説明

足型分類装置

【課題】被計測者の歩行に関する運動能力を容易に判断する。
【解決手段】土踏まず検出部144が、圧力分布センサ11における被計測者の足裏と接触する接触領域69から被計測者の足裏に係る土踏まずの状態を示すパラメータを検出する。当該パラメータに基づいて、足首傾斜状態検出部145が、被計測者の足首関節の傾斜状態を検出し、足裏湾曲状態検出部143が、被計測者の足裏の湾曲状態を検出する。分類部146が、足首傾斜状態検出部145及び足裏湾曲状態検出部143の検出結果に基づいて、被計測者の足型を、歩行に関する運動能力の指標となる、扁平型、回内足型、外側荷重足型、回外足型、凹足型、土踏まず変形足型及び正常な足型に分類する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加齢、病気及びケガなどにより歩行に関する運動能力が低下している患者に対して、運動能力を回復させる運動プログラムを提供するにあたって、当該患者の運動能力を判断するために用いられる足型分類装置に関する。
【背景技術】
【0002】
加齢、病気及びケガなどにより歩行に関する運動能力が低下している患者の運動能力を回復させるため、ロードセルを用いて患者の立位状態における重心位置を確認しながら、指示された重心位置と一致するように、患者に重心位置を移動させる訓練を行う技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平07−275307号公報(図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者によって運動能力が異なるため、上述した技術では、当該患者の運動能力を回復させるのに適切な訓練が行われていない可能性がある。この点、指導員が患者に様々な動作を指示することによって患者の運動能力を把握した後に、当該患者の運動能力を回復させるのに適切な運動プログラムを指示することが行われているが、患者の運動能力の把握は、指導員の長年の経験に基づいてなされるため、患者の運動能力を正確に把握することが難しい。
【0005】
本発明の主たる目的は、被計測者の歩行に関する運動能力を容易に把握することができる足型分類装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の足型分類装置は、被計測者から加えられる圧力をそれぞれ検知する複数の圧力検知領域を有する圧力分布センサと、被計測者が前記圧力分布センサ上で静止したときに、前記圧力分布センサからの圧力分布データに含まれる前記複数の圧力検知領域のそれぞれで検知される圧力に対応した出力値から、前記圧力分布センサ上における被計測者の荷重状態を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて、被計測者の足型を分類する足型分類手段とを備えている。
【0007】
本発明によると、圧力分布センサを用いて、歩行に関する運動能力の指標となる被計測者の足型を分類するため、被計測者の歩行に関する運動能力を容易に把握することができる。これにより、被計測者の運動能力を回復させる適切な運動プログラムを容易に指示することができる。
【0008】
本発明においては、前記足型分類手段が、前記検知手段の検知結果から前記圧力分布センサ上における被計測者の各足首関節の左右方向に関する傾斜状態を検出し、検出した前記傾斜状態によって被計測者の足型を分類することが好ましい。これによると、歩行に関する運動能力に関連する足首関節の傾斜状態によって足型を分類するため、被計測者の歩行に関する運動能力を正確に把握することができる。
【0009】
このとき、前記足型分類手段は、被計測者の足首関節が内側に傾斜していることを検出したときは、当該被計測者の足型を回内足型に分類し、被計測者の足首関節が第1閾値以下の角度で外側に傾斜していることを検出したときは、当該被計測者の足型を外側荷重足型に分類し、被計測者の足首関節が前記第1閾値を越える角度で外側に傾斜していることを検出したときは、当該被計測者の足型を回外足型に分類することがより好ましい。これによると、被計測者の足型を、歩行に関する運動能力の指標として好適な、回内足型、外側荷重足型及び回外足型に容易に分類することができる。
【0010】
これらにおいて、前記足型分類手段が、前記圧力分布センサにおける被計測者のそれぞれの足裏と接触する各接触領域のうち、当該被計測者の前後方向に関する中央から前方側の領域である前方領域を、前記左右方向に関する中央から内側の領域である内側領域及び前記中央から外側の領域である外側領域に分割し、当該内側領域に加えられた圧力と当該外側領域に加えられた圧力との差から、前記傾斜状態を検出してもよい。これによると、簡単なアルゴリズムにより、足首関節の傾斜状態を素早く検出することができる。
【0011】
このとき、前記足型分類手段は、被計測者が前記圧力分布センサ上に所定時間静止した状態において、前記内側領域及び前記外側領域に加えられた各圧力の値を積分することが好ましい。これによると、被計測者の静止状態が不安定な場合であっても、被計測者の足首関節の傾斜状態を正確に検出することができる。
【0012】
本発明においては、前記足型分類手段は、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記圧力分布センサ上における被計測者の各足裏の湾曲状態を検出し、検出した前記湾曲状態に基づいて、被計測者の足型を分類することが好ましい。これによると、歩行に関する運動能力に関連する足裏の湾曲状態によって足型を分類するため、被計測者の歩行に関する運動能力を正確に把握することができる。
【0013】
このとき、前記足型分類手段は、前記圧力分布センサにおける、被計測者のそれぞれの足裏に係る踵の重心位置に対応する踵重心位置と当該足裏の第2指の重心位置に対応する第2指重心位置とを結ぶ足長線の中央近傍の一部であって、当該足裏と接触する接触領域の外に位置する土踏まず線分の長さに基づいて、前記湾曲状態を検出することがより好ましい。これによると、湾曲状態を容易に検出することができる。
【0014】
さらに、このとき、前記足型分類手段は、前記接触領域における被計測者の前後方向に関する後方端から1/4の領域において、最も高い圧力が加えられた点を前記踵重心位置とすることがより一層好ましい。これによると、正確な踵重心位置を容易に得ることができる。
【0015】
これらにおいて、前記足型分類手段は、前記接触領域における被計測者の左右方向に関する長さが最も長い領域において、内側から所定比率にある位置を仮想第2指重心位置とし、前記仮想第2指重心位置及び前記踵重心位置を通過する直線と前記接触領域における前記前後方向に関する前方端と接しつつ前記左右方向に延在する直線との交点を前記第2指重心位置とすることが好ましい。これによると、第2指が圧力分布センサに接触していなくても、第2指重心位置を推定することができる。
【0016】
本発明においては、前記足型分類手段は、前記土踏まず線分の長さが0であるとき、被計測者の足型を偏平足型に分類することが好ましい。これによると、被計測者の足型を、歩行に関する運動能力の指標として好適な、偏平足型に容易に分類することができる。
【0017】
また、本発明においては、前記足型分類手段は、前記足長線の長さに対する前記土踏まず線分の長さの比である土踏まず線分長比が、0を越えていると共に第2閾値以下であるとき、被計測者の足型を土踏まず変形足型に分類することが好ましい。これによると、これによると、被計測者の足型を、足裏のサイズに影響されることなく、歩行に関する運動能力の指標として好適な、土踏まず変形足型に容易に且つ正確に分類することができる。
【0018】
本発明においては、前記足型分類手段は、前記足長線の長さに対する前記接触領域に係る被計測者の前後方向に関する中央近傍において最も短い被計測者の左右方向に関する長さの比である幅比に基づいて、前記湾曲状態を検出することがより好ましい。これによると、足裏のサイズに影響されることなく、より正確に湾曲状態を検出することができる。
【0019】
このとき、前記足型分類手段は、前記幅比が第3閾値以下であるときは、被計測者の足型を凹足型に分類することが好ましい。これによると、被計測者の足型を、歩行に関する運動能力の指標として好適な、凹足型に容易に分類することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態の足型分類装置の概略構成を示す外観図である。図2は、足型分類装置1の機能ブロック図である。
【0021】
足型分類装置1は、被計測者が圧力分布センサ11上で静止したときの当該被計測者の足型を、歩行に関する運動能力の特性に対応する、扁平型、回内足型、外側荷重足型、回外足型、凹足型、土踏まず変形足型及び正常な足型(後述)に分類するものである。指導者は、足型分類装置1による被計測者の足型の分類結果に基づいて、被計測者の歩行に関する運動能力を把握し、当該被計測者に対して運動能力を回復させる運動プログラムを指示する。
【0022】
図1に示すように、足型分類装置1は、シート状の圧力分布センサ11と、圧力分布センサ11に接続された圧力検出部12と、パーソナルコンピュータ(パソコン)20と、圧力検出部12とパソコン20とを接続する接続ユニット40とを備えている。接続ユニット40は、インターフェースボックス45及びインターフェースケーブル46を含んでおり、その両端が圧力検出部12及びパソコン20の各入出力インターフェース(図示しない)に接続されている。
【0023】
圧力分布センサ11は、多数の感圧センサ11aが格子状に配置された圧力検知領域を有している。圧力分布センサ11の厚さは、約0.1〜0.2mmである。被計測者がその上に立つための十分な剛性を有する検出板は必要ではなく、被計測者の両足は圧力分布センサ11上に載せることができる。また、圧力分布センサ11は、シート単体での使用も可能であるが、シートの保護の観点から、ゴムシートを緩衝用に積層してもよい。また、床上へのセッティングを容易にする目的でセンサを保持するアルミなどの金属製や樹脂製の板の上に積層してもよい。
【0024】
圧力検出部12は、多数の感圧センサ11aのそれぞれに接続されており、各感圧センサ11aの状態を検出する。本実施形態においては、各感圧センサ11aの状態は、それらに加えられる圧力に対応した0〜255のデジタル出力値によって表される。圧力検出部12は、このデジタル出力値をパソコン20に対して出力する。
【0025】
パソコン20は、ディスプレイ21と、キーボード25と、マウス26と、制御部30(図2参照)とを有している。ここで、制御部30には、足型分類装置1に係る各種動作を制御する足型分類プログラムやデータなどが格納されたハードディスク、足型分類装置1の各部の動作を制御する信号を生成するために各種演算を実行するCPU、CPUでの演算結果などのデータを一時保管するRAMなどが含まれている。
【0026】
制御部30は、図2に示すように、検知部131と、足型分類部141と、表示制御部151とを有している。また、制御部30には、ディスプレイ21と、キーボード25と、マウス26とが接続されている。
【0027】
検知部131は、圧力分布センサ11上における被計測者の荷重状態を検知するものであり、圧力分布データ記憶部132を有している。圧力分布データ記憶部132について、図3を参照しつつ説明する。図3は、被計測者が圧力分布センサ11上で静止しているときの、圧力分布センサ11に対する荷重状態を示した図である。図3においては、荷重状態が等圧線状に表示されている(被計測者のそれぞれの足裏と接触する各接触領域69)。
【0028】
圧力分布データ記憶部132は、圧力検出部12から接続ユニット40を介してパソコン20に送信された圧力分布データを記憶するものである。圧力分布データ記憶部132には、圧力分布センサ11に格子状に配置された多数の感圧センサ11a毎に、計測時間内におけるサンプル時間おきの圧力分布データ(検知結果)が記憶されている。つまり、各サンプル時間に対応する1つの検知時刻における多数の感圧センサ11aの圧力分布データが、検知時刻の数だけ記憶されている。この圧力分布データに基づいて、各感圧センサ11aで検知される圧力の時間的な変化を把握することができる。したがって、図3に示すような、圧力分布センサ11に対する荷重状態を示す圧力分布のみならず、当該圧力分布の時間的な変化をも検知することができる。
【0029】
図2に戻って、足型分類部141は、検知部131の検知結果、すなわち、圧力分布データ記憶部132に記憶された圧力分布データに基づいて、被験者の足型を分類するものである。本実施形態においては、被験者が圧力分布センサ11上で静止したときの足型を分類する。また、足型分類部141は、領域切り出し部142と、足裏湾曲状態検出部143と、足首傾斜状態検出部145と、分類部146とを有している。
【0030】
領域切り出し部142は、圧力分布データ記憶部132に記憶された圧力分布データに基づいて、圧力分布センサ11における被計測者のそれぞれの足裏と接触する各接触領域69を、矩形領域70によって切り出すものである。図3に示すように、矩形領域70は、各足の接触領域69における被計測者を基準とする前方端部及び後方端部と接しつつ左右方向に延びる2本の直線、及び、左方端部及び右方端部と接しつつ前後方向に延びる2本の直線によって画定されている。これにより、矩形領域70によって1つの接触領域69が切り出される。
【0031】
図2に戻って、足裏湾曲状態検出部143は、被計測者の足裏の湾曲状態を検出するものであり、土踏まず検出部144を有している。
【0032】
土踏まず検出部144について、図4を参照しつつ説明する。図4は、土踏まず検出部144の機能を説明するための図である。土踏まず検出部144は、被計測者の足裏に係る土踏まずの状態を示すパラメータを検出するものである。具体的には、土踏まず検出部144は、図4に示すように、接触領域69における左右方向に関して最も大きい幅Wmaxにおいて、内側から37.5%の位置を仮想第2指重心位置P1として検出する。また、土踏まず検出部144は、矩形領域70における前後方向に関する後方端から1/4の部分領域74において、最も高い圧力が加えられる点を踵重心位置P2として検出する。さらに、土踏まず検出部144は、踵重心位置P2と仮想第2指重心位置P1と通過する直線と矩形領域70の前方端辺との交点である第2指重心位置P3を検出し、さらに、踵重心位置P2から第2指重心位置P3まで延在する足長線Hを確定して当該足長線Hの長さL1を検出する。ここで、理想的な足長線は、足裏における第2指の重心位置と踵の重心位置とを結ぶ直線である。しかしながら、第2指が圧力分布センサ11と接触しないことがあるため、仮想第2指重心位置P3を用いて第2指重心位置P3を推定する。
【0033】
さらに、土踏まず検出部144は、足長線Hの一部であって、足長線Hの中央近傍において接触領域69の外に位置する土踏まず線分H’の長さL2を検出する。加えて、土踏まず検出部144は、各矩形領域70において、接触領域69における左右方向に関して最も小さい幅Wminを検出する。これら、足長線Hの長さL1、土踏まず線分H’の長さL2、幅Wminが土踏まずの状態を示すパラメータとなっている。
【0034】
そして、足裏湾曲状態検出部143は、土踏まず検出部144が検出した土踏まずの状態を示すパラメータに基づいて、足裏の湾曲状態として検出する。まず、足裏湾曲状態検出部143は、足長線Hの長さL1に対する、土踏まず検出部144が検出した土踏まず線分H’の長さL2に比である土踏まず線分長比が、所定の閾値(第2閾値:例えば、0.333)以下であるとき(土踏まず線分H’の長さL2が0のときを含む)、当該土踏まず線分長比を被計測者の足裏の湾曲状態として検出する。
【0035】
さらに、足裏湾曲状態検出部143は、それ以外の場合、足長線Hの長さL1に対する、接触領域69における左右方向に関して最も小さい幅Wminの長さの比である幅比を被計測者の足裏の湾曲状態として検出する。
【0036】
図5を参照しつつ、足首傾斜状態検出部145について説明する。図5は、足首傾斜状態検出部145の機能を説明するための図である。足首傾斜状態検出部145は、圧力分布データ記憶部132に記憶された圧力分布データに基づいて、被計測者の足首関節の傾斜状態を検出するものである。具体的には、図5に示すように、足首傾斜状態検出部145は、領域切り出し部142によって切り出された各矩形領域70について、矩形領域70(実質的には接触領域69)のうち、前後方向に関する中央から前方側の領域である前方領域71を、左右方向に関する中央から内側の領域である内側領域72及び中央から外側の領域である外側領域73に分割する。
【0037】
そして、足首傾斜状態検出部145は、計測時間内において内側領域72に加えられた圧力の積分値である内側荷重値R1と、計測時間内において外側領域73に加えられた圧力の積分値である外側荷重値R2との差から、当該被計測者の足首関節の傾斜状態を検出する。つまり、足首傾斜状態検出部145は、内側荷重値R1と外側荷重値R2とに差がなければ、当該被計測者の足首関節が傾斜していないことを検出し、内側荷重値R1が外側荷重値R2より大きくなるに伴って、当該被計測者の足首関節が内側に向かって大きく傾斜していることを検出し、外側荷重値R2が内側荷重値R1より大きくなるに伴って、当該被計測者の足首関節が外側に向かって大きく傾斜していることを検出する。
【0038】
図2に戻って、分類部146は、足裏湾曲状態検出部143によって検出された被計測者の足裏の湾曲状態、及び、足首傾斜状態検出部145によって検出された、被計測者の足首関節の傾斜状態に基づいて、被計測者の足型を分類するものである。
【0039】
分類部146は、足裏湾曲状態検出部143によって土踏まず線分長比が足裏の湾曲状態として検出された場合で、当該土踏まず線分長比が0(土踏まず線分H’の長さL2が0)であるとき、被計測者の足型を扁平型に分類する。扁平型について、図6及び図7を参照しつつ説明する。図6は、扁平型の足型の接触領域69を示した図である。図7は、扁平型の程度と接触領域69との関係を示した図である。なお、図7(a)は、軽度の扁平型の接触領域69を、図7(b)は、中度の扁平型の接触領域69を、図7(c)は、重度の扁平型の接触領域69をそれぞれ示している。図6及び図7に示すように、扁平型は、足裏の湾曲が小さくなることによって、土踏まずの領域が小さくなった足型であり、歩行に関する運動能力が低下していることを示している。したがって、扁平型の程度が大きくなる程、土踏まずの領域が小さくなる。分類部146は、被計測者の足型を扁平型に分類したとき、さらに、扁平型の程度について分類を行う。このとき、分類部146は、足長線Hの長さL1に対する接触領域69の前後方向に関する中央における幅Wcenterの比である中央幅比が大きくなるに伴って、被計測者の足型を軽度、中度、重度の順に分類する。
【0040】
また、分類部146は、足裏湾曲状態検出部143によって土踏まず線分長比が足裏の湾曲状態として検出された場合で、当該土踏まず線分長比が0を越えているとき、土踏まずが変形しているとして、被計測者の足型を土踏まず変形足型に分類する。土踏まず変形足型について、図8を参照しつつ説明する。図8は、土踏まず変形足型の例を示した図である。図8に示すように、土踏まず変形足型は、土踏まずが異常な形状に変形した足型であり、歩行に関する運動能力が低下していることを示している。なお、土踏まず変形足型は、正常な足型から扁平型に移行する途中の形態である。
【0041】
さらに、分類部146は、足裏湾曲状態検出部143によって幅比が足裏の湾曲状態として検出された場合で、当該幅比が所定の閾値(第3閾値:例えば、0.333)以下であるとき、足裏が過剰に湾曲しているとして、被計測者の足型を凹足型に分類する。凹足型について、図9を参照しつつ説明する。図9は、凹足型の例を示した図である。なお、図9(a)は、中央型の凹足型の例を、図9(b)は、後方型の凹足型の例を、図9(c)は、分割型の例をそれぞれ示している。図9に示すように、凹足型は、足裏が過剰に湾曲している足型であり、歩行に関する運動能力が低下していることを示している。そして、分類部146は、被計測者の足型を凹足型に分類したとき、さらに、土踏まず検出部144によって検出された幅Wminが、接触領域69の前後方向に関する中央から所定範囲内に位置しているときは中央型に、当該所定範囲より後方側に位置しているときは後方型に、幅Wminが0になっているときは分割型に分類する。
【0042】
そして、分類部146は、足首傾斜状態検出部145によって、被計測者の足首関節が内側に向かって傾斜していることが検出されたとき、被計測者の足型を回内型に分類し、被計測者の足首関節が所定の閾値(第1閾値)以下の角度で外側に向かって傾斜していることが検出されたとき、被計測者の足型を外側荷重足型に分類し、被計測者の足首関節が所定の閾値(第1閾値)を越える角度で外側に向かって傾斜していることが検出されたとき、被計測者の足型を回外足型に分類する。
【0043】
分類部146は、被計測者の足型が、上記した扁平型、土踏まず変形足型、凹足型、回内型、外側荷重足型及び回外足型のいずれにも分類されないとき、被計測者の足型を正常な足型に分類する。
【0044】
図2に戻って、表示制御部151は、被計測者を圧力分布センサ11上で静止状態させる指示内容と、分類部146によって分類された当該被計測者の足型とをディスプレイ21に表示させるものである。
【0045】
次に、図10を参照しつつ足型分類装置1の動作について説明する。図10は、足型分類装置1の動作を示すフローチャートである。図10に示すように、計測が開始されると、まず、表示制御部151が、被計測者に対して、計測時間の間、圧力分布センサ11上で静止することを指示する内容をディスプレイ21に表示させる。被計測者は、ディスプレイ21に表示されている内容にしたがって、圧力分布センサ11で計測時間の静止する。このとき、圧力分布データ記憶部132に圧力分布データが記憶される。そして、領域切り出し部142が、圧力分布センサ11における被計測者のそれぞれの足裏と接触する各接触領域69を、矩形領域70によって切り出す(ステップS101)。
【0046】
次に、足裏湾曲状態検出部143の土踏まず検出部144が被計測者の足裏に係る土踏まずの状態を示すパラメータを検出する(S102)。そして、足裏湾曲状態検出部143は、土踏まず検出部144によって検出されたパラメータから土踏まず線分長比を算出し、当該土踏まず線分長比が0であるか否かを判断する(S103)。足裏湾曲状態検出部143が、土踏まず線分長比が0であると判断すれば(S103:YES)、分類部146が、被計測者の足型を扁平型に分類すると共に、足長線Hの長さL1に対する接触領域69の前後方向に関する中央における幅Wcenterの比である中央幅比を算出する(S104)。そして、分類部146が、中央幅比が扁平型に係る軽度、中度、重度のいずれに相当するかを判断する(S105)。分類部146は、中央幅比が軽度に相当する場合は(S105:軽度)、被計測者の足型を軽度の扁平型に分類し(S106)、中央幅比が中度に相当する場合は(S105:中度)、被計測者の足型を中度の扁平型に分類し(S107)、中央幅比が重度に相当する場合は(S105:重度)、被計測者の足型を重度の扁平型に分類する(S108)。そして、ディスプレイ21に分類結果を表示してフローチャートを終了する。
【0047】
一方、足裏湾曲状態検出部143が、土踏まず線分長比が0でないと判断すれば(S103:NO)、足首傾斜状態検出部145が、被計測者の足首関節の傾斜状態を検出し(S109)、被計測者の足首関節が傾斜しているか否かを判断する(S110)。足首傾斜状態検出部145が、被計測者の足首関節が傾斜していると判断すれば(S110:YES)、分類部146が、足首関節の傾斜方向を判断する(S111)。分類部146が、被計測者の足首関節が内側に向かって傾斜していると判断した場合は(S111:内側)、被計測者の足型を回内型に分類し(S112)、被計測者の足首関節が所定の閾値(第1閾値)以下の角度で外側に向かって傾斜していると判断した場合は(S111:外側)、被計測者の足型を外側荷重足型に分類し(S113)、被計測者の足首関節が所定の閾値(第1閾値)を越える角度で外側に向かって傾斜していると判断した場合は(S111:外側大)、被計測者の足型を回外足型に分類する(S114)。そして、ディスプレイ21に分類結果を表示してフローチャートを終了する。
【0048】
一方、足首傾斜状態検出部145が、被計測者の足首関節が傾斜していないと判断すれば(S110:NO)、分類部146が、足裏湾曲状態検出部143によって検出された湾曲状態から被計測者の足裏が過剰に湾曲しているか否かを判断する(S115)。分類部146は、被計測者の足裏が過剰に湾曲していると判断すれば(S115:YES)、被計測者の足型を凹足型に分類すると共に、土踏まず検出部144によって検出された幅Wminの位置を判断する(S116)。分類部146は、幅Wminが接触領域69の前後方向に関する中央から所定範囲内に位置している場合は(S116:中央)、被計測者の足型を凹足型の中央型に分類し(S117)、幅Wminが当該所定範囲より後方側に位置しているときは(S116:後方)、被計測者の足型を凹足型の後方型に分類し(S118)、幅Wminが0になっているときは被計測者の足型を凹足型の分割型に分類する(S119)。そして、ディスプレイ21に分類結果を表示してフローチャートを終了する。
【0049】
一方、分類部146は、被計測者の足裏が過剰に湾曲していないと判断すれば(S115:NO)、足裏湾曲状態検出部143によって検出された湾曲状態から被計測者の足裏の土踏まずが変形しているか否かを判断する(S120)。分類部146は、被計測者の足裏の土踏まずが変形していると判断すれば(S120:YES)、被計測者の足型を土踏まず変形足型に分類する(S121)。そして、ディスプレイ21に分類結果を表示してフローチャートを終了する。
【0050】
最後に、分類部146は、被計測者の足裏の土踏まずが変形していないと判断すれば(S120:NO)、被計測者の足型を正常な足型に分類する。そして、ディスプレイ21に分類結果を表示してフローチャートを終了する。
【0051】
以上説明したように、本実施形態の足型分類装置1は、圧力分布センサ11を用いて、被計測者の足型を、歩行に関する運動能力の指標となる被計測者の足型を、扁平型、回内足型、外側荷重足型、回外足型、凹足型、土踏まず変形足型及び正常な足型に分類するため、分類結果に基づいて、被計測者の歩行に関する運動能力を容易に把握することができる。これにより、指導者が、被計測者の運動能力を回復させる適切な運動プログラムを指示することができる。
【0052】
また、分類部146が、足首傾斜状態検出部145によって、被計測者の足首関節が内側に向かって傾斜していることが検出されたとき、被計測者の足型を回内型に分類し、被計測者の足首関節が所定の閾値以下の角度で外側に向かって傾斜していることが検出されたとき、被計測者の足型を外側荷重足型に分類し、被計測者の足首関節が所定の閾値を越える角度で外側に向かって傾斜していることが検出されたとき、被計測者の足型を回外足型に分類する。これにより、被計測者の足型を、歩行に関する運動能力の指標として好適な、回内足型、外側荷重足型及び回外足型に容易に分類することができると共に、被計測者の歩行に関する運動能力を正確に把握することができる。
【0053】
このとき、足首傾斜状態検出部145が、計測時間内において内側領域72に加えられた圧力の積分値である内側荷重値R1と、計測時間内において外側領域73に加えられた圧力の積分値の比率である外側荷重値R2との差から、当該被計測者の足首関節の傾斜状態を検出する。これにより、簡単なアルゴリズムにより、足首関節の傾斜状態を素早く検出することができる。また、各領域に加えられた圧力が積分されているため、被計測者の静止状態が不安定な場合であっても、被計測者の足首関節の傾斜状態を正確に検出することができる。
【0054】
さらに、分類部146が、足裏湾曲状態検出部143によって検出された足裏の湾曲状態に基づいて、被計測者の足型を、歩行に関する運動能力の指標として好適な、扁平型、凹足型及び土踏まず変形足型に分類するため、被計測者の歩行に関する運動能力を正確に把握することができる。
【0055】
このとき、足裏湾曲状態検出部143が、土踏まず線分H’の長さL2を用いて足裏の湾曲状態を検出するため、足裏の湾曲状態を容易に検出することができる。
【0056】
さらに、このとき、土踏まず検出部144が、矩形領域70における前後方向に関する後方端から1/4の部分領域74において、最も高い圧力が加えられる点を踵重心位置P2として検出するため、正確な踵重心位置を容易に得ることができる。
【0057】
また、土踏まず検出部144が、接触領域69における左右方向に関して最も大きい幅Wmaxにおいて、内側から37.5%の位置を仮想第2指重心位置P1として検出し、踵重心位置P2及び仮想第2指重心位置P1から第2指重心位置P3を検出する。このため、第2指が圧力分布センサ11に接触していなくても、第2指重心位置を推定することができる。
【0058】
加えて、分類部146が、土踏まず線分長比が0であるとき、被計測者の足型を扁平型に分類するため、被計測者の足型を扁平型に容易に分類することができる。さらに、分類部146が、土踏まず線分長比が所定の閾値以下であるとき、土踏まずが変形しているとして、被計測者の足型を土踏まず変形足型に分類する。このため、足裏のサイズに影響されることなく、被計測者の足型を土踏まず変形足型に容易に且つ正確に分類することができる。
【0059】
また、足裏湾曲状態検出部143が、足長線Hの長さL1に対する、幅Wminの長さの比である幅比を被計測者の足裏の湾曲状態として検出するため、足裏のサイズに影響されることなく、より正確に湾曲状態を検出することができる。
【0060】
そして、分類部146が、幅比が所定の閾値以下であるとき、足裏が過剰に湾曲しているとして、被計測者の足型を凹足型に分類するため、被計測者の足型を、凹足型に容易に分類することができる。
【0061】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態では、足型分類装置1が、被計測者の足型を、扁平型、回内足型、外側荷重足型、回外足型、凹足型、土踏まず変形足型及び正常な足型に分類する構成であるが、これらの一部のみの足型に分類する構成でもよいし、他の歩行に関する運動能力に対応する足型に分類する構成であってもよい。
【0062】
また、上述した実施形態においては、足首傾斜状態検出部145が、内側荷重値R1と外側荷重値R2との差から当該被計測者の足首関節の傾斜状態を検出する構成であるが、他のアルゴリズムによって足首関節の傾斜状態を検出する構成であってもよい。例えば、前方領域71における重心位置から足首関節の傾斜状態を検出してもよい。
【0063】
加えて、上述した実施形態においては、足裏湾曲状態検出部143が、土踏まず線分H’の長さL2を用いて足裏の湾曲状態を検出する構成であるが、他のアルゴリズムによって足首関節の傾斜状態を検出する構成であってもよい。例えば、接触領域69の形状から直接的に足裏の湾曲状態を検出してもよい。
【0064】
さらに、上述した実施形態においては、扁平型、外側荷重足型、回外足型、回内足型、凹足型及び土踏まず変形足型の順に優先的に足型を分類する構成となっているが、この優先順序は任意のものであってよい。また、被計測者に対して複数種類の足型を分類する構成であってもよい。
【0065】
加えて、上述した本実施形態においては、足型分類装置1は、足型を分類するに留まる構成であるが、足型を分類した後に、分類された足型に対応する運動機能を改善するための運動プログラムをディスプレイ21に表示する構成であってもよい。
【0066】
さらに、上述した本実施形態においては、足型分類装置1が足型の分類結果のみをディスプレイ21に表示する構成であるが、分類結果と共に接触領域69や各種パラメータをディスプレイ21に表示させる構成であってもよい。これにより、指導員は被計測者の運動能力さらに詳細に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る足型分類装置の概略構成を示す外観図である。
【図2】図1の足型分類装置の機能ブロック図である。
【図3】図1の圧力分布センサ上で被計測者が立位静止状態をとっているときの、圧力分布センサに対する荷重状態を示した図である。
【図4】図2の土踏まず検出部の機能を説明するための図である。
【図5】図2の足首傾斜状態検出部の機能を説明するための図である。
【図6】図2の分類部によって分類される扁平型の接触領域を示した図である。
【図7】図3の接触領域と扁平型との関係を示した図である。
【図8】図2の分類部によって分類される土踏まず変形足型の例を示した図である。
【図9】図2の分類部によって分類される凹足型の例を示した図である。
【図10】図1に示す足型分類装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 足型分類装置
11 圧力分布センサ
11a 感圧センサ
12 圧力検出部
21 ディスプレイ
30 制御部
69 接触領域
70 矩形領域
71 前方領域
72 内側領域
73 外側領域
74 部分領域
131 検知部
132 圧力分布データ記憶部
141 足型分類部
142 領域切り出し部
143 足裏湾曲状態検出部
144 土踏まず検出部
145 足首傾斜状態検出部
146 分類部
151 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被計測者から加えられる圧力をそれぞれ検知する複数の圧力検知領域を有する圧力分布センサと、
被計測者が前記圧力分布センサ上で静止したときに、前記圧力分布センサからの圧力分布データに含まれる前記複数の圧力検知領域のそれぞれで検知される圧力に対応した出力値から、前記圧力分布センサ上における被計測者の荷重状態を検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいて、被計測者の足型を分類する足型分類手段とを備えていることを特徴とする足型分類装置。
【請求項2】
前記足型分類手段が、
前記検知手段の検知結果から前記圧力分布センサ上における被計測者の各足首関節の左右方向に関する傾斜状態を検出し、検出した前記傾斜状態によって被計測者の足型を分類することを特徴とする請求項1に記載の足型分類装置。
【請求項3】
前記足型分類手段は、
被計測者の足首関節が内側に傾斜していることを検出したときは、当該被計測者の足型を回内足型に分類し、
被計測者の足首関節が第1閾値以下の角度で外側に傾斜していることを検出したときは、当該被計測者の足型を外側荷重足型に分類し、
被計測者の足首関節が前記第1閾値を越える角度で外側に傾斜していることを検出したときは、当該被計測者の足型を回外足型に分類することを特徴とする請求項2に記載の足型分類装置。
【請求項4】
前記足型分類手段が、
前記圧力分布センサにおける被計測者のそれぞれの足裏と接触する各接触領域のうち、当該被計測者の前後方向に関する中央から前方側の領域である前方領域を、前記左右方向に関する中央から内側の領域である内側領域及び前記中央から外側の領域である外側領域に分割し、
当該内側領域に加えられた圧力と当該外側領域に加えられた圧力との差から、前記傾斜状態を検出することを特徴とする請求項2又は3に記載の足型分類装置。
【請求項5】
前記足型分類手段は、被計測者が前記圧力分布センサ上に所定時間静止した状態において、前記内側領域及び前記外側領域に加えられた各圧力の値を積分することを特徴とする請求項4に記載の足型分類装置。
【請求項6】
前記足型分類手段は、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記圧力分布センサ上における被計測者の各足裏の湾曲状態を検出し、検出した前記湾曲状態に基づいて、被計測者の足型を分類することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の足型分類装置。
【請求項7】
前記足型分類手段は、前記圧力分布センサにおける、被計測者のそれぞれの足裏に係る踵の重心位置に対応する踵重心位置と当該足裏の第2指の重心位置に対応する第2指重心位置とを結ぶ足長線の中央近傍の一部であって、当該足裏と接触する接触領域の外に位置する土踏まず線分の長さに基づいて、前記湾曲状態を検出することを特徴とする請求項6に記載の足型分類装置。
【請求項8】
前記足型分類手段は、前記接触領域における被計測者の前後方向に関する後方端から1/4の領域において、最も高い圧力が加えられた点を前記踵重心位置とすることを特徴とする請求項7に記載の足型分類装置。
【請求項9】
前記足型分類手段は、前記接触領域における被計測者の左右方向に関する長さが最も長い領域において、内側から所定比率にある位置を仮想第2指重心位置とし、前記仮想第2指重心位置及び前記踵重心位置を通過する直線と前記接触領域における前記前後方向に関する前方端と接しつつ前記左右方向に延在する直線との交点を前記第2指重心位置とすることを特徴とする請求項7又は8に記載の足型分類装置。
【請求項10】
前記足型分類手段は、前記土踏まず線分の長さが0であるとき、被計測者の足型を偏平足型に分類することを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の足型分類装置。
【請求項11】
前記足型分類手段は、前記足長線の長さに対する前記土踏まず線分の長さの比である土踏まず線分長比が、0を越えていると共に第2閾値以下であるとき、被計測者の足型を土踏まず変形足型に分類することを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の足型分類装置。
【請求項12】
前記足型分類手段は、前記足長線の長さに対する前記接触領域に係る被計測者の前後方向に関する中央近傍において最も短い被計測者の左右方向に関する長さの比である幅比に基づいて、前記湾曲状態を検出することを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載の足型分類装置。
【請求項13】
前記足型分類手段は、前記幅比が第3閾値以下であるときは、被計測者の足型を凹足型に分類することを特徴とする請求項12に記載の足型分類装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−69229(P2010−69229A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242758(P2008−242758)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000111085)ニッタ株式会社 (588)
【出願人】(307020545)公立大学法人岡山県立大学 (8)
【Fターム(参考)】