説明

超高純度FVIIaの治療製剤および治療製剤を得るための方法

【課題】超高純度FVIIaの治療製剤および治療製剤を得るための方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも1000IU/mgタンパク質の純度を有するFVIIaの治療製剤は、前記製剤が非ヒト由来のタンパク質を含まないことを特徴とする。FVIIを得るための方法において、精製は、FrII+III、FrIII、またはCohn分画の相当物から始まり、PEGによる沈殿、クロマトグラフ、およびそれに続く活性化を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規性および進歩性の顕著な特性を有する、超高純度FVIIaの治療製剤およびその治療製剤を得るための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血友病および肝疾患などの他の関連する疾患における出血の問題の治療には、凝固因子による補充療法が実施されている。
【0003】
血友病A(凝固第VIII因子の欠乏)の最適な治療は、予防レベルと急性発症のいずれでも前記第VIII因子(FVIII)の投与を含む。残念なことに、FVIIIによる治療の問題の1つは、FVIII阻害抗体の出現であり、これはこの治療の有効性を低下させる。
【0004】
他の代替え治療には、活性化プロトロンビン複合体(APCC)濃縮製剤の投与が含まれる。APCCは、ビタミンK依存性凝固因子(第II、VII、IX、およびX因子)および他の随伴タンパク質(基本的にタンパク質Cとタンパク質S)の混合物からなる。これらのAPCCによる治療では、不足していない因子のレベルが高まり、さらにその因子のいくつかは活性型で認められ、そのため、APCCは、患者に播種性血管内凝固などの血栓形成現象を引き起こす可能性がある。
【0005】
第VIII因子の活性とは無関係に凝固を開始するための活性化第VII因子(FVIIa)の能力は、治療上大いに有用であり、それは、第VIII因子を阻害する抗体が生じ、したがって補充療法に十分に反応しない血友病患者の止血能力を復活させることができるからである。他の因子と比較すると、FVIIaは、短い生物学的半減期(約4時間)を有するが、APCCの他の因子は、それよりも長い半減期を有し、そのため蓄積を引き起こす。
【0006】
精製されたFVIIaによる治療の他の利点は、その作用が、その補因子である、損傷部位(関節血症、抜歯、外科的介入など)で放出される組織因子の効用により局在化されることである。現在、FVIIaは、特に、ジクマリンの過剰投与、肝不全、および止血不能な出血など広範な適応症を有する包括的止血剤として考えられる傾向がある。
【0007】
加えて、高純度FVIIaを投与する場合、その高い活性のために、タンパク質の注入は最小限に抑えられ、他の不要なタンパク質は注入されない。
【0008】
血漿由来のFVIIaの製剤は、現在まで、本発明のものと比較して、比較的低いFVIIa活性を示している。BAXTER TRAVENOL LABの「Therapeutic composition containing factor VIIa」に関する米国特許第4479938号では、低純度FVIIaを示しており、FOND NAT TRANSFUSION SANGUINEの「Process for preparing a factor VIIa fraction,and its use as a medicament」に関する欧州特許第0346241号も同様に、低純度FVIIの製剤を示し、これは95から130IU/mgのFVIIaタンパク質の活性を持つものである。
【0009】
FVIIaを工業レベルで精製する知られている方法は、欧州特許第0346241号により示されているように、プロトロンビン複合体または血漿分画の相当フラクションから出発し、選択的沈殿を含む方法および沈殿物を分離するための方法としての遠心分離の使用に基づいている。すでに検証されているように、沈殿に基づく精製プロセスでは、得られる精製度は限られており、さらに、沈殿物の分離が遠心分離による複雑なプロセスを記載しており、これは工業的に複雑で費用のかかる方法である。
【0010】
CENTRAL BLOOD LAB AUTHORITY の「Process for the purification of vitamin K−dependent blood clotting factors」に関する欧州特許第0391974号では、基本的に、FIXの精製を参照しており、これは、金属キレートカラムを使用するクロマトグラフィーを用いて、プロトロンビン複合体から出発する。FIXを得るための洗浄により生じる副産物として、FVIIaではなく、FVIIを得ることが要求されている。得られたFVIIは、低純度(タンパク質1mg当たり約1IU)であり、FIIを含まないことを特徴としているが、かなりの量の他のビタミンK依存因子を含みうる。記載されている方法では、高純度のFVIIaを得ることはできない。金属キレートカラムにおけるクロマトグラフィーでは、銅とともに活性化した樹脂を使用する。本発明で記載されている方法では、金属キレート・クロマトグラフィーは、樹脂をニッケルと共に使用し、これは事前の活性化を必要としない。というのも、洗浄を、高伝導性で行い、そのため、カラム内のFVIIの安定化が可能になり、溶離は、アミノ酸が存在することを必要としないためである。このことにより、出発点がより高純度の物質であるという事実にも関連して、欧州特許第0391974号では得られないであろう、高純度の生成物を得ることが可能になる。
【0011】
血漿FVIIaを精製する他の方法は、(モノクローナル抗体による)免疫親和性によるFVIIの単離および分離に基づく[Vox Sanguinis(2003)84、54〜64頁]。この方法では、高純度は得られるが(40,000IU/mgタンパク質のオーダーの比活性)、最終生成物中での使用される樹脂により放出されるモノクローナル抗体に由来する非ヒト由来のタンパク質の存在をなくすことはできない。これらの非ヒトタンパク質は、治療される患者の抗原反応に関わるであろう。
【0012】
注目すべき他の態様は、FVIIa精製プロセスの出発物質であるが、これは、従来、プロトロンビン複合体(PTC)または同等のフラクションであった。これは、この物質が2つの生成物のうちの1つ、つまりPTCまたはFVIIaのいずれかを得ることのみを意図されている可能性のあることを意味している。FrII+IIIの懸濁液の沈殿物などの、分画で使用されない廃画分であってもよい代替物質から出発してFVIIaを精製することが可能になると、分画された血漿をより効率的に利用できる可能性が広がる。
【特許文献1】米国特許第4479938号
【特許文献2】欧州特許第0346241号
【特許文献3】欧州特許第0391974号
【非特許文献1】Vox Sanguinis(2003)84、54〜64頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の方法により、超高純度FVIIaの治療製剤は、ヒト血漿から始めて、少なくとも1000IU/mgタンパク質または好ましくは6000IU/mgタンパク質で、少なくとも12000IU/mlの濃度で得られる。このFVIIaを得る方法は、FrII+III、FrIII、またはCohn分画の相当物から出発し、PEGによる沈殿およびクロマトグラフィーを含み、その結果得られる生成物は、非ヒト由来のタンパク質を含まない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明では、ヒト血漿から開始したFVIIaの治療製剤が説明され、請求されており、これは、少なくとも1000IU/mgタンパク質純度を有し、6000IU/mgタンパク質超に到達することができるものである。このFVIIaの治療製剤は、非ヒト由来タンパク質を含まず、FVIIaは、その中に、少なくとも12000IU/mlの濃度で存在する。
【0015】
このFVIIは、ヒト血漿の分画の画分II+IIIまたは画分IIIまたは相当物から出発して精製され、精製方法は、PEGによる沈殿およびクロマトグラフィーを含む。
【0016】
第1段階では、出発画分(FrII+III、FrIIIまたは相当物)の懸濁液を、3から5%の範囲のPEG濃度で沈殿させ、その結果得られる沈殿物を、溶解し、5から7%のPEG濃度で再沈殿させ、この沈殿物から上清を回収する。
【0017】
この上清から出発して、FVIIを、QセファロースまたはQセラミック・タイプの樹脂を用いたイオン交換クロマトグラフィーにより捕捉し、pHを変えて溶離を行う。
【0018】
FVIIに富むこの溶出液は、適宜、オクチル・セファロース型の樹脂を用いた疎水性相互作用クロマトグラフィーにより精製する。この手順の特徴は、アンモニウム塩の非存在下で行われるという点である。
【0019】
加えて、NiセファロースHP樹脂を用いた金属キレート・クロマトグラフによるFVIIの精製の段階を実施する。
FVIIを、カルシウムの存在下で活性化する。
【0020】
これは生体由来の生成物であるため、病原因子を排除する少なくとも1つ、好ましくは2つまたはそれ以上の段階を含むようにすることが推奨される。際立った有効性のため、例えば、いずれのクロマトグラフ段階にも先立って溶媒/界面活性剤を使用した処理によるウイルス除去の段階を含むことが好都合である。この方法および得られる生成物は、例えば、ナノ濾過による追加のウイルス除去段階を含むことも可能である。
【0021】
記載されている方法の好ましい一実施形態では、5から5.4の範囲のpHで3.5から4.5%のPEGを使用した沈殿により、FrII+IIIから開始して、FVIIを精製する。得られた沈殿物は再懸濁し、6から7の範囲のpHで5.5から6.5%のPEGにより沈殿させる。この沈殿の上清からのFVIIの吸着は、中性に近いpHでQ−セファロースFFタイプの樹脂を使用したイオン交換および5から6までの範囲のpHでFVIIを溶離することにより実施する。
【0022】
その後、FVIIは、適宜、疎水性相互作用クロマトグラフィーにより精製し、オクチル・セファロースFFタイプの樹脂中でFVIIを吸着させる。この吸着は、中性pHで行う。精製FVIIは、中性pHで10mmol/l無水リン酸二ナトリウム、10mmol/lクエン酸三ナトリウム二水和物、500mmol/lNaClを含む溶液を使って溶離する。
【0023】
FVIIに富む溶出液を、NiセファロースHP樹脂を使用した金属キレートカラムにかけ、7.5から8.5の範囲のpHでFVIIを吸着する。この樹脂により、高伝導状態で、さらに6から7の範囲のpHで、洗浄を実施することが可能になる。10mmol/l無水リン酸二ナトリウム、25mmol/lNaClを含む中性pHに調整した溶液でFVIIを溶離することにより、比活性が約200IU/mgタンパク質である高純度のFVIIを得ることが可能になる。
【0024】
FVIIの活性化は、カルシウムの添加により実施でき、精製プロセスの中間物質または最終物質のいずれにも適用することができ、これは前記したFVIIを得るための条件を変えることがない。
【0025】
同様に、本発明の本質を変えることなく、病原因子を低減する1つまたは複数の段階を実施し、前記のプロセスに適用することができる。
【実施例】
【0026】
例示するため以下で述べるのは、連続する段階1から4に分割された、本発明の例示的な一実施形態である。
【0027】
第1段階
II+IIIのフラクションの抽出物を沈殿させて、不純物を含むFVIIのフラクションを得ること:
II+IIIのフラクションの初期懸濁は、5mmol/lリン酸塩と5%ソルビトールとの抽出溶液を用いて実施した。
【0028】
懸濁が完了した後、攪拌しながら2〜6℃で1時間保持した。pHを調整した後、PEGをフラクションII+IIIの懸濁液に加えて、最終濃度を4%(w/w)とした。添加した後、懸濁液を30分間攪拌した。得られた懸濁液に、ベントナイトを加え、その後20分間攪拌した。この時点から、少なくとも4時間の静置段階を行った。この後、20分間の遠心分離プロセスを行った。遠心分離プロセスが完了した後、上清を沈殿物から分離した。沈殿物を、リン酸緩衝液中に溶解し、この物質とフラクションII+IIIの初期懸濁液の両方についてFVIIの分析的評価を実施した。活性試験では、COASET(登録商標)FVII(CHROMOGENIX)キットを使用した。この方法は、2つの工程に基づいている。第1の工程では、外因的経路(FVII−トロンボプラスチン)により第X因子をFXaに活性化する。第VII因子は、このプロセスでFVIIaに完全に活性化され、したがって、この試験では、活性化される前のFVIIによる干渉はない。第2の工程では、生成された第Xa因子は発色基質S−2765を加水分解し、発色基pNAを放出する。その色は、光度計で405nmである。生成された第Xa因子、すなわち色の強さは、試料の第VII因子の活性に比例する。再構成されたPEG沈殿物は、0.86IU/mlの第VII因子の活性を示す。これらの結果から、FVIIの活性は、フラクションII+III中に存在すること、および記載した条件下で4%PEGを加えることにより得られる沈殿物中においてかなり回収されることがわかる。
【0029】
第2段階
4%PEG沈殿物から開始し、以下の順次的段階に従ってFVIIのフラクションを得て部分的に精製すること:
1.6%PEGによる沈殿:
4%PEGの沈殿物のフラクションの懸濁は、20〜25℃の温度で、抽出液(0.5mol/lNaOHでpH7.5にした5mmol/lリン酸塩、5mmol/lクエン酸塩、および50mmol/lNaCl)により実施した。再懸濁が完了した後、攪拌しながら2時間保持し、その後、5℃まで冷却し、pHを6.5に調整した。この懸濁液を、5±3℃でpH 6.5の45mmol/lリン酸塩、50mmol/lNaClからなる溶液で希釈し、最終濃度6%(w/w)のPEGが得られるまでPEGを加えた。最後に、深皿で濾過することにより6%PEGの上清を清澄にし、PEGから沈殿物を分離した。このプロセスが完了した後、濾過溶液をFVIIの活性およびそのタンパク質含有量(光学濃度により評価)に関して分析し、0.11IU/AUの比活性を得た。この値は、第1段で説明されている方法により評価した、タンパク質概算値でFVIIの活性(IU/ml)を除算する計算で求められた。
【0030】
この時点で、界面活性剤と共に有機溶媒を用いた処理によるウイルス不活化の段階を実施する。これらのウイルス不活化試薬は、その後、以下のクロマトグラフ段階において分離する。
【0031】
2.−イオン交換クロマトグラフィー:
フラクションII+IIIからの6%PEGの清澄化した上清から開始して、APIで20%まで希釈を行い、pHを7.5に調整し、伝導性を低減させた。次いで、QセファロースFF樹脂(すでに平衡化されている)を、得られた溶液に加え、これを、中程度の攪拌をしながら1時間保持した。その後、カラム(FINE LINE FF)への樹脂を含む懸濁液の充填を実施した。充填した後、樹脂を、2〜8℃の温度でpH 7.5に調整した10mmol/lリン酸塩、10mmol/lクエン酸塩、100mmol/lNaClを用いて洗浄した。洗浄が完了したら、溶離液Qをカラム内に注入した。この溶離は、2〜8℃の温度でpH 5.5に調整した10mmol/lリン酸塩、200mmol/lNaClを用いて行った。溶出液Qを評価したところ、FVIIの比活性1.16IU/AUが得られた。
【0032】
3.−疎水性相互作用クロマトグラフィー:
2.5モル/lNaCl、pH 7.0に調整された、温度25±3℃のQセファロース溶出液から始めて、pH 7.0、25±3℃の温度で、10mmol/lリン酸塩、10mmol/lクエン酸塩、2500mmol/lNaClを使用してカラム(オクチル・セファロースFF)を平衡化させた。次に、溶出液をカラム内に注入し、同じ平衡液(25±3℃の温度)で洗浄した。次いで、pH 7.0、25±3℃の温度で10mmol/lリン酸塩、10mmol/lクエン酸塩、500mmol/lNaClを用いて溶離を行った。オクチル溶出液を評価したところ、FVIIの比活性3.79IU/AUという結果が得られた。これからわかるように、この第2段で得られた結果は、清澄化した6%PEG上清における初期値の34倍という3つの段階にわたる比活性の増大を反映している。
【0033】
第3段階
NiセファロースHPにおいてMCクロマトグラフィーを使ってオクチル溶出液から始めて、FVIIの純粋フラクションを得ること:
まず、NiセファロースHPカラムを、pH 8.0±0.05に調整した10mmol/lリン酸塩、1モル/lNaClで平衡化した。次いで、オクチル溶出液をカラム内に注入した。これに続いて、2回洗浄を行った。1回目の洗浄は、高伝導性状態(1モル/lNaCl)の下で、続く2回目の洗浄はpHを下げて(6.5)行った。最後に、pH 7.0に調整した10mmol/lリン酸塩、25mmol/lNaClを含む溶液で特異的な溶離を実施した。その結果得られたNi溶出液について分析的評価を実施し、204IU/AUの比活性の結果を得たが、これは、Q溶出液と比較しておよそ54倍の純度の増大を表している。
【0034】
第4段階
カルシウムの添加によるFVIIの活性化:
この段階では、FVIIは、Niセファロース溶出液から開始し、カルシウムの添加によりFVIIaに活性化した。これのために、FVIIを含有するフラクションを、50mmol/lトリス、30mmol/lNaCl、および2mmol/lCaClの存在下で、20時間、30℃でインキュベートし、FVIIの自動活性化をもたらした。FVIIaの活性に関するこれらの試料の分析的評価は、第1国際FVIIa標準に従ってSTACLOT(登録商標)VIIa−rTFキット(DIAGNOSTICA STAGO)を使用することにより実施した。この方法の原理は、rsTFがFVIIaの補因子としての特異的な機能を持つという事実に基づく。FVIIa、リン脂質、およびカルシウムの存在下でのrsTFは、血漿の血液凝固を生じさせる。このシステムでは、観察された凝固時間は、血漿内に最初に存在するFVIIのレベルに反比例することを示している。rsTFは、FVIIをFVIIaに活性化しないため、試験において存在しているFVIIは、試験に干渉しない。それと平行して、FVIIの活性の評価を、第1段階で説明された方法により実施した。こうして得られた活性化されたフラクション中のFVIIおよびFVIIaの活性の結果から、30.3のIU FVIIa/IU FVIIの比が示された。
【0035】
この4つの段階で説明された手順の組み合わせにより、約6056IU/AUのNi溶出液から得られた活性化された第VII因子の比活性を評価することが可能になる。
【0036】
存在しうるウイルス粒子または他の病原体を排除することを目的として、孔径15ナノメーターのナノフィルタによる溶液のナノ濾過の最終段階を実施する。
【0037】
本発明は、例示的な実施例を含む、前記の説明の中で説明されているが、当業者であれば、開示されている内容に基づいて、本発明の範囲内に含まれる変更形態および代替え形態を導入することができ、また請求項によってのみ限定されることは理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1000IU/mgタンパク質の純度を有し、非ヒト由来のタンパク質を含まないことを特徴とするFVIIaの治療製剤。
【請求項2】
純度が少なくとも6000IU/mgタンパク質であることを特徴とする請求項1に記載のFVIIaの治療製剤。
【請求項3】
FVIIaが少なくとも12000IU/mlの濃度で存在することを特徴とする請求項2に記載のFVIIaの治療製剤。
【請求項4】
FVIIaがヒト血漿に由来することを特徴とする請求項1に記載のFVIIaの治療製剤。
【請求項5】
病原因子を排除する少なくとも1つの段階にかけたことを特徴とする請求項4に記載のFVIIaの治療製剤。
【請求項6】
FVIIを、FrII+III、FrIII、またはCohn分画の相当物から始めて精製し、PEGによる沈殿、クロマトグラフィー、およびその活性化を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項7】
FrII+III、FrIII、または相当物の懸濁液を、3から7%の間のPEG濃度で沈殿させることを特徴とする請求項6に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項8】
FVIIを、イオン交換クロマトグラフィーにより捕捉することを特徴とする請求項6に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項9】
クロマトグラフ溶離を、pHの変化により実施することを特徴とする請求項6に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項10】
FVIIを、疎水性相互作用クロマトグラフィーにより精製することを特徴とする請求項6に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項11】
前記手順を、アンモニウム塩の非存在下で実施することを特徴とする請求項6に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項12】
FVIIの精製の段階を、金属キレート・クロマトグラフィーにより実施することを特徴とする請求項6に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項13】
金属キレート樹脂がNiセファロースHPであることを特徴とする請求項12に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項14】
FVIIを、カルシウムの存在下で活性化することを特徴とする請求項6に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項15】
ウイルス除去の少なくとも1つの特定の段階を含むことを特徴とする請求項6に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項16】
ナノ濾過によるウイルス除去の段階を含むことを特徴とする請求項15に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。
【請求項17】
溶媒/界面活性剤を用いた処理によるウイルス除去の段階を含むことを特徴とする請求項15に記載のFVIIaの治療製剤を得るための方法。

【公開番号】特開2007−217415(P2007−217415A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−35673(P2007−35673)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【出願人】(505395973)
【Fターム(参考)】