説明

足温器

【課題】
従来の足先だけを暖める足温器は脚上部まで暖まらないので、体感的に寒さを払拭出来ない。本発明は足先から上方脚部分までを温める足温器を提供する事にある。
【解決手段】
足を温める面に発熱体(ヒータ5、ヒータ6など)を有し、外側面に前記発熱体を発熱する為の電源接続用二次側プラグ受け7を設け、足温器の最上部から足首近くまで切り込み3を有し、かつ、前記切り込み近傍の外側面を連結する為のフラップ4を有する長靴形状の足温器を提供する事により、この課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気式足温器に関するもの。長靴形状とし、発熱体を配置して、例えば脚全体を暖める足温器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、冷えた足を暖める電気式足温器として、ヒータ等の発熱体を内装した平面マット型がある。この例として特許文献1〜特許文献3に開示されたものがある。
【0003】
【特許文献1】特開平09−173374号公報
【特許文献2】特開平08−071097号公報
【特許文献3】特開平07−231907号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の足温器は寒い環境の中で、冷えた足先を暖めていた。しかし脚部の足首〜膝〜太ももが温まらず、足の冷えは解消しない。
【0005】
従来の足温器は足先より上部が暖まらない故に、ひざ掛けや毛布等で脚全体を包んで足先だけの暖房を補う事になるが、足温中に急な電話、来客等で歩行の必要が発生した場合には、脚全体を包んでいたひざ掛けや毛布等を外す動作が面倒である。
【0006】
又、従来の足温器は、足温器の設置場所に椅子等を置いて使用する。従い、使用するには足温器を設置した特定の場所に限定され、指定席になり、場所を独占してしまう。
【0007】
そこで本発明はこのような問題点を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決する為の請求項1の発明は、足温器を長靴形状とし、足を温める面に、又は内面側に発熱体を有し、外側面に前記発熱体を発熱する為の電源接続用プラグ受けを設けたものである。例えば、足温器の胴体部と足先収納部にヒータ等の発熱体を配置する事で、冷えた足先を含めて脚全体を暖める事を特徴とする足温器である。
【0009】
本発明の足温器は長靴形状であるので、履いたままで場所を移動出来て、自由な場所で使用出来る。
【0010】
又、請求項2の発明は、前記足温器は、その最上部から足首近くまで切り込みを有し、かつ、前記切り込み近傍の外側面を連結するためのフラップ部を有するものである。例えば、足温器の胴体部の最上部から足首近く迄切り込みを設けて、切り込みの一方又は双方に切り込みを境界とした相手の胴体部に重ね合わせる事が出来る長さを持ったフラップを有し、足を出し入れする際は前記フラップを外側に開いて足温器上方の開口部を大きく広げて、足の出し入れを容易にする。
【0011】
請求項3の発明は、前記フラップと、前記フラップと連結される外側面との間にはマジックテープ(登録商標)が設けられているものである。あるいは前記フラップはマジックテープ(登録商標)を有し、前記フラップと連結される外側面には前記マジックテープ(登録商標)と結合するマジックテープ(登録商標)を有するものである。例えば、前記フラップに横長のマジックテープ(登録商標)を設置すれば、足を挿入する時に開いたフラップを、使用者によって異なる脚周りサイズに合わせて結合出来る事を特徴とする足温器である。
【0012】
請求項3の発明では、前記フラップをワンタッチで開閉して、足温器から速やかに足を着脱出来る。
【0013】
請求項4の発明は、前記プラグ受けを長靴形状の足温器の上部に設置したものである。例えば、プラグ受けを手元に近い足温器の最上部近くに付帯させて、差込プラグの脱着を容易にした事を特徴とする足温器である。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、足先だけでなく脚全体(例えば、ふくらはぎから下部、ひざ下全体、あるいは太ももから下全体)を暖めることが出来るので、冷気を防ぐ目的のひざ掛けや毛布等は不要になる。
【0015】
足温器胴体部の長さを、温めようとする身体の部位によって任意な長さに展開出来る。更に、ズボン型への展開も可能である。
【0016】
足温器の胴体部に切り込みを形成すれば、足温器の開口部を広く取れて足の出し入れが容易になる。又、切り込みの一方又は双方には、切り込みを境界とした相手の胴体部に重ね合わせる事が出来る長さを有するフラップにマジックテープ(登録商標)を設けて、相手胴体部にマジックテープ(登録商標)を付帯させる事で、素早い結合又は開放が出来る。又、フラップを相手胴体部に重ね合わせて連結する事により、切り込みの形成で発生する隙間を無くする事が出来る。
【0017】
前記マジックテープ(登録商標)の形状を横長にすれば、挿入した使用者の脚周りサイズに合わせて隙間無く、結合出来る。ズボンなどを着用したままであっても、ズボンの裾の外側から包み込んでの結合が可能である。
【0018】
本発明の足温器は、長靴を履いた時の感覚で、履いた状態のまま、いずれの場所にも移動、そして使用が出来る。
【0019】
長靴形状足温器の最上部近くにプラグ受けを設置すれば手元に近く、容易に差込プラグを着脱出来て、緊急時には足温器が長靴形状である故に足温器本体を履いたままでも歩行が出来る。
【0020】
差込プラグを抜いて、発熱体への通電が遮断された直後の足温器は、余熱で暖かく、時間を掛けて徐々に冷えるので、履いたまま歩行した場合は、足温器を脱いで冷たい床上等を歩行するのに比べて健康に良い。
【0021】
更に、図示しない断熱性の高い材料を使ったスリッパ等を重ねて履けば、発熱体への通電が遮断された場合の足温器本体の余熱温度は下がり難く、保温を長く保つ事が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1の実施の形態は、長靴形状の足温器本体で、本体は胴体部1と足先収納部2から成り、胴体部1は最上部から足首位置近く迄切り込み3が有る。図1は切り込み3の一部を形成するフラップ4の上方を開いて説明用の状態にしている。
【0023】
胴体部1の内面側(例えば、胴体部1の内面布地の内部)と足先収納部2の内面側(例えば、足先収納部2の内面布地の内部)にはヒータ5とヒータ6を配置している。
【0024】
胴体部1の最上部近くには二次側プラグ受け7を付帯させて、図2の二次側差込プラグ15を差し込む事により、図2の一次側差込プラグ11から受けた電力を ヒータ5とヒータ6部分へ供給する。
【0025】
フラップ4には、雄又は雌のマジックテープ(登録商標)の一方8を設けてあり、切り込み3を境界とした相手胴体部9には、雄又は雌のマジックテープ(登録商標)の他方10を設けてある。マジックテープ(登録商標)の一方8とマジックテープ(登録商標)の他方10は必要に応じた横長の長さを取り、合わせ位置をずらせて連結する事により、足温器本体の最上部の開口広さを、使用者の脚周りサイズに合わせて結合出来る。その結果、足温器内の温まった空気を外に逃がさない効果に繋がる。又、歩行時には足温器のずり落ちを防ぐ効果がある。
【0026】
マジックテープ(登録商標)の代わりに紐等での結束であっても同様の効果が期待出来る。
【0027】
図2は、足温器の電気系統の配置図であり、コントローラ側の構成を示す図。図示しない供給電源側から一次側差込プラグ11及び一次側コード12を経て図1のヒータ5とヒータ6部分の温度を設定する為のダイヤル16を有するコントローラ13から2本の各二次側コード14を配置する。
【0028】
前記各二次側コード14の先端には図1の足温器本体の二次側プラグ受け7に接続する二次側差込プラグ15を有している。
【0029】
図3は、本発明装置の全体図であって、図1のフラップ4に配置するマジックテープ(登録商標)の一方8を相手胴体部9のマジックテープ(登録商標)の他方10に貼り合わせて閉じた状態図である。
【0030】
図3は、より詳しくは図2の二次側差込プラグ15を図1の二次側プラグ受け7に装着した状態図である。
【産業上の利用可能性】
【0031】
脚の上部(例えば、ふくらはぎ、ひざ、あるいは太もも)まで暖まるので、家庭で簡易的に足湯気分を味わう娯楽用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】足温器本体の構成と使用法を示した説明図である。
【図2】コントローラ側の構成を示す図である。
【図3】足温器本体とコントローラ側を組み合わせた全体説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1 胴体部
2 足先収納部
3 切り込み
4 フラップ
5 ヒータ
6 ヒータ
7 二次側プラグ受け
8 マジックテープ(登録商標)の一方
9 相手胴体部
10 マジックテープ(登録商標)の他方
11 一次側差込プラグ
12 一次側コード
13 コントローラ
14 二次側コード
15 二次側差込プラグ
16 ダイヤル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面側に発熱体を有し、外側面に前記発熱体を発熱する為の電源接続用プラグ受けを設けた事を特徴とする長靴形状の足温器。
【請求項2】
前記足温器は、その最上部から足首近くまで切り込みを有し、かつ、前記切り込み近傍の外側面を連結するためのフラップ部を有する事を特徴とする請求項1記載の足温器。
【請求項3】
前記フラップと、前記フラップと連結される外側面との間にはマジックテープ(登録商標)が設けられている事を特徴とする請求項2記載の足温器。
【請求項4】
前記プラグ受けを長靴形状の足温器の上部に設置した事を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の足温器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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