説明

足ツボ押圧装置

【課題】軽快に足ツボの押圧が行われ、しかも個人個人の足の形状に対応し、かつ好みの強さに調節できるようにした足ツボ押圧装置を提供することを目的とする。
【解決手段】エアポンプ8が動作し、空気袋7a,7b,7cに空気が送り込まれる。これにより、空気袋7a,7b,7cが膨らみピン部材群4−1,4−2,4−3の各押しピン部材4が上昇して、使用者の足裏のツボを押圧する。設定時間経過後、空気袋7a,7b,7cから空気を流出させることにより、各押しピン部材4が下降する。この押しピン部材4の下降と上昇動作とが繰り返し行われることにより、使用者における足裏のツボに対して適当なマッサージが施工される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足裏のツボを押圧してマッサージする足ツボ押圧装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
足裏のツボは体の臓器と密接につながっていると言われており、そこに理想的な刺激を与えることにより、それと関連があると言われている臓器の働きを高めることが期待できる。
【0003】
足裏マッサージを受けた時に多くの人に具体的に認められる顕著な効果として、施行前に履いていた靴が施行後にはゆるく感じられることが広く知られている。これは、流れが滞っていた血液(オケツ)が指圧によるアシツボへの刺激より解消へと作用することを意味すると考えられている。
【0004】
従来の足ツボマッサージ装置は、足全体をバイブレーションにて揉み解す方法、足全体に圧力を掛ける方法が主流であった。
【0005】
また、足ツボをポイントにて刺激する従来の構造のものとして、機械系にカム機構を利用したものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−131500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の足ツボマッサージ装置では、理想とされるマッサージを指で行う場合と比較し、刺激の強弱が激しく個人個人の足の形状、強さの好みに対応できるものではない。
【0007】
本発明は、従来のかかる実情に鑑みてなされたものであり、軽快に足ツボの押圧が行われ、しかも個人個人の足の形状に対応し、かつ好みの強さに調節できるようにした足ツボ押圧装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するため、本発明の足ツボ押圧装置は、足裏のツボを押圧する足ツボ押圧装置において、空気袋の上部に配置された押しピン部材と、前記空気袋に空気を注入して、膨らませる空気注入部材を備え、前記空気袋が膨らんだ状態で前記押しピン部材を上昇させ、足裏のツボを押圧することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の足ツボ押圧装置は、前記押しピン部材を支持基板に複数設置したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の足ツボ押圧装置は、前記押しピン部材の前記支持基板における設置状態を可変にしたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の足ツボ押圧装置は、前記押しピン部材を前記支持基板に着脱可能に設け、前記押しピン部材の前記支持基板における保持部分に該押しピン部材を保持する弾性部材を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の足ツボ押圧装置は、前記押しピン部材による足裏に対する押圧の圧力と時間を設定する設定手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の足ツボ押圧装置は、前記構成の足ツボ押圧装置を、左右の足にそれぞれ適合させた形状の一対の足ツボ押圧装置部として備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の足ツボ押圧装置は、前記足ツボ押圧装置部の上部に足保持部を設け、該足保持部の開口部を閉鎖した状態で足の各部を保持/固定するための保持手段を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の足ツボ押圧装置は、押しピン部材の上下移動が、押しピン部材の下に空気袋を配置し、その吸気袋へ空気を送って空気袋を膨らませる構造になっているため、円滑で心地よい押圧効果が得られる。
【0016】
また、本発明の足ツボ押圧装置は、押しピン部材の抜き差しにより押しピン部材の位置を変えられる構造であるため、使用者の足の形状、大きさに合わせて調整することができ、さらに、空気袋へ送る空気の量を調整することによって、押しピン部材の押圧力あるいは押圧時間を制御することができるなど、多種多様な使用者個々の好みに対応することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の足ツボ押圧装置の一実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】本実施形態における押圧構造部の平面図である。
【図3】本実施形態における押圧構造部の断面図である。
【図4】本実施形態における電気制御系の要部を示すブロック図である。
【図5】(a),(b)は本実施形態における押しピン部材の脱着状態を示す断面図である。
【図6】本実施形態における使用状態の一例を示す断面図である。
【図7】(a),(b)は本実施形態における使用時の押しピン部材のアップ/ダウン状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明の好適な実施形態を図面にて説明する。
【0019】
図1は本発明の足ツボ押圧装置の一実施形態を示す全体斜視図であり、1,2は右足用と左足用の押圧装置本体であって、それぞれ電気系に接続する電線コード3にて連結している。押圧装置本体1,2の上部には、後で詳述する押しピン部材4と足保持部としてのカバー体5とが設けられている。
【0020】
カバー体5は、樹脂製のものであり、使用者の足の大小及び形状に対応できるように、かつ足の固定が十分に確保できるように、本例では足の先端部(足の甲部分)を保持する保持部分5aと、足の後部(足首)を保持する保持部分5bとの一対からなっている。
【0021】
両保持部分5a,5bは、それぞれ上側が解放されており、解放されている開口から足が自由に出入りできるようになっている。さらに、両保持部分5a,5bの上側の開口部分には、足を保持部分5a,5b内へ入れた状態で確実に保持/固定するため保持手段として、本例では接合/分離が容易な面ファスナー(例えば、マジックテープ:登録商標)Tを設けている。
【0022】
図2に示すように、本実施形態における押圧装置本体1,2の上部に、大別して3か所(足の前部分,足の内側部分,足の後部分)に複数の押しピン部材4からなるピン部材群4−1,4−2,4−3が配設されている。ピン部材群4−1,4−2,4−3は、足の左右の形状、及び足ツボが多く存在する位置に合わせて配設されている。
【0023】
図3に本実施形態における押圧構造部を示しており、押圧装置本体1,2の内部には、制御系の電気回路が搭載されている回路基板部6と、ピン部材群4−1,4−2,4−3の設置位置の下部に対応させてそれぞれ配された空気袋7a,7b,7cと、空気袋7a,7b,7cに空気を送る複数のエアポンプ8とが内蔵されている。
【0024】
図3において、各押しピン部材4は、支持基板9に保持されており、前部分と後部分におけるピン部材群4−1,4−3を構成する複数の押しピン部材4は、支持基板9に着脱可能に設けられている。この場合、支持基板9には、押しピン部材4を保持するため、環状の弾性部材であるOリング10を設け、Oリング10の孔内に押しピン部材4の小径端部を着脱可能に嵌めるようにしている。
【0025】
図4は本実施形態における電気制御系の要部を示すブロック図であり、電源11に各部が電気的に接続され、メモリ素子,CPU(中央演算処理ユニット)などからなる演算装置12に対して、使用者による各種設定条件などが、表示部や入力スイッチ部などからなる設定部13から入力され、演算装置12から各部に制御/制動条件が設定される。
【0026】
演算装置12からの設定出力は、エアポンプ8、及びエアの流出/停止を行うソレノイドバルブ14などの各駆動部に入って各部を設定状態にする。そして、エアポンプ8を作動させて空気袋7a,7b,7cに空気を送り込むことにより、各押しピン部材4が上昇する。また、エアポンプ8を作動させずにソレノイドバルブ14を開くことにより、空気袋7a,7b,7cから空気が流出することによって、各押しピン部材4が下降することになる。
【0026】
以下に、本実施形態の足ツボ押圧装置の使用方法/動作について説明する。
【0027】
図5(a),(b)に示すように、前部分と後部分におけるピン部材群4−1,4−3を構成する複数の押しピン部材4は、支持基板9のOリング10から押しピン部材4の小径端部を抜き取ることで任意のものを取り外すことができる。これにより、例えば図6に示すように、小さな足の使用者である場合などに、自己の足サイズに合うように押しピン部材4の設置位置を変えることにより、自己の足ツボに適合した位置に押しピン部材4を配することができるようになる。
【0028】
このようにして、使用者の足に合わせて押しピン部材4を設置した後、電源11をオンにした後、使用者により、好みに合わせてピン部材群4−1,4−3の押しピン部材4による押圧力と押圧時間とをセットし、動作スイッチをオンにする。動作スイッチのオンにより、エアポンプ8とソレノイドバルブ14が動作し、空気袋7a,7b,7cに空気が送り込まれる。これにより図7(a)に示すように、空気袋7a,7b,7cが膨らみ、ピン部材群4−1,4−3の各押しピン部材4が上昇して、使用者の足裏のツボを押圧する。
【0029】
設定時間が経過後、エアポンプ8を作動させずにソレノイドバルブ14を開くことにより、空気袋7a,7b,7cから空気が流出し、これにより図7(b)に示すように、各押しピン部材4が下降する。この押しピン部材4の下降と上昇動作が繰り返し行われることにより、使用者の足裏に対して、その足ツボに適当なマッサージが施工されることになる。
【0030】
なお、本実施形態の説明のため図示した各部材の形状や寸法などは、図示したものに限定されず、仕様や使用目的等に合わせて適宜設計する必要がある。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、各種状態において足裏に対するマッサージが可能な構造にすることができ、使用者の足の状態を拘束することがない。よって、使用形態範囲の広い足裏のツボ押圧装置が提供される。
【符号の説明】
【0032】
1,2 押圧装置本体
3 電線コード
4 押しピン部材
4−1,4−2,4−3 ピン部材群
5 カバー体
5a,5b 保持部分
6 回路基板部
7a,7b,7c 空気袋
8 エアポンプ
9 支持基板
10 Oリング
11 電源
12 演算装置
13 設定部
14 ソレノイドバルブ
T 面ファスナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足裏のツボを押圧する足ツボ押圧装置において、
空気袋の上部に配置された押しピン部材と、
前記空気袋に空気を注入して、膨らませる空気注入部材を備え、
前記空気袋が膨らんだ状態で前記押しピン部材を上昇させ、足裏のツボを押圧することを特徴とする足ツボ押圧装置。
【請求項2】
前記押しピン部材を支持基板に複数設置したことを特徴とする請求項1に記載の足ツボ押圧装置。
【請求項3】
前記押しピン部材の前記支持基板における設置状態を可変にしたことを特徴とする請求項1又は2に記載の足ツボ押圧装置。
【請求項4】
前記押しピン部材を前記支持基板に着脱可能に設け、前記押しピン部材の前記支持基板における保持部分に該押しピン部材を保持する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の足ツボ押圧装置。
【請求項5】
前記押しピン部材による足裏に対する押圧の圧力と時間を設定する設定手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の足ツボ押圧装置。
【請求項6】
請求項1〜4いずれか1項に記載の構成の足ツボ押圧装置を、左右の足にそれぞれ適合させた形状の一対の足ツボ押圧装置部として備えたことを特徴とする足ツボ押圧装置。
【請求項7】
前記足ツボ押圧装置部の上部に足保持部を設け、該足保持部の開口部を閉鎖した状態で足の各部を保持/固定するための保持手段を設けたことを特徴とする請求項6に記載の足ツボ押圧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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