説明

超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料およびその高機能繊維の製造方法

【課題】該超高分子量ポリエチレンの繊維強度およびモジュラス(modulus)を増加でき、同時に該高分子量ポリエチレン繊維の高クリンプ(crimp),高クリープ(creep)と透光などの欠点を解決する、超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料およびその高機能繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)と分散ナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)をゲル溶液に製備し、そのゲル溶液が或る濃度下にある時に、透光率がゼロに近づき、同時に加熱・熔解し、且つ真空引き・脱泡を経て、異なるスピナレット・ボード(各種なスピナレットの角度,送入長さと排出長さを含む)での紡績,空気の急冷,水相の固化および多段式変温延伸などのステップにより、透光率のほぼゼロに近づく超高強力繊維の複合材料を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料およびその高機能繊維の製造方法を提供するもので、特にナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)を添加して超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のゲル溶液の中に均一に分散し、且つ予定のプロセス(空気の急冷,水相の固化および多段式変温延伸を含む)を経て、つまり該透光率のゼロに近づく高強力繊維の複合材料を取得でき、同時に該超高分子量ポリエチレンの繊維強度を増加し、且つ低クリンプ(crimp),低透光と低クリープ(creep)等の利点を有し、該複合材料が実際な応用上で産業的応用価値を極めて有することを、指す。
【背景技術】
【0002】
故に近年に炭素繊維,芳香族ポリアミド類などの高機能繊維が続いた後に、更に超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維を研究・開発し、該超高分子量ポリエチレン繊維が、高強度,高モジュラス,耐磨耗,耐腐食および耐光などの特性を具し、各領域の用途に広範に応用でき、例えば海洋工事中で、超大型油槽船,海上プラットフォーム及び灯台用の係留用アンカーロープに応用でき、伝統的にスチールワイヤロープを使用して海水中に浸漬することにより錆蝕を引き起こすこと、及びナイロンまたはポリエステル・ケーブルを使用する時に腐食,加水分解と紫外線により分解(degradation)するのでケーブルの強度を低減し、ひいては断裂するなどの欠点を、解決できるが、そして航空工事中で、飛行機の減速用落下傘および重い物吊り下げ用ロープに応用できるが、軍事中で、装甲兵器の殻体,レーダーの保護マスク,ヘルメット等に応用できるが、その他に超高分子量ポリエチレン繊維も、多種なタイプの織物、例えばグローブ,旅行かばんの織り布,スポーツ用品(例えば弓の弦,たこ糸,スキー板と水上スキー板),安全防護用衣類(例えば防弾チョッキ,防刃チョッキ,防爆マットと防刃グローブ)などを製造でき、その中でも超高分子量ポリエチレン繊維が防弾チョッキの上に応用され、低温の条件下で製造でき、その軽量,耐衝撃性,エネルギー吸収および防弾効果が芳香族繊維よりも優れる。
【0003】
但し、該超高分子量ポリエチレン繊維は、依然としてクリンプ(crimp)し易さ,透光し易さ,高クリープ(creep)と高温不耐性などの欠点を有し、実に優れる設計ではなく、そして改善をより期待する。
【0004】
このように整備した超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料およびその高機能繊維のゲル紡績技術上では、目前にオランダDSM及び米国Allied会社のゲル紡績の多数の基礎とプロセス特許は、何れも既に近年に期限が切れ、その中でも期限の切れない二つの特許は、比較的低い分子量の高分子量ポリエチレンにより強力が1.6GPaを超えない繊維製品を製備できることを、強調する。本特許の中で、前述の従来技術に抵触しなく、且つプロセスの上で、より革新し、特許の成果がより優れる。
【0005】
ゲル紡績の肝心な技術の米国特許は、下記の表に示すように帰納する。
【0006】
【表1】

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の該超高分子量ポリエチレン繊維は、クリンプ(crimp)し易さ,抗クリープ(creep)性の悪さ,及び透光し易さ等の欠点を有することに鑑み、従って本発明者は、多年のこの方面に従事する関連の経験に基づき、つまり長い間に努力して研究し且つ実験し、また関連する学理に対応し、ついに本発明の「超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料およびその高機能繊維の製造方法」を開発・設計した。
【0008】
本発明の一つの目的は、超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料およびその高機能繊維の製造方法を提供するもので、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)とナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)を均一に分散して超高分子量ポリエチレンの複合ゲル溶液に製備し、同時に加熱・熔解し、且つ真空引き・脱泡を経て、異なるスピナレット・ボード(各種なスピナレットの角度,送入と排出長さを含む)での紡績,空気の急冷,水相の固化および多段式変温延伸などのステップにより、透光率のほぼゼロに近づく超高強力繊維の複合材料を取得でき、同時に該超高分子量ポリエチレンの繊維強度を増加する。
本発明の他の目的は、超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料およびその高機能繊維の製造方法を提供するもので、本発明の製造方法を介し、該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維よりも低クリンプ,低透光と低クリープの特性を有する高強力繊維の複合材料を取得できる。
【0009】
本発明の更に他の目的は、超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料およびその高機能繊維の製造方法を提供するもので、該複合材料の取得により、海洋および航空工事中のロープ,軍事用装甲兵器の殻体,レーダーの保護マスク,スポーツ用品または安全防護,例えば防弾チョッキ等の異なる領域に応用でき、その中でも該複合材料が防弾チョッキの上に応用され、軽量で且つ低透光率だけではなく、更に防弾効果がより優れる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
貴審査官は、ひいては本発明の技術手段と動作過程をより認識・了解できるために寄与するので、実施例を挙げて図面に対応し、下記のように詳細な説明を行う。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、「超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料およびその高機能繊維の製造方法」であるが、その中でも該複合材料は、それぞれ超高分子量ポリエチレン(Ultra-high Molecular Weight Polyethylene, UHMWPE, その分子量の範囲1,000,000〜10,000,000)及びナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)を利用し、下記の予定のプロセス(空気の急冷,水相の固化および多段式変温延伸を含む)を経て、つまり該透光率のゼロに近づく高強力繊維の複合材料を取得でき、図1及び図2を参照して示すように、該予定のプロセス(空気の急冷,水相の固化および多段式変温延伸を含む)が下記のステップに基づいて処理を行う。
【0012】
ステップ1:該ナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石など…)を改質するが、先ず該ナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)は、比表面積の範囲が100〜1000m2/gに介在し、カルボキシル化の技術により処理し、その末端基がカルボン酸基(COOH)を成す。
【0013】
ステップ2:グラフト反応を行うが、改質した後の該ナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)をグラフト化剤(本発明中に、該グラフト化剤が官能化ポリオレフィン,テトラエトキシシラン(TEOS; Tetraethoxysilane;(C2H5O)4Si),エポキシ,無水マレイン酸(Maleicanhydride),アクリル酸,メタクリル酸,コハク酸などのカルボン酸基…)により、グラフト反応する。
【0014】
ステップ3:ゲル溶液1を製備するが、該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)を溶剤(本発明中に、該溶剤がデカリン(decalin(decahydronaphthalin;C10H18)))の中に加え、同時に超音波振動してグラフト反応した後の該ナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)(その含有量が約該ゲル溶液の10wt%以下を占める)を加え、最後に第1の予定温度の油浴槽(未図示)(該第1の予定温度が100〜150℃)の中に、第1の予定時間(本発明中に、該第1の予定時間が1〜5時間)にて加熱・熔解し、つまりゲル溶液1(該ゲル溶液1の濃度が10〜300kg/m3)を取得でき、そのゲル溶液の透光率がゼロである。
【0015】
ステップ4:真空引きして脱泡を行うが、該ゲル溶液1の中に空気の気泡を含有するので、該ゲル溶液1が紡績を行う時に不均一により断線を引き起こしやすく、従って先ず該ゲル溶液1を紡績槽2の中に注ぎ込み、真空ポンプを利用して真空引きし、該ゲル溶液が脱泡を行う。
【0016】
ステップ5:紡績するが、該ゲル溶液1が気体3又はダブルスクリュー・システム(本発明中に、該気体3が窒素ガス(N2))を利用してポンプ4(本発明中に、該ポンプ4がギアポンプ(gear pump))の中へプッシュし、更に該ポンプ4を介して各種なスピナレット角度および送入/排出長さのスピナレット5(本発明中に、該スピナレット5が乾式スピナレット(dry-jet))へ押し付け、第2の予定温度下(本発明中に、該第2の予定温度が150〜180℃)で第1の予定速度(本発明中に、該第1の予定速度が1〜300m/分間)にてゲル・プロトフィラメント6を押し出し、該ゲル・プロトフィラメント6が半透明液体長繊維である。
【0017】
ステップ6:空気の急冷し、且つ水相の固化冷却するが、該ゲル・プロトフィラメント6を第3の予定温度(本発明中に、該第3の予定温度が0〜60℃)の空気および水浴槽7の環境中へ置き入れて冷却することにより、該ゲル・プロトフィラメント6が凝固して初期ゲル繊維(as-spun
fibers)を取得する。
【0018】
ステップ7:延伸するが、最後に該初期ゲル繊維が熱延伸機(未図示)を利用し、第4の予定温度(本発明中に、該第4の予定温度が70〜140℃)で第1段の恒温延伸を行って予定の倍率(本発明中に、該予定の倍率が1.2〜20倍)にて延伸した後に、更に第5の予定温度(本発明中に、該第5の予定温度が70〜140℃)で第2段の変温延伸を行い、該等の延伸過程中で、何れも第2の予定速度(本発明中に、該第2の予定速度が10〜300mm/分間)にて、延伸を行い、延伸を完成してつまり該高強力繊維の複合材料を取得する。
【0019】
本発明中に、該ゲル溶液1の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の濃度が10〜300kg/m3で、ナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)の含有量が10wt%よりも低くなるように達し、ゲル溶液1の透光率がゼロに近づき、ゲル溶液1を各種なスピナレットの角度(50〜150°)及び送入/排出長さ(1〜30mm)により製備したゲル・プロトフィラメントが更に多段式変温延伸の手順を経った後に、該高強力繊維の複合材料の強度が、約12.5GPaに達することを可能とする。
【0020】
ゲル溶液1の超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の濃度が10〜300kg/m3で、ナノ無機物を添加し、カーボンナノチューブ,アタパルジャイトの範例を挙げて説明する。
【0021】
カーボンナノチューブ,アタパルジャイト(濃度>2wt%(◇,○)及び濃度0wt%(□))を異なるUHMWPEゲル溶液(濃度10〜30kg/m3)へ添加する時に、その繊維が赤い光に対する透光率は、ゼロに近づく(図3参照)。
【0022】
異なる含有量のカーボンナノチューブ,アタパルジャイトを添加するUHMWPEゲル繊維(UHMWPEの濃度10〜30kg/m3、ナノ無機物の濃度0wt%(▽)、>2wt%(◇,☆,△,+,○,□))が一段の簡易な延伸(95℃)を経った後に、引張強さが5.5GPa以上に達することを可能とする(図4参照)。
【0023】
UHMWPE/カーボンナノチューブ及びUHMWPE/アタパルジャイトのゲル繊維(UHMWPEの濃度10〜30kg/m3、ナノ無機物の濃度>2wt%(○,△,□))の引張強さが12.5GPa以上に達することを可能とする(図5参照)。
【0024】
【表2】

【0025】
下記に本発明のステップは、異なる温度,含有量などの条件下で、テストを行い、その結果が下記の通りである。
【0026】
該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)及び該ナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)の加熱熔解温度が100〜150℃である時に、大部分の該ゲル溶液1中の結晶ブロックを熔解でき、その中の該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の分子が該ゲル溶液1の中を充分に運動して突き抜けることを可能とし、且つ巻きつける穏やかなネットワークの構造を形成し、部分の結晶体インゴットが依然として熔解できないことにより該ゲル溶液1の部分不均一を引き起こすことにも関わらず、但し該ゲル溶液1が本質的に依然として固体の性質を有し、同時に該カーボンナノチューブ又は無機物を加え、従って該ネットワークの構造を著しく増強できる。
【0027】
その中でも、該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)及び該ナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)の加熱熔解温度が140℃を超える時に、該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の分子は、温度の増加に連れて、その分子鎖の運動がより激しくなり、ひいては該ゲル溶液1中の該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の結晶体インゴットが殆ど完全に熔解し、同時に該超高分子量の分子が溶剤化(partial solvation)の現象を部分的に起こし、従って、これにより、該ゲル溶液1が140℃を超える時に、その中の該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)及び該カーボンナノチューブまたは無機物分子との熱分解(thermal cracking)を発生する可能性があり、該ネットワークの構造が紡績の過程中でアンラッピングすることを招き、温度が次第に増加することに連れ、該ゲル溶液1の剪断粘度が逆に次第に低減することを招くと推測でき、前述の結果により、該ゲル溶液1の剪断粘度が130〜150℃に最大値に達することを了解できる。
【0028】
そしてテストを介し、0〜10℃に製備されたプロトフィラメントは、他の条件下にて製備されたプロトフィラメントと互いに比較すると、shish-kebabに類似する最も好ましい順向の前駆物質構造,複屈折率,結晶度の性質を有することを見い出すが、そしてこれらの微細構造は、熱延伸過程中で該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の分子を適当にアンラッピングし且つ結晶板の中から有効に引き出すことが出来、同時に緊張する連結分子に対し、比較的に破壊を生成できず、ひいては比較的に後段の熱延伸の中で高倍率の延伸を行うように適する。
【0029】
前述のナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)は、その最も好ましい含有量の下で、該無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)が該初期ゲル繊維の内に適度な分散と順向を達成でき、且つその紡績中の結晶固化過程内で、成核剤の役割を担当し、これにより、該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の成核結晶ブロックを比較的小さく加速でき、且つ加温延伸過程中でアンフォールディング(unfolding)とアンラッピングを比較的容易に行い、ひいては延伸過程中で最大な延伸特性を取得できるが、但し該ナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)の含有量が高すぎる時に、延伸過程中で過度な応力集中を生成して延伸過程中で早めに断裂を招く可能性がある。
【産業上の利用可能性】
【0030】
前述より了解できるのは、本発明の技術が従来の技術と異なるキーポイントが、下記の通りである。
【0031】
一、本発明は、新規性と進歩性を有するが、本発明は、該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の中に該ナノ無機物(例えばアタパルジャイト,カーボンナノチューブ,セピオライト,珪灰石,モンモリロン石などの無機物…)を加え、且つ予定のプロセス(空気の急冷,水相の固化および多段式変温延伸を含む)を経つことにより、つまり該ナノ無機物繊維の複合材料を取得でき、該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のクリンプ(crimp)し易さ,抗クリープ(creep)性の悪さ及び透光し易さ等の欠点を解決でき、従ってその新規性と進歩性を有する。
【0032】
二、本発明は、実用性を有するが、本発明の予定のプロセスが、簡易性を有し、同時に該超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の繊維強度を大幅に向上でき、従ってその実用性を有する。
【0033】
故に、ただ前述の詳細な説明は、本発明に対してより好ましい実行可能な実施例の説明のみで、但し該実施例が本発明の特許請求の範囲を限定するように用いられるものではなく、例えば本発明の掲示する技術精神をまだ逸脱しない下で完成された等価な変化および修正変更が、何れも本発明の跨る特許請求の範囲の中に含まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のフローチャートの模式図である。開始;ステップ1;カーボンナノチューブの改質;ステップ2;グラフト反応の行い;ステップ3;ゲル溶液の製備;ステップ4;該ゲル溶液の真空引き・脱泡;ステップ5;紡績;ステップ6;水浴・冷却;ステップ7;延伸;終了。
【図2】本発明の実施例の模式図である。
【図3】本発明の実施例における繊維の特性を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例における繊維の特性を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例における繊維の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0035】
1 ゲル溶液
2 紡績槽
3 気体
4 ポンプ
5 スピナレット
6 ゲル・プロトフィラメント
7 水浴槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料は、特にナノ無機物を超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)の中に添加し、且つ予定のプロセス(空気の急冷,水相の固化および多段式変温延伸を含む)を経つことにより、該超高強力繊維の複合材料を取得できることを、指すことを特徴とする、超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料。
【請求項2】
該予定のプロセスは、それぞれ該ナノ無機物の改質,グラフト反応,ゲル溶液の製備,真空引き・脱泡,紡績,空気の急冷,水相の固化および多段式変温延伸などのステップを含むことを特徴とする、請求項1に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料。
【請求項3】
該超高分子量ポリエチレンの分子量範囲が、1,000,000〜10,000,000であることを特徴とする、請求項2に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料。
【請求項4】
該ナノ無機物は、改質,グラフト反応および超音波振動を経由したナノ無機物で、その直径が100nm以下に介在し、長さの範囲が1000μm以下であることを特徴とする、請求項2に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料。
【請求項5】
超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法において、該方法は、下記のステップを含むが、
ナノ無機物をカルボキシル化の技術により改質すること、
改質した後の該ナノ無機物をグラフト化剤によりグラフト反応すること、
更に超高分子量ポリエチレンと溶剤が第1の予定温度下で第1の予定時間にて加熱・熔解し、同時にグラフト反応した後の該ナノ無機物を加え、均一なゲル溶液を製備すること、
該ゲル溶液が真空ポンプを利用して真空引きし、該ゲル溶液が脱泡を行うこと、
更に該ゲル溶液がポンプの中へ至り、また該ポンプを介してスピナレットへ押し付け、第2の予定温度下で第1の予定速度にてゲル・プロトフィラメントを押し出すこと、
該ゲル・プロトフィラメントを第3の予定温度の空気および水浴槽の環境中へ置き入れて冷却することにより、該ゲル・プロトフィラメントが初期ゲル繊維に凝固すること、
該初期ゲル繊維が熱延伸機を利用し、第4の予定温度で且つ第2の予定速度にて第1段の恒温延伸を行った後に、更に第5の予定温度で且つ第2の予定速度にて第2段の変温延伸を行い、延伸を完成してつまり該超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維を取得することを特徴とする、超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項6】
該ナノ無機物の末端基がカルボン酸基であることを特徴とする、請求項5に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項7】
該溶剤がデカヒドロナフタレンであることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項8】
該第1の予定温度が100〜150℃であることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項9】
該第1の予定時間が1〜5時間であることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項10】
該ポンプがギアポンプであることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項11】
該スピナレットが乾式スピナレットであることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項12】
該第2の予定温度が150〜180℃であることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項13】
該第1の予定速度が1〜300m/分間であることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項14】
該第3の予定温度が0〜60℃であることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項15】
該第4の予定温度が70〜140℃であることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項16】
該予定の倍率が1.2〜20倍であることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項17】
該第5の予定温度が70〜140℃であることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。
【請求項18】
該第2の予定速度が10〜300mm/分間であることを特徴とする、請求項6に記載の超高分子量ポリエチレン/ナノ無機物複合材料の高機能繊維の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−79920(P2011−79920A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232069(P2009−232069)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(507326249)
【出願人】(509257743)正豐纖維股▲分▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】