段】本発明に係るプローブ操作補助装置10は、プローブPを保持して、プローブPが所定空間内で移動可能となるように動作するアームユニット11と、プローブ操作時に検査者KによりプローブPに付与された力の方向及び大きさを検出する把持部12及び力検出部40と、把持部12及び力検出部40による検出結果に応じてアームユニット11の動作を制御する駆動制御部41とを備えている。駆動制御部41では、プローブPに付与された力の方向に当該力を増幅させた状態で、プローブPにより被検者Hの体表部分を押圧するように、アームユニット11の動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波検査を行う検査者のプローブ操作を補助する超音波診断装置用のプローブ操作補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、医療現場において超音波診断装置が広く用いられている。この超音波診断装置では、医師や検査技師等の検査者が、被検者の体表部分にプローブ(超音波探触子)を接触させると、当該接触部位付近の体内の状態が画像としてモニタに表示されるようになっている。
【0003】
前記超音波診断装置によって腹部などの検査を行う場合には、検査者がプローブを把持した状態で腕部を空中に保持し続ける必要がある。また、腹部の診断時には、被検者の体表部分にプローブを接触させた後、当該体表部分をプローブで強く押圧し続けなければならない場合がある。従って、以上のような超音波検査を長時間に亘って行う場合には、検査者の腕部が疲労し、身体的負担が大きくなる。
【0004】
ところで、ロボットアームでプローブを保持し、検査者の手によらずにロボットアームの動作のみで、体表部分をプローブで押圧可能な超音波探触子移動保持装置が既に提案されている(特許文献1参照)。この超音波探触子移動保持装置は、ロボットアームの先端に設けられた力センサと、当該力センサに繋がって、体表部分に対してプローブを離間接近可能に保持する操作グリップ部と、操作グリップ部に対するプローブの変位を検出する変位検出部とを備えている。当該超音波探触子移動保持装置では、体表部分に対するプローブの目標押圧力を予め設定し、力センサ及び変位検出部の各検出値から、前記目標押圧力が得られるように、ロボットアームを動作させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−143704号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記超音波探触子移動保持装置では、常時一定の押圧力を体表部分に付与する超音波検査には適しているが、体表部分に対するプローブの姿勢や押圧力を適宜変えながら行う超音波検査には、使いにくいという不都合がある。すなわち、健康診断のときのように、腹部の広範囲に亘って超音波検査を行う際に、検査者は、被検者の体表部分に対し、プローブの姿勢や押圧力をプローブの接触部位毎に適宜変えながら、最適な超音波画像を得ることが行われている。ところが、前記超音波探触子移動保持装置では、ロボットアームによる動作のみで、被検者の体表部分をプローブで押圧するため、プローブの姿勢や押圧力を変えるには、ロボットアームに対する操作指令や設定が都度必要になる。従って、プローブの姿勢や押圧力を状況に応じて瞬時に変化させる必要のある超音波検査では、ロボットアームに対する操作指令や設定作業が煩雑になり、却って使い勝手の悪いものになる。
【0007】
本発明は、このような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、検査者の操作意思を直接プローブに伝達しつつ、当該操作意思に沿うようにプローブを自動的に動作させることで、プローブ操作時における検査者の身体的負担を軽減することができる超音波診断装置用のプローブ操作補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)前記目的を達成するため、本発明は、検査者が超音波診断装置のプローブを把持しながら、当該プローブで被検者の体表部分を押圧する際のプローブ操作を補助する装置であって、
前記プローブを保持して、当該プローブが所定空間内で移動可能となるように動作するアームユニットと、前記プローブ操作時に前記検査者により前記プローブに付与された力の方向及び大きさを検出する力検出手段と、当該力検出手段による検出結果に応じて前記アームユニットの動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段では、前記プローブに付与された力の方向に当該力を増幅させた状態で、前記プローブにより前記体表部分を押圧するように、前記アームユニットの動作を制御する、という構成を採っている。
【0009】
(2)また、前記力検出手段は、前記プローブに取り付けられ、前記プローブ操作時に前記検査者が把持する把持部と、当該把持部に付与された力の大きさ及び方向を求める力検出部とを備え、
前記把持部は、前記プローブの周囲に隙間を介して装着される中空のカバーと、当該カバーの内側に設けられたセンサとを備え、
前記カバーは、前記プローブ操作時に付与された力によって弾性変形可能に設けられ、
前記センサは、前記カバーの内面と前記プローブとの離間距離を測定可能に設けられ、
前記力検出部では、前記センサで測定された前記離間距離に応じて、前記把持部に付与された力の大きさ及び方向を求める、という構成を採ることが好ましい。
【0010】
(3)更に、本発明は、検査者が超音波診断装置のプローブを把持しながら、当該プローブを移動させる際のプローブ操作を補助する装置であって、
前記検査者の腕部を支持する腕支持体と、この腕支持体を保持するとともに、当該腕支持体が所定空間内で移動可能となるように動作するアームユニットと、前記検査者が前記プローブを移動させる際に、前記腕支持体に作用する力の方向及び大きさを検出する力検出手段と、当該力検出手段による検出結果に応じて前記アームユニットの動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段では、前記力検出手段で検出された力の方向及び大きさに応じて前記腕支持体が移動するように、前記アームユニットの動作を制御する、という構成を採っている。
【発明の効果】
【0011】
前記(1)の構成によれば、被検者の体表部分をプローブで押圧する際、検査者がプローブを手に持って、検査者の意思でプローブに力を加えると、その力の方向及び大きさに応じて、アームユニットによりプローブ操作がパワーアシストされることになる。これにより、検査者の手のみによるプローブ操作で体表部分を押圧するときよりも、検査者が付与する力を軽くした状態で、同等の押圧効果を得ることができる。また、検査者がプローブに加える力加減を調節することで、当該力加減に連動してアームユニットのパワーアシストが加減され、検査者の手によるプローブ操作の感覚を残した状態で、プローブによる体表部分への押圧力を増幅させることができる。従って、検査者の操作意思が直接プローブに伝達されるとともに、当該操作意思に沿うようにプローブが自動的に動作して、プローブ操作時における検査者の身体的負担を軽減できることになり、プローブの姿勢や押圧力を状況に応じて瞬時に変化させる必要のある超音波検査に特に好適となる。
【0012】
前記(2)のように構成することで、検査者の手とプローブとの間にカバー及びセンサが介在することになるため、検査者がプローブに付与した力の大きさ及び方向を確実に検出することができる。すなわち、センサが、検査者の把持する部位と関係無く、プローブに繋がるように設けられた場合と異なり、プローブの体表部分への押圧時における当該体表部分からの反力の影響を考慮する必要がなく、簡単な構成で、検査者によってプローブに付与された力に基づくアームユニットの動作制御が可能になる。
【0013】
前記(3)の構成によれば、検査者がプローブを把持した状態で腕部を空中に保持する際に、当該腕部を腕支持体で支持することができる他、腕部を動かす際に、アームユニットでパワーアシストされることになるため、プローブ操作時における検査者の身体的負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態に係るプローブ操作補助装置の概略構成図。
【図2】(A)は、前記プローブ操作補助装置の把持部の概略拡大断面図であり、(B)は、(A)のA−A線に沿う断面図である。
【図3】第2実施形態に係るプローブ操作補助装置の概略構成図。
【図4】第2実施形態のプローブ操作補助装置における力センサ及び腕支持体の概略拡大正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
【0016】
図1には、第1実施形態に係るプローブ操作補助装置の概略構成図が示されている。この図において、プローブ操作補助装置10は、検査者Kが超音波診断装置(図示省略)のプローブP(超音波探触子)を操作する際に、当該プローブ操作を補助するための装置である。すなわち、このプローブ操作補助装置10は、検査者KがプローブPを手に持って、被検者Hの所望の体表部分にプローブPを移動し、当該プローブPで体表部分を押圧する動作を行うときに、検査者Kに対するパワーアシストをするようになっている。
【0017】
このプローブ操作補助装置10は、プローブPを保持して、当該プローブPを所定空間内で動作させるアームユニット11と、プローブPに取り付けられ、当該プローブPの操作時に検査者Kが把持する把持部12と、アームユニット11の動作を制御する制御機器13とを備えている。なお、以下において、位置並びに方向の説明で用いる直交三軸のうち、図1中紙面直交方向となる方向に延びる軸を「x軸」と称し、同左右方向となる方向に延びる軸を「y軸」と称し、同上下方向となる方向に延びる軸を「z軸」と称する。
【0018】
前記アームユニット11は、3自由度の動作が可能なロボットアーム14と、当該ロボットアーム14の先端側に取り付けられてプローブPを保持するプローブ保持体15とを備えている。
【0019】
前記ロボットアーム14は、前記超音波診断装置(図示省略)の近傍に固定配置されるベース16と、ベース16から水平方向(y軸方向)に延びる第1のアーム18と、第1のアーム18の先端側から鉛直方向(z軸方向)に延びる第2のアーム19と、第2のアーム19の先端側から水平方向(y軸方向)に延びる第3のアーム20と、第1のアーム18がベース16に対してz軸回りに回転動作可能となるように、これらを連結する第1のジョイント21と、第2のアーム19が第1のアーム18に対してz軸回りに回転動作可能となるように、これらを連結する第2のジョイント22と、第3のアーム20が第2のアーム19に対してx軸回りに回転動作可能となるように、これらを連結する第3のジョイント23と、第1、第2及び第3のアーム18,19,20を回転動作させる第1、第2及び第3のモータ24,25,26とを備えている。
【0020】
前記プローブ保持体15は、プローブPを着脱自在に取り付け可能なプローブ装着部30と、第3のアーム20の先端側に取り付けられ、プローブPが揺動可能となるようにプローブ装着部30を支持するボールジョイント31とを備えて構成されている。
【0021】
なお、本発明におけるアームユニット11は、前述の構造に限定されず、所定空間内でプローブPを移動できる限り、種々のロボットアーム構造を採用することができる。
【0022】
前記把持部12は、図2に示されるように、プローブPの先端寄りに取り付けられて検査者Kが把持可能な中空のカバー33と、カバー33の内側3箇所に設けられたセンサ35とを備えている。
【0023】
前記カバー33は、上下両端が開放する中空筒状に設けられ、プローブPの周りに隙間Sを形成した状態で当該プローブPに脱落不能に装着される。このカバー33は、可撓性を有する樹脂材料によって形成されており、所定以上の大きさの外力に対して弾性変形可能になっている。また、カバー33とプローブPとの間における複数箇所には、スポンジからなる弾性体38が介装されている。従って、アームユニット11の動作がロックされてプローブPが自由に動かない状態で、検査者KがプローブPを把持して当該プローブPを動かそうとすると、そのときにカバー33に作用する力の大きさ及び方向に応じ、弾性体38とともにカバー33が弾性変形することになる。
【0024】
前記センサ35は、検査者KがプローブPを把持して当該プローブPを動かす際に、カバー33に加えられた力の大きさ及び方向を検出するために設けられる。すなわち、本実施形態では、センサ35として反射型フォトセンサが採用され、検査者Kがカバー33に加えられた力でカバー33が弾性変形した際に、カバー33の内面とプローブPとの間の前記三軸(x軸、y軸、z軸)方向の離間距離をそれぞれ求められるように、各センサ35は、カバー33の内側3箇所に配置されている。ここで、反射型フォトセンサは、図示しない発光素子と受光素子とからなり、発光素子からの光が対象物(プローブP)で反射され、受光素子で受光した光量に応じた大きさの電流を発生させる。従って、カバー33に付与された力が大きい程、すなわち、カバー33の弾性変形により、カバー33がプローブPに接近する程、カバー33とプローブPとの間の離間距離が短くなって受光素子での受光量が増加し、センサ35から電流が多く発生する。従って、当該電流の大きさを測定することで、該当するセンサ35の方向に加えられた力の大きさを求めることができる。
【0025】
なお、センサ35としては、前述の反射型フォトセンサに限定されず、他の光学的センサ、磁気センサ等、その他の距離センサや力センサを採用することができる。要するに、検査者KがプローブPを把持して当該プローブPを動かす際にカバー33に加えられた力の大きさ及び方向を検出できる限り、種々のセンサを採用することができる。
【0026】
前記制御機器13は、ハードウェア及びソフトウェアによって構成され、CPU等の演算処理装置、メモリやハードディスク等の記憶装置、及びこれら各装置を機能させるプログラムモジュール等から成り立っている。
【0027】
図1に示されるように、この制御機器13は、電気的に接続された各センサ35からの電流値に基づいて、プローブPに加えられた力の大きさ及び方向を求める力検出部40と、力検出部40で求めた結果に応じて、第1〜第3のモータ24〜26の駆動を制御する駆動制御部41とを備えている。
【0028】
前記力検出部40では、カバー33内に設けられた各センサ35によって、当該カバー33における前記三軸(x軸、y軸、z軸)方向の弾性変形に応じて発生した電流量から、予め記憶された当該電流量と力の大きさとの関係に基づいて、各軸方向における力の大きさが求められる。そして、これら各軸方向の力の大きさを合わせることで、検査者KがプローブPを把持して当該プローブPを動かす際にカバー33に加えられた力の大きさ及び方向が求められる。なお、ここでは、検査者Kがカバー33を把持することによるカバー33の弾性変形分は考慮されないように予め調整されており、ロボットアーム14によって自由な動きが規制されているプローブPを検査者Kの手で動かそうとしたときに、カバー33に加えられた力の大きさ及び方向のみが算出される。
【0029】
以上により、前記把持部12及び力検出部40は、検査者KによりプローブPに付与された力の方向及び大きさを検出する力検出手段を構成する。
【0030】
前記駆動制御部41は、前記力検出手段による検出結果に応じてアームユニット11の動作を制御する制御手段を構成する。すなわち、この駆動制御部41では、力検出部40で求めた力の方向にプローブPが動くように、且つ、力検出部40で求めた力の大きさに対応して定まる速度でプローブPが動くように、第1〜第3のモータ24〜26の駆動を制御してロボットアーム14を動作させる。換言すると、検査者Kが把持部12に加えた力が大きくなる程、プローブPの移動速度が速くなり、検査者KがプローブPを操作する際に把持部12に加えた力が実質的に増幅されるように、ロボットアーム14が動作制御される。従って、検査者Kの手のみでプローブPを動作させる場合よりも軽い力で、検査者Kの意図する方向にプローブPを動作させることが可能になる。
【0031】
次に、本実施形態に係るプローブ操作補助装置10の動作について説明する。
【0032】
先ず、検査者Kが把持部12に力を加えていない静止状態では、ロボットアーム14の動作がロックされており、プローブPを動作させることができない。そして、プローブPが被検者Hの体表部分から離れている状態で、検査者Kは、把持部12を持って、プローブPを動かしたい方向に力を加える。すると、当該力の大きさ及び方向に応じてカバー33が僅かに弾性変形し、各センサ35からの電流値の変化から、力検出部40で、検査者Kから把持部12に加えられた力の方向及び大きさが演算される。その後、駆動制御部41により、把持部12に加えられた力の方向にプローブPが移動するようにロボットアーム14が動作する。このとき、検査者Kが把持部12に加えた力が実質的に増幅され、把持部12に加えられた力の大きさに応じた速度でプローブPが動作することになる。
【0033】
そして、検査者KがプローブPを把持したまま、被検者Hの体表部分の所望の位置にプローブPを移動し接触させた後、検査者Kが、プローブPの先端面で体表部分を押圧する方向に把持部12に力を加えると、前述と同様にロボットアーム14が動作制御される。すなわち、検査者Kが意図するプローブPの押圧方向にプローブPが動作し、検査者Kが把持部12に加えた力が実質的に増幅された状態で、プローブPによって体表部分が押圧される。従って、検査者Kの手によるプローブ操作のみで被検者Hの体表部分を押圧するよりも軽い力で、同様の押圧効果を得ることができる。この際、プローブ装着部30に連結された前記ボールジョイント31によって、ロボットアーム14に対するプローブPの姿勢を変えることができる。ここで、ボールジョイント31は、プローブPが回転自在となるフリー状態と、当該回転を阻止するロック状態とを選択できるようになっている。フリー状態では、検査者Kが把持するカバー33の弾性変形を伴わずに、パッシブにプローブPの姿勢を変えることができるため、当該姿勢変更時には、ロボットアーム14の動作制御は行われない。
【0034】
従って、このような第1実施形態によれば、検査者KがプローブPを手で操作する感覚で、手のみでプローブ操作するときよりも軽い力で、プローブPを所望の位置に移動して、被検者Hの体表部分を押圧することができ、検査者Kのプローブ操作時の疲労を大幅に軽減させることができる。
【0035】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、前記第1実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にする。
(第2実施形態)
【0036】
本実施形態に係るプローブ操作補助装置50は、図3及び図4に示されるように、第1実施形態のプローブ操作補助装置10に対して、把持部12及びプローブ保持体15を設けずに、ロボットアーム14の先端側に、前記3軸方向の力をそれぞれ測定可能な力センサ51を介して、検査者Kの腕部Aを支持するフック状の腕支持体52を取り付けたところに特徴を有する。
【0037】
本実施形態では、検査者KがプローブPを把持して操作する際に、当該検査者Kの腕部Aが腕支持体52で支持され、プローブ操作時に腕部Aを動かそうとすると、その際の腕部Aからの力の方向及び大きさが力センサ51で検出される。そして、第1実施形態と同様に、腕支持体52に加えた力の大きさ及び方向が力検出部40で求められ、駆動制御部41で、腕支持体52に加えられた力の方向に沿って腕支持体52が移動するように、ロボットアーム14が動作制御される。このとき、腕支持体52に加えられた力の大きさに応じた速度で腕支持体52が動作して、検査者Kの腕部Aの動きに対してパワーアシストされることになる。以上により、本実施形態では、前記力検出部40と力センサ51により、腕支持体52に作用する力の方向及び大きさを検出する力検出手段が構成される。
【0038】
従って、この第2実施形態によれば、プローブ操作時に空中に浮いた状態となる腕部Aを腕支持体52で支持することができる他、従来に比べ、腕部Aを動かす力を少なくして、プローブPを楽に動かすことができ、プローブPを使った超音波検査時における検査者Kの身体的負担を大幅に軽減できるという効果を得る。
【0039】
なお、前記第1実施形態における把持部12及びプローブ保持体15と、第2実施形態における力センサ51及び腕支持体52とを併用し、前記各実施形態の各手法によってロボットアーム14を動作制御する構成を採用することもできる。
【0040】
その他、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 プローブ操作補助装置
11 アームユニット
12 把持部(力検出手段)
33 カバー
35 センサ
40 力検出部(力検出手段)
41 駆動制御部(制御手段)
50 プローブ操作補助装置
51 力センサ(力検出手段)
52 腕支持体
A 腕部
H 被検者
K 検査者
P プローブ
S 隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査者が超音波診断装置のプローブを把持しながら、当該プローブで被検者の体表部分を押圧する際のプローブ操作を補助する装置であって、
前記プローブを保持して、当該プローブが所定空間内で移動可能となるように動作するアームユニットと、前記プローブ操作時に前記検査者により前記プローブに付与された力の方向及び大きさを検出する力検出手段と、当該力検出手段による検出結果に応じて前記アームユニットの動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段では、前記プローブに付与された力の方向に当該力を増幅させた状態で、前記プローブにより前記体表部分を押圧するように、前記アームユニットの動作を制御することを特徴とする超音波診断装置用のプローブ操作補助装置。
【請求項2】
前記力検出手段は、前記プローブに取り付けられ、前記プローブ操作時に前記検査者が把持する把持部と、当該把持部に付与された力の大きさ及び方向を求める力検出部とを備え、
前記把持部は、前記プローブの周囲に隙間を介して装着される中空のカバーと、当該カバーの内側に設けられたセンサとを備え、
前記カバーは、前記プローブ操作時に付与された力によって弾性変形可能に設けられ、
前記センサは、前記カバーの内面と前記プローブとの離間距離を測定可能に設けられ、
前記力検出部では、前記センサで測定された前記離間距離に応じて、前記把持部に付与された力の大きさ及び方向を求めることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置用のプローブ操作補助装置。
【請求項3】
検査者が超音波診断装置のプローブを把持しながら、当該プローブを移動させる際のプローブ操作を補助する装置であって、
前記検査者の腕部を支持する腕支持体と、この腕支持体を保持するとともに、当該腕支持体が所定空間内で移動可能となるように動作するアームユニットと、前記検査者が前記プローブを移動させる際に、前記腕支持体に作用する力の方向及び大きさを検出する力検出手段と、当該力検出手段による検出結果に応じて前記アームユニットの動作を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段では、前記力検出手段で検出された力の方向及び大きさに応じて前記腕支持体が移動するように、前記アームユニットの動作を制御することを特徴とする超音波診断装置用のプローブ操作補助装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−182978(P2011−182978A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51918(P2010−51918)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年9月15日 社団法人日本ロボット学会主催の「第27回日本ロボット学会学術講演会」に文書をもって発表
【出願人】(899000068)学校法人早稲田大学 (602)
【出願人】(390029791)日立アロカメディカル株式会社 (899)
【Fターム(参考)】