超音波遵守ゾーンシステム
遵守ゾーンを確立し、該遵守ゾーンとの相互作用をモニターするシステムが提供される。該システムは遵守ゾーン指示器と着用デバイスとを有する。該遵守ゾーン指示器は該遵守ゾーンを確立するため超音波信号を送信する。該超音波信号は該遵守ゾーンに関する情報で符号化される。該遵守ゾーン指示器は該遵守ゾーンが望まれる場所への配置用に構成されている。該着用デバイスは該遵守ゾーン指示器とは別になっている。該着用デバイスは該遵守ゾーンを認識し、該遵守ゾーン用の1つ以上の予め規定された相互作用基準を識別するよう構成された遵守ゾーン認識部品を有する。該着用デバイスが該遵守ゾーン内にあると、該遵守ゾーン認識部品は該遵守ゾーンを認識し、該遵守ゾーンの相互作用規準を識別する。該相互作用基準に基づき、該着用デバイスは該相互作用基準の遵守を判定し、記録する。該記録されたデータはオプションで実時間警告を起こさせるため使われてもよい。該記録されたデータはまた、オプションでプロトコルの遵守の次の分析と文書化で使われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の例示用実施例は施設内プロトコルのモニタリング及び励行に関する。特に、例示用実施例は、超音波信号を使うデータ伝送を通しての指定された遵守ゾーンの確立と、プロトコル遵守の判定用の該指定された遵守ゾーンとの相互作用のモニタリングと、に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの施設は健康、安全、保険及び規制の要求を遵守させるプロトコルを配置している。工場や病院の様な大きな施設では、プロトコルの強制を追跡される必要のある多数の人、機器、範囲、及び他のリソースがある。関与する大きな数に加えて、この様な大型施設ではまた、多種類の人、機器、範囲及びリソースがある。該多種類の人、機器、範囲及びリソースの各々は、多種類の関連するプロトコルを有する。
【0003】
遵守プロトコルの例として、有資格要員のみがアクセスを許される施設内の特定範囲又はゾーンがある。工場では、これらの遵守ゾーンは、危険な機器又は化学品が使われ、適切な安全装置を有する有資格要員のみがアクセスを許される危険ゾーンである。ゾーン用に必要な資格のレベルは、該ゾーン内にいる時ヘルメットが必要なことから、該ゾーン内にいる時防護服及びレスピレーターが必要なことまでに及ぶ。施設はまた、或るプロトコルが護られねばならないクリーンルーム及び安全室の様な他のゾーンを有してもよい。これらのゾーンへのアクセスは要員に、特定の訓練又はアクセス権限を有するか、又は該ゾーンに入る、該ゾーンから出る又は該ゾーンに留まる時、或るアクションを行うことを求める。
【0004】
病院もまた、関与する種々の人(非従業員及び従業員の種類)、機器、範囲及びリソースで変わる多くのプロトコルを規則的にモニターし、強制せねばならない。どんな時でも、医療専門家、管理スタッフ及びハウスキーピングスタッフに加えて、病院内には多数の患者、訪問者、コンサルタント、建設業者等が居る。これらの個人の各々は、彼等に組み合わされる種々のプロトコル要求を有する。病院はまた、患者室、実験室、手術室、クリーンルーム、集中治療範囲、隔離範囲、放射線学室、記録室、管理オフィス、データ及びセキュリティセンター、医薬供給室の様な、特定プロトコル要求を有する幾つかの範囲を備える。これらの範囲の各々は種々のプロトコルを要する。病院はまた、一時的又は非恒久的プロトコルの使用を要してもよい。例えば、特定の患者又は機器片用には防護プロトコルが要求される。患者又は患者を保持するベッドが接触伝染性と指定された場合、適当な有資格のそして装備した医療専門家だけが該患者又はベッドに近付くことが許される。或る環境では、医療専門家は、或る診断を有する患者に近付く時はN95レスピレーターの使用、又は遵守ゾーンを出る時は手を洗滌する必要性、の様な典型的又は非典型的なプロトコルの遵守を求められる。他のプロトコルは人又は範囲の種類について汎用的である。
【0005】
例え簡単なプロトコルの強制でも、病院の様な大きなそして忙しい施設を扱う時は難しく、実時間の強制は極端に難しい。模範的な病院プロトコルは手の衛生又は手洗浄プロトコルである。研究は、手の衛生プロトコルへの適切な遵守は、院内感染により引き起こされる罹病率及び死亡率を著しく減じることが出来ることを示す。しかしながら、手の衛生のプロトコルで指定された動作の強制は、モニタリングを要する多数の個人と、病院内部の一般的に忙しく、速いペースの環境のために病院では難しい。
【0006】
プロトコルの遵守のモニタリングの或る技術は、各ゾーンが該ゾーンに関係する特定プ
ロトコルを有するゾーンを該施設内に確立することを含む。例えば、患者のベッド付近のクリーンゾーンは、該クリーンゾーンの汚染を避けるために手洗浄プロトコルを要する。これらの技術は、リソース、例えば病院スタッフについて、該リソースが該ゾーンに関係するプロトコルを遵守したかどうかを判定するために、ゾーンとの相互作用をモニターする。
【0007】
ゾーンを確立する或る従来の技術は、ゾーンの境界を指示するために赤外線信号を送信する過程を含む。赤外線信号は見通し線に依っており、すなわち、該信号は直線で伝播し、一般に障害物を通り抜けたり、障害物を回り込んだりは出来ない。赤外線は幾つかの従来のゾーン確立システム用には好適であり、何故ならば赤外線信号は壁を貫通せず、良く規定されたゾーン内に囲い込まれるからである。
【0008】
しかしながら、赤外線信号の送信でゾーンを確立する従来技術には著しい欠点がある。一般に従来のシステムは、赤外線送信器と赤外線受信器の間の見通し線がブロックされる場合、例えば臨床医が着用した受信器バッジが該臨床医の衣服、或いは或る患者室で着用することを求められる防護服装、によりカバーされる場合、作動しない。この様であるから、臨床医が着用するバッジ上の赤外線信号受信器は、常に衣服の外に曝されねばならない。これは、例えば頸又は肩の後ろに於ける様に、バッジの不快な又は望まない配置を要することが多い。衣服外のバッジの露出はまた、該衣服の感染抑制バリアを破り、該違反は赤外線受信器バッジをクリーンな範囲での使用に不適当とさせる。赤外線受信器バッジを着用する病院スタッフメンバーは、かくして如何に、そして何処へ該バッジを着用するかを意識している必要がある。同様な理由で、手洗浄ステーションの使用を示す赤外線送信器は手洗浄ディスペンサー内へ組み込むことができない。何故ならば該赤外線信号が該ディスペンサーのケーシングを貫通しないからである。
【0009】
赤外線信号はまた、障害物が該赤外線送信器と受信器の間の主信号経路を覆う時起こるシャドーイングに影響され易い。従来の技術は一つ信号のゾーンを確立するために、赤外線送信器の大型で複雑なセットを使うことにより該シャドーイングの問題を克服するよう企てている。これらの従来の技術は設置するのに高価であり、多大なインフラストラクチャーを要する。
【0010】
ゾーンを確立する他の従来技術は、該ゾーンの境界線を指示するために無線周波(RF)信号又は無線自動識別(RFID)信号の送信を含む。無線周波信号は見通し線に依らず、一般的に障害物を通り抜けるか、回り込む。この特性は、例えば臨床医着用バッジ上の無線周波受信器がゾーンの施設輪郭に実質的に無関係に無線周波送信器からの信号を信頼性を保って受信することを可能にする。しかしながら、この見通し線に依らぬ特性はまた、該無線周波信号が壁を貫通することが出来て、壁のセット間に規定されたゾーン内に信頼性を保って囲い込まれ得ないことを意味する。例えば、部屋内のゾーンを規定するために部屋内で送信する無線周波信号は、隣接室内の該ゾーン外の無線周波受信器により受信される。かくして、これらの従来システムでは、無線周波受信器は受信された信号のソースを識別することに困難を有する。
【0011】
上記欠点にも拘わらず、赤外線及び無線周波の両信号は超音波の様な他の技術に優ってゾーンを確立するために好ましい技術として役立って来た。超音波信号はデータ伝送に適しない。超音波信号はマルチパス干渉を非常に起こしやすく、該干渉は1つのソースからの波が2つ以上の経路を経由して検出器へ進み、適した条件では該波の2つ以上の成分が干渉する現象である。
【発明の概要】
【0012】
上記を考慮して、例示用実施例は範囲及び個人と関係するプロトコルの遵守をモニター
し促進するシステムを提供する。該システムはプロトコルと関係する行動をモニターし、該行動の該プロトコルへの遵守を判定する。該システムは関与する範囲又は個人に基づき、必要な様に構成可能である。
【0013】
例えば、例示用実施例で提供されるシステムは遵守ゾーンを確立し、該遵守ゾーン内及び該ゾーンの近くでの種々の個人の行動をモニターすることが出来る。遵守ゾーンは、遵守ゾーン指示器からの信号送信を使って確立される。該遵守ゾーンと相互作用する各個人は着用デバイスを備える。該着用デバイスは該遵守ゾーン指示器により送信された信号を認識し、該遵守ゾーンと相互作用するための1つ以上の予め決められた又は予め規定された基準を識別する。これらの基準は、該遵守ゾーンと関係する1つ以上のプロトコルに関係しており、プロトコルを強制するよう行動に影響し、行動をモニターしそして行動を文書化するのに必要な様に構成可能である。該システムは、該着用デバイスの着用者が該基準を遵守し、従って該遵守ゾーンと関係する該プロトコルを遵守しているかどうかを判定する。
【0014】
更に、ゾーン確立に赤外線及び無線周波信号伝送を使う欠点を考慮し、そして超音波がデータ伝送用に好適でないと言う従来の見方にも拘わらず、例示用実施例により提供されるシステムはゾーン確立に超音波伝送を使う。超音波は赤外線よりも少ししか見通し線に依らず、無線周波よりも多く見通し線に依る。超音波信号が障害物により完全には阻止されないので、送信器及び受信器は該ゾーンの施設輪郭に無関係に超音波を使って高信頼性状態で通信出来る。他方、超音波信号は壁を貫通出来ないので、該システムはゾーンが明確に定義されること、そしてゾーンを確立する超音波信号の送信は該ゾーンの外部の受信器により受信されないことを保証する。超音波信号はデータ伝送には好適でないが、例示用実施例は超音波信号のデータを符号化し、そして符号化された超音波信号からデータを復号するシステムと方法を提供する。例示用システムと方法はまた、超音波信号に関係するマルチパス干渉の問題を緩和する。
【0015】
本発明の1つの例示用実施例に依れば、遵守ゾーンを確立し、該ゾーンとの相互作用をモニターするシステムが提供される。該システムは遵守ゾーン指示器を有し、該遵守ゾーン指示器の近傍で該遵守ゾーンの創生に帰着する様な仕方で超音波システムを使ってデータを送信するよう構成された該遵守ゾーン指示器を有している。該超音波信号は、バースト当たり8搬送波サイクルとバースト当たり10搬送波サイクルの間にあって、かつ含むバーストを有する。該システムはまた、該遵守ゾーン指示器とは別の着用デバイスを有する。該着用デバイスは、該着用デバイスが該遵守ゾーン内で該超音波信号を通してデータを受信した時、該遵守ゾーン用の予め規定された相互作用基準を識別するよう構成された遵守ゾーン認識部品を有する。該着用デバイスが該遵守ゾーン内に配置されると、該遵守ゾーン認識部品は該遵守ゾーンの相互作用基準を識別し、該相互作用基準に従って動作する。該着用デバイスはまた、該遵守ゾーンの該相互作用基準の遵守を判定し、記録する。該記録データはオプションではリアルタイムの警報を作動させるため使われる。該記録データはまた、オプションで続くプロトコル遵守の分析及び文書化で使われる。
【0016】
本発明のもう1つの例示用実施例に依れば、遵守ゾーンを確立し、該ゾーンと相互作用する方法が提供される。該方法は遵守ゾーン指示器を使い、超音波信号を使ってデータを送信する過程を具備し、該遵守ゾーン指示器の近傍での遵守ゾーン創生に帰着する様な仕方で該データの送信を行う過程を具備しており、該超音波信号は複数のバーストを有し、該複数のバースト内の連続するバーストは予め規定された時間間隔だけ時間的に離れており、該複数のバースト内の該連続するバースト間の全ての該予め規定された時間間隔のシーケンスは該遵守ゾーンを独特に識別する。該方法はまた、着用デバイスの遵守ゾーン認識部品を使って該遵守ゾーン用の予め規定された相互作用基準を識別する過程を具備し、該着用デバイスが該遵守ゾーン内で該超音波信号を通して該データを受信する時、該識別
する過程を具備しており、該遵守ゾーン認識部品は該相互作用基準に従い動作する。
【0017】
本発明のなおもう1つの例示用実施例に依り、1方法が提供される。該方法は、第1超音波信号を送信する過程であって、該第1超音波信号の送信の近傍の遵守ゾーンの創生に帰着する方法で該第1超音波信号を送信する過程と、第1着用デバイスを使って該遵守ゾーンと関係する相互作用基準を識別する過程であって、該第1着用デバイスが該遵守ゾーン内で該第1超音波信号を受信する時に該識別する過程と、を具備する。該方法はまた、該第1着用デバイスを使って該相互作用基準と関係したアクションを行う過程を具備しており、該アクションは第2着用デバイスと通信する第2超音波信号を送信する過程を有する。該方法は該第2着用デバイスに於いて該第1着用デバイスからの第2超音波信号を受信する過程と、該第2着用デバイスに於ける該第2超音波信号の受信を記録する過程と、を更に具備する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明のこれら及び他の特性は添付した図面と連携した下記詳細説明を参照することにより充分に理解される。
【図1】遵守ゾーンを確立し、該ゾーンとの相互作用をモニターするシステムの例示用実施例のブロック線図を図示する。
【図2】遵守ゾーン指示器の例示用実施例のブロック線図を図示する。
【図3】図2の例示用保護ゾーン指示器の斜視図を図示する。
【図4】使用可能な着用デバイスの例示用実施例のブロック線図を図示する。
【図5A】バッジを成している例示用着用デバイスの正面斜視図を図示する。
【図5B】図5Aのバッジの背面図を図示する。
【図6A】バッジホルダーを成している例示用着用デバイスの正面斜視図を図示する。
【図6B】図6Aのバッジホルダーの背面図を図示する。
【図7】遵守ゾーンを確立するための方法論の1つの例示用実施例のフローチャートである。
【図8A】超音波信号のバーストの例示用実施例のパルスを図示する。
【図8B】超音波信号のメッセージの例示用実施例内のバーストを図示する。
【図8C】超音波信号のメッセージの例示用実施例のメッセージビットを図示する。
【図9】超音波信号内の符号化されたメッセージの復号で使用される例示用メッセージ翻訳ロジックのフローチャートである。
【図10】メッセージの周期的冗長検査(CRC)チェックサムを計算する例示用の方法のフローチャートである。
【図11】CRCチェックサムを使ってメッセージの有効性を判定する例示用の方法のフローチャートである。
【図12】遵守ゾーンを確立し、該ゾーンとの相互作用をモニターする例示用の方法のフローチャートである。
【図13】病院内で手洗浄要求を強制するシステムの例示用実施例を図示する。
【図14】図13のシステムの1部分のブロック線図を図示する。
【図15】図14で図示する着用デバイスと手洗浄ステーションの間の相互作用の例示用の方法のフローチャートである。
【図16】病院内で手洗浄要求を強制する例示用の方法のフローチャートである。
【図17】遵守ゾーンを離れた後に、病院内で手洗浄要求を強制する例示用の方法のフローチャートである。
【図18】手術室内で中断プロトコルを強制するシステムの例示用実施例を図示する。
【図19】手術室内で中断プロトコルをモニターし、強制する例示用の方法のフローチャートである。
【図20】ベースステーションの例示用実施例を図示する。
【図21】ベースステーションにより提供されるグラフィカルユーザーインターフェースの例示用実施例を図示する。
【実施例1】
【0019】
例示用実施例は施設内の指定範囲の使用及び/又は該範囲との相互作用に関するプロトコルを強制するシステムと方法を提供する。これらの指定範囲に関するプロトコルを強制するために、該システムは、プロトコル強制が望まれる範囲内に遵守ゾーンとここでは呼ばれるものを確立する。或る例示用実施例では、該遵守ゾーンは保護された範囲内、例えば患者の周りに又はクリーンな範囲内に、確立されてもよい。これらの実施例では、該遵守ゾーンは防護されるゾーンであると考えられてもよい。
【0020】
該システムをこれらの遵守ゾーンを遵守ゾーン指示器を使い確立する。該遵守ゾーン指示器は1つ以上の超音波信号を送信することにより該遵守ゾーンを確立する。該信号により覆われた範囲は該遵守ゾーンの範囲に対応する。従って、該信号の送信は該遵守ゾーンを確立するアクションである。
【0021】
該遵守ゾーンの範囲と相互作用する個人は、該遵守ゾーン指示器から送信される信号を受信する着用デバイスを備える。個人が遵守ゾーン内に居ると、彼/彼女の着用デバイスは該送信信号を受信し、遵守ゾーンが該範囲内に確立されたことを認識する。一旦遵守ゾーンが認識されると、該着用デバイスは、強制されるプロトコルにより指定されるように、遵守ゾーンと相互作用するために、どんな規準がそこにあっても、該規準を識別する。該着用デバイスはオプションとして着用者に該プロトコル基準を通知する実時間の合図又は警報を提供してもよい。該着用デバイスは次いで該個人が該基準を遵守しているかどうかを判定する。該着用デバイスは該判定結果を記録し、該規準に関する情報を処理する。遵守は該個人が手洗浄ステーションの様な、範囲内の品物と如何に相互作用するかの評価を含んでもよい。該記録された遵守データはアクセスされ、ダウンロードされ、強制の有効性を決定するために種々の方法で検討又は分析されてもよい。該記録された遵守データ
はオプションでリアルタイムに警報を作動させるため使われてもよい。
【0022】
全体を通して同様な部品は同様な参照数字で指定される図1から21は例示用実施例に依り、遵守ゾーンの使用及び/又は遵守ゾーンとの相互作用に関するプロトコルを強制するシステムと方法の実施例を図解する。例示用実施例は図を参照して説明されるが、数多くの代替え形式で本発明を具体化することが出来ることは理解されるべきである。当業者は寸法、形状又は要素又は材料の種類の様な開示実施例のパラメーターを、本発明の精神と範囲をなお守る仕方で、変える種々の方法を追加的に評価するであろう。
【0023】
I.システム
図1は遵守ゾーンを確立し、該ゾーンとの相互作用をモニターするシステム100の例示用実施例を図示する。該システム100は遵守ゾーン指示器110と該遵守ゾーン指示器110から離れた着用デバイス120を有する。使用時、該遵守ゾーン指示器110は遵守ゾーン130を確立する。着用デバイス120が該遵守ゾーン130内にある時、該着用デバイスの遵守ゾーン認識部品140は該遵守ゾーン130を認識し、該遵守ゾーン130に関係する1つ以上の相互作用基準を識別する。該相互作用基準に基づき、該着用デバイス120は該相互作用基準の要求に従って動作する。加えて、該着用デバイス120は該相互作用基準の遵守を判定し、記録する。該システム100の要素の各々は、該各々の動作及び他の要素との相互作用を含めて、下記で詳細に論じられる。
【0024】
II.遵守ゾーン指示器
該システム100は遵守ゾーン指示器110を有する。該遵守ゾーン指示器110は、例えば信号を送信することにより、遵守ゾーン130を確立する、又は指示する。この様であるから、該遵守ゾーン指示器110は遵守ゾーン130が望まれる場所に配置されるよう構成されてもよい。遵守ゾーン130は、プロトコルの強制が望まれるどんな場所に確立されてもよい。例えば、遵守ゾーン130は患者、ベッド、部屋、機器等用に使用されてもよい。この様であるから、遵守ゾーン指示器110は、例えば、人、機器、場所他に取り付けられる様な、多数の場所への容易な配置用に設計される。遵守ゾーン指示器110はまた、可動性であってもよく、該指示器110により指示される遵守ゾーンの場所を変えるために移動させられてもよい。
【0025】
該遵守ゾーン指示器110は自由にオン又はオフに切り替えられてもよい。
【0026】
図2は遵守ゾーン指示器110の例示用実施例を図示する。この実施例で、該遵守ゾーン指示器110は送信器200,制御器210そして受信器220を有する。該送信器200は遵守ゾーンを確立するために超音波信号を送信する。該送信器200により送信される信号の範囲は、後で論じられる様に該信号を制限する障害物が無いならば、遵守ゾーン130の外側限界を確立する。或る実施例では、遵守ゾーン指示器110は多数の送信器を有してもよい。
【0027】
該制御器210は該送信器200,送信される超音波信号、そして受信器220を制御するようプログラムされる。該制御器210は送信器200を制御するようプログラムされるのに好適などんな種類の制御器、マイクロ制御器、プロセッサ又はマイクロプロセッサであってもよい。該制御器210はどんな種類の信号を該送信器200が送信するかを指示してもよく、或いは該信号が如何に伝わるかの種類を指示してもよい。該遵守ゾーンを確立するために該送信器200により送信される該信号は独特な、半ば独特な、独特でない、信号或いはそれらの何等かの組み合わせであってもよい。例えば、独特な信号は特定の患者と相関して使われてもよく、一方半ば独特な信号は患者の種類に伴って使われてもよい。或る実施例では、識別番号及び/又は日付と時刻情報の様な他の情報、が該超音波信号内に符号化される。該信号の送信は連続的でも、周期的でも、該遵守ゾーン指示器
110で受信された信号への応答でも、或いはそれらの何等かの組み合わせであってもよい。該信号の種類のみならず信号の強さも制御器210を使ってユーザー指定されてもよい。
【0028】
該制御器210はまた、該送信器200により送信された超音波信号がデータにより符号化されるよう送信器200を制御すべくプログラムされる。該データは、それらに限定されないが、該超音波信号により確立される遵守ゾーンの種類と特性、遵守ゾーン指示器110に関する情報、他を有してもよい。
【0029】
或る実施例では、該遵守ゾーン指示器110は受信器220を更に有する。該受信器220は該遵守ゾーン指示器110で超音波信号を受信するよう構成される。或る実施例では、該受信器220は遵守ゾーン指示器110を構成する信号を受信するよう使われてもよい。或る実施例では、該受信器220は、該遵守ゾーン指示器110で受信された信号に応答して信号を送信するトランスポンダーを形成するために、送信器200及び制御器210と連携して使われてもよい。或るこの様な実施例では、送信される信号の範囲及び/又は種類は受信器220により受信された信号により決定されてもよい。
【0030】
図3は、遵守ゾーンが望まれる場所へ配置するよう構成された遵守ゾーン指示器110の例示用実施例を図示する。該遵守ゾーン指示器110は送信器200,制御器210、そして受信器220を収容するハウジング300を有する。該ハウジングはプラスチック、金属又は他の適当な材料で形成される。該ハウジングは多数の場所への該遵守ゾーン指示器110の容易な配置と、1つの場所からもう1つへの該遵守ゾーン指示器110の移動と、を許容するように、サイズ決めされ、寸法取りされる。或る実施例では、該遵守ゾーン指示器110はバッテリーで給電される。他の実施例では、該遵守ゾーン指示器110は壁のソケットに差し込まれるか、又は電源へ又はグリッドへ配線されてもよい。
【0031】
或る実施例では、遵守ゾーン指示器110は該遵守ゾーン指示器110への又は該指示器からのデータ転送用にデータポート320を更に有してもよい。該データポート320は遵守ゾーン指示器110を構成するために制御器210と通信するよう使われてもよい。適当なデータポートの例はユニバーサルシリアルバス(USB)ポートの様なシリアルポート又はイーサーネット(Ethernet)ポートを有する。他の起こり得るポートは本開示の特典を与えられた当業者には明らかであろう。他の実施例では、該遵守ゾーン指示器110の送信器200と受信器220は該遵守ゾーン指示器110に対してデータを行ったり、来たりして伝送するのに使われる。
【0032】
III.着用デバイス
該システム100はまた、着用デバイス120を有する。着用デバイス120は、該着用デバイスがどんな特定の遵守ゾーンに於いても相互作用する遵守ゾーン指示器110とは別になっている。使用時、ユーザーは着用デバイス120を着用するのが典型的であるが、それは遵守ゾーン130との着用者の相互作用を追跡するためである。該着用デバイス120は遵守ゾーン130を認識し、該遵守ゾーン130用の1つ以上の予め規定された相互作用基準を識別するよう構成された遵守ゾーン認識部品140を有する。遵守ゾーン認識部品140の例示用実施例は図4に図示する。
【0033】
図4に図示する例示用実施例では、該遵守ゾーン認識部品140は受信器400,フィルター402,制御器404,送信器440、そして計算デバイス410を有する。
【0034】
受信器400は、遵守ゾーン指示器110から送信される信号の様な超音波周波数範囲内の信号を受信するよう最適化された、適当な音響から電気への変換器又はセンサー、例えばマイクロフォンである。受信器400により受信された音響信号に対応する電気信号
は、遵守ゾーン認識部品140内のRC回路フィルター402によりフィルターされる。該RC回路フィルター402は超音波周波数範囲に対応する信号のみが通過することを可能にする。
【0035】
受信器400は、例え該受信器が何時も超音波信号を聴いていても、低電力で動作するよう構成されている。制御器404はプロセッサ420の動作を制御するようプログラムされ、着用デバイス120の動作中は普通はオフに保たれる。該制御器404とプロセッサ420は、該フィルター402が該超音波周波数範囲に対応する信号を検出し、これらの信号にフィルター402を通過させ、そしてこれらの信号を出力する時のみ、オンに切り替わる。該制御器404と該プロセッサ420は、他の時間、例えば受信器400が遵守ゾーンを確立しない可聴音を受信した時は、オフに保たれている。制御器404とプロセッサ420のこの選択的起動は、着用デバイス120がさもなければ消費すると思われる電力を減じる。
【0036】
電力はまた、制御器404のクロックとして作用する高精度水晶発振器403を保持するためにも消費される。制御器クロックによる電力消費を最小化するために、制御器404のタイミングは、高精度水晶発振器403の代わりに、制御器404内に組み込まれた低精度RC又はLC発振器405を使って保たれる。該RC又はLC発振器405タイマーは抵抗器又は電流源を通してのキャパシターの充電及び放電に基づく。該RC又はLC発振器405の精度は水晶発振器403より低く、かくして該システムは或る誤差マージンを許容出来なければならない。かくして、該フィルター402は受信信号で理想周波数の2%上又は2%下の搬送波周波数の受信信号を認める。
【0037】
着用デバイス120内の電力消費を更に減じるために、着用デバイス120は該デバイスの着用者が動いているか又は静止しているかを検出する運動センサー401を装備してもよい。静止して立っている着用者は彼/彼女の近傍内の遵守ゾーンに関して新しく情報を受信しそうではない。該運動センサー401は該着用者が静止していることを検出すると、制御器404は、電力を消費する該着用デバイス120の部品、例えばフィルター402及びプロセッサ420、をオフに切り替える。制御器404は、該運動センサーが、該着用者が動きをスタートしたことを検出すると該部品を次にオンに切り替える。
【0038】
好ましくは、受信器400は遵守ゾーン指示器110の送信器200と同じ種類であるのがよく、そうすれば該指示器は着用デバイスが遵守ゾーンを指示する遵守ゾーン指示器110からの送信を受信することを可能にするからである。或る実施例では、着用デバイス120は種々の種類の多数の受信器を有してもよい。或る実施例では、該受信器400は着用デバイス120を構成するための信号を受信するため使われてもよい。例えば、遵守ゾーン130用の予め決められた又は予め規定された基準は該着用デバイス120で受信された信号により構成されてもよい。同様に、該着用デバイス120は該着用デバイス120を着用する特定ユーザーと関係するよう構成されてもよい。例えば、各着用デバイス120は特定ユーザーと組み合わされ得る独特の識別番号を有してもよい。
【0039】
計算デバイス410はプロセッサ420と記録可能な媒体430とを有する。該プロセッサ420は、受信器400とインターフェースで接続することが出来て、遵守ゾーン130を認識するよう該受信器により受信された信号を処理し、該遵守ゾーン130用の予め規定された相互作用基準を識別し、該相互作用基準の遵守を判定し、そして該相互作用基準の遵守があったか否かを記録するようプログラムされた、何等かの適当なプロセッサであってもよい。適当なプロセッサは本開示の特典を与えられる当業者には明らかであろう。該記録可能な媒体430は、相互作用基準を含む該プロセッサ420用のインストラクションと、該相互作用基準の遵守を含む該プロセッサ420により得られる又は発生されるデータと、を記憶するため使われる。この様なデータは遵守ゾーン130との何等か
の相互作用の日付、時刻、そして結果を含む。該記録可能な媒体430は該着用デバイス120と一体で、又は該着用デバイス120から分離して、提供されるメモリーデバイスである。他の好適な記録可能な媒体は本開示の特典を与えられた当業者には明らかであろう。
【0040】
例示用実施例では、受信器400で受信された超音波信号はデータで符号化される。この実施例では、着用デバイス120のプロセッサ420は該受信超音波信号を処理し、該超音波信号内の符号化されたデータを復号するようプログラムされる。
【0041】
或る実施例では、遵守ゾーン認識部品140は1つ以上の送信器440を更に有してもよい。該1つ以上の送信器440は該着用デバイス120から超音波信号を送信するよう構成される。本発明の或る実施例に依れば、該着用デバイスは多数の送信器を有してもよい。
【0042】
或る実施例では、該1つ以上の送信器440はトランスポンダー構成で、受信器400と連携して使われてもよい。この様な構成では、該1つ以上の送信器440は、該遵守ゾーン指示器110の受信器220へ問い合わせ信号を送信し、該指示器が今度は該遵守ゾーン指示器110の送信器200からの応答信号を送信する。或るこの様な実施例では、該遵守ゾーン認識部品140の該1つ以上の送信器440により送信される信号は、該遵守ゾーン指示器110により送信される信号の範囲及び/又は種類を判定する。
【0043】
図5A及び5Bは着用デバイス120の例示用実施例を図示し、該着用デバイスはバッジ500である。該バッジは標準的特定施設向け識別バッジの形であってもよい。図5Aは該バッジ500の正面図を画く。図5Bは該バッジ500の背面図を画く。
【0044】
該バッジ500は遵守ゾーン認識部品140を有するハウジング510を備える。該ハウジング510はクリップ又はランヤードをバッジ500に取り付けるための貫通孔512を有する。該ハウジング510はプラスチック又は他の適当な材料製であってもよい。該バッジ500の前には、該バッジの着用者用の識別情報が提供される。これは該バッジに関係する人の写真520のみならず、関係する人の名前522及び身分524を有してもよい。実施例では、該バッジ500は外部受信器530及び/又は外部送信器532を更に有してもよい。好ましくは、再充電可能な又は取り換え可能なバッテリーの様なバッテリーが該バッジ500に給電するのがよい。或る実施例では、バッジ500は、データ転送及びバッテリー充電用に使われるUSBの様なポート又はイーサーネットポートを有してもよい。
【0045】
或る実施例では、該着用デバイス120は、遵守ゾーンに入る時又は遵守ゾーン内部に居る時、遵守ゾーンの通告を提供することが出来る。該通告は可聴式、可視式、触覚式又はそれらの何等かの組み合わせであってもよい。図5A及び5Bの例では、可視式の通告は、図5Aに示す様なバッジ500の前側上の発光ダイオード(LED)の様な点灯指示器540により提供される。可聴式の通告又は警報は図5Bで示す様なバッジ500の後ろ側に備えられるスピーカー550により提供される。触覚式通告は振動により提供されてもよい。
【0046】
或る実施例では、該着用デバイス120は該バッジの着用者が遵守ゾーン用の相互作用基準を遵守していない通告を追加して提供する。着用デバイスが非遵守モードに入ると、非遵守の通告は可聴式でも、可視式でも或いは触覚式でもよい。図5A及び5Bの例では、可視式通告は、図5Aに示すバッジ500の前側の発光ダイオード(LED)の様な点灯指示器560により提供されてもよい。可聴式通告は、図5Bに示すバッジ500の後ろ側に備えられるスピーカー550により提供されてもよい。触覚式通告は振動により提
供されてもよい。
【0047】
或る実施例では、無効化が該着用デバイス120上で提供される。該無効化はユーザーが着用デバイス120により提供される非遵守の通告をオフに切り替えることを可能にする。該無効化は、ユーザーが該無効化を選択することを可能にするバッジ500上に提供されるボタン又はスイッチ570で行われてもよい。或る実施例では、該無効化は着用デバイス120上で実行されるソフトウエアにより提供されてもよい。該無効化の利用可能性は着用デバイスの着用者の身分又は役割に左右される。すなわち、着用デバイスの或る着用者は、該着用者に利用可能な無効化のオプションを有しない。例えば、病院環境で、医師は無効化のオプションを有し、一方ハウスキーピングスタッフは有しない。或るこの様な実施例では、無効化の使用は着用デバイス120上に、又は該システムの他の所に、記録される。
【0048】
図6A及び6Bは着用デバイスの1つの例示用実施例を図示し、該着用デバイスはバッジホルダー600であり、該着用デバイスは標準的特定施設向け識別バッジに取り付けられるよう構成される。図6Aはバッジホルダー600の正面図を図示する。図6Bは該バッジホルダー600の背面図を図示する。
【0049】
図5A及び5Bのバッジ500と同様に、バッジホルダー600は遵守ゾーン認識部品140を有するハウジング610を備える。該ハウジング610はクリップ又はランヤードを該バッジホルダー600へ取り付ける貫通孔612を有する。該ハウジング610はプラスチック又は他の適当な材料で作られる。該バッジホルダー600は従来の識別バッジと対になる。該バッジホルダー600は識別バッジを受け、保持するよう設計された範囲620を有する。好ましくは、該バッジホルダー600が再充電可能な又は取り換え可能なバッテリーの様なバッテリーで給電されるのがよい。或る実施例では、該バッジ500はデータ転送用及び該バッテリー充電用に使われてもよいUSBの様なポート又はイーサーネットポートを有してもよい。
【0050】
図5A及び5Bのバッジ500に於ける様に、バッジホルダー600は、該バッジホルダー600が遵守ゾーン130に入ったこと、又は遵守ゾーン130内に居ること、の通告を提供してもよい。該通告は可聴式、可視式、触覚式又はそれらの何等かの組み合わせであってもよい。図6A及び6Bの例では、可視式通告は図6Aで示す様にバッジホルダー600の前側の発光ダイオード(LED)の様な点灯指示器640により提供される。可聴式通告は図6Bに示す様にバッジホルダー600の後ろ側に提供されるスピーカー650により提供される。触覚式通告は振動により提供されてもよい。
【0051】
該バッジホルダー600はまた、該バッジの着用者が遵守ゾーン用の相互作用基準を遵守していない通告を提供してもよい。非遵守の通告は可聴式、可視式、触覚式又はそれらの何等かの組み合わせであってもよい。図6A及び6Bの例では、可視式通告は図6Aで示す様にバッジホルダー600の前側の発光ダイオード(LED)の様な点灯指示器660により提供される。可聴式通告は図6Bに示す様にバッジホルダー600の後ろ側に備えられるスピーカー650により提供される。触覚式通告は振動により提供されてもよい。
【0052】
バッジホルダー600は又無効化機能を備えてもよい。該無効化は、ユーザーが該無効化を選択することを可能にする、バッジホルダー600上に提供されるボタン又はスイッチ670で行われてもよい。該無効化の利用可能性は、着用デバイスの着用者の身分又は役割に左右されてもよい。或るこの様な実施例では、無効化の使用はバッジホルダー600上に記録される。
【0053】
IV.超音波信号内のデータ符号化
遵守ゾーンを確立するために使われる超音波信号はデータで符号化されてもよい。該データは、それらに限定されないが、該超音波信号により確立される遵守ゾーンの種類と特性に関する情報、遵守ゾーン指示器110に関する情報、他を有してもよい。各遵守ゾーン指示器は該指示器の超音波信号送信を該データで符号化する。該遵守ゾーン指示器の制御器は、該送信器により送信される超音波信号が該データで符号化されるように該遵守ゾーン指示器の送信器を制御するようプログラムされる。
【0054】
例示用実施例では、遵守ゾーン指示器により送信される超音波信号内の符号化されたデータは特定遵守ゾーンを識別する。該データはメッセージの形であってもよい。この実施例では、該メッセージは超音波搬送波サイクルの連続するバーストの間のタイミングで符号化される。
【0055】
各遵守ゾーン指示器は、割り当てられたゾーンIDを有するメッセージを規則的間隔で送信する。該ゾーンIDは特定の遵守ゾーンを独特に識別する。例えば、全ての手洗浄ステーションにより送信されるゾーンIDは特定値、例えば0を有する。他の遵守ゾーン指示器は1から1023までの値を有するゾーンIDを備える。例示用実施例では、1つより多い遵守ゾーン指示器が同じゾーンIDを割り当てられてもよい。しかしながら、着用デバイス120を着用した誰かが1分内に間を移動出来る隣接した遵守ゾーンには重複したゾーンID(duplicate zone ID)が割り当てられることはない。
【0056】
図7は遵守ゾーンを確立するための方法論の1つの例示用実施例のフローチャートである。遵守ゾーン指示器は、遵守ゾーンを確立する超音波信号内の符号化されるべき15ビットメッセージを受信する(過程705)。代わって、該遵守ゾーン指示器は、該遵守ゾーンに関係するゾーンIDと、該ゾーンIDに関係する周期的冗長検査(CRC)チェックサムと、に基づいたメッセージを作成する。この実施例では、該遵守ゾーン指示器は該ゾーンID及び/又は該CRCチェックサムを受信するか、又はこれらの値自身を決定する。該遵守ゾーン指示器は15ビットメッセージを作成するが、それは該メッセージの上位10ビットを該ゾーンIDに、該メッセージの下位5ビットを該CRCチェックサムに設定することに依る。
【0057】
該遵守ゾーン指示器は次いで超音波送信器を使って、超音波信号を送信することにより該遵守ゾーンを確立する(過程710)。該遵守ゾーン指示器は該超音波信号を15ビットメッセージで符号化し、該メッセージは該遵守ゾーンを独特に識別するゾーンIDを有する。該メッセージは該超音波信号の連続するバーストの間の時間間隔のシーケンスで符号化される。特に、該遵守ゾーン指示器は超音波信号の7つのバーストを周期的に送信し、各バーストは6搬送波サイクルのシーケンスである。該メッセージは該超音波信号の7つのバースト内の、連続するバースト間の6つの時間間隔で符号化され、各名目時間間隔は該メッセージの特定の文字に対応するように符号化される。
【0058】
超音波信号内のデータ符号化の例示用実施例はここで説明されるパルス、バースト、文字、そしてメッセージに断層化される。
【0059】
パルス:“パルス”は超音波信号を復号するプロセッサにより受信された入力を示し、該入力は1つの超音波搬送波サイクルが受信されたことを示す。例示用実施例では、該超音波搬送波周波数は約40kHzであり、該周波数ではパルスは、該搬送波がオンの時、各25μs毎に起こる。該搬送波周波数は該遵守ゾーン指示器の制御器内に組み込まれた低コスト、低電力のRC又はLCタイマー発振器から生成されてもよい。該RC又はLCタイマー発振器は非常に高精度とは言えず、従って、該システムは或る誤差マージンを許容してもよい。この様であるから、例示用実施例では、超音波パルスを受信する超音波受
信器は、該パルスが該受信器に到着する時、搬送波周波数が理想周波数、40kHz、の2%内にあることを期待する。
【0060】
該超音波パルスが超音波受信器で最終的に受信され、該受信プロセッサ内のファームウエアにより処理される前に、他の誤差が累積され得る。これらの誤差は該送信器の超音波増幅器内の固有のジッターと、該受信器内の固有のジッターとを含む。追加的なジッターが、該時間を基準クロックの整数サイクルに量子化することにより、そして該ファームウエア内でのデータのサンプリングにより、引き起こされる。例示用実施例で、これら及び他の誤差に適合するために、該システムは受信ファームウエア内、すなわち超音波受信プロセッサ内、で8%までの誤差を許容する。すなわち、例示用実施例では、該受信ファームウエアは、パルス間の時間間隔を、もし該時間間隔が23と27μsを含めて23と27μsの間にあれば、有効であると解釈する。
【0061】
バースト:“バースト”は、連続するパルス間の時間間隔が全て有効な範囲内にある、すなわち上記例示用実施例では23と27μsを含めて23と27μsの間にある様なパルスのシーケンスである。バースト内の連続するパルス間の有効な時間間隔は、該パルスが搬送波周波数で超音波を受信した結果でありそうなことを示す。
【0062】
図8Aで図解される例示用実施例では、バースト800は、有効な時間間隔(t1−t5)を有する6つの連続パルス(802−812)が受信された時検出される。連続するパルス間の時間間隔は、もし該時間間隔が23と27μsを含めて23と27μsの間にあるなら、有効である。超音波の送信器と受信器の共振のため、最初の数搬送波サイクルは低い振幅で受信され、従って、ことによると全く受信されない。該超音波送信器はかくしてバースト当たり少なくとも8搬送波サイクルを送信する。しかしながら、バースト当たりの搬送波サイクルの数の増加は、超音波信号が該環境内で残存する時間を延ばし、該信号が面から反響し、遅延を伴って受信される可能性を高める。遅延信号の受信を避けるために、該超音波送信器はバースト当たり10より多い搬送波サイクルを送信しない。すなわち、該超音波送信器はバースト当たり8から10搬送波サイクルを送信する。
【0063】
超音波信号の有効なバーストを受信後、超音波受信器は、超音波信号のマルチパス干渉を最小化する又は除くために、ブラックアウト期間の追加パルスを無視する。マルチパス干渉は、ソースからの波が2つ以上の経路を経由して検出器へ達するところ、或る条件では、該波の2つ以上の成分が干渉する現象である。超音波信号は環境周辺で反響し、1つの受信器で多数回受信され得る。バースト間の最小有効時間間隔は、前のバーストからの反響が消滅するように選ばれる。例示用実施例では、バースト間の絶対最小有効時間間隔は32.23msである。該ブラックアウト期間は、該システム内の全ての起こり得る誤差の原因のマージンを含んで、該ブラックアウト期間が次のバーストの第1パルスを受けるのに少なくとも間に合って満了するよう設定される。例示用実施例では、最小ブラックアウト時間は、約10mの伝播距離に対応する30msである。例示用実施例では、何等かの望ましいブラックアウト時間が選択され、超音波受信器を構成するよう使われてもよい。
【0064】
文字:文字は遵守ゾーン指示器により送信されるメッセージの構成要素である。“文字”は2つの連続するバーストの間の1つの時間間隔内で符号化されたデータを表す。2つの連続するバースト間には有効な時間間隔の限られた範囲がある。有効な文字はこの有効な範囲内に収まり、各独特な文字は2つの連続バースト間の予め規定され、名目時間間隔に対応する。該有効範囲外に出る時間間隔はどんな文字にも対応しない。
【0065】
例示用実施例は9つの有効な文字:メッセージの開始(SOM)と0から7の整数値を提供する。該SOM文字は1/32秒(31.25ms)の名目時間間隔に対応する。追加の文字は該SOM時間間隔に追加された1/512秒(1.953ms)の時間間隔インクレメントに対応し、0の文字は最初であり、7の文字は最後である。すなわち、SOM文字時間は1/32秒(31.25ms)であり、0文字は(1/32+1/512)秒であり、1の文字は(1/32+2/512)秒であり、2の文字は(1/32+3/512)秒であり、3の文字は(1/32+4/512)秒であり、4の文字は(1/32+5/512)秒であり、5の文字は(1/32+6/512)秒であり、6の文字は(1/32+7/512)秒であり、そして7の文字は(1/32+8/512)秒(46.88ms)である。
【0066】
有効な文字時間の間には違反時間はない。上記例示用実施例では、時間間隔は該時間間隔内で符号化された文字を解読するよう最初に1/512秒の最も近い倍数に最初に丸められる。すなわち、各文字に関係する有効な時間間隔は名目時間間隔±1/1024秒(±977μs)である。従って、有効な文字時間の範囲は、可能な最小SOM文字(1/32−1/1024秒=30.27ms)と可能な最大の7の文字(1/32+8/512+1/1024秒=47.85ms)の間にある。この範囲外のバースト時間間隔は無効である。
【0067】
メッセージ:“メッセージ”は少なくとも、ゾーンIDと、該ゾーンIDに関係する周期的冗長検査(CRC)チェックサムと、を一緒にしたものを表す。ゾーンIDは遵守ゾーンの種類(例えば、手術室、手洗浄ステーション他)を示す該遵守ゾーンに関係する識別子であってもよく、及び/又は該遵守ゾーンに関係する独特の識別子(例えば、手術室番号14,手洗浄ステーション43,他)であってもよい。該CRCチェックサムは、メッセージの有効性を判定する、例えば、メッセージが超音波信号の送信中変えられたかどうかを判定する、ために使われる数である。
【0068】
メッセージは文字の特定のシーケンスである。メッセージのサイズはかくしてメッセージ内の文字の数に依る。各文字は超音波信号の2つの連続するバースト間の1つの時間間隔内で符号化される。かくして、メッセージのサイズは該メッセージを組み入れるバーストの数により決定される。すなわち、メッセージを形成するバーストの数が大きい程、該メッセージは大きい。
【0069】
適当なメッセージのサイズと対応するバーストの数は、例示用実施例で使用するために選択される。遵守ゾーン指示器はメッセージ当たりのバースト数に従い超音波信号を周期的に送信する。非常の大きい数のゾーンIDを必要とする非常に大きい施設では、メッセージサイズ及びメッセージ当たりバースト数も同じく非常の大きい。他方、小さな施設では、メッセージサイズ及びメッセージ当たりバースト数は小さい。
【0070】
図8Bで図解される例示用実施例では、メッセージ820は連続する6つの有効文字の特定シーケンスであり、該文字は連続した7つのバースト内の連続するバースト間の6つの名目時間間隔に対応する(822−834)。最初の文字はSOM(メッセージのスタート)文字であり、残りの文字はデータ文字(0−7)である。各文字はメッセージ(T1−T6)内の2つの連続するバースト間の1つの時間間隔内で符号化される。かくして、該メッセージは7つの有効なバースト内の連続するバースト間の時間間隔のシーケンス内で符号化される。
【0071】
図8Cで図解される様に、メッセージ830は15ビットの情報を有し、該メッセージの10の最上位ビットはゾーンID832に対応し、該メッセージの5つの最下位ビットは該ゾーンID用のCRCチェックサム834に対応する。
【0072】
全てのメッセージはSOM文字で始まり、この文字は他では現れないので、受信される
SOM文字は常に新メッセージのスタートとして解釈される。それで、SOM文字が受信されると、前のメッセージは捨てられる。これは、どんなパルスのシーケンスが該メッセージのスタートに先行するかに関係なく、メッセージのスタートが常に認識され得ることを保証する。すなわち、超音波受信器は、該受信器がメッセージ内で何処にいるか考えることに関係なく、常にメッセージのスタートに“耳をそばだてている”。
【0073】
完全なメッセージは、有効なパルス、バースト、文字そしてメッセージ用の上記ルールがメッセージ全体に亘って守られている場合のみ受信される。メッセージは、もしこれらのルールの何れかが該メッセージ上で破られていれば直ちに捨てられる。
【0074】
もしパルス又はバーストのレベルでルール違反が検出されるなら、メッセージ解読ロジックはリセットされる。すなわち、該メッセージは捨てられ、受信された次のパルスがメッセージの最初のバーストの最初のパルスであると仮定される。
【0075】
メッセージの最後のバーストはまた、次のメッセージの最初のバーストであってもよい。すなわち、完全なメッセージが受信された後、メッセージ解読ロジックは、SOM文字をスタートさせるのでなく、SOM文字を終わらせるよう次のバーストに期待することへリセットされる。
【0076】
図9は超音波信号内の符号化されたメッセージを復号するため使われる、メッセージ解読ロジックの1つの例示用実施例のフローチャート900を図示する。該メッセージ解読ロジックは着用デバイスで受信された超音波信号内の符号化されたメッセージの復号で着用デバイスによりフォローされる。着用デバイスのプロセッサは受信超音波信号を処理し、該超音波信号内の符号化されたデータを復号するようプログラムされる。
【0077】
超音波信号のパルスは超音波受信器で受信される(過程905)。もし6つの有効なパルスが受信されたら(過程910)、超音波信号の有効なバーストが受信された(過程915)。しかしながら、もし6つの有効なパルスが受信されなかったなら(過程910)、メッセージ解読ロジックは現在のパルスが有効かどうかを判定する(過程920)。もし現在のパルスがバースト内の第1パルスなら、現在のパルスは有効と考えられる。しかしながら、もし現在のパルスがバーストの第1パルスでないなら、該パルスは、現在のパルスと直前のパルスの間の時間間隔が23と28μsの間にある場合のみ有効である。もし現在のパルスが有効でないなら、メッセージ解読ロジックは中止される(過程925)。すなわち、次の受信パルスが新メッセージの第1バーストの第1パルスであると仮定される。しかしながら、もし現在のパルスが有効なら、次のパルスが受信される(過程910)。
【0078】
もし6つの有効なパルスが受信されたら、超音波信号の有効なバーストは受信された(過程915)。もし7つの有効なバーストが受信されたら(過程930)、有効なメッセージが受信された(過程935)。この場合、直ぐ次のバーストが新メッセージの第2バーストであると期待される(過程940)。
【0079】
しかしながら、もし7つの有効なバーストが未だ受信されないなら(過程930)、メッセージ解読ロジックは現在のバーストが有効かどうかを判定する(過程945)。もし該現在のバーストがメッセージ内の第1バーストであるなら、該現在のバーストは有効と考えられる。もし該現在のバーストが該メッセージの第2バーストなら、該現在のバーストは、該現在のバーストと直前のバーストの間の時間間隔がSOM文字に対応する、すなわち(1/32±1/1024)秒である場合のみ有効である。もし現在のバーストが該メッセージ内の第3から第7のバーストなら、該現在のバーストは、該現在のバーストと直前のバーストの間の時間間隔がデータ文字(0−7)に対応する場合のみ有効である。
【0080】
もし現在のバーストが有効でないなら、メッセージ解読ロジックは中止される(過程950)。次の受信パルスが新メッセージの第2バーストの第1パルスであると仮定される。しかしながら、現在のバーストが有効なら、該メッセージの次のバーストの次のパルスはブラックアウト期間後に受信される(過程955)。該ブラックアウト期間は、該現在のパルスを受信した時刻からで、かつその間、更なるパルスを受信しない少なくとも30msである。すなわち、次のパルスは現在のパルスが受信された後少なくとも30msで受信される。
【0081】
メッセージ有効化:図8Cで図解されるように、各15ビットメッセージの下位5ビットは周期的冗長検査(CRC)チェックサム834である。CRCは、超音波信号で送信された生のゾーンID832への偶発的な変化を検出するよう設計されたノンセキュアハッシュ関数(non−secure hash function)である。遵守ゾーン指示器は各ゾーンID用に、CRCチェックサムとして知られる短い、固定長の2進の数列を計算する。遵守ゾーン指示器は、メッセージの下位5ビットを該CRCチェックサムに、該メッセージの上位10ビットを該ゾーンIDに、設定することにより15ビットメッセージを創る。かくして、遵守ゾーン指示器により送信された超音波信号は、該ゾーンID及びCRCチェックサムの両者を含むメッセージで符号化される。
【0082】
図10はメッセージのCRCチェックサムを計算する例示用の方法のフローチャートである。この方法は、超音波信号内に符号化されるメッセージ内へ組み込むためにCRCチェックサムを決定するよう遵守ゾーン指示器によりフォローされる。15ビットメッセージワードはゾーンIDへ初期化される(過程1005)。5ビットのCRCアキュミュレーターは2進値11010に初期化される(過程1010)。該メッセージワードは左へ1ビットだけシフトされ、そして最上位ビットからシフトされたビットがセーブされる(過程1015)。CRCアキュミュレーターは左へ1ビットだけシフトされる(過程1020)。該CRCアキュミュレーターの最下位ビット内へシフトされたビットは、過程1015で最上位ビットからシフトされたビットであり、該CRCアキュミュレーターの最上位ビットからシフトされたビットはセーブされる。もし過程1020でCRCアキュミュレーターからシフトされたビットが1であるなら(過程1025)、該CRCアキュミュレーターは2進値11010との排他的論理和を計算される(過程1035)。他方、過程1020でCRCアキュミュレーターからシフトされたビットが0ならば、何等アクションはなされない(1030)。過程1015−1035が14ケの残りメッセージビットの各々用に1回繰り返される。該手順の終わりで、該CRCチェックサムが該CRCアキュミュレーター内に残される(過程1040)。
【0083】
該着用デバイスが超音波信号を受信すると、該着用デバイスはメッセージを復号するために該信号を処理する。該着用デバイスは該メッセージの上位10ビットからゾーンIDを抽出し、該メッセージに対応する新CRCチェックサムを計算する。もし該着用デバイスにより計算された新CRCチェックサムが非ゼロであるなら、該メッセージはデータ誤りを有し、該着用デバイスは該メッセージを捨てる。しかしながら、もし該着用デバイスにより計算された新CRCチェックサムがゼロであるなら、該メッセージには誤りはなく、着用デバイスは該メッセージの上位10ビットからゾーンIDを抽出する。該メッセージのCRCチェックサムビットは最早必要でなく、この点で捨てられる。
【0084】
図11はCRCチェックサムを使ってメッセージの有効性を決める例示用方法のフローチャートである。この方法は、遵守ゾーンを確立する超音波信号を受信する着用デバイスによりフォローされる。該15ビットメッセージのCRCチェックサムは、例えば図10に図示する方法論に基づき計算される(過程1105)。もし計算されたCRCチェックサムが0であるなら(過程1110)、該メッセージは有効、すなわち誤りがない、と考
えられる(過程1120)。この場合に、ゾーンIDは該メッセージの上位10ビットから抽出され、下位5ビットは捨てられる(過程1120)。しかしながら、該計算されたCRCチェックサムが0でないなら(過程1110)、該メッセージは有効でない、すなわち誤りを有する、と考えられる(過程1115)。この場合、該メッセージは捨てられる(過程1115)。
【0085】
V.相互作用基準
前に論じた様に、遵守ゾーン130を認識すると、着用デバイス120の遵守ゾーン認識部品140は、該遵守ゾーン130についての相互作用基準を識別する。該相互作用基準は遵守ゾーンと相互作用するためのルール又は要件であってもよい。例えば、遵守ゾーン130は危険な物質を有する範囲用に提供されてもよい。かくして、遵守ゾーン130用の相互作用基準は、着用者が危険な物質を取り扱うよう訓練されているか、さもなければ認証されていることである。もう1つの例では、遵守ゾーン130は分類された範囲用に提供されていてもよい。かくして、遵守ゾーン130用の相互作用基準は或るレベルより上の安全保証であってもよい。
【0086】
本発明の或る実施例に依れば、遵守ゾーン130の相互作用基準は一時的要求を含めてもよい。例えば、危険物質範囲の例では、危険物質への暴露用の安全な制限時間が設けられてもよい。他の実施例では、相互作用基準の遵守の制限時間があってもよい。例えば、遵守ゾーン130内の着用デバイスの着用者は或る時間長さ内に要求を完了せねばならない。なお他の実施例では、相互作用基準自体は時刻に基づき導き出されてもよい。例えば、夜間は安全目的で施設の閉鎖があってもよい。換言すれば、遵守ゾーン130は日中用の1セットの相互作用基準と、夜間用のもう1セットの相互作用基準を持つか、或いは24時間通して種々の規準の或る他の組み合わせを持つか、或いは日、月又は年に基づき種々の基準の或る他の組み合わせを持ってもよい。
【0087】
或る実施例では、該相互作用基準はバイオハザード要件及び/又は通知であってもよい。例えば、遵守ゾーン130はウイルス研究が行われる範囲用に提供されてもよい。相互作用基準は、バイオハザードを含む範囲全般に適用する警告を有する、のみならず遵守ゾーン130内の人は化学防護服を使用する様な安全対策に着手する要求を有してもよい。
【0088】
本発明の1例の実施例では、該相互作用基準は認可条件でもよい。例えば遵守ゾーン130は病院に於ける伝染性の強い患者用に提供されてもよい。かくして、遵守ゾーン130用の相互作用基準は感染性医薬品の認可保有であってもよい。
【0089】
或る実施例では、着用デバイスを着用したユーザーの身分又は役割が遵守ゾーン130用の相互作用基準に含められてもよい。例えば、病院用の設定では、遵守ゾーン認識部品140により得られた相互作用基準は医師用とハウスキーパー用とが異なってもよい。同様に、個別医師は同じ遵守ゾーン130用に異なる相互作用基準を有してもよい。
【0090】
本発明の或る実施例に依れば、該相互作用基準はまた、遵守ゾーン130の退出に関する要求を有してもよい。例えば、もし遵守ゾーン130がバイオハザードゾーン用に提供されるなら、該相互作用基準は着用デバイス着用者が遵守ゾーン130を離れた後除染除去範囲を訪れる要求を有してもよい。
【0091】
該相互作用基準は多数の応用に役立つように、どんな数の実行、構成、要求、及び/又は並べ替えでも許容するよう構成可能である。或るこの様な実施例では、相互作用基準を構成する能力が制限されてもよく、相互作用基準を構成しようとするアクセスは権限や真正証明を、或いはそれら両者を要求されてもよい。例えば、管理者のみが相互作用基準を構成出来ることが望ましいかも知れない。他の実施例では、種々のユーザーが相互作用基
準を構成するための種々の特権を有してもよい。
【0092】
図12は遵守ゾーンの確立と、該ゾーンとの相互作用のモニタリングと、のための例示的方法のフローチャート1200である。例えば、図示された方法は図1で図示されたシステムで実施されてもよい。該方法は信号を送信する遵守ゾーン指示器110で始まる(過程1210)。該信号の送信は遵守ゾーン130を規定する。或る実施例では、該信号は着用デバイス120からの信号に応答して遵守ゾーン指示器110から送信される(過程1205)。該着用デバイス120は、該着用デバイス120が遵守ゾーン130内にある時該信号を受信する(過程1220)。或る実施例では、該着用デバイス120は該遵守ゾーン130に進入があった、又は該着用デバイス120が遵守ゾーン130内にある、と云う通告を提供する(過程1215)。例えば、可聴式、可視式、及び/又は触覚式警報の様な警報が提供されてもよい。該着用デバイス120はユーザーにより着用されるので、何等のこの様な提示又は警報は、追加のインフラストラクチャーを要せずに、微細にそして直接に該ユーザーへ提供されてもよい。特定ユーザーへのこの様な微細なそして直接の提示又は警報は、該着用デバイス120の近傍にいる全ての患者又は顧客へのアラームを最小化する。着用デバイス120の通信能力はまた、ユーザーが該着用デバイス120と相互作用することを可能にする。
【0093】
該着用デバイス120の遵守ゾーン認識部品140は次いで、該超音波信号内の符号化された情報を復号するために該受信超音波信号を処理する。例えば、該情報は該超音波信号により確立された遵守ゾーンの種類及び/又は特性を有してもよい。該遵守ゾーン認識部品140は該受信超音波信号の符号化された情報に基づき、該遵守ゾーン用の相互作用基準を識別する(過程1225)。該遵守ゾーン認識部品は次いで相互作用基準に従ってアクションし、例えば該相互作用の要求の着用者への実時間提示を提供したり(例えば、ライトを閃かしたり又はビープ音を鳴らすことにより)、或いは該相互作用基準を遵守する超音波信号を送信及び/又は受信する。該着用デバイス120の該遵守ゾーン認識部品140は識別された相互作用基準の遵守を判定し、記録する(過程1230)。或る実施例では、該着用デバイス120はまた、非遵守の通告を提供してもよい(過程1235)。例えば、可聴式、可視式、及び/又は触覚式警報の様な警報又はアラームが提供されてもよい。
【0094】
VI.手洗浄要求を特徴とする病院例
ここに表明した概念のより良い理解のために、特定目的用に特定施設で展開された下記システム例を提供する。該例の展開は病院で行われ、例えば手洗浄、手袋着用、消毒、他の様なバリア防護要求の強制を目的とする。簡単のため、この例は手洗浄を参照して説明される。しかしながら、該システムの能力はどんな種類のバリア防護要求へも拡張される。
【0095】
図13は病院内で手洗浄要求を強制するシステムの例示用実施例を図示する。しかしながら、本発明はここに説明される特定例に何等限定されないことは注意されるべきである。これらの例は単に図解目的で提供される。
【0096】
図13で、システム1300は病院環境で展開された。この実施例では、システム1300は多数の遵守ゾーン指示器1305A及び1305Bと着用デバイス1345とを有する。この実施例で、該システム1300はベースステーション1350と、多数の手洗浄ステーション1325A及び1325Bと、を更に有する。
【0097】
手洗浄ステーション1325A及び1325Bは、個人の手をクリーンにし、衛生的にし、そして/又は消毒するため使われる水及び石鹸、手用殺菌剤ディスペンサー、等を供給するシンクであってもよい。該手洗浄ステーション1325A及び1325Bはそれぞ
れ送信器1330A及び1330Bを有する。送信器1330A及び1330Bはそれぞれの手洗浄ステーション1325A及び1325Bが使用されたことを示す信号の様なデータを送信するよう構成される。該送信器1330A及び1330Bは超音波送信器である。本発明の或る実施例に依れば、送信器1330A又は1330Bが着用デバイス1345により受信され得る信号の種類で送信する限り、種々の種類であってもよい多数の送信器であってもよい。本発明の或る実施例に依れば、該手洗浄ステーション1325A及び1325Bは、該着用デバイス1345から送信される問い合わせ信号に応答して、信号が該手洗浄ステーション1325A及び1325Bから送信されるトランスポンダー構成を許容する受信器(示されてない)を更に装備してもよい。該送信器に於ける様に、該受信器は超音波受信器である。或るこの様な実施例では、該送信器1330A又は1330Bはまた、トランスポンダー構成の受信器と連携して使われてもよい。
【0098】
本例では、遵守ゾーン指示器1305A及び1305Bは、それぞれ室1320A及び1320B内の患者ベッド1310A及び1310B付近の遵守ゾーン1315A及び1315Bを提供するよう置かれる。室1320A及び1320Bはまた、それぞれ手洗浄ステーション1325A及び1325Bを有する。
【0099】
医師又は看護師の様な病院スタッフメンバー1340は着用デバイス1345を着用する。図13の実施例で、該スタッフメンバー1340は室1320A及び1320Bの外側の廊下1335に居る。該廊下1335もまた、該ベースステーション1350が配置されるナースステーション1355を有する。
【0100】
手洗浄要求を強制するために、該システム1300は、(着用デバイス1345を着用する)病院スタッフメンバー1340が遵守ゾーン1315A又は1315Bに入った時、病院スタッフメンバー1340が遵守ゾーン1315A又は1315Bに入る直前に彼又は彼女の手を洗浄したかどうかの判定が該着用デバイス1345により行われる。もし病院スタッフメンバー1340が彼等の手を洗浄したなら、該着用デバイス1345は該手洗浄要求の遵守を記録する。もし病院スタッフメンバー1340が彼/彼女の手を洗浄しなかったなら、該着用デバイス1345は、該手洗浄要求の遵守を求める警報又は催促を発する。バッジ500及びバッジホルダー600の実施例に関して上記で述べた様に、該警報又は催促は可聴式、可視式、触覚式又はそれらの何等かの組み合わせであってもよい。警報が発せられた後、病院スタッフメンバー1340は無効化を作動させるか、該警報に応答し彼等の手を洗浄するか、或いは該警報に応答するが彼等の手を洗浄しないかも知れない。もし無効化が作動するなら、着用デバイス1345は無効化が作動したことを記録する。もし病院スタッフメンバー1340が該警報に応答して彼等の手を洗浄するなら、着用デバイス1345は該着用者の手は該警報が発せられた後洗浄されたことを記録する。もし、予め選択された時間長さ(例えば、30s)の後、該病院スタッフメンバー1340が該警報に応答して彼等の手を洗浄しないなら、着用デバイス1345は該手洗浄要求の非遵守を記録する。
【0101】
該着用デバイス1345は、該病院スタッフメンバー1340が彼等の手を洗浄したかどうかを判定出来るよう、該着用デバイス1345は手洗浄ステーション1325A及び1325Bとの相互作用を記録するよう構成された手洗浄モニターを備える。
【0102】
図14は図13のシステムの1部分のブロック線図を図示する。特に、図14はお互い間で相互作用するよう構成された着用デバイス1405及び手洗浄ステーション1415を有するシステム1400の例示用実施例を特定的に図示している。該着用デバイス1405は該手洗浄ステーション1415との相互作用の経過を追うよう構成された手洗浄モニター1410を有する。該手洗浄ステーション1415はまた、該手洗浄ステーション1415の使用の経過を追うモニター1420を有してもよい。
【0103】
手洗浄ステーション1415のモニター1420は該手洗浄ステーションの使用を追跡するよう構成されてもよい。例えば、もし手洗浄ステーションがシンクならば、該モニター1420は蛇口及び石鹸ディスペンサーの使用を追跡してもよい。もし該手洗浄ステーション1415が手殺菌剤ディスペンサーであるなら、該モニター1420は該ディスペンサーの使用を追跡してもよい。もし該モニター1420が該手洗浄ステーション1415は使われたことを検出するなら、モニター1420は、該手洗浄ステーションが使われたことを示す“洗浄スタンプ”の様な信号を送信するよう該手洗浄ステーションに命じてもよい。或る実施例では、送信される信号は独特であってもよい。例えば、手洗浄ステーション1415により送信される“洗浄スタンプ”は該手洗浄ステーション1415の識別番号を有してもよい。該“洗浄スタンプ”はまた、時刻及び日付の様な他の情報を有してもよい。
【0104】
手洗浄ステーション1415がトランスポンダー構成を有する或る実施例では、モニター1420は、使用を示す信号が応答して送られる前に、着用デバイス1405から受信される信号を待ち受ける。或る実施例では、該モニター1420は該手洗浄ステーション1415の各使用を記録する。トランスポンダー構成を有する実施例では、該記録されたデータは、該手洗浄ステーション1415と相互作用する着用デバイス1405用の識別情報を有してもよい。記録されたデータは次いでアクセスされ、レビューされてもよい。
【0105】
着用デバイス1405の手洗浄モニター1410は上記で表明された遵守ゾーン認識部品140の部分であってもよく、或いは該モニターは該遵守ゾーン認識部品140とは別であってもよい。該手洗浄モニター1410は該手洗浄ステーション1415から受信される信号を受信するよう構成されてもよい。例えば、該手洗浄モニター1410は該手洗浄ステーション1415のモニター1420により発生された“洗浄スタンプ”と、該受信された“洗浄スタンプ”に関するデータと、の記録を取り、又は他の仕方で記録してもよい。該“洗浄スタンプ”に関するデータは該“洗浄スタンプ”が受信される手洗浄ステーション1415の識別番号のみならず、該“洗浄スタンプ”が受信された時刻及び日付も含んでよい。このデータは次いで手洗浄要求の遵守を判定するため使われてもよい。例えば、該病院スタッフメンバーが彼等の手を洗浄したかどうかを判定するために、とりわけ、“洗浄スタンプ”が受信されたか、該スタンプは何時受信されたか、そしてどの手洗浄ステーション1415から該スタンプは受信されたか、を示すよう該手洗浄モニター1410により記録された該データが参考にされてもよい。
【0106】
前に述べた様に、相互作用基準は時間面を有してもよい。図13及び14の手洗浄の例で、該時間面は、手洗浄を示す信号又は“洗浄スタンプ”が遵守ゾーン1315A又は1315Bに入る前の、どのくらい前に受信されたかを含む。例えば、もし最後に受信した“洗浄スタンプ”が遵守ゾーン1315A及び1315Bに入る15秒より長く前に受信されたなら、病院スタッフメンバー1340の手は最早衛生的でない可能性がある。その場合、着用デバイス1345は遵守ゾーン1315A及び1315Bの手洗浄要求を遵守するために、もっと最近の“洗浄スタンプ”を要求するよう構成されてもよい。同様に、着用デバイス1345は、着用デバイス1345が病院スタッフメンバー1340が彼等の手を洗浄する要求を示す警報又は催促を発した後“洗浄スタンプ”を受けるのにどれだけ長く掛かったかを記録してもよい。
【0107】
例示用実施例では、手洗浄要求を実施する相互作用基準はまた、病院スタッフメンバー1340が遵守ゾーン1315A又は1315Bを出た後、彼等の手を洗浄することを要求する。例えば、着用デバイス1345は起こり得る感染の広がりを避けるために、遵守ゾーンを出た後、予め選択された時間長さ(例えば、30秒)内に新しい“洗浄スタンプ”が受けられることを要求してもよい。もし新“洗浄スタンプ”が割り当てられた時間内
に受けられなかったなら、警報又は催促が発せられてもよい。該警報又は催促は可聴式、可視式、触覚式、又はそれらの何等かの組み合わせであってもよい。該警報が発せられた後、病院スタッフメンバー1340は無効化を作動させるか、新“洗浄スタンプ”を受けるために該警報に応答して彼等の手を洗浄するか、又は該警報への応答での彼等の手の洗浄を行わないかも知れない。もし該無効化が作動したなら、該着用デバイス1345は該無効化が作動したことを記録する。もし該病院スタッフメンバー1340が該警報に応答して彼等の手を洗浄するなら、該着用デバイス1345は該警報の発せられた後“洗浄スタンプ”が受けられたことを記録する。もし、予め選択された時間長さの後、該病院スタッフメンバー1340が該警報に応答して彼等の手を洗浄しないなら、着用デバイス1345は彼等の該手洗浄要求の非遵守を記録する。
【0108】
相互作用基準の遵守の判定は該相互作用基準により実施される要求又はプロトコルに依る。例えば、図13及び14の実施例では、該相互作用基準は手洗浄要求を実施するよう使われる。病院スタッフメンバー1340が彼等の手を洗浄したかどうかを判定するためには、“洗浄スタンプ”が使われた。このシステムを実施する方法論の1実施例は図15で見られてもよい。
【0109】
図15は図14で図示された着用デバイス1405と手洗浄ステーション1415の間の相互作用の方法の例示用実施例のフローチャート1500を図示する。最初に、手洗浄ステーション1415が使われたかどうかが判定される(過程1505)。これは手洗浄ステーションのモニター1420により行われる。次いで、手洗浄ステーションが使われたことを示す“洗浄スタンプ”の様な信号が送信される(過程1510)。該“洗浄スタンプ”は次いで受信され、着用デバイス1405で記録され、病院スタッフメンバーが彼等の手を洗浄したことを示す(過程1515)。或る実施例では、これは着用デバイス1405の手洗浄モニター1410により行われてもよい。
【0110】
図16は病院内で手洗浄要求を強制する例示用方法のフローチャート1600を図示する。この方法は図14のシステムを使って実行されてもよい。病院スタッフメンバーは遵守ゾーン1315A及び1315Bの1つに入る(過程1605)。次いで“洗浄スタンプ”が遵守ゾーン1315A又は1315Bに入る前に着用デバイス720により受信されたかが判定される(過程1610)。もし“洗浄スタンプ”が受信されたなら、着用デバイス1405は満足すべき進入を記録する(遵守#1”)(過程1615)。もし“洗浄スタンプ”が遵守ゾーン1315A又は1315Bに入る前に受信されなかったなら、該着用デバイスは警報を発する(過程1620)。該着用デバイスは次いで無効化が作動されたかを判定する(過程1625)。もし無効化が作動されたなら、着用デバイス1405は該作動を記録する(“状態1”)(過程1630)。もし該無効化が作動されないなら、着用デバイス1405は“洗浄スタンプ”が該警報の後受信されたかを記録する(過程1635)。もし“洗浄スタンプ”が受信されたなら、着用デバイス1405は満足すべき進入を記録する(遵守#2”)(過程1640)。もし“洗浄スタンプ”が受信されなかったなら、非遵守が記録される(過程1645)。
【0111】
図17は遵守ゾーンを離れた後、病院内の手洗浄要求を強制する例示用の方法のフローチャート1700を図示する。該病院スタッフメンバーは遵守ゾーン1315A及び1315Bの1つを出る(過程1705)。該遵守ゾーン1315A及び1315Bを離れてから時間T1が経過したかが判定される(過程1710)。例えば、時間T1が30sであってもよい。次いで、時間T1経過の前に“洗浄スタンプ”が受信されたかが判定される(過程1715)。もし“洗浄スタンプ”が受信されたなら、着用デバイス1405は要件を満たした進入を記録する(“状態2”)(過程1720)。もし“洗浄スタンプ”が時間T1経過前に受信されなかったなら、着用デバイス1405は非遵守を記録する(過程1725)。
【0112】
VII.中断プロトコルを特徴とする病院例
本発明に依るシステムのもう1つの例示用の使用法は手術手順の開始前の手術室内での中断プロトコルの記録及び強制にある。中断プロトコル中は、良好な慣例に依れば、該手術手順に関与する全病院スタッフ、例えば外科医、看護師、麻酔医、他が、正しい患者が正しい手術過程を受けようとしていることを確認するため小休止することを指示される。中断プロトコル中は、スタッフメンバーは該プロトコルのスタートを知らせ、患者の名前及び手術手順の詳細を声を出して読み上げる。該中断プロトコルは、病院スタッフメンバーが彼/彼女が患者の素性又は外科手順の詳細に関し同意しないかどうか声を出して話すことを認めることにより避け得る外科的誤りを防止する。中断プロトコルは、スタッフメンバーが該プロトコル中働き続け、該プロトコル中に読み出される情報へ注意を払うことを欠けることが多いので実施を強制することが難しい。
【0113】
図18は手術室内の中断プロトコルを強制するよう構成された例示用システム1800を図解する。3人の病院スタッフメンバー1810,1815及び1820が該手術室内の手術手順に関与し、彼等の中のスタッフメンバー1810が該中断プロトコルの始動及び実施を担当する指定されたスタッフメンバーである。該システム1800は該指定されたスタッフメンバー1810に取り付けられるか、又は他の仕方で組み合わされる遵守ゾーン指示器1805を有しており、該指示器は該指定されたスタッフメンバー1810の近傍の遵守ゾーンを指示する超音波信号を送信する。この例示用システムでは、該遵守ゾーンは中で、又は近くでプロトコルが行われるゾーンである。1つ以上の着用デバイスの着用者が該プロトコル中該遵守ゾーンの中又は近くで該プロトコルを遵守するよう期待される。該システム1800はまた、多数の着用デバイスを有し、該着用デバイスの各々は該手術手順に関与する病院スタッフメンバー1810,1815及び1820により着用されている。該多数の着用デバイスは情報で符号化された超音波信号を使って相互に通信するよう構成されている。
【0114】
該中断プロトコルを始動するよう決定すると、該指定されたスタッフメンバーは、例えば、作動ボタンを押すことにより、該遵守ゾーン指示器1805を作動させる。該遵守ゾーン指示器1805は超音波信号を送信し、それにより該指定されたスタッフメンバー1810の近傍に遵守ゾーンを指定する。該超音波信号は、例えば該ゾーンは中断プロトコルが行われる中断プロトコルゾーンである、と云う遵守ゾーンの種類を識別するデータで符号化されていてもよい。該超音波信号内の符号化されたデータはまた、その間、着用デバイスの1人以上の着用者が該中断プロトコルを遵守するよう期待される時間窓のスタートを示してもよい。
【0115】
該スタッフメンバー1815−1820が遵守ゾーン内にいる時、彼等の着用デバイスは該遵守ゾーン指示器1805から該超音波信号を受信する。1つの例示用実施例では、該スタッフメンバーの着用デバイスは、該超音波信号の受信に基づき、該遵守ゾーンに関係する中断プロトコルの相互作用基準を識別するようプログラムされてもよい。すなわち、該超音波信号を受信時、そしてオプションでは該信号内のデータの復号時、該スタッフメンバーの着用デバイスは該手術室内で遵守される必要がある中断プロトコルがあることを判定してもよい。加えて、該着用デバイスは該判定に従い1つ以上のアクションを行い、例えば、中断プロトコルがスタートしたことを示すようライトを閃かすか、ビープ音を鳴らしてもよい。もう1つの例示用実施例では、スタッフメンバーの着用デバイスは中断プロトコルの相互作用基準を識別しなくてもよく、従ってアクションをしなくてもよい。
【0116】
例示用中断プロトコル中、指定されたスタッフメンバー1810は該プロトコルのスタートを知らせ、患者の名前と手術手順の詳細を声を出して読み上げる。他のスタッフメンバーは、該声を出して読まれた情報に対する彼等の同意、不同意、又は未認識を、彼等の
個人の着用デバイスを使って記録することが出来る。例えば、該他のスタッフメンバーの各々は、彼等の同意を示す超音波信号を送信するよう、又は彼等の不同意又は未認識を示すために超音波信号を送信するように、彼/彼女の着用デバイス上のボタンを押してもよい。該超音波信号は、それらに限定しないが、該信号を送信する着用デバイス又はスタッフメンバーを識別する情報、スタッフメンバーの同意、不同意又は未認識に関する情報、他を含む情報で符号化されてもよい。例示用実施例では、該情報は、該スタッフメンバーの着用デバイスにより送信される超音波信号の連続するバースト間の時間間隔のシーケンスで符号化されてもよい。
【0117】
指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイスは該スタッフメンバーからの超音波送信を受信する。該指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイスは超音波信号内の符号化されたデータを処理し、解き、そして該超音波信号の受信と超音波信号内の符号化されたデータとを記録するようプログラムされる。スタッフメンバーからの応答は個別に又は纏まりとして記録され、処理され、該処理は実時間で、又は或る応答後の時間の後に、行われてもよい。1つの例示用実施例では、該指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイスは、中断プロトコルのスタート後の予め規定された時間の窓の間のみ該スタッフメンバーからの超音波送信を受信する。この実施例では、該着用デバイスは、該予め規定された時間の窓が満了後、スタッフメンバーからの超音波送信の記録又は処理を停止する。
【0118】
例示的実施例に依れば、該指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイスは全スタッフメンバーが該手術手順のスタートの前に該情報に同意することは請け負わない。すなわち、該指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイス自身は、該手順のスタートの前に中断プロトコルの遵守を請け負わない。この実施例では、該着用デバイスは超音波信号の受信と、該超音波信号内の符号化されたデータとを記録する。この記録は後でダウンロードされ、該手順に立ち会った全スタッフメンバーが同意したかどうか、誰が同意したか、誰が同意しなかったか、そして誰が該中断プロトコルに応答し損ねたかを判定するために、ベースステーションのワークステーションで更に処理される。
【0119】
もう1つの例示用実施例に依れば、指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイスは、全スタッフメンバーが該手術手順のスタートの前に該情報に同意することを保証する。すなわち、該指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイス自身が該手順のスタートの前に該中断プロトコルの遵守の保証に参加する。この実施例では、該着用デバイスは遵守ゾーンに関与するよう割り当てられるスタッフメンバーを決める。例えば、該着用デバイスは、その手術室内での手術に関与するよう割り当てられたスタッフメンバーを調べるため、遵守ゾーンの情報、例えば手術室識別子を使用する。他のスタッフメンバーからの超音波信号を受信すると、該着用デバイスはどのスタッフメンバーが該信号を発したかを判定するため、該信号内の符号化されたデータを対比させる。かくして、該着用デバイスはスタッフメンバーの誰が、同意で応答したか、不同意で応答したか、或いは全く応答しなかったかを記録することが出来る。全スタッフメンバーが同意して応答したことを判定すると、該着用デバイスは、例えばビープ音を鳴らすか、又は緑のライトを閃かすことにより、成功見込みの中断を示す。この場合、指定されたスタッフメンバーは次いで手術手順を進める指示を与えてもよい。
【0120】
他方、必ずしも全部のスタッフメンバーが応答しない、又は同意して応答しないことを判定すると、該着用デバイスは、例えばビープ音を鳴らすか又は赤いライトを閃かすことにより、中断の不成功を示してもよい。この場合、指定されたスタッフメンバーはスタッフメンバーが同意に達するまで及び同意に達しないならば、手術手順をスタートするのを避ける。
【0121】
図19は中断プロトコル中に手術手順への関与者により着用された着用デバイス間の相互作用の方法の1つの例示用実施例のフローチャート1900を図示する。該中断プロトコルを行う指定されたスタッフメンバーは中断プロトコルを始動するよう決める(過程1910)。該指定されたスタッフメンバーは中断プロトコルのスタートを示す(過程1915)。例示用実施例では、指定されたスタッフメンバーは近傍内に遵守ゾーンを指示する超音波信号を送信するよう該指定されたスタッフメンバーに関係する遵守ゾーン指示器を作動させてもよい。もう1つの例示用実施例では、指定されたスタッフメンバーは該指定されたスタッフメンバーの着用デバイス内に組み入れられた超音波送信器を使って超音波信号を送信してもよい。
【0122】
中断プロトコル中、該指定されたスタッフメンバーは手術手順に関する情報を声を出して読み上げる(過程1920)。全スタッフメンバーは、声を出して読まれた情報への彼等の同意、不同意又は未認識を、彼等のそれぞれの着用デバイスを使って、例えば、超音波信号を送信する彼等の着用デバイス上のボタンを押して、応答する(過程1925)。該指定されたスタッフメンバーの着用デバイスは全スタッフメンバーの着用デバイスからの応答信号を受信し(過程1930)、該応答信号を処理し、記憶する(過程1935)。
【0123】
オプションでは、該指定されたスタッフメンバーの着用デバイスは全てのスタッフメンバーが同意して応答したかどうかを判定することにより、中断プロトコルの遵守を判定する(過程1940)。該着用デバイスは次いで、全スタッフメンバーが該中断プロトコルに同意したかを、例えば緑のライトを閃かすことにより、或いは、何れかのスタッフメンバーが不同意であったか、又は該中断プロトコルへ応答し損ねたかを、例えば赤のライトを閃かすことにより、示す(過程1945)。
【0124】
VIII.ベースステーション
図13で表明されたシステムのもう1つの要素はベースステーション1350である。図13では、該ベースステーション1350は廊下1335のナースステーション1355に配置される。該ベースステーション1350は、着用デバイス1345とベースステーション1350の間でデータを転送するために、着用デバイス1345と通信するよう構成される。この仕方で、遵守データが着用デバイス1345からダウンロードされてもよく、相互作用基準が該着用デバイス1345を構成するようアップロードされてもよい。該ベースステーション1350はまた、遵守ゾーン指示器1305A及び1305Bと、手洗浄ステーション1325A及び1325Bの1つ以上と通信するよう構成される。
【0125】
図18で表明されるシステムでは、ベースステーションは、着用デバイスとベースステーションの間のデータの転送用に、該指定されたスタッフメンバー1810に関係する着用デバイスと通信するよう提供される。この仕方で、中断プロトコルに関するデータは着用デバイスからダウンロードされてもよく、該中断プロトコルに関する相互作用基準が着用デバイスを構成するようアップロードされてもよい。該ベースステーションはまた、該遵守ゾーン指示器1805と、スタッフメンバー1810,1815及び1820に関係する着用デバイスと通信するよう構成される。
【0126】
図20はベースステーション1350の例示用実施例を図示する。この実施例で、ベースステーション1350はワークステーション2000と着用デバイスラック2010を有する。該ワークステーション2000はターミナル2002,パーソナルコンピュータ2004の様なコンピュータ、そしてキーボード2006及びマウス2008の様な入力デバイスを有する。他の実施例では、該ワークステーションはサーバーの様な遠隔の又は中央に配置されたコンピュータと接続されたターミナル2002であってもよい。他の実施例では、ワークステーション2000は電子医療記録(EMR)システムの様なもう1
つのシステムの部分であってもよい。
【0127】
着用デバイスラック2010はワークステーション2000に接続される。例えば、着用デバイスラック2010はUSB接続を介して接続されてもよい。着用デバイスラック2010は、1つ以上の着用デバイス2015を預け入れ、データが着用デバイス2015との間で転送され、又データが着用デバイス2015からワークステーション2000へ転送されることを可能にする便利な場所を提供する。該着用デバイスラック2010は着用デバイス2015を受けるための多数のスロット又はクレードルを有してもよい。前に述べた様に、バッジ500又はバッジホルダー600の様な着用デバイスは、データを転送し、着用デバイス2015のバッテリーを充電するための、USBポートの様な、ポートを備えてもよい。着用デバイスラック2010の各スロット又はクレードルは、着用デバイス2015のそれぞれのUSBポートと嵌合するためにUSBプラグを備えてもよい。着用デバイス2015を該スロット又はクレ−ドル内へ置く動作は該着用デバイス2015を充電及びデータ転送用に該ワークステーション2000へ接続する。例えば、病院スタッフメンバーは、彼等のシフトの終わりに、彼等の着用デバイス2015を該クレードル内に置き、該着用デバイスが再充電されることを可能にする一方、該シフト中に記録された遵守データはストレージ及び解析用に該ワークステーション2000にダウンロードされる。代わりに、データ転送通信が無線通信技術を使って行われてもよい。1つの例示用実施例では、着用デバイス2015は、着用デバイス2015上に記憶されたデータが日毎ベースでワークステーション2000へ転送される必要がないように、1週間以上に亘り集められたデータを記憶するよう構成される。
【0128】
本発明の或る実施例に依れば、ベースステーション1350は着用デバイスラック2010を有しない。代わりに、着用デバイス2015は、有線か、無線か何れかの接続を使って、ベースステーション1350のワークステーション2000と直接通信する。或るこの様な実施例では、ワークステーション2000は遠隔か、中央位置(データセンターのコンピュータの様に)か、に配置されてもよく、着用デバイス2015は無線式に(その内部の送信器及び受信器又は追加の無線技術を使って)又はイーサーネット接続を経由して、ワークステーション2000と通信する。
【0129】
例示用実施例では、ベースステーション1350はまた、着用デバイス2015を構成するよう使われてもよい。例えば、図13の遵守ゾーン1315A及び1315B用の手洗浄要求を判定する相互作用基準はベースステーション1350を使って着用デバイス1345用に構成されてもよい。この例は図20で見られる。
【0130】
前に論じた様に、或る実施例では、図13のベースステーション1350は着用デバイス1345、遵守ゾーン指示器1305A及び1305B、そして手洗浄ステーション1325A及び1325Bの1つ以上と無線式に通信するよう構成されてもよい。この様な無線通信の1つの利点はそれが該システムへの持続して連続した更新を許容することである。かくして遵守ゾーン及び相互作用基準は随時更新され、修正され得る。同様に、着用デバイス1345、遵守ゾーン指示器1305A及び1305Bそして手洗浄ステーション1325A及び1325Bのステイタスもまた、連続してモニターされる。
【0131】
遵守ゾーン指示器110の論議で述べた様に、遵守ゾーン指示器110の受信器220は該遵守ゾーン指示器110を構成するための信号を受信するよう使われてもよい。着用デバイス120の論議で述べた様に、着用デバイス120の受信器400は着用デバイス120を構成するための信号を受信するよう使われてもよい。同様に、着用デバイス120の1つ以上の送信器440は記録された遵守データを転送するため使われてもよい。同様に、手洗浄ステーション1325A及び1325Bの送信器1330A及び1330Bと受信器(示されてない)もまた、ベースステーション1350へ及びベースステーション1350からデータを転送するため使われてもよい。
【0132】
一旦データが着用デバイス1345、遵守ゾーン指示器1305A及び1305B、そして手洗浄ステーション1325A及び1325Bから得られると、該データは記憶され、解析される。このデータは該プロトコル及び要求が如何に良く強制されているかを判定するため使われてもよい。該手洗浄例では、病院管理者は、手洗浄プロトコルの目標が達成されているかどうか、を判定し、誰が手洗浄プロトコルを遵守しているか、又は誰が遵守しないか、を判定するため該データを使用し、そして遵守を改善するよう該システムを更に構成することが出来る。或る実施例では、個人の遵守に基づき報奨又は罰点が提供される。該データはまた、規制又は認定機関への提出用に、グループの遵守に関する強力で包括的な文書の提供で使われてもよい。
【0133】
図21はバッジを特定の病院スタッフメンバーと関係づけるために、着用デバイスを登録するため使われるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)例2100を画く。この実施例で、該GUIはユーザーにより充たされるべき多数の欄を提供する。第1欄はバッジ番号欄2105である。該バッジ番号欄2105に、ユーザーは構成される着用デバイスの識別番号を入れる。次の欄はバッジ着用者欄2110である。該バッジ着用者欄2110に、ユーザーは該着用デバイスと関係する病院スタッフメンバーの名を入れる。次の欄は役割欄2115である。役割欄2115で、ユーザーは該着用デバイスと関係する病院スタッフメンバーの役割を識別する。例えば、病院スタッフメンバーの役割は“医者”、“看護師”等であってもよい。最後の表示された欄は認証欄2120である。認証欄2120に、ユーザーは着用デバイスと関係する病院スタッフメンバーの認証レベルを入れる。例えば、病院スタッフメンバーは感染症医術で認証されていてもよい。ユーザーにより提供された情報に基づき、着用デバイスは特定の病院スタッフメンバー用に構成される。例えば、もし病院スタッフメンバーが感染症医術の認証された医師であるなら、着用デバイスは、該医師が、遵守ゾーンにいる時、着用デバイスに関して無効化を作動させることを可能にするよう構成されてもよい。同様に、遵守ゾーンに入った後又は該ゾーンを去った後、該医師の手を洗浄する時間限度が調整されてもよい。
【0134】
図21に図示された欄2105,2110,2115及び2120は多数の考えられる欄の二、三に過ぎないことは理解されるべきである。本発明の或る例示用実施例に依れば、前の欄に入れられた情報により他の欄が提供されてもよい。他の実施例では、該欄は各相互作用基準を個別に指定するよう提供されてもよい。或る実施例では、提供された欄はベースステーションのユーザーの素性に依る。すなわち、着用デバイスを構成する能力は権限及び/又は真正の証明を必要としてもよい。例えば、部門の長は該部門内の医師個人又は看護師個人よりも強いバッジ構成能力を備えてもよい。
【0135】
かくして、本発明のシステムと方法論は健康、安全、保険および規制要求を遵守するのに必要なプロトコルを強制する有効な手段を提供する。遵守ゾーン指示器が該プロトコルの実施が望まれる場所に配置される。該遵守ゾーン指示器は遵守ゾーンを決定する信号を送信する。従業員は遵守ゾーン指示器により送信される信号を受信出来る着用デバイスを備える。着用デバイスが該遵守ゾーン内にある時、該着用デバイスは遵守ゾーンを認識し、該遵守ゾーン用の相互作用規準を識別する。該相互作用基準は該望まれるプロトコルを遵守するのに必要な要求である。該着用デバイスは該相互作用基準の遵守を判定し、記録する。該記録された遵守データは次いで強制されるプロトコルの遵守のレベルを判定するため分析されてもよい。
【0136】
前記説明を考慮すると当業者には本発明の数多くの変型と代替え実施例が明らかになるであろう。従って、この説明は、図解としてのみ解釈されるべきであり、そして本発明を実行するために技術的に最善の様式で当業者へ開示する目的用になっている。その構造の
詳細が実質的に変わっても本発明の精神から離れることは無く、そして附属する請求項の範囲に入る全ての変型の排他的使用が留保される。本発明は附属する請求項と適用可能な法律の規則により要求される程度にのみ限定されるよう意図されている。
【0137】
下記請求項はここに説明した本発明の全ての一般的及び特定的特徴と、言語の問題として、その間に入ると云われる本発明の範囲の全表明と、をカバーすると理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明の例示用実施例は施設内プロトコルのモニタリング及び励行に関する。特に、例示用実施例は、超音波信号を使うデータ伝送を通しての指定された遵守ゾーンの確立と、プロトコル遵守の判定用の該指定された遵守ゾーンとの相互作用のモニタリングと、に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの施設は健康、安全、保険及び規制の要求を遵守させるプロトコルを配置している。工場や病院の様な大きな施設では、プロトコルの強制を追跡される必要のある多数の人、機器、範囲、及び他のリソースがある。関与する大きな数に加えて、この様な大型施設ではまた、多種類の人、機器、範囲及びリソースがある。該多種類の人、機器、範囲及びリソースの各々は、多種類の関連するプロトコルを有する。
【0003】
遵守プロトコルの例として、有資格要員のみがアクセスを許される施設内の特定範囲又はゾーンがある。工場では、これらの遵守ゾーンは、危険な機器又は化学品が使われ、適切な安全装置を有する有資格要員のみがアクセスを許される危険ゾーンである。ゾーン用に必要な資格のレベルは、該ゾーン内にいる時ヘルメットが必要なことから、該ゾーン内にいる時防護服及びレスピレーターが必要なことまでに及ぶ。施設はまた、或るプロトコルが護られねばならないクリーンルーム及び安全室の様な他のゾーンを有してもよい。これらのゾーンへのアクセスは要員に、特定の訓練又はアクセス権限を有するか、又は該ゾーンに入る、該ゾーンから出る又は該ゾーンに留まる時、或るアクションを行うことを求める。
【0004】
病院もまた、関与する種々の人(非従業員及び従業員の種類)、機器、範囲及びリソースで変わる多くのプロトコルを規則的にモニターし、強制せねばならない。どんな時でも、医療専門家、管理スタッフ及びハウスキーピングスタッフに加えて、病院内には多数の患者、訪問者、コンサルタント、建設業者等が居る。これらの個人の各々は、彼等に組み合わされる種々のプロトコル要求を有する。病院はまた、患者室、実験室、手術室、クリーンルーム、集中治療範囲、隔離範囲、放射線学室、記録室、管理オフィス、データ及びセキュリティセンター、医薬供給室の様な、特定プロトコル要求を有する幾つかの範囲を備える。これらの範囲の各々は種々のプロトコルを要する。病院はまた、一時的又は非恒久的プロトコルの使用を要してもよい。例えば、特定の患者又は機器片用には防護プロトコルが要求される。患者又は患者を保持するベッドが接触伝染性と指定された場合、適当な有資格のそして装備した医療専門家だけが該患者又はベッドに近付くことが許される。或る環境では、医療専門家は、或る診断を有する患者に近付く時はN95レスピレーターの使用、又は遵守ゾーンを出る時は手を洗滌する必要性、の様な典型的又は非典型的なプロトコルの遵守を求められる。他のプロトコルは人又は範囲の種類について汎用的である。
【0005】
例え簡単なプロトコルの強制でも、病院の様な大きなそして忙しい施設を扱う時は難しく、実時間の強制は極端に難しい。模範的な病院プロトコルは手の衛生又は手洗浄プロトコルである。研究は、手の衛生プロトコルへの適切な遵守は、院内感染により引き起こされる罹病率及び死亡率を著しく減じることが出来ることを示す。しかしながら、手の衛生のプロトコルで指定された動作の強制は、モニタリングを要する多数の個人と、病院内部の一般的に忙しく、速いペースの環境のために病院では難しい。
【0006】
プロトコルの遵守のモニタリングの或る技術は、各ゾーンが該ゾーンに関係する特定プ
ロトコルを有するゾーンを該施設内に確立することを含む。例えば、患者のベッド付近のクリーンゾーンは、該クリーンゾーンの汚染を避けるために手洗浄プロトコルを要する。これらの技術は、リソース、例えば病院スタッフについて、該リソースが該ゾーンに関係するプロトコルを遵守したかどうかを判定するために、ゾーンとの相互作用をモニターする。
【0007】
ゾーンを確立する或る従来の技術は、ゾーンの境界を指示するために赤外線信号を送信する過程を含む。赤外線信号は見通し線に依っており、すなわち、該信号は直線で伝播し、一般に障害物を通り抜けたり、障害物を回り込んだりは出来ない。赤外線は幾つかの従来のゾーン確立システム用には好適であり、何故ならば赤外線信号は壁を貫通せず、良く規定されたゾーン内に囲い込まれるからである。
【0008】
しかしながら、赤外線信号の送信でゾーンを確立する従来技術には著しい欠点がある。一般に従来のシステムは、赤外線送信器と赤外線受信器の間の見通し線がブロックされる場合、例えば臨床医が着用した受信器バッジが該臨床医の衣服、或いは或る患者室で着用することを求められる防護服装、によりカバーされる場合、作動しない。この様であるから、臨床医が着用するバッジ上の赤外線信号受信器は、常に衣服の外に曝されねばならない。これは、例えば頸又は肩の後ろに於ける様に、バッジの不快な又は望まない配置を要することが多い。衣服外のバッジの露出はまた、該衣服の感染抑制バリアを破り、該違反は赤外線受信器バッジをクリーンな範囲での使用に不適当とさせる。赤外線受信器バッジを着用する病院スタッフメンバーは、かくして如何に、そして何処へ該バッジを着用するかを意識している必要がある。同様な理由で、手洗浄ステーションの使用を示す赤外線送信器は手洗浄ディスペンサー内へ組み込むことができない。何故ならば該赤外線信号が該ディスペンサーのケーシングを貫通しないからである。
【0009】
赤外線信号はまた、障害物が該赤外線送信器と受信器の間の主信号経路を覆う時起こるシャドーイングに影響され易い。従来の技術は一つ信号のゾーンを確立するために、赤外線送信器の大型で複雑なセットを使うことにより該シャドーイングの問題を克服するよう企てている。これらの従来の技術は設置するのに高価であり、多大なインフラストラクチャーを要する。
【0010】
ゾーンを確立する他の従来技術は、該ゾーンの境界線を指示するために無線周波(RF)信号又は無線自動識別(RFID)信号の送信を含む。無線周波信号は見通し線に依らず、一般的に障害物を通り抜けるか、回り込む。この特性は、例えば臨床医着用バッジ上の無線周波受信器がゾーンの施設輪郭に実質的に無関係に無線周波送信器からの信号を信頼性を保って受信することを可能にする。しかしながら、この見通し線に依らぬ特性はまた、該無線周波信号が壁を貫通することが出来て、壁のセット間に規定されたゾーン内に信頼性を保って囲い込まれ得ないことを意味する。例えば、部屋内のゾーンを規定するために部屋内で送信する無線周波信号は、隣接室内の該ゾーン外の無線周波受信器により受信される。かくして、これらの従来システムでは、無線周波受信器は受信された信号のソースを識別することに困難を有する。
【0011】
上記欠点にも拘わらず、赤外線及び無線周波の両信号は超音波の様な他の技術に優ってゾーンを確立するために好ましい技術として役立って来た。超音波信号はデータ伝送に適しない。超音波信号はマルチパス干渉を非常に起こしやすく、該干渉は1つのソースからの波が2つ以上の経路を経由して検出器へ進み、適した条件では該波の2つ以上の成分が干渉する現象である。
【発明の概要】
【0012】
上記を考慮して、例示用実施例は範囲及び個人と関係するプロトコルの遵守をモニター
し促進するシステムを提供する。該システムはプロトコルと関係する行動をモニターし、該行動の該プロトコルへの遵守を判定する。該システムは関与する範囲又は個人に基づき、必要な様に構成可能である。
【0013】
例えば、例示用実施例で提供されるシステムは遵守ゾーンを確立し、該遵守ゾーン内及び該ゾーンの近くでの種々の個人の行動をモニターすることが出来る。遵守ゾーンは、遵守ゾーン指示器からの信号送信を使って確立される。該遵守ゾーンと相互作用する各個人は着用デバイスを備える。該着用デバイスは該遵守ゾーン指示器により送信された信号を認識し、該遵守ゾーンと相互作用するための1つ以上の予め決められた又は予め規定された基準を識別する。これらの基準は、該遵守ゾーンと関係する1つ以上のプロトコルに関係しており、プロトコルを強制するよう行動に影響し、行動をモニターしそして行動を文書化するのに必要な様に構成可能である。該システムは、該着用デバイスの着用者が該基準を遵守し、従って該遵守ゾーンと関係する該プロトコルを遵守しているかどうかを判定する。
【0014】
更に、ゾーン確立に赤外線及び無線周波信号伝送を使う欠点を考慮し、そして超音波がデータ伝送用に好適でないと言う従来の見方にも拘わらず、例示用実施例により提供されるシステムはゾーン確立に超音波伝送を使う。超音波は赤外線よりも少ししか見通し線に依らず、無線周波よりも多く見通し線に依る。超音波信号が障害物により完全には阻止されないので、送信器及び受信器は該ゾーンの施設輪郭に無関係に超音波を使って高信頼性状態で通信出来る。他方、超音波信号は壁を貫通出来ないので、該システムはゾーンが明確に定義されること、そしてゾーンを確立する超音波信号の送信は該ゾーンの外部の受信器により受信されないことを保証する。超音波信号はデータ伝送には好適でないが、例示用実施例は超音波信号のデータを符号化し、そして符号化された超音波信号からデータを復号するシステムと方法を提供する。例示用システムと方法はまた、超音波信号に関係するマルチパス干渉の問題を緩和する。
【0015】
本発明の1つの例示用実施例に依れば、遵守ゾーンを確立し、該ゾーンとの相互作用をモニターするシステムが提供される。該システムは遵守ゾーン指示器を有し、該遵守ゾーン指示器の近傍で該遵守ゾーンの創生に帰着する様な仕方で超音波システムを使ってデータを送信するよう構成された該遵守ゾーン指示器を有している。該超音波信号は、バースト当たり8搬送波サイクルとバースト当たり10搬送波サイクルの間にあって、かつ含むバーストを有する。該システムはまた、該遵守ゾーン指示器とは別の着用デバイスを有する。該着用デバイスは、該着用デバイスが該遵守ゾーン内で該超音波信号を通してデータを受信した時、該遵守ゾーン用の予め規定された相互作用基準を識別するよう構成された遵守ゾーン認識部品を有する。該着用デバイスが該遵守ゾーン内に配置されると、該遵守ゾーン認識部品は該遵守ゾーンの相互作用基準を識別し、該相互作用基準に従って動作する。該着用デバイスはまた、該遵守ゾーンの該相互作用基準の遵守を判定し、記録する。該記録データはオプションではリアルタイムの警報を作動させるため使われる。該記録データはまた、オプションで続くプロトコル遵守の分析及び文書化で使われる。
【0016】
本発明のもう1つの例示用実施例に依れば、遵守ゾーンを確立し、該ゾーンと相互作用する方法が提供される。該方法は遵守ゾーン指示器を使い、超音波信号を使ってデータを送信する過程を具備し、該遵守ゾーン指示器の近傍での遵守ゾーン創生に帰着する様な仕方で該データの送信を行う過程を具備しており、該超音波信号は複数のバーストを有し、該複数のバースト内の連続するバーストは予め規定された時間間隔だけ時間的に離れており、該複数のバースト内の該連続するバースト間の全ての該予め規定された時間間隔のシーケンスは該遵守ゾーンを独特に識別する。該方法はまた、着用デバイスの遵守ゾーン認識部品を使って該遵守ゾーン用の予め規定された相互作用基準を識別する過程を具備し、該着用デバイスが該遵守ゾーン内で該超音波信号を通して該データを受信する時、該識別
する過程を具備しており、該遵守ゾーン認識部品は該相互作用基準に従い動作する。
【0017】
本発明のなおもう1つの例示用実施例に依り、1方法が提供される。該方法は、第1超音波信号を送信する過程であって、該第1超音波信号の送信の近傍の遵守ゾーンの創生に帰着する方法で該第1超音波信号を送信する過程と、第1着用デバイスを使って該遵守ゾーンと関係する相互作用基準を識別する過程であって、該第1着用デバイスが該遵守ゾーン内で該第1超音波信号を受信する時に該識別する過程と、を具備する。該方法はまた、該第1着用デバイスを使って該相互作用基準と関係したアクションを行う過程を具備しており、該アクションは第2着用デバイスと通信する第2超音波信号を送信する過程を有する。該方法は該第2着用デバイスに於いて該第1着用デバイスからの第2超音波信号を受信する過程と、該第2着用デバイスに於ける該第2超音波信号の受信を記録する過程と、を更に具備する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明のこれら及び他の特性は添付した図面と連携した下記詳細説明を参照することにより充分に理解される。
【図1】遵守ゾーンを確立し、該ゾーンとの相互作用をモニターするシステムの例示用実施例のブロック線図を図示する。
【図2】遵守ゾーン指示器の例示用実施例のブロック線図を図示する。
【図3】図2の例示用保護ゾーン指示器の斜視図を図示する。
【図4】使用可能な着用デバイスの例示用実施例のブロック線図を図示する。
【図5A】バッジを成している例示用着用デバイスの正面斜視図を図示する。
【図5B】図5Aのバッジの背面図を図示する。
【図6A】バッジホルダーを成している例示用着用デバイスの正面斜視図を図示する。
【図6B】図6Aのバッジホルダーの背面図を図示する。
【図7】遵守ゾーンを確立するための方法論の1つの例示用実施例のフローチャートである。
【図8A】超音波信号のバーストの例示用実施例のパルスを図示する。
【図8B】超音波信号のメッセージの例示用実施例内のバーストを図示する。
【図8C】超音波信号のメッセージの例示用実施例のメッセージビットを図示する。
【図9】超音波信号内の符号化されたメッセージの復号で使用される例示用メッセージ翻訳ロジックのフローチャートである。
【図10】メッセージの周期的冗長検査(CRC)チェックサムを計算する例示用の方法のフローチャートである。
【図11】CRCチェックサムを使ってメッセージの有効性を判定する例示用の方法のフローチャートである。
【図12】遵守ゾーンを確立し、該ゾーンとの相互作用をモニターする例示用の方法のフローチャートである。
【図13】病院内で手洗浄要求を強制するシステムの例示用実施例を図示する。
【図14】図13のシステムの1部分のブロック線図を図示する。
【図15】図14で図示する着用デバイスと手洗浄ステーションの間の相互作用の例示用の方法のフローチャートである。
【図16】病院内で手洗浄要求を強制する例示用の方法のフローチャートである。
【図17】遵守ゾーンを離れた後に、病院内で手洗浄要求を強制する例示用の方法のフローチャートである。
【図18】手術室内で中断プロトコルを強制するシステムの例示用実施例を図示する。
【図19】手術室内で中断プロトコルをモニターし、強制する例示用の方法のフローチャートである。
【図20】ベースステーションの例示用実施例を図示する。
【図21】ベースステーションにより提供されるグラフィカルユーザーインターフェースの例示用実施例を図示する。
【実施例1】
【0019】
例示用実施例は施設内の指定範囲の使用及び/又は該範囲との相互作用に関するプロトコルを強制するシステムと方法を提供する。これらの指定範囲に関するプロトコルを強制するために、該システムは、プロトコル強制が望まれる範囲内に遵守ゾーンとここでは呼ばれるものを確立する。或る例示用実施例では、該遵守ゾーンは保護された範囲内、例えば患者の周りに又はクリーンな範囲内に、確立されてもよい。これらの実施例では、該遵守ゾーンは防護されるゾーンであると考えられてもよい。
【0020】
該システムをこれらの遵守ゾーンを遵守ゾーン指示器を使い確立する。該遵守ゾーン指示器は1つ以上の超音波信号を送信することにより該遵守ゾーンを確立する。該信号により覆われた範囲は該遵守ゾーンの範囲に対応する。従って、該信号の送信は該遵守ゾーンを確立するアクションである。
【0021】
該遵守ゾーンの範囲と相互作用する個人は、該遵守ゾーン指示器から送信される信号を受信する着用デバイスを備える。個人が遵守ゾーン内に居ると、彼/彼女の着用デバイスは該送信信号を受信し、遵守ゾーンが該範囲内に確立されたことを認識する。一旦遵守ゾーンが認識されると、該着用デバイスは、強制されるプロトコルにより指定されるように、遵守ゾーンと相互作用するために、どんな規準がそこにあっても、該規準を識別する。該着用デバイスはオプションとして着用者に該プロトコル基準を通知する実時間の合図又は警報を提供してもよい。該着用デバイスは次いで該個人が該基準を遵守しているかどうかを判定する。該着用デバイスは該判定結果を記録し、該規準に関する情報を処理する。遵守は該個人が手洗浄ステーションの様な、範囲内の品物と如何に相互作用するかの評価を含んでもよい。該記録された遵守データはアクセスされ、ダウンロードされ、強制の有効性を決定するために種々の方法で検討又は分析されてもよい。該記録された遵守データ
はオプションでリアルタイムに警報を作動させるため使われてもよい。
【0022】
全体を通して同様な部品は同様な参照数字で指定される図1から21は例示用実施例に依り、遵守ゾーンの使用及び/又は遵守ゾーンとの相互作用に関するプロトコルを強制するシステムと方法の実施例を図解する。例示用実施例は図を参照して説明されるが、数多くの代替え形式で本発明を具体化することが出来ることは理解されるべきである。当業者は寸法、形状又は要素又は材料の種類の様な開示実施例のパラメーターを、本発明の精神と範囲をなお守る仕方で、変える種々の方法を追加的に評価するであろう。
【0023】
I.システム
図1は遵守ゾーンを確立し、該ゾーンとの相互作用をモニターするシステム100の例示用実施例を図示する。該システム100は遵守ゾーン指示器110と該遵守ゾーン指示器110から離れた着用デバイス120を有する。使用時、該遵守ゾーン指示器110は遵守ゾーン130を確立する。着用デバイス120が該遵守ゾーン130内にある時、該着用デバイスの遵守ゾーン認識部品140は該遵守ゾーン130を認識し、該遵守ゾーン130に関係する1つ以上の相互作用基準を識別する。該相互作用基準に基づき、該着用デバイス120は該相互作用基準の要求に従って動作する。加えて、該着用デバイス120は該相互作用基準の遵守を判定し、記録する。該システム100の要素の各々は、該各々の動作及び他の要素との相互作用を含めて、下記で詳細に論じられる。
【0024】
II.遵守ゾーン指示器
該システム100は遵守ゾーン指示器110を有する。該遵守ゾーン指示器110は、例えば信号を送信することにより、遵守ゾーン130を確立する、又は指示する。この様であるから、該遵守ゾーン指示器110は遵守ゾーン130が望まれる場所に配置されるよう構成されてもよい。遵守ゾーン130は、プロトコルの強制が望まれるどんな場所に確立されてもよい。例えば、遵守ゾーン130は患者、ベッド、部屋、機器等用に使用されてもよい。この様であるから、遵守ゾーン指示器110は、例えば、人、機器、場所他に取り付けられる様な、多数の場所への容易な配置用に設計される。遵守ゾーン指示器110はまた、可動性であってもよく、該指示器110により指示される遵守ゾーンの場所を変えるために移動させられてもよい。
【0025】
該遵守ゾーン指示器110は自由にオン又はオフに切り替えられてもよい。
【0026】
図2は遵守ゾーン指示器110の例示用実施例を図示する。この実施例で、該遵守ゾーン指示器110は送信器200,制御器210そして受信器220を有する。該送信器200は遵守ゾーンを確立するために超音波信号を送信する。該送信器200により送信される信号の範囲は、後で論じられる様に該信号を制限する障害物が無いならば、遵守ゾーン130の外側限界を確立する。或る実施例では、遵守ゾーン指示器110は多数の送信器を有してもよい。
【0027】
該制御器210は該送信器200,送信される超音波信号、そして受信器220を制御するようプログラムされる。該制御器210は送信器200を制御するようプログラムされるのに好適などんな種類の制御器、マイクロ制御器、プロセッサ又はマイクロプロセッサであってもよい。該制御器210はどんな種類の信号を該送信器200が送信するかを指示してもよく、或いは該信号が如何に伝わるかの種類を指示してもよい。該遵守ゾーンを確立するために該送信器200により送信される該信号は独特な、半ば独特な、独特でない、信号或いはそれらの何等かの組み合わせであってもよい。例えば、独特な信号は特定の患者と相関して使われてもよく、一方半ば独特な信号は患者の種類に伴って使われてもよい。或る実施例では、識別番号及び/又は日付と時刻情報の様な他の情報、が該超音波信号内に符号化される。該信号の送信は連続的でも、周期的でも、該遵守ゾーン指示器
110で受信された信号への応答でも、或いはそれらの何等かの組み合わせであってもよい。該信号の種類のみならず信号の強さも制御器210を使ってユーザー指定されてもよい。
【0028】
該制御器210はまた、該送信器200により送信された超音波信号がデータにより符号化されるよう送信器200を制御すべくプログラムされる。該データは、それらに限定されないが、該超音波信号により確立される遵守ゾーンの種類と特性、遵守ゾーン指示器110に関する情報、他を有してもよい。
【0029】
或る実施例では、該遵守ゾーン指示器110は受信器220を更に有する。該受信器220は該遵守ゾーン指示器110で超音波信号を受信するよう構成される。或る実施例では、該受信器220は遵守ゾーン指示器110を構成する信号を受信するよう使われてもよい。或る実施例では、該受信器220は、該遵守ゾーン指示器110で受信された信号に応答して信号を送信するトランスポンダーを形成するために、送信器200及び制御器210と連携して使われてもよい。或るこの様な実施例では、送信される信号の範囲及び/又は種類は受信器220により受信された信号により決定されてもよい。
【0030】
図3は、遵守ゾーンが望まれる場所へ配置するよう構成された遵守ゾーン指示器110の例示用実施例を図示する。該遵守ゾーン指示器110は送信器200,制御器210、そして受信器220を収容するハウジング300を有する。該ハウジングはプラスチック、金属又は他の適当な材料で形成される。該ハウジングは多数の場所への該遵守ゾーン指示器110の容易な配置と、1つの場所からもう1つへの該遵守ゾーン指示器110の移動と、を許容するように、サイズ決めされ、寸法取りされる。或る実施例では、該遵守ゾーン指示器110はバッテリーで給電される。他の実施例では、該遵守ゾーン指示器110は壁のソケットに差し込まれるか、又は電源へ又はグリッドへ配線されてもよい。
【0031】
或る実施例では、遵守ゾーン指示器110は該遵守ゾーン指示器110への又は該指示器からのデータ転送用にデータポート320を更に有してもよい。該データポート320は遵守ゾーン指示器110を構成するために制御器210と通信するよう使われてもよい。適当なデータポートの例はユニバーサルシリアルバス(USB)ポートの様なシリアルポート又はイーサーネット(Ethernet)ポートを有する。他の起こり得るポートは本開示の特典を与えられた当業者には明らかであろう。他の実施例では、該遵守ゾーン指示器110の送信器200と受信器220は該遵守ゾーン指示器110に対してデータを行ったり、来たりして伝送するのに使われる。
【0032】
III.着用デバイス
該システム100はまた、着用デバイス120を有する。着用デバイス120は、該着用デバイスがどんな特定の遵守ゾーンに於いても相互作用する遵守ゾーン指示器110とは別になっている。使用時、ユーザーは着用デバイス120を着用するのが典型的であるが、それは遵守ゾーン130との着用者の相互作用を追跡するためである。該着用デバイス120は遵守ゾーン130を認識し、該遵守ゾーン130用の1つ以上の予め規定された相互作用基準を識別するよう構成された遵守ゾーン認識部品140を有する。遵守ゾーン認識部品140の例示用実施例は図4に図示する。
【0033】
図4に図示する例示用実施例では、該遵守ゾーン認識部品140は受信器400,フィルター402,制御器404,送信器440、そして計算デバイス410を有する。
【0034】
受信器400は、遵守ゾーン指示器110から送信される信号の様な超音波周波数範囲内の信号を受信するよう最適化された、適当な音響から電気への変換器又はセンサー、例えばマイクロフォンである。受信器400により受信された音響信号に対応する電気信号
は、遵守ゾーン認識部品140内のRC回路フィルター402によりフィルターされる。該RC回路フィルター402は超音波周波数範囲に対応する信号のみが通過することを可能にする。
【0035】
受信器400は、例え該受信器が何時も超音波信号を聴いていても、低電力で動作するよう構成されている。制御器404はプロセッサ420の動作を制御するようプログラムされ、着用デバイス120の動作中は普通はオフに保たれる。該制御器404とプロセッサ420は、該フィルター402が該超音波周波数範囲に対応する信号を検出し、これらの信号にフィルター402を通過させ、そしてこれらの信号を出力する時のみ、オンに切り替わる。該制御器404と該プロセッサ420は、他の時間、例えば受信器400が遵守ゾーンを確立しない可聴音を受信した時は、オフに保たれている。制御器404とプロセッサ420のこの選択的起動は、着用デバイス120がさもなければ消費すると思われる電力を減じる。
【0036】
電力はまた、制御器404のクロックとして作用する高精度水晶発振器403を保持するためにも消費される。制御器クロックによる電力消費を最小化するために、制御器404のタイミングは、高精度水晶発振器403の代わりに、制御器404内に組み込まれた低精度RC又はLC発振器405を使って保たれる。該RC又はLC発振器405タイマーは抵抗器又は電流源を通してのキャパシターの充電及び放電に基づく。該RC又はLC発振器405の精度は水晶発振器403より低く、かくして該システムは或る誤差マージンを許容出来なければならない。かくして、該フィルター402は受信信号で理想周波数の2%上又は2%下の搬送波周波数の受信信号を認める。
【0037】
着用デバイス120内の電力消費を更に減じるために、着用デバイス120は該デバイスの着用者が動いているか又は静止しているかを検出する運動センサー401を装備してもよい。静止して立っている着用者は彼/彼女の近傍内の遵守ゾーンに関して新しく情報を受信しそうではない。該運動センサー401は該着用者が静止していることを検出すると、制御器404は、電力を消費する該着用デバイス120の部品、例えばフィルター402及びプロセッサ420、をオフに切り替える。制御器404は、該運動センサーが、該着用者が動きをスタートしたことを検出すると該部品を次にオンに切り替える。
【0038】
好ましくは、受信器400は遵守ゾーン指示器110の送信器200と同じ種類であるのがよく、そうすれば該指示器は着用デバイスが遵守ゾーンを指示する遵守ゾーン指示器110からの送信を受信することを可能にするからである。或る実施例では、着用デバイス120は種々の種類の多数の受信器を有してもよい。或る実施例では、該受信器400は着用デバイス120を構成するための信号を受信するため使われてもよい。例えば、遵守ゾーン130用の予め決められた又は予め規定された基準は該着用デバイス120で受信された信号により構成されてもよい。同様に、該着用デバイス120は該着用デバイス120を着用する特定ユーザーと関係するよう構成されてもよい。例えば、各着用デバイス120は特定ユーザーと組み合わされ得る独特の識別番号を有してもよい。
【0039】
計算デバイス410はプロセッサ420と記録可能な媒体430とを有する。該プロセッサ420は、受信器400とインターフェースで接続することが出来て、遵守ゾーン130を認識するよう該受信器により受信された信号を処理し、該遵守ゾーン130用の予め規定された相互作用基準を識別し、該相互作用基準の遵守を判定し、そして該相互作用基準の遵守があったか否かを記録するようプログラムされた、何等かの適当なプロセッサであってもよい。適当なプロセッサは本開示の特典を与えられる当業者には明らかであろう。該記録可能な媒体430は、相互作用基準を含む該プロセッサ420用のインストラクションと、該相互作用基準の遵守を含む該プロセッサ420により得られる又は発生されるデータと、を記憶するため使われる。この様なデータは遵守ゾーン130との何等か
の相互作用の日付、時刻、そして結果を含む。該記録可能な媒体430は該着用デバイス120と一体で、又は該着用デバイス120から分離して、提供されるメモリーデバイスである。他の好適な記録可能な媒体は本開示の特典を与えられた当業者には明らかであろう。
【0040】
例示用実施例では、受信器400で受信された超音波信号はデータで符号化される。この実施例では、着用デバイス120のプロセッサ420は該受信超音波信号を処理し、該超音波信号内の符号化されたデータを復号するようプログラムされる。
【0041】
或る実施例では、遵守ゾーン認識部品140は1つ以上の送信器440を更に有してもよい。該1つ以上の送信器440は該着用デバイス120から超音波信号を送信するよう構成される。本発明の或る実施例に依れば、該着用デバイスは多数の送信器を有してもよい。
【0042】
或る実施例では、該1つ以上の送信器440はトランスポンダー構成で、受信器400と連携して使われてもよい。この様な構成では、該1つ以上の送信器440は、該遵守ゾーン指示器110の受信器220へ問い合わせ信号を送信し、該指示器が今度は該遵守ゾーン指示器110の送信器200からの応答信号を送信する。或るこの様な実施例では、該遵守ゾーン認識部品140の該1つ以上の送信器440により送信される信号は、該遵守ゾーン指示器110により送信される信号の範囲及び/又は種類を判定する。
【0043】
図5A及び5Bは着用デバイス120の例示用実施例を図示し、該着用デバイスはバッジ500である。該バッジは標準的特定施設向け識別バッジの形であってもよい。図5Aは該バッジ500の正面図を画く。図5Bは該バッジ500の背面図を画く。
【0044】
該バッジ500は遵守ゾーン認識部品140を有するハウジング510を備える。該ハウジング510はクリップ又はランヤードをバッジ500に取り付けるための貫通孔512を有する。該ハウジング510はプラスチック又は他の適当な材料製であってもよい。該バッジ500の前には、該バッジの着用者用の識別情報が提供される。これは該バッジに関係する人の写真520のみならず、関係する人の名前522及び身分524を有してもよい。実施例では、該バッジ500は外部受信器530及び/又は外部送信器532を更に有してもよい。好ましくは、再充電可能な又は取り換え可能なバッテリーの様なバッテリーが該バッジ500に給電するのがよい。或る実施例では、バッジ500は、データ転送及びバッテリー充電用に使われるUSBの様なポート又はイーサーネットポートを有してもよい。
【0045】
或る実施例では、該着用デバイス120は、遵守ゾーンに入る時又は遵守ゾーン内部に居る時、遵守ゾーンの通告を提供することが出来る。該通告は可聴式、可視式、触覚式又はそれらの何等かの組み合わせであってもよい。図5A及び5Bの例では、可視式の通告は、図5Aに示す様なバッジ500の前側上の発光ダイオード(LED)の様な点灯指示器540により提供される。可聴式の通告又は警報は図5Bで示す様なバッジ500の後ろ側に備えられるスピーカー550により提供される。触覚式通告は振動により提供されてもよい。
【0046】
或る実施例では、該着用デバイス120は該バッジの着用者が遵守ゾーン用の相互作用基準を遵守していない通告を追加して提供する。着用デバイスが非遵守モードに入ると、非遵守の通告は可聴式でも、可視式でも或いは触覚式でもよい。図5A及び5Bの例では、可視式通告は、図5Aに示すバッジ500の前側の発光ダイオード(LED)の様な点灯指示器560により提供されてもよい。可聴式通告は、図5Bに示すバッジ500の後ろ側に備えられるスピーカー550により提供されてもよい。触覚式通告は振動により提
供されてもよい。
【0047】
或る実施例では、無効化が該着用デバイス120上で提供される。該無効化はユーザーが着用デバイス120により提供される非遵守の通告をオフに切り替えることを可能にする。該無効化は、ユーザーが該無効化を選択することを可能にするバッジ500上に提供されるボタン又はスイッチ570で行われてもよい。或る実施例では、該無効化は着用デバイス120上で実行されるソフトウエアにより提供されてもよい。該無効化の利用可能性は着用デバイスの着用者の身分又は役割に左右される。すなわち、着用デバイスの或る着用者は、該着用者に利用可能な無効化のオプションを有しない。例えば、病院環境で、医師は無効化のオプションを有し、一方ハウスキーピングスタッフは有しない。或るこの様な実施例では、無効化の使用は着用デバイス120上に、又は該システムの他の所に、記録される。
【0048】
図6A及び6Bは着用デバイスの1つの例示用実施例を図示し、該着用デバイスはバッジホルダー600であり、該着用デバイスは標準的特定施設向け識別バッジに取り付けられるよう構成される。図6Aはバッジホルダー600の正面図を図示する。図6Bは該バッジホルダー600の背面図を図示する。
【0049】
図5A及び5Bのバッジ500と同様に、バッジホルダー600は遵守ゾーン認識部品140を有するハウジング610を備える。該ハウジング610はクリップ又はランヤードを該バッジホルダー600へ取り付ける貫通孔612を有する。該ハウジング610はプラスチック又は他の適当な材料で作られる。該バッジホルダー600は従来の識別バッジと対になる。該バッジホルダー600は識別バッジを受け、保持するよう設計された範囲620を有する。好ましくは、該バッジホルダー600が再充電可能な又は取り換え可能なバッテリーの様なバッテリーで給電されるのがよい。或る実施例では、該バッジ500はデータ転送用及び該バッテリー充電用に使われてもよいUSBの様なポート又はイーサーネットポートを有してもよい。
【0050】
図5A及び5Bのバッジ500に於ける様に、バッジホルダー600は、該バッジホルダー600が遵守ゾーン130に入ったこと、又は遵守ゾーン130内に居ること、の通告を提供してもよい。該通告は可聴式、可視式、触覚式又はそれらの何等かの組み合わせであってもよい。図6A及び6Bの例では、可視式通告は図6Aで示す様にバッジホルダー600の前側の発光ダイオード(LED)の様な点灯指示器640により提供される。可聴式通告は図6Bに示す様にバッジホルダー600の後ろ側に提供されるスピーカー650により提供される。触覚式通告は振動により提供されてもよい。
【0051】
該バッジホルダー600はまた、該バッジの着用者が遵守ゾーン用の相互作用基準を遵守していない通告を提供してもよい。非遵守の通告は可聴式、可視式、触覚式又はそれらの何等かの組み合わせであってもよい。図6A及び6Bの例では、可視式通告は図6Aで示す様にバッジホルダー600の前側の発光ダイオード(LED)の様な点灯指示器660により提供される。可聴式通告は図6Bに示す様にバッジホルダー600の後ろ側に備えられるスピーカー650により提供される。触覚式通告は振動により提供されてもよい。
【0052】
バッジホルダー600は又無効化機能を備えてもよい。該無効化は、ユーザーが該無効化を選択することを可能にする、バッジホルダー600上に提供されるボタン又はスイッチ670で行われてもよい。該無効化の利用可能性は、着用デバイスの着用者の身分又は役割に左右されてもよい。或るこの様な実施例では、無効化の使用はバッジホルダー600上に記録される。
【0053】
IV.超音波信号内のデータ符号化
遵守ゾーンを確立するために使われる超音波信号はデータで符号化されてもよい。該データは、それらに限定されないが、該超音波信号により確立される遵守ゾーンの種類と特性に関する情報、遵守ゾーン指示器110に関する情報、他を有してもよい。各遵守ゾーン指示器は該指示器の超音波信号送信を該データで符号化する。該遵守ゾーン指示器の制御器は、該送信器により送信される超音波信号が該データで符号化されるように該遵守ゾーン指示器の送信器を制御するようプログラムされる。
【0054】
例示用実施例では、遵守ゾーン指示器により送信される超音波信号内の符号化されたデータは特定遵守ゾーンを識別する。該データはメッセージの形であってもよい。この実施例では、該メッセージは超音波搬送波サイクルの連続するバーストの間のタイミングで符号化される。
【0055】
各遵守ゾーン指示器は、割り当てられたゾーンIDを有するメッセージを規則的間隔で送信する。該ゾーンIDは特定の遵守ゾーンを独特に識別する。例えば、全ての手洗浄ステーションにより送信されるゾーンIDは特定値、例えば0を有する。他の遵守ゾーン指示器は1から1023までの値を有するゾーンIDを備える。例示用実施例では、1つより多い遵守ゾーン指示器が同じゾーンIDを割り当てられてもよい。しかしながら、着用デバイス120を着用した誰かが1分内に間を移動出来る隣接した遵守ゾーンには重複したゾーンID(duplicate zone ID)が割り当てられることはない。
【0056】
図7は遵守ゾーンを確立するための方法論の1つの例示用実施例のフローチャートである。遵守ゾーン指示器は、遵守ゾーンを確立する超音波信号内の符号化されるべき15ビットメッセージを受信する(過程705)。代わって、該遵守ゾーン指示器は、該遵守ゾーンに関係するゾーンIDと、該ゾーンIDに関係する周期的冗長検査(CRC)チェックサムと、に基づいたメッセージを作成する。この実施例では、該遵守ゾーン指示器は該ゾーンID及び/又は該CRCチェックサムを受信するか、又はこれらの値自身を決定する。該遵守ゾーン指示器は15ビットメッセージを作成するが、それは該メッセージの上位10ビットを該ゾーンIDに、該メッセージの下位5ビットを該CRCチェックサムに設定することに依る。
【0057】
該遵守ゾーン指示器は次いで超音波送信器を使って、超音波信号を送信することにより該遵守ゾーンを確立する(過程710)。該遵守ゾーン指示器は該超音波信号を15ビットメッセージで符号化し、該メッセージは該遵守ゾーンを独特に識別するゾーンIDを有する。該メッセージは該超音波信号の連続するバーストの間の時間間隔のシーケンスで符号化される。特に、該遵守ゾーン指示器は超音波信号の7つのバーストを周期的に送信し、各バーストは6搬送波サイクルのシーケンスである。該メッセージは該超音波信号の7つのバースト内の、連続するバースト間の6つの時間間隔で符号化され、各名目時間間隔は該メッセージの特定の文字に対応するように符号化される。
【0058】
超音波信号内のデータ符号化の例示用実施例はここで説明されるパルス、バースト、文字、そしてメッセージに断層化される。
【0059】
パルス:“パルス”は超音波信号を復号するプロセッサにより受信された入力を示し、該入力は1つの超音波搬送波サイクルが受信されたことを示す。例示用実施例では、該超音波搬送波周波数は約40kHzであり、該周波数ではパルスは、該搬送波がオンの時、各25μs毎に起こる。該搬送波周波数は該遵守ゾーン指示器の制御器内に組み込まれた低コスト、低電力のRC又はLCタイマー発振器から生成されてもよい。該RC又はLCタイマー発振器は非常に高精度とは言えず、従って、該システムは或る誤差マージンを許容してもよい。この様であるから、例示用実施例では、超音波パルスを受信する超音波受
信器は、該パルスが該受信器に到着する時、搬送波周波数が理想周波数、40kHz、の2%内にあることを期待する。
【0060】
該超音波パルスが超音波受信器で最終的に受信され、該受信プロセッサ内のファームウエアにより処理される前に、他の誤差が累積され得る。これらの誤差は該送信器の超音波増幅器内の固有のジッターと、該受信器内の固有のジッターとを含む。追加的なジッターが、該時間を基準クロックの整数サイクルに量子化することにより、そして該ファームウエア内でのデータのサンプリングにより、引き起こされる。例示用実施例で、これら及び他の誤差に適合するために、該システムは受信ファームウエア内、すなわち超音波受信プロセッサ内、で8%までの誤差を許容する。すなわち、例示用実施例では、該受信ファームウエアは、パルス間の時間間隔を、もし該時間間隔が23と27μsを含めて23と27μsの間にあれば、有効であると解釈する。
【0061】
バースト:“バースト”は、連続するパルス間の時間間隔が全て有効な範囲内にある、すなわち上記例示用実施例では23と27μsを含めて23と27μsの間にある様なパルスのシーケンスである。バースト内の連続するパルス間の有効な時間間隔は、該パルスが搬送波周波数で超音波を受信した結果でありそうなことを示す。
【0062】
図8Aで図解される例示用実施例では、バースト800は、有効な時間間隔(t1−t5)を有する6つの連続パルス(802−812)が受信された時検出される。連続するパルス間の時間間隔は、もし該時間間隔が23と27μsを含めて23と27μsの間にあるなら、有効である。超音波の送信器と受信器の共振のため、最初の数搬送波サイクルは低い振幅で受信され、従って、ことによると全く受信されない。該超音波送信器はかくしてバースト当たり少なくとも8搬送波サイクルを送信する。しかしながら、バースト当たりの搬送波サイクルの数の増加は、超音波信号が該環境内で残存する時間を延ばし、該信号が面から反響し、遅延を伴って受信される可能性を高める。遅延信号の受信を避けるために、該超音波送信器はバースト当たり10より多い搬送波サイクルを送信しない。すなわち、該超音波送信器はバースト当たり8から10搬送波サイクルを送信する。
【0063】
超音波信号の有効なバーストを受信後、超音波受信器は、超音波信号のマルチパス干渉を最小化する又は除くために、ブラックアウト期間の追加パルスを無視する。マルチパス干渉は、ソースからの波が2つ以上の経路を経由して検出器へ達するところ、或る条件では、該波の2つ以上の成分が干渉する現象である。超音波信号は環境周辺で反響し、1つの受信器で多数回受信され得る。バースト間の最小有効時間間隔は、前のバーストからの反響が消滅するように選ばれる。例示用実施例では、バースト間の絶対最小有効時間間隔は32.23msである。該ブラックアウト期間は、該システム内の全ての起こり得る誤差の原因のマージンを含んで、該ブラックアウト期間が次のバーストの第1パルスを受けるのに少なくとも間に合って満了するよう設定される。例示用実施例では、最小ブラックアウト時間は、約10mの伝播距離に対応する30msである。例示用実施例では、何等かの望ましいブラックアウト時間が選択され、超音波受信器を構成するよう使われてもよい。
【0064】
文字:文字は遵守ゾーン指示器により送信されるメッセージの構成要素である。“文字”は2つの連続するバーストの間の1つの時間間隔内で符号化されたデータを表す。2つの連続するバースト間には有効な時間間隔の限られた範囲がある。有効な文字はこの有効な範囲内に収まり、各独特な文字は2つの連続バースト間の予め規定され、名目時間間隔に対応する。該有効範囲外に出る時間間隔はどんな文字にも対応しない。
【0065】
例示用実施例は9つの有効な文字:メッセージの開始(SOM)と0から7の整数値を提供する。該SOM文字は1/32秒(31.25ms)の名目時間間隔に対応する。追加の文字は該SOM時間間隔に追加された1/512秒(1.953ms)の時間間隔インクレメントに対応し、0の文字は最初であり、7の文字は最後である。すなわち、SOM文字時間は1/32秒(31.25ms)であり、0文字は(1/32+1/512)秒であり、1の文字は(1/32+2/512)秒であり、2の文字は(1/32+3/512)秒であり、3の文字は(1/32+4/512)秒であり、4の文字は(1/32+5/512)秒であり、5の文字は(1/32+6/512)秒であり、6の文字は(1/32+7/512)秒であり、そして7の文字は(1/32+8/512)秒(46.88ms)である。
【0066】
有効な文字時間の間には違反時間はない。上記例示用実施例では、時間間隔は該時間間隔内で符号化された文字を解読するよう最初に1/512秒の最も近い倍数に最初に丸められる。すなわち、各文字に関係する有効な時間間隔は名目時間間隔±1/1024秒(±977μs)である。従って、有効な文字時間の範囲は、可能な最小SOM文字(1/32−1/1024秒=30.27ms)と可能な最大の7の文字(1/32+8/512+1/1024秒=47.85ms)の間にある。この範囲外のバースト時間間隔は無効である。
【0067】
メッセージ:“メッセージ”は少なくとも、ゾーンIDと、該ゾーンIDに関係する周期的冗長検査(CRC)チェックサムと、を一緒にしたものを表す。ゾーンIDは遵守ゾーンの種類(例えば、手術室、手洗浄ステーション他)を示す該遵守ゾーンに関係する識別子であってもよく、及び/又は該遵守ゾーンに関係する独特の識別子(例えば、手術室番号14,手洗浄ステーション43,他)であってもよい。該CRCチェックサムは、メッセージの有効性を判定する、例えば、メッセージが超音波信号の送信中変えられたかどうかを判定する、ために使われる数である。
【0068】
メッセージは文字の特定のシーケンスである。メッセージのサイズはかくしてメッセージ内の文字の数に依る。各文字は超音波信号の2つの連続するバースト間の1つの時間間隔内で符号化される。かくして、メッセージのサイズは該メッセージを組み入れるバーストの数により決定される。すなわち、メッセージを形成するバーストの数が大きい程、該メッセージは大きい。
【0069】
適当なメッセージのサイズと対応するバーストの数は、例示用実施例で使用するために選択される。遵守ゾーン指示器はメッセージ当たりのバースト数に従い超音波信号を周期的に送信する。非常の大きい数のゾーンIDを必要とする非常に大きい施設では、メッセージサイズ及びメッセージ当たりバースト数も同じく非常の大きい。他方、小さな施設では、メッセージサイズ及びメッセージ当たりバースト数は小さい。
【0070】
図8Bで図解される例示用実施例では、メッセージ820は連続する6つの有効文字の特定シーケンスであり、該文字は連続した7つのバースト内の連続するバースト間の6つの名目時間間隔に対応する(822−834)。最初の文字はSOM(メッセージのスタート)文字であり、残りの文字はデータ文字(0−7)である。各文字はメッセージ(T1−T6)内の2つの連続するバースト間の1つの時間間隔内で符号化される。かくして、該メッセージは7つの有効なバースト内の連続するバースト間の時間間隔のシーケンス内で符号化される。
【0071】
図8Cで図解される様に、メッセージ830は15ビットの情報を有し、該メッセージの10の最上位ビットはゾーンID832に対応し、該メッセージの5つの最下位ビットは該ゾーンID用のCRCチェックサム834に対応する。
【0072】
全てのメッセージはSOM文字で始まり、この文字は他では現れないので、受信される
SOM文字は常に新メッセージのスタートとして解釈される。それで、SOM文字が受信されると、前のメッセージは捨てられる。これは、どんなパルスのシーケンスが該メッセージのスタートに先行するかに関係なく、メッセージのスタートが常に認識され得ることを保証する。すなわち、超音波受信器は、該受信器がメッセージ内で何処にいるか考えることに関係なく、常にメッセージのスタートに“耳をそばだてている”。
【0073】
完全なメッセージは、有効なパルス、バースト、文字そしてメッセージ用の上記ルールがメッセージ全体に亘って守られている場合のみ受信される。メッセージは、もしこれらのルールの何れかが該メッセージ上で破られていれば直ちに捨てられる。
【0074】
もしパルス又はバーストのレベルでルール違反が検出されるなら、メッセージ解読ロジックはリセットされる。すなわち、該メッセージは捨てられ、受信された次のパルスがメッセージの最初のバーストの最初のパルスであると仮定される。
【0075】
メッセージの最後のバーストはまた、次のメッセージの最初のバーストであってもよい。すなわち、完全なメッセージが受信された後、メッセージ解読ロジックは、SOM文字をスタートさせるのでなく、SOM文字を終わらせるよう次のバーストに期待することへリセットされる。
【0076】
図9は超音波信号内の符号化されたメッセージを復号するため使われる、メッセージ解読ロジックの1つの例示用実施例のフローチャート900を図示する。該メッセージ解読ロジックは着用デバイスで受信された超音波信号内の符号化されたメッセージの復号で着用デバイスによりフォローされる。着用デバイスのプロセッサは受信超音波信号を処理し、該超音波信号内の符号化されたデータを復号するようプログラムされる。
【0077】
超音波信号のパルスは超音波受信器で受信される(過程905)。もし6つの有効なパルスが受信されたら(過程910)、超音波信号の有効なバーストが受信された(過程915)。しかしながら、もし6つの有効なパルスが受信されなかったなら(過程910)、メッセージ解読ロジックは現在のパルスが有効かどうかを判定する(過程920)。もし現在のパルスがバースト内の第1パルスなら、現在のパルスは有効と考えられる。しかしながら、もし現在のパルスがバーストの第1パルスでないなら、該パルスは、現在のパルスと直前のパルスの間の時間間隔が23と28μsの間にある場合のみ有効である。もし現在のパルスが有効でないなら、メッセージ解読ロジックは中止される(過程925)。すなわち、次の受信パルスが新メッセージの第1バーストの第1パルスであると仮定される。しかしながら、もし現在のパルスが有効なら、次のパルスが受信される(過程910)。
【0078】
もし6つの有効なパルスが受信されたら、超音波信号の有効なバーストは受信された(過程915)。もし7つの有効なバーストが受信されたら(過程930)、有効なメッセージが受信された(過程935)。この場合、直ぐ次のバーストが新メッセージの第2バーストであると期待される(過程940)。
【0079】
しかしながら、もし7つの有効なバーストが未だ受信されないなら(過程930)、メッセージ解読ロジックは現在のバーストが有効かどうかを判定する(過程945)。もし該現在のバーストがメッセージ内の第1バーストであるなら、該現在のバーストは有効と考えられる。もし該現在のバーストが該メッセージの第2バーストなら、該現在のバーストは、該現在のバーストと直前のバーストの間の時間間隔がSOM文字に対応する、すなわち(1/32±1/1024)秒である場合のみ有効である。もし現在のバーストが該メッセージ内の第3から第7のバーストなら、該現在のバーストは、該現在のバーストと直前のバーストの間の時間間隔がデータ文字(0−7)に対応する場合のみ有効である。
【0080】
もし現在のバーストが有効でないなら、メッセージ解読ロジックは中止される(過程950)。次の受信パルスが新メッセージの第2バーストの第1パルスであると仮定される。しかしながら、現在のバーストが有効なら、該メッセージの次のバーストの次のパルスはブラックアウト期間後に受信される(過程955)。該ブラックアウト期間は、該現在のパルスを受信した時刻からで、かつその間、更なるパルスを受信しない少なくとも30msである。すなわち、次のパルスは現在のパルスが受信された後少なくとも30msで受信される。
【0081】
メッセージ有効化:図8Cで図解されるように、各15ビットメッセージの下位5ビットは周期的冗長検査(CRC)チェックサム834である。CRCは、超音波信号で送信された生のゾーンID832への偶発的な変化を検出するよう設計されたノンセキュアハッシュ関数(non−secure hash function)である。遵守ゾーン指示器は各ゾーンID用に、CRCチェックサムとして知られる短い、固定長の2進の数列を計算する。遵守ゾーン指示器は、メッセージの下位5ビットを該CRCチェックサムに、該メッセージの上位10ビットを該ゾーンIDに、設定することにより15ビットメッセージを創る。かくして、遵守ゾーン指示器により送信された超音波信号は、該ゾーンID及びCRCチェックサムの両者を含むメッセージで符号化される。
【0082】
図10はメッセージのCRCチェックサムを計算する例示用の方法のフローチャートである。この方法は、超音波信号内に符号化されるメッセージ内へ組み込むためにCRCチェックサムを決定するよう遵守ゾーン指示器によりフォローされる。15ビットメッセージワードはゾーンIDへ初期化される(過程1005)。5ビットのCRCアキュミュレーターは2進値11010に初期化される(過程1010)。該メッセージワードは左へ1ビットだけシフトされ、そして最上位ビットからシフトされたビットがセーブされる(過程1015)。CRCアキュミュレーターは左へ1ビットだけシフトされる(過程1020)。該CRCアキュミュレーターの最下位ビット内へシフトされたビットは、過程1015で最上位ビットからシフトされたビットであり、該CRCアキュミュレーターの最上位ビットからシフトされたビットはセーブされる。もし過程1020でCRCアキュミュレーターからシフトされたビットが1であるなら(過程1025)、該CRCアキュミュレーターは2進値11010との排他的論理和を計算される(過程1035)。他方、過程1020でCRCアキュミュレーターからシフトされたビットが0ならば、何等アクションはなされない(1030)。過程1015−1035が14ケの残りメッセージビットの各々用に1回繰り返される。該手順の終わりで、該CRCチェックサムが該CRCアキュミュレーター内に残される(過程1040)。
【0083】
該着用デバイスが超音波信号を受信すると、該着用デバイスはメッセージを復号するために該信号を処理する。該着用デバイスは該メッセージの上位10ビットからゾーンIDを抽出し、該メッセージに対応する新CRCチェックサムを計算する。もし該着用デバイスにより計算された新CRCチェックサムが非ゼロであるなら、該メッセージはデータ誤りを有し、該着用デバイスは該メッセージを捨てる。しかしながら、もし該着用デバイスにより計算された新CRCチェックサムがゼロであるなら、該メッセージには誤りはなく、着用デバイスは該メッセージの上位10ビットからゾーンIDを抽出する。該メッセージのCRCチェックサムビットは最早必要でなく、この点で捨てられる。
【0084】
図11はCRCチェックサムを使ってメッセージの有効性を決める例示用方法のフローチャートである。この方法は、遵守ゾーンを確立する超音波信号を受信する着用デバイスによりフォローされる。該15ビットメッセージのCRCチェックサムは、例えば図10に図示する方法論に基づき計算される(過程1105)。もし計算されたCRCチェックサムが0であるなら(過程1110)、該メッセージは有効、すなわち誤りがない、と考
えられる(過程1120)。この場合に、ゾーンIDは該メッセージの上位10ビットから抽出され、下位5ビットは捨てられる(過程1120)。しかしながら、該計算されたCRCチェックサムが0でないなら(過程1110)、該メッセージは有効でない、すなわち誤りを有する、と考えられる(過程1115)。この場合、該メッセージは捨てられる(過程1115)。
【0085】
V.相互作用基準
前に論じた様に、遵守ゾーン130を認識すると、着用デバイス120の遵守ゾーン認識部品140は、該遵守ゾーン130についての相互作用基準を識別する。該相互作用基準は遵守ゾーンと相互作用するためのルール又は要件であってもよい。例えば、遵守ゾーン130は危険な物質を有する範囲用に提供されてもよい。かくして、遵守ゾーン130用の相互作用基準は、着用者が危険な物質を取り扱うよう訓練されているか、さもなければ認証されていることである。もう1つの例では、遵守ゾーン130は分類された範囲用に提供されていてもよい。かくして、遵守ゾーン130用の相互作用基準は或るレベルより上の安全保証であってもよい。
【0086】
本発明の或る実施例に依れば、遵守ゾーン130の相互作用基準は一時的要求を含めてもよい。例えば、危険物質範囲の例では、危険物質への暴露用の安全な制限時間が設けられてもよい。他の実施例では、相互作用基準の遵守の制限時間があってもよい。例えば、遵守ゾーン130内の着用デバイスの着用者は或る時間長さ内に要求を完了せねばならない。なお他の実施例では、相互作用基準自体は時刻に基づき導き出されてもよい。例えば、夜間は安全目的で施設の閉鎖があってもよい。換言すれば、遵守ゾーン130は日中用の1セットの相互作用基準と、夜間用のもう1セットの相互作用基準を持つか、或いは24時間通して種々の規準の或る他の組み合わせを持つか、或いは日、月又は年に基づき種々の基準の或る他の組み合わせを持ってもよい。
【0087】
或る実施例では、該相互作用基準はバイオハザード要件及び/又は通知であってもよい。例えば、遵守ゾーン130はウイルス研究が行われる範囲用に提供されてもよい。相互作用基準は、バイオハザードを含む範囲全般に適用する警告を有する、のみならず遵守ゾーン130内の人は化学防護服を使用する様な安全対策に着手する要求を有してもよい。
【0088】
本発明の1例の実施例では、該相互作用基準は認可条件でもよい。例えば遵守ゾーン130は病院に於ける伝染性の強い患者用に提供されてもよい。かくして、遵守ゾーン130用の相互作用基準は感染性医薬品の認可保有であってもよい。
【0089】
或る実施例では、着用デバイスを着用したユーザーの身分又は役割が遵守ゾーン130用の相互作用基準に含められてもよい。例えば、病院用の設定では、遵守ゾーン認識部品140により得られた相互作用基準は医師用とハウスキーパー用とが異なってもよい。同様に、個別医師は同じ遵守ゾーン130用に異なる相互作用基準を有してもよい。
【0090】
本発明の或る実施例に依れば、該相互作用基準はまた、遵守ゾーン130の退出に関する要求を有してもよい。例えば、もし遵守ゾーン130がバイオハザードゾーン用に提供されるなら、該相互作用基準は着用デバイス着用者が遵守ゾーン130を離れた後除染除去範囲を訪れる要求を有してもよい。
【0091】
該相互作用基準は多数の応用に役立つように、どんな数の実行、構成、要求、及び/又は並べ替えでも許容するよう構成可能である。或るこの様な実施例では、相互作用基準を構成する能力が制限されてもよく、相互作用基準を構成しようとするアクセスは権限や真正証明を、或いはそれら両者を要求されてもよい。例えば、管理者のみが相互作用基準を構成出来ることが望ましいかも知れない。他の実施例では、種々のユーザーが相互作用基
準を構成するための種々の特権を有してもよい。
【0092】
図12は遵守ゾーンの確立と、該ゾーンとの相互作用のモニタリングと、のための例示的方法のフローチャート1200である。例えば、図示された方法は図1で図示されたシステムで実施されてもよい。該方法は信号を送信する遵守ゾーン指示器110で始まる(過程1210)。該信号の送信は遵守ゾーン130を規定する。或る実施例では、該信号は着用デバイス120からの信号に応答して遵守ゾーン指示器110から送信される(過程1205)。該着用デバイス120は、該着用デバイス120が遵守ゾーン130内にある時該信号を受信する(過程1220)。或る実施例では、該着用デバイス120は該遵守ゾーン130に進入があった、又は該着用デバイス120が遵守ゾーン130内にある、と云う通告を提供する(過程1215)。例えば、可聴式、可視式、及び/又は触覚式警報の様な警報が提供されてもよい。該着用デバイス120はユーザーにより着用されるので、何等のこの様な提示又は警報は、追加のインフラストラクチャーを要せずに、微細にそして直接に該ユーザーへ提供されてもよい。特定ユーザーへのこの様な微細なそして直接の提示又は警報は、該着用デバイス120の近傍にいる全ての患者又は顧客へのアラームを最小化する。着用デバイス120の通信能力はまた、ユーザーが該着用デバイス120と相互作用することを可能にする。
【0093】
該着用デバイス120の遵守ゾーン認識部品140は次いで、該超音波信号内の符号化された情報を復号するために該受信超音波信号を処理する。例えば、該情報は該超音波信号により確立された遵守ゾーンの種類及び/又は特性を有してもよい。該遵守ゾーン認識部品140は該受信超音波信号の符号化された情報に基づき、該遵守ゾーン用の相互作用基準を識別する(過程1225)。該遵守ゾーン認識部品は次いで相互作用基準に従ってアクションし、例えば該相互作用の要求の着用者への実時間提示を提供したり(例えば、ライトを閃かしたり又はビープ音を鳴らすことにより)、或いは該相互作用基準を遵守する超音波信号を送信及び/又は受信する。該着用デバイス120の該遵守ゾーン認識部品140は識別された相互作用基準の遵守を判定し、記録する(過程1230)。或る実施例では、該着用デバイス120はまた、非遵守の通告を提供してもよい(過程1235)。例えば、可聴式、可視式、及び/又は触覚式警報の様な警報又はアラームが提供されてもよい。
【0094】
VI.手洗浄要求を特徴とする病院例
ここに表明した概念のより良い理解のために、特定目的用に特定施設で展開された下記システム例を提供する。該例の展開は病院で行われ、例えば手洗浄、手袋着用、消毒、他の様なバリア防護要求の強制を目的とする。簡単のため、この例は手洗浄を参照して説明される。しかしながら、該システムの能力はどんな種類のバリア防護要求へも拡張される。
【0095】
図13は病院内で手洗浄要求を強制するシステムの例示用実施例を図示する。しかしながら、本発明はここに説明される特定例に何等限定されないことは注意されるべきである。これらの例は単に図解目的で提供される。
【0096】
図13で、システム1300は病院環境で展開された。この実施例では、システム1300は多数の遵守ゾーン指示器1305A及び1305Bと着用デバイス1345とを有する。この実施例で、該システム1300はベースステーション1350と、多数の手洗浄ステーション1325A及び1325Bと、を更に有する。
【0097】
手洗浄ステーション1325A及び1325Bは、個人の手をクリーンにし、衛生的にし、そして/又は消毒するため使われる水及び石鹸、手用殺菌剤ディスペンサー、等を供給するシンクであってもよい。該手洗浄ステーション1325A及び1325Bはそれぞ
れ送信器1330A及び1330Bを有する。送信器1330A及び1330Bはそれぞれの手洗浄ステーション1325A及び1325Bが使用されたことを示す信号の様なデータを送信するよう構成される。該送信器1330A及び1330Bは超音波送信器である。本発明の或る実施例に依れば、送信器1330A又は1330Bが着用デバイス1345により受信され得る信号の種類で送信する限り、種々の種類であってもよい多数の送信器であってもよい。本発明の或る実施例に依れば、該手洗浄ステーション1325A及び1325Bは、該着用デバイス1345から送信される問い合わせ信号に応答して、信号が該手洗浄ステーション1325A及び1325Bから送信されるトランスポンダー構成を許容する受信器(示されてない)を更に装備してもよい。該送信器に於ける様に、該受信器は超音波受信器である。或るこの様な実施例では、該送信器1330A又は1330Bはまた、トランスポンダー構成の受信器と連携して使われてもよい。
【0098】
本例では、遵守ゾーン指示器1305A及び1305Bは、それぞれ室1320A及び1320B内の患者ベッド1310A及び1310B付近の遵守ゾーン1315A及び1315Bを提供するよう置かれる。室1320A及び1320Bはまた、それぞれ手洗浄ステーション1325A及び1325Bを有する。
【0099】
医師又は看護師の様な病院スタッフメンバー1340は着用デバイス1345を着用する。図13の実施例で、該スタッフメンバー1340は室1320A及び1320Bの外側の廊下1335に居る。該廊下1335もまた、該ベースステーション1350が配置されるナースステーション1355を有する。
【0100】
手洗浄要求を強制するために、該システム1300は、(着用デバイス1345を着用する)病院スタッフメンバー1340が遵守ゾーン1315A又は1315Bに入った時、病院スタッフメンバー1340が遵守ゾーン1315A又は1315Bに入る直前に彼又は彼女の手を洗浄したかどうかの判定が該着用デバイス1345により行われる。もし病院スタッフメンバー1340が彼等の手を洗浄したなら、該着用デバイス1345は該手洗浄要求の遵守を記録する。もし病院スタッフメンバー1340が彼/彼女の手を洗浄しなかったなら、該着用デバイス1345は、該手洗浄要求の遵守を求める警報又は催促を発する。バッジ500及びバッジホルダー600の実施例に関して上記で述べた様に、該警報又は催促は可聴式、可視式、触覚式又はそれらの何等かの組み合わせであってもよい。警報が発せられた後、病院スタッフメンバー1340は無効化を作動させるか、該警報に応答し彼等の手を洗浄するか、或いは該警報に応答するが彼等の手を洗浄しないかも知れない。もし無効化が作動するなら、着用デバイス1345は無効化が作動したことを記録する。もし病院スタッフメンバー1340が該警報に応答して彼等の手を洗浄するなら、着用デバイス1345は該着用者の手は該警報が発せられた後洗浄されたことを記録する。もし、予め選択された時間長さ(例えば、30s)の後、該病院スタッフメンバー1340が該警報に応答して彼等の手を洗浄しないなら、着用デバイス1345は該手洗浄要求の非遵守を記録する。
【0101】
該着用デバイス1345は、該病院スタッフメンバー1340が彼等の手を洗浄したかどうかを判定出来るよう、該着用デバイス1345は手洗浄ステーション1325A及び1325Bとの相互作用を記録するよう構成された手洗浄モニターを備える。
【0102】
図14は図13のシステムの1部分のブロック線図を図示する。特に、図14はお互い間で相互作用するよう構成された着用デバイス1405及び手洗浄ステーション1415を有するシステム1400の例示用実施例を特定的に図示している。該着用デバイス1405は該手洗浄ステーション1415との相互作用の経過を追うよう構成された手洗浄モニター1410を有する。該手洗浄ステーション1415はまた、該手洗浄ステーション1415の使用の経過を追うモニター1420を有してもよい。
【0103】
手洗浄ステーション1415のモニター1420は該手洗浄ステーションの使用を追跡するよう構成されてもよい。例えば、もし手洗浄ステーションがシンクならば、該モニター1420は蛇口及び石鹸ディスペンサーの使用を追跡してもよい。もし該手洗浄ステーション1415が手殺菌剤ディスペンサーであるなら、該モニター1420は該ディスペンサーの使用を追跡してもよい。もし該モニター1420が該手洗浄ステーション1415は使われたことを検出するなら、モニター1420は、該手洗浄ステーションが使われたことを示す“洗浄スタンプ”の様な信号を送信するよう該手洗浄ステーションに命じてもよい。或る実施例では、送信される信号は独特であってもよい。例えば、手洗浄ステーション1415により送信される“洗浄スタンプ”は該手洗浄ステーション1415の識別番号を有してもよい。該“洗浄スタンプ”はまた、時刻及び日付の様な他の情報を有してもよい。
【0104】
手洗浄ステーション1415がトランスポンダー構成を有する或る実施例では、モニター1420は、使用を示す信号が応答して送られる前に、着用デバイス1405から受信される信号を待ち受ける。或る実施例では、該モニター1420は該手洗浄ステーション1415の各使用を記録する。トランスポンダー構成を有する実施例では、該記録されたデータは、該手洗浄ステーション1415と相互作用する着用デバイス1405用の識別情報を有してもよい。記録されたデータは次いでアクセスされ、レビューされてもよい。
【0105】
着用デバイス1405の手洗浄モニター1410は上記で表明された遵守ゾーン認識部品140の部分であってもよく、或いは該モニターは該遵守ゾーン認識部品140とは別であってもよい。該手洗浄モニター1410は該手洗浄ステーション1415から受信される信号を受信するよう構成されてもよい。例えば、該手洗浄モニター1410は該手洗浄ステーション1415のモニター1420により発生された“洗浄スタンプ”と、該受信された“洗浄スタンプ”に関するデータと、の記録を取り、又は他の仕方で記録してもよい。該“洗浄スタンプ”に関するデータは該“洗浄スタンプ”が受信される手洗浄ステーション1415の識別番号のみならず、該“洗浄スタンプ”が受信された時刻及び日付も含んでよい。このデータは次いで手洗浄要求の遵守を判定するため使われてもよい。例えば、該病院スタッフメンバーが彼等の手を洗浄したかどうかを判定するために、とりわけ、“洗浄スタンプ”が受信されたか、該スタンプは何時受信されたか、そしてどの手洗浄ステーション1415から該スタンプは受信されたか、を示すよう該手洗浄モニター1410により記録された該データが参考にされてもよい。
【0106】
前に述べた様に、相互作用基準は時間面を有してもよい。図13及び14の手洗浄の例で、該時間面は、手洗浄を示す信号又は“洗浄スタンプ”が遵守ゾーン1315A又は1315Bに入る前の、どのくらい前に受信されたかを含む。例えば、もし最後に受信した“洗浄スタンプ”が遵守ゾーン1315A及び1315Bに入る15秒より長く前に受信されたなら、病院スタッフメンバー1340の手は最早衛生的でない可能性がある。その場合、着用デバイス1345は遵守ゾーン1315A及び1315Bの手洗浄要求を遵守するために、もっと最近の“洗浄スタンプ”を要求するよう構成されてもよい。同様に、着用デバイス1345は、着用デバイス1345が病院スタッフメンバー1340が彼等の手を洗浄する要求を示す警報又は催促を発した後“洗浄スタンプ”を受けるのにどれだけ長く掛かったかを記録してもよい。
【0107】
例示用実施例では、手洗浄要求を実施する相互作用基準はまた、病院スタッフメンバー1340が遵守ゾーン1315A又は1315Bを出た後、彼等の手を洗浄することを要求する。例えば、着用デバイス1345は起こり得る感染の広がりを避けるために、遵守ゾーンを出た後、予め選択された時間長さ(例えば、30秒)内に新しい“洗浄スタンプ”が受けられることを要求してもよい。もし新“洗浄スタンプ”が割り当てられた時間内
に受けられなかったなら、警報又は催促が発せられてもよい。該警報又は催促は可聴式、可視式、触覚式、又はそれらの何等かの組み合わせであってもよい。該警報が発せられた後、病院スタッフメンバー1340は無効化を作動させるか、新“洗浄スタンプ”を受けるために該警報に応答して彼等の手を洗浄するか、又は該警報への応答での彼等の手の洗浄を行わないかも知れない。もし該無効化が作動したなら、該着用デバイス1345は該無効化が作動したことを記録する。もし該病院スタッフメンバー1340が該警報に応答して彼等の手を洗浄するなら、該着用デバイス1345は該警報の発せられた後“洗浄スタンプ”が受けられたことを記録する。もし、予め選択された時間長さの後、該病院スタッフメンバー1340が該警報に応答して彼等の手を洗浄しないなら、着用デバイス1345は彼等の該手洗浄要求の非遵守を記録する。
【0108】
相互作用基準の遵守の判定は該相互作用基準により実施される要求又はプロトコルに依る。例えば、図13及び14の実施例では、該相互作用基準は手洗浄要求を実施するよう使われる。病院スタッフメンバー1340が彼等の手を洗浄したかどうかを判定するためには、“洗浄スタンプ”が使われた。このシステムを実施する方法論の1実施例は図15で見られてもよい。
【0109】
図15は図14で図示された着用デバイス1405と手洗浄ステーション1415の間の相互作用の方法の例示用実施例のフローチャート1500を図示する。最初に、手洗浄ステーション1415が使われたかどうかが判定される(過程1505)。これは手洗浄ステーションのモニター1420により行われる。次いで、手洗浄ステーションが使われたことを示す“洗浄スタンプ”の様な信号が送信される(過程1510)。該“洗浄スタンプ”は次いで受信され、着用デバイス1405で記録され、病院スタッフメンバーが彼等の手を洗浄したことを示す(過程1515)。或る実施例では、これは着用デバイス1405の手洗浄モニター1410により行われてもよい。
【0110】
図16は病院内で手洗浄要求を強制する例示用方法のフローチャート1600を図示する。この方法は図14のシステムを使って実行されてもよい。病院スタッフメンバーは遵守ゾーン1315A及び1315Bの1つに入る(過程1605)。次いで“洗浄スタンプ”が遵守ゾーン1315A又は1315Bに入る前に着用デバイス720により受信されたかが判定される(過程1610)。もし“洗浄スタンプ”が受信されたなら、着用デバイス1405は満足すべき進入を記録する(遵守#1”)(過程1615)。もし“洗浄スタンプ”が遵守ゾーン1315A又は1315Bに入る前に受信されなかったなら、該着用デバイスは警報を発する(過程1620)。該着用デバイスは次いで無効化が作動されたかを判定する(過程1625)。もし無効化が作動されたなら、着用デバイス1405は該作動を記録する(“状態1”)(過程1630)。もし該無効化が作動されないなら、着用デバイス1405は“洗浄スタンプ”が該警報の後受信されたかを記録する(過程1635)。もし“洗浄スタンプ”が受信されたなら、着用デバイス1405は満足すべき進入を記録する(遵守#2”)(過程1640)。もし“洗浄スタンプ”が受信されなかったなら、非遵守が記録される(過程1645)。
【0111】
図17は遵守ゾーンを離れた後、病院内の手洗浄要求を強制する例示用の方法のフローチャート1700を図示する。該病院スタッフメンバーは遵守ゾーン1315A及び1315Bの1つを出る(過程1705)。該遵守ゾーン1315A及び1315Bを離れてから時間T1が経過したかが判定される(過程1710)。例えば、時間T1が30sであってもよい。次いで、時間T1経過の前に“洗浄スタンプ”が受信されたかが判定される(過程1715)。もし“洗浄スタンプ”が受信されたなら、着用デバイス1405は要件を満たした進入を記録する(“状態2”)(過程1720)。もし“洗浄スタンプ”が時間T1経過前に受信されなかったなら、着用デバイス1405は非遵守を記録する(過程1725)。
【0112】
VII.中断プロトコルを特徴とする病院例
本発明に依るシステムのもう1つの例示用の使用法は手術手順の開始前の手術室内での中断プロトコルの記録及び強制にある。中断プロトコル中は、良好な慣例に依れば、該手術手順に関与する全病院スタッフ、例えば外科医、看護師、麻酔医、他が、正しい患者が正しい手術過程を受けようとしていることを確認するため小休止することを指示される。中断プロトコル中は、スタッフメンバーは該プロトコルのスタートを知らせ、患者の名前及び手術手順の詳細を声を出して読み上げる。該中断プロトコルは、病院スタッフメンバーが彼/彼女が患者の素性又は外科手順の詳細に関し同意しないかどうか声を出して話すことを認めることにより避け得る外科的誤りを防止する。中断プロトコルは、スタッフメンバーが該プロトコル中働き続け、該プロトコル中に読み出される情報へ注意を払うことを欠けることが多いので実施を強制することが難しい。
【0113】
図18は手術室内の中断プロトコルを強制するよう構成された例示用システム1800を図解する。3人の病院スタッフメンバー1810,1815及び1820が該手術室内の手術手順に関与し、彼等の中のスタッフメンバー1810が該中断プロトコルの始動及び実施を担当する指定されたスタッフメンバーである。該システム1800は該指定されたスタッフメンバー1810に取り付けられるか、又は他の仕方で組み合わされる遵守ゾーン指示器1805を有しており、該指示器は該指定されたスタッフメンバー1810の近傍の遵守ゾーンを指示する超音波信号を送信する。この例示用システムでは、該遵守ゾーンは中で、又は近くでプロトコルが行われるゾーンである。1つ以上の着用デバイスの着用者が該プロトコル中該遵守ゾーンの中又は近くで該プロトコルを遵守するよう期待される。該システム1800はまた、多数の着用デバイスを有し、該着用デバイスの各々は該手術手順に関与する病院スタッフメンバー1810,1815及び1820により着用されている。該多数の着用デバイスは情報で符号化された超音波信号を使って相互に通信するよう構成されている。
【0114】
該中断プロトコルを始動するよう決定すると、該指定されたスタッフメンバーは、例えば、作動ボタンを押すことにより、該遵守ゾーン指示器1805を作動させる。該遵守ゾーン指示器1805は超音波信号を送信し、それにより該指定されたスタッフメンバー1810の近傍に遵守ゾーンを指定する。該超音波信号は、例えば該ゾーンは中断プロトコルが行われる中断プロトコルゾーンである、と云う遵守ゾーンの種類を識別するデータで符号化されていてもよい。該超音波信号内の符号化されたデータはまた、その間、着用デバイスの1人以上の着用者が該中断プロトコルを遵守するよう期待される時間窓のスタートを示してもよい。
【0115】
該スタッフメンバー1815−1820が遵守ゾーン内にいる時、彼等の着用デバイスは該遵守ゾーン指示器1805から該超音波信号を受信する。1つの例示用実施例では、該スタッフメンバーの着用デバイスは、該超音波信号の受信に基づき、該遵守ゾーンに関係する中断プロトコルの相互作用基準を識別するようプログラムされてもよい。すなわち、該超音波信号を受信時、そしてオプションでは該信号内のデータの復号時、該スタッフメンバーの着用デバイスは該手術室内で遵守される必要がある中断プロトコルがあることを判定してもよい。加えて、該着用デバイスは該判定に従い1つ以上のアクションを行い、例えば、中断プロトコルがスタートしたことを示すようライトを閃かすか、ビープ音を鳴らしてもよい。もう1つの例示用実施例では、スタッフメンバーの着用デバイスは中断プロトコルの相互作用基準を識別しなくてもよく、従ってアクションをしなくてもよい。
【0116】
例示用中断プロトコル中、指定されたスタッフメンバー1810は該プロトコルのスタートを知らせ、患者の名前と手術手順の詳細を声を出して読み上げる。他のスタッフメンバーは、該声を出して読まれた情報に対する彼等の同意、不同意、又は未認識を、彼等の
個人の着用デバイスを使って記録することが出来る。例えば、該他のスタッフメンバーの各々は、彼等の同意を示す超音波信号を送信するよう、又は彼等の不同意又は未認識を示すために超音波信号を送信するように、彼/彼女の着用デバイス上のボタンを押してもよい。該超音波信号は、それらに限定しないが、該信号を送信する着用デバイス又はスタッフメンバーを識別する情報、スタッフメンバーの同意、不同意又は未認識に関する情報、他を含む情報で符号化されてもよい。例示用実施例では、該情報は、該スタッフメンバーの着用デバイスにより送信される超音波信号の連続するバースト間の時間間隔のシーケンスで符号化されてもよい。
【0117】
指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイスは該スタッフメンバーからの超音波送信を受信する。該指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイスは超音波信号内の符号化されたデータを処理し、解き、そして該超音波信号の受信と超音波信号内の符号化されたデータとを記録するようプログラムされる。スタッフメンバーからの応答は個別に又は纏まりとして記録され、処理され、該処理は実時間で、又は或る応答後の時間の後に、行われてもよい。1つの例示用実施例では、該指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイスは、中断プロトコルのスタート後の予め規定された時間の窓の間のみ該スタッフメンバーからの超音波送信を受信する。この実施例では、該着用デバイスは、該予め規定された時間の窓が満了後、スタッフメンバーからの超音波送信の記録又は処理を停止する。
【0118】
例示的実施例に依れば、該指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイスは全スタッフメンバーが該手術手順のスタートの前に該情報に同意することは請け負わない。すなわち、該指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイス自身は、該手順のスタートの前に中断プロトコルの遵守を請け負わない。この実施例では、該着用デバイスは超音波信号の受信と、該超音波信号内の符号化されたデータとを記録する。この記録は後でダウンロードされ、該手順に立ち会った全スタッフメンバーが同意したかどうか、誰が同意したか、誰が同意しなかったか、そして誰が該中断プロトコルに応答し損ねたかを判定するために、ベースステーションのワークステーションで更に処理される。
【0119】
もう1つの例示用実施例に依れば、指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイスは、全スタッフメンバーが該手術手順のスタートの前に該情報に同意することを保証する。すなわち、該指定されたスタッフメンバー1810の着用デバイス自身が該手順のスタートの前に該中断プロトコルの遵守の保証に参加する。この実施例では、該着用デバイスは遵守ゾーンに関与するよう割り当てられるスタッフメンバーを決める。例えば、該着用デバイスは、その手術室内での手術に関与するよう割り当てられたスタッフメンバーを調べるため、遵守ゾーンの情報、例えば手術室識別子を使用する。他のスタッフメンバーからの超音波信号を受信すると、該着用デバイスはどのスタッフメンバーが該信号を発したかを判定するため、該信号内の符号化されたデータを対比させる。かくして、該着用デバイスはスタッフメンバーの誰が、同意で応答したか、不同意で応答したか、或いは全く応答しなかったかを記録することが出来る。全スタッフメンバーが同意して応答したことを判定すると、該着用デバイスは、例えばビープ音を鳴らすか、又は緑のライトを閃かすことにより、成功見込みの中断を示す。この場合、指定されたスタッフメンバーは次いで手術手順を進める指示を与えてもよい。
【0120】
他方、必ずしも全部のスタッフメンバーが応答しない、又は同意して応答しないことを判定すると、該着用デバイスは、例えばビープ音を鳴らすか又は赤いライトを閃かすことにより、中断の不成功を示してもよい。この場合、指定されたスタッフメンバーはスタッフメンバーが同意に達するまで及び同意に達しないならば、手術手順をスタートするのを避ける。
【0121】
図19は中断プロトコル中に手術手順への関与者により着用された着用デバイス間の相互作用の方法の1つの例示用実施例のフローチャート1900を図示する。該中断プロトコルを行う指定されたスタッフメンバーは中断プロトコルを始動するよう決める(過程1910)。該指定されたスタッフメンバーは中断プロトコルのスタートを示す(過程1915)。例示用実施例では、指定されたスタッフメンバーは近傍内に遵守ゾーンを指示する超音波信号を送信するよう該指定されたスタッフメンバーに関係する遵守ゾーン指示器を作動させてもよい。もう1つの例示用実施例では、指定されたスタッフメンバーは該指定されたスタッフメンバーの着用デバイス内に組み入れられた超音波送信器を使って超音波信号を送信してもよい。
【0122】
中断プロトコル中、該指定されたスタッフメンバーは手術手順に関する情報を声を出して読み上げる(過程1920)。全スタッフメンバーは、声を出して読まれた情報への彼等の同意、不同意又は未認識を、彼等のそれぞれの着用デバイスを使って、例えば、超音波信号を送信する彼等の着用デバイス上のボタンを押して、応答する(過程1925)。該指定されたスタッフメンバーの着用デバイスは全スタッフメンバーの着用デバイスからの応答信号を受信し(過程1930)、該応答信号を処理し、記憶する(過程1935)。
【0123】
オプションでは、該指定されたスタッフメンバーの着用デバイスは全てのスタッフメンバーが同意して応答したかどうかを判定することにより、中断プロトコルの遵守を判定する(過程1940)。該着用デバイスは次いで、全スタッフメンバーが該中断プロトコルに同意したかを、例えば緑のライトを閃かすことにより、或いは、何れかのスタッフメンバーが不同意であったか、又は該中断プロトコルへ応答し損ねたかを、例えば赤のライトを閃かすことにより、示す(過程1945)。
【0124】
VIII.ベースステーション
図13で表明されたシステムのもう1つの要素はベースステーション1350である。図13では、該ベースステーション1350は廊下1335のナースステーション1355に配置される。該ベースステーション1350は、着用デバイス1345とベースステーション1350の間でデータを転送するために、着用デバイス1345と通信するよう構成される。この仕方で、遵守データが着用デバイス1345からダウンロードされてもよく、相互作用基準が該着用デバイス1345を構成するようアップロードされてもよい。該ベースステーション1350はまた、遵守ゾーン指示器1305A及び1305Bと、手洗浄ステーション1325A及び1325Bの1つ以上と通信するよう構成される。
【0125】
図18で表明されるシステムでは、ベースステーションは、着用デバイスとベースステーションの間のデータの転送用に、該指定されたスタッフメンバー1810に関係する着用デバイスと通信するよう提供される。この仕方で、中断プロトコルに関するデータは着用デバイスからダウンロードされてもよく、該中断プロトコルに関する相互作用基準が着用デバイスを構成するようアップロードされてもよい。該ベースステーションはまた、該遵守ゾーン指示器1805と、スタッフメンバー1810,1815及び1820に関係する着用デバイスと通信するよう構成される。
【0126】
図20はベースステーション1350の例示用実施例を図示する。この実施例で、ベースステーション1350はワークステーション2000と着用デバイスラック2010を有する。該ワークステーション2000はターミナル2002,パーソナルコンピュータ2004の様なコンピュータ、そしてキーボード2006及びマウス2008の様な入力デバイスを有する。他の実施例では、該ワークステーションはサーバーの様な遠隔の又は中央に配置されたコンピュータと接続されたターミナル2002であってもよい。他の実施例では、ワークステーション2000は電子医療記録(EMR)システムの様なもう1
つのシステムの部分であってもよい。
【0127】
着用デバイスラック2010はワークステーション2000に接続される。例えば、着用デバイスラック2010はUSB接続を介して接続されてもよい。着用デバイスラック2010は、1つ以上の着用デバイス2015を預け入れ、データが着用デバイス2015との間で転送され、又データが着用デバイス2015からワークステーション2000へ転送されることを可能にする便利な場所を提供する。該着用デバイスラック2010は着用デバイス2015を受けるための多数のスロット又はクレードルを有してもよい。前に述べた様に、バッジ500又はバッジホルダー600の様な着用デバイスは、データを転送し、着用デバイス2015のバッテリーを充電するための、USBポートの様な、ポートを備えてもよい。着用デバイスラック2010の各スロット又はクレードルは、着用デバイス2015のそれぞれのUSBポートと嵌合するためにUSBプラグを備えてもよい。着用デバイス2015を該スロット又はクレ−ドル内へ置く動作は該着用デバイス2015を充電及びデータ転送用に該ワークステーション2000へ接続する。例えば、病院スタッフメンバーは、彼等のシフトの終わりに、彼等の着用デバイス2015を該クレードル内に置き、該着用デバイスが再充電されることを可能にする一方、該シフト中に記録された遵守データはストレージ及び解析用に該ワークステーション2000にダウンロードされる。代わりに、データ転送通信が無線通信技術を使って行われてもよい。1つの例示用実施例では、着用デバイス2015は、着用デバイス2015上に記憶されたデータが日毎ベースでワークステーション2000へ転送される必要がないように、1週間以上に亘り集められたデータを記憶するよう構成される。
【0128】
本発明の或る実施例に依れば、ベースステーション1350は着用デバイスラック2010を有しない。代わりに、着用デバイス2015は、有線か、無線か何れかの接続を使って、ベースステーション1350のワークステーション2000と直接通信する。或るこの様な実施例では、ワークステーション2000は遠隔か、中央位置(データセンターのコンピュータの様に)か、に配置されてもよく、着用デバイス2015は無線式に(その内部の送信器及び受信器又は追加の無線技術を使って)又はイーサーネット接続を経由して、ワークステーション2000と通信する。
【0129】
例示用実施例では、ベースステーション1350はまた、着用デバイス2015を構成するよう使われてもよい。例えば、図13の遵守ゾーン1315A及び1315B用の手洗浄要求を判定する相互作用基準はベースステーション1350を使って着用デバイス1345用に構成されてもよい。この例は図20で見られる。
【0130】
前に論じた様に、或る実施例では、図13のベースステーション1350は着用デバイス1345、遵守ゾーン指示器1305A及び1305B、そして手洗浄ステーション1325A及び1325Bの1つ以上と無線式に通信するよう構成されてもよい。この様な無線通信の1つの利点はそれが該システムへの持続して連続した更新を許容することである。かくして遵守ゾーン及び相互作用基準は随時更新され、修正され得る。同様に、着用デバイス1345、遵守ゾーン指示器1305A及び1305Bそして手洗浄ステーション1325A及び1325Bのステイタスもまた、連続してモニターされる。
【0131】
遵守ゾーン指示器110の論議で述べた様に、遵守ゾーン指示器110の受信器220は該遵守ゾーン指示器110を構成するための信号を受信するよう使われてもよい。着用デバイス120の論議で述べた様に、着用デバイス120の受信器400は着用デバイス120を構成するための信号を受信するよう使われてもよい。同様に、着用デバイス120の1つ以上の送信器440は記録された遵守データを転送するため使われてもよい。同様に、手洗浄ステーション1325A及び1325Bの送信器1330A及び1330Bと受信器(示されてない)もまた、ベースステーション1350へ及びベースステーション1350からデータを転送するため使われてもよい。
【0132】
一旦データが着用デバイス1345、遵守ゾーン指示器1305A及び1305B、そして手洗浄ステーション1325A及び1325Bから得られると、該データは記憶され、解析される。このデータは該プロトコル及び要求が如何に良く強制されているかを判定するため使われてもよい。該手洗浄例では、病院管理者は、手洗浄プロトコルの目標が達成されているかどうか、を判定し、誰が手洗浄プロトコルを遵守しているか、又は誰が遵守しないか、を判定するため該データを使用し、そして遵守を改善するよう該システムを更に構成することが出来る。或る実施例では、個人の遵守に基づき報奨又は罰点が提供される。該データはまた、規制又は認定機関への提出用に、グループの遵守に関する強力で包括的な文書の提供で使われてもよい。
【0133】
図21はバッジを特定の病院スタッフメンバーと関係づけるために、着用デバイスを登録するため使われるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)例2100を画く。この実施例で、該GUIはユーザーにより充たされるべき多数の欄を提供する。第1欄はバッジ番号欄2105である。該バッジ番号欄2105に、ユーザーは構成される着用デバイスの識別番号を入れる。次の欄はバッジ着用者欄2110である。該バッジ着用者欄2110に、ユーザーは該着用デバイスと関係する病院スタッフメンバーの名を入れる。次の欄は役割欄2115である。役割欄2115で、ユーザーは該着用デバイスと関係する病院スタッフメンバーの役割を識別する。例えば、病院スタッフメンバーの役割は“医者”、“看護師”等であってもよい。最後の表示された欄は認証欄2120である。認証欄2120に、ユーザーは着用デバイスと関係する病院スタッフメンバーの認証レベルを入れる。例えば、病院スタッフメンバーは感染症医術で認証されていてもよい。ユーザーにより提供された情報に基づき、着用デバイスは特定の病院スタッフメンバー用に構成される。例えば、もし病院スタッフメンバーが感染症医術の認証された医師であるなら、着用デバイスは、該医師が、遵守ゾーンにいる時、着用デバイスに関して無効化を作動させることを可能にするよう構成されてもよい。同様に、遵守ゾーンに入った後又は該ゾーンを去った後、該医師の手を洗浄する時間限度が調整されてもよい。
【0134】
図21に図示された欄2105,2110,2115及び2120は多数の考えられる欄の二、三に過ぎないことは理解されるべきである。本発明の或る例示用実施例に依れば、前の欄に入れられた情報により他の欄が提供されてもよい。他の実施例では、該欄は各相互作用基準を個別に指定するよう提供されてもよい。或る実施例では、提供された欄はベースステーションのユーザーの素性に依る。すなわち、着用デバイスを構成する能力は権限及び/又は真正の証明を必要としてもよい。例えば、部門の長は該部門内の医師個人又は看護師個人よりも強いバッジ構成能力を備えてもよい。
【0135】
かくして、本発明のシステムと方法論は健康、安全、保険および規制要求を遵守するのに必要なプロトコルを強制する有効な手段を提供する。遵守ゾーン指示器が該プロトコルの実施が望まれる場所に配置される。該遵守ゾーン指示器は遵守ゾーンを決定する信号を送信する。従業員は遵守ゾーン指示器により送信される信号を受信出来る着用デバイスを備える。着用デバイスが該遵守ゾーン内にある時、該着用デバイスは遵守ゾーンを認識し、該遵守ゾーン用の相互作用規準を識別する。該相互作用基準は該望まれるプロトコルを遵守するのに必要な要求である。該着用デバイスは該相互作用基準の遵守を判定し、記録する。該記録された遵守データは次いで強制されるプロトコルの遵守のレベルを判定するため分析されてもよい。
【0136】
前記説明を考慮すると当業者には本発明の数多くの変型と代替え実施例が明らかになるであろう。従って、この説明は、図解としてのみ解釈されるべきであり、そして本発明を実行するために技術的に最善の様式で当業者へ開示する目的用になっている。その構造の
詳細が実質的に変わっても本発明の精神から離れることは無く、そして附属する請求項の範囲に入る全ての変型の排他的使用が留保される。本発明は附属する請求項と適用可能な法律の規則により要求される程度にのみ限定されるよう意図されている。
【0137】
下記請求項はここに説明した本発明の全ての一般的及び特定的特徴と、言語の問題として、その間に入ると云われる本発明の範囲の全表明と、をカバーすると理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遵守ゾーンを確立し、そして該遵守ゾーンと相互作用するシステムであって、
データを送信するよう構成された遵守ゾーン指示器であり、該送信が該遵守ゾーン指示器の近傍の該遵守ゾーンの創生に帰着する様な仕方で超音波信号を使って行われており、該超音波信号が複数のバーストを有しており、該複数のバーストの中の連続するバーストが予め規定された時間間隔だけ時間的に離れており、そして該複数のバーストの中の該連続するバースト間の全ての該予め規定された時間間隔のシーケンスが該遵守ゾーンを独特に識別する、該遵守ゾーン指示器と、そして
該遵守ゾーン指示器とは別の着用デバイスと、を具備しており、該着用デバイスは、該着用デバイスが該遵守ゾーン内で該超音波信号を通して該データを受信した時、該遵守ゾーン用の予め規定された相互作用基準を識別するよう構成された遵守ゾーン認識部品を備えており、
該着用デバイスが該遵守ゾーン内に配置された時、該遵守ゾーン認識部品は該遵守ゾーンの該相互作用基準を識別し、該相互作用基準に従い動作する、該システム。
【請求項2】
前記遵守ゾーン指示器が移動可能である請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記遵守ゾーン指示器が超音波信号で、1バースト当たり8−10搬送波サイクルの、7バーストを送信し、各バーストは、連続するパルス間の時間間隔の全てが有効範囲内にある6パルスのシーケンスである請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記有効範囲が23と27μsの間にあり、かつ23と27μsを含む請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記遵守ゾーンの前記データが、前記超音波信号の前記7バースト内の連続するバースト間の前記予め規定された時間間隔の全体で符号化される請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
2つの連続するバースト間の各時間間隔が英数字のデータに対応しており、そして
前記7バースト内で符号化された前記データの全文字の一群が前記遵守ゾーンの前記データと対応する請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記超音波信号の各バーストについて、前記遵守ゾーン認識部品が、
前記連続するパルス間の全時間間隔が前記有効範囲内にある前記6パルスを受信後に超音波信号の1つのバーストを認識し、そして
ブラックアウト期間中該1つのバーストを認識した後に受信した追加パルスを無視することにより、該遵守ゾーン認識部品で受信した該超音波信号のマルチパス干渉を最小化するよう更に構成される請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記ブラックアウト期間が少なくとも30msである請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記着用デバイスが
前記超音波信号内の符号化された前記データを復号するために受信超音波信号を処理するプロセッサと、そして
該着用デバイスの該プロセッサを制御する制御器と、を更に備える請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御器のクロックが低電力RCタイマー発振器である請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記着用デバイスが
超音波信号に対応しない受信信号の成分を除去するフィルターを更に備えており、前記制御器及び前記プロセッサが、超音波信号が該フィルターを通過し、該フィルターにより出力された時のみ作動させられる請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記遵守ゾーンに関する前記データが
該遵守ゾーン用のゾーン識別子と、
該ゾーン識別子が有効かどうかを判定するため使われる周期的冗長検査チェックサムと、を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
遵守ゾーンを確立し、そして該遵守ゾーンと相互作用する、方法であって、
遵守ゾーン指示器を使い、かつ超音波信号を使ってデータを送信する過程であり、該送信する過程が、該遵守ゾーン指示器の近傍の該遵守ゾーンの創生に帰着する様な仕方で行われており、該超音波信号が複数のバーストを有しており、該複数のバーストの中の連続するバーストが予め規定された時間間隔だけ時間的に離れており、そして該複数のバーストの中の該連続するバースト間の全ての該予め規定された時間間隔のシーケンスが該遵守ゾーンを独特に識別する、該送信する過程と、そして
着用デバイスの遵守ゾーン認識部品を使って該遵守ゾーン用の予め規定された相互作用基準を識別する過程であり、該識別する過程が、該着用デバイスが該遵守ゾーン内で該超音波信号を通して該データを受信した時、行われる該識別する過程と、を具備しており、該遵守ゾーン認識部品は該相互作用基準に従い動作する該方法。
【請求項14】
前記遵守ゾーン指示器が移動可能である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
遵守ゾーン指示器を使ってバースト当たり8−10搬送波サイクルで7バーストの超音波信号を送信する過程を更に具備しており、各バーストは連続するパルス間の全時間間隔が有効範囲内にある6パルスのシーケンスである請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記有効範囲が23と27μsの間にあり、かつ23と27μsを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記遵守ゾーンの前記データが、前記超音波信号の前記7バーストの中の連続するバースト間の前記予め規定された時間間隔の全体で符号化される請求項15に記載の方法。
【請求項18】
2つの連続するバースト間の各時間間隔が英数字のデータに対応しており、そして
前記7バースト内で符号化された前記データの全文字の一群が前記遵守ゾーンの前記データと対応する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記超音波信号の各バーストについて、
前記連続するパルス間の全時間間隔が前記有効範囲内にある前記6パルスを受信後に前記遵守ゾーン認識部品を使って超音波信号の1つのバーストを認識する過程と、そして
ブラックアウト期間中該1つのバーストを認識した後、該遵守ゾーン認識部品で受信した追加パルスを無視することにより該遵守ゾーン認識部品で受信した該超音波信号のマルチパス干渉を最小化する過程と、を更に具備する請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記ブラックアウト期間が少なくとも30msである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記超音波信号内の符号化された前記データを復号するためにプロセッサを使って受信超音波信号を処理する過程と、そして
制御器を使って該プロセッサを制御する過程と、を更に具備する請求項13に記載の方法。
【請求項22】
低電力RCタイマー発振器を使って前記制御器内の時刻を追跡する過程を更に具備する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
フィルターを使って超音波信号に対応しない受信信号の成分を除去する過程と、そして
超音波信号が該フィルターを通過し、該フィルターにより出力された時のみ前記制御器及び前記プロセッサを作動させる過程と、を更に具備する請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記遵守ゾーンに関する前記データが
該遵守ゾーン用のゾーン識別子と、そして
該ゾーン識別子が有効かどうかを判定するために使われる周期的冗長検査チェックサムと、を有する請求項13に記載の方法。
【請求項25】
第1超音波信号を送信する過程であって、該送信が該第1超音波信号の該送信の近傍に於ける遵守ゾーンの創生に帰着する仕方で行われる該送信する過程と、
該第1超音波信号を第1着用デバイスで受信する過程と、
該第1着用デバイスが該遵守ゾーン内で該第1超音波信号を受信した時、該第1着用デバイスを使って該遵守ゾーンと関係する相互作用規準を識別する過程と、
該第1着用デバイスを使って該相互作用基準に関係するアクションを行う過程であって、該アクションが第2着用デバイスと通信する第2超音波信号を送信する過程を有する該アクションを行う過程と、
該第2着用デバイスに於いて該第1着用デバイスからの該第2超音波信号を受信する過程と、そして
該第2着用デバイスに於いて該第2超音波信号の受信を記録する過程と、を具備する方法。
【請求項26】
遵守ゾーンを確立するシステムであって、
超音波信号の複数のバーストを送信するため送信器を制御するようプログラムされた制御器を具備しており、該複数のバーストの中の連続するバーストが予め規定された時間間隔だけ時間的に離れており、該複数のバーストの中の該連続するバースト間の全ての該予め規定された時間間隔のシーケンスが該遵守ゾーンを独特に識別しており、
該送信器は該システムの近傍内の該遵守ゾーンの創生に帰着する仕方で該超音波信号の該複数のバーストを送信するよう構成される該システム。
【請求項27】
前記送信器はバースト当たり8−10搬送波サイクルで7バーストの前記超音波信号を送信し、各バーストが連続するパルス間の全時間間隔が有効範囲内にある6パルスのシーケンスである請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記有効範囲が23と27μsの間にあり、かつ23と27μsを含む請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
2つの連続するバースト間の各時間間隔がデータの英数字に対応し、そして
前記7バースト内で符号化された前記データの全文字の一群が前記遵守ゾーンに関する前記データに対応する請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
遵守ゾーンを認識するシステムであって、
該遵守ゾーンを確立する超音波信号を受信するよう構成された受信器と、
プログラムされたプロセッサであって、
該超音波信号の複数のバーストを認識する過程であって、該複数のバーストの中の連続するバーストが予め規定された時間間隔だけ時間的に離れている状態で、該認識をする
過程と、
該複数のバーストの中の該連続するバースト間の全ての該予め規定された時間間隔のシーケンスを復号する過程であって、該シーケンスが該遵守ゾーンを独特に識別するよう、該復号する過程と、そして
該遵守ゾーンの特性に基づき該遵守ゾーン用の予め規定された相互作用基準を識別する過程とを、プログラムされたプロセッサと、を具備する該システム。
【請求項31】
前記超音波信号の各バースト用に、前記プロセッサが
連続するパルス間の全ての該時間間隔が有効範囲内にある第1数のパルスを受信後超音波信号の1つのバーストを認識するよう、そして
ブラックアウト期間中該1つのバーストを認識後受信した追加パルスを無視することにより、該受信器で受信された該超音波信号のマルチパス干渉を最小化するよう、プログラムされる請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
パルスの前記第1数が6である請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記有効範囲が23と27μsに間にあり、かつ23と27μsを含む請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記ブラックアウト期間が少なくとも30msである請求項31に記載のシステム。
【請求項1】
遵守ゾーンを確立し、そして該遵守ゾーンと相互作用するシステムであって、
データを送信するよう構成された遵守ゾーン指示器であり、該送信が該遵守ゾーン指示器の近傍の該遵守ゾーンの創生に帰着する様な仕方で超音波信号を使って行われており、該超音波信号が複数のバーストを有しており、該複数のバーストの中の連続するバーストが予め規定された時間間隔だけ時間的に離れており、そして該複数のバーストの中の該連続するバースト間の全ての該予め規定された時間間隔のシーケンスが該遵守ゾーンを独特に識別する、該遵守ゾーン指示器と、そして
該遵守ゾーン指示器とは別の着用デバイスと、を具備しており、該着用デバイスは、該着用デバイスが該遵守ゾーン内で該超音波信号を通して該データを受信した時、該遵守ゾーン用の予め規定された相互作用基準を識別するよう構成された遵守ゾーン認識部品を備えており、
該着用デバイスが該遵守ゾーン内に配置された時、該遵守ゾーン認識部品は該遵守ゾーンの該相互作用基準を識別し、該相互作用基準に従い動作する、該システム。
【請求項2】
前記遵守ゾーン指示器が移動可能である請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記遵守ゾーン指示器が超音波信号で、1バースト当たり8−10搬送波サイクルの、7バーストを送信し、各バーストは、連続するパルス間の時間間隔の全てが有効範囲内にある6パルスのシーケンスである請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記有効範囲が23と27μsの間にあり、かつ23と27μsを含む請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記遵守ゾーンの前記データが、前記超音波信号の前記7バースト内の連続するバースト間の前記予め規定された時間間隔の全体で符号化される請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
2つの連続するバースト間の各時間間隔が英数字のデータに対応しており、そして
前記7バースト内で符号化された前記データの全文字の一群が前記遵守ゾーンの前記データと対応する請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記超音波信号の各バーストについて、前記遵守ゾーン認識部品が、
前記連続するパルス間の全時間間隔が前記有効範囲内にある前記6パルスを受信後に超音波信号の1つのバーストを認識し、そして
ブラックアウト期間中該1つのバーストを認識した後に受信した追加パルスを無視することにより、該遵守ゾーン認識部品で受信した該超音波信号のマルチパス干渉を最小化するよう更に構成される請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記ブラックアウト期間が少なくとも30msである請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記着用デバイスが
前記超音波信号内の符号化された前記データを復号するために受信超音波信号を処理するプロセッサと、そして
該着用デバイスの該プロセッサを制御する制御器と、を更に備える請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御器のクロックが低電力RCタイマー発振器である請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記着用デバイスが
超音波信号に対応しない受信信号の成分を除去するフィルターを更に備えており、前記制御器及び前記プロセッサが、超音波信号が該フィルターを通過し、該フィルターにより出力された時のみ作動させられる請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記遵守ゾーンに関する前記データが
該遵守ゾーン用のゾーン識別子と、
該ゾーン識別子が有効かどうかを判定するため使われる周期的冗長検査チェックサムと、を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
遵守ゾーンを確立し、そして該遵守ゾーンと相互作用する、方法であって、
遵守ゾーン指示器を使い、かつ超音波信号を使ってデータを送信する過程であり、該送信する過程が、該遵守ゾーン指示器の近傍の該遵守ゾーンの創生に帰着する様な仕方で行われており、該超音波信号が複数のバーストを有しており、該複数のバーストの中の連続するバーストが予め規定された時間間隔だけ時間的に離れており、そして該複数のバーストの中の該連続するバースト間の全ての該予め規定された時間間隔のシーケンスが該遵守ゾーンを独特に識別する、該送信する過程と、そして
着用デバイスの遵守ゾーン認識部品を使って該遵守ゾーン用の予め規定された相互作用基準を識別する過程であり、該識別する過程が、該着用デバイスが該遵守ゾーン内で該超音波信号を通して該データを受信した時、行われる該識別する過程と、を具備しており、該遵守ゾーン認識部品は該相互作用基準に従い動作する該方法。
【請求項14】
前記遵守ゾーン指示器が移動可能である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
遵守ゾーン指示器を使ってバースト当たり8−10搬送波サイクルで7バーストの超音波信号を送信する過程を更に具備しており、各バーストは連続するパルス間の全時間間隔が有効範囲内にある6パルスのシーケンスである請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記有効範囲が23と27μsの間にあり、かつ23と27μsを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記遵守ゾーンの前記データが、前記超音波信号の前記7バーストの中の連続するバースト間の前記予め規定された時間間隔の全体で符号化される請求項15に記載の方法。
【請求項18】
2つの連続するバースト間の各時間間隔が英数字のデータに対応しており、そして
前記7バースト内で符号化された前記データの全文字の一群が前記遵守ゾーンの前記データと対応する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記超音波信号の各バーストについて、
前記連続するパルス間の全時間間隔が前記有効範囲内にある前記6パルスを受信後に前記遵守ゾーン認識部品を使って超音波信号の1つのバーストを認識する過程と、そして
ブラックアウト期間中該1つのバーストを認識した後、該遵守ゾーン認識部品で受信した追加パルスを無視することにより該遵守ゾーン認識部品で受信した該超音波信号のマルチパス干渉を最小化する過程と、を更に具備する請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記ブラックアウト期間が少なくとも30msである請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記超音波信号内の符号化された前記データを復号するためにプロセッサを使って受信超音波信号を処理する過程と、そして
制御器を使って該プロセッサを制御する過程と、を更に具備する請求項13に記載の方法。
【請求項22】
低電力RCタイマー発振器を使って前記制御器内の時刻を追跡する過程を更に具備する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
フィルターを使って超音波信号に対応しない受信信号の成分を除去する過程と、そして
超音波信号が該フィルターを通過し、該フィルターにより出力された時のみ前記制御器及び前記プロセッサを作動させる過程と、を更に具備する請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記遵守ゾーンに関する前記データが
該遵守ゾーン用のゾーン識別子と、そして
該ゾーン識別子が有効かどうかを判定するために使われる周期的冗長検査チェックサムと、を有する請求項13に記載の方法。
【請求項25】
第1超音波信号を送信する過程であって、該送信が該第1超音波信号の該送信の近傍に於ける遵守ゾーンの創生に帰着する仕方で行われる該送信する過程と、
該第1超音波信号を第1着用デバイスで受信する過程と、
該第1着用デバイスが該遵守ゾーン内で該第1超音波信号を受信した時、該第1着用デバイスを使って該遵守ゾーンと関係する相互作用規準を識別する過程と、
該第1着用デバイスを使って該相互作用基準に関係するアクションを行う過程であって、該アクションが第2着用デバイスと通信する第2超音波信号を送信する過程を有する該アクションを行う過程と、
該第2着用デバイスに於いて該第1着用デバイスからの該第2超音波信号を受信する過程と、そして
該第2着用デバイスに於いて該第2超音波信号の受信を記録する過程と、を具備する方法。
【請求項26】
遵守ゾーンを確立するシステムであって、
超音波信号の複数のバーストを送信するため送信器を制御するようプログラムされた制御器を具備しており、該複数のバーストの中の連続するバーストが予め規定された時間間隔だけ時間的に離れており、該複数のバーストの中の該連続するバースト間の全ての該予め規定された時間間隔のシーケンスが該遵守ゾーンを独特に識別しており、
該送信器は該システムの近傍内の該遵守ゾーンの創生に帰着する仕方で該超音波信号の該複数のバーストを送信するよう構成される該システム。
【請求項27】
前記送信器はバースト当たり8−10搬送波サイクルで7バーストの前記超音波信号を送信し、各バーストが連続するパルス間の全時間間隔が有効範囲内にある6パルスのシーケンスである請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記有効範囲が23と27μsの間にあり、かつ23と27μsを含む請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
2つの連続するバースト間の各時間間隔がデータの英数字に対応し、そして
前記7バースト内で符号化された前記データの全文字の一群が前記遵守ゾーンに関する前記データに対応する請求項27に記載のシステム。
【請求項30】
遵守ゾーンを認識するシステムであって、
該遵守ゾーンを確立する超音波信号を受信するよう構成された受信器と、
プログラムされたプロセッサであって、
該超音波信号の複数のバーストを認識する過程であって、該複数のバーストの中の連続するバーストが予め規定された時間間隔だけ時間的に離れている状態で、該認識をする
過程と、
該複数のバーストの中の該連続するバースト間の全ての該予め規定された時間間隔のシーケンスを復号する過程であって、該シーケンスが該遵守ゾーンを独特に識別するよう、該復号する過程と、そして
該遵守ゾーンの特性に基づき該遵守ゾーン用の予め規定された相互作用基準を識別する過程とを、プログラムされたプロセッサと、を具備する該システム。
【請求項31】
前記超音波信号の各バースト用に、前記プロセッサが
連続するパルス間の全ての該時間間隔が有効範囲内にある第1数のパルスを受信後超音波信号の1つのバーストを認識するよう、そして
ブラックアウト期間中該1つのバーストを認識後受信した追加パルスを無視することにより、該受信器で受信された該超音波信号のマルチパス干渉を最小化するよう、プログラムされる請求項30に記載のシステム。
【請求項32】
パルスの前記第1数が6である請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記有効範囲が23と27μsに間にあり、かつ23と27μsを含む請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記ブラックアウト期間が少なくとも30msである請求項31に記載のシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2012−531108(P2012−531108A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516301(P2012−516301)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/039002
【国際公開番号】WO2010/148206
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(511307074)ザ・ジエネラル・ホスピタル・コーポレーシヨン (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/039002
【国際公開番号】WO2010/148206
【国際公開日】平成22年12月23日(2010.12.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ETHERNET
【出願人】(511307074)ザ・ジエネラル・ホスピタル・コーポレーシヨン (1)
【Fターム(参考)】
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