説明

超音波診断装置

【課題】操作者の経験によらない均質な検査を実現できるよう支援し、さらに検査報告書の作成時間短縮や、検査数のスループットの向上を図る超音波診断装置を提供する。
【解決手段】被検体の検査オーダ情報を受信する検査オーダ情報受信部と、受信した前記検査オーダ情報を解析し、検査に必要な検査部位と検査項目とを出力する検査リスト作成部と、出力された前記前記検査部位および前記検査項目から当該検査に適する操作方法を明示する検査方法支援部と、被検体内の撮影対象に向けて超音波の送受信を行うための超音波プローブと、前記超音波プローブを駆動して超音波を送信するとともに、前記被検体からの反射信号を受信する送受信部と、この送受信部により得られた受信信号から被検体内部画像を生成する画像データ生成部と、この画像データ生成部が生成する前記被検体内部画像および前記検査方法支援部が明示する操作方法を表示する表示部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置に係わり、特に操作者に対して支援を行うことが可能な超音波診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波画像診断の利点は、非侵襲でしかもリアルタイムに体内の状態を観察できることであり、日帰りで多くの患者を検査できる。この利点により、超音波検査を受ける1日あたりの患者数は近年増加の傾向を示し続けている。
【0003】
従来の超音波診断では、医師より検査技師に対して検査部位などを指定した検査の指示(検査オーダ情報)がなされる。医師からの検査オーダ情報は、印刷物(手書きカルテ含む)、あるいはネットワーク経由の電子情報(電子カルテなど)などで提示され、検査技師はその指示に基づいて検査を行い、検査結果を報告する。この検査結果の報告も同じく印刷物、若しくは電子カルテなどを利用するが、その検査報告の記載作業は検査終了後に行い、電子カルテに実施した検査項目や検査結果の画像データを添付し、検査を依頼した医師宛に返送する作業を行う。
【0004】
また、医師から検査技師に対して送られる検査オーダ情報には患者の検査部位の指示があるが、検査部位に応じた詳細な検査内容や手順については、通常検査技師自身が考えて実施している。従って、同一検査ではあっても、その検査に要する時間や細かな検査内容は、検査を実施する検査技師本人の技量や裁量などで変わる。このように超音波画像検査は、超音波プローブの操作における検査技師の手腕に関わる部分も多く、検査の均質化がなされず、検査結果を分析する上でも問題があった。
【0005】
超音波診断装置の性能の向上に伴い、検査対象となる部位は多岐にわたるようになり、各分野の医師から検査を依頼される検査技師は、日々、多数の患者の様々な検査部位の検査を担当することになっている。
【0006】
患者毎に報告書を作成する必要があるため、一般的にはその患者の検査が終了すると、その検査結果をまとめ、その報告書あるいは検査カルテを作成して医師に送付し、次の患者の検査に移行する手順を採る。しかし、このような手順で検査および報告を行うと次のような問題が発生することとなる。
【0007】
(1)検査の終了後、例えば患者帰宅後になってから検査漏れが判明すると、後日再検査が必要となってしまう。
(2)検査終了後に報告書を作成しているので、或る検査から次の検査開始までの時間ロスが大きくなる。
また、検査部位が多岐の専門分野にわたるので、技師が全検査に対して熟練するまで時間が必要であり、しかも検査の円滑な進行のために、医師が熟練した検査技師を個別に指定することもできない。さらに熟練した検査技師の数も限られていることから次のような問題が発生する。
(3)検査技師ごとに検査の質が異なって検査結果が変わる可能性が生じ、場合によっては患者の不満につながる。
(4)熟練検査技師の時間的な制約や体力的制約から、未熟な検査技師の教育が行き届かず、操作を行う際に適切で十分なアドバイスを行うことができない。
【0008】
特に(1)、(2)に関する解決策として、検査オーダ情報に対する検査漏れが早期に確認できるように、担当医から供給された検査指示書に基づいて当該患者に対する複数の検査モードの超音波検査を順次行う際、画像データと共に検査履歴データの生成と出力を行う超音波診断装置物が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−280640号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1開示の超音波診断装置によれば、取得した画像に対し、検査時刻、画像収集モード、計測法、アプリケーションなどの検査履歴データがその画像と連動して作成される。したがって、検査漏れを防止することができて検査を効率化することが可能となる。これにより上述の(1)、(2)の問題をほぼ解決することが可能である。しかしながら、(3)、(4)の問題点のように、検査技師の経験や技量によって生ずる検査の不均質性は解決されないという問題点がある。
【0011】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、未熟な操作者に対しても適切かつ十分なアドバイスを与えることができ、操作者の経験や技量に依存しない均質な検査が実現できるとともに、検査報告書の作成時間短縮し検査および報告を全体として効率化することが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、被検体の検査オーダ情報を受信する検査オーダ情報受信部と、この検査オーダ情報受信部により受信した前記検査オーダ情報を解析し、検査に必要な検査部位と検査項目とを出力する検査リスト作成部と、この検査リスト作成部から出力された前記前記検査部位および前記検査項目から当該検査に適する操作方法を明示する検査方法支援部と、被検体内の撮影対象に向けて超音波の送受信を行うための超音波プローブと、前記超音波プローブを駆動して超音波を送信するとともに、前記被検体からの反射信号を受信する送受信部と、この送受信部により得られた受信信号から被検体内部画像を生成する画像データ生成部と、この画像データ生成部が生成する前記被検体内部画像および前記検査方法支援部が明示する操作方法を表示する表示部と、を有することを特徴とする超音波診断装置を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、未熟な操作者に対しても適切かつ十分なアドバイスを与えることができ、操作者の経験や技量に依存しない均質な検査が実現できるとともに、検査報告書の作成時間短縮し検査および報告を全体として効率化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の操作及び処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の検査オーダ情報画面の例である。(a)はリスト形状画面、(b)は2次元形状画面、(c)は3次元形状画面である。
【図4】本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の検査支援の表示例である。(a)は上部頚動脈に対する表示例、(b)は下肢断面に対する表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の機能ブロック図である。
【0016】
図1において超音波診断装置100は、被検体101に対して超音波の送受波を行う超音波プローブ102と、超音波プローブ102を駆動して超音波を発信させ、被検体101のエコー信号を受信する送受信部103と、受信したエコー信号から検査部位の断層像データあるいはドプラ画像データを表示画像データへ変換するスキャンコンバータ部104と、表示画像データを記憶するメモリ部105と、表示画像データを表示する表示部106と、この装置を操作するための操作パネル部107と、超音波診断装置として機能するように各部を制御するための制御部108から構成される。
【0017】
また制御部108は、電子的に検査オーダ情報を受信するための、外部ネットワーク例えば院内情報システム( HIS:Hospital Information system )のネットワーク109、HISネットワーク109からデータを送受信するためのネットワークI/F(インタフェース)部110、および超音波診断装置100全体を制御するCPU部111と、HISネットワーク109からネットワークI/F110を介して受信した検査オーダ情報を格納し、その内容を解析する検査オーダ情報受信部112と、検査オーダ情報を元に超音波診断装置100上で検査を行う部位および検査項目を一覧リストにして表示する検査リスト作成部113と、検査部位もしくは検査項目に対応した検査部位画像を表示制御する検査部位表示制御部114と、検査部位に規定される検査項目、検査手順や検査方法が記載された検査プロトコルデータベース(DB)部115、検査部位に対応した部位画像とプローブ画像が格納された部位プローブ画像データベース(DB)部116から構成される。
【0018】
検査プロトコルDB部115には、検査対象となる臓器や器官ごとあるいは検査形態ごとに、検査項目と、その検査項目に対応する検査の手順、及び検査結果に対する判定基準などのデータが記憶保存される。
【0019】
部位プローブ画像DB部116には、検査の対象となる部位について、適用可能な超音波プローブ102の形態やサイズ、及びスキャン方式の各分類に対応する具体的な超音波プローブ102の操作についての情報が蓄積保存されている。この蓄積保存される情報には、過去の取得データを症例毎あるいは部位毎に参考事例として含まれる。
【0020】
検査リスト作成部113は、検査プロトコルDB部115から検査対象となる部位の検査項目を検索し、必要に応じて部位プローブ画像DB部116から検査対象となるボディーマーク画像を取得する。その後、検査部位表示制御部114を介して表示部106に検査リストの表示を行う。
【0021】
検査部位表示制御部114は、検査プロトコルDB部115及び部位プローブ画像DB部116から取得した情報を、制御CPU部111を介して表示部106に表示させるための制御を行う。
【0022】
本発明一実施形態の超音波診断装置の操作及び処理の手順を図2に示す。検査オーダ情報の有無を確認し、これがある場合にはこれに基づいて被検体の超音波検査及び検査データの取得を行う場合につき、図1を参照しながら説明する。
【0023】
まずステップS201では、HISネットワーク109からネットワークI/F110を介して受信した検査オーダ情報があるかどうかを確認する。外部ネットワーク経由で送られた検査オーダ情報がない場合(S201:No)には、操作者である検査技師は、操作パネル部107もしくは表示部106に設置されたTCS(Touch Command Screen)から、被検体101の患者情報を入力(S202)する。そして、これから検査を行う被検体101の検査オーダ情報を超音波診断装置に入力する(S203)。検査オーダ情報が入力されると、さらに細分化された検査部位の項目リストが検査リスト作成部113により作成される。この検査項目リストの作成は、検査プロトコルDB部115を検索することによって自動的に行われる(S204)。
【0024】
一方、外部ネットワーク経由で検査オーダ情報が入ってくる場合(S201:Yes)には、検査オーダ情報受信部112では、受信した検査オーダ情報データから被検体情報と検査オーダ情報を読み取り、その情報を検査リスト作成部113に送る。検査オーダ情報が入力されると、検査リスト作成部113はさらに細分化された検査部位の検査項目のリストを作成する。例えば、担当医師から頚部という検査部位が指定された場合、検査リスト作成部113では頚動脈上部、頚動脈下部、さらには左右頚動脈等の細分化された検査項目を、検査プロトコルDB部115を検索することによって取得する。さらに検査部位に対応したボディーマーク画像を表示するために、部位プローブ画像DB部116を検索して所望のボディーマーク画像を取得し、その結果を検査部位表示部114に伝えることによって、表示部106において検査オーダ情報の詳細を表示する(S205)。
【0025】
図3は、表示部106に表示される検査オーダ情報の表示画面の例であり、図3(a)はリスト形状画面、図3(b)は2次元形状画面、図3(c)は3次元形状画面の例を各々示している。例えば図3(a)では、患者IDと担当医師の氏名がリスト上部に示され、リスト左には検査部位の詳細項目31と担当医師からの追加指示等32が記載されている。
【0026】
図3(b)では、図3(a)のリストに加え、部位プローブ画像DB部116から取得した2次元のボディーマーク33が追加表示される。さらに、検査の進捗状態を表すスイッチ、ここではチェックボックス34a〜34fが検査部位ごとに表示される。各チェックボックス34a〜34fは、例えば、34a、34bの白色表示では今回検査を行う検査部位を示し、34c〜34fのグレー表示では、今回検査をしない検査部位を示す。
【0027】
今回検査をするかどうかの判断は、受信した検査オーダ情報から自動的に判別するとともに、検査技師の裁量によっても変更でき、例えば超音波診断装置100のメニューから変更できる。これから開始する検査項目31に対応する各チェックボックス34a〜34fのどれかをクリックすることによって、このチェックボックスに対応する検査部位の検査を開始する。検査終了時にはこの検査対象のチェックボックス34a、34bにチェックマークを付ける。あるいは、超音波診断装置100においてチェックマークが自動的に付けられる。これによって検査部位の検査が終了していることを確認できる。尚、検査中であることを示すために、例えばこのチェックボックスを青色など異なる色で表示することもでき、検査中であることを容易に認識できる。
【0028】
図3(c)では、3次元画像による検査部位が示されている。このように、内部の血管等を表示することによって、検査部位を容易に認識できるようになる。さらに検査状態を表すスイッチとしてここでは、ボタン(もしくはトグルボタン)36a、36bが表示される。
【0029】
このボタン表示においては、検査中、検査終了、検査対象部位、検査非対象部位などの検査状態を異なる色、またはボタン形状の凹凸状態などの組み合わせで表示する。尚、図3で示した表示例は、種々組み合わせることによって変形可能である。
【0030】
図3(b)および図3(c)のように2次元または3次元のボディーマークを表示する場合には、部位プローブ画像DB部116から検査オーダ情報に記載された部位の画像を検索して取得し、表示部106の画面上に表示する。
【0031】
以上述べたように、表示部106に表示された検査部位に対して例えば図3(b)では、チェックボックス34aをクリックすることにより、左頚動脈上部の超音波画像検査を開始する(S206)。表示部106に表示される検査支援の表示例を図4に示す。図4(a)は上部頚動脈に対する表示例、図4(b)は下肢断面に対する表示例である。
【0032】
まだ、検査に習熟しておらず超音波診断装置の操作に自信がない検査技師の場合は、操作方法の表示を選択する(S207:Yes)。
【0033】
そうすると、チェックボックスをクリックした検査対象の部位に対して詳細な検査の操作方法、手順、あるいは検査位置やプローブの扱い方法が示される。すなわち、部位プローブ画像DB部116からプローブ画像41が読み出され、図3(c)の画像にプローブ画像41を重ね合わせて図4(a)のような画像42が表示部106の画面に表示される(S208)。
【0034】
このようにプローブ画像41を重ね合わせて表示されるので、操作を行う検査技師は、頚部に対してどの様な角度、どの様な方向から、どの種類のプローブを使用すれば良いのかが一目瞭然に理解できる。
【0035】
ここで操作方法表示の他の具体例を説明する。例えば、図4(b)に示すように、下肢の静脈血管を検査する場合、下肢の静脈血管検査の高さ位置や静脈走行方向と超音波プローブ102の当接装着向きをイラストにて指示し、超音波プローブ102を示す画像43によって、ミルキングの操作を行う時の押圧の程度を指示する。この指示は、加圧具合について「弱く」から「強く」へ、例えば3段階の指示を表示する。この場合、プローブ画像43の表示色を例えば緑、黄、赤と変化させたり、プローブ画像43のサイズを小、中、大で表示して、操作者に示すことが可能である。ここで表示される情報は操作方法を示す画像だけでなく、検査部位の解説文や検査採取すべき超音波画像例なども表示することにより、未熟な検査技師に対して教育的な支援を行い、超音波検査を習熟できるようにしても良い。操作方法の表示は、操作に熟練している検査技師に対して標準的な操作方法を示す意味もあり、結果的には均質な診断を行うことにもつながる利点がある。
【0036】
過去に同じ検査項目で取得した超音波画像データを、検査プロトコルDB部115及び部位プローブ画像DB部116に関連付けて予め蓄積保存し、過去症例データベースとしてこれらを構成するようにしてもよい。また同被検体の過去に取得された同検査の検査画像データも保存しておけば、このような同被検体の過去画像は、操作者にプローブ位置操作における示唆をより多く与えることがあり提示する意義は高い。
【0037】
熟練した検査技師であるなど、操作方法を表示する必要がない場合には、ステップS207でNoからステップS209に進み、ステップS208をスキップする。
【0038】
ステップS209では対象の検査項目を終えた場合、図3(b)に示すように、検査項目のチェックボックス34a、34b枠内にチェックすることにより、この検査項目についての検査が終了したことを入力する。この検査終了の入力は、指定の手順に沿って検査が終了した場合は自動的に行われるようにしてもよい。
【0039】
更に、ステップS210では、検査を指示された全項目が、全て終了し、全てのスイッチにチェックマークが付けられていること、すなわち検査が完了しているか、否かを判定し、全てを完了していない(S210:No)の場合、すなわち「検査の残件」がある場合は、ステップS206に戻って、未完の検査を行う。指示のあった全ての検査事項の検査結果を得る(S210:Yes)と、検査を行うループ処理を終える。
【0040】
次のステップS211では、例えば、図3(b)に示すような頸動脈検査において実施すべき重要部位に対し、チェックボックス34a、34bに検査済みとしてチェックマークが表示されていることを表示部106の表示画面上で確認する。そして必要であれば、これを検査完了の記録として印刷出力する。これにより、検査を実施した検査技師自身が、検査における検査漏れを確認できる効果があり、検査終了時に検査技師が作成する報告書となる。
【0041】
尚、図3(b)に示すようにチェックボックス34bにチェックが付けられていない場合は、印刷時に全検査が終了していないことの警告を表示部106の画面上で表示することも可能である。
【0042】
最後にステップS212において、検査の依頼元の医師に対し、前記検査終了報告書を、HISネットワーク109を介して提出する。上述の実施形態の説明では、検査項目が2つの場合で説明したが、3以上の検査項目に対して同様にして行うことが可能である。
【0043】
本実施形態の超音波診断装置によれば、多数の検査項目を有する検査依頼であっても、全検査項目リストを編成して、検査部位の指示、プローブの種類や被検対象への当接方法をイラストなどにより図示するので、検査手法を統一できると共に、熟達していない検査技師でも高質の超音波検査を実施、維持できる。
【0044】
また、検査項目毎の検査終了を確認できるスイッチを備えているので検査漏れを未然に防止できると共に、検査後における報告書作成の煩雑さを排除することができ、検査および報告の全体業務を効率化できる。
【0045】
さらに、超音波検査の操作手順と、検査オーダ情報の受信、検査報告の発信などの情報伝達とが、ネットワークを介して連携して処理されるので迅速且つ正確に実施できる。
【0046】
従って本発明による超音波診断装置によれば、検査技師の検査業務の経験分野や経験年数などによらない均質な検査内容を保証でき、さらに検査報告書作成時間の短縮や、検査数の増加を図ることができる。
【0047】
なお、上記実施形態のステップS212では、HISネットワーク経由で検査済みの報告書を提出したが、本発明においてこの報告書の提出は必ずしも必要でない。また、上記実施形態では、HISネットワークで検査オーダ情報を得ていた。しかし、本発明において必ずしもHISネットワークを用いて検査オーダ情報を得る必要はない。さらに、本発明においては、検査オーダ情報は必ずしもネットワークを経由して得る必要はない。
【0048】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。本発明の技術思想を用いる限りこれらの変形例も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
100…超音波診断装置、
101…被検体、
102…超音波プローブ、
103…送受信部、
104…スキャンコンバータ部、
105…メモリ部、
106…表示部、
107…操作パネル部、
108…制御部、
109…HISネットワーク、
110…ネットワークインタフェース、
111…制御CPU部、
112…検査オーダ情報受信部、
113…検査リスト作成部、
114…検査部位表示制御部、
115…検査プロトコルデータベース(DB)部、
116…部位プローブ画像データベース(DB)部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の検査オーダ情報を受信する検査オーダ情報受信部と、
この検査オーダ情報受信部により受信した前記検査オーダ情報を解析し、検査に必要な検査部位と検査項目とを出力する検査リスト作成部と、
この検査リスト作成部から出力された前記前記検査部位および前記検査項目から当該検査に適する操作方法を明示する検査方法支援部と、
被検体内の撮影対象に向けて超音波の送受信を行うための超音波プローブと、
前記超音波プローブを駆動して超音波を送信するとともに、前記被検体からの反射信号を受信する送受信部と、
この送受信部により得られた受信信号から被検体内部画像を生成する画像データ生成部と、
この画像データ生成部が生成する前記被検体内部画像および前記検査方法支援部が明示する操作方法を表示する表示部と、
を有することを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記検査オーダ情報受信部はネットワークを介して前記検査オーダ情報を受信するとともに、
前記検査オーダ情報に対する前記検査項目の検査経過を、前記ネットワークを介して報告する検査報告部を更に有することを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記操作方法の図示と前記被検体内部画像とを重畳表示することを特徴とする請求項2記載の超音波装置。
【請求項4】
前記検査リスト作成部は、前記検査オーダ情報に記載された検査部位から詳細な検査項目を検索可能なデータベースと、
検査部位と検査項目とが関連付けられたボディーマーク画像を検索可能なデータベースと、
を備えることを特徴とする請求項3記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記検査方法支援部は、前記検査項目に関連付けられた使用すべきプローブの種類、プローブの操作方向、プローブの加圧程度、検査手順を検索できるデータベースと、
検査部位と検査項目とが関連付けられた断層画像、断層模式図、あるいは被検体自身の過去断層像を検索できるデータベースと、
を備えることを特徴とする請求項4記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記検査報告部は、前記検査項目に対応して検査経過を表示するスイッチが設けられることを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記検査報告部は、前記検査経過を表示するスイッチに対して操作者が入力できる構成であることを特徴とする請求項6記載の超音波診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−72526(P2011−72526A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−226647(P2009−226647)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】