足の指の付根保護部材
【課題】下駄や草履などの鼻緒が設けられた履物や先端部に付根を有する足袋などを長時間着用しても付根を痛めない足の指の付根保護部材を提供する。
【解決手段】柔軟材で、足の指の付根に装着可能な形状に成形したことを特徴とする足の指の付根保護部材を提供する。上記構成により、上記付根保護部材を足の親指と人差指との付根に装着してから下駄や足袋を履くと、下駄の鼻緒や足袋の付根部分が、足の指の付根に直接接することなく付根保護部材に接することとなる。そうすると、上記付根保護部材が、下駄の鼻緒や足袋の付根部分により生じる摩擦や圧迫を解消することとなる。そのため、長時間ユーザが上記履物を装着しても、足の指の付根に炎症が生じることなく履き心地の良い状態で活動することが可能となる。
【解決手段】柔軟材で、足の指の付根に装着可能な形状に成形したことを特徴とする足の指の付根保護部材を提供する。上記構成により、上記付根保護部材を足の親指と人差指との付根に装着してから下駄や足袋を履くと、下駄の鼻緒や足袋の付根部分が、足の指の付根に直接接することなく付根保護部材に接することとなる。そうすると、上記付根保護部材が、下駄の鼻緒や足袋の付根部分により生じる摩擦や圧迫を解消することとなる。そのため、長時間ユーザが上記履物を装着しても、足の指の付根に炎症が生じることなく履き心地の良い状態で活動することが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足の指の付根保護部材に関し、詳しくは、下駄や草履などの鼻緒に接する部分の保護材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、下駄、草履、ビーチサンダルなどの鼻緒が設けられた履物を履く場合、足の親指と人差指との付根に鼻緒が差し込まれることとなる。このように鼻緒が差し込まれた状態で歩き回ると、鼻緒と足の指の付根とに摩擦が生じたり、鼻緒が付根を圧迫し続けることとなるので、当該付根に炎症が生じることがある。たとえ足袋を履いても、激しい動き、例えば、踊りをする場合には同様の現象が生じることになる。
【0003】
上記のように足の親指と人差指との付根に炎症が生じると、歩く毎に痛みが付根に走るので、その後の歩行が困難となる。
【0004】
そこで、上記問題を解決するために、特開平11−332609号公報(特許文献1)には、一部に伸縮性部材が使用されている鼻緒および下駄が開示されている。上記構成により、長時間下駄を着用しても、足の指の付根が痛くならず、履き心地が優れるとしている。
【0005】
また、実開平2−53905号公報(特許文献2)には、親指と他の四本の指が入るそれぞれの部分の分れ股に弾性クッション片を固着してなる足袋が開示されている。上記構成により、上述と同様に、長時間足袋を着用しても、付根が痛くならないとしている。
【特許文献1】特開平11−332609号公報
【特許文献2】実開平2−53905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の技術では、上記伸縮性部材の鼻緒を有する下駄もしくは履物にのみ有効であり、伸縮性部材を有しない履物に適用するには、当該伸縮性部材を鼻緒に取り付けなければならないという問題があった。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の技術でも、上記技術の弾性クッション片を有する足袋にのみ有効であり、市販されている一般の足袋には適用できないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、下駄や草履などの鼻緒が設けられた履物や先端部に付根を有する足袋などを長時間着用しても足の指の付根を痛めない足の指の付根保護部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る足の指の付根保護部材は、柔軟材で、足の指の付根に装着可能な形状に成形したことを特徴とする。
【0010】
また、上記形状がV字状である。
【0011】
さらに、V字形の一部に、足の指の付根または足の指の上面一部を被覆する被覆部を備える。
【0012】
また、上記形状がシート状である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の足の指の付根保護部材によれば、柔軟材で、足の指の付根に装着可能な形状に成形するよう構成している。
【0014】
これにより、上記付根保護部材を足の親指と人差指との付根に装着してから下駄や足袋を履くと、下駄の鼻緒や足袋の付根部分が、足の指の付根に直接接することなく付根保護部材に接することとなる。そうすると、上記付根保護部材が、下駄の鼻緒や足袋の付根部分により生じる摩擦や圧迫を解消することとなる。そのため、長時間ユーザが上記履物を装着しても、足の指の付根に炎症が生じることなく履き心地の良い状態で活動することが可能となる。
【0015】
また、上記付根保護部材の形状がV字状であるよう構成している。
【0016】
これにより、上記V字状の付根反故部材が、足の親指と人差指との間から付根までを満遍なく覆い、さらにその上に下駄の鼻緒や足袋の付根部分を差し込むことが可能となる。その結果、足指の付根付近を確実に保護することが可能となる。
【0017】
さらに、V字形の一部に、足の指の付根または足の指の上面一部を被覆する被覆部を備えるよう構成している。
【0018】
これにより、上記付根保護部材を足の親指と人差指との付根に装着してから下駄や足袋などを履いて激しい運動をしても、被覆部が足の指の付根または足の指の上面一部を被覆して、V字状の付根保護部材を足指間から外れないように保持する係止部材としての機能が付与されることとなる。その結果、激しい運動をしても、付根保護部材が付根から外れたり抜け落ちたりすることがない。もちろん、足指の付根に炎症が生じることはない。
【0019】
また、上記形状がシート状であるよう構成している。
【0020】
これにより、上記シート状の付根保護部材を足の親指と人差指との付根に装着する場合は、当該シートを折り曲げて足の指の付根に附合し、その上から下駄の鼻緒や足袋の付根部分を差し込んで、足指の付根を保護することが可能となる。さらに、上記シート状の付根保護部材を装着しない場合は、付根保護部材はシート状であるため、バックやポケットなどに簡単に収納でき、さらに当該シートを収納しても嵩高くならないため、目立たせることなく持ち運びが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明に係る足の指の付根保護部材の実施の形態を図面に基づき詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
(第一の実施の形態)
図1は本発明の第一の実施形態の斜視図、図2は同じく平面図、図3は同じく右側面図である。
【0023】
本発明の足の指の付根保護部材は、ソフトシリコン等の柔軟材で図2に示すように、平面視すると、V字形に形成されている。また、当該足の指の付根保護部材は足の親指と人差指の間には装着することができる大きさになっている。
【0024】
さらに、V字の左右一対の翼部2a、2bは所定の厚みと弾性を有しており、当該所定の厚みは、付根保護部材1が下駄の鼻緒らの摩擦や圧迫を受けても当該摩擦や圧迫を吸収し、特に、足の指の付根に対応する部分、即ち上記V字の翼の底部は特にこの機能が要求されることになる。
【0025】
図4、図5は、上記の構成の付根保護部材を使用する状態を示したものである。図4、図5に示すように、付根保護部材のV字の底部を足の親指と人差指との付根に接するように装着すると、上記V字の両翼先端が開いているので、この状態で、直接下駄や草履を履いたとき、鼻緒が上記V字の底部に差し込まれることになる。これによって、鼻緒と足の親指と人差指との付根は直接接することはなくなるので、上記足指の付根に鼻緒からの強い力が掛かったとしても、足指の付根に炎症が生じることがなくなる。また、付根保護部材を足の親指と人差指との付根に装着した状態で、足袋を履きその上から下駄や草履を履くこともできる。このとき、足袋の親指と他の4本の指の付根は、上記V字の底に附合することになり、その上から鼻緒が差し込まれることになる。従って、上記足袋を履かない状態に比べて更に足の親指と人差指との付根の炎症は少なくなる。
【0026】
(第二の実施の形態)
図6は本発明の第二の実施形態の足の指の付根保護部材を示す斜視図であり、図7は本発明の第二の実施の形態である足の指の付根保護部材を使用している状態を示す。
【0027】
第一の実施の形態と比較して、第二の実施の形態の異なる点は、V字形の中央の上面に、足の指の付根上面の一部を被覆する被覆部3を備えた点である。上記被覆部3は、付根の上面一部を覆う所定の大きさのシート状に形成されている。上記構成により、付根保護部材1を足の指の付根に装着すると、上記シート3が付根の上面一部を被覆するとともに、当該付根に装着したシート3が、V字形の付根保護材料1が外れないように保持する係止部材として機能することになる。その結果、上記付根保護部材1が足指の付根から外れたり抜け落ちたりすることなく、当該付根を確実に保護することが可能となる。特に、付根保護部材1の上から足袋を履いたときには、上記係止部材としての機能を高めることになる。
【0028】
なお、図8に示すように、上記シート3の所定の大きさを広げて、広範囲で足の指の付根を被覆するよう構成しても構わない。上記構成により、シート3の係止部材としての機能を著しく向上させることが可能となる。
【0029】
(第三の実施の形態)
図9は本発明の第三の実施形態の足の指の付根保護部材を示す斜視図であり、図10は本発明の第三の実施の形態である足の指の付根保護部材を使用している状態を示す。
【0030】
他の実施の形態と比較して、第三の実施の形態の異なる点は、足の指の付根保護部材1が、柔軟材よりなるシート状2cで成形されている点である。上記シートの厚み2cは、付根保護部材1が下駄の鼻緒や足袋の付根部分からの摩擦や圧迫を受けても当該摩擦や圧迫を吸収する程度の厚みであり、当該シート2cは所定の弾性を有している。さらに、上記シート2cは足の指の内側に接着可能な粘着部4に粘着されている。上記粘着部4は伸縮性を有する粘着シート4aからなり、当該粘着シート4aの片面に粘着剤が一面に塗布されていて、シート2cが当該粘着剤の塗布された粘着シート4a片面の中央に粘着されている。上記構成により、上記シート2cを足の親指と人差指の付根に当ててから、粘着シート4aで足の親指と人差指の内側に粘着すると、上記付根保護部材1は足の親指と人差指の付根に装着され、上記V字状の付根保護部材と同様の効果を得ることが出来る。
【0031】
さらに、上記粘着シート4aには、複数の通気口4bが当該粘着シート4aの端部近傍に設けられている。そのため、付根保護部材1を長時間粘着させたままでも、粘着シート4aと足の指の表面とに生じる汗が上記通気口4bから外部へ放出されることとなり、足の指の付根が蒸れることはない。
【0032】
また、上記シート2cを足の指の付根に装着しない場合、バックやポケットなどに簡単に収納できるとともに、当該シート2cは嵩高くならないため、目立たせることなく持ち運びが可能となる。
【0033】
(第四の実施の形態)
図11は本発明の第四の実施形態の足の指の付根保護部材を示す斜視図である。
【0034】
第一の実施の形態と比較して、第四の実施の形態の異なる点は、左右一対の翼部2a、2bの上端に、左右の足指の上面一部を被覆する被覆部3をそれぞれ備えた点である。上記被覆部3は、左右の足指の上面一部を覆う程度の所定の大きさのシート状に形成されており、そのシートの形状は足指の先端に近づくにつれてシートの面積が広がる翼の形状を有している。上記構成により、付根保護部材1を足の指の付根に装着すると、上記シート3が左右の足指の上面一部を被覆するとともに、V字形の付根保護材料1が外れないように保持する係止部材として機能することになる。その結果、上記付根保護部材1が足指の付根から外れたり抜け落ちたりすることなく、当該付根を確実に保護することが可能となる。なお、上記シート3の形状は、左右の足指の上面一部を被覆する程度の形状でよく、装着する足指の大きさに合わせて、面積を拡大させても縮小させても構わない。
【0035】
なお、本発明に係る付根保護部材1の柔軟材は、ソフトシリコン等の柔軟性を有する素材で構成しているが、緩衝性、力学的強度、経済性を考慮して、他の合成樹脂やエラストマーなどを使用しても構わない。柔軟材の材質として、例えば、ソフトウレタンなどが挙げられる。
【0036】
また、本発明に係る付根保護部材のV字形の形状は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜調整しても構わない。例えば、付根保護部材の形状をU字形としても、本発明の作用効果を奏する。
【0037】
また、本発明に係る第二の実施の形態と第四の実施の形態との係止部材3は、V字形の一部の上面に備えるよう構成したが、本発明の目的を損なわない範囲で、下面に備えても、上下両面に備えても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明に係る足の指の付根保護部材は、そのまま使用しても有用であるし、下駄の鼻緒や足袋の付根の部分に直接固設しても有用である。下駄や草履などの鼻緒が設けられた履物や先端部に付根を有する足袋などを長時間着用しても足の指の付根を痛めない付根保護部材として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第一の実施形態の付根保護部材の構成を示す斜視図である。
【図2】第一の実施形態の付根保護部材の構成を示す平面図である。
【図3】第一の実施形態の付根保護部材の構成を示す右側面図である。
【図4】第一の実施形態の付根保護部材の使用状態を示す第一の図である。
【図5】第一の実施形態の付根保護部材の使用状態を示す第二の図である。
【図6】第二の実施形態の付根保護部材の構成を示す斜視図である。
【図7】第二の実施形態の付根保護部材の使用状態を示す図である。
【図8】第二の実施形態の他の付根保護部材の構成を示す斜視図である。
【図9】第三の実施形態の付根保護部材の構成を示す斜視図である。
【図10】第三の実施形態の付根保護部材の使用状態を示す図である。
【図11】第四の実施形態の付根保護部材の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 足の指の付根保護部材
2a、2b 翼部
2c シート
3 被覆部
4 粘着部
4a 粘着シート
4b 通気口
【技術分野】
【0001】
本発明は、足の指の付根保護部材に関し、詳しくは、下駄や草履などの鼻緒に接する部分の保護材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、下駄、草履、ビーチサンダルなどの鼻緒が設けられた履物を履く場合、足の親指と人差指との付根に鼻緒が差し込まれることとなる。このように鼻緒が差し込まれた状態で歩き回ると、鼻緒と足の指の付根とに摩擦が生じたり、鼻緒が付根を圧迫し続けることとなるので、当該付根に炎症が生じることがある。たとえ足袋を履いても、激しい動き、例えば、踊りをする場合には同様の現象が生じることになる。
【0003】
上記のように足の親指と人差指との付根に炎症が生じると、歩く毎に痛みが付根に走るので、その後の歩行が困難となる。
【0004】
そこで、上記問題を解決するために、特開平11−332609号公報(特許文献1)には、一部に伸縮性部材が使用されている鼻緒および下駄が開示されている。上記構成により、長時間下駄を着用しても、足の指の付根が痛くならず、履き心地が優れるとしている。
【0005】
また、実開平2−53905号公報(特許文献2)には、親指と他の四本の指が入るそれぞれの部分の分れ股に弾性クッション片を固着してなる足袋が開示されている。上記構成により、上述と同様に、長時間足袋を着用しても、付根が痛くならないとしている。
【特許文献1】特開平11−332609号公報
【特許文献2】実開平2−53905号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の技術では、上記伸縮性部材の鼻緒を有する下駄もしくは履物にのみ有効であり、伸縮性部材を有しない履物に適用するには、当該伸縮性部材を鼻緒に取り付けなければならないという問題があった。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の技術でも、上記技術の弾性クッション片を有する足袋にのみ有効であり、市販されている一般の足袋には適用できないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、下駄や草履などの鼻緒が設けられた履物や先端部に付根を有する足袋などを長時間着用しても足の指の付根を痛めない足の指の付根保護部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る足の指の付根保護部材は、柔軟材で、足の指の付根に装着可能な形状に成形したことを特徴とする。
【0010】
また、上記形状がV字状である。
【0011】
さらに、V字形の一部に、足の指の付根または足の指の上面一部を被覆する被覆部を備える。
【0012】
また、上記形状がシート状である。
【発明の効果】
【0013】
本発明の足の指の付根保護部材によれば、柔軟材で、足の指の付根に装着可能な形状に成形するよう構成している。
【0014】
これにより、上記付根保護部材を足の親指と人差指との付根に装着してから下駄や足袋を履くと、下駄の鼻緒や足袋の付根部分が、足の指の付根に直接接することなく付根保護部材に接することとなる。そうすると、上記付根保護部材が、下駄の鼻緒や足袋の付根部分により生じる摩擦や圧迫を解消することとなる。そのため、長時間ユーザが上記履物を装着しても、足の指の付根に炎症が生じることなく履き心地の良い状態で活動することが可能となる。
【0015】
また、上記付根保護部材の形状がV字状であるよう構成している。
【0016】
これにより、上記V字状の付根反故部材が、足の親指と人差指との間から付根までを満遍なく覆い、さらにその上に下駄の鼻緒や足袋の付根部分を差し込むことが可能となる。その結果、足指の付根付近を確実に保護することが可能となる。
【0017】
さらに、V字形の一部に、足の指の付根または足の指の上面一部を被覆する被覆部を備えるよう構成している。
【0018】
これにより、上記付根保護部材を足の親指と人差指との付根に装着してから下駄や足袋などを履いて激しい運動をしても、被覆部が足の指の付根または足の指の上面一部を被覆して、V字状の付根保護部材を足指間から外れないように保持する係止部材としての機能が付与されることとなる。その結果、激しい運動をしても、付根保護部材が付根から外れたり抜け落ちたりすることがない。もちろん、足指の付根に炎症が生じることはない。
【0019】
また、上記形状がシート状であるよう構成している。
【0020】
これにより、上記シート状の付根保護部材を足の親指と人差指との付根に装着する場合は、当該シートを折り曲げて足の指の付根に附合し、その上から下駄の鼻緒や足袋の付根部分を差し込んで、足指の付根を保護することが可能となる。さらに、上記シート状の付根保護部材を装着しない場合は、付根保護部材はシート状であるため、バックやポケットなどに簡単に収納でき、さらに当該シートを収納しても嵩高くならないため、目立たせることなく持ち運びが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に本発明に係る足の指の付根保護部材の実施の形態を図面に基づき詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
(第一の実施の形態)
図1は本発明の第一の実施形態の斜視図、図2は同じく平面図、図3は同じく右側面図である。
【0023】
本発明の足の指の付根保護部材は、ソフトシリコン等の柔軟材で図2に示すように、平面視すると、V字形に形成されている。また、当該足の指の付根保護部材は足の親指と人差指の間には装着することができる大きさになっている。
【0024】
さらに、V字の左右一対の翼部2a、2bは所定の厚みと弾性を有しており、当該所定の厚みは、付根保護部材1が下駄の鼻緒らの摩擦や圧迫を受けても当該摩擦や圧迫を吸収し、特に、足の指の付根に対応する部分、即ち上記V字の翼の底部は特にこの機能が要求されることになる。
【0025】
図4、図5は、上記の構成の付根保護部材を使用する状態を示したものである。図4、図5に示すように、付根保護部材のV字の底部を足の親指と人差指との付根に接するように装着すると、上記V字の両翼先端が開いているので、この状態で、直接下駄や草履を履いたとき、鼻緒が上記V字の底部に差し込まれることになる。これによって、鼻緒と足の親指と人差指との付根は直接接することはなくなるので、上記足指の付根に鼻緒からの強い力が掛かったとしても、足指の付根に炎症が生じることがなくなる。また、付根保護部材を足の親指と人差指との付根に装着した状態で、足袋を履きその上から下駄や草履を履くこともできる。このとき、足袋の親指と他の4本の指の付根は、上記V字の底に附合することになり、その上から鼻緒が差し込まれることになる。従って、上記足袋を履かない状態に比べて更に足の親指と人差指との付根の炎症は少なくなる。
【0026】
(第二の実施の形態)
図6は本発明の第二の実施形態の足の指の付根保護部材を示す斜視図であり、図7は本発明の第二の実施の形態である足の指の付根保護部材を使用している状態を示す。
【0027】
第一の実施の形態と比較して、第二の実施の形態の異なる点は、V字形の中央の上面に、足の指の付根上面の一部を被覆する被覆部3を備えた点である。上記被覆部3は、付根の上面一部を覆う所定の大きさのシート状に形成されている。上記構成により、付根保護部材1を足の指の付根に装着すると、上記シート3が付根の上面一部を被覆するとともに、当該付根に装着したシート3が、V字形の付根保護材料1が外れないように保持する係止部材として機能することになる。その結果、上記付根保護部材1が足指の付根から外れたり抜け落ちたりすることなく、当該付根を確実に保護することが可能となる。特に、付根保護部材1の上から足袋を履いたときには、上記係止部材としての機能を高めることになる。
【0028】
なお、図8に示すように、上記シート3の所定の大きさを広げて、広範囲で足の指の付根を被覆するよう構成しても構わない。上記構成により、シート3の係止部材としての機能を著しく向上させることが可能となる。
【0029】
(第三の実施の形態)
図9は本発明の第三の実施形態の足の指の付根保護部材を示す斜視図であり、図10は本発明の第三の実施の形態である足の指の付根保護部材を使用している状態を示す。
【0030】
他の実施の形態と比較して、第三の実施の形態の異なる点は、足の指の付根保護部材1が、柔軟材よりなるシート状2cで成形されている点である。上記シートの厚み2cは、付根保護部材1が下駄の鼻緒や足袋の付根部分からの摩擦や圧迫を受けても当該摩擦や圧迫を吸収する程度の厚みであり、当該シート2cは所定の弾性を有している。さらに、上記シート2cは足の指の内側に接着可能な粘着部4に粘着されている。上記粘着部4は伸縮性を有する粘着シート4aからなり、当該粘着シート4aの片面に粘着剤が一面に塗布されていて、シート2cが当該粘着剤の塗布された粘着シート4a片面の中央に粘着されている。上記構成により、上記シート2cを足の親指と人差指の付根に当ててから、粘着シート4aで足の親指と人差指の内側に粘着すると、上記付根保護部材1は足の親指と人差指の付根に装着され、上記V字状の付根保護部材と同様の効果を得ることが出来る。
【0031】
さらに、上記粘着シート4aには、複数の通気口4bが当該粘着シート4aの端部近傍に設けられている。そのため、付根保護部材1を長時間粘着させたままでも、粘着シート4aと足の指の表面とに生じる汗が上記通気口4bから外部へ放出されることとなり、足の指の付根が蒸れることはない。
【0032】
また、上記シート2cを足の指の付根に装着しない場合、バックやポケットなどに簡単に収納できるとともに、当該シート2cは嵩高くならないため、目立たせることなく持ち運びが可能となる。
【0033】
(第四の実施の形態)
図11は本発明の第四の実施形態の足の指の付根保護部材を示す斜視図である。
【0034】
第一の実施の形態と比較して、第四の実施の形態の異なる点は、左右一対の翼部2a、2bの上端に、左右の足指の上面一部を被覆する被覆部3をそれぞれ備えた点である。上記被覆部3は、左右の足指の上面一部を覆う程度の所定の大きさのシート状に形成されており、そのシートの形状は足指の先端に近づくにつれてシートの面積が広がる翼の形状を有している。上記構成により、付根保護部材1を足の指の付根に装着すると、上記シート3が左右の足指の上面一部を被覆するとともに、V字形の付根保護材料1が外れないように保持する係止部材として機能することになる。その結果、上記付根保護部材1が足指の付根から外れたり抜け落ちたりすることなく、当該付根を確実に保護することが可能となる。なお、上記シート3の形状は、左右の足指の上面一部を被覆する程度の形状でよく、装着する足指の大きさに合わせて、面積を拡大させても縮小させても構わない。
【0035】
なお、本発明に係る付根保護部材1の柔軟材は、ソフトシリコン等の柔軟性を有する素材で構成しているが、緩衝性、力学的強度、経済性を考慮して、他の合成樹脂やエラストマーなどを使用しても構わない。柔軟材の材質として、例えば、ソフトウレタンなどが挙げられる。
【0036】
また、本発明に係る付根保護部材のV字形の形状は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜調整しても構わない。例えば、付根保護部材の形状をU字形としても、本発明の作用効果を奏する。
【0037】
また、本発明に係る第二の実施の形態と第四の実施の形態との係止部材3は、V字形の一部の上面に備えるよう構成したが、本発明の目的を損なわない範囲で、下面に備えても、上下両面に備えても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明に係る足の指の付根保護部材は、そのまま使用しても有用であるし、下駄の鼻緒や足袋の付根の部分に直接固設しても有用である。下駄や草履などの鼻緒が設けられた履物や先端部に付根を有する足袋などを長時間着用しても足の指の付根を痛めない付根保護部材として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第一の実施形態の付根保護部材の構成を示す斜視図である。
【図2】第一の実施形態の付根保護部材の構成を示す平面図である。
【図3】第一の実施形態の付根保護部材の構成を示す右側面図である。
【図4】第一の実施形態の付根保護部材の使用状態を示す第一の図である。
【図5】第一の実施形態の付根保護部材の使用状態を示す第二の図である。
【図6】第二の実施形態の付根保護部材の構成を示す斜視図である。
【図7】第二の実施形態の付根保護部材の使用状態を示す図である。
【図8】第二の実施形態の他の付根保護部材の構成を示す斜視図である。
【図9】第三の実施形態の付根保護部材の構成を示す斜視図である。
【図10】第三の実施形態の付根保護部材の使用状態を示す図である。
【図11】第四の実施形態の付根保護部材の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 足の指の付根保護部材
2a、2b 翼部
2c シート
3 被覆部
4 粘着部
4a 粘着シート
4b 通気口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟材で、足の指の付根に装着可能な形状に成形したことを特徴とする足の指の付根保護部材。
【請求項2】
上記形状がV字状である請求項1に記載の足の指の付根保護部材。
【請求項3】
さらに、V字形の一部に、足の指の付根または足の指の上面一部を被覆する被覆部を備えた請求項2に記載の足の指の付根保護部材。
【請求項4】
上記形状がシート状である請求項1に記載の足の指の付根保護部材。
【請求項1】
柔軟材で、足の指の付根に装着可能な形状に成形したことを特徴とする足の指の付根保護部材。
【請求項2】
上記形状がV字状である請求項1に記載の足の指の付根保護部材。
【請求項3】
さらに、V字形の一部に、足の指の付根または足の指の上面一部を被覆する被覆部を備えた請求項2に記載の足の指の付根保護部材。
【請求項4】
上記形状がシート状である請求項1に記載の足の指の付根保護部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−131587(P2009−131587A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28481(P2008−28481)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(507360128)いづり工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(507360128)いづり工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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